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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】表示方法及び表示装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0483 20130101AFI20221129BHJP
【FI】
G06F3/0483
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018242243
(22)【出願日】2018-12-26
(65)【公開番号】P2020106896
(43)【公開日】2020-07-09
【審査請求日】2021-10-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】山田 裕介
【審査官】菅原 浩二
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-276178(JP,A)
【文献】特開2012-164292(JP,A)
【文献】特開2010-026343(JP,A)
【文献】特開2009-282606(JP,A)
【文献】特開平07-296010(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0062141(US,A1)
【文献】国際公開第2008/139551(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/048
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像を表示部に表示させる表示方法であって、
前記表示部は、前記複数の画像が第1方向に並ぶ画像束を表示し、
前記画像束は、隣り合う前記画像と一部が重なって表示される状態で、前記画像が等間
隔で並ぶ静的部分と、
隣り合う前記画像同士の間隔が、前記静的部分における前記画像同士の間隔よりも広く
配置される動的部分と、を有し、
前記画像束の拡大指示を受けると、前記画像束を占有する占有矩形の前記第1方向と交
差する第2方向の長さを前記拡大指示に応じて拡大し、
前記拡大指示の拡大率が大きくなると、前記動的部分の前記画像が前記静的部分に移動
し、前記動的部分の前記画像の数を少なくし、前記複数の画像の前記第1方向の長さと前
記第2方向の長さを前記拡大率で拡大する、
表示方法。
【請求項2】
前記複数の画像は、
第1の仮想軸上に配置され、前記第1の仮想軸と交差するそれぞれの第2の仮想軸を中
心にして回転し、さらに前記第1の仮想軸を中心にして回転して表示される、
請求項1に記載の表示方法。
【請求項3】
前記動的部分の前記画像の数が少なくなると、前記動的部分の前記第1方向の中央に配
置する隣り合う前記画像同士が接するか、又は、重なる割合が小さくなる、
請求項1又は請求項2に記載の表示方法。
【請求項4】
前記表示部の前記第1方向の長さが前記第2方向の長さより短い場合、前記拡大率の最
大値、前記第1方向の長さが前記第2方向の長さより長い場合の拡大率よりも小さい
大率とする、
請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の表示方法。
【請求項5】
前記表示部は、更に前記第2方向に並ぶ複数の前記画像束を表示し、
前記拡大指示を受けた前記画像束の前記占有矩形内の所定の位置を固定点とし、
複数の前記画像束のそれぞれの前記占有矩形の前記第2方向の長さが前記拡大指示に応
じて拡大する、
請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の表示方法。
【請求項6】
複数の画像で構成されている画像束を表示する表示部と、
第1の仮想軸上に配置された前記複数の画像のそれぞれが、前記第1の仮想軸と交差す
るそれぞれの第2の仮想軸を中心にして回転し、さらに前記第1の仮想軸を中心に回転し
て前記複数の画像を生成する画像生成部と、
隣り合う前記画像と一部が重なって表示される状態で、前記画像が等間隔で並ぶ静的部
分と、
隣り合う前記画像同士の間隔が、前記静的部分における前記画像同士の間隔よりも広く
配置される動的部分と、を有する前記画像束を表示させ、
前記画像束の拡大指示を受けると、前記画像束を占有する占有矩形の前記第1の仮想軸
に沿った第1方向と交差する第2方向の長さを拡大し、
前記拡大指示の拡大率が大きくなると、前記動的部分の前記画像を前記静的部分に移動
し、前記動的部分の前記画像の数を少なくし、前記複数の画像の前記第1方向の長さと前
記第2方向の長さを前記拡大率で拡大して表示させる制御部と、を備えている、
表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示方法及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のページで構成される文書を表示する技術として、例えば、特許文献1に開示された技術がある。特許文献1に開示された表示方法は、複数のページのサムネイル画像で構成されたサムネイル画像束を表示し、サムネイル画像束から所定のページを選択すると、選択された所定のページを拡大して表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-164292号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されている表示方法は、拡大表示された1ページの記載内容を確認することが可能であるが、サムネイル画像束の複数ページの記載内容を同時に確認することができないという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の表示方法は、複数の画像を表示部に表示させる表示方法であって、前記表示部は、前記複数の画像が第1方向に並ぶ画像束を表示し、前記画像束は、隣り合う前記画像と一部が重なって表示される状態で、前記画像が等間隔で並ぶ静的部分と、隣り合う前記画像同士の間隔が、前記静的部分における前記画像同士の間隔よりも広く配置される動的部分と、を有し、前記画像束の拡大指示を受けると、前記画像束を占有する占有矩形の前記第1方向と交差する第2方向の長さを前記拡大指示に応じて拡大し、前記拡大指示の拡大率が大きくなると、前記動的部分の前記画像が前記静的部分に移動し、前記動的部分の前記画像の数を少なくし、前記複数の画像の前記第1方向の長さと前記第2方向の長さを前記拡大率で拡大する。
【0006】
上述の表示方法において、前記複数の画像は、第1の仮想軸上に配置され、前記第1の仮想軸と交差するそれぞれの第2の仮想軸を中心にして回転し、さらに前記第1の仮想軸を中心にして回転して表示されることとしても良い。
【0007】
上述の表示方法において、前記動的部分の前記画像の数が少なくなると、前記動的部分の前記第1方向の中央に配置する隣り合う前記画像同士が接するか、又は、重なる割合が小さくなることとしても良い。
【0008】
上述の表示方法において、前記表示部の前記第1方向の長さが前記第2方向の長さより短い場合、前記拡大率を所定の拡大率とすることとしても良い。
【0009】
上述の表示方法において、前記表示部は、更に前記第2方向に並ぶ複数の前記画像束を表示し、前記拡大指示を受けた前記画像束の前記占有矩形内の所定の位置を固定点とし、複数の前記画像束のそれぞれの前記占有矩形の前記第2方向の長さが前記拡大指示に応じて拡大することとしても良い。
【0010】
上述の表示方法において、前記所定の位置は、前記占有矩形内の前記第2方向の何れかに位置することとしても良い。
【0011】
本願の表示装置は、複数の画像で構成されている画像束を表示する表示部と、第1の仮想軸上に配置された前記複数の画像のそれぞれが、前記第1の仮想軸と交差するそれぞれの第2の仮想軸を中心にして回転し、さらに前記第1の仮想軸を中心に回転して前記複数の画像を生成する画像生成部と、隣り合う前記画像と一部が重なって表示される状態で、前記画像が等間隔で並ぶ静的部分と、隣り合う前記画像同士の間隔が、前記静的部分における前記画像同士の間隔よりも広く配置される動的部分と、を有する前記画像束を表示させ、前記画像束の拡大指示を受けると、前記画像束を占有する占有矩形の前記第1の仮想軸に沿った第1方向と交差する第2方向の長さを拡大し、前記拡大指示の拡大率が大きくなると、前記動的部分の前記画像を前記静的部分に移動し、前記動的部分の前記画像の数を少なくし、前記複数の画像の前記第1方向の長さと前記第2方向の長さを前記拡大率で拡大して表示させる制御部と、を備えている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態に係るビューアーの外観を示す図。
図2】画像表示部に表示される拡大表示されたサムネイル画像束を示す図。
図3】ビューアーのシステム構成を示すブロック図。
図4】ビューアーのシステム構成を示すブロック図。
図5】ビューアーの処理の一例を示すフローチャート。
図6】ビューアーの処理の一例を示すフローチャート。
図7A】サムネイル画像の生成処理を説明する図。
図7B】サムネイル画像の生成処理を説明する図。
図7C】サムネイル画像の生成処理を説明する図。
図7D】サムネイル画像の生成処理を説明する図。
図7E】サムネイル画像の生成処理を説明する図。
図8】ビューアーの処理の一例を示すフローチャート。
図9】サムネイル画像束を拡大表示する表示方法を説明する図。
図10】サムネイル画像束を拡大表示する表示方法を説明する図。
図11】縦長の画像表示部にサムネイル画像束を拡大表示する表示方法を説明する図。
図12】縦長の画像表示部にサムネイル画像束を拡大表示する表示方法を説明する図。
図13】複数のサムネイル画像束を拡大表示する表示方法を説明する図。
図14】複数のサムネイル画像束を拡大表示する表示方法を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[実施形態]
以下、本実施形態に係る表示方法及び表示装置について図面を参照して説明する。本実施形態では、表示装置として、画像を含む文献の一例である電子マニュアルや電子書籍あるいはユーザーが作成する文献を閲覧し編集可能なビューアーを例に挙げて説明する。なお、以下の説明で参照する図面では、説明及び図示の便宜上、部材ないし部分の縦横の縮尺を実際のものとは異なるように表す場合がある。また、説明に必要な構成要素以外は図示を省略する場合がある。また、以下では、説明の都合上、図1図2図9図10図11図12図13、及び図14には、それぞれ、互いに直交する3つの軸としてX軸、Y軸、及びZ軸が図示されており、各軸を示す矢印の先端側を「+」、基端側を「-」とする。また、X軸に沿う方向を第1方向としての「横方向」、Y軸に沿う方向を第2方向としての「縦方向」、Z軸に沿う方向を「奥行き方向」という。また、横方向の-X方向を左又は左側、+X方向を右又は右側とし、縦方向の-Y方向を下又は下側、+Y方向を上又は上側として説明する。また、本実施形態では第1方向を横方向、第2方向を縦方向としたが、第1方向が縦方向、第2方向が横方向であってもよい。つまり、第1方向と第2方向とは互いに交差していればよい。
【0014】
<ビューアーの概要>
先ず、図1及び図2を参照して、実施形態に係るビューアー10の概要について説明する。
図1は、本実施形態に係るビューアーの外観を示す図であり、ビューアー10を表示部としての画像表示部2側から見た正面図である。図2は、画像表示部2に拡大表示された複数のサムネイル画像Tで構成されるサムネイル画像束Gを示す図である。
本実施形態に係るビューアー10は、画像を表示する表示装置である。この例で、ビューアー10は、文書の一例としての電子書籍を閲覧するための装置、いわゆる電子ブックリーダーである。電子書籍は、複数ページの画像を含む文献データである。ビューアー10は、電子書籍をある単位で画像表示部2に表示する。ある単位とは例えば1ページずつである。電子書籍に含まれる複数ページのうち、表示の対象となるページを選択ページという。選択ページは、ユーザーによる図1に示すボタン7A~7Fあるいはタッチパネル7Gの操作に応じて変更される。すなわち、ユーザーは、ボタン7A~7Fあるいはタッチパネル7Gの操作により、電子書籍のページをめくることができる。また、ビューアー10は、電子書籍の閲覧に加え、アプリケーションプログラムを実行する機能を有する。
【0015】
本実施形態に係る画像表示部2は、電子マニュアルや電子書籍あるいはユーザーが作成する文献の各ページを縮小した複数の画像としてのサムネイル画像Tが横方向に並んで配置されている画像束としてのサムネイル画像束Gを表示する。サムネイル画像束Gを拡大表示する拡大指示があると、図2に示すように、拡大したサムネイル画像束Gを表示する。
なお、サムネイル画像束Gは、静的部分52にサムネイル画像T同士が等間隔で配置され、中央の動的部分50に隣り合うサムネイル画像T同士の間隔が、静的部分52におけるサムネイル画像T同士の間隔よりも広くなるように配置されている。
【0016】
サムネイル画像束Gは、画像表示部2の縦方向の中央に配置され、画像表示部2の下辺に沿って配置されている。
【0017】
サムネイル画像Tは、画像表示部2の一部を占める大きさを有する画像であって、元画像を縮小又は拡大した画像である。元画像は、電子マニュアルや電子書籍あるいはユーザーが作成する文献データのページの画像である。また、元画像は、アプリケーションプログラムのアイコン、又はアプリケーションプログラムの動作画面であってもよい。なお、複数のサムネイル画像Tの各々には、アプリケーションプログラム及びその動作が割り当てられてもよい。
【0018】
ビューアー10は、画像表示部2が配置される面に、入力部7としてボタン7A~7F及びタッチパネル7Gを備える。入力部7は、外部からの入力を取り込む。入力部7は、ユーザーの操作を受け付け、入力信号として処理する。すなわち、ユーザーは、入力部7を操作して、ビューアー10に所定の入力を行う。
【0019】
<ビューアーのシステム構成>
次に、図3及び図4を参照して、ビューアー10のシステム構成を説明する。
図3及び図4は、ビューアー10のシステム構成を示すブロック図である。
ビューアー10は、図3に示すように、バスBUSに接続される画像表示部2と、制御部3と、VRAM(Video Random Access Memory)4と、RAM(Random Access Memory)5と、文献記憶部6と、入力部7と、を備える。バスBUSに接続される各部間での信号あるいは情報の受け渡しは、バスBUSを介して行われる。
【0020】
画像表示部2は、各元画像に対応する複数のサムネイル画像Tを横方向に並んで配置されているサムネイル画像束Gを表示する。また、画像表示部2は、サムネイル画像束Gを拡大表示する拡大指示があると、拡大したサムネイル画像束Gを表示する。画像表示部2は、後述する図7Eに示すように、第1の仮想軸としての第1仮想回転軸Q及び第2の仮想軸としての第2仮想回転軸Mを含む仮想空間内における任意の視点から仮想空間内に配置されたサムネイル画像Tを横方向に並べたサムネイル画像束Gを見た画像である俯瞰画像を表示する。
【0021】
画像表示部2は、液晶パネルなどに画像を表示させる信号を出力する図示しない表示駆動回路を含む。画像表示部2は、VRAM4に記憶される画像データを画像として表示する。
【0022】
制御部3は、ビューアー10の各部を制御する装置、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)等を有するマイクロコンピューターである。CPUは、RAM5をワークエリアとして、ROM又はRAM5に記憶されたプログラムを実行する。ROMは、例えば、ビューアー10の基本的な動作を制御するためのOS(Operating System)プログラムを記憶している。
【0023】
制御部3は、ROMに記憶されたプログラムに基づいてビューアー10の各部を制御する。例えば、制御部3は、各種画像データをVRAM4に記憶させる制御や、入力部7から送られる入力信号からユーザーにより操作されるボタン7A~7F及びタッチパネル7Gや操作された内容を特定し、操作されたボタン7A~7F及びタッチパネル7Gや内容に基づいてビューアー10を動作させる制御を行う。さらに、制御部3は、画像表示部2に表示する画像に対する画像処理を制御する。画像処理としては、例えば、拡大指示に伴うサムネイル画像束Gの拡大表示や選択ページの拡大表示やサムネイル画像Tに対する強調表示などの処理が行われる。
【0024】
VRAM4は、画像表示部2に表示させる画像を示す画像データを記憶するメモリーである。VRAM4は、展開された画像データが記憶されるメモリーである。VRAM4に記憶される画像データは、画像表示部2に表示される。
【0025】
RAM5は、制御部3によって実行される画像処理の内容及び画像データとの関連付けが記憶されるメモリーである。
【0026】
文献記憶部6は、書換え可能なメモリーであり、電子マニュアルや電子書籍あるいはユーザーが作成する文献などの文献データを記憶する。文献記憶部6は、複数の異なる文献データを記憶することができ、適宜文献データの書換えが可能である。文献記憶部6は、文献データに加え、各種のデータ及びアプリケーションプログラムを記憶する不揮発性のメモリーである。文献記憶部6は、例えば、ビューアー10が内蔵する半導体メモリーであってもよいし、SDメモリーカードなどの着脱可能な外部メモリーであってもよい。
【0027】
入力部7は、図1に示すボタン7A~7Fを備える。入力部7は、ボタン7A~7Fが操作されると、操作されたボタンに対応する入力信号を制御部3へ送信する。入力部7は、タッチパネル7Gを備える。
【0028】
制御部3は、図4に示すように、画像生成部としてのGUI基盤部30と、画像データ処理部32と、を備える。
【0029】
GUI基盤部30は、第1仮想回転軸Q上に配置される複数のサムネイル画像Tのそれぞれを、第1仮想回転軸Qと交差するそれぞれの第2仮想回転軸Mを中心にして回転し、さらに第1仮想回転軸Qを中心に回転してサムネイル画像Tを生成する。GUI基盤部30は、仮想空間内における任意の視点から仮想空間内に配置されたサムネイル画像束Gを見た画像である俯瞰画像を生成する。
GUI基盤部30は、有効矩形処理部34と、画像配置部36と、3D画像処理部38と、タッチ処理部40と、ファイル指示部42と、を備える。
【0030】
有効矩形処理部34は、サムネイル画像表示領域を設定する。
【0031】
画像配置部36は、第2仮想回転軸Mを中心にして回転するサムネイル画像Tの回転角θを決定する。決定した回転角θに基づいて、GUI基盤部30でサムネイル画像Tを生成する。
【0032】
画像配置部36は、複数のサムネイル画像Tで構成されたサムネイル画像束Gを、隣り合うサムネイル画像Tと一部が重なって表示される状態で、サムネイル画像T同士が等間隔で並ぶ静的部分52と、隣り合うサムネイル画像T同士の間隔が、静的部分52におけるサムネイル画像T同士の間隔よりも広く配置されている動的部分50と、に分け、静的部分52と動的部分50との共通の標準ページピッチを計算する。
【0033】
画像配置部36は、見開きのページの幅と動的部分50のページで分け合う幅とを計算する。また、サムネイル画像束Gの動的部分50に縦長のサムネイル画像Tや横長のサムネイル画像Tが混在している場合に累積正規分布を計算する。
【0034】
画像配置部36は、上述した計算を行い、サムネイル画像束Gを構成する複数のサムネイル画像Tの配置位置を決定する。
【0035】
3D画像処理部38は、例えば、FrameBuffer、GPUである。
【0036】
タッチ処理部40は、ユーザーのタッチパネル7Gへのタッチを検出する。タッチ処理部40は、タッチパネル7Gからのタッチ信号を取得する。
【0037】
ファイル指示部42は、タッチ処理部40から供給されるデータに基づいて、画像データ処理部32に文献データのページの元画像の読み込みを指示する。ファイル指示部42は、例えば、モバイル機器向けのオペレーションシステムのアンドロイド(登録商標)の機能である。
【0038】
画像データ処理部32は、例えば、PDFライブラリーである。
画像データ処理部32は、画像サイズ取得部44と、画像取得部46と、ページ数取得部48と、を備える。
【0039】
画像サイズ取得部44は、文献記憶部6から文献データのページの元画像の横方向の長さを取得する。画像サイズ取得部44は、文献記憶部6から文献データのページの元画像の縦方向の長さを取得する。
【0040】
画像取得部46は、文献記憶部6から文献データのページの元画像を取得する。
【0041】
ページ数取得部48は、文献記憶部6から文献データのページ数を取得する。
【0042】
アプリケーション部28は、例えば、写真や文書などの印刷ソフト、年賀状印刷ソフト、写真や文書などをプロジェクターで投影する投影ソフトなどのアプリケーションソフトである。
【0043】
<ビューアーの動作>
次に、図5図10を参照し、ビューアーの動作を説明する。
図5図6、及び図8は、ビューアー10の処理の一例を示すフローチャートである。図7A図7Eは、サムネイル画像の生成処理を説明する図である。図9及び図10は、サムネイル画像束を拡大表示する表示方法を説明する図である。以降、図5のフローチャートに沿って、図2を参照しつつ制御部3の動作を説明する。
【0044】
制御部3は、生成されたサムネイル画像Tを画像表示部2の右側から左側へページ番号の昇順で配置したサムネイル画像束Gを生成する。
【0045】
制御部3は、サムネイル画像束Gの拡大指示を受けると、後述する図9及び図10に示すサムネイル画像束Gを占有する占有矩形Dの縦方向の長さを拡大指示に応じて拡大し、拡大指示の拡大率が大きくなると、動的部分50のサムネイル画像Tを静的部分52へ移動し、動的部分50のサムネイル画像Tの数を少なくする。その後、各サムネイル画像Tの横方向の長さと縦方向の長さを拡大指示の拡大率で拡大し、横方向に並べて配置した拡大サムネイル画像束Gを生成する。
【0046】
画像配置部36は、サムネイル画像束Gを静的部分52と動的部分50とに分け、静的部分52におけるサムネイル画像Tの配置位置と、動的部分50におけるサムネイル画像Tの配置位置と、を計算し、サムネイル画像束Gを構成する複数のサムネイル画像Tの配置位置を決定する。
【0047】
画像配置部36は、動的部分50において、動的部分50の横方向の中央に位置する隣り合うサムネイル画像T同士が接するか、又は、重なる割合が小さくなるようにサムネイル画像Tの配置を決定する。
【0048】
図5のフローは、所定のイベント、例えば、ビューアー10の電源が投入されたこと、又は、ビューアー10において例えば、メニュー画面の表示が指示されたことを契機として開始される。
【0049】
先ず、ステップS101において、制御部3は、処理対象となるサムネイル画像束G、この例ではサムネイル画像束Gに含まれる複数のサムネイル画像Tの元画像を文献記憶部6から取得する。
【0050】
次に、ステップS102において、制御部3は、複数のサムネイル画像Tの並び順を示すデータを文献記憶部6から取得する。このデータは、サムネイル画像Tの識別子と、並び順を示す番号とを含む。
【0051】
次に、ステップS103において、制御部3は、サムネイル画像束Gの表示に用いられるパラメーターを取得する。これらのパラメーターは、サムネイル画像束Gの識別子とともに、文献記憶部6に記憶されている。ここで取得されるパラメーターには、画像数や画像の幅寸法が含まれる。画像数は、サムネイル画像束Gに含まれるサムネイル画像Tの数を示すパラメーターである。画像の幅寸法は、サムネイル画像束Gの横方向の長さを示すパラメーターである。
【0052】
次に、ステップS104において、制御部3は、GUI基盤部30で生成されたサムネイル画像Tを用いてサムネイル画像束Gを生成する。詳細には、制御部3は、GUI基盤部30がステップS101において取得した元画像を縮小又は拡大し、生成したサムネイル画像Tを用いてサムネイル画像束Gを生成する。
以下、図6のフローチャートに沿って、図7A図7Eを参照しつつ制御部3のサムネイル画像Tを生成し、サムネイル画像Tを配置してサムネイル画像束Gを生成する動作を説明する。
【0053】
先ず、ステップS201において、画像配置部36は、後述する図7Aに示す各ページの第2仮想回転軸Mを中心にして回転する回転角θを決める。なお、各ページの回転角θは、回転角θの所定の正規分布に従って計算される。
【0054】
次に、ステップS202において、制御部3は、各ページのサムネイル画像Tを生成する。具体的には、GUI基盤部30において、第1仮想回転軸Q上に配置される複数のサムネイル画像Tのそれぞれを、第1仮想回転軸Qと交差するそれぞれの第2仮想回転軸Mを中心にして回転し、さらに第1仮想回転軸Qを中心に回転してサムネイル画像Tを生成する。
【0055】
GUI基盤部30は、図7Aに示すように、ページTaを仮想空間内の仮想水平面Nに設定された第1仮想回転軸Q上に立てて配置し、第1仮想回転軸Qと交差するそれぞれの第2仮想回転軸Mを中心にして、ページTaの横方向が表示領域の横方向に平行な基準位置Rから回転角θで回転させる。さらに、GUI基盤部30は、仮想空間内においてそれぞれの第2仮想回転軸Mを中心にして回転されたページTaを、第1仮想回転軸Qを中心にして図示しない俯角φで回転させた画像を生成する。即ち、GUI基盤部30は、仮想空間内において、第2仮想回転軸Mを中心にして回転されたページTaの上辺より上の視点から、ページTaを図示しない俯角φで斜めに見下ろしている画像を生成する。換言すれば、各サムネイル画像は、仮想空間内においてページTaの上辺より上の視点からページTaを図示しない俯角φで斜視し、俯瞰している画像として生成される。なお、ページを回転させていない場合、ページの横方向が表示領域の横方向に平行な状態であり、回転角θは0°である。また、俯角φは予め定められた角度となっている。また、第2仮想回転軸Mは、ページの縦方向である第2方向の辺に沿って平行である構成に限定されるものではなく、ページの横方向の辺と交差する構成であってもよい。
【0056】
具体的には、先ず、GUI基盤部30は、各ページを正面から見た図7Bに示す画像Tbに対して、図7Cに示すように、横幅を変化させないようにしつつ、縦方向の変形を加え、図7Bの画像Tbの右辺を左辺に対してS・sinθ・tanφだけずらした画像Tcを生成する。次に、GUI基盤部30は、図7Dに示すように、図7Cの画像Tcを、cosθの倍率で横方向に縮小した画像Tdを生成する。この結果、画像Tdの横幅は、S・cosθとなる。そして、GUI基盤部30は、最後に図7Eに示すように、図7Dの画像Tdをcosφの倍率で縦方向に縮小した画像Teを生成する。この結果、画像Teの縦方向の寸法は、L・cosφとなる。これにより、ページを、第2仮想回転軸Mを中心にして回転角θで回転させ、さらに、第1仮想回転軸Qを中心に回転させたサムネイル画像Tが生成される。換言すれば、ページを、第2仮想回転軸Mを中心にして回転角θで回転させ、且つ、ページの上辺より上の視点からページを俯角φで見下ろした時のサムネイル画像Tが生成される。
【0057】
図6に戻り、ステップS203において、画像配置部36は、動的部分50と静的部分52との共通の標準ページピッチLaを計算する。
標準ページピッチLaは、「全体占有幅*標準ページピッチ占有幅比率/(ページ数-1)」で計算される。ここで、ページピッチが所定の正規分布の場合、静的部分52のページピッチは、標準ページピッチLaとなり、動的部分50のページピッチは、標準ページピッチLaの間に正規分布に従ったページピッチLXが入ったピッチとなる。なお、全体占有幅とは、静的部分52のページピッチの合計と動的部分50のページピッチの合計とを加算し、さらに静的部分52のページピッチ1個を加算した長さWmaxである。また、標準ページピッチ占有幅比率とは、動的部分50のページピッチLXを除いた標準ページピッチ占有幅の長さWaの全体占有幅の長さWmaxに対する比率である。
【0058】
次に、ステップS204において、画像配置部36は、見開きの幅を計算する。なお、見開きとは、図2に示す静的部分52に配置された右向きのサムネイル画像Tと左向きのサムネイル画像Tが隣り合っているところである。
【0059】
次に、ステップS205において、画像配置部36は、動的部分50のページで分け合う幅を計算する。
動的部分50のページで分け合う幅は、「全体占有幅*(1-標準ページピッチ占有幅比率)-見開きの実表示幅」で計算される。
【0060】
次に、ステップS206において、画像配置部36は、動的部分50に縦長のサムネイル画像Tや横長のサムネイル画像Tが混在している場合の累積正規分布を計算する。累積正規分布の計算を行うことで、動的部分50に縦長のサムネイル画像Tや横長のサムネイル画像Tが混在している場合の配置を算出することができる。
【0061】
次に、ステップS207において、画像配置部36は、上述で算出した各値に基づいて、各ページのX座標を算出し、この各ページのX座標に基づいて、GUI基盤部30で生成したサムネイル画像Tを第1仮想回転軸Q上に配置し、サムネイル画像束Gを生成する。なお、X座標とは、最初のページの横方向に対向する両端部の左側の端部を0とし、左側の端部からの横方向となるX軸方向の長さである。
以上のフローにより、GUI基盤部30で生成された複数のサムネイル画像Tを、画像配置部36において算出したX座標位置に配置したサムネイル画像束Gが生成される。
【0062】
図5に戻り、ステップS105において、制御部3は、画像表示部2の横方向に沿って、右側から左側へページ番号の昇順で配置したサムネイル画像束Gを画像表示部2に表示する。
【0063】
次に、ステップS106において、サムネイル画像束Gを拡大表示する拡大指示を受けない場合は、「No」として、動作を終了する。
また、サムネイル画像束Gを拡大表示する拡大指示を受けると、「Yes」としてステップS107へ進み、拡大したサムネイル画像束Gを生成する。
以下、図8のフローチャートに沿って、図9及び図10を参照しつつ制御部3がサムネイル画像束Gを拡大し表示する動作を説明する。なお、図9は、拡大前のサムネイル画像束Gを示し、図10は、拡大後のサムネイル画像束Gを示している。
【0064】
先ず、ステップS301において、制御部3は、拡大指示の拡大率に伴い、動的部分50のページ数を計算する。
なお、サムネイル画像束Gを拡大表示する拡大指示とは、図9に示すように、ユーザーが拡大表示前のサムネイル画像束Gを2本の指でタッチし、2本の指の間隔を横方向に広げるピンチアウトする動作である。
また、拡大率とは、ピンチアウト前の指の間隔L1とピンチアウト後の指の間隔L2との比「L2/L1」で決定され、例えば、「L2/L1」が2であれば、サムネイル画像束Gの拡大率を140%とする。この「L2/L1」と拡大率との関係は、RAM5に記憶されている。従って、制御部3は、ピンチアウトの「L2/L1」を検出し、RAM5から相応する拡大率を選択して、サムネイル画像束Gを拡大する。
【0065】
ここで、サムネイル画像束Gを拡大する場合、サムネイル画像束Gの横方向と縦方向とを等倍率で拡大すると、サムネイル画像束Gの横方向が画像表示部2からはみ出してしまう。そのため、サムネイル画像束Gを占有する占有矩形D、言い換えれば、サムネイル画像束Gの外縁を囲む占有矩形Dの縦方向の長さのみを拡大し、拡大の拡大率が大きくなると、動的部分50に配置されているサムネイル画像Tのうち静的部分52に近い順にサムネイル画像Tを静的部分52に移動し、動的部分50に配置されているサムネイル画像Tの数を少なくしている。よって、サムネイル画像束Gを占有する占有矩形Dの横方向の長さをそのままとし、占有矩形Dの縦方向の長さのみを拡大することで、拡大したサムネイル画像束Gを画像表示部2内に表示することができる。
【0066】
従って、ステップS301において、制御部3は、RAM5に記憶されている拡大率と動的部分50のページ数との関係式から、拡大指示の拡大率に伴う動的部分50のページ数を算出する。
【0067】
次に、ステップS302において、動的部分50のページ数が減少したので、上述したステップS203と同様に、画像配置部36は、動的部分50と静的部分52との共通の標準ページピッチLaを再計算する。
【0068】
次に、ステップS303において、上述したステップS204と同様に、画像配置部36は、見開きの幅を再計算する。
【0069】
次に、ステップS304において、上述したステップS205と同様に、画像配置部36は、動的部分50のページで分け合う幅を再計算する。
【0070】
次に、ステップS305において、上述したステップS206と同様に、画像配置部36は、動的部分50に見開きがある場合の累積正規分布を再計算する。
【0071】
次に、ステップS306において、GUI基盤部30は、拡大指示の拡大率で各ページのサムネイル画像Tを拡大する。言い換えれば、各サムネイル画像Tは、横方向と縦方向とを等倍率で拡大される。
【0072】
次に、ステップS307において、上述したステップS207と同様に、画像配置部36は、上述で算出した各値に基づいて、各ページのX座標を算出し、制御部3は、この各ページのX座標に基づいて、GUI基盤部30で生成した拡大されたサムネイル画像Tを第1仮想回転軸Q上に配置し、拡大したサムネイル画像束Gを生成する。
以上のフローにより、GUI基盤部30で生成した複数の拡大したサムネイル画像Tを、画像配置部36において算出したX座標位置に配置することで、拡大したサムネイル画像束Gが生成される。
【0073】
図5に戻り、ステップS108において、制御部3は、図2又は図10に示すように、画像表示部2の横方向に沿って、右側から左側へページ番号の昇順で配置した拡大したサムネイル画像束Gを画像表示部2に表示する。
【0074】
次に、ステップS106に戻り、再び拡大指示を受けた場合は、「Yes」として、ステップS107に進み、再びサムネイル画像束Gを拡大し、表示する動作を繰り返す。また、拡大指示を受けない場合は、「No」として、拡大表示の動作を終了する。
【0075】
なお、各ステップで算出された各種計算値は、ページごとにRAM5に記憶され、計算に必要な際に、その都度、RAM5から読み出され各種計算に用いられる。
【0076】
また、本実施形態では、ピンチアウト動作などによるサムネイル画像束Gの拡大指示を受けた場合について述べているが、ピンチイン動作などによるサムネイル画像束Gの縮小指示を受けた場合には、サムネイル画像束Gを占有する占有矩形Dの縦方向の長さを縮小指示に応じて縮小し、縮小の縮小率が大きくなると、静的部分52のサムネイル画像Tを動的部分50に移動し、動的部分50のサムネイル画像Tの数を多くすることで縮小されたサムネイル画像束Gを表示するようにしても良い。
【0077】
上述のような表示装置としてのビューアー10や表示方法によれば、サムネイル画像束Gの拡大指示を受けると、サムネイル画像束G全体をそのまま拡大せず、サムネイル画像束Gを占有する占有矩形Dの縦方向の長さを拡大指示の拡大率に応じて広げる。そのため、動的部分50に配置されたサムネイル画像Tは、拡大率に応じて、動的部分50に配置されるサムネイル画像Tの数を少なくすることで、サムネイル画像束G全体の横方向の長さを変えることなく、各サムネイル画像Tの横方向の長さと縦方向の長さを拡大指示された拡大率で拡大することができる。そのため、動的部分50に配置された複数のサムネイル画像Tの記載内容を同時に確認することができる。また、静的部分52に配置されたサムネイル画像Tは、隣り合うサムネイル画像Tと一部が重なって拡大表示されるので、サムネイル画像Tの記載内容の一部も同時に確認することができる。
【0078】
また、第1仮想回転軸Q上に配置され、且つ第1仮想回転軸Qと交差するそれぞれの第2仮想回転軸Mを中心に回転させ、さらに第1仮想回転軸Qを中心に回転させた複数のサムネイル画像Tを横方向に並べて配置したサムネイル画像束Gが構成されることにより、サムネイル画像束Gを構成する複数のサムネイル画像Tの記載内容を俯瞰することができる。
【0079】
また、動的部分50に配置する隣り合うサムネイル画像T同士が接するか、又は、重なる割合が小さくなるように表示することで、動的部分50に配置されたサムネイル画像Tの記載内容を容易に確認することができる。
【0080】
次に、上述したサムネイル画像束Gを拡大表示する表示方法と異なる表示方法について、表示例1及び表示例2を参照して説明する。
【0081】
[表示例1]
画像表示部2の横方向の長さが縦方向の長さより短い場合にサムネイル画像束Gを拡大表示する表示方法について、図11及び図12を参照して説明する。
図11及び図12は、縦長の画像表示部にサムネイル画像束を拡大表示する表示方法を説明する図である。なお、図11は、拡大前のサムネイル画像束Gを示し、図12は、拡大後のサムネイル画像束Gを示している。また、ビューアー10における構成部位に関しては、上述と同符号を付して説明する。
【0082】
図11及び図12に示すように、横方向の長さが縦方向の長さより短い画像表示部2にサムネイル画像束Gを拡大表示する場合、サムネイル画像束Gの占有矩形Dの横方向の長さに対して占有矩形Dの縦方向の長さを非常に大きく拡大して表示することができる。そのため、動的部分50に配置されていたサムネイル画像Tが全て静的部分52へ移動し、サムネイル画像束Gを構成する複数のサムネイル画像Tが全て静的部分52に配置され、動的部分50に配置されたサムネイル画像Tの記載内容を確認することができなくなる。また、拡大したサムネイル画像束Gが画像表示部2に表示されない部分が生じる。そのため、縦長の画像表示部2にサムネイル画像束Gを拡大表示する場合には、制御部3は、RAM5に記憶された最大拡大率を横長の画像表示部2における拡大率より小さい所定の拡大率、所謂、動的部分50にサムネイル画像Tが所定の数だけ配置される拡大率に設定し、サムネイル画像束Gを拡大する。
【0083】
この表示方法によれば、縦長の画像表示部2の場合、複数のサムネイル画像Tが横方向に並んで配置されているサムネイル画像束Gを、拡大表示しようとすると、サムネイル画像束Gの占有矩形Dの縦方向の長さを非常に大きく拡大して表示することができる。そのため、動的部分50に配置されていたサムネイル画像Tが全て静的部分52へ移動するので、サムネイル画像Tの記載内容を確認することができなくなる。また、拡大したサムネイル画像束Gが画像表示部2からはみ出してしまう。そのため、最大拡大率を横長の画像表示部2における拡大率より小さい所定の拡大率とすることで、動的部分50に配置されたサムネイル画像Tが所定の数だけ表示され、動的部分50に配置された複数のサムネイル画像Tの記載内容を容易に確認することができる。
【0084】
[表示例2]
画像表示部2に表示された複数のサムネイル画像束Gを拡大表示する表示方法について、図13及び図14を参照して説明する。
図3及び図14は、複数のサムネイル画像束を拡大表示する表示方法を説明する図である。なお、図13は、拡大前のサムネイル画像束G1,G2,G3を示し、図14は、拡大後のサムネイル画像束G1,G2を示している。ビューアー10における構成部位に関しては、上述と同符号を付して説明する。
【0085】
図13及び図14に示すように、縦方向に並ぶ複数のサムネイル画像束G1,G2,G3が画像表示部2に表示され、ピンチアウト動作などの拡大指示されたサムネイル画像束G1を拡大表示する場合、拡大指示を受けたサムネイル画像束G1の占有矩形D内の所定の位置Pを固定点とし、複数のサムネイル画像束G1,G2,G3のそれぞれの占有矩形Dの縦方向の長さが拡大指示に応じて拡大し、表示される。つまり、制御部3は、サムネイル画像束G1の拡大表示を受けると、サムネイル画像束G1の占有矩形D内の所定の位置Pを固定点として、複数のサムネイル画像束G1,G2,G3のそれぞれの占有矩形Dの縦方向の長さを拡大し、画像表示部2に表示する。
【0086】
また、固定点とする所定の位置Pは、拡大指示を受けたサムネイル画像束G1の占有矩形D内の縦方向に沿った位置であればどこでも良い。例えば、中央のサムネイル画像束G2に拡大指示を受けた場合、固定点をサムネイル画像束G2の上端とすると、サムネイル画像束G2とサムネイル画像束G2の上方に位置するサムネイル画像束G1とを同時に拡大表示することができる。また、固定点をサムネイル画像束G2の下端とすると、サムネイル画像束G2とサムネイル画像束G2の下方に位置するサムネイル画像束G3とを同時に拡大表示することができる。なお、固定点とする所定の位置Pは、ユーザーが拡大指示をする前に、拡大指示するサムネイル画像束G1,G2,G3の占有矩形D内を指でタッチすることで指定する。
【0087】
この表示方法によれば、複数のサムネイル画像束G1,G2,G3が画像表示部2に表示された場合、拡大指示を受けたサムネイル画像束G1の占有矩形D内の所定の位置Pを固定点とし、複数のサムネイル画像束G1,G2,G3のそれぞれの占有矩形Dの縦方向の長さを拡大指示に応じて拡大する。そのため、拡大指示を受けたサムネイル画像束G1に隣接するサムネイル画像束G2も同時に拡大されるので、拡大指示を受けたサムネイル画像束G1と隣接するサムネイル画像束G2を構成する複数のサムネイル画像Tの記載内容を同時に確認することができる。
【0088】
また、固定点となる所定の位置Pが占有矩形D内の縦方向の何れかに位置するので、拡大指示を受けたサムネイル画像束G1,G2,G3の縦方向に隣接するどちら側のサムネイル画像束G1,G2,G3と同時に拡大表示するか選択することができる。
【0089】
以下に、上述した実施形態から導き出される内容を記載する。
【0090】
表示方法は、複数の画像を表示部に表示させる表示方法であって、前記表示部は、前記複数の画像が第1方向に並ぶ画像束を表示し、前記画像束は、隣り合う前記画像と一部が重なって表示される状態で、前記画像が等間隔で並ぶ静的部分と、隣り合う前記画像同士の間隔が、前記静的部分における前記画像同士の間隔よりも広く配置される動的部分と、を有し、前記画像束の拡大指示を受けると、前記画像束を占有する占有矩形の前記第1方向と交差する第2方向の長さを前記拡大指示に応じて拡大し、前記拡大指示の拡大率が大きくなると、前記動的部分の前記画像が前記静的部分に移動し、前記動的部分の前記画像の数を少なくし、前記複数の画像の前記第1方向の長さと前記第2方向の長さを前記拡大率で拡大する。
【0091】
この表示方法によれば、画像束の拡大指示を受けると、画像束全体をそのまま拡大せず、画像束を占有する占有矩形の第2方向の長さを拡大指示に応じて広げる。そのため、動的部分に配置された画像は、拡大率に応じて、動的部分に配置される画像の数を少なくすることで、画像束全体の第1方向の長さを変えることなく、各画像の第1方向の長さと第2方向の長さを拡大指示された拡大率で拡大することができるので、動的部分に配置された複数の画像の記載内容を同時に確認することができる。
【0092】
上述の表示方法において、前記複数の画像は、第1の仮想軸上に配置され、前記第1の仮想軸と交差するそれぞれの第2の仮想軸を中心にして回転し、さらに前記第1の仮想軸を中心にして回転して表示されることとしても良い。
【0093】
この表示方法によれば、第1の仮想軸上に配置され、且つ第1の仮想軸と交差するそれぞれの第2の仮想軸を中心に回転させ、さらに第1の仮想軸を中心に回転させた複数の画像を第1方向に並べて配置した画像束が構成されることにより、画像束を構成する複数の画像の記載内容を俯瞰することができる。
【0094】
上述の表示方法において、前記動的部分の前記画像の数が少なくなると、前記動的部分の前記第1方向の中央に配置する隣り合う前記画像同士が接するか、又は、重なる割合が小さくなることとしても良い。
【0095】
この表示方法によれば、動的部分に配置する隣り合う画像同士が接するか、又は、所定の割合で重なるように表示することで、動的部分に配置された画像の記載内容を容易に確認することができる。
【0096】
上述の表示方法において、前記表示部の前記第1方向の長さが前記第2方向の長さより短い場合、前記拡大率を所定の拡大率とすることとしても良い。
【0097】
この表示方法によれば、表示部の第1方向の長さが第2方向の長さより短い場合、複数の画像が第1方向に並んで配置されている画像束を、拡大表示しようとすると、占有矩形の第1方向の長さに対して占有矩形の第2方向の長さを非常に大きく拡大して表示することができる。そのため、動的部分に配置されていた画像が全て静的部分へ移動し、画像束を構成する複数の画像が全て静的部分へ配置され、動的部分に配置された画像の記載内容を確認することができなくなる。そのため、所定の拡大率とすることで、動的部分に配置された画像が所定の数だけ表示できるようにすることができ、動的部分に配置された複数の画像の記載内容を容易に確認することができる。
【0098】
上述の表示方法において、前記表示部は、更に前記第2方向に並ぶ複数の前記画像束を表示し、前記拡大指示を受けた前記画像束の前記占有矩形内の所定の位置を固定点とし、複数の前記画像束のそれぞれの前記占有矩形の前記第2方向の長さが前記拡大指示に応じて拡大することとしても良い。
【0099】
この表示方法によれば、複数の画像束が表示部に表示された場合、拡大指示を受けた画像束の占有矩形内の所定の位置を固定点とし、複数の画像束のそれぞれの占有矩形の第2方向の長さを拡大指示に応じて拡大する。そのため、拡大指示を受けた画像束に隣接する画像束も同時に拡大されるので、拡大指示を受けた画像束と隣接する画像束を構成する複数の画像の記載内容を同時に確認することができる。
【0100】
上述の表示方法において、前記所定の位置は、前記占有矩形内の前記第2方向の何れかに位置することとしても良い。
【0101】
この表示方法によれば、固定点となる所定の位置が占有矩形内の第2方向に位置するので、拡大指示を受けた画像束の第2方向に隣接するどちら側の画像束と同時に拡大表示するか選択することができる。
【0102】
表示装置は、複数の画像で構成されている画像束を表示する表示部と、第1の仮想軸上に配置された前記複数の画像のそれぞれが、前記第1の仮想軸と交差するそれぞれの第2の仮想軸を中心にして回転し、さらに前記第1の仮想軸を中心に回転して前記複数の画像を生成する画像生成部と、隣り合う前記画像と一部が重なって表示される状態で、前記画像が等間隔で並ぶ静的部分と、隣り合う前記画像同士の間隔が、前記静的部分における前記画像同士の間隔よりも広く配置される動的部分と、を有する前記画像束を表示させ、前記画像束の拡大指示を受けると、前記画像束を占有する占有矩形の前記第1の仮想軸に沿った第1方向と交差する第2方向の長さを拡大し、前記拡大指示の拡大率が大きくなると、前記動的部分の前記画像を前記静的部分に移動し、前記動的部分の前記画像の数を少なくし、前記複数の画像の前記第1方向の長さと前記第2方向の長さを前記拡大率で拡大して表示させる制御部と、を備えている。
【0103】
この表示装置によれば、画像束の拡大指示を受けると、画像束全体を拡大せず、画像束を占有する占有矩形の第1方向と交差する第2方向の長さを拡大指示に応じて拡大する。そのため、動的部分に配置された画像は、拡大率に応じて、動的部分に配置される画像の数を少なくするので、画像束全体の第1方向の長さを同じとし、隣り合う画像同士の重なる領域が小さくすることができるので、動的部分に配置された複数の画像の記載内容を同時に確認することができる。
【符号の説明】
【0104】
2…表示部としての画像表示部、3…制御部、4…VRAM、5…RAM、6…文献記憶部、7…入力部、7A~7F…ボタン、7G…タッチパネル、10…表示装置としてのビューアー、28…アプリケーション部、30…画像生成部としてのGUI基盤部、32…画像データ処理部、34…有効矩形処理部、36…画像配置部、38…3D画像処理部、40…タッチ処理部、42…ファイル指示部、44…画像サイズ取得部、46…画像取得部、48…ページ数取得部、50…動的部分、52…静的部分、BUS…バス、G…画像束としてのサムネイル画像束、T…画像としてのサムネイル画像、Ta…ページ、Tb,Tc,Td,Te…画像、Q…第1の仮想軸としての第1仮想回転軸、M…第2の仮想軸としての第2仮想回転軸、N…仮想水平面、R…基準位置、D…占有矩形、L1,L2…間隔、P…所定の位置、θ…回転角。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14