IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 京セラドキュメントソリューションズ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-電子機器及び電子機器の制御方法 図1
  • 特許-電子機器及び電子機器の制御方法 図2
  • 特許-電子機器及び電子機器の制御方法 図3
  • 特許-電子機器及び電子機器の制御方法 図4
  • 特許-電子機器及び電子機器の制御方法 図5
  • 特許-電子機器及び電子機器の制御方法 図6
  • 特許-電子機器及び電子機器の制御方法 図7
  • 特許-電子機器及び電子機器の制御方法 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】電子機器及び電子機器の制御方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/10 20130101AFI20221129BHJP
【FI】
G06F21/10 350
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019039662
(22)【出願日】2019-03-05
(65)【公開番号】P2020144525
(43)【公開日】2020-09-10
【審査請求日】2022-02-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104215
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100196575
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 満
(74)【代理人】
【識別番号】100168181
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲平
(74)【代理人】
【識別番号】100117330
【弁理士】
【氏名又は名称】折居 章
(74)【代理人】
【識別番号】100160989
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 正好
(74)【代理人】
【識別番号】100168745
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 彩子
(74)【代理人】
【識別番号】100176131
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100197398
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 絢子
(74)【代理人】
【識別番号】100197619
【弁理士】
【氏名又は名称】白鹿 智久
(72)【発明者】
【氏名】中村 洋
(72)【発明者】
【氏名】今井 知史
(72)【発明者】
【氏名】鎌倉 綺
(72)【発明者】
【氏名】吉本 洋
【審査官】平井 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開平7-295803(JP,A)
【文献】米国特許第5689560(US,A)
【文献】特開2010-146302(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アプリケーションのエクスポートを指示するエクスポート指示と、他の1の電子機器に対応する電子機器識別子とを入力する入力部と、
前記エクスポート指示が入力された場合に、前記アプリケーションを前記他の1の電子機器のみで使用可能にするためのアクティベートキーを前記電子機器識別子に基づいて生成し、
前記アプリケーションと前記アクティベートキーを含むパッケージファイルを出力するように制御し、
前記パッケージファイルの出力時点を開始時点とする所定の置き換え移行期間が経過すると前記アプリケーションを使用不可能にする制御部と、
前記パッケージファイルを前記制御部の制御により出力する出力部
を具備する
電子機器。
【請求項2】
請求項1に記載の電子機器であって、
前記制御部は、アクティベートキーを出力したのち、前記置き換え移行期間の終了時点より前の時点であれば、前記置き換え移行期間の延長を指示する延長指示が入力された場合に、前記置き換え移行期間を延長する
電子機器。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の電子機器であって、
前記入力部は、通信ネットワーク上のサーバー装置から、前記エクスポート指示と前記他の1の電子機器に対応する前記電子機器識別子とを受信し、前記制御部に入力し、
前記出力部は、前記パッケージファイルを前記サーバー装置へ送信する
電子機器。
【請求項4】
アプリケーションのエクスポートを指示するエクスポート指示と、他の1の電子機器に対応する電子機器識別子とを入力し、
前記エクスポート指示に基づいて、前記アプリケーションを前記他の1の電子機器のみで使用可能にするためのアクティベートキーを前記電子機器識別子に基づいて生成し、
前記アプリケーションと前記アクティベートキーを含むパッケージファイルを出力するように制御し、
前記パッケージファイルの出力時点を開始時点とする所定の置き換え移行期間が経過すると前記アプリケーションを使用不可能にする、
電子機器の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に関する。本発明は、さらに、この電子機器が実行する電子機器の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に示すように、電子機器(例えば、画像形成装置などのデバイス)の置き換え(リプレース)の際に、古い電子機器から新しい電子機器にライセンスを移譲することが従来知られている。
【0003】
電子機器の技術分野においては、電子機器を動作させる基本ソフトウェア(オペレーティング・システムやミドル・ウェアを含む。以下、「プラットフォーム」と呼ぶ。)の上に、応用ソフトウェア(アプリケーション・プログラム。以下、「アプリケーション」と呼ぶ)を動作させることが知られている。さらに、アプリケーションの使用許諾を、電子的なライセンスキー(以下、アクティベートキー)の発行により行うことも知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2009-271680号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の方法では、電子機器の設置場所でライセンス移譲と新しい電子機器のセットアップを実施する必要がある。この場合、ライセンス移譲と新しい電子機器のセットアップにかかる時間がダウンタイム、すなわち電子機器のユーザーが電子機器を使用できない時間になってしまっていた。セットアップには、アクティベートキーの取得やアクティベートキーの電子機器への適用も含まれる。
【0006】
急な電子機器の置き換えにおいては、アクティベートキーの発行申請から取得したアクティベートキーの適用が長引く場合がある。この場合、上述のような電子機器の設置場所でライセンス移譲と新しい電子機器のセットアップを実施する方法では、置き換え作業全体のスケジュールが長期化したり、作業計画を立てられなかったりする問題が発生する可能性がある。
【0007】
本発明は、使用にアクティベートキーを必要とするアプリケーションを有する電子機器の置き換えにおいて、新しい電子機器でアプリケーションを使用できない期間をなくし、古い電子機器を用いてアプリケーションが不正使用されないようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一形態に係る電子機器は、
アプリケーションのエクスポートを指示するエクスポート指示と、他の1の電子機器に対応する電子機器識別子とを入力する入力部と、
前記エクスポート指示が入力された場合に、前記アプリケーションを前記他の1の電子機器のみで使用可能にするためのアクティベートキーを前記電子機器識別子に基づいて生成し、
前記アプリケーションと前記アクティベートキーを含むパッケージファイルを出力するように制御し、
前記パッケージファイルの出力時点を開始時点とする所定の置き換え移行期間が経過すると前記アプリケーションを使用不可能にする制御部と、
前記パッケージファイルを前記制御部の制御により出力する出力部
を具備する。
【0009】
(1)本実施形態によれば、電子機器は、アプリケーションを他の1の電子機器でのみ使用可能にするためのアクティベートキーとアプリケーションを含むパッケージファイルをエクスポート用に出力する一方で、当該電子機器で使用中のアプリケーションを、所定の置き換え移行期間の経過後に使用不可能にする。これにより、使用にアクティベートキーを必要とするアプリケーションを有する電子機器の置き換えにおいて、新しい電子機器でアプリケーションを使用できない期間をなくし、古い電子機器を用いてアプリケーションが不正使用されないようにすることができる。
【0010】
上記実施形態において、
前記制御部は、アクティベートキーを出力したのち、前記置き換え移行期間の終了時点より前の時点であれば、前記置き換え移行期間の延長を指示する延長指示が入力された場合に、前記置き換え移行期間を延長してもよい。
【0011】
(2)本実施形態によれば、電子機器は、アクティベートキーを出力したのち、置き換え移行期間の終了時点より前の時点であれば、延長指示が入力された場合に置き換え移行期間を延長する。これにより、置き換え移行期間中に移行作業が終了できない場合でも、電子機器のユーザーがアプリケーションを使用できない期間を設けないようにすることができる。さらに、本実施形態によれば、電子機器は、置き換え移行期間が終了した後は延長ができない。これによりアプリケーションの不正使用されないようにすることができる。
【0012】
上記実施形態において、
前記入力部は、通信ネットワーク上のサーバー装置から、前記エクスポート指示と前記他の1の電子機器に対応する前記電子機器識別子とを受信し、前記制御部に入力し、
前記出力部は、前記パッケージファイルを前記サーバー装置へ送信してもよい。
【0013】
(3)本実施形態によれば、電子機器は、エクスポート指示の入力とパッケージファイルの出力を通信ネットワーク上のサーバー装置との情報通信により行う。これにより、サービスマンなど操作者の手作業を必要とせず、移行作業を実施することができる。
【0014】
上記目的は、以下の実施形態によっても達成することができる。
本発明の一形態に係る電子機器の制御方法は、
アプリケーションのエクスポートを指示するエクスポート指示と、他の1の電子機器に対応する電子機器識別子とを入力し、
前記エクスポート指示に基づいて、前記アプリケーションを前記他の1の電子機器のみで使用可能にするためのアクティベートキーを前記電子機器識別子に基づいて生成し、
前記アプリケーションと前記アクティベートキーを含むパッケージファイルを出力するように制御し、
前記パッケージファイルの出力時点を開始時点とする所定の置き換え移行期間が経過すると前記アプリケーションを使用不可能にする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、使用にアクティベートキーを必要とするアプリケーションを有する電子機器の置き換えにおいて、新しい電子機器でアプリケーションを使用できない期間をなくし、古い電子機器を用いてアプリケーションが不正使用されないようにすることができる。
【0016】
なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本発明中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態に係る機器セットアップシステムを示す。
図2】第1の電子機器のハードウェア構成を示す。
図3】第2の電子機器のハードウェア構成を示す。
図4】第1の電子機器の機能的構成を示す。
図5】第2の電子機器の機能的構成を示す。
図6】第1の電子機器と第2の電子機器の動作フローを示す。
図7】上記実施形態の変形例に係る機器セットアップシステムを示す。
図8】サーバー装置のハードウェア構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【0019】
1.機器セットアップシステム
【0020】
図1は、本発明の一実施形態に係る機器セットアップシステムを示す。
【0021】
機器セットアップシステム1は、第1の電子機器10と、第2の電子機器20を有する。第1の電子機器10と第2の電子機器20は、例えば、画像形成装置(例えば、Multifunction Peripheral、MFP)である。
【0022】
第1の電子機器10は、置き換え(リプレース)の対象となる古い機器であり、第2の電子機器20は、第1の電子機器10の設置場所に搬入される新しい機器である。
【0023】
第1の電子機器10は、オペレーティング・システム等のプラットフォーム上に所定のアプリケーションがインストールされている。
【0024】
例えば、このアプリケーションは、その提供元(アプリケーションのライセンスの販売者等)と利用者(第1の電子機器10と第2の電子機器20のユーザー)との間で、一台にのみインストールすることが許諾されている。本実施形態では、上記利用者は、上記アプリケーションを、上記提供元から提供されるアクティベートキーを用いて、アクティベートすることにより、上記アプリケーションが一台にのみインストールされていることを保証する。
【0025】
アクティベートキーの形態にはさまざまなものが考えられるが、本実施形態では、ライセンス許諾されている一台の電子機器固有の電子機器識別子(シリアルナンバー)と、当該アプリケーションに定められたアプリケーション識別子(シリアルナンバー)とに基づいて生成された文字列とする。
【0026】
しかし、利用者がアクティベートキーの発行申請することには手間がかかり、アクティベートキーを発行されるまでに時間を要することがある。発行元も急な置き換え(リプレース)に伴うアクティベートキーの発行に迅速に対応できない場合がある。
【0027】
従来では、電子機器の置き換えの際に、アプリケーションとアクティベートキーの発行元にアクティベートキーの発行を申請する。しかし、本実施形態では申請しない。本実施形態では、第1の電子機器10が第2の電子機器20にインストールするアプリケーションをアクティベートするパッケージファイルPを提供し、置き換え時に途切れることなく、ユーザーが電子機器でアプリケーションを使用し続けることを可能にする。その一方で、第1の電子機器10でアプリケーションが不正使用されないようにする。
【0028】
上記パッケージファイルPの第1の電子機器10から第2の電子機器20への移動の方法について、限定はないが、例えば、本実施形態では、サービスマンが、客先の第1の電子機器10の設置場所へ赴き、第1の電子機器10を操作して、パッケージファイルPをUSB(Universal Serial Bus)メモリー等の記録媒体40に出力させる。その後、サービスマンは、サービスセンター等にある第2の電子機器20に記録媒体40を読み出させ、上記パッケージファイルPを入力させる。
【0029】
なお、パッケージファイルPの移動はネットワークを経由してオンラインで行われてもよく、そのような機器セットアップシステムについては、本実施形態の変形例で述べる。
【0030】
2.電子機器のハードウェア構成
【0031】
図2は、第1の電子機器のハードウェア構成を示す。
【0032】
第1の電子機器10は、制御回路11を備える。制御回路11は、プロセッサーであるCPU11a(Central Processing Unit)、RAM11b(Random Access Memory)、メモリーであるROM11c(Read Only Memory)及び専用のハードウェア回路等から構成され、電子機器10の全体的な動作制御を司る。CPU11aは、ROM11cが記憶する情報処理プログラムをRAM11bにロードして実行する。ROM11cは、CPU11aが実行するプログラムやデータなどを固定的に記憶する。ROM11cは、非一過性のコンピューター読み取り可能な記録媒体の一例である。
【0033】
制御回路11は、画像読取部12(イメージスキャナー)、画像処理部14(GPU(Graphics Processing Unit)を含む)、画像メモリー15、画像形成部16(プリンター)、表示部17aを備える操作部17(タッチパネル)、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の大容量の不揮発性の記憶装置18、ファクシミリ通信部19及びネットワーク通信インターフェース13等と接続されている。制御回路11は、接続されている上記各部の動作制御や、各部との間での信号又はデータの送受信を行う。操作部17(タッチパネル)は、入力装置の一形態であり、入力装置として、マイクロフォンを含む音声入力装置が設けられてもよい。
【0034】
図3は、第2の電子機器のハードウェア構成を示す。
【0035】
第2の電子機器20も第1の電子機器10と同様のハードウェア構成である。第2の電子機器20は、第1の電子機器10と同様に制御回路21を備える。制御回路21は、プロセッサーであるCPU21a(Central Processing Unit)、RAM21b(Random Access Memory)、メモリーであるROM21c(Read Only Memory)及び専用のハードウェア回路等から構成され、電子機器10の全体的な動作制御を司る。CPU21aは、ROM21cが記憶する情報処理プログラムをRAM21bにロードして実行する。ROM21cは、CPU21aが実行するプログラムやデータなどを固定的に記憶する。ROM21cは、非一過性のコンピューター読み取り可能な記録媒体の一例である。
【0036】
制御回路21は、画像読取部22(イメージスキャナー)、画像処理部24(GPU(Graphics Processing Unit)を含む)、画像メモリー25、画像形成部26(プリンター)、表示部27aを備える操作部27(タッチパネル)、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の大容量の不揮発性の記憶装置28、ファクシミリ通信部29及びネットワーク通信インターフェース23等と接続されている。制御回路21は、接続されている上記各部の動作制御や、各部との間での信号又はデータの送受信を行う。操作部27(タッチパネル)は、入力装置の一形態であり、入力装置として、マイクロフォンを含む音声入力装置が設けられてもよい。
【0037】
3.電子機器の機能的構成
【0038】
図4は、第1の電子機器の機能的構成を示す。
【0039】
第1の電子機器10の制御回路11において、CPU11aは、ROM11cが記憶する情報処理プログラムをRAM11bにロードして実行することにより、入力部101、制御部102、出力部103として動作する。
【0040】
入力部101は、エクスポート指示と、電子機器識別子Q1と、アプリケーションと、アプリケーション識別子とを制御部102に入力する。電子機器識別子Q1は、第2の電子機器20に固有の(ユニークな)値である。アプリケーション識別子は、例えばシリアルナンバーで構成され、アプリケーションを特定可能な情報を含む。
【0041】
例えば、本実施形態では、エクスポート指示は、サービスマンが操作部17を用いて操作入力する。
【0042】
例えば、本実施形態では、電子機器識別子Q1は、サービスマンが操作部17を用いて操作入力する。このほかに、入力部101が不図示のネットワーク上のサーバー装置から電子機器識別子Q1をダウンロードして、制御部102に入力してもよい。
【0043】
例えば、本実施形態では、アプリケーションとアプリケーション識別子は、制御回路11が記憶装置18に記憶されているアプリケーションとアプリケーション識別子を読み出して、制御部102に入力する。
【0044】
制御部102は、エクスポート指示が入力された場合に、アプリケーションとアプリケーション識別子と電子機器識別子Q1に基づいて、パッケージファイルPを生成する。
【0045】
出力部103は、パッケージファイルPを記録媒体40に書き出す。
【0046】
図5は、第2の電子機器の機能的構成を示す。
【0047】
第2の電子機器20の制御回路21において、CPU21aは、ROM21cが記憶する情報処理プログラムをRAM21bにロードして実行することにより、入力部201、制御部202として動作する。
【0048】
入力部201は、電子機器識別子Q2と、パッケージファイルPとを制御部202に入力する。電子機器識別子Q2は、第2の電子機器20に固有の(ユニークな)値である。
【0049】
例えば、本実施形態では、記憶装置28が電子機器識別子Q2を記憶しており、入力部201は記憶装置28から電子機器識別子Q2を読み出して制御部202に入力する。このほかに、入力部201が不図示のネットワーク上のサーバー装置から電子機器識別子Q2をダウンロードして、制御部202に入力してもよい。
【0050】
例えば、本実施形態では、パッケージファイルPは記録媒体40に記録されており、入力部201が記録媒体40から読み出して制御部202に入力する。
【0051】
制御部202は、パッケージファイルPが入力された場合に、所定の条件に合致するか否かを判定し、パッケージファイルPを展開してアプリケーションをセットアップする。
【0052】
以上、電子機器の機能的構成について説明した。以下、電子機器の動作フローについて説明する。
【0053】
4.電子機器の動作フロー
【0054】
図6は、第1の電子機器と第2の電子機器の動作フローを示す。
【0055】
制御回路11の制御部102は、エクスポート指示の有無を判断する(ステップS101)。例えば、入力部101によりエクスポート指示が制御部102に入力された場合に、制御部102は、エクスポート指示があると判断する(ステップS102/ある)。一方で、エクスポート指示が制御部102に入力されていない場合に、エクスポート指示がないと判断する(ステップS102/ない)。
【0056】
エクスポート指示がある場合、制御部102は、アプリケーション識別子と、電子機器識別子Q1に基づいて、アクティベートキーを生成する(ステップS103)。
【0057】
続いて、制御部102は、生成したアクティベートキーを含むパッケージファイルPを生成し、生成したパッケージファイルPを記録媒体40に出力するように、出力部103を制御する(ステップS104)。
【0058】
なお、例えば、本実施形態では、エクスポート指示と電子機器識別子Q1の入力をサービスマンの手入力に基づいて入力部101が行い、パッケージファイルPの出力を出力部103が、サービスマンの挿入したUSBメモリー等の記録媒体40へパッケージファイルPを書き込むことによって実施するが、これは一例にすぎない。なお、この場合、サービスマンは、第1の電子機器が設置されている客先などに赴き、上記作業を実行する。
【0059】
パッケージファイルPは、第1の電子機器10から出力され、第2の電子機器20に移動し、入力される(TR201)。例えば、この移動は記録媒体40とサービスマンを媒介して実現されるが、これは一例にすぎない。
【0060】
制御回路21の入力部201によりパッケージファイルPが入力されると(ステップS105)、制御部202は、パッケージファイルP内のアクティベートキーから電子機器識別子Q1を復号して、取得する(ステップS106)。
【0061】
続いて、制御部202は、パッケージファイルPから取得した電子機器識別子Q1と、自装置(第2の電子機器20)の記憶装置28に記憶されている照合用の自装置の電子機器識別子Q2とを照合する(ステップS107)。
【0062】
続いて、制御部202は、電子機器識別子Q1と電子機器識別子Q2とが一致するか否かを判断する(ステップS108)。電子機器識別子Q1と電子機器識別子Q2とが一致しない場合は(ステップS108/しない)、別のパッケージファイルPが入力される必要があるため、制御部202は、パッケージファイルPの再入力まで待つ(ステップS105に戻る)。
【0063】
電子機器識別子Q1と電子機器識別子Q2とが一致する場合に(ステップS108/する)、制御部202は、パッケージファイルPに含まれるアプリケーションの機能が使用可能になるように、当該アプリケーションをインストールする(ステップS109)。なお、アプリケーションは、パッケージファイルPに含まれるアプリケーション識別子により特定してもよい。
【0064】
ここで、制御部202は、アプリケーションをインストールすると共に、アプリケーションを、取得したアクティベートキーによりアクティベートする。これにより、第2の電子機器20が第1の電子機器10に置き換えられた直後から、第2の電子機器20のユーザー(操作者)は、アプリケーションを第2の電子機器20で使用可能になるので、ユーザーは途切れなくアプリケーションを使用し続けることができ、いわゆるダウンタイムが生じない。
【0065】
なお、例えば、本実施形態では、パッケージファイルPの入力を、サービスマンがサービスセンター等におかれている第2の電子機器20にUSBメモリー等の記録媒体40を挿入することにより実施するが、これは一例にすぎない。
【0066】
一方で、第1の電子機器10においては、制御回路11の制御部102は、パッケージファイルPの出力時点を開始時点とする「置き換え移行期間」を新規に設定する(ステップS110)。
【0067】
「置き換え移行期間」は、例えば、第2の電子機器20におけるセットアップが行われ、第1の電子機器10の運用先に搬入されるまでに要する期間が応じて任意に設定される期間である。例えば1週間などの期間に設定される。置き換え移行期間は、サービスマンがその都度指定してもよいし、あらかじめ日数を定めてプラットフォームやファームウェアに組み込んでおいてもよい。
【0068】
制御部102は、置き換え移行期間中であれば、パッケージファイルPやアクティベートキーを出力した場合であっても、ユーザーによるアプリケーションの使用に制限を設けたり、機能に制限を設けたりしないため、ユーザーはアプリケーションを自由に使用できる。
【0069】
置き換え移行期間は延長可能である。入力部101は、操作部17を用いたユーザーやサービスマンによる手入力、もしくは、ネットワーク通信インターフェース13を介したネットワーク経由の指示入力に基づいて、延長指示を制御部102に入力する。
【0070】
制御部102は、入力部101により延長指示が制御部102に入力されたか否かを判断し(ステップS111)、延長指示があれば、指示された期間分、あるいは所定の期間(例えば1日など)分、置き換え移行期間を変更し、延長する(ステップS112)。
【0071】
その後、制御部102は、置き換え移行期間が終了か否かを判断する(ステップS113)。置き換え移行期間が終了した後は(ステップS113/終了)、置き換え移行期間の延長は受け付けない。
【0072】
制御部102は、置き換え移行期間が終了した後(ステップS113/終了)、アプリケーションを利用できないようにする(ステップS114)。ここでアプリケーションの利用不可能化、機能ロック、あるいは、ディアクティベートが行われることにより、古い電子機器を用いてアプリケーションが不正使用されないようにすることができる。
【0073】
サービスマンは、セットアップした第2の電子機器20(ステップS109)を第1の電子機器10の設置場所に搬入して、第1の電子機器10をそこから撤去する。上述の置き換え移行期間の新規設定とその計時、終了後のディアクティベートは、すべて第1の電子機器10の制御部10が実行する情報処理である。したがって、サービスマンは、古い機器である第1の電子機器10に対して何も操作入力等を行うことなくアプリケーションが自動的に使用できなくなる。
【0074】
5.変形例
【0075】
本実施形態では、パッケージファイルPが含む情報のデータ構造や形式については限定していない。しかしながら、第1の電子機器10の制御部10は、パッケージファイルPを暗号化し、内容を変更することができないようにしてもよい。
【0076】
本実施形態では、制御部102はパッケージファイルPを出力してから(ステップS104)、その後、置き換え移行期間を新規設定している(ステップS110)。しかしながら、この順序は逆でも同時でもよい。
【0077】
本実施形態では、パッケージファイルPの転送(TR201)をサービスマンが行う例を示した。しかしながら、パッケージファイルPの転送は、人手を介さずネットワークを経由したコンピュータシステムより実行されてもよい。この場合、以下に述べる形態で実行するとよい。
【0078】
図7は、本実施形態の変形例の機器セットアップシステムのネットワーク構成を示す。
【0079】
本変形例に係る機器セットアップシステム1aは、第1の電子機器10と第2の電子機器20とサーバー装置30を含む。第1の電子機器10と第2の電子機器20とサーバー装置30は、ネットワークNを介して相互に通信可能に接続されている。
【0080】
第1の電子機器10と第2の電子機器20の構成は実施形態と同じなので説明を省略する。
【0081】
図8は、サーバー装置のハードウェア構成を示す。
【0082】
サーバー装置30は、CPU31、ROM32、RAM33、HDDやSSD等の大容量の不揮発性の記憶装置34、ネットワーク通信インターフェース35、操作装置36及び表示装置37と、これらを相互に接続するバス38とを有する。
【0083】
CPU31、ROM32、及びRAM33は、制御回路300を構成する。CPU31は、ROM32が記憶する情報処理プログラムをRAM33にロードして実行する。ROM32は、CPU31が実行するプログラムやデータなどを固定的に記憶する。ROM32は、非一過性のコンピューター読み取り可能な記録媒体の一例である。
【0084】
サーバー装置30の制御回路300は、このようなネットワーク構成とハードウェア構成を利用して、エクスポート指示の第1の電子機器10への入力、出力されたパッケージファイルPの受信、受信したパッケージファイルPの第2の電子機器20への入力、延長指示の第1の電子機器10への入力を実行する。
【0085】
他方で、第1の電子機器10の制御部102は、アクティベートキーを含むパッケージファイルPをサーバー装置30に対して出力(送信)するように出力部103を制御する。また、入力部101は、サーバー装置30から第1の電子機器10に入力されたエクスポート指示と延長指示を受信した場合、これらを制御部102に入力する。
【0086】
また、第2の電子機器20の入力部201は、サーバー装置30からパッケージファイルPを受信した場合、これらを制御部202に入力する。
【0087】
サーバー装置30の制御回路300は、第1の電子機器10からパッケージファイルPを、ネットワーク通信インターフェース35を介して受信すると、記憶装置34に一時的に記憶し、第2の電子機器20に送信するようにネットワーク通信インターフェース35を制御する。
【0088】
以上に述べた変形例によれば、サービスマンの作業に依存せず、ダウンタイムが短縮される。
【0089】
本実施形態で開示した構成は、いずれも組み合わせて実施することができる。
【0090】
6.結語
【0091】
(1)本実施形態によれば、電子機器は、アプリケーションを他の1の電子機器でのみ使用可能にするためのアクティベートキーとアプリケーションを含むパッケージファイルをエクスポート用に出力する一方で、当該電子機器で使用中のアプリケーションを、所定の置き換え移行期間の経過後に使用不可能にする。これにより、使用にアクティベートキーを必要とするアプリケーションを有する電子機器の置き換えにおいて、新しい電子機器でアプリケーションを使用できない期間をなくし、古い電子機器を用いてアプリケーションが不正使用されないようにすることができる。
【0092】
(2)本実施形態によれば、電子機器は、アクティベートキーを出力したのち、置き換え移行期間の終了時点より前の時点であれば、延長指示が入力された場合に置き換え移行期間を延長する。これにより、置き換え移行期間中に移行作業が終了できない場合でも、電子機器のユーザーがアプリケーションを使用できない期間を設けないようにすることができる。さらに、本実施形態によれば、電子機器は、置き換え移行期間が終了した後は延長ができない。これによりアプリケーションの不正使用されないようにすることができる。
【0093】
(3)本実施形態によれば、電子機器は、エクスポート指示の入力とパッケージファイルの出力を通信ネットワーク上のサーバー装置との情報通信により行う。これにより、サービスマンなど操作者の手作業を必要とせず、移行作業を実施することができる。
【0094】
本技術の各実施形態及び各変形例について上に説明したが、本技術は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0095】
1…機器セットアップシステム
10…第1の電子機器
20…第2の電子機器
11…制御回路
101…入力部
102…制御部
103…出力部
21…制御回路
201…入力部
202…制御部
P…パッケージファイル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8