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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】発光装置
(51)【国際特許分類】
   F21V 8/00 20060101AFI20221129BHJP
   F21S 43/237 20180101ALI20221129BHJP
   F21S 43/245 20180101ALI20221129BHJP
   F21S 43/50 20180101ALI20221129BHJP
   F21V 31/00 20060101ALI20221129BHJP
   F21V 3/06 20180101ALI20221129BHJP
【FI】
F21V8/00 340
F21V8/00 330
F21S43/237
F21S43/245
F21S43/50
F21V31/00
F21V3/06 110
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019122740
(22)【出願日】2019-07-01
(65)【公開番号】P2021009791
(43)【公開日】2021-01-28
【審査請求日】2021-07-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000241463
【氏名又は名称】豊田合成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002583
【氏名又は名称】弁理士法人平田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】早川 諒
(72)【発明者】
【氏名】小島 英司
(72)【発明者】
【氏名】松井 達也
(72)【発明者】
【氏名】福井 弘貴
【審査官】安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0197542(US,A1)
【文献】特開2014-154298(JP,A)
【文献】特開平09-259607(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 8/00
F21S 43/237
F21S 43/245
F21S 43/50
F21V 31/00
F21V 3/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子と、
前記発光素子から入射する光を内部に伝播させる導光領域と、前記導光領域に連続して形成され前記導光領域の内部を伝播する前記光を外部に取り出すレンズ領域を有する導光体と、
空気層を介して前記導光体の一部の表面に沿って前記表面を覆う第1のカバーと、
前記第1のカバーと密着して接続されるとともに前記導光体の残りの表面に密着してう、前記光を透過させる第2のカバーと、
を有する、発光装置。
【請求項2】
前記第2のカバーは、前記第1のカバーに溶着されている、請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記第1のカバーは、前記導光体を構成する材料とは異なる材料で形成されている、請求項1又は2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記第2のカバーの溶融温度は、前記第1のカバーの溶融温度よりも高く設定されている、請求項1から3のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項5】
前記導光体は棒状であり、前記発光素子は前記導光体の前記棒状の端部に対向して配置されている、請求項1から4のいずれか1項に記載の発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、棒状の導光体を用いた、線状光源としての発光装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の発光装置は、車両の外部を照明するための車輌用灯具であり、例えば、車両前面のフロントグリルの縁部に沿って組み付けられる。
【0003】
また、特許文献1に記載の発光装置は、連結されたケースとレンズの内部に棒状の導光体が収容されており、ケースとレンズの間に防水材を設置することにより、雨水などの水の内部への侵入を防いでいる。ケースとレンズは、レンズに設けられた爪部をケースに設けられた被係合部に係合させることにより連結される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-4755号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された発光装置においては、レンズの爪部、ケースの被係合部、防水材の設置領域を確保する必要があり、また、導光体と空気層の界面で光を全反射させるために、ケースと導光体の間に隙間を設ける必要があるため、導光体の幅と比較した発光装置の幅が大きくなる。このため、幅が小さい部材には、発光装置を設置することが困難である。
【0006】
また、レンズとケースを溶着する方法も考えられるが、この方法を用いる場合、取扱者の安全確保などのため、溶着により発生するバリが突出しないように溶着部の周囲にある程度の幅を有する保護部を設ける必要がある。また、この場合にも空気層を確保するためにケースと導光体の間に隙間を設ける必要がある。さらに、ケースと導光体は、溶着部分以外の部分が溶着治具に接触しないような形状を有する必要があるため、その様な形状をとるためにサイズが大きくなる場合がある。このため、やはり導光体の幅と比較した発光装置の幅が大きくなる。
【0007】
本発明の目的の1つは、棒状の導光体を用いた線状光源としての発光装置であって、防水性を有する、幅の小さい発光装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、上記目的を達成するために、下記[1]~[5]の発光装置を提供する。
【0009】
[1]発光素子と、前記発光素子から入射する光を内部に伝播させる導光領域と、前記導光領域に連続して形成され前記導光領域の内部を伝播する前記光を外部に取り出すレンズ領域を有する導光体と、空気層を介して前記導光体の一部の表面を覆う第1のカバーと、前記第1のカバーと密着して接続されて前記導光体の残りの表面を覆って前記光を透過させる第2のカバーと、を有する、発光装置。
[2]前記第2のカバーは、前記第1のカバーに溶着されている、上記[1]に記載の発光装置。
[3]前記第1のカバーは、前記導光体を構成する材料とは異なる材料で形成されている、上記[1]又は[2]に記載の発光装置。
[4]前記第2のカバーの溶融温度は、前記第1のカバーの溶融温度よりも高く設定されている、上記[1]から[3]のいずれか1項に記載の発光装置。
[5]前記導光体は棒状であり、前記発光素子は前記導光体の前記棒状の端部に対向して配置されている、上記[1]から[4]のいずれか1項に記載の発光装置。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、棒状の導光体を用いた線状光源としての発光装置であって、防水性を有する、幅の小さい発光装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の実施の形態に係る発光装置の上面図である。
図2図2は、図1の切断線A-Aにおいて切断された発光装置の縦断面図である。
図3図3は、図2を部分的に拡大した発光装置の縦断面図である。
図4図4は、図1の切断線B-Bにおいて切断された発光装置の横断面図である。
図5図5(a)は、図4で示した実施の形態の変形例を示す発光装置の横断面図であり、図5(b)は、図4で示した実施の形態の他の変形例を示す発光装置の横断面図である。
図6図6(a)は、発光装置1を車両に適用した場合の、発光装置1の取り付け対象の部材(意匠部材)の一例であって、車両のフロントグリル20の模式図である。図6(b)は、フロントグリル20に設置された発光装置1の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
〔実施の形態〕
(本発明の実施の形態に係る発光装置の構成)
本発明の実施の形態に係る発光装置1は、線状の光を発することができる線状光源である。また、発光装置1は、それ自体の幅が小さいため、幅の小さい部材に取り付けることができるものである。
【0013】
本発明の実施の形態に係る発光装置1は、発光素子14と、発光素子14から入射する光14aを内部に伝播させる導光領域10aと、導光領域10aに連続して形成され導光領域10aの内部を伝播する光14aを外部に取り出すレンズ領域10bを有する導光体10と、空気層18を介して導光体10の一部の表面を覆う第1のカバー11と、第1のカバー11と密着して接続されて導光体10の残りの表面を覆って光を透過させる第2のカバー12と、を有して構成されている。
【0014】
上記構成において、導光体10は図1図2に示すように、棒状、すなわち、長尺状であり、発光素子14は導光体10の棒状の端部に対向して配置されている。
【0015】
(導光体10)
導光体10は、導光領域10a及びレンズ領域10bを有する。導光領域10a及びレンズ領域10bは、導光体10の長さ方向の両端の間に連続する。図1、2に示す、棒状の延びる方向に中心軸CLをとると、中心軸CLに直交する断面は、図4に示すように、導光領域10a及びレンズ領域10bで形成される形状が、中心軸CLの方向に所定の棒状の長さだけ連続する。すなわち、導光領域10a及びレンズ領域10bの形状も棒状であり、導光領域10a及びレンズ領域10bの長さ方向は導光体10の長さ方向と一致又はほぼ一致する。
【0016】
なお、導光体10の形状である棒状の「棒」は、一直線状の棒だけでなく、折れ線状の棒や曲線状の棒も含み、導光体10は、発光装置1の取り付け対象の部材の形状に応じた形状をとることができる。
【0017】
発光素子14から出射し、光取込面10cから導光体10内に取り込まれた光14aは、光取込面10cと導光領域10aをつなぐ領域10jを通って導光領域10aへ入射し、導光領域10aの内部をその長さ方向に沿って伝播する。光取込面10cは、典型的には、図2に示されるように、導光体10の長さ方向の一端に、導光領域10aとほぼ同じ高さ(図2における上下方向の位置)に設けられる。
【0018】
導光領域10aの形状は、例えば、円筒形又は角筒形(例えば直方体)であるが、発光装置1の発光強度の経時的変化を抑えるため、図4に示されるように、円筒形であることが好ましい。導光領域10aが円筒形である場合、導光領域10a内で反射した光は導光領域10aの中心軸を通るため、導光距離が一定となり、発光装置1の発光強度の経時的変化が小さくなる。一方で、導光領域10aが角筒形である場合、導光領域10a内で反射した光は必ずしも導光領域10aの中心を通らないため、導光距離が一定とならず、発光装置1の発光強度が経時的に増減しやすい。なお、導光領域10aが円筒形と角筒形のいずれであっても、発光装置1の発光強度分布の均一性(均斉度)については、後述のように、複数のステップ10eにより補正することができる。
【0019】
レンズ領域10bは、導光領域10aの内部を伝播する光を外部に取り出すための光取出面10dを導光領域10aの反対側に有する領域である。
【0020】
レンズ領域10bの形状は、典型的には、図1図2図4に示されるように、直方体である。
【0021】
また、導光領域10a内に効率的に導光させるために、レンズ領域10bの幅(図1における上下方向、図4における左右方向の長さ)は、導光領域10aの幅よりも小さいことが好ましい。
【0022】
導光領域10aは、図2図3に示されるように、レンズ領域10bの反対側に複数のステップ10eを有することが好ましい。複数のステップ10eは、導光領域10aの長さ方向に沿って連続的に設けられる。ステップ10eは、例えば、図3に示すように、光取出面10dと反対側に位置する導光領域10aの底面において、外側から内側に向けて、凹形状の連続するステップとして形成されている。凹形状は、例えば、山型凹形状、円筒凹形状、円錐凹形状、角錐凹形状等の種々の形状が可能である。
【0023】
ステップ10eは、導光領域10a内を伝播する光14aをレンズ領域10bの光取出面10dへ向けて反射しやすくすることができる。また、光取込面10cから離れるほどステップ10eに反射される光が多くなるように複数のステップ10eの形状を調整することにより、発光装置1の発光強度分布の均一性(均斉度)を向上させることができる。
【0024】
導光体10は、ポリカーボネート(PC)やポリメチルメタクリレート(PMMA)などの、発光素子14から発せられる光を透過させることができる透明な材料で形成されている。
【0025】
(第1のカバー11)
第1のカバー11は、空気層18を介して導光領域10aの表面を覆う。このため、導光領域10aの表面は空気層18に覆われている。第1のカバー11は、導光領域10aの表面の全体を覆うため、図4に示されるように、その端部がレンズ領域10bの側面10fの導光領域10a側の一部の領域を覆うことが好ましい。ここで、側面10fは、光取出面10dの両側の、レンズ領域10bの長さ方向に沿う面である。
【0026】
空気の屈折率は1.0であり、導光体10の屈折率(例えば、PCからなる場合はおよそ1.6、PMMAからなる場合はおよそ1.5)よりも小さく、導光体と空気層18の界面で光を全反射させることにより、導光領域10a内を伝播する光の減衰を抑えることができる。また、空気の屈折率は第1のカバー11の屈折率(例えば、PPからなる場合はおよそ1.5)よりも小さいため、導光体10の屈折率との差が大きく、第1のカバー11が導光体10に密着している場合よりも臨界角が小さくなり、全反射の条件を満たし易くなる。そのため、光取込面10cから離れた領域における発光強度の低下を抑えることができる。
【0027】
第1のカバー11は、導光体10への密着性の悪い材料を用いて、導光体10をベース部材とするインサート成型又は二色成型により形成することができる。この方法によれば、導光体10と第1のカバー11が密着しないため、導光体10と第1のカバー11の間に隙間、すなわち空気層18が自然に形成される。
【0028】
導光体10への密着性の悪い材料は、例えば、導光体10を構成する材料とは異なる材料である。例えば、導光体10がPCやPMMAからなる場合は、密着性の悪さや、コストの観点から、ポリプロピレン(PP)を第1のカバー11の材料として用いることが好ましい。
【0029】
導光体10と空気層18との界面で反射されなかった光を効率的に反射するため、第1のカバー11は、酸化チタン等の白色染料を含む白色の部材であることが好ましい。なお、発光装置1の非点灯時に白色が見えることを避けたい場合には、第1のカバー11は、カーボンブラック等の黒色染料を含む黒色の部材などであってもよい。
【0030】
(第2のカバー12)
第2のカバー12は、第1のカバー11と密着して接続されて導光体10の残りの表面を覆って光14aを透過させる。第2のカバー12は、第1のカバー11にそれぞれの端部で溶着されている。
【0031】
図4に示すように、第1のカバー11と導光体10の間の空気層18が形成されていない残りの表面10gは、第2のカバー12で覆われる。これにより、導光体10の表面のすべては、第1のカバー11及び第2のカバー12で覆われることになる。
【0032】
第2のカバー12は、図4に示すように、第2のカバー12の端部12aが第1のカバー11の端部11aに溶着される。これにより、第2のカバー12は、第1のカバー11と密着して接続され、空気層18を密閉することができる。また、空気層18内への水の侵入を防ぐことができる。水は空気よりも屈折率が高いため、水が空気層18に浸入すると全反射の条件を満たしにくくなるが、上記した密閉構造により、全反射の条件を維持することができる。
【0033】
また、第2のカバー12は、導光体10のレンズ領域10b、光取出面10dを覆うので、導光体10をキズ等から保護することができる。
【0034】
第2のカバー12の溶融温度は、第1のカバー11の溶融温度よりも高く、設定されている。
【0035】
第2のカバー12は、第1のカバー11に覆われた導光体10をベース部材とするインサート成型により形成することができる。この方法によれば、第1のカバー11と第2のカバー12が密着するため、導光体10と第1のカバー11の間の空気層18が密閉され、防水性を確保することができる。
【0036】
第2のカバー12は、例えば、ポリカーボネート(PC)やポリメチルメタクリレート(PMMA)などの、発光素子14から発せられる光を透過させることができる透明な材料を使用することができる。
【0037】
(発光装置1の製造方法)
発光装置1の製造方法は、まず、導光体10において、発光素子14から入射する光を内部に伝播させる導光領域10aと、導光領域10aに連続して形成され導光領域10aの内部を伝播する光を外部に取り出すレンズ領域10bを有する導光体10のレンズ領域10bに、第1のカバー11を溶着させて空気層を介して導光領域10aを覆い、導光領域10aからレンズ領域10bまでの表面を第1のカバー11で覆う。第1のカバー11は、導光体10への密着性の悪い材料、例えば、導光体10を構成する材料とは異なる材料を使用することにより、導光体10と第1のカバー11が密着せずに導光体10と第1のカバー11の間に隙間、すなわち空気層18が自然に形成される。
【0038】
上記の工程により形成された、第1のカバー11で覆われた導光体10をインサート部品として金型(図示省略)にセットして、第2のカバー12をインサート成形する。第2のカバー12は、導光体10のレンズ領域10b、光取出面10dを覆うと共に、第1のカバー11にそれぞれの端部に溶着される。
【0039】
上記の工程の他に、発光素子14、ヒートシンク16等を装着することで、発光装置1として完成する。
【0040】
(発光素子14)
発光素子14としては、典型的には、LEDが用いられる。LEDは、小型の発光素子であり、また、消費電力、発熱量が小さく、かつ長寿命であるため、発光素子14としての使用に適している。なお、発光素子14は、導光体10の長さ方向の両端に設置されてもよい。その場合、導光体10の長さ方向の両端に光取込面10cが設けられる。
【0041】
発光素子14は、基板13上に搭載される。基板13は、発光素子14の電極に接続される配線を有する配線基板である。
【0042】
基板13は、位置決めのための孔13aを有する。孔13aには、導光体10の一部である突起10iが挿入され、導光体10に対する基板13の位置、すなわち導光体10に対する発光素子14の位置が決まる。導光体10に対する発光素子14の位置決めは、発光素子14から発せられる光を効率的に導光体10内へ導くために重要である。
【0043】
なお、基板13の位置決め用の、突起10iを第1のカバー11(の一部である筐体15)の一部として設けてもよいが、上述のように、導光体10に対する発光素子14の位置が重要であるため、突起10iは導光体10の一部であることが好ましい。
【0044】
発光素子14を収容する筐体15は、第1のカバー11の一部であり、外部への光漏れを防ぐ。
【0045】
ヒートシンク16は、発光素子14から発生する熱を放出するための放熱用部材であり、筐体15に固定される。基板13は、直接又は他の層を介してヒートシンク16に固定される。
【0046】
また、筐体15内の空間は、筐体15とヒートシンク16の間に設置される環状のシール部材17によって密閉されることが好ましい。シール部材17は、例えば、Oリングやパッキンであり、シール部材17を筐体15とヒートシンク16で挟み込んで適度に圧縮することにより、シール機能を発揮する。
【0047】
(変形例1)
図5(a)は、本発明の実施の形態の変形例を示す、図4相当図である。第1のカバー11は、空気層18を介して導光領域10a及びレンズ領域10bの表面を覆う。第2のカバー12は、第1のカバー11と密着して接続されて導光体10の残りの表面を覆って光14aを透過させる。第2のカバー12は、図5(a)に示すように、第2のカバー12の端部12bが第1のカバー11の端部11bに溶着される。これにより、第2のカバー12は、第1のカバー11と密着して接続され、空気層18を密閉することができる。
【0048】
また、第2のカバー12は、導光体10のレンズ領域10b、光取出面10dを覆う。これにより、導光体10の表面のすべては、第1のカバー11及び第2のカバー12で覆われることになり、第1のカバー11及び第2のカバー12による密閉性が確保でき、また、導光体10をキズ等から保護することができる。
【0049】
(変形例2)
図5(b)は、本発明の実施の形態の他の変形例を示す、図4相当図である。図5(b)で示す変形例2は、図5(a)で示した変形例1と同様の構成であるが、第2のカバー12の形状が異なる。図5(b)に示すように、第2のカバー12の光出射部12cの幅が、所定の幅Wに設定されている。
【0050】
所定の幅Wは、例えば、導光体10のレンズ領域10b、すなわち、光取出面10dの幅W10と略同じ幅に設定することにより、光の拡散を抑制して必要とする幅の光を取り出すことができる。また、後述する車両100のフロントグリル20のメッシュ22に設置する場合は、図6(b)に示すように、所定の幅Wを、メッシュ幅W22に合わせることにより設計の自由度が向上する。また、種々の車種等にも第2のカバー12の形状の変更のみで対応可能となる。
【0051】
(発光装置1の使用例)
図6(a)は、発光装置1を車両に適用した場合の、発光装置1の取り付け対象の部材(意匠部材)の一例であって、車両のフロントグリル20の模式図である。図6(b)は、フロントグリル20に設置された発光装置1の断面図である。
【0052】
フロントグリル20は、枠21と、枠内に設置されるメッシュ22を有する。メッシュ22の開口部は、車両のエンジンやラジエーターに空気を取り込むための吸気口として機能する。
【0053】
図6(a)に示される例では、メッシュ22は鉛直方向に伸びる線状部分22aと、水平方向に伸びる線状部分22bにより構成され、線状部分22aに発光装置1が設置される。図6(a)には、発光装置1の設置位置の例が点線で模式的に示されている。
【0054】
発光装置1は、メッシュ22の線状部分22aの裏側に設置され、線状部分22aに設けられた線状の開口部分から発光装置1の第2のカバー12が露出する。これにより、線状部分22aを線状に発光させることができる。
【0055】
発光装置1がフロントグリル20に設置される場合、発光装置1の幅が小さいため、線状部分22aからはみ出て美観を低下させることがない。また、メッシュ22の開口面積を狭めることがないため、フロントグリルの吸気機能を低下させることがない。
【0056】
発光装置1は、例えば、図6(b)に示されるように、メッシュ22の線状部分22aと線状部分22bの交差部分にネジ止めにより固定される。具体的には、メッシュ22の線状部分22aと線状部分22bの交差部分の裏側に設けられたネジ固定部24と、第1のカバー11の一部であるネジ止め用の突出部11cとが、ネジ25により固定される。
【0057】
発光装置1は、防水性に優れるため、車両の外装部品など、水が付着する場所に設置することができる。車両の設置場所の例としては、フロントグリルの他に、例えば、メッキモール、ガーニッシュなどの意匠部材や、ガーニッシュとボディの間の隙間などが挙げられる。
【0058】
(実施の形態の効果)
上記実施の形態の発光装置1によれば、第1のカバー11により棒状の導光体10を覆う空気層18を薄くかつ容易に形成することができ、第2のカバー12と第1のカバー11との密着により防水性を確保することができる。このため、棒状の導光体を用いた線状光源としての発光装置であって、防水性を有する、幅の小さい発光装置を提供することができる。
【0059】
導光体10、第1のカバー11、第2のカバー12により構成される発光装置1は、レンズとケースの内部に導光体が収容される従来の発光装置と比較して幅を小さくすることができ、幅の小さい部材にも、その機能や美観を損ねることなく設置することができる。
【0060】
以上、本発明の実施の形態及びその変形例を説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されず、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施が可能である。また、上記の実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
【符号の説明】
【0061】
1…発光装置
10…導光体、10a…導光領域、10b…レンズ領域、10c…光取込面、10d…光取出面、10e…ステップ、10f…側面、10g…残りの表面、10i…突起、10j…領域
11…第1のカバー、11a…端部、11b…端部、11c…突出部
12…第2のカバー、12a…端部、12b…端部、12c…光出射部
13…基板、13a…孔
14…発光素子、14a…光
15…筐体
16…ヒートシンク
17…シール部材
18…空気層
20…フロントグリル
21…枠
22…メッシュ、22a…線状部分、22b…線状部分
24…ネジ固定部
25…ネジ
W、W10…幅
22…メッシュ幅
図1
図2
図3
図4
図5
図6