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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】照射装置及び読取装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/04 20060101AFI20221129BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20221129BHJP
   G03B 27/54 20060101ALI20221129BHJP
【FI】
H04N1/04 101
G06T1/00 430G
G03B27/54 A
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018179411
(22)【出願日】2018-09-25
(65)【公開番号】P2020053773
(43)【公開日】2020-04-02
【審査請求日】2021-09-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100166981
【弁理士】
【氏名又は名称】砂田 岳彦
(72)【発明者】
【氏名】市川 裕一
(72)【発明者】
【氏名】桑田 良隆
(72)【発明者】
【氏名】針貝 潤吾
【審査官】橘 高志
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-274298(JP,A)
【文献】特開平11-308419(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/04 - 1/207
G06T 1/00
G03B 27/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明光を出力する光源と、
棒形状の導光部材の軸方向に伝搬される前記照明光を、当該導光部材の側面から、被撮像物の読み取り位置に対して拡散反射条件を満たす第1の角度で入射する第1の照明光と、正反射条件を満たす第2の角度で入射する第2の照明光として射出する射出手段と、
被撮像物の読み取り位置の法線方向に対して前記第1の照明光よりも小さい入射角で読み取り位置に入射するように、前記第2の照明光を反射する反射手段と、
前記第1の照明光が被撮像物に入射する光量と、前記第2の照明光が被撮像物に入射する光量との関係の光学的な切り替えを制御する制御手段と、
を有し、
前記制御手段は、前記第1の照明光を遮光せず、かつ、前記第2の照明光の一部だけを遮光する照射装置。
【請求項2】
照明光を出力する光源と、
棒形状の導光部材の軸方向に伝搬される前記照明光を、当該導光部材の側面から、被撮像物の読み取り位置に対して拡散反射条件を満たす第1の角度で入射する第1の照明光と、正反射条件を満たす第2の角度で入射する第2の照明光として射出する射出手段と、
被撮像物の読み取り位置の法線方向に対して前記第1の照明光よりも小さい入射角で読み取り位置に入射するように、前記第2の照明光を反射する反射手段と、
を有し、
前記射出手段は、回転移動により、前記第1の照明光の射出と前記第2の照明光の射出を切り替える照射装置。
【請求項3】
照明光を出力する光源と、
棒形状の導光部材の軸方向に伝搬される前記照明光を、当該導光部材の側面から、被撮像物の読み取り位置に対して拡散反射条件を満たす第1の角度で入射する第1の照明光と、正反射条件を満たす第2の角度で入射する第2の照明光として射出する射出手段と、
被撮像物の読み取り位置の法線方向に対して前記第1の照明光よりも小さい入射角で読み取り位置に入射するように、前記第2の照明光を反射する反射手段と、
を有し、
前記反射手段は第1の反射部材と第2の反射部材を有し、
前記第1の反射部材は、前記第2の照明光が被撮像物に入射する位置の法線よりも前記射出手段側の空間に配置され、
前記第2の反射部材は、前記射出手段から見て前記法線よりも奥側の空間に配置される照射装置。
【請求項4】
照明光を出力する光源と、
棒形状の導光部材の軸方向に伝搬される前記照明光を、当該導光部材の側面から、被撮像物の読み取り位置に対して拡散反射条件を満たす第1の角度で入射する第1の照明光と、正反射条件を満たす第2の角度で入射する第2の照明光として射出する射出手段と、
被撮像物の読み取り位置の法線方向に対して前記第1の照明光よりも小さい入射角で読み取り位置に入射するように、前記第2の照明光を反射する反射手段と、
前記第1の照明光が被撮像物に入射する光量と、前記第2の照明光が被撮像物に入射する光量との関係の光学的な切り替えを制御する制御手段と、
被撮像物からの反射光を受光し、画像データに変換して画像を読み取る読取手段と、
を有し、
前記制御手段は、前記第1の照明光だけを被撮像物に入射させる状態で画像を読み取るモードと、前記第2の照明光だけを被撮像物に入射させる状態で画像を読み取るモードと、当該第1の照明光と当該第2の照明光の両方を被撮像物に入射させる状態で画像を読み取るモードとを切り替える読取装置。
【請求項5】
照明光を出力する光源と、
棒形状の導光部材の軸方向に伝搬される前記照明光を、当該導光部材の側面から、被撮像物の読み取り位置に対して拡散反射条件を満たす第1の角度で入射する第1の照明光と、正反射条件を満たす第2の角度で入射する第2の照明光として射出する射出手段と、
被撮像物の読み取り位置の法線方向に対して前記第1の照明光よりも小さい入射角で読み取り位置に入射するように、前記第2の照明光を反射する反射手段と、
前記第1の照明光が被撮像物に入射する光量と、前記第2の照明光が被撮像物に入射する光量との関係の光学的な切り替えを制御する制御手段と、
被撮像物からの反射光を受光し、画像データに変換して画像を読み取る読取手段と、
を有し、
前記制御手段は、前記第1の照明光の全部と前記第2の照明光の一部を混合して被撮像物に入射させるように制御する読取装置。
【請求項6】
照明光を出力する光源と、
棒形状の導光部材の軸方向に伝搬される前記照明光を、当該導光部材の側面から、被撮像物の読み取り位置に対して拡散反射条件を満たす第1の角度で入射する第1の照明光と、正反射条件を満たす第2の角度で入射する第2の照明光として射出する射出手段と、
被撮像物の読み取り位置の法線方向に対して前記第1の照明光よりも小さい入射角で読み取り位置に入射するように、前記第2の照明光を反射する反射手段と、
前記第1の照明光が被撮像物に入射する光量と、前記第2の照明光が被撮像物に入射する光量との関係の光学的な切り替えを制御する制御手段と、
被撮像物からの反射光を受光し、画像データに変換して画像を読み取る読取手段と、
を有し、
前記制御手段は、前記第1の照明光と前記第2の照明光の両方を被撮像物に入射させて被撮像物の画像を読み取るモードの場合、遮光手段を当該第1の照明光と当該第2の照明光の両方を遮光しない位置に移動させる読取装置。
【請求項7】
照明光を出力する光源と、
棒形状の導光部材の軸方向に伝搬される前記照明光を、当該導光部材の側面から、被撮像物の読み取り位置に対して拡散反射条件を満たす第1の角度で入射する第1の照明光と、正反射条件を満たす第2の角度で入射する第2の照明光として射出する射出手段と、
被撮像物の読み取り位置の法線方向に対して前記第1の照明光よりも小さい入射角で読み取り位置に入射するように、前記第2の照明光を反射する反射手段と、
前記第1の照明光が被撮像物に入射する光量と、前記第2の照明光が被撮像物に入射する光量との関係の光学的な切り替えを制御する制御手段と、
被撮像物からの反射光を受光し、画像データに変換して画像を読み取る読取手段と、
を有し、
前記制御手段は、前記第1の照明光の全部と前記第2の照明光の一部を混合して被撮像物に入射させて被撮像物の画像を読み取るモードの場合、遮光手段を前記第2の照明光の一部だけを遮光する位置に移動させる読取装置。
【請求項8】
照明光を出力する光源と、
棒形状の導光部材の軸方向に伝搬される前記照明光を、当該導光部材の側面から、被撮像物の読み取り位置に対して拡散反射条件を満たす第1の角度で入射する第1の照明光と、正反射条件を満たす第2の角度で入射する第2の照明光として射出する射出手段と、
被撮像物の読み取り位置の法線方向に対して前記第1の照明光よりも小さい入射角で読み取り位置に入射するように、前記第2の照明光を反射する反射手段と、
前記第1の照明光が被撮像物に入射する光量と、前記第2の照明光が被撮像物に入射する光量との関係の光学的な切り替えを制御する制御手段と、
被撮像物からの反射光を受光し、画像データに変換して画像を読み取る読取手段と、
前記第1の照明光と前記第2の照明光が被撮像物に至るまでの光路上にそれぞれ配置され、透過する光量を電気的に調整可能な液晶シャッターと、
を有し、
前記液晶シャッターは、前記第1の照明光を遮光せず、かつ、前記第2の照明光の一部だけを遮光する読取装置。
【請求項9】
照明光を出力する光源と、
棒形状の導光部材の軸方向に伝搬される前記照明光を、当該導光部材の側面から、被撮像物の読み取り位置に対して拡散反射条件を満たす第1の角度で入射する第1の照明光と、正反射条件を満たす第2の角度で入射する第2の照明光として射出する射出手段と、
被撮像物の読み取り位置の法線方向に対して前記第1の照明光よりも小さい入射角で読み取り位置に入射するように、前記第2の照明光を反射する反射手段と、
前記第1の照明光が被撮像物に入射する光量と、前記第2の照明光が被撮像物に入射する光量との関係の光学的な切り替えを制御する制御手段と、
被撮像物からの反射光を受光し、画像データに変換して画像を読み取る読取手段と、
を有し、
前記射出手段は、回転移動により、前記第1の照明光の射出と前記第2の照明光の射出を切り替える読取装置。
【請求項10】
照明光を出力する光源と、
棒形状の導光部材の軸方向に伝搬される前記照明光を、当該導光部材の側面から、被撮像物の読み取り位置に対して拡散反射条件を満たす第1の角度で入射する第1の照明光と、正反射条件を満たす第2の角度で入射する第2の照明光として射出する射出手段と、
被撮像物の読み取り位置の法線方向に対して前記第1の照明光よりも小さい入射角で読み取り位置に入射するように、前記第2の照明光を反射する反射手段と、
前記第1の照明光が被撮像物に入射する光量と、前記第2の照明光が被撮像物に入射する光量との関係の光学的な切り替えを制御する制御手段と、
被撮像物からの反射光を受光し、画像データに変換して画像を読み取る読取手段と、
を有し、
前記反射手段は第1の反射部材と第2の反射部材を有し、
前記第1の反射部材は、前記第2の照明光が被撮像物に入射する位置の法線よりも前記射出手段側の空間に配置され、
前記第2の反射部材は、前記射出手段から見て前記法線よりも奥側の空間に配置される読取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照射装置及び読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、「原稿に光を照射し、該原稿から所定の反射方向へ反射する反射光を入力して光電変換することにより画像データを生成する光電変換手段とを具備する画像読取装置において、前記反射光が主に拡散反射光となる第1の照射方向と前記反射光が主に正反射光となる第2の照射方向とのそれぞれから前記原稿に対して光を照射する第1及び第2の光源と、前記反射光を前記光電変換手段に導く反射側導光手段と、前記第1及び第2の光源の光それぞれに対する前記反射光を前記光電変換手段に入力して生成された2つの画像データにおける相互に対応する位置のデータの比較に基づいて、前記対応する位置ごとにいずれか一方のデータを選択することにより前記原稿の画像データを合成する画像データ合成手段と、を具備してなることを特徴とする画像読取り装置」が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第4083042号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
被撮像物の読み取り位置に対し、2つの異なる角度で光を照射する光源と導光部材とをそれぞれ物理的に設ける場合、それぞれ複数の構成が必要となる。
【0005】
本発明は、被撮像物に対して異なる2つの照射方向の光を照射する光源と導光部材を物理的に2つ設ける場合に比べ、構成が少なくて済むことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、照明光を出力する光源と、棒形状の導光部材の軸方向に伝搬される前記照明光を、当該導光部材の側面から、被撮像物の読み取り位置に対して拡散反射条件を満たす第1の角度で入射する第1の照明光と、正反射条件を満たす第2の角度で入射する第2の照明光として射出する射出手段と、被撮像物の読み取り位置の法線方向に対して前記第1の照明光よりも小さい入射角で読み取り位置に入射するように、前記第2の照明光を反射する反射手段と、前記第1の照明光が被撮像物に入射する光量と、前記第2の照明光が被撮像物に入射する光量との関係の光学的な切り替えを制御する制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記第1の照明光を遮光せず、かつ、前記第2の照明光の一部だけを遮光する照射装置である。
請求項に記載の発明は、照明光を出力する光源と、棒形状の導光部材の軸方向に伝搬される前記照明光を、当該導光部材の側面から、被撮像物の読み取り位置に対して拡散反射条件を満たす第1の角度で入射する第1の照明光と、正反射条件を満たす第2の角度で入射する第2の照明光として射出する射出手段と、被撮像物の読み取り位置の法線方向に対して前記第1の照明光よりも小さい入射角で読み取り位置に入射するように、前記第2の照明光を反射する反射手段と、を有し、前記射出手段は、回転移動により、前記第1の照明光の射出と前記第2の照明光の射出を切り替える照射装置である。
請求項3に記載の発明は、照明光を出力する光源と、棒形状の導光部材の軸方向に伝搬される前記照明光を、当該導光部材の側面から、被撮像物の読み取り位置に対して拡散反射条件を満たす第1の角度で入射する第1の照明光と、正反射条件を満たす第2の角度で入射する第2の照明光として射出する射出手段と、被撮像物の読み取り位置の法線方向に対して前記第1の照明光よりも小さい入射角で読み取り位置に入射するように、前記第2の照明光を反射する反射手段と、を有し、前記反射手段は第1の反射部材と第2の反射部材を有し、前記第1の反射部材は、前記第2の照明光が被撮像物に入射する位置の法線よりも前記射出手段側の空間に配置され、前記第2の反射部材は、前記射出手段から見て前記法線よりも奥側の空間に配置される照射装置である。
請求項4に記載の発明は、照明光を出力する光源と、棒形状の導光部材の軸方向に伝搬される前記照明光を、当該導光部材の側面から、被撮像物の読み取り位置に対して拡散反射条件を満たす第1の角度で入射する第1の照明光と、正反射条件を満たす第2の角度で入射する第2の照明光として射出する射出手段と、被撮像物の読み取り位置の法線方向に対して前記第1の照明光よりも小さい入射角で読み取り位置に入射するように、前記第2の照明光を反射する反射手段と、前記第1の照明光が被撮像物に入射する光量と、前記第2の照明光が被撮像物に入射する光量との関係の光学的な切り替えを制御する制御手段と、被撮像物からの反射光を受光し、画像データに変換して画像を読み取る読取手段と、を有し、前記制御手段は、前記第1の照明光だけを被撮像物に入射させる状態で画像を読み取るモードと、前記第2の照明光だけを被撮像物に入射させる状態で画像を読み取るモードと、当該第1の照明光と当該第2の照明光の両方を被撮像物に入射させる状態で画像を読み取るモードとを切り替える読取装置である。
請求項に記載の発明は、照明光を出力する光源と、棒形状の導光部材の軸方向に伝搬される前記照明光を、当該導光部材の側面から、被撮像物の読み取り位置に対して拡散反射条件を満たす第1の角度で入射する第1の照明光と、正反射条件を満たす第2の角度で入射する第2の照明光として射出する射出手段と、被撮像物の読み取り位置の法線方向に対して前記第1の照明光よりも小さい入射角で読み取り位置に入射するように、前記第2の照明光を反射する反射手段と、前記第1の照明光が被撮像物に入射する光量と、前記第2の照明光が被撮像物に入射する光量との関係の光学的な切り替えを制御する制御手段と、被撮像物からの反射光を受光し、画像データに変換して画像を読み取る読取手段と、を有し、前記制御手段は、前記第1の照明光の全部と前記第2の照明光の一部を混合して被撮像物に入射させるように制御する読取装置である。
請求項6に記載の発明は、照明光を出力する光源と、棒形状の導光部材の軸方向に伝搬される前記照明光を、当該導光部材の側面から、被撮像物の読み取り位置に対して拡散反射条件を満たす第1の角度で入射する第1の照明光と、正反射条件を満たす第2の角度で入射する第2の照明光として射出する射出手段と、被撮像物の読み取り位置の法線方向に対して前記第1の照明光よりも小さい入射角で読み取り位置に入射するように、前記第2の照明光を反射する反射手段と、前記第1の照明光が被撮像物に入射する光量と、前記第2の照明光が被撮像物に入射する光量との関係の光学的な切り替えを制御する制御手段と、被撮像物からの反射光を受光し、画像データに変換して画像を読み取る読取手段と、を有し、前記制御手段は、前記第1の照明光と前記第2の照明光の両方を被撮像物に入射させて被撮像物の画像を読み取るモードの場合、遮光手段を当該第1の照明光と当該第2の照明光の両方を遮光しない位置に移動させる読取装置である。
請求項に記載の発明は、照明光を出力する光源と、棒形状の導光部材の軸方向に伝搬される前記照明光を、当該導光部材の側面から、被撮像物の読み取り位置に対して拡散反射条件を満たす第1の角度で入射する第1の照明光と、正反射条件を満たす第2の角度で入射する第2の照明光として射出する射出手段と、被撮像物の読み取り位置の法線方向に対して前記第1の照明光よりも小さい入射角で読み取り位置に入射するように、前記第2の照明光を反射する反射手段と、前記第1の照明光が被撮像物に入射する光量と、前記第2の照明光が被撮像物に入射する光量との関係の光学的な切り替えを制御する制御手段と、被撮像物からの反射光を受光し、画像データに変換して画像を読み取る読取手段と、を有し、前記制御手段は、前記第1の照明光の全部と前記第2の照明光の一部を混合して被撮像物に入射させて被撮像物の画像を読み取るモードの場合、遮光手段を前記第2の照明光の一部だけを遮光する位置に移動させる読取装置である。
請求項8に記載の発明は、照明光を出力する光源と、棒形状の導光部材の軸方向に伝搬される前記照明光を、当該導光部材の側面から、被撮像物の読み取り位置に対して拡散反射条件を満たす第1の角度で入射する第1の照明光と、正反射条件を満たす第2の角度で入射する第2の照明光として射出する射出手段と、被撮像物の読み取り位置の法線方向に対して前記第1の照明光よりも小さい入射角で読み取り位置に入射するように、前記第2の照明光を反射する反射手段と、前記第1の照明光が被撮像物に入射する光量と、前記第2の照明光が被撮像物に入射する光量との関係の光学的な切り替えを制御する制御手段と、被撮像物からの反射光を受光し、画像データに変換して画像を読み取る読取手段と、前記第1の照明光と前記第2の照明光が被撮像物に至るまでの光路上にそれぞれ配置され、透過する光量を電気的に調整可能な液晶シャッターと、を有し、前記液晶シャッターは、前記第1の照明光を遮光せず、かつ、前記第2の照明光の一部だけを遮光する読取装置である。
請求項に記載の発明は、照明光を出力する光源と、棒形状の導光部材の軸方向に伝搬される前記照明光を、当該導光部材の側面から、被撮像物の読み取り位置に対して拡散反射条件を満たす第1の角度で入射する第1の照明光と、正反射条件を満たす第2の角度で入射する第2の照明光として射出する射出手段と、被撮像物の読み取り位置の法線方向に対して前記第1の照明光よりも小さい入射角で読み取り位置に入射するように、前記第2の照明光を反射する反射手段と、前記第1の照明光が被撮像物に入射する光量と、前記第2の照明光が被撮像物に入射する光量との関係の光学的な切り替えを制御する制御手段と、被撮像物からの反射光を受光し、画像データに変換して画像を読み取る読取手段と、を有し、前記射出手段は、回転移動により、前記第1の照明光の射出と前記第2の照明光の射出を切り替える読取装置である。
請求項10に記載の発明は、照明光を出力する光源と、棒形状の導光部材の軸方向に伝搬される前記照明光を、当該導光部材の側面から、被撮像物の読み取り位置に対して拡散反射条件を満たす第1の角度で入射する第1の照明光と、正反射条件を満たす第2の角度で入射する第2の照明光として射出する射出手段と、被撮像物の読み取り位置の法線方向に対して前記第1の照明光よりも小さい入射角で読み取り位置に入射するように、前記第2の照明光を反射する反射手段と、前記第1の照明光が被撮像物に入射する光量と、前記第2の照明光が被撮像物に入射する光量との関係の光学的な切り替えを制御する制御手段と、被撮像物からの反射光を受光し、画像データに変換して画像を読み取る読取手段と、を有し、前記反射手段は第1の反射部材と第2の反射部材を有し、前記第1の反射部材は、前記第2の照明光が被撮像物に入射する位置の法線よりも前記射出手段側の空間に配置され、前記第2の反射部材は、前記射出手段から見て前記法線よりも奥側の空間に配置される読取装置である。
【発明の効果】
【0007】
請求項1記載の発明によれば、光源が1つでも被撮像物に対して入射する異なる2つの光の光量を切り替えることができる。
請求項記載の発明によれば、遮光部材を不要とすることができる。
請求項3記載の発明によれば、影の少ない画像を取得できる。
請求項4記載の発明によれば、色情報と質感情報を精度よく読み取ることができる。
請求項記載の発明によれば、色情報と質感情報を一度に読み取ることができる。
請求項6記載の発明によれば、色情報の読み取り時間を短縮できる。
請求項記載の発明によれば、色情報と質感情報を一度に読み取ることができる。
請求項8記載の発明によれば、色情報と質感情報を一度に読み取ることができる。
請求項記載の発明によれば、1つの照明光を色情報の読み取り用と質感情報の読み取り用に用いることができる。
請求項10記載の発明によれば、影の少ない画像を取得できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】質感読み取り機能を備える画像形成装置の外観例を説明する図である。
図2】画像形成装置を構成するモジュール間の接続関係を説明する図である。
図3】実施の形態1で使用する画像読取装置の構成例を説明する図である。
図4】画像読取装置で用いられる光源モジュールの外観例を示す図である。
図5】画像読取装置により取得される反射画像の一例を説明する図である。(a)は拡散反射画像の例であり、(b)は正反射画像の例であり、(c)は拡散反射画像と正反射画像の差分画像の例である。
図6】画像処理部の機能の一例を説明する図である。
図7】制御基板による制御動作の一例を説明するフローチャートである。
図8】拡散反射画像の読み取りモード中における可動シャッターの位置を説明する図である。
図9】正反射画像の読み取りモード中における可動シャッターの位置を説明する図である。
図10】制御基板による制御動作の他の例を説明するフローチャートである。
図11】高光量による拡散反射画像の読み取りモード中における可動シャッターの位置を説明する図である。
図12】制御基板による制御動作の他の例を説明するフローチャートである。
図13】混合読み取りモード中における可動シャッターの位置を説明する図である。
図14】実施の形態2で使用する画像読取装置の構成例を説明する図である。
図15】実施の形態2における画像読取装置で用いられる光源モジュールの外観例を示す図である。
図16】制御基板による液晶シャッターの制御例を説明する図である。
図17】実施の形態3で使用する画像読取装置の構成例を説明する図である。
図18】実施の形態3における画像読取装置で用いられる光源モジュールの外観例を示す図である。
図19】拡散反射画像の読取りモードで使用する場合における導光部材の位置関係を説明する図である。
図20】正反射画像の読取りモードで使用する場合における導光部材の位置関係を説明する図である。
図21】反射ミラーを読取り位置の法線軸よりもリア側に配置する例を説明する図である。
図22】2つの反射ミラーを用いる場合の配置例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
<実施の形態1>
<画像形成装置の全体構成>
図1は、質感読み取り機能を備える画像形成装置1の外観例を説明する図である。
画像形成装置1は、原稿の画像を読み取る画像読取装置10と、記録媒体の一例である用紙上に画像を記録する画像記録装置20とを備えている。
ここでの原稿は、被撮像物の一例である。
【0010】
画像読取装置10は、装置の本体部分を構成する画像記録装置20の上面に取り付けられている。画像読取装置10は、原稿に形成されている画像を光学的に読み取る画像読取部と、画像読取部に原稿を搬送する原稿搬送部とを備えている。
画像記録装置20は、用紙の表面に画像を形成する機構部と用紙を搬送する機構部とを含んでいる。画像記録装置20は、用紙トレイ30から引き出された用紙に画像を形成する。画像記録装置20は、用紙トレイ30の上面に取り付けられている。
【0011】
図2は、画像形成装置1を構成するモジュール間の接続関係を説明する図である。
画像記録装置20には、装置全体の動作を制御する制御装置21が設けられている。
制御装置21は、CPU(Central Processing Unit)21Aと、ファームウェアやBIOS(Basic Input Output System)等が記憶されたROM(Read Only Memory)21Bと、制御装置21Aのワークエリアとして用いられるRAM(Random Access Memory)21Cとを有している。制御装置21は、いわゆるコンピュータを構成する。
【0012】
また、画像記録装置20は、不揮発性の記憶装置の一例であるハードディスク装置(HDD)22を有している。ハードディスク装置22には、画像読取装置10で読み取られた画像のデータ、外部から与えられる印刷データ、FAX通信を通じて送受信された画像のデータ等が保存される。
また、画像記録装置20には、ユーザインタフェースとしての表示部23及び操作受付部24が設けられている。表示部23には、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイが用いられる。操作受付部24には、例えばタッチセンサが用いられる。
【0013】
また、画像記録装置20には、画像の形成に必要とされる各種の処理(例えば色補正や階調補正など)を実行する画像処理部25が設けられている。また、画像記録装置20には、用紙に画像を記録する画像形成部26が設けられている。画像形成部26は、例えば電子写真方式により又はインクジェット方式により画像を記録する。また、画像記録装置20には、ネットワークを通じて外部装置と通信する通信部27が設けられている。
因みに、制御装置21と各部は、バス28や不図示の信号線を通じて接続されている。
【0014】
<画像読取装置の構成>
図3は、実施の形態1で使用する画像読取装置10の構成例を説明する図である。図4は、画像読取装置10で用いられる光源モジュール40の外観例を示す図である。画像読み取り装置10は読取装置の一例であり、光源モジュール40は照射装置の一例である。
図3に示す画像読取装置10は、原稿の表面を光学的に読み取り、読み取り結果として2種類の画像データを出力する。
画像データの1つは、原稿の表面で拡散反射された光成分の画像(以下「拡散反射画像」という)であり、別の1つは、原稿の表面で正反射された光成分を多く含む画像(以下「正反射画像」という)である。正反射とは、光の入射角と反射角が反射面に対して同じ角度となる反射であり、鏡面反射とも呼ばれる。本実施の形態では、正反射画像には、原稿の表面で正反射された光成分に加え、原稿の表面で拡散反射された光成分も少し含まれる。
【0015】
図3には、画像読取装置10のうち、原稿が配置されるプラテンガラス11と、読み取り用の光学系を内蔵するキャリッジ12とが示されている。プラテンガラス11は、不図示の筐体に取り付けられており、キャリッジ12は不図示の筐体に内蔵されている。
プラテンガラス11は、原稿を支持するガラス板であり、平板形状を有している。原稿のうちプラテンガラス11で支持される面が読み取り面となる。プラテンガラス11は、透明な部材であればよく、材料はガラスに限らない。例えばアクリル板でもよい。
なお、原稿の表面を光学的に読み取る場合には、遮光性を有するカバー部材により原稿の周囲を覆い、外光がキャリッジ12の内部に入射されないようにしてもよい。
【0016】
キャリッジ12には、原稿の読み取りに使用される2種類の光線L1及びL2を射出する光源モジュール40と、原稿からの反射光を受光する受光部50とが配置されている。
光源モジュール40には、照明光を出力する光源41と、光源41から射出された照明光を伝搬する導光部材42と、導光部材42の側面から射出される線状の光線L1及びL2のうち光線L2を原稿の方向に反射する反射ミラー43と、導光部材42を軸中心として回転移動される可動シャッター44と、制御基板45とが設けられている。
これらの部材は、いずれも筐体40Aに取り付けられている。ここでの可動シャッター44は遮光手段の一例であり、制御基板45は制御手段の一例である。
【0017】
本実施の形態の場合、光源41は1つであり、光源41は導光部材42の一方の端部に配置されている。光源41には、例えば白色LED(Light Emitting Diode)が用いられる。光源41から射出された照明光は、略円柱形状又は棒形状を有する導光部材42の内部を軸方向(X軸方向)に伝搬される。
導光部材42の内部を伝搬する照明光は、導光部材42の軸方向に沿って形成されたプリズム構造42A、42Bにより、伝搬方向とは直交する2方向の光成分に変換される。変換後の照明光は、光線L1及びL2として、導光部材42の側面から外部に射出される。
プリズム構造42A、42Bは、光線L1及びL2によって照射される原稿の読み取り位置における照度の分布が均一になるように設計されている。
ここでの光線L1は第1の照明光の一例であり、光線L2は第2の照明光の一例である。また、光線L1及びL2を射出する導光部材42は射出手段の一例である。
【0018】
図3の場合、光線L1は、原稿の読み取り位置を直接照射する方向に射出される。本実施の形態の場合、光線L1は、読み取り位置において、原稿の面に対する法線方向(鉛直方向)に対して略45°の角度で入射するように射出される。この入射角は、第1の角度の一例である。
光線L2は、反射ミラー43の方向に射出される。本実施の形態の場合、光線L2は、反射ミラー43による反射の後、読み取り位置において、原稿の面に対する法線方向(鉛直方向)に対して略5°の角度で入射するように射出される。この入射角は、第2の角度の一例である。なお、光線L2の入射角は、好ましくは略5°~略10°である。光線L2の入射角は、反射ミラー43の取り付け角度によって調整してもよい。
反射ミラー43は、読み取り位置に対する光線L2の入射角が光線L1の入射角より小さくなるように光線L2を反射する反射手段の一例である。本実施の形態における反射ミラー43は、線状に出力される光線L2の幅よりも長い反射面を有している。換言すると、反射ミラー43は、導光部材42と同等の長さを有している。反射ミラー43と導光部材42の位置は平行である。
【0019】
本実施の形態における可動シャッター44は、不透性の材料で構成されている。例えば金属やプラスチックで構成されている。可動シャッター44は、導光部材42の軸方向に延伸する帯形状の部材であり、導光部材42から射出される光線L1及びL2の遮光に十分な長さを有している。もっとも、可動シャッター44を、不透性の部分と透過性の部分を円周方向に並ぶように配置した筒状の部材や同等の構造を有する断面が円弧形状の部材を用いてもよい。
本実施の形態における可動シャッター44は、筐体40Aに設けられている不図示のガイド機構により案内され、光線L1又はL2の光路を横切るように移動される。本実施の形態の場合、可動シャッター44の移動は、不図示の駆動機構によって実行される。ここでのガイド機構や駆動機構は、遮光手段の位置を可変する可変機構の一例である。本実施の形態の場合、可動シャッター44は、略円柱形状又は棒形状を有する導光部材42の外周に沿うように回転移動される。
本実施の形態の場合、可動シャッター44は、光線L1を遮る位置、光線L2を遮る位置、光線L1も光線L2も遮らない位置のいずれかの位置に移動される。
【0020】
制御基板45は、光源41の点灯又は消灯の制御、可動シャッター44の移動の制御等を実行する。可動シャッター44を停止させる位置は、読み取りモードに応じて予め定められている。なお、読み取りモードは、制御装置21(図2参照)から制御基板45に通知される。
本実施の形態では、導光部材42の軸方向(図中、X方向)を主走査方向といい、図3に矢印で示す方向(図中、Y方向)を副走査方向という。
従って、原稿の情報を読み取る場合、キャリッジ12は、副走査方向に移動するように駆動される。移動の速度は、読み取りモードに応じて予め定められている。
以下では、キャリッジ12が移動する方向をフロント(前)側といい、反対側をリア(後ろ)側という。図3における光源モジュール40は、光線L1と光線L2が原稿を照射する読み取り位置に対してフロント側に配置されている。図3では、光線L1と光線L2が交わる位置が読み取り位置である。もちろん、光源モジュール40は、リア側に配置するように構成してもよい。
【0021】
受光部50には、光線L1及びL2による読み取り位置で反射された光を結像する結像光学系51と、結像された光を受光するイメージセンサ52が設けられている。ここでの受光部50は、読取手段の一例である。
結像光学系51は、例えば反射ミラーや結像レンズで構成され、読み取り位置で反射された拡散反射光の成分と正反射光の成分をイメージセンサ52の受光面に結像する。図3の場合、結像光学系51は、プラテンガラス11の法線上に配置されているが、結像光学系51の取り付け位置を限定するものではない。プラテンガラス11の法線上に反射ミラーを設けて原稿からの反射光を屈折させ、結像光学系51の取り付け位置を、キャリッジ12の側面に設けてもよいし、キャリッジ12の筐体の外側であって反射ミラーによる反射光の光軸上に設けるようにしてもよい。
本実施の形態では、入射角を略45°として読み取り位置に入射する光線L1のうちプラテンガラス11の法線方向に反射する光成分を拡散反射光と呼ぶ。また、入射角を略5°~略10°として読み取り位置に入射する光線L2のうちプラテンガラス11の法線方向に多く反射する光成分を正反射光と呼ぶ。
【0022】
イメージセンサ52は、受光面上に結像された拡散反射光及び正反射光の強度を画像信号として出力することにより、画像データとして原稿を読み取る。拡散反射光に対応する画像信号によって形成される画像を拡散反射画像と呼び、正反射光に対応する画像信号によって形成される画像を正反射画像と呼ぶ。
イメージセンサ52には、例えばCCD(Charge Coupled Device)リニアイメージセンサやCMOS(Complementary MOS)イメージセンサ等の受光素子を用いる。イメージセンサ52の表面には、不図示のカラーフィルタが配置されている。従って、拡散反射画像及び正反射画像は、カラー画像信号で与えられる。本実施の形態の場合、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の成分値で与えられる。
【0023】
図5は、画像読取装置10(図3参照)により取得される反射画像の一例を説明する図である。(a)は拡散反射画像の例であり、(b)は正反射画像の例であり、(c)は拡散反射画像と正反射画像の差分画像の例である。
図5に示す反射画像は、原稿の表面に、色と濃度の組み合わせが異なる16個のカラーパッチ(以下「パッチ」ともいう)をマトリクス状に配置したカラーチャートが印刷されている場合に取得される。カラーチャートを構成する各パッチは、見本パターンの一例である。
カラーチャートの横軸は、色相と光沢成分の組み合わせが異なる4つの色が対応し、縦軸は、原稿の印刷時に使用された色材の量を表すカバレッジに対応する。カバレッジが低いほど、単位面積当たりの色材の量が少なくなり、色の濃度が薄くなる。一方、カバレッジが高いほど、単位面積当たりの色材の量が多くなり、色の濃度が濃くなる。
【0024】
図5の場合、カラーチャートを構成する4色は、シアンとシルバーの混色(以下「シアン+シルバー色」ともいう)、マゼンタとシルバーの混色(以下「マゼンタ+シルバー色」ともいう)、マゼンタ、シアンである。
図5に示すカラーチャートは、色毎に、カバレッジを4段階で変化させたカラーパッチで構成されている。図5に示すカラーパッチは、いずれも同じ形状である。具体的には、カラーパッチは正方形である。
【0025】
前述したように、(b)に示す正反射画像は、原稿の表面の金属光沢成分を主に取得した画像であるが、拡散成分も含まれている。ここでの金属光沢は、シルバートナーによって表現される金属色に対応する。
(c)は、正反射画像に含まれる金属光沢を表現する差分画像である。差分画像は、拡散反射画像と正反射画像の差分を演算することで生成される。
金属光沢は、基本的にシルバートナーによって生じるので、差分画像では、シルバートナーが含まれるシアン+シルバー色に対応するカラーパッチとマゼンタ+シルバー色に対応するカラーパッチの2列について光沢成分が現れている。また、カバレッジの違いが金属光沢の反射率の違いにも現れている。すなわち、カバレッジが高いほど、カラーパッチは明るく見えている。
【0026】
図3及び図4の説明に戻る。
本実施の形態で使用するキャリッジ12の場合、原稿の表面全体で、原稿に対する光線L1及びL2の各入射角とイメージセンサ52で受光される受光角の関係が一定に保たれる。この関係は、撮像カメラ等による撮像では実現できない関係である。
このため、拡散反射の条件(入射角が略45°)で取得された拡散反射画像と、正反射の条件(入射角が略10°)で取得された正反射画像との差分を演算することにより、金属光沢の情報を正確に抽出することが可能になる。このことは、簡易な差分演算により、金属光沢の領域と反射率(2次元平面の正反射率)を一度に取得できることを意味する。
なお、拡散反射の条件(入射角が略45°)と正反射の条件(入射角が略5°)は、同一の白色校正板でキャリブレーションされている。
【0027】
図6は、画像処理部25(図2参照)の機能の一例を説明する図である。
図6に示す画像処理部25は、反射画像の処理機能として、差分画像取得部25A、平均値算出部25B及び25Cを有している。
差分画像取得部25Aは、ピクセルごとに拡散反射画像と正反射画像の差分を演算して差分画像を取得する。差分画像を取得する方法には、正反射画像から拡散反射画像を減算して求める手法と、拡散反射画像から正反射画像を減算して求める手法の2つがある。差分画像取得部25Aは、いずれか一方の手法又は両方の手法により差分画像を演算する。
【0028】
平均値算出部25Bは、拡散反射画像の平均RGB値を算出する。原稿にカラーチャートが印刷されている場合、平均値算出部25Bは、カラーパッチ単位で平均RGB値を算出する。図6の場合、平均RGB値は、(R,G,B)=(185,151,95)である。
平均値算出部25Cは、カラーパッチに対応する差分画像の平均RGB値を算出する。勿論、原稿にカラーチャートが印刷されている場合、平均値算出部25Cは、カラーパッチ単位で平均RGB値を算出する。本実施の形態では、区別のため、差分画像の平均RGB値を平均ΔRΔGΔB値で表す。Δは差分を表す。平均ΔRΔGΔB値は平均画素値の一例である。
図6の場合、平均ΔRΔGΔB値は、(ΔR,ΔG,ΔB)=(69,88,88)である。ここでの平均ΔRΔGΔB値は、光沢成分値に対応する。
【0029】
本実施の形態における画像読取装置10は、原稿の質感情報を基本的に2回の走査によって取得可能である。2回の走査とは、光線L1を原稿に照射して拡散反射画像を取得する走査と、光線L2を原稿に照射して正反射画像を取得する走査である。
本実施の形態における手法は、BRDF(Bidirectional Reflectance Distribution Function)を計測する方法に比べ、質感情報の取得に要する時間を短縮できる。また、本実施の形態における手法は、質感情報を差分演算で算出できるため、計算資源に対する負荷も小さく済む。
【0030】
<読み取り動作>
以下では、本実施の形態に係る画像読取装置10(図3参照)による原稿の読み取り動作について説明する。
【0031】
<動作例1>
図7は、制御基板45(図4参照)による制御動作の一例を説明するフローチャートである。なお、図中の記号Sはステップを意味している。
本実施の形態の場合、制御基板45には、制御装置21(図2参照)から、読み取り開始の指示が与えられる。
まず、制御基板45は、読み取り開始か否かを判定する(ステップ1)。
ステップ1で否定結果が得られている間、制御基板45は、読み取り開始の指示の受信を待機する。
ステップ1で肯定結果が得られた場合、制御基板45は、正反射画像の読み取り用の光線L2を遮る位置に可動シャッター44を移動させる(ステップ2)。
可動シャッター44の移動が終了すると、制御装置21は、キャリッジ12(図3参照)をプラテンガラス11(図3参照)に沿って移動させ、拡散反射画像の読み取りを実行する。この読み取り動作は、拡散反射画像の読み取りモードに対応する。
図8は、拡散反射画像の読み取りモード中における可動シャッター44の位置を説明する図である。図8に示すように、光線L2は、その光路上に配置された可動シャッター44によって遮られている。結果的に、光線L1だけが原稿の読み取り位置を照射している。
【0032】
図7の説明に戻る。
次に、制御基板45は、1回目の走査が終了したか否かを判定する(ステップ3)。
ステップ3で否定結果が得られている間、制御基板45は、可動シャッター44の位置を維持する。拡散反射画像の読み取りが終わっていないためである。
ステップ3で肯定結果が得られた場合、制御基板45は、拡散反射画像の読み取り用の光線L1を遮る位置に可動シャッター44を移動させる(ステップ4)。
可動シャッター44の移動が終了すると、制御装置21は、キャリッジ12をプラテンガラス11に沿って移動させ、正反射画像の読み取りを実行する。この読み取り動作は、正反射画像読み取りモードに対応する。
図9は、正反射画像の読み取りモード中における可動シャッター44の位置を説明する図である。図9に示すように、光線L1は、その光路上に配置された可動シャッター44によって遮られている。結果的に、光線L2だけが原稿の読み取り位置を照射している。
【0033】
図7の説明に戻る。
次に、制御基板45は、2回目の走査が終了したか否かを判定する(ステップ5)。
ステップ5で否定結果が得られている間、制御基板45は、可動シャッター44の位置を維持する。正反射画像の読み取りが終わっていないためである。
ステップ5で肯定結果が得られた場合、制御基板45は、読み取り動作を終了する。
この動作例では、1回目の走査で拡散反射画像を読み取り、2回目の走査で正反射画像を読み取っているが、読み取りの順序は逆でもよい。すなわち、1回目の走査で正反射画像を読み取り、2回目の走査で拡散反射画像を読み取ってもよい。
【0034】
<動作例2>
図10は、制御基板45(図4参照)による制御動作の他の例を説明するフローチャートである。図10には、図7との対応部分に対応する符号を付して示している。なお、図中の記号Sはステップを意味している。
この動作例の特徴は、ステップ1による判定後に、高光量読み取りモードの判定(ステップ11)を実行する点である。
高光量読み取りモードとは、図7に示した動作例1の場合に比して、原稿を照射する光量を増やして拡散反射画像の読み取り時間を短縮する動作モードである。高光量読み取りモードは、光沢成分が少ない原稿の読み取りに用いられる。高光量読み取りモードは、第1の動作モードの一例である。
ステップ11で否定結果が得られた場合の動作は、動作例1と同じである。すなわち、光線L1だけを用いた拡散反射画像の読み取りと光線L2だけを用いた正反射画像の読み取りが順番に実行される。
【0035】
一方、ステップ11で肯定結果が得られた場合、制御基板45は、光線L1及びL2の両方を遮えぎらない位置に可動シャッター44を移動させる(ステップ12)。
可動シャッター44の移動が終了すると、制御装置21は、キャリッジ12をプラテンガラス11に沿って移動させ、拡散反射画像の読み取りを実行する。この読み取り動作が高光量読み取りモードに対応する。
図11は、高光量による拡散反射画像の読み取りモード中における可動シャッター44の位置を説明する図である。図11の場合、可動シャッター44は、光線L1及びL2のいずれの光路とも交わらない位置に退避されている。このため、光線L1及びL2の両方が原稿の読み取り位置を照射する。
結果的に、読み取り位置を照射する光量は、光線L1及びL2のいずれか一方だけを用いる場合に比して増加する。その結果、受光部50で受光される反射光の光量も増加する。このため、キャリッジ12の移動速度を動作例1に比して大きくしても、イメージセンサ52で十分な受光光量が確保される。
【0036】
図10の説明に戻る。
次に、制御基板45は、高光量による走査が終了したか否かを判定する(ステップ13)。
ステップ13で否定結果が得られている間、制御基板45は、可動シャッター44の位置を維持する。すなわち、光線L1及びL2の両方が読み取り位置を照射する状態が維持される。
ステップ13で肯定結果が得られた場合、制御基板45は、読み取り動作を終了する。前述したように、高光量読み取りモードは、光沢成分が少ない原稿の読み取りに用いられるためであり、正反射画像を取得する必要性に乏しいからである。このように、高光量読み取りモードにおける走査は1回で済む。
もっとも、高光量読み取りモードによる読み取りの終了後に、改めて正反射画像の読み取りを実行してもよい。
【0037】
<動作例3>
図12は、制御基板45(図4参照)による制御動作の他の例を説明するフローチャートである。図12には、図10との対応部分に対応する符号を付して示している。なお、図中の記号Sはステップを意味している。
この動作例の特徴は、ステップ1による判定後に、混合読み取りモードの判定(ステップ21)を実行する点である。
混合読み取りモードとは、拡散反射光成分と正反射光成分の両方が混在した画像を1度の走査で読み取る動作モードである。
ステップ21で否定結果が得られた場合の動作は、動作例1と同じである。すなわち、光線L1だけを用いた拡散反射画像の読み取りと光線L2だけを用いた正反射画像の読み取りが順番に実行される。
【0038】
一方、ステップ21で肯定結果が得られた場合、制御基板45は、光線L2の一部だけを遮る位置に可動シャッター44を移動させる(ステップ22)。
可動シャッター44の移動が終了すると、制御装置21(図2参照)は、キャリッジ12(図3参照)をプラテンガラス11(図3参照)に沿って移動させ、光量を調整した正反射画像と拡散反射画像を混合した画像の読み取りを実行する。この読み取り動作が混合読み取りモードに対応する。
【0039】
図13は、混合読み取りモード中における可動シャッター44の位置を説明する図である。図13の場合、可動シャッター44は、光線L2の一部だけを遮光している。このため、光線L1の全てと光線L2の一部が原稿の読み取り位置を照射している。
この動作例では、読み取り位置を照射する光線L2の光量を、導光部材42から射出される光線L2の光量の20%~30%に設定する。
読み取り位置には光線L1も同時に入射しているため、光線L2の光量を増やしすぎると、読み取り位置からの反射光量が増えすぎ、光沢などの質感の情報が損なわれ易くなるためである。反射光量が増えすぎると、光沢に伴う反射光量の変化が見えづらくなり、かえって質感の取得が困難になる。
【0040】
図12の説明に戻る。
次に、制御基板45は、走査が終了したか否かを判定する(ステップ23)。
ステップ23で否定結果が得られている間、制御基板45は、可動シャッター44の位置を維持する。すなわち、光線L1の全てと光線L2の一部が読み取り位置を照射する状態が維持される。
ステップ23で肯定結果が得られた場合、制御基板45は、読み取り動作を終了する。混合読み取りモードでは、一度の走査で、主に色成分に対応する拡散反射成分に加え、主に光沢成分に対応する正反射成分の両方を読み取ることができるためである。このように、混合読み取りモードにおける走査は1回で済む。
【0041】
なお、原稿を照射する光線L2の光量は、読み取り対象である原稿によっても異なる。従って、原稿の読み取りを開始する前に、原稿を照射する光線L2の光量又は光線L2を遮光する割合を決定するための予備走査を実行してもよい。
予備走査によって原稿を照射する光線L2の光量又は光線L2を遮光する割合が決定されると、制御基板45は、その結果に基づいて可動シャッター44を停止する位置を調整する。従って、可動シャッター44の停止位置は、段階的に調整できることが望ましい。
なお、予備走査は、条件を代えて複数回実行してもよい。
【0042】
<実施の形態2>
本実施の形態では、光線L1及びL2の遮光に可動部材を用いない場合について説明する。なお、画像形成装置1(図1参照)の全体構成は、実施の形態1と同じである。
図14は、実施の形態2で使用する画像読取装置10Aの構成例を説明する図である。図14には、図3との対応部分に対応する符号を付して示している。
図14に示す画像読取装置10Aは、光源モジュール401を使用する。
光源モジュール401には、可動シャッター44(図3参照)に代えて、液晶シャッター46A及び46Bが設けられている。ここでの光源モジュール401は、照射装置の一例である。
液晶シャッター46A及び46Bは、電気信号により透過と不透過が切り替わる、又は、透過率が変化する光学素子である。
【0043】
液晶シャッター46Aは、光線L2の光路を横切る位置に配置され、液晶シャッター46Bは、光線L1の光路を横切る位置に配置される。液晶シャッター46Aは、その全体が不透過状態に制御される場合、光線L2の全体を遮光する。また、液晶シャッター46Bは、その全体が不透過状態に制御される場合、光線L1の全体を遮光する。
なお、液晶シャッター46Aは、一部の領域だけを不透過状態に制御し、残りの領域を透過状態に制御することが可能である。この場合、透過状態の領域を透過する光線L2と不透過状態の領域で遮光される光線L2の比率により読み取り位置を照射する光量が定まる。
もっとも、液晶シャッター46Aは、透過率の調整により、例えば光線L2を100%透過する状態、光線L2を20%透過する状態、光線L2を透過しない状態を切り替えることも可能である。もちろん、透過率は、10%透過する状態や30%透過する状態なども含めた多段階に調整できることが望ましい。
【0044】
図15は、実施の形態2における画像読取装置10で用いられる光源モジュール401の外観例を示す図である。図15には、図4との対応部分に対応する符号を付して示している。
液晶シャッター46A及び46Bは、導光部材42の軸方向に延伸する帯状の形状を有している。また、液晶シャッター46A及び46Bは、導光部材42から射出される光線L1及びL2の遮光に十分な長さを有している。
液晶シャッター46A及び46Bは、いずれも光線L1及びL2の光路を遮るように、筐体40Aに取り付けられている。すなわち、液晶シャッター46A及び46Bは、非可動部材である。
このように、光源モジュール401は、実施の形態1のような可動シャッター44を有しない。このため、光源モジュール401によるシャッター動作の信頼性は、実施の形態1の光源モジュール40に比して高くなる。
【0045】
液晶シャッター46A及び46Bの透過特性は、制御基板45によって電気的に制御される。
図16は、制御基板45による液晶シャッター46A及び46Bの制御例を説明する図である。
例えば拡散反射画像の読取りモードの場合、制御基板45は、光線L2の光路上に位置する液晶シャッター46Aを不透過状態に制御する一方、光線L1の光路上に位置する液晶シャッター46Bを透過状態に制御する。
また、正反射画像の読取りモードの場合、制御基板45は、光線L2の光路上に位置する液晶シャッター46Aを透過状態に制御する一方、光線L1の光路上に位置する液晶シャッター46Bを不透過状態に制御する。
また、高光量読取りモードの場合、制御基板45は、光線L2の光路上に位置する液晶シャッター46Aと光線L1の光路上に位置する液晶シャッター46Bの両方を透過状態に制御する。
【0046】
また、混合読取りモードの場合、制御基板45は、光線L2の光路上に位置する液晶シャッター46Aの一部の領域のみを透過状態に制御し、光線L1の光路上に位置する液晶シャッター46Bを透過状態に制御する。
例えば液晶シャッター46Aの20%の領域だけが透過に制御され、残りの80%の領域は不透過に制御される。
または、前述したように、液晶シャッター46Aの全領域の透過率を20%に制御してもよい。
【0047】
<実施の形態3>
本実施の形態では、導光部材42を軸中心に回転移動させることにより、光線L1及びL2の射出を実現する例について説明する。なお、画像形成装置1(図1参照)の全体構成は、実施の形態1と同じである。
図17は、実施の形態3で使用する画像読取装置10Bの構成例を説明する図である。図17には、図3との対応部分に対応する符号を付して示している。
図17に示す画像読取装置10Bは、光源モジュール411を使用する。光源モジュール411は、照射装置の一例である。
【0048】
光源モジュール411における導光部材42には、プリズム構造42Aだけが形成される点で、前述した2つの光源モジュール40及び401と相違する。
また、光源モジュール411では、導光部材42がその軸中心に対して回転可能に筐体40Aに取り付けられると共に、導光部材42を回転方向に駆動する駆動機構412(図18参照)が設けられている。駆動機構412の動きは制御基板45によって制御される。
【0049】
図18は、実施の形態3における画像読取装置10Bで用いられる光源モジュール411の外観例を示す図である。図18には、図4との対応部分に対応する符号を付して示している。
光源モジュール411の場合、筐体40Aの内部に導光部材42を回転駆動する駆動機構412が配置されている。駆動機構412は、動力源として例えばモータを有している。また、駆動機構412には、モータと導光部材42を連結する連結機構も設けられる。
本実施の形態の場合、導光部材42の回転角度により、射出される光線の向きが切り替えられる。また、本実施の形態における導光部材42は光線が一度に1方向にしか射出されないので、高光量読取りモードや混合読取りモードが必要とされる場合には、光源モジュール411を使用することはできない。
【0050】
図19は、拡散反射画像の読取りモードで使用する場合における導光部材42の位置関係を説明する図である。
図19の場合、プリズム構造42Aが形成されている面が反射ミラー43よりも下方に位置している。このため、プリズム構造42Aで反射された照明光は光線L1として読取り位置に射出される。
図20は、正反射画像の読取りモードで使用する場合における導光部材42の位置関係を説明する図である。
図20の場合、プリズム構造42Aが形成されている面が、反射ミラー43とほぼ同じ高さに位置している。このため、プリズム構造42Aで反射された照明光は、反射ミラー43で反射され、その後、光線L2として読取り位置に射出される。
【0051】
<他の実施の形態>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の技術的範囲は上述の実施の形態に記載の範囲に限定されない。上述の実施の形態に、種々の変更又は改良を加えたものも、本発明の技術的範囲に含まれることは、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0052】
(1)前述の実施の形態1においては、反射ミラー43(図3参照)を読取り位置の法線軸よりもフロント側に配置したが、法線軸よりもリア側に配置してもよい。
図21は、反射ミラー43を読取り位置の法線軸よりもリア側に配置する例を説明する図である。図21には、図11との対応部分に対応する符号を付して示している。
図21の構成の場合も、光線L2が、略5°から略10°の入射角で原稿の読取り位置に入射するように反射ミラー43を取り付ければよい。
なお、図21は、高光量読取りモードについて表しているが、他の読取りモードによる動作も可能である。
なお、この構成は、実施の形態3についても同様に応用可能である。
【0053】
(2)前述の実施の形態1においては、反射ミラー43を1つだけ用いているが、複数の反射ミラー43を用いてもよい。
図22は、2つの反射ミラー43A及び43Bを用いる場合の配置例を説明する図である。図22には、図11との対応部分に対応する符号を付して示している。
反射ミラー43Aは、原稿の読み取り位置の法線軸よりもフロント側に位置し、反射ミラー43Bは、原稿の読み取り位置の法線軸よりもリア側に位置する。
反射ミラー43Aは、第1の反射部材の一例であり、反射ミラー43Bは、第2の反射部材の一例である。
【0054】
図22の場合、導光部材42から射出された光線L2は、反射ミラー43Aで反射される成分L21と反射ミラー43Bで反射される成分L22の2つに分割される。
成分L21と成分L22は、いずれも略5°~略10°の入射角で原稿の読み取り位置に入射する。
なお、反射ミラー43A及び43Bは、読み取り位置で反射された反射光の受光部50への入射を妨げないように配置されている。
図22に示す配置の場合、原稿の表面に凹凸がある場合でも、撮像画像に現れる影が少なくなる。
【0055】
(3)前述の実施の形態では、画像読取装置10、10A及び10Bを、図1に示す構成の画像形成装置1で使用する場合について説明したが、画像の読み取り専用の装置で使用してもよい。
【符号の説明】
【0056】
1…画像形成装置、10、10A、10B…画像読取装置、20…画像記録装置、30…用紙トレイ、40、401、411…光源モジュール、41…光源、42…導光部材、42A、42B…プリズム構造、43、43A、43B…反射ミラー、44…可動シャッター、45…制御基板、46A、46B…液晶シャッター、412…駆動機構
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