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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】車両用エアバッグ装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 21/205 20110101AFI20221129BHJP
【FI】
B60R21/205
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019093625
(22)【出願日】2019-05-17
(65)【公開番号】P2020019472
(43)【公開日】2020-02-06
【審査請求日】2021-06-30
(31)【優先権主張番号】16/050,280
(32)【優先日】2018-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000241463
【氏名又は名称】豊田合成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ラディ
(72)【発明者】
【氏名】ブランドン ストリーター
(72)【発明者】
【氏名】山下 晃
【審査官】飯島 尚郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-121965(JP,A)
【文献】国際公開第2016/147682(WO,A1)
【文献】特開2015-033986(JP,A)
【文献】特開2017-087891(JP,A)
【文献】特開2008-254500(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0217399(US,A1)
【文献】特開2016-040155(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 21/16-21/33
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両における前席の前方で車幅方向に対して傾斜している傾斜部を有するインストルメントパネルに設けられた収納部に組込まれるエアバッグを備え、
前記エアバッグは、前記車両に加わる衝撃に応じて膨張用ガスが供給されるバッグ本体を備え、
前記バッグ本体が、前記膨張用ガスにより、前記バッグ本体の一部を前記収納部に残した状態で前記インストルメントパネルから出て後方へ向けて展開及び膨張し、前記前席に着座している乗員を受け止める車両用エアバッグ装置において、
前記バッグ本体の一部は、車幅方向に並べられた一対のパネル部を備える周壁パネル部により構成され、
前記周壁パネル部における一対の前記パネル部の少なくとも一方は、複数の布片により構成され、かつ隣り合う布片が周縁結合部により結合された集合パネル部を構成し、
前記集合パネル部には、前記バッグ本体の展開及び膨張に際し、同集合パネル部の他の箇所よりも前記バッグ本体の外部へ多く突出して前記インストルメントパネルに接触する支持膨張部が、少なくとも1つの前記周縁結合部の一部と、同周縁結合部にて結合される一対の前記布片のそれぞれの一部とにより構成されており、
前記集合パネル部を構成する複数の布片のうち、前記支持膨張部を形成する一対の布片のそれぞれは、一般部と、前記一般部の周縁部から突出する突出部とを有しており、
前記周縁結合部は、前記一般部の周縁部と前記突出部の周縁部とに沿って設けられており、
一対の前記布片における両突出部と、前記周縁結合部のうち、両突出部の周縁部に沿って設けられた部分とにより前記支持膨張部が構成されており、
前記支持膨張部は、前記インストルメントパネルの前記傾斜部に接触して支持されることで、前記バッグ本体が車両における前後方向に対して傾斜しない状態で展開及び膨張するようにする車両用エアバッグ装置。
【請求項2】
前記周縁結合部は、隣り合う布片の周縁部を縫合する縫糸により構成されている請求項に記載の車両用エアバッグ装置。
【請求項3】
前記布片の周縁部及び前記周縁結合部は、前記突出部と前記一般部との境界部分では、湾曲している請求項に記載の車両用エアバッグ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等の車両に対し前方等から衝撃が加わった場合に、エアバッグのバッグ本体を膨張用ガスによって展開及び膨張させて、前席に着座している乗員を衝撃から保護する車両用エアバッグ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
前面衝突等により、車両に前方から衝撃が加わった場合、車両用シートに着座している乗員の上半身は慣性によって前方へ傾こうとする。これに対しては、乗員の前方でエアバッグのバッグ本体を展開及び膨張させることで、乗員を衝撃から保護する車両用エアバッグ装置が有効である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
上記車両用エアバッグ装置は、エアバッグ及びインフレータ(ガス発生器)を備えている。前席に着座している乗員を衝撃から保護する車両用エアバッグ装置では、エアバッグのバッグ本体は折り畳まれた状態でインフレータとともに、前席の前方のインストルメントパネルにおける収納部に組込まれている。
【0004】
上記車両用エアバッグ装置では、車両に前方等から衝撃が加わると、インフレータから膨張用ガスがバッグ本体に供給される。この膨張用ガスによりバッグ本体が、バッグ本体の一部を収納部に残した状態でインストルメントパネルから出て後方へ向けて展開及び膨張する。このバッグ本体は、インストルメントパネルに支持された(接触した)状態で、前方へ傾こうとする乗員を受け止め、同乗員を衝撃から保護する。
【0005】
特許文献1に開示される車両用エアバッグ装置を含め、従来の車両用エアバッグ装置は、インストルメントパネルにおいてバッグ本体が支持される面が、車幅方向に平行に延びることを前提としている。上記面における前後方向の位置は、車幅方向におけるどの箇所でも同一である。そのため、バッグ本体は、乗員の前方において、インストルメントパネルに支持された状態でその乗員を受け止めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2008-254500号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、バッグ本体が支持される面が車幅方向に対し傾斜しているインストルメントパネルに対し、上記特許文献1に開示される車両用エアバッグ装置を含む従来の車両用エアバッグ装置が適用されると、次の現象が起こるおそれがある。それは、図15に示すように、収納部101から出たバッグ本体102が、インストルメントパネル103において、車幅方向に対し傾斜した傾斜部103aに支持される。この支持により、バッグ本体102は、前後方向に対し傾斜した状態で展開及び膨張しようとする。この場合、バッグ本体102の後端部は、乗員P1の前方から車幅方向にずれた箇所に位置するため、同バッグ本体102は乗員P1を適正に受け止めることが難しい。
【0008】
本発明の目的は、バッグ本体を簡単な構造で構成しつつ、傾斜部を有するインストルメントパネルからバッグ本体を乗員の前方の適正位置で展開及び膨張させることのできる車両用エアバッグ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する車両用エアバッグ装置は、車両における前席の前方のインストルメントパネルに設けられた収納部に組込まれるエアバッグを備える。前記エアバッグは、前記車両に加わる衝撃に応じて膨張用ガスが供給されるバッグ本体を備える。前記バッグ本体は、前記膨張用ガスにより、前記バッグ本体の一部を前記収納部に残した状態で前記インストルメントパネルから出て後方へ向けて展開及び膨張し、前記前席に着座している乗員を受け止める。前記バッグ本体の一部は、車幅方向に並べられた一対のパネル部を備える周壁パネル部により構成される。前記周壁パネル部における一対の前記パネル部の少なくとも一方は、複数の布片により構成され、かつ隣り合う布片が周縁結合部により結合された集合パネル部を構成する。前記集合パネル部には、前記バッグ本体の展開及び膨張に際し、同集合パネル部の他の箇所よりも前記バッグ本体の外部へ多く突出して前記インストルメントパネルに接触する支持膨張部が、少なくとも1つの前記周縁結合部の一部と、同周縁結合部にて結合される一対の前記布片のそれぞれの一部とにより構成されている。
【発明の効果】
【0010】
上記車両用エアバッグ装置によれば、バッグ本体を簡単な構造で構成しつつ、傾斜部を有するインストルメントパネルからバッグ本体を乗員の前方の適正位置で展開及び膨張させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一実施形態における車両用エアバッグ装置により乗員が衝撃から保護される様子を説明する概略側面図。
図2】一実施形態において展開及び膨張したバッグ本体の斜視図。
図3図2のエアバッグの内部構造を示す断面図。
図4】一実施形態におけるテザーの一部の概略構成を示す部分斜視図。
図5図4のテザーにおける前側部を平らに展開した状態で示す平面図。
図6図3の6-6線断面図。
図7】(a)~(f)は、一実施形態におけるエアバッグの構成部材の展開図。
図8】(a)は一実施形態におけるエアバッグの製造工程の一部を示す概略図、(b)は図8(a)に続くエアバッグの製造工程の一部を示す概略図、(c)は図8(b)に続くエアバッグの製造工程の一部を示す概略図。
図9】(a)は図8(c)に続く製造工程の一部を示す概略図、(b)は図9(a)に続く製造工程の一部を示す概略図、(c)は図9(b)に続く製造工程の一部を示す概略図。
図10】(a)は図9(c)に続く製造工程の一部を示す概略図、(b)は図10(a)に続く製造工程の一部を示す概略図。
図11】(a)は図10(b)に続く製造工程の一部を示す概略図、(b)は図11(a)に続く製造工程の一部を示す概略図、(c)は図11(b)に続く製造工程の一部を示す概略図、(d)は図11(c)に続く製造工程の一部を示す概略図。
図12】一実施形態において展開及び膨張を完了したバッグ本体を車両後方から見た概略正面図。
図13】一実施形態におけるインストルメントパネルとバッグ本体との関係を示す概略平面図。
図14図8(a)に対応する図であり、集合パネル部を構成する布片の変形例を示す展開図。
図15】従来技術を説明する図であり、インストルメントパネルとバッグ本体との関係を示す概略平面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、車両用エアバッグ装置の一実施形態について、図1図13を参照して説明する。
以下の記載においては、車両の前進方向を前方として説明し、車両の後進方向を後方として説明する。また、以下の記載における上下方向は車両の上下方向を意味し、左右方向は車幅方向であって、かつ車両の前進時の左右方向と一致する。
【0013】
図1及び図13に示すように、車両10の車室11内には、前席12の一部として、助手席13が配置されている。車室11内には、助手席13に着座している乗員P1をその助手席13に拘束するためのシートベルト装置(図示略)が設けられている。車室11の前部にはウインドシールド19が配置されている。車室11におけるウインドシールド19の下方であって、前席12の前方には、同車室11の車幅方向における全幅にわたってインストルメントパネル14が配置されている。インストルメントパネル14は、助手席13の前方となる箇所に傾斜部14aを有している。傾斜部14aは、車外側(右側)ほど後方に位置するように、車幅方向(左右方向)に対し傾斜している。また、インストルメントパネル14において、助手席13の前方となる箇所には、収納部15が設けられている。
【0014】
車両10には、前面衝突等により前方から同車両10に衝撃が加わった場合に、乗員P1を衝撃から保護する車両用エアバッグ装置16が設けられている。車両用エアバッグ装置16は、インフレータ17及びエアバッグ20を備えている。
【0015】
インフレータ17の内部には、図示しない点火器及び薬剤が収納されている。インフレータ17の底部には、図示しないコネクタが接続されている。インフレータ17では、コネクタからの電気信号により、点火器が薬剤を燃焼させ、膨張用ガスG1(図3参照)が噴出される。インフレータ17としては、上記タイプに代えて、高圧ガスの充填された高圧ガスボンベの隔壁を火薬等によって破断して膨張用ガスG1を噴出させるタイプが用いられてもよい。
【0016】
エアバッグ20は、インストルメントパネル14と乗員P1との間で展開及び膨張し得る大きさを有している。エアバッグ20は、折り畳まれることによりコンパクトな形態にされて、インフレータ17とともに収納部15に収容され、車体に固定されている。
【0017】
図3及び図6に示すように、エアバッグ20は、バッグ本体21、整流布61、補強布68、及びテザー71を備えている。これらの部材は、いずれも強度が高く、かつ可撓性を有していて容易に折り畳むことのできる素材によって形成されている。このような素材としては、例えばポリエステル糸、ポリアミド糸等を用いて形成した織布等が挙げられる。
【0018】
次に、エアバッグ20を構成する各部材について説明する。
<バッグ本体21>
図1図3に示すように、バッグ本体21は、展開及び膨張を完了したときに、前端部を頂部とする略四角錐形状をなすように形成されている。バッグ本体21は、車体側部22及び乗員保護部51を備えている。
【0019】
車体側部22は、バッグ本体21が展開及び膨張を完了したときに、インストルメントパネル14とウインドシールド19との間に配置される。車体側部22は、主として周壁パネル部26によって形成されている。車体側部22は、その前端部が閉塞された略筒形状に形成されている。
【0020】
これに対し、乗員保護部51は、バッグ本体21が展開及び膨張を完了したときに、車体側部22よりも後方側に位置して、前方へ移動する乗員P1を受け止める。乗員保護部51は、主として乗員側パネル部52によって形成されている。
【0021】
図2図3、及び図6に示すように、車体側部22の前端下部は、バッグ本体21における底壁部21bの前端部を構成する。車体側部22の前端下部には、膨張用ガスG1をバッグ本体21内に流入させるための円形状のガス流入口23が形成されている。車体側部22は、ガス流入口23の周縁部24において車体に取付けられている。
【0022】
車体側部22における周壁パネル部26は、左パネル部27及び右パネル部31を備えている。左パネル部27及び右パネル部31は、車幅方向に互いに線対称形状を有する。左パネル部27及び右パネル部31はそれぞれ、後側を拡開させた略扇形状をなしている(図7(a)参照)。
【0023】
図2図6、及び図7(a)に示すように、左パネル部27の上下方向における中心部分は、バッグ本体21における左壁部21cを構成する。左パネル部27の上部は、バッグ本体21における上壁部21aの左側部分を構成する。左パネル部27の下部は、バッグ本体21における底壁部21bの左側部分を構成する。左パネル部27は、前端下部に、ガス流入口23の周縁部24を構成する略半円形状の突出部28を有している。
【0024】
これに対し、右パネル部31の上下方向における中心部分は、バッグ本体21における右壁部21dを構成する。右パネル部31の上部は、バッグ本体21における上壁部21aの右側部分を構成する。右パネル部31の下部は、バッグ本体21における底壁部21bの右側部分を構成する。右パネル部31は、前端下部に、ガス流入口23の周縁部24を構成する突出部32を有している。
【0025】
すなわち、左パネル部27及び右パネル部31は、上壁部21a、底壁部21b、左壁部21c、及び右壁部21dによって囲まれた領域を、上壁部21aの車幅方向における中央部分と底壁部21bの車幅方向における中央部分とにおいて分割している。
【0026】
左パネル部27及び右パネル部31には、バッグ本体21内の余剰の膨張用ガスG1を排出するためのベントホール33がそれぞれ形成されている。
図7(a)に示すように、左パネル部27の下縁27cと、右パネル部31の下縁31cとは、周縁結合部34により結合されている。周縁結合部34は、左パネル部27及び右パネル部31を、下縁27c,31cに沿って縫糸で縫合することにより形成されている。
【0027】
上記縫合に関し、図3図4、及び図7図11では、2つの線種によって縫合部分が表現されている。1つ目の線種は、一定長さの太線を断続的に並べて表現した線であり、これは、縫糸を側方等から見た状態を示している(図7(a)における周縁結合部44等参照)。2番目の線種は、点を一定間隔おきに並べて表現した線であり、これは、縫合部分を通る面における縫糸の断面を示している(図3における周縁結合部55等参照)。
【0028】
図7(a)に示すように、左パネル部27の上縁27bと、右パネル部31の上縁31bとは、周縁結合部35により結合されている。周縁結合部35は、左パネル部27及び右パネル部31を、上縁27b,31bに沿って縫糸で縫合することにより形成されている。
【0029】
左パネル部27の前縁27aと、右パネル部31の前縁31aとは、周縁結合部36により結合されている。周縁結合部36は、左パネル部27及び右パネル部31を、前縁27a,31aに沿って縫糸で縫合することにより形成されている。
【0030】
図8(a)~図8(c)に示すように、本実施形態では、左パネル部27は、集合パネル部41によって構成されている。集合パネル部41は、互いに隣り合う2つの布片42,43を備えている。一方の布片42は、一般部42aと、一般部42aの周縁部から突出する突出部42bとを備えている。布片42の周縁部は、一般部42aと突出部42bとの境界部分では、湾曲している。他方の布片43は、一般部43aと、一般部43aの周縁部から突出する突出部43bとを備えている。布片43の周縁部は、一般部43aと突出部43bとの境界部分では、湾曲している。両布片42,43の周縁部は周縁結合部44により結合されている。周縁結合部44は、隣り合う布片42,43の周縁部を縫糸で縫合することにより形成されている。両突出部42b,43bと、周縁結合部44のうち、突出部42b,43bを結合する部分とによって、支持膨張部45が形成されている。支持膨張部45は、バッグ本体21の展開及び膨張に際し、集合パネル部41の他の箇所よりもバッグ本体21の外部へ多く突出してインストルメントパネル14に接触する。
【0031】
図2図6図7(a)、及び図7(b)に示すように、乗員保護部51における乗員側パネル部52は、バッグ本体21における後壁部21eを構成する。乗員側パネル部52の左半分は左パネル部53によって構成され、右半分は右パネル部54によって構成されている。
【0032】
左パネル部53及び右パネル部54は、車幅方向に互いに線対称の形状を有している。左パネル部53の内縁53bと、右パネル部54の内縁54bとは、周縁結合部55により結合されている。周縁結合部55は、左パネル部53及び右パネル部54を、内縁53b及び内縁54bに沿って縫糸で縫合することにより形成されている。周縁結合部55は、展開及び膨張を完了したバッグ本体21の後壁部21eの車幅方向における中央部分において、上下方向に沿って延びている。
【0033】
左パネル部53の外縁53aは、左パネル部27の後縁27dに沿った形状を有している。右パネル部54の外縁54aは、右パネル部31の後縁31dに沿った形状を有している。左パネル部53の外縁53aと、左パネル部27の後縁27dとは、周縁結合部56により結合されている。周縁結合部56は、左パネル部53及び左パネル部27を、外縁53a及び後縁27dに沿って縫糸で縫合することにより形成されている。同様に、右パネル部54の外縁54aと、右パネル部31の後縁31dとは、周縁結合部57により結合されている。周縁結合部57は、右パネル部54及び右パネル部31を、外縁54a及び後縁31dに沿って縫糸で縫合することにより形成されている。
【0034】
図2及び図6に示すように、乗員保護部51の車幅方向における両側部分は、それぞれ後方へ向けて突出するように膨らむ一対の突出部58によって構成されている。また、乗員保護部51において、上記両突出部58によって挟まれた領域は、略前方へ向けて凹む凹部59によって構成されている。凹部59は、乗員保護部51の車幅方向における略中央部分であって、かつ乗員保護部51の上下方向における略全域にわたって設けられている。
【0035】
図3及び図6に示すように、乗員保護部51における内側頂部51cは、凹部59におけるバッグ本体21の内周側への突出端59aを構成している。これらの内側頂部51c及び突出端59aは、上記周縁結合部55によって構成されている。
【0036】
<整流布61>
整流布61は、ガス流入口23から流入した膨張用ガスG1を前後両側へ向かうように整流するためのものである。整流布61は、前後方向に延び、かつ両端が開放された略筒形状をなしている。整流布61は、バッグ本体21内において、ガス流入口23を上側から覆うように配設されている。そのため、ガス流入口23から整流布61内に流入した膨張用ガスG1は、前後の開口62から、バッグ本体21内に流入する。整流布61において、ガス流入口23の上方であって、車幅方向に対称となる2箇所には、上記開口62よりも開口面積の小さな円形の貫通孔63がそれぞれ形成されている。貫通孔63は、ガス流入口23から整流布61内に流入した膨張用ガスG1の一部を逃がすことにより、バッグ本体21の展開及び膨張時において、両開口62が向く方向を安定させて、バッグ本体21内への膨張用ガスG1の流出方向を安定させるためのものである。
【0037】
整流布61は、図7(f)に示す2枚の布片64を備えている。各布片64は、ガス流入口23の周縁部24上に位置する連結部65と、連結部65から左方又は右方へ延びる本体部66とによって構成されている。各連結部65には、ガス流入口23に対応した開口65aが形成されている。また、各本体部66には、上記貫通孔63が形成されている。両連結部65は、両布片64における開口65aを一致させた状態で重ねられている。各布片64における連結部65は、後述する補強布68及びテザー71の布片73とともに、周縁の全周にわたって、上記周壁パネル部26に縫合されている。
【0038】
<補強布68>
図3及び図7(d)に示すように、補強布68は、バッグ本体21におけるガス流入口23の周縁部24を補強するためのものである。補強布68は、ガス流入口23から前方に延びる延出部68aを備えている。延出部68aは、バッグ本体21が展開及び膨張を完了したときに、上記周縁結合部36の内周側を覆うことで、ガス流入口23からバッグ本体21内に流入した膨張用ガスG1が同周縁結合部36に直接当たるのを抑制する。
【0039】
<テザー71>
図3及び図6に示すように、テザー71は、バッグ本体21が展開及び膨張を完了したときの形状を規制するためのものである。テザー71は、乗員保護部51の上記内側頂部51cと、ガス流入口23の周縁部24との間に架け渡されている。テザー71は、バッグ本体21が展開及び膨張することで引っ張られて、前後方向に延びる。テザー71は、ガス流入口23側に位置する前側部72と、乗員保護部51側に位置する後側部81とを備えている。
【0040】
図5及び図7(e)に示すように、前側部72の形成のために、前後方向に延びる略帯状の布片73が用いられている。布片73は、ガス流入口23を中心として、車幅方向に対称となる形状に形成されている。前側部72は、布片73を折ることによって形成されている。
【0041】
図3図4、及び図6に示すように、前側部72は、バッグ本体21が展開及び膨張を完了したときに、前端部72aが略車幅方向に沿って延び、かつ後端部72bが略上下方向に沿って延びるような略三角錐形状に近似した立体形状にされる。
【0042】
この立体形状では、前側部72の前端部72aにおいて、ガス流入口23に対応する箇所に開口74が位置する。前側部72は、前端部72aの開口74の周縁の全周にわたって設けられた結合部76によってバッグ本体21に結合されている。結合部76は、前側部72の前端部72aの開口74の周縁全体が、周壁パネル部26のガス流入口23の周縁部24に対し、縫合されることにより形成されている。
【0043】
前側部72において、結合部76よりも後側の部分は、略三角錐形状に近似した立体形状をなしている。この部分は、下方側が開口し、かつ上方側が閉塞するように形成されており、後側ほど高くなるように傾斜している。
【0044】
図7(d)~図7(f)に示すように、整流布61における布片64と、テザー71における布片73と、補強布68とは、結合部78により結合されている。結合部78は、両布片64、布片73及び補強布68が、縫糸によって縫合されることで、形成されている。
【0045】
図3図6、及び図7(c)に示すように、テザー71における後側部81は布片82によって形成されている。布片82は、前端部において幅が最も狭く、後端部側ほど幅広となる台形形状をなしている。後側部81は、バッグ本体21が展開及び膨張を完了したときに、後側部81の幅方向が上下方向に沿うように配置されている(図4参照)。
【0046】
後側部81の前端部81aは、前側部72の後端部72bに重ね合わされ、縫糸により結合されている。後側部81の後端部81bは、展開及び膨張を完了した状態のバッグ本体21における乗員保護部51の上端部51a付近となる内側頂部51c(凹部59の突出端59a)に対し、縫糸により、上下の全域にわたって縫合されている。具体的には、後側部81の後端部81bは、上記周縁結合部55の形成時に、乗員側パネル部52の左パネル部53の内縁53bと、右パネル部54の内縁54bと一緒に共縫いされる。後側部81の後端部81bは、展開及び膨張を完了した状態のバッグ本体21のうち、上下方向における中央部分、すなわち、凹部59の突出端59aのうち、乗員P1の頭部PHと対向する箇所に縫合されている。
【0047】
次に、上記のように構成された本実施形態の作用及び効果について説明する。
最初に、エアバッグ20を製造する方法について説明する。
図11(a)に示すように、乗員側パネル部52の左パネル部53及び右パネル部54と、テザー71の後側部81を構成する布片82とが、いずれも平らに展開された状態で重ね合わされる。左パネル部53の内縁53bと、右パネル部54の内縁54bと、布片82の後端部とが、縫糸によって縫合されることで、周縁結合部55が形成される。
【0048】
図8(a)に示すように、布片42,43が、いずれも平らに展開された状態で重ね合わされる。この重ね合わせは、一般部42aの周縁部と一般部43aの周縁部とが合致し、かつ突出部42bの周縁部と突出部43bの周縁部とが合致するようになされる。
【0049】
縫糸を用いて、両一般部42a,43aをそれらの周縁部に沿って縫合するとともに、両突出部42b,43bをそれらの周縁部に沿って縫合する。これらの縫合により、図8(b)に示すように、両布片42,43における一般部42a,43aの周縁部と、突出部42b,43bの周縁部とに沿って周縁結合部44が形成される。このように、周縁結合部44が形成されることで、両布片42,43が結合されると同時に、両突出部42b,43bと、周縁結合部44のうち、両突出部42b,43bの周縁部に沿って設けられた部分とにより、支持膨張部45が形成される。両布片42,43が、重ね合わせられた図8(b)の状態から開かれると、図8(c)に示す左パネル部27が得られる。
【0050】
ここで、突出部42b,43bと一般部42a,43aとの境界部分において、布片42,43の周縁部と周縁結合部44とが仮に角張っていると、その境界部分において、角張った状態の周縁結合部44を縫合により形成する作業は難しい。周縁結合部44が角張っている箇所では、縫合の角度が大きく変化するからである。
【0051】
この点、本実施形態では、布片42,43の周縁部及び周縁結合部44が、突出部42b,43bと一般部42a,43aとの境界部分で湾曲している。湾曲した境界部分では周縁結合部44の形状が緩やかに変化することから、縫合作業がしやすい。
【0052】
また、バッグ本体を、メインエアバッグ部と、これとは別体のサブエアバッグ部とによって構成し、かつメインエアバッグ部に対しサブエアバッグ部を、縫合等の各種結合手段によって結合することによっても、上記実施形態におけるバッグ本体21と同様の機能を発揮するバッグ本体を得ることが可能である。すなわち、この場合、サブエアバッグ部が支持膨張部45と同様にバッグ本体の傾きを矯正する機能を発揮する。しかし、この場合には、サブエアバッグ部をメインエアバッグ部に結合する構造が複雑となり、製造が難しくなるおそれがある。
【0053】
この点、本実施形態では、上記集合パネル部41を構成する2片の布片42,43の周縁部が、周縁結合部44により結合される。そして、支持膨張部45が、周縁結合部44の一部と、同周縁結合部44にて結合される一対の布片42,43のそれぞれの一部とにより形成される。このように、バッグ本体21の傾きを矯正する支持膨張部45が、集合パネル部41の一部によって構成される。集合パネル部41を構成する2片の布片42,43の周縁部が周縁結合部44により結合されることにより、支持膨張部45を有する集合パネル部41が形成される。従って、メインエアバッグ部に対しサブエアバッグ部を結合する上記の場合に比べ、支持膨張部45を簡単に形成することができる。
【0054】
そして、図9(a)及び図9(b)に示すように、左パネル部27及び右パネル部31が、いずれも平らに展開された状態で重ね合わされる。左パネル部27の下縁27cと、右パネル部31の下縁31cとが、縫糸によって縫合されることで、周縁結合部34が形成される。
【0055】
その後、図9(c)に示すように、周縁結合部34を内側に位置させ、かつ突出部28,32を相互に重ね合わされた状態に維持しつつ、左パネル部27及び右パネル部31が互いに遠ざかるように開かれる。
【0056】
図10(a)に示すように、整流布61の一対の布片64が、左パネル部27及び右パネル部31の前端部上に重ねられる。さらに、図10(b)に示すように、両布片64の上に、テザー71における布片73と、補強布68とが、順に重ね合わされる。これらの布片64、布片73、及び補強布68が縫糸によって縫合されることで、結合部78が形成される。
【0057】
その後、孔開け加工により、ガス流入口23が形成される。
次いで、図11(a)に示すように、左パネル部27と右パネル部31とが、再び重ね合わされる。左パネル部27の上縁27bと、右パネル部31の上縁31bとが、縫糸によって縫合されることで、周縁結合部35が形成される。
【0058】
その後、外縁53a,54aが互いに遠ざかるように、乗員側パネル部52が広げられる。左パネル部27及び右パネル部31は、左パネル部27における後縁27dと、右パネル部31における後縁31dとが互いに遠ざかるように広げられる。このとき、広げられた左パネル部27の後縁27dと右パネル部31の後縁31dとにより画定される形状は、乗員側パネル部52の外形形状に一致する。
【0059】
図11(b)に示すように、乗員側パネル部52が、左パネル部27上及び右パネル部31上に載置される。左パネル部53の外縁53aが左パネル部27の後縁27dに対し、縫糸によって縫合されることで、周縁結合部56が形成される。右パネル部54の外縁54aが右パネル部31の後縁31dに対し、縫糸によって縫合されることで、周縁結合部57が形成される。
【0060】
図11(b)及び図11(c)に示すように、布片64における本体部66の縁部が相互に縫合されることで、整流布61が形成される。次いで、布片73が、折目CL1,CL2に沿って折り曲げられる(図4図5参照)。折り曲げられた状態の布片73の後端部が、布片82の前端部に重ねられ、幅方向の全域にわたって縫合されることで、前側部72と後側部81とが連結されて、テザー71が形成される。
【0061】
左パネル部27と右パネル部31との未縫合部分(前縁27a,31a:図7(a)参照)を利用して、縁部の縫い代が外部に露出しないように、縫合された複数の布からなる袋を裏返す。その後、図11(d)に示すように、左パネル部27及び右パネル部31の前縁27a,31aが縫合されることで、周縁結合部36が形成されると、目的とするエアバッグ20が得られる。
【0062】
次に、車両用エアバッグ装置16の動作について説明する。
前面衝突等により、車両10に対し前方から衝撃が加わると、助手席13に着座している乗員P1の上半身は、図1において二点鎖線で示すように、慣性により前方へ傾こうとする。
【0063】
一方、車両10に前方から衝撃が加わると、その衝撃に応じ、インフレータ17からガス流入口23を通じてバッグ本体21に膨張用ガスG1が供給される。ガス流入口23から内部に流入した膨張用ガスG1の流入方向は、図3に示すように、整流布61によって前後に規制される。この膨張用ガスG1の一部は、テザー71の前側部72において後側ほど高くなるように傾斜した部分によって後上方側に導かれる。膨張用ガスG1により、バッグ本体21が折り状態を解消(展開)しながら膨張を開始する。
【0064】
バッグ本体21の膨張に伴う押上げ力により、インストルメントパネル14に形成されたエアバッグドア(図示略)が開放され、バッグ本体21の展開及び膨張を許容する開口(図示略)が形成される。図1に示すように、バッグ本体21は、バッグ本体21の一部を収納部15に残した状態で、上記開口を通ってインストルメントパネル14から出る。バッグ本体21は、インストルメントパネル14とウインドシールド19との間を塞ぐように、後方へ向けて展開及び膨張する。バッグ本体21は、インストルメントパネル14に支持された状態で、前方へ傾こうとする乗員P1を受け止める。
【0065】
バッグ本体21の展開及び膨張に伴い、図3及び図6に示すように、テザー71が引っ張られて緊張状態となる。バッグ本体21の膨張完了形状がテザー71によって規制される。バッグ本体21が展開及び膨張を完了したときには、乗員保護部51の車幅方向における中央部分に、前方側に向かって凹む凹部59が上下方向に沿って形成される。乗員保護部51において凹部59の左右両側から突出部58が、相対的に、後方に向かって突出する。
【0066】
そのため、図12に示すように、展開及び膨張を完了したバッグ本体21に、前方へ傾こうとする乗員P1が当たった際に、乗員保護部51において、後方側に向かって突出する左右の突出部58が、まず、乗員P1の左右の肩部PS付近を受け止める。この受け止めにより、乗員P1が前方へ傾こうとする際の運動エネルギーが低減される。
【0067】
その後、肩部PSを突出部58により拘束された乗員P1の頭部PHは、凹部59に入り込みつつ、前方へ傾くことを抑制される。そのため、乗員P1の頭部PHは、バッグ本体21から受ける反力を抑えられて、ソフトに受け止められる。
【0068】
ここで、図13に示すように、インストルメントパネル14が車幅方向に対し傾斜する傾斜部14aを有しているため、バッグ本体21は、傾斜部14aに支持されることで、前後方向に対し傾斜した状態で展開及び膨張しようとする。
【0069】
しかし、本実施形態では、図8(a)~図8(c)に示すように、バッグ本体21における集合パネル部41に支持膨張部45が形成されている。バッグ本体21に供給された膨張用ガスG1の一部は、この支持膨張部45にも流入する。この流入した膨張用ガスG1により、図2に示すように支持膨張部45が、バッグ本体21の展開及び膨張に際し、同集合パネル部41の他の箇所よりもバッグ本体21の外部へ多く突出してインストルメントパネル14に接触する。従って、図13に示すように、バッグ本体21は、前後方向に対し傾斜しない状態で後方へ向けて展開及び膨張する。バッグ本体21の後端部の車幅方向における中心部分、すなわち凹部59は、乗員P1の前方に位置し、その乗員P1を適正に受け止めることができる。
【0070】
また、突出部42b,43bと一般部42a,43aとの境界部分において、布片42,43の周縁部と周縁結合部44とが仮に角張っていると、その境界部分に対し、膨張用ガスG1の圧力による応力が集中しやすく、強度低下を招くおそれがある。
【0071】
この点、本実施形態では、図8(a)~図8(c)に示すように、布片42,43の周縁部及び周縁結合部44が、突出部42b,43bと一般部42a,43aとの境界部分で湾曲している。そのため、膨張用ガスG1の圧力により境界部分に作用する応力が分散される。湾曲した境界部分は、損傷等を起こさずに適正に展開するのに必要な高い強度を発揮する。
【0072】
なお、上記実施形態は、これを以下のように変更した変形例として実施することもできる。
・周壁パネル部26における左パネル部27に代えて、又は加えて右パネル部31が、複数の布片により構成され、かつ隣り合う布片の周縁部が周縁結合部により結合された集合パネル部41とされてもよい。
【0073】
・集合パネル部41が、2片の布片42,43によって構成される上記実施形態において、支持膨張部45が複数設けられてもよい。
・集合パネル部41は、3以上の布片によって構成されてもよい。この場合、隣り合う布片間に1つずつ支持膨張部が形成されて、集合パネル部41の全体では支持膨張部が複数形成されてもよい。
【0074】
また、隣り合う布片間に複数の支持膨張部が形成されて、集合パネル部41の全体では支持膨張部が複数形成されてもよい。
・周縁結合部44は、集合パネル部41を構成する布片42,43を互いに結合するものであればよい。従って、周縁結合部44が、布片42,43の周縁部に沿って設けられた上記実施形態とは異なり、図14に示すように、同周縁結合部44は、布片42,43の周縁部に沿わない形状となるように設けられてもよい。すなわち、布片42,43の周縁部の形状と周縁結合部44の形状とが大きく異なっていてもよい。この場合には、周縁結合部44が布片42,43の周縁部に沿っていないものの、突出部42b,43b、ひいては支持膨張部45が形成される。
【0075】
・支持膨張部45の位置及び大きさは、インストルメントパネル14における傾斜部14aの長さ、傾斜の角度等に応じて設定されることが望ましい。
・結合部76,78及び周縁結合部34~36,44,55~57は、上記縫糸を用いた縫合とは異なる手段、例えば接着剤を用いた接着によって形成されてもよい。
【0076】
・バッグ本体21内の構造が変更されてもよい。例えば、整流布61及び補強布68の少なくとも一方が省略されてもよい。
また、テザー71に加え、又は代えて、左パネル部27及び右パネル部31間に、車幅方向に延びる横テザーが架け渡されてもよい。横テザーは、バッグ本体21の展開及び膨張に伴い、車幅方向に緊張した状態となって、同方向におけるバッグ本体21の形状を規制する。
【0077】
・インフレータ17はバッグ本体21内の複数箇所に配置されてもよい。
・車両用エアバッグ装置16は、助手席13に着座している乗員P1に限らず、運転席に着座している乗員や、三人掛けの座席に着座している中央の乗員を、それぞれ衝撃から保護する車両用エアバッグにも適用可能である。
【0078】
・上記車両用エアバッグが適用される車両には、自家用車に限らず各種産業車両も含まれる。
【符号の説明】
【0079】
10…車両、14…インストルメントパネル、15…収納部、16…車両用エアバッグ装置、20…エアバッグ、21…バッグ本体、26…周壁パネル部、27…左パネル部(パネル部)、31…右パネル部(パネル部)、41…集合パネル部、42…布片、42a…一般部、42b…突出部、43…布片、43a…一般部、43b…突出部、44…周縁結合部、45…支持膨張部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
図12
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図15