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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】印刷装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/13 20060101AFI20221129BHJP
   B41J 3/36 20060101ALI20221129BHJP
   H05K 5/03 20060101ALI20221129BHJP
【FI】
B41J29/13
B41J3/36 T
H05K5/03 A
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018224343
(22)【出願日】2018-11-30
(65)【公開番号】P2020082637
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-11-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104178
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 尚
(72)【発明者】
【氏名】西村 洋平
(72)【発明者】
【氏名】小林 慎治
【審査官】上田 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-009624(JP,A)
【文献】特開2004-032527(JP,A)
【文献】米国特許第04204776(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/13
B41J 3/36
H05K 5/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体筐体と、
前記本体筐体に設けられ、前記本体筐体の一の外周面と平行な収容面と、ユニットを固定可能な固定部とを有する装着部と、
前記装着部を閉塞又は開放可能に覆うカバー部材と
を備えた印刷装置であって、
前記装着部は、
前記収容面に設けられ、前記固定部に固定された前記ユニットと電気的に接続される接続部と、
前記収容面に設けられ、電池を収容する電池収容部と
を有し、
前記カバー部材は、
前記収容面に平行な第一方向に延びる第一カバー部と、
前記第一カバー部から、前記収容面に平行な方向であり且つ前記第一方向と交差する第二方向に延出し、前記収容面と対向して前記接続部及び前記電池収容部を覆う第二カバー部と、
前記第一カバー部から前記第一方向及び前記第二方向と交差する第三方向に延出する第三カバー部と
を有する
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記第二カバー部は、前記電池収容部に収容された前記電池を押える押え部を有し、
前記電池は、前記押え部により押えられることにより、前記電池収容部からの脱離が抑制される
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記電池収容部は、ボタン電池を収容可能であることを特徴とする請求項1又は2の何れかに記載の印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載のカッタ付プリンタは、ラベルプリンタと、ラベルプリンタに着脱自在なカッタユニットとを備える。ラベルプリンタは、底面に矩形開口が形成された下部ハウジングを有する。下部ハウジングには、着脱可能な着脱カバーが設けられる。着脱カバーは、矩形開口を開閉可能である。ラベルプリンタは、矩形開口内に装置側コネクタを備える。カッタユニットは、本体ハウジングから外方に引き出されるカッタ側コネクタを備える。カッタ側コネクタは装置側コネクタに接続され、ラベルプリンタとカッタユニットは電気的に接続される。
【0003】
特許文献2に記載の印刷装置は、本体ケース、バッテリ、バッテリカバーを備える。本体ケースはバッテリ収容部を有する。バッテリは、バッテリ収容部に収容される。バッテリカバーは、閉位置と開位置との間を回動可能に本体ケースに設けられる。バッテリカバーが閉位置にある場合、バッテリ収容部に収容されたバッテリはバッテリカバーによって保持される。バッテリカバーが開位置にある場合、バッテリはバッテリ収容部に対して着脱可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平5-208531号公報
【文献】特開2017-217851号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のようにカッタユニットを着脱可能であって、且つ、特許文献2に記載のようにバッテリを内蔵する印刷装置がある。このような印刷装置では、カッタユニットと電気的に接続する装置側コネクタを覆う着脱カバーと、バッテリ収容部に収容されるバッテリを覆うバッテリカバーとの両方が必要であった。
【0006】
本発明の目的は、接続部と電池の両方を、共通のカバーで覆うことができる印刷装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る印刷装置は、ユニットを着脱可能に装着する装着部と、前記装着部を閉塞又は開放可能に覆うカバー部材とを備えた印刷装置であって、前記装着部は、前記ユニットと電気的に接続される接続部と、電池を収容する電池収容部とを有することを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、印刷装置は、接続部と電池収容部に収容された電池の両方を、共通のカバー部材で覆うことができる。
【0009】
本発明において、前記カバー部材は、前記装着部を閉塞した状態で、前記電池収容部に収容された前記電池を押える押え部を有し、前記電池は、前記押え部により押えられることにより、前記電池収容部からの脱離が抑制されてもよい。電池の脱離を抑制するために押え部が印刷装置に設けられる場合がある。押え部とカバー部材とが別体で設けられた場合、ユーザは電池の交換の際、カバー部材と押え部の両方を外す必要がある。本態様の印刷装置ではカバー部材を外すだけで電池を着脱可能となるので、電池の交換作業を簡略化できる。
【0010】
本発明において、前記印刷装置は、略箱形状の筐体と、前記筐体に設けられ、印刷媒体を排出する排出口とを更に備え、前記装着部は、前記排出口の下方の近傍に設けられ、前記カバー部材は、前記排出口から排出される前記印刷媒体の幅方向と同一方向の第一方向に延び、前記筐体のうち底面の少なくとも一部を構成する第一カバー部と、前記第一カバー部の前記第一方向の両端部から前記排出口に向けて延び、前記筐体のうち前記第一方向に対向する一対の側面の夫々の少なくとも一部を構成する一対の第二カバー部とを備えてもよい。この場合、カバー部材は、筐体の一部を構成するので、ユーザから見て違和感なく装着部を閉塞することができ、印刷装置の美観を向上させることができる。
【0011】
本発明において、前記装着部は、前記ユニットを支持する支持部を有してもよい。この場合、ユニットを支持する支持部がカバー部材により覆われるので、印刷装置の美観を向上させることができる。
【0012】
本発明において、前記電池収容部は、ボタン電池を収容可能であってもよい。この場合、電池収容部は小型のボタン電池を収容するので、電池収容部及び装着部を小型化できる。また、ボタン電池が搭載されることで、例えばリアルタイムクロック等、印刷等の主要動作に必要な電源から切り離されても動作を継続する機能を印刷装置に付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】オプションユニット30が取り付けられた状態の印刷装置1の上方から見た斜視図である。
図2】オプションユニット30が取り付けられた状態の印刷装置1の下方から見た斜視図である。
図3】オプションユニット30が取り付けられた状態の印刷装置1の縦断面図である。
図4図2に示す印刷装置1の下方から見た分解斜視図である。
図5図4に示す装着部113周囲の部分拡大図である。
図6】オプションユニット30の後方から見た斜視図である。
図7】カバー部材41の後方から見た斜視図である。
図8】装着部113によりオプションユニット30及びカバー部材41が支持された状態を示す印刷装置1の要部断面図である。
図9】目隠し板71が取り付けられた状態の印刷装置1の上方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図1の右斜め下方向、左斜め上方向、右斜め上方向、左斜め下方向、上方向、及び下方向を各々印刷装置1の右方、左方、後方、前方、上方、及び下方とする。
【0015】
印刷装置1は、印刷媒体に印刷可能に構成された印刷装置である。印刷媒体は、例えば、感熱ラベルである。印刷装置1は、例えばパーソナルコンピュータ等の外部端末(図示外)と接続可能である。印刷装置1は、外部端末から受信した印刷データに基づいて、印刷媒体に文字、図形等のキャラクタを印刷可能である。
【0016】
<印刷装置1の外部構造の概略>
図1及び図2に示すように、印刷装置1は本体筐体10を備える。本体筐体10は、前後方向に長い略箱形状である。本体筐体10は、例えば樹脂材料で成形される。本体筐体10の前端部には、オプションユニット30(例えば、カッタユニット)が装着される。オプションユニット30は、前端部の上側にユニット排出口32を備える。ユニット排出口32は左右方向に延びるスリットである。ユニット排出口32は、印刷装置1の内部で印刷された印刷媒体を印刷装置1の外部に排出可能である。
【0017】
本体筐体10は、下部筐体11、上部筐体12を備える。下部筐体11は略直方体の箱状である。下部筐体11は上部が開口している。下部筐体11は本体筐体10の下側部分をなす。下部筐体11は、下部本体110及びカバー部材41を備える。下部本体110は、四本の脚部15、軸部24を備える。
【0018】
四本の脚部15は、下部本体110の底面における右前部、左前部、右後部、左後部に夫々設けられる。四本の脚部15は、下部本体110を下から支持する。軸部24は、下部本体110の後部に左右方向に延びて設けられる。
【0019】
カバー部材41は、下部本体110の前端部に着脱可能に設けられる。カバー部材41は、下部筐体11の前面、底面及び一対の左右側面の一部を構成する。カバー部材41の構造の説明は後述する。
【0020】
上部筐体12は略箱形状である。上部筐体12は下部が開口している。上部筐体12は本体筐体10の上側部分をなす。上部筐体12は、軸部24を中心として回動可能に軸支される。上部筐体12は下部筐体11の開口を開閉可能である。上部筐体12が閉じられた状態において、上部筐体12の上面は前方ほど下側に傾斜している。上部筐体12は、上面に表示部13及び操作部14を備える。操作部14は、印刷装置1に各種指示を入力するために用いられる。
【0021】
<印刷装置1の内部構造の概略>
図3に示すように、下部本体110は、プラテンローラ51、下部本体カバー111及びロール収容部112を備える。下部本体カバー111の後部は、下方に向けて円弧状に湾曲している。図示しないが、印刷装置1は電子回路基板を備える。電子回路基板は下部本体カバー111より下方に設けられる。電気回路基板は印刷装置1の制御を司る。
【0022】
ロール収容部112は、下部本体カバー111によって区画された印刷装置1の内部空間である。ロール収容部112は、ロールMの芯が左右方向に延びる状態で、ロールMを収容可能である。ロールMは、感熱ラベルが貼付された台紙が筒状の芯に巻回されて構成される。プラテンローラ51は、印刷媒体を搬送するための円柱状のローラであり、ユニット排出口32の長手方向である左右方向に沿って設けられる。
【0023】
上部筐体12は、サーマルヘッド52及び上排出部121を備える。サーマルヘッド52は、左右方向に延びる。サーマルヘッド52は、左右方向に沿って並んだ複数の発熱体を有する。サーマルヘッド52は、電子回路基板によって制御され、加熱により印刷媒体である感熱ラベルにキャラクタ等を印刷可能である。
【0024】
上排出部121は、上部筐体12の前端部に設けられる。上排出部121は、左右方向に延びる。上排出部121は、前方ほど上側に傾斜している。上排出部121は、オプションユニット30が取り付けられた状態で、オプションユニット30に設けられたユニット下排出部321と近接して対向する。ユニット下排出部321は、前方ほど上側に傾斜している。上排出部121とユニット下排出部321の間に筐体側排出口23が形成される。筐体側排出口23は、ユニット排出口32と連通する。
【0025】
<装着部113>
図4に示すように、下部本体110の前端部には、オプションユニット30を着脱可能に装着する装着部113が設けられる。装着部113は、オプションユニット30を取り付けた状態での筐体側排出口23よりも下方の近傍に設けられる。なお、オプションユニット30を取り外した状態で、プラテンローラ51及び上排出部121は露出する。装着部113は、縦断面視で略階段状に形成される。装着部113は、下収容部114及び固定部115を備える。下収容部114は、装着部113の段部を構成する。下収容部114の詳細な説明は後述する。固定部115は、下部本体110の前面の一部を構成する。
【0026】
固定部115は、一対のガイド部19、一対の筐体側支持片部20、一対の台部21及び一対の筐体側固定ボス22を備える。一対のガイド部19は固定部115の左右両端部に設けられる。一対のガイド部19は、前方が開口した側面視凹形状に形成される。一対のガイド部19は、後述するユニット側支持ボス35の根元部分が嵌め込まれる。一対のガイド部19における夫々の外側の端部には、一対の筐体側支持片部20が設けられる。一対の筐体側支持片部20には、上下方向に貫通する貫通孔201が形成される。一対の筐体側支持片部20は、オプションユニット30を取り付けた状態での筐体側排出口23より下方に設けられる。
【0027】
一対の台部21は、固定部115の左右両端部に設けられる。一対の台部21は、一対の筐体側支持片部20より下方に設けられる。一対の台部21は、略直方体状である。一対の台部21の前面は、下部筐体11の底面に対して垂直である。一対の筐体側固定ボス22は、一対の台部21の底面から下方に突出している。筐体側固定ボス22は、上下方向に延びる略円筒状に形成される。筐体側固定ボス22の中央には、上下方向に延びるネジ孔221が形成される。
【0028】
図5に示すように、下収容部114は、下部本体110の底面に平行な面である収容面114aを備える。収容面114aには、電池収容部17及び本体接続部18が設けられる。
【0029】
電池収容部17は、収容面114aの右側に配置される。電池収容部17は、収容面114aから上方に凹んで形成される。電池収容部17は略円形の開口を有する。電池収容部17はボタン電池の一種であるコイン型電池81を収容可能である。電池収容部17は、負極端子及び正極端子(いずれも図示略)を有する。負極端子は、電池収容部17に形成された略正方形の角穴171から露出する。コイン型電池81は、電池収容部17に収容された場合に負極端子及び正極端子と接触する。コイン型電池81は、印刷装置1のRTC(リアルタイムクロック)機能等の電源に用いられる。
【0030】
本体接続部18は、電池収容部17の左隣に配置される。本体接続部18は、メス型の端子を有するコネクタである。本体接続部18は、収容面114aから下方に突出する。なお、本体接続部18の高さは、下収容部114の上下方向の高さよりも低い。従って、本体接続部18は下収容部114に収容される。
【0031】
装着部113の左右両端部には一対の第一規制リブ25が前方に突出して設けられる。第一規制リブ25は夫々、装着部113の左右の端部に沿って上下方向に延びる。上部筐体12の前下端部における左右両端部には一対の第二規制リブ26が下方に突出して設けられる。第二規制リブ26は夫々、上部筐体12の前下端部における左右の端部から前端部に向けて緩やかに湾曲している。
【0032】
<オプションユニット30>
図6に示すように、オプションユニット30は、ユニット筐体31、ユニット排出口32、ユニット下排出部321、ユニット接続部34、一対のユニット側支持ボス35及び一対のユニット支持リブ36を備える。ユニット筐体31は左右方向に長い略箱形状である。ユニット筐体31の後面の中央部には、ユニット凸部311が後方向に突出して設けられる。ユニット筐体31及びユニット凸部311は左右方向に長い略直方体である。
【0033】
ユニット接続部34は、オス型の端子を有するコネクタである。ユニット接続部34は、ユニット凸部311から外方に延びるハーネス33の先端に設けられる。ユニット接続部34は本体接続部18(図5参照)と接続可能である。本体接続部18とユニット接続部34とが接続された場合、印刷装置1からオプションユニット30に、オプションユニット30の作動に必要な電力が供給される。
【0034】
一対のユニット側支持ボス35は、ユニット凸部311の左右両端部から夫々外側に突出するように設けられる。一対のユニット側支持ボス35は、オプションユニット30の上下方向略中央に設けられる。一対のユニット側支持ボス35の先端部の中央には、上下方向に延びるネジ孔351が形成される。一対のユニット支持リブ36は、ユニット凸部311の底面の左右両端部に設けられる。ユニット支持リブ36は、ユニット凸部311の底面の後端から下方に突出する。
【0035】
<カバー部材41>
図7に示すように、カバー部材41は、第一カバー部42、第二カバー部43及び一対の第三カバー部44を備える。カバー部材41は、例えば樹脂材料で成形される。
【0036】
第一カバー部42は、左右方向に延びる。第一カバー部42の左右方向の長さは、下部筐体11の左右方向の長さと略等しい。第一カバー部42は、緩やかに湾曲する略板状に形成される。第一カバー部42は、前端部から後端部にかけて内周面が次第に上方を向くように湾曲している。第一カバー部42は、左右方向の中央部において、前端部から後方に凹んでいる。第一カバー部42の両端部には、一対のカバー側固定凹部49が設けられる。カバー側固定凹部49の中央には、上下方向に貫通する貫通孔491(図4参照)が形成される。
【0037】
第二カバー部43は、第一カバー部42の後端部から後方に突出して設けられる。第二カバー部43は、左右に延びる。第二カバー部43は、略板状に形成される。第二カバー部43は、第一カバー部42の左右方向の略中央に設けられる。第二カバー部43の後方に突出した長さは、下収容部114(図5参照)の前後方向の長さと略等しい。第一カバー部42及び第二カバー部43は、装着部113(図5参照)における下収容部114を閉塞することができる。
【0038】
一対の第三カバー部44は、第一カバー部42の左右両端部から上方に突出して設けられる。一対の第三カバー部44は、緩やかに湾曲する板状に形成される。右側の第三カバー部44は、前端部から後端部にかけて内周面が次第に左方を向くように湾曲している。左側の第三カバー部44は、前端部から後端部にかけて内周面が次第に右方を向くように湾曲している。第三カバー部44の高さは、下部筐体11(図5参照)の前端部の高さと略等しい。
【0039】
一対の第三カバー部44は、装着部113における一対の筐体側支持片部20及び一対の筐体側固定ボス22を閉塞することができる。また、上部筐体12が下部筐体11を閉じた場合、一対の第三カバー部44は、その上端部が上部筐体12の前下端部によって略隙間なく閉じられる(図1参照)。
【0040】
また、オプションユニット30が取り付けられた状態において、第一カバー部42及び一対の第三カバー部44は、ユニット筐体31の底面及び左右の両側面と近接する。よって、装着部113は、カバー部材41及びオプションユニット30により閉塞される。
【0041】
第二カバー部43は、押え台45及び押え部46を備える。押え台45は、第二カバー部43の右部から上方に突出して設けられる。押え台45は、略直方体に形成される。押え台45の第二カバー部43から突出した高さは、下部筐体11の底面に対して上方に凹んだ下収容部114の凹み量と略等しい。押え部46は、押え台45の上面の中央から上方に突出して設けられる。押え台45は電池収容部17と対応する位置に設けられる。押え部46は、電池収容部17に収容されたコイン型電池81を押えることができる。
【0042】
一対の第三カバー部44は夫々、第一嵌合部47及び第二嵌合部48を備える。第一嵌合部47は、第三カバー部44の上端部に設けられる。第一嵌合部47は、一対の第三カバー部44の左右端部の内周面に設けられる。第一嵌合部47は、第一規制リブ25及び第二規制リブ26と嵌合可能である。第一嵌合部47が第一規制リブ25及び第二規制リブ26に嵌合された場合、カバー部材41は、第一規制リブ25により左右方向の動きが、第二規制リブ26により前後方向の動きが規制される。
【0043】
第二嵌合部48は、第三カバー部44における上下方向の中央部に設けられる。第二嵌合部48は、一対の第三カバー部44の左右端部の内周面に設けられる。第二嵌合部48は、第一規制リブ25と嵌合可能である。第二嵌合部48が第一規制リブ25に嵌合された場合、カバー部材41は、第一規制リブ25により左右方向の動きが規制される。
【0044】
<装着部113による固定・支持方法>
オプションユニット30及びカバー部材41は、装着部113に固定される。ユーザによる固定作業は、下部本体110の底面をユーザ側に向けた状態で行われる。オプションユニット30及びカバー部材41が夫々取り外された状態から、オプションユニット30が先に装着部113に固定される。
【0045】
オプションユニット30の一対のユニット側支持ボス35(図6参照)は、ガイド部19(図4参照)に案内されて一対の筐体側支持片部20(図4参照)の上側に配置される。このとき、図8に示すように、一対の筐体側支持片部20の貫通孔201と、一対のユニット側支持ボス35のネジ孔351とは連通する。このとき、ユニット側支持ボス35の根元部分がガイド部19に嵌め込まれて、オプションユニット30は、装着部113に仮保持された状態となる。ユニット固定ネジ61のネジ部は、一対の筐体側支持片部20の貫通孔201を通して一対のユニット側支持ボス35のネジ孔351にネジ締めされる。このように、オプションユニット30は、装着部113に固定される。ユニット支持リブ36の後面は、台部21の前面と対向する。
【0046】
次いで、カバー部材41が装着部113に固定される。第一嵌合部47を第一規制リブ25及び第二規制リブ26に嵌合させ、第二嵌合部48を第一規制リブ25に嵌合させる。一対のカバー側固定凹部49の貫通孔491と、一対の筐体側固定ボス22のネジ孔221とは連通する。カバー固定ネジ62のネジ部は、一対のカバー側固定凹部49の貫通孔491を通して一対の筐体側固定ボス22のネジ孔221にネジ締めされる。このように、カバー部材41は、装着部113に固定される。
【0047】
オプションユニット30及びカバー部材41が装着部113に固定された状態で、第一カバー部42は、ユニット支持リブ36とユニット筐体31との前後方向の隙間に下側から進入する。第一カバー部42の上端部は、ユニット凸部311の底面と当接又は近接する。オプションユニット30は、上部筐体12の上面がユーザ側に向けて配置された場合、装着部113の一対の筐体側支持片部20によって支持される。また、ユニット支持リブ36は、台部21及び第一カバー部42により前後方向への移動が規制される。
【0048】
<本実施形態の主たる作用、効果
刷装置1は、装着部113を備える。オプションユニット30は、装着部113にて印刷装置1に着脱可能に装着される。オプションユニット30はユニット接続部34を備える。印刷装置1の下部筐体11には、ユニット接続部34と接続可能な本体接続部18が設けられる。また、印刷装置1は電池を収容可能な電池収容部17を備える。このとき、従来の印刷装置では、本体接続部18と電池収容部17の夫々を覆うための2つのカバーが必要であった。
【0049】
れに対し、印刷装置1では、本体接続部18及び電池収容部17を有する装着部113を覆うカバー部材41が設けられる。よって、印刷装置1は、本体接続部18及び電池収容部17に収容された電池の両方を覆うことができる。
【0050】
れにより、本体接続部18及び電池収容部17が装着部113にまとめられているので、ユーザは操作する箇所を把握し易い。また、同様の理由により、省スペース化することができ、本体筐体10を小型化することができる。
【0051】
た、電池の脱離を抑制するために押え部が印刷装置に設けられる場合がある。押え部とカバー部材とが別体で設けられた場合、ユーザは電池の交換の際、カバー部材と押え部の両方を外す必要がある。印刷装置1では、カバー部材41は押え部46を備える。カバー部材41が下部筐体11に取り付けられた状態で、押え部46は電池収容部17に収容された電池を押える。従って、カバー部材41を外すだけで電池を着脱可能となるので、電池の交換作業を簡略化できる。
【0052】
た、印刷装置1は、略箱形状の本体筐体10と、本体筐体10に設けられ、印刷媒体を排出する筐体側排出口23を備える。装着部113は、筐体側排出口23の下方の近傍に設けられる。カバー部材41は、印刷媒体の幅方向である左右方向に延びる第一カバー部42及び第二カバー部43を備える。カバー部材41が下部筐体11に取り付けられた状態で、第一カバー部42及び第二カバー部43は、下部筐体11の底面の少なくともの一部を構成する。更に、カバー部材41は、第一カバー部42の左右両端部から筐体側排出口23に向かって延びる一対の第三カバー部44を備える。カバー部材41が下部筐体11に取り付けられた状態で、一対の第三カバー部44は、下部本体110の一対の側面の少なくともの一部を構成する。従って、カバー部材41は、ユーザから見て違和感なく装着部113を閉塞することができる。これにより、印刷装置1の美観を向上させることができる。
【0053】
た、装着部113には、オプションユニット30を支持可能な筐体側支持片部20が設けられる。カバー部材41が下部本体110に取り付けられた状態で、筐体側支持片部20はカバー部材41により覆われる。これにより、印刷装置1の美観を向上させることができる。
【0054】
た、電池収容部17に収容される電池はコイン型電池81である。これにより、電池収容部17及び装着部113を小型化できる。また、印刷等の主要動作に必要な電源から切り離されても動作を継続する機能、例えばRTC等を印刷装置1に付与することができる。
【0055】
また、一対のユニット側支持ボス35は、オプションユニット30の上下方向略中央に設けられる。このため、オプションユニット30が装着部113に装着されると、オプションユニット30は、印刷装置1における主要な機構部品であるプラテンローラ51及びサーマルヘッド52の近傍位置で支持される。これにより、オプションユニット30は印刷装置1に安定した姿勢で支持されると共に、プラテンローラ51及びサーマルヘッド52に対するオプションユニット30の取付誤差を小さくすることができる。よって、オプションユニット30が例えばカッタユニットである場合、印刷装置1で印刷された印刷媒体は、切断位置のずれ等の誤差が抑制されて良好に切断される。
【0056】
また、ユニット固定ネジ61及びカバー固定ネジ62は、下方から上方に向かう方向である同一方向にネジ締めする構成である。それに加えて、ユニット固定ネジ61及びカバー固定ネジ62は、互いの距離が近い位置に設定され配置されている。これにより、ユーザは、ユニット固定ネジ61及びカバー固定ネジ62の、締め付け及び取り外しの作業が容易にできる。
【0057】
また、ユーザがユニット固定ネジ61を締め付ける際、オプションユニット30は、ユニット側支持ボス35の根元部分がガイド部19に嵌め込まれて、装着部113に仮保持された状態である。これにより、ユーザは、ユニット固定ネジ61の締め付け作業を容易にできる。
【0058】
<変形例>
本発明は、上記実施形態に限定されず、種々の変更が可能である。上記実施形態は、諸所の機能を付与するオプションユニット30を印刷装置1に装着した場合であるが、機能を有さないユニットを印刷装置1に装着してもよい。
【0059】
図9に示すように、目隠し板71を印刷装置1に装着してもよい。この場合、上排出部121は、目隠し板71が取り付けられた状態で、下排出部72と近接して対向する。下排出部72は、前方ほど上側に傾斜している。上排出部121と下排出部72の間に排出口73が形成される。排出口73は、印刷装置1の内部で印刷された後述のテープを印刷装置1の外部に排出可能である。
【0060】
装着部113は、カバー部材41及び目隠し板71により覆われる。従って、装着部113はユーザから目視不可能である。また、カバー部材41の前端部は、目隠し板71と略連続である。よって、目隠し板71を印刷装置1に装着した場合においても、印刷装置1の美観を向上させることができる。
【0061】
上記実施形態では、装着部113は、下部本体110の前端部に設けられたが、その他の部位に設けてもよい。また、電池収容部17及び本体接続部18は、下収容部114における下部筐体11の底面と平行な面に設けられたがその他の部位に設けてもよい。また、電池収容部17に収容される電池はコイン型電池81以外でもよい。
【0062】
<その他>
本体接続部18は本発明の「接続部」の一例である。本体筐体10は本発明の「筐体」の一例である。筐体側排出口23は本発明の「排出口」の一例である。左右方向は本発明の「第一方向」の一例である。第一カバー部42は本発明の「第一カバー部材」の一例である。第三カバー部44は「第二カバー部材」の一例である。ガイド部19及び筐体側支持片部20は本発明の「支持部」の一例である。コイン型電池81は本発明の「ボタン電池」の一例である。
【符号の説明】
【0063】
1 印刷装置
17 電池収容部
18 本体接続部
30 オプションユニット
34 ユニット接続部
41 カバー部材
113 装着部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9