IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本電気株式会社の特許一覧

特許7183554音声品質劣化箇所推定装置、方法およびプログラム
<>
  • 特許-音声品質劣化箇所推定装置、方法およびプログラム 図1
  • 特許-音声品質劣化箇所推定装置、方法およびプログラム 図2
  • 特許-音声品質劣化箇所推定装置、方法およびプログラム 図3
  • 特許-音声品質劣化箇所推定装置、方法およびプログラム 図4
  • 特許-音声品質劣化箇所推定装置、方法およびプログラム 図5
  • 特許-音声品質劣化箇所推定装置、方法およびプログラム 図6
  • 特許-音声品質劣化箇所推定装置、方法およびプログラム 図7
  • 特許-音声品質劣化箇所推定装置、方法およびプログラム 図8
  • 特許-音声品質劣化箇所推定装置、方法およびプログラム 図9
  • 特許-音声品質劣化箇所推定装置、方法およびプログラム 図10
  • 特許-音声品質劣化箇所推定装置、方法およびプログラム 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】音声品質劣化箇所推定装置、方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 43/087 20220101AFI20221129BHJP
【FI】
H04L43/087
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018052075
(22)【出願日】2018-03-20
(65)【公開番号】P2019165359
(43)【公開日】2019-09-26
【審査請求日】2021-02-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103090
【弁理士】
【氏名又は名称】岩壁 冬樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124501
【弁理士】
【氏名又は名称】塩川 誠人
(72)【発明者】
【氏名】新藤 匡
【審査官】羽岡 さやか
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-219435(JP,A)
【文献】特開2008-092520(JP,A)
【文献】特開2007-336160(JP,A)
【文献】国際公開第2005/013567(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 43/00
H04L 65/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
観測点が設定された通信装置で取得された、音声端末から送信される通信パケットを記憶する記憶部と、
前記通信パケットに基づいて、前記音声端末から前記観測点までの遅延時間を算出する遅延時間算出部と、
前記通信パケットおよび前記遅延時間に基づいて、各観測点における前記遅延時間の平均である平均遅延時間と各通信パケットの遅延時間との差で算出される値であるゆらぎ度合いを、前記観測点ごとに算出するゆらぎ算出部と、
隣接する観測点の組における前記平均遅延時間の差、および前記ゆらぎ度合いの差が予め定めた基準よりも大きい箇所を音声品質劣化箇所と特定する音声劣化箇所特定部とを備えた
ことを特徴とする音声品質劣化箇所推定装置。
【請求項2】
ゆらぎ算出部は、各観測点における平均遅延時間と各通信パケットの遅延時間との差に基づいて、各観測点におけるゆらぎ度合いを算出する
請求項1記載の音声品質劣化箇所推定装置。
【請求項3】
音声劣化箇所特定部は、ネットワークトポロジ情報に基づいて、隣接する観測点の組を特定し、隣接する観測点の組に含まれる観測点を端点とすることで定まる区間のうち、隣接する観測点の組ごとに比較した平均遅延時間の差およびゆらぎ度合いの差が予め定めた基準よりも大きい区間を音声品質劣化箇所と特定する
請求項1または請求項2記載の音声品質劣化箇所推定装置。
【請求項4】
ゆらぎ算出部は、通信パケットのシーケンス番号を変数とするゆらぎ度合いを近似した近似式を算出する
請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載の音声品質劣化箇所推定装置。
【請求項5】
音声劣化箇所特定部は、隣接する観測点の組に含まれる観測点を端点とすることで定まる区間のうち、平均遅延時間の差およびゆらぎ度合いの差が、予め定めた基準より大きい区間、または、予め定めた上位の順位の区間を音声品質劣化箇所と特定する
請求項1から請求項4のうちのいずれか1項に記載の音声品質劣化箇所推定装置。
【請求項6】
観測点が設定され、音声端末から送信される通信パケットを当該観測点において取得する通信装置と、
前記観測点で取得された通信パケットを収集する音声品質劣化箇所推定装置とを備え、
前記音声品質劣化箇所推定装置は、
収集された通信パケットを記憶する記憶部と、
前記通信パケットに基づいて、前記音声端末から前記観測点までの遅延時間を算出する遅延時間算出部と、
前記通信パケットおよび前記遅延時間に基づいて、各観測点における前記遅延時間の平均である平均遅延時間と各通信パケットの遅延時間との差で算出される値であるゆらぎ度合いを、前記観測点ごとに算出するゆらぎ算出部と、
隣接する観測点の組における前記平均遅延時間の差、および前記ゆらぎ度合いの差が予め定めた基準よりも大きい箇所を音声品質劣化箇所と特定する音声劣化箇所特定部とを含む
ことを特徴とする通信システム。
【請求項7】
ゆらぎ算出部は、各観測点における平均遅延時間と各通信パケットの遅延時間との差に基づいて、各観測点におけるゆらぎ度合いを算出する
請求項6記載の通信システム。
【請求項8】
観測点が設定された通信装置で取得された、音声端末から送信される通信パケットに基づいて、前記音声端末から前記観測点までの遅延時間を算出し、
前記通信パケットおよび前記遅延時間に基づいて、各観測点における前記遅延時間の平均である平均遅延時間と各通信パケットの遅延時間との差で算出される値であるゆらぎ度合いを、前記観測点ごとに算出し、
隣接する観測点の組における前記平均遅延時間の差、および前記ゆらぎ度合いの差が予め定めた基準よりも大きい箇所を音声品質劣化箇所と特定する
ことを特徴とする音声品質劣化推定方法。
【請求項9】
観測点が設定された通信装置が、音声端末から送信される通信パケットを当該観測点において取得し、
前記観測点で取得された通信パケットを収集する音声品質劣化箇所推定装置が、収集された通信パケットを記憶し、
前記音声品質劣化箇所推定装置が、前記通信パケットに基づいて、前記音声端末から前記観測点までの遅延時間を算出し、
前記音声品質劣化箇所推定装置が、前記通信パケットおよび前記遅延時間に基づいて、各観測点における前記遅延時間の平均である平均遅延時間と各通信パケットの遅延時間との差で算出される値であるゆらぎ度合いを、前記観測点ごとに算出し、
前記音声品質劣化箇所推定装置が、隣接する観測点の組における前記平均遅延時間の差、および前記ゆらぎ度合いの差が予め定めた基準よりも大きい箇所を音声品質劣化箇所と特定する
ことを特徴とする音声品質劣化推定方法。
【請求項10】
コンピュータに、
観測点が設定された通信装置で取得された、音声端末から送信される通信パケットに基づいて、前記音声端末から前記観測点までの遅延時間を算出する遅延時間算出処理、
前記通信パケットおよび前記遅延時間に基づいて、各観測点における前記遅延時間の平均である平均遅延時間と各通信パケットの遅延時間との差で算出される値であるゆらぎ度合いを、前記観測点ごとに算出するゆらぎ算出処理、および、
隣接する観測点の組における前記平均遅延時間の差、および前記ゆらぎ度合いの差が予め定めた基準よりも大きい箇所を音声品質劣化箇所と特定する音声劣化箇所特定処理
を実行させるための音声品質劣化推定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音声データの劣化箇所を推定する音声品質劣化箇所推定装置、通信システム、音声品質劣化箇所推定方法および音声品質劣化箇所推定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
音声通信サービスの維持および改善のために、サービスの品質を把握した上で、原因箇所を特定し、改善を行う必要がある。音声品質の評価方法としては、音声サンプルを用いる方法と通信パケットのキャプチャ情報より音声品質を測定する方法が一般的である。
【0003】
音声サンプルから受聴品質を客観的に評価する手法はさまざま提案されている。しかし、音声サンプルを取得する前提として、音声端末に録音機能が搭載されている必要がある。また、法律上の制約により、音声サンプルを音声通信サービスの品質把握に用いることが困難な場合もある。
【0004】
一方で音声サンプルを用いず、音声通信パケット情報から音声品質を測定することも可能である。特許文献1には、遅延ゆらぎを考慮した音声品質推定を行う音声品質推定装置が記載されている。特許文献1に記載された装置は、送信端末から受信端末までの一地点をパケット観測点とし、パケットのシーケンス番号や送信元タイムスタンプ情報に基づいてエンドツーエンドのパケット損失率、音声パケットの遅延、ゆらぎ等から品質を測定する。
【0005】
また、特許文献2は、通信ネットワーク中の品質劣化箇所を推定する装置が記載されている。特許文献2に記載された装置は、経路情報及びフロー品質情報に基づき、同一フローの通信品質が劣化しているか否かを分割区間ごとに判定して区間品質情報を作成する。そして、特許文献2に記載された装置は、複数のフローのそれぞれに関して得られた区間品質情報を組み合わせることによって、品質劣化箇所を推定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2017-192001号公報
【文献】国際公開第2010/001795号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に記載された装置では、送受信端末間で品質劣化の発生が検出されたとしても、端末間のどの機器で発生した劣化なのかを特定することはできない。ここで、劣化が発生した機器を特定するため、複数の観測点を設け、各観測点における音声品質を比較することにより、原因箇所を絞り込んでいく方法も考えられる。しかし、大規模化および複雑化した昨今のネットワーク構成において、多数の観測点から全パケットを採取し、品質の解析、比較を行っていくには多大なコストがかかる。また、観測点を増やすには観測装置の増設やネットワーク構成の変更が必要になるため、好ましいとは言えない。
【0008】
また、特許文献2に記載された装置は、パケットロス率(LOSS)、パケットロスのバースト性、受信レート、遅延ジッタ、伝送遅延時間(DELAY)等の品質情報を対象に分割区間での品質劣化の有無を計算する。具体的には、特許文献2には、sFlow(登録商標)などのルータに実装されている品質計測手法を用いて品質情報を取得することが記載されている。
【0009】
しかし、sFlowを利用する場合、End-to-Endの遅延ジッタ(ゆらぎ)は、RTCP(Real-time Transport Control Protocol)等を用いて解析可能であるが、End-to-Pointの遅延ジッタを解析することは困難である。すなわち、特許文献2には、品質情報の一種として遅延ジッタを挙げているが、遅延ジッタを利用して品質劣化区間の測定をすることは考慮されていない。
【0010】
そこで、本発明は、通信経路上で音声データの品質が劣化する箇所を推定できる音声品質劣化箇所推定装置、通信システム、音声品質劣化箇所推定方法および音声品質劣化箇所推定プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明による音声品質劣化箇所推定装置は、観測点が設定された通信装置で取得された、音声端末から送信される通信パケットを記憶する記憶部と、通信パケットに基づいて、音声端末から観測点までの遅延時間を算出する遅延時間算出部と、通信パケットおよび遅延時間に基づいて、各観測点における遅延時間の平均である平均遅延時間と各通信パケットの遅延時間との差で算出される値であるゆらぎ度合いを、観測点ごとに算出するゆらぎ算出部と、隣接する観測点の組における平均遅延時間の差、およびゆらぎ度合いの差が予め定めた基準よりも大きい箇所を音声品質劣化箇所と特定する音声劣化箇所特定部とを備えたことを特徴とする。
【0012】
本発明による通信システムは、観測点が設定され、音声端末から送信される通信パケットをその観測点において取得する通信装置と、観測点で取得された通信パケットを収集する音声品質劣化箇所推定装置とを備え、音声品質劣化箇所推定装置が、収集された通信パケットを記憶する記憶部と、通信パケットに基づいて、音声端末から観測点までの遅延時間を算出する遅延時間算出部と、通信パケットおよび遅延時間に基づいて、各観測点における遅延時間の平均である平均遅延時間と各通信パケットの遅延時間との差で算出される値であるゆらぎ度合いを、観測点ごとに算出するゆらぎ算出部と、隣接する観測点の組における平均遅延時間の差、およびゆらぎ度合いの差が予め定めた基準よりも大きい箇所を音声品質劣化箇所と特定する音声劣化箇所特定部とを含むことを特徴とする。
【0013】
本発明による音声品質劣化箇所推定方法は、観測点が設定された通信装置で取得された、音声端末から送信される通信パケットに基づいて、音声端末から観測点までの遅延時間を算出し、通信パケットおよび遅延時間に基づいて、各観測点における遅延時間の平均である平均遅延時間と各通信パケットの遅延時間との差で算出される値であるゆらぎ度合いを、観測点ごとに算出し、隣接する観測点の組における平均遅延時間の差、およびゆらぎ度合いの差が予め定めた基準よりも大きい箇所を音声品質劣化箇所と特定することを特徴とする。
【0014】
本発明による他の音声品質劣化箇所推定方法は、観測点が設定された通信装置が、音声端末から送信される通信パケットをその観測点において取得し、観測点で取得された通信パケットを収集する音声品質劣化箇所推定装置が、収集された通信パケットを記憶し、音声品質劣化箇所推定装置が、通信パケットに基づいて、音声端末から観測点までの遅延時間を算出し、音声品質劣化箇所推定装置が、通信パケットおよび遅延時間に基づいて、各観測点における遅延時間の平均である平均遅延時間と各通信パケットの遅延時間との差で算出される値であるゆらぎ度合いを、観測点ごとに算出し、音声品質劣化箇所推定装置が、隣接する観測点の組における平均遅延時間の差、およびゆらぎ度合いの差が予め定めた基準よりも大きい箇所を音声品質劣化箇所と特定することを特徴とする。
【0015】
本発明による音声品質劣化箇所推定プログラムは、コンピュータに、観測点が設定された通信装置で取得された、音声端末から送信される通信パケットに基づいて、音声端末から観測点までの遅延時間を算出する遅延時間算出処理、通信パケットおよび遅延時間に基づいて、各観測点における遅延時間の平均である平均遅延時間と各通信パケットの遅延時間との差で算出される値であるゆらぎ度合いを、観測点ごとに算出するゆらぎ算出処理、および、隣接する観測点の組における平均遅延時間の差、およびゆらぎ度合いの差が予め定めた基準よりも大きい箇所を音声品質劣化箇所と特定する音声劣化箇所特定処理を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、通信経路上で音声データの品質が劣化する箇所を推定できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明による通信システムの一実施形態を示すブロック図である。
図2】音声品質劣化箇所推定装置の構成例を示すブロック図である。
図3】フローデータの例を示す説明図である。
図4】フローデータベースが記憶するフローの例を示す説明図である。
図5】算出された遅延時間およびゆらぎ度合いの例を示す説明図である。
図6】ゆらぎ度合いの傾向の例を示す説明図である。
図7】ゆらぎ度合いの傾向の例を示す説明図である。
図8】各区間における遅延時間およびゆらぎ度合いの差の例を示す説明図である。
図9】通信システムの動作例を示すフローチャートである。
図10】本発明による音声品質劣化箇所推定装置の概要を示すブロック図である。
図11】本発明による通信システムの概要を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0019】
図1は、本発明による通信システムの一実施形態を示すブロック図である。本実施形態の通信システム1は、音声端末10~30と、通信装置R1~R4と、音声品質劣化箇所推定装置100とを備えている。なお、図1に例示する通信システムは、音声端末を3台備えているが、音声端末の台数は3台に限られず、1台または2台であってもよく、4台以上であってもよい。また、図1に例示する通信システムは、通信装置を4台備えているが、通信装置の台数は4台に限られず、1台から3台であってもよく、5台以上であってもよい。
【0020】
本実施形態の通信装置は、例えば、ルータや、スイッチ、計算機など、ネットワーク上のパケットを受信および送信可能な装置により実現される。また、本実施形態の通信装置R1,R3,R4は、パケットサンプリング機能を有する。各通信装置の両端の接続点は、観測点が設定されているものとする。図1に示す例では、通信装置R1の両端にそれぞれ観測点IF1およびIF2が設定され、通信装置R3の両端にそれぞれ観測点IF3およびIF4が設定され、通信装置R4の両端にそれぞれ観測点IF5およびIF6が設定されている。
【0021】
また、本発明では音声通信が流れるネットワーク経路上の複数地点からサンプリングベースで通信パケットを収集し、収集した通信パケットを音声品質劣化箇所推定装置100が管理する。通信パケットをサンプリングベース収集することにより、パケットキャプチャによる音声品質測定と比べ、データ量を低減でき、多数地点のデータ収集および解析を実現できる。昨今では、sFlowやNetFlowなど、サンプリングベースのフロー監視技術を備えたネットワーク装置が増えてきているため、観測点の確保が容易であり、ネットワーク構成を変更することなく、本実施形態の通信システムを導入できる。
【0022】
音声品質劣化箇所推定装置100は、通信装置R2に接続されており、各観測点のサンプリング情報を収集できるものとする。また、本実施形態では、音声端末10と音声端末20との間で音声通信が行われているものとする。なお、図1に例示する音声品質劣化箇所推定装置100は、通信装置R2に接続されているが、音声品質劣化箇所推定装置100が接続される装置は、後述する通信パケット(フローデータ)を収集可能に配置されていれば、特定の通信装置に限られない。
【0023】
図2は、本実施形態の音声品質劣化箇所推定装置の構成例を示すブロック図である。図2に例示する音声品質劣化箇所推定装置200は、図1に例示する音声品質劣化箇所推定装置100に対応する。音声品質劣化箇所推定装置200は、フローデータ受信部201と、フローコレクタ部202と、データ記憶部203と、音声データ抽出部204と、遅延・ゆらぎ計算部205と、音声劣化箇所特定部206とを含む。なお、図2に示す一方向性の矢印は、情報の流れの方向を端的に示したものであり、双方向性を排除するものではない。
【0024】
フローデータ受信部201は、各装置からフローデータを受信する。具体的には、フローデータ受信部201は、通信装置に設定された各観測点で取得されたフローデータを受信する。フローデータには、少なくとも送信元および観測時刻が含まれる。
【0025】
図3は、フローデータの例を示す説明図である。図3に示す例では、フローデータは、各通信パケットが送信された時刻(送信タイムスタンプ)と各観測点で通信パケットが取得された時刻(取得時刻)とを含む。各フローデータは、図3に例示するように、シーケンス番号で区別されていてもよい。
【0026】
フローコレクタ部202は、受信したフローデータをデータ記憶部203に記憶させる。
【0027】
データ記憶部203は、収集されたフローデータを記憶する。データ記憶部203は、例えば、磁気ディスク装置により実現される。
【0028】
また、データ記憶部203は、フローデータベースおよびトポロジデータベースを有する。フローデータベースは、観測点における各フローを特定する情報を記憶する。図4は、フローデータベースが記憶するフローの例を示す説明図である。図4に示す例では、各通信装置における観測点(インタフェース名)ごとに、送信元IPアドレス、送信先IPアドレスおよび宛先ポートを対応付けてフローが管理されていることを示す。また、トポロジデータベースは、ネットワークトポロジ情報を記憶する。ネットワークトポロジ情報は、予めネットワーク管理者等により登録される。図4に示す例では、宛先ポートが5004のフローが、音声通信を表すフローである。
【0029】
音声データ抽出部204は、データ記憶部203に記憶された経路情報から経路上にある観測点を特定し、各観測点を経由する音声データを示すフローデータを抽出する。
【0030】
遅延・ゆらぎ計算部205は、音声データ抽出部204によって抽出されたフローデータを解析し、音声端末から観測点までの遅延時間および観測点におけるゆらぎ度合いを算出する。
【0031】
具体的には、まず、遅延・ゆらぎ計算部205は、音声データ抽出部204によって抽出されたフローデータに含まれる送信元、宛先および時刻をもとに、ネットワークトポロジ情報を用いて通信経路を特定する。遅延・ゆらぎ計算部205は、経路上に存在する各観測点において収集された音声通信のフローデータから送信時刻(送信タイムスタンプ)とサンプリングされた時刻(取得時刻)を特定し、平均遅延時間を計算する。具体的には、遅延・ゆらぎ計算部205は、各観測点で通信パケットが取得された時刻(取得時刻)と、対応する各通信パケットが送信された時刻(送信タイムスタンプ)との差分を遅延時間として算出し、その平均を算出する。
【0032】
また、遅延・ゆらぎ計算部205は、フローデータに含まれるシーケンス番号を変数とし、各観測点における平均遅延時間と各フローデータの遅延時間との差を値とする近似式を作成し、これを各観測点におけるゆらぎ度合いとする。すなわち、遅延・ゆらぎ計算部205は、各観測点における平均遅延時間と各通信パケットの遅延差に基づいて、各観測点におけるゆらぎ度合いを算出する
【0033】
図5は、算出された遅延時間およびゆらぎ度合いの例を示す説明図である。図5に示す例では、各観測点においてフローデータごとの遅延時間および平均遅延時間と遅延時間との差分を算出していることを示す。例えば、観測点IF1において、遅延・ゆらぎ計算部205は、シーケンス番号0で特定されるフローデータの遅延時間を、取得時刻と送信タイムスタンプの差分を算出することで、20msと算出する。また、観測点IF1における平均遅延時間が20msと算出されている場合、遅延・ゆらぎ計算部205は、例えば、シーケンス番号6で特定されるフローデータのゆらぎ度合いを、遅延時間から平均遅延時間を減じることで、10msと算出する。
【0034】
図6および図7は、ゆらぎ度合いの傾向の例を示す説明図である。図6に示す例では、シーケンス番号に沿ってゆらぎ度合いをグラフ化している。また、図7に例示する式は、図6に例示する曲線を3次元多項式で近似した式を表す。遅延・ゆらぎ計算部205は、このようにフローデータの順に沿ってゆらぎ度合いを近似した近似式を算出してもよい。このような近似式をグラフ化することで、ゆらぎ度合いを把握しやすくなる。例えば、IF1におけるゆらぎ度合いとIF3におけるゆらぎ度合いを比較すると、IF3におけるゆらぎ度合いの方が、IF1におけるゆらぎ度合いに比べて大きいことが一見して把握できる。
【0035】
音声劣化箇所特定部206は、遅延・ゆらぎ計算部によって算出された各観測点における遅延およびゆらぎ度合いを隣接する観測点と比較し、音声劣化箇所を特定する。具体的には、音声劣化箇所特定部206は、隣接する観測点における遅延時間およびゆらぎ度合いの差が予め定めた基準よりも大きい箇所を音声品質劣化箇所と特定する。
【0036】
その際、まず、音声劣化箇所特定部206は、データ記憶部203に記憶されたネットワークトポロジ情報より、隣接する観測点の組を特定する。なお、遅延・ゆらぎ計算部205が隣接する観測点の組を特定してもよい。そして、音声劣化箇所特定部206は、隣接する観測点の平均遅延時間とゆらぎ度合いを比較し、その差が予め定めた基準よりも大きい区間を音声品質劣化箇所と特定する。ここで、隣接する観測点とは、ある観測点に対し通信パケットが次に経由する観測点を意味する。音声劣化箇所特定部206は、予め定めた差分より大きい区間を音声品質劣化箇所と特定してもよく、差分が大きい上位N件(Nは自然数)を音声品質劣化箇所と特定してもよい。
【0037】
図8は、各区間における遅延時間およびゆらぎ度合いの差の例を示す説明図である。図1に示す例では、観測点F1と観測点F2、観測点F2と観測点F3、および、観測点F3と観測点F4がそれぞれ隣接する。そこで、音声劣化箇所特定部206は、図8に例示するように、観測点F1と観測点F2、観測点F2と観測点F3、および、観測点F3と観測点F4のそれぞれの平均遅延時間とゆらぎ度合いを算出する。
【0038】
図8に示す例の場合、遅延時間は、観測点F1と観測点F2の区間が最も大きい。また、ゆらぎ度合いは、観測点F2と観測点F3の区間が最も大きい。そこで、音声劣化箇所特定部206は、これらの区間を音声品質劣化箇所と特定してもよい。また、音声劣化箇所特定部206は、遅延時間およびゆらぎ度合いの両方が大きい区間を音声品質劣化箇所と特定してもよい。
【0039】
フローデータ受信部201と、フローコレクタ部202と、音声データ抽出部204と、遅延・ゆらぎ計算部205と、音声劣化箇所特定部206とは、プログラム(音声品質劣化箇所推定プログラム)に従って動作するコンピュータのCPUによって実現される。例えば、プログラムは、データ記憶部203に記憶され、CPUは、そのプログラムを読み込み、プログラムに従って、フローデータ受信部201、フローコレクタ部202、音声データ抽出部204、遅延・ゆらぎ計算部205および音声劣化箇所特定部206として動作してもよい。
【0040】
また、フローデータ受信部201と、フローコレクタ部202と、音声データ抽出部204と、遅延・ゆらぎ計算部205と、音声劣化箇所特定部206は、それぞれが専用のハードウェアで実現されていてもよい。
【0041】
次に、本実施形態の動作を説明する。図9は、本実施形態の通信システム1の動作例を示すフローチャートである。
【0042】
フローコレクタ部202は、通信装置から各観測点におけるフローデータを受信する。フローコレクタ部202は、受信したフローデータをデータ記憶部203に記憶する(ステップS301)。音声データ抽出部204は、データ記憶部203に記憶されたフローデータを抽出する。
【0043】
遅延・ゆらぎ計算部205は、取得したフローデータに含まれる送信元IPアドレスおよび宛先IPアドレス、並びに、ネットワークトポロジ情報から、音声通信の経路上に存在する観測点を特定する(ステップS302)。
【0044】
音声データ抽出部204は、宛先ポート情報をもとに音声データ(RTP(Real-time Transport Protocol))を抽出し、観測点ごとにグルーピングを行う(ステップS303)。
【0045】
遅延・ゆらぎ計算部205は、音声データ(RTP)のヘッダ情報に含まれる送信タイムスタンプ情報および各音声データをサンプリングした時刻に基づいて、送信元から観測点までの各音声データ遅延時間と観測点までの平均遅延時間を計算する(ステップS304)。ステップS303およびステップS304の処理により、例えば、図5に例示する値が計算される。
【0046】
また、遅延・ゆらぎ計算部205は、各音声データ遅延時間の観測点までの平均遅延時間との差を計算し、音声データ(RTP)のヘッダ情報に含まれるシーケンス番号とあわせて、シーケンス番号を変数とする近似式(ゆらぎ度合い)を算出する(ステップS305)。ここでの近似式は、例えば、図7に例示する曲線の近似式である。
【0047】
音声劣化箇所特定部206は、データ記憶部203に記憶されたネットワークトポロジ情報から、隣接する観測点の組を特定する(ステップS306)。そして、音声劣化箇所特定部206は、隣接する観測点の平均遅延時間およびゆらぎ度合いを比較し、その差が大きい区間を音声品質劣化箇所と特定する(ステップS307)。
【0048】
以上のように、本実施形態では、遅延・ゆらぎ計算部205が、音声端末から送信される通信パケットに基づいて、音声端末から観測点までの遅延時間を算出し、通信パケットおよび遅延時間に基づいて、観測点におけるゆらぎ度合いを算出する。そして、音声劣化箇所特定部206が、隣接する観測点における遅延時間およびゆらぎ度合いの差が予め定めた基準よりも大きい箇所を音声品質劣化箇所と特定する。よって、通信経路上で音声データの品質が劣化する箇所を推定できる。
【0049】
すなわち、本実施形態の通信システムを、ネットワークを介して複数端末間で音声通信による会話を行うシステムに適用可能である。具体的には、本実施形態では、ネットワーク機器が保有するフローデータ、例えば、高速ネットワークに適したsFlowやNetFlow等のサンプリング情報を用いて、遅延ゆらぎを考慮した音声品質劣化箇所の推定が可能である。
【0050】
例えば、本実施形態の通信装置として、sFlowやNetFlow等を用いる場合、物理構成を変更せず、機器の設定で対応可能である。また、sFlowやNetFlow以外にも、このようなフローデータを取得する機能を有する装置も増えてきているため、
多数の観測点を容易に確保できる。また、サンプリングベースでフローデータを取得することで、パケットを全キャプチャする方法と比較し、解析コストを低減させることが出来る。
【0051】
次に、本発明の概要を説明する。図10は、本発明による音声品質劣化箇所推定装置の概要を示すブロック図である。本発明による音声品質劣化箇所推定装置80(例えば、音声品質劣化箇所推定装置200)は、観測点(例えば、観測点IF1~IF6)が設定された通信装置(例えば、通信装置R1~R4)で取得された、音声端末(例えば、音声端末10)から送信される通信パケットを記憶する記憶部81(例えば、データ記憶部203)と、通信パケットに基づいて、音声端末から観測点までの遅延時間を算出する遅延時間算出部82(例えば、遅延・ゆらぎ計算部205)と、通信パケットおよび遅延時間に基づいて、観測点におけるゆらぎ度合いを算出するゆらぎ算出部83(例えば、遅延・ゆらぎ計算部205)と、隣接する観測点における遅延時間およびゆらぎ度合いの差が予め定めた基準よりも大きい箇所を音声品質劣化箇所と特定する音声劣化箇所特定部84(例えば、音声劣化箇所特定部206)とを備えている。
【0052】
そのような構成により、通信経路上で音声データの品質が劣化する箇所を推定できる。
【0053】
また、ゆらぎ算出部83は、各観測点における平均遅延時間と各通信パケットの遅延差に基づいて、各観測点におけるゆらぎ度合いを算出してもよい。
【0054】
また、音声劣化箇所特定部84は、ネットワークトポロジ情報に基づいて、隣接する観測点の組を特定し、隣接する観測点の組ごとに比較した平均遅延時間およびゆらぎ度合いの差が予め定めた基準よりも大きい区間を音声品質劣化箇所と特定してもよい。
【0055】
また、ゆらぎ算出部83は、フローデータの順に沿ってゆらぎ度合いを近似した近似式を算出してもよい。
【0056】
また、音声劣化箇所特定部84は、遅延時間およびゆらぎ度合いの差が、予め定めた差より大きい区間、または、予め定めた上位の区間を音声品質劣化箇所と特定してもよい。
【0057】
図11は、本発明による通信システムの概要を示すブロック図である。本発明による通信システム90(例えば、通信システム1)は、観測点(例えば、観測点IF1~IF6)が設定され、音声端末(例えば、音声端末10)から送信される通信パケットをその観測点において取得する通信装置91(例えば、通信装置R1~R4)と、観測点で取得された通信パケットを収集する音声品質劣化箇所推定装置70(例えば、音声品質劣化箇所推定装置200)とを備えている。
【0058】
音声品質劣化箇所推定装置70は、収集された通信パケットを記憶する記憶部71(例えば、データ記憶部203)と、通信パケットに基づいて、音声端末から観測点までの遅延時間を算出する遅延時間算出部72(例えば、遅延・ゆらぎ計算部205)と、通信パケットおよび遅延時間に基づいて、観測点におけるゆらぎ度合いを算出するゆらぎ算出部73(例えば、遅延・ゆらぎ計算部205)と、隣接する観測点における遅延時間およびゆらぎ度合いの差が予め定めた基準よりも大きい箇所を音声品質劣化箇所と特定する音声劣化箇所特定部74(例えば、音声劣化箇所特定部206)とを含む。
【0059】
そのような構成によっても、通信経路上で音声データの品質が劣化する箇所を推定できる。
【0060】
また、ゆらぎ算出部73は、各観測点における平均遅延時間と各通信パケットの遅延差に基づいて、各観測点におけるゆらぎ度合いを算出してもよい。
【0061】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0062】
(付記1)観測点が設定された通信装置で取得された、音声端末から送信される通信パケットを記憶する記憶部と、前記通信パケットに基づいて、前記音声端末から前記観測点までの遅延時間を算出する遅延時間算出部と、前記通信パケットおよび前記遅延時間に基づいて、前記観測点におけるゆらぎ度合いを算出するゆらぎ算出部と、隣接する観測点における前記遅延時間および前記ゆらぎ度合いの差が予め定めた基準よりも大きい箇所を音声品質劣化箇所と特定する音声劣化箇所特定部とを備えたことを特徴とする音声品質劣化箇所推定装置。
【0063】
(付記2)ゆらぎ算出部は、各観測点における平均遅延時間と各通信パケットの遅延差に基づいて、各観測点におけるゆらぎ度合いを算出する付記1記載の音声品質劣化箇所推定装置。
【0064】
(付記3)音声劣化箇所特定部は、ネットワークトポロジ情報に基づいて、隣接する観測点の組を特定し、隣接する観測点の組ごとに比較した平均遅延時間およびゆらぎ度合いの差が予め定めた基準よりも大きい区間を音声品質劣化箇所と特定する付記1または付記2記載の音声品質劣化箇所推定装置。
【0065】
(付記4)ゆらぎ算出部は、フローデータの順に沿ってゆらぎ度合いを近似した近似式を算出する付記1から付記3のうちのいずれか1つに記載の音声品質劣化箇所推定装置。
【0066】
(付記5)音声劣化箇所特定部は、遅延時間およびゆらぎ度合いの差が、予め定めた差より大きい区間、または、予め定めた上位の区間を音声品質劣化箇所と特定する付記1から付記4のうちのいずれか1つに記載の音声品質劣化箇所推定装置。
【0067】
(付記6)観測点が設定され、音声端末から送信される通信パケットを当該観測点において取得する通信装置と、前記観測点で取得された通信パケットを収集する音声品質劣化箇所推定装置とを備え、前記音声品質劣化箇所推定装置は、収集された通信パケットを記憶する記憶部と、前記通信パケットに基づいて、前記音声端末から前記観測点までの遅延時間を算出する遅延時間算出部と、前記通信パケットおよび前記遅延時間に基づいて、前記観測点におけるゆらぎ度合いを算出するゆらぎ算出部と、隣接する観測点における前記遅延時間および前記ゆらぎ度合いの差が予め定めた基準よりも大きい箇所を音声品質劣化箇所と特定する音声劣化箇所特定部とを含むことを特徴とする通信システム。
【0068】
(付記7)ゆらぎ算出部は、各観測点における平均遅延時間と各通信パケットの遅延差に基づいて、各観測点におけるゆらぎ度合いを算出する付記6記載の通信システム。
【0069】
(付記8)観測点が設定された通信装置で取得された、音声端末から送信される通信パケットに基づいて、前記音声端末から前記観測点までの遅延時間を算出し、前記通信パケットおよび前記遅延時間に基づいて、前記観測点におけるゆらぎ度合いを算出し、隣接する観測点における前記遅延時間および前記ゆらぎ度合いの差が予め定めた基準よりも大きい箇所を音声品質劣化箇所と特定することを特徴とする音声品質劣化推定方法。
【0070】
(付記9)各観測点における平均遅延時間と各通信パケットの遅延差に基づいて、各観測点におけるゆらぎ度合いを算出する付記8記載の音声品質劣化推定方法。
【0071】
(付記10)観測点が設定された通信装置が、音声端末から送信される通信パケットを当該観測点において取得し、前記観測点で取得された通信パケットを収集する音声品質劣化箇所推定装置が、収集された通信パケットを記憶し、前記音声品質劣化箇所推定装置が、前記通信パケットに基づいて、前記音声端末から前記観測点までの遅延時間を算出し、前記音声品質劣化箇所推定装置が、前記通信パケットおよび前記遅延時間に基づいて、前記観測点におけるゆらぎ度合いを算出し、前記音声品質劣化箇所推定装置が、隣接する観測点における前記遅延時間および前記ゆらぎ度合いの差が予め定めた基準よりも大きい箇所を音声品質劣化箇所と特定することを特徴とする音声品質劣化推定方法。
【0072】
(付記11)各観測点における平均遅延時間と各通信パケットの遅延差に基づいて、各観測点におけるゆらぎ度合いを算出する付記10記載の音声品質劣化推定方法。
【0073】
(付記12)コンピュータに、観測点が設定された通信装置で取得された、音声端末から送信される通信パケットに基づいて、前記音声端末から前記観測点までの遅延時間を算出する遅延時間算出処理、前記通信パケットおよび前記遅延時間に基づいて、前記観測点におけるゆらぎ度合いを算出するゆらぎ算出処理、および、隣接する観測点における前記遅延時間および前記ゆらぎ度合いの差が予め定めた基準よりも大きい箇所を音声品質劣化箇所と特定する音声劣化箇所特定処理を実行させるための音声品質劣化推定プログラム。
【0074】
(付記13)コンピュータに、ゆらぎ算出処理で、各観測点における平均遅延時間と各通信パケットの遅延差に基づいて、各観測点におけるゆらぎ度合いを算出させる付記12記載の音声品質劣化推定プログラム。
【符号の説明】
【0075】
1 通信システム
10,20,30 音声端末
100,200 音声品質劣化箇所推定装置
201 フローデータ受信部
202 フローコレクタ部
203 データ記憶部
204 音声データ抽出部
205 遅延・ゆらぎ計算部
206 音声劣化箇所特定部
IF1~IF6 観測点
R1~R4 通信端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11