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特許7184095デバイス、端末機器で実現される方法、及び、ネットワーク機器で実現される方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】デバイス、端末機器で実現される方法、及び、ネットワーク機器で実現される方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/04 20090101AFI20221129BHJP
   H04W 72/12 20090101ALI20221129BHJP
   H04W 72/02 20090101ALI20221129BHJP
【FI】
H04W72/04 136
H04W72/04 131
H04W72/12 150
H04W72/02
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020563932
(86)(22)【出願日】2018-05-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-18
(86)【国際出願番号】 CN2018086670
(87)【国際公開番号】W WO2019218108
(87)【国際公開日】2019-11-21
【審査請求日】2021-05-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ガオ ユーカイ
(72)【発明者】
【氏名】ワン ガン
【審査官】長谷川 未貴
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/006752(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0123850(US,A1)
【文献】LG Electronics,Remaining issues on SRS,3GPP TSG RAN WG1 #92b R1-1804548,<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_92b/Docs/R1-1804548.zip>,2018年04月07日
【文献】Qualcomm Incorporated,Maintenance for SRS,3GPP TSG RAN WG1 #93 R1-1807349,<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_93/Docs/R1-1807349.zip>,2018年05月12日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
DB名 3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのサウンディング参照信号(SRS)リソースセットが、ネットワーク機器にSRSを伝送するために配置され、且つ端末機器に対してアンテナ切り替えがイネーブルにされたことに応じて、前記SRSの伝送に必要な少なくとも1つの保護時間を確定し、前記ネットワーク機器に対して行われる上りリンク伝送は、前記少なくとも1つの保護時間以外にスケジューリングされると予期されることと、
前記上りリンク伝送が前記少なくとも1つの保護時間以外にスケジューリングされたことに応じて、前記少なくとも1つのSRSリソースセットによって、前記ネットワーク機器に前記SRSを伝送することと、
前記上りリンク伝送が前記少なくとも1つの保護時間内にスケジューリングされたことに応じて、前記SRSの伝送に用いられる前記少なくとも1つのSRSリソースセットの少なくとも一部をディセーブルにすることと
を含み、
前記SRSの伝送に用いられる前記少なくとも1つのSRSリソースセットの少なくとも一部をディセーブルにすることは、
前記少なくとも1つのSRSリソースセットのうちディセーブルにする1つ又は複数のSRSリソースを確定することと、
前記1つ又は複数のSRSリソースを前記SRSの伝送に用いることをディセーブルにすることと、
を含み、
前記1つ又は複数のSRSリソースを確定することは、
前記上りリンク伝送、及び前記少なくとも1つのSRSリソースセットにおける第2SRSリソースが、前記端末機器に関する送信アンテナの同一配置と関連することに応じて、前記1つ又は複数のSRSリソースから前記第2SRSリソースを排除することを含む、
端末機器で実現される方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの保護時間を確定することは、
上りリンクチャネルのサブキャリア間隔に基づき、前記少なくとも1つの保護時間を確定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの保護時間を確定することは、
前記少なくとも1つのSRSリソースセットの前の第1保護時間、前記少なくとも1つのSRSリソースセットの後の第2保護時間、及び、前記少なくとも1つのSRSリソースセットにおける2つのSRSリソースの間の第3保護時間のうち、少なくとも1つを確定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの保護時間を確定することは、
前記上りリンク伝送、及び前記少なくとも1つのSRSリソースセットにおける第1SRSリソースが、前記端末機器に関する送信アンテナの同一配置と関連することに応じて、前記上りリンク伝送と、前記第1SRSリソースにより行われるSRS伝送との間に、保護時間が不要であると確定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記SRSを前記伝送することは、
前記上りリンク伝送のための第1サブキャリア間隔を確定することと、
前記第1サブキャリア間隔に基づき、前記第1サブキャリア間隔の倍数である、前記SRSを伝送するための第2サブキャリア間隔を確定することと、
前記第2サブキャリア間隔に基づき、前記ネットワーク機器に前記SRSを伝送することと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも1つのサウンディング参照信号(SRS)リソースセットが、ネットワーク機器にSRSを伝送するために配置され、且つ端末機器に対してアンテナ切り替えがイネーブルにされたことに応じて、前記SRSの伝送に必要な少なくとも1つの保護時間を確定し、前記ネットワーク機器に対して行われる上りリンク伝送は、前記少なくとも1つの保護時間以外にスケジューリングされると予期されることと、
前記上りリンク伝送が前記少なくとも1つの保護時間以外にスケジューリングされたことに応じて、前記少なくとも1つのSRSリソースセットによって、前記ネットワーク機器に前記SRSを伝送することと、
前記上りリンク伝送が前記少なくとも1つの保護時間内にスケジューリングされたことに応じて、前記SRSの伝送に用いられる前記少なくとも1つのSRSリソースセットの少なくとも一部をディセーブルにすることと、
を含み、
前記少なくとも1つのSRSリソースセットは、少なくとも、第1SRSリソースセットと第2SRSリソースセットとを含み、
前記ネットワーク機器から前記端末機器に伝送される第1下りリンク制御情報(DCI)にトリガされる、前記第1SRSリソースセットにより行われる第1SRS伝送が、前記ネットワーク機器から前記端末機器に伝送される第2DCIによりトリガされる、前記第2SRSリソースセットにより行われる第2SRS伝送の前であり、
前記SRSの伝送に用いられる前記少なくとも1つのSRSリソースセットの少なくとも一部をディセーブルにすることは、
前記第1SRS伝送の前に前記ネットワーク機器から前記第2DCIを受信できないことに応じて、前記少なくとも1つのSRSリソースセットを前記SRSの伝送に用いることをディセーブルにすること、又は
前記第1DCIが受信されてから所定時間内に前記ネットワーク機器から前記第2DCIを受信できないことに応じて、前記少なくとも1つのSRSリソースセットを前記SRSの伝送に用いることをディセーブルにすること
を含む、
端末機器で実現される方法。
【請求項7】
少なくとも1つのサウンディング参照信号(SRS)リソースセットが、端末機器からSRSを受信するために配置され、且つ前記端末機器に対してアンテナ切り替えがイネーブルにされたことに応じて、前記SRSの受信に必要な少なくとも1つの保護時間を確定し、前記端末機器からの上りリンク受信は、前記少なくとも1つの保護時間以外にスケジューリングされると予期されることと、
前記上りリンク受信が前記少なくとも1つの保護時間以外にスケジューリングされたことに応じて、前記少なくとも1つのSRSリソースセットによって、前記端末機器から前記SRSを受信することと、
前記上りリンク受信が前記少なくとも1つの保護時間内にスケジューリングされたことに応じて、前記SRSの受信に用いられる前記少なくとも1つのSRSリソースセットの少なくとも一部をディセーブルにすることと
を含み、
前記SRSの受信に用いられる前記少なくとも1つのSRSリソースセットの少なくとも一部をディセーブルにすることは、
前記少なくとも1つのSRSリソースセットのうちディセーブルにする1つ又は複数のSRSリソースを確定することと、
前記1つ又は複数のSRSリソースを前記SRSの受信に用いることをディセーブルにすることと、
を含み、
前記1つ又は複数のSRSリソースを確定することは、
前記上りリンク受信、及び前記少なくとも1つのSRSリソースセットにおける第2SRSリソースが、前記端末機器に関する送信アンテナの同一配置と関連することに応じて、前記1つ又は複数のSRSリソースから前記第2SRSリソースを排除することを含む、
ネットワーク機器で実現される方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの保護時間を確定することは、
上りリンクチャネルのサブキャリア間隔に基づき、前記少なくとも1つの保護時間を確定することを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つの保護時間を確定することは、
前記少なくとも1つのSRSリソースセットの前の第1保護時間、前記少なくとも1つのSRSリソースセットの後の第2保護時間、及び、前記少なくとも1つのSRSリソースセットにおける2つのSRSリソースの間の第3保護時間のうち、少なくとも1つを確定することを含む請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つの保護時間を確定することは、
前記上りリンク受信、及び前記少なくとも1つのSRSリソースセットにおける第1SRSリソースが、前記端末機器に関する送信アンテナの同一配置と関連することに応じて、前記上りリンク受信と、前記第1SRSリソースにより行われるSRS受信との間に、保護時間が不要であると確定することを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記SRSを前記受信することは、
前記上りリンク受信のための第1サブキャリア間隔を確定することと、
前記第1サブキャリア間隔に基づき、前記第1サブキャリア間隔の倍数である、前記SRSを受信するための第2サブキャリア間隔を確定することと、
前記第2サブキャリア間隔に基づき、前記端末機器から前記SRSを受信することと
を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
プロセッサと、
前記プロセッサに結合され指令が記憶されたメモリと
を含み、
前記指令が前記プロセッサにより実行される場合に、前記指令により、
少なくとも1つのサウンディング参照信号(SRS)リソースセットが、ネットワーク機器にSRSを伝送するために配置され、且つ端末機器に対してアンテナ切り替えがイネーブルにされたことに応じて、前記SRSの伝送に必要な少なくとも1つの保護時間を確定し、前記ネットワーク機器に対して行われる上りリンク伝送は、前記少なくとも1つの保護時間以外にスケジューリングされると予期されることと、
前記上りリンク伝送が前記少なくとも1つの保護時間以外にスケジューリングされたことに応じて、前記少なくとも1つのSRSリソースセットによって、前記ネットワーク機器に前記SRSを伝送することと、
前記上りリンク伝送が前記少なくとも1つの保護時間内にスケジューリングされたことに応じて、前記SRSの伝送に用いられる前記少なくとも1つのSRSリソースセットの少なくとも一部をディセーブルにすることと、を実行し、
前記SRSの伝送に用いられる前記少なくとも1つのSRSリソースセットの少なくとも一部をディセーブルにすることは、
前記少なくとも1つのSRSリソースセットのうちディセーブルにする1つ又は複数のSRSリソースを確定することと、
前記1つ又は複数のSRSリソースを前記SRSの伝送に用いることをディセーブルにすることと、
を含み、
前記1つ又は複数のSRSリソースを確定することは、
前記上りリンク伝送、及び前記少なくとも1つのSRSリソースセットにおける第2SRSリソースが、前記端末機器に関する送信アンテナの同一配置と関連することに応じて、前記1つ又は複数のSRSリソースから前記第2SRSリソースを排除することを含む、
デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は全体として、電信分野に関し、具体的には、サウンディング参照信号(SRS:Sounding Reference Signal)の伝送に用いられる方法、デバイス及びコンピュータ可読媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、端末機器からネットワーク機器に伝送されるSRSは、端末機器とネットワーク機器との間の上りリンクチャネル(例えば、物理上りリンク共用チャネル(PUSCH))を推定するために、ネットワーク機器が用いることができる。ネットワーク機器は、推定結果に基づき、上りリンクチャネルを介して行われる上りリンク伝送のために、リソース分配及び伝送パラメータの配置を行うことができる。SRSの伝送前に、ネットワーク機器は、端末機器に対し、SRS伝送に用いる1つ又は複数のSRSリソースセットを分配することができる。1つ又は複数のSRSリソースセットのうち、それぞれのSRSリソースセットは1つ又は複数のSRSリソースを含むことができる。
【0003】
端末機器は、複数のアンテナを具備して、ネットワーク機器に信号(例えば、SRS又は他の任意の信号)を伝送したりネットワーク機器から信号を受信したりするのに用いることができる。端末機器が複数のアンテナをサポートしている状況では、SRSのアンテナ切り替えをサポートすることができる。SRSのアンテナ切り替えは通常、2つの異なる目的を有する。1つは、PUSCHに対する上りリンク伝送ダイバーシティ(開ループ又は閉ループのどちらでもよい)、もう1つは、チャネル相反性に基づく時分割多重(TDD)又は周波数分割多重(FDD)における下りリンクチャネルのMIMOビームフォーミングである。第5世代移動通信システム(5G)New Radio(NR)に対し第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)の仕様では、2つの非周期的なSRSリソースセットによって、SRS伝送に対する1T4R(即ち、1つの送信アンテナ及び4つの受信アンテナ)のアンテナ切り替えをサポートできることが、既に同意されている。2つの異なるスロットの異なるシンボルにおいて、合計4つのSRSリソースを有する2つの非周期的SRSリソースセットを伝送することができる。各SRSリソースは、1つのSRSポートにより構成され、各SRSリソースのSRSポートは、端末機器の異なるアンテナポートと関連付けられている。2つのSRSリソースセットのうち各SRSリソースセットが2つのSRSリソースにより構成されるか、又は1つのSRSリソースセットが1つのSRSリソースにより構成され、且つもう1つのSRSリソースセットが3つのSRSリソースにより構成される。
【0004】
SRS伝送に対するアンテナ切り替えがイネーブルにされた状況では、SRS伝送には保護時間が必要になる可能性がある。端末機器は、アンテナポートを切り替えて異なる信号を伝送するのに一定の時間を必要とするので、該保護時間では、他のいかなる信号も伝送しない。しかしながら、SRS伝送に必要な保護時間をどのように指示するかについて、未だ規定されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の例示的な実施形態は全体として、SRSの伝送に用いられる方法、デバイス及びコンピュータ可読媒体に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様において、端末機器で実現される方法が提供される。該方法によれば、少なくとも1つのSRSリソースセットが、ネットワーク機器に対してSRSを伝送するために配置され、且つ端末機器に対してアンテナ切り替えがイネーブルにされたことに応じて、端末機器はSRS伝送に必要な少なくとも1つの保護時間を確定する。ネットワーク機器に対して行われる上りリンク伝送は、少なくとも1つの保護時間以外にスケジューリングされると予期される。上りリンク伝送が少なくとも1つの保護時間以外にスケジューリングされたことに応じて、端末機器は少なくとも1つのSRSリソースセットによって、ネットワーク機器にSRSを伝送する。上りリンク伝送が少なくとも1つの保護時間内にスケジューリングされたことに応じて、端末機器は、SRSの伝送に用いられる少なくとも1つのSRSリソースセットの少なくとも一部をディセーブルにする。
【0007】
第2の態様において、ネットワーク機器で実現される方法が提供される。該方法によれば、少なくとも1つのサウンディング参照信号(SRS)リソースセットが、端末機器からSRSを受信するために配置され、且つ端末機器に対してアンテナ切り替えがイネーブルにされたことに応じて、ネットワーク機器は、SRSの受信に必要な少なくとも1つの保護時間を確定する。ここで、端末機器からの上りリンク受信は、少なくとも1つの保護時間以外にスケジューリングされると予期される。上りリンク受信が少なくとも1つの保護時間以外にスケジューリングされたことに応じて、ネットワーク機器は少なくとも1つのSRSリソースセットによって、端末機器からSRSを受信する。上りリンク受信が少なくとも1つの保護時間内にスケジューリングされたことに応じて、ネットワーク機器は、SRSの受信に用いられる少なくとも1つのSRSリソースセットの少なくとも一部をディセーブルにする。
【0008】
第3の態様において、デバイスが提供される。該デバイスは、プロセッサと、プロセッサに結合されるメモリとを含む。メモリには指令が記憶され、該指令はプロセッサにより実行される場合、該デバイスに動作を実行させる。該動作は以下のものを含む。即ち、少なくとも1つのサウンディング参照信号(SRS)リソースセットが、ネットワーク機器に対してSRSを伝送するために配置され、且つ該デバイスに対してアンテナ切り替えがイネーブルにされたことに応じて、SRS伝送に必要な少なくとも1つの保護時間を確定し、ネットワーク機器に対して行われる上りリンク伝送は、少なくとも1つの保護時間以外にスケジューリングされると予期されることと、上りリンク伝送が少なくとも1つの保護時間以外にスケジューリングされたことに応じて、少なくとも1つのSRSリソースセットによって、ネットワーク機器にSRSを伝送することと、上りリンク伝送が少なくとも1つの保護時間内にスケジューリングされたことに応じて、SRSの伝送に用いられる少なくとも1つのSRSリソースセットの少なくとも一部をディセーブルにすることと、を含む。
【0009】
第4の態様において、デバイスが提供される。該デバイスは、プロセッサと、プロセッサに結合されるメモリとを含む。メモリには指令が記憶され、該指令はプロセッサにより実行される場合、該デバイスに動作を実行させる。該動作は以下のものを含む。即ち、少なくとも1つのサウンディング参照信号(SRS)リソースセットが、端末機器からSRSを受信するために配置され、且つ端末機器に対してアンテナ切り替えがイネーブルにされたことに応じて、SRSの受信に必要な少なくとも1つの保護時間を確定し、端末機器からの上りリンク受信は、少なくとも1つの保護時間以外にスケジューリングされると予期されることと、上りリンク受信が少なくとも1つの保護時間以外にスケジューリングされたことに応じて、少なくとも1つのSRSリソースセットによって、端末機器からSRSを受信することと、上りリンク受信が少なくとも1つの保護時間内にスケジューリングされたことに応じて、SRSの受信に用いられる少なくとも1つのSRSリソースセットの少なくとも一部をディセーブルにすることと、を含む。
【0010】
第5の態様において、指令が記憶されたコンピュータ可読媒体が提供される。該指令は、少なくとも1つのプロセッサ上で実行される場合に、少なくとも1つのプロセッサに、本開示の第1の態様に基づく方法を実行させる。
【0011】
第6の態様において、指令が記憶されたコンピュータ可読媒体が提供される。該指令は、少なくとも1つのプロセッサ上で実行される場合に、少なくとも1つのプロセッサに、本開示の第2の態様に基づく方法を実行させる。
【0012】
第7の態様において、コンピュータ可読記憶媒体に、有形に記憶されるコンピュータプログラム製品が提供される。該コンピュータプログラム製品は指令を含み、該指令は、少なくとも1つのプロセッサ上で実行される場合に、少なくとも1つのプロセッサに、本開示の第1の態様又は第2の態様に基づく方法を実行させる。
【0013】
本開示のその他の特徴は、以下の説明により容易に理解できるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
以下、図面において本開示のいくつかの実施形態をさらに詳細に説明し、本開示の上述の及びその他の目的、特徴、長所を、さらに明らかにする。
【0015】
図1】本開示の実施形態を実現可能な通信環境のブロック図である。
【0016】
図2】本開示のいくつかの実施形態によるSRS伝送に用いられる例示的方法のフローチャートである。
【0017】
図3A】本開示のいくつかの実施形態の例を示す図である。
図3B】本開示のいくつかの実施形態の例を示す図である。
【0018】
図4】本開示のいくつかの実施形態の例を示す図である。
【0019】
図5】本開示のいくつかの実施形態の例を示す図である。
【0020】
図6A】本開示のいくつかの実施形態の例を示す図である。
図6B】本開示のいくつかの実施形態の例を示す図である。
【0021】
図7A】本開示のいくつかの実施形態の例を示す図である。
図7B】本開示のいくつかの実施形態の例を示す図である。
【0022】
図8A】本開示のいくつかの実施形態の例を示す図である。
図8B】本開示のいくつかの実施形態の例を示す図である。
図8C】本開示のいくつかの実施形態の例を示す図である。
【0023】
図9A】本開示のいくつかの実施形態の例を示す図である。
図9B】本開示のいくつかの実施形態の例を示す図である。
図9C】本開示のいくつかの実施形態の例を示す図である。
【0024】
図10】本開示のいくつかの実施形態によるSRS伝送に用いられる例示的方法のフローチャートである。
【0025】
図11】本開示の実施形態を実現するのに適したデバイスの概略ブロック図である。
【0026】
全ての図において、同一又は類似の図面符号は、同一又は類似の要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、いくつかの例示的実施形態を参照に、本開示の原理を説明する。理解すべき点として、これらの実施形態は、単に説明を目的として記述され、当業者が本開示を理解し実現する際の助けとなるものであり、本開示の範囲に対する何らかの制限を暗示するものではない。本明細書で説明する開示内容は、以下に説明する方法以外に、さまざまな方法で実現可能である。
【0028】
以下の説明及び請求項において、別に定義がある場合を除き、文中で使用される全ての技術・科学用語は、本開示の属する分野の当業者が通常理解するものと、同じ意味を有する。
【0029】
例えば、文中で使用される用語「ネットワーク機器」又は「基地局」(BS)とは、端末機器が通信可能なセル又はカバー範囲を、提供又は管理可能なデバイスを指す。ネットワーク機器の例には、ノードB(NodeB又はNB)、進化型NodeB(eNodeB又はeNB)、次世代NodeB(gNB)、送信/受信ポイント(TRP)、リモートラジオユニット(RRU)、無線ヘッド(RH)、リモート無線ヘッド(RRH)、低電力ノード(例えばフェムトノード、ピコノード等)が含まれるが、これらに限定されない。議論しやすいように、以下の文では、参考用にgNBをネットワーク機器の例示とし、いくつかの実施形態を説明する。
【0030】
文中で使用される用語「端末機器」は、無線又は有線での通信能力を有する全てのデバイスを指す。端末機器の例として、ユーザー機器(UE)、パーソナルコンピュータ、デスクトップコンピュータ、移動電話、携帯電話、スマートフォン、携帯情報端末(PDA)、携帯コンピュータ、画像取込デバイス(例えばデジタルカメラ)、ゲーム機器、音楽保存再生装置、又は無線若しくは有線によるインターネットへのアクセス・閲覧をイネーブルにするインターネットデバイス等が含まれるが、これらに限定されない。議論しやすいように、以下の文では、参考用にUEを端末機器の例示として、いくつかの実施形態を説明する。
【0031】
文中で使用される場合、文中で他に明記していない限り、単数形式である「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「該(the)」は、複数形式を含むことを意味する。用語「含む」及びその変形は、「…を含むが、これらに限定されない」という意味の、開放式の用語であると理解されるべきである。用語「…に基づいて」は、「少なくとも部分的に基づく」と理解されるべきである。用語「1つの実施形態(one embodiment)」及び「実施形態」は、「少なくとも1つの実施形態」と理解されるべきである。用語「他の実施形態」は、「少なくとも1つの他の実施形態」と理解されるべきである。用語「第1」、「第2」等は、異なるか又は同一の対象を示すことができる。以下の文中では、その他の定義(明示又は暗示の)も含むことができる。
【0032】
いくつかの例示において、値、プロセス又は装置は、「最良」、「最低」、「最高」、「最小」、「最大」等と称される。理解すべき点として、こうした説明は、使用される複数の機能の代替手段の中から、選択可能であると示すことを意図しており、こうした選択は、他の選択と比べて、より優れていたり、より小さかったり、より高かったり、又は他の態様ではより好ましかったりする必要はない。
【0033】
上述したように、端末機器からネットワーク機器に伝送されるSRSは、ネットワーク機器が、端末機器とネットワーク機器との間の上りリンクチャネル(例えば、物理上りリンク共用チャネル(PUSCH))を推定するために用いることができる。ネットワーク機器は、推定結果に基づき、上りリンクチャネを介して行われる上りリンク伝送のために、リソース分配を実行し、伝送パラメータを配置することができる。SRSの伝送前に、ネットワーク機器は、端末機器に対し、SRS伝送に用いる1つ又は複数のSRSリソースセットを分配することができる。1つ又は複数のSRSリソースセットのうち、それぞれのSRSリソースセットは1つ又は複数のSRSリソースを含むことができる。
【0034】
端末機器は、複数のアンテナを具備して、ネットワーク機器に信号を伝送したりネットワーク機器から信号を受信したりするために用いることができる(例えば、SRS又は他の任意の信号)。端末機器が複数のアンテナをサポートしている状況では、SRSのアンテナ切り替えをサポートすることができる。SRSのアンテナ切り替えは通常、2つの異なる目的を有する。1つは、PUSCHに対する上りリンク伝送ダイバーシティ(開ループ又は閉ループのどちらでもよい)、もう1つは、チャネル相反性に基づく時分割多重(TDD)又は周波数分割多重(FDD)における下りリンクチャネルのMIMOビームフォーミングである。第5世代(5G)New Radio(NR)に対する第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)の仕様では、2つの非周期的SRSリソースセットによって、SRS伝送に対する1T4R(即ち、1つの送信アンテナ及び4つの受信アンテナ)のアンテナ切り替えをサポートできることが、既に同意されている。2つの異なるスロットの異なるシンボルにおいて、合計4つのSRSリソースを有する2つの非周期的SRSリソースセットを伝送することができる。各SRSリソースは、1つのSRSポートにより構成され、各SRSリソースのSRSポートは、端末機器の異なるアンテナポートと関連付けられている。2つのSRSリソースセットのうち各SRSリソースセットが、2つのSRSリソースにより構成されるか、又は1つのSRSリソースセットが、1つのSRSリソースにより構成され、且つもう1つのSRSリソースセットが3つのSRSリソースにより構成される。
【0035】
SRS伝送に対するアンテナ切り替えがイネーブルにされた状況では、SRS伝送には保護時間が必要になる可能性がある。該保護時間では、端末機器は他のいかなる信号も伝送しない。その理由は、アンテナポートを切り替えて異なる信号を伝送するのに一定の時間を必要とするからである。しかしながら、SRS伝送に必要な保護時間をどのように指示するかについて、未だ規定されていない。
【0036】
上述の問題及び1つ又は複数の他の潜在的問題を解決するために、本開示の実施形態は、SRS伝送に用いられる解決手段を提供する。該解決手段を用いることで、SRSリソースの前、後、又は間の保護時間をサポートすることができる。SRS伝送に必要な保護時間が確保されない場合、1つ又は複数のSRSリソースを廃棄することができる(これは、該1つ又は複数のSRSリソースによってSRS伝送がスケジューリングされることはないことを表す)。
【0037】
以下、図1~11を参考にしつつ、本開示の原理及び実現について詳細に説明する。
【0038】
図1は、本開示を実現可能な例示的通信ネットワーク100を示す。ネットワーク100は、ネットワーク機器110と、ネットワーク機器110からサービスを受ける端末機器120とを含む。ネットワーク100は、少なくとも1つのサービスセル102を提供して端末機器120にサービスを提供することができる。理解すべき点として、ネットワーク機器,端末機器及び/又はサービスセルの数は、説明の目的のために使用されるだけで、何らかの制限を示唆するものではない。ネットワーク100は、本開示の実現に適した任意の適切な数のネットワーク機器、端末機器及び/又はサービスセルを含むことができる。
【0039】
通信ネットワーク100において、ネットワーク機器110は、データ及び制御情報を端末機器120に伝送することができ、端末機器120も、データ及び制御情報をネットワーク機器110に伝送することができる。ネットワーク機器110から端末機器120までのリンクは、下りリンク(DL)と称され、端末機器120からネットワーク機器110までのリンクは、上りリンク(UL)と称される。
【0040】
ネットワーク100における通信は、任意の適切な規格に適合させることができる。ここで任意の適切な規格には、Global System for Mobile Communications(GSM)、Long Term Evolution(LTE)、LTE Evolution、LTE-Advanced(LTE-A)、広帯域符号分割多元接続(WCDMA)、符号分割多元接続(CDMA)、GSM/EDGE無線アクセスネットワーク(GERAN)等が含まれるが、これらに限定されない。また、現時点で既知の、又は将来開発される任意の世代の通信プロトコルに基づき、通信を実行することができる。通信プロトコルの例として第1世代(1G)、第2世代(2G)、2.5G、2.75G、第3代(3G)、第四代(4G)、4.5G、第5世代(5G)の通信プロトコルが含まれるが、これらに限定されない。
【0041】
正常なデータ通信以外に、ネットワーク機器110は下りリンクにおいて、端末機器120にRSを送信することもできる。同様に、端末機器120は上りリンクにおいて、ネットワーク機器110にRSを伝送することができる。一般的に、RSは、ネットワーク機器110及び端末機器120の両者いずれにとっても既知の信号系列(「RS系列」とも称する)である。例えば、RS系列は、ネットワーク機器110が、あるルールに基づき生成し伝送することができ、また、端末機器120は同じルールに基づきRS系列を導き出すことができる。RSの例として、下りリンク又は上りリンク復調用参照信号(DMRS:Demodulation Reference Signal)、CSI-RS、サウンディング参照信号(SRS:Sounding Reference Signal)、位相追跡参照信号(PTRS:Phase Tracking Reference Signal)、追跡参照信号(TRS:racking Reference Signal)、詳細な時間/周波数追跡参照信号(TRS:fine time-frequency Tracking Reference Signal)、追跡用CSI-RS等が含まれるが、これらに限定されない。
【0042】
下りリンク及び上りリンクRSの伝送において、ネットワーク機器110は、伝送のために対応リソース(「RSリソース」とも称する)を割り当てることができ、且つ/又は、どのRS系列を伝送するか指定することができる。いくつかの状況では、ネットワーク機器110及び端末機器120はいずれも、複数のアンテナポート(又はアンテナ部品)を備えており、アンテナポート(アンテナ部品)を利用して指定されたRS系列を伝送することができる。さらに、複数のRSポートと関連するRSリソースセットが指定される。RSポートは、時間、周波数及び/又はコード領域において、RS伝送に割り当てられるリソースエリアの1つ又は複数のリソースエレメントに対する、一部又は全てのRS系列の特定のマッピングを示すことができる。
【0043】
SRSは、ネットワーク機器110が上りリンクチャネル推定に用いることができ、これにより、上りリンクチャネル推定の結果に基づき、端末機器120からのUL伝送(例えばPUSCH伝送)のために、リソース分配を実行し伝送パラメータを設置することができる。SRSはさらに、その時間領域挙動に基づき、例えばP-SRS、AP-SRS及びSP-SRS等の異なるタイプに分けることができる。文中で使用する場合、「P-SRS」とは時間領域において周期的に伝送されるSRSを指す。「SP-SRS」はP-SRSと似ているが、相違点として、SP-SRSの伝送は、信号によりアクティブ化し、且つ別の信号により非アクティブ化することができる。「AP-SRS」とは、ネットワーク機器によりトリガ信号を介して、その伝送をトリガすることができるSRSを指す。
【0044】
端末機器120が、複数の受信アンテナポート及び複数/単数の送信アンテナポートをサポートしている状況では、SRSのアンテナ切り替えをサポートすることができる。例えば、2つの非周期的SRSリソースセットによって、SRS伝送に対する1T4R(即ち、1つの送信アンテナ及び4つの受信アンテナ)のアンテナ切り替えをサポートできる。2つの異なるスロットの異なるシンボルにおいて、合計4つのSRSリソースを有する2つの非周期的SRSリソースセットを伝送することができる。各SRSリソースは、1つのSRSポートにより構成され、各SRSリソースのSRSポートは、端末機器の異なるアンテナポートと関連付けられている。2つのSRSリソースセットのうち各SRSリソースセットが2つのSRSリソースにより構成されるか、又は1つのSRSリソースセットが、1つのSRSリソースにより構成され、且つもう1つのSRSリソースセットが3つのSRSリソースにより構成される。SRS伝送に対するアンテナ切り替えがイネーブルにされた状況では、SRS伝送には保護時間が必要になる可能性がある。該保護時間では、端末機器は他のいかなる信号も伝送しない。その理由は、アンテナポートを切り替えて異なる信号を伝送するのに一定の時間を必要とするからである。
【0045】
図2は、本開示のいくつかの実施形態によるSRS伝送に用いられる例示的方法200のフローチャートを示す。方法200は、図1に示す端末機器120において実現することができる。理解すべき点として、方法200はさらに、図示されていない付加的ブロック、及び/又は図示を省略可能ないくつかのブロックを含むことができ、この点において、本開示の範囲は制限を受けない。議論しやすいように、図1を参照して端末機器120の側から方法200を説明する。
【0046】
ブロック210において、少なくとも1つのSRSリソースセットが、ネットワーク機器110に対してSRSを伝送するために配置され、且つ端末機器120に対してアンテナ切り替えがイネーブルにされたことに応じて、端末機器120はSRS伝送に必要な少なくとも1つの保護時間を確定する。ネットワーク機器110に対して行われる上りリンク伝送は、少なくとも1つの保護時間以外にスケジューリングされると予期される。
【0047】
いくつかの実施形態において、端末機器120は上りリンクチャネルのサブキャリア間隔(SCS:subcarrier spacing)に基づき、少なくとも1つの保護時間を確定し、該上りリンクチャネルを介して、SRS伝送及び上りリンク伝送を実行しようとする。いくつかの実施形態において、SRS伝送に必要な少なくとも1つの保護時間は、少なくとも1つのSRSリソースセットの前、又は、少なくとも1つのSRSリソースセットにおける1つのSRSリソースの前の第1保護時間、少なくとも1つのSRSリソースセットの後、又は、少なくとも1つのSRSリソースセットにおける1つのSRSリソースの後の第2保護時間、及び、少なくとも1つのSRSリソースセットのうちの2つのSRSリソースの間の第3保護時間のうち、少なくとも一つを含むことができる。
【0048】
いくつかの実施形態において、異なる配置に対して、少なくとも1つのSRSリソースセットの前又は少なくとも1つのSRSリソースセットにおける1つのSRSリソースの前の第1保護時間のシンボル数は、異なっていてよい。例えば、いくつかの実施形態において、SRS伝送用SCSの異なる値に対し、第1保護時間のシンボル数は異なっていてよい。
【0049】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのSRSリソースセットの前又は少なくとも1つのSRSリソースセットにおける1つのSRSリソースの前の第1保護時間のシンボル数は、少なくとも1つのSRSリソースセットにおける2つのSRSリソースの間の第3保護時間のシンボル数と異なっていてよい。
【0050】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのSRSリソースセットの前又は少なくとも1つのSRSリソースセットにおける1つのSRSリソースの前の第1保護時間のシンボル数は、少なくとも1つのSRSリソースセットの後又は少なくとも1つのSRSリソースセットにおける1つのSRSリソースの後の第2保護時間のシンボル数と異なっていてよい。
【0051】
いくつかの実施形態において、SCSの異なる値(例えば、15kHz、30kHz、60kHz又は120kHz)に対し、少なくとも1つのSRSリソースセットの前又は少なくとも1つのSRSリソースセットにおける1つのSRSリソースの前の第1保護時間は、0又は1つのシンボルであり得る。具体的に、いくつかの実施形態において、SCSが15kHz、30kHz又は60kHzである状況では、少なくとも1つのSRSリソースセットの前又は少なくとも1つのSRSリソースセットにおける1つのSRSリソースの前の第1保護時間は、0個のシンボルであり得る。他のいくつかの実施形態において、SCSが120kHzの状況では、少なくとも1つのSRSリソースセットの前又は少なくとも1つのSRSリソースセットにおける1つのSRSリソースの前の第1保護時間は、1つのシンボルであり得る。
【0052】
いくつかの実施形態において、異なる配置に対し、少なくとも1つのSRSリソースセットの後又は少なくとも1つのSRSリソースセットにおける1つのSRSリソースの後の第2保護時間のシンボル数は、異なっていてよい。例えば、いくつかの実施形態において、SRS伝送用のSCSの異なる値に対して、第2保護時間のシンボル数は、異なっていてよい。
【0053】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのSRSリソースセットの後又は少なくとも1つのSRSリソースセットにおける1つのSRSリソースの後の第2保護時間のシンボル数は、少なくとも1つのSRSリソースセットにおける2つのSRSリソースの間の第3保護時間のシンボル数と異なっていてよい。
【0054】
いくつかの実施形態において、SCSの異なる値(例えば、15kHz、30kHz、60kHz又は120kHz)に対し、少なくとも1つのSRSリソースセットの後又は少なくとも1つのSRSリソースセットにおける1つのSRSリソースの後の第2保護時間は、0又は1つのシンボルであり得る。具体的に、いくつかの実施形態において、SCSが15kHz、30kHz又は60kHzである状況では、少なくとも1つのSRSリソースセットの後又は少なくとも1つのSRSリソースセットにおける1つのSRSリソースの後の第2保護時間は、0個のシンボルであり得る。他のいくつかの実施形態において、SCSが120kHzの状況では、少なくとも1つのSRSリソースセットの後又は少なくとも1つのSRSリソースセットにおける1つのSRSリソースの後の第2保護時間は、1つのシンボルであり得る。
【0055】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのSRSリソースセットにおける2つのSRSリソースの間の第3保護時間に関し、以下のとおり表1に、アンテナ切り替え用のSRSリソースセットにおける2つのSRSリソースの間の最小保護時間を示す。

SRSリソースセットにおける2つのSRSリソースの間の最小保護時間
【表1】
【0056】
図3A及び図3Bは、本開示のいくつかの実施形態によるSRS伝送用の保護時間の例を示す。図3A及び図3Bに示す例において、上りリンクチャネルのSCSが120kHzであると仮定し、2つのSRSリソースセットがSRS伝送用に配置され、各SRSリソースセットが2つのSRSリソースにより構成されると仮定する。1つのスロットが合計14個のシンボル(第1~第14シンボル)を含む場合、1つのSRSリソースセットのうち2つのSRSリソースは、1つのスロットのうち最後の6個のシンボル(第9~第14シンボル)に位置することができる。図3Aに示すように、1つのSRSリソースセットのうち2つのSRSリソースは、それぞれ、1つのスロットのうちの第9シンボル311及び第12シンボル312に位置している。第10シンボル313及び第11シンボル314は、SRSリソース311と312との間の保護時間として保留される。第8シンボル315は、SRSリソース311の前の保護時間として保留することができる。図3Bに示すように、1つのSRSリソースセットのうち2つのSRSリソースは、それぞれ、1つのスロットのうちの第10シンボル321及び第13シンボル322に位置している。第11シンボル323及び第12シンボル324は、SRSリソース321と322との間の保護時間として保留される。第14シンボル325は、SRSリソース322の後の保護時間として保留することができる。
【0057】
いくつかの実施形態において、SCSが15kHz、30kHz又は60kHzである状況では、1つのスロット内のSRSリソースの間には、2つ以上のシンボルが存在し得る。いくつかの実施形態において、1つのスロット内のSRSリソース間のいくつかのシンボルは、他の上りリンク信号の伝送に用いることができる。図4は、このような実施形態の例を示す。図4に示す例において、上りリンクチャネルのSCSが15kHz、30kHz又は60kHzであると仮定し、2つのSRSリソースセットがSRS伝送用に配置され、各SRSリソースセットが2つのSRSリソースにより構成されると仮定する。1つのスロットが合計14個のシンボル(第1~第14シンボル)を含む場合、1つのSRSリソースセットのうち2つのSRSリソースは、1つのスロットのうち最後の6個のシンボル(第9~第14シンボル)に位置することができる。図4に示すように、1つのSRSリソースセットのうち2つのSRSリソースは、それぞれ、1つのスロットのうちの第9シンボル410及び第14シンボル420に位置している。第10シンボル430は、SRSリソース410の後の保護時間として保留することができ、第13シンボル440は、SRSリソース420の前の保護時間として保留することができる。第11シンボル450及び第12シンボル460は、他の上りリンク信号の伝送に用いることができる。
【0058】
いくつかの実施形態において、120kHzのSCSを、SRS伝送用として配置することができる。このような状況では、1つのスロットにおいてSRSリソースの前に、他のUL/DL伝送が配置され、且つ/又は、後続スロットにおいてSRSリソースの後に、他のUL/DL伝送が配置されると、該スロット内のSRSリソース伝送には、1つのモードだけが用いられる可能性がある。例えば、第9シンボルは、SRSリソースの前の保護時間として保留することができる。第10シンボルは、SRSリソース伝送用に配置することができる。第11及び第12シンボルは、SRSリソースの間の保護時間として保留することができる。第13シンボルは、SRSリソース伝送用に配置することができ、第14シンボルは、SRSリソースの後の保護時間として保留することができる。
【0059】
いくつかの実施形態において、SCSが120kHzである状況では、1つのスロット内のSRSリソースの間に、3つ以上のシンボルが存在し得る。いくつかの実施形態において、1つのスロット内のSRSリソースの間にシンボルがいくつ存在したとしても、1つのスロット内のSRSリソース間のこれらシンボルには、上りリンク伝送をスケジューリングすることはできない。いくつかの実施形態において、SCSが120kHzである状況では、1つのスロット内のSRSリソース間のシンボルに、上りリンク伝送をスケジューリングすると、これらのSRSリソースは廃棄されてしまう(即ち、SRSリソースによってSRS伝送がスケジューリングされることはない)。
【0060】
いくつかの実施形態において、1つのスロット内のSRSリソースの間にスケジューリングされた上りリンク伝送が存在する場合、いくつかの要件を満たさなければならない可能性がある。例えば、該要件は以下の要件を含むことができる。即ち、1つのスロット内の2つのSRSリソース間の時間間隔は、K個のシンボル以上でなければならず、ここでK=3又は4である。選択的に又は付加的に、該要件は、SCSが15kHz、30kHz又は60kHzの場合のみであり、120kHzであってはならないという要件を含んでもよい。選択的に又は付加的に、該要件は、1つのSRSリソースのシンボル数は1のみであるという要件を含んでもよい。選択的に又は付加的に、該要件は、SRS伝送と他のUL伝送との間に、保護時間(少なくとも1つのシンボル)が存在しなければならないという要件を含んでもよい。
【0061】
いくつかの実施形態において、上述したように、SCSが15kHz、30kHz又は60kHzである状況では、1つのスロット内のSRSリソースの間には2つ以上のシンボルが存在し得る。また、SCSが120kHzである状況では、1つのスロット内のSRSリソースの間には3つ以上のシンボルが存在し得る。いくつかの実施形態において、1つのスロット内のSRSリソース間のいくつかのシンボルは、他の上りリンク信号の伝送に用いることができる。いくつかの実施形態において、1つのSRSリソース及び他の上りリンク信号の伝送が、端末機器120の送信(TX)アンテナに関する同一配置(例えば、同一のTXビーム又は同一のTX空間フィルタ)と関連する場合、SRSリソースと他の上りリンク信号の伝送との間には、保護時間を設けなくてよいが、他の上りリンク信号の伝送と、該スロットにおける他のSRSリソースとの間には、保護時間を保留しなければならない。図5は、このような実施形態の例を示す。図5に示す例において、SRS伝送に2つのSRSリソースセットが配置され、各SRSリソースセットが2つのSRSリソースにより構成されると仮定する。1つのスロットが合計14個のシンボル(第1~第14シンボル)を含む場合、1つのSRSリソースセットのうち2つのSRSリソースは、1つのスロットのうち最後の6個のシンボル(第9~第14シンボル)に位置することができる。図5に示すように、1つのSRSリソースセットのうち2つのSRSリソースは、それぞれ、1つのスロットのうちの第10シンボル510及び第14シンボル520に位置している。SRSリソース510及び他の上りリンク信号の伝送が、同一のTXビーム又は同一のTX空間フィルタと関連する場合、第11シンボル530及び/又は第12シンボル540は、他の上りリンク信号の伝送に用いることができる。即ち、SRSリソース510と他の上りリンク信号の伝送との間に、保護時間を設けない。また、第13シンボル550は、他の上りリンク信号の伝送と、SRSリソース520との間の保護時間として保留することができる。
【0062】
図2に戻って、ブロック220において、端末機器120は、少なくとも1つの保護時間に対する要件が満たされているかを確定する。要件が満たされている場合、上りリンク伝送が少なくとも1つの保護時間以外にスケジューリングされ、ブロック230において、端末機器120は少なくとも1つのSRSリソースセットによって、ネットワーク機器110にSRSを伝送する。要件が満たされていない場合、上りリンク伝送が少なくとも1つの保護時間内にスケジューリングされ、ブロック240において、端末機器120は、SRS伝送に用いられる少なくとも1つのSRSリソースセットの少なくとも一部をディセーブルにする(廃棄)。
【0063】
いくつかの実施形態において、優先度がSRS伝送より高い上りリンク伝送が、少なくとも1つの保護時間内にスケジューリングされた場合、端末機器120は、少なくとも1つのSRSリソースセットにおいて、廃棄すべき1つ又は複数のSRSリソースを確定する。例えば、端末機器120は、伝送するSRSのタイプ、端末機器120のアンテナモード、及び上りリンクチャネルのSCSのうち、少なくとも1つに基づき、1つ又は複数のSRSリソースを確定することができる。例えば、SRSのタイプは、該SRSが周期的か、半持続的か、または非周期的かを指すことができる。端末機器120のアンテナモードは、1T4R、1T2R、2T4R、1T8R、2T8R等の一つを含むことができる。上りリンクチャネルのSCSは、15kHz、30kHz、60kHz、120kHz等のうちの1つであり得る。
【0064】
いくつかの実施形態において、優先度がSRS伝送より高い上りリンク伝送が、少なくとも1つの保護時間内にスケジューリングされた場合、端末機器120は少なくとも1つのSRSリソースセットにおける全てのSRSリソースを一括で廃棄することができる(即ち、少なくとも1つのSRSリソースセットにおける全てのSRSリソースにより行う一括伝送)。例えば、いくつかの実施形態において、SRSは周期的又は半持続的であり得る。このような状況で、端末機器120のアンテナモードが1T2R又は2T4Rである場合、合計で2つのSRSリソースを有する1つのSRSリソースセットを廃棄することができる。また、端末機器120のアンテナモードが前述の1T4Rである場合、合計で4つのSRSリソースを有する2つのSRSリソースセットを廃棄することができる。他のいくつかの実施形態において、SRSは非周期的であり得る。このような状況において、端末機器120のアンテナモードが1T2Rである場合、合計で2つのSRSリソースを有する1つのSRSリソースセットを廃棄することができる。また、端末機器120のアンテナモードが前述の1T4Rである場合、合計で4つのSRSリソースを有する2つのSRSリソースセットを廃棄することができる。
【0065】
いくつかの実施形態において、優先度がSRS伝送より高い上りリンク伝送が、少なくとも1つの保護時間内にスケジューリングされた場合、端末機器120は、残りのSRSリソースで行うSRS伝送に必要な保護時間が確保できるまで、少なくとも1つのSRSリソースセットのうち、少なくとも1つの保護時間と衝突するいくつかのSRSリソースのみを廃棄することができる。
【0066】
図6A及び図6Bは、このような実施形態の例を示す。図6A及び図6Bに示す例では、2つのSRSリソースセットがSRS伝送用に配置され、各SRSリソースセットが2つのSRSリソースにより構成されると仮定する。1つのスロットが合計14個のシンボル(第1~第14シンボル)を含む場合、1つのSRSリソースセットのうち2つのSRSリソースは、1つのスロットのうち最後の6個のシンボル(第9~第14シンボル)に位置することができる。図6Aに示すように、1つのSRSリソースセットのうち2つのSRSリソースは、それぞれ、1つのスロットのうちの第9シンボル610及び第12シンボル620に位置している。第8シンボル630は、SRSより高い優先度を有する他の上りリンク信号の伝送に用いられる。このような状況では、第8シンボル630における他の上りリンク信号の伝送と、第9シンボルにおけるSRS伝送との間に、保護時間がないため、SRSリソース610を廃棄することができる。図6Bに示すように、1つのSRSリソースセットにおける2つのSRSリソースは、それぞれ、1つのスロット内の第11シンボル640及び第14シンボル650に位置する。次のスロットの第1シンボル660は、SRSより高い優先度を有する他の上りリンク信号の伝送に用いられる。このような状況では、当該スロットのうち第14シンボル650における他の上りリンク信号の伝送と、次のスロットの第1シンボル660におけるSRS伝送との間に、保護時間がないため、SRSリソース650を廃棄することができる。
【0067】
いくつかの実施形態において、1つのSRSリソースセットにおけるSRSリソースが廃棄されることが確定したが、他の上りリンク信号(SRSより高い優先度を有する)の伝送及びSRSリソースが、端末機器120の送信アンテナの同一配置(例えば、同一のQCL又はTX空間フィルタ)と関連する場合、SRSリソースを廃棄しなくてよい。即ち、該SRSリソースで行うSRS伝送を、実行することができる。
【0068】
いくつかの実施形態において、優先度がSRS伝送より高い上りリンク伝送が、少なくとも1つの保護時間内にスケジューリングされた場合、端末機器120は、残りのSRSリソースセットで行うSRS伝送に必要な保護時間が確保できるまで、少なくとも1つの保護時間と衝突するSRSリソースセットのみを廃棄することができる。例えば、伝送するSRSが非周期的で、且つ端末機器120のアンテナモードが1T4Rである状況では、2つの非周期的SRSリソースセットをSRS伝送用に配置することができる。2つのSRSリソースセットのうち1つのSRSリソースセットと、他の上りリンク信号の伝送との間で、必要な保護時間が確保できない場合、該SRSリソースセットを廃棄することができる。また、2つのSRSリソースセットのうちもう1つのSRSリソースセットと、他の上りリンク信号の伝送との間の必要な保護時間が確保できる場合、該もう1つのSRSリソースセットで行うSRS伝送は、実行することができる。
【0069】
いくつかの実施形態において、上りリンクチャネルのSCSが120kHzで、且つ端末機器120のアンテナモードが1T4Rである場合、合計4つのSRSリソースを有する2つの非周期的SRSリソースセットをSRS伝送用に配置することができ、2つのSRSリソースセットのうち各SRSリソースセットが、2つのSRSリソースを含むことができる。即ち、このような状況に対し、1つのSRSリソースを有する一つのSRSリソースセット及び3つのSRSリソースを有するもう1つのSRSリソースセットは、使用できない可能性がある。
【0070】
いくつかの実施形態において、優先度がSRS伝送より高い上りリンク伝送が、少なくとも1つの保護時間内にスケジューリングされた場合、端末機器120は、所定の廃棄ルールに基づき、少なくとも1つのSRSリソースセットにおいて、廃棄すべき1つ又は複数のSRSリソースを確定する。いくつかの実施形態において、SRS伝送のための異なる配置に対して、廃棄ルールは異なっていてよい。いくつかの実施形態において、例えば、周期的又は半持続的SRSのアンテナ切り替えの廃棄ルールは、非周期的SRSのアンテナ切り替えの廃棄ルールと、異なっていてよい。いくつかの実施形態において、周期的又は半持続的SRSのアンテナ切り替えに対し、SRSリソース又はSRSリソースセットに基づき廃棄を行うことができる。非周期的SRSのアンテナ切り替えに対し、SRSリソースセット又はSRS伝送のために配置される全てのSRSリソースセットに基づき、廃棄を行うことができる。いくつかの実施形態において、周期的又は半持続的SRSのアンテナ切り替えに対し、1つのSRSリソースが必要とする保護時間が確保できない場合、該SRSリソース又は該SRSリソースを含むSRSリソースセットを廃棄することができる。いくつかの実施形態において、非周期的SRSのアンテナ切り替えに対し、1つのSRSリソースセットが必要とする保護時間が確保できない場合、該SRSリソースセット又はSRS伝送のために配置される全てのSRSリソースセットを廃棄することができる。
【0071】
図7A及び図7Bは、このような実施形態の例を示す。図7A及び図7Bに示す例では、2つのSRSリソースセットがSRS伝送用に配置され、各SRSリソースセットが2つのSRSリソースにより構成されると仮定する。1つのスロットが合計14個のシンボル(第1~第14シンボル)を含む場合、1つのSRSリソースセットのうち2つのSRSリソースは、1つのスロットのうち最後の6個のシンボル(第9~第14シンボル)に位置することができる。図7Aは、周期的又は半持続的SRSのアンテナ切り替えの例を示す。図7Aに示すように、1つのSRSリソースセットにおける2つのSRSリソースは、それぞれ、1つのスロット内の第9シンボル710及び第12シンボル720に位置する。第8シンボル730は、SRSより高い優先度を有する他の上りリンク信号の伝送に用いられる。このような状況では、第8シンボル730における他の上りリンク信号の伝送と、第9シンボル710におけるSRS伝送との間に、保護時間がないため、SRSリソース710を廃棄することができる。図7Bは、非周期的SRSのアンテナ切り替えの例を示す。図7Bに示すように、1つのSRSリソースセットにおける2つのSRSリソースは、それぞれ、1つのスロット内の第9シンボル740及び第12シンボル750に位置する。第8シンボル760は、SRSより高い優先度を有する他の上りリンク信号の伝送に用いられる。このような状況では、SRSリソース740及び750を廃棄することができる。
【0072】
いくつかの実施形態において、SRS伝送に用いられるSCSは、同一の帯域幅部分(BWP:bandwidth part)内、同一のキャリア成分(CC:carrier component)内又は同一スロット内の他の上りリンク伝送のSCSと異なっていてよい。例えば、SRS伝送に用いられるSCS(「第2SCS」とも称する)は、他の上りリンク伝送に用いられるSCS(「第1SCS」とも称する)より大きくてよい。例えば、他の上りリンク伝送は、PUSCH又はPUCCHであり得る。例えば、1つのスロットが合計14個のシンボル(第1~第14シンボル)を含む場合、SRS伝送用のSRSリソースは、1つのスロットのうち最後の6個のシンボル(第9~第14シンボル)に位置することができる。他の上りリンク伝送に用いられるSCSは、「S0」と表すことができる。SRS伝送に用いられるSCSは、「S1」と表すことができる。いくつかの実施形態において、S1≧S0である。具体的に、いくつかの実施形態において、S1=K*S0であり、ここでKは自然数である。これは、SRS伝送に用いられる実際のシンボル数がもっと多くてよいことを示している。例えば、最多でL個のシンボルがSRS伝送用に分配され、且つS1=K*S0であれば、最多でK*L個のシンボルがSRS伝送に用いられることになる。
【0073】
図8A図8Cは、このような実施形態の例を示す。図8A図8Cに示す例では、SRS伝送に用いられるSCSがS1で、他の上りリンク伝送に用いられるSCSがS0であり、S1=K*S0で且つKが自然数であると仮定する。図8Aに示す例では、S1=S0である。図8Aに示すように、1つのスロット内の2つのシンボルでSRSを伝送しており、それらは第9シンボル及び第12シンボルである。図8Bに示す例では、S1=2*S0である。図8Bに示すように、実際に1つのスロット内の4つのシンボルでSRSを伝送することができる。図8Cに示す例では、S1=4*S0である。図8Cに示すように、実際に1つのスロット内の8つのシンボルでSRSを伝送することができる。
【0074】
現在の3GPPの仕様では、1つのスロットにおいてSRS伝送に用いられる開始シンボルの開始位置(即ち、第9シンボルに対するシンボルオフセット)は、0、1、2、……、5のうち任意の1つとすることができると示されている。該開始位置は、SRSの伝送前に端末機器120に指示することができる。また、いくつかの実施形態において、SRS伝送用のSCS(即ちS1)を示す1つのパラメータを指示することができる。いくつかの実施形態において、端末機器120に、他の上りリンク伝送に用いられるSCSより小さいSRS伝送用のSCSが配置されていると予期しなくてよい。即ち、端末機器120にS1<S0であるS1が配置されると予期しなくてよい。いくつかの実施形態において、開始位置以外に、SRS伝送用のSCSに関する1つのパラメータを指示することができる。例えば、開始位置以外に、S1=K*S0を示すパラメータKを指示することができる(ここで、S1はSRS伝送用SCSを表し、S0は他の上りリンク伝送に用いられるSCSを表す)。例えば、Kは1、2、4及び8のうちのいずれか1つであり得る。いくつかの実施形態において、S0の異なる値に対し、Kの対応する値は異なっていてよい。例えば、S0が15kHzであれば、Kは1、2、4及び8のうちのいずれか1つであり得る。例えば、S0が30kHzであれば、Kは1、2及び4のうちのいずれか1つであり得る。例えば、S0が60kHzであれば、Kは1または2であり得る。例えば、S0が120kHzであれば、Kは1であってよく、又は、このような状況ではパラメータKを指示しなくてよい。このようにして、1T4R SRSのアンテナ切り替えに対し、1つのSRSリソースセットだけで(3GPP仕様における2つのSRSリソースセットではなく)、SRS伝送を行うことができる。
【0075】
いくつかの実施形態において、SRS一括伝送(即ち、全てのSRSリソースセットが一括伝送される)に対し、M個のSRSリソースセットが存在し得る。ここでMは整数で且つM>1である。M個のSRSリソースセットはそれぞれ、M個のトリガ信号によりトリガすることができる。例えば、1つのトリガ信号は、対応するSRSリソースセットにより行われる伝送をトリガすることができる。しかしながら、トリガ信号と、対応するSRSリソースセットにより行われる伝送との間には、タイムオフセットが存在する可能性がある。いくつかの実施形態において、前述の状況では、M個のトリガ信号を受信するための時間窓若しくは時間帯を配置するか、又は予め設定することができる。例えば、該時間窓又は時間帯内に、M個のトリガ信号を受信できない場合、SRS伝送用に配置された全てのSRSリソースセットを廃棄することができる。別の例示として、SRS伝送(例えば、M個のSRSリソースセットのうち最も早いSRSリソースセットで行う伝送)の前に、M個のトリガ信号のうちのいずれか1つを受信できない場合、M個の全てのSRSリソースセットを廃棄する。
【0076】
いくつかの実施形態において、SRSのアンテナ切り替えに対し、M個のSRSリソースセット(ここでMは整数で且つM>1)が存在することができ、該M個のSRSリソースセットはそれぞれ、M個のDCIによりトリガすることができる。いくつかの実施形態において、SRS伝送(例えば、M個のSRSリソースセットのうち最も早いSRSリソースセットで行う伝送)の前に、M個のDCIのうちのいずれか1つを受信できない場合、端末機器120がM個のSRSリソースセットによりSRSを伝送することを予期しなくてよい。いくつかの実施形態において、M個のトリガ信号を受信するための時間窓若しくは時間帯を配置するか、又は予め設定することができる。例えば、異なるDCIを受信するための時間窓又は時間帯は、N個のスロット、マイクロセカンド又はシンボルとして表される。いくつかの実施形態において、該時間窓又は時間帯は、M個のDCIにおけるDCIの最初に受信した、最初又は最後のシンボルから開始することができる。いくつかの実施形態において、該時間窓又は時間帯内にM個のDCIを受信できない場合、端末機器120がM個のSRSリソースセットによりSRSを伝送すると予期しなくてよい。いくつかの実施形態において、Nの値は、異なる状況において(例えば、SRS伝送用の異なるSCS)異なっていてよい。
【0077】
いくつかの実施形態において、1T4R SRSのアンテナ切り替えに対し、SRS伝送用に配置される少なくとも1つのSRSリソースセットは、第1SRSリソースセット及び第2SRSリソースセットを含むことができる。第1SRSリソースセットより行われる第1SRS伝送は、第1DCIによりトリガすることができ、第2SRSリソースセットにより行われる第2SRS伝送は、第2DCIによりトリガすることができる。例えば、第1SRSは第2SRSの伝送前に伝送される。いくつかの実施形態において、第1SRSの伝送前にネットワーク機器110から第2DCIを受信できないことに応じて、第1SRSリソースセット及び第2SRSリソースセットの両方を廃棄する。他のいくつかの実施形態において、予め設定されたか又は配置された時間帯又は時間窓内において、ネットワーク機器110から第2DCIを受信できないことに応じて、第1SRSリソースセット及び第2SRSリソースセットの両方を廃棄する。例えば、予め設定されたか又は配置された時間帯又は時間窓は、第一DCIの受信した最初又は最後のシンボルから開始することができる。
【0078】
いくつかの実施形態において、TRSの一括受信(即ち、全てのTRSリソースセットが一括受信される)に対し、M個のTRSリソースセットが存在することができ、ここで、Mは整数で且つM>1である。M個のTRSリソースセットはそれぞれ、M個のトリガ信号によりトリガすることができる。例えば、1つのトリガ信号は、対応するTRSリソースセットにより行われる受信をトリガすることができる。しかしながら、トリガ信号と、対応するTRSリソースセットにより行われる受信との間には、タイムオフセットが存在する可能性がある。いくつかの実施形態において、前述の状況では、M個のトリガ信号を受信するための時間窓若しくは時間帯を配置するか、又は予め設定することができる。例えば、該時間窓又は時間帯内に、M個のトリガ信号を受信できない場合、TRS受信用に配置された全てのTRSリソースセットを廃棄することができる。別の例示として、TRS受信(例えば、M個のTRSリソースセットのうち最も早いTRSリソースセットで行う受信)の前に、M個のトリガ信号のうちのいずれか1つを受信できない場合、全てのM個のTRSリソースセットが廃棄される。いくつかの実施形態において、2つのTRSリソースセットにより行われる受信の間に配置されたスロットのオフセットが、0でない場合、全てのM個のTRSリソースセットが廃棄される。選択的に、いくつかの実施形態において,2つのTRSリソースセットにより行われる受信の間に配置されたスロットのオフセットが、1ではない、又は閾値Tより大きい場合、全てのM個のTRSリソースセットが廃棄される。例えば、閾値Tは1又は2個のスロットであり得る。
【0079】
図9A図9Cはこのような実施形態の例を示す。図9A~9Cに示す例において、2つのSRSリソースセット910及び920が、SRS伝送用に配置されると仮定する。SRS一括伝送において、SRSリソースセット910により行われるSRS伝送は、SRSリソースセット920により行われるSRS伝送より早い。図9Aは、SRSリソースセットが廃棄されていない正常な状況を示す。図9Aに示すように、スロットNで、SRSリソースセット910に対するトリガ(例えば、DCI)を受信し、スロットN+K1で、SRSリソースセット920に対するトリガを受信する。ここで、K1は自然数である。SRS一括伝送において、SRSリソースセット910により行われるSRS伝送は、スロットN+K2で実行され、ここでK2>K1である。SRSリソースセット920により行われるSRS伝送は、スロットN+K3で実行され、ここでK3>K2である。図9Bは、図9Aと異なる状況を示す。図9Bに示すように、SRSリソースセット910に対するトリガがスロットNで受信され、SRSリソースセット910により行われるSRS伝送は、スロットN+K1にスケジューリングされ、ここでK1は自然数である。SRSリソースセット920に対するトリガは、スロットN+K2で受信され、SRSリソースセット920により行われるSRS伝送は、スロットN+K3にスケジューリングされ、ここでK2<K3である。しかしながら、図9Bに示すように、K2<K1であり、これは、SRSリソースセット910により行われるSRS伝送の前に、SRSリソースセット920に対するトリガを受信できないことを表す。このような状況では、2つのSRSリソースセット910及び920は、廃棄することができる。即ち、端末機器120が2つのSRSリソースセット910及び920により、SRSを伝送することは予期しなくてよい。図9Cは、いくつかの実施形態による別の状況の例を示す。図9Cに示すように、SRSリソースセット910のトリガはスロットNで受信され、もう1つのSRSリソースセット920に対するトリガは、N個のスロット/シンボル/msの時間窓内で受信されると予期される。N個のスロット/シンボル/ms内で、もう1つのSRSリソースセット920に対するトリガを受信できない場合、2つのSRSリソースセットはいずれも廃棄することができる。
【0080】
以上、本開示のいくつかの実施形態の例として、1T4Rのアンテナ切り替えに用いられる2つのSRSリソースセットのみを示したが、理解すべき点として、端末機器120の異なるアンテナモードに対し、SRSのアンテナ切り替えのために異なる数のSRSリソースセットを配置することができる。例えば、いくつかの実施形態において、1T8R SRS伝送に対し、3つ又は4つのSRSリソースセットを配置することができる。本開示の範囲は、この点において制限されない。
【0081】
図10は、本開示のいくつかの実施形態による例示的方法1000のフローチャートを示す。方法1000は、図1に示すネットワーク機器110において実現することができる。理解すべき点として、方法1000はさらに、図示されていない付加的ブロック、及び/又は図示を省略可能ないくつかのブロックを含むことができ、この点において、本開示の範囲は制限を受けない。議論しやすいように、図1を参照してネットワーク機器110の側から方法1000を説明する。また、理解すべき点として、ネットワーク機器110により実行される方法1000は、図2図9に関して上述した端末機器により実行される方法に、対応させることができる。簡略化のため、ここでは、方法1000に関する詳細は省略する。
【0082】
ブロック1010において、少なくとも1つのサウンディング参照信号(SRS)リソースセットが、端末機器120からSRSを受信するために配置され、アンテナ切り替えが端末機器120に対してイネーブルにされたことに応じて、ネットワーク機器110は、SRSの受信に必要な少なくとも1つの保護時間を確定する。端末機器120から行われる上りリンクの受信は、少なくとも1つの保護時間以外にスケジューリングされることが予期できる。
【0083】
いくつかの実施形態において、ネットワーク機器110は、上りリンクチャネルのサブキャリア間隔に基づき、少なくとも1つの保護時間を確定することができる。
【0084】
いくつかの実施形態において、ネットワーク機器110は、少なくとも1つのSRSリソースセットの前の第1保護時間、少なくとも1つのSRSリソースセットの後の第2保護時間、少なくとも1つのSRSリソースセットにおける2つのSRSリソースの間の第3保護時間のうち、少なくとも1つを確定することができる。
【0085】
いくつかの実施形態において、上りリンク受信、及び少なくとも1つのSRSリソースセットにおける第1SRSリソースが、端末機器に関する送信アンテナの同一配置と関連することに応じて、ネットワーク機器110は、上りリンク受信と、第1SRSリソースにより行われるSRS受信との間に、保護時間が必要か否かを確定することができる。
【0086】
ブロック1020において、ネットワーク機器110は、少なくとも1つの保護時間に対する要件が満たされているか否かを確定する。要件が満たされている場合、上りリンク受信が、少なくとも1つの保護時間以外にスケジューリングされ、ブロック1030において、ネットワーク機器110は少なくとも1つのSRSリソースセットにより端末機器120からSRSを受信する。
【0087】
いくつかの実施形態において、ネットワーク機器110は、上りリンク受信用の第1サブキャリア間隔を確定することができる。ネットワーク機器110は、第1サブキャリア間隔に基づき、SRS受信用の第2サブキャリア間隔を確定することができる。第2サブキャリア間隔は、第1サブキャリア間隔の倍数である。ネットワーク機器110は第2サブキャリア間隔に基づき、端末機器120からSRSを受信することができる。
【0088】
要件が満たされていない場合、上りリンク受信が少なくとも1つの保護時間内にスケジューリングされ、ブロック1040において、ネットワーク機器110は、SRS受信に用いられる少なくとも1つのSRSリソースセットの少なくとも一部をディセーブルにする。
【0089】
いくつかの実施形態において、ネットワーク機器110は少なくとも1つのSRSリソースセットのうちディセーブルにする1つ又は複数のSRSリソースを確定し、その後、1つ又は複数のSRSリソースをSRSの受信に用いることをディセーブルにする。
【0090】
いくつかの実施形態において、ネットワーク機器110は、SRSのタイプ、端末機器のアンテナモード、上りリンクチャネルのサブキャリア間隔のうちの少なくとも1つに基づき、ディセーブルにする1つ又は複数のSRSリソースを確定することができる。
【0091】
いくつかの実施形態において、SRSのタイプは、該SRSが周期的、半持続的、または非周期的であるかを指す。
【0092】
いくつかの実施形態において、上りリンクの受信、及び少なくとも1つのSRSリソースセットにおける第2SRSリソースが、端末機器に関する送信アンテナの同一配置と関連することに応じて、ネットワーク機器110は1つ又は複数のSRSリソースから第2SRSリソースを排除することができる。
【0093】
本開示の実施形態は、SRS伝送に用いられる解決手段を提供していることが理解できる。該解決手段を用いることで、SRSリソースの前、後又は間の保護時間をサポートすることができる。SRS伝送に必要な保護時間が確保できない場合、1つ又は複数のSRSリソースを廃棄することができる(これは、該1つ又は複数のSRSリソースによりSRS伝送がスケジューリングされることはないことを表す)。
【0094】
図11は、本開示の実施形態を実現するのに適したデバイス1100の概略ブロック図である。デバイス1100は、図1に示すネットワーク機器110の別の例示の実現であるとみなすことができる。したがって、デバイス1100は、ネットワーク機器110において実現することができ、又はネットワーク機器110の少なくとも一部として実現することができる。
【0095】
図に示すように、デバイス1100は、プロセッサ1110、プロセッサ1110に結合されるメモリ1120、プロセッサ1110に結合される適切な送信機(TX)及び受信機(RX)1140、並びにTX/RX1140に結合される通信インタフェースを含む。メモリ1120は、プログラム1130の少なくとも一部を記憶する。TX/RX 1140は双方向通信に用いられる。TX/RX 1140は、通信を促進する少なくとも1つのアンテナを有し、実際には、本願で述べたアクセスノードは、複数のアンテナを有することができる。通信インタフェースは、他のネットワーク部材と通信を行う際に必要な任意のインタフェース、例えば、eNB間の双方向通信用のX2インタフェース、Mobility Management Entity(MME)/サービングゲートウェイ(S-GW)とeNBとの間の通信用のS1インタフェース、eNBと中継ノード(RN)との間の通信用のUnインタフェース、又はeNBと端末機器との間の通信用のUuインタフェースを表すことができる。
【0096】
プログラム1130がプログラム指令を含むと仮定すると、本明細書で図1図10を参照して説明したように、これらのプログラム指令は、関連するプロセッサ1110により実行され、これにより、デバイス1100は、本開示の実施形態に基づき操作を行うことができるようになる。本明細書の実施形態は、デバイス1100のプロセッサ1110が実行可能なコンピュータソフトウェア、ハードウェア、又はソフトウェア及びハードウェアの組合せにより実現することができる。プロセッサ1110は、本開示の各実施形態を実現するように配置することができる。また、プロセッサ1110及びメモリ1120の組合せは、本開示の各実施形態を実現するのに適した処理装置1150を構成することができる。
【0097】
メモリ1120は、ローカルの技術ネットワークに適した任意のタイプであってよく、任意の適切なデータ記憶技術により実現することができる。例として、コンピュータが読み取り可能な非一時的記憶媒体、半導体による記憶デバイス、磁気記憶デバイス及びシステム、光学記憶デバイス及びシステム、固定メモリ及び移動可能メモリ等が挙げられるが、これらに限定されない。デバイス1100には1つのメモリ1120しか示されていないが、デバイス1100には複数の物理上異なるメモリモジュールを設置することができる。プロセッサ1110は、ローカルの技術ネットワークに適した任意のタイプであってよく、例として、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタル信号処理器(DSP)、及びマルチコアプロセッサ構成に基づくプロセッサのうち、一つ又は複数を含むことができるが、これらに限定されない。デバイス1100は複数のプロセッサ、例えば、マスタープロセッサと同期するクロックに時間的に従属する特定用途向け集積回路チップを有することができる。
【0098】
通常、本開示の各実施形態は、ハードウェア若しくは専用回路、ソフトウェア、論理又はそれらの任意の組合せにより実現することができる。いくつかの態様はハードウェアによって実現し、他の態様はコントローラ、マイクロプロセッサ又は他のコンピュータデバイスが実行するファームウェア又はソフトウェアによって実現することができる。本開示の実施形態の各態様はブロック図、フローチャートとして図示し説明し、又は他の図形によって図示し説明したが、理解すべき点として、本明細書に記載のブロック、装置、システム、技術又は方法は、例えば、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、専用回路若しくは論理、汎用ハードウェア若しくはコントローラ若しくは他のコンピュータデバイス、又はそれらの組合せによって実現することができる。
【0099】
本開示はさらに、コンピュータが読み取り可能な非一時的記憶媒体に、有形に記憶される少なくとも1つのコンピュータプログラム製品を提供する。該コンピュータプログラム製品は、コンピュータが実行可能な指令、例えば、プログラムモジュールに含まれるコンピュータが実行可能な指令を含む。該コンピュータが実行可能な指令は、対象の物理プロセッサ又は仮想プロセッサ上のデバイスにおいて実行されて、図2及び図10のいずれかを参考に上記で説明したプロセス又は方法を実行することができる。通常、プログラムモジュールは、特定のジョブを実現するか、又は特定の抽象データ構造を実現するルーチン、プログラム、ライブラリ、オブジェクト、クラス、コンポーネント、データ構造等を含む。プログラムモジュールの機能は、各実施形態での必要に応じて、プログラムモジュール間で組み合わせるか、又は分割することができる。プログラムモジュールに用いられるデバイスが実行可能な指令は、ローカル又は分散型デバイスにおいて実行することができる。分散型デバイスにおいて、プログラムモジュールはローカル及びリモートの記憶媒体に置くことができる。
【0100】
本開示の方法を実行するためのプログラムコードは、一種類又は複数種類のプログラミング言語の任意の組み合せにより記述することができる。これらのプログラムコードは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ又はその他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ又はコントローラに提供可能であり、これらプログラムコードがプロセッサ又はコントローラによって実行されると、フローチャート及び/又はブロック図に指定された機能/操作が実現される。プログラムコードは全てデバイス上で実行することができ、部分的にデバイス上で実行することもできる。独立したソフトウェアパッケージとしてデバイス上で部分的に実行するとともに、リモートのデバイス上で部分的に実行するか、又は全てリモートのデバイス若しくはサーバ上で実行することができる。
【0101】
以上のプログラムコードは、デバイスが読み取り可能な媒体上に体現され、該デバイスで読み取り可能な媒体は、指令実行システム、装置若しくはデバイスに使用のために供されるプログラム、又は、それらと結合して使用されるプログラムを含むか又は記憶することができる任意の有形媒体であり得る。デバイスで読み取り可能な媒体は、デバイスで読み取り可能な信号媒体又はデバイスで読み取り可能な記憶媒体であり得る。デバイスで読み取り可能な媒体は、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線若しくは半導体のシステム、装置又はデバイス、又は前述の各項目の任意の適切な組み合せを含むことができるが、これらに限定されない。デバイスで読み取り可能な記憶媒体のさらに具体的な例には、一つ若しくは複数のケーブルの電気的接続、ポータブル・コンピュータ・ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、消去・書き込み可能なリードオンリーメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバ、携帯型光ディスクリードオンリーメモリ(CD-ROM)、光学的記憶装置、磁気記憶装置、又は上述の各項目の任意の適切な組み合せが含まれる。
【0102】
なお、操作について、特定の順序で説明を行ったが、所望の結果を得るために、こうした操作は、示された特定の順序で実行するか若しくは連続した順序で実行し、又は、示された全ての操作を実行することが求められる、と理解されるべきではない。いくつかの状況では、複数のジョブ及び並行処理が有利である可能性がある。同様に、上述の議論では、いくつかの特定の実現の詳細が含まれるが、これらは本開示の範囲に対する制限であると解釈されるべきではなく、具体的な実施形態に特定される特徴についての説明であると解釈されるべきである。個々の実施形態の内容において説明したいくつかの特徴は、ある一つの実現形態において組み合わせて実現されてもよい。逆に、一つの実現形態の内容において説明された各種特徴は、複数の実現形態において単独で、又は任意の適切な組み合せにより、実現されてもよい。
【0103】
本開示について、構造的特徴及び/又は方法・動作に特定される言葉で説明したが、添付の特許請求の範囲によって限定される本開示は、必ずしも上述の特定の特徴又は動作に限定されないと理解されるべきである。上述した特定の特徴や動作はむしろ、請求項を実現する例示的形態として開示されている。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図9C
図10
図11