(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】移載ロボットシステム及び自動倉庫システム
(51)【国際特許分類】
B65G 1/137 20060101AFI20221129BHJP
B65G 1/00 20060101ALI20221129BHJP
【FI】
B65G1/137 A
B65G1/00 501C
(21)【出願番号】P 2018221336
(22)【出願日】2018-11-27
【審査請求日】2021-08-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000006297
【氏名又は名称】村田機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140442
【氏名又は名称】柴山 健一
(72)【発明者】
【氏名】黒川 大輔
(72)【発明者】
【氏名】土肥 重夫
【審査官】小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-270605(JP,A)
【文献】特開2015-037992(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/137
B65G 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移載領域に第1容器を搬送する第1搬送コンベヤと、
前記移載領域に第2容器を搬送する第2搬送コンベヤと、
前記第1搬送コンベヤと前記第2搬送コンベヤとの間に配置され、前記移載領域から前記第1容器及び前記第2容器を搬送する第3搬送コンベヤと、
前記移載領域において前記第1搬送コンベヤから前記第3搬送コンベヤに前記第1容器を搬送する第1接続コンベヤと、
前記移載領域において前記第2搬送コンベヤから前記第3搬送コンベヤに前記第2容器を搬送する第2接続コンベヤと、
前記移載領域の上方に配置された支持部材と、
前記支持部材に支持され、前記第1接続コンベヤ上の前記第1容器から前記第2接続コンベヤ上の前記第2容器に物品を移載するロボットと、
前記ロボットを制御する制御部と
、
前記第1接続コンベヤと並列に配置され、前記移載領域において前記第1搬送コンベヤから前記第3搬送コンベヤに前記第1容器を搬送する第3接続コンベヤと、
前記第2接続コンベヤと並列に配置され、前記移載領域において前記第2搬送コンベヤから前記第3搬送コンベヤに前記第2容器を搬送する第4接続コンベヤと、
を備え、
前記ロボットは、前記第1接続コンベヤ上の前記第1容器から前記第2接続コンベヤ上の前記第2容器及び前記第4接続コンベヤ上の前記第2容器の少なくとも1つに物品を移載し、前記第3接続コンベヤ上の前記第1容器から前記第2接続コンベヤ上の前記第2容器及び前記第4接続コンベヤ上の前記第2容器の少なくとも1つに物品を移載する
、移載ロボットシステム。
【請求項2】
前記第1接続コンベヤ上の前記第1容器を撮像する第1カメラと、
前記第3接続コンベヤ上の前記第1容器を撮像する第2カメラと、を更に備え、
前記制御部は、
前記第1カメラによる前記第1容器の画像に基づいて、前記第1接続コンベヤ上の前記第1容器内から前記物品を取る位置を認識し、
前記第2カメラによる前記第1容器の画像に基づいて、前記第3接続コンベヤ上の前記第1容器内から前記物品を取る位置を認識し、
前記制御部は、
前記ロボットが前記第1接続コンベヤ上の前記第1容器から前記第2接続コンベヤ上の前記第2容器及び前記第4接続コンベヤ上の前記第2容器の少なくとも1つに前記物品を移載している間に、前記第3接続コンベヤ上の前記第1容器を撮像するように前記第2カメラを制御し、
前記ロボットが前記第3接続コンベヤ上の前記第1容器から前記第2接続コンベヤ上の前記第2容器及び前記第4接続コンベヤ上の前記第2容器の少なくとも1つに前記物品を移載している間に、前記第1接続コンベヤ上の前記第1容器を撮像するように前記第1カメラを制御する、請求項
1に記載の移載ロボットシステム。
【請求項3】
移載領域に第1容器を搬送する第1搬送コンベヤと、前記移載領域に第2容器を搬送する第2搬送コンベヤと、前記第1搬送コンベヤと前記第2搬送コンベヤとの間に配置され、前記移載領域から前記第1容器及び前記第2容器を搬送する第3搬送コンベヤと、前記移載領域において前記第1搬送コンベヤから前記第3搬送コンベヤに前記第1容器を搬送する第1接続コンベヤと、前記移載領域において前記第2搬送コンベヤから前記第3搬送コンベヤに前記第2容器を搬送する第2接続コンベヤと、前記移載領域の上方に配置された支持部材と、前記支持部材に支持され、前記第1接続コンベヤ上の前記第1容器から前記第2接続コンベヤ上の前記第2容器に物品を移載するロボットと、前記ロボットを制御する制御部と、をそれぞれが
備える複数の移載ロボットシステムと、
複数段の棚を有するラックと、
前記複数段の棚に前記第1容器及び前記第2容器を入庫し、前記複数段の棚から前記第1容器及び前記第2容器を出庫する入出庫装置と、
前記複数段の棚のうち1段の棚ごとに又は複数段の棚ごとに少なくとも1台設けられ、前記複数段の棚のそれぞれに対して前記第1容器及び前記第2容器の移載及び搬送を行う複数の搬送車と、
前記複数の移載ロボットシステムのそれぞれに設けられ、前記複数段の棚から前記第1搬送コンベヤに前記第1容器を搬送する第1搬送装置と、
前記複数の移載ロボットシステムのそれぞれに設けられ、前記複数段の棚から前記第2搬送コンベヤに前記第2容器を搬送する第2搬送装置と、
前記複数の移載ロボットシステムのそれぞれに設けられ、前記第3搬送コンベヤから前記複数段の棚に前記第1容器及び前記第2容器を搬送する第3搬送装置と、を備える、自動倉庫システム。
【請求項4】
前記制御部は、入庫予定の前記第1容器である入庫予定容器が前記ラックに入庫される場合に、前記入庫予定容器に収容されている物品と同種の物品が収容されている前記第1容器の保管状況に基づいて、前記複数段の棚から1段の棚を選択し、
前記制御部は、選択した前記1段の棚に前記入庫予定容器を入庫するように前記入出庫装置を制御する、請求項
3に記載の自動倉庫システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記移載ロボットシステムにおいて出庫可能な状態となった前記第2容器である移載完了容器が前記ラックに搬送される場合に、出庫可能な状態となっている前記第2容器の保管状況に基づいて、前記複数段の棚から1段の棚を選択し、
前記制御部は、選択した前記1段の棚に前記移載完了容器を搬送するように前記第3搬送装置を制御する、請求項
3又は
4に記載の自動倉庫システム。
【請求項6】
前記制御部は、前記移載ロボットシステムにおいて出庫可能な状態とならなかった前記第2容器である移載未完了容器が前記ラックに搬送される場合に、前記移載未完了容器に収容すべき物品と同種の物品が収容されている前記第1容器の保管状況に基づいて、前記複数段の棚から1段の棚を選択し、
前記制御部は、選択した前記1段の棚に前記移載未完了容器を搬送するように前記第3搬送装置を制御する、請求項
3~
5のいずれか一項に記載の自動倉庫システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移載ロボットシステム及び自動倉庫システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の移載ロボットシステムとして、特許文献1には、複数のコンベヤによって構成された第1ラインと、複数のコンベヤによって構成された第2ラインと、第1ライン上の容器から第2ライン上の容器に物品を移載するロボットと、を備えるピンキングシステムが記載されている。特許文献1に記載のピッキングシステムでは、2ラインのコンベヤによって、物品の移載が実施される領域に容器が搬送され、2ラインのコンベヤによって、当該領域から容器が搬送される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したような移載ロボットシステムでは、稼働率の向上及び設置スペースのコンパクト化が求められている。
【0005】
本発明は、稼働率の向上及び設置スペースのコンパクト化を図ることができる移載ロボットシステム及び自動倉庫システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の移載ロボットシステムは、移載領域に第1容器を搬送する第1搬送コンベヤと、移載領域に第2容器を搬送する第2搬送コンベヤと、第1搬送コンベヤと第2搬送コンベヤとの間に配置され、移載領域から第1容器及び第2容器を搬送する第3搬送コンベヤと、移載領域において第1搬送コンベヤから第3搬送コンベヤに第1容器を搬送する第1接続コンベヤと、移載領域において第2搬送コンベヤから第3搬送コンベヤに第2容器を搬送する第2接続コンベヤと、移載領域の上方に配置された支持部材と、支持部材に支持され、第1接続コンベヤ上の第1容器から第2接続コンベヤ上の第2容器に物品を移載するロボットと、ロボットを制御する制御部と、を備える。
【0007】
この移載ロボットシステムでは、移載領域の上方に支持されたロボットが、第1接続コンベヤ上の第1容器から第2接続コンベヤ上の第2容器に物品を移載する。これにより、例えば、ロボットが第1搬送コンベヤ上の第1容器から第2搬送コンベヤ上の第2容器に物品を移載するような場合に比べ、ロボットの動作距離が減少し、ロボットによる移載時間が短縮化される。また、第1搬送コンベヤ及び第2搬送コンベヤによって移載領域に搬送された第1容器及び第2容器が、第1搬送コンベヤと第2搬送コンベヤとの間に配置された共通の第3搬送コンベヤによって移載領域から搬送される。したがって、2ラインのコンベヤによって第1容器及び第2容器が移載領域から搬送されるような構成に比べ、システムの構成がコンパクト化される。更に、ロボットが移載領域の上方に支持されているため、ロボットによる設置スペースの拡大が防止される。よって、この移載ロボットシステムによれば、稼働率の向上及び設置スペースのコンパクト化を図ることができる。
【0008】
本発明の移載ロボットシステムは、第1接続コンベヤと並列に配置され、移載領域において第1搬送コンベヤから第3搬送コンベヤに第1容器を搬送する第3接続コンベヤと、第2接続コンベヤと並列に配置され、移載領域において第2搬送コンベヤから第3搬送コンベヤに第2容器を搬送する第4接続コンベヤと、を更に備え、ロボットは、第1接続コンベヤ上の第1容器から第2接続コンベヤ上の第2容器及び第4接続コンベヤ上の第2容器の少なくとも1つに物品を移載し、第3接続コンベヤ上の第1容器から第2接続コンベヤ上の第2容器及び第4接続コンベヤ上の第2容器の少なくとも1つに物品を移載してもよい。この場合、第1接続コンベヤ上の第1容器から第2接続コンベヤ上の第2容器に物品を移載し、第3接続コンベヤ上の第1容器から第4接続コンベヤ上の第2容器に物品を移載するという運用を実施したり、或いは、第1接続コンベヤ上の第1容器から第2接続コンベヤ上の第2容器又は第4接続コンベヤ上の第2容器に物品を選択的に移載し、第3接続コンベヤ上の第1容器から第2接続コンベヤ上の第2容器又は第4接続コンベヤ上の第2容器に物品を選択的に移載するという運用を実施したりすることができる。これにより、稼働率の更なる向上を図ることができる。
【0009】
本発明の移載ロボットシステムは、第1接続コンベヤ上の第1容器を撮像する第1カメラと、第3接続コンベヤ上の第1容器を撮像する第2カメラと、を更に備え、制御部は、第1カメラによる第1容器の画像に基づいて、第1接続コンベヤ上の第1容器内から物品を取る位置を認識し、第2カメラによる第1容器の画像に基づいて、第3接続コンベヤ上の第1容器内から物品を取る位置を認識し、制御部は、ロボットが第1接続コンベヤ上の第1容器から第2接続コンベヤ上の第2容器及び第4接続コンベヤ上の第2容器の少なくとも1つに物品を移載している間に、第3接続コンベヤ上の第1容器を撮像するように第2カメラを制御し、ロボットが第3接続コンベヤ上の第1容器から第2接続コンベヤ上の第2容器及び第4接続コンベヤ上の第2容器の少なくとも1つに物品を移載している間に、第1接続コンベヤ上の第1容器を撮像するように第1カメラを制御してもよい。これにより、第1接続コンベヤ上の第1容器及び第3接続コンベヤ上の第1容器の一方からの物品の移載が実施されている間に、第1接続コンベヤ上の第1容器及び第3接続コンベヤ上の第1容器の他方について物品を取る位置の認識を進行させることができるため、稼働率の更なる向上を図ることができる。
【0010】
本発明の自動倉庫システムは、それぞれが上記移載ロボットシステムである複数の移載ロボットシステムと、複数段の棚を有するラックと、複数段の棚に第1容器及び第2容器を入庫し、複数段の棚から第1容器及び第2容器を出庫する入出庫装置と、複数段の棚のうち1段の棚ごとに又は複数段の棚ごとに少なくとも1台設けられ、複数段の棚のそれぞれに対して第1容器及び第2容器の移載及び搬送を行う複数の搬送車と、複数の移載ロボットシステムのそれぞれに設けられ、複数段の棚から第1搬送コンベヤに第1容器を搬送する第1搬送装置と、複数の移載ロボットシステムのそれぞれに設けられ、複数段の棚から第2搬送コンベヤに第2容器を搬送する第2搬送装置と、複数の移載ロボットシステムのそれぞれに設けられ、第3搬送コンベヤから複数段の棚に第1容器及び第2容器を搬送する第3搬送装置と、を備える。
【0011】
この自動倉庫システムでは、システム内において第2容器への物品の移載を完了させ、出庫可能な状態となった第2容器をシステムから効率良く出庫することができる。
【0012】
本発明の自動倉庫システムでは、制御部は、入庫予定の第1容器である入庫予定容器がラックに入庫される場合に、入庫予定容器に収容されている物品と同種の物品が収容されている第1容器の保管状況に基づいて、複数段の棚から1段の棚を選択し、制御部は、選択した1段の棚に入庫予定容器を入庫するように入出庫装置を制御してもよい。これにより、同種の物品が収容されている第1容器が1段の棚に集中して保管されるのを防止することができる。したがって、同種の物品が収容されている第1容器を複数の移載ロボットシステムのそれぞれに効率良く搬送することができる。
【0013】
本発明の自動倉庫システムでは、制御部は、移載ロボットシステムにおいて出庫可能な状態となった第2容器である移載完了容器がラックに搬送される場合に、出庫可能な状態となっている第2容器の保管状況に基づいて、複数段の棚から1段の棚を選択し、制御部は、選択した1段の棚に移載完了容器を搬送するように第3搬送装置を制御してもよい。これにより、出庫可能な状態となっている第2容器が1段の棚に集中して保管されるのを防止することができる。したがって、出庫可能な状態となっている第2容器を効率良く出庫することができる。
【0014】
本発明の自動倉庫システムでは、制御部は、移載ロボットシステムにおいて出庫可能な状態とならなかった第2容器である移載未完了容器がラックに搬送される場合に、移載未完了容器に収容すべき物品と同種の物品が収容されている第1容器の保管状況に基づいて、複数段の棚から1段の棚を選択し、制御部は、選択した1段の棚に移載未完了容器を搬送するように第3搬送装置を制御してもよい。これにより、移載未完了容器、及び当該移載未完了容器に収容すべき物品と同種の物品が収容されている第1容器C1が、1段の棚に集中して保管されるのを防止することができる。したがって、移載未完了容器、及び当該移載未完了容器に収容すべき物品と同種の物品が収容されている第1容器を、移載ロボットシステムに効率良く搬送することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、稼働率の向上及び設置スペースのコンパクト化を図ることができる移載ロボットシステム及び自動倉庫システムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】一実施形態の自動倉庫システムの平面図である。
【
図2】
図1に示されるII-II線に沿っての自動倉庫システムの断面図である。
【
図3】
図1に示される自動倉庫システムのブロック図である。
【
図4】
図1に示される移載ロボットシステムの平面図である。
【
図5】
図1に示される移載ロボットシステムの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
[自動倉庫システムの構成]
【0018】
図1及び
図2に示されるように、自動倉庫システム1は、1対のラック2と、入庫装置(入出庫装置)3と、出庫装置(入出庫装置)4と、複数の搬送車5と、を備えている。自動倉庫システム1による搬送及び保管対象は、物品が収容されている容器、空の容器等である。以下、第1水平方向をX方向、第1水平方向に垂直な第2水平方向をY方向、鉛直方向をZ方向という。
【0019】
1対のラック2は、X方向において互いに向かい合うように設置されている。各ラック2は、Z方向に沿って並んだ複数段の棚2aを有している。各棚2aは、Y方向に沿って延在しており、複数の容器を保管することができる。
【0020】
入庫装置3は、Y方向における一方のラック2の一端部に設けられている。入庫装置3は、入庫コンベヤ3aと、昇降コンベヤ3bと、複数の搬入コンベヤ3cと、を有している。入庫コンベヤ3aは、所定高さに配置されている。搬入コンベヤ3cは、一方のラック2の各棚2aの一端部に設けられている。昇降コンベヤ3bは、Z方向から見た場合に、入庫コンベヤ3aと搬入コンベヤ3cとの間に配置されている。昇降コンベヤ3bは、Z方向に沿って延在するマスト3dに取り付けられており、マスト3dに沿って昇降することができる。
【0021】
入庫装置3は、複数段の棚2aに容器を入庫する。具体的には、まず、昇降コンベヤ3bが昇降し、入庫コンベヤ3aと同じ高さに停止する。この状態で、入庫コンベヤ3a上から昇降コンベヤ3b上に容器が搬送される。続いて、容器を載せた昇降コンベヤ3bが昇降し、容器の保管場所が存在する棚2aと同じ高さに停止する。この状態で、昇降コンベヤ3b上から搬入コンベヤ3c上に容器が搬送される。
【0022】
出庫装置4は、Y方向における他方のラック2の一端部に設けられている。出庫装置4は、出庫コンベヤ4aと、昇降コンベヤ4bと、複数の搬出コンベヤ4cと、を有している。出庫コンベヤ4aは、所定高さに配置されている。搬出コンベヤ4cは、他方のラック2の各棚2aの一端部に設けられている。昇降コンベヤ4bは、Z方向から見た場合に、出庫コンベヤ4aと搬出コンベヤ4cとの間に配置されている。昇降コンベヤ4bは、Z方向に沿って延在するマスト4dに取り付けられており、マスト4dに沿って昇降することができる。
【0023】
出庫装置4は、複数段の棚2aから容器を出庫する。具体的には、まず、昇降コンベヤ4bが昇降し、容器の保管場所が存在する棚2aと同じ高さに停止する。この状態で、搬出コンベヤ4c上から昇降コンベヤ4b上に容器が搬送される。続いて、容器を載せた昇降コンベヤ4bが昇降し、出庫コンベヤ4aと同じ高さに停止する。この状態で、昇降コンベヤ4b上から出庫コンベヤ4a上に容器が搬送される。
【0024】
1対のラック2の間には、複数段の棚2aに対応するようにZ方向に沿って並んだ複数段のレール6が設けられている。各レール6は、Y方向に沿って延在している。1段のレール6に対しては、少なくとも1台の搬送車5が走行可能となっている。搬送車5は、走行するレール6の両側に配置された棚2aに対して、容器の移載及び搬送を行うことができる。つまり、自動倉庫システム1では、複数段の棚2aのうち1段の棚2aごとに少なくとも1台の搬送車5が設けられており、複数段の棚2aのそれぞれに対して搬送車5が容器の移載及び搬送を行う。
【0025】
容器の入庫時には、まず、容器の保管場所が存在する棚2aに対応する搬送車5が走行し、搬入コンベヤ3cの側方に停止する。この状態で、搬送車5が搬入コンベヤ3c上から容器を引き取る。続いて、容器を載せた搬送車5が走行し、棚2aにおける保管場所の側方に停止する。この状態で、搬送車5が保管場所に容器を移載する。
【0026】
容器の出庫時には、まず、容器の保管場所が存在する棚2aに対応する搬送車5が走行し、棚2aにおける保管場所の側方に停止する。この状態で、搬送車5が保管場所から容器を引き取る。続いて、容器を載せた搬送車5が走行し、搬出コンベヤ4cの側方に停止する。この状態で、搬送車5が搬出コンベヤ4c上に容器を移載する。
【0027】
自動倉庫システム1は、複数の移載ロボットシステム10と、複数の第1搬送装置7と、複数の第2搬送装置8と、複数の第3搬送装置9と、を更に備えている。複数の移載ロボットシステム10は、一方のラック2の背面側(複数段のレール6が設けられている側とは反対側)において、Y方向に沿って並ぶように設置されている。1つの移載ロボットシステム10には、1つの第1搬送装置7、1つの第2搬送装置8及び1つの第3搬送装置9が対応している。つまり、第1搬送装置7、第2搬送装置8及び第3搬送装置9は、移載ロボットシステム10ごとに設けられている。
【0028】
第1搬送装置7は、複数の搬出コンベヤ7aと、昇降コンベヤ7bと、を有している。搬出コンベヤ7aは、一方のラック2の各棚2aに設けられている。昇降コンベヤ7bは、Z方向から見た場合に、搬出コンベヤ7aと移載ロボットシステム10の第1搬送コンベヤ11(
図4参照)との間に配置されている。昇降コンベヤ7bは、Z方向に沿って延在するマスト7cに取り付けられており、マスト7cに沿って昇降することができる。
【0029】
第1搬送装置7は、複数段の棚2aから移載ロボットシステム10に容器を搬送する。具体的には、まず、昇降コンベヤ7bが昇降し、容器の保管場所が存在する棚2aと同じ高さに停止する。この状態で、搬出コンベヤ7a上から昇降コンベヤ7b上に容器が搬送される。続いて、容器を載せた昇降コンベヤ7bが昇降し、第1搬送コンベヤ11(
図4参照)と同じ高さに停止する。この状態で、昇降コンベヤ7b上から第1搬送コンベヤ11(
図4参照)上に容器が搬送される。なお、保管場所から搬出コンベヤ7aまでの容器の搬送は、容器の保管場所が存在する棚2aに対応する搬送車5によって行われる。
【0030】
第2搬送装置8は、複数の搬出コンベヤ8aと、昇降コンベヤ8bと、を有している。搬出コンベヤ8aは、一方のラック2の各棚2aに設けられている。昇降コンベヤ8bは、Z方向から見た場合に、搬出コンベヤ8aと移載ロボットシステム10の第2搬送コンベヤ12(
図4参照)との間に配置されている。昇降コンベヤ8bは、Z方向に沿って延在するマスト8cに取り付けられており、マスト8cに沿って昇降することができる。
【0031】
第2搬送装置8は、複数段の棚2aから移載ロボットシステム10に容器を搬送する。具体的には、まず、昇降コンベヤ8bが昇降し、容器の保管場所が存在する棚2aと同じ高さに停止する。この状態で、搬出コンベヤ8a上から昇降コンベヤ8b上に容器が搬送される。続いて、容器を載せた昇降コンベヤ8bが昇降し、第2搬送コンベヤ12(
図4参照)と同じ高さに停止する。この状態で、昇降コンベヤ8b上から第2搬送コンベヤ12(
図4参照)上に容器が搬送される。なお、保管場所から搬出コンベヤ8aまでの容器の搬送は、容器の保管場所が存在する棚2aに対応する搬送車5によって行われる。
【0032】
第3搬送装置9は、複数の搬入コンベヤ9aと、昇降コンベヤ9bと、を有している。搬入コンベヤ9aは、一方のラック2の各棚2aに設けられている。昇降コンベヤ9bは、Z方向から見た場合に、搬入コンベヤ9aと移載ロボットシステム10の第3搬送コンベヤ13(
図4参照)との間に配置されている。昇降コンベヤ9bは、Z方向に沿って延在するマスト9cに取り付けられており、マスト9cに沿って昇降することができる。
【0033】
第3搬送装置9は、移載ロボットシステム10から複数段の棚2aに容器を搬送する。具体的には、まず、昇降コンベヤ9bが昇降し、第3搬送コンベヤ13(
図4参照)と同じ高さに停止する。この状態で、第3搬送コンベヤ13(
図4参照)上から昇降コンベヤ9b上に容器が搬送される。続いて、容器を載せた昇降コンベヤ9bが昇降し、容器の保管場所が存在する棚2aと同じ高さに停止する。この状態で、昇降コンベヤ9b上から搬入コンベヤ9a上に容器が搬送される。なお、搬入コンベヤ9aから保管場所までの容器の搬送は、容器の保管場所が存在する棚2aに対応する搬送車5によって行われる。
【0034】
図3に示されるように、自動倉庫システム1は、制御部30を更に備えている。制御部30は、入庫装置3、出庫装置4、複数の搬送車5、複数の第1搬送装置7、複数の第2搬送装置8、複数の第3搬送装置9、及び複数の移載ロボットシステム10を制御する。制御部30は、プロセッサ、メモリ、ストレージ及び通信デバイス等を含むコンピュータ装置として構成されている。制御部30では、メモリ等に読み込まれたソフトウェア(プログラム)が、プロセッサによって実行され、メモリ及びストレージにおけるデータの読み出し及び書き込み、並びに、通信デバイスによる通信が、プロセッサによって制御される。これにより、制御部30は、各種機能を実現する。
[移載ロボットシステムの構成]
【0035】
図4及び
図5に示されるように、移載ロボットシステム10は、第1容器C1から第2容器C2に必要数量の物品を移載するピッキングロボットシステムである。一例として、第1容器C1は、第1容器C1ごとに同種の物品が収容されている容器である。第2容器C2は、収容されるべき物品の種類及び数量が定められている容器である。
【0036】
移載ロボットシステム10は、第1搬送コンベヤ11と、第2搬送コンベヤ12と、第3搬送コンベヤ13と、を備えている。
【0037】
第1搬送コンベヤ11は、ラック2側から移載領域R側にX方向に沿って延在している。第1搬送コンベヤ11は、第1搬送装置7から移載領域Rに第1容器C1を搬送する。第1搬送コンベヤ11は、複数のコンベヤ11a,11b,11cによって構成されている。コンベヤ11aは、通常のコンベヤである。各コンベヤ11b,11cは、方向転換機構(例えば、ローラーコンベヤにおいて隣り合うローラの間から進退可能な横送り機構等)付きのコンベヤである。なお、第1容器C1は、搬送車5及び第1搬送装置7が制御部30によって制御されることで、各ラック2から第1搬送コンベヤ11に搬送される。
【0038】
第2搬送コンベヤ12は、ラック2側から移載領域R側にX方向に沿って延在している。第2搬送コンベヤ12は、第2搬送装置8から移載領域Rに第2容器C2を搬送する。第2搬送コンベヤ12は、複数のコンベヤ12a,12b,12cによって構成されている。コンベヤ12aは、通常のコンベヤである。各コンベヤ12b,12cは、方向転換機構付きのコンベヤである。なお、第2容器C2は、搬送車5及び第2搬送装置8が制御部30によって制御されることで、各ラック2から第2搬送コンベヤ12に搬送される。
【0039】
第3搬送コンベヤ13は、第1搬送コンベヤ11と第2搬送コンベヤ12との間に配置されており、移載領域R側からラック2側にX方向に沿って延在している。第3搬送コンベヤ13は、移載領域Rから第3搬送装置9に第1容器C1及び第2容器C2を搬送する。第3搬送コンベヤ13は、複数のコンベヤ13a,13b,13cによって構成されている。コンベヤ13aは、通常のコンベヤである。各コンベヤ13b,13cは、方向転換機構付きのコンベヤである。なお、第1容器C1及び第2容器C2は、第3搬送装置9及び搬送車5が制御部30によって制御されることで、第3搬送コンベヤ13から各ラック2に搬送される。
【0040】
移載ロボットシステム10は、第1接続コンベヤ14と、第2接続コンベヤ15と、第3接続コンベヤ16と、第4接続コンベヤ17と、を更に備えている。
【0041】
第1接続コンベヤ14は、第1搬送コンベヤ11のコンベヤ11cと第3搬送コンベヤ13のコンベヤ13cとの間に配置されており、Y方向に沿って延在している。第1接続コンベヤ14は、移載領域Rにおいて第1搬送コンベヤ11から第3搬送コンベヤ13に第1容器C1を搬送する。このとき、第1容器C1は、コンベヤ11cの方向転換機構によってX方向からY方向に搬送方向が転換され、コンベヤ13cの方向転換機構によってY方向からX方向に搬送方向が転換される。
【0042】
第2接続コンベヤ15は、第2搬送コンベヤ12のコンベヤ12cと第3搬送コンベヤ13のコンベヤ13cとの間に配置されており、Y方向に沿って延在している。第2接続コンベヤ15は、第1接続コンベヤ14とY方向に沿って直線的に配置されている。第2接続コンベヤ15は、移載領域Rにおいて第2搬送コンベヤ12から第3搬送コンベヤ13に第2容器C2を搬送する。このとき、第2容器C2は、コンベヤ12cの方向転換機構によってX方向からY方向に搬送方向が転換され、コンベヤ13cの方向転換機構によってY方向からX方向に搬送方向が転換される。
【0043】
第3接続コンベヤ16は、第1搬送コンベヤ11のコンベヤ11bと第3搬送コンベヤ13のコンベヤ13bとの間に配置されており、Y方向に沿って延在している。第3接続コンベヤ16は、第1接続コンベヤ14と並列に配置されている。第3接続コンベヤ16は、移載領域Rにおいて第1搬送コンベヤ11から第3搬送コンベヤ13に第1容器C1を搬送する。このとき、第1容器C1は、コンベヤ11bの方向転換機構によってX方向からY方向に搬送方向が転換され、コンベヤ13bの方向転換機構によってY方向からX方向に搬送方向が転換される。
【0044】
第4接続コンベヤ17は、第2搬送コンベヤ12のコンベヤ12bと第3搬送コンベヤ13のコンベヤ13bとの間に配置されており、Y方向に沿って延在している。第4接続コンベヤ17は、第2接続コンベヤ15と並列に配置されており、第3接続コンベヤ16とY方向に沿って直線的に配置されている。第4接続コンベヤ17は、移載領域Rにおいて第2搬送コンベヤ12から第3搬送コンベヤ13に第2容器C2を搬送する。このとき、第2容器C2は、コンベヤ12bの方向転換機構によってX方向からY方向に搬送方向が転換され、コンベヤ13bの方向転換機構によってY方向からX方向に搬送方向が転換される。
【0045】
第1接続コンベヤ14、第2接続コンベヤ15、第3接続コンベヤ16及び第4接続コンベヤ17のそれぞれの長さは、互いに等しい。つまり、第1搬送コンベヤ11と第3搬送コンベヤ13との間の距離は、第2搬送コンベヤ12と第3搬送コンベヤ13との間の距離と等しい。
【0046】
移載ロボットシステム10は、支持部材21と、ロボット22と、第1カメラ23と、第2カメラ24と、第3カメラ25と、第4カメラ26と、を更に備えている。
【0047】
支持部材21は、移載領域Rの上方に配置されている。本実施形態では、支持部材21は、複数本(例えば、4本)の柱部材によって支持された梁部材である。ロボット22は、支持部材21に支持されている。ロボット22は、停止している第1接続コンベヤ14上の第1容器C1から、停止している第2接続コンベヤ15上の第2容器C2に、物品を移載する。ロボット22は、停止している第3接続コンベヤ16上の第1容器C1から、停止している第4接続コンベヤ17上の第2容器C2に、物品を移載する。本実施形態では、ロボット22は、その基端部が支持部材21に回転可能に支持されたロボットアームである。ロボット22において物品を保持する先端部22aには、物品の形状等に応じて種々のロボットハンドを適用することができる。
【0048】
第1カメラ23は、第1接続コンベヤ14の上方に位置するように支持部材21に取り付けられている。第1カメラ23は、第1接続コンベヤ14上の第1容器C1を撮像する。第2カメラ24は、第3接続コンベヤ16の上方に位置するように支持部材21に取り付けられている。第2カメラ24は、第3接続コンベヤ16上の第1容器C1を撮像する。第3カメラ25は、第2接続コンベヤ15の上方に位置するように支持部材21に取り付けられている。第3カメラ25は、第2接続コンベヤ15上の第2容器C2を撮像する。第4カメラ26は、第4接続コンベヤ17の上方に位置するように支持部材21に取り付けられている。第4カメラ26は、第4接続コンベヤ17上の第2容器C2を撮像する。
【0049】
本実施形態では、第1カメラ23が第1接続コンベヤ14上の第1容器C1を撮像してから、ロボット22が第1接続コンベヤ14上の第1容器C1内から物品を取るまで、第1接続コンベヤ14は停止しており、第1接続コンベヤ14上における第1容器C1の位置は変化しない。同様に、第2カメラ24が第3接続コンベヤ16上の第1容器C1を撮像してから、ロボット22が第3接続コンベヤ16上の第1容器C1内から物品を取るまで、第3接続コンベヤ16は停止しており、第3接続コンベヤ16上における第1容器C1の位置は変化しない。これにより、第1容器C1の撮像後、ロボット22が第1容器C1内から物品を取るまでの間に第1容器C1内の状態が変化するのを抑制することができる。また、第3カメラ25が第2接続コンベヤ15上の第2容器C2を撮像してから、ロボット22が第2接続コンベヤ15上の第2容器C2内に物品を置くまで、第2接続コンベヤ15は停止しており、第2接続コンベヤ15上における第2容器C2の位置は変化しない。同様に、第4カメラ26が第4接続コンベヤ17上の第2容器C2を撮像してから、ロボット22が第4接続コンベヤ17上の第2容器C2内に物品を置くまで、第4接続コンベヤ17は停止しており、第4接続コンベヤ17上における第2容器C2の位置は変化しない。これにより、第2容器C2の撮像後、ロボット22が第2容器C2内に物品を置くまでの間に第2容器C2内の状態が変化するのを抑制することができる。
[移載ロボットシステムの動作]
【0050】
まず、制御部30(
図3参照)は、第1接続コンベヤ14上の第1容器C1を撮像するように第1カメラ23を制御すると共に、第2接続コンベヤ15上の第2容器C2を撮像するように第3カメラ25を制御する。そして、制御部30は、第1カメラ23による第1容器C1の画像及び第3カメラ25による第2容器C2の画像に基づいて、第1容器C1内から物品を取る位置、及び第2容器C2内に物品を置く位置等を認識し、ロボット22の動作を決定する。
【0051】
続いて、制御部30は、第1接続コンベヤ14上の第1容器C1から第2接続コンベヤ15上の第2容器C2に物品を移載するようにロボット22を制御する。このとき(すなわち、ロボット22が第1接続コンベヤ14上の第1容器C1から第2接続コンベヤ15上の第2容器C2に物品を移載している間に)、制御部30は、第3接続コンベヤ16上の第1容器C1を撮像するように第2カメラ24を制御すると共に、第4接続コンベヤ17上の第2容器C2を撮像するように第4カメラ26を制御する。更に、ロボット22が第1接続コンベヤ14上の第1容器C1から第2接続コンベヤ15上の第2容器C2に物品を移載している間に、制御部30は、第2カメラ24による第1容器C1の画像及び第4カメラ26による第2容器C2の画像に基づいて、第1容器C1内から物品を取る位置、及び第2容器C2内に物品を置く位置等を認識し、ロボット22の動作を決定する。
【0052】
続いて、制御部30は、第3接続コンベヤ16上の第1容器C1から第4接続コンベヤ17上の第2容器C2に物品を移載するようにロボット22を制御する。このとき(すなわち、ロボット22が第3接続コンベヤ16上の第1容器C1から第4接続コンベヤ17上の第2容器C2に物品を移載している間に)、制御部30は、第1接続コンベヤ14上の第1容器C1を撮像するように第1カメラ23を制御すると共に、第2接続コンベヤ15上の第2容器C2を撮像するように第3カメラ25を制御する。更に、ロボット22が第3接続コンベヤ16上の第1容器C1から第4接続コンベヤ17上の第2容器C2に物品を移載している間に、制御部30は、第1カメラ23による第1容器C1の画像及び第3カメラ25による第2容器C2の画像に基づいて、第1容器C1内から物品を取る位置、及び第2容器C2内に物品を置く位置等を認識し、ロボット22の動作を決定する。
【0053】
以降、第1接続コンベヤ14上の第1容器C1から第2接続コンベヤ15上の第2容器C2への物品の移載、並びに、第3接続コンベヤ16上の第1容器C1及び第4接続コンベヤ17上の第2容器C2の撮像と、第3接続コンベヤ16上の第1容器C1から第4接続コンベヤ17上の第2容器C2への物品の移載、並びに、第1接続コンベヤ14上の第1容器C1及び第2接続コンベヤ15上の第2容器C2の撮像と、が繰り返されるように、制御部30は、ロボット22、第1カメラ23、第2カメラ24、第3カメラ25及び第4カメラ26を制御する。なお、第1接続コンベヤ14上の第1容器C1からの物品の移載が終了すると、当該第1容器C1は、第1接続コンベヤ14から第3搬送コンベヤ13に搬送され、第1接続コンベヤ14には、次の第1容器C1が第1搬送コンベヤ11から搬送される。同様に、第3接続コンベヤ16上の第1容器C1からの物品の移載が終了すると、当該第1容器C1は、第3接続コンベヤ16から第3搬送コンベヤ13に搬送され、第3接続コンベヤ16には、次の第1容器C1が第1搬送コンベヤ11から搬送される。また、第2接続コンベヤ15上の第2容器C2への物品の移載が終了すると、当該第2容器C2は、第2接続コンベヤ15から第3搬送コンベヤ13に搬送され、第2接続コンベヤ15には、次の第2容器C2が第2搬送コンベヤ12から搬送される。同様に、第4接続コンベヤ17上の第2容器C2への物品の移載が終了すると、当該第2容器C2は、第4接続コンベヤ17から第3搬送コンベヤ13に搬送され、第4接続コンベヤ17には、次の第2容器C2が第2搬送コンベヤ12から搬送される。
【0054】
以上のような移載ロボットシステム10の動作に関し、制御部30は、入庫予定の第1容器C1である入庫予定容器が各ラック2に入庫される場合に、当該入庫予定容器に収容されている物品と同種の物品が収容されている第1容器C1の保管状況(例えば、保管数、移載タイミング等)に基づいて、各ラック2の複数段の棚2aから1段の棚2aを選択し、当該1段の棚2aに当該入庫予定容器を入庫するように入庫装置3を制御する。一例として、制御部30は、入庫予定容器が各ラック2に入庫される場合に、各ラック2の複数段の棚2aのうち、当該入庫予定容器に収容されている物品と同種の物品が収容されている第1容器C1の保管数が最も少ない棚2aに、当該入庫予定容器が入庫されるように、入庫装置3を制御する。入庫予定容器は、入庫された棚2aに設けられた搬送車5によって当該棚2aに搬送され、必要に応じて移載ロボットシステム10に搬送される。なお、上記保管数が複数の棚2aにおいて最も少ない場合、又は上記保管数が全ての棚2aにおいて等しい場合には、制御部30は、それらの棚2aのいずれかに入庫予定容器が入庫されるように、入庫装置3を制御する。また、制御部30は、複数段の棚2aのうちの一部の段の棚2aに、互いに同種の物品が収容されている第1容器C1を入庫するように、入庫装置3を制御してもよい。
【0055】
また、制御部30は、移載ロボットシステム10において出庫可能な状態(すなわち、定められた種類及び数量の物品の収容が完了した状態)となった第2容器C2である移載完了容器が各ラック2に搬送される場合に、出庫可能な状態となっている第2容器C2の保管状況(例えば、保管数、出庫タイミング等)に基づいて、各ラック2の複数段の棚2aから1段の棚2aを選択し、当該1段の棚2aに当該移載完了容器を搬送するように第3搬送装置9を制御する。一例として、制御部30は、移載完了容器が移載ロボットシステム10から各ラック2に搬送される場合に、各ラック2の複数段の棚2aのうち、出庫可能な状態となっている第2容器C2の保管数が最も少ない棚2aに、当該移載完了容器が搬送されるように、第3搬送装置9を制御する。移載完了容器は、搬送された棚2aに設けられた搬送車5によって搬送され、出庫装置4によって出庫される。なお、上記保管数が複数の棚2aにおいて最も少ない場合、又は上記保管数が全ての棚2aにおいて等しい場合には、制御部30は、それらの棚2aのいずれかに移載完了容器が搬送されるように、第3搬送装置9を制御する。
【0056】
また、制御部30は、移載ロボットシステム10において出庫可能な状態とならなかった第2容器C2である移載未完了容器が各ラック2に搬送される場合に、当該移載未完了容器に収容すべき物品と同種の物品が収容されている第1容器C1の保管状況に基づいて、各ラック2の複数段の棚2aから1段の棚2aを選択し、当該1段の棚2aに当該移載未完了容器を搬送するように第3搬送装置9を制御する。一例として、制御部30は、移載未完了容器が移載ロボットシステム10から各ラック2に搬送される場合に、各ラック2の複数段の棚2aのうち、当該移載未完了容器に収容すべき物品と同種の物品が収容されている第1容器C1の保管数が最も少ない棚2aに、当該移載未完了容器が搬送されるように、第3搬送装置9を制御する。移載未完了容器は、搬送された棚2aに設けられた搬送車5によって搬送され、第2搬送装置8によって他の移載ロボットシステム10に搬送される。このように、1つの移載ロボットシステム10において第2容器C2が出庫可能な状態とならなかった場合でも、当該第2容器C2が他の移載ロボットシステム10に搬送されることで、自動倉庫システム1内において当該第2容器C2が出庫可能な状態となる。なお、上記保管数が複数の棚2aにおいて最も少ない場合、又は上記管数が全ての棚2aにおいて等しい場合には、制御部30は、それらの棚2aのいずれかに移載未完了容器が搬送されるように、第3搬送装置9を制御する。
【0057】
また、制御部30は、空の第2容器C2が各ラック2に入庫される場合に、空の第2容器C2の保管状況に基づいて、各ラック2の複数段の棚2aから1段の棚2aを選択し、当該1段の棚2aに当該空の第2容器C2を入庫するように入庫装置3を制御する。一例として、制御部30は、空の第2容器C2が各ラック2に入庫される場合に、各ラック2の複数段の棚2aのうち、空の第2容器C2の保管数が最も少ない棚2aに、当該空の第2容器C2が入庫されるように、入庫装置3を制御する。空の第2容器C2は、入庫された棚2aに設けられた搬送車5によって当該棚2aに搬送され、必要に応じて移載ロボットシステム10に搬送される。なお、上記保管数が複数の棚2aにおいて最も少ない場合、又は上記保管数が全ての棚2aにおいて等しい場合には、制御部30は、それらの棚2aのいずれかに空の第2容器C2が入庫されるように、入庫装置3を制御する。
【0058】
また、制御部30は、移載ロボットシステム10において空となった第1容器C1が各ラック2に搬送される場合に、空の第1容器C1の保管状況に基づいて、各ラック2の複数段の棚2aから1段の棚2aを選択し、当該1段の棚2aに当該空の第1容器C1を搬送するように第3搬送装置9を制御する。一例として、制御部30は、空となった第1容器C1が移載ロボットシステム10から各ラック2に搬送される場合に、各ラック2の複数段の棚2aのうち、空の第1容器C1の保管数が最も少ない棚2aに、当該空となった第1容器C1が搬送されるように、第3搬送装置9を制御する。空となった第1容器C1は、搬送された棚2aに設けられた搬送車5によって搬送され、出庫装置4によって出庫される。なお、上記保管数が複数の棚2aにおいて最も少ない場合、又は上記保管数が全ての棚2aにおいて等しい場合には、制御部30は、それらの棚2aのいずれかに空となった第1容器C1が搬送されるように、第3搬送装置9を制御する。
[作用及び効果]
【0059】
移載ロボットシステム10では、移載領域Rの上方に支持されたロボット22が、第1接続コンベヤ14上の第1容器C1から第2接続コンベヤ15上の第2容器C2に物品を移載し、第3接続コンベヤ16上の第1容器C1から第4接続コンベヤ17上の第2容器C2に物品を移載する。これにより、例えば、ロボット22が第1搬送コンベヤ11上の第1容器C1から第2搬送コンベヤ12上の第2容器C2に物品を移載するような場合に比べ、ロボット22の動作距離が減少し、ロボット22による移載時間が短縮化される。また、第1搬送コンベヤ11及び第2搬送コンベヤ12によって移載領域Rに搬送された第1容器C1及び第2容器C2が、第1搬送コンベヤ11と第2搬送コンベヤ12との間に配置された共通の第3搬送コンベヤ13によって移載領域Rから搬送される。したがって、2ラインのコンベヤによって第1容器C1及び第2容器C2が移載領域Rから搬送されるような構成に比べ、システムの構成がコンパクト化される。更に、ロボット22が移載領域Rの上方に支持されているため、ロボット22による設置スペースの拡大が防止される。よって、移載ロボットシステム10によれば、稼働率の向上及び設置スペースのコンパクト化を図ることができる。
【0060】
移載ロボットシステム10では、ロボット22が、第1接続コンベヤ14上の第1容器C1から第2接続コンベヤ15上の第2容器C2に物品を移載し、第3接続コンベヤ16上の第1容器C1から第4接続コンベヤ17上の第2容器C2に物品を移載する。これにより、稼働率の更なる向上を図ることができる。
【0061】
移載ロボットシステム10では、第1接続コンベヤ14上の第1容器C1から第2接続コンベヤ15上の第2容器C2への物品の移載、並びに、第3接続コンベヤ16上の第1容器C1及び第4接続コンベヤ17上の第2容器C2の撮像と、第3接続コンベヤ16上の第1容器C1から第4接続コンベヤ17上の第2容器C2への物品の移載、並びに、第1接続コンベヤ14上の第1容器C1及び第2接続コンベヤ15上の第2容器C2の撮像と、が繰り返されるように、制御部30が、ロボット22、第1カメラ23、第2カメラ24、第3カメラ25及び第4カメラ26を制御する。これにより、第1接続コンベヤ14及び第2接続コンベヤ15上の第1容器C1及び第2容器C2において物品の移載が実施されている間に、第3接続コンベヤ16及び第4接続コンベヤ17上の第1容器C1及び第2容器C2について画像処理を進行させることができる。同様に、第3接続コンベヤ16及び第4接続コンベヤ17上の第1容器C1及び第2容器C2において物品の移載が実施されている間に、第1接続コンベヤ14及び第2接続コンベヤ15上の第1容器C1及び第2容器C2画像処理を進行させることができる。したがって、稼働率の更なる向上を図ることができる。
【0062】
複数の移載ロボットシステム10を備える自動倉庫システム1によれば、各移載ロボットシステム10に対して、ラック2側の構成を第1容器C1のバッファ及びソータとして機能させることができる。そして、システム内において第2容器C2への物品の移載を完了させ、出庫可能な状態となった第2容器C2をシステムから効率良く出庫することができる。
【0063】
自動倉庫システム1では、制御部30が、入庫予定の第1容器C1である入庫予定容器が各ラック2に入庫される場合に、当該入庫予定容器に収容されている物品と同種の物品が収容されている第1容器C1の保管状況に基づいて、各ラック2の複数段の棚2aから1段の棚2aを選択し、当該1段の棚2aに当該入庫予定容器を入庫するように入庫装置3を制御する。これにより、同種の物品が収容されている第1容器C1が1段の棚2aに集中して保管されるのを防止することができる。したがって、同種の物品が収容されている第1容器C1を各移載ロボットシステム10に効率良く搬送することができる。
【0064】
自動倉庫システム1では、制御部30が、移載ロボットシステム10において出庫可能な状態となった第2容器C2である移載完了容器が各ラック2に搬送される場合に、出庫可能な状態となっている第2容器C2の保管状況に基づいて、各ラック2の複数段の棚2aから1段の棚2aを選択し、当該1段の棚2aに当該移載完了容器を搬送するように第3搬送装置9を制御する。これにより、出庫可能な状態となっている第2容器C2が1段の棚2aに集中して保管されるのを防止することができる。したがって、出庫可能な状態となっている第2容器C2を効率良く出庫することができる。
【0065】
自動倉庫システム1では、制御部30が、移載ロボットシステム10において出庫可能な状態とならなかった第2容器C2である移載未完了容器が各ラック2に搬送される場合に、当該移載未完了容器に収容すべき物品と同種の物品が収容されている第1容器C1の保管状況に基づいて、各ラック2の複数段の棚2aから1段の棚2aを選択し、当該1段の棚2aに当該移載未完了容器を搬送するように第3搬送装置9を制御する。これにより、移載未完了容器、及び当該移載未完了容器に収容すべき物品と同種の物品が収容されている第1容器C1が、1段の棚2aに集中して保管されるのを防止することができる。したがって、移載未完了容器、及び当該移載未完了容器に収容すべき物品と同種の物品が収容されている第1容器C1を、移載ロボットシステム10に効率良く搬送することができる。
[変形例]
【0066】
本発明は、上記実施形態に限定されない。例えば、上記移載ロボットシステム10では、第1接続コンベヤ14上の第1容器C1から第2接続コンベヤ15上の第2容器C2に物品を移載し、第3接続コンベヤ16上の第1容器C1から第4接続コンベヤ17上の第2容器C2に物品を移載するという運用が実施されたが、第1接続コンベヤ14上の第1容器C1から第2接続コンベヤ15上の第2容器C2又は第4接続コンベヤ17上の第2容器C2に物品を選択的に移載し、第3接続コンベヤ16上の第1容器C1から第2接続コンベヤ15上の第2容器C2又は第4接続コンベヤ17上の第2容器C2に物品を選択的に移載するという運用が実施されてもよい。
【0067】
その場合、制御部30は、ロボット22が第1接続コンベヤ14上の第1容器C1から第2接続コンベヤ15上の第2容器C2及び第4接続コンベヤ17上の第2容器C2の少なくとも1つに物品を移載している間に、第3接続コンベヤ16上の第1容器C1を撮像するように第2カメラ24を制御し、ロボット22が第3接続コンベヤ16上の第1容器C1から第2接続コンベヤ15上の第2容器C2及び第4接続コンベヤ17上の第2容器C2の少なくとも1つに物品を移載している間に、第1接続コンベヤ14上の第1容器C1を撮像するように第1カメラ23を制御してもよい。これにより、第1接続コンベヤ14上の第1容器C1及び第3接続コンベヤ16上の第1容器C1の一方からの物品の移載が実施されている間に、第1接続コンベヤ14上の第1容器C1及び第3接続コンベヤ16上の第1容器C1の他方について物品を取る位置の認識を進行させることができるため、稼働率の更なる向上を図ることができる。
【0068】
上記実施形態では、第1接続コンベヤ14及び第2接続コンベヤ15の対、並びに、第3接続コンベヤ16及び第4接続コンベヤ17の対というように、2対の接続コンベヤが設けられていたが、1対の接続コンベヤのみが設けられていてもよいし、或いは、3対以上の接続コンベヤが設けられていてもよい。
【0069】
第2接続コンベヤ15及び第4接続コンベヤ17のそれぞれの長さは、第1接続コンベヤ14及び第3接続コンベヤ16のそれぞれの長さよりも短くてもよいし、或いは、長くてもよい。つまり、第2搬送コンベヤ12と第3搬送コンベヤ13との間の距離は、第1搬送コンベヤ11と第3搬送コンベヤ13との間の距離よりも短くてもよいし、或いは、長くてもよい。
【0070】
ロボット22は、水平移動機構を有していてもよい。ロボット22は、支持部材21に水平移動可能に支持されていてもよい。ロボット22は、移載領域Rの上方において、天井から吊り下げられていてもよい。1つの移載ロボットシステム10に複数のロボット22が設けられていてもよい。
【0071】
制御部30は、物理的に離れた複数のコントローラによって構成されていてもよい。例えば、制御部30は、自動倉庫システム1の各部を制御するローカルコントローラ、及び自動倉庫システム1の全体を制御する上位コントローラによって、構成されていてもよい。
【0072】
自動倉庫システム1では、複数段の棚2aのうち例えば3段の棚2aごとに少なくとも1台の搬送車5が設けられていてもよい。その場合、搬送車5は、例えば、リフタを備える等、3段の棚2aのそれぞれに対して容器の移載を行うことができるように構成される。このように、自動倉庫システム1では、複数段の棚2aのうち1段の棚2aごとに又は複数段の棚2aごとに少なくとも1台の搬送車5が設けられていればよい。
【0073】
自動倉庫システム1では、入庫装置3が入庫専用の装置として機能し、出庫装置4が出庫専用の装置として機能したが、入庫装置3及び出庫装置4は、複数段の棚2aに容器を入庫し且つ複数段の棚2aから容器を出庫する入出庫装置として構成されていてもよい。
【0074】
移載ロボットシステム10は、ラックと、スタッカクレーンと、を備える自動倉庫システム等に適用されてもよい。
【符号の説明】
【0075】
1…自動倉庫システム、2…ラック、2a…棚、3…入庫装置(入出庫装置)、4…出庫装置(入出庫装置)、5…搬送車、7…第1搬送装置、8…第2搬送装置、9…第3搬送装置、10…移載ロボットシステム、11…第1搬送コンベヤ、12…第2搬送コンベヤ、13…第3搬送コンベヤ、14…第1接続コンベヤ、15…第2接続コンベヤ、16…第3接続コンベヤ、17…第4接続コンベヤ、21…支持部材、22…ロボット、23…第1カメラ、24…第2カメラ、30…制御部、C1…第1容器、C2…第2容器、R…移載領域。