(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】電子装置および給湯システム
(51)【国際特許分類】
A47K 3/00 20060101AFI20221129BHJP
F24H 15/196 20220101ALI20221129BHJP
G08B 21/08 20060101ALI20221129BHJP
【FI】
A47K3/00 D
F24H15/196 301Y
G08B21/08
(21)【出願番号】P 2018217106
(22)【出願日】2018-11-20
(62)【分割の表示】P 2014110577の分割
【原出願日】2014-05-28
【審査請求日】2018-12-19
【審判番号】
【審判請求日】2021-02-25
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成25年11月29日に「給湯暖房用熱源機 GH-Hシリーズ新発売」をウェブサイトに掲載した。(アドレス:http://www.purpose.co.jp/company/newsrelease/2013/1129-374.html 平成25年12月10日から平成26年5月26日の間に、パーパス株式会社の代理店に給湯暖房用熱源機、リモコンの何れか又は双方を出荷した。平成25年12月18日から平成26年5月26日の間に、代理店に対して「標準リモコン取扱説明書」、「リモコン取扱説明書」を同梱したリモコンを出荷した。
(73)【特許権者】
【識別番号】000170130
【氏名又は名称】パーパス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083725
【氏名又は名称】畝本 正一
(74)【代理人】
【識別番号】100140349
【氏名又は名称】畝本 継立
(74)【代理人】
【識別番号】100153305
【氏名又は名称】畝本 卓弥
(74)【代理人】
【識別番号】100206933
【氏名又は名称】沖田 正樹
(72)【発明者】
【氏名】久保田 義弘
(72)【発明者】
【氏名】安藤 大朗
(72)【発明者】
【氏名】小林 志銘
【合議体】
【審判長】居島 一仁
【審判官】住田 秀弘
【審判官】佐藤 美紗子
(56)【参考文献】
【文献】特開平8-101987(JP,A)
【文献】特開2013-238964(JP,A)
【文献】特開2001-195676(JP,A)
【文献】特開2005-114187(JP,A)
【文献】特開2001-82799(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 3/00
F24H 1/00
B08B 13/00-15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽の水位上昇検出により、入浴があることを表す入浴中信号を出力する制御部と、
前記入浴中信号をスマートフォンまたはタブレット端末に出力する通信部と、
を備え、前記入浴中信号を受けた前記スマートフォンまたはタブレット端末の表示部に、入浴者が前記浴槽に入り入浴中であることを表す入浴中表示を浴室外で表示させ、
前記制御部は、前記浴槽の水位低下検出により、入浴なしを表す信号を出力し、
前記通信部は、前記入浴なしを表す信号を前記スマートフォンまたはタブレット端末に出力し、
前記入浴なしを表す信号を受けた前記スマートフォンまたはタブレット端末の前記表示部に表示された前記入浴中表示を消灯させ、
前記入浴中表示は、
浴槽、浴槽の水位および入浴者の画像を含み、前記入浴者が浴槽内の湯に浸かっている間表示されることを特徴とす
る電子装置。
【請求項2】
前記浴槽の水位を検出する水位センサを含むことを特徴とする請求項
1に記載の電子装置。
【請求項3】
浴槽の水位上昇検出により、入浴があることを表す入浴中信号を出力
し、前記浴槽の水位低下検出により、入浴なしを表す信号を出力する制御部と、
前記入浴中信号
および前記入浴なしを表す信号をスマートフォンまたはタブレット端末に出力する通信部と、
を備え、前記入浴中信号を受けた前記スマートフォンまたはタブレット端末の表示部に、入浴者が前記浴槽に入り入浴中であることを表す入浴中表示を浴室外で表示させ
、前記入浴なしを表す信号を受けて前記表示部に表示された前記入浴中表示を消灯させて、前記入浴中表示は、浴槽、浴槽の水位および入浴者の画像を含み、前記入浴者が浴槽内の湯に浸かっている間表示されることを特徴とする給湯システム。
【請求項4】
前記スマートフォンまたはタブレット端末を含むことを特徴とする請求項
3に記載の給湯システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はたとえば、入浴者の入浴時間や入浴状態などを含む管理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
入浴は入浴者にとり外部と遮断されるプライベートな時間であり、入浴者がリラックス状態になる時間である。このため、人によって入浴時間が異なるとはいえ、限度を超える長時間の入浴は好ましくない。このため、適正な入浴を実現する種々の工夫がなされている。
【0003】
人的防護に関し、溺水事故などを回避するため、異常検知に基づき、浴槽から強制排水をすることが知られている(たとえば、特許文献1)。入浴時間が上限時間を超えたとき、入浴者に告知することが知られている(たとえば、特許文献2)。人的検知に基づき、循環する浴槽水の温度の検知やその制御を行うことが知られている(たとえば、特許文献3)。入浴検知に基づき、風呂リモコンの表示変更を行うことが知られている(たとえば、特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平7-55251号公報
【文献】特開2003-139389号公報
【文献】特開2010-203668号公報
【文献】特開2012-107767号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、幼児や高齢者では外部から入浴状態や入浴時間を監視し、安全性を維持することが不可欠であろう。このような外的な管理が不要と思われる健常者であっても、コンディションによって入浴時間は変動するであろう。リラックスのあまり、居眠りや過度な入浴時間となることが避けられない。また、浴槽に浸かりながらテレビや音楽を視聴するあまり、過度な入浴時間となることが避けられない。このため、入浴状態や入浴時間を管理することが入浴者の安全性だけでなく、快適な入浴や管理者の負担を軽減することが望まれる。
【0006】
そこで、本発明の目的は、快適性を妨げることなく入浴の安全性を高めることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の電子装置の一側面によれば、浴槽の水位上昇検出により、入浴があることを表す入浴中信号を出力する制御部と、前記入浴中信号をスマートフォンまたはタブレット端末に出力する通信部とを備え、前記入浴中信号を受けた前記スマートフォンまたはタブレット端末の表示部に、入浴者が前記浴槽に入り入浴中であることを表す入浴中表示を浴室外で表示させ、前記制御部は、前記浴槽の水位低下検出により、入浴なしを表す信号を出力し、前記通信部は、前記入浴なしを表す信号を前記スマートフォンまたはタブレット端末に出力し、前記入浴なしを表す信号を受けた前記スマートフォンまたはタブレット端末の前記表示部に表示された前記入浴中表示を消灯させ、前記入浴中表示は、浴槽、浴槽の水位および入浴者の画像を含み、前記入浴者が浴槽内の湯に浸かっている間表示される。
【0012】
上記電子装置において、前記浴槽の水位を検出する水位センサを含んでもよい。
【0014】
上記目的を達成するため、本発明の給湯システムの一側面によれば、浴槽の水位上昇検出により、入浴があることを表す入浴中信号を出力し、前記浴槽の水位低下検出により、入浴なしを表す信号を出力する制御部と、前記入浴中信号および前記入浴なしを表す信号をスマートフォンまたはタブレット端末に出力する通信部とを備え、前記入浴中信号を受けた前記スマートフォンまたはタブレット端末の表示部に、入浴者が前記浴槽に入り入浴中であることを表す入浴中表示を浴室外で表示させ、前記入浴なしを表す信号を受けて前記表示部に表示された前記入浴中表示を消灯させて、前記入浴中表示は、浴槽、浴槽の水位および入浴者の画像を含み、前記入浴者が浴槽内の湯に浸かっている間表示される。上記給湯システムにおいて、前記スマートフォンまたはタブレット端末を含んでもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、次のいずれかの効果が得られる。
【0016】
(1) 浴室外で入浴中を表す表示が表示されるので、入浴者以外の者などに対する告知(お知らせ)となり、入浴の安全性を確認する契機とすることができ、入浴の安全性を高めることができる。
【0017】
(2) 自己管理による入浴者の負担が軽減され、自由度が高められる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】第1の実施の形態に係る電子装置の一例を示す図である。
【
図2】浴槽の水位の時間変化の一例を示す図である。
【
図3】入浴管理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図4】第2の実施の形態に係る電子装置の一例を示す図である。
【
図6】入浴管理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図7】第3の実施の形態に係る電子装置の一例を示す図である。
【
図8】入浴管理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図9】入浴管理の処理手順の変形例を示すフローチャートである。
【
図10】入浴管理の処理手順の変形例を示すフローチャートである。
【
図11】第4の実施の形態に係る電子装置の一例を示す図である。
【
図13】実施例に係る給湯追いだきシステムの一例を示す図である。
【
図17】リモコン送信データの一例を示す図である。
【
図20】メインメニュー画面の一例を示す図である。
【
図22】入浴お知らせタイマー設定画面の一例を示す図である。
【
図24】入浴中表示とふろ動作中表示の切り替えの一例を示す図である。
【
図26】入浴管理の一例を示すシーケンス図である。
【
図27】入浴管理処理の処理手順の概要の一例を示すフローチャートである。
【
図28】入浴表示処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図29】入浴表示処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図30】設定時間経過告知処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図31】入浴表示の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図32】入浴時間経過の告知の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図33】お知らせ機能設定画面の一例を示す図である。
【
図34】入浴お知らせタイマー設定画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
〔第1の実施の形態〕
【0020】
図1は、第1の実施の形態に係る電子装置の一例を示している。
【0021】
この実施の形態の電子装置2は、入浴の管理に浴槽の水位検出を利用している。この場合、入浴は、入浴者による浴槽内の湯の水位が上昇している状態である。この電子装置2はたとえば、給湯器の制御装置または給湯器のリモートコントロール装置(以下「リモコン」という)のいずれでもよく、給湯器の制御装置およびリモコンの双方であってもよい。この電子装置2には、プロセッサ4が備えられる。
【0022】
プロセッサ4は、入浴管理プログラムの実行により、入浴者の入浴を管理する。プロセッサ4は、入浴判定手段、入浴時間判定手段および出力手段として機能する。
【0023】
入浴判定は水位センサ6から浴槽の水位検出出力を取り込むことにより、入浴者の入浴開始を判定する。
【0024】
入浴時間判定は、入浴者の継続した入浴時間が基準時間に到達したかを判定する。この継続した入浴時間はたとえば、入浴開始から浴槽内の湯に浸っている間の全時間により表される。継続時間の計測には、プロセッサ4に接続されたタイマー12が用いられる。このタイマー12は、継続した入浴時間を計測する手段の一例である。入浴者の継続した入浴時間が基準時間に到達したことを表す情報は、入浴者の入浴状態を表す情報の一例であるので、この入浴時間判定は、入浴者の入浴状態を判定する状態判定手段の一例である。この入浴時間判定は、浴槽の水位検出により入浴中か否かを判定し、継続した入浴時間を計測するか、計測を終了させるかを決定する。
【0025】
出力手段は、入浴時間判定の判定結果に基づき、告知情報を出力する。告知情報はたとえば、入浴者の継続した入浴時間が基準時間に到達したことを表す。この告知情報は、プロセッサ4に接続されたディスプレイなどの表示部8に表示され、またはスピーカなどの音声出力手段を含む報知部10によりメロディ音またはガイダンス音声として報知される。これらの情報は入浴中の入浴者に伝えてもよく、浴室から離れた場所の入浴者以外の者に伝えてもよい。
【0026】
水位センサ6にはたとえば圧力センサを利用すればよい。この圧力センサによれば、浴槽の水圧の検出により浴槽の水位が検出される。この検出水位は、水位検出情報としてプロセッサ4に取り込まれる。この水位センサ6はたとえば、浴槽、浴槽の給湯配管または、浴槽水を循環させる循環配管に接続される。
【0027】
【0028】
時刻t11に入浴者が浴槽に入るとすれば、水位変化ΔWL1が発生する。つまり、入浴者が入浴を開始すると、大きな水位上昇が発生する。入浴後、入浴者が静状態になるとすれば、この時刻t12で入浴時の水位変動が終息する。入浴者は時刻t13まで浴槽の中で静状態にあるとすれば、入浴者の静時間Tsでは水位の変化が所定のレベル以下になる。一方、入浴者が時刻t13から時刻t14において動状態にあるとすれば、入浴者の動時間Tmでは水位変化が所定のレベルを超えている。時刻t14に入浴者が浴槽から出るとすれば、水位変化ΔWL2が発生する。つまり、入浴者が入浴を終了すると、大きな水位減少が発生する。
【0029】
プロセッサ4は、水位を監視し、水位変化ΔWL1を検知すれば入浴が開始されたと判定し、水位変化ΔWL2を検知すれば入浴が終了したと判定すれば、入浴の開始と終了を判定できる。
【0030】
図3は入浴管理の処理手順を示している。この処理手順は、本発明の入浴管理プログラムの一例である。
【0031】
図3に示す処理手順では、水位検出情報を取得し(S11)、入浴中かを判定し(S12)、入浴を開始したかまたは入浴状態が続いていれば(S12のYES)、継続した入浴時間を計測し(S13)、継続した入浴時間≧基準時間かを判定する(S14)。
【0032】
継続した入浴時間≧基準時間であれば、(S14のYES)。告知情報を出力し(S15)、S11に戻る。また、継続した入浴時間<基準時間であれば、(S14のNO)、S11に戻る。
【0033】
S12で入浴が終了したかまたは入浴状態でなければ(S12のNO)、入浴時間の計測を終了し(S16)、S11に戻る。このS11からS16は繰り返し処理され、入浴を開始すると入浴が終了するまで継続した入浴時間が計測される。
【0034】
この処理手順によれば、入浴開始後、継続した入浴時間が基準時間以上になれば、告知情報が出力される。
【0035】
<第1の実施の形態の作用および効果>
【0036】
以上説明した実施の形態によれば、次のような作用や効果が得られる。
【0037】
入浴時間が自動的に管理されるので、入浴者は入浴時間などの自己管理から解放され、快適な入浴を行うことができ、入浴の自由度が高められる。
【0038】
告知情報が浴室内に出力されれば入浴者に対する入浴時間のお知らせ(アラート)となり、入浴者に浴槽から出ることを促すことができる。また、台所などの浴室外に告知することにより、入浴時間が出力されれば、入浴者以外の者などに対する告知(お知らせ)となり、入浴異常など、入浴の安全性を確認する契機とすることができる。
【0039】
給湯器の制御装置、給湯器のリモコン装置、または給湯器の制御装置およびリモコンの双方を用いれば、給湯器の水位センサの検出出力により入浴管理を行うことができる。
【0040】
入浴時間が基準時間を超える場合には入浴者に告知するので、長時間入浴を防止できる。また、入浴者が居眠りをしても、基準時間を超える入浴時間の経過でアラートが発せられるので、入浴者を居眠りから目覚めさせることができ、入浴の安全性が高められる。
【0041】
<第1の実施の形態の変形例>
【0042】
(1) 水位検出により入浴判定を行う例を示したが、赤外線センサなどの人体センサにより入浴者を検出し、人体検出により入浴判定を行うようにしてもよく、マイクロフォンにより入浴音を検出し、入浴音により入浴判定を行うようにしてもよい。また、複数の検出手段を用いて複数の情報により入浴判定を行うようにしてもよい。複数の検出手段を用いれば、判定の精度を高めることができる。
【0043】
(2) 入浴中においては、入浴者が動いている動状態であるか、または静かにしている静状態であるかを入浴状態として表示部8に表示するようにしてもよい。この表示は、水位センサの検出結果を用いて、プロセッサ4により既述の静時間Tsおよび動時間Tmを判定すればよい。
【0044】
(3) 入浴者の継続した入浴時間は入浴開始から浴槽内の湯に浸っている間の全時間に限らずたとえば、入浴開始からの継続した時間、入浴開始の後の継続した時間、継続した時間の回数などであってもよい。継続した時間はたとえば、入浴者の静状態の継続時間または動状態の継続時間により表される。つまり、水位センサ6の検出結果を用いて、プロセッサ4により入浴者の動状態または静状態を判別し、入浴者の静状態の継続時間または動状態の継続時間を基準時間と比較してもよい。入浴者が静かにしている時間が長い場合に告知情報を発生すれば、告知情報を入浴者の長時間の考え事や居眠りに対するアラートとして機能させることができる。
【0045】
〔第2の実施の形態〕
【0046】
第2の実施の形態では、水位センサ6に代えてマイクロフォン14が用いられている。この実施の形態では入浴者が発する音声、水音、浴槽音などを入浴音とし、この入浴音をマイクロフォン14で拾う。このマイクロフォン14に検出された入浴音で入浴状態を判定する。
図4は第2の実施の形態に係る電子装置の一例を示している。
図4において、
図1と同一部分には同一符号を付してある。
【0047】
この実施の形態では、プロセッサ4は、検出された入浴音により、入浴者の入浴判定および入浴状態を判定し、その判定結果を出力する。つまり、プロセッサ4はこれらの判定手段、入浴および入浴状態の出力手段として機能する。
【0048】
入浴判定は、入浴音により、入浴者の入浴開始を判定する。入浴音の取得には、プロセッサ4に接続されるマイクロフォン14が用いられる。
【0049】
状態判定は、入浴開始の判定後、入浴音に基づき、入浴者の入浴状態を判定する。この入浴者の入浴状態にはたとえば、既述の動状態および静状態が含まれる。
【0050】
出力手段は、状態判定の判定結果に基づき入浴状態を表す告知情報を出力する。この告知情報にはたとえば、動状態を表す動状態情報および静状態を表す静状態情報が用いられる。この告知情報は、既述の表示部8に表示され、または既述の報知部10により報知される。これらの告知情報は入浴中の入浴者に伝えてもよく、浴室から離れた場所の入浴者以外の者に伝えてもよい。
【0051】
マイクロフォン14は音声入力手段の一例であり、入浴音を拾う。この入浴音は入浴音情報としてプロセッサ4に取り込まれる。
【0052】
【0053】
時刻t21に入浴者が浴槽に入るとすれば、音量変化ΔV1が発生する。入浴後、入浴者が静状態になるとすれば、時刻t22で入浴音が小さく静かな状態になる。入浴者は時刻t23まで浴槽の中で静状態にあるとすれば、入浴者の静時間Tsでは音声レベルが所定のレベル以下になる。一方、入浴者が時刻t23から時刻t24において動状態にあるとすれば、入浴者の動時間Tmでは音声レベルが所定のレベルを超えている。時刻t24に入浴者が浴槽から出るとすれば、音量変化ΔV2が発生する。
【0054】
プロセッサ4は、入浴音を監視し、非入浴状態において音量変化ΔV1を検知すれば入浴が開始されたと判定し、入浴状態において音量変化ΔV2を検知すれば入浴が終了したと判定することにより、入浴の開始と終了を判定できる。また、入浴中においてプロセッサ4は、所定のレベル以下の入浴音を検知すれば静状態であると判定し、入浴中に所定のレベルを超える入浴音を検知すれば動状態であると判定すれば、入浴者が動状態か静状態かを判定できる。
【0055】
図6は入浴管理の処理手順を示している。この処理手順は、本発明の入浴管理プログラムの一例である。
【0056】
この処理手順では、入浴音情報を取得し(S21)、入浴中かを判定し(S22)、入浴を開始するかまたは入浴状態が続いていれば(S22のYES)、入浴者の動状態または静状態を判定する(S23)。動状態であれば(S23の動状態)、動状態情報を出力して(S24)、S21に戻る。静状態であれば(S23の静状態)、静状態情報を出力して(S25)、S21に戻る。S21ないしS25は繰り返され、状態が変われば、告知情報の出力が変更される。
【0057】
この処理手順によれば、入浴中に告知情報が出力される。この出力が表示または報知され、入浴状態の確認が可能になる。
【0058】
<第2の実施の形態の作用および効果>
【0059】
以上説明した実施の形態によれば、次のような作用や効果が得られる。
【0060】
入浴状態が自動的に管理されるので、入浴者は入浴状態などの自己管理から解放され、快適な入浴を行うことができ、入浴の自由度が高められる。
【0061】
入浴状態が浴室内に出力されれば入浴者に入浴状態を告知することができ、入浴者に浴槽から出ることを促すことができる。また、台所などの浴室外に告知することにより、入浴状態が出力されれば、入浴者以外の者などに対する告知(お知らせ)となり、入浴異常など、入浴の安全性を確認する契機とすることができる。
【0062】
給湯器のリモコン装置、または給湯器の制御装置およびリモコンの双方を用いれば、リモコン装置を浴室内に配置することにより、リモコン装置のマイクロフォンを用いて入浴管理を行うことができる。
【0063】
長時間入浴による入浴時の事故を回避することができる。
【0064】
<第2の実施の形態の変形例>
【0065】
マイクロフォン14が拾う入浴音により入浴状態を判定したが、水位センサ6により浴槽の水位を検出し、入浴状態を判定するようにしてもよく、人体センサを用いて入浴状態を判定するようにしてもよく、マイクロフォン14の他に水位センサ6や人体センサを用いて入浴状態を判定するようにしてもよい。
【0066】
この実施の形態では告知情報として動状態情報または静状態情報を出力したが、入浴判定に基づき入浴者の入浴開始や入浴終了を告知情報として出力するようにしてもよい。入浴者または入浴者以外の者が必要とする情報を提供することができる。
【0067】
〔第3の実施の形態〕
【0068】
第3の実施の形態では、入浴者の継続した入浴時間が基準時間に到達したかをマイクロフォン14に検出される入浴音を用いて判定する。
図7は第3の実施の形態に係る電子装置の一例を示している。
図7において、
図1または
図4と同一部分には同一符号を付してある。
【0069】
この実施の形態では、水位検出に代えて入浴音により、既述の入浴判定を行う他は第1の実施の形態と同様である。プロセッサ4は、
図5に示す入浴音を監視し、非入浴状態において音量変化ΔV1を検知すれば入浴が開始されたと判定し、入浴状態において音量変化ΔV2を検知すれば入浴が終了したと判定すれば、入浴の開始と終了を判定できる。
【0070】
【0071】
この処理手順は、水位検出情報の取得(
図3のS11)に代えて、入浴音情報を取得し(S31)、入浴中かを判定する(S32)。S32ないしS36は第1の実施の形態のS12ないしS16(
図3)と同様であり、その説明を省略する。
【0072】
<第3の実施の形態の作用および効果>
【0073】
第1の実施の形態と同様の作用および効果が得られる。
【0074】
給湯器のリモコン装置、または給湯器の制御装置およびリモコンの双方を用いれば、リモコン装置のマイクロフォンを用いて入浴管理を行うことができる。
【0075】
<複数の告知情報出力を行う変形例>
【0076】
第3の実施の形態では入浴者の継続した入浴時間が基準時間に到達したことを表す告知情報を出力する例を示したが、この告知情報の出力に加え、第2の実施の形態で既述した入浴状態を表す告知情報を出力するようにしてもよい。
【0077】
この変形例の処理手順では、
図9に示すように、入浴音情報を取得し(S41)、入浴中であれば、(S42のYES)、動状態または静状態の判定(S43)と、動状態情報の出力(S44)または静状態情報の出力(S45)を行い、S46に移行すればよい。S43ないしS45は、S23ないしS25(
図6)と同様であり、S46ないしS49は、S33ないしS36(
図8)と同様でありその説明を省略する。
【0078】
斯かる変形例によれば、継続した入浴時間が基準時間に到達したことを表す告知情報の出力と、動状態情報または静状態情報の出力の両方を行うことができ、第1の実施の形態および第2の実施の形態で既述した作用および効果を得ることができる。さらに、既述の入浴判定手段または状態判定手段のいずれか一方または双方の判定結果を受け、入浴者の入浴開始または入浴の終了を表す告知情報を行うようにしてもよい。これらの告知情報を出力手段により入浴者または入浴者以外の者に告知することで、入浴者または入浴者以外の者は、継続した入浴時間が基準時間に到達したことや、入浴開始、入浴状態または入浴終了のいずれか一つまたは二以上を認知することができる。
【0079】
<継続した入浴時間の変形例>
【0080】
この変形例は、入浴開始の後、静状態の継続した時間を入浴時間とし、入浴者が動状態であれば、入浴時間の計測を停止させる例である。つまり、入浴者が動状態であれば、入浴者の安全性は確保されているといえる。
【0081】
この変形例では、
図10に示すように、入浴音情報を取得し(S51)、入浴中であれば(S52のYES)、動状態または静状態の判定(S53)と、動状態情報の出力(S54)または静状態情報の出力(S55)を行う。S53ないしS55は、S23ないしS25(
図6)と同様でありその説明を省略する。動状態情報の出力(S54)であれば、継続した入浴時間の計測を一時停止させ(S56)、静状態情報の出力(S55)であれば、継続した入浴時間を計測する(S57)。斯かる処理により、継続した入浴時間として、静状態と判定されたときの時間が計測される。
【0082】
継続した入浴時間の計測の一時停止(S56)後、または継続した入浴時間の計測(S57)後、継続した入浴時間≧基準時間かを判定する(S58)。S58ないしS60は、S34ないしS36(
図8)と同様でありその説明を省略する。
【0083】
この変形例によれば、入浴者が動状態である間、タイマー12が停止するので、入浴開始の後、静状態の継続した時間が計測され、この静状態にある時間に基づき告知情報を出力することができる。
【0084】
動状態情報の出力および静状態情報の出力を用いれば、入浴者の静状態の継続時間または動状態の継続時間により入浴時間を管理することができる。入浴者に安全性の高い入浴を行わせることができる。
【0085】
〔第4の実施の形態〕
【0086】
図11は、第4の実施の形態に係る電子装置の一例を示している。
図10において、
図1、
図4または
図7と同一部分には同一符号を付してある。
【0087】
この電子装置2は、既述の水位センサ6、マイクロフォン14および人体センサ16を備えている。プロセッサ4では、既述の水位検出、入浴音または人体検出のいずれかまたは2以上により入浴判定および状態判定が行われる。人体センサ16は人体を検出する手段の一例であり、プロセッサ4に接続され、浴室内に配置される。この人体センサ16にはたとえば、赤外線センサが用いられ、浴室内の温度を測定する。この測定結果は、入浴者の人体の検出の有無を表す情報であり、プロセッサ4に入力される。
【0088】
プロセッサ4は、水位検出、入浴音および人体検出のいずれかまたは2以上を選択して入浴判定および状態判定を行えばよい。複数の情報を用いれば、判定精度を高めることができ、または判定時間を短縮することができるなどの効果が得られる。また、入浴環境に応じて水位検出、入浴音および人体検出の中から精度が高い判定が行える手段が選択され、判定に用いられてもよい。入浴の環境に合わせて判定の精度を高めることができる。その他は第1の実施の形態と同様であるのでその説明を省略する。
【0089】
人体センサ16により浴室内の人を監視することで、プロセッサ4は、浴室内の温度変化や人体の動きなどを判断し、入浴の開始と終了を判定できる。
【0090】
入浴管理の処理手順は第1の実施の形態ないし第3の実施の形態と同様であるのでその説明を省略する。
【0091】
<第4の実施の形態の作用および効果>
【0092】
以上説明した実施の形態によれば、第1の実施の形態ないし第3の実施の形態と同様の作用や効果が得られるほか、水位検出、入浴音または人体検出のいずれかまたは2以上により入浴判定および状態判定を行うことで、判定精度を高めることができ、または判定時間を短縮することができる。
【0093】
<表示および報知の変形例>
【0094】
上記した実施の形態によれば、電子装置2が表示部8および報知部10を備え、告知情報の表示または告知情報の報知を行ったが、
図12に示すようにたとえば、電子装置2が通信部18およびアンテナ19を備え、告知情報を無線通信によりスマートフォン20に送信し、スマートフォン20で表示または報知するようにしてもよい。通信部18は無線通信を行う手段の一例であり、プロセッサ4から告知情報を受け、この告知情報を無線周波数信号に変換する。無線周波数信号は、アンテナ19から放射される。無線通信は近距離無線通信規格たとえば、Bluetooth(ブルートゥース:登録商標)、Wi-Fi(Wireless-Fidelity)などの近距離通信でもよく、または遠距離通信などでもよく、有線通信であってもよい。
【0095】
スマートフォン20は本発明の電子装置の一例であり、図示しない表示部または報知部を備え、告知情報の表示または報知を行う。
【0096】
この変形例によれば、無線により接続されたスマートフォン20の表示部または報知部を用いて、告知情報の表示または報知を行うことができる。告知情報の表示領域または報知領域の自由度が高められる。
【実施例】
【0097】
図13は、実施例に係る給湯追いだきシステムの一例を示している。この給湯追いだきシステム22は、本発明の給湯システムの一例であり、給湯暖房装置24および浴槽26が備えられる。この給湯暖房装置24は、本発明の電子装置2の一例であり、給湯暖房装置24には熱源機28、浴室リモートコントロール装置(以下「浴室リモコン」と称する)30および台所リモートコントロール装置(以下「台所リモコン」と称する)32が備えられる。
【0098】
熱源機28は、燃焼熱を生じさせる手段の一例である。この熱源機28には、給湯路34、給水路36および暖房循環路38が備えられ、制御部40によりバーナ、給湯および暖房循環を制御する。
【0099】
この制御部40はたとえば、電装基板を含んでいる。この制御部40には、既述の入浴判定手段、状態判定手段、入浴時間判定手段および出力手段の一例として入浴お知らせ機能が備えられる。この入浴お知らせ機能には、「入浴中お知らせ」機能と「入浴時間お知らせ」機能の2つの機能が含まれる。
【0100】
「入浴中お知らせ」機能は、入浴中か否かをたとえば、制御部40に接続される台所リモコン32に表示させ、この表示により入浴中か否かを通知する機能である。台所リモコン32を台所に設置すれば、この表示により、台所において入浴中であるか否かが確認できる。
【0101】
「入浴時間お知らせ」機能は、入浴状態が基準時間を経過したことをメロディ音などの告知情報により通知する機能である。告知情報をたとえば、制御部40に接続される浴室リモコン30から出力すれば、入浴者に入浴時間の経過を通知することができる。
【0102】
給湯路34は、温水HWを供給する手段の一例である。この給湯路34は温水供給路34-1と浴槽循環路34-2とを含み、温水HWを浴槽26に供給し、浴槽26の浴槽水BWを循環させる。
【0103】
浴槽循環路34-2には、既述の水位センサ6、浴槽水BWを循環させる循環ポンプ42および熱交換器44が接続される。水位センサ6を浴槽循環路34-2に接続するので、浴槽26への湯張り中であっても、浴槽水BWの循環中であっても浴槽26の水位を検出することができる。
【0104】
給水路36は水Wを供給する手段の一例である。給水路36は熱交換器46-1、46-2を介して、給湯路34に接続している。熱交換器46-1、46-2は水Wに給湯バーナ48により生じた燃焼熱を熱交換する。この熱交換により水Wが加熱され、給湯路34に温水HWが供給される。また、給水路36はバイパス路50を介して給湯路34に接続している。バイパス水制御弁52の開閉により、給湯路34の温水HWの温度調整が行われる。
【0105】
暖房循環路38は、暖房器との間で循環路を形成し、循環水CWを循環させる手段の一例である。この暖房循環路38には、熱交換器54-1、54-2、暖房タンク56、循環ポンプ58が備えられる。熱交換器54-2は、暖房器から戻る循環水CWに暖房バーナ60により生じた燃焼熱を熱交換する。この熱交換後の循環水CWは、暖房タンク56に供給される。暖房器から戻る循環水CWは、熱交換器44にも供給される。この熱交換器44は、浴槽水BWに暖房器から戻る循環水CWの熱を熱交換する。
【0106】
循環ポンプ58は暖房タンク56の循環水CWを低温暖房器側の供給口61-1に向け供給し、熱交換器54-1を介して高温暖房器側の供給口61-2に向け供給する。熱交換器54-1は、高温暖房器に供給される循環水CWに暖房バーナ60により生じた燃焼熱を熱交換する。
【0107】
この実施例では、熱交換器46-1、54-1には燃焼熱の顕熱を熱交換する一次熱交換器が用いられている。熱交換器46-2、54-2には、燃焼熱の潜熱を熱交換する二次熱交換器が用いられている。
【0108】
これら熱交換器46-1、46-2およびバーナ48が供えられた燃焼室62には給気を行う給気ファン64が設置されている。これら熱交換器54-1、54-2および暖房バーナ60が供えられた燃焼室66には給気を行う給気ファン68が設置されている。
【0109】
給湯路34には温度センサ70-1、70-2、70-3が備えられ、給水路36には温度センサ70-4が備えられ、暖房循環路38には温度センサ70-5、70-6が備えられる。これらの温度センサ70-1、70-2、70-3、70-4、70-5、70-6により水温の検出が行われる。
【0110】
給湯路34には水量センサ72-1が備えられ、給水路36には水量センサ72-2が備えられる。これらの水量センサ72-1、72-2により水量の検出が行われる。
【0111】
図14は、給湯追いだきシステム22の制御系統の一例を示している。
図14において、
図13と同一部分には同一符号を付してある。この制御系統74にはプロセッサ76、メモリ78、入浴タイマー80、スヌーズタイマー82、入出力部(I/O)84、および通信インタフェース86が含まれ、これらはバス88によって接続され、連係されている。
【0112】
プロセッサ76は、記憶手段の一例であるメモリにあるOS(Operating system)や各種プログラムを実行し、情報処理を行う。この情報処理には、水位監視や既述の入浴お知らせ機能により実行される処理が含まれる。
【0113】
水位監視では、水位のサンプリングが行われる。水位監視にはサンプリングにより得た取り込み水位の平均データが使用され、たとえば、0.5〔秒〕毎に取り込まれた水位情報の5〔秒〕の平均データを使用することができる。
【0114】
メモリ78には一例としてプログラム記憶部90、データ記憶部92およびRAM(Random-Access Memory)94が含まれる。プログラム記憶部90には、OSや各種プログラムが格納されており、このプログラムには本発明の入浴管理プログラムが含まれる。データ記憶部92にはプログラムを実行するための各種データや、設定値およびしきい値が格納される。データ記憶部92にはEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)設定が備えられ、既述の入浴お知らせ機能の設定に用いられる。これらプログラム記憶部90およびデータ記憶部92は、不揮発性の記録媒体を用いれば良い。RAM94は情報処理のワークエリアを構成し、処理途上の各種データが一時的に格納される。
【0115】
入浴タイマー80は、継続した入浴時間を計測し、スヌーズタイマー82は、スヌーズを行う時間間隔を計測する。スヌーズでは、一度報知を止めても一定時間経過後に再度報知が行われる。
【0116】
I/O84には水位センサ6、循環ポンプ42、58、給気ファン64、68、温度センサ70-1、70-2、70-3、70-4、70-5、70-6、水量センサ72-1、72-2などのセンサを含む機能部品が接続されている。プロセッサ76には、通信インタフェース86が接続されている。
【0117】
通信インタフェース86には、通信線96により浴室リモコン30、台所リモコン32が接続されている。
【0118】
図15は浴室リモコンの一例を示している。
図15に示す浴室リモコンでは、操作部98に配置されるカバー97を開けた状態を示している。
【0119】
浴室リモコン30には、既述の表示部8および報知部10が備えられるほか、操作部98が備えられる。
【0120】
操作部98は、給湯暖房装置24を操作する手段の一例である。この操作部98には、浴室運転を入または切にする運転キー100、ふろ自動キー102、追いだきキー104、通話(呼び出し)キー106、表示部8にメニュー画面を表示させるメニューキー108、給湯温度を上下させる上下キー110、ふろ水位を上下させる上下キー112、ふろ温度を上下させる上下キー114および決定キー116、表示を戻すのに用いられるもどるキー122などのスイッチが含まれる。上下キー110、112、114には上キーと下キーが含まれる。
【0121】
図16は台所リモコンの一例を示している。この台所リモコン32では、既述のメニューキー、給湯温度を上下させる上下キー、ふろ水位を上下させる上下キー、ふろ温度を上下させる上下キー、決定キー、およびもどるキーの前面部にカバー124が取り付けられている。
【0122】
台所リモコン32には、浴室リモコンと同様に表示部8、報知部10および操作部98が備えられる。この操作部98には、浴室リモコンと同様に運転キー100、ふろ自動キー102、追いだきキー104、通話(呼び出し)キー106、メニューキー108、給湯温度を上下させる上下キー110、ふろ水位を上下させる上下キー112、ふろ温度を上下させる上下キー114、決定キー116およびもどるキー122などのスイッチが含まれる。
【0123】
リモコン30、32は、入浴お知らせ機能に用いられるほか、熱源機28の操作や熱源機28の状態表示に用いられる。リモコン30、32には、表示部8および報知部10が備えられ、入浴中か否かの表示または基準時間の経過の報知が行われる。
【0124】
<リモコンの送信データ>
【0125】
図17はリモコン送信データの一例を示している。このリモコン送信データ126は浴室リモコン30または台所リモコン32から制御部40に一度に送信されるデータを示している。
【0126】
この送信データ126はたとえば、設定データの送信に用いられる。この送信データ126では、各ビットにデータが格納される。送信データ126には、「入浴お知らせ入/切」データ128、「浴室リモコン操作あり」データ130、および「タイマー設定」データ132が含まれる。
【0127】
「入浴お知らせ入/切」データ128はたとえば、「1」または「0」により表され、「1」であれば入浴お知らせの「入」を表し、「0」であれば、入浴お知らせの「切」を表す。
【0128】
「浴室リモコン操作あり」データ130はたとえば、「1」または「0」により表され、「1」であれば浴室リモコン30が操作されたことを表し、「0」は浴室リモコン30が操作されていないことを表す。
【0129】
「タイマー設定」データ132は、入浴お知らせタイマーの設定時間を表す。この「タイマー設定」データ132はたとえば、5~120〔分〕の範囲で5分単位の時間設定が可能である。この入浴お知らせタイマーの設定時間は既述の基準時間の一例である。
【0130】
<制御部の送信データ>
【0131】
図18は制御部送信データの一例を示している。これらの制御部送信データ134、138は、熱源機28の制御部40から一度に送信するデータを示している。これらの制御部送信データ134、138では、各ビットにデータが格納される。
【0132】
図18のAに示す制御部送信データ134はたとえば、動作データの送信に用いられ、台所リモコン32に送信される。この送信データ134には、「運転」、「自動」、「保温」などの動作データとともに「入浴中」データ136が格納されている。「入浴中」データ136はたとえば、「1」であれば入浴検出中を表す。
【0133】
図18のBに示す制御部送信データ138はたとえば、温冷浴などの動作共通データの送信に用いられ、浴室リモコン30および台所リモコン32の両方に送信される。この制御部送信データ138には、動作共通データとともに、既述の「入浴中」データ136が格納され、さらに、「FC(Furo controller)お知らせ」データ140、「MC(Main controller)お知らせ」データ142および「お知らせ初回」データ144が格納されている。
【0134】
「FCお知らせ」データ140はたとえば、「1」または「0」により表され、「1」であれば浴室リモコン30側でのお知らせの出力を表す。「MCお知らせ」データ142はたとえば、「1」または「0」により表され、「1」であれば台所リモコン32側でのお知らせの出力を表す。「お知らせ初回」データ144は、リモコン30、32に入浴の経過時間を表示させる信号を表す。
【0135】
「入浴中」データ136は動作データと動作共通データの双方に割り当てられ、「入浴中」データ136の送信が強化されている。このため、「入浴中」データ136の確実な送信が行われる。
【0136】
<給湯暖房装置の機能>
【0137】
データ128、130、132、136、140、142、144が用いられることで、給湯暖房装置24では以下の機能が可能にされる。
【0138】
(1) 既述のお知らせ機能が設定される。
【0139】
(2) 「入浴お知らせ入/切」データ128により、入浴お知らせ機能の「入」または「切」が行える。「入浴中お知らせ」機能と「入浴時間お知らせ」機能は、両方同時に「入」または「切」に設定されればよく、いずれか一方を「入」または「切」に設定するようにしてもよい。
【0140】
(3) この入浴お知らせ機能は、熱源機28の制御部40とリモコン30、32の双方が入浴お知らせ機能に対応し、かつ入浴お知らせ機能が許可設定である場合に操作可能にされればよい。この入浴お知らせ機能の許可設定または禁止設定は、熱源機28のEEPROM設定にされればよい。また、熱源機28の制御部40とリモコン30、32の一方が入浴お知らせ機能に非対応である場合、入浴お知らせ機能は操作できないように自動的に禁止設定を設定してもよい。この場合、リモコン30、32には設定項目が表示されなくなる。
【0141】
(4) 入浴お知らせ機能の初期設定はたとえば、「切」に設定される。また、リモコン30、32は熱源機28側の設定に従い、「切」に設定される。初期設定に入浴お知らせ機能を「切」にすれば、入浴者が意図していないメロディ音の出力が防止される。
【0142】
<制御部の機能>
【0143】
既述のデータ128、130、132、136、140、142、144が用いられることで、熱源機28の制御部40では以下の機能が可能にされる。
【0144】
(1) EEPROM設定モードで入浴お知らせ機能の許可または禁止の設定が行え、禁止設定の場合、入浴お知らせ機能による制御が行われない。
【0145】
(2) 入浴お知らせ機能が許可設定である時、ふろ自動完了後から配管洗浄動作開始まで、ふろの保温時間外を含め、浴槽26の水位を監視する。
【0146】
(3) この水位監視は、リモコンにより設定される入浴お知らせ機能の「入」または「切」に関係なく行ってもよい。
【0147】
(4) 入浴お知らせ機能が「切」の場合、各タイマー80、82のカウントはリセットしてもよい。この場合、タイマー80、82のカウントに関し、リモコン30、32へのデータの送信は行う必要がない。
【0148】
(5) 入浴お知らせ機能が「入」で制御部40が「入浴中」を検出した時に浴室リモコン30および台所リモコン32へ「入浴中」データ136の信号(「入浴中」信号)「1(ON)」が2転送送信(データの2回送信)されるとともに、タイマー80、82のカウントを開始する。
【0149】
(6) 入浴タイマー80のカウントがタイマー設定による基準時間以上となった時に浴室リモコン30および台所リモコン32へお知らせ信号(「FCお知らせ」データ140の信号および「MCお知らせ」データ142の信号)「1(ON)」を2転送送信する。
【0150】
(7) 入浴タイマー80のカウントがタイマー設定による基準時間を経過後、入浴なしを検出するまでたとえば5〔分〕経過毎にお知らせ信号が「0(OFF)」から「1(ON)」に切り替えされて台所リモコン32と浴室リモコン30に2転送送信される。つまり、スヌーズ機能が設定される。
【0151】
(8) 入浴なしを検出した時、入浴タイマー80のカウントを停止およびリセットし、お知らせ信号「0」を2転送送信する。
【0152】
<リモコンの機能>
【0153】
既述のデータ128、130、132、136、140、142、144が用いられることで、リモコンでは以下の機能が可能にされる。
【0154】
(1) 浴室リモコン30にて入浴お知らせ機能の「入」および「切」が行える。
【0155】
(2) 入浴お知らせ機能に対応した熱源機28の制御部40に接続され、かつ入浴お知らせ機能が許可設定である場合に入浴お知らせ機能の操作を可能にする。
【0156】
(3) 入浴お知らせ機能の初期設定を「切」にすれば、入浴者が意図していないメロディ音の出力が防止される。
【0157】
(4) 入浴お知らせ機能の操作は浴室リモコン30で操作可能に設定される。
【0158】
(5) 入浴お知らせタイマーの基準時間の初期値はたとえば30〔分〕に設定される。この入浴お知らせタイマーの基準時間は、たとえば、5~120〔分〕の範囲で5〔分〕単位の時間設定が可能である。
【0159】
(6) 入浴お知らせ機能「入」の時に、熱源機28の制御部40から受信するお知らせ信号「0」が「1」に変わると、浴室リモコン30はお知らせメロディ音をたとえば30〔秒〕間出力する。また、メロディ音の出力と同時に入浴時間表示を点滅表示に変更すれば、点滅表示によりお知らせ効果が高められる。
【0160】
(7) メロディ音の出力中に浴室リモコン30でリモコン操作が行われると、メロディ音を停止し、「浴室リモコン操作あり」信号(「浴室リモコン操作あり」データ130の信号)「1(ON)」を制御部40に2転送送信する。
【0161】
(8) メロディ音の音量設定は、「警告、呼び出し」と同じ音量に設定すればよい。
図19に示す音量設定表146の例では、「音声」、「ボタン音」および「警告、呼び出し、お知らせメロディ」に対し、設定「3(大)」、「2(中)」、「1(小)」、「0(無音声)」「-(消音)」が設定される。「警告、呼び出し、お知らせメロディ」では、設定「3(大)」に音量「3」が設定され、設定「2(中)」、「1(小)」、「0(無音声)」および「-(消音)」に対し、音量「2」が設定される。つまり、お知らせ機能のメロディ音では、「警告、呼び出し」と同様に、設定「1(小)」、「0(無音声)」および「-(消音)」であっても音量「2」のメロディ音が出力され、メロディ音による報知が行われる。
【0162】
<入浴お知らせ機能設定>
【0163】
入浴お知らせ機能はたとえば、浴室リモコン30のスイッチ操作により設定される。メニューキー108が押下されると、浴室リモコン30の表示部8には一例として
図20のAに示すメインメニュー画面148が表示される。メインメニュー画面148には選択項目「入浴お知らせ」、「ふろ関連」および「基本設定」が表示される。上下キー110、112、114の操作により「入浴お知らせ」機能を選択し、決定キー116を押下すれば、操作音が出力されるとともに、一例として
図20のBに示す入浴お知らせメニュー画面150に切り替わる。入浴お知らせメニュー画面150では、入浴お知らせ機能の設定が「入(ON)」であれば選択項目「お知らせ 切 (現在:入)」および選択項目「お知らせタイマー[ ]」がたとえばお知らせタイマーの設定時間「27分」とともに表示される。また、お知らせ機能が「切(OFF)」の時に選択項目「お知らせ 入 (現在:切)」および選択項目「お知らせタイマー[ ]」がお知らせタイマーの設定時間とともに表示される。
【0164】
選択項目「お知らせ 入 (現在:切)」が選択されれば、機能ONの受付を表す受付音が出力され、表示部8には一例として
図21のAに示すメッセージ画面152が表示され、入浴お知らせ機能を「入」にすることが表示される。このメッセージ画面152はたとえば2〔秒〕間表示され、メッセージ画面152の表示後、表示部8には給湯温度や時刻が表示されるトップ画面が表示されるとともに、浴室リモコン30から制御部40に「入浴お知らせ入/切」データ128の信号(「入浴お知らせ入/切」信号)「1」の2転送送信が行われる。
【0165】
お知らせ機能が「入」の時に選択項目「お知らせ 切 (現在:入)」が選択されれば、機能OFFの受付を表す受付音が出力され、表示部8には一例として
図21のBに示すメッセージ画面154が表示され、入浴お知らせ機能を「切」にすることが表示される。このメッセージ画面154はたとえば2秒間表示され、メッセージ画面表示後、表示部8にはトップ画面が表示されるとともに、「入浴お知らせ入/切」信号「0」の2転送送信が行われる。
【0166】
<お知らせタイマー設定>
【0167】
入浴お知らせ機能はたとえば、浴室リモコン30のスイッチ操作により設定される。入浴お知らせメニュー画面150で「お知らせタイマー」が選択されれば機能ONの受付を表す受付音が出力され、一例として
図22に示す入浴お知らせタイマー設定画面156に切り替えられる。この設定画面156では、現在の設定時間を点滅表示して、ガイド音「上下ボタンで入力して、決定ボタンを押してください。」が2回出力される。
【0168】
入浴お知らせタイマー設定画面156では、長時間入浴の警告を発生させる基準時間の設定が行われる。上下キー110、112、114の上キーが押下されれば、押下毎に操作音の出力とともにタイマー設定がたとえば5〔分〕ずつ増加させる。タイマー設定が最高設定時間としてたとえば120〔分〕に達しているときに上キーが押下されれば、受付禁止音を出力する。また上下キー110、112、114の下キーが押下されれば、押下毎に操作音の出力とともにタイマー設定がたとえば5〔分〕ずつ減少させる。タイマー設定が5〔分〕に達しているときに下キーが押下されれば、受付禁止音を出力する。
【0169】
入浴お知らせタイマー設定画面156では、上下キー110、112、114の上キーまたは下キーが1〔秒〕以上長押しされれば、たとえば0.25〔秒〕間隔でタイマー設定のオートリピートを行う。
【0170】
入浴お知らせタイマー設定画面156で決定キー116が押下されれば、浴室リモコン30はお知らせメロディを出力するとともにたとえばガイド音「セットされました。」をたとえば2回出力し、タイマー設定の変更を確定し、トップ画面に切り替える。
【0171】
入浴お知らせタイマー設定画面156ではもどるキー122の押下により、操作音を出力し、図示しない基本設定メニューに切り替える。このとき、設定の変更は行わない。
【0172】
入浴お知らせタイマー設定画面156ではメニューキー108の押下により、操作音を出力し、トップ画面に切り替える。メニューキー108の押下の前に設定の変更操作があった場合、たとえばガイド音「セットされました。」をたとえば2回出力して変更を確定する。
【0173】
入浴お知らせ機能の設定モードに入った後、たとえば30〔秒〕以上操作がない場合、またはキー操作があった後、たとえば10〔秒〕以上操作がない場合、トップ画面に切り替える。変更操作があった場合、たとえばガイド音「セットされました。」をたとえば2回出力してトップ画面に切り替える。
【0174】
<入浴中表示>
【0175】
お知らせ機能が「入」の時、台所リモコン32において、熱源機28の制御部40から「入浴中」信号「1」を受信すれば、台所リモコン32の表示部8に、一例として
図23に示す入浴中表示画面158を表示する。この入浴中表示画面158では、トップ画面に入浴中表示160が表示される。
【0176】
ふろが保温中またはふろ動作中の場合、
図24のAに示す入浴中表示画面158と
図24のBに示すふろ動作表示画面162とをたとえば2〔秒〕毎に切り替えて表示すれば、入浴中表示160とふろ動作中を表すふろ動作表示163を交互に表示させ、入浴中であることおよびふろ動作中であることを表示することができる。
【0177】
台所リモコン32が「入浴中」信号「1」を受信すれば、「入浴中」信号「0」を受信するまで画面の非表示を行う省電力モードを解除してもよい。省電力モードの解除により台所リモコン32では表示が維持され、台所での入浴確認を容易に行うことができる。
【0178】
<入浴経過時間表示>
【0179】
入浴時間が基準時間以上となれば、浴室リモコン30の表示部8には、お知らせメロディと同期させて、メロディ鳴動中に入浴経過時間(入浴時間)を表示する。この入浴経過時間の表示は、一例として
図25に示す入浴時間表示画面164のように、浴室リモコン30の時計表示部166にたとえば点滅表示される。メロディ音が停止すれば、入浴経過時間の表示を時計表示に戻す。この入浴経過時間の表示により、入浴者による入浴時間の認識が可能になり、自己管理が不要になる。
【0180】
<データ通信>
【0181】
図26は、入浴管理の一例を示すシーケンス図である。
【0182】
リモコン30、32側で入浴お知らせ機能を「入」にする設定操作が行われると(S71)、「入浴お知らせ入/切」信号「1」の出力により入浴お知らせ機能ONが制御部40に送信される(S72)。この送信により、入浴お知らせ機能が「入」になる。
【0183】
リモコン30、32側でふろ自動キー102が操作されると(S73)、「自動」信号ONが制御部40に送信され(S74)、自動湯張り動作が開始される(S75)。自動湯張り動作が終了すると(S76)、制御部40は「保温」信号ONをリモコン30、32に送信し(S77)、リモコン30、32では沸き上りを示す音声が発声されるとともに「保温」が表示される(S78)。この発声は、音声出力の一例である。
【0184】
自動湯張り動作が終了すれば(S76)、制御部40では入浴お知らせ機能が許可状態にされる(S79)。
【0185】
制御部40が入浴を検出すると(S80)、既述の「入浴中」信号「1」により入浴ありがリモコン30、32に送信される(S81)。この信号を受け、台所リモコン32は入浴中表示を点灯させる(S82)、つまり台所リモコン32では、入浴中表示画面158に切り替えられる。
【0186】
制御部40が、入浴お知らせタイマーの設定時間が経過したと判断すると(S83)、既述の「FCお知らせ」データ140および「MCお知らせ」データ142により「設定時間経過」を表す信号「1」がリモコン30、32に送信される(S84)。この信号を受け、浴室リモコン32はメロディ音を発声させる(S85)。
【0187】
制御部40が、入浴お知らせタイマーの設定時間の経過から5〔分〕が経過したと判断すると(S86)、「FCお知らせ」データ140および「MCお知らせ」データ142により「5分経過」を表す信号「1」がリモコン30、32に送信される(S87)。この信号を受け、浴室リモコン32はメロディ音を発声させる(S88)。「5分経過」を表す信号の出力は、脱浴、つまり入浴終了と判断されるまで繰り返される(S89、S90、S91)。
【0188】
制御部40は、入浴者が脱浴したと判断すると(S92)、「入浴中」信号「0」により「入浴なし」がリモコン30、32に送信される(S93)。この信号を受け、台所リモコン32は入浴中表示160を消灯させる(S94)。
【0189】
制御部40は浴槽26の排水を判定すると(S95)、入浴お知らせ機能を禁止状態に移行させる(S96)。
【0190】
斯かるシーケンスによれば、台所リモコン32では、入浴者が入浴中であることを表示させ、浴室リモコン30では、設定時間の経過や5〔分〕経過を知らせるメロディ音を発声させることができる。
【0191】
<入浴管理処理の概要>
【0192】
図27は、入浴管理処理の処理手順の概要の一例を示している。この処理手順は、本発明の入浴管理プログラムの一例である。
【0193】
この処理手順では、自動湯張り動作の終了後であるかが判定される(S101)。自動湯張り動作の終了後であれば(S101のYES)、浴槽26の水位が、測定可能水位以上かが判定される(S102)。測定可能水位以上であって(S102のYES)、入浴なしであれば(S103のYES)、S104に移行する。なお。自動湯張り終了後の初回の判定では、入浴なしと判定する。
【0194】
S101で自動湯張り動作の終了後でなければ(S101のNO)、つまり自動湯張り動作が継続中または自動湯張り動作が行われていなければ、自動湯張り動作が終了するまでS101を繰り返す。また、S102で測定可能水位以上でなければ(S102のNO)、S101に戻りS101およびS102を繰り返す。
【0195】
S104およびS105では、入浴の開始を判定する。水位上昇が検出され(S104のYES)、上昇した水位が設定された入浴しきい値以上であれば(S105のYES)、入浴状態であり、入浴が開始されたと判定し、台所リモコン32において入浴中表示160を点灯し(S106)、S102に戻る。この入浴しきい値はたとえば、水量16〔リットル〕に相当する水位(入浴前の水位の上方)に設定される。S104で水位上昇が検出されなければ(S104のNO)、入浴状態ではなく、S102に戻る。また、S105で、上昇した水位が設定された入浴しきい値未満であれば(S105のNO)、入浴状態ではなく、S102に戻る。
【0196】
S103において入浴中であれば(S103のNO)、S107に移行する。S107およびS108では、入浴の終了を判定する。水位低下が検出され(S107のYES)、低下した水位が設定された脱浴しきい値未満であれば(S108のYES)、入浴状態ではなく、入浴が終了したと判定し、台所リモコン32において入浴中表示160を消灯し(S109)、S102に戻る。この脱浴しきい値はたとえば、水量15〔リットル〕に相当する水位(入浴中の水位の下方)に設定される。S108で低下した水位が設定された脱浴しきい値未満でなければ(S108のNO)、S102に戻る。
【0197】
S107で水位低下が検出されなければ(S107のNO)、入浴タイマー80をカウントさせ(S110)、設定時間が経過すれば(S111のYES)、浴室リモコン30においてメロディ音を発声させ(S112)、S102に戻る。S111で設定時間内であれば(S111のNO)、S102に戻る。
【0198】
斯かる処理手順によれば、入浴の開始および終了が水位検出により判定されるので、入浴中表示160の点灯または消灯により、入浴中か否かを知らせることができる。また、メロディ音の発声により入浴時間の経過を告知することができる。
【0199】
<入浴表示処理>
【0200】
図28は、入浴表示処理の処理手順の一例を示している。この処理手順は、本発明の入浴管理プログラムの入浴表示処理の一例である。
図28および
図29において、符号a、符号bはフローチャート間の連結を表す連結子である。この処理手順では、「入浴中」信号の送信が行われる。
【0201】
この処理手順では、自動湯張り動作が完了すれば(S121のYES)、入浴前水位の初期値をデータ記憶部92に記憶し、「入浴中」信号をOFFにする(S122)。
【0202】
循環ポンプ42が停止中であり(S123のYES)、浴槽26に注湯中でなければ(S124のYES)、浴槽26の水位が基準水位+上乗せ水位以上であるかを判定する(S125)。基準水位は、浴槽26の水位監視のたとえば下限値である。上乗せ水位は基準水位に対して上乗せされた水量を示し、入浴者が入浴後、浴槽26から出た時に水位が基準水位以下にならない程度の水量に相当する水位であればよくたとえば、水量15〔リットル〕に相当する水位である。
【0203】
水位が基準水位+上乗せ水位以上であれば(S125のYES)、水位を監視する(S126)。つまり、S123およびS124により、循環ポンプ42の動作中または注湯中は、水位監視が停止される。このS123およびS124はタイマー80、82の停止に利用してもよい。たとえば、タイマー80、82は循環ポンプ42の動作中または注湯中に停止させる。
【0204】
水位監視(S126)では、水位のサンプリングが行われる。水位監視にはサンプリングにより得た取り込み水位の平均データが使用される。この平均データはたとえば、0.5〔秒〕毎に取り込まれた水位情報の5〔秒〕平均のデータを使用することができる。
【0205】
S121で、自動湯張り動作が完了していなければ、つまり自動湯張り動作が継続し、または自動湯張り動作が行われていなければ(S121のNO)、S121を繰り返す。
【0206】
S123で循環ポンプ42が動作中であれば(S123のNO)、循環ポンプ42が停止するまでS123を繰り返す。またS124で注湯中であれば(S124のNO)、単位水量から算出される入浴前水位を更新し(S127)、S123に戻る。
【0207】
S125で水位が基準水位+上乗せ水位未満であれば(S125のNO)、「入浴中」信号OFFをリモコン30、32に送信し(S128)、S121に戻る。つまり、入浴者が入浴後、浴槽26から出た時に水位が基準水位以下になる可能性があるので、水位監視を終了する。
【0208】
水位監視(S126)後、「入浴中」信号がOFFであれば(S129のYES)、S130に移行する。
【0209】
S130ないしS136は、「入浴中」信号がOFFである場合、つまり、入浴中でない場合の処理手順である。S130、S131、S132では、入浴の開始が判定される。所定時間前水位から所定体積以上の体積上昇を検知済みであり(S130のYES)、入浴前水位から所定上昇水位以上の水位上昇であり(S131のYES)、入浴前水位から所定LSB(Least significant bit)以上の水位上昇であれば(S132のYES)、入浴状態であり入浴が開始されていると判定し、「入浴中」信号ONをリモコン30、32に送信する(S133)。
【0210】
所定時間前水位は、たとえば10〔秒〕前の水位に設定され、所定体積はたとえば10〔リットル〕に設定される。つまり、S130では、体積を用いた判断であり、水位上昇とは異なり、浴槽26の大きさによる影響を受けることがない。所定時間前水位および所定体積は、入浴者が動くことによる水位変化であると判断できる水位および体積であればよくたとえば、1〔分〕あたり60〔リットル〕以上の水位変化を基準に設定される。
【0211】
所定上昇水位はたとえば、16〔リットル〕に相当する水位に設定される。この水位変化は体重15〔kg〕が湯に沈んでいる水位変化に相当し、たとえば、体重30〔kg〕の入浴者が半分程度湯に沈めば、所定上昇水位以上の水位の上昇により入浴ありが検出される。
【0212】
所定LSBはたとえば、4LSBに設定される。このLSBは、水位センサ6による水位の検出単位を表している。斯かる水位を設定すれば、温度特性による水位センサ6の出力の誤検出が抑制される。
【0213】
S130で所定時間前水位から所定体積以上の体積上昇を未検知であれば(S130のNO)、S131で入浴前水位から所定上昇水位未満の水位上昇であれば(S131のNO)、またはS132で入浴前水位から所定LSB未満の水位上昇であれば(S132のNO)、水位安定かを判定する(S134)。水位が安定し(S134のYES)、脱浴を検出したときの水位よりも低ければ(S135のYES)、入浴前水位を更新し(S136)、S123に戻る。また水位が不安定であれば(S134のNO)、または脱浴を検出したときの水位よりも高ければ(S135のNO)、S123に戻る。
【0214】
水位監視(S126)後、「入浴中」信号がONであれば(S129のNO)、S137に移行する。
【0215】
S137ないしS144は、「入浴中」信号がONである場合、つまり、入浴状態である場合の処理手順である。S137、S138、S139では、入浴の終了が判定される。所定時間前水位から所定体積以上の体積降下を検知済みであり(S137のYES)、入浴者が入浴した後の入浴後水位から所定下降水位以上の水位降下であり(S138のYES)、入浴前水位との差が所定水量未満であれば(S139のYES)、非入浴状態であり入浴は終了していると判定し、「入浴中」信号OFFをリモコン30、32に送信する(S140)。
【0216】
所定時間前水位は、たとえば10〔秒〕前の水位に設定され、所定体積はたとえば10〔リットル〕に設定される。S137はたとえばS130とは逆向きの検出、つまりS130では体積上昇の検出である一方、S137では、体積降下の検出、であればよい。
【0217】
所定下降水位はたとえば、15〔リットル〕に相当する水位に設定される。S138はたとえばS131とは逆向きの検出、つまりS131では水位上昇の検出である一方、S138は水位下降の検出であればよいが、S131の所定上昇水位よりも小さい値の水位の設定により、入浴検出に対し、ヒステリシスを持たせている。
【0218】
所定水量はたとえば、25〔リットル〕に設定される。
【0219】
S137で所定時間前水位から所定体積以上の体積降下を未検知であれば(S137のNO)、またはS138で入浴後水位から所定下降水位未満の水位降下であれば(S138のNO)、水位安定かを判定する(S141)。水位が安定し(S141のYES)、入浴を検出したときの水位よりも高ければ(S142のYES)、入浴後水位を更新する(S143)。
【0220】
S139で入浴前水位との差が所定水量以上であり(S139のNO)、水位が入浴前水位以下に低下すれば(S144のYES)、または入浴後水位の更新後に、水位が入浴前水位以下に低下すれば(S144のYES)、非入浴状態であり入浴は終了していると判定し、「入浴中」信号OFFをリモコン30、32に送信する(S140)。S144を含むことで、入浴者がゆっくりとした動作で浴槽26から出る場合など、S137、S138、S139では入浴の終了を検出できない場合であっても、入浴の終了を検出することができる。
【0221】
またS141で水位が不安定であれば(S141のNO)、S142で入浴を検出したときの水位よりも低ければ(S142のNO)、またはS144で水位が入浴前水位を超えていれば(S144のNO)、S123に戻る。
【0222】
この処理手順によれば、複数の判定を組み合わせることで、入浴開始および入浴終了の判定の精度が高められる。つまり、入浴前水位および入浴後水位を更新するとともにこの入浴前水位、入浴後水位および所定時間前水位を用いた水位検出により、入浴開始および入浴終了の判定の精度が高められる。
【0223】
<設定時間経過告知処理>
【0224】
図30は、設定時間経過告知処理の処理手順の一例を示している。この処理手順は、本発明の入浴管理プログラムの設定時間経過告知処理の一例である。この処理手順では、お知らせ信号の送信が行われる。
【0225】
この処理手順では、入浴お知らせタイマーの設定時間の設定変更、つまり「タイマー設定」データ132の設定変更であれば(S151のYES)、設定時間を更新し(S152)、S153に移行し、設定時間の設定変更でなければ(S151のNO)、S153に移行する。
【0226】
この処理手順では、浴槽26の水位の監視中であり(S153のYES)、「入浴中」信号ONであれば(S154のYES)、入浴タイマ-80が、入浴お知らせタイマーの設定時間を経過したかを判定する(S155)。S153で水位の監視中でなければ(S153のNO)、またはS154で「入浴中」信号OFFであれば(S154のNO)、入浴タイマー80およびスヌーズタイマー82を0に戻し(タイマークリア)、お知らせ信号OFFを2転送送信し、初回送信を未状態にし(S159)、S151に戻る。
【0227】
S155で設定時間を経過していなければ(S155のNO)、S151に戻り、S151ないしS155を繰り返す。
【0228】
設定時間を経過し(S155のYES)、初回のお知らせ信号が未送信であれば(S156のYES)、スヌーズタイマー82を0に戻し(タイマークリア)(S157)、お知らせ信号ONを2転送送信後、お知らせ信号OFFを2転送送信する(S158)。
【0229】
S156で、初回のお知らせ信号が送信済みであり(S156のNO)、スヌーズタイマー≧スヌーズ設定時間であっても(S160のNO)、S157およびS158を行う。スヌーズ設定時間はたとえば、5〔分〕に設定される。この処理により、入浴お知らせタイマーの設定時間経過後、お知らせ信号の送信がスヌーズ設定時間毎に送信される。つまり、入浴お知らせタイマーの設定時間経過のスヌーズが行われる。
【0230】
S160でスヌーズタイマー<スヌーズ設定時間であれば(S160のYES)、S151に戻る。
【0231】
<入浴表示処理>
【0232】
図31は、入浴表示の処理手順の一例である。この処理手順は台所リモコン32側に備えられるプロセッサで実行される。この処理手順は、本発明の入浴管理プログラムに含まれていてもよい。
【0233】
この処理手順では、台所リモコン32が取得した「入浴中」信号がONであれば(S171のYES)、入浴中表示160を表示し(S172)、信号がOFFであれば(S171のNO)、入浴中表示160を非表示にする(S173)。
【0234】
斯かる処理手順によれば、「入浴中」信号に基づき入浴中表示160の表示制御が可能であり、入浴中であることを入浴者以外の者に知らせることができる。
【0235】
<入浴時間経過の告知処理>
【0236】
図32は、入浴時間経過の告知の処理手順の一例である。この処理手順は浴室リモコン30側に備えられるプロセッサで実行される。この処理手順は、本発明の入浴管理プログラムに含まれていてもよい。
【0237】
この処理手順では、制御部40で「FCお知らせ」信号(「FCお知らせ」データ140の信号)がOFFからONに変更されれば(S181のYES)、浴室リモコン30に備えられるメロディ出力タイマーを0に戻し(タイマークリア)(S182)、メロディ音を出力し、入浴時間を表示する(S183)。操作部98のスイッチ操作があれば(S184のYES)、お知らせのメロディ音を停止するとともに入浴時間表示を非表示にし、メロディ出力タイマーを0に戻し(S185)、S181に戻る。
【0238】
S184でスイッチ操作がなければ(S184のNO)、たとえば告知設定時間の経過が判定され、告知設定時間が経過していれば(S186のYES)、S185に移行する。告知設定時間はメロディ音の出力時間および入浴時間の表示時間の設定値でありたとえば、30〔秒〕に設定される。
【0239】
S186で告知設定時間内であれば(S186のNO)、「入浴中」信号がOFFであるかを判定し、信号OFFであれば(S187のYES)、S185に移行する。
【0240】
S187で「入浴中」信号がONであれば(S187のNO)、S183に戻りS183ないしS187を繰り返す。
【0241】
S181で「FCお知らせ」信号がOFFである場合、ONである場合、またはONからOFFに変更される場合(S181のNO)、このS181が繰り返される。
【0242】
斯かる処理手順によれば、「FCお知らせ」信号に基づき入浴時間経過時のメロディ音の出力および入浴時間の表示が可能である。また、このメロディ音の出力および入浴時間の表示は、所定時間の経過で停止されるが、所定時間経過前であっても、入浴者が脱浴すれば、つまり浴槽から出れば停止される。
【0243】
以上説明したように、浴槽26への入浴状態を浴室外に設置してある台所リモコン32に表示するとともに、入浴を検出すると、入浴タイマー80のカウントを開始して、ユーザが設定した時間が経過すれば、浴室リモコン32でメロディ音を発声する。メロディ音は、一定時間経過するか、浴槽26から入浴者が出るまで発声する。入浴者が浴槽26から出ない場合は、設定時間の経過以降たとえば5〔分〕毎にメロディ音を発声し、入浴者に浴槽から出ることが促される。なお発声は、メロディ音の発声に代えてガイダンス音の発声でもよく、メロディ音とガイダンス音を組み合わせた発声であってもよい。
【0244】
<入浴検出の変形例>
【0245】
上記実施例では水位センサ6が検出する水位の検出情報に基づき入浴中である否かを判定したが、たとえば浴室リモコン30に搭載されるマイクにより入浴音を取得し、この入浴音情報により入浴中であるか否かを判定するようにしてもよい。また、浴室リモコン30に既述の人体センサ16を搭載し、人体検出情報により入浴中であるか否かを判定するようにしてもよい。この場合、浴室リモコン30に設置される制御部に入浴お知らせ機能を追加すれば、浴室リモコン30の処理で入浴時間の経過を知らせることができ、台所リモコン32に向けて「入浴中」信号を出力することができる。
【0246】
<入浴お知らせ機能設定の変形例>
【0247】
上記実施例ではメインメニュー画面148で入浴お知らせ機能設定を行ったが、キーの長押しにより入浴お知らせ機能の「入」または「切」を行うようにしてもよい。
【0248】
たとえば、入浴お知らせ機能「切」の時、ふろ水位を下げるための下キーが3〔秒〕長押しされれば、「機能ON受付」音を出力し、
図33に示すお知らせ機能設定画面168のふろ温度設定を含む浴槽マーク170を0.5〔秒〕周期で2〔秒〕点滅表示をし、熱源機28へ「入浴お知らせ入/切」信号「1」を2転送送信すればよい。表示の点滅は、たとえば4回点滅後、点灯表示に戻す。また、入浴お知らせ機能「入」の時、ふろ水位下げる下キーが3〔秒〕長押しされれば、「機能OFF受付」音を出力し、浴槽マーク170を0.5〔秒〕周期で1〔秒〕点滅表示をし、熱源機28へ「入浴お知らせ入/切」信号「0」を2転送送信すれば良い。表示の点滅は、たとえば2回点滅後、点灯表示に戻す。
【0249】
この変形例によれば、メインメニュー画面148や入浴お知らせメニュー画面150に切り替える必要がなく、設定操作が簡単になる。
【0250】
<お知らせタイマー設定の変形例>
【0251】
上記実施例では入浴お知らせタイマー設定画面156でお知らせタイマーの設定を行ったが、キーの長押しによりタイマーの設定を可能にしてもよい。
【0252】
たとえば、浴室リモコン30に備えられる図示しない時刻設定キーと音量キーが同時押しされたら、「機能ON受付音」(ボタン音)を出力し、
図34に示す入浴お知らせタイマー設定画面172のように表示「ふろ」、浴槽マークおよびタイマーセグメントを含む表示174を表示するとともに時刻表示部176に現在の入浴お知らせタイマーの設定時間を点滅表示し、ガイド音「上下ボタンで入力してください。」が2回出力され、入浴お知らせタイマー変更モードとなる。タイマー変更モードでは、表示「ふろ」、浴槽マークおよびタイマーセグメント表示174以外は消灯させる。
【0253】
入浴お知らせタイマー変更モードの入浴お知らせタイマー設定画面172では、長時間入浴の警告を発生する時間の設定が行われる。上下キー110、112、114の上キーが押下されれば、押下毎に操作音の出力とともにタイマー設定を一段(たとえば5〔分〕)ずつ増加させる。タイマー設定が最高設定時間に達しているときに上キーが押下されれば、受付禁止音を出力する。また上下キーの下キーが押下されれば、押下毎に操作音の出力とともにタイマー設定をたとえば5〔分〕ずつ減少させる。タイマー設定が5〔分〕に達しているときに下キーが押下されれば、受付禁止音を出力する。
【0254】
入浴お知らせタイマー設定画面172では、上キーまたは下キーが1〔秒〕以上長押しされれば、たとえば0.5〔秒〕間隔で10〔分〕単位のオートリピートを行う。
【0255】
入浴お知らせタイマー変更モード中に時刻設定キーが押下されれば、お知らせメロディを出力するとともにたとえばガイド音「セットされました。」をたとえば2回出力し、時刻の点灯表示に切り替え、入浴お知らせタイマー変更モードを終了する。
【0256】
入浴お知らせタイマー設定画面172ではもどるキー122の押下により、操作音を出力し、基本設定メニューに切り替える。このとき、設定の変更は行わない。
【0257】
入浴お知らせタイマー変更モード中、ふろ自動キー102、追いだきキー104、通話キー106、運転キー100、時刻設定キーの操作が行われたら、入浴お知らせタイマー変更モードを終了する。
【0258】
上下キー110、112、114の押下がされないまま30〔秒〕が経過したら、ガイド音「セットされました。」をたとえば2回出力してト入浴お知らせタイマー変更モードを終了する。
【0259】
入浴お知らせタイマー変更モード終了時、時間変更があった場合は、熱源機28へ変更された「タイマー設定」データ132を2転送送信する。
【0260】
この変形例によれば、メニュー画面に切り替える必要がなく。設定操作が簡単になる。
【0261】
<入浴中表示の変形例>
【0262】
上記実施例では
図23に示す入浴中表示160を表示したが、たとえば、
図35のAに示す入浴中表示画面174のように、時刻表示部176の5桁目の下半分のセグメント178を1〔秒〕間隔で
図35のBに示すように時計回りに回転表示すれば、この表示の変化により、入浴者以外の者の注意を引き付けることができる。
【0263】
以上説明した実施の形態および実施例について、その特徴事項や変形例を以下に列挙する。
【0264】
(1) 上記実施の形態および実施例では、給湯器およびリモコン装置を例示したが、たとえば、スマートフォン、タブレット端末および浴室テレビジョンなどの電子装置であってもよい。この場合、これらの電子装置に既述の入浴管理プログラムを搭載すれば、これらの電子装置のマイクロフォン、カメラ、ディスプレイ、およびスピーカを用いて入浴を監視することができる。また、リモコン装置に代えてこれらの電子装置を表示手段または報知手段として用い、給湯器を組み合わせてもよい。この場合、給湯器および電子装置に備えられる通信部により給湯器と電子装置を接続する。この通信部により状態判定手段または入浴時間判定手段の判定結果を無線通信により出力すれば、電子装置に判定結果、告知情報またはアラートを出力させることができる。無線通信によれば、信号線により各装置を接続する必要がなく、また、別の家に暮らす家族や知人に入浴情報を通知することができる。
【0265】
(2) 上記実施例では、給湯暖房装置24とリモコン30、32の接続に、通信インタフェース86および通信線96を用いたが、通信部を用いて無線通信により接続してもよい。無線通信によれば、信号線により各装置を接続する必要がなく、また、別の家に暮らす家族や知人に入浴情報を通知することができる。
【0266】
(3) 基準時間または入浴お知らせタイマーの設定時間は、複数の設定時間を設定してもよい。複数の設定時間を設定しておけば、時間の上げ下げを行うことなく設定時間の変更を簡単に行うことができる。また、複数の設定時間を時間情報と関連付け、午前中、夜間時間およびそれ以外の時間帯でそれぞれ異なる設定時間を設定できるようにしてもよい。斯かる例によれば、入浴時間に応じて設定時間の変更を行う煩わしさが軽減される。
【0267】
(4) 上記実施例では、入浴中であることを台所リモコン32により台所に表示し、入浴時間が経過したことを浴室リモコン30により浴室内に告知したが、たとえば、台所リモコン32を用いて、入浴時間が経過したことを浴室外に告知してもよい。入浴者以外の者が入浴時間の経過を認識し、入浴者の入浴を確認する契機とすることができる。また、入浴時間の経過が浴室に告知されているにも関わらず入浴者が浴槽から出なければ、浴室を確認する契機とすることができる。入浴時間の経過を浴室と浴室外に告知する場合には、これらの告知は同時にされてもよく、浴室での告知から所定時間後に浴室外に告知するようにしてもよい。浴室外の告知のタイミングを遅らせれば、入浴者が告知に応じて浴槽から出る場合に、浴室外の告知を行うことを回避することができる。つまり、告知の自由度が高められる。
【0268】
以上説明したように、本発明の実施の形態等について説明したが、本発明は、上記記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載され、または明細書に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能であることは勿論であり、斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0269】
本発明は、入浴者の入浴時間などの管理を行うことができ、過度な入浴による安全性の低下を防止でき、各家庭で快適な入浴の実現に寄与することができる。
【符号の説明】
【0270】
2 電子装置
4、76 プロセッサ
6 水位センサ
8 表示部
10 報知部
12 タイマー
14 マイクロフォン
16 人体センサ
22 給湯追いだきシステム
24 給湯暖房装置
28 熱源機、
30 浴室リモコン
32 台所リモコン
40 制御部
78 メモリ
80 入浴タイマー
82 スヌーズタイマー