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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】車内照明装置
(51)【国際特許分類】
   B60Q 3/233 20170101AFI20221129BHJP
   B60Q 3/76 20170101ALI20221129BHJP
   B60Q 3/85 20170101ALI20221129BHJP
   B60Q 3/54 20170101ALI20221129BHJP
   B60Q 3/44 20170101ALI20221129BHJP
【FI】
B60Q3/233
B60Q3/76
B60Q3/85
B60Q3/54
B60Q3/44
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018242335
(22)【出願日】2018-12-26
(65)【公開番号】P2020104543
(43)【公開日】2020-07-09
【審査請求日】2021-06-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000241500
【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】田原 宏泰
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 隆平
【審査官】下原 浩嗣
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第02302092(US,A)
【文献】特開2012-096665(JP,A)
【文献】特開昭54-110503(JP,A)
【文献】米国特許第03358134(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 3/233
B60Q 3/76
B60Q 3/85
B60Q 3/54
B60Q 3/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の前後方向に延在するルーフサイドレールに沿って設けられ、前記ルーフサイドレールを車室内側から覆うガーニッシュと、前記ガーニッシュの下方に位置する第1座席及び車幅方向内側において前記第1座席に隣り合う第2座席とを備える車両に適用され、前記車室内を照明する車内照明装置であって、
前記ガーニッシュに設けられ、通電により発光することで前記第1座席を個別に照明する第1発光部及び前記第1発光部への通電状態の切り替え操作を行う第1操作部を有する第1照明部と、通電により発光することで前記第2座席を個別に照明する第2発光部及び前記第2発光部への通電状態の切り替え操作を行う第2操作部を有する第2照明部とを備え、
前記第2照明部は、前記第1照明部よりも車両の前後方向の前方に配置されており、
前記第1発光部及び前記第2発光部は、光源と、前記光源を収容するハウジングと、をそれぞれ有しており、
前記ガーニッシュの意匠面とは反対側の面には、前記第1発光部及び前記第2発光部を取り付ける第1取付部及び第2取付部がそれぞれ一体に設けられており、
前記第1発光部のハウジング及び前記第2発光部のハウジングは、個別のブラケットを介して前記第1取付部及び前記第2取付部にそれぞれ固定されており、
前記ブラケットは、前記ハウジングを収容するブラケット本体と、前記ブラケット本体から突出する脚部とを有しており、
前記第1取付部及び前記第2取付部は、前記脚部を弾性的に支持する支持孔をそれぞれ有している
車内照明装置。
【請求項2】
前記第1操作部は、前記第1発光部よりも車両の前後方向の後方に配置されている、
請求項1に記載の車内照明装置。
【請求項3】
前記第2操作部は、前記第2発光部よりも車両の前後方向の前方に配置されている、
請求項1または請求項2に記載の車内照明装置。
【請求項4】
前記ガーニッシュの意匠面には、前記第1発光部、前記第1操作部、前記第2発光部、及び前記第2操作部を前記車室内に各別に露出させる複数の露出口が設けられている、
請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の車内照明装置。
【請求項5】
前記ガーニッシュは、長尺状をなしており、
前記複数の露出口のうち前記第1発光部を前記車室内に露出させる第1露出口及び前記第2発光部を前記車室内に露出させる第2露出口は、前記ガーニッシュの長手方向に沿った同一直線上に設けられている、
請求項4に記載の車内照明装置。
【請求項6】
前記複数の露出口のうち前記第1発光部を前記車室内に露出させる第1露出口及び前記第2発光部を前記車室内に露出させる第2露出口は、前記車室内側に向かって断面積が拡大された第1拡散部及び第2拡散部と、前記ガーニッシュを貫通する第1貫通孔及び第2貫通孔とをそれぞれ有しており、
前記第1発光部の光軸及び前記第2発光部の光軸は、前記第1貫通孔の中心軸及び前記第2貫通孔の中心軸とそれぞれ一致しており、
前記第2発光部の光軸は、前記第1発光部の光軸よりも車幅方向の内側を指向している、
請求項4または請求項5に記載の車内照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車内照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車両の天井を構成する内装部材に取り付けられ、車室内を照らす照明装置が開示されている。同文献1に記載の照明装置は、各種電気部品が取り付けられる機能部本体と、機能部本体に取り付けられ、車室内に露出する意匠部を構成する長尺状のフレームとを備えている。同照明装置は、フレームに設けられたクリップにより天井を構成する内装部材に取り付けられている。
【0003】
フレームの長手方向の両端部には、一対のランプ穴が設けられている。各ランプ穴からは、機能部本体に対して回動可能に取り付けられた一対のランプが露出している。フレームの中央部には、一対のスイッチ穴が上記長手方向に並んで設けられている。各スイッチ穴からは、各ランプの点灯及び消灯を切り替える一対のスイッチが露出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-125870号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載の照明装置は、車両の天井を構成する内装部材に取り付けられるものであるため、乗員がスイッチを操作する際に、腕を伸ばしたり、座席から立ち上がったりする必要がある。そのため、操作性の向上を図る上で、なお、改善の余地がある。
【0006】
本発明の目的は、操作性を向上できる車内照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための車内照明装置は、車両の前後方向に延在するルーフサイドレールに沿って設けられ、前記ルーフサイドレールを車室内側から覆うガーニッシュと、前記ガーニッシュの下方に位置する第1座席及び車幅方向内側において前記第1座席に隣り合う第2座席とを備える車両に適用され、前記車室内を照明する。同車内照明装置は、前記ガーニッシュに設けられ、通電により発光することで前記第1座席を個別に照明する第1発光部及び前記第1発光部への通電状態の切り替え操作を行う第1操作部を有する第1照明部と、通電により発光することで前記第2座席を個別に照明する第2発光部及び前記第2発光部への通電状態の切り替え操作を行う第2操作部を有する第2照明部とを備え、前記第2照明部は、前記第1照明部よりも車両の前後方向の前方に配置されている。
【0008】
同構成によれば、ガーニッシュの下方に位置する第1座席を個別に照明する第1照明部と、車幅方向内側において第1座席に隣り合う第2座席を個別に照明する第2照明部とが、ルーフサイドレールを覆うガーニッシュに設けられている。同ガーニッシュは車両の天井よりも下方に位置するため、車両の天井を構成する内装部材に照明部が設けられている構成と比較して、各座席に着座した乗員から各照明部までの距離が短くなりやすい。これにより、第1座席または第2座席に着座している乗員は照明部の操作部を操作しやすくなる。こうした傾向は、バンやバスなどのように天井の高い車両ほど顕著となる。
【0009】
特に、上記構成によれば、第2照明部は、第1照明部よりも車両の前後方向の前方に配置されている。このため、第2座席に着座している乗員は、第2操作部を操作する際に、第1照明部の前方に位置する第2照明部の第2操作部に向けて腕を伸ばすこととなる。これにより、第2座席の乗員の腕が第1座席の乗員に干渉しにくくなる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、操作性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】車内照明装置の一実施形態について、同照明装置が適用された車両の車室内を示す斜視図。
図2】同実施形態の車内照明装置を示す正面図。
図3】同実施形態の車内照明装置を車幅方向の外側から視た斜視図。
図4】同実施形態のガーニッシュを車幅方向の外側から視た斜視図。
図5】同実施形態の照明部を車幅方向の外側から視た正面図。
図6】同実施形態の照明部を車幅方向の内側から視た正面図。
図7】同実施形態の第1発光部、ブラケット、ガーニッシュを互いに離間して示す分解斜視図。
図8図2の8-8線に沿った断面図。
図9図2の9-9線に沿った断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図1図9を参照して、一実施形態について説明する。
図1に示すように、本実施形態の車内照明装置(以下、単に照明装置10と称する)は、車幅方向において互いに隣り合う第1座席211及び第2座席212を備える車両200に適用され、車室201内を照明するものである。なお、以降において、車両の前後方向を単に前後方向と称し、前後方向の前方及び後方を単に前方及び後方と称する。
【0013】
車両200は、側部において上下方向に延在するとともに前後方向に互いに間隔をおいて設けられた一対のピラー(図示略)を車室201内側から覆う一対のピラーガーニッシュ202と、車両200の天井を構成するルーフパネル(図示略)を覆うルーフライニング203とを備えている。ピラーガーニッシュ202の上端とルーフライニング203との間には、車両200の前後方向に延在するルーフサイドレール(図示略)に沿って設けられ、当該ルーフサイドレールを車室201内側から覆うガーニッシュ50が設けられている。
【0014】
前側のピラーガーニッシュ202の前方、ピラーガーニッシュ202同士の間、及び後側のピラーガーニッシュ202の後方には、ウィンドウ204がそれぞれ設けられている。
【0015】
なお、上述した第1座席211は、ガーニッシュ50の下方においてウィンドウ204に隣り合って設けられており、第2座席212は、車幅方向内側において第1座席211に隣り合って設けられている。
【0016】
ガーニッシュ50は、樹脂材料により形成されており、前後方向に沿って延在する長尺状をなしている。したがって、本実施形態においては、車両200の前後方向とガーニッシュ50の長手方向とが同一方向となる。
【0017】
ガーニッシュ50は、車室201の内側に向かって膨らむように湾曲した意匠面51を有している。
図1及び図2に示すように、ガーニッシュ50の前端部の下部には、後側のピラーガーニッシュ202の上端が係合される係合凹部53が形成されている。
【0018】
図2及び図3に示すように、照明装置10は、ガーニッシュ50の係合凹部53の上方に設けられた第1照明部11と、第1照明部11よりも前方に配置された第2照明部12とを備えている。
【0019】
ここで、第1照明部11と第2照明部12とは同一の構成を有している。このため、以降においては、第1照明部11の構成を中心に説明する。そして、第2照明部12の構成については、第1照明部11と同一の符号を付すことにより重複した説明を省略する。また、便宜上、符号「**a」が付された第1照明部11の構成に対応する第2照明部12の構成に対しては、符号「**b」を付すことで区別することとする。
【0020】
<第1照明部11>
第1照明部11は、通電により発光することで第1座席211を個別に照明する第1発光部20aと、第1発光部20aとは別体として構成され、第1発光部20aへの通電状態の切り替え操作を行う第1操作部30aとを備えている。第1操作部30aは、第1発光部20aよりも後方に配置されている。
【0021】
図3図5、及び図6に示すように、第1照明部11は、第1発光部20aと第1操作部30aとを電気的に接続する接続ケーブル40を有している。接続ケーブル40は、長尺状をなし、且つ可撓性を有している。
【0022】
また、第1照明部11は、第1操作部30aから延設され、車両200の電源(図示略)からの電力を第1操作部30aに供給する給電ケーブル41を有している。給電ケーブル41は、長尺状をなし、且つ可撓性を有している。
【0023】
接続ケーブル40と給電ケーブル41とは、第1操作部30aの内部において互いに電気的に接続される接点をそれぞれ有している。第1操作部30aは、これら接続ケーブル40の接点と給電ケーブル41の接点とを接触または離間させることにより第1発光部20aへの通電状態を切り替える。
【0024】
給電ケーブル41の先端には、筒状のコネクタ42が設けられている。
以上のことから、第1照明部11は、第1発光部20a、第1操作部30a、接続ケーブル40、給電ケーブル41、及びコネクタ42が予め一体化されている。そして、一体化された第1照明部11がガーニッシュ50に取り付けられる。
【0025】
なお、第1照明部11がガーニッシュ50に取り付けられていない状態において、接続ケーブル40が撓むことによって第1操作部30aに対する第1発光部20aの相対位置が変更可能である。
【0026】
また同様に、第1照明部11がガーニッシュ50に取り付けられていない状態において、給電ケーブル41が撓むことによって第1操作部30aに対するコネクタ42の相対位置が変更可能である。
【0027】
図6に示すように、コネクタ42の先端からは、係止部44が突設されている。
図5及び図6に示すように、コネクタ42の基端部43と給電ケーブル41のコネクタ42側の端部とは、給電ケーブル41の経路を規制する可撓性の経路規制部材45により一括して覆われている。経路規制部材45は、樹脂繊維からなるとともに筒状をなしており、長さ方向の全体にわたって切れ目が形成されている。
【0028】
図3に示すように、コネクタ42は、上記電源から延びる中継ケーブル100の第1中継コネクタ101に接続される。これにより、第1操作部30aに上記電源からの電力が供給される。
【0029】
なお、中継ケーブル100は、2つに分岐されており、その一方側に第1中継コネクタ101が設けられている。分岐された中継ケーブル100の他方側には、第2中継コネクタ102が設けられている。第2中継コネクタ102は、第2照明部12のコネクタ42に接続される。
【0030】
<第1発光部20a>
図5図6、及び図8に示すように、第1発光部20aは、車室201内に露出する光源21と、光源21を収容するハウジング22とを備えている。
【0031】
図7に示すように、ハウジング22は、ブラケット110を介してガーニッシュ50の意匠面51とは反対側の面(以下、裏面52)に設けられた一対の取付部65に固定される。取付部65は、本発明に係る第1取付部に相当する。
【0032】
ブラケット110は、ハウジング22を収容する箱状のブラケット本体111と、ブラケット本体111の底部から突出するとともに、各取付部65の支持孔66に挿通される一対の脚部113とを有している。ブラケット本体111の底部には、光源21の光が出射される出射孔112が形成されている。
【0033】
<第1操作部30a>
図2図5、及び図6に示すように、第1操作部30aは、ベース部31と、ベース部31の意匠面51側に進退可能に設けられ、前後方向に長い正面視長方形状の押しボタン34とを備えており、押しボタン式のスイッチを構成する。
【0034】
図3図5、及び図6に示すように、ベース部31は、前後方向における幅が下側ほど小さい平面視略台形状をなしている。ベース部31の下側には、ガーニッシュ50の裏面52に沿って湾曲して延びる湾曲部35が一体に形成されている。
【0035】
ベース部31における押しボタン34の前後方向の両側には、ベース部31をガーニッシュ50に固定するためのねじ150(図3参照)が挿通される挿通孔32が形成されている。各挿通孔32の湾曲部35とは反対側には、一対の位置決め孔33a,33bが形成されている。後方の位置決め孔33aは、円形状をなしているのに対して、前方の位置決め孔33bは、前後方向に長い長穴形状をなしている。これにより、第1操作部30aをガーニッシュ50に取り付ける際の組立公差を吸収することができる。
【0036】
第1操作部30aの湾曲部35の下端における中央部には、接続ケーブル40及び給電ケーブル41のうち第1操作部30aからそれぞれ延在する部分を一括して保持するクランプ部36が突設されている。クランプ部36は、接続ケーブル40と給電ケーブル41とを前後方向の両側から挟持している。なお、本実施形態では、接続ケーブル40の上側(図5の紙面手前側)に給電ケーブル41が隣接している。
【0037】
第1照明部11がガーニッシュ50に取り付けられていない状態において、接続ケーブル40のうちクランプ部36と第1発光部20aとの間の部分が撓むことによって第1操作部30aに対する第1発光部20aの相対位置が変更可能である。
【0038】
<第2照明部12>
図2に示すように、第2照明部12は、通電により発光することで第2座席212を個別に照明する第2発光部20b及び第2発光部20bの通電状態の切り替え操作を行う第2操作部30bを備えている。第2操作部30bは、第2発光部20bよりも前方に配置されている。なお、第2発光部20bのハウジング22は、第1発光部20aのハウジング22と同様に、ブラケット110を介してガーニッシュ50の一対の取付部75に固定される。取付部75は、本発明に係る第2取付部に相当する。
【0039】
第1照明部11と第2照明部12との相違点は、操作部30a(30b)に対する発光部20a(20b)の相対位置が異なる点のみである。
以上のことから、本実施形態の照明装置10は、第2操作部30b、第2発光部20b、第1発光部20a、及び第1操作部30aが前後方向の前方から順に設けられている。
【0040】
<ガーニッシュ50>
図3及び図4に示すように、ガーニッシュ50の裏面52には、クリップ座部54、座部55~57、及び嵌合突起58が突設されている。
【0041】
クリップ座部54には、ガーニッシュ50を車体に取り付けるためのクリップ120が固定される。なお、図3及び図4では、1つのクリップ座部54のみを図示しているが、ガーニッシュ50の裏面52には、上記クリップ座部54を含む複数のクリップ座部54が設けられている。
【0042】
第1座部55は、ガーニッシュ50の裏面52におけるクリップ座部54の上方に設けられている。第1座部55には、給電ケーブル41のコネクタ42の係止部44(図6参照)が係止される。
【0043】
第2座部56は、ガーニッシュ50の係合凹部53の前方に設けられている。第2座部56には、第2照明部12のコネクタ42の係止部44(図6参照)が係止される。
第3座部57は、ガーニッシュ50の係合凹部53の後方に設けられている。第3座部57には、前後方向に延在する規制部材130が係合される。規制部材130には、中継ケーブル100がテープ巻きなどにより固定される。
【0044】
嵌合突起58は、ガーニッシュ50の係合凹部53の上方に3つ設けられている。3つの嵌合突起58のうちの2つは、前後方向に互いに間隔をおいて形成されている。また、残り1つの嵌合突起58は、上記2つの嵌合突起58の間であって、上記2つの嵌合突起58と係合凹部53との間に形成されている。各係合凹部53には、ガーニッシュ50とは別体の取付部材140が取り付けられる。
【0045】
図3に示すように、取付部材140は、平面視略台形状のベース部141を有している。ベース部141には、ガーニッシュ50の各嵌合突起58に嵌合される都合3つの嵌合部142が形成されている。なお、同図では2つの嵌合部142が示されている。ベース部141には、クリップ120が取り付けられる突出部143が設けられている。突出部143と係合凹部53側の嵌合部142との間には、中継ケーブル100のうち第2座部56から第3座部57までの間の部分を保持する保持部144が設けられている。
【0046】
図2及び図4に示すように、ガーニッシュ50の意匠面51には、第1発光部20aの光源21及び第2発光部20bの光源21を車室201内に各別に露出させる第1露出口60及び第2露出口70が設けられている。また、同意匠面51における第1露出口60の後方及び第2露出口70の前方には、各操作部30a,30bの押しボタン34を車室201内に各別に露出させる操作部露出口80,90がそれぞれ設けられている。
【0047】
第1露出口60及び第2露出口70は、ガーニッシュ50の長手方向(前後方向)に沿った同一直線L上に設けられている。なお、各操作部露出口80,90は、上記直線Lよりも僅かに車幅方向の外側(図2及び図4の下方)に偏倚した位置に設けられている。
【0048】
図4及び図8に示すように、第1露出口60は、車室201の内側に向かって断面積が拡大されるととも意匠面51に円形状に開口する第1拡散部61と、第1拡散部61の底部に形成され、ガーニッシュ50を貫通する円形状の第1貫通孔62とを有している。
【0049】
図4及び図9に示すように、第2露出口70は、車室201の内側に向かって断面積が拡大されるととも意匠面51に円形状に開口する第2拡散部71と、第2拡散部71の底部に形成され、ガーニッシュ50を貫通する円形状の第2貫通孔72とを有している。
【0050】
図4図8、及び図9に示すように、第1露出口60の第1貫通孔62は、第2露出口70の第2貫通孔72よりも上記直線Lに対して車幅方向の内側に位置している。
図4に示すように、ガーニッシュ50の裏面52における第1露出口60の前後方向の両側には、第1発光部20aを取り付ける一対の取付部65が一体に設けられている。各取付部65には、ブラケット110の一対の脚部113(図7参照)が挿通され、各脚部113を弾性的に支持する一対の支持孔66が設けられている。図8に示すように、第1発光部20aが各取付部65に取り付けられることにより、第1発光部20aの光軸C1と第1貫通孔62の中心軸とが一致する。図1に示すように、光軸C1は、第1座席211を指向している。
【0051】
図4に示すように、第2露出口70の前後方向の両側には、第2発光部20bを取り付ける一対の取付部75が一体に設けられている。各取付部75には、ブラケット110の一対の脚部113が挿通され、各脚部113を弾性的に支持する一対の支持孔76が設けられている。図9に示すように、第2発光部20bが取付部75に取り付けられることにより、第2発光部20bの光軸C2と第2貫通孔72の中心軸とが一致する。図1に示すように、光軸C2は、第2座席212を指向している。したがって、第2発光部20bの光軸C2は、第1発光部20aの光軸C1よりも車幅方向の内側を指向している。
【0052】
図4に示すように、ガーニッシュ50の裏面52における各操作部露出口80,90の前後方向の両側には、操作部30a,30bを取り付ける取付部85,95がそれぞれ設けられている。各取付部85,95には、雌ねじ部が形成されたボス部86,96が突設されている。各ボス部86,96の上方には、位置決め突起87,97が突設されている。
【0053】
第1操作部30a(30b)を取付部85(95)に取り付ける際には、まず、ベース部31の各位置決め孔33a,33bに各位置決め突起87(97)を挿通する。そして、ねじ150を各挿通孔32に挿通するとともに各ボス部86(96)に螺合させる。これにより、ベース部31が取付部85(95)に対して固定される。
【0054】
本実施形態の作用及び効果について説明する。
(1)照明装置10は、ガーニッシュ50に設けられ、通電により発光することで第1座席211を個別に照明する第1発光部20a及び第1発光部20aへの通電状態の切り替え操作を行う第1操作部30aを有する第1照明部11を備える。また、照明装置10は、通電により発光することで第2座席212を個別に照明する第2発光部20b及び第2発光部20bへの通電状態の切り替え操作を行う第2操作部30bを有する第2照明部12を備える。第2照明部12は、第1照明部11よりも車両200の前後方向の前方に配置されている。
【0055】
こうした構成によれば、ガーニッシュ50の下方に位置する第1座席211を個別に照明する第1照明部11と、車幅方向内側において第1座席211に隣り合う第2座席212を個別に照明する第2照明部12とが、ルーフサイドレールを覆うガーニッシュ50に設けられている。ガーニッシュ50は車両200の天井よりも下方に位置するため、車両200の天井を構成するルーフライニング203に照明部が設けられている構成と比較して、各座席211,212に着座した乗員Pから各照明部11,12までの距離が短くなりやすい。これにより、第1座席211または第2座席212に着座している乗員Pは各照明部11,12の各操作部30a,30bを操作しやすくなる。こうした傾向は、バンやバスなどのように天井の高い車両ほど顕著となる。
【0056】
特に、上記構成によれば、第2照明部12は、第1照明部11よりも前方に配置されている。このため、第2座席212に着座している乗員Pは、第2操作部30bを操作する際に、第1照明部11の前方に位置する第2照明部12の第2操作部30bに向けて腕を伸ばすこととなる。これにより、第2座席212の乗員Pの腕が第1座席211の乗員Pに干渉しにくくなる。
【0057】
(2)第1操作部30aは、第1発光部20aよりも車両200の前後方向の後方に配置されている。
こうした構成によれば、第1発光部20a及び第1操作部30aが前方から順に配置されるため、第1操作部30aを第2照明部12から離間した位置に配置できる。これにより、第1座席211及び第2座席212にそれぞれ着座している乗員Pの双方が各自の座席に対応する操作部を同時に操作しようとする際に、第1座席211の乗員Pの腕が第2座席212の乗員Pの腕に干渉することを抑制できる。したがって、乗員Pの快適性を向上することができる。
【0058】
(3)第2操作部30bは、第2発光部20bよりも車両200の前後方向の前方に配置されている。
こうした構成によれば、第2操作部30b及び第2発光部20bが前方から順に配置されるため、第2操作部30bを第1照明部11から離間した位置に配置できる。このため、第2座席212に着座している乗員Pが第2操作部30bを操作する際に、第1座席211の乗員Pに干渉しにくくなる。したがって、乗員Pの快適性を向上することができる。
【0059】
特に、第1操作部30aが第1発光部20aよりも車両200の前後方向の後方に配置されている場合には、各操作部30a,30b同士の距離がより遠くなるため、上述したような乗員P同士の干渉が生じにくくなる。
【0060】
(4)ガーニッシュ50の意匠面51には、第1発光部20a、第1操作部30a、第2発光部20b、及び第2操作部30bを車室201内に各別に露出させる第1露出口60、操作部露出口80、第2露出口70、操作部露出口90が設けられている。
【0061】
こうした構成によれば、例えばガーニッシュ50に形成された露出口から別部材のフレームを車室内に露出させ、同フレームの意匠面に第1発光部20a、第2発光部20b、第1操作部30a、及び第2操作部30bを各別に露出させる複数の露出口を設ける場合とは異なり、上記フレームが不要となる。したがって、照明装置の構成を簡単にすることができる。
【0062】
また、上記フレームが設けられる場合には、ガーニッシュ50とフレームとの間に見切りが形成されることで照明装置の意匠性が損なわれるおそれがある。しかしながら、上記構成によれば、こうした不都合が発生しない。
【0063】
(5)第1露出口60及び第2露出口70は、ガーニッシュ50の長手方向に沿った同一直線L上に設けられている。
こうした構成によれば、第1露出口60及び第2露出口70が同一直線L上に設けられるため、照明装置10の意匠性を向上できる。
【0064】
(6)第1露出口60及び第2露出口70は、車室201内側に向かって断面積が拡大された第1拡散部61及び第2拡散部71と、ガーニッシュ50を貫通する第1貫通孔62及び第2貫通孔72とをそれぞれ有している。第1発光部20aの光軸C1及び第2発光部20bの光軸C2は、第1貫通孔62の中心軸及び第2貫通孔72の中心軸とそれぞれ一致しており、第2発光部20bの光軸C2は、第1発光部20aの光軸C1よりも車幅方向の内側を指向している。
【0065】
こうした構成によれば、各発光部20a,20bから発せられる光は、各貫通孔62,72の中心軸に沿って進行することとなる。また、第2発光部20bから発せられる光は、第1発光部20aから発せられる光よりも車幅方向の内側に向かうようになる。したがって、ガーニッシュ50の意匠面51に設けられる各露出口60,70の拡散部61,71の形状を互いに異ならせることによって、第1発光部20a及び第2発光部20bによって第1座席211及び第2座席212を個別に照明する構成を容易に実現することができる。
【0066】
(7)ガーニッシュ50の意匠面51とは反対側の裏面52には、第1発光部20a及び第2発光部20bを取り付ける取付部65及び取付部75がそれぞれ一体に設けられている。
【0067】
こうした構成によれば、ガーニッシュ50に一体に設けられた取付部65及び取付部75によって第1発光部20a及び第2発光部20bがそれぞれ取り付けられることにより、第1発光部20a及び第2発光部20bの取付角度が設定される。したがって、各発光部20a,20bの取付角度の設定を容易に行うことができる。
【0068】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・クランプ部36は、省略することもできる。
【0069】
・経路規制部材45は、省略することもできる。
・給電ケーブル41及び中継ケーブル100に代えて、これらが一体に形成された、すなわち車両200の電源に直接接続されたケーブルを採用することもできる。この場合、同ケーブルをガーニッシュ50の第1座部55及び第2座部56においてバンド部材などにより固定すればよい。
【0070】
・コネクタ42の係止部44は、省略することもできる。この場合、コネクタ42をガーニッシュ50にバンド部材などにより固定すればよい。
・発光部及び操作部のレイアウトが異なる複数の取付箇所において、給電ケーブル41が同一の姿勢で配索される場合には、給電ケーブル41は可撓性を有するものでなくてもよい。すなわち、操作部に対してコネクタ42が相対変位不能に設けられていてもよい。
【0071】
・接続ケーブル40及び給電ケーブル41は、それぞれ可撓性を有するフレキシブルフラットケーブル(FFC)やフレキシブルプリント基板(FPC)などであってもよい。
・第1照明部11及び第2照明部12をガーニッシュ50に対して接着剤などで直接固定するようにしてもよい。この場合、取付部65,75を省略できる。
【0072】
・ガーニッシュ50の取付部65と取付部75とを同一形状にすることもできる。この場合、取付部65,75と発光部20a,20bとの間にそれぞれ設けられるブラケットの形状を異ならせることによって、発光部20a,20bの取付角度を互いに異ならせるようにすればよい。
【0073】
・各発光部20a,20bは、各貫通孔62,72よりも車室201内側に突出していてもよい。
・第1拡散部61及び第2拡散部71は省略することもできる。この場合、ガーニッシュ50の意匠面51に各貫通孔62,72を設ければよい。
【0074】
・第1露出口60、第2露出口70、及び操作部露出口80,90が、ガーニッシュ50の長手方向に沿った同一直線L上に設けられていてもよい。
・第1露出口60及び第2露出口70は、ガーニッシュ50の長手方向に沿った同一直線L上に設けられていなくてもよい。
【0075】
・第2照明部12の第2操作部30bを第2発光部20bよりも後方に配置することもできる。
・第1照明部11の第1操作部30aを第1発光部20aよりも前方に配置することもできる。
【0076】
・照明部11,12の操作部30a,30bを発光部20a,20bよりも下方に配置することもできる。この場合、操作部30a,30bが乗員Pの近接した位置に配置されるため、照明部11,12の操作性が一層向上する。
【0077】
・1つのガーニッシュ50に複数の第1照明部11及び複数の第2照明部12が設けられていてもよい。
・照明装置10は、少なくとも第1照明部11及び第2照明部12を備えていればよく、これらとは別に、例えば、第2座席212の第1座席211とは反対側に隣接して設けられた座席を個別に照明する照明部を備えるものであってもよい。
【0078】
・本実施形態では、ウィンドウ204に隣り合う座席を第1座席211として説明したが、ウィンドウ204に隣り合う座席の車幅方向の内側に隣り合う座席(本実施形態の第2座席212)を本発明に係る第1座席とすることもできる。この場合であっても、車幅方向内側において第1座席に隣り合う座席を第2座席とすればよい。
【符号の説明】
【0079】
10…照明装置、11…第1照明部、12…第2照明部、20a…第1発光部、20b…第2発光部、21…光源、22…ハウジング、30a…第1操作部、30b…第2操作部、31…ベース部、32…挿通孔、33a,33b…位置決め孔、34…押しボタン、35…湾曲部、36…クランプ部、40…接続ケーブル、41…給電ケーブル、42…コネクタ、43…基端部、44…係止部、45…経路規制部材、50…ガーニッシュ、51…意匠面、52…裏面、53…係合凹部、54…クリップ座部、55…第1座部、56…第2座部、57…第3座部、58…嵌合突起、60…第1露出口、61…第1拡散部、62…第1貫通孔、65…取付部、66…支持孔、70…第2露出口、71…第2拡散部、72…第2貫通孔、75…取付部、76…支持孔、80、90…操作部露出口、85,95…取付部、86,96…ボス部、87,97…位置決め突起、100…中継ケーブル、101…第1中継コネクタ、102…第2中継コネクタ、110…ブラケット、111…ブラケット本体、112…出射孔、113…脚部、120…クリップ、130…規制部材、140…取付部材、141…ベース部、142…嵌合部、143…突出部、144…保持部、150…ねじ、200…車両、201…車室、202…ピラーガーニッシュ、203…ルーフライニング、204…ウィンドウ、211…第1座席、212…第2座席。
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