(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】インクジェットプリンタ
(51)【国際特許分類】
B41J 2/01 20060101AFI20221129BHJP
B41J 2/21 20060101ALI20221129BHJP
【FI】
B41J2/01 307
B41J2/21
B41J2/01 201
B41J2/01 303
(21)【出願番号】P 2019063544
(22)【出願日】2019-03-28
【審査請求日】2021-03-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104178
【氏名又は名称】山本 尚
(72)【発明者】
【氏名】玉置 修一
【審査官】高松 大治
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-199037(JP,A)
【文献】特開2003-285422(JP,A)
【文献】特開2017-105194(JP,A)
【文献】特開2005-254806(JP,A)
【文献】特開2015-147314(JP,A)
【文献】特開2007-090805(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0162150(US,A1)
【文献】特開2018-065305(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01-2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷媒体に下地用のインクを吐出する下地印刷用ヘッドと、
前記印刷媒体に、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのうち少なくとも2色のカラーのインクを吐出するカラー印刷用ヘッドと、
前記下地印刷用ヘッドと前記カラー印刷用ヘッドを前記印刷媒体に対して走査する走査手段と、
を備えるシリアル方式のインクジェットプリンタにおいて、
前記下地印刷用ヘッドと前記カラー印刷用ヘッドとが前記走査手段による走査方向に直交する方向に離間して配置され、
前記印刷媒体に対して同一走査において共に印刷が可能な前記下地印刷用ヘッドと前記カラー印刷用ヘッドの間に、インクを吐出する追加ヘッドを取り付け可能な追加ヘッド取付部が設けられていることを特徴とするインクジェットプリンタ。
【請求項2】
前記追加ヘッド取付部に取り付けられる前記追加ヘッドに対応して、前記追加ヘッドのメンテナンスを行うメンテナンス機構、又は、前記追加ヘッドにインクを供給するインク流路の少なくとも一方のスペースが設けられたことを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項3】
前記下地印刷用ヘッド、前記カラー印刷用ヘッド、及び前記追加ヘッドからのインクの吐出を制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記追加ヘッドが吐出するインクが、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、及び、白とは異なる色である特定色のインクである特色インクである場合、前記下地用のインク、前記カラーのインク、前記特色インクによる前記印刷媒体への同一走査において共に印刷を実行することを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項4】
前記下地印刷用ヘッド、前記カラー印刷用ヘッド、及び前記追加ヘッドからのインクの吐出を制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記追加ヘッドが吐出するインクが、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、及び、白とは異なる色である特定色のインクである特色インクである場合、前記下地用のインクによって印刷された前記印刷媒体の領域に対して、前記カラーのインク、及び、前記特色インクによる同一走査において共に印刷を実行することを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項5】
前記下地印刷用ヘッド、前記カラー印刷用ヘッド、及び前記追加ヘッドからのインクの吐出を制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記追加ヘッドが吐出するインクが前記印刷媒体の色を抜く抜染インクである場合、前記抜染インク、及び、前記カラーのインクによる前記印刷媒体への同一走査において共に印刷を実行することを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項6】
前記下地印刷用ヘッド、前記カラー印刷用ヘッド、及び前記追加ヘッドからのインクの吐出を制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記追加ヘッドが吐出するインクが前記印刷媒体の色を抜く抜染インクである場合、前記追加ヘッドによる抜染開始位置を含む走査位置、又は、前記追加ヘッドによる抜染完了位置を含む走査位置の何れかを前記カラー印刷用ヘッドによるカラー印刷の開始位置にした後に、前記抜染インクによって抜染印刷された前記印刷媒体の領域に対して、前記カラー印刷用ヘッドによりカラー印刷を実施することを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項7】
前記下地印刷用ヘッド、前記カラー印刷用ヘッド、及び前記追加ヘッドからのインクの吐出を制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記追加ヘッドが吐出するインクが前記印刷媒体の色を抜く抜染インクである場合、前記追加ヘッドによる抜染開始位置を含む走査位置、又は、前記追加ヘッドによる抜染完了位置を含む走査位置の何れかを前記下地印刷用ヘッドによる下地印刷の開始位置にした後に、前記抜染インクによって抜染印刷された前記印刷媒体の領域に対して、前記下地用のインクによる前記印刷媒体への印刷と、前記カラーのインクによるカラー印刷を実施することを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項8】
前記追加ヘッドが吐出するインクが前記印刷媒体の色を抜く抜染インクでない場合に比べて、前記追加ヘッドが吐出するインクが前記印刷媒体の色を抜く抜染インクである場合、前記カラー印刷用ヘッドまたは前記下地印刷用ヘッドの少なくとも一方から吐出されるインク量が少なくなるように、前記制御部が前記下地印刷用ヘッドを制御することを特徴とする請求項7に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項9】
前記追加ヘッドが吐出するインクが、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、及び、白とは異なる色である特定色のインクである特色インクである場合、前記下地用のインク、前記カラーのインク、前記特色インクによる前記印刷媒体への同一走査において共に印刷を実行する第一印刷モード
の設定、前記下地用のインクによって印刷された前記印刷媒体の領域に対して、前記カラーのインク、及び、前記特色インクによる前記印刷媒体への同一走査において共に印刷を実行する第二印刷モードの
設定を含む印刷モードの設定
を行う設定手段を備えたことを特徴とする請求項1から4の何れかに記載のインクジェットプリンタ。
【請求項10】
前記インクジェットプリンタが前記印刷媒体に印刷を行う最初の印刷走査において、前記下地印刷用ヘッド、前記カラー印刷用ヘッド、及び前記追加ヘッドの前記走査手段による走査方向において上流側に前記下地印刷用ヘッド、前記カラー印刷用ヘッド、及び前記追加ヘッドが位置し、
最後の印刷走査において前記走査手段による走査方向において下流側に前記下地印刷用ヘッド、前記カラー印刷用ヘッド、及び前記追加ヘッドが位置することを特徴とする請求項1から
9の何れかに記載のインクジェットプリンタ。
【請求項11】
前記下地印刷用ヘッドのノズル列、前記カラー印刷用ヘッドのノズル列、および、前記追加ヘッドのノズル列が一直線上または平行になるように、前記下地印刷用ヘッドの取付部、前記カラー印刷用ヘッドの取付部、及び、前記追加ヘッド取付部が配置されていることを特徴とする請求項1から1
0の何れかに記載のインクジェットプリンタ。
【請求項12】
印刷媒体に
下地用の印刷材を吐出する複数の第一ヘッドと、
前記第一ヘッドが吐出する印刷材と異なる組成の
カラーの印刷材を吐出する第二ヘッドと、
前記第一ヘッド、及び前記第二ヘッドからのインクの吐出を制御する制御部と
を備え、
前記第一ヘッドと前記第二ヘッドが、前記印刷媒体に対して相対移動する主走査方向、及び、前記主走査方向と交差する副走査方向に前記第一ヘッドと前記第二ヘッドが前記印刷媒体に対して相対移動して印刷
を行うシリアル方式のインクジェットプリンタにおいて、
前記第一ヘッドと前記第二ヘッドのうち、前記副走査方向におけるノズル列の長さが短い方のヘッドの前記副走査方向における長さ以上に、前記第一ヘッドと前記第二ヘッドとが前記副走査方向において離間して
、同一のキャリッジに配置され、
前記制御部は、印刷時においては、前記印刷媒体が前記第一ヘッドと対向してから、前記第一ヘッドと前記第二ヘッドの間の離間部分と対向し、更に、前記第二ヘッドに対向するように、前記第一ヘッド、前記第二ヘッド、および、前記印刷媒体を相対移動し、前記第一ヘッドから前記印刷媒体に吐出された前記印刷材が、前記第二ヘッドに対向する前に、前記第一ヘッドと前記第二ヘッドの間の離間部分と対向すること特徴とするインクジェットプリンタ。
【請求項13】
前記第二ヘッドは
前記下地
用の印刷材の印刷部分に重ねる
前記カラーの印刷材を吐出するヘッドであることを特徴とする請求項1
2に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項14】
前記第二ヘッドは前記第一ヘッドによる前記下地用の印刷材の印刷部分に
前記カラーの印刷材を吐出することを特徴とする請求項1
2又は1
3に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項15】
前記第一ヘッドは、白インクまたは抜染材を吐出するヘッドであることを特徴とする請求項1
2から1
4の何れかに記載のインクジェットプリンタ。
【請求項16】
前記第二ヘッドは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのインク、又は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック及び白のインクとは異なる特色インクのためのヘッドであることを特徴とする請求項1
2から1
5の何れかに記載のインクジェットプリンタ。
【請求項17】
L:
前記副走査方向の上流側を後ろ、前記副走査方向の下流側を前とした場合における前記第一ヘッド
の後端側の先頭ノズルと前記第二ヘッドの
後端側の先頭ノズルとの間の距離、
Tpw:前記第一ヘッドの先頭ノズルが印刷した部分に前記第二ヘッドのノズルが印刷するまの時間、
Tcr:主走査合計時間、
Tw:ウエイト時間、
Ln:
前記副走査方向におけるノズル列の長さ、
In:インターレースの回数
とした場合に
L≧(Tpw・Ln)/((Tcr+Tw)・In)であることを特徴とする請求項1
2から請求項1
6の何れかに記載のインクジェットプリンタ。
【請求項18】
前記追加ヘッドは、前記印刷媒体の色を抜く抜染インク、または、前記下地用のインク及び前記カラーのインクとも異なる特色インクの少なくとも一方のインクを吐出することを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項19】
前記下地印刷用ヘッド及び前記カラー印刷用ヘッドが1つのキャリッジに搭載されていることを特徴とする請求項1から1
1の何れかに記載のインクジェットプリンタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェットプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
印刷用インクの吐出に先立って印刷媒体を下地処理するインクを吐出するインクジェットプリンタが知られている。例えば、特許文献1に記載のインクジェットプリンタは、印刷用紙の搬送方向に沿って所定のピッチで配列され、印刷用インクを噴射する第1ノズル列と、第1ノズル列よりも搬送方向上流側の領域に配置され、印刷用インク又はプレコートインクを噴射可能な第2ノズル列とを備えている。該インクジェットプリンタでは、プレコートインクを噴射可能な第2ノズル列が、印刷用インクを噴射する第1ノズル列よりも搬送方向上流側に離れて配置されている。従って、プレコートインクを使用する場合には、まず、第2ノズル列からプレコートインクが印刷媒体へ向けて噴射されて下地層が印刷媒体に形成された後、第1ノズルから、下地層が形成された領域に印刷用インクが噴射される。これにより、印刷用インクの印刷媒体への浸透が抑制されることから、高画質印刷が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来のインクジェットプリンタにおいては、下地印刷用ヘッド装着部よりも副走査方向の下流側に配置された装着部には、カラー用のヘッドが取り付けられることが想定されており、装着するヘッドを色々変えることができないという問題点があった。
【0005】
本発明の目的は、下地印刷用ヘッドとカラー印刷用ヘッドとの間に、追加ヘッドを取り付け可能なインクジェットプリンタを提供することである。また、追加ヘッドが未装着の場合、下地印刷用ヘッドから吐出された液に対する乾燥時間を確保して、良好な印刷を迅速に行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一態様のインクジェットプリンタは、印刷媒体に下地用のインクを吐出する下地印刷用ヘッドと、前記印刷媒体に、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのうち少なくとも2色のカラーのインクを吐出するカラー印刷用ヘッドと、前記下地印刷用ヘッドと前記カラー印刷用ヘッドを前記印刷媒体に対して走査する走査手段とを備えるシリアル方式のインクジェットプリンタにおいて、前記下地印刷用ヘッドと前記カラー印刷用ヘッドとが前記走査手段による走査方向に直交する方向に離間して配置され、前記印刷媒体に対して同一走査において共に印刷が可能な前記下地印刷用ヘッドと前記カラー印刷用ヘッドの間に、インクを吐出する追加ヘッドを取り付け可能な追加ヘッド取付部が設けられていることを特徴とする。
【0007】
この場合、追加ヘッド取付部に選択的に追加ヘッドを取り付けて、多様な印刷に対応することができる。また、追加ヘッドが未装着の場合、下地印刷用ヘッドから吐出された液に対する乾燥時間を確保して、良好な印刷を迅速に行うことができる。
【0008】
また、前記追加ヘッド取付部に取り付けられる前記追加ヘッドに対応して、前記追加ヘッドのメンテナンスを行うメンテナンス機構、又は、前記追加ヘッドにインクを供給するインク流路の少なくとも一方のスペースが設けられていてもよい。
【0009】
この場合、追加ヘッド取付部に取り付けられる追加ヘッドに対応して、該スペースにメンテナンス機構、インク流路を取り付けることができる。
【0010】
また、前記下地印刷用ヘッド、前記カラー印刷用ヘッド、及び前記追加ヘッドからのインクの吐出を制御する制御部を備え、前記制御部は、前記追加ヘッドが吐出するインクが、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、及び、白とは異なる色である特定色のインクである特色インクである場合、前記下地用のインク、前記カラーのインク、前記特色インクによる前記印刷媒体への同一走査において共に印刷を実行してもよい。
【0011】
この場合、下地用のインク、カラーのインク、特色インクによる印刷媒体への同一走査において共に印刷を実行することができる。従って、下地用のインク、カラーのインク、特色インクの順に別の相対的な走査において印刷を行うものに対して印刷時間が短縮できる。
【0012】
前記下地印刷用ヘッド、前記カラー印刷用ヘッド、及び前記追加ヘッドからのインクの吐出を制御する制御部を備え、前記制御部は、前記追加ヘッドが吐出するインクが、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、及び、白とは異なる色である特定色のインクである特色インクである場合、前記下地用のインクによって印刷された前記印刷媒体の領域に対して、前記カラーのインク、及び、前記特色インクによる同一走査において共に印刷を実行してもよい。
【0013】
この場合、下地用のインクによって印刷された印刷媒体の領域に対して、カラーのインク、及び、特色インクによる同一走査において共に印刷を実行することができる。従って、下地用のインク、カラーのインク、特色インクの順に別の相対的な走査において印刷を行うものに対して印刷時間が短縮できる。
【0014】
また、前記下地印刷用ヘッド、前記カラー印刷用ヘッド、及び前記追加ヘッドからのインクの吐出を制御する制御部を備え、前記制御部は、前記追加ヘッドが吐出するインクが前記印刷媒体の色を抜く抜染インクである場合、前記抜染インク、及び、前記カラーのインクによる前記印刷媒体への同一走査において共に印刷を実行してもよい。
【0015】
この場合、追加ヘッドが吐出する抜染インク、及び、カラーのインクによる印刷媒体への同一走査において共に印刷を実行することができる。従って、抜染インク、カラーのインクの順に別の相対的な走査において印刷を行うものに対して印刷時間が短縮できる。
【0016】
また、前記下地印刷用ヘッド、前記カラー印刷用ヘッド、及び前記追加ヘッドからのインクの吐出を制御する制御部を備え、前記制御部は、前記追加ヘッドが吐出するインクが前記印刷媒体の色を抜く抜染インクである場合、前記追加ヘッドによる抜染開始位置を含む走査位置、又は、前記追加ヘッドによる抜染完了位置を含む走査位置の何れかを前記カラー印刷用ヘッドによるカラー印刷の開始位置にした後に、前記抜染インクによって抜染印刷された前記印刷媒体の領域に対して、前記カラー印刷用ヘッドによりカラー印刷を実施してもよい。
【0017】
この場合、まったく別の装置で抜染印刷とカラー印刷を行う場合に比べて、抜染インクによる抜染印刷された印刷媒体の領域に対して、ずれずにカラー印刷を行うことができる。
【0018】
また、前記下地印刷用ヘッド、前記カラー印刷用ヘッド、及び前記追加ヘッドからのインクの吐出を制御する制御部を備え、前記制御部は、前記追加ヘッドが吐出するインクが前記印刷媒体の色を抜く抜染インクである場合、前記追加ヘッドによる抜染開始位置を含む走査位置、又は、前記追加ヘッドによる抜染完了位置を含む走査位置の何れかを前記下地印刷用ヘッドによる下地印刷の開始位置にした後に、前記抜染インクによって抜染印刷された前記印刷媒体の領域に対して、前記下地用のインクによる前記印刷媒体への印刷と、前記カラーのインクによるカラー印刷を実施してもよい。
【0019】
この場合、抜染インクによって抜染印刷された印刷媒体の領域に対して、下地用のインクによる印刷媒体への印刷と、カラーのインクによるカラー印刷を実施することができる。
【0020】
また、前記追加ヘッドが吐出するインクが前記印刷媒体の色を抜く抜染インクでない場合に比べて、前記追加ヘッドが吐出するインクが前記印刷媒体の色を抜く抜染インクである場合、前記カラー印刷用ヘッドまたは前記下地印刷用ヘッドの少なくとも一方から吐出されるインク量が少なくなるように、前記制御部が前記下地印刷用ヘッドを制御してもよい。
【0021】
この場合、追加ヘッドが吐出するインクが抜染インクである場合、カラー印刷用ヘッドまたは前記下地印刷用ヘッドの少なくとも一方から吐出されれるインク量を節約することができる。
【0022】
また、前記追加ヘッドが吐出するインクが、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、及び、白とは異なる色である特定色のインクである特色インクである場合、前記下地用のインク、前記カラーのインク、前記特色インクによる前記印刷媒体への同一走査において共に印刷を実行する第一印刷モードの設定、前記下地用のインクによって印刷された前記印刷媒体の領域に対して、前記カラーのインク、及び、前記特色インクによる前記印刷媒体への同一走査において共に印刷を実行する第二印刷モードの設定を含む印刷モードの設定を行う設定手段を備えてもよい。
【0023】
この場合、設定手段により第一印刷モード及び第二印刷モードのいずれか一方を設定することができる。従って、印刷媒体に合わせた印刷モードを設定することができる。
【0026】
また、前記インクジェットプリンタが前記印刷媒体に印刷を行う最初の印刷走査において、前記下地印刷用ヘッド、前記カラー印刷用ヘッド、及び前記追加ヘッドの前記走査手段による走査方向において上流側に前記下地印刷用ヘッド、前記カラー印刷用ヘッド、及び前記追加ヘッドが位置し、最後の印刷走査において前記走査手段による走査方向において下流側に前記下地印刷用ヘッド、前記カラー印刷用ヘッド、及び前記追加ヘッドが位置してもよい。
【0027】
この場合、下地印刷用ヘッド、カラー印刷用ヘッド、及び追加ヘッドが走査手段による走査により印刷を行うことができる。
【0028】
また、前記下地印刷用ヘッドのノズル列、前記カラー印刷用ヘッドのノズル列、および、前記追加ヘッドのノズル列が一直線上または平行になるように、前記下地印刷用ヘッドの取付部、前記カラー印刷用ヘッドの取付部、及び、前記追加ヘッド取付部が配置されていてもよい。
【0029】
この場合、下地印刷用ヘッドのノズル列、カラー印刷用ヘッドのノズル列、および、追加ヘッドのノズル列が一直線上または平行になるように、下地印刷用ヘッド、カラー印刷用ヘッド、および、追加ヘッドが取り付けられるので、下地印刷用ヘッド、カラー印刷用ヘッド、及び追加ヘッドが走査手段による走査により印刷を行うことができる。
【0030】
本発明の第二態様のインクジェットプリンタは、印刷媒体に下地用の印刷材を吐出する複数の第一ヘッドと、前記第一ヘッドが吐出する印刷材と異なる組成のカラーの印刷材を吐出する第二ヘッドと、前記第一ヘッド、及び前記第二ヘッドからのインクの吐出を制御する制御部とを備え、前記第一ヘッドと前記第二ヘッドが、前記印刷媒体に対して相対移動する主走査方向、及び、前記主走査方向と交差する副走査方向に前記第一ヘッドと前記第二ヘッドが前記印刷媒体に対して相対移動して印刷を行うシリアル方式のインクジェットプリンタにおいて、前記第一ヘッドと前記第二ヘッドのうち、前記副走査方向におけるノズル列の長さが短い方のヘッドの前記副走査方向における長さ以上に、前記第一ヘッドと前記第二ヘッドとが前記副走査方向において、同一のキャリッジに離間して配置され、前記制御部は、印刷時においては、前記印刷媒体が前記第一ヘッドと対向してから、前記第一ヘッドと前記第二ヘッドの間の離間部分と対向し、更に、前記第二ヘッドに対向するように、前記第一ヘッド、前記第二ヘッド、および、前記印刷媒体を相対移動し、前記第一ヘッドから前記印刷媒体に吐出された前記印刷材が、前記第二ヘッドに対向する前に、前記第一ヘッドと前記第二ヘッドの間の離間部分と対向すること特徴とする。
【0031】
この場合、第一ヘッドの吐出と、第二ヘッドの吐出との間に、ウエイト時間を設ける必要がなく、ウエイト時間を設ける場合に対して印刷時間を短縮することができる。
【0032】
また、前記第二ヘッドは前記下地用の印刷材の印刷部分に重ねる前記カラーの印刷材を吐出するヘッドであってもよい。
【0033】
この場合、第一ヘッドによる下地用の印刷材の吐出と、前記下地用の印刷材の印刷部分に重ねるカラーの印刷材の吐出との間に、ウエイト時間を設ける必要がなく、ウエイト時間を設ける場合に対して印刷時間を短縮することができる。
【0034】
また、前記第二ヘッドは前記第一ヘッドによる前記下地用の印刷材の印刷部分に前記カラーの印刷材を吐出してもよい。
【0035】
この場合、第一ヘッドによる下地用の印刷材の吐出と、下地印刷用ヘッドによる印刷部分に第二ヘッドによるカラーの印刷材の吐出との間に、ウエイト時間を設ける必要がなく、ウエイト時間を設ける場合に対して印刷時間を短縮することができる。
【0036】
また、前記第一ヘッドは、白インクまたは抜染材を吐出するヘッドであってもよい。
【0037】
また、前記第二ヘッドは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのインク、又は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック及び白のインクとは異なる特色インクのためのヘッドであってもよい。
【0038】
また、
L:前記副走査方向の上流側を後ろ、前記副走査方向の下流側を前とした場合における前記第一ヘッドの後端側の先頭ノズルと前記第二ヘッドの後端側の先頭ノズルと間の距離、
Tpw:前記第一ヘッドの先頭ノズルが印刷した部分に前記第二ヘッドのノズルが印刷するまでの時間、
Tcr:主走査リターンの合計時間、
Tw:ウエイト時間、
Ln:前記副走査方向におけるノズル列の長さ(以下、「ノズル長」とも言う。)、
In:インターレースの回数
とした場合に
L≧(Tpw・Ln)/((Tcr+Tw)・In)であってもよい。
【0039】
L≧(Tpw・Ln)/((Tcr+Tw)・In)の条件を満たす場合には、第一ヘッドの吐出と、第二ヘッドの吐出との間に、ウエイト時間を設ける必要がなく、ウエイト時間を設ける場合に対して印刷時間を短縮することができる。
【0040】
また、前記追加ヘッドは、前記印刷媒体の色を抜く抜染インク、または、前記下地用のインク及び前記カラーのインクとも異なる特色インクの少なくとも一方のインクを吐出してもよい。
【0041】
また、前記下地印刷用ヘッド及び前記カラー印刷用ヘッドが1つのキャリッジに搭載されてもよい。この場合には、1つのキャリッジの走査により下地印刷用ヘッド及びカラー印刷用ヘッドが走査される。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図2】筐体2を取り外したプリンタ1の斜視図である。
【
図3】メンテナンス部141,142の構造の平面図である。
【
図4】プリンタ1の電気的構成を示すブロック図である。
【
図16】メンテナンスユニット145Aの平面図である。
【
図17】メンテナンスユニット145Bの平面図である。
【
図21】インク量設定処理のフローチャートである。
【
図25】下地印刷開始位置にあるプラテン5に向って移動するキャリッジ20Aの位置関係を示す図である。
【
図26】カラー印刷開始位置にあるプラテン5に向って移動するキャリッジ20Aの位置関係を示す図である。
【
図27】下地印刷開始位置にあるプラテン5に向って移動するキャリッジ20Aの位置関係を示す図である。
【
図28】特色インクでの印刷開始位置にあるプラテン5に向って移動するキャリッジ20Aの位置関係を示す図である。
【
図29】特色インク及びカラーのインクの同時吐出可能状態(カラー印刷開始位置)のプラテン5に向かって移動するキャリッジ20Aの位置関係を示す図である。
【
図30】抜染印刷開始位置にあるプラテン5に向って移動するキャリッジ20Aの位置関係を示す図である。
【
図31】抜染インク及びカラーのインクの同時吐出可能状態(カラー印刷開始位置)にあるプラテン5に向って移動するキャリッジ20Aの位置関係を示す図である。
【
図32】抜染印刷開始位置にあるプラテン5に向って移動するキャリッジ20Aの位置関係を示す図である。
【
図33】抜染印刷完了位置にあるプラテン5を通過したキャリッジ20Aの位置関係を示す図である。
【
図34】下地印刷開始位置にあるプラテン5に向って移動するキャリッジ20Aの位置関係を示す図である。
【
図35】白インク及びカラーのインクの同時吐出可能状態(カラー印刷開始位置)のプラテン5に向かって移動するキャリッジ20Aの位置関係を示す図である。
【
図36】下地印刷完了位置にあるプラテン5を通過したキャリッジ20Aの位置関係を示す図である。
【
図37】カラー印刷完了位置にあるプラテン5を通過した移動するキャリッジ20Aの位置関係を示す図である。
【
図38】主走査方向に複数の抜染インク用ヘッド302A、302Bが設けられている場合の抜染開始位置を示す図である。
【
図39】主走査方向に複数の白インク用ヘッド101A、101Bが設けられている場合の下地開始位置を示す図である。
【
図40】主走査方向に複数のカラー印刷用ヘッド201A、201Bが設けられている場合の下地開始位置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図1を参照して、本発明の一実施形態であるプリンタ1の構成を説明する。
図1の上方、下方、左下方、右上方、右下方、及び左上方が、各々、プリンタ1の上方、下方、前方、後方、右方、及び左方である。
【0044】
<プリンタ1の機械的構成>
プリンタ1は、Tシャツ等の布帛及び紙等の印刷媒体(図示略)に、液体を吐出して印刷を行うシリアル式のインクジェットプリンタである。プリンタ1は、例えば、液体として互いに異なる5種のインク(ホワイト(W)、ブラック(K)、イエロー(Y)、シアン(C)、及びマゼンタ(M))を下方へ向けて吐出することで、印刷媒体にカラー画像を印刷する。以下の説明では、5種のインクのうち、ホワイトのインクを白インクといい、ブラック、シアン、イエロー、及びマゼンタの4色のインクを総称する場合はカラーインクという。
【0045】
図1及び
図2に示すように、プリンタ1は、筐体2、プラテン駆動機構6、プラテン5、トレイ4、枠体10、ガイドシャフト9、レール11、キャリッジ20、ヘッド100,200、駆動ベルト101、及び駆動モータ19、および後述する非印刷領域140においてメンテナンス部141,142(
図3参照)等を備える。筐体2は、前面と背面との各々に開口部を有する箱状である。筐体2の右側前方の位置には、操作部47が設けられている。操作部47は、ディスプレイ49及び操作ボタン46を備える。操作ボタン46は、ユーザがプリンタ1の各種動作に関する指示を入力する際に操作される。ディスプレイ49は、各種情報を表示可能な液晶ディスプレイ(LCD)である。
【0046】
プラテン駆動機構6は、後端部に設けられたモータ(図示せず)を駆動源として、プラテン5及びトレイ4を、一対のガイドレール(図示略)に沿って筐体2の前後方向(以下、「副走査方向」とも言う。)に移動させる。プラテン5は、平面視長方形状の板状である。プラテン5の上面に、例えばTシャツ等の布帛である印刷媒体が載置される。トレイ4は、平面視矩形状であり、プラテン5の下方に設けられている。トレイ4は、作業者がTシャツ等をプラテン5に載置する際に、Tシャツの袖等を受けることで、この袖等が筐体2内部の他の部品に接触しないように保護する。
【0047】
枠体10は、平面視長方形状の枠状である。枠体10は、筐体2の上部に設置される。枠体10は、ガイドシャフト9と、レール11とを内側において夫々支持する。キャリッジ20は、ガイドシャフト9に沿って左右方向(以下、「主走査方向」とも言う。)に搬送可能に支持されている。ヘッド100,200,及び後述するヘッド300は、キャリッジ20に搭載される。ヘッド100は、ヘッド200よりも後方に位置する。ヘッド100,200,及び後述するヘッド300の夫々の底面に、
図24に示すように、ノズル面60が設けられている、ノズル面60には、微細なノズル61を前後方向(副走査方向)に複数備えたノズル列62が複数設けられている。ノズル列62の前後方向の長さであるノズル長はLnである。圧電素子の駆動によりノズル61から下向きにインクの液滴が吐出する。プラテン5が後側から前側に移動する場合に、印刷媒体に印刷を行う場合には、ノズル面60の後方側が副走査方向の上流側(先に印刷される側)である。カラー印刷用ヘッド200、下地印刷用ヘッド100、及び、追加ヘッド300おける印刷開始位置は、各ヘッドにおける印刷に用いる最も後方側のノズルが、印刷領域の最も後方側に位置する。なお、ノズル面60の副走査方向の長さがHである。本件におけるヘッドは吐出するインクが異なっても、すべて同じ外形やノズル面60を有する。
【0048】
駆動ベルト101は、枠体10の内側において、左右方向に沿って架け渡される帯状である。駆動モータ19は、正逆回転可能であり、駆動ベルト101を介して、キャリッジ20と連結されている。プラテン5が印刷媒体を前後方向(搬送方向、副走査方向)に搬送しながら、駆動モータ19の駆動により左右方向に往復移動するヘッド100,200,300からインクが吐出されることで、プリンタ1による印刷媒体への印刷が行われる。
【0049】
プリンタ1の右側には、装着部3が設けられている。本実施形態においては、装着部3には、カートリッジ30が接続される。カートリッジ30は、カートリッジ30内に収容された液体を、プリンタ1のヘッドに供給するカートリッジである。
【0050】
<メンテナンス部の構造>
図3を参照して、メンテナンス部の構造を説明する。
図3に示すように、メンテナンス部141,142は、非印刷領域140において、それぞれヘッド100,200の移動経路の下方に設けられている。メンテナンス部141,142は、ワイパ81、ノズルキャップ91、排気キャップ93等を各々備える。メンテナンス部141,142において、ヘッド100,200のインク吐出性能を回復し、プリンタ1の印刷品質を確保するための、パージ、ノズル面払拭等の種々のメンテナンス動作が実行される。パージは、ヘッド100,200が各々ノズルキャップ91および排気キャップ93により覆われて、ヘッド100,200等から異物又は気泡等を含むインクを排出する動作である。パージが実行されることで、プリンタ1は、例えば、ヘッド100,200から異物および気泡等を含むインクを吸引して、ヘッド100,200に吐出不良が発生する可能性を低減できる。ノズル面払拭は、ワイパ81によって、ヘッド100,200のノズル面60の表面に残った余分なインク等を払拭する動作である。メンテナンス部141,142の間には、追加ヘッド300のメンテナンスを行うメンテナンス部用の空きスペース143が設けられている。
【0051】
<プリンタ1の電気的構成>
図4を参照して、プリンタ1の電気的構成を説明する。プリンタ1は、プリンタ1を制御するCPU40を備える。CPU40には、ROM41、RAM42、ヘッド駆動部43、主走査駆動部44、副走査駆動部45、ASIC18、表示制御部48、操作処理部50、カートリッジセンサ33、及びがヘッドセンサ34がバス39を介して電気的に接続されている。
【0052】
ROM41には、CPU40がプリンタ1の動作を制御するための制御プログラム及び初期値等が記憶されている。RAM42には、制御プログラムで用いられる各種データ、フラグ等が一時的に記憶される。ヘッド駆動部43はインクを吐出するヘッド100、200に電気的に接続されており、ヘッド100、200(
図2参照)の各吐出チャンネルに設けられた圧電素子を駆動し、ノズルからインクを吐出させる。
【0053】
主走査駆動部44は、駆動モータ19(
図2参照)を含み、キャリッジ20を主走査方向に移動させる。副走査駆動部45は、プラテン駆動機構6(
図1及び
図2参照)を駆動して、プラテン5(
図1参照)を副走査方向に移動させる。ASIC18は、ヘッド駆動部43、主走査駆動部44、及び副走査駆動部45を制御する。カートリッジセンサ33は、インクを収容したカートリッジ30の着脱及び種類を検出する。ヘッドセンサ34は、追加ヘッド取付部310に取り付けられたヘッドの種類を検出する。ヘッドセンサ34は、追加ヘッド取付部310に設けられ、一例として、複数のマイクロスイッチから構成され、追加ヘッド300の凹凸を検出して、追加ヘッド300の種類を検出する。なお、CPU40は、キャリッジ20が左右のいずれの方向に移動する場合においても、ヘッド100,200,300(後述)によりそれぞれのインクを吐出させることが可能である。CPU40は、プラテン5が前後のいずれの方向に移動する場合においても、ヘッド100,200,300によりそれぞれのインクを吐出させることが可能である。以下、ヘッド100を「下地印刷用ヘッド100」とも言い、ヘッド200を「カラー印刷用ヘッド200」とも言い、ヘッド300を「追加ヘッド300」とも言う。
【0054】
<キャリッジ20Aの構造>
図5を参照して、キャリッジ20の第一実施例であるキャリッジ20Aについて説明する。キャリッジ20Aは、平面視した場合、前後方向に長い矩形である。
図5に示すように、キャリッジ20Aの後方側には、下地印刷用ヘッド取付部110が設けられている。下地印刷用ヘッド取付部110には、下地印刷用ヘッド100が取り付けられている。ヘッド100の一例は、白インク用ヘッドである。下地印刷用ヘッド取付部110には、ヘッド100の下面のノズル面(図示略)を下方に露出させる為の開口部(図示略)と、ヘッド100を固定するためのねじ穴(図示略)が設けられている。キャリッジ20Aの前方側には、カラー印刷用ヘッド取付部210が設けられている。カラー印刷用ヘッド取付部210には、カラー印刷用のヘッド200が取り付けられている。ヘッド200の一例は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック用のヘッドである。また、カラー印刷用ヘッド取付部210には、ヘッド200の下面のノズル面(図示略)を下方に露出させる為の開口部(図示略)と、ヘッド200を固定するためのねじ穴(図示略)が設けられている。また、下地印刷用ヘッド100とカラー印刷用のヘッド200とが、主走査方向と直交する副走査方向に、離間して配置されている。離間距離(
図5:La=m1+m2)は、後述する(式1)により求められる値Mの2倍以上である。
【0055】
即ち、
図5において、m1、m2は、1つの追加ヘッド300を、第一ヘッド101Aと第二ヘッド201Aとの間に仮想的に配置した場合の距離である。
図5において、追加ヘッド300、第一ヘッド101A、第二ヘッド201Aは副走査方向に一直線に並び、それらのノズル列も副走査方向に一直線であることを想定している。
図5において、Mは、追加ヘッド300に対する第一ヘッド100又は第二ヘッド200に関して、Lと同様の考えに基づき、Lと同様の数式で求めた滲み防止距離である。それら距離の大小関係は、m1≧M、m2≧M、La=m1+m2≧2Mである。したがって、もし、
図5において、1つの追加ヘッド300を、第一ヘッド101Aと第二ヘッド201Aとの間に配置することになったとしても、追加ヘッド300のインクに関する滲みが防止されている。
【0056】
図5に示すように、下地印刷用ヘッド取付部110とカラー印刷用ヘッド取付部210との間には、追加ヘッド取付部310が設けられている。追加ヘッド取付部310には、追加ヘッド300が取り付けられる。即ち、下地印刷用ヘッド100とカラー印刷用のヘッド200との間に、追加ヘッド300を取り付け可能な追加ヘッド取付部310が設けられている。追加ヘッド300の一例は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、及び、白とは異なる色である特定色のインクである特色インク用ヘッド301、または、印刷媒体の色を抜く抜染インクを吐出する抜染インク用ヘッド302である。特色インクの一例は、蛍光色、金、銀、メタリックカラー、パステル調の色等である。なお、図面では、下地印刷用のヘッド100の内、白色用ヘッドを「W」、カラー印刷用ヘッド200の内、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック用のヘッドを「C」、特色インク用ヘッド301を「S」、抜染インク用ヘッド302を「D」と示す。
【0057】
<キャリッジ20Bの構造>
図6を参照して、キャリッジ20の第二実施例のキャリッジ20Bについて説明する。キャリッジ20Bは、平面視した場合、前後方向に長い矩形である。
図6に示すように、キャリッジ20Bには、第一実施例のキャリッジ20Aと同様に、キャリッジ20Bの中央より左側、且つ、後方側から前方に向けて、下地印刷用ヘッド取付部110A、追加ヘッド取付部310A、及びカラー印刷用ヘッド取付部210Aが設けられている。また、キャリッジ20Bにおいて、下地印刷用ヘッド取付部110A、追加ヘッド取付部310A、及びカラー印刷用ヘッド取付部210Aの右側には、後方側から前方に向けて、下地印刷用ヘッド取付部110B、追加ヘッド取付部310B、及びカラー印刷用ヘッド取付部210Bが設けられている。下地印刷用ヘッド取付部110Bは下地印刷用ヘッド取付部110Aよりも所定長さ前方にずれて設けられている。また、追加ヘッド取付部310Bも追加ヘッド取付部310Aよりも所定長さ前方にずれて設けられている。また、カラー印刷用ヘッド取付部210Bもカラー印刷用ヘッド取付部210Aよりも所定長さ前方にずれて設けられている。
【0058】
下地印刷用ヘッド取付部110A,110B、追加ヘッド取付部310A,310B、及びカラー印刷用ヘッド取付部210A,210Bは、各々、第一実施例のキャリッジ20Aの下地印刷用ヘッド取付部110、追加ヘッド取付部310、及びカラー印刷用ヘッド取付部210と同様の構造である。下地印刷用ヘッド取付部110A,110Bには、白インク用ヘッド101A,101Bが取り付けられている。また、カラー印刷用ヘッド取付部210A,210Bには、カラー印刷用ヘッド201A,201Bが取り付けられている。追加ヘッド取付部310A,310Bには、追加ヘッドは取り付けられていない。また、白インク用ヘッド101Aと、カラー印刷用ヘッド201Aとの副走査方向における離間距離(
図6:Lb=m3+m4)は、後述する(式1)により求められる値Mの2倍以上である。
【0059】
即ち、
図6において、m3、m4は、1つの追加ヘッド300を、第一ヘッド101Aと第二ヘッド201Aとの間に仮想的に配置した場合の、
図5と同様に想定した距離である。
図6において、追加ヘッド300、第一ヘッド101A、第二ヘッド201Aは副走査方向に一直線に並び、それらのノズル列も副走査方向に一直線であることを想定している。
図6において、Mは、追加ヘッド300に対する第一ヘッド101A又は第二ヘッド201Aに関して、Lと同様の考えに基づき、Lと同様の数式で求めた滲み防止距離である。それら距離の大小関係は、m3≧M、m4≧M、Lb=m3+m4≧2Mである。したがって、もし、
図6において、1つの追加ヘッド300を、第一ヘッド101Aと第二ヘッド201Aとの間に配置することになったとしても、追加ヘッド300のインクに関する滲みが防止されている。
【0060】
図7は、
図6に示す第二実施例のキャリッジ20Bの追加ヘッド取付部310A,310Bに特色インク用ヘッド301A,301Bが各々取り付けられている状態を示す。
図8は、
図6に示す第二実施例のキャリッジ20Bの追加ヘッド取付部310A,310Bに抜染インク用ヘッド302A,302Bが各々取り付けられている状態を示す。
図9は、
図6に示す第二実施例のキャリッジ20Bの追加ヘッド取付部310Aに抜染インク用ヘッド302Aが取り付けられ、追加ヘッド取付部310Bに特色インク用ヘッド301Bが取り付けられている状態を示す。
図10は、
図6に示す第二実施例のキャリッジ20Bの追加ヘッド取付部310Aに特色インク用ヘッド301Aが取り付けられ、追加ヘッド取付部310Bに抜染インク用ヘッド302Bが取り付けられている状態を示す。
【0061】
<キャリッジ20Cの構造>
図11を参照して、キャリッジ20の第三実施例のキャリッジ20Cについて説明する。キャリッジ20Cは、平面視した場合、第二実施例のキャリッジ20Bと同様の形状であり、前後方向に長い矩形である。
図11に示すように、キャリッジ20Cの中央より左側、且つ、後方側には、第一ヘッド取付部111Aが設けられている。第一ヘッド取付部111Aには、第一ヘッドが取り付けられている。第一ヘッドの一例は、白インク用ヘッド101A、又は、抜染インク用ヘッド302Aである。第一ヘッド取付部111Aには、第一ヘッドの下面のノズル面(図示略)を下方に露出させる為の開口部(図示略)と、第一ヘッドを固定するためのねじ穴(図示略)が設けられている。キャリッジ20Cの前方側には、第二ヘッド取付部211Aが設けられている。第二ヘッド取付部211Aには、第二ヘッドが取り付けられている。第二ヘッドの一例は、カラー印刷用ヘッド201A、又は、特色インク用ヘッド301Aである。また、第二ヘッド取付部211Aには、第二ヘッドの下面のノズル面(図示略)を下方に露出させる為の開口部(図示略)と、第二ヘッドを固定するためのねじ穴(図示略)が設けられている。従って、第一ヘッドと第二ヘッドが、主走査方向と直交する副走査方向に、離間して配置されている。キャリッジ20Bと異なり、第一ヘッド取付部111Aと、第二ヘッド取付部211Aとの間には、追加ヘッド取付部は設けられていない。
【0062】
また、キャリッジ20Cにおいて、第一ヘッド取付部111A、及び、第二ヘッド取付部211Aの右側には、後方側から前方に向けて、第一ヘッド取付部111B、及び、第二ヘッド取付部211Bが設けられている。第一ヘッド取付部111Bと、第二ヘッド取付部211Bとの間には、追加ヘッド取付部は設けられていない。また、第一ヘッド取付部111Bは、第一ヘッド取付部111Aよりも所定長さ前方にずれて設けられている。また、第二ヘッド取付部211Bも第二ヘッド取付部211Aよりも所定長さ前方にずれて設けられている。第一ヘッド取付部111B、及び、第二ヘッド取付部211Bは、各々、第一ヘッド取付部111A、及び、第二ヘッド取付部211Aと同様の構造である。第一ヘッド取付部111Bに取り付けられる第一ヘッドの一例は、白インク用ヘッド101B、又は、抜染インク用ヘッド302Bである。また、第二ヘッド取付部211Bに取り付けられる第二ヘッドの一例は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック用のカラー印刷用ヘッド201B、又は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、及び、白とは異なる色である特定色のインクである特色インク用ヘッド301Bである。
図11では、キャリッジ20Cの第一ヘッド取付部111A,111Bに、白インク用ヘッド101A,101Bが取り付けられている。また、第二ヘッド取付部211A,211Bに、カラー印刷用ヘッド201A,201Bが取り付けられている。
【0063】
図12は、キャリッジ20Cの第一ヘッド取付部111A,111Bに、白インク用ヘッド101A,101Bが各々取り付けられ、第二ヘッド取付部211Aにカラー印刷用ヘッド201Bが取り付けられ、第二ヘッド取付部211Bに特色インク用ヘッド301Bが取り付けられている状態を示す。
図13は、キャリッジ20Cの第一ヘッド取付部111Aに、抜染インク用ヘッド302Aが取り付けられ、第一ヘッド取付部111Bに、白インク用ヘッド101Bが取り付けられ、第二ヘッド取付部211A,211Bに、カラー印刷用ヘッド201A,201Bが各々取り付けられている状態を示す。
【0064】
図13は、キャリッジ20Cの第一ヘッド取付部111A,111Bに、抜染インク用ヘッド302A,302Bが各々取り付けられ、第二ヘッド取付部211A,211Bに、カラー印刷用ヘッド201A,201Bが各々取り付けられている状態を示す。
【0065】
<キャリッジ20Dの構造>
図14を参照して、キャリッジ20の第四実施例のキャリッジ20Dについて説明する。キャリッジ20Dは、平面視した場合、前後方向に長い矩形である。
図14に示すように、キャリッジ20Dの一番左側、且つ、後方側には、第一ヘッド取付部111Aが設けられている。第一ヘッド取付部111Aには、第一ヘッドが取り付けられている。第一ヘッドの一例は、白インク用ヘッド101Aである。第一ヘッド取付部111Aには、第一ヘッドの下面のノズル面(図示略)を下方に露出させる為の開口部(図示略)と、第一ヘッドを固定するためのねじ穴(図示略)が設けられている。第一ヘッド取付部111Aの前方側には、第二ヘッド取付部211Aが設けられている。第二ヘッド取付部211Aには、第二ヘッドが取り付けられている。第二ヘッドの一例は、カラー印刷用ヘッド201Aである。また、第二ヘッド取付部211Aには、第二ヘッドの下面のノズル面(図示略)を下方に露出させる為の開口部(図示略)と、第二ヘッドを固定するためのねじ穴(図示略)が設けられている。第一ヘッドと第二ヘッドが、主走査方向と直交する副走査方向に、離間して配置されている。離間距離(
図14:Lc=m5+m6+m7)は、後述する(式1)により求められる値Mの3倍以上である。第一ヘッド取付部111Aと、第二ヘッド取付部211Aとの間には、追加ヘッド取付部は設けられていない。
【0066】
即ち、
図14において、m5~m7は、追加ヘッド300相当の仮想ヘッド(一点鎖線)を、2つ副走査方向に一列に、第一ヘッド101Aと第二ヘッド201Aとの間に仮想的に配置した場合の、
図5と同様に想定した距離である。
図15において、追加ヘッド300相当の2つの仮想ヘッド、第一ヘッド101A、第二ヘッド201Aは副走査方向に一直線に並び、それらのノズル列も副走査方向に一直線であることを想定している。
図14において、Mは、追加ヘッド300相当の仮想ヘッドに対する第一ヘッド101A又は第二ヘッド201Aに関して、Lと同様の考えに基づき、Lと同様の数式で求めた滲み防止距離である。それら距離の大小関係は、m5≧M、m6≧M、m7≧M、Lc=m5+m6+m7≧3Mである。したがって、もし、
図14に示すように、追加ヘッド300相当の仮想ヘッドを2つ副走査方向に一列に、第一ヘッド101Aと第二ヘッド201Aとの間に配置することになったとしても、追加ヘッド300相当の仮想ヘッドのインクに関する滲みが防止されている。
【0067】
また、キャリッジ20Dにおいて、第一ヘッド取付部111A、及び、第二ヘッド取付部211Aの右側には、後方側から前方に向けて、第一ヘッド取付部111B、及び、第二ヘッド取付部211Bが設けられている。第一ヘッド取付部111Bと、第二ヘッド取付部211Bとの間には、追加ヘッド取付部は設けられていない。また、第一ヘッド取付部111Bは、第一ヘッド取付部111Aよりも所定長さ前方にずれて設けられている。また、第二ヘッド取付部211Bも第二ヘッド取付部211Aよりも所定長さ前方にずれて設けられている。キャリッジ20Dにおいて、第一ヘッド取付部111B、及び、第二ヘッド取付部211Bの右側には、後方側から前方に向けて、第一ヘッド取付部111C、及び、第二ヘッド取付部211Cが設けられている。第一ヘッド取付部111Cと、第二ヘッド取付部211Cとの間には、追加ヘッド取付部は設けられていない。また、第一ヘッド取付部111Cは、第一ヘッド取付部111Bよりも所定長さ前方にずれて設けられている。また、第二ヘッド取付部211Cも第二ヘッド取付部211Bよりも所定長さ前方にずれて設けられている。第一ヘッド取付部111B1,111C及び、第二ヘッド取付部211B,211Cは、各々、第一ヘッド取付部111A、及び、第二ヘッド取付部211Aと同様の構造である。第一ヘッド取付部111A~111Cに取り付けられる第一ヘッドの一例は、白インク用ヘッド101A~101Cである。また、第二ヘッド取付部211A~211Cに取り付けられる第二ヘッドの一例は、カラー印刷用ヘッド201A~201Cである。
【0068】
<キャリッジ20Eの構造>
図15を参照して、キャリッジ20の第五実施例のキャリッジ20Eについて説明する。キャリッジ20Eは、平面視した場合、前後方向に長い矩形である。
図15に示すように、キャリッジ20Eの一番左側、且つ、後方側には、第一ヘッド取付部111Aが設けられている。第一ヘッド取付部111Aには、第一ヘッドが取り付けられている。第一ヘッドの一例は、白インク用ヘッド101Aである。第一ヘッド取付部111Aには、第一ヘッドの下面のノズル面(図示略)を下方に露出させる為の開口部(図示略)と、第一ヘッドを固定するためのねじ穴(図示略)が設けられている。キャリッジ20Eの前方側には、第二ヘッド取付部211Aが設けられている。第二ヘッド取付部211Aには、第二ヘッドが取り付けられている。第二ヘッドの一例は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック用のカラー印刷用ヘッド201Aである。また、第二ヘッド取付部211Aには、第二ヘッドの下面のノズル面(図示略)を下方に露出させる為の開口部(図示略)と、第二ヘッドを固定するためのねじ穴(図示略)が設けられている。第一ヘッドと第二ヘッドが、主走査方向と直交する副走査方向に、離間して配置されている。離間距離(
図15:Ld=m8+m9+m10+m11)は、後述する(式1)により求められる値Mの4倍以上である。第一ヘッド取付部111Aと、第二ヘッド取付部211Aとの間には、追加ヘッド取付部は設けられていない。
【0069】
即ち、
図15において、m8~m11は、追加ヘッド300相当の仮想ヘッド(一点鎖線)を、3つ副走査方向に一列に、第一ヘッド101Aと第二ヘッド201Aとの間に仮想的に配置した場合の、
図5と同様に想定した距離である。
図15において、追加ヘッド300相当の3つの仮想ヘッド、第一ヘッド101A、第二ヘッド201Aは副走査方向に一直線に並び、それらのノズル列も副走査方向に一直線であることを想定している。
図15において、Mは、追加ヘッド300相当の仮想ヘッドに対する第一ヘッド101A又は第二ヘッド201Aに関して、Lと同様の考えに基づき、Lと同様の数式で求めた滲み防止距離である。それら距離の大小関係は、m8≧M、m9≧M、m10≧M、m11≧M、Ld=m8+m9+m10+m11≧4Mである。したがって、もし、
図15に示すように、追加ヘッド300相当の仮想ヘッドを3つ副走査方向に一列に、第一ヘッド101Aと第二ヘッド201Aとの間に配置することになったとしても、追加ヘッド300相当の仮想ヘッドの滲みが防止されている。
【0070】
また、キャリッジ20Eにおいて、第一ヘッド取付部111A、及び、第二ヘッド取付部211Aの右側には、後方側から前方に向けて、第一ヘッド取付部111B、及び、第二ヘッド取付部211Bが設けられている。第一ヘッド取付部111Bと、第二ヘッド取付部211Bとの間には、追加ヘッド取付部は設けられていない。また、第一ヘッド取付部111Bは、第一ヘッド取付部111Aよりも所定長さ前方にずれて設けられている。また、第二ヘッド取付部211Bも第二ヘッド取付部211Aよりも所定長さ前方にずれて設けられている。キャリッジ20Eにおいて、第一ヘッド取付部111B、及び、第二ヘッド取付部211Bの右側には、後方側から前方に向けて、第一ヘッド取付部111C、及び、第二ヘッド取付部211Cが設けられている。第一ヘッド取付部111Cと、第二ヘッド取付部211Cとの間には、追加ヘッド取付部は設けられていない。また、第一ヘッド取付部111Cは、第一ヘッド取付部111Bよりも所定長さ前方にずれて設けられている。また、第二ヘッド取付部211Cも第二ヘッド取付部211Bよりも所定長さ前方にずれて設けられている。
【0071】
第一ヘッド取付部111C、及び、第二ヘッド取付部211Cの右側には、後方側から前方に向けて、第一ヘッド取付部111D、及び、第二ヘッド取付部211Dが設けられている。第一ヘッド取付部111Dと、第二ヘッド取付部211Dとの間には、追加ヘッド取付部は設けられていない。また、第一ヘッド取付部111Dは、第一ヘッド取付部111Cよりも所定長さ前方にずれて設けられている。また、第二ヘッド取付部211Dも第二ヘッド取付部211Cよりも所定長さ前方にずれて設けられている。第一ヘッド取付部111B,111C,111D及び、第二ヘッド取付部211B,211C,211Dは、各々、第一ヘッド取付部111A、及び、第二ヘッド取付部211Aと同様の構造である。第一ヘッド取付部111A~111Dに取り付けられる第一ヘッドの一例は、白インク用ヘッド101A~101Dである。また、第二ヘッド取付部211A~211Dに取り付けられる第二ヘッドの一例は、カラー印刷用ヘッド201A~201Dである。なお、第一及び第二実施例のキャリッジを備えたプリンタが第一態様に相当し、第三乃至第五実施例のキャリッジを備えたプリンタが第二態様に相当する。
【0072】
<メンテナンスユニット145Aの構造>
図16を参照して、キャリッジ20の第二実施例のキャリッジ20Bに対応したメンテナンスユニット145Aについて説明する。
図16に示すメンテナンスユニット145Aは、
図6に示すキャリッジ20Bに対応したものである。メンテナンスユニット145Aは、
図3に示す非印刷領域140に設けられる。
図16に示すように、メンテナンスユニット145Aは、平面視矩形のベース146の上に、左側、且つ、後方側にメンテナンス部141Aが設けられ、左側、且つ、前方側にメンテナンス部142Aが設けられている。メンテナンス部141Aとメンテナンス部142Aとの間は、空きスペース143Aが設けられている。メンテナンス部141A,142Aの右側には、メンテナンス部141B,142Bが設けられている。メンテナンス部141Bとメンテナンス部142Bとの間は、空きスペース143Bが設けられている。メンテナンス部141B,142Bは、メンテナンス部141A,142Aに対して、各々所定長さ前方にずれて設けられている。メンテナンス部141A,142A,141B,142Bの構造は、
図3に示すメンテナンス部141と同じである。
【0073】
<メンテナンスユニット145Bの構造>
図17を参照して、キャリッジ20の第二実施例のキャリッジ20Bに対応したメンテナンスユニット145Bについて説明する。
図17に示すメンテナンスユニット145Bは、
図7に示すキャリッジ20Bに対応したものである。メンテナンスユニット145Bは、
図3に示す非印刷領域140に設けられる。
図17に示すように、メンテナンスユニット145Bは、平面視矩形のベース146の上に、左側、且つ、後方側から前方に向けて、メンテナンス部141A,144A,142Aが設けられている。メンテナンス部141A,144A,142Aの右側には、後方側から前方に向けて、メンテナンス部141B,144B,142Bが設けられている。メンテナンス部141B,144B,142Bは、メンテナンス部141A,144A,142Aに対して、各々所定長さ前方にずれて設けられている。メンテナンス部141A,144A,142A,141B,144B,142Bの構造は、
図3に示すメンテナンス部141と同じである。メンテナンス部144A,144Bは、ヘッドの数が増えたことにより、
図3に示す空きスペース143に対して増設されたものである。
【0074】
<インク流路70Aの構造>
図18を参照して、カートリッジ30からインクをヘッドに供給するインク流路70Aの構造について説明する。インク流路70Aは、
図6に示すキャリッジ20Bに対応したものである。装着部3には、Y,M,C,K,Wのカートリッジ30が装着される。装着部3の使用されない収容部31には、蓋32が設けられている。Y,M,C,Kのカートリッジ30には、チューブ71の一端部が接続する。チューブ71は、Y,M,C,Kの各色のチューブをまとめた状態を示す。チューブ71は、途中でチューブ71A,71Bに分岐する。チューブ71Aの他端部は、カラー印刷用ヘッド201Aに接続し、チューブ71Bの他端部は、カラー印刷用ヘッド201Bに接続する。また、Wのカートリッジ30には、チューブ72の一端部が接続する。チューブ72は、途中でチューブ72A,72Bに分岐する。チューブ72Aの他端部は、白インク用ヘッド101Aに接続し、チューブ72Bの他端部は、白インク用ヘッド101Bに接続する。
【0075】
<インク流路70Bの構造>
図19を参照して、インク流路70Bの構造について説明する。インク流路70Bは、
図7に示すキャリッジ20Bに対応したものである。装着部3には、Y,M,C,K,Wのカートリッジ30(図示略)及び、特色インクS1,S2,S3,S4のカートリッジ30(図示略)が接続される。特色インクS1,S2,S3,S4は、同じ色でも、異なる色でもよい。Y,M,C,Kのカートリッジ30(図示略)には、チューブ71の一端部が接続されている。チューブ71は、Y,M,C,Kの各色のチューブをまとめた状態を示す。チューブ71は、途中でチューブ71A,71Bに分岐する。チューブ71Aの他端部は、カラー印刷用ヘッド201Aに接続され、チューブ71Bの他端部は、カラー印刷用ヘッド201Bに接続される。また、Wのカートリッジ30(図示略)には、チューブ72の一端部が接続されている。チューブ72は、途中でチューブ72A,72Bに分岐する。チューブ72Aの他端部は、白インク用ヘッド101Aに接続され、チューブ72Bの他端部は、白インク用ヘッド101Bに接続される。
【0076】
また、特色インクS1~S4のカートリッジ30(図示略)には、チューブ74の一端部が接続されている。チューブ74は、特色インクS1~S4のチューブをまとめた状態を示す。チューブ74は、途中でチューブ74A,74Bに分岐する。チューブ74Aの他端部は、特色インク用ヘッド301Aに接続され、チューブ74Bの他端部は、特色インク用ヘッド301Bに接続される。チューブ74は特色インクS1~S4と4つのカートリッジ30に対応するように構成されている。チューブ74は1つから最大4つまでの特色インクS1~S4のカートリッジ30を印刷内容や特色インクS1~S4の色彩に応じて選択的に用いればよい。同じ色の特色インクS1~S4のカートリッジ30を複数装着し、複数のカートリッジ30から同時又は切り替えで特色インクS1~S4を単独の特色インク用ヘッド301A,301Bに供給するようにしてもよい。未使用のチューブ74の特色インクS1~S4の流路は、使用しているチューブ74に影響がないように開閉弁(図略)が設けられている。
【0077】
<インク流路70Cの構造>
図20を参照して、インク流路70Cの構造について説明する。インク流路70Cは、
図8に示すキャリッジ20Bに対応したものである。装着部3には、Y,M,C,K,Wのカートリッジ30(図示略)及び、抜染インクのカートリッジ30(図示略)が接続される。装着部3の使用されない収容部31には、蓋32が設けられている。Y,M,C,Kのカートリッジ30(図示略)には、チューブ71の一端部が接続されている。チューブ71は、Y,M,C,Kの各色のチューブをまとめた状態を示す。チューブ71は、途中でチューブ71A,71Bに分岐する。チューブ71Aの他端部は、カラー印刷用ヘッド201Aに接続され、チューブ71Bの他端部は、カラー印刷用ヘッド201Bに接続される。また、Wのカートリッジ30(図示略)には、チューブ72の一端部が接続されている。チューブ72は、途中でチューブ72A,72Bに分岐する。チューブ72Aの他端部は、白インク用ヘッド101Aに接続され、チューブ72Bの他端部は、白インク用ヘッド101Bに接続される。また、抜染インク(D)のカートリッジ30(図示略)には、チューブ73の一端部が接続されている。チューブ73は、途中でチューブ73A,73Bに分岐する。チューブ73Aの他端部は、抜染インク用ヘッド302Aに接続され、チューブ73Bの他端部は、抜染インク用ヘッド302Aに接続される。
【0078】
<滲みが発生しない先頭ノズル間距離L>
以下、
図5を参照して、滲みが発生しない先頭ノズル間距離Lについて説明する。
図5に示す第一実施例であるキャリッジ20Aの第一ヘッド(下地印刷用ヘッド100(W))の後端側の先頭ノズル(図示外)が印刷した部分に第二ヘッド(カラー印刷用ヘッド200(C))の先頭ノズルが印刷するまでの時間Tpwとすると、
L:先頭ノズル間距離、即ち、第一ヘッド(下地印刷用ヘッド100(W))の後端側の先頭ノズル(図示外)と、第二ヘッド(カラー印刷用ヘッド200(C))の先頭ノズルとの距離、
Tpw:前記第一ヘッドの先頭ノズルが印刷した部分に前記第二ヘッドのノズルが印刷するまでの時間、
Tcr:主走査の合計時間、
Tw:ウエイト時間、
Cw:プラテン送り回数
Ln:副走査方向におけるノズル列の長さ、
In:インターレースの回数
とした場合に
Tpw=(主走査の合計時間+ウエイト時間)・(先頭ノズル間距離/ノズル長)・インターレース回数
従って、Tpw=(Tcr+Tw)・Cw=(Tcr+Tw)・(L/Ln)・In
ここで、Cw=(L/Ln)・Inを上記の式に代入して、Lについてまとめると、
L=(Tpw・Ln)/((Tcr+Tw)・In)・・・(式1)
従って、滲みが発生しない為には、
L≧(Tpw・Ln)/((Tcr+Tw)・In)・・・(式2)
であることが望ましい。
【0079】
<インク量設定処理>
図4及び
図21を参照して、インク量の設定処理について説明する。CPU40は、操作部47、又は、プリンタ1に接続されているからPC等の端末装置からインク量の設定の指示が有った場合には(S11:YES)、追加ヘッドの種類を検出する(S12)。CPU40は、インク量の設定の指示が有ったと判断しない場合には(S11:NO)、処理をS11に戻す。CPU40は、ヘッドセンサ34が検出した追加ヘッド取付部310に取り付けられた追加ヘッド300の種類を検出する(S12)。CPU40は、抜染インク用ヘッド302を検出した場合には(S13:YES)、インク量減少処理を行う(S14)。CPU40は、インク量減少処理において、下地印刷、又は、カラー印刷におけるインク量を追加ヘッドが抜染インク用ヘッド302でない場合に比べて、減少するフラグをRAM42に記憶する。CPU40は、抜染インク用ヘッド302を検出しない場合には(S13:NO)、インク量設定処理を終了する。
【0080】
<モード設定処理>
図4及び
図22を参照して、モード設定処理について説明する。CPU40は、操作部47、又は、プリンタ1に接続されているからPC等の端末装置からモード設定処理の指示が有った場合には(S21:YES)、第一印刷モードかを判定する(S22)。CPU40は、モード設定処理の指示が有ったと判断しない場合には(S21:NO)、処理をS21に戻す。CPU40は、第一印刷モードの指示だと判定した場合には(S22:YES)、第一印刷モードを示すフラグをRAM42に記憶する(S23)。第一印刷モードは、追加ヘッド300が吐出するインクが、特色インクである場合、下地用のインク、カラーのインク、特色インクによる印刷媒体への同一走査において共に印刷を実行する印刷モードである。また、CPU40は、第一印刷モードの指示だと判定せず(S22:NO)、第二印刷モードの指示だと判定した場合には(S24:YES)、第二印刷モードを示すフラグをRAM42に記憶する(S25)。第二印刷モードは、下地用のインクによって印刷された印刷媒体の領域に対して、カラーのインク、及び、特色インクによる同一走査において共に印刷を実行するモードである。CPU40は、第一印刷モードの指示だと判定せず(S22:NO)、第二印刷モードの指示だと判定しない場合には(S24:NO)、モード設定処理を終了する。
【0081】
<印刷処理>
図4及び
図23を参照して、印刷処理について説明する。CPU40は、操作部47、又は、プリンタ1に接続されているからPC等の端末装置から印刷処理の指示が有った場合には(S31:YES)、第一印刷モードかを判定する(S32)。CPU40は、RAM42に記憶されているフラグが、第一印刷モードのフラグの場合には、第一印刷モードと判定し(S32:YES)、第一印刷モードで印刷を行う(S33)。CPU40は、RAM42に記憶されているフラグが、第一印刷モードのフラグでなく(S32:NO),第二印刷モードの場合には(S34:YES)、第二印刷モードと判定し(S34:YES)、第二印刷モードで印刷を行う(S35)。CPU40は、RAM42に記憶されているフラグが、第二印刷モードと判定しない場合(S34:NO)、処理を終了する。CPU40は、印刷処理の指示が有ったと判断しない場合には(S31:NO)、処理をS31に戻す。
【0082】
図25及び
図26を参照して、白インクを吐出する下地印刷用ヘッド100、追加ヘッドとしての特色インク用ヘッド301、及びカラー印刷用ヘッド200を備えたキャリッジ20Aによる第一印刷モードでの印刷処理の一例について説明する。
図25に示す位置P1,P2,P3,P4に囲まれる矩形の領域A1が下地印刷の必要な領域である。
図25に示すように、CPU40は、下地印刷用ヘッド100による下地印刷開始位置である位置P3を含む走査位置L2にプラテン5を移動する。次いで、CPU40は、位置P3から下地印刷が必要な領域A1に対してキャリッジ20Aを左右方向に往復動させて、下地印刷用ヘッド100のノズル61(
図24参照)から白インクを吐出して下地印刷を開始する。CPU40は、順次前方(矢印A方向)にプラテン5を移動させると共に、キャリッジ20Aを左右方向に往復動させ、下地印刷を行う。
【0083】
次いで、CPU40は、位置P3に特色インク用ヘッド301のノズル列62(
図24参照)の前端が対向した場合には、特色インク用ヘッド301から特色インクの吐出を開始する。
図26に示す状態からキャリッジ20Aが右方に移動し、位置P3にカラー印刷用ヘッド200のノズル列62(
図24参照)の前端が対向した場合には、CPU40は、カラー印刷用ヘッド200からカラーインクの吐出を開始する。従って、CPU40は、下地用の白インク、カラーのインク、特色インクによる印刷媒体への同一走査(同一の主走査)において共に印刷を実行する。
【0084】
なお、上記実施形態では、複数のヘッドのインクに関する吐出が同時であれば、同時ではない場合より印刷時間は短くなる。上記実施形態における複数のヘッドによる「同一走査において共に印刷」とは、複数のヘッドが同じ領域に同時刻にインクを吐出することではない。複数のヘッドがインクを吐出する領域はヘッド毎に別である。「同一走査において共に印刷」とは、それぞれのヘッドがそれぞれの対向する領域に対して、1つの走査(主走査方向移動)の間にインクを吐出することをいう。すなわち、複数のヘッドがインクを吐出する時期は同一であることが望ましいが、電源や制御の都合上、ヘッド毎に別にずらしてもよい。
【0085】
次いで、CPU40は、下地印刷用ヘッド100により位置P2まで白インクの吐出が完了したときに、下地印刷用ヘッド100からの白インクの吐出を終了する。また、CPU40は、特色インク用ヘッド301により位置P2まで特色インクの吐出が完了したときに、特色インク用ヘッド301からの特色インクの吐出を終了する。また、CPU40は、カラー印刷用ヘッド200により位置P2までカラーインクの吐出が完了したときに、カラー印刷用ヘッド200からのカラーインクの吐出を終了する。
【0086】
次に、
図27~
図29を参照して、下地印刷用ヘッド100、特色インク用ヘッド301、及びカラー印刷用ヘッド200を備えたキャリッジ20Aによる第二印刷モードでの印刷処理の一例について説明する。一例として、
図27に示すように、CPU40は、プラテン5が前側から後側方向(矢印B方向)に搬送される時に領域A1に下地印刷を行う。CPU40は、位置P1に下地印刷用ヘッド100のノズル列62(
図24参照)の後端が対向した場合には、下地印刷用ヘッド100から白インクの吐出を開始する。次いで、CPU40は、下地印刷用ヘッド100により位置P4まで白インクの吐出が完了したときに、下地印刷用ヘッド100からの白インクの吐出を終了する。
【0087】
次いで、CPU40は、
図28に示すように、下地印刷が完了した領域A1に対して、プラテン5を後側から前側方向(矢印A方向)に移動させる。位置P3に特色インク用ヘッド301のノズル列62(
図24参照)の前端が対向した場合には、CPU40は、特色インク用ヘッド301から特色インクの吐出を開始する。また、
図29に示すように、CPU40は、位置P3にカラー印刷用ヘッド200のノズル列62(
図24参照)の前端が対向した場合には、カラー印刷用ヘッド200からカラーインクの吐出を開始する。従って、CPU40は、カラーのインク、及び、特色インクによる印刷媒体への同一走査において共に印刷を実行する。また、CPU40は、特色インク用ヘッド301により位置P2まで特色インクの吐出が完了したときに、特色インク用ヘッド301からの特色インクの吐出を終了する。また、CPU40は、カラー印刷用ヘッド200により位置P2までカラーインクの吐出が完了したときに、カラー印刷用ヘッド200からのカラーインクの吐出を終了する。
【0088】
次に、
図30及び
図31を参照して、追加ヘッド300が抜染インク用ヘッド302である場合の印刷処理について説明する。CPU40は、
図30に示すように、抜染インク用ヘッド302による抜染開始位置である位置P3を含む走査位置L2にプラテン5を移動する。次いで、CPU40は、キャリッジ20Aを右方向に移動させ、抜染が必要な領域A1に対して追加ヘッド300のノズル61(
図24参照)から抜染インクを吐出して抜染印刷を開始する。CPU40は、順次前方(矢印A方向)にプラテン5を移動させると共に、キャリッジ20Aを左右方向に往復動させ、抜染インク用ヘッド302によって抜染印刷を行う。
【0089】
また、
図31に示すように、CPU40は、位置P3にカラー印刷用ヘッド200のノズル列62(
図24参照)の前端が対向した場合には、カラー印刷用ヘッド200からカラーインクの吐出を開始する。従って、CPU40は、抜染インクを抜染インク用ヘッド302の下方の領域に対して抜染インク用ヘッド302により吐出するのと同時に、カラーインクをカラー印刷用ヘッド200の下方の領域に対してカラー印刷用ヘッド200により吐出する。従って、CPU40は、抜染インク、及び、カラーのインクによる印刷媒体への同一走査において共に印刷を実行する。即ち、副走査方向に互いに離間した抜染領域とカラー印刷領域が同一走査において共に形成されている。また、CPU40は、抜染インク用ヘッド302により位置P2まで抜染インクの吐出が完了したときに、抜染インク用ヘッド302からの抜染インクの吐出を終了する。また、CPU40は、カラー印刷用ヘッド200により位置P2までカラーインクの吐出が完了したときに、カラー印刷用ヘッド200からのカラーインクの吐出を終了する。
【0090】
次に、
図32~
図36を参照して、追加ヘッド300が抜染インク用ヘッド302である場合の印刷処理について説明する。
図32に示すように、CPU40は、抜染インク用ヘッド302による抜染開始位置である位置P1を含む走査位置L1にプラテン5を移動した後、キャリッジ20Aを右方向に移動させ、抜染が必要な領域A1に対して抜染インク用ヘッド302のノズル61(
図24参照)から抜染インクを吐出して抜染印刷を開始する。従って、CPU40は、抜染印刷をプラテン5を前側から後側に移動させて行う。CPU40は、順次後方(矢印B方向)にプラテン5を移動させると共に、キャリッジ20Aを左右方向に往復動させ、抜染インク用ヘッド302によって抜染印刷を行う。
図33に示すように、CPU40は、位置P4まで抜染インクの吐出が完了したときに、抜染インク用ヘッド302からの抜染インクの吐出を終了する。
【0091】
次いで、抜染印刷及びカラー印刷の間に白インクによる下地印刷が必要な場合、CPU40は、
図33の矢印B方向(後方)にプラテン5を移動する。次いで、
図34に示す状態からキャリッジ20Aが右方に移動し、位置P3を含むに走査位置に下地印刷用ヘッド100のノズル列62(
図24参照)の前端が来るようにプラテン5を移動する。その後、CPU40は、下地印刷に伴ってキャリッジ20Aを左方向に移動させる際に、抜染インクによって抜染印刷された印刷媒体の領域A1に対して、下地印刷用ヘッド100により下地印刷を開始する。CPU40は、順次前方(矢印A方向)にプラテン5を移動させると共に、キャリッジ20Aを左右方向に往復動させ、下地印刷用ヘッド100によって下地印刷を行う。
【0092】
次いで、
図35に示す状態からキャリッジ20Aが右方に移動し、位置P3を含む走査位置にカラー印刷用ヘッド200のノズル列62(
図24参照)の前端が来るようにプラテン5が移動されている状態では、CPU40は、白インクを下地印刷用ヘッド100の下方の領域に対して下地印刷用ヘッド100により吐出している。従って、CPU40は、カラーインクをカラー印刷用ヘッド200の下方の領域に対してカラー印刷用ヘッド200により吐出する。即ち、副走査方向に互いに離間した下地印刷領域とカラー印刷領域が同一走査において共に形成される。
図36に示すように、CPU40は、位置P2まで白インクの吐出が完了したときに、下地印刷用ヘッド100からの白インクの吐出を終了する。また、
図37に示すように、CPU40は、位置P2までカラーインクの吐出が完了したときに、カラー印刷用ヘッド200からのカラーインクの吐出を終了する。CPU40は、印刷済の印刷媒体の取り出しの為、プラテン5を前方(矢印A方向)に移動する。また、キャリッジ20Aは、左方向に移動して待機位置に戻る。
【0093】
<実施形態のプリンタ1の作用効果>
本発明の第一態様のプリンタ1では、追加ヘッド取付部310に選択的に追加ヘッド300である特色インク用ヘッド301、又は、抜染インク用ヘッド302が取り付を取り付けられるので、多様な印刷に対応することができる。また、追加ヘッドが未装着の場合、下地印刷用ヘッドから吐出された液に対する乾燥時間を確保して、良好な印刷を迅速に行うことができる。
【0094】
追加ヘッド取付部310に取り付けられる追加ヘッド300に対応して、空きスペース143にメンテナンス機構、インク流路を取り付けることができる。
【0095】
また、CPU40は、追加ヘッド300が吐出するインクが、特色インクである場合、下地用のインク、カラーのインク、特色インクによる印刷媒体への同一走査において共に印刷を実行することができる。従って、下地用のインク、カラーのインク、特色インクの順に別の相対的な走査において印刷を行うものに対して印刷時間が短縮できる。
【0096】
また、CPU40は、追加ヘッド300が吐出するインクが、特色インクである場合、下地用のインクによって印刷された印刷媒体の領域に対して、カラーのインク、及び、特色インクによる同一走査において共に印刷を実行することができる。従って、下地用のインク、カラーのインク、特色インクの順に別の相対的な走査において印刷を行うものに対して印刷時間が短縮できる。
【0097】
また、CPU40は、追加ヘッド300が吐出するインクが抜染インクである場合、抜染インク、及び、カラーのインクによる印刷媒体への同一走査において共に印刷を実行することができる。従って、抜染インク、カラーのインクの順に別の相対的な走査において印刷を行うものに対して印刷時間が短縮できる。
【0098】
また、CPU40は、追加ヘッド300が吐出するインクが抜染インクである場合、追加ヘッド300による抜染開始位置をカラー印刷用ヘッドによるカラー印刷の開始位置にした後に、抜染インクによって抜染印刷された印刷媒体の領域に対して、カラー印刷用ヘッドによりカラー印刷を実施する。従って、抜染インクによって抜染印刷された印刷媒体の領域に対して、カラー印刷用ヘッド200によりカラー印刷を実施することができる。この場合、まったく別の装置で抜染印刷とカラー印刷を行う場合に比べて、抜染された印刷媒体の領域に対して、ずれずにカラー印刷を行うことができる。
【0099】
また、CPU40は、追加ヘッド300が吐出するインクが抜染インクである場合、追加ヘッド300による抜染開始位置を下地印刷用ヘッドによる下地印刷の開始位置にした後に、抜染インクによって抜染印刷された印刷媒体の領域に対して、下地用のインクによる印刷媒体への印刷と、カラーのインクによるカラー印刷を実施する。この場合、抜染インクによって抜染印刷された印刷媒体の領域に対して、下地用のインクによる印刷媒体への印刷と、カラーのインクによるカラー印刷を実施することができる。この場合、まったく別の装置で下地印刷とカラー印刷を行う場合に比べて、白インクによる下地印刷された印刷媒体の領域に対して、ずれずにカラー印刷を行うことができる。
【0100】
また、CPU40は、追加ヘッド300が吐出するインクが抜染インクである場合、カラー印刷用ヘッド200または下地印刷用ヘッドの少なくとも一方から吐出されるインク量が少なくなるように制御する。この場合、追加ヘッドが吐出するインクが抜染インクである場合、カラー印刷用ヘッドまたは前記下地印刷用ヘッドの少なくとも一方から吐出されるインク量を節約することができる。即ち、抜染剤により生地の顔料、色素、染料などが脱色されて生地が白くなり、白インクによる塗りつぶしにおいて、白インクの量が少なくできる。
【0101】
また、設定手段により第一印刷モード及び第二印刷モードのいずれか一方を設定することができるので、印刷媒体に合わせた印刷モードを設定することができる。
【0102】
また、設定手段により第一印刷モード及び第二印刷モードの一方を設定することができる。従って、印刷媒体に合わせた印刷モードを設定することができる。
【0103】
また、プリンタ1が下地印刷用ヘッド100、カラー印刷用ヘッド200、及び追加ヘッド300が走査手段による走査により印刷を行うことができる。
【0104】
また、下地印刷用ヘッド100のノズル列、カラー印刷用ヘッド200のノズル列、および、追加ヘッド300のノズル列が一直線上または平行になるように、下地印刷用ヘッド100、カラー印刷用ヘッド200、および、追加ヘッド300が取り付けられるので、下地印刷用ヘッド100、カラー印刷用ヘッド200、及び追加ヘッド300が走査手段による走査により印刷を行うことができる。
【0105】
本発明の第二態様のプリンタ1は、第一ヘッドと前記第二ヘッドのうち、副走査方向におけるノズル列の長さが短い方のヘッドの副走査方向における長さ以上に、第一ヘッドと第二ヘッドとが前記副走査方向において離間して配置され、CPU40は、印刷時においては、印刷媒体が前記第一ヘッドと対向してから、第一ヘッドと第二ヘッドの間の離間部分と対向し、更に、第二ヘッドに対向するように、第一ヘッド、第二ヘッド、および、印刷媒体を相対移動し、第一ヘッドから印刷媒体に吐出された印刷材が、第二ヘッドに対向する前に、第一ヘッドと第二ヘッドの間の離間部分と対向させる。従って、第一ヘッドの吐出と、第二ヘッドの吐出との間に、ウエイト時間を設ける必要がなく、ウエイト時間を設ける場合に対して印刷時間を短縮することができる。
【0106】
また、第一ヘッドによる下地用の印刷材の吐出と、第二ヘッドからの下地印刷用ヘッドによる印刷部分に重ねる印刷材の吐出との間に、ウエイト時間を設ける必要がなく、ウエイト時間を設ける場合に対して印刷時間を短縮することができる。
【0107】
また、第一ヘッドによる下地用の印刷材の吐出と、第二ヘッドからの下地印刷用ヘッドによる印刷部分に印刷材を吐出との間に、ウエイト時間を設ける必要がなく、ウエイト時間を設ける場合に対して印刷時間を短縮することができる。
【0108】
L≧(Tpw・Ln)/((Tcr+Tw)・In)の条件を満たす場合には、第一ヘッドの吐出と、第二ヘッドの吐出との間に、ウエイト時間を設ける必要がなく、ウエイト時間を設ける場合に対して印刷時間を短縮することができる。
【0109】
プリンタ1が本発明の「インクジェットプリンタ」の一例である。下地印刷用ヘッド100及び白インク用ヘッド101A~101Dが本発明の「下地印刷用ヘッド」及び第一ヘッドの一例である。カラー印刷用ヘッド200及びカラー印刷用ヘッド201A~201Dが本発明の「カラー印刷用ヘッド」及び「第二ヘッド」の一例である。追加ヘッド300が本発明の「追加ヘッド」の一例である。CPU40が本発明の「制御部」の一例である。白インク、カラーインクが本発明の「印刷材」の一例である。
【0110】
なお、本発明は、上記実施の形態に限られず、各種の変形が可能である。例えば、インク量設定処理では、追加ヘッドの種類の検出処理(S12)に変えて、プリンタ1に装着するヘッド種類をユーザーが操作部47から入力して、その入力結果に基づきCPU40が、自動的にインクの減量を設定してもよい。また、プリンタ1にて印刷する印刷データをCPU40が自動解析して、その解析結果に基づき、CPU40が自動的にインクの減量を設定してもよい。自動解析の一例は、CPU40が、追加ヘッド300がインクを吐出する全領域に対して、追加ヘッド300による液体の吐出後、追加ヘッド300とは別のヘッドが液体を吐出すると解析した場合である。CPU40は、各ヘッドの吐出順と、印刷位置の重なりに基づき自動解析を実行してもよい。また、プリンタ1では、キャリッジ20に装着されるヘッドの数や種類に応じて、キャリッジ20を駆動する電圧、電流、波形、タイミングなどの駆動制御を適宜変更してもよい。その駆動制御の変更は、ユーザーによる入力操作によって決定されるものであってもよい。そのほか、その駆動制御の変更は、キャリッジ20に装着されているヘッドの数や種類を自動的に検出することや、印刷される画像や工程からヘッドの数や種類を自動的に解析することによって、自動的に決定されるものであってもよい。
【0111】
また、
図33~
図35は、CPU40が抜染印刷を行い、その後に、下地印刷とカラー印刷を行う順で示してある。CPU40は、抜染印刷の後に下地印刷をすることによって、カラー印刷の前に、プラテン5を抜染完了位置P4を含む走査位置に移動させる。カラー印刷用ヘッド200による印刷開始位置の走査位置に対して副走査方向において離間させているが、これは下地印刷が前方側から開始されて、抜染インクや下地用インクの乾燥時間を確保するためである。プラテン5の移動はこれに限られない。そのほか、抜染インクや下地用インクの乾燥時間が短い場合や、抜染インクの影響による下地用インク滲みを許容できる場合には、CPU40は、
図33に示す位置から
図34に示す短い距離だけ、抜染印刷後に、プラテン5を一旦後方に移動させている。従って、下地印刷が後方側から開始されて、下地印刷用ヘッド100とカラー印刷用ヘッド200の間の距離が追加ヘッド300があるために延び、カラーインクに対して抜染インクや下地用インクの乾燥時間が確保される。カラーインクに対して抜染インクや下地用インクの乾燥時間をより長く確保するため、抜染印刷の後の下地印刷の前に、すでに下地印刷用ヘッド100を通過して後方に位置する、プラテン5の位置P1を含む走査位置を、下地印刷用ヘッド100による印刷開始位置の走査位置にまで、
図33の矢印Bとは反対方向に移動さてもよい。次に、下地用印刷をプラテン5を前側から後側に移動させながら抜染完了位置P4まで行い、次に、プラテン5の抜染開始位置P1を含む走査位置を、カラー印刷用ヘッド200による印刷開始位置の走査位置にまで移動させ、次に、カラー印刷をプラテン5を前側から後側に移動させながら抜染完了位置P4まで行うようにしてもよい。
【0112】
上述した印刷の過程においては、左から右にキャリッジ20Aが移動する際に、領域A1に対して印刷を開始するので、領域A1の左端側に抜染印刷、下地印刷、カラー印刷の開始位置(位置P1)が位置する。もし、右から左にキャリッジ20Aが移動する際に、領域A1に対して印刷を開始する場合は、領域A1の右端側に抜染印刷、下地印刷、カラー印刷の開始位置(位置P2)が位置する。抜染印刷、下地印刷、カラー印刷の開始位置のすべてが、領域A1の左端側又は右端側だけに位置しているが、抜染印刷、下地印刷、カラー印刷の開始位置の何れかが別の側にあってもよい。
【0113】
上述した印刷の過程においては、後から前にプラテン5が移動する際に、印刷が必要な領域A1に対して印刷を開始する場合は、領域A1の後側に抜染印刷、下地印刷、カラー印刷の開始位置が位置する。もし、前から後にプラテン5が移動する際に、領域A1に対して印刷を開始する場合は、領域A1の前側に抜染印刷、下地印刷、カラー印刷の開始位置が位置してもよい。また、抜染印刷、下地印刷、カラー印刷の開始位置にすべてが領域A1の後側又は前側だけに位置しているものに限られず、抜染印刷、下地印刷、カラー印刷の開始位置の何れかが別の側にあってもよい。
【0114】
例えば、
図41(1)に示すように、プリンタ1では、プラテン5が前側から後側に搬送されるときに抜染印刷が行われ、プラテン5が後側から前側に搬送されるときに下地印刷、及び、カラー印刷が行われる場合には、領域A1の後側に抜染印刷の開始位置が位置し、領域A1の前側に下地印刷、及び、カラー印刷の開始位置が位置する。この場合には、前側で、ユーザーがプラテン5に印刷媒体を搭載して、プラテン5の前後方向への一往復で、抜染印刷、下地印刷、カラー印刷を行うことができる。また、カラー印刷された印刷媒体を搭載したプラテン5がプリンタ1の前側に出ているので、プラテン5から印刷媒体を直ちに取り外すことができる。
【0115】
また、
図41(2)に示すように、プリンタ1では、プラテン5が前側から後側に搬送されるときに抜染印刷、及び、下地印刷が行われ、プラテン5が後側から前側に搬送されるときにカラー印刷が行われる場合には、領域A1の後側に抜染印刷、及び下地印刷の開始位置が位置し、領域A1の前側にカラー印刷の開始位置が位置する。この場合には、前側で、ユーザーがプラテン5に印刷媒体を搭載して、プラテン5の前後方向への一往復で、抜染印刷、下地印刷、カラー印刷を行うことができる。また、下地印刷用ヘッド100とカラー印刷用ヘッド200の間隔をプラテン5が移動する時間よりも長く、下地印刷とカラー印刷のそれぞれの時間的な間隔を開けることができる。
【0116】
また、インクの乾きにくさは作業環境にも依存する。そのため、下地印刷用ヘッド100、抜染インク用ヘッド302、カラー印刷用ヘッド200の間隔を広げるのではなく、抜染印刷、下地印刷、カラー印刷のそれぞれの時間的な間隔を開けたい場合に、作業効率を下げても、プラテン5の前後方向への2往復で抜染印刷、下地印刷、及び、カラー印刷が行われる。例えば、
図41(3)に示すように、プリンタ1では、プラテン5が後側から前側に搬送されるときに抜染印刷が行われる。次いで、プラテン5が前側から後側に搬送されるときに下地印刷が行われる。次いで、プラテン5が前側から後側に搬送されるときにカラー印刷が行われる。この場合には、抜染印刷、下地印刷、及びカラー印刷の各間隔の時間を広げて、インクの乾燥時間を確保することができる。なお、抜染印刷をプラテン5が後ろから前に搬送されるときに行うのは、抜染部分ができているかを、目視するためである。最終的なカラー印刷は、プラテン5が後側から前側に行われる。従って、印刷済みの印刷媒体の取り出しを即座に行うことができる。
【0117】
また、抜染インク用ヘッド302による抜染開始位置P1を含む走査位置、又は、抜染インク用ヘッド302による抜染完了位置P4を含む走査位置の何れかを、カラー印刷用ヘッド200や下地印刷用ヘッド100の印刷開始位置を含む走査位置に合わせてもよい。この場合、カラー印刷用ヘッド200、下地印刷用ヘッド100、及び、追加ヘッド300が全く同じ領域に印刷をする場合であっても、カラー印刷用ヘッド200や下地印刷用ヘッド100の印刷開始位置は、必ずしも、抜染インク用ヘッド302による抜染開始位置P1である必要はない。抜染インク用ヘッド302による抜染開始位置P1を含む走査における走査の反対側の印刷領域の端部位置P2を、カラー印刷用ヘッド200や下地印刷用ヘッド100の印刷開始位置としてもよい。追加ヘッド300による抜染完了位置P4を、カラー印刷用ヘッド200や下地印刷用ヘッド100の印刷開始位置としてもよい。抜染インク用ヘッド302による抜染完了位置P4を含む走査における走査の反対側の印刷領域の端部位置P3を、カラー印刷用ヘッド200や下地印刷用ヘッド100の印刷開始位置としてもよい。抜染印刷は位置PIから開始するが、下地印刷はP2から開始し、カラー印刷はP4から開始するようにしてもよい。印刷画像、インクの乾燥時間などを考慮して適宜、開始位置を設定しても構わない。キャリッジ20Aの待機位置は右側としているが、左側でも構わない。
【0118】
図38,39,40に示すように、キャリッジ20Bの主走査方向に複数の同じ種類のヘッドが複数設けられ、その同じ種類ヘッドが副走査方向にずれて配置されている場合においては、同じ種類のヘッドのうち、どのヘッドのどの部分を印刷開始位置にするかは次のように決定される。同じ種類の複数のヘッドによる印刷に関して、プラテン5の副走査方向における移動方向(
図38では矢印B方向、
図39及び
図40では矢印A方向)が特定される。その移動方向におけるプラテン5が印刷の進行に伴って移動する側を印刷下流側とし、反対側を印刷上流側とする。同じ種類の複数のヘッドのうち、各ヘッドのノズル列の印刷下流側の端が最も印刷上流側に位置するヘッドが特定される。さらに、その特定されたヘッドに関して、ノズル列の印刷下流側の端が最も印刷下流側に位置する端部を基準にして、印刷開始位置が決定されればよい。
図38では印刷下流側が図中の後側になり、左右2列のヘッド列うち、右列にある抜染インク用ヘッド302Bの後側を印刷開始位置を含む側とするとする。
図39、
図40では印刷下流側が図中の前側になり、左右2列のヘッド列うち、左列にあるヘッドの前側を印刷開始位置を含む側とする。
図39では、白インク用ヘッド101Aの前側、
図40では、カラー印刷用ヘッド201Aの前側が、印刷開始位置を含む側である。
【0119】
本発明において、抜染インクとは、被印刷対象の色を抜く作用を生じる薬剤であって、被印刷対象の色に対して何らかの染料や顔料によって色を付与する作用はない。しかし、抜染インクが、被印刷対象の色を抜く作用を生じる薬剤であって、かつ、被印刷対象の色に対して何らかの染料や顔料によって色を付与する作用があっても良い。抜染インクにとって、被印刷対象の色を抜く作用は必須であるが、被印刷対象の色に対して何らかの染料や顔料によって色を付与する作用は必須ではない。
【符号の説明】
【0120】
1 プリンタ
3 装着部
5 プラテン
6 プラテン駆動機構
20 キャリッジ
20A~20E キャリッジ
30 カートリッジ
31 収容部
33 カートリッジセンサ
34 ヘッドセンサ
40 CPU
42 RAM
47 操作部
61 ノズル
62 ノズル列
70A~70C インク流路
100 下地印刷用ヘッド
101A~101D 白インク用ヘッド
110、110A、110B 下地印刷用ヘッド取付部
111A~111D 第一ヘッド取付部
200、201A~201D カラー印刷用ヘッド
210、210A、210B カラー印刷用ヘッド取付部
211A~211D 第二ヘッド取付部
300 追加ヘッド
301、301A、301B 特色インク用ヘッド
302、302A、302B 抜染インク用ヘッド
310、310A、310B 追加ヘッド取付部
L 先頭ノズル間距離