IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士ゼロックス株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-微粒子の捕集装置および画像形成装置 図1
  • 特許-微粒子の捕集装置および画像形成装置 図2
  • 特許-微粒子の捕集装置および画像形成装置 図3
  • 特許-微粒子の捕集装置および画像形成装置 図4
  • 特許-微粒子の捕集装置および画像形成装置 図5
  • 特許-微粒子の捕集装置および画像形成装置 図6
  • 特許-微粒子の捕集装置および画像形成装置 図7
  • 特許-微粒子の捕集装置および画像形成装置 図8
  • 特許-微粒子の捕集装置および画像形成装置 図9
  • 特許-微粒子の捕集装置および画像形成装置 図10
  • 特許-微粒子の捕集装置および画像形成装置 図11
  • 特許-微粒子の捕集装置および画像形成装置 図12
  • 特許-微粒子の捕集装置および画像形成装置 図13
  • 特許-微粒子の捕集装置および画像形成装置 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】微粒子の捕集装置および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B01D 46/44 20060101AFI20221129BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20221129BHJP
   B01D 46/00 20220101ALI20221129BHJP
【FI】
B01D46/44
G03G21/00 538
B01D46/00 F
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018165236
(22)【出願日】2018-09-04
(65)【公開番号】P2020015030
(43)【公開日】2020-01-30
【審査請求日】2021-08-31
(31)【優先権主張番号】P 2018131223
(32)【優先日】2018-07-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137752
【弁理士】
【氏名又は名称】亀井 岳行
(74)【代理人】
【識別番号】100085040
【弁理士】
【氏名又は名称】小泉 雅裕
(74)【代理人】
【識別番号】100108925
【弁理士】
【氏名又は名称】青谷 一雄
(74)【代理人】
【識別番号】100087343
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 智廣
(72)【発明者】
【氏名】野村 由佳
(72)【発明者】
【氏名】川谷 哲也
(72)【発明者】
【氏名】笠井 康吉
(72)【発明者】
【氏名】石井 一成
(72)【発明者】
【氏名】奈良 亮佑
(72)【発明者】
【氏名】高田 怜
(72)【発明者】
【氏名】沼崎 朗
(72)【発明者】
【氏名】西川 聰
【審査官】駒木 亮一
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-114617(JP,A)
【文献】特開2007-078976(JP,A)
【文献】特開2000-056660(JP,A)
【文献】特開2016-188945(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00;21/04;21/10-21/12
B01D 46/00-46/54
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気を流す流路空間を有した通気管と、
前記通気管の一端側で微粒子が含まれる空気を前記流路空間内に送り込む第1送風手段と、
前記通気管の途中部分の流路空間内に流路を遮断する状態で配置され、前記第1送風手段にて送り込まれた空気に含まれる微粒子を捕集する捕集手段と、
前記通気管の他端側で前記捕集手段を通過する空気を収集して前記流路空間内から送り出す第2送風手段と、
を備え、
前記通気管は、前記流路空間のうち前記第1送風手段から前記捕集手段に至るまでの第1流路空間と、前記流路空間のうち前記捕集手段から前記第2送風手段に至るまでの第2流路空間と、前記第1流路空間のうち前記捕集手段の手前側になる位置で当該捕集手段の長手方向に沿って存在する手前流路空間部分と、前記手前流路空間部分内に空気が流入する流入口と、前記捕集手段を通過して前記第2流路空間内にある空気が前記第2送風手段に排出される排出口とを有し、
前記流入口と前記排出口は、前記捕集手段の長手方向における異なる端部側に片寄って存在するよう配置されており、
前記手前流路空間部分は、前記流入口が存在する側の第1空間部分と前記流入口が存在しない側の第2空間部分とを有し、前記第2空間部分の前記捕集手段に対向する内壁面部と前記捕集手段との離間する距離が、前記第1空間部分の前記捕集手段に対向する内壁面部と前記捕集手段との離間する距離よりも小さい関係にあり、
前記第1送風手段と前記第2送風手段は、前記第1流路空間内の圧力(P1)と前記第2流路空間内の圧力(P2)が「P2<P1≦大気圧」の関係に保たれて作動する微粒子の捕集装置。
【請求項2】
前記第1送風手段と前記第2送風手段は、前記第1送風手段の風量(Q1)と前記第2送風手段の風量(Q2)が「Q1<Q2」の関係に保たれて作動する請求項1に記載の捕集装置。
【請求項3】
前記第1送風手段が軸流ファンである請求項1又は2に記載の捕集装置。
【請求項4】
前記第2送風手段がシロッコファンである請求項1乃至3のいずれか1項に記載の捕集装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の微粒子の捕集装置を備えた画像形成装置。
【請求項6】
未定着像を保持する記録媒体を通過させて未定着像を定着させる定着手段を備え、
前記捕集装置は、前記通気管の前記第1送風手段が配置される側の一端を前記定着手段に接続するよう配置している請求項5に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、微粒子の捕集装置および画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、排気中の微粒子をフィルタ等の捕集手段により捕集して清浄化した後に空気を大気中に排出する技術としては、以下の特許文献1に記載されたものが知られている。
【0003】
特許文献1には、電気機器の複数の排気口からの排気を合流させて1つの出口から大気中に排出するためのダクトと、そのダクトの出口の手前側に内蔵されるフィルタおよび電動ファンと、複数の排気口のうちの1つからの排気の有無を検出する空気流センサーと、空気流センサーの出力に基づいて電動ファンの作動を制御する制御装置とを備えた電気機器用のオプション装置であって、前記空気流センサーが前記複数の排気口のうち排気風速が最も速い排気口に配置されているオプション装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-162759号公報(段落0002、0034-0036、図6
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は、微粒子を通気管の外部に漏れることを防ぎつつ捕集することができる微粒子の捕集装置および画像形成装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明(A1)の微粒子の捕集装置は、
空気を流す流路空間を有した通気管と、前記通気管の一端側で微粒子が含まれる空気を前記流路空間内に送り込む第1送風手段と、前記通気管の途中部分の流路空間内に流路を遮断する状態で配置され、前記第1送風手段にて送り込まれた空気に含まれる微粒子を捕集する捕集手段と、前記通気管の他端側で前記捕集手段を通過する空気を収集して前記流路空間内から送り出す第2送風手段と、を備え、
前記通気管は、前記流路空間のうち前記第1送風手段から前記捕集手段に至るまでの第1流路空間と、前記流路空間のうち前記捕集手段から前記第2送風手段に至るまでの第2流路空間と、前記第1流路空間のうち前記捕集手段の手前側になる位置で当該捕集手段の長手方向に沿って存在する手前流路空間部分と、前記手前流路空間部分内に空気が流入する流入口と、前記捕集手段を通過して前記第2流路空間内にある空気が前記第2送風手段に排出される排出口とを有し、
前記流入口と前記排出口は、前記捕集手段の長手方向における異なる端部側に片寄って存在するよう配置されており、
前記手前流路空間部分は、前記流入口が存在する側の第1空間部分と前記流入口が存在しない側の第2空間部分とを有し、前記第2空間部分の前記捕集手段に対向する内壁面部と前記捕集手段との離間する距離が、前記第1空間部分の前記捕集手段に対向する内壁面部と前記捕集手段との離間する距離よりも小さい関係にあり、
前記第1送風手段と前記第2送風手段は、前記第1流路空間内の圧力(P1)と前記第2流路空間内の圧力(P2)が「P2<P1≦大気圧」の関係に保たれて作動するものである。
【0007】
また、この発明(A2)の微粒子の捕集装置は、上記発明A1の捕集装置において、前記第1送風手段と前記第2送風手段は、前記第1送風手段の風量(Q1)と前記第2送風手段の風量(Q2)が「Q1<Q2」の関係に保たれて作動するものである。
また、この発明(A3)の微粒子の捕集装置は、上記発明A1又はA2の捕集装置において、前記第1送風手段が軸流ファンであるものである。
この発明(A4)の微粒子の捕集装置は、上記発明A1からA3のいずれかの捕集装置において、前記第2送風手段がシロッコファンであるものである
【0008】
さらに、この発明(B1)の画像形成装置は、上記A1からAのいずれかの微粒子の
捕集装置を備えたものである。
この発明(B2)の画像形成装置は、上記発明B1の画像形成装置において、未定着像を保持する記録媒体を通過させて未定着像を定着させる定着手段を備え、前記捕集装置は、前記通気管の前記第1送風手段が配置される側の一端を前記定着手段に接続するよう配置しているものである。
【発明の効果】
【0009】
上記発明A1の捕集装置によれば、微粒子を通気管の外部に漏れることを防ぎつつ捕集することができる。
また、上記発明A1の捕集装置によれば、入口と排出口が捕集手段の長手方向における異なる端部側に片寄って存在するように配置されていない場合に比べて、捕集手段の長手方向を有効に利用して微粒子の捕集を行うことができる。さらに、上記発明A1の捕集装置によれば、通気管の手前流路空間部分における捕集手段と対向する内壁面部と捕集手段との離間する距離が全域で同じである場合に比べて、捕集手段の排出口と向き合う捕集手段の一部分が微粒子により集中して目詰まることを抑制できる。
上記発明A2の捕集装置によれば、P2<P1≦大気圧との関係を容易に実現することができる。
上記発明A3の捕集装置によれば、第1送風手段が軸流ファンでない場合に比べて、微粒子が含まれる空気を効率よく収集して通気管の流路空間内に送り込むことができる。
上記発明A4の捕集装置によれば、第2送風手段がシロッコファンでない場合に比べて、捕集手段で捕集されない微粒子があってもその微粒子をシロッコファンの筐体の内壁に付着させて捕捉することができる
【0010】
上記発明B1の画像形成装置によれば、画像形成装置内で発生する微粒子を通気管の外部に漏れることを防ぎつつ捕集することができる。
上記発明B2の画像形成装置によれば、定着手段で発生する微粒子を通気管の外部に漏れることを防ぎつつ捕集することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施の形態1に係る画像形成装置の構成を示す概要図である。
図2】実施の形態1に係る微粒子の捕集装置の構成を示す概略斜視図である。
図3図2の捕集装置を別の方向から見たときの状態で示す概略斜視図である。
図4図3の捕集装置の一部の内部を拡大して示す概略斜視図である。
図5図2の捕集装置を示す概略断面図である。
図6】捕集装置を別の角度の切断面で見た状態で示す概略断面図である。
図7】捕集装置における通気管の上端部を示す概略平面図である。
図8図2の捕集装置の制御に関する構成を示すブロック図である。
図9図2の捕集装置の動作例を示す概念図である。
図10図2の捕集装置の作動状態を示す概略断面図である。
図11図10の作動状態を別の角度の切断面で見た状態で示す概略断面図である。
図12】(A)は変形例の捕集装置の一部を示す概略斜視図、(B)は(A)の捕集装置の一部におけるB-B線に沿う概略断面図である。
図13図12の捕集装置の一部を一部断面で示す概略平面図である。
図14図12の捕集装置の一部における作動状態を一部断面で示す概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、この発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
【0013】
[実施の形態1]
図1から図3は、この発明の実施の形態1を示すものである。図1は実施の形態1に係る画像形成装置1の全体の構成を示し、図2および図3は実施の形態1に係る微粒子の捕集装置の構成を示している。
各図面中に符号X,Y,Zで示す矢印は、各図面において想定した3次元空間の幅、高さおよび奥行の各方向を示す。また図1においてX,Yの方向の矢印が交わる部分の丸印は、Zの方向が図面の垂直下方に向いていることを示している。
【0014】
<画像形成装置の全体の構成>
画像形成装置1は、画像を電子写真方式により記録媒体の一例である用紙9に形成する装置である。実施の形態1に係る画像形成装置1は、例えば、情報端末機等の外部機器から取得される画像情報に対応する画像の形成を行うプリンタとして構成されている。画像情報は、文字、図形、模様、写真等の画像を構成する情報である。
【0015】
そして、画像形成装置1は、図1に示されるように、筐体10を有しており、その筐体10の内部空間に像形成手段2、中間転写手段3、給紙手段4、定着手段5、微粒子の捕集装置6等が主に配置されている。図1中に示す一点鎖線は、筐体10の内部において用紙9が搬送されるときの主な搬送経路である。
【0016】
上記筐体10は、箱状の外観からなる構造物であり、各種の支持部材、外装材等を用いて構成されている。筐体10の外部には、操作手段12が配置されている。操作手段12は、例えば各種の情報を表示する表示部や、選択操作、入力作業を行う入力部等を備えている。また、筐体10の内部には、制御手段14が配置されている。制御手段14は、画像形成装置1における各種の動作を総合的に制御する機能を有する手段である。この制御手段14は、例えば、演算処理回路、記憶手段、入出力手段、これらを制御する制御部等で構成されている。
【0017】
上記像形成手段2は、電子写真方式を利用して現像剤としてのトナーで構成されるトナー像を形成する手段である。実施の形態1における像形成手段2は、図1に示されるように、例えばイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)の4色のトナー像をそれぞれ個別に形成する4つの像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kにて構成されている。
【0018】
4つの像形成ユニット20(Y,M,C,K)はいずれも、矢印Aで示す方向に回転するように駆動する感光体の一例である感光ドラム21を有しており、その感光ドラム21の周囲に帯電装置22、露光装置23、現像装置24(Y,M,C,K)、一次転写装置25、第1清掃装置26等の機器が配置されている。図1では、符号21から26について、像形成ユニット20Kに全部記載しているが、他の色の像形成ユニット20(Y,M,C)にはその一部の符号のみを記載して残りの符号の記載を省略している。
【0019】
このうち帯電装置22は、感光ドラム21の像形成領域とする外周面部分を所要の電位に帯電させる装置である。この帯電装置22は、例えば感光ドラム21の外表面の像形成域に接触させるとともに帯電電流が供給されるロール等の帯電部材を備えて構成されている。露光装置23は、感光ドラム21の帯電後の外周面に画像情報から生成される光を照射して各色成分の静電潜像を形成する装置である。この露光装置23は、外部から入力される画像情報が図示しない画像処理手段等で上記4色(Y,M,C,K)の色成分に分解された画像信号を受けて作動する。現像装置24(Y,M,C,K)は、各感光ドラム21に形成される各色成分の静電潜像をその色成分に対応する色のトナーを供給して現像し、上記4色(Y,M,C,K)のいずれかの色のトナー像として顕像化する装置である。
【0020】
また、一次転写装置25は、各像形成ユニット20(Y,M,C,K)における各感光ドラム21に形成されたトナー像を中間転写手段3にそれぞれ一次転写させる装置である。この一次転写装置25は、例えば後述する中間転写ベルト31を介して感光ドラム21の外周面に接触するとともに一次転写電流が供給されるロール等の一次転写部材を備えて構成されている。また、一次転写装置25は、後述するように中間転写手段3の一部を構成している。第1清掃装置26は、感光ドラム21の外周面に付着しているトナー等の不要物を除去して清掃する装置である。
【0021】
上記中間転写手段3は、像形成手段2における各像形成ユニット20(Y,M,C,K)で形成されるトナー像を一次転写により一時的に保持して搬送し、最後に用紙9に二次転写する手段である。実施の形態1における中間転写手段3は、図1に示されるように、像形成ユニット20(Y,M,C,K)の感光ドラム21から一次転写されるトナー像を保持して二次転写位置まで搬送する中間転写ベルト31を用いるベルト方式にて構成されている。
【0022】
このうち中間転写ベルト31は、トナー像を静電作用により保持することが可能な環状のベルトである。この中間転写ベルト31は、像形成ユニット20(Y,M,C,K)の一次転写が行われる各一次転写位置を順次通過して回転(周回移動)するよう複数の支持ロール32a~32eに所要の張力を付与された状態で支持されている。また、この中間転写ベルト31は、駆動ロールとしての支持ロール32aにより矢印Bで示す方向に回転するよう駆動される。一次転写位置は、中間転写ベルト31と一次転写装置25が対峙する部位になる。
【0023】
中間転写ベルト31の内周面側には、各像形成ユニット20(Y,M,C,K)における上記一次転写装置25等が配置されている。また、中間転写ベルト31の外周面側には、二次転写装置35、第2清掃装置36等が配置されている。
二次転写装置35は、中間転写ベルト31の外周面に一次転写されたトナー像を用紙9に二次転写させる装置である。この二次転写装置35は、例えば二次転写バックアップロールとしての支持ロール32dに支持される中間転写ベルト31の外周面部分に接触するロール等の二次転写部材を備えて構成されている。支持ロール32d又は二次転写部材には、二次転写電流が供給される。第2清掃装置36は、中間転写ベルト31の外周面に付着しているトナー等の不要物を除去して清掃する装置である。
【0024】
上記給紙手段4は、画像の形成に使用する用紙9を収容するとともに中間転写手段3の二次転写を行う二次転写位置まで供給する手段である。実施の形態1における給紙手段4は、図1に示されるように、用紙収容体41、送出装置43等を備えて構成されている。二次転写位置は、中間転写手段3における中間転写ベルト31と二次転写装置35が対峙する部位になる。
【0025】
用紙収容体41は、例えば筐体10に対して引き出し可能に取り付けられ、所望のサイズ、種類等からなる用紙9を図示しない積載板の上に積み重ねた状態で収容する装置である。送出装置43は、用紙収容体41から用紙9を1枚ずつ送り出す装置である。用紙9は、筐体10内における搬送経路を経由した搬送とトナー像の保持および定着が可能な媒体であればよく、例えば、普通紙、コート紙、厚紙等の媒体が使用される。
【0026】
上記定着手段5は、用紙9に転写された未定着像であるトナー像をその用紙9に定着させる手段である。実施の形態1における定着手段5は、図1に示されるように、用紙9の導入口および排出口が形成された箱状の筐体51の内部空間に、加熱用回転体52、加圧用回転体53等を配置して構成されている。
【0027】
加熱用回転体52は、ロール形態、ベルト形態、ベルト-ニップ形態等からなる構造物である。この加熱用回転体52は、図示しない加熱手段により所要の温度に加熱されて保持されているとともに、図示しない駆動手段により矢印で示す方向に回転して駆動するよう支持されている。加圧用回転体53は、ロール形態、ベルト形態、ベルト-ニップ形態等からなる構造物である。この加圧用回転体53は、図示しない加圧手段により所要の圧力で加熱用回転体52に接触するように配置されているとともに、加熱用回転体52の回転に追従して従動回転するよう支持されている。
定着手段5では、加熱用回転体52と加圧用回転体53が接触する部位を、トナー像が転写された用紙9を通過させて加熱、加圧等の定着処理を行う定着処理部(定着ニップ部)FNとしている。
【0028】
また、画像形成装置1においては、図1に示されるように、筐体10の内部に以下に例示する搬送路が設けられている。
例えば、給紙手段4と中間転写手段3の二次転写位置との間には、給紙手段4から送出される用紙9を二次転写位置まで搬送する給紙搬送路Rt1が設けられている。給紙搬送路Rt1は、例えば複数の搬送ロール45a~45dや図示しない複数の搬送案内部材等を配置して構成されている。
また、定着手段5と中間転写手段3の二次転写位置との間には、二次転写終了後の用紙9を定着手段5まで搬送する中継搬送路Rt2が設けられている。中継搬送路Rt2は、例えばベルト搬送方式の用紙搬送装置46a,46bを配置して構成されている。
さらに、定着手段5と筐体10における用紙排出口11との間には、定着終了後の用紙9を用紙排出口11まで搬送する排出搬送路Rt3が設けられている。排出搬送路Rt3は、搬送ロール47a,47bや図示しない搬送案内部材等を配置して構成されている。
【0029】
以上の構成からなる画像形成装置1によれば、像形成手段2としての4つの像形成ユニット20(Y,M,C,K)を選択して作動させることにより、以下に例示する種類の画像を形成すること(プリントすること)が可能である。
例えば、像形成ユニット20(Y,M,C,K)をすべて作動させることにより4色(Y,M,C,K)のトナーを組み合わせて構成される多色画像、いわゆるフルカラー画像を、中間転写手段3と定着手段5を経て用紙9に形成することができる。また、像形成ユニット20(Y,M,C,K)のいずれか1つを作動させることにより1色のトナーからなる単色画像を、中間転写手段3と定着手段5を経て用紙9に形成することができる。さらに、像形成ユニット20(Y,M,C,K)の2つ又は3つを作動させることにより複数色のトナーから構成される、フルカラー画像以外の多色画像を同様に形成することができる。
【0030】
<微粒子の捕集装置に関する構成>
上記微粒子の捕集装置6は、画像形成装置1における定着手段5およびその周辺から発生する微粒子を捕集する装置である。
この捕集装置6により捕集する微粒子は、例えば、トナーに含まれるワックス等の成分が定着処理時の加熱により揮発した後に冷却されて生成される粒径が1μm以下の微粒子(粉じん)が対象である。また、このときの微粒子は、望ましくは、粒径が0.1μm以下又は未満のいわゆる超微粒子(UFP:Ultra Fine Particle)を含む微粒子になる。
【0031】
微粒子の捕集装置6は、図2から図6等に示されるように、通気管61、第1送風手段62、捕集手段63、第2送風手段64等を備えている。この実施の形態1に係る捕集装置6は、定着手段5で発生する微粒子を捕集するよう構成されている。
【0032】
このうち通気管61は、空気を流す流路空間60を有する構造物である。
実施の形態1における通気管61は、図1図5に示されるように、その一端部が定着手段5の筐体51の上方に設けられた収集ダクト56に接続され、その他端部が第2送風手段64と接続されるよう配置されている。収集ダクト56は、定着手段5の筐体51における用紙9の導入口および排出口よりも上方の位置に形成された複数の吸気口56aから筐体51およびその周辺に存在する空気を収集するように取り入れるものである。
また、通気管61は、定着手段5における筐体51の奥側の端部から画像形成装置1における筐体10の奥側の内壁部に沿って上方に立ち上がって筐体10の奥側上端角部に設けられた排気口13(図5)の手前側の位置まで延びるような形態になっている。
【0033】
通気管61は、より具体的に説明すると、図2図3等に示されるように、第1送風手段62の配置が可能になるよう拡大された角錐台状の流路空間60を有する下端拡大部61Aと、捕集手段63の配置が可能になるよう拡大された直方体状の流路空間60を有する上端拡大部61Bと、その下端拡大部61Aと上端拡大部61Bを接続するように延びる横断面が矩形状の流路空間60を有する中間部61Cとを備えた形状の構造物として構成されている。
【0034】
通気管61の下端拡大部61A又は第1送風手段62から定着手段5までの間には、図1図5等に示されるように、定着手段5の筐体51内やその周辺部に存在する空気を収集ダクト56を介して収集して接続するための収集接続部65が配置されている。
また、通気管61の中間部61Cは、図2図3に示されるように、下端拡大部61Aから上方に立ち上がる中間下部61Caと、その立上げ中間下部61Caから拡大して立ち上がった後にほぼ水平方向に曲げられて上端拡大部61Bの一部分まで達して接続される中間上部61Cbとで構成されている。
さらに、通気管61の上端拡大部61Bには、図4から図7に示されるように、中間部61C(中間上部61Cb)と接続されて空気が流入する流入口66と、捕集手段63を通過した後の空気が第2送風手段64に排出される排出口67とが設けられている。
【0035】
次に、第1送風手段62は、通気管61の一端側において微粒子が含まれる空気を流路空間60内に送り込む送風手段である。
【0036】
この第1送風手段62は、定着手段5およびその周辺部に発生する微粒子を空気と共に効率よく集めて通気管61の流路空間60内に送り込むことができる性能を有する送風手段であることが好ましい。
実施の形態1では、第1送風手段62として軸流ファンを適用している。また、実施の形態1では、第1送風手段62を通気管61の下端拡大部61Aにおける流路空間60の最も広い部分に存在させるよう配置している。
【0037】
第1送風手段62としての軸流ファンは、例えば、図5図6に示されるように、断面円形の貫通部621aが形成された枠部621と、枠部621の貫通部621aに存在して回転可能に支持されるとともに駆動モータ(625:図8)が内蔵された軸部622と、軸部622の周囲に立設された複数枚の羽根部623とで構成されている。
【0038】
次に、捕集手段63は、通気管61の途中部分の流路空間60内に流路を遮断する状態で配置され、第1送風手段62にて送り込まれた空気に含まれる微粒子を捕集する手段である。
【0039】
実施の形態1では、捕集手段63を、通気管61の上端拡大部61Bにおける流路空間60のほぼ中間の位置で横断する状態で存在させるよう配置している。このときの捕集手段63は、その横断する1つの方向に相対的に長い形状(形態)になるよう配置される。また、このときの捕集手段63の横断する方向が、捕集手段63の長手方向Cになる。
また、実施の形態1では、捕集手段63として、空気中に含まれる微粒子を捕集することができる性能、さらには超微粒子をも捕集することができる性能を備えたものが適用される。具体的には、捕集手段63として、初期の圧力損失が比較的高く(例えば流速1m/s時、50Pa以上)、微粒子に対する捕集効率が95%以上である特性のフィルタを適用している。
さらに、実施の形態1では、捕集手段63として、図4図5に示されるように、プリーツ形式(山谷が連続するよう折り曲げた形状)で装着するタイプのフィルタを適用している。この捕集手段63としてのフィルタは、例えば、図2図3に示されるように、通気管61における上端拡大部61Bの捕集手段63が装着される位置に対応して設けられる装着口を通して着脱することにより交換することができる。また、通気管61には、その装着口を通して捕集手段63の交換作業を行う際に把持する交換把持部61Dが設けられている。
【0040】
次に、第2送風手段64は、通気管61の他端側において捕集手段63を通過する空気を収集して流路空間60内から送り出す送風手段である。
【0041】
この第2送風手段64は、通気管61の流路空間60内を負圧にすることができる性能を有する送風手段であることが好ましい。また、第2送風手段64は、捕集手段63で捕集されなかった微粒子が付着し得る内壁面を有する筐体を備えるとともに、その筐体の内壁面に衝突させるような空気の流れを発生させる形式の送風手段であることが好ましい。このような第2送風手段64としては、例えば、多翼遠心ファンを適用することができる。
【0042】
実施の形態1では、第2送風手段64として、多翼遠心ファンの1つであるシロッコファンを適用している。
また、実施の形態1では、第2送風手段64を、通気管61の上端拡大部61Bの上面部61Baに設けた排出口67に向き合う状態で配置している。
さらに、実施の形態1では、図2から図4に示されるように、第2送風手段64から送り出される空気を、画像形成装置1の筐体10における排気口13まで誘導するよう案内する排気誘導手段69a,69bが設けられている。排気誘導手段69a,69bは、例えば、板状の部材を用いて構成される。
【0043】
第2送風手段64としてのシロッコファンは、例えば、図5図6に示されるように、底面部に吸気孔641aが設けられた円筒状の収容空間と収容空間の一部とつながる排気通路部641bとを有する筐体641と、筐体641の収容空間の天面部に回転可能に支持されるとともに駆動モータ(645:図8)が内蔵された軸部642と、軸部642の周囲に取り付けられるとともに多数の羽根が円筒状に等間隔で配置されて筐体641の収容空間内で回転する多翼回転部643とで構成されている。
このシロッコファンは、筐体641の吸気孔641aを、通気管61における排出口67に向き合わせた状態で配置される。また、このシロッコファンにおける筐体641の排気通路部641bは、例えば、図4に示されるように通気管61の上端拡大部61Bの上面部61Baに沿って空気を排気するような通路部として構成されているが、それ以外の方向に排気するような通路部であっても構わない。
【0044】
そして、この捕集装置6における第1送風手段62と第2送風手段64は、図5図6に示されるように、通気管61の流路空間60のうち第1送風手段62から捕集手段63に至るまでの第1流路空間60A内の第1圧力(P1)と流路空間60のうち捕集手段63から第2送風手段64に至るまでの第2流路空間60B内の第2圧力(P2)が「P2<P1≦大気圧」の関係に保たれて作動するよう構成されている。
【0045】
ここで、大気圧は、厳密には捕集装置6が作動しているときの通気管61の外部における大気圧であるが、画像形成装置1の筐体10の外部における大気圧とほぼ同じである。また、第1圧力(P1)は、大気圧よりも小さい圧力(負圧)であることが好ましいが、大気圧と同じ圧力であってもよい。さらに、第2圧力(P2)は、第1圧力(P1)よりも小さい圧力であればよい。
また、第1圧力(P1)は、第1流路空間60A内に配置される第1圧力測定手段71で測定される。第2圧力(P2)は、第2流路空間60B内に配置される第2圧力測定手段72で測定される。この第1圧力測定手段71と第2圧力測定手段72としては、例えば、負圧の測定も可能な内圧計が適用される。
【0046】
また、この捕集装置6における第1送風手段62と第2送風手段64は、第1送風手段62の第1風量(Q1)と第2送風手段64の第2風量(Q2)が「Q1<Q2」の関係に保たれて作動するよう構成されている。
【0047】
ここで、第1風量(Q1)は、第1送風手段62の回転数に応じて得られるときの風量である。また、第2風量(Q2)は、第2送風手段64の回転数に応じて得られるときの風量である。このため、第1風量(Q1)と第2風量(Q2)については、第1送風手段62の回転数と第2送風手段64の回転数を変更することで調整することができる。
第1風量(Q1)と第2風量(Q2)は、一般に、単位時間当たりに移動される空気の量であり、通過風速(m/s)と通過面積(m2)の乗数として得られる数値(m3/h)である。そして、この捕集装置6における第1風量(Q1)および第2風量(Q2)については、例えば、風速計等の測定手段を用いて測定される。
【0048】
この捕集装置6は、図8に示されるように、その動作について制御する制御手段(制御部)70を有している。
制御手段70は、画像形成装置1における制御手段14と同じ構成からなるものであり、その制御手段14とは独立した制御系統として構成されるか、あるいはその制御手段14の一部の機能として作動するよう構成される。制御手段70は、制御手段14とは独立した制御系統である場合、その動作の開始および終了が制御手段14により制御される。
【0049】
そして、制御手段70は、図8に示されるように、通気管61における第1流路空間60A内の第1圧力(P1)を測定する第1圧力測定部(測定手段)71、通気管61における第2流路空間60B内の第2圧力(P2)を測定する第2圧力測定部(測定手段)72、プリントした用紙9の累積枚数(PV:Print Volume)のカウント情報を取得するPV情報取得部(取得手段)15等と接続されており、これにより制御処理に必要な情報を入力するようになっている。
第1圧力測定部71および第2圧力測定部72としては、第1流路空間60Aおよび第2流路空間60B内に配置する上記した内圧計により構成される。PV情報取得部15は、画像形成装置1の制御手段14でカウントされて記憶部に記憶保持されているPV情報を入手するよう構成される。
【0050】
また、制御手段70は、図8に示されるように、第1送風手段62と第2送風手段64の送風動作の駆動を制御する送風駆動制御部75と接続されており、これにより必要な制御情報を送風駆動制御部75に出力するようになっている。
送風駆動制御部75は、第1送風手段62を送風時に駆動する駆動モータ625と第2送風手段64を送風時に駆動する駆動モータ645との各動作を制御するものであり、特に駆動モータ625,645の回転数(回転速度)についても制御できるものである。
【0051】
さらに、制御手段70は、図8に示されるように、制御に必要なプログラムおよびデータや、制御動作の過程で得られる情報を記憶する記憶部73を有しているとともに、制御に必要なプログラムおよびデータ等に基づく情報の処理を行う以下の情報処理機能を有している。
その情報処理機能としては、第1圧力(P1)と第2圧力(P2)の圧力差ΔPを算出する算出部76や、第1送風手段62および第2送風手段64の送風時における回転数を調整する調整部77や、捕集手段63であるフィルタがそのプレ寿命および暫定寿命に到達したことを検出する到達検出部78等を有している。
【0052】
このうち圧力差ΔPの算出部76は、第1圧力測定部71から得られる第1圧力(P1)と第2圧力測定部72から得られる第2圧力(P2)から圧力差ΔP(=P1-P2)を算出する。
また、回転数の調整部77は、算出部76で得られる圧力差ΔPが予め設定される一定の範囲に保たれるよう送風時における駆動モータ625,645の回転数を調整するよう機能する。この調整部77は、第1送風手段62と第2送風手段64の駆動モータ625,645の双方の回転数を調整することが望ましいが、圧力差ΔPを一定の範囲に保つことが可能であれば、後述するように第2送風手段64の駆動モータ645の回転数だけを調整するよう構成してもよい。
さらに、フィルタのプレ寿命および暫定寿命の到達検出部78は、調整部77から得られる回転数が予め定めるプレ寿命および暫定寿命に相当する各規定回転数に達した時期を検出する。プレ寿命については、例えば、フィルタの捕集効率が初期値より所要の割合だけ低下したときの時期に設定される。暫定寿命については、例えば、フィルタの捕集効率がプレ寿命時の値より更に所要の割合だけ低下したときの時期に設定される。また、到達検出部78で使用するプレ寿命および暫定寿命の規定回転数のデータD1は、記憶部73に格納されている。
【0053】
さらに、捕集装置6における通気管61については、図4から図6に示されるように、第1流路空間60Aのうち捕集手段63の手前側になる位置で捕集手段63の長手方向Cに沿って存在する手前流路空間部分60Cを設けている。
【0054】
この手前流路空間部分60Cの一部分には、手前流路空間部分60C内に第1流路空間60Aにおける空気を実際に流入させる上記した流入口66が形成されている。また、この手前流路空間部分60Cは、捕集手段63であるフィルタの長手方向Cの全域に空気を万遍なく接触させることが可能になり、そのフィルタの厚みを疑似的に増やすように機能する。
【0055】
また、捕集装置6における通気管61については、図4から図7に示されるように、流入口66と排出口67が、通気管61(の上端拡大部61B)において捕集手段63の長手方向Cにおける異なる端部側に片寄って存在するよう配置されている。
【0056】
実施の形態1では、流入口66として長方形の開口形状からなる開口部を設けており、その流入口66を、通気管61の上端拡大部61Bの手前流路空間部分60Cにおいて捕集手段63の長手方向Cにおける一方の端部から長手方向Cのほぼ半分の位置までに至る部位に設けている。また、実施の形態1では、排出口67として円形の開口形状からなる開口部を設けており、その排出口67を、通気管61の上端拡大部61Bにおいて捕集手段63の長手方向Cにおける他方の端部に接近した部位に片寄って設けている。
【0057】
また、通気管61の手前流路空間部分60Cは、図5図6に示されるように、流入口66が存在する側の第1空間部分60Caと流入口66が存在しない側の第2空間部分60Cbとを有する流路空間としている。
しかも、この手前流路空間部分60Cは、その第2空間部分60Cbの捕集手段63に対向する内壁面部68aと捕集手段63との離間する距離H2が、第1空間部分60Caの捕集手段63に対向する内壁面部61Bcと捕集手段63との離間する距離H1よりも小さい関係(H2<H1)になるよう構成されている。
第2空間部分60Cbにおける距離H2については、例えば、2cm以下の値に設定される。
【0058】
実施の形態1では、第2空間部分60Cbに、図4図6に示されるように、第1空間部分60Caの内壁面部61Bcよりも捕集手段63に接近した位置で捕集手段63の長手方向Cに沿って延びる平面状の内壁面部68aを有する底上げ部68を設けており、これにより上記距離H1,H2との大小関係(H2<H1)が成立させている。
底上げ部68は、第1空間部分60Caとの境界になる端部側に、上記第1空間部分60Caの内壁面部61Bcから底上げ部68の内壁面部68aにむけて連続して上昇するよう傾斜した斜面部68bを有している。
【0059】
<捕集装置の動作>
以上の構成からなる微粒子の捕集装置6は、例えば、以下のように作動する。
【0060】
この捕集装置6は、画像形成装置1が少なくとも動作している間(時期)、その動作に連動して作動する。
具体的には、捕集装置6は、制御手段70により、第1送風手段(軸流ファン)62の駆動モータ625と第2送風手段(シロッコファン)64の駆動モータ645とをそれぞれ駆動させることにより作動する。
【0061】
このときの捕集装置6では、制御手段70によって第1送風手段62および第2送風手段64の回転数が制御されることにより、通気管61の第1流路空間60A内の第1圧力P1と通気管61の第2流路空間60B内の第2圧力P2が上記特定の関係(P2<P1≦大気圧)に保たれる。
またこのときの捕集装置6では、制御手段70によって第1送風手段62および第2送風手段64の回転数が制御されることにより、第1送風手段62の風量Q1と第2送風手段64の風量Q2が上記特定の関係(Q1<Q2)に保たれるようになっている。特にQ1<Q2の関係に保たれるよう第1送風手段62および第2送風手段64が作動することにより、その関係で作動させない場合に比べて、上記P2<P1≦大気圧の関係が比較的容易に実現される。なお、この風量に関する特定の関係は、図9に示されるように、第2送風手段64の回転数が第1送風手段62の回転数よりも高い回転数になる関係を維持させることで実現させている。
【0062】
このように捕集装置6が作動すると、図10図11に示されるように、主に第1送風手段62の送風作用により、定着手段5で発生する微粒子を含む空気が、収集ダクト56で収集された後に矢印E1で例示されるように収集接続部65を通して通気管61の第1流路空間60Aに送り込まれる。
この際、微粒子を含む空気は、第1送風手段62が軸流ファンであることから、軸流ファンでない場合に比べて、効率よく収集されて第1流通空間60Aに送り込まれる
【0063】
次いで、その空気(E1)は、図10図11に示されるように、第2送風手段64の送風作用により、通気管61の第1流通空間60Aを移動して矢印E2,E3で例示するように捕集手段63を通過した後、矢印E4で例示するように第2流路空間60Bから排気口67を通して送り出される。このときの空気(E1)は、最後に、矢印E5で例示するように第2送風手段64の排気通路部641bから画像形成装置1の筐体10における排気口13から筐体10の外部に排出される。
この際、空気に含まれる微粒子は、捕集手段63の通過時に捕集手段63によって捕集される。これにより、第2送風手段64から送り出されるときの空気は、微粒子のない浄化された空気になる。
なお、仮に捕集手段63で捕集されない微粒子が発生した場合でも、第2送風手段64がシロッコファンであることから、シロッコファンでない場合に比べて、その微粒子が空気とともにシロッコファンにおける多翼回転部643の回転による遠心力で筐体641における内壁面に衝突又は接触するように運ばれるようになり、この結果、その微粒子が筐体641における収容空間の内壁面や排気通路部641bの内壁面に付着して捕捉されることがある。
【0064】
以上により、この捕集装置6によれば、通気管61における第1流路空間60A内の第1圧力P1と第2流路空間60B内の第2圧力P2が「P2<P1≦大気圧」という関係に保たれて作動するので、定着手段5で発生した微粒子を含む空気が、通気管61の外部に漏れにくい状態に保たれたうえで捕集手段63を通過するように運ばれるようになり、その空気に含まれる微粒子が捕集手段63により捕集される。
【0065】
また、この捕集装置6においては、通気管61の第1流路空間60A内に送り込まれた空気(E1)は、図10図11に示されるように、矢印E2で例示するように流入口66から手前流路空間部分60Cに流入した後、矢印E3で例示するように捕集手段63にむけて送られる。
【0066】
この際、手前流路空間部分60Cに流入した空気(E2)は、流入口66よりも広い手前流路空間部分60C内で捕集手段63に達する前に図11に矢印E3a,E3b,E3cで例示するように広く拡散された状態になった後、捕集手段63の長手方向Cの全域にわたって接触し得る状態になって移動する。
これにより、この捕集装置6では、捕集手段63の長手方向Cにおける全領域が有効に利用されるようになり、微粒子の捕集が効率よく行われる。
【0067】
またこの際、手前流路空間部分60Cに流入した空気(E2)は、捕集手段63の長手方向Cにおいて流入口66とは異なる端部側に片寄って存在する排気口67を通して第2送風手段64の送風(吸気)作用を受ける。
これにより、この捕集装置6では、捕集手段63を通過するときの空気が、図11に矢印E6で例示するように捕集手段63をその長手方向Cに斜めに貫くような状態で移動するようになり、これによっても捕集手段63の長手方向Cにおける全領域が有効に利用されて微粒子の捕集が効率よく行われる。
【0068】
さらにこの際、手前流路空間部分60Cに流入した空気(E2)は、流入口66が存在しない第2空間部分60Cbに底上げ部68が設けられていて捕集手段63との間の空間が流入口66の存在する第1空間部分60Caに比べて狭くなっているので、第1空間部分60Caに比べて第2空間部分60Cbに流れにくい状態になる。
これにより、この捕集装置6では、捕集手段63を通過するときの空気が図11に矢印E6で例示したように捕集手段63を斜めに貫くような状態で移動しやすくなり、これによっても捕集手段63の長手方向Cにおける全領域が有効に利用されて微粒子の捕集が効率よく行われる。
【0069】
さらに、この捕集装置6においては、第2空間部分60Cbに底上げ部68を設けているので、以下に説明するように捕集手段63に局所的に詰まることが抑制される。
【0070】
つまり、仮に第2空間部分60Cbに底上げ部68が設けられていない場合には、第2送風手段64の送風(吸気)作用が、捕集手段63の長手方向Cにおける一方の端部側に片寄って存在する排気口67を通して捕集手段63の排気口67と向き合う部分に比較的強く及ぶ。このため、捕集手段63では、その排気口67と向き合う部分に対して空気が相対的に多く通過するようになり、その部分に微粒子が集中して捕集されることで局所的に詰まった状態になりやすくなる。
これに対して、この捕集装置6では、手前流路空間部分60Cに流入した空気が、第1空間部分60Caよりも底上げ部68のある第2空間部分60Cbには相対的に流れにくくなる。この結果、捕集手段63の排気口67と向き合う部分を通過する空気の割合が減り、その部分に微粒子が集中して捕集されることで局所的に詰まった状態になることが起こりにくくなる。
【0071】
この他、この捕集装置6においては、通気管61における第1流路空間60Aの流路長さがその第2流路空間60Bの流路長さよりも長くなるように構成されている。
これにより、第1送風手段62の送風作用により通気管61の第1流路空間60A内に送り込まれる微粒子を含む空気は、第1流路空間60A内で滞留する時間が第2流路空間60B内で滞留する時間に比べると相対的に長くなる。このため、捕集装置6では、第1流路空間60Aの流路長さが上記第2流路空間60Bの流路長さよりも短い関係にある場合に比べて、その空気に含まれる微粒子が、捕集手段63を通過する前の段階において第1流路空間60Aの内壁面部に接触する割合が増え、その内壁面部に付着して捕捉されやすくなる。
【0072】
そして、この捕集装置6においては、制御手段70によって第1送風手段62および第2送風手段64の回転数が以下のように制御される。
【0073】
すなわち、捕集装置6では、第1圧力測定手段(測定部)71と第2圧力測定手段(測定部)72によりそれぞれ測定される第1圧力P1と第2圧力P2の測定情報を用いて、制御手段70における圧力差ΔPの算出部76により圧力差ΔP(=P1-P2)を算出する一方で、その算出される圧力差ΔPが予め定めた一定の数値範囲におさまるように、制御手段70における回転数の調整部77により第1送風手段62の回転数と第2送風手段64の回転数を必要な量だけ増減して調整する。
【0074】
この制御は、図9に示されるように、捕集手段63であるフィルタの捕集効率が使用により主に低下する方向に変動して空気の捕集手段63における通過率(空気抵抗)も変動し、これに影響されて第1圧力P1と第2圧力P2も変動することから、「P2<P1≦大気圧」の関係を保つために行われる。
この際、圧力差ΔPの一定の数値範囲とは、「P2<P1≦大気圧」との関係から予め定められるP2<P1との大小関係における差分値を保つために要求される数値範囲になる。またこの際、第1送風手段62と第2送風手段64の双方の回転数が調整されるが、いずれの調整段階でも第1送風手段62の風量Q1と第2送風手段64の風量Q2が上記した「Q1<Q2」の関係に保たれるように調整される。
【0075】
また、この捕集装置6では、定着手段5で発生する微粒子が定着手段5の新品時期に最も多く発生する傾向にあることから、その時期に合わせて、図9に示されるように第1送風手段62と第2送風手段64の双方を比較的高い値の範囲の回転数に維持した状態で作動させるよう制御する形態の「初期捕集モード」が実行される。
この初期捕集モードは、例えば、新品の定着手段5の使用開始から行われるプリント動作の累積枚数(PV)が予め定める規定枚数に達した時点で終了する。この終了時期の判断は、制御手段70においてPV情報取得部15からプリントの累積枚数の情報を取得して検出することで行われる。このときの規定枚数は、例えば2800枚に設定される。
捕集装置6では、この初期捕集モードで制御されることにより、定着手段5の新品時期に多く発生する微粒子が適切に捕集される。
【0076】
また、この捕集装置6では、初期捕集モードの制御時期を過ぎると、定着手段5で発生する微粒子の量が減少し始める傾向にあることから、その時期に合わせて、図9に示されるように、第1送風手段62と第2送風手段64の双方をその回転数が低減される方向に変更されながら作動させるよう制御する形態の「捕集漸減モード」が実行される。
この捕集漸減モードは、予め定める時期において第1送風手段62と第2送風手段64の双方の回転数を一定の比率で連続的に低下させるか、あるいは、PV情報に応じて段階的に低下させる。また、捕集漸減モードは、例えば、プリントの累積枚数の情報が初期捕集モード時の規定枚数とは別の規定枚数に達した時点で終了する。
捕集装置6では、この捕集漸減モードで制御されることにより、微粒子の発生状況に対応した適切な微粒子の捕集が行われる。
なお、この捕集漸減モードは省略してもよい。この場合は、初期捕集モードが終了した後に後述する静音・低電力の捕集モードに直ちに移行することになる。
【0077】
また、この捕集装置6では、捕集漸減モード(又は初期捕集モード)の制御時期を過ぎると、定着手段5で発生する微粒子の量が少なくなることから、その時期に合わせて、図9に示されるように、第1送風手段62と第2送風手段64の双方を静音化と低電力化を優先させた観点から選定される必要最低限の比較的低い回転数に維持して作動させるよう制御する形態の「静音・低電力の捕集モード」が実行される。
この静音・低電力の捕集モードにおいても、圧力差ΔPが一定の範囲に保たれるように第1送風手段62と第2送風手段64の回転数を調整する制御が同様に実行される。この点は、上記捕集漸減モードや後述する他の捕集モードの場合も同様である。
また、静音・低電力の捕集モードは、図9に示されるように、捕集漸減モード(又は初期捕集モード)が終了した時点で開始される一方で、捕集手段63であるフィルタがプレ寿命に到達した時点で終了する。
捕集装置6では、この静音・低電力の捕集モードで制御されることにより、静音化や低電力化が図られながら微粒子の適切な捕集が行われる。
【0078】
ここで、上記フィルタのプレ寿命の到達は、制御手段70におけるフィルタのプレ寿命および暫定寿命の到達検出部78により検出される。この場合、到達検出部78による検出は、図9の上部に示されるように、送風手段の回転数が予め定めるプレ寿命に相当する規定回転数に達した時期を検出することで行われる。
このときのプレ寿命時の規定回転数については、例えば、実験等の実測結果を参考にして、フィルタの捕集効率が初期値から10%程度低下すると予測される時期に相当する回転数として設定される。
また、このときのプレ寿命の到達判断は、第2送風手段64の回転数が規定回転数に達したことを検出することで行われる。なお、このプレ寿命の到達判断については、この他にも例えば、第1送風手段62の回転数と第2送風手段64の回転数が別々に定められる各規定回転数にそれぞれ達したことを検出することで行うように構成しても構わない。
【0079】
さらに、この捕集装置6では、静音・低電力の捕集モードの制御時期を過ぎると、捕集手段63であるフィルタの捕集効率が低下し始めることから、その時期に合わせて、図9に示されるように第1送風手段62と第2送風手段64の双方をフィルタの捕集効率の低下を補うようにその回転数が増加されながら作動させるよう制御する形態の「プレ寿命時の捕集モード」が実行される。
また、プレ寿命時の捕集モードは、図9に示されるように、捕集手段63であるフィルタが暫定寿命に到達した時点で終了する。
捕集装置6では、このプレ寿命時の捕集モードで制御されることにより、捕集手段63であるフィルタの捕集効率の低下を補いながら微粒子の適切な捕集が行われる。
【0080】
上記フィルタの暫定寿命の到達は、制御手段70におけるフィルタのプレ寿命および暫定寿命の到達検出部78により検出される。この場合、到達検出部78による検出は、図9の上部に示されるように、送風手段の回転数が予め定める暫定寿命に相当する規定回転数に達した時期を検出することで行われる。
このときの暫定寿命時の規定回転数については、例えば、実験等の実測結果を参考にして、フィルタの捕集効率が初期値から20%程度低下すると予測される時期に相当する回転数として設定される。
また、このときの暫定寿命の到達判断についても、上記プレ寿命の到達判断の場合と同様に行われる。
【0081】
最後に、この捕集装置6では、プレ寿命時の捕集モードの制御時期を過ぎると、捕集手段63であるフィルタの捕集効率が更に低下してフィルタの本来の寿命に近づく時期であることから、その時期に合わせて、図9に示されるように第1送風手段62と第2送風手段64の双方をフィルタの捕集効率の低下を更に補うように比較的高い値の範囲の回転数に維持した状態で作動させるよう制御する形態の「寿命直前の捕集モード」が実行される。
また、寿命直前の捕集モードは、図9に示されるように、フィルタの捕集効率がゼロになることに相当する時期に到達した時点で終了する。
捕集装置6では、この寿命直前の捕集モードで制御されることにより、捕集手段63であるフィルタの捕集効率の低下を更に補いながらフィルタが本来の寿命に達するまで微粒子の捕集が行われる。
【0082】
ちなみに、この捕集装置6においては、例えば、捕集手段63であるフィルタの暫定寿命に達した時点で、捕集手段63の交換を促す警告を画像形成装置1の操作手段12などに表示するように構成することができる。
【0083】
[変形例]
この発明は、実施の形態1で例示した内容に何ら限定されるものではなく種々の変更が可能であり、例えば、以下に挙げるような変形例も含むものである。
【0084】
微粒子の捕集装置6については、その作動時に少なくとも「P2<P1≦大気圧」という関係を保つことが可能であれば、通気管61(流路空間60を含む)として他の形態の通気管を適用したり、あるいは、第1送風手段62として軸流ファン以外の送風手段を適用したり、あるいは、第2送風手段64としてシロッコファン以外の送風手段を適用したり、あるいは、捕集手段63として他のフィルタを適用して構成される捕集装置でもよい。
また、捕集装置6の動作(制御動作を含む)についても、実施の形態1で例示した動作例に限定されず、他の動作を行う構成を採用してもよい。
【0085】
通気管61については、例えば、第1流路空間60Aとして捕集手段63の長手方向Cの長さと同じ幅で第1送風手段62までほぼ直線的に延びる形状の流路空間を有する通気管としてもよい。また、通気管61は、上記手前流路空間部分60Cを有しない通気管であってもよい。さらに、通気管61については、上記手前流路空間部分60Cとして、捕集手段63の長手方向Cにおいて捕集手段63と対向する内壁面部がその長手方向Cの全領域において捕集手段63から同じ距離はなれている構造の手前流路空間部分を有する通気管として構成してもよい。
【0086】
また、捕集装置6では、図12図13に示されるように、通気管61の上面部61Baに配置される第2送風手段64であるシロッコファンの排気通路部641bにおける終端口641cと排気誘導手段69aとの間に開口部80を設けてもよい。
【0087】
この開口部80は、図13に例示するように、捕集装置6(の通気管61の上部における第2送風手段64とその排気通路)が画像形成装置1の筐体10の内部における他の空間部分18と隣接した状態で配置されている場合に設けるとよい。この場合は、後述するように、その隣接する空間部分18内の空気を簡易に排気する機能が得られるようになるので有効である。図13等における符号18a,18bは仕切り壁を示している。隣接する空間部分18とは、例えば、熱を発生する構成部品が配置された空間部分である。
また、この開口部80は、図13に二点鎖線の矢印で例示するように、例えば指向性を有して流れる空気(E5)の流路部分に面してその空気の流れ(気流)に触れることができる状態で設けることが必要である。しかも、この開口部80は、排気通路部641bにおける終端口641cから開口部80に至るまでの間には、空気(E5)の流れを妨げたり変化させるような流路の形状部分や他の部品が存在していないことも必要である。
【0088】
図12等に示す開口部80は、排気通路部641bの終端口641cと排気誘導手段69aの一端との間に、重力方向に沿う鉛直方向に長い長方形状の開口として形成されている。
また、この開口部80は、図13に示されるように、排気誘導手段69aである板状の部材を、その内壁面69acが排気通路部641bの終端口641cにおける内壁641cdよりも外側にずれた位置に存在するよう配置したうえで、その排気誘導手段69aと排気通路部641bの終端口641cとの間に存在するよう形成されている。
さらに、この開口部80は、シロッコファンの排気通路部641bの終端口641cにおける排気の方向とほぼ直交する方向に向いた開口として形成されている。
【0089】
そして、この開口部80を設けた捕集装置6を備える画像形成装置1においては、捕集装置6が始動して第2送風手段64であるシロッコファンが作動すると、図13図14に示されるように、シロッコファンから排出される空気が、排気通路部641bを通過して終端口641cから通気管61の上面部61Baと排気誘導手段69a、69bとで囲まれる排気通路をその通路の長手方向にほぼ沿う指向性を有した空気E5として流れる。このときの空気E5は、最後に筐体10の排気口13(図5)から外部に排気される。
この際、開口部80においては、図14に示されるように、筐体10内のうち捕集装置6の通気管61の上部における第2送風手段64とその排気通路と隣接する他の空間部分18に存在する空気E11が、開口部80を挟んで排気通路を流れる空気E5の気流に引き寄せられるように吸引される。
【0090】
これにより、隣接する空間部分18に存在する空気E11は、図14に示されるように、開口部80を通して通気管61の上面部61Baと排気誘導手段69a、69bとで囲まれる排気通路内に侵入するよう移動した後、その排気通路内における空気E5の気流に乗じて排気誘導手段69aの内壁面69acを沿うように流れる空気E12として流れ、最後に空気E5と共に排気口13(図5)から外部に排気される。
この結果、隣接する空間部分18に存在する空気E11が余分な熱を含んでいる場合には、その熱を含む空気E11の排気を専用の排気装置等の対策設備を設けることなく簡易に行うことが可能になる。
【0091】
また、実施の形態1では、微粒子の捕集装置6を画像形成装置1の定着手段5で発生する微粒子を捕集する捕集装置として適用した場合を例示したが、捕集装置6は、画像形成装置1の定着手段5以外の構成部分から発生する微粒子を捕集する捕集装置として適用することも可能である。さらに、捕集装置6は、微粒子の捕集が必要であれば、画像形成装置以外の各種の装置に適用することも可能である。
【0092】
この他、微粒子の捕集装置6を適用する画像形成装置は、実施の形態1で例示した形式のものに限定されず、電子写真方式を利用した他の形式の画像形成装置であってもよい。さらに、捕集装置6を適用する画像形成装置については、電子写真方式以外の画像形成方式(例えば液滴噴射方式、印刷方式など)を採用する画像形成装置であっても構わない。
【符号の説明】
【0093】
1 …画像形成装置
5 …定着手段
6 …微粒子の捕集装置
9 …用紙(記録媒体の一例)
60…流路空間
60A…第1流路空間
60B…第2流路空間
60C…手前流路空間部分
60Ca…第1空間部分
60Cb…第2空間部分
61…通気管
62…第1送風手段
63…捕集手段
64…第2送風手段
66…流入口
67…排出口
C …捕集手段の長手方向
H1,H2…離間する距離
P1…第1圧力
P2…第2圧力
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14