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特許7183952電力変換装置、電力供給システム、および電力変換装置の制御システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】電力変換装置、電力供給システム、および電力変換装置の制御システム
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20221129BHJP
【FI】
H02M7/48 F
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019102463
(22)【出願日】2019-05-31
(65)【公開番号】P2020198678
(43)【公開日】2020-12-10
【審査請求日】2021-12-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001357
【氏名又は名称】弁理士法人つばさ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】龍 建儒
【審査官】柳下 勝幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-079133(JP,A)
【文献】米国特許第9627961(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電圧線と第1のノードとの間の経路に設けられた第1のスイッチング素子と、第2の電圧線と第1のノードとの間の経路に設けられた第2のスイッチング素子とを含む第1のスイッチング素子ペアと、
第1の電圧線と第2のノードとの間の経路に設けられた第3のスイッチング素子と、第2の電圧線と第2のノード間との間の経路に設けられた第4のスイッチング素子とを含む第2のスイッチング素子ペアと、
第1の電圧線と第3のノードとの間の経路に設けられた第5のスイッチング素子と、第2の電圧線と第3のノードとの間の経路に設けられた第6のスイッチング素子とを含む第3のスイッチング素子ペアと、
第1の出力端子、第2の出力端子、および第3の出力端子と、
前記第1のノードと前記第1の出力端子との間の第1の経路、前記第2のノードと前記第2の出力端子との間の第2の経路、および前記第3のノードと前記第3の出力端子との間の第3の経路において、前記第1のノード、前記第2のノード、および前記第3のノードから前記第1の出力端子、前記第2の出力端子、および前記第3の出力端子に向かってこの順に配置された第1の回路および第2の回路を有し、前記第1の回路は、前記第1の経路、前記第2の経路、および前記第3の経路のうちの前記第3の経路を含む2以上の経路のそれぞれに設けられたリアクトルを含み、前記第2の回路は、前記第1の経路と前記第3の経路との間に設けられた第1の容量素子と、前記第2の経路と前記第3の経路との間に設けられた第2の容量素子とを含むローパスフィルタと、
前記第1のスイッチング素子ペア、前記第2のスイッチング素子ペア、および前記第3のスイッチング素子ペアのスイッチング動作を制御可能な制御部と
を備え、
前記制御部は、
前記第1の経路における前記ローパスフィルタの出力電圧および前記第3の経路における前記ローパスフィルタの出力電圧の差電圧である第1の電圧の指令値である第1の電圧指令値を生成可能であり、
前記第2の経路における前記ローパスフィルタの出力電圧および前記第3の経路における前記ローパスフィルタの出力電圧の差電圧である第2の電圧の指令値である第2の電圧指令値を生成可能であり、
前記第1の電圧指令値、前記第1の電圧、および前記第1の出力端子に流れる第1の負荷電流に基づいて、前記第1の経路に流れる第1の電流の指令値である第1の電流指令値を生成可能であり、
前記第2の電圧指令値、前記第2の電圧、および前記第2の出力端子に流れる第2の負荷電流に基づいて、前記第2の経路に流れる第2の電流の指令値である第2の電流指令値を生成可能であり、
前記第1の電流指令値および前記第2の電流指令値に基づいて前記スイッチング動作を制御可能である
電力変換装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記第1の電流指令値および前記第2の電流指令値の和、前記第1の電流指令値および前記第2の電流指令値の差に基づいて、前記スイッチング動作を制御可能である
請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記第1の電流指令値および前記第2の電流指令値の差と、前記第1の電流および前記第2の電流の差と、前記第1の電圧および前記第2の電圧の差に基づいて、第1のデューティ比指令値を生成可能であり、
前記第1の電流指令値および前記第2の電流指令値の和と、前記第1の電流および前記第2の電流の和と、前記第1の電圧および前記第2の電圧の和に基づいて、第2のデューティ比指令値を生成可能であり、
前記第1のデューティ比指令値および前記第2のデューティ比指令値に基づいて、前記スイッチング動作を制御可能である
請求項2に記載の電力変換装置。
【請求項4】
前記制御部は、
第1の制御モード、第2の制御モード、および第3の制御モードを含む複数の制御モードの間で制御モードを切り換えることが可能であり、
前記第1の制御モードにおいては、前記第1のデューティ比指令値に基づいて、前記第1のスイッチング素子ペアおよび前記第2のスイッチング素子ペアの動作を制御するとともに、前記第2のデューティ比指令値に基づいて、前記第3のスイッチング素子ペアの動作を制御することが可能であり、
前記第2の制御モードにおいては、前記第1のデューティ比指令値に基づいて、前記第1のスイッチング素子ペアおよび前記第3のスイッチング素子ペアの動作を制御するとともに、前記第2のスイッチング素子ペアの動作を停止させることが可能であり、
前記第3の制御モードにおいては、前記第1のデューティ比指令値に基づいて、前記第2のスイッチング素子ペアおよび前記第3のスイッチング素子ペアの動作を制御するとともに、前記第1のスイッチング素子ペアの動作を停止させることが可能である
請求項3に記載の電力変換装置。
【請求項5】
前記制御部は、
第1の制御モード、第2の制御モード、および第3の制御モードを含む複数の制御モードの間で制御モードを切り換えることが可能であり、
前記第2の制御モードにおいては、前記第2の電流指令値を所定の指令値に設定可能であり、
前記第3の制御モードにおいては、前記第1の電流指令値を前記所定の指令値に設定可能である
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電力変換装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記第1の電圧、前記第2の電圧、前記第1の電流、前記第2の電流、および外部からの制御信号のうちの1つ以上に基づいて、前記制御モードを切り換えることが可能である
請求項4または請求項5のいずれか一項に記載の電力変換装置。
【請求項7】
前記第1の経路において、前記ローパスフィルタおよび前記第1の出力端子の間に設けられた第1のスイッチと、
前記第2の経路において、前記ローパスフィルタおよび前記第2の出力端子の間に設けられた第2のスイッチと、
前記第3の経路において、前記ローパスフィルタおよび前記第3の出力端子の間に設けられた第3のスイッチと
をさらに備え、
前記制御部は、
前記第1の制御モードにおいては、前記第1のスイッチ、前記第2のスイッチ、および前記第3のスイッチをオン状態にすることが可能であり、
前記第2の制御モードにおいては、前記第1のスイッチおよび前記第3のスイッチをオン状態にするとともに、前記第2のスイッチをオフ状態にすることが可能であり、
前記第3の制御モードにおいては、前記第2のスイッチおよび前記第3のスイッチをオン状態にするとともに、前記第1のスイッチをオフ状態にすることが可能である
請求項4から請求項6のいずれか一項に記載の電力変換装置。
【請求項8】
前記第1の経路に接続された第1の入力端子と、
前記第2の経路に接続された第2の入力端子と、
前記第1の経路において、前記ローパスフィルタおよび前記第1の入力端子の間に設けられた第4のスイッチと、
前記第2の経路において、前記ローパスフィルタおよび前記第2の入力端子の間に設けられた第5のスイッチと
をさらに備え、
前記複数の制御モードは、前記第1の制御モード、前記第2の制御モード、および前記第3の制御モードに加え、さらに第4の制御モードを含み、
前記制御部は、
前記第1の制御モード、前記第2の制御モード、前記第3の制御モードにおいては、前記第4のスイッチおよび前記第5のスイッチをオフ状態にすることが可能であり、
前記第4の制御モードにおいては、前記第1のスイッチ、前記第2のスイッチ、および前記第3のスイッチをオフ状態にするとともに、前記第4のスイッチおよび前記第5のスイッチをオン状態にすることが可能であり、前記スイッチング動作を制御することにより、前記第1の電圧線での電圧および前記第2の電圧線での電圧の差電圧を制御することが可能である
請求項7に記載の電力変換装置。
【請求項9】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の電力変換装置と、
前記電力変換装置の前記第1の電圧線および前記第2の電圧線に接続された直流電源と
を備え、
前記電力変換装置は、前記直流電源から供給された直流電力に基づいて交流電力を生成可能な
電力供給システム。
【請求項10】
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の電力変換装置と、
前記電力変換装置の前記第1の電圧線および前記第2の電圧線に接続された直流電源と
を備え、
前記電力変換装置は、
前記第1の経路に接続された第1の入力端子と、
前記第2の経路に接続された第2の入力端子と
を有し、
前記直流電源から供給された直流電力に基づいて交流電力を生成可能な第1の動作と、
前記第1の入力端子および前記第2の入力端子に接続された電源装置から供給された交流電力に基づいて、前記直流電源に供給する直流電力を生成可能な第2の動作と
を選択的に行うことが可能な
電力変換装置の制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直流電力を交流電力に変換する電力変換装置、電力供給システム、および電力変換装置の制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば家庭内の電子機器に電力を供給する場合に、しばしば、互いに位相が異なる2つの交流電圧を伝える2つの電圧線と、中性点電圧を伝える1つの中性線を有する、単相3線式の電力変換装置が利用される。例えば、特許文献1~3には、単相3線式の電力変換装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-231259号公報
【文献】特開2015-2657号公報
【文献】特開2015-27197号公報
【非特許文献】
【0004】
【文献】Chienru Lung, Hiroaki Kakigano, Yushi Miura, Toshifumi Ise“Implementation of Sigma-Delta Modulation Controller for Single-Phase Three-Wire Inverter in Stand-Alone Operation Applied for Hybrid Generation System for Residential Houses.”, PEDS2013, pp.680-685.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電力変換装置では、例えば、負荷が過負荷状態である場合には、その負荷に対する電力供給が停止されることが望まれており、電力供給および電力供給の停止を適切に行うことができることが期待されている。
【0006】
電力供給および電力供給の停止を適切に行うことができる電力変換装置、電力供給システム、および電力変換装置の制御システムを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の電力変換装置は、第1のスイッチング素子ペアと、第2のスイッチング素子ペアと、第3のスイッチング素子ペアと、第1の出力端子と、第2の出力端子と、第3の出力端子と、ローパスフィルタと、制御部とを備える。第1のスイッチング素子ペアは、第1の電圧線と第1のノードとの間の経路に設けられた第1のスイッチング素子と、第2の電圧線と第1のノードとの間の経路に設けられた第2のスイッチング素子とを含んでいる。第2のスイッチング素子ペアは、第1の電圧線と第2のノードとの間の経路に設けられた第3のスイッチング素子と、第2の電圧線と第2のノードとの間の経路に設けられた第4のスイッチング素子とを含んでいる。第3のスイッチング素子ペアは、第1の電圧線と第3のノードとの間の経路に設けられた第5のスイッチング素子と、第2の電圧線と第3のノードとの間の経路に設けられた第6のスイッチング素子とを含んでいる。ローパスフィルタは、第1のノードと第1の出力端子との間の第1の経路、第2のノードと第2の出力端子との間の第2の経路、および第3のノードと第3の出力端子との間の第3の経路において、第1のノード、第2のノード、および第3のノードから第1の出力端子、第2の出力端子、および第3の出力端子に向かってこの順に配置された第1の回路および第2の回路を有している。第1の回路は、第1の経路、第2の経路、および第3の経路のうちの第3の経路を含む2以上の経路のそれぞれに設けられたリアクトルを含んでいる。第2の回路は、第1の経路と第3の経路との間に設けられた第1の容量素子と、第2の経路と第3の経路との間に設けられた第2の容量素子とを含んでいる。制御部は、第1のスイッチング素子ペア、第2のスイッチング素子ペア、および第3のスイッチング素子ペアのスイッチング動作を制御可能である。上記制御部は、第1の経路におけるローパスフィルタの出力電圧および第3の経路におけるローパスフィルタの出力電圧の差電圧である第1の電圧の指令値である第1の電圧指令値を生成可能であり、第2の経路におけるローパスフィルタの出力電圧および第3の経路におけるローパスフィルタの出力電圧の差電圧である第2の電圧の指令値である第2の電圧指令値を生成可能であり、第1の電圧指令値、第1の電圧、および第1の出力端子に流れる第1の負荷電流に基づいて、第1の経路に流れる第1の電流の指令値である第1の電流指令値を生成可能であり、第2の電圧指令値、第2の電圧、および第2の出力端子に流れる第2の負荷電流に基づいて、第2の経路に流れる第2の電流の指令値である第2の電流指令値を生成可能であり、第1の電流指令値および第2の電流指令値に基づいてスイッチング動作を制御可能である。
【0008】
本発明の電力供給システムは、上記電力変換装置と、直流電源とを備えている。直流電源は、上記電力変換装置の第1の電圧線および第2の電圧線に接続される。上記電力変換装置は、直流電源から供給された直流電力に基づいて交流電力を生成可能である。
【0009】
本発明の電力変換装置の制御システムは、上記電力変換装置と、直流電源とを備えている。直流電源は、上記電力変換装置の第1の電圧線および第2の電圧線に接続される。上記電力変換装置は、第1の経路に接続された第1の入力端子と、第2の経路に接続された第2の入力端子とを有している。上記電力変換装置は、直流電源から供給された直流電力に基づいて交流電力を生成可能な第1の動作と、第1の入力端子および第2の入力端子に接続された電源装置から供給された交流電力に基づいて、直流電源に供給する直流電力を生成可能な第2の動作とを選択的に行うことが可能である。
【発明の効果】
【0010】
本発明の電力変換装置、電力供給システム、および電力変換装置の制御システムによれば、第1の経路におけるローパスフィルタの出力電圧および第3の経路におけるローパスフィルタの出力電圧の差電圧である第1の電圧の指令値である第1の電圧指令値を生成し、第2の経路におけるローパスフィルタの出力電圧および第3の経路におけるローパスフィルタの出力電圧の差電圧である第2の電圧の指令値である第2の電圧指令値を生成し、第1の電圧指令値、第1の電圧、および第1の出力端子に流れる第1の負荷電流に基づいて、第1の経路に流れる第1の電流の指令値である第1の電流指令値を生成し、第2の電圧指令値、第2の電圧、および第2の出力端子に流れる第2の負荷電流に基づいて、第2の経路に流れる第2の電流の指令値である第2の電流指令値を生成し、第1の電流指令値および第2の電流指令値に基づいてスイッチング動作を制御するようにしたので、電力供給および電力供給の停止を適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施の形態に係る電力変換装置の一構成例を表す回路図である。
図2図1に示した制御部の一構成例を表すブロック図である。
図3図1に示した電力変換装置の、ユニポーラPWM動作における一動作例を表す表である。
図4A図2に示した制御部の一動作例を表す説明図である。
図4B図2に示した制御部の他の動作例を表す説明図である。
図4C図2に示した制御部の他の動作例を表す説明図である。
図4D図2に示した制御部の他の動作例を表す説明図である。
図5図1に示した電力変換装置の一動作例を表す波形図である。
図6図1に示した電力変換装置の、バイポーラPWM動作における一動作例を表す表である。
図7図1に示した電力変換装置の一動作例を表す状態遷移図である。
図8図2に示したデューティ比生成部の一動作例を表す説明図である。
図9図2に示したデューティ比生成部の他の動作例を表す説明図である。
図10】シミュレーション条件を表す表である。
図11図1に示した電力変換装置の一動作例を表すタイミング波形図である。
図12図1に示した電力変換装置の他の動作例を表すタイミング波形図である。
図13】変形例に係るデューティ比生成部の一構成例を表すブロック図である。
図14】他の変形例に係るデューティ比生成部の一構成例を表すブロック図である。
図15】他の変形例に係る電力変換装置の一構成例を表す回路図である。
図16】他の変形例に係る電力変換装置の一構成例を表す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
[構成例]
図1は、本発明の一実施の形態に係る電力変換装置(電力変換装置1)の一構成例を表すものである。この電力変換装置1は、単相3線出力動作および単相2線出力動作を選択的に行うことが可能な、自立運転を行うDC/ACインバータである。電力変換装置1は、入力端子T11,T12と、出力端子T21,T22, T23とを備えている。入力端子T11,T12には、直流電源PDCが接続されている。直流電源PDCは、例えば直流電源装置であってもよい。また、直流電源PDCは、例えば、太陽電池およびDC/DCコンバータを有し、このDC/DCコンバータが、太陽電池により生成された直流電力を変換し、変換された直流電力を電力変換装置1に供給してもよい。また、直流電源PDCは、例えば、バッテリおよびDC/DCコンバータを有し、このバッテリから供給された直流電力を変換し、変換された直流電力を電力変換装置1に供給してもよい。出力端子T21,T22,T23は、負荷装置LOADに接続されている。
【0014】
電力変換装置1は、電圧検出部21と、容量素子22と、スイッチング素子SW1~SW6と、電流検出部23U,23Wと、ローパスフィルタ29と、電圧検出部26U,26Wと、スイッチ27U,27W,27Oと、制御部30とを備えている。
【0015】
電圧検出部21は、直流バス電圧Vdcを検出するように構成される。電圧検出部21の一端は入力端子T11に導かれた電圧線L1に接続され、他端は入力端子T12に導かれた基準電圧線L2に接続される。電圧検出部21は、基準電圧線L2での電圧を基準とした電圧線L1での電圧を直流バス電圧Vdcとして検出する。そして、電圧検出部21は、検出した直流バス電圧Vdcについての情報を制御部30に供給するようになっている。
【0016】
容量素子22の一端は電圧線L1に接続され、他端は基準電圧線L2に接続される。容量素子22は、例えば、電解コンデンサを用いて構成される。容量素子22は、キャパシタンス(容量値)Cdcを有する。
【0017】
スイッチング素子SW1~SW6は、ゲート信号S1~S6に基づいてそれぞれスイッチング動作を行うように構成される。スイッチング素子SW1~SW6は、例えば絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT:Insulated Gate Bipolar Transistor)を用いて構成される。スイッチング素子SW1~SW6のそれぞれは、還流ダイオードを有している。スイッチング素子SW1の還流ダイオードのアノードは、スイッチング素子SW1のエミッタに接続され、カソードは、スイッチング素子SW1のコレクタに接続される。スイッチング素子SW2~SW6についても同様である。
【0018】
スイッチング素子SW1は、電圧線L1とノードN1との間の経路に設けられ、オン状態になることにより電圧線L1をノードN1に接続するように構成される。スイッチング素子SW1のコレクタは電圧線L1に接続され、ゲートにはゲート信号S1が供給され、エミッタはノードN1に接続される。スイッチング素子SW2は、基準電圧線L2とノードN1との間の経路に設けられ、オン状態になることにより基準電圧線L2をノードN1に接続するように構成される。スイッチング素子SW2のコレクタはノードN1に接続され、ゲートにはゲート信号S2が供給され、エミッタは基準電圧線L2に接続される。ノードN1は、スイッチング素子SW1のエミッタとスイッチング素子SW2のコレクタとの接続点である。
【0019】
スイッチング素子SW3は、電圧線L1とノードN2との間の経路に設けられ、オン状態になることにより電圧線L1をノードN2に接続するように構成される。スイッチング素子SW3のコレクタは電圧線L1に接続され、ゲートにはゲート信号S3が供給され、エミッタはノードN2に接続される。スイッチング素子SW4は、基準電圧線L2とノードN2との間の経路に設けられ、オン状態になることにより基準電圧線L2をノードN2に接続するように構成される。スイッチング素子SW4のコレクタはノードN2に接続され、ゲートにはゲート信号S4が供給され、エミッタは基準電圧線L2に接続される。ノードN2は、スイッチング素子SW3のエミッタとスイッチング素子SW4のコレクタとの接続点である。
【0020】
スイッチング素子SW5は、電圧線L1とノードN3との間の経路に設けられ、オン状態になることにより電圧線L1をノードN3に接続するように構成される。スイッチング素子SW5のコレクタは電圧線L1に接続され、ゲートにはゲート信号S5が供給され、エミッタはノードN3に接続される。スイッチング素子SW6は、基準電圧線L2とノードN3との間の経路に設けられ、オン状態になることにより基準電圧線L2をノードN3に接続するように構成される。スイッチング素子SW6のコレクタはノードN3に接続され、ゲートにはゲート信号S6が供給され、エミッタは基準電圧線L2に接続される。ノードN3は、スイッチング素子SW5のエミッタとスイッチング素子SW6のコレクタとの接続点である。
【0021】
電流検出部23Uは、ノードN1から出力端子T21への経路に設けられ、ノードN1からローパスフィルタ29に向かって流れる電流i_uを検出するように構成される。電流検出部23Uの一端はノードN1に接続され、他端はローパスフィルタ29に接続される。電流検出部23Uは、検出した電流i_uについての情報を制御部30に供給するようになっている。
【0022】
電流検出部23Wは、ノードN2から出力端子T22への経路に設けられ、ノードN2からローパスフィルタ29に向かって流れる電流i_wを検出するように構成される。電流検出部23Wの一端はノードN2に接続され、他端はローパスフィルタ29に接続される。電流検出部23Wは、検出した電流i_wについての情報を制御部30に供給するようになっている。
【0023】
ローパスフィルタ29は、ノードN1から出力端子T21への経路、ノードN2から出力端子T22への経路、およびノードN3から出力端子T23への経路に設けられ、ノードN1における電圧とノードN3における電圧の電圧差に含まれる高周波数成分を除去するとともに、ノードN2における電圧とノードN3における電圧の電圧差に含まれる高周波数成分を除去するように構成される。ローパスフィルタ29は、ACリアクトル24U,24W,24Oと、容量素子25U,25Wとを有している。
【0024】
ACリアクトル24Uの一端は電流検出部23Uの他端に接続され、他端はU相電圧線ULに接続される。ACリアクトル24Uは、インダクタンスLuおよび内部抵抗値Ruを有している。ACリアクトル24Wの一端は電流検出部23Wの他端に接続され、他端はW相電圧線WLに接続される。ACリアクトル24Wは、インダクタンスLwおよび内部抵抗値Rwを有している。ACリアクトル24Oの一端はノードN3に接続され、他端は中性線OLに接続される。ACリアクトル24Oは、インダクタンスLoおよび内部抵抗値Roを有している。
【0025】
インダクタンスLu,Lw,Loは、互いに等しくてもよいし、インダクタンスLu,Lw,Loのうちの1以上が異なっていてもよい。同様に、内部抵抗値Ru,Rw,Roは、互いに等しくてもよいし、内部抵抗値Ru,Rw,Roのうちの1以上が異なっていてもよい。また、この例では、3つのACリアクトル24U,24W,24Oを設けたが、これに限定されるものではなく、例えば、ACリアクトル24U,24Wのうちの一方を省いてもよい。
【0026】
容量素子25Uの一端はU相電圧線ULに接続され、他端は中性線OLに接続される。容量素子25Uは、キャパシタンス(容量値)Cuおよび内部抵抗値Rcuを有している。 容量素子25Wの一端はW相電圧線WLに接続され、他端は中性線OLに接続される。容量素子25Wは、キャパシタンス(容量値)Cwおよび内部抵抗値Rcwを有している。容量素子25U,25Wは、例えばACフィルムコンデンサを用いて構成される。容量素子25U,25Wは、例えば、EMI(Electro Magnetic Interference)フィルタ回路のいわゆるXコンデンサであってもよい。
【0027】
この構成により、ローパスフィルタ29は、例えばサイン波形状を有するU相の交流電圧をU相電圧線ULに出力するとともに、例えばサイン波形状を有するW相の交流電圧をW相電圧線WLに出力するようになっている。
【0028】
電圧検出部26Uは、ローパスフィルタ29から出力されたU相の交流電圧に係る電圧e_uoを検出するように構成される。電圧検出部26Uの一端はU相電圧線ULに接続され、他端は中性線OLに接続される。電圧検出部26Uは、中性線OLでの電圧を基準としたU相電圧線ULでの電圧を電圧e_uoとして検出する。電圧検出部26Uは、検出した電圧e_uoについての情報を制御部30に供給するようになっている。
【0029】
電圧検出部26Wは、ローパスフィルタ29から出力されたW相の交流電圧に係る電圧e_woを検出するように構成される。電圧検出部26Wの一端はW相電圧線WLに接続され、他端は中性線OLに接続される。電圧検出部26Wは、中性線OLでの電圧を基準としたW相電圧線WLでの電圧を電圧e_woとして検出する。電圧検出部26Wは、検出した電圧e_woについての情報を制御部30に供給するようになっている。
【0030】
スイッチ27Uは、オン状態になることにより、U相電圧線ULを負荷装置LOADに接続するように構成される。スイッチ27Uは、例えばリレーを用いて構成される。スイッチ27Uの一端はU相電圧線ULに接続され、他端は出力端子T21に接続される。スイッチ27Uは、スイッチ制御信号Sstduに基づいてオンオフするようになっている。
【0031】
スイッチ27Wは、オン状態になることにより、W相電圧線WLを負荷装置LOADに接続するように構成される。スイッチ27Wは、例えばリレーを用いて構成される。スイッチ27Wの一端はW相電圧線WLに接続され、他端は出力端子T22に接続される。スイッチ27Wは、スイッチ制御信号Sstdwに基づいてオンオフするようになっている。
【0032】
スイッチ27Oは、オン状態になることにより、中性線OLを負荷装置LOADに接続するように構成される。スイッチ27Oは、例えばリレーを用いて構成される。スイッチ27Oの一端は中性線OLに接続され、他端は出力端子T23に接続される。スイッチ27Oは、スイッチ制御信号Sstdoに基づいてオンオフするようになっている。
【0033】
出力端子T21,T22,T23は、負荷装置LOADに接続される。負荷装置LOADは、一端が出力端子T21に接続され他端が出力端子T23に接続された負荷Z1と、一端が出力端子T22に接続され他端が出力端子T23に接続された負荷Z2と、一端が出力端子T21に接続され他端が出力端子T22に接続された負荷Z3とを含む。
【0034】
制御部30は、電力変換装置1の動作を制御するように構成される。制御部30は、例えば、1または複数のマイクロコントローラを用いて構成される。
【0035】
制御部30は、電圧検出部21から供給された直流バス電圧Vdcについての情報、電流検出部23U,23Wから供給された電流i_u,i_wについての情報、および電圧検出部26U,26Wから供給された電圧e_uo,e_woについての情報に基づいて、スイッチング素子SW1~SW6に供給するゲート信号S1~S6を生成する。制御部30は、サンプリング周波数fsでサンプリングするAD変換回路を有している。そして、制御部30は、周期Ts(例えば50μsec.(=1/20kHz))ごとに、例えば、電圧検出部21から供給された直流バス電圧Vdcについての情報に基づいてAD変換を行うことにより、直流バス電圧Vdcを示すデジタル値を求め、このデジタル値に基づいて制御を行う。電流i_u,i_w、電圧e_uo,e_woについても同様である。以下、AD変換されたデジタル値を表すものとして、直流バス電圧Vdc、電流i_u,i_w、電圧e_uo,e_woを適宜用いる。スイッチング素子SW1~SW6は、制御部30が生成したゲート信号S1~S6に基づいてオンオフする。
【0036】
制御部30は、後述するように、単相3線出力モードおよび単相2線出力モードを含む複数の制御モードMを有している。例えば、制御モードMが単相3線出力モードである場合において、例えば、負荷装置LOADに供給される電流に過電流が生じ、あるいは負荷装置LOADに供給される電圧に過電圧が生じた場合に、制御部30は、制御モードMを単相3線出力モードから単相2線出力モードに変更する。そして、制御部30は、このような過電流や過電圧が解消した場合に、制御モードMを単相3線出力モードに戻すようになっている。また、制御部30は、外部から供給された制御信号CTLに基づいて、制御モードMを単相2線出力モードや単相3線出力モードに選択的に設定することができるようになっている。
【0037】
制御部30は、例えば、制御モードMが例えば単相3線出力モードである場合に、スイッチング素子SW1~SW4の動作を制御することにより、U-W間の電圧e_uwの電圧振幅を制御するとともに、スイッチング素子SW5,SW6の動作を制御することにより、電圧e_uoおよび電圧e_woの電圧バランスを保つように、中性点(中性線OL)の電圧を制御する。スイッチング素子SW1~SW4を用いた電圧e_uwの制御を、以下では、差動モード(DM:Differential Mode)制御とも呼ぶ。また、スイッチング素子SW5,SW6を用いた中性点の電圧の制御を、以下では、コモンモード(CM:Common Mode)制御とも呼ぶ。
【0038】
次に、電力変換装置1における動作を表す式について、以下に説明する。
【数1】
【数2】
【数3】
【0039】
式EQ1は、差動モード制御において使用する、DM電圧e_dm、DM電流i_dm、DM電圧v_dm、DMインダクタンスLdm、およびDM抵抗値Rdmの定義を示す。第1式は、DM電圧e_dmが、電圧検出部26Uにより検出された電圧e_uo、および電圧検出部26Wにより検出された電圧e_woの差であることを示す。この電圧e_uoおよび電圧e_woの差は、U-W間の電圧e_uwである。第2式は、DM電流i_dmが、電流検出部23Uにより検出された電流i_u、および電流検出部23Wにより検出された電流i_wの差であることを示す。第3式は、DM電圧v_dmが、ノードN1における電圧v_u、およびノードN2における電圧v_wの差であることを示す。第4式は、DMインダクタンスLdmが、ACリアクトル24UのインダクタンスLu、およびACリアクトル24WのインダクタンスLwの差であることを示す。第5式は、DM抵抗値Rdmが、ACリアクトル24Uの内部抵抗値Ru、およびACリアクトル24Wの内部抵抗値Rwの差であることを示す。
【0040】
式EQ2は、コモンモード制御において使用する、CM電圧e_cm、CM電流i_cm、CM電圧v_cm、CMインダクタンスLcm、およびCM抵抗値Rcmの定義を示す。第1式は、CM電圧e_cmが、電圧検出部26Uにより検出された電圧e_uo、および電圧検出部26Wにより検出された電圧e_woの和であることを示す。第2式は、CM電流i_cmが、電流検出部23Uにより検出された電流i_u、および電流検出部23Wにより検出された電流i_wの和であることを示す。また、この第2式は、このCM電流i_cmが、ACリアクトル24OからノードN3に向かって流れる電流i_oであることをも示している。第3式は、CM電圧v_cmが、ノードN1における電圧v_u、およびノードN2における電圧v_wの和であることを示す。また、この第3式は、このCM電圧V_cmが、ノードN3における電圧v_oであることをも示している。第4式は、CMインダクタンスLcmが、ACリアクトル24OのインダクタンスLoであることを示す。第5式は、CM抵抗値Rcmが、ACリアクトル24Oの内部抵抗値Roであることを示す。
【0041】
式EQ3の第1式は、ノードN1における電圧v_uが、スイッチング素子SW1,SW2のデューティ比d_uおよび直流バス電圧Vdcの積であることを示し、第2式は、ノードN3における電圧v_oが、スイッチング素子SW5,SW6のデューティ比d_oおよび直流バス電圧Vdcの積であることを示し、第3式は、ノードN2における電圧v_wが、スイッチング素子SW3,SW4のデューティ比d_wおよび直流バス電圧Vdcの積であることを示す。
【0042】
これらの式EQ1~EQ3、キルヒホッフの電圧則、およびキルヒホッフの電流則を用いることにより、以下の式EQ4が得られる。
【数4】
式EQ4の第1式は、DM電圧v_dmが、DMインダクタンスLdmおよびDM電流i_dmの微分の積と、DM抵抗値RdmおよびDM電流i_dmの積と、DM電圧e_dmとの和であることを示す。第2式は、DM電圧v_dmが、DMデューティ比d_dmおよび直流バス電圧Vdcの積であることを示す。第3式は、CM電圧v_cmが、CM電圧e_cmから、CMインダクタンスLcmおよびCM電流i_cmの微分の積と、CM抵抗値RcmおよびCM電流i_cmの積とを減算したものであることを示す。第4式は、CM電圧v_cmが、CMデューティ比d_cmおよび直流バス電圧Vdcの積であることを示す。第5式は、電流i_uが、容量素子25UのキャパシタンスCuおよび電圧e_uoの微分の積と、出力端子T21に流れる負荷電流i_lduとの和であることを示す。第6式は、電流i_wが、容量素子25WのキャパシタンスCwおよび電圧e_woの微分の積と、出力端子T22に流れる負荷電流i_ldwとの和であることを示す。
【0043】
この例では、負荷電流i_ldu,i_ldwは、以下の式EQ5,EQ6を用いて推定される。
【数5】
【数6】
式EQ5の第1式は、負荷電流i_lduが、電流i_uと、U相電圧線ULから容量素子25Uに向かって流れる電流i_cuとの差であることを示す。第2式は、負荷電流i_ldwが、電流i_wと、W相電圧線WLから容量素子25Wに向かって流れる電流i_cwとの差であることを示す。第3式および第4式は、電流i_cu,i_cwが、サイン波形状を有する波形を用いて推定されることを示す式である。Euormsは、電圧e_uoの実効値であり、Ewormsは、電圧e_woの実効値であり、fsdは自立運転周波数fsd(例えば60Hz)であり、θsdは、位相角度である。この位相角度θsdは、時間tの関数であり、自立運転周波数fsd(例えば60Hz)に応じて変化するものである。
【0044】
式EQ6の第1式および第2式は、実効値Euorms,Ewormsを算出するための式である。第7式は、電圧e_uo,e_woの周期Tsdは自立運転周波数fsdの逆数であることを示している。この例では、電圧e_uo,e_woの周期Tsdの半分を単位として、実効値Euorms,Ewormsを算出している。これにより、電圧e_uoに基づいて電流i_cuを算出する処理、および電圧e_woに基づいて電流i_cwを算出する処理の応答性の向上を図っている。
【0045】
次に、制御部30の具体的な構成について説明する。
【0046】
図2は、制御部30の一構成例を表すものである。制御部30は、デューティ比生成部40と、駆動部60と、電力供給制御部31とを有している。
【0047】
デューティ比生成部40は、電圧検出部21により検出された直流バス電圧Vdc、電流検出部23U,23Wにより検出された電流i_u,i_w、電圧検出部26U,26Wにより検出されたe_uo,e_wo、電力供給制御部31から供給された制御信号Sgbu,Sgbwに基づいて、DMデューティ比指令値d_dm*およびCMデューティ比指令値d_cm*を生成するように構成される。デューティ比生成部40は、電圧指令値生成部41と、電流推定部42と、減算部43,44と、U相電圧制御部45と、W相電圧制御部46と、減算部47と、加算部48と、減算部51,52と、加算部53,54と、DM電流制御部55と、CM電流制御部56とを有している。このデューティ比生成部40の演算処理において用いられる式EQ7,EQ8を以下に示す。
【数7】
【数8】
【0048】
式EQ7は、DMデューティ比指令値d_dm*、CMデューティ比指令値d_cm*、電流指令値i_u*,i_w*、電圧指令値e_uo*,e_wo*を示す。DMデューティ比指令値d_dm*は、DMデューティ比d_dmの指令値であり、CMデューティ比指令値d_cm*は、CMデューティ比d_cmの指令値である。電流指令値i_u*は、電流i_uの指令値であり、電流指令値i_w*は、電流i_wの指令値である。電圧指令値e_uo*は、電圧e_uoの指令値であり、電圧指令値e_wo*は、電圧e_woの指令値である。式EQ7の第1式は、式EQ4の第1式および第2式に基づいて得られる。式EQ7の第2式は、式EQ4の第3式および第4式に基づいて得られる。式EQ7の第3式は、式EQ4の第5式に基づいて得られ、式EQ7の第4式は、式EQ4の第6式に基づいて得られる。
【0049】
電圧指令値生成部41は、電力供給制御部31から供給された制御信号Sgbu,Sgbwに基づいて、式EQ7の第5式および第6式を用いることにより、電圧指令値e_uo*,e_wo*を生成するように構成される。Emaxは、電圧e_uo,e_woの電圧振幅である。制御信号Sgbu,Sgbwは、後述するように、“1”または“0”を取り得る信号である。電圧指令値e_uo*は、制御信号Sgbuが“1”である場合には交流の指令値であり、制御信号Sgbuが“0”である場合には“0”である。同様に、電圧指令値e_wo*は、制御信号Sgbwが“1”である場合には交流の指令値であり、制御信号Sgbwが“0”である場合には“0”である。
【0050】
電流推定部42は、電圧e_uo,e_woに基づいて、式EQ5の第3式を用いることにより、容量素子25Uに流れる電流i_cuを推定するとともに、式EQ5の第4式を用いることにより、容量素子25Wに流れる電流i_cwを推定するように構成される。この式EQ5の第3式において、実効値Euormsは、電圧e_uoに基づいて、例えば、式EQ6の第1式を用いて求めることができる。同様に、式EQ5の第4式において、実効値Ewormsは、電圧e_woに基づいて、例えば、式EQ6の第2式を用いて求めることができる。
【0051】
減算部43は、電流i_uおよび電流i_cuに基づいて、式EQ5の第1式に示したように、電流i_uから電流i_cuを減算することにより、負荷電流i_lduを算出するように構成される。
【0052】
減算部44は、電流i_wおよび電流i_cwに基づいて、式EQ5の第2式に示したように、電流i_wから電流i_cwを減算することにより、負荷電流i_ldwを算出するように構成される。
【0053】
U相電圧制御部45は、電圧指令値e_uo*、電圧e_uo、および負荷電流i_lduに基づいて、式EQ7の第3式を用いることにより、電流指令値i_u*を生成するように構成される。この第3式における電圧e_uoの微分は、例えば、式EQ8の第1式に示したように、電圧指令値e_uo*と電圧e_uoとの差を周期Tsで除算することにより求めることができる。制御部30は、このU相電圧制御部45を用いたループ制御により、電圧e_uoが電圧指令値e_uo*と同程度になるように制御する。
【0054】
W相電圧制御部46は、電圧指令値e_wo*、電圧e_wo、および負荷電流i_ldwに基づいて、式EQ7の第4式を用いることにより、電流指令値i_w*を生成するように構成される。この第4式における電圧e_woの微分は、例えば、式EQ8の第2式に示したように、電圧指令値e_wo*と電圧e_woとの差を周期Tsで除算することにより求めることができる。制御部30は、このW相電圧制御部46を用いたループ制御により、電圧e_woが電圧指令値e_wo*と同程度になるように制御する。
【0055】
減算部47は、電流指令値i_u*,i_w*に基づいて、式EQ1の第2式と同様に、電流指令値i_u*および電流指令値i_w*の差を算出することにより、DM電流指令値i_dm*を生成するように構成される。
【0056】
加算部48は、電流指令値i_u*,i_w*に基づいて、式EQ2の第2式と同様に、電流指令値i_u*および電流指令値i_w*の和を算出することにより、CM電流指令値i_cm*を生成するように構成される。
【0057】
減算部51は、電圧e_uo,e_woに基づいて、式EQ1の第1式を用いることにより、DM電圧e_dmを生成するように構成される。減算部52は、電流i_u,i_wに基づいて、式EQ1の第2式を用いることにより、DM電流i_dmを生成するように構成される。
【0058】
加算部53は、電圧e_uo,e_woに基づいて、式EQ2の第1式を用いることにより、CM電圧e_cmを生成するように構成される。加算部54は、電流i_u,i_wに基づいて、式EQ2の第2式を用いることにより、CM電流i_cmを生成するように構成される。
【0059】
DM電流制御部55は、DM電流指令値i_dm*、DM電流i_dm、DM電圧e_dm、および直流バス電圧Vdcに基づいて、式EQ7の第1式を用いることにより、DMデューティ比指令値d_dm*を生成するように構成される。この第1式におけるDM電流i_dmの微分は、式EQ8の第3式に示したように、DM電流指令値i_dm*とDM電流i_dmとの差を周期Tsで除算することにより求めることができる。制御部30は、このDM電流制御部55を用いたループ制御により、DM電流i_dmがDM電流指令値i_dm*と同程度になるように制御する。
【0060】
CM電流制御部56は、CM電流指令値i_cm*、CM電流i_cm、CM電圧e_cm、および直流バス電圧Vdcに基づいて、式EQ7の第2式を用いることにより、CMデューティ比指令値d_cm*を生成するように構成される。この第2式におけるCM電流i_cmの微分は、式EQ8の第4式に示したように、CM電流指令値i_cm*とCM電流i_cmとの差を周期Tsで除算することにより求めることができる。制御部30は、このCM電流制御部56を用いたループ制御により、CM電流i_cmがCM電流指令値i_cm*と同程度になるように制御する。
【0061】
駆動部60は、DMデューティ比指令値d_dm*およびCMデューティ比指令値d_cm*に基づいてゲート信号S1~S6を生成し、ゲート信号S1,S2を用いてスイッチング素子SW1,SW2をそれぞれ駆動し、ゲート信号S3,S4を用いてスイッチング素子SW3,SW4をそれぞれ駆動し、ゲート信号S5,S6を用いてスイッチング素子SW5,SW6をそれぞれ駆動するように構成される。駆動部60は、乗算部61と、スイッチSW0と、乗算部62U,62W,62Oと、ゲート信号生成部63U,63W,63Oとを有している。
【0062】
乗算部61は、DMデューティ比指令値d_dm*および制御信号PWMSWを互いに乗算するように構成される。制御信号PWMSWは、電力変換装置1がユニポーラPWM(Pulse Width Modulation)動作を行うときに“-1”に設定され、電力変換装置1がバイポーラPWM動作を行うときに“1”に設定されるようになっている。
【0063】
スイッチSW0は、制御信号SELに基づいて、3つの端子T0,T1,T2のうちの1つを選択し、選択された端子に供給されたデューティ比指令値を乗算部62Oに供給するように構成される。
【0064】
乗算部62Uは、DMデューティ比指令値d_dm*および制御信号Sgbuを互いに乗算することによりデューティ比指令値d_u*を生成するように構成される。制御信号Sgbuは、後述するように、“1”または“0”を取り得る信号である。デューティ比指令値d_u*は、制御信号Sgbuが“1”である場合にはDMデューティ比指令値d_dm*であり、制御信号Sgbuが“0”である場合には“0”である。
【0065】
ゲート信号生成部63Uは、デューティ比指令値d_u*に基づいて、PWMを用いて、ゲート信号S1,S2を生成するように構成される。また、ゲート信号生成部63Uは、制御信号Sgbuに基づいて、ゲート信号S1,S2の生成を停止する機能をも有している。具体的には、ゲート信号生成部63Uは、制御信号Sgbuが“1”である場合には、デューティ比指令値d_u*に基づいてゲート信号S1,S2を生成し、制御信号Sgbuが“0”である場合には、ゲート信号S1,S2を低レベルに設定する。図1に示したスイッチング素子SW1,SW2は、低レベルであるゲート信号S1,S2に基づいてオフ状態になる。このように、制御信号Sgbuは、スイッチング素子SW1,SW2の、いわゆるゲートブロック信号として機能する。
【0066】
乗算部62Wは、乗算部61の出力値および制御信号Sgbwを互いに乗算することによりデューティ比指令値d_w*を生成するように構成される。制御信号Sgbwは、後述するように、“1”または“0”を取り得る信号である。デューティ比指令値d_w*は、制御信号Sgbwが“1”である場合には乗算部61の出力値であり、制御信号Sgbwが“0”である場合には“0”である。
【0067】
ゲート信号生成部63Wは、デューティ比指令値d_w*に基づいて、PWMを用いて、ゲート信号S3,S4を生成するように構成される。また、ゲート信号生成部63Wは、制御信号Sgbwに基づいて、ゲート信号S3,S4の生成を停止する機能をも有している。具体的には、ゲート信号生成部63Wは、制御信号Sgbwが“1”である場合には、デューティ比指令値d_w*に基づいてゲート信号S3,S4を生成し、制御信号Sgbwが“0”である場合には、ゲート信号S3,S4を低レベルに設定する。図1に示したスイッチング素子SW3,SW4は、低レベルであるゲート信号S3,S4に基づいてオフ状態になる。このように、制御信号Sgbwは、スイッチング素子SW3,SW4の、いわゆるゲートブロック信号として機能する。
【0068】
乗算部62Oは、スイッチSW0の出力値および制御信号Sgboを互いに乗算することによりデューティ比指令値d_o*を生成するように構成される。制御信号Sgboは、後述するように、“1”または“0”を取り得る信号である。デューティ比指令値d_o*は、制御信号Sgboが“1”である場合にはスイッチSW0の出力値であり、制御信号Sgboが“0”である場合には“0”である。
【0069】
ゲート信号生成部63Oは、デューティ比指令値d_o*に基づいて、PWMを用いて、ゲート信号S5,S6を生成するように構成される。また、ゲート信号生成部63Oは、制御信号Sgboに基づいて、ゲート信号S5,S6の生成を停止する機能をも有している。具体的には、ゲート信号生成部63Oは、制御信号Sgboが“1”である場合には、デューティ比指令値d_o*に基づいてゲート信号S5,S6を生成し、制御信号Sgboが“0”である場合には、ゲート信号S5,S6を低レベルに設定する。図1に示したスイッチング素子SW5,SW6は、低レベルであるゲート信号S5,S6に基づいてオフ状態になる。このように、制御信号Sgboは、スイッチング素子SW5,SW6の、いわゆるゲートブロック信号として機能する。
【0070】
電力供給制御部31は、電圧e_uo,e_wo、電流i_u,i_w、および制御信号CTLに基づいて、制御信号Sgbu,Sgbw,Sgbo、制御信号PWMSEL,SEL、およびスイッチ制御信号Sstdu,Sstdw,Sstdoを生成することにより、電力変換装置1の負荷装置LOADへの電力供給動作を制御するように構成される。
【0071】
電力供給制御部31は、制御信号Sgbu,Sgbw,Sgboに基づいて、以下の式EQ9を用いて、制御信号SELを生成する。
【数9】
スイッチSW0では、制御信号SELが“0”を示すである場合には端子T0が選択され、制御信号SELが“1”である場合には端子T1が選択され、制御信号SELが“2”である場合には端子T2が選択されるようになっている。
【0072】
制御部30は、4つの制御モード(出力停止モードMA、単相3線出力モードMB、単相2線出力(U-O)モードMC、単相2線出力(W-O)モードMD)を有している。出力停止モードMAは、負荷装置LOADへの電力出力を停止するモードである。単相3線出力モードMBは、電力変換装置1が単相3線式の電力変換装置として動作することにより、負荷装置LOADへ電力を供給するモードである。単相2線出力(U-O)モードMCは、電力変換装置1が単相2線式の電力変換装置として動作することにより、2つの出力端子T21,T23を介して、負荷装置LOADへ電力を供給するモードである。単相2線出力(W-O)モードMDは、電力変換装置1が単相2線式の電力変換装置として動作することにより、2つの出力端子T22,T23を介して、負荷装置LOADへ電力を供給するモードである。
【0073】
電力供給制御部31は、例えば、電力変換装置1が単相3線出力モードMBで動作している場合において、例えば電圧e_woにおける過電圧や電流i_wにおける過電流を検出した場合には、W相電圧の生成を停止し、電力変換装置1が単相2線出力(U-O)モードMCで動作するように制御する。また、電力供給制御部31は、例えば、電力変換装置1が単相3線出力モードMBで動作している場合において、例えば電圧e_uoにおける過電圧や電流i_uにおける過電流を検出した場合には、U相電圧の生成を停止し、電力変換装置1が単相2線出力(W-O)モードMDで動作するように制御するようになっている。
【0074】
以下に、まず、電力変換装置1がユニポーラPWM動作を行う場合の例について詳細に説明する。そして、その後、電力変換装置1がバイポーラPWM動作を行う場合の例について簡単に説明する。
【0075】
図3は、電力変換装置1がユニポーラPWM動作を行う場合における、電力供給制御部31の一動作例を表すものである。図4A~4Dは、電力変換装置1がユニポーラPWM動作を行う場合における、駆動部60の一動作例を表すものであり、図4Aは、出力停止モードMAにおける動作を示し、図4Bは、単相3線出力モードMBにおける動作を示し、図4Cは、単相2線出力(U-O)モードMCにおける動作を示し、図4Dは、単相2線出力(W-O)モードMDにおける動作を示す。図4A~4Dでは、3つのゲート信号生成部63U,63O,63Wのうち、動作を停止するゲート信号生成部を破線で示している。ユニポーラPWM動作では、制御信号PWMSWが“-1”に設定される。図5は、電力変換装置1の出力電圧波形の一例を表すものであり、(A)は単相3線出力モードMBにおける動作を示し、(B)は単相2線出力(U-O)モードMCにおける動作を示す。
【0076】
出力停止モードMAでは、図3に示したように、電力供給制御部31は、スイッチ制御信号Sstdu,Sstdo,Sstdwを介して、スイッチ27U,27O,27Wを、“OFF”,“OFF”,“OFF”にそれぞれ設定する。これにより、電力変換装置1は、負荷装置LOADと電気的に切断される。また、電力供給制御部31は、制御信号Sgbu,Sgbo,Sgbwを、“0”,“0”,“0”にそれぞれ設定するとともに、制御信号SELを介して、スイッチSW0が端子T0を選択するように制御する。これにより、図3,4Aに示したように、デューティ比指令値d_u*,d_o*,d_w*は、“0”,“0”,“0”にそれぞれ設定される。そして、ゲート信号生成部63Uは、ゲート信号S1,S2を低レベルに設定し、ゲート信号生成部63Oは、ゲート信号S5,S6を低レベルに設定し、ゲート信号生成部63Wは、ゲート信号S3,S4を低レベルに設定する。これにより、全てのスイッチング素子SW1~SW6がオフ状態になる。このようにして、電力変換装置1は、負荷装置LOADへの電力出力を停止するようになっている。
【0077】
単相3線出力モードMBでは、図3に示したように、電力供給制御部31は、スイッチ制御信号Sstdu,Sstdo,Sstdwを介して、スイッチ27U,27O,27Wを、“ON”,“ON”,“ON”にそれぞれ設定する。これにより、電力変換装置1は、3つの出力端子T21,T22,T23を介して負荷装置LOADと電気的に接続される。また、電力供給制御部31は、制御信号Sgbu,Sgbo,Sgbwを、“1”,“1”,“1”にそれぞれ設定するとともに、制御信号SELを介して、スイッチSW0が端子T1を選択するように制御する。これにより、図3,4Bに示したように、デューティ比指令値d_u*,d_o*,d_w*は、“d_dm*”,“d_cm*”,“-d_dm*”にそれぞれ設定される。ゲート信号生成部63Uは、デューティ比指令値d_u*(“d_dm*”)に基づいてゲート信号S1,S2を生成し、ゲート信号生成部63Oは、デューティ比指令値d_o*(“d_cm*”)に基づいてゲート信号S5,S6を生成し、ゲート信号生成部63Wは、デューティ比指令値d_w*(“-d_dm*”)に基づいてゲート信号S3,S4を生成する。スイッチング素子SW1,SW2はゲート信号S1,S2に基づいてオンオフし、スイッチング素子SW5,SW6はゲート信号S5,S6に基づいてオンオフし、スイッチング素子SW3,SW4はゲート信号S3,S4に基づいてオンオフする。制御部30は、スイッチング素子SW1~SW4の動作を制御することにより、電圧e_uwの電圧振幅を制御するとともに、スイッチング素子SW5,SW6の動作を制御することにより、電圧e_uoおよび電圧e_woの電圧バランスを保つように、中性点(中性線OL)の電圧を制御する。これにより、図5(A)に示したように、出力端子T21での電圧e_u、および出力端子T22での電圧e_wは、互いに逆極性の交流波形になり、出力端子T23での電圧e_oは、約0Vになる。このようにして、電力変換装置1は、単相3線出力動作を行うようになっている。
【0078】
単相2線出力(U-O)モードMCでは、図3に示したように、電力供給制御部31は、スイッチ制御信号Sstdu,Sstdo,Sstdwを介して、スイッチ27U,27O,27Wを、“ON”,“ON”,“OFF”にそれぞれ設定する。これにより、電力変換装置1は、2つの出力端子T21,T23を介して負荷装置LOADと電気的に接続される。また、電力供給制御部31は、制御信号Sgbu,Sgbo,Sgbwを、“1”,“1”,“0”にそれぞれ設定するとともに、制御信号SELを介して、スイッチSW0が端子T2を選択するように制御する。これにより、図3,4Cに示したように、デューティ比指令値d_u*,d_o*,d_w*は、“d_dm*”,“-d_dm*”,“0”にそれぞれ設定される。ゲート信号生成部63Uは、デューティ比指令値d_u*(“d_dm*”)に基づいてゲート信号S1,S2を生成し、ゲート信号生成部63Oは、デューティ比指令値d_o*(“-d_dm*”)に基づいてゲート信号S5,S6を生成し、ゲート信号生成部63Wは、ゲート信号S3,S4を低レベルに設定する。スイッチング素子SW1,SW2はゲート信号S1,S2に基づいてオンオフし、スイッチング素子SW5,SW6はゲート信号S5,S6に基づいてオンオフし、スイッチング素子SW3,SW4はゲート信号S3,S4に基づいてオフ状態になる。制御部30は、スイッチング素子SW1,SW2,SW5,SW6の動作を制御することにより、電圧e_uoの電圧振幅を制御する。これにより、図5(B)に示したように、出力端子T21での電圧e_u、および出力端子T23での電圧e_oは、互いに逆極性の交流波形になる。このようにして、電力変換装置1は、単相2線出力動作を行うようになっている。
【0079】
単相2線出力(W-O)モードMDでは、図3に示したように、電力供給制御部31は、スイッチ制御信号Sstdu,Sstdo,Sstdwを介して、スイッチ27U,27O,27Wを、“OFF”,“ON”,“ON”にそれぞれ設定する。これにより、電力変換装置1は、2つの出力端子T22,T23を介して負荷装置LOADと電気的に接続される。また、電力供給制御部31は、制御信号Sgbu,Sgbo,Sgbwを、“0”,“1”,“1”にそれぞれ設定するとともに、制御信号SELを介して、スイッチSW0が端子T0を選択するように制御する。これにより、図3,4Dに示したように、デューティ比指令値d_u*,d_o*,d_w*は、“0”,“d_dm*”,“-d_dm*”にそれぞれ設定される。ゲート信号生成部63Uは、ゲート信号S1,S2を低レベルに設定し、ゲート信号生成部63Oは、デューティ比指令値d_o*(“d_dm*”)に基づいてゲート信号S5,S6を生成し、ゲート信号生成部63Wは、デューティ比指令値d_w*(“-d_dm*”)に基づいてゲート信号S3,S4を生成する。スイッチング素子SW1,SW2はゲート信号S1,S2に基づいてオフ状態になり、スイッチング素子SW5,SW6はゲート信号S5,S6に基づいてオンオフし、スイッチング素子SW3,SW4はゲート信号S3,S4に基づいてオンオフする。制御部30は、スイッチング素子SW3~SW6の動作を制御することにより、電圧e_woの電圧振幅を制御する。これにより、単相2線出力(U-O)モードMC(図5(B))と同様に、出力端子T22での電圧e_w、および出力端子T23での電圧e_oは、互いに逆極性の交流波形になる。このようにして、電力変換装置1は、単相2線出力動作を行うようになっている。
【0080】
図6は、電力変換装置1がバイポーラPWM動作を行う場合における、電力供給制御部31の一動作例を表すものである。制御信号Sgbu,Sgbo,Ssbw、スイッチ27U,27O,27W、およびスイッチSW0の設定は、ユニポーラPWM動作の場合(図3)と同様である。一方、バイポーラPWM動作では、制御信号PWMSWが“1”に設定されるので、デューティ比指令値d_u*,d_o*,d_w*が、ユニポーラPWM動作の場合とは異なる。
【0081】
具体的には、単相3線出力モードMBでは、デューティ比指令値d_u*,d_o*,d_w*は、“d_dm*”,“d_cm*”,“d_dm*”にそれぞれ設定される。ゲート信号生成部63Uは、デューティ比指令値d_u*(“d_dm*”)に基づいてゲート信号S1,S2を生成し、ゲート信号生成部63Oは、デューティ比指令値d_o*(“d_cm*”)に基づいてゲート信号S5,S6を生成し、ゲート信号生成部63Wは、デューティ比指令値d_w*(“d_dm*”)に基づいてゲート信号S3,S4を生成するようになっている。
【0082】
単相2線出力(U-O)モードMCは、デューティ比指令値d_u*,d_o*,d_w*は、“d_dm*”,“d_dm*”,“0”にそれぞれ設定される。ゲート信号生成部63Uは、デューティ比指令値d_u*(“d_dm*”)に基づいてゲート信号S1,S2を生成し、ゲート信号生成部63Oは、デューティ比指令値d_o*(“d_dm*”)に基づいてゲート信号S5,S6を生成し、ゲート信号生成部63Wは、ゲート信号S3,S4を低レベルに設定するようになっている。
【0083】
単相2線出力(W-O)モードMDは、デューティ比指令値d_u*,d_o*,d_w*は、“0”,“d_dm*”,“d_dm*”にそれぞれ設定される。ゲート信号生成部63Uは、ゲート信号S1,S2を低レベルに設定し、ゲート信号生成部63Oは、デューティ比指令値d_o*(“d_dm*”)に基づいてゲート信号S5,S6を生成し、ゲート信号生成部63Wは、デューティ比指令値d_w*(“d_dm*”)に基づいてゲート信号S3,S4を生成するようになっている。
【0084】
図7は、4つの制御モードMの間の状態の遷移を表すものである。
【0085】
例えば、電力変換装置1が単相3線出力モードMBで動作している場合において、電力供給制御部31が、例えば電圧e_uoにおける過電圧や電流i_uにおける過電流を検出した場合には、制御モードMは、単相3線出力モードMBから単相2線出力(W-O)モードMDに遷移する。そして、電力変換装置1が単相2線出力(W-O)モードMDで動作している場合において、このような過電圧や過電流が解消された場合には、制御モードMは、単相2線出力(W-O)モードMDから単相3線出力モードMBに遷移する。例えば、電力変換装置1が単相2線出力(W-O)モードMDで動作している場合において、さらに、電力供給制御部31が、例えば電圧e_woにおける過電圧や電流i_wにおける過電流を検出した場合には、制御モードMは、単相2線出力(W-O)モードMDから出力停止モードMAに遷移する。そして、全ての過電圧や過電流が解消された場合には、制御モードMは、出力停止モードMAから単相3線出力モードMBに遷移する。
【0086】
同様に、例えば、電力変換装置1が単相3線出力モードMBで動作している場合において、電力供給制御部31が、例えば電圧e_woにおける過電圧や電流i_wにおける過電流を検出した場合には、制御モードMは、単相3線出力モードMBから単相2線出力(U-O)モードMCに遷移する。そして、電力変換装置1が単相2線出力(U-O)モードMCで動作している場合において、このような過電圧や過電流が解消された場合には、制御モードMは、単相2線出力(U-O)モードMCから単相3線出力モードMBに遷移する。例えば、電力変換装置1が単相2線出力(U-O)モードMCで動作している場合において、さらに、電力供給制御部31が、例えば電圧e_uoにおける過電圧や電流i_uにおける過電流を検出した場合には、制御モードMは、単相2線出力(U-O)モードMCから出力停止モードMAに遷移する。そして、全ての過電圧や過電流が解消された場合には、制御モードMは、出力停止モードMAから単相3線出力モードMBに遷移する。
【0087】
同様に、例えば、電力変換装置1が単相3線出力モードMBで動作している場合において、電力供給制御部31が、例えば、電圧e_uoにおける過電圧や電流i_uにおける過電流を検出するとともに、電圧e_woにおける過電圧や電流i_wにおける過電流を検出した場合には、制御モードMは、単相3線出力モードMBから出力停止モードMAに遷移する。そして、これらの全ての過電圧や過電流が解消された場合には、制御モードMは、出力停止モードMAから単相3線出力モードMBに遷移する。
【0088】
また、電力供給制御部31は、外部から供給された制御信号CTLに基づいて、制御モードMを、出力停止モードMA、単相3線出力モードMB、単相2線出力(U-O)モードMC、および単相2線出力(W-O)モードMDのうちのいずれかに選択的に設定することができるようになっている。
【0089】
電力供給制御部31は、このようにして、4つの制御モードMにより、電力変換装置1の負荷装置LOADへの電力供給動作を制御するようになっている。
【0090】
ここで、スイッチング素子SW1,SW2,SW3,SW4,SW5,SW6は、本開示における「第1のスイッチング素子、「第2のスイッチング素子」、「第3のスイッチング素子」、「第4のスイッチング素子」、「第5のスイッチング素子」、および「第6のスイッチング素子」の一具体例にそれぞれ対応する。電圧線L1は、本開示における「第1の電圧線」の一具体例に対応し、基準電圧線L2は、本開示における「第2の電圧線」の一具体例に対応する。ノードN1は、本開示における「第1のノード」の一具体例に対応し、ノードN2は、本開示における「第2のノード」の一具体例に対応し、ノードN3は、本開示における「第3のノード」の一具体例に対応する。出力端子T21は、本開示における「第1の出力端子」の一具体例に対応し、出力端子T22は、本開示における「第2の出力端子」の一具体例に対応し、出力端子T23は、本開示における「第3の出力端子」の一具体例に対応する。ローパスフィルタ29は、本開示における「ローパスフィルタ」の一具体例に対応する。制御部30は、本開示における「制御部」の一具体例に対応する。単相3線出力モードMBは、本開示における「第1の制御モード」の一具体例に対応する。単相2線出力(U-O)モードMCは、本開示における「第2の制御モード」の一具体例に対応する。単相2線出力(W-O)モードMDは、本開示における「第3の制御モード」の一具体例に対応する。スイッチ27Uは、本開示における「第1のスイッチ」の一具体例に対応し、スイッチ27Wは、本開示における「第2のスイッチ」の一具体例に対応し、スイッチ27Oは、本開示における「第3のスイッチ」の一具体例に対応する。
【0091】
電圧e_uoは、本開示における「第1の電圧」の一具体例に対応する。電圧指令値e_uo*は、本開示における「第1の電圧指令値」の一具体例に対応する。電圧e_woは、本開示における「第2の電圧」の一具体例に対応する。電圧指令値e_wo*は、本開示における「第2の電圧指令値」の一具体例に対応する。電流i_uは、本開示における「第1の電流」の一具体例に対応する。負荷電流i_lduは、本開示における「第1の負荷電流」の一具体例に対応する。電流指令値i_u*は、本開示における「第1の電流指令値」の一具体例に対応する。電流i_wは、本開示における「第2の電流」の一具体例に対応する。負荷電流i_ldwは、本開示における「第2の負荷電流」の一具体例に対応する。電流指令値i_w*は、本開示における「第2の電流指令値」の一具体例に対応する。DMデューティ比指令値d_dm*は、本開示における「第1のデューティ比指令値」の一具体例に対応する。CMデューティ比指令値d_cm*は、本開示における「第2のデューティ比指令値」の一具体例に対応する。
【0092】
[動作および作用]
続いて、本実施の形態の電力変換装置1の動作および作用について説明する。
【0093】
(全体動作概要)
まず、図1,2を参照して、電力変換装置1の全体動作概要を説明する。
【0094】
出力停止モードMAでは、制御部30は、スイッチ27U,27O,27Wを、“OFF”,“OFF”,“OFF”にそれぞれ設定する。これにより、電力変換装置1は、負荷装置LOADと電気的に切断される。また、制御部30は、ゲート信号S1~S6を低レベルに設定する。これにより、全てのスイッチング素子SW1~SW6がオフ状態になる。このようにして、電力変換装置1は、負荷装置LOADへの電力出力を停止する。
【0095】
単相3線出力モードMBでは、制御部30は、スイッチ27U,27O,27Wを、“ON”,“ON”,“ON”にそれぞれ設定する。これにより、電力変換装置1は、3つの出力端子T21,T22,T23を介して負荷装置LOADと電気的に接続される。また、制御部30は、直流バス電圧Vdc、電流i_u,i_w、および電圧e_uo,e_woに基づいて、ゲート信号S1~S6を生成する。スイッチング素子SW1~SW6は、このゲート信号S1~S6に基づいてオンオフする。制御部30は、スイッチング素子SW1~SW4の動作を制御することにより、電圧e_uwの電圧振幅を制御するとともに、スイッチング素子SW5,SW6の動作を制御することにより、電圧e_uoおよび電圧e_woの電圧バランスを保つように、中性点(中性線OL)の電圧を制御する。このようにして、電力変換装置1は、単相3線出力動作を行う。
【0096】
単相2線出力(U-O)モードMCでは、制御部30は、スイッチ27U,27O,27Wを、“ON”,“ON”,“OFF”にそれぞれ設定する。これにより、電力変換装置1は、2つの出力端子T21,T23を介して負荷装置LOADと電気的に接続される。また、制御部30は、直流バス電圧Vdc、電流i_u,i_w、および電圧e_uo,e_woに基づいて、ゲート信号S1~S6を生成する。スイッチング素子SW1,SW2はゲート信号S1,S2に基づいてオンオフし、スイッチング素子SW5,SW6はゲート信号S5,S6に基づいてオンオフする。スイッチング素子SW3,SW4はゲート信号S3,S4に基づいてオフ状態になる。制御部30は、スイッチング素子SW1,SW2,SW5,SW6の動作を制御することにより、電圧e_uoの電圧振幅を制御する。このようにして、電力変換装置1は、単相2線出力動作を行う。
【0097】
単相2線出力(W-O)モードMDでは、制御部30は、スイッチ27U,27O,27Wを、“OFF”,“ON”,“ON”にそれぞれ設定する。これにより、電力変換装置1は、2つの出力端子T22,T23を介して負荷装置LOADと電気的に接続される。また、制御部30は、直流バス電圧Vdc、電流i_u,i_w、および電圧e_uo,e_woに基づいて、ゲート信号S1~S6を生成する。スイッチング素子SW5,SW6はゲート信号S5,S6に基づいてオンオフし、スイッチング素子SW3,SW4はゲート信号S3,S4に基づいてオンオフする。スイッチング素子SW1,SW2はゲート信号S1,S2に基づいてオフ状態になる。制御部30は、スイッチング素子SW3~SW6の動作を制御することにより、電圧e_woの電圧振幅を制御する。このようにして、電力変換装置1は、単相2線出力動作を行う。
【0098】
(詳細動作)
制御部30(図2)のデューティ比生成部40は、例えば、単相3線出力モードMBにおいて、周期Ts(例えば50μsec.(=1/20kHz))ごとに、直流バス電圧Vdc、電流i_u,i_w、および電圧e_uo,e_woに基づいて、DMデューティ比指令値d_dm*およびCMデューティ比指令値d_cm*を算出する。そして、駆動部60は、このDMデューティ比指令値d_dm*およびCMデューティ比指令値d_cm*に基づいてゲート信号S1~S6を生成する。スイッチング素子SW1~SW6は、このゲート信号S1~S6に基づいてオンオフする。電力変換装置1では、ループ制御により、電圧e_uoが電圧指令値e_uo*と同程度になるように制御され、電圧e_woが電圧指令値e_wo*と同程度になるように制御され、DM電流i_dmがDM電流指令値i_dm*と同程度になるように制御され、CM電流i_cmがCM電流指令値i_cm*と同程度になるように制御される。
【0099】
また、制御部30は、電流i_u,i_w、および電圧e_uo,e_woに基づいて、電力変換装置1の負荷装置LOADへの電力供給動作を制御する。具体的には、制御部30は、例えば、電圧e_uoにおける過電圧や電流i_uにおける過電流を検出した場合には、制御モードMを、単相3線出力モードMBから単相2線出力(W-O)モードMDに遷移させることにより、U相電圧の生成を停止し、単相2線出力動作を行う。また、制御部30は、例えば、電圧e_woにおける過電圧や電流i_wにおける過電流を検出した場合には、制御モードMを、単相3線出力モードMBから単相2線出力(U-O)モードMCに遷移させることにより、W相電圧の生成を停止し、単相2線出力動作を行う。
【0100】
(単相3線出力モードMBから単相2線出力(W-O)モードMDへの遷移)
図8は、制御モードMが単相3線出力モードMBから単相2線出力(W-O)モードMDに遷移する場合における、デューティ比生成部40の一動作例を表すものである。
【0101】
電力供給制御部31は、例えば、電圧e_uoの過電圧や電流i_uの過電流を検出した場合に、制御信号Sgbuを“0”に設定するとともに、スイッチ制御信号Sstduを介して、スイッチ27Uをオフ状態にする。制御信号Sgbuが“0”になるので、式EQ7の第5式に示した電圧指令値e_uo*は“0”になり、これに応じて電圧e_uo、および電圧e_uoの微分が“0”になる。また、スイッチ27Uがオフ状態になるので、負荷電流i_lduは“0”になり、式EQ7の第3式に示した電流指令値i_u*は“0”になり、これに応じて、電流i_uは“0”になる。その結果、以下の式EQ10が導かれる。
【数10】
これにより、デューティ比生成部40は、図8に示したように動作する。U相電圧制御部45に供給される、電圧指令値e_uo*、電圧e_uo、負荷電流i_lduはともに“0”になる。よって、U相電圧制御部45が生成する電流指令値i_u*は、式EQ7の第3式に基づいて“0”になる。よって、減算部47が生成するDM電流指令値i_dm*は“-i_w*”になる。DM電流制御部55は、DM電流指令値i_dm*(“-i_w*”)、DM電流i_dm(“-i_w”)、DM電圧e_dm(“-e_wo”)に基づいて、DMデューティ比指令値d_dm*を生成する。このDMデューティ比指令値d_dm*は“-d_w*”になる。すなわち、DMデューティ比指令値d_dm*は、W相の負のデューティ比指令値である。
【0102】
制御信号Sgbu,Sgbo,Sgbwが、“0”,“1”,“1”であるので、駆動部60(図2)のスイッチSW0では、端子T0が選択される。これにより、例えば、ユニポーラPWM動作では、図4Dに示したように、ゲート信号生成部63Wは、DMデューティ比指令値-d_dm*(“d_w*”)に基づいてゲート信号S3,S4を生成し、ゲート信号生成部63Oは、DMデューティ比指令値d_dm*(“-d_w*”)に基づいてゲート信号S5,S6を生成する。ゲート信号生成部63Uは、低レベルであるゲート信号S1,S2を生成する。なお、単相2線出力(W-O)モードMDでは、CM電流制御部56が生成したCMデューティ比指令値d_cm*は使用されない。
【0103】
このようにして、電力変換装置1では、制御モードMが、単相3線出力モードMBから単相2線出力(W-O)モードMDに遷移する。この遷移において、電力変換装置1では、W-O間の自立電圧が継続的に生成される。すなわち、DM電流制御部55は、制御信号Sgbuが“1”から“0”に変化した場合に不連続な動作を行わないので、電力変換装置1は、無瞬断での制御モードMの切り換えを行うことができる。
【0104】
ここで、“無瞬断”は、例えば、瞬停が生じない場合だけでなく、瞬停が生じた場合でも、その瞬停時間が5ミリ秒以下であることを含む。この5ミリ秒は、例えば、50Hzの電源信号の周期の1/4に対応する。すなわち、例えば、瞬停時間が、電源信号の周期の1周期に対応する時間を超えると、この電源信号の供給を受けて動作する負荷装置では、例えば誤動作が生じ、あるいは動作が停止するおそれがあるが、瞬停時間が、電源信号の周期の1/4以下である場合には、負荷装置において誤動作が生じるおそれや動作が停止するおそれを低減することができる。
【0105】
電力変換装置1では、制御モードMが単相3線出力モードMBから単相2線出力(W-O)モードMDに遷移する際、制御信号Sgbuを”1”から“0”に変更する。制御部30のAD変換回路は、この例では、周期Ts(例えば50μsec.(=1/20kHz))ごとにAD変換を行うので、電力変換装置1は、50μsec以内に制御モードMを切り換えることができる。すなわち、電力変換装置1では、制御モードMの遷移に伴う瞬停時間を、5ミリ秒以下にすることができる。これにより、電力変換装置1の負荷装置LDでは、誤動作が生じるおそれや動作が停止するおそれを低減することができる。
【0106】
(単相3線出力モードMBから単相2線出力(U-O)モードMCへの遷移)
図9は、制御モードMが単相3線出力モードMBから単相2線出力(U-O)モードMCに遷移する場合における、デューティ比生成部40の一動作例を表すものである。
【0107】
電力供給制御部31は、例えば、電圧e_woの過電圧や電流i_wの過電流を検出した場合に、制御信号Sgbwを“0”に設定するとともに、スイッチ制御信号Sstdwを介して、スイッチ27Wをオフ状態にする。制御信号Sgbwが“0”になるので、式EQ7の第6式に示した電圧指令値e_wo*は“0”になり、これに応じて電圧e_wo、および電圧e_woの微分が“0”になる。また、スイッチ27Wがオフ状態になるので、負荷電流i_ldwは“0”になり、式EQ7の第4式に示した電流指令値i_w*は“0”になり、これに応じて、電流i_wは“0”になる。その結果、以下の式EQ10が導かれる。
【数11】
これにより、デューティ比生成部40は、図9に示したように動作する。W相電圧制御部46に供給される、電圧指令値e_wo*、電圧e_wo、負荷電流i_ldwはともに“0”になる。よって、W相電圧制御部46が生成する電流指令値i_w*は、式EQ7の第4式に基づいて“0”になる。よって、減算部47が生成するDM電流指令値i_dm*は“i_u*”になる。DM電流制御部55は、DM電流指令値i_dm*(“i_u*”)、DM電流i_dm(“i_u”)、DM電圧e_dm(“e_uo”)に基づいて、DMデューティ比指令値d_dm*を生成する。このDMデューティ比指令値d_dm*は、U相のデューティ比指令値d_u*である。
【0108】
制御信号Sgbu,Sgbo,Sgbwが、“1”,“1”,“0”であるので、駆動部60(図2)のスイッチSW0では、端子T2が選択される。これにより、例えば、ユニポーラPWM動作では、図4Cに示したように、ゲート信号生成部63Uは、DMデューティ比指令値d_dm*(“d_u*”)に基づいてゲート信号S1,S2を生成し、ゲート信号生成部63Oは、DMデューティ比指令値-d_dm*(“-d_u*”)に基づいてゲート信号S5,S6を生成する。ゲート信号生成部63Wは、低レベルであるゲート信号S3,S4を生成する。なお、単相2線出力(U-O)モードMCでは、CM電流制御部56が生成したCMデューティ比指令値d_cm*は使用されない。
【0109】
このようにして、電力変換装置1では、制御モードMが、単相3線出力モードMBから単相2線出力(U-O)モードMCに遷移する。この遷移において、電力変換装置1では、U-O間の自立電圧が継続的に生成される。すなわち、DM電流制御部55は、制御信号Sgbwが“1”から“0”に変化した場合に不連続な動作を行わないので、電力変換装置1は、無瞬断での制御モードMの切り換えを行うことができる。電力変換装置1では、制御モードMの遷移に伴う瞬停時間を、5ミリ秒以下にすることができる。これにより、電力変換装置1の負荷装置LDでは、誤動作が生じるおそれや動作が停止するおそれを低減することができる。
【0110】
(シミュレーション例)
以下に、いくつかのシミュレーション例を用いて、電力変換装置1の動作および作用について説明する。以下のシミュレーションでは、図10に示したように、シミュレーション条件を設定した。この例では、負荷装置LOADにおいて、U-O間の負荷Z1は半波整流負荷であり、W-O間の負荷Z2は全波整流負荷である。U-W間には負荷Z3を設けていない。
【0111】
まず、単相3線出力モードMBと単相2線出力(W-O)モードMDとの間の遷移について、詳細に説明する。
【0112】
図11は、電力変換装置1のシミュレーション結果の一例を表すものであり、(A)は電圧e_uo,e_woの波形を示し、(B)は負荷電流i_ldu,i_ldwの波形を示し、(C)は実行値Euorms,Ewormsの波形を示し、(D)は制御信号Sgbu,Sgbwの波形を示す。この例では、電力変換装置1は、ユニポーラPWM動作を行っている。
【0113】
この例では、制御モードMが、タイミングt1において単相3線出力モードMBから単相2線出力(W-O)モードMDに遷移し、タイミングt2において単相2線出力(W-O)モードMDから単相3線出力モードMBに遷移する。タイミングt1,t2は、電圧e_uo,e_woにおけるいわゆるゼロクロスタイミングとは無関係に設定することができる。
【0114】
この例では、タイミングt1より前の期間において、電力変換装置1は単相3線出力モードMBで動作している。電圧e_uo,e_woは、サイン波形状を有する(図11(A))。この例では、実行値Euorms,Ewormsは、ともに約120Vである(図11(C))。負荷Z1は半波整流負荷であるため、負荷電流i_lduは半波波形を有する(図11(B))。一方、負荷Z2は全波整流負荷であるため、負荷電流i_ldwはサイン波形状を有する。
【0115】
そして、タイミングt1において、制御モードMが、単相3線出力モードMBから単相2線出力(W-O)モードMDに遷移する。具体的には、まず、電力供給制御部31は、このタイミングt1において、スイッチ制御信号Sstduを介して、スイッチ27Uをオフ状態にするとともに、制御信号Sgbuを“1”から“0”に変化させる(図11(D))。これにより、ゲート信号生成部63Uは、ゲート信号S1,S2を低レベルに設定し、電圧e_uoは略0Vになり(図11(A))、実行値Euormsは、このタイミングt1からやや遅れてほぼ“0”になる(図11(C))。デューティ比生成部40は、DMデューティ比指令値d_dm*を生成する。単相2線出力(W-O)モードMD(図4D)では、ゲート信号生成部63Wは、デューティ比指令値d_w*(“-d_dm*”)に基づいてゲート信号S3,S4を生成し、ゲート信号生成部63Oは、デューティ比指令値d_o*(“d_dm*”)に基づいてゲート信号S5,S6を生成する。これにより、電力変換装置1は、交流出力電圧である電圧e_woを生成し続ける(図11(A))。このようにして、電力変換装置1では、制御信号Sgbuの変化に基づいて、制御モードMを単相3線出力モードMBから単相2線出力(W-O)モードMDに速やかに切り換えることができる。
【0116】
そして、その後のタイミングt2において、制御モードMが、単相2線出力(W-O)モードMDから単相3線出力モードMBに遷移する。具体的には、まず、電力供給制御部31は、このタイミングt2において、スイッチ制御信号Sstduを介して、スイッチ27Uをオン状態にするとともに、制御信号Sgbuを“0”から“1”に変化させる(図11(D))。デューティ比生成部40は、DMデューティ比指令値d_dm*およびCMデューティ比指令値d_cm*を生成する。単相3線出力モードMB(図4B)では、ゲート信号生成部63Uは、デューティ比指令値d_u*(“d_dm*”)に基づいてゲート信号S1,S2を生成し、ゲート信号生成部63Wは、デューティ比指令値d_w*(“-d_dm*”)に基づいてゲート信号S3,S4を生成し、ゲート信号生成部63Oは、デューティ比指令値d_o*(“d_cm*”)に基づいてゲート信号S5,S6を生成する。これにより、電力変換装置1は、電圧e_woを生成し続けるとともに、交流出力電圧である電圧e_uoの生成を再開する(図11(A))。このようにして、電力変換装置1では、制御信号Sgbuの変化に基づいて、制御モードMを単相2線出力(W-O)モードMDから単相3線出力モードMBに速やかに切り換えることができる。
【0117】
次に、単相3線出力モードMBと単相2線出力(U-O)モードMCとの間の遷移について、詳細に説明する。
【0118】
図12は、電力変換装置1のシミュレーション結果の一例を表すものであり、(A)は電圧e_uo,e_woの波形を示し、(B)は負荷電流i_ldu,i_ldwの波形を示し、(C)は実行値Euorms,Ewormsの波形を示し、(D)は制御信号Sgbu,Sgbwの波形を示す。
【0119】
この例では、制御モードMが、タイミングt3において単相3線出力モードMBから単相2線出力(U-O)モードMCに遷移し、タイミングt4において単相2線出力(U-O)モードMCから単相3線出力モードMBに遷移する。タイミングt3,t4は、電圧e_uo,e_woにおけるいわゆるゼロクロスタイミングとは無関係に設定することができる。
【0120】
この例では、タイミングt3より前の期間において、電力変換装置1は単相3線出力モードMBで動作している。そして、タイミングt3において、制御モードMが、単相3線出力モードMBから単相2線出力(U-O)モードMCに遷移する。具体的には、まず、電力供給制御部31は、このタイミングt3において、スイッチ制御信号Sstdwを介して、スイッチ27Wをオフ状態にするとともに、制御信号Sgbwを“1”から“0”に変化させる(図12(D))。これにより、ゲート信号生成部63Wは、ゲート信号S3,S4を低レベル(“0”)に設定し、電圧e_woは略0Vになり(図12(A))、実行値Ewormsは、このタイミングt3からやや遅れてほぼ“0”になる(図12(C))。デューティ比生成部40は、DMデューティ比指令値d_dm*を生成する。単相2線出力(U-O)モードMC(図4C)では、ゲート信号生成部63Uは、デューティ比指令値d_u*(“d_dm*”)に基づいてゲート信号S1,S2を生成し、ゲート信号生成部63Oは、デューティ比指令値d_o*(“-d_dm*”)に基づいてゲート信号S5,S6を生成する。これにより、電力変換装置1は、交流出力電圧である電圧e_uoを生成し続ける(図12(A))。このようにして、電力変換装置1では、制御信号Sgbwの変化に基づいて、制御モードMを単相3線出力モードMBから単相2線出力(U-O)モードMCに速やかに切り換えることができる。
【0121】
そして、その後のタイミングt4において、制御モードMが、単相2線出力(U-O)モードMCから単相3線出力モードMBに遷移する。具体的には、まず、電力供給制御部31は、このタイミングt4において、スイッチ制御信号Sstdwを介して、スイッチ27Wをオン状態にするとともに、制御信号Sgbwを“0”から“1”に変化させる(図12(D))。デューティ比生成部40は、DMデューティ比指令値d_dm*およびCMデューティ比指令値d_cm*を生成する。単相3線出力モードMB(図4B)では、ゲート信号生成部63Uは、デューティ比指令値d_u*(“d_dm*”)に基づいてゲート信号S1,S2を生成し、ゲート信号生成部63Wは、デューティ比指令値d_w*(“-d_dm*”)に基づいてゲート信号S3,S4を生成し、ゲート信号生成部63Oは、デューティ比指令値d_o*(“d_cm*”)に基づいてゲート信号S5,S6を生成する。これにより、電力変換装置1は、電圧e_uoを生成し続けるとともに、交流出力電圧である電圧e_woの生成を再開する(図12(A))。このようにして、電力変換装置1では、制御信号Sgbwの変化に基づいて、制御モードMを単相2線出力(U-O)モードMCから単相3線出力モードMBに速やかに切り換えることができる。
【0122】
このように、電力変換装置1では、スイッチング素子SW1,SW2からなるスイッチング素子ペアと、スイッチング素子SW3,SW4からなるスイッチング素子ペアのうちの一方を選択的にオフ状態にすることができるようにした。これにより、電力変換装置1では、例えば、電圧e_woの過電圧や電流i_wの過電流を検出した場合に、負荷Z2への電力供給を停止するとともに、負荷Z1への電力供給を継続することができる。同様に、電力変換装置1では、例えば、電圧e_uoの過電圧や電流i_uの過電流を検出した場合に、負荷Z1への電力供給を停止するとともに、負荷Z2への電力供給を継続することができる。これにより、電力変換装置1では、電力供給および電力供給の停止を適切に行うことができる。これにより、電力変換装置1では、電力変換動作を停止することなく、電力供給および電力供給の停止を適切に行うことができる。その結果、電力変換装置1では、装置のロバスト性を高めることができる。
【0123】
また、電力変換装置1では、電圧指令値e_uo*、電圧e_uo、および負荷電流i_lduに基づいて電流指令値i_u*を生成するとともに、電圧指令値e_wo*、電圧e_wo、および負荷電流i_ldwに基づいて電流指令値i_w*を生成するようにした。そして、電流指令値i_u*および電流指令値i_w*の差に基づいてDMデューティ比指令値d_dm*を生成するとともに、電流指令値i_u*および電流指令値i_w*の和に基づいてCMデューティ比指令値d_cm*を生成するようにした。そして、DMデューティ比指令値d_dm*およびCMデューティ比指令値d_cm*に基づいて、スイッチング素子SW1~SW6の動作を制御するようにした。これにより、電力変換装置1では、例えば、単相3線出力モードMBと単相2線出力(W-O)モードMDとの間や、単相3線出力モードMBと単相2線出力(U-O)モードMCとの間などで、制御モードMが切り替わる際、DM電流制御部55は不連続な動作を行わないので、例えばゼロクロスタイミング以外のタイミングでも、無瞬断で制御モードMを切り換えることができる。
【0124】
また、電力変換装置1では、電圧指令値e_uo*、電圧e_uo、および負荷電流i_lduに基づいて電流指令値i_u*を生成するとともに、電圧指令値e_wo*、電圧e_wo、および負荷電流i_ldwに基づいて電流指令値i_w*を生成するようにした。そして、例えば、負荷Z1への電力供給を停止する場合には、図8に示したように電流指令値i_u*を“0”にし、負荷Z2への電力供給を停止する場合には、図9に示したように電流指令値i_w*を“0”にした。すなわち、電流指令値i_u*を、電流i_uが流れないようにさせる所定の指令値に設定し、電流指令値i_w*を、電流i_wが流れないようにさせる所定の指令値に設定した。これにより、電力変換装置1では、無瞬断で制御モードMを切り換えることができる。
【0125】
また、電力変換装置1では、負荷Z1への電力供給を停止する場合には、図4Dに示したように、スイッチSW0において端子T0を選択することにより、DMデューティ比指令値d_o*(“d_dm*”)に基づいてスイッチング素子SW5,SW6を駆動するようにしたので、単相2線出力動作を行うことにより、負荷Z2へ電力を供給し続けることができる。同様に、負荷Z2への電力供給を停止する場合には、図4Cに示したように、スイッチSW0において端子T2を選択することにより、DMデューティ比指令値d_o*(例えば“-d_dm*”)に基づいてスイッチング素子SW5,SW6を駆動するようにしたので、負荷Z1へ電力を供給し続けることができる。その結果、電力変換装置1では、電力供給および電力供給の停止を適切に行うことができる。
【0126】
また、電力変換装置1では、制御部30の電流推定部42が、電圧e_uo,e_woに基づいて、式EQ5を示したように、容量素子25Uに流れる電流i_cuを推定するとともに、容量素子25Wに流れる電流i_cwを推定した。そして、減算部43が、電流i_u,i_cuに基づいて、式EQ5の第1式を用いて負荷電流i_lduを求め、減算部44が、電流i_w,i_cwに基づいて、式EQ5の第2式を用いて負荷電流i_ldwを求めた。そして、制御部30は、図2に示したように、これらの負荷電流i_ldu,i_ldwに基づいて、スイッチング素子SW1~SW6の動作を制御するようにした。このように、電力変換装置1では、このようにして推定された負荷電流i_ldu,i_ldwを外乱成分として電流制御ループに加えるようにしたので、電流制御の応答性を向上することができる。
【0127】
また、電力変換装置1では、容量素子25U,25Wに流れる電流を推定することにより、負荷電流i_ldu,i_ldwを求めるようにしたので、負荷電流を検出する電流検出部を省くことができるので、装置を小型にすることができる。
【0128】
[効果]
以上のように本実施の形態では、スイッチング素子SW1,SW2からなるスイッチング素子ペアと、スイッチング素子SW3,SW4からなるスイッチング素子ペアのうちの一方を選択的にオフ状態にすることができるようにしたので、電力供給および電力供給の停止を適切に行うことができる。
【0129】
本実施の形態では、電圧指令値e_uo*、電圧e_uo、および負荷電流i_lduに基づいて電流指令値i_u*を生成するとともに、電圧指令値e_wo*、電圧e_wo、および負荷電流i_ldwに基づいて電流指令値i_w*を生成するようにした。そして、電流指令値i_u*および電流指令値i_w*の差に基づいてDMデューティ比指令値d_dm*を生成するとともに、電流指令値i_u*および電流指令値i_w*の和に基づいてCMデューティ比指令値d_cm*を生成するようにした。そして、DMデューティ比指令値d_dm*およびCMデューティ比指令値d_cm*に基づいて、スイッチング素子の動作を制御するようにした。これにより、無瞬断で制御モードを切り換えることができる。
【0130】
本実施の形態では、負荷Z1への電力供給を停止する場合には、電流指令値i_u*を、電流が流れないようにさせる所定の指令値にし、負荷Z2への電力供給を停止する場合には、電流指令値i_w*を、電流が流れないようにさせる所定の指令値にしたので、無瞬断で制御モードを切り換えることができる。
【0131】
[変形例1]
上記実施の形態では、電圧指令値生成部41が、制御信号Sgbu,Sgbwに基づいて、式EQ7の第5式および第6式を用いて、電圧指令値e_uo*,e_wo*を生成するようにした。そして、例えば、電圧e_uoの過電圧や電流i_uの過電流を検出した場合に、電圧指令値e_uo*を“0”にすることにより、電流指令値i_u*を“0”(所定の指令値)にし、例えば、電圧e_woの過電圧や電流i_wの過電流を検出した場合に、電圧指令値e_wo*を“0”にすることにより、電流指令値i_w*を“0”(所定の指令値)にするようにしたが、これに限定されるものではない。例えば、制御信号Sgbu,Sgbwに基づいて、他の方法を用いて、電流指令値i_u*や電流指令値i_w*を“0”(所定の指令値)にしてもよい。以下に、本変形例についていくつか例を挙げて詳細に説明する。
【0132】
図13は、本変形例に係る制御部30Aにおけるデューティ比生成部40Aの一構成例を表すものである。デューティ比生成部40Aは、電圧指令値生成部41Aと、乗算部45A,46Aとを有している。
【0133】
電圧指令値生成部41Aは、以下の式EQ12を用いることにより、電圧指令値e_uo*,e_wo*を生成するように構成される。
【数12】
【0134】
乗算部45Aは、U相電圧制御部45の出力値および制御信号Sgbuを互いに乗算することにより電流指令値i_u*を生成するように構成される。乗算部46Aは、W相電圧制御部46の出力値および制御信号Sgbwを互いに乗算することにより電流指令値i_w*を生成するように構成される。
【0135】
制御部30Aでは、電力供給制御部31は、例えば、電圧e_uoの過電圧や電流i_uの過電流を検出した場合に、制御信号Sgbuを“0”に設定する。乗算部45Aは、この制御信号Sgbuに基づいて、電流指令値i_u*を“0”にすることができる。同様に、電力供給制御部31は、例えば、電圧e_woの過電圧や電流i_wの過電流を検出した場合に、制御信号Sgbwを“0”(所定の指令値)に設定する。乗算部46Aは、この制御信号Sgbwに基づいて、電流指令値i_w*を“0”(所定の指令値)にすることができる。
【0136】
図14は、本変形例に係る他の制御部30Bにおけるデューティ比生成部40Bの一構成例を表すものである。デューティ比生成部40Bは、電圧指令値生成部41Aと、U相電圧制御部45Bと、W相電圧制御部46Bとを有している。
【0137】
U相電圧制御部45Bは、制御信号Ssbuが“1”である場合に、上記実施の形態に係るU相電圧制御部45と同様に、電圧指令値e_uo*、電圧e_uo、および負荷電流i_lduに基づいて、式EQ7の第3式を用いることにより、電流指令値i_u*を生成するように構成される。また、U相電圧制御部45Bは、制御信号Ssbuが“0”である場合には、電流指令値i_u*を“0”にするようになっている。
【0138】
W相電圧制御部46Bは、制御信号Ssbwが“1”である場合に、上記実施の形態に係るW相電圧制御部46と同様に、電圧指令値e_wo*、電圧e_wo、および負荷電流i_ldwに基づいて、式EQ7の第4式を用いることにより、電流指令値i_w*を生成するように構成される。また、W相電圧制御部46Bは、制御信号Ssbwが“0”である場合には、電流指令値i_w*を“0”にするようになっている。
【0139】
制御部30Bでは、電力供給制御部31は、例えば、電圧e_uoの過電圧や電流i_uの過電流を検出した場合に、制御信号Sgbuを“0”に設定する。U相電圧制御部45Bは、この制御信号Sgbuに基づいて、電流指令値i_u*を“0”(所定の指令値)にすることができる。同様に、電力供給制御部31は、例えば、電圧e_woの過電圧や電流i_wの過電流を検出した場合に、制御信号Sgbwを“0”に設定する。W相電圧制御部46Bは、この制御信号Sgbwに基づいて、電流指令値i_w*を“0”(所定の指令値)にすることができる。
【0140】
なお、この例では、所定の指令値を“0”にしたが、これに限定されるものではなく、十分に小さい値にしてもよい。すなわち、所定の指令値は、電流が殆ど流れないようにすることができる指令値であればどのような値であってもよい。
【0141】
[変形例2]
上記実施の形態では、例えば、ゼロクロスタイミングとは無関係の任意のタイミングで、制御モードMを単相3線出力モードMBと単相2線出力(W-O)モードMDとの間で切り換えるようにしたが、これに限定されるものではない。これに代えて、例えば、制御モードMを単相3線出力モードMBから単相2線出力(W-O)モードMDに切り換える場合には、任意のタイミングで制御モードMを切り換え、例えば、制御モードMを単相2線出力(W-O)モードMDから単相3線出力モードMBに切り換える場合には、例えば電圧e_uo,e_woや電流i_u,i_wのゼロクロスタイミングで制御モードMを切り換えるようにしてもよい。同様に、例えば、制御モードMを単相3線出力モードMBから単相2線出力(U-O)モードMCに切り換える場合には、任意のタイミングで制御モードMを切り換え、例えば、制御モードMを単相2線出力(U-O)モードMCから単相3線出力モードMBに切り換える場合には、例えば電圧e_uo,e_woや電流i_u,i_wのゼロクロスタイミングで制御モードMを切り換えるようにしてもよい。
【0142】
[変形例3]
上記実施の形態では、ノードN1から出力端子T21への経路に、電流i_uを検出する電流検出部23Uを設けるとともに、ノードN2から出力端子T22への経路に、電流i_wを検出する電流検出部23Wを設けたが、これに限定されるものではない。例えば、ノードN1から出力端子T21への経路に、電流i_uを検出する電流検出部23Uを設けるとともに、ノードN3から出力端子T23への経路に、電流i_oを検出する電流検出部23Oを設けてもよい。この場合には、以下の式EQ13を用いることにより、電流i_uおよび電流i_oに基づいて、電流i_wを得ることができる。同様に、例えば、ノードN2から出力端子T22への経路に、電流i_wを検出する電流検出部23Wを設けるとともに、ノードN3から出力端子T23への経路に、電流i_oを検出する電流検出部23Oを設けてもよい。この場合にも、この式EQ13を用いることにより、電流i_wおよび電流i_oに基づいて、電流i_uを得ることができる。
【数13】
【0143】
同様に、上記の実施の形態では、電圧e_uoを検出する電圧検出部26Uと、電圧e_woを検出する電圧検出部26Wとを設けたが、これに限定されるものではない。例えば、電圧e_uoを検出する電圧検出部26Uと、電圧e_uwを検出する電圧検出部とを設けてもよい。この場合には、以下の式EQ14を用いることにより、電圧e_uoおよび電圧e_uwに基づいて、電圧e_woを得ることができる。同様に、例えば、電圧e_woを検出する電圧検出部26Wと、電圧e_uwを検出する電圧検出部とを設けてもよい。この場合にも、この式EQ14を用いることにより、電圧e_woおよび電圧e_uwに基づいて、電圧e_uoを得ることができる。
【数14】
【0144】
[変形例4]
上記実施の形態では、電力変換装置1は、自立運転を行うようにしたが、これに限定されるものではなく、さらに系統連系運転をも行うことができるようにしてもよい。以下に、いくつか例を挙げて本変形例にについて詳細に説明する。
【0145】
図15は、本変形例に係る電力変換装置1Cの一構成例を表すものである。電力変換装置1Cは、自立運転機能を有する系統連系用電力変換装置であり、系統連系運転および自立運転を選択的に行うことが可能に構成される。電力変換装置1Cは、端子T31,T32と、入力端子T41~T43と、出力端子T21~T23を備えている。端子T31,T32には、バッテリBTが接続されている。入力端子T41,T42,T43は、電源装置100に接続されている。この電源装置100は、3相の200V系の系統電源である。
【0146】
電力変換装置1Cは、双方向DC/DCコンバータ65と、電流検出部23U,23Wと、ローパスフィルタ69と、電圧検出部26UV,26VWと、スイッチ27U,27W,27Oと、スイッチ67U,67W,67Vと、制御部70とを備えている。
【0147】
この例では、スイッチング素子SW1~SW6は、双方向DC/ACインバータ66として動作する。
【0148】
双方向DC/DCコンバータ65は、直流電圧を昇圧し、あるいは直流電圧を降圧する、双方向の電力変換を行うように構成される。双方向DC/DCコンバータ65は、端子T31,T32を介してバッテリBTに接続されるとともに、電圧線L1および基準電圧線L2を介して双方向DC/ACインバータ66に接続される。双方向DC/DCコンバータ65は、例えば、電力変換装置1Cが系統連系運転を行う場合には、電圧線L1および基準電圧線L2の間の電圧(直流バス電圧Vdc)に基づいて、バッテリBTを充放電させる充放電制御を行う。また、双方向DC/DCコンバータ65は、電力変換装置1Cが自立運転を行う場合には、バッテリBTにおけるバッテリ電圧Vbtに基づいて直流バス電圧Vdcを生成するとともに、この直流バス電圧Vdcが所定の電圧になるように電圧一定制御を行うようになっている。
【0149】
電流検出部23Uは、ノードN1から入力端子T41および出力端子T21への経路に設けられ、ノードN1からローパスフィルタ69に向かって流れる電流i_uを検出するように構成される。電流検出部23Wは、ノードN2から入力端子T42および出力端子T22への経路に設けられ、ノードN2からローパスフィルタ69に向かって流れる電流i_wを検出するように構成される。
【0150】
ローパスフィルタ69は、ACリアクトル24U,24V,24Wと、容量素子25UV,25VW,25UWとを有している。
【0151】
ACリアクトル24Uの一端は電流検出部23Uの他端に接続され、他端はU相電圧線ULに接続される。ACリアクトル24Wの一端は電流検出部23Wの他端に接続され、他端はW相電圧線WLに接続される。ACリアクトル24Vの一端はノードN3に接続され、他端はV相電圧線VLに接続される。図示していないが、ACリアクトル24U,24W,24Vのそれぞれは、上記実施の形態の場合と同様に、インダクタンスおよび内部抵抗値を有している。
【0152】
容量素子25UVの一端はU相電圧線ULに接続され、他端はV相電圧線VLに接続される。容量素子25VWの一端はV相電圧線VLに接続され、他端はW相電圧線WLに接続される。容量素子25UWの一端はU相電圧線ULに接続され、他端はW相電圧線WLに接続される。図示していないが、容量素子25UV,25VW,25UWのそれぞれは、上記実施の形態の場合と同様に、キャパシタンスおよび内部抵抗値を有している。
【0153】
電圧検出部26UVは、V相電圧線VLでの電圧を基準としたU相電圧線ULでの電圧を電圧e_uvとして検出するように構成される。電圧検出部26VWは、W相電圧線WLでの電圧を基準としたV相電圧線VLでの電圧を電圧e_vwとして検出するように構成される。
【0154】
スイッチ27Uは、オン状態になることにより、U相電圧線ULを負荷装置LOADに接続するように構成される。スイッチ27Wは、オン状態になることにより、W相電圧線WLを負荷装置LOADに接続するように構成される。スイッチ27Oは、オン状態になることにより、V相電圧線VLを負荷装置LOADに接続するように構成される。
【0155】
スイッチ67Uは、オン状態になることにより、U相電圧線ULを電源装置100に接続するように構成される。スイッチ67Uの一端はU相電圧線ULに接続され、他端は入力端子T41に接続される。スイッチ67Uは、スイッチ制御信号Suに基づいてオンオフするようになっている。
【0156】
スイッチ67Wは、オン状態になることにより、W相電圧線WLを電源装置100に接続するように構成される。スイッチ67Wの一端はW相電圧線WLに接続され、他端は入力端子T42に接続される。スイッチ67Wは、スイッチ制御信号Swに基づいてオンオフするようになっている。
【0157】
スイッチ67Vは、オン状態になることにより、V相電圧線VLを電源装置100に接続するように構成される。スイッチ67Vの一端はV相電圧線VLに接続され、他端は入力端子T43に接続される。スイッチ67Vは、スイッチ制御信号Svに基づいてオンオフするようになっている。
【0158】
制御部70は、電力変換装置1Cが系統連系運転を行う場合には、例えば、スイッチ制御信号Su,Sw,Svを介してスイッチS67U,67W,67Vをオン状態にするとともに、スイッチ制御信号Sstdu,Sstdw,Sstdoを介してスイッチ27U,27W,27Oをオフ状態にする。そして、制御部70は、双方向DC/ACインバータ66および双方向DC/DCコンバータ65の動作を制御する。双方向DC/ACインバータ66は、制御部70からの指示に基づいて、電源装置100から供給された交流電圧に基づいて直流バス電圧Vdcを生成するとともに、この直流バス電圧Vdcが所定の電圧になるように電圧一定制御を行う。双方向DC/DCコンバータ65は、制御部70からの指示に基づいて、この直流バス電圧Vdcに基づいて、バッテリBTに対する充放電電力制御を行う。
【0159】
また、制御部70は、電力変換装置1Cが自立運転を行う場合には、例えば、スイッチ制御信号Sstdu,Sstdw,Sstdoを介してスイッチ27U,27W,27Oをオン状態にするとともに、スイッチ制御信号Su,Sw,Svを介してスイッチS67U,67W,67Vをオフ状態にする。そして、制御部70は、双方向DC/DCコンバータ65および双方向DC/ACインバータ66の動作を制御する。双方向DC/DCコンバータ65は、バッテリBTにおけるバッテリ電圧Vbtに基づいて直流バス電圧Vdcを生成するとともに、この直流バス電圧Vdcが所定の電圧になるように電圧一定制御を行う。双方向DC/ACインバータ66は、この直流バス電圧Vdcに基づいて、負荷装置LOADに供給する交流出力電圧を生成するとともに、この交流出力電圧の電圧振幅が所定の振幅になるように電圧振幅一定制御を行う。制御部70は、自立運転時において、上記実施の形態に係る制御部30と同様の動作を行う。以下の式EQ15に示したように、電圧検出部26UVが検出した電圧e_uvに基づいて電圧e_uoを得ることができ、電圧検出部26VWが検出した電圧e_vwに基づいて電圧e_vwを得ることができる。
【数15】
【0160】
ここで、入力端子T41は、本開示における「第1の入力端子」の一具体例に対応し、入力端子T42は、本開示における「第2の入力端子」の一具体例に対応する。制御部70は、本開示における「制御部」の一具体例に対応する。スイッチ67Uは、本開示における「第4のスイッチ」の一具体例に対応し、スイッチ67Wは、本開示における「第5のスイッチ」の一具体例に対応する。
【0161】
図16は、他の変形例に係る電力変換装置1Dの一構成例を表すものである。電力変換装置1Dは、入力端子T41,T42を備えている。入力端子T41,T42は、電源装置110に接続されている。この電源装置110は、単相の200V系の系統電源である。
【0162】
電力変換装置1Dは、電流検出部23U,23Wと、ローパスフィルタ29と、電圧検出部26W,26UWと、スイッチ27U,27W,27Oと、スイッチ67U,67Wと、制御部90とを備えている。
【0163】
電圧検出部26Wは、中性線OLでの電圧を基準としたW相電圧線WLでの電圧を電圧e_woとして検出するように構成される。電圧検出部26UWは、W相電圧線WLでの電圧を基準としたU相電圧線ULでの電圧を電圧e_uwとして検出するように構成される。
【0164】
スイッチ27Uは、オン状態になることにより、U相電圧線ULを負荷装置LOADに接続するように構成される。スイッチ27Wは、オン状態になることにより、W相電圧線WLを負荷装置LOADに接続するように構成される。スイッチ27Oは、オン状態になることにより、中性線OLを負荷装置LOADに接続するように構成される。
【0165】
スイッチ67Uは、オン状態になることにより、U相電圧線ULを電源装置110に接続するように構成される。スイッチ67Wは、オン状態になることにより、W相電圧線WLを電源装置110に接続するように構成される。
【0166】
制御部90は、電力変換装置1Dが系統連系運転を行う場合には、例えば、スイッチ制御信号Su,Swを介してスイッチS67U,67Wをオン状態にするとともに、スイッチ制御信号Sstdu,Sstdw,Sstdoを介してスイッチ27U,27W,27Oをオフ状態にする。また、制御部90は、ゲート信号S5,S6を介してスイッチング素子SW5,SW6をオフ状態にする。そして、制御部90は、双方向DC/ACインバータ66および双方向DC/DCコンバータ65の動作を制御する。双方向DC/ACインバータ66は、制御部90からの指示に基づいて、電源装置110から供給された交流電圧に基づいて直流バス電圧Vdcを生成するとともに、この直流バス電圧Vdcが所定の電圧になるように電圧一定制御を行う。双方向DC/DCコンバータ65は、制御部90からの指示に基づいて、この直流バス電圧Vdcに基づいて、バッテリBTに対する充放電電力制御を行う。
【0167】
また、制御部90は、電力変換装置1Dが自立運転を行う場合には、例えば、スイッチ制御信号Sstdu,Sstdw,Sstdoを介してスイッチ27U,27W,27Oをオン状態にするとともに、スイッチ制御信号Su,Swを介してスイッチS67U,67Wをオフ状態にする。そして、制御部90は、双方向DC/DCコンバータ65および双方向DC/ACインバータ66の動作を制御する。双方向DC/DCコンバータ65は、バッテリBTにおけるバッテリ電圧Vbtに基づいて直流バス電圧Vdcを生成するとともに、この直流バス電圧Vdcが所定の電圧になるように電圧一定制御を行う。双方向DC/ACインバータ66は、この直流バス電圧Vdcに基づいて、負荷装置LOADに供給する交流出力電圧を生成するとともに、この交流出力電圧の電圧振幅が所定の振幅になるように電圧振幅一定制御を行う。制御部90は、自立運転時において、上記実施の形態に係る制御部30と同様の動作を行う。式EQ14に示したように、電圧検出部26Wが検出した電圧e_woおよび電圧検出部26UWが検出した電圧e_uwに基づいて電圧e_woを得ることができる。
【0168】
以上、実施の形態および変形例を挙げて本発明を説明したが、本発明はこれらの実施の形態等には限定されず、種々の変形が可能である。
【0169】
例えば、上記の実施の形態では、容量素子25U,25Wに流れる電流を推定することにより、負荷電流i_ldu,i_ldwを求めるようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、負荷電流i_lduを検出する電流検出部と、負荷電流i_ldwを検出する電流検出部とを設けてもよい。
【符号の説明】
【0170】
1,1A,1B,1C、1D…電力変換装置、21…電圧検出部、22…容量素子、23U,23W…電流検出部、24U,24W,24O,24V…ACリアクトル、25U,25W…容量素子、26U,26W,26UV,26UW,26VW…電圧検出部、27U,27W,27O…スイッチ、29…ローパスフィルタ、30,70…制御部、31…電力供給制御部、40,40A,40B…デューティ比生成部、41,41A…電圧指令値生成部、42…電流推定部、43,44…減算部、45,45B…U相電圧制御部、45A…乗算部、46,46B…W相電圧制御部、46A…乗算部、47…減算部、48…加算部、51,52…減算部、53,54…加算部、55…DM電流制御部、56…CM電流制御部、60…駆動部、61…乗算部、62U,62W,62O…乗算部、63U,63W,63O…ゲート信号生成部、65…双方向DC/DCコンバータ、66…双方向DC/ACインバータ、67U,67W,67V…スイッチ、69…ローパスフィルタ、BT…バッテリ、CTL…制御信号、Cu,Cw…キャパシタンス、d_cm*…CMデューティ比指令値、d_dm*…DMデューティ比指令値、d_u*,d_w*,d_o*…デューティ比指令値、Euorms,Eworms…実行値、e_cm…CM電圧、e_dm…DM電圧、e_u,e_w,e_o,e_uo,e_uw,e_wo…電圧、e_uo*,e_wo*…電圧指令値、100,110…電源装置、i_cm…CM電流、i_cu,i_cw,i_u,i_w,i_o…電流、i_u*,i_w*…電流指令値、i_dm…DM電流、i_ldu,Ildw…負荷電流、LOAD…負荷装置、Lu,Lw,Lo…インダクタンス、L1…電圧線、L2…基準電圧線、MA…出力停止モード、MB…単相3線出力モード、MC…単相2線出力(U-O)モード、MD…単相2線出力(W-O)モード、N1~N3…ノード、OL…中性線、PWMSW…制御信号、Rcu,Rcw,Ru,Rw,Ro…内部抵抗値、SEL…制御信号、Sgbu,Sgbw,Sgbo…制御信号、Sstdu,Sstdw,Sstdo…スイッチ制御信号、SW0…スイッチ、SW1~SW6…スイッチング素子、S1~S6…ゲート信号、T0~T2…端子、T11,T12…入力端子、T21~T23…出力端子、T31,T32…端子、T41~T43…入力端子、UL…U相電圧線、Vbt…バッテリ電圧、Vdc…直流バス電圧、v_u,v_w,v_o,v_uo,v_wo…電圧、WL…W相電圧線、Z1~Z3…負荷。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16