(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】含フッ素シリカコンポジット粒子、その製造法およびそれを有効成分とする撥水親油剤
(51)【国際特許分類】
C08G 77/46 20060101AFI20221129BHJP
C08G 77/24 20060101ALI20221129BHJP
C09K 3/18 20060101ALI20221129BHJP
【FI】
C08G77/46
C08G77/24
C09K3/18 104
C09K3/18 102
(21)【出願番号】P 2019036453
(22)【出願日】2019-02-28
【審査請求日】2021-11-09
(73)【特許権者】
【識別番号】502145313
【氏名又は名称】ユニマテック株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】504229284
【氏名又は名称】国立大学法人弘前大学
(74)【代理人】
【識別番号】100066005
【氏名又は名称】吉田 俊夫
(74)【代理人】
【識別番号】100114351
【氏名又は名称】吉田 和子
(72)【発明者】
【氏名】木島 哲史
(72)【発明者】
【氏名】金海 吉山
(72)【発明者】
【氏名】澤田 英夫
【審査官】牟田 博一
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-196480(JP,A)
【文献】特開2019-143102(JP,A)
【文献】特開2019-143103(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G77/
C08L
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式
HO(CH
2
)
a
CF(CF
3
)〔OCF
2
CF(CF
3
)〕
b
O(CF
2
)
c
O〔CF(CF
3
)CF
2
O〕
d
CF(CF
3
)(CH
2
)
a
OH 〔III〕
(ここで、aは1~3、b+dは0~50、cは1~6の整数である)で表される含フッ素アルコール
と、テトラアルコキシシラン
と、少なくとも1個のアミノ基および/または水酸基を有し、スルホ基を有しない
基である、-CH
2
CH
2
CH
2
NH
2
、-CH
2
CH
2
CH
2
OCH
2
CH(OH)CH
2
OH、-CH
2
CH
2
CH
2
NHCH
2
CH
2
NH
2
または-CH
2
CH
2
CH
2
OCH
2
CH(OH)CH
2
N=C(NH
2
)NH(CH
2
)
3
CH(NH
2
)COOHで表面が修飾されたシリカ粒子との縮合体からなる含フッ素シリカコンポジット粒子。
【請求項2】
平均粒子径が50~200μmの修飾されたシリカ粒子が用いられた請求項
1記載の含フッ素シリカコンポジット粒子。
【請求項3】
請求項1
または2記載の含フッ素アルコール、テトラアルコキシシランおよび
シリカ粒子を、アルカリ性または酸性触媒を用いて縮合反応させることを特徴とする含フッ素シリカコンポジット粒子の製造法。
【請求項4】
請求項1
または2記載の含フッ素シリカコンポジット粒子を有効成分とする撥水親油剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、含フッ素シリカコンポジット粒子、その製造法およびそれを有効成分とする撥水親油剤に関する。さらに詳しくは、含フッ素アルコールを用いた含フッ素シリカコンポジット粒子、その製造法およびそれを有効成分とする撥水親油剤に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、多孔性および非多孔性基体の永久的な耐油および耐水表面処理のための、固体樹脂に対するフッ素含有量5~75質量%を有する液状の、フッ素含有および単一成分の組成物であって、適切な安定化成分および親水性シラン成分と組み合わせて、保存安定性、疎水性、疎油性および耐塵性にすぐれた組成物が記載されている。
【0003】
しかしながら、ここでは現在環境面から削減が求められているパーフルオロオクタン酸およびその前駆体であるC8以上のパーフルオロアルキル基を有する含フッ素アルコールが用いられているばかりではなく、鉱物および非鉱物基体の表面処理剤の調製に際し、毒性の高いイソシアネート化合物を用いることでフッ素化合物にシリル基を導入しており、したがってその実施に際しては製造環境を整える必要がある。
【0004】
本出願人らは先に、環境中に放出されてもパーフルオロオクタン酸等を生成させず、しかも短鎖の化合物に分解され易いユニットを有する含フッ素アルコールを用いた含フッ素シリカコンポジット粒子として、一般式
HO-A-RF′-A-OH 〔Ib〕
(ここで、RF′は炭素数8未満のパーフルオロアルキレン基を有し、O、SまたはN原子を含有する直鎖状または分岐状のパーフルオロアルキレン基であり、Aはアルキレン基である)で表される含フッ素アルコールおよびアルコキシシランとシリカ粒子との縮合体からなる含フッ素シリカコンポジット粒子を提案している(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特表2011-511113号公報
【文献】特開2014-196480号公報
【文献】特開2008-38015号公報
【文献】米国特許第3,574,770号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の第1の目的は、一般式
HO(CH
2
)
a
CF(CF
3
)〔OCF
2
CF(CF
3
)〕
b
O(CF
2
)
c
O〔CF(CF
3
)CF
2
O〕
d
CF(CF
3
)(CH
2
)
a
OH 〔III〕
(ここで、aは1~3、b+dは0~50、cは1~6の整数である)で表される含フッ素アルコールと、アルコキシシランと、シリカ粒子との縮合体からなる含フッ素シリカコンポジット粒子において、その撥水親油性をなお一層改善せしめたものを提供することにある。
【0007】
本発明の第2の目的は、かかる含フッ素シリカコンポジット粒子の製造法を提供することにある。
【0008】
本発明の第3の目的は、かかる含フッ素シリカコンポジット粒子を有効成分とする撥水親油剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の目的は、上記含フッ素アルコールと、テトラアルコキシシランと、分子中に少なくとも1個のアミノ基および/または水酸基を有し、スルホ基を有しない基である、-CH
2
CH
2
CH
2
NH
2
、-CH
2
CH
2
CH
2
OCH
2
CH(OH)CH
2
OH、-CH
2
CH
2
CH
2
NHCH
2
CH
2
NH
2
または-CH
2
CH
2
CH
2
OCH
2
CH(OH)CH
2
N=C(NH
2
)NH(CH
2
)
3
CH(NH
2
)COOHで表面が修飾されたシリカ粒子との縮合体からなる含フッ素シリカコンポジット粒子によって達成される。
【0010】
本発明の第2の目的は、上記含フッ素アルコールと、テトラアルコキシシランと、分子中に少なくとも1個のアミノ基および/または水酸基を有し、スルホ基を有しない基である、-CH
2
CH
2
CH
2
NH
2
、-CH
2
CH
2
CH
2
OCH
2
CH(OH)CH
2
OH、-CH
2
CH
2
CH
2
NHCH
2
CH
2
NH
2
または-CH
2
CH
2
CH
2
OCH
2
CH(OH)CH
2
N=C(NH
2
)NH(CH
2
)
3
CH(NH
2
)COOHで表面が修飾されたシリカ粒子とを、アルカリ性または酸性触媒を用いて縮合反応させる含フッ素シリカコンポジット粒子の製造法によって達成される。
【0011】
本発明の第3の目的は、かかる含フッ素シリカコンポジット粒子を有効成分とする撥水親油剤によって達成される。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る含フッ素シリカコンポジット粒子は、有機溶媒に溶かして各種基材表面に適用することで、撥水親油性を有する薄膜を形成する。この薄膜は、有機物の選択的吸着性を示し、基材表面の改質を行うことができるので、油水分離、特にフッ素系化合物の分離などに有効に使用される。具体的には、産業用から一般家庭までの分野での油水混合液からの水の有効な回収を可能としている。
【0013】
すなわち、無修飾シラン粒子を用いた場合には、得られたコンポジット粒子を有機溶媒に溶かして基材表面に適用すると、そこに親水性を示す薄膜を形成させるのに対し(後記比較例1~2参照)、修飾シラン粒子を用いた場合には、撥水親油性を示すようになる。また、フッ素置換された化合物の吸着率が大きく、フッ素置換されていない化合物の吸着率が小さいので、フッ素化合物の選択的吸着を可能とする。
【0014】
この違いは、表面官能基の違い(親水性の酸性官能基の存在の有無)によって、ゾルゲル反応の反応性に違いがあり、マイクロシリカ表面のモルフォロジーが異なるため、対応するシリカコンポジット粒子は親水性を示すようになる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
含フッ素アルコールとしては、一般式
HO(CH2)aCF(CF3)〔OCF2CF(CF3)〕bO(CF2)cO〔CF(CF3)CF2O〕dCF(CF3)(CH2)aOH 〔III〕
a:1~3、好ましくは1
b+d:0~50、好ましくは1~20
b+dの値に関しては、分布を有する混合物であってもよい
c:1~6、好ましくは2~4
で表される化合物が用いられる。
【0018】
一般式〔III〕で表される含フッ素アルコールにおいて、a=1の化合物は特許文献3~4に記載されており、次のような一連の工程を経て合成される。
FOCRfCOF → H3COOCRfCOOCH3 → HOCH2RfCH2OH
Rf:-C(CF3)〔OCF2C(CF3)〕aO(CF2)cO〔CF(CF3)CF2O〕bCF(CF3)-
【0019】
これらの含フッ素アルコールと、テトラアルコキシシランと、分子中に少なくとも1個のアミノ基および/または水酸基を有し、スルホ基を有しない化合物で表面が修飾されたシリカ粒子とを、アルカリ性または酸性の触媒の存在下で反応させることにより、含フッ素アルコール-テトラアルコキシシラン-修飾シリカ粒子の3成分からなる縮合体としての含フッ素シリカコンポジット粒子を形成させる。
【0020】
前記テトラアルコキシシランとしては、例えばテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等が用いられる。テトラアルコキシシランが用いられないと、撥水親油性が殆ど発揮されない。
【0021】
シリカ粒子としては、平均粒子径が約50~200μm、好ましくは約50~100μmオーダーのシリカ粒子を用いることが望ましく、これは市販品、例えば和光純薬工業製品ワコーゲル C-500HG等が用いられる。この範囲外の平均粒子径のものを用いると、有機物吸着後の分離が困難となる。
【0022】
分子中に少なくとも1個のアミノ基および/または水酸基を有し、スルホ基を有しない基は、分子中に少なくとも1個の-O-結合または-NH-基を有してもよく、具体的には次のような基が挙げられる。
-CH
2
CH2CH2NH2、-CH
2
CH2CH2OCH2CH(OH)CH
2
OH、-CH
2
CH2CH2NHCH2CH2NH2、
-CH
2
CH2CH2OCH2CH(OH)CH
2
N=C(NH2)NH(CH2)3CH(NH2)COOH
【0023】
これらの各成分は、修飾シリカ粒子100重量部に対し、含フッ素アルコールが約80~800重量部、好ましくは約100~500重量部の割合で、またテトラアルコキシシランが約100~600重量部、好ましくは約200~500重量部の割合で用いられる。含フッ素アルコールの使用割合がこれよりも少ないと撥水親油性が低くなり、一方これよりも多い割合で使用されると溶媒への分散性が悪くなる。また、テトラアルコキシシランの使用割合がこれよりも少ないと親油性が低くなり、一方これよりも多い割合で使用されると溶媒への分散性が悪くなる。
【0024】
これら各成分間の反応は、触媒量のアルカリ性または酸性触媒、例えばアンモニア水あるいは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物の水溶液、または塩酸、硫酸等の存在下で、約0~100℃、好ましくは約10~30℃の温度で約0.5~48時間、好ましくは約1~10時間程度反応させることにより行われる。
【0025】
得られた含フッ素コンポジット粒子中の含フッ素アルコール量は、約1~60モル%、好ましくは約5~30モル%であり、コンポジット粒子径は約50~200μmである。
【0026】
反応生成物である含フッ素シリカコンポジット粒子は、シリカ粒子表面の水酸基に、シロキサン結合をスペーサーとして含フッ素アルコール、テトラアルコキシシランおよびシリカ粒子を修飾している官能基が結合しているものと考えられ、したがってシリカの化学的、熱的安定性とフッ素のすぐれた撥水性、防汚性などが有効に発揮されており、またテトラアルコキシシランによる撥水親油性が有効に発揮されており、実際にガラス表面を含フッ素シリカコンポジット粒子で処理したものは良好な撥水親油性を示すなどの効果がみられる。なお、シリカコンポジット粒子は、含フッ素アルコール、テトラアルコキシシランおよび修飾シリカ粒子との反応生成物として形成されるが、この発明の目的を阻害しない限り他の成分の混在も許容される。
【0027】
かかる含フッ素シリカコンポジット粒子を有効成分とする撥水親油剤の調製は、固形分濃度が約0.01~30重量%、好ましくは約0.05~3重量%の有機溶媒溶液となるように有機溶媒により希釈することにより行われる。用いられる有機溶媒としては、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルカルビトール、エチルカルビトール等の多価アルコール誘導体類、四塩化炭素、塩化メチレン、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、トリクロロエタン、トリクロロフルオロメタン、テトラクロロジフルオロエタン、トリクロロトリフルオロエタン等のハロゲン化炭化水素類などの少なくとも一種類が挙げられ、好ましくは含フッ素有機溶媒が用いられる。
【0028】
撥水親油剤溶液中には、必要に応じて、表面処理剤の濡れ性を改善するイオン系、非イオン系等の各種界面活性剤、離型性、潤滑性を更に改善するシリコーンオイル、シリコーンワニス等を添加することもできる。
【0029】
撥水親油剤溶液の基質への塗布は、浸せき、吹き付け、刷毛塗り、エアゾル噴射、含浸布による塗布など、通常用いられる任意の方法によって行うことができる。また、撥水親油剤が塗布される成形材料としては、例えばポリウレタン、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、塩化ビニル樹脂等の樹脂類、天然ゴム、クロロプレンゴム、フッ素ゴム等のゴム類、金属(酸化物)、陶磁器、セラミックス、ガラス等の成形品が挙げられる。
【実施例】
【0030】
次に、実施例について本発明を説明する。
【0031】
比較例1~4
容量13.5mlの反応容器に、含フッ素アルコール
HO(CH2)CF(CF3)〔OCF2CF(CF3)〕bO(CF2)2O〔CF(CF3)CF2O〕dCF(CF3)(CH2)OH
〔OXF9PO-OH (b+d=7)〕
100mgをメタノール 5mlに加えた後、テトラエチルオルソシリケート(TEOS)0.25mlを攪拌しながら加えた。次いで、25重量%アンモニア水溶液 2mlを攪拌しながら滴下し、(修飾)SiO2 (富士シリシア化学製品、平均粒子径100μm)100mgを加え、5時間攪拌した。
比較例1:無修飾SiO2 (CHROMATREX FL100D) (平均細孔径 120Å)
比較例2:無修飾SiO2 (CHROMATREX PSQ100B) (平均細孔径 70Å)
比較例3:-CH
2
CH2CH2OCH2CH(OH)CH
2
SO3Hで修飾されたSiO2
(CHROMATREX SO3H MB100-75/200)
比較例4:-CH
2
CH2CH2SHで修飾されたSiO2 (SCAVENGER SH SILICA)
【0032】
その後、溶媒を85℃、減圧下で蒸発させ、白色粉末を得た。この粉末をメタノール中で一夜攪拌し、次いで遠心分離による回収および乾燥を行い、コンポジット粉末を得た。
【0033】
得られたコンポジット粉末100mgをn-ヘキサン 3mlを加え、マグネチックスターラで一夜攪拌した。得られたコンポジット溶液0.3mlをガラス板に滴下した後、常温で一日乾燥し、次いで真空下で一日乾燥させた。
【0034】
以上の各比較例で得られたコンポジット粒子メタノール(ゾル)溶液について、液滴の接触角(単位:°)の測定を行った。
【0035】
このコンポジット粒子メタノール(ゾル)溶液をマイクロピペットで0.30ml取り、これをカバーガラス(松浪ガラス工業製品硼ケイ酸ガラス;18×18mm)に滴下し、室温下で溶媒を蒸発させた後、真空下で一日乾燥させた。得られた改質基材に、n-ドデカンまたは水の液滴4μlを静かに接触させ、付着した液滴の接触角をθ/2法により、接触角計(協和界面化学製Drop Master 300)を用いて経時的な測定を行った。
【0036】
得られた測定結果は、次の表1に示される。
表1
n-ドデカン 水
比較例 0分 30秒 0分 30秒
1 12 0 21 0
2 20 0 64 0
3 25 0 40 0
4 25 0 100 0
【0037】
実施例1~6
比較例1~4において、(修飾)SiO2の代わりに、同量(100mg)の修飾SiO2(富士シリシア化学製品、平均粒子径100μm)が用いられた。
実施例1:-CH
2
CH2CH2NH2および-OHで修飾されたSiO2 (CHROMATREX NH-DM1020)
実施例2:-CH
2
CH2CH2NH2で修飾されたSiO2 (CHROMATREX NH-DM1020SG)
実施例3:-CH
2
CH2CH2OCH2CH(OH)CH
2
OHで修飾されたSiO2
(CHROMATREX DIOL MB100-75/200)
実施例4:-CH
2
CH2CH2NHCH2CH2NH2で修飾されたSiO2 (CHROMATREX DNH MB100-75/200)
実施例5:-CH
2
CH2CH2OCH2CH(OH)CH
2
N=C(NH2)NH(CH2)3CH(NH2)COOHで修飾されたSiO2
(CHROMATREX ARG MB100-75/200)
実施例6:-CH
2
CH2CH2NHCH2NH2で修飾されたSiO2 (SCAVENGER DIAMINE SILICA)
【0038】
得られた測定結果は、次の表2に示される。
表2
n-ドデカン 水
実施例 0分 30秒 0分 5分 10分 15分 20分 25分 30分
1 32 0 180 - - - - - -
2 31 0 180 - - - - - -
3 31 0 136 130 129 129 127 126 125
4 30 0 139 136 134 132 127 125 120
5 26 0 111 109 108 103 100 93 87
6 27 0 132 130 129 126 126 124 123
【0039】
実施例7~8
実施例1~2において、有機物吸着率を測定した。得られた測定結果は、次の表3に示される。
有機物吸着率:所定濃度の有機化合物の水-メタノール(2:8)混合溶媒に溶解し、その
溶液5mlにコンポジット70mgを加え、スターラで一日攪拌した。
その後、溶液を30分間遠心分離し、上澄み溶液をシリンダに取り付け
たフィルターを通して、コンポジットを除去した。
得られた溶液を、UV-visスペクトルにより極大吸収波長の吸光度(A)
の測定を行った。吸着率は、下記式より算出した。式中、A0は吸着前
の有機化合物溶液の吸光度である。
有機物吸着率 (%)= [(A0-A) / A0]×100
表3
有機化合物名 濃度(ミリモル/L) 実施例7 実施例8
ビスフェノールA 0.03 23 17
ビスフェノールAF 0.03 66 59
パーフルオロビフェノール 0.01 53 49
ビフェノール 0.034 13 8.6
オクタフルオロ-4,4′-ビフェノール 0.02 61 63