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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】コネクタ、コネクタセット
(51)【国際特許分類】
   H01R 12/71 20110101AFI20221129BHJP
   H01R 13/648 20060101ALI20221129BHJP
【FI】
H01R12/71
H01R13/648
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021502164
(86)(22)【出願日】2020-02-21
(86)【国際出願番号】 JP2020006963
(87)【国際公開番号】W WO2020175345
(87)【国際公開日】2020-09-03
【審査請求日】2021-07-05
(31)【優先権主張番号】P 2019034040
(32)【優先日】2019-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2019093312
(32)【優先日】2019-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】弁理士法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】前田 吉朗
(72)【発明者】
【氏名】大久保 大輔
(72)【発明者】
【氏名】眞室 稔
【審査官】高橋 裕一
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-089342(JP,A)
【文献】特開2015-130238(JP,A)
【文献】特開2013-242971(JP,A)
【文献】特開2008-218095(JP,A)
【文献】特開2015-135806(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R12/00-12/91
H01R13/56-13/72
H01R24/00-24/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に沿って、互いに間隔を空けて配列された複数の内部端子と、
前記複数の内部端子を支持する絶縁性部材と、
前記絶縁性部材を介して前記複数の内部端子の周囲に配置され、グランド電位に接続する外部端子と、
を備え、
前記外部端子は、前記第1方向に沿って延び、前記複数の内部端子の配列に並走する形状の側壁部材を備え、
前記複数の内部端子は、
信号線路に接続する第1内部端子と、
前記グランド電位に接続する第2内部端子と、を含み、
前記第2内部端子は、前記側壁部材に当接する接続部を有し、前記第1内部端子に前記接続部を追加した形状である、
コネクタ。
【請求項2】
前記第2内部端子は、前記第1方向に沿って、前記複数の第1内部端子の間に設けられる、
請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記第2内部端子は、
嵌合対象のコネクタの内部端子が嵌め込まれる側面形状がU字形の嵌め込み部と、
基板への実装に用いる実装用端子部と、
前記嵌め込み部と前記実装用端子部とを接続する引き回し部と、を有し、
前記接続部は、前記実装用端子部に接続している、
請求項1または請求項2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記引き回し部と前記接続部とは、前記側壁部材を狭持している、
請求項に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記接続部は、前記側壁部材の延びる方向に垂直な方向に延びる形状であり、弾性を有し、
前記接続部の一方端は、前記実装用端子部に接続し、
前記接続部の他方端は、前記側壁部材における前記第1内部端子の前記嵌め込み部側の壁面に当接している、
請求項に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記接続部は、前記側壁部材の延びる方向に垂直な方向に延びる形状であり、弾性を有し、
前記接続部の一方端は、前記実装用端子部に接続し、
前記接続部の他方端は、前記側壁部材における前記第1内部端子の前記嵌め込み部側の壁面と反対側の壁面に当接している、
請求項に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記第2内部端子は、前記第1内部端子の少なくとも一方の隣りに配置されている、
請求項1乃至請求項のいずれかに記載のコネクタ。
【請求項8】
グランド接続用部材は、前記第1内部端子および前記第2内部端子の列を基準にして、前記側壁部材に対向する位置に配置されており、前記第2内部端子に接続している、
請求項1乃至請求項のいずれかに記載のコネクタ。
【請求項9】
前記接続部は、前記第2内部端子を構成する他の部分と別部材である、
請求項1乃至請求項のいずれかに記載のコネクタ。
【請求項10】
前記第2内部端子は、前記第1方向に複数個配置されており、
前記複数の第2内部端子における隣り合う第2内部端子間の間隔は、コネクタに入力または出力される高周波信号の最高周波数の波長の1/2よりも短い、
請求項1乃至請求項のいずれかに記載のコネクタ。
【請求項11】
第1コネクタと、前記第1コネクタに嵌合する第2コネクタとを有し、
前記第1コネクタは、第1方向に沿って、互いに間隔を空けて配列された複数の第1コネクタ内部端子と、前記複数の第1コネクタ内部端子を支持する第1絶縁性部材と、を備え
前記複数の第1コネクタ内部端子は、信号線路に接続する第1内部端子と、グランド電位に接続する第2内部端子とを含み、
前記第2コネクタは、
前記複数の第1コネクタ内部端子と嵌合するように配列された複数の第2コネクタ内部端子と、
前記複数の第2コネクタ内部端子を支持する第2絶縁性部材と、
前記第2絶縁性部材を介して前記複数の第2コネクタ内部端子の周囲に配置された、側壁部材と、を備え、
前記側壁部材は、前記第1コネクタ内部端子の前記第2内部端子に当接する、コネクタセット。
【請求項12】
前記第2内部端子は、前記第1方向に沿って、前記第1コネクタ内部端子における前記複数の第1内部端子の間に設けられる、
請求項11に記載のコネクタセット。
【請求項13】
前記第1コネクタ内部端子の前記第2内部端子は、前記側壁部材における前記第1コネクタ内部端子の第2内部端子と前記第2コネクタ内部端子が嵌合する側である、前記側壁部材の内側の壁面に当接している、
請求項11または請求項12に記載のコネクタセット。
【請求項14】
前記第1コネクタ内部端子の前記第2内部端子は、前記側壁部材における前記第1コネクタ内部端子の第2内部端子と前記第2コネクタ内部端子が嵌合する側と反対側である、前記側壁部材の外側の壁面に当接している、
請求項11または請求項12に記載のコネクタセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配列された複数の内部端子と、複数の内部端子を囲む形状の外部端子とを備えるコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、グランドコンタクト端子とシグナルコンタクト端子とを備えるコネクタ装置が記載されている。グランドコンタクト端子とシグナルコンタクト端子とは、それぞれに所定の個数設けられている。グランドコンタクト端子とシグナルコンタクト端子とは、コネクタ装置の特定の方向に沿って、配列されている。
【0003】
コネクタ装置は、筐体を備える。筐体は、グランドコンタクト端子とシグナルコンタクト端子との配列方向に平行な部分(サイド部材)を有する。
【0004】
サイド部材は、コンタクト係合部を備える。コンタクト係合部は、グランドコンタクト端子を挟みこむ形状である。サイド部材は、コンタクト係合部によって、グランドコンタクト端子が接続する配線基板のグランド電位に接続する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2016-66477号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、コンタクト係合部は、グランドコンタクト端子を挟みこむ構造であるので、当該グランドコンタクト端子に隣接する他の端子とも近接してしまう。
【0007】
このため、他の端子とコンタクト係合部とが結合し、インピーダンス整合が取れず、コネクタの伝送特性は、劣化してしまう。
【0008】
一方、コンタクト結合部を用いなければ、サイド部材の接地状態に起因して、伝送特性の劣化が生じてしまう。
【0009】
したがって、本発明の目的は、外部端子の側壁部材(サイド部材)を用いながら、伝送特性に優れるコネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様に係るコネクタは、複数の内部端子、絶縁性部材、外部端子を備える。複数の内部端子は、第1方向に沿って、互いに間隔を空けて配列されている。複数の内部端子は、信号線路に接続される第1内部端子と、グランド電位に接続する第2内部端子を含む。絶縁性部材は、複数の内部端子を支持する。外部端子は、絶縁性部材を介して、複数の内部端子の周囲に配置され、グランド電位に接続する。外部端子は、第1方向に沿って延び、複数の内部端子の配列に並走する形状の側壁部材を備える。第2内部端子は、側壁部材に接続する接続部を有する。
【0011】
この構成では、側壁部材における延びる方向の途中の位置は、第2内部端子を介して、グランド電位に接続される。これにより、側壁部材の延びる方向におけるグランド電位に接続される間隔は、短くなり、不要な共振が生じても、その周波数は高くなる。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、外部端子の側壁部材を用いながら、優れた伝送特性を得られる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1(A)は、第1の実施形態に係るコネクタの外観斜視図であり、図1(B)は、第1の実施形態に係るコネクタ部材の外観斜視図である。
図2図2は、側壁部材と複数の内部端子との配置部分を拡大した斜視図である。
図3図3(A)は、第1の実施形態に係るコネクタのグランド用の第2内部端子とサイド部材との位置関係を示す拡大斜視図であり、図3(B)は、第1の実施形態に係るコネクタのグランド用の第2内部端子および信号用内部端子と側壁部材との位置関係を示す拡大斜視図である。
図4図4(A)は、コネクタの反射損失(RL)の周波数特性を示すグラフであり、図4(B)は、コネクタのVSWRの周波数特性を示すグラフであり、図4(C)は、コネクタの挿入損失(IL)の周波数特性を示すグラフである。
図5図5(A)、図5(B)、図5(C)は、接続部を有する内部端子の派生の構成を示す拡大斜視図である。
図6図6は、接続部を有する内部端子の派生の構成を示す拡大斜視図である。
図7図7(A)および図7(B)は、第2の実施形態に係るコネクタの形状を示す拡大斜視図である。
図8図8は、第3の実施形態に係るコネクタセットの嵌合状態を示す拡大斜視図である。
図9図9は、第3の実施形態に係るコネクタセットの嵌合状態を示す拡大斜視図である。
図10図10は、第4の実施形態に係るコネクタセットの嵌合状態を示す拡大斜視図である。
図11図11は、第5の実施形態に係るコネクタセットの嵌合状態を示す拡大斜視図である。
図12図12は、第6の実施形態に係るコネクタの形状および配置を示す拡大斜視図である。
図13図13は、第7の実施形態に係るコネクタの形状および配置を示す拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1の実施形態)
第1の実施形態に係るコネクタについて、図を参照して説明する。図1(A)は、第1の実施形態に係るコネクタの外観斜視図であり、図1(B)は、第1の実施形態に係るコネクタ部材の外観斜視図である。図2は、側壁部材と複数の内部端子との配置部分を拡大した斜視図である。なお、以下の実施形態における各図において、縦横の寸法関係は適宜強調して記載しており、実寸での縦横の寸法関係と一致しているとは限らない。また、図を見やすくするため、必要に応じて一部の符号の記載を省略している。
【0015】
(コネクタ10の構造)
図1(A)、図1(B)に示すように、コネクタ10は、外部端子11、内部端子121、内部端子122、および、絶縁性部材130を備える。なお、内部端子121の個数は、伝送する信号の個数に応じて決まる。また、内部端子122の個数も、本発明の概念が適用する範囲において、適宜決められる。
【0016】
コネクタ10は、略直方体形状であり、方向Dxcに沿って長く、方向Dycに沿って短い形状である。コネクタ10は、実装面10Rと嵌合面10Fとを有する。コネクタ10は、実装面10Rが基板20に対向する状態で、基板20に実装されている。
【0017】
内部端子121、および、内部端子122は、導電性を有し、変形が容易な金属からなる。
【0018】
内部端子121、および、内部端子122は、方向Dxcに沿って間隔を空けて、2列に配置されている。そして、2つの列は、方向Dycに沿って間隔を空けて配置されている。例えば、図1(A)、図1(B)の場合、第1列R1では、方向Dxcの一方端から他方端に向けて、2個の内部端子121、内部端子122、3個の内部端子121、内部端子122、および、3個の内部端子121が順に並んでいる。また、第2列R2では、方向Dxcの一方端から他方端に向けて、2個の内部端子121、内部端子122、3個の内部端子121、内部端子122、および、3個の内部端子121が順に並んでいる。なお、複数の内部端子によって構成される列は、2列に限られるものではなく、本開示の趣旨に適合する範囲において、1列または3列以上であってもよい。
【0019】
内部端子121、および、内部端子122の配列状態は、絶縁性部材130によって保持されている。絶縁性部材130は、例えば樹脂からなる。
【0020】
外部端子11は、絶縁性部材130の表面に配置されている。外部端子11は、2個の端部部材111と2個の側壁部材112とを備える。外部端子11は、例えば、導電性を有し、加工が容易な金属からなる。
【0021】
2個の端部部材111は、方向Dxcにおいて所定の間隔を空けて配置されている。より具体的には、一方の端部部材111は、方向Dxcにおける内部端子121、および、内部端子122の配列群(以下、内部端子の配列群と称する。)の一方端側に配置されている。他方の端部部材111は、方向Dxcにおける内部端子の配列群の他方端側に配置されている。
【0022】
2個の側壁部材112は、方向Dycにおいて所定の間隔を空けて配置されている。より具体的には、一方の側壁部材112は、方向Dycにおいて、第1列R1の内部端子の配列群を基準として第2列R2の内部端子の配列群と反対側に配置されている。他方の側壁部材112は、方向Dycにおいて、第2列R2の内部端子の配列群を基準として第1列R1の内部端子の配列群と反対側に配置されている。
【0023】
2個の側壁部材112は、方向Dxcに延びる形状である。言い換えれば、2個の側壁部材112は、各列の内部端子の配列方向に沿って延びる形状である。2個の側壁部材112の延びる方向の一方端部は、一方の端部部材111に接続している。2個の側壁部材112の延びる方向の他方端部は、他方の端部部材111に接続している。
【0024】
この構成によって、方向Dzcから視て、外部端子11は、内部端子の配列群を囲んで、配置されている。また、2個の側壁部材112は、方向Dzcにおいて、コネクタ10の実装面10Rから所定の間隔を空けて配置される。方向Dzcは、コネクタ10の厚み方向であり、方向Dxcおよび方向Dycに直交する方向である。言い換えれば、コネクタ10の厚み方向とは、相手方のコネクタと嵌合する方向である。
【0025】
このような形状のコネクタ10は、次に示す基板20に実装される。
【0026】
基板20は、基材210を有し、天面211と底面212とを有する。基板20は、例えば、セラミック積層体で構成されている。天面211には、グランド導体22、および、複数のグランド接続電極23、および、複数の信号電極24が形成されている。グランド接続電極23とグランド導体22とは、接続されている。信号電極24は、導体非形成部240によって、グランド導体22およびグランド接続電極23から分離されている。信号電極24は、ビア導電体(不図示)によって、基板20の内層部に形成された導体パターン(不図示)に接続される。
【0027】
コネクタ10の内部端子121は、信号電極24に実装される。信号電極24は、グランド導体22およびグランド接続電極23から分離されており、信号伝送用であるので、内部端子121は、信号伝送用の内部端子として機能する。すなわち、内部端子121は、本発明の「第1内部端子」に対応する。なお、内部端子121は、電源供給用の端子を含んでもよい。
【0028】
コネクタ10の内部端子122は、それぞれに対して設けられたグランド接続電極23に実装される。グランド接続電極23は、グランド導体22に接続されているので、内部端子122は、グランド電位に接続するグランド接続用の内部端子として機能する。すなわち、内部端子122は、本発明の「第2内部端子」に対応する。
【0029】
コネクタ10の外部端子11における端部部材111は、グランド導体22に実装される。
【0030】
(内部端子の具体的な形状)
図3(A)は、第1の実施形態に係るコネクタのグランド用の第2内部端子と側壁部材との位置関係を示す拡大斜視図であり、図3(B)は、第1の実施形態に係るコネクタのグランド用の第2内部端子および信号用内部端子と側壁部材との位置関係を示す拡大斜視図である。
【0031】
内部端子121、および、内部端子122は、例えば、所定の断面積を有する棒状の導体を折り曲げて形成される。内部端子121、および、内部端子122の断面は、略矩形である。内部端子121、および、内部端子122の断面積は、基本的には同じである。内部端子は、弾性を有する金属部材を抜き型加工することにより、形成してもよい。
【0032】
(内部端子122の形状)
図3(A)に示すように、内部端子122は、嵌め込み部1221、引き回し部1222、引き回し部1223、実装用端子部1224、接続部1225、および、内側端部1226を備える。
【0033】
嵌め込み部1221の一方端は、内側端部1226に接続している。嵌め込み部1221の他方端は、引き回し部1222の一方端に接続している。引き回し部1222の他方端は、引き回し部1223の一方端に接続している。引き回し部1223の他方端は、実装用端子部1224に接続している。接続部1225は、実装用端子部1224に接続している。これらの部分は、内部端子の長さ方向DLtに沿って配置されている。そして、内部端子は、長さ方向DLtが上述の方向Dycに平行になるように、絶縁性部材130に保持されている。
【0034】
嵌め込み部1221は、長さ方向DLtに直交する幅方向DWtに視て、U字形状である。なお、U字形状とはU字に限らず、引き回し部1222や内側端部1226から視て突出した形状を有していればよい。この際、U字形状とは、曲率を有した形状、Ω字形状も含まれる。嵌め込み部1221は、コネクタ10の嵌合面10F側に開口するように配置されている。言い換えれば、嵌め込み部1221における長さ方向DLtに平行な部分は、コネクタ10の実装面10R側に配置される。嵌め込み部1221に相手方のコネクタの内部端子(図示を省略する。)が嵌合することで、コネクタ10と相手方のコネクタとの電気的な接続は、実現される。
【0035】
引き回し部1222は、主として長さ方向DLtに沿って延びる形状であり、嵌め込み部1221と逆方向に湾曲している。引き回し部1223は、高さ方向DHtに延びる形状である。
【0036】
実装用端子部1224は、長さ方向DLtに沿って直線状に延びる形状である。内部端子122の実装用端子部1224は、グランド接続電極23に当接し、接合される。この「当接し、接合される」構成は、グランド接続電極23が、半田などの導電性接着剤を介して、内部端子122の実装用端子部1224と接続される構成であってもよい。
【0037】
接続部1225は、高さ方向に沿って直線状に延びる形状である。接続部1225における、実装用端子部1224への接続部と反対側の端部は、所定の長さに亘って、側壁部材112に当接している。
【0038】
より具体的には、側壁部材112は、延びる方向に直交する断面が矩形の直方体形状であり、内側壁1121、外側壁1122、底面壁1123、および、天面壁1124を有する。接続部1225は、内側壁1121に当接している。接続部1225が内側壁1121に当接することで、コネクタの幅を増加させることなく、接続部1225と側壁部材112とを接続できる。
【0039】
このような構成によって、側壁部材112は、内部端子122を介して、グランド電位に接続される。
【0040】
(内部端子121の形状)
図3(B)に示すように、内部端子121は、内部端子122に対して、接続部1225が無く、実装用端子部1224が天面壁1124と絶縁性部材130との間に入り込むことなく延伸している点で異なる。他の構成は、内部端子122と同様であり、詳細な説明は省略する。なお、内部端子121の実装用端子部1224は、信号電極24に当接し、接合される。
【0041】
この構成によって、内部端子121は、信号電極24に当接して接合される。また、内部端子122は、グランド接続電極23に当接して接合される。
【0042】
(本願構成による作用効果の説明)
上記構成を備えることによって、外部端子11の側壁部材112は、長さ方向の途中の複数箇所(本実施形態では2箇所)で、内部端子122を介して、グランド電位に接続される。これにより、接続部1225が無い従来の構成と比較して、側壁部材112におけるグランド電位に接続される位置間の距離は、短くなる。言い換えれば、側壁部材112がグランド電位に接続される部分は、側壁部材112の両端(一方端および他方端)に位置するのみではなく、側壁部材112の一方端と他方端との間にも複数設ける構成であってもよい。
【0043】
例えば、従来の構成では、側壁部材112は、端部部材111を介してグランド電位に接続される。このため、側壁部材112におけるグランド電位に接続される位置間の距離は、側壁部材112の長さに対応する。一方、本実施形態の構成では、側壁部材112におけるグランド電位に接続される位置間の距離は、内部端子122の配置間隔(本実施形態では、内部端子121を3個挟んだ間隔)となり、従来よりも短くなる。
【0044】
これにより、側壁部材112に結合して生じる不要な共振の周波数は短くなる。したがって、この共振の周波数が、コネクタ10で伝送する高周波信号の周波数帯域よりも高くなることで、この共振によって生じるコネクタ10の伝送損失の増加は抑制される。
【0045】
言い換えれば、内部端子122の配置間隔は、コネクタ10で伝送する高周波信号の最高周波数によって決定できる。より具体的には、例えば、内部端子122の配置間隔は、当該最高周波数の波長の1/2よりも短い。より具体的には、隣り合う内部端子122の配置間隔における最も長い配置間隔は、当該最高周波数の波長の1/2よりも短い。これにより、側壁部材112を有する構造であっても、コネクタ10の伝送損失の増加は、抑制される。
【0046】
図4(A)は、コネクタの反射損失(RL)の周波数特性を示すグラフであり、図4(B)は、コネクタのVSWRの周波数特性を示すグラフであり、図4(C)は、コネクタの挿入損失(IL)の周波数特性を示すグラフである。
【0047】
図4(A)、図4(B)、図4(C)に示すように、本願構成を用いることによって、約27[GHz]から約28[GHz]に生じる不要な共振による損失は、抑制される。これにより、従来のコネクタでは、例えば、最高周波数として25[GHz]までしか満たせなかった特性を、本願のコネクタ10は、最高周波数として30[GHz]以上まで上げることができる。
【0048】
言い換えれば、本願発明の構成を備えることによって、コネクタ10は、伝送損失の低い周波数帯域を、より高い周波数まで広げることができる。
【0049】
なお、側壁部材112を無くせば、当然に、コネクタは、高い周波数まで対応可能である。しかしながら、側壁部材112が無いことによって、内部端子と外部環境との干渉を防ぐことができなくなり、結果的に、コネクタの伝送損失は増加してしまう。さらに、側壁部材112が無いことによって、ノイズ輻射が大きくなる。
【0050】
したがって、本発明の構成を用いることによって、コネクタ10は、外部環境との干渉を抑制し、且つ、対応する周波数帯域をより高周波数まで広げて、優れた伝送特性を実現できる。
【0051】
さらに、本実施形態の構成では、接続部1225の一方端は、実装用端子部1224に固定され、他方端は、自由端である。そして、接続部1225は、自由端である他方端にて、側壁部材112の内側壁1121に当接している。ここで、接続部1225は、棒状の金属であるため、弾性を有する。したがって、接続部1225は、所定の付勢力をもって、内側壁1121に当接する。これにより、接続部1225は、内側壁1121に押しつけられ、接続部1225と側壁部材112との接続は安定し、接続における信頼性は向上する。
【0052】
また、側壁部材112は、絶縁性部材130への設置時に掛かる応力等によって内側に撓むことがある。この場合には、側壁部材112からも付勢力が発生する。この結果、接続部1225と側壁部材112との接続は安定し、接続信頼性は向上する。
【0053】
(内部端子の派生の構成)
図5(A)、図5(B)、図5(C)、図6は、接続部を有する内部端子の派生の構成を示す拡大斜視図である。
【0054】
図5(A)に示す内部端子122A、図5(B)に示す内部端子122B、図5(C)に示す内部端子122C、図6に示す内部端子122Dは、基本的な構成において内部端子122と同様であり、以下では、それぞれに異なる箇所のみを説明する。
【0055】
図5(A)に示す内部端子122Aでは、接続部1225は、実装用端子部1224に接続している。そして、接続部1225は、側壁部材112の外側壁1122に当接している。接続部1225が外側壁1122に当接することで、内部端子122Aの脱離をさらに抑制できる。
【0056】
この場合、例えば、側壁部材112が外側に撓む場合に、接続部1225と側壁部材112との接続は安定し、接続信頼性は向上する。
【0057】
図5(B)に示す内部端子122Bでは、接続部1225は、実装用端子部1224に接続している。そして、接続部1225は、側壁部材112の底面壁1123に当接している。
【0058】
この場合、例えば、側壁部材112が下側に撓む場合に、接続部1225と側壁部材112との接続は安定し、接続信頼性は向上する。また、接続部1225の長さを、高さ方向DHtにおける実装用端子部1224と側壁部材112との間隔よりも長くすることによって、接続部1225と側壁部材112との接続は、より確実になる。
【0059】
図5(C)に示す内部端子122Cは、内部端子122Aに対して、引き回し部1222の長さを長くしている。そして、接続部1225は、側壁部材112の外側壁1122に当接し、引き回し部1223は、側壁部材112の内側壁1121に当接している。言い換えれば、側壁部材112は、接続部1225と引き回し部1223とによって狭持されている。
【0060】
この構成では、内部端子122Cと側壁部材112との接続は、より安定して確実になる。
【0061】
図6に示す内部端子122Dは、内部端子122に対して、接続部1225の形状において異なる。接続部1225は、長さ方向DLtに沿って延びる形状である。接続部1225の一方端は、引き回し部1223の途中位置に接続している。接続部1225の他方端は、絶縁性部材130を貫通して、側壁部材112の内側壁1121に当接している。
【0062】
この構成では、嵌め込み部1221と側壁部材112との接続距離は、短くなる。これにより、コネクタは、より優れた伝送特性を実現可能である。
【0063】
(第2の実施形態)
第2の実施形態に係るコネクタについて、図を参照して説明する。図7(A)および図7(B)は、第2の実施形態に係るコネクタの形状を示す拡大斜視図である。
【0064】
図7(A)、図7(B)に示すように、第2の実施形態に係るコネクタ10A1およびコネクタ10A2は、導電性補助部材126または導電性補助部材127を備える点で、第1の実施形態に係るコネクタ10と異なる。コネクタ10A1およびコネクタ10A2の他の構成は、コネクタ10と同様であり、同様の箇所の説明は、省略する。
【0065】
図7(A)に示すように、コネクタ10A1は、導電性補助部材126を備える。導電性補助部材126は、矩形であり、内部端子121の引き回し部1223および実装用端子部1224に当接するとともに、側壁部材112の内側壁1121に当接する。言い換えれば、導電性補助部材126は、引き回し部1223、実装用端子部1224、および、側壁部材112の内側壁1121によって狭持される。
【0066】
この構成によって、導電性補助部材126は、上述の接続部1225と同じ機能を有する。言い換えれば、この構成は、内部端子122における接続部1225が、他の部分から分離した別部材によって形成されているのと、同じである。したがって、内部端子121と導電性補助部材126とによって、内部端子122と同じ機能を実現する。これにより、内部端子121の形状を変更することなく、上述の作用効果を得ることができる。
【0067】
図7(B)に示すように、コネクタ10A2は、導電性補助部材127を備える。導電性補助部材127は、凹部を有する矩形であり、内部端子121の引き回し部1223、内部端子121の実装用端子部1224に当接するとともに、側壁部材112の内側壁1121、外側壁1122、および、天面壁1124に当接する。言い換えれば、側壁部材112は、導電性補助部材127によって狭持され、導電性補助部材127は、引き回し部1223、実装用端子部1224に当接する。さらに、導電性補助部材127の一部は、引き回し部1223と側壁部材112とによって狭持される。
【0068】
この構成によって、導電性補助部材127は、上述の接続部1225および引き回し部1223の一部と同じ機能を有する。したがって、内部端子121と導電性補助部材127とによって、内部端子122Cと同じ機能を実現する。これにより、内部端子121の形状を変更することなく、上述の作用効果を得ることができる。
【0069】
(第3の実施形態)
第3の実施形態に係るコネクタについて、図を参照して説明する。図8は、第3の実施形態に係るコネクタセットの嵌合状態を示す拡大斜視図である。図9は、図8に示すコネクタセットにおいて絶縁性部材を省略した拡大斜視図である。なお、以下の実施形態における各図において、縦横の寸法関係は適宜強調して記載しており、実寸での縦横の寸法関係と一致しているとは限らない。なお、図を見やすくするため、一部の構成を省略して記載している。
【0070】
図8図9に示すように、コネクタセット1は、第1の実施形態に示すコネクタ10と、コネクタ300を備える。なお、コネクタ10が本発明の「第2コネクタ」に対応し、コネクタ300が本発明の「第1コネクタ」に対応する。
【0071】
コネクタ300は、コネクタ10の嵌合面10F側から、コネクタ10に嵌め込まれる。このことによって、コネクタセット1が実現される。
【0072】
コネクタ300は、内部端子31、内部端子32、および絶縁性部材310を備える。内部端子31の個数は、伝送する信号の個数に応じて決まる。また、内部端子32の個数も、本発明の概念が適用する範囲において適宜決められる。なお、絶縁性部材310が本発明の「第1絶縁性部材」に対応する。また、コネクタ10における絶縁性部材130が本発明の「第2絶縁性部材」に対応する。
【0073】
内部端子31、および、内部端子32の配列状態は、絶縁性部材310によって保持されている。絶縁性部材310は、例えば樹脂からなる。内部端子31、および、内部端子32は、導電性を有し、変形が容易な金属からなる。コネクタ300がコネクタ10と嵌合している状態で、内部端子31と内部端子121が接触し、内部端子32と内部端子122が接触する。
【0074】
コネクタ300は、基板(図示を省略)に実装される。基板は、基材を有し、天面と底面とを有する。基板は、例えば、セラミック積層体で構成されている。天面には、グランド導体、および、複数のグランド接続電極、および、複数の信号電極が形成されている。グランド接続電極とグランド導体とは、接続されている。信号電極は、ビア導電体によって、基板の内層部に形成された導体パターンに接続される。
【0075】
コネクタ300の内部端子31は、信号電極に実装される。信号電極は、グランド導体およびグランド接続電極から分離されている。すなわち、内部端子31は、本発明の「第1内部端子」に対応する。
【0076】
コネクタ300の内部端子32は、グランド接続電極に実装される。グランド接続電極は、グランド導体に接続されている。すなわち、内部端子32は、本発明の「第2内部端子」に対応する。
【0077】
内部端子31、および、内部端子32は、例えば、所定の断面積を有する棒状の導体を折り曲げて形成される。内部端子31、および、内部端子32の断面は、略矩形である。内部端子31、および、内部端子32の断面積は、基本的には同じである。内部端子31,および内部端子32は、弾性を有する金属部材を抜き型加工することにより、形成してもよい。
【0078】
内部端子32は、引き回し部321と接続部322からなり、引き回し部321と接続部322は、略直交する形状である。内部端子32の接続部322は、側壁部材112の外側壁1122に当接するように配置されている。
【0079】
すなわち、コネクタ300に側壁部材を備えていなくても、コネクタ300に嵌合するコネクタ10が側壁部材112を備えており、内部端子32が側壁部材112に当接することによって、コネクタ10、およびコネクタ300は、外部環境との干渉を抑制し、且つ、対応する周波数帯域をより高周波数まで広げて、優れた伝送特性を実現できる。
【0080】
上述のとおり、内部端子32の引き回し部321と接続部322は、一体形成されている。より具体的には、内部端子32は、引き回し部321と接続部322が繋がった状態で形成されている。このような構成によって、引き回し部321と接続部322との接続は、さらに確実になり、側壁部材112への接続状態の信頼性はさらに向上する。
【0081】
本実施形態では、コネクタ10の内部端子121,122は、接続部1225を備えていない構成を示した。しかしながら、内部端子121,122は、接続部1225を備える構成であってもよい。
【0082】
(第4の実施形態)
第4の実施形態に係るコネクタについて、図を参照して説明する。図10は、第4の実施形態に係るコネクタセットの嵌合状態を示す拡大斜視図である。なお、以下の実施形態における各図において、縦横の寸法関係は適宜強調して記載しており、実寸での縦横の寸法関係と一致しているとは限らない。なお、図を見やすくするため、一部の構成を省略して記載している。
【0083】
図10に示すように、コネクタセット1Aは、第1の実施形態に示すコネクタ10と、コネクタ301を備える。なお、コネクタ10が本発明の「第2コネクタ」に対応し、コネクタ301が本発明の「第1コネクタ」に対応する。
【0084】
コネクタ301は、内部端子33を備え、内部端子32を備えていない点において、第3の実施形態におけるコネクタ300と異なる。コネクタ301の他の構成は、コネクタ300と同様であり、同様の箇所の説明は、省略する。
【0085】
内部端子31、および、内部端子33の配列状態は、絶縁性部材310によって保持されている。内部端子31、および、内部端子33は、導電性を有し、変形が容易な金属からなる。
【0086】
コネクタ301の内部端子33は、グランド接続電極に実装される。グランド接続電極は、グランド導体に接続されている。すなわち、内部端子33は、本発明の「第2内部端子」に対応する。
【0087】
内部端子33は、例えば、所定の断面積を有する棒状の導体を折り曲げて形成される。内部端子33の断面は、略矩形である。内部端子33は、弾性を有する金属部材を抜き型加工することにより、形成してもよい。
【0088】
内部端子33は、引き回し部331と接続部332からなり、引き回し部331と接続部332は、略直交する形状である。内部端子33の接続部322は、側壁部材112の内側壁1121に当接するように配置されている。
【0089】
本実施形態に示すようなコネクタ301に側壁部材を備えていなくても、コネクタ301に嵌合するコネクタ10が側壁部材112を備えており、内部端子33が側壁部材112に当接することによって、コネクタ10、およびコネクタ301は、外部環境との干渉を抑制し、且つ、対応する周波数帯域をより高周波数まで広げて、優れた伝送特性を実現できる。
【0090】
上述のとおり、内部端子33の引き回し部331と接続部332は、一体形成されている。より具体的には、内部端子33は、引き回し部331と接続部332が繋がった状態で形成されている。このような構成によって、引き回し部331と接続部332との接続は、さらに確実になり、側壁部材112への接続状態の信頼性はさらに向上する。
【0091】
本実施形態では、コネクタ10の内部端子121,122は、接続部1225を備えていない構成を示した。しかしながら、内部端子121,122は、接続部1225を備える構成であってもよい。
【0092】
(第5の実施形態)
第5の実施形態に係るコネクタについて、図を参照して説明する。図11は、第5の実施形態に係るコネクタセットの嵌合状態を示す拡大斜視図である。なお、以下の実施形態における各図において、縦横の寸法関係は適宜強調して記載しており、実寸での縦横の寸法関係と一致しているとは限らない。なお、図を見やすくするため、一部の構成を省略して記載している。
【0093】
図11に示すように、コネクタセット1Bは、第1の実施形態に示すコネクタ10と、コネクタ302を備える。なお、コネクタ10が本発明の「第2コネクタ」に対応し、コネクタ302が本発明の「第1コネクタ」に対応する。
【0094】
コネクタ302は、第4の実施形態で示した内部端子33をさらに備えている点において、第3の実施形態におけるコネクタ300と異なる。言い換えれば、第3の実施形態におけるコネクタセット1と第4の実施形態におけるコネクタセット1Aを組み合わせた構成である。コネクタ302の他の構成は、コネクタ300と同様であり、同様の箇所の説明は、省略する。
【0095】
内部端子31、内部端子32、および、内部端子33の配列状態は、絶縁性部材310によって保持されている。内部端子31、内部端子32、および、内部端子33は、導電性を有し、変形が容易な金属からなる。
【0096】
コネクタ301の内部端子32、および、内部端子33は、グランド接続電極に実装される。グランド接続電極は、グランド導体に接続されている。すなわち、内部端子32、内部端子33は、本発明の「第2内部端子」に対応する。
【0097】
内部端子32、内部端子33は、例えば、所定の断面積を有する棒状の導体を折り曲げて形成される。内部端子32、内部端子33の断面は、略矩形である。内部端子32、内部端子33は、弾性を有する金属部材を抜き型加工することにより、形成してもよい。
【0098】
内部端子32は、引き回し部321と接続部322からなり、引き回し部321と接続部322は、略直交する形状である。内部端子32の接続部322は、側壁部材112の外側壁1122に当接するように配置されている。
【0099】
内部端子33は、引き回し部331と接続部332からなり、引き回し部331と接続部332は、略直交する形状である。内部端子33の接続部322は、側壁部材112の内側壁1121に当接するように配置されている。
【0100】
本実施形態に示すようなコネクタ302に側壁部材を備えていなくても、コネクタ302に嵌合するコネクタ10が側壁部材112を備えており、内部端子32,33が側壁部材112に当接することによって、コネクタ10、およびコネクタ302は、外部環境との干渉を抑制し、且つ、対応する周波数帯域をより高周波数まで広げて、優れた伝送特性を実現できる。
【0101】
(第6の実施形態)
第6の実施形態に係るコネクタについて、図を参照して説明する。図12は、第6の実施形態に係るコネクタの形状および配置を示す拡大斜視図である。
【0102】
図12に示すように、コネクタ10Bは、コネクタ10に対して、内部端子122と側壁部材112とが一体形成されている点、および、内部端子122の配置パターンにおいて異なる。コネクタ10Bの他の構成は、コネクタ10と同様であり、同様の箇所の説明は、省略する。
【0103】
内部端子122は、側壁部材112と一体形成されている。より具体的には、内部端子122は、接続部1225で側壁部材112に繋がった状態で形成されている。このような構成によって、内部端子122と側壁部材112との接続は、さらに確実になり、接続状態の信頼性はさらに向上する。
【0104】
また、2個の内部端子122は、内部端子の配列方向において、信号伝送用の内部端子121を挟んで配置されている。これにより、信号伝送用の内部端子121のアイソレーションを、向上できる。
【0105】
なお、一体形成の形状は、他の実施形態にも適用できる。
【0106】
(第7実施形態)
第7の実施形態に係るコネクタについて、図を参照して説明する。図13は、第7の実施形態に係るコネクタの形状および配置を示す拡大斜視図である。
【0107】
図13に示すように、コネクタ10Cは、コネクタ10に対して、センタ部材113、および、内部端子122Eを備える点で異なる。コネクタ10Cの他の構成は、コネクタ10と同様であり、同様の箇所の説明は省略する。センタ部材113は、本発明の「グランド接続用部材」に対応する。
【0108】
コネクタ10Cの外部端子は、端部部材111、側壁部材112とともにセンタ部材113を備える。センタ部材113は、側壁部材112と同様に、方向Dxcに沿って延びる形状の板状部材である。センタ部材113は、基板20のグランド導体22に接続している。センタ部材113は、2列の内部端子の間に配置されている。言い換えれば、センタ部材113は、1列の内部端子群を基準にして、側壁部材112と反対側に配置されている。
【0109】
内部端子122Eは、内側端部1226Eを備える。内側端部1226Eは、センタ部材113に当接している。
【0110】
この構成によって、センタ部材113も介して、側壁部材112の延びる方向の途中位置は、グランド電位に接続される。これにより、コネクタ10Cは、伝送特性の低下を、より確実に抑制できる。
【0111】
なお、センタ部材113が基板20のグランド導体22に直接接続されておらず、端部部材111に接続されている場合、この構成によって、センタ部材113に生じる不要な共振は、抑制される。これにより、センタ部材113を有する構造において、コネクタ10Cは、伝送特性の低下を、より確実に抑制できる。
【0112】
上述の各実施形態の構成は、適宜組合せが可能であり、それぞれの組合せに応じた作用効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0113】
R1:第1列
R2:第2列
10、10A1、10A2、10B、10C:コネクタ
10F:嵌合面
10R:実装面
11:外部端子
20:基板
22:グランド導体
23:グランド接続電極
24:信号電極
111:端部部材
112:側壁部材
113:センタ部材
121、122、122A、122B、122C、122D、122E:内部端子
126、127:導電性補助部材
130:絶縁性部材
210:基材
211:天面
212:底面
240:導体非形成部
1121:内側壁
1122:外側壁
1123:底面壁
1124:天面壁
1221:嵌め込み部
1222、1223、321、331:引き回し部
1224:実装用端子部
1225:接続部
1226、1226E:内側端部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13