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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】給湯システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08B 21/08 20060101AFI20221129BHJP
   F24H 15/196 20220101ALI20221129BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20221129BHJP
   H04M 11/04 20060101ALI20221129BHJP
【FI】
G08B21/08
F24H15/196 301X
G08B25/04 K
H04M11/04
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018140923
(22)【出願日】2018-07-27
(65)【公開番号】P2020017162
(43)【公開日】2020-01-30
【審査請求日】2021-06-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】100111383
【弁理士】
【氏名又は名称】芝野 正雅
(74)【代理人】
【識別番号】100170922
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 誠
(72)【発明者】
【氏名】津川 明彦
(72)【発明者】
【氏名】古川 隆史
(72)【発明者】
【氏名】香西 多喜二
【審査官】田畑 利幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-074561(JP,A)
【文献】特開2015-223362(JP,A)
【文献】特開2013-109739(JP,A)
【文献】特開平08-000703(JP,A)
【文献】特開2001-050588(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104112331(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 19/00-31/00
H04M 11/00-11/10
F24H 15/196
H04W 4/00-99/00
H03J 9/00- 9/06
H04Q 9/00- 9/16
H04L 12/28
H04L 12/44-12/46
F24H 1/00- 1/00
F24H 1/18- 1/20
F24H 4/00- 4/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
給湯装置と、
サーバと、を備え、
前記給湯装置は、
浴槽に対する入浴を検出可能な検出部と、
外部通信網と接続可能な通信部と、
前記検出部からの出力により所定時間継続して前記入浴を検出した場合に、前記通信部を介して前記サーバに通知情報を送信する制御部と、を備え、
前記サーバは、
前記給湯装置において前記入浴が所定時間継続していることを報知させるための報知情報の送信先として指定された携帯端末装置を特定するための情報を管理し、
前記通知情報を受信したことに基づいて、予め前記給湯装置に対応付けて登録された携帯端末装置のうち、前記報知情報の送信先として指定された前記携帯端末装置に前記報知情報を送信する、
ことを特徴とする給湯システム
【請求項2】
給湯装置と、
サーバと、を備え、
前記給湯装置は、
浴槽に対する入浴を検出可能な検出部と、
外部通信網と接続可能な通信部と、
前記検出部からの出力により所定時間継続して前記入浴を検出した場合に、前記通信部を介して前記サーバに通知情報を送信する制御部と、を備え、
前記サーバは、
前記入浴の継続時間を監視する入浴タイマー機能を設定する指示を携帯端末装置から受け付けて、前記給湯装置に前記入浴タイマー機能を設定する受付処理を実行し、
前記受付処理により前記入浴タイマー機能が設定された場合は、前記通知情報を受信したことに基づいて、予め前記給湯装置に対応付けて登録された携帯端末装置のうち、前記入浴タイマー機能を設定する指示を受け付けた前記携帯端末装置に対して、前記給湯装置において前記入浴が所定時間継続していることを報知させるための報知情報を送信する、
ことを特徴とする給湯システム。
【請求項3】
給湯装置と、
サーバと、を備え、
前記給湯装置は、
浴槽に対する入浴を検出可能な検出部と、
外部通信網と接続可能な通信部と、
前記検出部からの出力により所定時間継続して前記入浴を検出した場合に、前記通信部を介して前記サーバに通知情報を送信する制御部と、を備え、
前記サーバは、
前記給湯装置において前記入浴が所定時間継続していることを報知させるための報知情報の送信先として指定された携帯端末装置を特定するための情報を管理し、
前記入浴の継続時間を監視する入浴タイマー機能を設定する指示を携帯端末装置から受け付けて、前記給湯装置に前記入浴タイマー機能を設定する受付処理を実行し、
前記通知情報を受信したことに基づいて、予め前記給湯装置に対応付けて登録された携帯端末装置のうち、前記報知情報の送信先として指定された前記携帯端末装置に前記報知情報を送信するとともに、
前記受付処理により前記入浴タイマー機能が設定された場合は、前記通知情報を受信したことに基づいて、予め登録された前記携帯端末装置のうち、前記入浴タイマー機能を設定する指示を受け付けた前記携帯端末装置に対して、前記報知情報を送信する、
ことを特徴とする給湯システム。
【請求項4】
請求項1に記載の給湯システムに用いられる携帯端末装置のコンピュータに、
前記携帯端末装置が前記報知情報の送信先として指定されるか否かを受け付ける機能と、
受け付けた指定の有無を前記サーバに送信するための機能と、
前記サーバから前記報知情報を受信する機能と、
前記報知情報の受信に基づいて、所定時間入浴が継続していることを報知するための出力を行う機能と、を実行させるプログラム。
【請求項5】
請求項2に記載の給湯システムに用いられる携帯端末装置のコンピュータに、
前記給湯装置に前記入浴タイマー機能を設定するか否かを受け付ける機能と、
前記入浴タイマー機能の設定を受け付けた場合に、前記入浴タイマー機能の設定指示を前記サーバに送信する機能と、
前記サーバから前記報知情報を受信する機能と、
前記報知情報の受信に基づいて、所定時間入浴が継続していることを報知するための出力を行う機能と、を実行させるプログラム。
【請求項6】
請求項4または5に記載のプログラムにおいて、
前記出力を行う機能は、報知音を出力させる機能を含む、プログラム。
【請求項7】
請求項に記載のプログラムにおいて、
前記出力を行う機能は、前記給湯装置の遠隔監視画面を表示させる機能を含む、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴槽に対する入浴を検出する機能を備え外部通信網と接続可能な給湯装置を備えた給湯システム、および当該給湯システムと通信が可能な携帯端末装置に所定の制御を実行させるプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、風呂機能を備えた給湯装置では、たとえば、水位センサの検出出力に基づいて、浴槽に人が入浴したことの検出が行われている。この検出によって、入浴時間の計測等、種々の機能が実現され得る。以下の特許文献1には、入浴時間が上限時間を超えた場合に、リモコンに警告表示を行う風呂給湯装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-107767号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記構成では、人がリモコンの近くに居れば、警告表示に気付くものの、人がリモコンから遠く離れていると、警告表示に気付くことがない。特に、全ての同居者が建物外に居る場合は、入浴者の入浴時間が上限時間を超えたとしても、そのことが同居者によって一切気付かれなくなってしまう。
【0005】
かかる課題に鑑み、本発明は、給湯装置の表示部から離れた場所に人が居る場合にも、入浴時間が所定の時間を超過したことを円滑に確認することが可能な給湯システムおよびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様は、給湯システムに関する。この態様に係る給湯システムは、給湯装置と、サーバと、を備える。前記給湯装置は、浴槽に対する入浴を検出可能な検出部と、外部通信網と接続可能な通信部と、前記検出部からの出力により所定時間継続して前記入浴を検出した場合に、前記通信部を介して前記サーバに通知情報を送信する制御部と、を備える。前記サーバは、前記給湯装置において前記入浴が所定時間継続していることを報知させるための報知情報の送信先として指定された携帯端末装置を特定するための情報を管理し、前記通知情報を受信したことに基づいて、予め前記給湯装置に対応付けて登録された携帯端末装置のうち、前記報知情報の送信先として指定された前記携帯端末装置に前記報知情報を送信する。
【0007】
本態様に係る給湯システムによれば、入浴時間が所定時間を超過した場合に、その旨を示す通知情報がサーバに送信されるため、さらに、サーバから、報知情報の送信先として指定された携帯端末装置に対して、その旨の報知を行うことができる。よって、当該携帯端末装置の所持者は、宅外等、給湯装置の表示部の近くに居ない場合も、携帯端末装置を介して、入浴者の入浴時間が所定時間を超過したことを円滑に確認することができる。
また、報知情報が送信される携帯端末装置が、予め指定された携帯端末装置に制限されるため、報知が不要な携帯端末装置において、不意に、入浴時間超過の報知がなされることを防ぐことができる。また、入浴時間の監視を望む者は、予め自身の携帯端末装置を報知情報の送信先に指定しておくことにより、入浴時間超過の発生に応じて、自動で、入浴時間超過の報知を受けることができる。
【0008】
本発明の第2の態様は、給湯システムに関する。この態様に係る給湯システムは、給湯装置と、サーバと、を備える。前記給湯装置は、浴槽に対する入浴を検出可能な検出部と、外部通信網と接続可能な通信部と、前記検出部からの出力により所定時間継続して前記入浴を検出した場合に、前記通信部を介して前記サーバに通知情報を送信する制御部と、を備える。前記サーバは、前記入浴の継続時間を監視する入浴タイマー機能を設定する指示を携帯端末装置から受け付けて、前記給湯装置に前記入浴タイマー機能を設定する受付処理を実行し、前記受付処理により前記入浴タイマー機能が設定された場合は、前記通知情報を受信したことに基づいて、予め前記給湯装置に対応付けて登録された携帯端末装置のうち、前記入浴タイマー機能を設定する指示を受け付けた前記携帯端末装置に対して、前記給湯装置において前記入浴が所定時間継続していることを報知させるための報知情報を送信する。
【0009】
本態様に係る給湯システムによれば、入浴時間が所定時間を超過した場合に、報知情報が、サーバから、入浴タイマー機能を設定する指示を受け付けた携帯端末装置に送信される。よって、当該携帯端末装置の所持者は、宅外等、給湯装置の表示部の近くに居ない場合も、携帯端末装置を介して、入浴者の入浴時間が所定時間を超過したことを円滑に確認することができる。
また、入浴タイマー機能を設定した者の携帯端末装置には、必ず、入浴時間超過の報知が行われる。よって、能動的に入浴時間の監視を望む者に対して、適切に、入浴時間の超過を知らせることができる。
【0010】
本発明の第3の態様は、給湯システムに関する。この態様に係る給湯システムは、給湯装置と、サーバと、を備える。前記給湯装置は、浴槽に対する入浴を検出可能な検出部と、外部通信網と接続可能な通信部と、前記検出部からの出力により所定時間継続して前記入浴を検出した場合に、前記通信部を介して前記サーバに通知情報を送信する制御部と、を備える。前記サーバは、前記給湯装置において前記入浴が所定時間継続していることを報知させるための報知情報の送信先として指定された携帯端末装置を特定するための情報を管理し、前記入浴の継続時間を監視する入浴タイマー機能を設定する指示を携帯端末装置から受け付けて、前記給湯装置に前記入浴タイマー機能を設定する受付処理を実行する。また、サーバは、前記通知情報を受信したことに基づいて、予め前記給湯装置に対応付けて登録された携帯端末装置のうち、前記報知情報の送信先として指定された前記携帯端末装置に前記報知情報を送信するとともに、前記受付処理により前記入浴タイマー機能が設定された場合は、前記通知情報を受信したことに基づいて、予め登録された前記携帯端末装置のうち、前記入浴タイマー機能を設定する指示を受け付けた前記携帯端末装置に対して、前記報知情報を送信する。
【0011】
本態様に係る給湯システムによれば、上記第1および第2の態様による効果の両方が奏され得る。
【0014】
本発明の第3の態様は、上記第1の態様に係る給湯システムに用いられる携帯端末装置のコンピュータに所定の機能を実行させるプログラムに関する。この態様に係るプログラムは、前記携帯端末装置が前記報知情報の送信先として指定されるか否かを受け付ける機能と、受け付けた指定の有無を前記サーバに送信するための機能と、前記サーバから前記報知情報を受信する機能と、前記報知情報の受信に基づいて、所定時間入浴が継続していることを報知するための出力を行う機能と、を前記コンピュータに実行させる。
本発明の第4の態様は、上記第2の態様に係る給湯システムに用いられる携帯端末装置のコンピュータに所定の機能を実行させるプログラムに関する。この態様に係るプログラムは、前記給湯装置に前記入浴タイマー機能を設定するか否かを受け付ける機能と、前記入浴タイマー機能の設定を受け付けた場合に、前記入浴タイマー機能の設定指示を前記サーバに送信する機能と、前記サーバから前記報知情報を受信する機能と、前記報知情報の受信に基づいて、所定時間入浴が継続していることを報知するための出力を行う機能と、を前記コンピュータに実行させる。
【0015】
れらの態様のプログラムによれば、入浴時間が所定時間を超過した場合に、携帯端末装置において、その旨を報知するための出力がなされる。よって、携帯端末装置を所持する者は、宅外等に居ても、円滑に、入浴時間の超過を知ることができる。
【0016】
本態様に係るプログラムにおいて、前記出力を行う機能は、報知音を出力させる機能を含み得る。
【0017】
この構成によれば、携帯端末装置の所持者は、画面等を参照せずとも、携帯端末装置を所持するのみで、入浴時間の超過を知ることができる。
【0018】
また、本態様に係るプログラムにおいて、前記出力を行う機能は、さらに、前記給湯装置の遠隔監視画面を表示させる機能を含み得る。
【0019】
この構成によれば、携帯端末装置の所持者は、さらに、遠隔監視画面を参照することにより、入浴者の入浴状況を確認することができる。これにより、携帯端末装置の所持者は、より適切な対応をとることができる。
【発明の効果】
【0022】
以上のとおり、本発明によれば、給湯装置の表示部から離れた場所に人が居る場合にも、入浴時間が所定の時間を超過したことを円滑に確認することが可能な給湯システムおよびプログラムを提供することができる。
【0023】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は、実施形態に係る給湯システムの構成を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る給湯システムを構成する各機器の回路ブロックを示す図である。
図3図3(a)、(b)は、それぞれ、実施形態に係る、給湯装置と携帯端末装置とをペアリングするための、台所リモコンと携帯端末装置における処理を示すフローチャートである。
図4図4(a)は、実施形態に係る、サーバにおいて管理される給湯装置と携帯端末装置とを関連付けた情報の構成を示す図である。図4(b)は、実施形態に係る給湯器の制御部において実行される入浴タイマー機能の処理を示すフローチャートである。
図5図5(a)は、実施形態に係る、サーバにおける報知処理を示すフローチャートである。図5(b)は、実施形態に係る、携帯端末装置における報知処理を示すフローチャートである。
図6図6(a)、(b)は、それぞれ、実施形態に係る、報知処理の際に携帯端末装置に表示される遠隔監視画面の一例を示す図である。
図7図7(a)、(b)は、変更例に係る、サーバにおける入浴タイマー機能の設定および報知処理を示すフローチャートである。図7(c)は、変更例に係る、携帯端末装置における遠隔監視画面の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0026】
図1は、実施形態に係る給湯システム1の構成を示す図である。
【0027】
図1に示すように、給湯システム1は、給湯装置10と、ルータ20と、携帯端末装置30と、外部通信網40と、サーバ50とを備える。
【0028】
給湯装置10は、給湯器11と、リモートコントローラ12、13を備えている。給湯器11は、ガスを燃料として湯を供給するガス給湯器である。給湯器11により生成された湯は、給湯口11aにそれぞれ接続された配管を介して、台所の蛇口や、浴槽、カラン等に供給される。給湯器11が、床暖房機能や、浴室暖房機能およびパネルヒータによる暖房機能を備える場合、これら機能を実現する機器に対して、給湯器11から湯が供給される。
【0029】
リモートコントローラ12、13は、給湯器11に接続され、給湯装置10の各機能について種々の設定を行うために用いられる。リモートコントローラ12、13は、それぞれ、表示部121、131と、入力部122、132とを備える。操作者は、表示部121、131に表示された画面に従って入力部122、132を操作することにより、湯張りや給湯温度調節等について、任意の設定を行うことができる。リモートコントローラ12は、浴室に設置され、リモートコントローラ13は、キッチン等に設置される。
【0030】
以下、浴室に設置されるリモートコントローラ12を、「浴室リモコン12」と称し、キッチン等に設置されるリモートコントローラ13を、「台所リモコン13」と称する。
【0031】
ルータ20は、建物内(ここでは、宅内H10)に存在する各機器を、外部通信網40を介してサーバ50に接続するための無線ルータである。ルータ20には、ルータごとに個別に割り振られる識別子として、固有のBSSID(Basic Service Set Identifier)が割り振られている。
【0032】
台所リモコン13は、無線通信により、ルータ20に接続される。また、携帯端末装置30が宅内H10に存在する場合、携帯端末装置30は、無線通信によりルータ20に接続されて、サーバ50と通信可能である。携帯端末装置30は、たとえば、携帯電話機である。この他、携帯端末装置30が、携帯型のタブレット端末等の他の携帯可能な端末装置であってもよい。外部通信網40は、たとえば、インターネットである。
【0033】
外部通信網40には、給湯装置10に対する遠隔操作および遠隔監視を管理するためのサーバ50が接続されている。台所リモコン13は、ルータ20および外部通信網40を介して、サーバ50と通信を行う。携帯端末装置30が宅内H10に存在する場合、携帯端末装置30は、ルータ20および外部通信網40を介してサーバ50と通信を行う。また、携帯端末装置30が宅外にある場合、携帯端末装置30は、外部に設置されたルータ60または基地局70を介して外部通信網40に接続され、サーバ50と通信を行う。
【0034】
図1の構成において、操作者は、宅内H10と宅外の何れにおいても、携帯端末装置30を用いて、給湯装置10に対する遠隔操作および遠隔監視を行うことができる。
【0035】
すなわち、携帯端末装置30が宅内H10と宅外の何れにある場合も、操作者から携帯端末装置30に入力された設定要求は、外部通信網40を介して、一旦、サーバ50に送信される。これを受けて、サーバ50は、設定要求を受信した携帯端末装置30に予め対応付けられている給湯装置10に対して、受信した設定要求を送信する。これにより、設定要求が、外部通信網40およびルータ20を介して、対応する給湯装置10の台所リモコン13に送信される。こうして、操作者が要求する内容の設定が、給湯装置10に対して適用される。
【0036】
また、給湯装置10の状態情報は、所定周期で随時、台所リモコン13からルータ20を介してサーバ50に送信される。サーバ50は、受信した状態情報を、給湯装置10ごとに管理する。操作者から携帯端末装置30に入力された遠隔監視の閲覧要求は、外部通信網40を介して、一旦、サーバ50に送信される。これを受けて、サーバ50は、閲覧要求を受信した携帯端末装置30に予め対応付けられている給湯装置10のうち、閲覧要求により指定された給湯装置10の状態情報を、当該携帯端末装置30に送信する。これにより、給湯装置10の状態が、携帯端末装置30において出力される。こうして、操作者は、給湯装置10の状態を、宅内および宅外の両方において確認できる。
【0037】
図2は、給湯システム1を構成する各機器の回路ブロックを示す図である。
【0038】
給湯器11は、制御部111と、記憶部112と、通信部113と、水位センサ114と、入室センサ115と、を備える。制御部111は、CPU(Central Processing Unit)を備え、記憶部112に記憶されたプログラムに従って、給湯器11内の各部の制御を行う。記憶部112は、メモリを備え、所定の制御プログラムを記憶する。通信部113は、制御部111からの制御に従って、浴室リモコン12および台所リモコン13と通信を行う。
【0039】
水位センサ114は、給湯装置10が接続された浴槽の水位を検出する。水位センサ114は、たとえば、浴槽に接続された配管内の水圧によって浴槽の水位を検出する。制御部111は、水位センサ114により検出される水位の変化によって、浴槽に対し人が入浴および退出したことを検出する。入室センサ115は、浴室に対する人の出入りを検出する。入室センサ115は、たとえば、赤外線を用いた人感センサである。制御部111は、入室センサ115の出力に基づいて、浴室に人が入ったことを検出する。
【0040】
浴室リモコン12は、上述の表示部121および入力部122の他、制御部123と、記憶部124と、通信部125とを備える。表示部121は、たとえば、液晶パネルにより構成される。入力部122は、温度設定ボタン等の各種操作ボタンを備える。表示部121が、タッチパネルであってもよい。制御部123は、CPUを備え、記憶部124に記憶されたプログラムに従って所定の制御を行う。記憶部124は、メモリを備え、所定の制御プログラムを記憶する。通信部125は、制御部123からの制御に従って、給湯器11と通信を行う。
【0041】
台所リモコン13は、上述の表示部131および入力部132の他、制御部133と、記憶部134と、通信部135を備える。表示部131は、たとえば、液晶パネルにより構成される。入力部132は、各種操作ボタンを備える。表示部131が、タッチパネルであってもよい。制御部133は、CPUを備え、記憶部134に記憶されたプログラムに従って所定の制御を行う。記憶部134は、メモリを備え、所定の制御プログラムを記憶する。通信部135は、制御部133からの制御に従って、給湯器11と通信を行う。
【0042】
さらに、台所リモコン13は、無線通信部136を備える。ここで、無線通信部136は、ルータ20との間で無線通信が可能な無線通信モジュールである。無線通信部136(無線通信モジュール)には、宅内H10に設定されたLAN(Local Area Network)上の機器を特定するためのIPアドレスが割り振られている。この他、台所リモコン13は、音声を出力するためのスピーカを備えている。
【0043】
携帯端末装置30は、表示部301と、入力部302と、制御部303と、記憶部304と、無線通信部305とを備える。表示部301は、たとえば、液晶パネルにより構成される。入力部132は、各種操作ボタンと、表示部301に積層されたタッチパネルとを備える。
【0044】
制御部303は、CPUを備え、記憶部304に記憶されたプログラムに従って所定の制御を行う。記憶部304は、メモリを備え、所定の制御プログラムを記憶する。無線通信部305は、制御部303からの制御に従って、ルータ20と通信を行う。無線通信部305は、ルータ20との間で無線通信が可能な無線通信モジュールである。無線通信部305にもIPアドレスが割り振られている。この他、携帯端末装置30は、音声を出力するためのスピーカを備えている。
【0045】
サーバ50は、制御部501と、記憶部502と、通信部503を備える。制御部501は、CPUを備え、記憶部502に記憶されたプログラムに従って所定の制御を行う。記憶部502は、メモリおよびハードディスクを備え、所定の制御プログラムおよびデータベースを記憶する。通信部503は、制御部501からの制御に従って、所定の制御を行う。
【0046】
本実施形態では、予め、給湯装置10に対して遠隔制御および遠隔監視を行うことが可能な携帯端末装置30が、給湯装置10に対応付けて、サーバ50に登録される。すなわち、予め、給湯装置10と携帯端末装置30とがペアリングされ、ペアリングを示す情報が、サーバ50において管理される。
【0047】
本実施形態では、このペアリングが、給湯装置10が設置された建物内のルータ20を介して行われる。すなわち、携帯端末装置30の所持者は、原則、給湯装置10が設置された建物内に携帯端末装置30を所持して立ち入らなければ、自身の携帯端末装置30と給湯装置10とをペアリングできない。これにより、悪意の第三者によって不当に、携帯端末装置30と給湯装置10とがペアリングされることを防止できる。よって、不当に遠隔制御および遠隔監視が行われるリスクを解消できる。
【0048】
図3(a)、(b)は、それぞれ、給湯装置10と携帯端末装置30とをペアリングするための、台所リモコン13と携帯端末装置30における処理を示すフローチャートである。
【0049】
操作者は、宅内H10において、携帯端末装置30にインストールされた給湯システムのアプリケーションプログラムを起動し、携帯端末装置30をペアリングモードに設定する。その後、操作者は、台所リモコン13の入力部132に対し、ペアリングのための操作を行う。
【0050】
こうして、台所リモコン13に対してペアリング操作が行われると(S11:YES)、台所リモコン13の制御部133は、ペアリングのためのアナウンスをブロードキャストで送信する(S12)。携帯端末装置30が宅内H10にある場合、このアナウンスは携帯端末装置30により受信される。
【0051】
携帯端末装置30の制御部303は、このアナウンスを受信すると(S21:YES)、表示部301に、入浴タイマーに基づく報知を当該携帯端末装置30で受け取るか否かを指定するための受付画面を表示させる(S22)。ここで、入浴タイマーに基づく報知とは、当該給湯装置10に接続された浴槽への入浴時間が予め設定された時間を超過した場合に行われる報知のことである。操作者は、この受付画面に指定有無の操作を行う。これにより、制御部303は、指定有無の情報を含むペアリング要求を台所リモコン13に送信する(S23)。このペアリング要求には、さらに、携帯端末装置30のID情報(IPアドレス等)が含まれる。
【0052】
台所リモコン13の制御部133は、アナウンスの送信から所定時間以内に携帯端末装置30からペアリング要求を受信すると(S13:YES)、ペアリング応答を携帯端末装置30に送信し(S14)、さらに、ペアリング結果をサーバ50に送信して(S15)、処理を終了する。このペアリング結果には、ペアリング要求に含まれた携帯端末装置30のID情報とともに、給湯装置10(ここでは、台所リモコン13)のID情報(IPアドレス等)が含まれる。他方、所定時間以内にペアリング要求を受信しなかった場合(S13:NO)、制御部133は、ペアリング結果を送信することなく、処理を終了する。携帯端末装置30側の制御部303では、台所リモコン13からペアリング応答を受信して(S24:YES)、処理を終了する。
【0053】
図4(a)は、サーバ50において管理される給湯装置10と携帯端末装置30とを関連付けた情報の構成を示す図である。
【0054】
図4(a)に示すように、サーバ50では、給湯装置10ごとに、当該給湯装置10にペアリングされた携帯端末装置30のID情報と、各携帯端末装置30が上記入浴タイマーに基づく報知の送信先に指定されたか否かを示すフラグ情報とが管理されている。具体的には、サーバ50の記憶部502に給湯システム1の制御に用いるデータベースが構築され、このデータベースにおいて、図4(a)の情報が給湯装置10ごとに管理されている。
【0055】
図4(b)は、給湯器11の制御部111において実行される入浴タイマー機能の処理を示すフローチャートである。
【0056】
給湯器11の制御部111は、入浴タイマー機能の起動条件が充足されたか否かを判定する(S101)。ここで、予め入浴タイマー機能が設定されている場合は、浴槽に人が入浴したことを検出されたことが、入浴タイマー機能の起動条件となる。また、予め入浴タイマー機能が設定されていない場合は、浴槽に人が入浴しており、且つ、浴室リモコン12、台所リモコン13または携帯端末装置30の何れかから入浴タイマー機能の設定指示を受信したことが、入浴タイマー機能の起動条件となる。
【0057】
入浴タイマー機能の起動条件が充足されると、制御部111は、タイマーをスタートし(S102)、タイマーのカウント時間が所定の設定時間を超過したか否かを判定する(S103)。ここで、設定時間は、たとえば、5分、10分、15分といったように、予め、台所リモコン13または携帯端末装置30を操作者が操作して設定される。ここでは、設定時間は、複数設定可能である。
【0058】
タイマーのカウント時間が設定時間を超過するまでの間(S103:NO)、制御部111は、タイマーのリセット条件が充足された否かを判定する(S104)。ここで、リセット条件は、たとえば、浴槽から人が退出したことを検出した場合等、タイマー機能を終了させる事象が生じたことである。タイマーのリセット条件が充足されると(S104:YES)、制御部111は、タイマーをリセットして(S105)、処理を終了する。この場合、制御部111は、処理をステップS101に戻して、次の処理を行う。
【0059】
他方、タイマーのカウント時間が設定時間を超過すると(S103:YES)、制御部111は、台所リモコン13から、入浴時間の超過を示す報知を出力させる(S106)。たとえば、この報知は、所定の報知音声の出力や、表示部131における警告画像に出力によって行われる。さらに、制御部111は、入浴時間が設定時間を超過したことを示す通知情報を、台所リモコン13の無線通信部136を介して、サーバ50に送信する(S107)。
【0060】
その後、制御部111は、入浴時間が未だ超過していない他の設定時間が存在するか否かを確認する(S108)。そして、制御部111は、他の設定時間が存在する場合に(S108:YES)、処理をステップS103に戻して、次の設定時間に基づいて、同様の処理を実行する。他の設定時間が存在しない場合(S108:NO)、制御部111は処理を終了する。
【0061】
なお、設定時間が複数ある場合、設定時間ごとに、ステップS106における報知の内容が変更されてもよい。たとえば、設定時間が長くなるほど、より高いレベルで警告報知がなされてもよい。また、ステップS107における通知情報に、入浴時間がどの設定時間を超過したかを示す情報が含まれてもよい。この情報に基づいて、携帯端末装置30における報知の警告レベルが変更されてもよい。
【0062】
図5(a)は、サーバ50における報知処理を示すフローチャートである。また、図5(b)は、携帯端末装置30における報知処理を示すフローチャートである。
【0063】
図5(a)を参照して、サーバ50の制御部501は、給湯装置10から通知情報を受信すると(S201:YES)、当該給湯装置10に対応付けられている携帯端末装置30のうち、入浴タイマー機能に基づく報知の送信先として指定された携帯端末装置30に対して、報知情報を送信する(S202)。この報知情報には、当該給湯装置10における風呂機能の使用状態を示す状態情報と、当該給湯装置10の識別IDが含まれている。
【0064】
図5(b)を参照して、携帯端末装置30の制御部303は、サーバ50から報知情報を受信すると(S301:YES)、スピーカから所定の報知音を出力させ(S302)、さらに、表示部301に、当該給湯装置における風呂機能の遠隔監視画面を表示させる(S303)。
【0065】
図6(a)、(b)は、それぞれ、図5(b)のステップS303において携帯端末装置30の表示部301に表示される遠隔監視画面600の一例を示す図である。ここで、図6(a)は、入浴時間が5分の設定時間を超過した場合に表示される遠隔監視画面600を示し、図6(b)は、入浴時間が10分の設定時間を超過した場合に表示される遠隔監視画面600を示している。
【0066】
図6(a)、(b)に示すように、遠隔監視画面600は、領域610、620、630に区分されている。領域610には、建物表示部611と、給湯温度表示部612と、風呂温度表示部613と、風呂湯量表示部614と、浴槽画像615と、入浴時間表示部616と、が含まれている。
【0067】
建物表示部611には、遠隔監視画面600がどの建物に設置された給湯装置10に関するものかが表示される。建物表示部611の表示は、報知情報に含まれる給湯装置10の識別IDに基づいて設定される。給湯温度表示部612、風呂温度表示部613および風呂湯量表示部614には、それぞれ、図5(b)のステップS301で受信した報知情報に含まれる状態情報に基づいて、現在の給湯温度、風呂温度および風呂湯量の設定状態が示される。
【0068】
浴槽画像615には、現在の風呂湯量の設定状態が浴槽に溜められる水の画像として表示される。浴槽に人が入浴中であることが状態情報に含まれている場合、浴槽画像615に、人が浴槽に入浴していることを示す画像M1が付加される。また、入浴時間表示部616には、報知情報に含まれる状態情報に基づいて、浴槽に対する現在の入浴時間が表示される。
【0069】
領域620には、画面が遠隔操作画面である場合に、風呂自動設定や追い焚き設定等を行うためのボタンが表示される。ここでは、画面が遠隔監視画面600であるため、これらのボタンは無効化されている。領域630には、画面が遠隔操作画面である場合に、操作対象の機能を切り替えるための4つのボタンが表示される。ここでは、画面が風呂機能の遠隔監視画面600であるため、これらのボタンは無効化されている。
【0070】
操作者は、遠隔監視画面600を参照することにより、入浴者の入浴状況を種々確認することができる。これにより、操作者は、入浴者の状況をより的確に把握でき、より適切な対応をとることができる。
【0071】
<実施形態の効果>
本実施形態によれば、以下の効果が奏され得る。
【0072】
入浴時間が所定時間を超過した場合に、その旨を示す通知情報が給湯装置10からサーバ50に送信される。サーバ50は、前記通知情報を受信したことに基づいて、予め当該給湯装置10に対応付けて登録された所定の携帯端末装置30に、当該給湯装置10において入浴時間が所定の設定時間を超過していることを報知させるための報知情報を送信する。これを受けて、携帯端末装置30は、入浴時間が所定の設定時間を超過していることを報知するための出力を行う。よって、携帯端末装置30の所持者は、宅外等、給湯装置10(台所リモコン13)の表示部131の近くに居ない場合も、携帯端末装置30を介して、入浴者の入浴時間が所定の設定時間を超過したことを円滑に確認することができる。
【0073】
図4(a)に示したように、サーバ50は、報知情報の送信先として指定された携帯端末装置30を特定するための情報を管理する。そして、サーバ50は、図5(a)に示したように、給湯装置10から通知情報を受信したことに基づいて、予め登録された携帯端末装置30のうち、報知情報の送信先として指定された携帯端末装置30に対して報知情報を送信する。これにより、報知情報が送信される携帯端末装置30が、予め指定された携帯端末装置30に制限されるため、報知が不要な携帯端末装置30において、不意に、入浴時間超過の報知がなされることを防ぐことができる。また、入浴時間の監視を望む者は、予め自身の携帯端末装置30を報知情報の送信先に指定しておくことにより、入浴時間超過の発生に応じて、自動で、入浴時間超過の報知を受けることができる。
【0074】
図5(b)に示したように、携帯端末装置30では、給湯システム1と連動するアプリケーションプログラムによって、サーバ50から報知情報を受信したことに基づいて、所定の報知音が出力される(S302)。これにより、携帯端末装置30の所持者は、画面等を参照せずとも、携帯端末装置30を所持するのみで、入浴時間の超過を知ることができる。
【0075】
さらに、図5(b)に示したように、携帯端末装置30では、給湯システム1と連動するアプリケーションプログラムによって、サーバ50から報知情報を受信したことに基づいて、当該給湯装置10の遠隔監視画面600が表示される(S303)。これにより、携帯端末装置30の所持者は、遠隔監視画面600を参照することにより、入浴者の入浴状況を確認することができ、より適切な対応をとることができる。
【0076】
<変更例>
上記実施形態では、報知情報の送信先として予め指定された携帯端末装置30に対し、サーバ50から報知情報が送信された。これに対し、図7(a)、(b)に示すフローチャートでは、入浴タイマー機能を設定した携帯端末装置30に対して、サーバ50から報知情報が送信される。
【0077】
図7(a)に示すように、サーバ50の制御部501は、外部通信網40を介して携帯端末装置30から、当該携帯端末装置30にペアリングされている所定の給湯装置10に対して入浴タイマー機能の設定する指示を受信すると(S401:YES)、当該給湯装置10に対して、入浴タイマー機能の設定指示を送信する(S402)。これにより、当該給湯装置10に入浴タイマー機能が設定される。
【0078】
ここで、携帯端末装置30を用いた入浴タイマー機能の設定は、たとえば、以下のように行われる。すなわち、携帯端末装置30の操作者は、給湯システムのアプリケーションプログラムを起動して、入浴タイマー機能を設定しようとする給湯装置10の遠隔制御画面を携帯端末装置30に表示させる。これにより、携帯端末装置30の表示部301に、図7(c)に示す遠隔操作画面700が表示される。遠隔操作画面700のレイアウトは、図6(a)、(b)に示した遠隔監視画面600と同様である。
【0079】
領域710には、建物表示部711と、給湯温度設定部712と、風呂温度設定部713と、風呂湯量設定部714と、浴槽画像715と、が含まれる。建物表示部711には、当該給湯装置10が設置された建物を示す情報が表示される。給湯温度設定部712、風呂温度設定部713とおよび風呂湯量設定部714には、それぞれ、現在の給湯温度、風呂温度および風呂湯量の設定状態が示される。操作者は、給湯温度設定部712、風呂温度設定部713および風呂湯量設定部714に対する操作により、さらに、給湯温度、風呂温度および風呂湯量を変更できる。浴槽画像715には、現在の風呂湯量の設定状態が浴槽に溜められる水の画像として表示される。さらに、浴室に人が入室している場合は、人を示す画像M2が領域710に表示される。
【0080】
領域720、730に含まれる各ボタンは、操作可能に有効化されている。領域721には、入浴タイマー機能を設定するためのボタン721が含まれている。操作者は、このボタン721にタッチすることにより、当該給湯装置10に対して入浴タイマー機能の設定指示を入力できる。すなわち、このボタン721がタッチされると、入浴タイマー機能の設定指示が、携帯端末装置30からサーバ50に送信され、図7(a)のステップS401、S402の処理により、当該給湯装置10に入浴タイマー機能が設定される。
【0081】
操作者は、図7(c)の画面を参照することにより、浴室に人が居るか否かを確認できる。これにより、操作者は、浴室に人が居ない場合は、入浴タイマー機能の設定を差し控える等の対応をとることもできる。なお、浴室に人が入ったことに応じて、携帯端末装置30が、報知音の出力と共に、図7(c)の遠隔操作画面700の表示を行うように、アプリケーションプログラムが構成されてもよい。これにより、操作者は、浴室への人の入室に応じて、適宜円滑に、入浴タイマー機能の設定を行うことができる。
【0082】
その後、サーバ50の制御部501は、上記のように入浴タイマー機能が設定された給湯装置10に対して、図7(b)の処理を実行する。制御部501は、給湯装置10から通知情報を受信したか否かを判定する(S411)。給湯装置10から通知情報を受信すると(S411:YES)、制御部501は、入浴タイマー機能を設定した携帯端末装置30に対して、報知情報を送信する(S412)。これにより、当該携帯端末装置30において、図5(b)と同様の報知処理が行われる。
【0083】
この変更例によれば、入浴タイマー機能を設定した者の携帯端末装置30には、必ず、入浴時間超過の報知が行われる。よって、能動的に入浴時間の監視を望む者に対して、適切に、入浴時間の超過を知らせることができる。
【0084】
なお、本変更例に示した図7(b)の処理と並行して、図5(a)の処理が行われてもよい。この場合、入浴タイマー機能を設定した携帯端末装置30の他、予め送信先として指定された携帯端末装置30にも、報知情報が送信される。これにより、より多くの者で入浴者を見守ることができる。
【0085】
<その他の変更例>
上記実施形態および変更例では、給湯装置10を構成する台所リモコン13に無線通信部136が設けられたが、無線通信部が給湯器11に設けられて給湯器11がルータ20に接続されてもよい。この場合、上記実施形態および変更例における台所リモコン13による制御は、給湯器11の制御部111によって行われる。あるいは、給湯器11、浴室リモコン12および台所リモコン13以外に無線通信部を備えた制御ユニットが給湯装置10に配置され、この制御ユニットがルータ20に接続されてもよい。この場合、上記実施形態およびその変更例における台所リモコン13による制御は、制御ユニットの制御部によって行われる。
【0086】
また、上記実施形態では、図4(b)に示したように、入浴タイマー機能が給湯器11の制御部111において行われたが、入浴タイマー機能が台所リモコン13の制御部133や、サーバ50の制御部501等の他の制御部で行われてもよい。ここで、入浴タイマー機能がサーバ50の制御部501で行われる場合、浴槽に人が入浴したことの検出結果が給湯装置10からサーバ50に送信される。これを受けて、サーバ50の制御部501においてタイマーが起動され、図4(b)と同様の制御が行われる。
【0087】
また、図5(a)の処理では、予め指定された携帯端末装置30に対して報知情報が送信されたが、対象の給湯装置10に対応づけられた全ての携帯端末装置30に対して報知情報が送信されてもよい。ただし、この場合は、入浴タイマー機能に基づく報知を欲しない利用者の携帯端末装置30においても、不意に、入浴時間超過に応じて報知がなされることとなり、当該携帯端末装置30の利用者に不都合が生じることもあり得る。よって、このような不都合を避けるためには、図4(b)のように、報知対象を予め指定された携帯端末装置30に制限するのが好ましい。
【0088】
また、図5(b)のステップS303において携帯端末装置30に表示される遠隔監視画面600は、必ずしも、図6(a)、(b)に示した構成でなくてもよく、入浴状態が確認可能な限りにおいて、他の画面であってもよい。同様に、遠隔操作画面700は、必ずしも、図7(c)に示した構成でなくてもよく、入浴タイマー機能が設定可能な限りにおいて、他の画面であってもよい。
【0089】
なお、請求項8に記載された制御部の制御は、給湯装置10、携帯端末装置30およびサーバ50によって分担されてもよく、あるいは、給湯装置10、携帯端末装置30およびサーバ50の1つが行ってもよい。
【0090】
たとえば、実施形態およびその変更例では、請求項8に記載の制御部の制御が、図4(b)および図5に示したように、給湯装置10(台所リモコン13)の制御部133とサーバ50の制御部501とによって共同で実行されたが、この制御が、給湯装置10の制御部またはサーバ50の制御部501によって単独で行われてもよく、他の個別な制御装置によって行われてもよい。
【0091】
また、上記実施形態および変更例では、携帯端末装置30が宅内H10にある場合のみならず宅外にある場合も、携帯端末装置30を用いて入浴タイマー機能が設定・変更可能であったが、携帯端末装置30が宅外にある場合は、携帯端末装置30を用いた入浴タイマー機能の設定・変更が行えないように構成されてもよい。これにより、たとえば、入浴者を確認して宅内H10で設定された入浴タイマー機能の設定が、不意に、宅外で変更され、取り消されることを防ぐことができる。また、携帯端末装置30が宅外にある場合に、入浴タイマー機能以外の機能の設定が行えないようにしてもよい。
【0092】
ここで、携帯端末装置30が宅内H10にあるか宅外にあるかは、たとえば、携帯端末装置30が台所リモコン13と同じルータ20に接続されているか否かに基づいて、サーバ50により判断される。すなわち、サーバ50は、携帯端末装置30から受信した入浴タイマー機能の設定要求に、予めルータ20から取得したBSSIDが付されている場合に、通信がルータ20経由で行われたとして、携帯端末装置30が宅内H10にあると判断し、その他の場合は、携帯端末装置30が宅外にあると判断する。
【0093】
この他、本発明の実施形態は、特許請求の範囲に記載の範囲で適宜種々の変更可能である。
【符号の説明】
【0094】
1 給湯システム
10 給湯装置
11 給湯器
13 台所リモコン
30 携帯端末装置
40 外部通信網
50 サーバ
133 制御部
303 制御部
501 制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7