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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】内燃機関
(51)【国際特許分類】
   F01N 3/00 20060101AFI20221129BHJP
   F01N 3/20 20060101ALI20221129BHJP
   F01N 3/24 20060101ALI20221129BHJP
【FI】
F01N3/00 F
F01N3/20 K
F01N3/20 H
F01N3/24 N
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019042979
(22)【出願日】2019-03-08
(65)【公開番号】P2020143658
(43)【公開日】2020-09-10
【審査請求日】2021-06-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100167461
【弁理士】
【氏名又は名称】上木 亮平
(72)【発明者】
【氏名】藤田 徳明
【審査官】稲村 正義
(56)【参考文献】
【文献】特開平6-26331(JP,A)
【文献】特開2009-189921(JP,A)
【文献】特開平5-212293(JP,A)
【文献】特開昭64-44838(JP,A)
【文献】特開平6-109674(JP,A)
【文献】特開2010-32237(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01N 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外筒と、
前記外筒に対して電気的に絶縁された状態で当該外筒内に設けられ、通電されることによって発熱する導電性基材に触媒を担持させた電気加熱式の触媒装置と、
前記導電性基材の温度を検出するための温度センサと、
を備える触媒コンバータを、排気経路に備える内燃機関であって、
前記温度センサは、
前記外筒に取り付けられる取付部と、
前記取付部から前記外筒の内部に延びると共に、先端が前記導電性基材の内部に位置するように前記導電性基材の排気流れ方向上流側の一端部側又は排気流れ方向下流側の他端部側から前記導電性基材の内部に挿入される感温部と、
前記感温部の、前記導電性基材の内部に挿入された部分の周囲を覆うように、前記導電性基材の内部に挿入される絶縁管と、
を備え、
前記感温部及び前記絶縁管は、前記導電性基材の内部において排気流れ方向と略平行に配置され、
前記導電性基材の一端部又は他端部のうちの前記感温部が挿入される側の端部である挿入側端部からその反対側の端部に向かって延びている前記絶縁管の先端までの距離は、前記挿入側端部から前記感温部の先端までの距離よりも所定距離だけ長く、かつ前記絶縁管の先端が開放端となっており、
前記所定距離は、前記導電性基材に印可される最大電圧に基づいて設定される、
内燃機関。
【請求項2】
前記挿入側端部は前記導電性基材の他端部であり、
前記取付部は、前記導電性基材よりも排気流れ方向下流側の前記外筒に取り付けられている、
請求項1に記載の内燃機関。
【請求項3】
前記絶縁管の先端とは反対側の前記絶縁管の基端が開放端となっている、
請求項2に記載の内燃機関。
【請求項4】
前記触媒コンバータは、
前記電気加熱式の触媒装置の排気流れ方向下流側に前記電気加熱式の触媒装置と一定の距離を空けて隣接するように前記外筒内に設けられ、絶縁性基材に触媒を担持させた後段触媒装置をさらに備え、
前記取付部は、前記絶縁性基材よりも排気流れ方向下流側の前記外筒に取り付けられており、
前記感温部は、前記絶縁性基材の排気流れ方向下流側の端部側から前記絶縁性基材の内部に挿入され、前記絶縁性基材の内部を通って前記導電性基材の内部まで延ばされており、
前記絶縁管は、前記絶縁性基材の内部に挿入された部分の周囲をさらに覆うように、前記導電性基材の内部から前記絶縁性基材の内部まで延ばされている、
請求項2又は請求項3に記載の内燃機関。
【請求項5】
前記挿入側端部は前記導電性基材の一端部であり、
前記絶縁管の先端とは反対側の前記絶縁管の基端が閉塞端となっている、
請求項1に記載の内燃機関。
【請求項6】
前記絶縁管の先端は、前記導電性基材の内部に位置する、
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の内燃機関。
【請求項7】
前記所定距離は、前記最大電圧に加えて前記導電性基材に流入する排気の最大流量をさらに考慮して設定される、
請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の内燃機関。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は内燃機関に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、従来の内燃機関として、導電性基材の温度を間接的に検出するための温度センサが、導電性基材の排気流れ方向下流側に配置された絶縁性基材に形成された収容穴の内部に配置されるように、当該温度センサを触媒コンバータに取り付けたものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-200069号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述した従来の内燃機関では、温度センサが導電性基材の外部に配置されていたため、導電性基材の温度の検出精度が低下するおそれがある。これに対して、温度センサを導電性基材の内部に配置することが考えられるが、前述した従来の内燃機関では、温度センサが排気の流れ方向に対して直交するように触媒コンバータに取り付けられていた。そのため、温度センサを導電性基材の内部に配置すると、温度センサが導電性基材の途中に排気の流れを遮るように配置されることになる。その結果、導電性基材の内部に排気が流れにくくなり、導電性基材が排気から受ける単位時間当たりの熱量が少なくなって導電性基材の昇温速度が低下するおそれがある。また、温度センサを導電性基材の内部に配置する場合には、温度センサと導電性基材との絶縁性を確保する必要がある。
【0005】
本発明はこのような問題点に着目してなされたものであり、導電性基材の内部を通過する排気の流れが温度センサによって遮られるのを抑制しつつ、導電性基材との絶縁性を確保した上で温度センサによって導電性基材の内部の温度を検出することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様による内燃機関は、外筒と、外筒に対して電気的に絶縁された状態で当該外筒内に設けられ、通電されることによって発熱する導電性基材に触媒を担持させた電気加熱式の触媒装置と、導電性基材の温度を検出するための温度センサと、を備える触媒コンバータを、排気経路に備える。温度センサは、外筒に取り付けられる取付部と、取付部から外筒の内部に延びると共に、先端が導電性基材の内部に位置するように導電性基材の排気流れ方向上流側の一端部側又は排気流れ方向下流側の他端部側から導電性基材の内部に挿入される感温部と、感温部の、導電性基材の内部に挿入された部分の周囲を覆うように、導電性基材の内部に挿入される絶縁管と、を備える。そして、感温部及び絶縁管は、導電性基材の内部において排気流れ方向と略平行に配置され、導電性基材の一端部又は他端部のうちの感温部が挿入される側の端部である挿入側端部からその反対側の端部に向かって延びている絶縁管の先端までの距離は、挿入側端部から感温部の先端までの距離よりも所定距離だけ長く、かつ絶縁管の先端が開放端となっている。
【0007】
また、本発明の別に態様による内燃機関は、外筒と、外筒に対して電気的に絶縁された状態で当該外筒内に設けられ、通電されることによって発熱する導電性基材に触媒を担持させた電気加熱式の触媒装置と、導電性基材の温度を検出するための温度センサと、を備える触媒コンバータを、排気経路に備える。温度センサは、外筒に取り付けられる取付部と、取付部から外筒の内部に延びると共に、先端が導電性基材の内部に配置されるように導電性基材の排気流れ方向上流側の一端部側又は排気流れ方向下流側の他端部側から導電性基材の内部に挿入される感温部と、感温部の、導電性基材の内部に挿入された部分の周囲を覆うように、導電性基材の内部に挿入される絶縁管と、を備える。そして、感温部及び絶縁管は、導電性基材の内部において排気流れ方向と略平行に配置され、導電性基材の一端部又は他端部のうちの前記感温部が挿入される側の端部である挿入側端部からその反対側の端部に向かって延びている絶縁管の先端は、閉塞端となっている。
【発明の効果】
【0008】
本発明のこれらの態様によれば、導電性基材の内部を通過する排気の流れが温度センサによって遮られるのを抑制しつつ、導電性基材との絶縁性を確保した上で温度センサによって導電性基材の内部の温度を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の第1実施形態による内燃機関及び内燃機関を制御する電子制御ユニットの概略構成図である。
図2図2は、本発明の第1実施形態による触媒コンバータについて説明する図である。
図3図3は、図2のIII-III線に沿う触媒コンバータの概略断面図である。
図4図4は、本発明の第1実施形態による、熱電対の先端付近の導電性基材の内部を示す要部拡大図である。
図5図5は、本発明の第2実施形態による触媒コンバータについて説明する図である。
図6図6は、本発明の第3実施形態による、熱電対の先端付近の導電性基材の内部を示す要部拡大図である。
図7図7は、本発明の変形例による触媒コンバータについて説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同様な構成要素には同一の参照番号を付す。
【0011】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態による内燃機関100及び内燃機関100を制御する電子制御ユニット200の概略構成図である。
【0012】
内燃機関100は、内部で燃料を圧縮自己着火燃焼させて、例えば車両などを駆動するための動力を発生させる機関本体1を備える。機関本体1は、各気筒に形成される燃焼室2と、各燃焼室2内にそれぞれ燃料を噴射するための電子制御式の燃料噴射弁3と、各燃焼室2内に吸入空気を導入するための吸気マニホールド4と、各燃焼室2内から排気を排出するための排気マニホールド5と、を含む。
【0013】
各燃料噴射弁3は、燃料供給管15を介してコモンレール16に連結される。コモンレール16は、吐出量の変更が可能な電子制御式の燃料ポンプ17を介して燃料タンク18に連結される。燃料タンク18内に貯蔵されている燃料は、燃料ポンプ17によってコモンレール16内に供給される。コモンレール16内に供給された燃料は、各燃料供給管15を介して燃料噴射弁3に供給される。
【0014】
吸気マニホールド4は、吸気ダクト6を介して排気ターボチャージャ7のコンプレッサ7aの出口に連結される。コンプレッサ7aの入口は、吸気管8を介してエアクリーナ9に連結される。吸気管8には、吸入空気量を検出するためのエアフローメータ211が設けられる。吸気ダクト6内には、ステップモータにより駆動される電気制御式のスロットル弁10が配置される。吸気ダクト6の周りには、吸気ダクト6内を流れる吸入空気を冷却するための冷却装置11が配置される。
【0015】
排気マニホールド5は、排気ターボチャージャ7の排気タービン7bの入口に連結される。排気タービン7bの出口は、触媒コンバータ20が設けられた排気管19に連結される。排気マニホールド5と吸気マニホールド4とは、排気再循環(Exhaust Gas Recirculation;以下「EGR」という。)を行うためにEGR通路12を介して互いに連結される。EGR通路12内には、電子制御式のEGR制御弁13が配置される。EGR通路12の周りには、EGR通路12内を流れるEGRガスを冷却するためのEGRクーラ14が配置される。
【0016】
触媒コンバータ20は、機関本体1から排出される排気中の有害物質を取り除いた上で排気を外気に排出するための装置であって、外筒30と、電気加熱式の触媒装置(EHC;Electrical Heated Catalyst)40と、温度センサ60と、を備える。触媒コンバータ20の各構成部品については、図2を参照して後述する。
【0017】
電子制御ユニット200は、デジタルコンピュータから構成され、双方性バス201によって互いに接続されたROM(リードオンリメモリ)202、RAM(ランダムアクセスメモリ)203、CPU(マイクロプロセッサ)204、入力ポート205及び出力ポート206を備える。
【0018】
入力ポート205には、前述したエアフローメータ211や温度センサ60などの出力信号が、対応する各AD変換器207を介して入力される。また、入力ポート205には、アクセルペダル220の踏み込み量Lに比例した出力電圧を発生する負荷センサ212の出力電圧が、対応するAD変換器207を介して入力される。さらに入力ポート205には、機関回転速度Nを算出するための信号として、機関本体1のクランクシャフトが例えば15°回転する毎に出力パルスを発生するクランク角センサ213の出力信号が入力される。このように入力ポート205には、内燃機関100を制御するために必要な各種センサの出力信号が入力される。
【0019】
出力ポート206には、対応する駆動回路208を介して燃料噴射弁3、スロットル弁10を駆動するステップモータ、EGR制御弁13、燃料ポンプ17などの各制御部品が電気的に接続される。
【0020】
電子制御ユニット200は、入力ポート205に入力された各種センサの出力信号に基づいて、各制御部品を制御するための制御信号を出力ポート206から出力する。
【0021】
図2は、本実施形態による触媒コンバータ20の各構成部品について説明する図である。図3は、図2のIII-III線に沿う触媒コンバータ20の概略断面図である。
【0022】
外筒30は、典型的にはステンレス等の金属又はセラミック等の非金属によって構成されたケースであって、収容部30aと、収容部30aよりも排気流れ方向上流側に形成される第1接続部30bと、収容部30aよりも排気流れ方向下流側に形成される第2接続部30cと、を備える。本実施形態では外筒30は、略水平となるように排気管19に接続されている。
【0023】
収容部30aは、その内部に電気加熱式の触媒装置40を収容するための部分であって、その内径は排気管19の内径よりも大きくされる。収容部30aの内壁面には、外筒30と後述する電気加熱式の触媒装置40の導電性基材41とを電気的に絶縁するために、例えばガラス等の電気絶縁性の材料によってコーティングを施すことにより絶縁層31が形成されている。
【0024】
第1接続部30bは、排気流れ方向に沿って徐々にその内径が排気管19の内径から収容部30aの内径に向かって拡がるように形成された部分であって、その前端部が排気管19に接続される。
【0025】
第2接続部30cは、排気流れ方向に沿って徐々にその内径が収容部30aの内径から排気管19の内径に向かって狭くなるように形成された部分であって、その後端部が排気管19に接続される。本実施形態では、この第2接続部30cに、後述する温度センサ60の取付部62を取り付けるための挿通孔32が形成されている。
【0026】
電気加熱式の触媒装置40は、導電性基材41と、第1保持マット42と、一対の電極43と、を備える。
【0027】
導電性基材41は、例えば炭化ケイ素(SiC)や二珪化モリブデン(MoSi)などの通電されることにより発熱する材料によって形成される。図3に示すように、導電性基材41には、排気の流れ方向に沿って、断面形状が格子形状(又はハニカム形状)の複数の通路(以下「単位セル」という。)411が形成されており、各単位セル411の表面に触媒が担持されている。導電性基材41に担持させる触媒は特に限られるものではなく、種々の触媒の中から所望の排気浄化性能を得るために必要な触媒を適宜選択して導電性基材41に担持させることができる。
【0028】
第1保持マット42は、導電性基材41と収容部30aとの間の隙間を埋めるように、導電性基材41と収容部30aとの間に設けられ、導電性基材41を収容部30a内の所定位置に保持するための部品である。第1保持マット42は、例えばアルミナ(Al)などの電気絶縁性の材料によって形成されている。
【0029】
一対の電極43は、導電性基材41に電圧を印加するための部品であり、それぞれ収容部30aに対して電気的に絶縁された状態で、それらの一端が導電性基材41に電気的に接続されている。一対の電極43のうちの一方の電極43aの他端は、例えばバッテリなどの電源44のプラス端子に接続され、他方の電極43bの他端は、電源44のマイナス端子に接続されている。一対の電極43を介して導電性基材41に電圧を印加することで、導電性基材41に電流が流れて導電性基材41が発熱し、導電性基材41に担持された触媒が加熱される。
【0030】
このように電気加熱式の触媒装置40は、収容部30aに対して電気的に絶縁された状態で収容部30a内に設けられる。
【0031】
温度センサ60は、熱電対61によって導電性基材41の温度(触媒床温)を直接的に検出するためのセンサである。この温度センサ60で検出された温度に基づいて、導電性基材41に対する通電制御や、電気加熱式の触媒装置40の故障判定などが電子制御ユニット200によって行われている。
【0032】
図2に示すように、本実施形態による温度センサ60は、その取付部62が、外筒30の第2接続部30cに対して電気的に絶縁された状態で第2接続部30cに取り付けられている。具体的には本実施形態では、温度センサ60の取付部62が、外周面に雄ネジを有する絶縁性のニップルとなっており、このニップルを、雌ネジを有する第2接続部30cの挿通孔32に螺合させることで、第2接続部30cに対して電気的に絶縁された状態で温度センサ60の取付部62が第2接続部30cに取り付けられている。
【0033】
そして本実施形態では、このように温度センサ60の取付部62を外筒30の第2接続部30cに取り付けて、熱電対61を導電性基材41よりも排気流れ方向下流側から外筒30の内部に挿入し、熱電対61を排気流れ方向上流側に向かって導電性基材41の単位セル411の内部を通し、熱電対61の先端61aが導電性基材41の中央部に位置するように、熱電対61を導電性基材41の内部の中央部まで延ばすようにしている。そしてまた、熱電対61が排気の流れを阻害することがないように、導電性基材41の内部において、熱電対61を排気流れ方向と略平行となるように配置している。
【0034】
このように、熱電対61を導電性基材41の内部に配置することで、熱電対61によって導電性基材41の温度を直接的に検出することができる。そのため、導電性基材41の温度を精度良く検出することができる。一方で、熱電対61を導電性基材41の内部に配置する場合には、熱電対61と導電性基材41との絶縁性を確保するために、導電性基材41の内部において導電性基材41と熱電対61とが接触するのを防止する必要がある。
【0035】
そこで本実施形態では、図3に示すように、例えばセラミックなどの電気絶縁性の材料によって形成された絶縁管63を導電性基材41の単位セル411の内部に挿入し、その絶縁管63の内部に熱電対61を通して絶縁管63によって熱電対61の周囲を覆うようにしている。これにより、導電性基材41と熱電対61との接触を防止することができる。
【0036】
なお本実施形態では、絶縁管63の排気流れ方向上流側の端部、及び絶縁管63の排気流れ方向下流側の端部のそれぞれを、開放端としている。すなわち本実施形態では、導電性基材41の内部の中央部に位置する絶縁管63の先端63a、及び先端63aの反対側の基端63bのそれぞれを開放端としている。
【0037】
このように、絶縁管63の先端63a及び基端63bを開放端とすることで、絶縁管63の内部にも排気が流れることになるため、絶縁管63の内部に排気中の導電性カーボンが付着しやすくなるものの、排気中には微量の酸素も含まれているため、高温の排気雰囲気下においては、絶縁管63の内部を流れる排気によって、絶縁管63の内部に付着した導電性カーボンを酸化させることができる。そのため、絶縁管63の内部に導電性カーボンが堆積するのを抑制できるので、堆積した導電性カーボンによって導電性基材41と熱電対61とを電気的に接続する電流パスが形成されるのを抑制し、導電性基材41と熱電対61との絶縁性が悪化するのを抑制できる。
【0038】
その一方で、絶縁管63の先端63aが開放端となっている場合、導電性基材41に電圧が印可されたときに、導電性基材41と熱電対61の先端61aとの間で空間放電が生じて導電性基材41と熱電対61とが短絡し、導電性基材41と熱電対61との絶縁性が悪化するおそれがある。
【0039】
このような空間放電による導電性基材41と熱電対61との短絡を抑制するには、導電性基材41と熱電対61の先端61aとの間に一定以上の空間距離を設けることが有効である。
【0040】
そこで本実施形態では、図4に示すように、熱電対61が挿入される側の導電性基材41の端部(以下「挿入側端部」という。本実施形態では排気流れ方向下流側の端部)41aから熱電対61の先端61aまでの距離L1よりも、導電性基材41の挿入側端部41aから絶縁管63の先端63aまでの距離L2が長くなるように、導電性基材41の内部に絶縁管63を配置している。すなわち、導電性基材41の内部における絶縁管63の長さを、導電性基材41の内部における熱電対61の長さよりも長くなるようにしている。
【0041】
これにより、例えば図4に一点鎖線で示すように、仮に距離L1と距離L2とを同じにした場合の導電性基材41と熱電対61の先端61aとの間の空間距離l1よりも、本実施形態では絶縁管63の長さを熱電対61の長さよりも長くした分だけ、図4に破線で示すように、導電性基材41と熱電対61の先端61aとの間の空間距離l2を長くすることができる。そのため、空間放電による導電性基材41と熱電対61との短絡を抑制することができるので、導電性基材41との絶縁性の悪化を抑制することができる。
【0042】
なお本実施形態では、熱電対61の先端から絶縁管63の先端までの距離L3(以下「絶縁管63の延伸距離」という。)を以下のような思想に基づいて設定している。
【0043】
すなわち導電性基材41と熱電対61の先端61aとの間における空間放電は、導電性基材41と熱電対61の先端61aとの間の空間距離が同じであれば、基本的に導電性基材41に印可する電圧が高くなるほど生じやすくなる傾向にある。したがって、本実施形態では、絶縁管63の延伸距離L3を、導電性基材に印可される最大電圧に基づいて設定している。
【0044】
また、導電性基材41と熱電対61の先端61aとの間における空間放電の生じやすさは、導電性基材41に印可する電圧の大きさ以外にも、導電性基材41の内部が空気雰囲気下であるか、又は排気雰囲気下であるかによっても変化する。具体的には、導電性基材41と熱電対61の先端61aとの間における空間放電は、導電性基材41の内部が排気雰囲気下のときの方が生じやすくなる傾向にあり、さらに導電性基材41に流入する排気の流量、ひいては単位セル411の内部に流入する排気の流量が多いほど生じやすくなる傾向にある。したがって、絶縁管63の延伸距離L3を、導電性基材に印可される最大電圧と、導電性基材41に流入する排気の最大流量と、に基づいて設定してもよい。
【0045】
以上説明した本実施形態による内燃機関100は、外筒30と、外筒30に対して電気的に絶縁された状態で外筒30内に設けられ、通電されることによって発熱する導電性基材41に触媒を担持させた電気加熱式の触媒装置40と、導電性基材41の温度を検出するための温度センサ60と、を備える触媒コンバータ20を、排気経路に備える。
【0046】
温度センサ60は、外筒30に取り付けられる取付部62と、取付部62から外筒30の内部に延びると共に、先端61aが導電性基材41の内部に位置するように導電性基材41の排気流れ方向下流側の他端部側から導電性基材41の内部に挿入される熱電対61(感温部)と、熱電対61の、導電性基材41の内部に挿入された部分の周囲を覆うように、導電性基材41の内部に挿入される絶縁管63と、を備える。
【0047】
そして、熱電対61及び絶縁管63は、導電性基材41の内部において排気流れ方向と略平行に配置され、導電性基材41の熱電対61が挿入される側の端部である挿入側端部41a(本実施形態では、導電性基材41の排気流れ方向下流側の端部)からその反対側の端部(本実施形態では、導電性基材41の排気流れ方向上流側の端部)に向かって延びている絶縁管63の先端63aまでの距離L2は、挿入側端部41aから熱電対61の先端61aまでの距離L1よりも所定距離だけ長く、かつ絶縁管63の先端が開放端となっている。
【0048】
これにより、絶縁管63によって、導電性基材41と熱電対61との接触を防止できると共に空間放電による導電性基材41と熱電対61との短絡を抑制することができるので、導電性基材41と温度センサ60との絶縁性の悪化を抑制することができる。
【0049】
また、熱電対61及び絶縁管63が、排気流れ方向と略平行にされた状態で導電性基材41の内部に配置されているので、導電性基材41の内部を通過している途中の排気の流れが、熱電対61及び絶縁管63によって遮られるのを抑制できる。したがって、導電性基材41の内部に排気が流入しにくくなって導電性基材41の昇温速度が低下してしまうのを抑制できるので、熱電対61によって排気の流れが遮られることに起因する排気エミッションの悪化を抑制できる。
【0050】
さらに、熱電対61が導電性基材41の内部に配置されているため、導電性基材41の温度を精度良く検出することができる。
【0051】
また本実施形態では、導電性基材41の挿入側端部41aは、導電性基材41の排気流れ方向下側の端部であり、温度センサ60の取付部62が、導電性基材41よりも排気流れ方向下流側の外筒30、すなわち第2接続部30cに取り付けられている。
【0052】
そのため、温度センサ60の取付部62と導電性基材41の挿入側端部41aとの間に位置する、熱電対61の導電性基材41に挿入されていない部分(以下「熱電対61の非挿入部」という。)に、導電性基材41に流入する前の排気が当たることがない。
【0053】
この熱電対61の非挿入部を、仮に導電性基材41に流入する前の排気が当たるような位置(すなわち、導電性基材41よりも排気流れ方向上流側)に配置すると、排気脈動の影響を受けて熱電対61が振動し、その結果、熱電対61が劣化したり、熱電対61の位置(測温部位)が変化して導電性基材41の温度の検出精度が悪化したりするおそれがある。
【0054】
また、排気の熱が熱電対61に奪われて、導電性基材41に流入する排気の温度が低下するおそれがある。そのため、導電性基材41の温度の昇温速度が低下して触媒が活性するまでの時間が長くなり、排気エミッションが悪化するおそれがある。さらには、熱電対61の非挿入部によって導電性基材41に流入する排気の流れが遮られるため、熱電対61の非挿入部の後方に位置する導電性基材41の単位セル411に排気が流入しにくくなる。その結果、導電性基材41が排気から受ける単位時間当たりの熱量が少なくなって、導電性基材41の昇温速度が低下して導電性基材41に担持された触媒が活性するまでの時間が長くなり、排気エミッションが悪化するおそれがある。
【0055】
したがって、本実施形態のように、熱電対61の非挿入部に導電性基材41に流入する前の排気が当たらないようにすることで、熱電対61が振動することに起因する温度センサ60の耐久性の悪化、及び導電性基材41の温度の検出精度の悪化を抑制できる。また、熱電対61の非挿入部に熱が奪われることに起因する排気エミッションの悪化や、熱電対61の非挿入部によって排気の流れが遮られることに起因する排気エミッションの悪化を抑制できる。
【0056】
また本実施形態では、絶縁管63の先端63a及び基端63bが、それぞれ開放端となっている。
【0057】
そのため、熱電対61及び絶縁管63が挿入された単位セル411に排気が流れにくくなるのを抑制できる。また、仮に絶縁管63の内部に排気中の導電性カーボンが付着したとしても、絶縁管63の内部を流れる排気によって、絶縁管63の内部に付着した導電性カーボンを酸化させることができる。そのため、絶縁管63の内部に導電性カーボンが堆積するのを抑制できるので、堆積した導電性カーボンによって導電性基材41と熱電対61とを電気的に接続する電流パスが形成されるのを抑制し、導電性基材41と熱電対61との絶縁性が悪化するのを抑制できる。
【0058】
また本実施形態では、絶縁管63の先端63aは、導電性基材41の内部に位置している。
【0059】
絶縁管63の延伸距離L3を長くすれば、空間放電による導電性基材41と熱電対61との短絡を抑制しやすくなるが、例えば絶縁管63の先端63aを導電性基材41の外部まで延ばすなど、延伸距離L3を長くし過ぎると、絶縁管63が折れるなどして、絶縁管63が破損するおそれがある。したがって、絶縁管63の先端63aが導電性基材41の内部に収まる程度の延伸距離L3とすることで、絶縁管63の破損を抑制することができる。
【0060】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、触媒コンバータ20が、電気加熱式の触媒装置40の排気流れ方向下流側に、電気加熱式の触媒装置40に対して一定の距離を空けて隣接するように配置された後段触媒装置50をさらに備える点で、第1実施形態と相違する。以下、その相違点を中心に説明する。
【0061】
図5は、本実施形態による触媒コンバータ20の各構成部品について説明する図である。
【0062】
図5に示すように、本実施形態による触媒コンバータ20は、電気加熱式の触媒装置40の排気流れ方向下流側に、電気加熱式の触媒装置40に対して一定の距離を空けて隣接するように収容部30a内に設けられた後段触媒装置50を備える。後段触媒装置50は、絶縁性基材51と、第2保持マット52と、を備える。
【0063】
絶縁性基材51は、例えばコージェライトなどの電気絶縁性の材料によって形成される。絶縁性基材51にも、導電性基材41と同様に断面形状が格子形状(又はハニカム形状)の単位セル(図示せず)が排気の流れ方向に沿って複数形成されており、各単位セルの表面に触媒が担持されている。絶縁性基材51に担持させる触媒も特に限られるものではなく、種々の触媒の中から所望の排気浄化性能を得るために必要な触媒を適宜選択して絶縁性基材51に担持させることができる。絶縁性基材51に担持させる触媒は、導電性基材41に担持させる触媒と同じものでも良く、異なるものでも良い。
【0064】
第2保持マット52は、絶縁性基材51と収容部30aとの間の隙間を埋めるように、絶縁性基材51と収容部30aの内壁面に形成された絶縁層31との間に設けられ、絶縁性基材51を収容部30a内の所定位置に保持するための部品である。第2保持マット52も、例えばアルミナ(Al)などの電気絶縁性の材料によって形成されている。
【0065】
このように、収容部30a内において、導電性基材41の排気流れ方向下流側に絶縁性基材51のような別の触媒装置の基材が配置されている場合、第2接続部30cに取り付けた温度センサ60の熱電対61を導電性基材41の内部まで延ばすには、熱電対61を絶縁性基材51の排気流れ方向下流側の端部から絶縁性基材51に挿入して絶縁性基材51の内部に通した後、その熱電対61をさらに導電性基材41に挿入する必要がある。
【0066】
このとき、絶縁管63が導電性基材41の内部にしか配置されていないと、熱電対61を絶縁性基材51の内部に通した後に、その熱電対61を、導電性基材41の絶縁管63が配置されている特定の単位セル411に挿入して絶縁管63の内部に通す必要がある。しかしながら、導電性基材41の単位セル411の径、ひいては絶縁管63の径が小さくなるほど、また、格子が細かくなって単位セル411の数が増えるほど、特定の単位セル411に熱電対61を挿入しにくくなるので、このような作業が困難となる。
【0067】
そこで本実施形態では、図5に示すように、絶縁管63を導電性基材41の内部から絶縁性基材51の内部まで延ばすようにしている。より詳細には、絶縁管63の基端63bを、絶縁性基材51の排気流れ方向下流側の端部まで延ばすようにしている。
【0068】
これにより、熱電対61を絶縁性基材51の排気流れ方向下流側の端部から絶縁性基材51に挿入すれば、そのまま熱電対61の先端61aを導電性基材41の中央部まで延ばすことができるので、熱電対61を導電性基材41に挿入する際の作業性を向上させることができる。
【0069】
以上説明した本実施形態によれば、触媒コンバータ20は、電気加熱式の触媒装置40の排気流れ方向下流側に電気加熱式の触媒装置40に対して一定の距離を空けて隣接するように外筒30内に設けられ、絶縁性基材51に触媒を担持させた後段触媒装置50をさらに備える。温度センサ60の取付部62は、絶縁性基材51よりも排気流れ方向下流側の外筒30、すなわち第2接続部30cに取り付けられており、熱電対61は、絶縁性基材51の排気流れ方向下流側の端部側から絶縁性基材51の内部に挿入され、絶縁性基材51の内部を通って導電性基材41の内部まで延ばされている。そして、絶縁管63は、絶縁性基材51の内部に挿入された部分の周囲をさらに覆うように、導電性基材41の内部から絶縁性基材51の内部まで延ばされている。
【0070】
これにより、熱電対61を絶縁性基材51の排気流れ方向下流側の端部から絶縁性基材51に挿入すれば、そのまま熱電対61の先端61aを導電性基材41の中央部まで延ばすことができるので、熱電対61を導電性基材41に挿入する際の作業性を向上させることができる。
【0071】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態は、絶縁管63の先端63aを閉塞端にした点で、第1実施形態と相違する。以下、その相違点について説明する。
【0072】
図6は、本実施形態による熱電対61の先端61a付近の導電性基材41の内部を示す要部拡大図である。
【0073】
図6に示すように、本実施形態では、導電性基材41の挿入側端部41aから熱電対61の先端61aまでの距離L1と、導電性基材41の挿入側端部41aから絶縁管63の先端63aまでの距離L2と略同じにして、絶縁管63の先端63aを閉塞端とする。
【0074】
これにより、導電性基材41と熱電対61の先端61aとの間で空間放電が生じるのを防止することができる。また、絶縁管63の先端63a側から絶縁管63の内部に排気が流入することがないので、絶縁管63の内部に排気中の導電性カーボンが付着するのを抑制することができる。そのため、導電性カーボンによって導電性基材41と熱電対61とを電気的に接続する電流パスが形成されるのを抑制し、導電性基材41と熱電対61との絶縁性が悪化するのを抑制できる。
【0075】
以上説明した本実施形態による内燃機関100は、外筒30と、外筒30に対して電気的に絶縁された状態で外筒30内に設けられ、通電されることによって発熱する導電性基材41に触媒を担持させた電気加熱式の触媒装置40と、導電性基材41の温度を検出するための温度センサ60と、を備える触媒コンバータ20を、排気経路に備える。
【0076】
温度センサ60は、外筒30に取り付けられる取付部62と、取付部62から外筒30の内部に延びると共に、先端61aが導電性基材41の内部に配置されるように導電性基材41の排気流れ方向下流側の端部側から導電性基材41の内部に挿入される熱電対61(感温部)と、熱電対61の、導電性基材41の内部に挿入された部分の周囲を覆うように、導電性基材41の内部に挿入される絶縁管63と、を備える。
【0077】
そして、熱電対61及び絶縁管63は、導電性基材41の内部において排気流れ方向と略平行に配置され、導電性基材41の熱電対61が挿入される側の端部である挿入側端部41あからその反対側の端部に向かって延びている絶縁管63の先端63aは、閉塞端となっている。
【0078】
これにより、導電性基材41と熱電対61の先端61aとの間で空間放電が生じるのを防止することができる。また、絶縁管63の先端63a側から絶縁管63の内部に排気が流入することがないので、絶縁管63の内部に排気中の導電性カーボンが付着するのを抑制することができる。そのため、導電性カーボンによって導電性基材41と熱電対61とを電気的に接続する電流パスが形成されるのを抑制し、導電性基材41と熱電対61との絶縁性が悪化するのを抑制できる。
【0079】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【0080】
例えば、上記の実施形態では、機関本体1で燃料を圧縮自己着火燃焼させるように内燃機関100を構成していたが、機関本体1で燃料を火花点火燃焼させるように内燃機関100を構成しても良い。また、排気管19に触媒コンバータ20以外の排気浄化装置、例えばパティキュレートフィルタや他の触媒装置などを設けても良い。
【0081】
また、上記の第1実施形態及び第2実施形態において、絶縁管63の基端63bを、熱電対61が挿入可能な程度の孔を設けた閉塞端としてもよい。
【0082】
また、上記の第1実施形態では、温度センサ60の取付部62を外筒30の第2接続部30cに取り付けていたが、例えば図7に示すように、温度センサ60の取付部62を外筒30の第1接続部30bに取り付けるようにして、熱電対61を導電性基材41よりも排気流れ方向上流側から外筒30の内部に挿入し、熱電対61を取付部62から排気流れ方向下流側に向かって導電性基材41の単位セル411の内部を通し、熱電対61の先端61aが導電性基材41の中央部に位置するように、熱電対61を導電性基材41の内部の中央部まで延ばすようにしてもよい。そして熱電対61の周囲を絶縁管63で覆うようにしてもよい。
【0083】
この際、第1実施形態と同様に、絶縁管63の先端63aを開放端にすると共に、導電性基材41の挿入側端部41a(図7に示す例では、導電性基材41の排気流れ方向上流側の端部)から熱電対61の先端61aまでの距離L1よりも、導電性基材41の挿入側端部41aから絶縁管63の先端63aまでの距離L2が長くなるように、導電性基材41の内部に絶縁管63を配置することで、導電性基材41と熱電対61との接触を防止できると共に空間放電による導電性基材41と熱電対61との短絡を抑制することができる。
【0084】
また第3実施形態のように、導電性基材41の挿入側端部41aから熱電対61の先端61aまでの距離L1と、導電性基材41の挿入側端部41aから絶縁管63の先端63aまでの距離L2と略同じにして、絶縁管63の先端63aを閉塞端とすれば、導電性基材41と熱電対61との接触を防止できると共に空間放電による導電性基材41と熱電対61との短絡を防止することができる。
【0085】
また図7に示す例において、絶縁管63の基端63bを開放端として、絶縁管63の内部に付着した導電性カーボンの酸化を促進させるようにしてもよいし、絶縁管63の基端63bを、熱電対61が挿入可能な程度の孔を設けた閉塞端として絶縁管63の内部に導電性カーボンが付着するのを抑制するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0086】
30 外筒
40 電気加熱式の触媒装置
41 導電性基材
50 後段触媒装置
51 絶縁性基材
60 温度センサ
61 熱電対(感温部)
62 取付部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7