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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   B60L 3/00 20190101AFI20221129BHJP
   H01M 8/04313 20160101ALI20221129BHJP
   H01M 8/04 20160101ALI20221129BHJP
   H01M 8/00 20160101ALI20221129BHJP
   B60L 50/70 20190101ALI20221129BHJP
   H01M 8/10 20160101ALI20221129BHJP
【FI】
B60L3/00 N
H01M8/04313
H01M8/04 Z
H01M8/00 Z
B60L50/70
H01M8/10 101
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018229099
(22)【出願日】2018-12-06
(65)【公開番号】P2020092537
(43)【公開日】2020-06-11
【審査請求日】2021-03-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】壷阪 健二
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 貴彦
(72)【発明者】
【氏名】手嶋 公彦
(72)【発明者】
【氏名】井上 俊二
(72)【発明者】
【氏名】鬼頭 孝典
【審査官】清水 康
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-004588(JP,A)
【文献】特開2012-250652(JP,A)
【文献】特開2007-209063(JP,A)
【文献】特開2003-166868(JP,A)
【文献】特開2006-226511(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0021726(US,A1)
【文献】特開2015-160570(JP,A)
【文献】特開2017-161533(JP,A)
【文献】特開2005-009381(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 1/00 - 3/12
B60L 7/00 - 13/00
B60L 15/00 - 58/40
H01M 8/00 - 8/2495
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池と、前記燃料電池に供給する燃料ガスを収容する収容部と、前記収容部内の燃料ガスの量を測定することができる残量測定部と、を有する移動体に設けられ、情報を表示できる表示装置であって、
情報を表示する表示部と、
前記表示部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記残量測定部から得られる情報に基づいて、前記収容部に収容されている燃料ガスの量を、前記表示部に表示することができ、
前記移動体は、さらに、前記収容部に外部から燃料ガスが充填されるのに要した時間を積算することができる時間積算部を備え、
前記制御部は、前記時間積算部から取得される前記時間の積算値を、前記表示部に表示することができる、表示装置。
【請求項2】
請求項1記載の表示装置であって、
前記制御部は、
前記残量測定部から得られる情報に基づいて、前記収容部に収容されている燃料ガスの量に応じた前記収容部の画像を、前記表示部に表示することができ、
前記収容部に収容されている燃料ガスの量を表す数値を、前記収容部の前記画像に重ねて表示することができる、表示装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の表示装置であって、
前記制御部は、前記残量測定部から得られる情報に基づいて、単位時間あたりに前記収容部から送出される燃料ガスの量を、前記表示部に表示することができる、表示装置。
【請求項4】
請求項3記載の表示装置であって、
前記移動体は、さらに、前記移動体の移動量を測定することができる移動量測定部を備え、
前記制御部は、
前記残量測定部から得られる情報に基づいて計算される、単位時間あたりに前記収容部から送出された燃料ガスの量であって、第1の時間区間における単位時間あたりに前記収容部から送出された燃料ガスの量と、
前記移動量測定部から得られる情報に基づいて計算される、単位時間当たりの前記移動体の移動量であって、前記第1の時間区間と少なくとも一部が重なる第2の時間区間における単位時間当たりの前記移動体の移動量と、に基づいて、
単位量の燃料ガスあたりの前記移動体の移動量を、前記表示部に表示することができる、表示装置。
【請求項5】
請求項4記載の表示装置であって、
前記移動体は、さらに、前記移動体に積載されている積載物の重量を測定することができる積載量測定部を備え、
前記制御部は、前記積載量測定部から取得される前記積載物の重量と、前記残量測定部から得られる情報に基づいて計算される前記収容部に収容されている燃料ガスの量と、前記単位量の燃料ガスあたりの前記移動体の移動量と、に基づいて、前記収容部に収容されている燃料ガスによって移動可能な距離を、前記表示部に表示することができる、表示装置。
【請求項6】
請求項3から5のいずれか1項に記載の表示装置であって、
前記制御部は、前記燃料電池の画像と、前記燃料電池に送出される燃料ガスの画像と、前記燃料電池に送出される酸化ガスの画像と、を前記表示部に表示することができ、
前記燃料電池に送出される前記燃料ガスの画像は、単位時間あたりに前記収容部から送出される燃料ガスの量に応じて表示される、表示装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の表示装置であって、
前記制御部は、前記外部から充填された燃料ガスに対応する電力量を蓄電池に充電した場合に要したはずの充電時間を前記表示部に表示することができる、表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、燃料電池を有する移動体の表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、燃料電池車両に設けられた水素残量表示装置において、航続可能距離と、空間部水素ガス残量と、材料部水素残量と、に基づき所定の表示をする技術が存在する。材料部水素残量表示の右側には、水素貯蔵タンクの供給下限圧力が表示される(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-106817号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、燃料電池を有する移動体に特有のパラメータをユーザに分かりやすく伝える技術について、なお改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
【0006】
(1)本開示の一形態によれば、燃料電池と、前記燃料電池に供給する燃料ガスを収容する収容部と、前記収容部内の燃料ガスの量を測定することができる残量測定部と、を有する移動体に設けられ、情報を表示できる表示装置が提供される。この表示装置は、情報を表示する表示部と、前記表示部を制御する制御部と、を備える。前記制御部は、前記残量測定部から得られる情報に基づいて、前記収容部に収容されている燃料ガスの量を、前記表示部に表示することができる。
このような態様とすれば、燃料電池を有する移動体特有のパラメータである、収容部に収容されている燃料ガスの量を、ユーザに分かりやすく伝えることができる。
(2)上記形態の表示装置において、前記制御部は、前記残量測定部から得られる情報に基づいて、前記収容部に収容されている燃料ガスの量に応じた前記収容部の画像を、前記表示部に表示することができ、前記収容部に収容されている燃料ガスの量を表す数値を、前記収容部の前記画像に重ねて表示することができる、態様とすることができる。
このような態様とすれば、収容部に収容されている燃料ガスの量を、ユーザが直感的に把握できるように、ユーザに伝えることができる。
(3)上記形態の表示装置において、前記制御部は、前記残量測定部から得られる情報に基づいて、単位時間あたりに前記収容部から送出される燃料ガスの量を、前記表示部に表示することができる、態様とすることができる。
このような態様とすれば、燃料電池を有する移動体特有のパラメータである、単位時間あたりに前記収容部から送出される燃料ガスの量を、ユーザに伝えることができる。
(4)上記形態の表示装置において、前記移動体は、さらに、前記移動体の移動量を測定することができる移動量測定部を備えることができる。前記制御部は、前記残量測定部から得られる情報に基づいて計算される、単位時間あたりに前記収容部から送出された燃料ガスの量であって、第1の時間区間における単位時間あたりに前記収容部から送出された燃料ガスの量と、前記移動量測定部から得られる情報に基づいて計算される、単位時間当たりの前記移動体の移動量であって、前記第1の時間区間と少なくとも一部が重なる第2の時間区間における単位時間当たりの前記移動体の移動量と、に基づいて、単位量の燃料ガスあたりの前記移動体の移動量を、前記表示部に表示することができる、態様とすることができる。
このような態様とすれば、燃料電池を有する移動体特有のパラメータである、単位量の燃料ガスあたりの前記移動体の移動量を、ユーザに伝えることができる。
(5)上記形態の表示装置において、前記移動体は、さらに、前記移動体に積載されている積載物の重量を測定することができる積載量測定部を備えことができる。前記制御部は、前記積載量測定部から取得される前記積載物の重量と、前記残量測定部から得られる情報に基づいて計算される前記収容部に収容されている燃料ガスの量と、前記単位量の燃料ガスあたりの前記移動体の移動量と、に基づいて、前記収容部に収容されている燃料ガスによって移動可能な距離を、前記表示部に表示することができる、態様とすることができる。
このような態様とすれば、収容部に収容されている燃料ガスによって移動可能な距離を、ユーザに伝えることができる。
(6)上記形態の表示装置において、前記制御部は、前記燃料電池の画像と、前記燃料電池に送出される燃料ガスの画像と、前記燃料電池に送出される酸化ガスの画像と、を前記表示部に表示することができ、前記燃料電池に送出される前記燃料ガスの画像は、単位時間あたりに前記収容部から送出される燃料ガスの量に応じて表示される、態様とすることができる。
このような態様とすれば、燃料電池の発電状態を、ユーザに伝えることができる。
(7)上記形態の表示装置において、前記移動体は、さらに、前記収容部に外部から燃料ガスが充填されるのに要した時間を積算することができる時間積算部を備えることができる。前記制御部は、前記時間積算部から取得される前記時間の積算値を、前記表示部に表示することができる、態様とすることができる。
このような態様とすれば、収容部に燃料ガスが充填されるのに要した時間の積算値を、ユーザに伝えることができる。
【0007】
本開示は、表示装置以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、情報の表示方法、表示装置の制御方法、それらの制御方法を実現するコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した一時的でない記録媒体等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態における燃料電池車両20の概略構成を示す説明図である。
図2】表示パネル91に表示される表示D92を示す図である。
図3】表示パネル91に表示される表示D93を示す図である。
図4】表示パネル91に表示される表示D94を示す図である。
図5】車両20の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
A.第1実施形態:
A1.燃料電池車両の構成:
図1は、第1実施形態における燃料電池車両20の概略構成を示す説明図である。燃料電池車両20は、燃料電池システム30と、電動機40と、摩擦ブレーキ50と、車速検出部60と、重量センサ65と、アクセルペダル70と、ブレーキペダル80と、表示装置90と、標章92と、発光部94と、通信部95と、車両制御部500と、を備えている。以下、燃料電池車両20を単に「車両20」とも表記する。
【0010】
燃料電池システム30は、燃料ガスと酸化ガスの電気化学反応により、発電を行う。生成された電力は、電動機40に供給され、車両を移動させる駆動力となる。燃料電池システム30は、燃料電池100と、水素給排系200と、空気給排系300と、電力供給系400とを備えている。
【0011】
燃料電池100は、固体高分子系の燃料電池である。燃料電池100は、燃料ガスと酸化ガスを供給されて、それらの電気化学反応による発電を行う。燃料ガスとしては、水素ガスが用いられる。酸化ガスとしては、空気が用いられる。燃料電池100には、出力電圧を測定する電圧センサSv、および出力電流を測定する電流センサSiが設けられている。
【0012】
水素給排系200は、燃料ガスとしての水素ガスを燃料電池100に供給する。水素給排系200は、燃料電池100から排出された反応後の燃料ガスを、外部に排出し、または、再度、燃料電池100に供給する。水素給排系200は、水素供給部210と、水素循環部220と、水素排出部230とを備えている。
【0013】
水素供給部210は、燃料ガスとしての水素ガスを燃料電池100に供給する。水素供給部210は、水素タンク211と、水素供給流路212と、主止弁213と、減圧弁214と、インジェクタ215と、水素受領流路216と、蓋部217と、を備えている(図1の右上部参照)。
【0014】
水素タンク211は、燃料電池100に供給するための水素ガスを高圧の状態で収容している。水素供給流路212は、水素タンク211と燃料電池100のアノード流路とを接続する流路である。水素供給流路212には、上流側から順に、主止弁213と、減圧弁214と、インジェクタ215とが設けられている。主止弁213が開弁されることによって、水素タンク211に貯蔵された高圧の水素ガスが、水素供給流路212へと流れる。高圧の水素ガスは、減圧弁214によって所定の圧力まで減圧された後、燃料電池100の発電要求に応じてインジェクタ215から燃料電池100へと供給される。
【0015】
水素タンク211には、温度センサStが設けられている。温度センサStは、水素タンク211内の水素ガスの温度を検出することができる。また、水素供給流路212のうち、主止弁213に対して水素タンク211側の流路には、圧力センサSpが設けられている。圧力センサSpは、水素タンク211内の水素ガスの圧力を検出することができる。
【0016】
水素受領流路216は、燃料電池車両20の外部と水素タンク211とを接続する流路である。水素受領流路216は、外部から供給される燃料ガスとしての水素ガスを、燃料電池100に供給する。水素受領流路216には、逆止弁が設けられており、燃料電池車両20の外部から水素タンク211に向かう方向についてのみ、水素ガスが流通する。水素受領流路216の開口端には、蓋部217が設けられている。蓋部217は、水素受領流路216の開口端を閉じる蓋である。蓋部217の開閉は、開閉センサ218によって検知される。
【0017】
水素循環部220は、燃料電池100から排出された反応後の燃料ガスを、再び燃料電池100に供給する。水素循環部220は、水素循環流路221と、水素循環ポンプ222とを備えている。水素循環流路221は、燃料電池100のアノード流路と、水素供給流路212のうちのインジェクタ215よりも下流側の流路とを接続する流路である(図1の中央部参照)。水素循環流路221には、水素循環ポンプ222が設けられている。燃料電池100から排出されたアノードオフガスに含まれる未消費の水素ガスは、水素循環ポンプ222によって、水素循環流路221、水素供給流路212、および燃料電池100を循環する。
【0018】
水素排出部230は、燃料電池100から排出された反応後の燃料ガス、いわゆるアノードオフガスを、外部に排出する。水素排出部230は、水素排出流路231と、排気排水弁232とを備えている(図1の中央下部参照)。水素排出流路231は、水素循環流路221における燃料電池100と水素循環ポンプ222との間の流路と、後述する空気排出流路321とを接続する流路である。水素排出流路231には、排気排水弁232が設けられている。排気排水弁232が開弁されることによって、アノードオフガスが、空気排出流路321を介して大気へと排出される。
【0019】
空気給排系300は、酸化ガスとしての空気を燃料電池100に供給する。空気給排系300は、燃料電池100から排出された反応後の酸化ガスを、外部に排出する。空気給排系300は、空気供給部310と、空気排出部320とを備えている(図1の下部参照)。
【0020】
空気供給部310は、空気導入流路311と、エアフローメータSaと、エアコンプレッサ313と、分流弁314と、空気供給流路315と、空気バイパス流路316とを備えている(図1の左下部参照)。
【0021】
空気導入流路311は、大気に連通する流路であり、分流弁314を介して空気供給流路315と空気バイパス流路316とに接続されている。空気導入流路311には、上流側から順に、エアフローメータSaと、エアコンプレッサ313と、分流弁314とが設けられている。エアフローメータSaは、空気導入流路311に導入された空気の流量を検出するセンサである。エアコンプレッサ313は、空気導入流路311へと空気を導入して、導入した空気を燃料電池100へと圧送するための圧縮機である。分流弁314は、空気供給流へと流れる空気の流量と、空気バイパス流路316へと流れる空気の流量とを、調節可能である。
【0022】
空気供給流路315は、分流弁314と燃料電池100のカソード流路とを接続する流路である。空気バイパス流路316は、分流弁314と後述する空気排出流路321とを接続する流路である。尚、空気バイパス流路316は、空気排出流路321に接続されずに、大気に連通してもよい。
【0023】
空気排出部320は、燃料電池100から排出された反応後の酸化ガスを、外部に排出する。空気排出部320は、空気排出流路321と、調圧弁322とを備えている(図1の右下部参照)。空気排出流路321は、燃料電池100のカソード流路に接続され、かつ、大気に連通する流路である。空気排出流路321には、調圧弁322が設けられている。調圧弁322の開度が調節されることによって、燃料電池100のカソード流路内の空気の圧力や、エアコンプレッサ313によって吐出される空気の流量が調節される。
【0024】
空気排出流路321における調圧弁322よりも下流側には、上流側から順に、上述した空気バイパス流路316と、水素排出流路231と、が接続されている。燃料電池100から排出されたカソードオフガスは、空気バイパス流路316から流入した空気や、水素排出流路231から流入したアノードオフガスとともに、空気排出流路321を流れて、大気へと排出される。
【0025】
電力供給系400は、燃料電池100から供給される電力を、電動機40に供給する。より具体的には、燃料電池100によって発電された直流電力は、昇圧された後に、三相交流電力に変換されて、電動機40に供給される。電力供給系400は、燃料電池100から供給される電力を蓄えることができる蓄電装置を含む。
【0026】
電動機40は、燃料電池システム30に含まれる燃料電池100と、電力供給系400に含まれる蓄電装置とから、電力の供給を受けて、燃料電池車両20の車輪FW,RWを駆動し、燃料電池車両20を走行させる(図1の左部参照)。
【0027】
摩擦ブレーキ50は、燃料電池車両20の運動エネルギを摩擦による熱エネルギに変換することによって、燃料電池車両20を減速させる(図1の右上部、右下部、左上部、および左下部参照)。本実施形態の摩擦ブレーキ50は、アクチュエータによって駆動するディスクブレーキである。摩擦ブレーキ50は、前輪FWおよび後輪RWに設けられている。
【0028】
車速検出部60は、燃料電池車両20の車速、すなわち単位時間当たりの移動量を検出する(図1の右上部、右下部、左上部、および左下部参照)。本実施形態の車速検出部60は、車輪速センサによって得られた燃料電池車両20の各車輪の回転速度を用いて車速を検出する。車速検出部60によって検出された車速は、車両制御部500に送信される。車速検出部60は、前輪FWおよび後輪RWに設けられている。
【0029】
重量センサ65は、燃料電池車両20に積載されている積載物の重量を測定することができる(図1の左上部参照)。より具体的には、重量センサ65は、燃料電池車両20の各車輪の回転軸を支持する支持部材の変形量を検出して、積載物の重量を算出する。重量センサ65が利用する支持部材の変形は、弾性変形であってもよく、機構的な変形であってもよい。重量センサ65によって検出された重量は、車両制御部500に送信される。
【0030】
アクセルペダル70は、加速すべき旨の指示をユーザが入力するための入力装置である(図1の右上部参照)。アクセルペダル70の踏み込み量の情報は、車両制御部500に伝達される。車両制御部500は、アクセルペダル70の踏み込み量に応じて燃料電池車両20の各部を制御し、燃料電池車両20を加速させる。
【0031】
ブレーキペダル80は、減速すべき旨の指示をユーザが入力するための入力装置である(図1の右上部参照)。ブレーキペダル80の踏み込み量の情報は、車両制御部500に伝達される。車両制御部500は、ブレーキペダル80の踏み込み量に応じて、摩擦ブレーキ50を含む燃料電池車両20の各部を制御し、燃料電池車両20を減速させる。
【0032】
表示装置90は、車両制御部500に制御されて、燃料電池車両20に乗っているユーザに対して情報を表示する(図1の右下部参照)。また、表示装置90は、ユーザからの入力を受け取る。表示装置90は、燃料電池車両20内の運転席および助手席に向かい合う位置であって、車幅方向の略中央の位置に配されているタッチパネルを備えた表示パネル91を備える。表示パネル91に各種の情報が表示される。表示パネル91に表示される情報については、後に説明する。
【0033】
標章92は、車両20の正面中央に設けられている。標章92は、車両または車両の製造者を表す。この標章92は、さまざまな色で発光することができる。発光部94は、車両20のフロントバンパー上であって、標章92に対して左右下方の位置に、設けられている。発光部94も、さまざまな色で発光することができる。
【0034】
通信部95は、車両制御部500に制御されて、燃料電池車両20に関する情報を、他の車両に送信する(図1の右下部参照)。また、通信部95は、車両制御部500に制御されて、他の車両から、その車両に関する情報を、受信する。通信部95によって送受信される情報については、後に説明する。
【0035】
車両制御部500は、CPUと、メモリと、各部品が接続されるインターフェース回路とを備えたコンピュータとして構成されている(図1の右下部参照)。車両制御部500は、各種センサから取得した情報に基づいて、燃料電池車両20の各部を制御する。
【0036】
A2.表示パネルにおける表示:
図2は、表示パネル91(図1の右下部参照)に表示される表示D92を示す図である。表示D92は、燃料電池車両20において水素が消費されている状態を示す表示である。表示パネル91は、車両制御部500に制御されて、図2に示す表示D92、図3に示す表示D93、および図4に示す表示D94を、切り替えて表示することができる。図3に示す表示D93、および図4に示す表示D94については、後に説明する。
【0037】
図2に示す表示D92は、燃料電池車両20を表す画像V20と、燃料電池100を表す画像V100と、水素タンク211を表す画像V211と、大気を表す画像VAと、水素タンク211から燃料電池100に送出される水素の画像VHと、大気から燃料電池100に送出される酸素の画像VOと、表示切替ボタンB02~B04と、を含む。
【0038】
車両制御部500は、圧力センサSpから得られる水素タンク211の水素ガスの圧力の情報のうち最も新しい情報と、温度センサStから得られる水素タンク211内の水素ガスの温度の情報のうち最も新しい情報と、から、水素タンク211に収容されている水素の量Nrを計算する(図1参照)。水素タンク211の容積、および水素供給流路212のうちの水素タンク211から主止弁213までの容積は、既知である。このため、水素ガスの圧力および温度の情報から、水素タンク211に収容されている水素の量Nrを計算することができる。なお、本明細書において、「水素の量」とは、質量やモル量など、測定環境によって変化しない評価方法で評価された水素の量を意味する。本実施形態において、「水素の量」は、モル量で評価される。
【0039】
このような処理を行う車両制御部500の機能部を、水素量測定部502として、図1に示す。水素量測定部502は、一定時間ごとに、水素タンク211に収容されている水素の量Nrを計算する。
【0040】
車両制御部500は、さらに、水素タンク211に収容されている水素の量Nrの、水素タンク211に収容され得る最大の水素の量Nmaxに対するパーセント量Rwを計算する。水素タンク211に収容され得る最大の水素の量Nmaxは、水素タンク211の容量および水素タンク211が耐えられる内部の圧力、想定される水素タンク211内の水素の温度などに基づいて、あらかじめ定められている。
【0041】
車両制御部500は、水素タンク211に収容されている水素のパーセント量Rwを数字で表す表示Dh1と、水素タンク211に収容されている水素の量Nrを表す表示Dh2とを、水素タンク211を表す画像V211に重ねて表示する(図2の右上部参照)。
【0042】
水素タンク211に収容されている水素は気体であるため、温度および圧力によって体積が大きく変動する。このため、液体燃料の場合のように、体積で物質量を評価することは適切ではない。しかし、上記のような処理を行うことにより、燃料ガスを消費する装置としての、燃料電池車両に特有のパラメータである、水素タンク211に収容されている水素の量を、測定環境によって変化しない評価方法で評価された表現で、ユーザに分かりやすく伝えることができる。
【0043】
車両制御部500は、水素タンク211に収容されている水素のパーセント量Rwに応じて、水素タンク211を表す画像V211の表示色を変更する。より具体的には、水素タンク211に収容されている水素のパーセント量Rwが100[%]の場合、水素タンク211を表す画像V211は、濃い青色で表示される。そして、水素タンク211に収容されている水素のパーセント量Rwが少ないほど、水素タンク211を表す画像V211の青色は、薄くなる。水素タンク211に収容されている水素のパーセント量Rwが0のとき、水素タンク211を表す画像V211は、白色で表示される。
【0044】
このような処理を行うことにより、水素タンク211に収容されている水素の量を、ユーザが直感的に把握できるように、ユーザに伝えることができる。
【0045】
車両制御部500は、水素量測定部502が計算した各タイミングにおける水素タンク211に収容されている水素の量Nrと、水素の量Nrが計算された各時刻の情報と、に基づいて、単位時間あたりに水素タンク211から送出される水素の量Nvを、計算する。本実施形態においては、1秒あたりに水素タンク211から送出される水素の量Nv[mol/sec]が、計算される。そして、車両制御部500は、1秒あたりに水素タンク211から送出される水素の量Nvを表す表示Dh3を、表示パネル91に表示する(図2の上部中央参照)。
【0046】
水素タンク211に収容されている水素は気体であるため、液体燃料の場合のように、燃料の体積に基づいて燃料の消費速度を評価することは適切ではない。しかし、上記のような処理を行うことにより、燃料電池100を有する車両20に特有のパラメータである、単位時間あたりに水素タンク211から送出される水素の量を、測定環境によって変化しない評価方法で評価された表現で、ユーザに伝えることができる。
【0047】
車両制御部500は、車速検出部60から得られる情報のうち最も新しい情報に基づいて、単位時間当たりの車両20の移動量Sdを計算する。ここでは、1時間当たりの車両20の移動量Sd[km/h]が計算される。車両制御部500は、1時間当たりの車両20の移動量Sdを表す表示Dv1を、表示パネル91に表示する(図2の中央下部参照)。
【0048】
車両制御部500は、単位時間あたりに水素タンク211から送出された水素の量Nvと、単位時間当たりの車両20の移動量と、に基づいて、単位量の水素あたりの車両20の移動量Feを計算する。本実施形態においては、水素1モルで走行した距離Fe[km/mol]が、計算される。
【0049】
より具体的には、車両制御部500は、単位時間あたりに水素タンク211から送出された水素の量Nvを計算する際に使用された、(i)水素ガスの圧力の情報が圧力センサSpによって取得された時刻と、(ii)水素タンク211内の水素ガスの温度の情報が温度センサStによって取得された時刻と、を含む第1の時間区間を決定する。車両制御部500は、第1の時間区間を含む第2の時間区間における単位時間当たりの車両20の移動量Sd2を、第2の時間区間における車速検出部60の出力に基づいて、計算する。なお、第2の時間区間は、第1の時間区間を含み、かつ、車両が移動している時間区間を含む時間区間である。第1の時間区間において車両が移動している場合には、第2の時間区間は、第1の時間区間と一致させてもよい。
【0050】
車両制御部500は、第1の時間区間における、単位時間あたりに水素タンク211から送出された水素の量Nv[mol/sec]と、第2の時間区間における、単位時間当たりの車両20の移動量Sd2[km/h]と、に基づいて、1molの水素あたりの車両20の移動量Fe[km/mol]を計算する。
【0051】
単位時間あたりに水素タンク211から送出された水素の量Nvを計算する処理を行う車両制御部500の機能部を、燃費算出部504として、図1に示す。燃費算出部504は、主止弁213が開いており、かつ、車両20が移動している間、一定時間ごとに、単位時間あたりに水素タンク211から送出された水素の量Nvを計算する。
【0052】
車両制御部500は、単位量の水素あたりの車両20の移動量Feを表す表示De1を、表示パネル91に表示する(図2の中央下部参照)。
【0053】
水素タンク211に収容されている水素は気体であるため、液体燃料の場合のように、燃料の体積に基づいて燃料の単位消費量あたりの移動距離を評価することは適切ではない。しかし、上記のような処理を行うことにより、燃料電池100を有する車両20特有のパラメータである、単位量の水素あたりの車両20の移動量Feを、ユーザに伝えることができる。
【0054】
車両制御部500は、重量センサ65(図1の左上部参照)から取得される積載物の重量と、水素タンク211内の水素の量Nr[mol]と、単位量の水素あたりの車両20の移動量Fe[km/mol]と、に基づいて、水素タンク211に収容されている水素によって移動可能な距離Cd[km]を、計算する。より具体的には、車両制御部500は、水素タンク211内の水素の量Nrを、単位量の水素あたりの車両20の移動量Feで割った値に対して、積載物の重量に基づく補正を行って、水素タンク211に収容されている水素によって移動可能な距離Cd[km]を、決定する。
【0055】
たとえば、車両制御部500に対して、車両20が今後、走行すべき走行ルートが指定されている場合、車両制御部500は、単位量の水素あたりの車両20の移動量Feが計算された際の第2の時間区間において走行した走行ルートと、今後、走行すべき走行ルートと、について、それぞれ上り坂が含まれる割合を計算する。単位量の水素あたりの車両20の移動量Feが計算された際の走行ルートに比べて、今後、走行すべき走行ルートに上り坂が多く含まれる場合には、車両制御部500は、積載物の重量に応じて、距離Cdをより少ない値に決定する。一方、単位量の水素あたりの車両20の移動量Feが計算された際の走行ルートに比べて、今後、走行すべき走行ルートについて、上り坂が少ない場合には、車両制御部500は、積載物の重量に応じて、距離Cdをより多い値に決定する。積載物の重量が少ないほど、調整量は小さい。
【0056】
移動可能な距離Cdを算出する処理を行う車両制御部500の機能部を、距離算出部506として、図1に示す。距離算出部506は、主止弁213が開いており、かつ、車両20が移動している間、一定時間ごとに、水素タンク211から送出された水素の量Nvを計算する。
【0057】
車両制御部500は、上記の処理によって得られた、水素タンク211に収容されている水素によって移動可能な距離Cdを表す表示Dc1を、表示パネル91に表示する(図2の右下部参照)。
【0058】
このような処理を行うことにより、水素タンク211に収容されている水素によって移動可能な距離Cdを、ユーザに正確に伝えることができる。
【0059】
車両制御部500は、燃料電池100の画像V100と、燃料電池100に送出される水素の画像VHと、燃料電池100に送出される酸素の画像VOとを、表示パネル91に表示する(図2の上部参照)。
【0060】
燃料電池100に送出される水素の画像VHは、矢印の表示VH1と、「H」の表示VH2とを含む。燃料電池100に送出される水素の画像VHは、単位時間あたりに水素タンク211から送出される水素の量Nvに応じて表示される。
【0061】
燃料電池100に送出される水素の画像VHにおいては、矢印の表示VH1の一部が他と比べて濃い色に表示され、その濃い色に表示される部分が、水素タンク211を表す画像V211がある側から燃料電池100を表す画像V100がある側に向かって、矢印の表示VH1内を繰り返し移動する。その移動速度は、単位時間あたりに水素タンク211から送出される水素の量Nvが大きいほど、高い。
【0062】
このような処理を行うことにより、燃料電池100の発電状態を、直感的に分かるように、ユーザに伝えることができる。
【0063】
燃料電池100に送出される酸素の画像VOは、矢印の表示VO1と、「O」の表示VO2とを含む。燃料電池100に送出される酸素の画像VOは、単位時間あたりに大気中から送出される酸素の量に応じて表示される。
【0064】
燃料電池100に送出される酸素の画像VOにおいては、矢印の表示VO1の一部が他と比べて濃い色に表示され、その濃い色に表示される部分が、大気を表す画像VAがある側から燃料電池100を表す画像V100がある側に向かって、矢印の表示VO1内を繰り返し移動する。その移動速度は、単位時間あたりに大気中から送出される酸素の量が大きいほど、高い。
【0065】
表示切替ボタンB02は、燃料電池車両20において水素が消費されている状態を示す表示D92(図2参照)に表示を切り替えるためのボタンである。このため、表示D92において、表示切替ボタンB02が押された場合には、表示パネル91(図1の右下部参照)の表示は変化しない。
【0066】
表示切替ボタンB03は、主として燃料電池車両20の移動速度を示す表示D93に表示を切り替えるためのボタンである。図2の表示D92において、表示切替ボタンB03が押された場合には、表示パネル91(図1の右下部参照)の表示は、車両制御部500によって、表示D93に切り替えられる。
【0067】
表示切替ボタンB04は、主として燃料電池車両20の水素タンク211への水素の充填の状態を示す表示D94に表示を切り替えるためのボタンである。図2の表示D92において、表示切替ボタンB04が押された場合には、表示パネル91(図1の右下部参照)の表示は、車両制御部500によって、表示D94に切り替えられる。
【0068】
表示パネル91を制御して、これらの各種の情報を表示させる機能部を、車両制御部500の機能部を、表示制御部503として、図1に示す。表示制御部503は、表示パネル91に表示されるべき各種の情報が更新されるたびに、表示パネル91の表示を更新する。
【0069】
図3は、表示パネル91(図1の右下部参照)に表示される表示D93を示す図である。表示D93は、主として燃料電池車両20の移動速度を示す表示である。表示D93は、表示De2,De3と、表示Dv2,Ds1と、表示Dh4,Dh5と、表示切替ボタンB02~B04と、を含む。
【0070】
表示Dv2は、燃料電池車両20の移動速度を示す表示である。車両制御部500は、表示Dv2として、速度表示を含む円形のメータと、その時点における燃料電池車両20の移動速度Sdに対応する円形のメータの外周上の位置を指す針とを表示する。
【0071】
このような処理を行うことにより、その時点における燃料電池車両20の移動速度を、ユーザが直感的に把握できるように、ユーザに伝えることができる。
【0072】
車両制御部500は、車速検出部60から得られる情報に基づいて、現在を含む過去の一定期間における走行距離を計算する。そして、その走行距離を表す表示Ds1を、表示Dv2に重ねて表示する。
【0073】
このような処理を行うことにより、その時点における燃料電池車両20の走行距離を、ユーザが直感的に把握できるように、ユーザに伝えることができる。
【0074】
表示Dh4は、単位時間あたりに水素タンク211から送出される水素の量を示す表示である。車両制御部500は、表示Dh4として、角度位置に応じて徐々に太くなる表示であって、単位時間あたりに水素タンク211から送出される水素の量を表す表示を含む円形のメータと、その時点における単位時間あたりに水素タンク211から送出される水素の量Nvに対応する円形のメータの外周上の位置を指す針とを表示する。
【0075】
このような処理を行うことにより、その時点における単位時間あたりに水素タンク211から送出される水素の量を、ユーザが直感的に把握できるように、ユーザに伝えることができる。
【0076】
表示Dh5は、水素タンク211に収容されている水素のパーセント量Rwをグラフで表す表示である。車両制御部500は、表示Dh5として、「E」の表示と「F」の表示とを両端に有し、中央に「1/2」の表示を有する横長の棒グラフを表示する。「E」の表示は、水素のパーセント量Rwが0であること、すなわち、水素タンク211内に取り出せる水素ガスがないことを表す。「F」の表示は、水素のパーセント量Rwが100%であること、すなわち、水素タンク211に収容され得る最大の水素の量Nmaxが水素タンク211内に収容されていることを表す。棒グラフの左端を含む一部は、水素タンク211に収容されている水素のパーセント量Rwに応じて、他の部分よりも濃い色で表示される。車両制御部500は、表示Dh5を、表示Dh4内に重ねて表示する。
【0077】
このような処理を行うことにより、水素タンク211に収容されている水素のパーセント量Rwを、ユーザが直感的に把握できるように、ユーザに伝えることができる。
【0078】
車両制御部500は、単位量の水素あたりの車両20の移動量Feを、通信部95を介して、他の車両に送信する。また、車両制御部500は、他の車両の単位量の水素あたりの移動量Fe2,Fe3を、通信部95を介して、他の車両から受信する。他の車両の単位量の水素あたりの移動量Fe2は、車両20の直前を車両20と同じ向きに走る先行車の単位量の水素あたりの移動量である。他の車両の単位量の水素あたりの移動量Fe3は、車両20の前方から来る車両20の対向車のうち、先頭を走る車両の単位量の水素あたりの移動量である。車両制御部500は、他の車両の単位量の水素あたりの車両の移動量Fe2,Fe3を表す表示De2,De3を、車両を表す画像V22,V23とともに、表示パネル91に表示する(図3の上部参照)。
【0079】
このような処理を行うことにより、他の車両の単位量の水素あたりの移動量Fe2,Fe3、すなわち、他の車両のいわゆる燃費を、ユーザが直感的に把握できるように、ユーザに伝えることができる。その結果、ユーザにより高燃費な運転を目指す動機付けを与えることができる。
【0080】
表示切替ボタンB02~B04の外観および機能は、表示D92に含まれる表示切替ボタンB02~B04と同じである。
【0081】
図4は、表示パネル91(図1の右下部参照)に表示される表示D94を示す図である。表示D94は、主として燃料電池車両20の水素タンク211への水素の充填の状態を示す表示である。表示D94は、表示D92,D93において、表示切替ボタンB04が押されたときに加えて、蓋部217が開かれたことが開閉センサ218によって検知されたときにも、表示パネル91表示される。表示D94は、表示Dh6と、表示Dt1,Dt2と、表示切替ボタンB02~B04と、を含む。
【0082】
表示Dh6は、水素タンク211に収容されている水素のパーセント量Rwをグラフで表す表示である。車両制御部500は、表示Dh6として、「0」の表示と「100」の表示とを両端に有する、水素タンク211を模した横長の長円形の棒グラフを表示する(図4の上部参照)。「0」の表示は、水素のパーセント量Rwが0であること、すなわち、水素タンク211内に取り出せる水素ガスがないことを表す。「100」の表示は、水素のパーセント量Rwが100%であること、すなわち、水素タンク211に収容され得る最大の水素の量Nmaxが、水素タンク211内に収容されていることを表す。棒グラフの左端を含む一部は、水素タンク211に収容されている水素のパーセント量Rwに応じて、他の部分よりも濃い色で表示される。
【0083】
車両制御部500は、水素タンク211に収容されている水素のパーセント量Rwを数字で表す表示Dh7を、表示Dh6に重ねて表示する(図4の上部参照)。
【0084】
車両制御部500は、蓋部217が開いている間、圧力センサSpおよび温度センサStからの情報に基づいて、水素タンク211に収容され得る最大の水素の量Nmaxに対するパーセント量Rwを計算する処理を、一定周期で繰り返す。そして、得られた最新のパーセント量Rwに基づいて、表示Dh6,Dh7を更新する。
【0085】
このような処理を行うことにより、水素の充填中に、水素タンク211に収容されている水素のパーセント量Rwを、ユーザが直感的に把握できるように、ユーザに伝えることができる。
【0086】
表示Dt1は、水素の充填時間の積算値を表す表示である。表示Dt2は、バッテリー電気自動車の場合に充電に要したはずの充電時間の積算値の推定値を表す表示である。
【0087】
車両制御部500は、開閉センサ218から得られる蓋部217が開いている旨の情報に基づいて、水素タンク211に外部から水素が充填されるのに要した時間Tf1を積算する(図1の右上部参照)。より具体的には、車両制御部500は、あらかじめ設定された時刻T0以降において、蓋部217が開いており、かつ、車両20が停止している時間区間の長さを、水素タンク211に外部から水素が充填されるのに要した時間として、積算する。車両20が停止している旨の情報は、車速検出部60から得られる。時間は、車両制御部500自身が測定することができる。このような処理を行う車両制御部500の機能部を、時間積算部507として、図1に示す。
【0088】
車両制御部500は、あらかじめ設定された時刻T0以降に燃料電池100が発電した電力量Eiを、電流センサSiおよび電圧センサSvから得られる情報に基づいて計算する(図1の左上部参照)。車両制御部500は、そして、その電力量Eiをニッケル水素蓄電池に充電する場合に要したはずの充電時間の積算値の推定値Tf2を計算する。なお、車両制御部500は、推定値Tf2を計算する際に想定するニッケル水素蓄電池のモデルの情報を、あらかじめ保有している。このような処理を行う車両制御部500の機能部は、時間積算部507である(図1の右下部参照)。
【0089】
車両制御部500は、水素タンク211に外部から水素が充填されるのに要した時間Tf1を表す表示Dt1を、表示パネル91に表示する(図4の中段参照)。
【0090】
このような処理を行うことにより、水素タンク211に水素が充填されるのに要した時間の積算値Tf2を、ユーザに伝えることができる。
【0091】
車両制御部500は、水素タンク211に外部から水素が充填されるのに要した時間Tf1を表す表示Dt1とともに、ニッケル水素蓄電池に充電する場合に要したはずの充電時間の積算値の推定値Tf2を表す表示Dt1とを、表示パネル91に表示する(図4の下段参照)。
【0092】
このような処理を行うことにより、バッテリー電気自動車を使用する場合に対して、燃料電池車両である車両20を使用する場合の、エネルギーの充填に要する時間の優位性を、ユーザは、具体的に知ることができる。
【0093】
図5は、車両20の正面図である。車両制御部500は、単位量の水素あたりの車両20の移動量Feが閾値を超えていない場合には、標章92および発光部94をオレンジ色で発光させる(図1の左部も参照)。車両制御部500は、単位量の水素あたりの車両20の移動量Feが閾値を超えている場合には、標章92および発光部94を青色で発光させる。
【0094】
このような処理を行うことにより、環境負荷の低減を意識して運転を行うユーザは、そのような意思のないユーザに対して、自らを差別化することができる。
【0095】
なお、本実施形態における燃料電池車両20を、「移動体」とも呼ぶ。水素タンク211を、「収容部」とも呼ぶ。圧力センサSp、温度センサStおよび水素量測定部502を、「残量測定部」とも呼ぶ。表示パネル91を、「表示部」とも呼ぶ。表示制御部503を、「制御部」とも呼ぶ。車速検出部60を、「移動量測定部」とも呼ぶ。重量センサ65を、「積載量測定部」とも呼ぶ。開閉センサ218、車速検出部60および時間積算部507を、「時間積算部」とも呼ぶ。
【0096】
B.他の実施形態:
B1.他の実施形態1:
(1)上記実施形態においては、情報を表示する表示部として、タッチパネルを備えた表示パネル91が例示されている。しかし、表示部は、タッチパネルなどの入力装置を備えない態様とすることもできる。表示部は、液晶ディスプレイや、プラズマディスプレイなど、様々な態様とすることができる。また、表示部は、平面的な態様に限られず、曲面上に情報を表示する態様でもよく、空間に情報を表示する態様であってもよい。
【0097】
(2)上記実施形態においては、燃料ガスを収容する収容部は、水素タンク211である(図1の右下部参照)。しかし、収容部は、水素吸蔵合金を備える態様とすることもできる。そのような態様においては、残量測定部は、たとえば、収容部内の燃料ガスの量を、質量で測定することができる。
【0098】
(3)上記実施形態においては、燃料ガスとしての水素ガスの量は、「mol」で評価される(図2のDh2参照)。しかし、燃料ガスの量は、質量など、他の評価方法で評価されてもよい。ただし、燃料ガスの量は、環境によって変化しない評価方法で評価される。
【0099】
(4)上記実施形態においては、水素タンク211内の水素の量を測定することができる残量測定部は、車両制御部500の機能部としての水素量測定部502と、水素供給流路212に設けられた圧力センサSpと、水素タンク211に設けられた温度センサStと、を含む(図1の右部参照)。しかし、収容部内の燃料ガスの量を測定することができる残量測定部は、他の構成とすることもできる。たとえば、(i)水素供給流路212に設けられる流量センサおよび温度センサと、(ii)水素受領流路216に設けられる流量センサおよび温度センサと、(iii)それらの出力から、水素タンク211に流入した水素の量と、水素タンク211から送出された水素の量と、をそれぞれ検出し、両者の差を水素タンク211内の水素の量として検出する車両制御部500と、を使用して、残量測定部を構成することもできる。
【0100】
(5)上記実施形態においては、水素タンク211に収容されている水素の量Nrを表す表示Dh2が、水素タンク211に収容されている水素のパーセント量Rwを数字で表す表示Dh1とともに、水素タンク211を表す画像V211に重ねて表示される(図2の右上部参照)。しかし、残量測定部から得られる情報に基づいて表示部に表示される、収容部に収容されている燃料ガスの量は、他の態様で表示されることもできる。収容部に収容されている燃料ガスの量は、棒グラフや、丸形や扇形のメータの画像によって、表示されることができる。
【0101】
(6)上記実施形態においては、単位時間あたりに水素タンク211から送出される水素の量を示す表示Dh4は、角度位置に応じて徐々に太くなる、単位時間あたりに水素タンク211から送出される水素の量の表示を含む円形のメータと、針とで表示される。しかし、単位時間あたりに水素タンク211から送出される水素の量を示す表示は、水素の量を表す数値を含む円形または扇形のメータと、その時点における単位時間あたりに水素タンク211から送出される水素の量に対応するメータの外周上の位置を指す針と、で表示されることもできる。また、単位時間あたりに水素タンク211から送出される水素の量を示す表示は、棒グラフで表示されることもできる。
【0102】
(7)上記実施形態においては、車両制御部500は、他の車両の単位量の水素あたりの車両の移動量Fe2,Fe3を表す表示De2,De3を、車両を表す画像V22,V23とともに、表示パネル91に表示する(図3の上部参照)。このような表示は、実際に他の車両が運転者から見えている間に表示される態様とすることができる。一方、そのような表示は、実際に他の車両が運転者から見える前から表示される態様とすることもできる。
【0103】
(8)上記実施形態における表示パネル91に表示される表示D92~D94の表示の一部について、表示態様を選択可能にすることもできる(図2図4参照)。たとえば、図3の表示S93において、表示Dv2の右側には、ユーザが選択した情報を表示することもできる。すなわち、上述の同一の情報についての様々な表示態様の中から、表示部に表示される態様を、ユーザが選択できる態様とすることもできる。
【0104】
一方、表示部の表示の一部を、ユーザが選択できない態様とすることもできる。たとえば、法規で、一定の表示態様が義務づけられている情報については、法規に従って表示し、そのよう案法規の定めがない情報については、ユーザが表示態様を選択できるようにすることもできる。
【0105】
ユーザが選択可能な表示態様は、あらかじめ用意されていてもよいし、サードパーティから提供されたアプリケーションプログラムを、ユーザが入手して、表示装置に適用する態様とすることもできる。
【0106】
(9)また、たとえば、水素の充填中には、図3に示す表示Dv2,Dh4の上段に、図4の表示Dh6,St1,Dt2を表示することもできる。また、すなわち、表示D92~D94の構成要素の一部は、他の構成要素と組み合わせて、表示部に表示されることができる。
【0107】
(10)上記実施形態においては、表示D92~D94は、車両20において一貫している(図2図4参照)。しかし、車両20を、運転者を特定できる情報を通信部95を介して車両制御部500が入手できるように構成し、各種のパラメータを、運転者ごとに計算して、運転者に応じて対応する情報に基づく表示を、表示部に行う態様とすることもできる。そのような表示の切り替えは、ハードウェアであるボタン、または表示部に表示されるソフトウェアのボタンを介して、行われることができる。また、そのような運転者に対応づけられた情報は、異なる車両を利用する場合についても、集計され、運転者が搭乗し運転する車両については、その運転者に対応づけられた情報に基づいて、表示が行われてもよい。
【0108】
(11)水素タンク211に収容されている水素の量Nr、または水素タンク211に収容されている水素によって移動可能な距離Cdが、閾値を下回った場合には、進行方向にある水素ステーションや、自宅周辺の水素ステーションに、充填の予約を自動的にする機能を、車両が備えることができる。そのような態様とすれば、水素ステーションに到着しても、水素ステーションが保持している水素が不足しており、十分に水素を充填できないという事態の発生を、ユーザは抑制することができる。
【0109】
(12)上記実施形態においては、車両制御部500は、単位量の水素あたりの車両20の移動量Feが閾値を超えていない場合には、標章92および発光部94をオレンジ色で発光させる(図5および図1の左部参照)。車両制御部500は、単位量の水素あたりの車両20の移動量Feが閾値を超えている場合には、標章92および発光部94を青色で発光させる。しかし、そのように単位量の水素あたりの車両の移動量に応じて表示が変化する構成は、たとえば、車両内の燃料電池ケースや燃料電池ケースの周辺に配されてもよい。また、車体の下部や、ボンネットとボディの隙間から光が見えるように、発光する部品が配されてもよい。このような態様とすることにより、夜間であれば、遠方からでも、燃料電池車両が走行できることが他者から認識できる。その結果、運転者の満足度を高めることができる。
【0110】
なお、発光することができる構成を採用することができるほか、様々な音を発することができる構成を採用して、単位量の水素あたりの車両20の移動量Feが閾値を超えるか否かにより、音声を変える態様とすることもできる。
【0111】
(13)車両は、燃料電池から排出される反応に使用された後の燃料ガスに、他の化学物質を混ぜた後、そのガスを排気管から排出して、燃焼させられる態様とすることもできる。
【0112】
(14)上記実施形態においては、燃料ガスは水素である(図1の右下部参照)。しかし、燃料電池を備える移動体の燃料は、メタンやエタンなど、水素を含む他のガスとすることもできる。炭化水素を改質することにより、水素を生成して、燃料電池に供給することができる。
【0113】
(15)上記実施形態においては、移動体は、車輪を備える車両である(図1参照)。しかし、移動することができる移動体は、船舶や航空機など、他の態様とすることもできる。また、移動体は、軌道上を走行する車両とすることもできる。
【0114】
B2.他の実施形態2:
(1)上記実施形態においては、残量測定部から得られる情報に基づいて、水素タンク211に収容されている水素ガスの量に応じた濃度で、水素タンク211の画像V211が、表示パネル91に表示される(図2の右上部参照)。しかし、収容部の画像は、収容部に収容されている燃料ガスの量によらず、一定であってもよい。また、表示装置は、収容部の画像が表示部に表示されない態様とすることもできる。
【0115】
(2)上記実施形態においては、水素タンク211に収容されている水素ガスの量を表す数値は、水素タンク211の画像V211に重ねて表示される(図2の右上部参照)。しかし、収容部に収容されている燃料ガスの量を表す数値は、収容部の前記画像に重ねず、他の部位に表示されることもできる。
【0116】
B3.他の実施形態3:
上記実施形態においては、残量測定部から得られる情報に基づいて、単位時間あたりに水素タンク211から送出される燃料ガスの量が、数値として、表示パネル91に表示される(図2のDh3参照)。しかし、単位時間あたりに水素タンク211から送出される燃料ガスの量は、数字を表示しない静止画または動画としてのみ、表示される態様としてもよい(図2のVH1参照)。また、表示装置は、単位時間あたりに収容部から送出される燃料ガスの量が、表示部に表示されない態様とすることもできる。
【0117】
B4.他の実施形態4:
(1)上記実施形態においては、車両制御部500は、車速検出部60から得られる情報のうち最も新しい情報に基づいて、単位時間当たりの車両20の移動量Sdを計算する(図1の右下部参照)。しかし、移動体の移動量を測定することができる移動量測定部は、車輪の回転軸の回転数を測定できるセンサなど、他の態様で構成することもできる。また、移動体の移動量は、車両に備えられる加速度センサの出力を2回積分することによって、得ることもできる。
【0118】
(2)上記実施形態においては、単位量の水素ガスあたりの車両20の移動量が、[km/mol]で、表示パネル91に表示される(図2の下部参照)。しかし、表示装置は、単位量の水素ガスあたりの移動量を表示する際に、[km]に代えて[m]を採用することもできる。また、表示装置は、単位量の水素ガスあたりの移動量を表示する際に、[/mol]に代えて[/kg]を採用することもできる。表示装置は、単位量の水素ガスあたりの移動量を表示する際に、さらに、他の単位を採用することもできる。また、表示装置は、単位量の燃料ガスあたりの移動体の移動量を、表示部に表示しない態様とすることもできる。
【0119】
(3)上記実施形態においては、単位量の水素あたりの車両20の移動量Feを計算する際の第2の時間区間は、第1の時間区間を含む。しかし、第2の時間区間は、第1の時間区間の一部を含まない態様とすることもできる。すなわち、第2の時間区間は、第1の時間区間と少なくとも一部が重なる時間区間であればよい。
【0120】
B5.他の実施形態5:
(1)上記実施形態においては、重量センサ65は、燃料電池車両20の各車輪の回転軸を支持する支持部材の変形量を検出して、積載物の重量を算出する(図2の左上部参照)。しかし、移動体に積載されている積載物の重量を測定する積載量測定部は、他の態様とすることもできる。積載量測定部は、たとえば、積載量測定部自身が積載物の加重を受けて、重量を測定する他の態様とすることもできる。
【0121】
(2)上記実施形態においては、水素タンク211内の水素の量Nrを、単位量の水素あたりの車両20の移動量Feで割った値と、積載物の重量と、走行ルートに含まれる上り坂の割合と、に基づいて、水素タンク211に収容されている水素によって移動可能な距離Cd[km]が、決定される(図2の右下部参照)。しかし、走行ルートが未定の場合には、車両が向かっている方向の地形に基づいて、未定の走行ルートに含まれる上り坂の割合を推定した上で、収容部に収容されている燃料ガスによって移動可能な距離を、推定することもできる。
【0122】
また、収容部に収容されている燃料ガスによって移動可能な距離は、走行ルートに含まれる上り坂の割合を考慮せずに、積載量測定部から取得される前記積載物の重量と、収容部に収容されている燃料ガスの量と、単位量の燃料ガスあたりの移動体の移動量と、に基づいて、計算することもできる。さらに、表示装置は、収容部に収容されている燃料ガスによって移動可能な距離を表示しない態様とすることもできる。
【0123】
B6.他の実施形態6:
(1)上記実施形態においては、水素タンク211を表す画像V211と、水素タンク211から燃料電池100に送出される水素の画像VHと、大気から燃料電池100に送出される酸素の画像VOと、が表示パネル91に表示される(図2の上部中央参照)。そして、矢印の表示VH1の一部の濃い部分が、水素タンク211を表す画像V211から燃料電池100を表す画像V100に向かって、繰り返し移動する。その移動速度は、単位時間あたりに水素タンク211から送出される水素の量Nvが大きいほど、高い。また、同時に、1秒あたりに水素タンク211から送出される水素の量Nvを表す表示Dh3も、表示パネル91に表示される。
【0124】
上記態様において、矢印の表示VH1の一部の濃い部分の数が、単位時間あたりに水素タンク211から送出される水素の量Nvに応じて、増減してもよい。たとえば、単位時間あたりに水素タンク211から送出される水素の量Nvが大きいほど、矢印の表示VH1の一部の濃い部分の数が、増えてもよい。
【0125】
また、矢印の表示VH1の一部の濃い部分は、他の部分とと境界が明確でない態様で表示されることもできる。さらに、そのような部分を含む表示VH1は、矢印でなく、長方形や、水素の配管をもした形状など、他の形状であってもよい。
【0126】
なお、表示パネル91に表示される画像中、他の部分より濃い色で表示される部分は、他の部分より濃い色に代えて、濃度によらず、他の部分とは異なる色で表示されることもできる。
【0127】
(2)表示装置は、酸素分子と水素分子が反応している様子を動画で示す態様とすることもできる。そのような態様においては、単位時間あたりに水素タンク211から送出される水素の量Nvが多いほど、より激しく動くように、上記の動画を表示することが好ましい。
【0128】
(3)ただし、燃料電池に送出される燃料ガスの画像は、単位時間あたりに収容部から送出される燃料ガスの量によらず、一定の画像であってもよい。また、表示装置は、燃料電池の画像と、燃料電池に送出される燃料ガスの画像と、燃料電池に送出される酸化ガスの画像と、を表示部に表示しない態様とすることもできる。
【0129】
B7.他の実施形態7:
(1)上記実施形態においては、車両制御部500は、蓋部217が開いており、かつ、車両20が停止している時間区間の長さを、水素タンク211に外部から水素が充填されるのに要した時間として、積算する(図1の右上部参照)。しかし、収容部に外部から燃料ガスが充填されるのに要した時間を積算する方法は、他の方法であってもよい。たとえば、燃料ガスを充填するためのガスステーションから、通信部95を介して、燃料ガスが充填されるのに要した時間を、受信してもよい。
【0130】
(2)上記実施形態においては、外部から水素が充填されるのに要した時間Tf1が、バッテリー電気自動車の場合に充電に要したはずの充電時間の積算値の推定値Tf2とともに、表示パネル91に表示される(図4の下段参照)。しかし、外部から水素が充填されるのに要した時間Tf1は、バッテリー電気自動車の場合に充電に要したはずの充電時間の積算値の推定値Tf2を伴わずに、表示パネル91に表示されてもよい。また、表示装置は、燃料ガスが充填されるのに要した時間の積算値を、表示部に表示しない態様とすることもできる。
【0131】
(3)上記実施形態においては、外部から水素が充填されるのに要した時間Tf1が、バッテリー電気自動車の場合に充電に要したはずの充電時間の積算値の推定値Tf2とともに、表示パネル91に表示される(図4の下段参照)。しかし、車両および表示装置は、単位距離、たとえば、1000km移動する間に行われた燃料ガスの充填の時間を積算し、その充填時間および電気自動車の場合の推定値を表示する態様とすることもできる。
【0132】
本開示は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【符号の説明】
【0133】
20…燃料電池車両、30…燃料電池システム、40…電動機、50…摩擦ブレーキ、60…車速検出部、65…重量センサ、70…アクセルペダル、80…ブレーキペダル、90…表示装置、91…表示パネル、92…標章、94…発光部、95…通信部、100…燃料電池、200…水素給排系、210…水素供給部、211…水素タンク、212…水素供給流路、213…主止弁、214…減圧弁、215…インジェクタ、216…水素受領流路、217…蓋部、218…開閉センサ、220…水素循環部、221…水素循環流路、222…水素循環ポンプ、230…水素排出部、231…水素排出流路、232…排気排水弁、300…空気給排系、310…空気供給部、311…空気導入流路、313…エアコンプレッサ、314…分流弁、315…空気供給流路、316…空気バイパス流路、320…空気排出部、321…空気排出流路、322…調圧弁、400…電力供給系、500…車両制御部、502…水素量測定部、503…表示制御部、504…燃費算出部、506…距離算出部、507…時間積算部、B02~B04…表示切替ボタン、Cd…水素タンク211に収容されている水素によって移動可能な距離、D92…燃料電池車両20において水素が消費されている状態を示す表示、D93…主として燃料電池車両20の移動速度を示す表示、D94…主として燃料電池車両20の水素タンク211への水素の充填の状態を示す表示、Dc1…水素タンク211に収容されている水素によって移動可能な距離Cdを表す表示、De1…単位量の水素あたりの車両20の移動量Feを表す表示、De2…他の車両の単位量の水素あたりの車両の移動量Fe2を表す表示、De3…他の車両の単位量の水素あたりの車両の移動量Fe3を表す表示、Dh1…水素タンク211に収容されている水素のパーセント量Rwを数字で表す表示、Dh2…水素タンク211に収容されている水素の量Nrを表す表示、Dh3…1秒あたりに水素タンク211から送出される水素の量Nvを表す表示、Dh4…単位時間あたりに水素タンク211から送出される水素の量を示す表示、Dh5…水素タンク211に収容されている水素のパーセント量Rwをグラフで表す表示、Dh6…水素タンク211に収容されている水素のパーセント量Rwをグラフで表す表示、Dh7…水素タンク211に収容されている水素のパーセント量Rwを数字で表す表示、Ds1…現在を含む過去の一定期間における走行距離を示す表示、Dt1…水素の充填時間の積算値を表す表示、Dt2…バッテリー電気自動車の場合に充電に要したはずの充電時間の積算値の推定値を表す表示、Dv1…1時間当たりの車両20の移動量Sdを表す表示、Dv2…燃料電池車両20の移動速度を示す表示、FW…前輪、Fe…単位量の水素あたりの車両20の移動量、Fe2,Fe3…他の車両の単位量の水素あたりの移動量、Nr…水素タンク211に収容されている水素の量、Nv…単位時間あたりに水素タンク211から送出される水素の量、RW…後輪、Rw…水素タンク211に収容されている水素の量Nrの水素タンク211に収容され得る最大の水素の量Nmaxに対するパーセント量、Sa…エアフローメータ、Sd…移動速度(単位時間当たりの移動量)、Si…電流センサ、Sp…圧力センサ、St…温度センサ、Sv…電圧センサ、Tf1…水素タンク211に外部から水素が充填されるのに要した時間、Tf2…電力量Eiをニッケル水素蓄電池に充電する場合に要したはずの充電時間の積算値の推定値、V100…燃料電池100を表す画像、V20…燃料電池車両20を表す画像、V211…水素タンク211を表す画像、V22,V23…車両を表す画像、VA…大気を表す画像、VH…水素タンク211から燃料電池100に送出される水素の画像、VH1…矢印の表示、VH2…「H」の表示、VO…大気から燃料電池100に送出される酸素の画像、VO1…矢印の表示、VO2…「O」の表示
図1
図2
図3
図4
図5