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特許7183623画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/55 20190101AFI20221129BHJP
   G06F 11/36 20060101ALI20221129BHJP
   G06F 16/583 20190101ALI20221129BHJP
【FI】
G06F16/55
G06F11/36 164
G06F16/583
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2018152094
(22)【出願日】2018-08-10
(65)【公開番号】P2020027448
(43)【公開日】2020-02-20
【審査請求日】2021-07-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡野 真士
【審査官】早川 学
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-039433(JP,A)
【文献】特開2015-026258(JP,A)
【文献】特開2006-245686(JP,A)
【文献】特許第4069149(JP,B2)
【文献】特開2012-160134(JP,A)
【文献】特開2016-048470(JP,A)
【文献】特開2017-162103(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
G06F 11/00-11/36
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定めた装置の操作に関する文字列と共に前記装置に対するユーザによる操作を録画した動画情報を取得する取得部と、
前記動画情報に含まれる複数の静止画情報の各々から前記文字列に対応する文字列情報を抽出し、抽出された文字列情報のうち前記装置に対する予め定められた操作を示す情報に適合する文字列情報に対応する文字列を含む静止画情報を、前記装置に対する前記予め定められた操作に関する静止画情報として決定する決定部と
を備えた画像処理装置。
【請求項2】
前記操作に関する文字列は、前記ユーザに対する操作の指示画面に表示された文字列、又は前記装置のユーザによって操作される部位に表示された文字列である
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記ユーザによる操作は、前記装置の動作条件を指定する操作又は前記装置の動作開始を指示する操作である
請求項1又は請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記取得部は、前記ユーザによる操作に関係する複数の文字列情報と、前記複数の文字列情報に対応付けた前記複数の文字列情報を表す識別情報と、をさらに取得し、
前記決定部は、
入力された識別情報に基づいて、前記動画情報から、前記入力された識別情報に対応する前記複数の文字列情報を含む静止画情報を決定する
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記複数の文字列情報は、前記装置の動作条件を示す属性情報である
請求項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記属性情報は、前記装置の動作条件を識別するための属性名を示す第1文字列情報、及び前記属性名に対応する属性値を示す第2文字列情報である
請求項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記第1文字列情報及び前記第2文字列情報は、前記静止画情報上において予め定めた文字列間距離に配置される情報である
請求項に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記複数の文字列情報及び前記識別情報は、前記動画情報に予め対応付けられる
請求項から請求項の何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記動画情報と、前記複数の文字列情報及び前記識別情報とを記憶する記憶部を備え、
前記取得部は、前記記憶部に記憶された前記動画情報、前記複数の文字列情報及び前記識別情報を取得する
請求項から請求項の何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項10】
コンピュータが、
予め定めた装置の操作に関する文字列と共に前記装置に対するユーザによる操作を録画した動画情報を取得し、
前記動画情報に含まれる複数の静止画情報の各々から前記文字列に対応する文字列情報を抽出し、抽出された文字列情報のうち前記装置に対する予め定められた操作を示す情報に適合する文字列情報に対応する文字列を含む静止画情報を、前記装置に対する前記予め定められた操作に関する静止画情報として決定する
ことを含む処理を実行する画像処理方法。
【請求項11】
コンピュータを、
予め定めた装置の操作に関する文字列と共に前記装置に対するユーザによる操作を録画した動画情報を取得し、
前記動画情報に含まれる複数の静止画情報の各々から前記文字列に対応する文字列情報を抽出し、抽出された文字列情報のうち前記装置に対する予め定められた操作を示す情報に適合する文字列情報に対応する文字列を含む静止画情報を、前記装置に対する前記予め定められた操作に関する静止画情報として決定するように機能させる画像処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、動画内の静止画像を対象として文字認識し、動画と文字認識結果と関連付けて出力する情報処理装置が知られている。例えば、特許文献1には、動画内で撮影されている静止画像を判定する判定手段と、前記判定手段によって判定された静止画像を対象として文字認識を行う文字認識手段と、前記動画に関する情報を取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された情報に基づいて、前記文字認識手段による文字認識結果を修正する修正手段と、前記修正手段によって修正された文字認識結果を前記動画と関連付けて出力する出力手段とを備えた情報処理装置が開示されている。
【0003】
また、動画から文字情報を含む静止画像を切り出す技術も知られている。例えば、特許文献2には、検索対象の文字列を入力する文字列入力手段と、複数のフレームを含む動画データの中から前記文字入力手段で入力された文字列が存在するフレームを検索する検索手段と、前記検索手段で検索されたフレームにおいて、前記文字列の位置が等しいフレームが予め定められた量連続している場合に、当該文字列を含むフレームを静止画データとして切り出す画像切り出し手段と、を備えた画像検索装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-69015号公報
【文献】特開2008-130050号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、動画情報から文字を特定した静止画情報を出力することでは、所定の操作を録画した動画情報に対して、当該所定の操作に対応する静止画情報を得ることが困難である。
本発明は、動画情報から文字を特定した静止画情報を出力する場合と比べて、予め定めた装置に対する操作を録画した動画情報から、所望の操作に関する静止画情報を得ることができる画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1態様の画像処理装置は、予め定めた装置の操作に関する文字列と共に前記装置に対するユーザによる操作を録画した動画情報を取得する取得部と、前記動画情報に含まれる複数の静止画情報の各々から前記文字列に対応する文字列情報を抽出し、抽出された文字列情報のうち前記装置に対する予め定められた操作を示す情報に適合する文字列情報に対応する文字列を含む静止画情報を、前記装置に対する前記予め定められた操作に関する静止画情報として決定する決定部とを備える。
また、第2態様の画像処理装置は、前記操作に関する文字列は、前記ユーザに対する操作の指示画面に表示された文字列、又は前記装置のユーザによって操作される部位に表示された文字列である。
【0007】
態様の画像処理装置は、
前記ユーザによる操作は、前記装置の動作条件を指定する操作又は前記装置の動作開始を指示する操作である
請求項1又は請求項2に記載の画像処理装置。
【0008】
態様の画像処理装置は、
前記取得部は、前記ユーザによる操作に関係する複数の文字列情報と、前記複数の文字列情報に対応付けた前記複数の文字列情報を表す識別情報と、をさらに取得し、
前記決定部は、
入力された識別情報に基づいて、前記動画情報から、前記入力された識別情報に対応する前記複数の文字列情報を含む静止画情報を決定する。
【0009】
態様の画像処理装置は、
前記複数の文字列情報は、前記装置の動作条件を示す属性情報である。
【0010】
態様の画像処理装置は、
前記属性情報は、前記装置の動作条件を識別するための属性名を示す第1文字列情報、及び前記属性名に対応する属性値を示す第2文字列情報である。
【0011】
態様の画像処理装置は、
前記第1文字列情報及び前記第2文字列情報は、前記静止画情報上において予め定めた文字列間距離に配置される情報である
【0012】
態様の画像処理装置は、
前記複数の文字列情報及び前記識別情報は、前記動画情報に予め対応付けられる。
【0013】
態様の画像処理装置は、
前記動画情報と、前記複数の文字列情報及び前記識別情報とを記憶する記憶部を備え、
前記取得部は、前記記憶部に記憶された前記動画情報、前記複数の文字列情報及び前記識別情報を取得する。
【0014】
10態様の画像処理方法は、
コンピュータが、
予め定めた装置の操作に関する文字列と共に前記装置に対するユーザによる操作を録画した動画情報を取得し、
前記動画情報に含まれる複数の静止画情報の各々から前記文字列に対応する文字列情報を抽出し、抽出された文字列情報のうち前記装置に対する予め定められた操作を示す情報に適合する文字列情報に対応する文字列を含む静止画情報を、前記装置に対する前記予め定められた操作に関する静止画情報として決定する
ことを含む処理を実行する。
【0015】
11態様の画像処理プログラムは、
コンピュータを、
予め定めた装置の操作に関する文字列と共に前記装置に対するユーザによる操作を録画した動画情報を取得し、
前記動画情報に含まれる複数の静止画情報の各々から前記文字列に対応する文字列情報を抽出し、抽出された文字列情報のうち前記装置に対する予め定められた操作を示す情報に適合する文字列情報に対応する文字列を含む静止画情報を、前記装置に対する前記予め定められた操作に関する静止画情報として決定するように機能させる。
【発明の効果】
【0016】
本開示によれば、動画情報から文字を特定した静止画情報を出力する場合と比べて、予め定めた装置に対する操作を録画した動画情報から、所望の操作に関する静止画情報を得ることができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第1実施形態に係るネットワークシステムの構成の一例を示すブロック図である。
図2】第1実施形態に係り、テスト実行時におけるテスト装置に表示される画面の一例を示すイメージ図である。
図3】第1実施形態に係るテスト仕様書の一例を示すイメージ図である。
図4】第1実施形態に係るテストプログラムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図5】第1実施形態に係るテスト報告書の一例を示すイメージ図である。
図6】第1実施形態に係る完成テスト報告書の一例を示すイメージ図である。
図7】第2実施形態に係るテストプログラムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図8】第3実施形態に係るテストを実行する場合に用いる画像形成装置の操作表示部の一例を示すイメージ図である。
図9図8の操作表示部に具備されたタッチパネルの一例を示すイメージ図である。
図10】第4実施形態に係るテストプログラムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図11】第5実施形態に係るテストプログラムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して実施形態に係る画像処理装置の一例を詳細に説明する。
本実施形態は、動画情報から予め指定された操作に関する静止画情報を決定する画像処理装置の一例を説明する
なお、以下の説明では、作用、機能が同じ働きを担う構成要素及び処理には、全図面を通して同じ符合を付与し、重複する説明を適宜省略する場合がある。
【0019】
(第1実施形態)
図1に、第1実施形態に係るネットワークシステム1の構成の一例を示す。
ネットワークシステム1は、例えば拠点内で機能するように構築されたイントラネット等の内部ネットワーク2と、テスト装置3と、テスト対象の画像形成装置4と、インターネット等の外部ネットワーク5と、を備えている。テスト装置3、及び画像形成装置4は、内部ネットワーク2に接続されている。また、ネットワークシステム1は、外部ネットワーク5に接続された管理装置6を備えている。
【0020】
なお、図1では、一例として、テスト装置3、及び画像形成装置4を、内部ネットワーク2に接続した場合を示すが、テスト装置3、及び画像形成装置4は、外部ネットワークに接続してもよい。
また、本実施形態では、テスト対象の装置の一例として画像形成装置4を採用した場合を説明するが、テスト対象の装置を画像形成装置4に限定するものではなく、予め定めた固有機能を有するデバイスでもよい。例えば、予め定めた固有機能を有するデバイスには、スマートフォン、及びIoTデバイス等のデバイスが挙げられる。
【0021】
第1実施形態では、テスト対象の画像形成装置4の一例として、原稿を複写するコピー機能、原稿を画像として読み取って(スキャン)データ化するスキャン機能、及び入力された原稿の電子データを印刷するプリント機能を含む原稿関連機能を有する複合機を用いる。この原稿関連機能を実現するために、画像形成装置4は、原稿をスキャンするスキャナ46、及び各種データをプリントするプリンタ48を備えている。また、画像形成装置4は、ネットワーク2と通信する機能部である通信インタフェース(I/F)42を備えている。
【0022】
具体的には、図1に示すように、画像形成装置4は、各種機能を実現する処理を実行する実行装置としてコンピュータを含んで構成している。
画像形成装置4は、コンピュータ本体40を備えている。コンピュータ本体40は、CPU40A、RAM40B、ROM40C、ハードディスク装置(HDD)等の補助記憶装置40D、及び入出力インターフェース(I/O)40Eを備えている。これらのCPU40A、RAM40B、ROM40C、補助記憶装置40D、及び入出力I/O40Eは、相互にデータ及びコマンドを授受可能にバス40Fを介して接続された構成である。また、I/O40Eには、通信I/F42、ディスプレイやキーボード等の操作表示部44、スキャナ46、及びプリンタ48が接続されている。
【0023】
補助記憶装置40Dは、画像形成装置4で原稿関連機能を実現するための原稿関連機能プログラム40Pを記憶している。CPU40Aは、原稿関連機能プログラム40Pを補助記憶装置40Dから読み出してRAM40Bに展開して処理を実行する。これにより、原稿関連機能プログラム40Pを実行した画像形成装置4は、コピー機能、スキャン機能、及びプリント機能を含む原稿関連機能を実行可能に動作する。
【0024】
一方、テスト装置3は、テスト対象の画像形成装置4のテストを実行する機器であり、詳細を後述する予め定めたテスト条件に従ってテストを実行する。
【0025】
具体的には、図1に示すように、テスト装置3は、テスト対象に対してテストを実行する実行装置としてコンピュータを含んで構成している。
テスト装置3は、コンピュータ本体30を備えている。コンピュータ本体30は、CPU30A、RAM30B、ROM30C、ハードディスク装置(HDD)等のメモリ30D、及び入出力インターフェース(I/O)30Eを備えている。これらのCPU30A、RAM30B、ROM30C、メモリ30D、及び入出力I/O30Eは、相互にデータ及びコマンドを授受可能にバス30Fを介して接続された構成である。また、I/O30Eには、少なくとも内部ネットワーク2と通信する機能部である通信インタフェース(I/F)32、ディスプレイやキーボード等の操作表示部34が接続されている。また、I/O30Eには、テスト実行時の操作及びテスト実行時の状態を検出する検出装置の一例として、カメラ36及びマイクロフォン38が接続されている。
【0026】
メモリ30Dには、テスト対象に対してテストを実行するためのテストプログラム30Gが記憶される。CPU30Aは、テストプログラム30Gをメモリ30Dから読み出してRAM30Bに展開して処理を実行する。これにより、テストプログラム30Gを実行したテスト装置3はテスト装置として動作する。なお、メモリ30Dには、テストの実行に関係する情報がデータ30Kに記憶される。テストプログラム30Gは、CD-ROM等の記録媒体により提供するようにしても良い。
【0027】
なお、テスト装置3は、開示の技術における画像処理装置の一例である。
【0028】
次に、第1実施形態に係るテスト装置3によって画像形成装置4に対して実行されるテストについて説明する。
第1実施形態では、予め定めたテスト仕様書に含まれるテスト条件に従って、テスト担当が、画像形成装置4に対するテストを実行する場合を説明する。このテストの実行中には、テスト担当による各種の操作を含むテスト状況が記録される。すなわち、画像形成装置4に対するテストの指示画面が映像に関するテスト状況として、カメラ36で撮影され、撮影された動画情報はメモリ30Dに記録される。また、音声に関するテスト状況は、マイクロフォン38により集音され、集音された音声情報はメモリ30Dに記録される。
【0029】
図2に、テスト実行時におけるテスト装置3に表示される画面35の一例を示す。画面35は、画像形成装置4で処理される原稿関連機能の一例として、写真画像70を印刷する場合における印刷条件が、テスト装置3の操作表示部34に表示された画像を示している。
【0030】
図2に示すように、画面35には、印刷対象の写真画像70が表示されており、その周囲に印刷条件が表示されている。印刷条件は、印刷対象(写真画像70)を印刷する場合に、画像形成装置4が有する機能の設定であり、その機能はパラメータとして設定される。この印刷条件のパラメータは、後述するように、テスト用のパラメータでもある。
【0031】
具体的には、パラメータは、名称と設定値とを含む。図2では、設定するパラメータの一例として、写真画像70の上方に、用紙の種類及び印刷品質に関係する属性情報が表示されている。より具体的には、属性情報の属性名として、装置情報71、用紙サイズ情報72、印刷品質情報73、及び用紙形式情報74が表示されている。属性名が装置情報71の設定値である属性値には、表示領域71Aに写真画像70を印刷する画像形成装置4を識別するための装置名を示す情報が表示される。同様に、用紙サイズ情報72では、写真画像70を印刷する用紙の大きさを示す情報が表示される。印刷品質情報73では、表示領域73Aに写真画像70を印刷する場合の印刷品質を示す情報が表示される。用紙形式情報74では、余白及び用紙の向き等の用紙形式を示す情報が表示される。
【0032】
これらの属性情報の各々は、予め定めた複数の属性値から何れか1つを選択可能になっている。例えば、印刷品質情報73では、表示領域73Aに写真画像70を印刷する場合の印刷品質を示す複数の属性値が表示される。表示領域73Aには、選択指示ボタン73Bが隣接して配置され、選択指示ボタン73Bを押下することで、何れか1つの印刷品質の属性値を選択可能に複数の属性値が、表示領域73Aの下方にプルダウンメニューとして表示される。図2に示す例では、選択可能領域73Cに標準(Standard)を示す属性値、及び選択可能領域73Dに拡張(Enhanced)を示す属性値がプルダウンメニューとして表示されて、選択された選択可能領域73Cがハイライト表示(斜線領域の選択可能領域73C)されたことを示している。
【0033】
同様に、装置情報71では、選択指示ボタン71Bが表示領域71Aに隣接して配置され、選択指示ボタン71Bの押下により、写真画像70を印刷する画像形成装置4を示す属性値が選択可能になっている。用紙サイズ情報72では、選択指示ボタン72Bが表示領域72Aに隣接して配置され、選択指示ボタン72Bの押下により、用紙サイズを示す属性値が選択可能になっている。用紙形式情報74では、選択指示ボタン74Bが表示領域74Aに隣接して配置され、用紙形式を示す属性値が選択可能になっている。
【0034】
また、写真画像70の下方には、印刷量に関係する属性情報として写真画像70を印刷する枚数情報75が表示される。枚数情報75では、表示領域75Aに写真画像70を印刷する場合の印刷枚数を示す情報が表示される。表示領域75Aには、選択指示ボタン75B、75Cが隣接して配置され、選択指示ボタン73Bの押下により、印刷枚数を増加させた属性値を指定でき、選択指示ボタン75Cの押下により、印刷枚数を減少させた属性値を指定できる。また、写真画像70の下方には、印刷実行指示情報76も表示される。印刷実行指示情報76には、印刷実行指示ボタン76A、及び印刷中止指示ボタン76Bが配置される。
【0035】
なお、印刷条件のパラメータである属性情報の属性名と属性値とは、近接して配置され、画像形成装置4が有する機能(属性名)と、その機能の設定値(属性値)との関係性を高めることができるようになっている。
【0036】
一方、画像形成装置4のテストは、テストの内容を定めたテスト条件に従って実行される。すなわち、印刷対象(写真画像70)を印刷する場合の印刷条件(パラメータ)が、テスト用のテスト条件(パラメータ)でもある。テスト条件は、テスト仕様書に記載されており、テスト担当は、テスト仕様書に記載されたテスト条件による画像形成装置4のテストを実行する。第1実施形態では、テスト条件は、テストを実行する場合における印刷条件である属性情報を定めたものである。
【0037】
図3に、テスト仕様書80の一例を示す。
図3に示すように、テスト仕様書80は、テスト担当情報81、テストの実行日時情報、及びテスト条件情報83を含んでいる。テスト担当情報81は、テストを実行した担当者を識別するための名前等の情報が格納され、テストの実行日時情報は、テストを実行した日時が格納される。テスト条件情報83は、画像形成装置4において実行するテストとして予め定められたテスト条件が格納される。テスト条件情報83は、テスト条件の属性情報として、装置情報71(図3では「装置名」と表記)、用紙サイズ情報72、印刷品質情報73、及び用紙形式情報74の各々の属性名に対応する属性値の各々の集合に、テスト番号による項目名を対応付けて記録される。例えば、テスト番号2の項目名によるテストは、「M-1」と指定した画像形成装置4で、「letter」と指定した大きさの用紙で、「Standard」と指定した標準印刷品質で、「Printer Default」と指定した初期値の集合による属性情報として指定されたテスト条件を示している。テスト仕様書80は、メモリ30Dのデータ30Kに予め記憶される。
【0038】
なお、項目名は、開示の技術における識別情報の一例であり、テスト条件情報83は、複数の文字列情報の一例である。
【0039】
次に、第1実施形態に係るテスト装置3において、画像形成装置4に対するテストに関係する画像を処理する画像処理について説明する。
【0040】
図4に、第1実施形態に係るテスト装置3で実行されるテストプログラム30Gの処理の流れの一例を示す。テストプログラム30Gは、テスト装置3へ電源投入され、例えば、画像形成装置4に対するテストの実行が指示された際に、CPU30Aにより実行される。
なお、第1実施形態では、項目名、すなわちテスト番号がテスト担当により指定され、指定されたテスト番号によるテストを撮影した動画情報から静止画情報を抽出してテスト報告書を作成する場合を説明する。
【0041】
まず、ステップS100では、メモリ30Dのデータ30Kに予め記憶されたテスト仕様書80(図3)を取得する。次のステップS102では、ステップS100で取得したテスト仕様書80に基づいて実行されたテスト記録情報を取得する。ここでは、テスト担当により項目名(例えば、テスト番号2)が指定され、指定された項目名によるテストを撮影した動画情報がテスト記録情報を取得される。
【0042】
具体的には、テスト担当は、取得したテスト仕様書に記載されたテスト条件による画像形成装置4のテストを実行する。このテストの実行中、すなわちテストの開始から終了までの間、テスト状況を示すテスト記録情報が記録される。例えば、少なくとも映像に関するテスト状況としてテスト担当の操作がカメラ36で撮影され、撮影された動画情報は、メモリ30Dにテスト記録情報として記録される。ステップS102では、例えば、テスト番号2として実行されたテストが記録された動画情報であるテスト記録情報をメモリ30Dから取得する。
【0043】
なお、テスト記録情報は、テスト仕様書における何れのテスト条件に従って実行されたテストであるかの識別を容易にするため、テスト仕様書におけるテスト番号に対応付けてメモリ30Dに記録されていることが好ましい。また、テスト仕様書におけるテスト番号によるテストの実行を開始することを検出して、テストの実行開始時に、開始したテストのテスト番号に対応付けるようにしてもよい。
【0044】
次のステップS104では、ステップ102で取得したテスト記録情報に文字認識処理を実行し、次のステップS106で、認識結果の文字情報をテスト記録情報に対応付けて保存する。テスト記録情報である動画情報は、時系列に連続する複数の静止画情報により構成される。従って、ステップS104では、動画情報に含まれる複数の静止画情報の各々に対して文字認識処理を実行し、認識結果の文字情報を、ステップS106で、テスト記録情報(動画)に対応付けて保存する。ここで、文字認識処理による認識結果の文字情報は、文字認識処理した動画情報に含まれる静止画情報に対応付けてもよく、動画情報中の静止画情報の位置を示す時間情報に対応付けてもよい。これにより、認識結果の文字情報は、動画情報中の静止画情報の位置に対応付けられる。
【0045】
次に、ステップS108では、ステップS100で取得したテスト仕様書80から、テスト担当により指定された項目名(例えば、テスト番号2)に対応するテスト番号及びテスト条件の属性情報を抽出する。そして、次のステップS110では、項目名であるテスト番号にテスト条件の属性情報を対応付けてメモリ30Dに保存する。
【0046】
次のステップS112では、認識結果の文字情報がテスト条件の属性情報に適合する画像を示す静止画情報を抽出する。ステップS112では、まず、ステップS106で保存したテスト記録情報及びテスト記録情報に対応付けられた文字情報の動画情報セットと、ステップS110で保存したテスト番号及びテスト番号に対応付けられたテスト条件の属性情報セットとをメモリ30Dから取得する。次に、動画情報セットの文字情報と、属性情報セットの属性情報との適合度を演算し、演算された適合度が、予め定めた閾値を超えた関係の動画情報セットにおける文字情報に対応づけられた画像を示す静止画情報を抽出する。
【0047】
第1実施形態では、動画情報セットの文字情報と、属性情報セットの属性情報との適合度の一例は、文字認識結果の文字情報と、テスト条件の属性情報が示す文字情報との一致度合いを示す。例えば、文字認識結果の文字情報と、テスト条件の属性情報が示す文字情報とが完全一致の場合を適合度「1」とし、完全不一致の場合を適合度「0」とする。そして、文字認識結果の文字情報と、テスト条件の属性情報が示す文字情報とが一致する情報量に応じて、一致する文字情報が増加するに従って適合度が増加するように演算する。閾値は、「1」以下の値を適宜定めればよいが、抽出精度向上を目的とした場合、適合度「1」を採用することが好ましい。
【0048】
なお、適合度は、語句の一致に限定されず、文字情報を規定する規定情報をさらに用いて抽出精度を向上させてもよい。規定情報の一例には、文字の大きさ、フォント、静止画像内の位置、及び複数文字間の距離等が挙げられる。なお、規定情報を適合度に用いる場合、規定情報に関する規定条件を予め定めておけばよい。例えば、動画情報セットの文字情報を特定する文字の大きさを規定する規定情報を用いる場合、適合する文字の大きさ又は大きさの範囲を定めておき、適合する文字の大きさ又は大きさの範囲に該当する文字情報のみを抽出すればよい。
【0049】
複数の語句の組み合わせによる複数の文字列単位で適合度を求める場合、その組み合わせ文字列間の距離、方向及び配置の少なくとも一つをパラメータとする規定情報をさらに用いて抽出精度を向上させてもよい。例えば、組み合わせ文字列間の距離を規定情報として用い、当該距離の閾値を予め定めておくことにより、共通する文字列が動画情報セットと属性情報セットに存在する場合であっても、組み合わされた複数の文字列の距離が一方は近接し、他方が離間している場合は、一致度合いが低くなる。また、方向及び配置を含めて規定情報を定めることでも同様に、抽出精度を向上させることができる。
【0050】
規定情報の一例として、属性名の文字列の下方に属性値の文字列があり、属性名の文字列と属性値の文字列との距離は、予め2mmと定められる場合が挙げられる。そして、ステップS112で、テスト仕様書のテスト番号2の、属性名「用紙サイズ」が属性値「letter」に設定された画像を抽出する場合を考える。画像中の文字列「用紙サイズ」の下方に文字列「letter」があり、文字列「用紙サイズ」と文字列「letter」の距離が、2mmの場合、属性情報として、属性名「用紙サイズ」が属性値「letter」に設定され、適合している。そして、この画像は抽出される。画像中に、文字列「用紙サイズ」の右に文字列「letter」が存在する場合、または、文字列「用紙サイズ」と文字列「letter」が5cmの距離で存在する場合は、属性名「用紙サイズ」が属性値「letter」に設定されておらず、適合しない。そして、この画像は抽出されない。なお、複数の文字列に対して文字列間の距離及び方向の一例を示したが、文字列間の距離、又は文字列間の方向のみでもよい。
【0051】
また、複数の文字列の配置は、画像上に予め定めた位置関係にある複数の文字列が挙げられる。すなわち、複数の文字列の配置は、複数の文字列の各々の位置、文字列間の距離及び方向を規定するものである。例えば、画像の右上の所定位置に第1文字列が位置し、画像の右下の所定位置に第2文字列が位置する配置が予め規定される。これにより、画像中の第1文字列が第1所定位置にあり、第2文字列が第2所定位置にある場合、適合し、この画像は抽出される。一方、画像中に、第1文字列が第1所定位置にない場合、及び第2文字列が第2所定位置にない場合の少なくとも一方の場合は、適合せずに画像は抽出されない。なお、複数の文字列の配置は、予め定めた文字列の位置のみを規定して、他の文字列に対して方向及び距離を規定してもよい。複数の文字列の配置を規定するものの一例には、画像上に配置される複数文字列の各々を規定したテンプレートが挙げられる。
【0052】
さらに、テスト条件の属性情報に適合する画像を示す静止画情報を抽出する場合、適合度は、認識結果の文字情報、例えば文字列のみを用いることに限定されるものではなく、画像認識結果を含めてもよい。例えば、テスト条件の属性情報に対応する、アイコン画像等の予め定めた指定画像を対象としてもよい。予め定めた指定画像を対象とする場合、例えば、選択指示によって指定画像の大きさ、背景、画像の色、画像反転、文字の色の少なくとも1つが変化する指定画像であるとき、変化した指定画像を含む静止画情報を、テスト条件の属性情報に適合する画像を示す静止画情報として抽出してもよい。また、選択指示によって異なる画像が表示されるラジオボタン画像、及びチェックボックス画像等の選択指示画像を、含めてテスト条件の属性情報に適合する画像を示す静止画情報を抽出してもよい。
【0053】
また、テスト条件の属性情報に適合する画像を示す静止画情報を抽出する場合、認識結果の文字情報や、文字列情報を含む静止画情報を抽出対象の画像とすることに限定されない。例えば、スタートボタン画像等の文字又は文字列を含まない予め定めた固定画像を対象としてもよい。
【0054】
次のステップS114では、ステップS112で抽出された静止画情報をテスト番号に関連付けて保存する。これによって、テスト番号で示されるテストを実施した際に記憶された動画の中で、テスト番号で示されるテスト条件でテスト担当が実施した操作に対応する静止画情報が、テスト番号毎に保存される。
【0055】
次のステップS116では、画像形成装置4のテスト報告書を取得する。テスト報告書は、テスト仕様書に記載されたテスト条件による画像形成装置4のテスト結果を示す情報が記録される。具体的には、テスト担当は、テスト仕様書に記載されたテスト条件による画像形成装置4のテストを実行し、実行したテストの結果を評価する。テスト担当は、その評価を、テスト結果とするテスト報告書を作成する。
【0056】
図5に、テスト報告書84の一例を示す。
図5に示すように、テスト報告書84は、テスト仕様書80に含まれる、テスト担当情報81、テストの実行日時情報82、及びテスト条件情報83に、テスト結果情報85が追加されたものである。テスト結果情報85は、テストを実行した結果を示す情報が格納される。図5に示す例では、テスト結果情報85は、実行したテストが正常に終了したことを示す「Pass」、又は、失敗したことを示す「Fail」の何れかを示す情報が格納される。このテスト結果情報85は、テスト実行後にテスト担当によって記入される。
【0057】
従って、ステップS116では、テスト担当によってテスト結果情報85が記入されたテスト報告書が取得される。
【0058】
次に、図4に示すステップS118では、ステップS112で抽出された静止画情報をテスト報告書84に関連付けた完成テスト報告書86を保存する。すなわち、ステップS118では、ステップS116で取得したテスト報告書84におけるテスト番号毎に、テスト番号に対応付けられてステップS114で保存された静止画情報の位置情報を取得し、取得した静止画情報の位置情報を、テスト報告書84に関連付けて完成テスト報告書86を生成して保存する。
【0059】
なお、ステップS102の処理は、開示の技術における取得部で実行される処理の一例である。また、ステップS112及びステップS114の処理は、開示の技術における決定部で実行される処理の一例である。
【0060】
図6に、完成テスト報告書86の一例を示す。
図6に示すように、完成テスト報告書86は、テスト報告書84に含まれる、テスト担当情報81、テストの実行日時情報82、テスト条件情報83、及びテスト結果情報85に、テストの実行操作に関係する画像を示す操作画像情報87が追加されたものである。操作画像情報87は、テスト番号で示されるテストを実行した際におけるテスト担当の操作が反映された画像である静止画情報の位置情報が格納される。これによって、完成テスト報告書86には、テスト番号毎に、テストを実施したとされるテスト条件、そのテスト結果、そしてテスト条件でテスト担当が実施した操作に対応する画像の各々を示す情報が保存される。
【0061】
以上説明したように第1実施形態によれば、テスト条件の属性情報に適合する文字情報を含む画像を示す静止画情報を、テスト条件に対応付けて保存できるので、テスト条件に従って実行したテストに関するテスト担当の操作を把握することが容易になる。これにより、テスト条件に従って実行したテストに関して、テスト担当の操作を対応付けて確認することが可能になる。
【0062】
なお、第1実施形態では、テスト条件の属性情報に適合する静止画情報を、項目名であるテスト番号(テスト条件)に対応付けて保存する場合を説明したが、テスト記録情報である動画情報における静止画情報の位置に、タグ情報を付与するようにしてもよい。すなわち、タグ情報は、テスト条件の属性情報に適合する静止画情報を示すものであり、項目名(テスト項目)に対応する静止画情報の位置に付与する。このようにすることで、入力により特定されるテスト条件に対応して付与されたタグ情報の位置から動画を再生でき、テスト担当の操作を確認することが可能になる。
【0063】
また、第1実施形態では、テストが実行された状況を動画情報であるテスト記録情報としてメモリ30Dに記録することができる。ところが、テストの実行に要する時間が不明であることがあり、テスト終了前に、メモリ30Dの容量が不足する場合がある。この場合、メモリ30Dの容量を常時監視し、メモリ30Dの容量が、容量不足の虞がある予め定めた所定容量以下の残量になった場合に、テスト担当へ容量不足の虞があることを報知することが好ましい。
【0064】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態は、テスト条件に従ったテストの再実施を促す場合に開示の技術を適用したものである。なお、第2実施形態は第1実施形態と略同様の構成のため、同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0065】
図7に、第2実施形態に係るテストプログラム30Gの処理の流れの一例を示す。第2実施形態では、テスト条件の属性情報に適合する画像の抽出結果に基づいて、テストの再実施を促す処理を実行する。
図7に示す第2実施形態に係るテストプログラム30Gの処理は、図4に示す第1実施形態に係るテストプログラム30Gの処理におけるステップS112とステップS114との間に、ステップS113及びステップS119の処理を追加したものである。
【0066】
第2実施形態に係るテストプログラム30Gは、第1実施形態と同様に、CPU30Aにより実行される。CPU30Aは、テスト記録情報(動画情報)について文字認識処理を実行し、認識結果の文字情報をテスト記録情報に対応付けて保存する(ステップS100~S106)。次に、テスト番号及びテスト条件の属性情報を抽出し、テスト番号にテスト条件の属性情報を対応付けて保存する(ステップS108、S110)。そして、認識結果の文字情報がテスト条件の属性情報に適合する画像を示す静止画情報を抽出する(ステップS112)。
【0067】
次に、CPU30Aは、ステップS113で、上記ステップS112において静止画像が抽出されたか否かを判断する。静止画像が抽出されて、ステップS113で肯定判断した場合は、ステップS114へ処理を移行する。
【0068】
一方、ステップS112において静止画像が抽出されなかった場合、テスト条件の属性情報に適合する操作が撮影された画像が存在しないことに相当する。すなわち、テスト記録情報である動画情報から、テスト条件に従ったテストが実行されたことを判別することが困難な状態である。そこで、第2実施形態では、ステップS113で否定判断した場合は、ステップS114からステップS118の処理を実行することなく、ステップS119で、テスト条件に従ったテストの再実施を促す指示を実行した後に、本処理ルーチンを終了する。
【0069】
以上説明したように第2実施形態によれば、テスト条件の属性情報に適合する画像を示す静止画情報が抽出されなかった場合に、テスト条件に従ったテストの再実施を促すことで、テスト条件に従ったテストを確実に実行させることができる。
【0070】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態は、画像形成装置4の操作表示部44を操作してテストを実行する場合に開示の技術を適用したものである。なお、第3実施形態は第1実施形態及び第2実施形態と略同様の構成のため、同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0071】
図8に、テストを実行する場合に用いる画像形成装置4の操作表示部44の一例を示す。また、図9に、操作表示部44に具備され、画像形成装置4で処理される原稿関連機能の表示及び指示のためのタッチパネル45の一例を示す。
【0072】
図8に示すように、操作表示部44は、原稿関連機能を指示するための複数の固定ボタン44Aを備えており、複数の固定ボタンの各々の周囲又は固定ボタン上には、複数の固定ボタンの各々の機能を示す情報が形成されている。例えば、操作表示部44には原稿関連機能を実行指示のためのスタートボタン44Aが設けられており、スタートボタン44Aの下方には機能を示す「スタート」の文字情報が形成されている。
【0073】
また、図9に示す例では、原稿関連機能のうちスキャナの実行指示のための固定ボタンが押圧された場合に移行するタッチパネル45の画面を一例として示した。図9に示すように、タッチパネル45は、スキャナの実行のための出力ファイル形式の指示入力画面の一例が示されている。図9に示す例では、出力ファイルのフォーマット方式の選択指示ボタン、スキャン画像の圧縮方式の選択指示ボタン、スキャン画像の文字認識処理の実行指示ボタン、スキャン画像のセキュリティ方式の指示ボタンの各々の選択領域が表示されている。なお、図9では、出力ファイルのフォーマット方式として、「Docuworks」(登録商標)の選択指示ボタンが押下されて、その選択領域がハイライト表示(斜線領域として表示)されたことを示している。
【0074】
また、図9では、テスト担当の指の画像が、「DocuWorks」の選択指示ボタンに重なるようになっており、「DocuWorks」(登録商標)の選択指示がされている。
また、開示の技術では、ハードウエアボタンの画像に指の画像が重なっている画像の場合、そのハードウエアボタンを押す操作がされているとみなす。例えば、図8に示す例で、例えばスタートボタン44Aの画像に指の画像が重なっている場合、スタートボタン44Aを押す操作がされているとみなす。この場合、テスト担当の指がハードウエアボタンを押圧する方向の画像であること、例えば爪に対応する画像の有無を判別することで、ハードウエアボタンを押す操作がされているとみなす推定精度が向上する。
【0075】
次に、第3実施形態に係り、画像形成装置4に対するテストに関係する画像を処理する画像処理について説明する。なお、第3実施形態に係るテスト装置3で実行されるテストプログラム30Gの処理の流れは、図4に示す処理の流れと同様である。
【0076】
第3実施形態では、第1実施形態及び第2実施形態でテスト装置3の操作表示部34を撮影してテスト状況を示すテスト記録情報を記録したのに対して、画像形成装置4の操作表示部44を撮影してテスト状況を示すテスト記録情報を記録する点が相違する。すなわち、第3実施形態では、画像形成装置4の操作表示部44に対する操作をテスト記録情報(動画情報)として記録し、テスト装置3のメモリ30Dに保存する。そして、テスト記録情報(動画情報)について文字認識処理を実行し、認識結果の文字情報をテスト記録情報に対応付けて保存する(ステップS100~S106)。次に、テスト番号及びテスト条件の属性情報を抽出し、テスト番号にテスト条件の属性情報を対応付けて保存する(ステップS108、S110)。そして、認識結果の文字情報がテスト条件の属性情報に適合する画像を示す静止画情報を抽出する(ステップS112)。
【0077】
このように第3実施形態によれば、テストを実行するテスト対象の装置が変更された場合であっても、特段の処理を追加したり変更したりすることなく、テストを実行することができる。
【0078】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について説明する。第4実施形態は、テスト担当の操作が反映された画像を確実に抽出するものである。なお、第4実施形態は第1実施形態と略同様の構成のため、同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0079】
図10に、第4実施形態に係るテスト装置3で実行されるテストプログラム30Gの処理の流れの一例を示す。テストプログラム30Gは、テスト装置3へ電源投入され、例えば、画像形成装置4に対するテストの実行が指示された際に、CPU30Aにより実行される。
【0080】
第4実施形態では、テストの実行中、すなわちテストの開始から終了までの間、テスト担当の操作をカメラ36で撮影した動画情報、及びテスト担当の操作時の音声をマイクロフォン38で集音した音声情報の各々を、テスト状況を示すテスト記録情報としてメモリ30Dに記録する。
【0081】
ところで、メモリ30Dは、有限容量であるため、テスト記録情報の容量がメモリ30Dの空き容量を超える場合には、テスト記録情報を記録することができない。そこで、第4実施形態では、画像形成装置4に対するテストの実行前に、テスト記録情報を確実に記録可能にするための処理を実行する。
【0082】
まず、ステップ200において、メモリ30Dの空き容量を取得する。また、このステップS200では、テスト記録情報を記録するために推奨された望ましい記録容量(以下、推奨容量という。)も取得される。このテスト記録情報を記録するために望ましい記録容量は、予め実験等によって定められている。次のステップS202では、メモリ30Dの空き容量が推奨容量を超えるか否かを判別することによって、メモリ30Dに充分な空き容量が有るか否かを判断する。
【0083】
メモリ30Dの空き容量が推奨容量以下の場合、ステップS202で否定判断し、ステップS204において、メモリ30Dの空き容量が不足していることを報知し、画像形成装置4に対するテストを実行することなく、本処理ルーチンを終了する。これによって、テスト担当はテストを進めるにあたってテスト記録情報を記録困難な状況に陥る虞があることを確認できる。
【0084】
一方、メモリ30Dの空き容量が推奨容量を超えた場合、ステップS202で肯定判断し、第1実施形態と同様に、ステップS100で、テスト仕様書80(図3)を取得する。次のステップS206では、図4に示すステップS102と同様に、ステップS100で取得したテスト仕様書80に基づいて実行されたテスト記録情報を取得する。なお、ステップS206では、テスト担当の操作をカメラ36で撮影した動画情報、及びテスト担当の操作時の音声をマイクロフォン38で集音した音声情報の各々を、テスト状況を示すテスト記録情報としてメモリ30Dから取得する。
【0085】
次のステップS208では、ステップ206で取得したテスト記録情報からハイライト操作状態を検出し、検出されたハイライト操作状態を示すハイライト情報を、検出された時点の位置、すなわちテスト記録情報の動画情報における静止画情報に付与する。ハイライト操作状態は、テスト条件に従って行うテスト実行時における直接的な行為を示すテスト担当の状態であり、動画情報及び音声情報の少なくとも一方から検出可能である。例えば、タッチパネルにおけるボタン押圧の行為で、押圧したボタンの画像が通常表示から変化した画像表示に移行する場合、動画像からボタン画像の表示変化を検出することで、ハイライト操作状態を検出することができる。また、テスト実行時に行うテスト担当の操作に対応して、「テスト番号1の開始」及び「印刷指示」等の予め定めた語句を発音するように取り決めておけば、テスト記録情報として記録された音声情報を音声認識処理し、予め定めた語句の発音を検出することで、ハイライト操作状態を検出することができる。
【0086】
次のステップ210では、図4に示すステップS104及びステップS106と同様にして、テスト記録情報のうちの動画情報における静止画情報の各々について文字認識処理し、認識結果の文字情報を静止画情報に関連付けて保存する。
【0087】
次のステップ212では、図4に示すステップS108及びステップS110と同様にして、テスト仕様書80から、テスト番号及びテスト条件の属性情報を抽出し、テスト番号にテスト条件の属性情報を関連付けてメモリ30Dに保存する。
【0088】
次のステップS214では、まず、図4に示すステップS112と同様に、認識結果の文字情報がテスト条件の属性情報に適合する画像を示す静止画情報を抽出する。次に、抽出された静止画情報の中から、ハイライト情報が付与された静止画情報をさらに抽出する。これによって、ステップS214で抽出される静止画情報は、テスト条件に従って行うテスト実行時における直接的な行為を示す静止画情報に制限することができる。このステップS214の処理は、図4に示すステップS112において、静止が情報が複数抽出された場合に有効である。すなわち、テスト条件の属性情報に適合する文字が認識された文字情報を含む静止画情報が複数抽出された場合、ハイライト情報が付与された静止画情報を抽出することで、抽出する静止画情報の数を抑制することができる。従って、テスト条件に従って行った操作に関連する静止画情報の抽出精度が向上する。
【0089】
次に、図4に示すステップS114と同様に、抽出された静止画情報をテスト番号に関連付けて保存する。そして、図4に示すステップS116と同様に、テスト結果情報85が記入された画像形成装置4のテスト報告書84(図5)を取得し、図4に示すステップS118と同様に、抽出された静止画情報をテスト報告書84に関連付けた完成テスト報告書86を保存する。
【0090】
以上説明したように第4実施形態によれば、テスト記録情報をメモリ30Dに記録する以前に、容量不足を報知するので、テストの実行中に容量不足となり、テストを継続することを阻害する状態に推移することを抑制できる。
【0091】
なお、第4実施形態には、第2実施形態に係るテスト条件に従ったテストの再実施を促す処理を実行するようにしてもよい。すなわち、図10に示すステップS214との処理と、ステップS114の処理との間に、図7に示すステップS113及びステップS119の処理を追加すればよい。
【0092】
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について説明する。
上記各実施形態は、テスト記録情報をメモリ30Dに記録してから処理を行ってもよいし、テスト記録情報をメモリ30Dに一時的に記録して実時間処理を行ってもよい。テスト装置3におけるメモリ30Dの消費量を抑制するためには、テスト条件に従ったテストを実施しながら、実施したテストの操作に対応する画像を抽出することが好ましい。そこで、第5実施形態では、テスト条件に従ったテストを実施しながら、実施したテストの操作に対応する画像を抽出する最適な処理の一例を説明する。
【0093】
なお、第5実施形態は第1実施形態と略同様の構成のため、同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。また、第5実施形態では、テスト条件に従ったテストを実施しながら、実施したテストの操作に対応する画像を抽出するので、動画情報及び音声情報をメモリ30Dに記録する必要はない。
【0094】
図11に、第5実施形態に係るテストプログラム30Gの処理の流れの一例を示す。第5実施形態では、カメラ36で撮影しながら、撮影した動画を構成する静止画単位で処理を進める。
【0095】
第5実施形態に係るテストプログラム30Gでは、CPU30Aは、まず、ステップS300で、図4に示すステップS100と同様に、メモリ30Dのデータ30Kに予め記憶されたテスト仕様書80(図3)を取得する。次に、ステップS302で、図4に示すステップS108と同様に、テスト仕様書80から、テスト番号及びテスト条件の属性情報を抽出し、次のステップS304で、図4に示すステップS110と同様に、テスト番号にテスト条件の属性情報を対応付けてメモリ30Dに保存する。なお、ステップS302及びステップS304は、項目名(指定されたテスト番号)によるテストの実施毎に処理してもよく、テスト仕様書80に含まれる項目名に対して全て処理してもよい。
【0096】
次に、ステップS306で、テスト仕様書80の何れかのテスト番号(例えば、テスト担当により指定されたテスト番号2)のテストを開始し、動画情報及び音声情報の取得を開始する。ステップS306に示すテストの開始は、テスト担当による操作表示部34による操作を検出して開始してもよく、「テスト番号2を開始」などの予め定めた音声の発音により開始してもよい。
【0097】
次のステップS308では、図4に示すステップS102と同様に、テスト記録情報のうちの動画情報における静止画情報を取得し、次のステップS310で、図4に示すステップS104と同様に、文字認識処理を実行する。次のステップS312では、図4に示すステップS112と同様に、認識結果の文字情報が、保存されているテスト条件の属性情報に適合する画像を示す静止画情報を抽出することが可能か否かを判定する。
【0098】
次のステップS314では、ステップS312の判定結果に基づいて、静止画像情報がテスト条件の属性情報に適合する場合、肯定判断してステップS316へ処理を移行し、不適合の場合は否定判断してステップS308へ処理を戻す。ステップS316では、図4に示すステップS114と同様に、取得された静止画情報をテスト番号に関連付けて保存する。これによって、テスト番号で示されるテストを実施した際の動画中で、操作に対応する静止画情報が、テスト番号に対応付けて保存される。
【0099】
次のステップS320では、テスト仕様書80における全てのテスト番号のテストが終了したか否かを判断し、否定判断した場合は、ステップS306へ処理を戻し、残存するテスト番号のテストを実行する。一方、肯定判断した場合は、ステップS322へ処理を移行して、図4に示すステップS116と同様に、画像形成装置4のテスト報告書を取得し、次のステップS324で、図4に示すステップS118と同様に、静止画情報をテスト報告書84に関連付けた完成テスト報告書86を保存する。
【0100】
以上説明したように第5実施形態によれば、テスト条件に従ったテストを実施しながら、実施したテストの操作に対応する画像を抽出するので、動画情報及び音声情報をメモリ30Dに記録する場合のメモリ容量を削減できる。
【0101】
なお、上記実施形態では、カメラ36によって映像に関するテスト状況としてテスト担当の操作を撮影して得た動画情報をテスト記録情報として得る場合を説明したが、開示の技術は、動画情報に限定されるものではない。例えば、テスト記録情報には、表示画面を保存する所謂スクリーンショット等の静止画像情報を時系列的に連続して保存する静止画情報セットでもよい。
【0102】
以上、各実施形態を用いて説明したが、開示の技術の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更または改良を加えることができ、当該変更または改良を加えた形態も開示の技術の技術的範囲に含まれる。
【0103】
また、上記実施形態では、フローチャートを用いた処理によるソフトウエア構成によって実現した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、ハードウェア構成により実現する形態としてもよい。
【符号の説明】
【0104】
1 ネットワークシステム
2 内部ネットワーク
3 テスト装置
4 画像形成装置
5 外部ネットワーク
6 管理装置
30 コンピュータ本体
30D メモリ
30G テストプログラム
34 操作表示部
36 カメラ
38 マイクロフォン
40 コンピュータ本体
40D 補助記憶装置
46 スキャナ
48 プリンタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11