(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/58 20140101AFI20221129BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20221129BHJP
A63F 13/53 20140101ALI20221129BHJP
【FI】
A63F13/58
A63F13/79
A63F13/53
(21)【出願番号】P 2020013828
(22)【出願日】2020-01-30
【審査請求日】2021-04-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000233778
【氏名又は名称】任天堂株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】397037890
【氏名又は名称】株式会社インテリジェントシステムズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001276
【氏名又は名称】弁理士法人小笠原特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】八木橋 亮太
(72)【発明者】
【氏名】大橋 雄史
(72)【発明者】
【氏名】前田 耕平
【審査官】赤坂 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-050938(JP,A)
【文献】特開2017-006280(JP,A)
【文献】特開2019-013438(JP,A)
【文献】特開2016-185283(JP,A)
【文献】特開2018-175636(JP,A)
【文献】[FEH]「召喚師との絆の契り」の効果とやり方まとめ,Boom App Games [online],2018年01月23日,URL:<https://fire-emblem-heroes.boom-app.wiki/entry/318>,[令和4年5月19日検索日]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98、9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームにおいてユーザによって利用される複数のゲーム内オブジェクトのうち、指定オブジェクトとして指定されているゲーム内オブジェクトを記憶する第1記憶手段と、
前記指定オブジェクトとして指定可能な上限数である指定上限数を決定する指定上限数決定手段と、
前記指定オブジェクトの数が前記指定上限数以下であるという条件の下で、少なくとも1つの前記ゲーム内オブジェクトを当該指定オブジェクトとして決定する指定手段と、
前記指定オブジェクトが、所定状態が有効である有効オブジェクトと、当該所定状態が無効である無効オブジェクトのいずれであるかを記憶する第2記憶手段と、
前記有効オブジェクトの上限数であり、前記指定上限数以下の数である有効上限数を決定する有効上限数決定手段と、
前記有効オブジェクトが前記有効上限数以下であるという条件の下で、少なくとも1つの前記指定オブジェクトを当該有効オブジェクトとして決定する状態決定手段と、
前記有効オブジェクト及び前記無効オブジェクトの各々に、個別パラメータを対応付け、当該有効オブジェクトに対応付けられた当該個別パラメータを、前記ゲームのプレイに応じて変化させるパラメータ管理手段と、
前記指定オブジェクトを、前記指定オブジェクトではない前記ゲーム内オブジェクトである非指定オブジェクトに変更する指定解除手段とを備え、
前記状態決定手段は、前記有効上限数決定手段によって前記有効上限数が2以上の数である第1の数から、1以上の数である第2の数に減少した場合、当該第2の数の前記有効オブジェクトを当該有効オブジェクトとして維持するとともに、当該第2の数を超えた分の前記有効オブジェクトを前記無効オブジェクトに変更し、
前記パラメータ管理手段は、
前記指定解除手段により前記指定オブジェクトが前記非指定オブジェクトに変更された場合、当該非指定オブジェクトに対応付けられた前記個別パラメータを初期値に変更する、又は当該初期値に近づくように変更し、
前記状態決定手段により前記有効オブジェクトが前記無効オブジェクトに変更され、その後当該無効オブジェクトが前記有効オブジェクトに変更された場合に、前記状態決定手段により前記無効オブジェクトに変更される直前の前記有効オブジェクトに対応付けられた前記個別パラメータを維持する、情報処理システム。
【請求項2】
前記情報処理システムは、第1の前記ゲーム内オブジェクトを前記有効オブジェクトから前記無効オブジェクトに変更することを条件として、第2の前記ゲーム内オブジェクトを前記無効オブジェクトから前記有効オブジェクトに変更する交換手段を更に備える、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記情報処理システムは、前記ゲーム内オブジェクトが前記有効オブジェクトである場合、当該ゲーム内オブジェクトが前記非指定オブジェクト及び前記無効オブジェクトのいずれである場合よりも前記ゲームにおいて有利になるような効果を、前記有効オブジェクトについて発生させる効果発生手段を更に備える、請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記パラメータ管理手段は、前記ゲーム内オブジェクトが前記無効オブジェクトである場合、前記ゲームのプレイに応じて、当該無効オブジェクトに対応付けられた前記個別パラメータを変化させない、または、当該ゲーム内オブジェクトが前記有効オブジェクトである場合と比べて小さな変化となるように当該個別パラメータを変化させる、請求項1乃至3のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記情報処理システムは、所定のユーザ入力に基づいて、所定の画面における表示順番
が設定されている前記有効オブジェクトの当該表示順番を入れ替える入替手段を更に備え、
前記状態決定手段は、前記有効上限数決定手段によって前記有効上限数が前記第1の数から、前記第2の数に減少した場合、特定の表示順番の前記有効オブジェクトを前記無効オブジェクトに変更する、請求項1乃至4のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記情報処理システムは、前記無効オブジェクトを前記有効オブジェクトに変更するためのユーザ入力を受け付ける入力受付手段を更に備える、請求項1乃至5のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記指定手段は、前記指定オブジェクトの指定可能数が前記指定上限数以下かつ前記有効上限数以下であるという条件の下で、少なくとも1つの前記指定オブジェクトを決定する、請求項1乃至6のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記有効上限数決定手段は、ユーザによって対価パラメータが消費されたことを条件として、前記有効上限数を増加させる、請求項1乃至7のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項9】
情報処理システムのコンピュータに実行させる情報処理プログラムであって、
前記コンピュータを、
ゲームにおいてユーザによって利用される複数のゲーム内オブジェクトのうち、指定オブジェクトとして指定されているゲーム内オブジェクトを記憶する第1記憶手段と、
前記指定オブジェクトとして指定可能な上限数である指定上限数を決定する指定上限数決定手段と、
前記指定オブジェクトの数が前記指定上限数以下であるという条件の下で、少なくとも1つの前記ゲーム内オブジェクトを当該指定オブジェクトとして決定する指定手段と、
前記指定オブジェクトが、所定状態が有効である有効オブジェクトと、当該所定状態が無効である無効オブジェクトのいずれであるかを記憶する第2記憶手段と、
前記有効オブジェクトの上限数であり、前記指定上限数以下の数である有効上限数を決定する有効上限数決定手段と、
前記有効オブジェクトが前記有効上限数以下であるという条件の下で、少なくとも1つの前記指定オブジェクトを当該有効オブジェクトとして決定する状態決定手段と、
前記有効オブジェクト及び前記無効オブジェクトの各々に、個別パラメータを対応付け、当該有効オブジェクトに対応付けられた当該個別パラメータを、前記ゲームのプレイに応じて変化させるパラメータ管理手段と、
前記指定オブジェクトを、前記指定オブジェクトではない前記ゲーム内オブジェクトである非指定オブジェクトに変更する指定解除手段として機能させ、
前記状態決定手段は、前記有効上限数決定手段によって前記有効上限数が2以上の数である第1の数から、1以上の数である第2の数に減少した場合、当該第2の数の前記有効オブジェクトを当該有効オブジェクトとして維持するとともに、当該第2の数を超えた分の前記有効オブジェクトを前記無効オブジェクトに変更し、
前記パラメータ管理手段は、
前記指定解除手段により前記指定オブジェクトが前記非指定オブジェクトに変更された場合、当該非指定オブジェクトに対応付けられた前記個別パラメータを初期値に変更する、又は当該初期値に近づくように変更し、
前記状態決定手段により前記有効オブジェクトが前記無効オブジェクトに変更され、その後当該無効オブジェクトが前記有効オブジェクトに変更された場合に、前記状態決定手段により前記無効オブジェクトに変更される直前の前記有効オブジェクトに対応付けられた前記個別パラメータを維持する、情報処理プログラム。
【請求項10】
少なくとも1のプロセッサを含む情報処理装置であって、
ゲームにおいてユーザによって利用される複数のゲーム内オブジェクトのうち、指定オブジェクトとして指定されているゲーム内オブジェクトを記憶する第1記憶手段と、
前記指定オブジェクトとして指定可能な上限数である指定上限数を決定する指定上限数決定手段と、
前記指定オブジェクトの数が前記指定上限数以下であるという条件の下で、少なくとも1つの前記ゲーム内オブジェクトを当該指定オブジェクトとして決定する指定手段と、
前記指定オブジェクトが、所定状態が有効である有効オブジェクトと、当該所定状態が無効である無効オブジェクトのいずれであるかを記憶する第2記憶手段と、
前記有効オブジェクトの上限数であり、前記指定上限数以下の数である有効上限数を決定する有効上限数決定手段と、
前記有効オブジェクトが前記有効上限数以下であるという条件の下で、少なくとも1つの前記指定オブジェクトを当該有効オブジェクトとして決定する状態決定手段と、
前記有効オブジェクト及び前記無効オブジェクトの各々に、個別パラメータを対応付け、当該有効オブジェクトに対応付けられた当該個別パラメータを、前記ゲームのプレイに応じて変化させるパラメータ管理手段と、
前記指定オブジェクトを、前記指定オブジェクトではない前記ゲーム内オブジェクトである非指定オブジェクトに変更する指定解除手段とを備え、
前記状態決定手段は、前記有効上限数決定手段によって前記有効上限数が2以上の数である第1の数から、1以上の数である第2の数に減少した場合、当該第2の数の前記有効オブジェクトを当該有効オブジェクトとして維持するとともに、当該第2の数を超えた分の前記有効オブジェクトを前記無効オブジェクトに変更し、
前記パラメータ管理手段は、
前記指定解除手段により前記指定オブジェクトが前記非指定オブジェクトに変更された場合、当該非指定オブジェクトに対応付けられた前記個別パラメータを初期値に変更する、又は当該初期値に近づくように変更し、
前記状態決定手段により前記有効オブジェクトが前記無効オブジェクトに変更され、その後当該無効オブジェクトが前記有効オブジェクトに変更された場合に、前記状態決定手段により前記無効オブジェクトに変更される直前の前記有効オブジェクトに対応付けられた前記個別パラメータを維持する、情報処理装置。
【請求項11】
情報処理システムを制御するコンピュータが実行する情報処理方法であって、
前記コンピュータに、
ゲームにおいてユーザによって利用される複数のゲーム内オブジェクトのうち、指定オブジェクトとして指定されているゲーム内オブジェクトを記憶させ、
前記指定オブジェクトとして指定可能な上限数である指定上限数を決定させ、
前記指定オブジェクトの数が前記指定上限数以下であるという条件の下で、少なくとも1つの前記ゲーム内オブジェクトを当該指定オブジェクトとして決定さ
せ、
前記指定オブジェクトが、所定状態が有効である有効オブジェクトと、当該所定状態が無効である無効オブジェクトのいずれであるかを記憶させ、
前記有効オブジェクトの上限数であり、前記指定上限数以下の数である有効上限数を決定させ、
前記有効オブジェクトが前記有効上限数以下であるという条件の下で、少なくとも1つの前記指定オブジェクトを当該有効オブジェクトとして決定させ、
前記有効オブジェクト及び前記無効オブジェクトの各々に、個別パラメータを対応付け、当該有効オブジェクトに対応付けられた当該個別パラメータを、前記ゲームのプレイに応じて変化させ、
前記指定オブジェクトを、前記指定オブジェクトではない前記ゲーム内オブジェクトである非指定オブジェクトに変更させ、
前記有効上限数が2以上の数である第1の数から、1以上の数である第2の数に減少
した場合は、当該第2の数の前記有効オブジェクトを当該有効オブジェクトとして維持するとともに、当該第2の数を超えた分の前記有効オブジェクトを前記無効オブジェクトに変更させ、
前記個別パラメータを変化させるとき、
前記指定オブジェクトが前記非指定オブジェクトに変更された場合は、当該非指定オブジェクトに対応付けられた前記個別パラメータを初期値に変更、又は当該初期値に近づくように変更させ、
前記有効オブジェクトが前記無効オブジェクトに変更され、その後当該無効オブジェクトが前記有効オブジェクトに変更された場合は、前記無効オブジェクトに変更される直前の前記有効オブジェクトに対応付けられた前記個別パラメータを維持させる、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが所有する複数のキャラクタを用いてゲームを進める情報処理に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ユーザが所有する複数のキャラクタを用いてゲームを進行させるゲームが知られている。また、このようなゲームの中には、1人のキャラクタを指定した状態にしてゲームを進行すると、そのキャラクタとの「絆レベル」が上昇し、当該絆レベルに応じてそのキャラクタのステータスが上昇するというものも知られている。また、この場合、指定するキャラクタを変更すると、そのキャラクタの絆レベルはリセットされるものとなっている(例えば、非特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】任天堂株式会社、”ファイアーエムブレムヒーローズ 召喚師との絆「契り」”、[online]、[令和2年1月20日検索]、インターネット(URL:https://guide.fire-emblem-heroes.com/sa010/)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなゲームにおいて、指定できるキャラクタの数(指定可能数)が増減するような構成とした場合を考える。このような場合、指定可能数が減少した場合、元々指定していたキャラクタをユーザにとってできるだけ不利にならないように扱うことについて、改善の余地があった。
【0005】
それ故に、本発明の目的は、指定可能なゲーム内オブジェクト(キャラクタ等)の数が減少するような場合に、減少前に指定していたゲーム内オブジェクトを効果的に利用できる情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、例えば以下のような構成例が挙げられる。
【0007】
構成例の一例は、情報処理システムであって、第1記憶手段と、指定上限数決定手段と、指定手段と、第2記憶手段と、有効上限数決定手段と、状態決定手段と、パラメータ管理手段と、指定解除手段と、を備える。
第1記憶手段は、ゲームにおいてユーザによって利用される複数のゲーム内オブジェクトのうち、指定オブジェクトとして指定されているゲーム内オブジェクトを記憶する。指定上限数決定手段は、指定オブジェクトとして指定可能な上限数である指定上限数を決定する。指定手段は、指定オブジェクトの数が指定上限数以下であるという条件の下で、少なくとも1つのゲーム内オブジェクトを当該指定オブジェクトとして決定する。第2記憶手段は、指定オブジェクトが、所定状態が有効である有効オブジェクトと、当該所定状態が無効である無効オブジェクトのいずれであるかを記憶する。有効上限数決定手段は、有効オブジェクトの上限数であり、指定上限数以下の数である有効上限数を決定する。状態決定手段は、有効オブジェクトが有効上限数以下であるという条件の下で、少なくとも1つの指定オブジェクトを当該有効オブジェクトとして決定する。パラメータ管理手段は、有効オブジェクト及び無効オブジェクトの各々に、個別パラメータを対応付け、当該有効オブジェクトに対応付けられた当該個別パラメータを、ゲームのプレイに応じて変化させる。指定解除手段は、指定オブジェクトを、指定オブジェクトではないゲーム内オブジェクトである非指定オブジェクトに変更する。
上記の構成において、状態決定手段は、有効上限数決定手段によって有効上限数が2以上の数である第1の数から、1以上の数である第2の数に減少した場合、当該第2の数の有効オブジェクトを当該有効オブジェクトとして維持するとともに、当該第2の数を超えた分の有効オブジェクトを無効オブジェクトに変更する。パラメータ管理手段は、指定解除手段により指定オブジェクトが非指定オブジェクトに変更された場合、当該非指定オブジェクトに対応付けられた個別パラメータを初期値に変更する、又は当該初期値に近づくように変更する。更に、パラメータ管理手段は、状態決定手段により有効オブジェクトが無効オブジェクトに変更され、その後当該無効オブジェクトが有効オブジェクトに変更された場合に、状態決定手段により無効オブジェクトに変更される直前の有効オブジェクトに対応付けられた個別パラメータを維持する。
【0008】
上記構成例によれば、指定できるゲーム内オブジェクトの数が増減し得る場合であって、当該数が増加後に減少したような場合でも、減少した分にかかる指定済みのゲーム内オブジェクトを有効に活用できる。
【0009】
他の構成例として、情報処理システムは、第1のゲーム内オブジェクトを有効オブジェクトから無効オブジェクトに変更することを条件として、第2のゲーム内オブジェクトを無効オブジェクトから有効オブジェクトに変更する交換手段を更に備えていてもよい。
【0010】
上記構成例によれば、無効オブジェクトと有効オブジェクトの交換ができるため、無効オブジェクトを有効オブジェクトに切り替えて活用することができる。
【0011】
他の構成例として、情報処理システムは、ゲーム内オブジェクトが前記有効オブジェクトである場合、当該ゲーム内オブジェクトが非指定オブジェクト及び無効オブジェクトのいずれである場合よりもゲームにおいて有利になるような効果を、有効オブジェクトについて発生させる効果発生手段を更に備えてもよい。
【0012】
上記構成例によれば、有効オブジェクトとして指定することでゲームに有利な効果を発生させることができる。そのため、ゲーム内オブジェクトを有効オブジェクトとして指定することについての動機づけをユーザに提供できる。
【0013】
他の構成例として、パラメータ管理手段は、ゲーム内オブジェクトが無効オブジェクトである場合、ゲームのプレイに応じて、当該無効オブジェクトに対応付けられた個別パラメータを変化させない、または、当該ゲーム内オブジェクトが有効オブジェクトである場合と比べて小さな変化となるように当該個別パラメータを変化させてもよい。
【0014】
上記構成例によれば、無効オブジェクトの場合は個別パラメータが変化しないか、その変化幅が有効オブジェクトより小さくなるため、有効オブジェクトとして指定することの有用性を高めることができる。
【0015】
他の構成例として、情報処理システムは、ユーザ入力に基づいて、所定の画面における表示順番が設定されている有効オブジェクトの当該順番を入れ替える入替手段を更に備えていてもよい。そして、状態決定手段は、有効上限数決定手段によって有効上限数が第1の数から、第2の数に減少した場合、特定の順番の有効オブジェクトを無効オブジェクトに変更してもよい。
【0016】
上記構成例によれば、無効オブジェクトになる可能性がある指定ゲーム内オブジェクトをユーザに予め把握させることができる。これにより、ユーザに、有効オブジェクトとして扱いたいゲーム内オブジェクトを無効オブジェクトとなる可能性がない順番に指定させることができ、有効/無効の交換操作にかかるユーザの手間を削減することができる。
【0017】
他の構成例として、情報処理システムは、無効オブジェクトを有効オブジェクトに変更するためのユーザ入力を受け付ける入力受付手段を更に備えていてもよい。
【0018】
上記構成例によれば、無効オブジェクトの有効オブジェクトへの変更はユーザの入力に基づくものにできる。これにより、ユーザに意思による無効オブジェクトから有効オブジェクトへの変更が可能となる。
【0019】
他の構成例として、指定手段は、指定オブジェクトの指定可能数が指定上限数以下かつ有効上限数以下であるという条件の下で、少なくとも1つの指定オブジェクトを決定してもよい。
【0020】
他の構成例として、有効上限数決定手段は、ユーザによって対価パラメータが消費されたことを条件として、有効上限数を増加させてもよい。
【発明の効果】
【0021】
本実施形態によれば、指定できるゲーム内オブジェクトの数が増減し得る場合であって、当該数が増加後に減少したような場合に、減少前に指定していたゲーム内オブジェクトを効果的に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本実施形態の一例である情報処理システムの全体像を示す模式図
【
図2】サーバ101のハードウェア構成を示すブロック図
【
図3】情報処理端末102のハードウェア構成を示すブロック図
【
図10】サーバ101のメモリ112に記憶されるデータの一例
【
図11】キャラクタマスタデータ402のデータ構成の一例
【
図14】情報処理端末102のメモリ122に記憶されるデータの一例
【
図15】特殊関係設定画面処理を示すフローチャート
【
図16】特殊関係設定画面処理の詳細を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る情報処理システムの全体像を示す模式図である。本実施形態の情報処理システム100は、サーバ101と、複数の情報処理端末102とを含む。サーバ101と情報処理端末102とは、インターネット103を介して通信可能に構成されている。本実施形態では、このような構成で、情報処理が実行されるが、以下では、当該情報処理の一例として、ゲーム処理を例として説明する。具体的には、情報処理端末102上にゲームプログラムがインストールされ、必要に応じてサーバ101と通信を行いながら実行されるゲーム処理を例示する。
【0024】
[サーバのハードウェア構成]
次に、上記サーバ101のハードウェア構成について説明する。
図2は、サーバ101のハードウェア構成を示すブロック図である。サーバ101は、プロセッサ部111と、メモリ112と、通信部113とを少なくとも備えている。プロセッサ部111は、サーバ101を制御するための各種プログラムを実行する。メモリ112には、プロセッサ部111によって実行される各種プログラムおよび利用される各種データが格納される。通信部113は、有線、または無線通信によってネットワークと接続し、上記情報処理端末102または他のサーバ(図示せず)との間で所定のデータを送受信する。
【0025】
[情報処理端末のハードウェア構成]
図3は、本実施形態に係るゲーム処理が実行される情報処理端末102のハードウェア構成を示すブロック図である。ここで、本実施形態では、情報処理端末102として、例えば、スマートフォンやタブレット等のスマートデバイスや、据置型ゲーム装置や携帯型のゲーム装置や、パーソナルコンピュータ等を想定している。本実施形態の説明では、表示画面とタッチパネルを一体型の態様で備えている情報処理端末(例えばスマートフォン)を一例として説明する。そのため、主に、入力操作は、タッチパネルへの入力となっている。但し、他の実施形態では、入力操作については、情報処理端末102と無線あるいは有線で接続された物理的なコントローラを用いる形態でもよいし、例えば、情報処理端末102と一体となるよう構成された入力装置を用いる形態でもよい。
【0026】
図3において、情報処理端末102は、プロセッサ121と、メモリ122と、操作部123と、表示部124と、通信部125とを備えている。プロセッサ121は、後述するゲーム処理を実行したり、情報処理端末102の全体的な動作を制御するためのシステムプログラム(図示せず)を実行したりすることで、情報処理端末102の動作を制御する。なお、プロセッサ121は、単一のプロセッサを搭載してもよいし、複数のプロセッサを搭載するようにしてもよい。メモリ122は、プロセッサ121によって実行される各種プログラムおよび当該プログラムで利用される各種データが格納される。メモリ122は、例えば、フラッシュEEPROMやハードディスク装置である。操作部123は、ユーザからの操作を受け付けるための入力装置であり、本実施形態では、主にタッチパネルを想定する。他の実施形態では、各種ポインティングデバイスや、各種押下式のボタンや、アナログスティック等であってもよい。表示部124は、典型的には液晶表示装置である。通信部125は、有線、または無線通信によってネットワークと接続し、上記サーバ101との間で所定のデータを送受信する。
【0027】
[本実施形態のゲーム処理の概要]
以下、本実施形態で実行されるゲーム処理の概要について説明する。本実施形態で想定するゲームは、ユーザが所有する複数のゲーム内オブジェクトを用いて進行させるゲームである。このようなゲームの一例として、本実施形態では、シミュレーションロールプレイングゲーム(以下、SRPG)を想定する。このゲームでは、プレイヤが操作する「自軍」とコンピュータが操作する「敵軍」との間で、ターン制のシミュレーションゲーム方式にて戦闘が行われる(以下、ゲーム内においてこの方式でゲームを進行させる場面をSLGパートと呼ぶ)。また、本ゲームでは、上記ゲーム内オブジェクトとして、主に人間をモチーフにした「キャラクタ」を用いる(他の実施形態では、ゲーム内オブジェクトとしてロボットや動物等を用いてもよい)。そして、本ゲームでは、ユーザが所有する複数の上記キャラクタをSLGパートにおける「駒」として用いる。ユーザは、所定数のマスで構成されたマップ上で各キャラクタを動かし、敵軍のキャラクタと戦わせる。また、各キャラクタ同士が1対1で戦うときは、戦闘シーン演出として、戦闘アニメーションも表示され得る。なお、これらキャラクタの入手方法としては、ゲームのシナリオの進行度が所定値に達する等、所定条件を満たすことで入手できる。また、所定の抽選処理を実行することでも入手可能である。
【0028】
以下、プレイヤ自身に対応するキャラクタのことは「プレイヤキャラクタ」と呼び、それ以外のキャラクタのことは「仲間キャラクタ」と呼ぶ。
【0029】
ここで、本ゲームでは、プレイヤキャラクタと、所定の仲間キャラクタとの間で、「特殊関係」というものを設定可能である。この特殊関係は、例えば、信頼、友情、親密さ、絆といったような、人の心のつながりをモチーフにした要素である。本ゲームでは、所定の仲間キャラクタを最大で3体(詳細は後述)まで、特殊関係を設定する相手として指定することができる。以下、当該指定されたキャラクタのことを指定キャラクタと呼ぶ。そして、指定キャラクタを指定した状態で、ゲーム内で所定の条件を満たすことで、当該指定キャラクタとプレイヤキャラクタとの間で、「特殊関係レベル」という成長要素を成長(上昇)させることができる。当該所定の条件は、例えば、上記SLGパート内においてその指定キャラクタで所定数の敵キャラクタを倒す、等である。また、当該特殊関係レベルは、例えば、信頼度、親密度、友情レベル、絆レベル、等で表される。また、ゲーム中、具体的には上記SLGパートにおいて、この特殊関係レベルが高いほど、その指定キャラクタがゲーム内で有利となるような所定の効果(以下、有利効果と呼ぶ)が発生する。本実施形態では、当該有利効果の一例として、指定キャラクタの能力パラメータ(性能)を向上させる例を挙げて説明する。また、特殊関係レベルが上がるにつれて、当該有利効果の内容(能力パラメータを向上させる値)も大きくなる。つまり、所定の仲間キャラクタを指定キャラクタとして設定することで、通常よりもその性能を向上させてゲーム内で使用することが可能となっている。更に、そのキャラクタを使い続けることで、特殊関係レベルを成長させ、性能向上の効果をより高めることもできる。そして、本実施形態にかかる処理は、主にこのような特殊関係を設定することに関する処理である。
【0030】
なお、他の実施形態では、上記特殊関係として、上記のような人の心のつながりをモチーフにしたものに限らず、他のものをモチーフとしてもよい。上記のような成長要素を有するものであれば、どのようなものでもよい。
【0031】
以下、画面例を用いて、本ゲームにおける上記特殊関係の設定処理の一例を説明する。
図4は、特殊関係を設定するための画面(以下、特殊関係設定画面)の一例である。この画面は、所定のゲームメニューにおいて、当該特殊関係
設定画面を表示するための操作がプレイヤによって行われることで表示される。
図4では、左から順に指定枠301A、301B、301Cという3つの指定枠301が表示されている。また、拡張ボタン302と、仲間一覧表示領域303、戻るボタン304、決定ボタン305も表示されている。
【0032】
図4では、3つの指定枠301が示されているが、本ゲームでは、初期状態では、1つだけしか利用できない状態である。具体的には、初期状態では指定枠301Aのみ利用可能である。また、指定枠301Aについては、他の2つの枠よりも大きめのサイズで表示されるようにしている。
図4では、指定枠301Aは有効(利用可能)な状態で、指定枠301Bおよび301Cについては、無効な状態であることを示している。また、
図4では、無効な状態であることを示すため、指定枠301Bおよび301Cは、グレーアウト表示されている例を挙げている。また、初期状態では指定枠301は3つとも何も指定されていない状態(以下、空き枠状態)であるが、
図4では、既に指定枠301Aに所定の仲間キャラクタである仲間キャラクタFが指定済みである例を示している。また、指定枠301Bおよび301Cは、空き枠状態であることを示す「空き」の文字列が示されている。
【0033】
仲間一覧表示領域303は、ユーザが所有する上記仲間キャラクタが一覧形式で表示される、スクロール可能な表示領域である。仲間一覧表示領域303には、その左上端に「外す」アイコン306が表示され、残りの領域内に、各仲間キャラクタを示す複数の仲間アイコン307が表示され得る。決定ボタン305は、指定枠301の指定内容を確定するためのボタンである。戻るボタン304は、指定枠301の指定内容を確定せずに、当該特殊関係設定画面を閉じる(終了する)ためのボタンである。
【0034】
ここで、指定枠301へのキャラクタの指定及びその解除の操作例について説明する。一例として、指定枠301Aに対する指定および解除操作の例を説明する。まず、指定枠301Aが空き枠状態である場合、ユーザは、仲間一覧表示領域303内の所望の仲間キャラクタを指定枠301Aにドラッグアンドドロップ操作することで、当該仲間キャラクタを指定枠301Aにかかる指定キャラクタとして指定できる。なお、仲間一覧表示領域303内において、指定キャラクタにかかる仲間アイコン307については、現在指定中であることを示すため、グレーアウト表示される。また、既に指定枠301Aに何らかの仲間キャラクタが指定済みの状態である場合(
図4の状態)も、同様の操作で、指定するキャラクタを上書きすることができる(この際、上書きの確認メッセージ等も適宜表示される)。次に、解除操作について説明する。この場合は、ユーザは、まず、指定枠301Aをタップ操作する、これにより、指定枠301Aが選択状態となるので、この状態のまま、「外す」アイコン306をタップ操作することで、指定枠301Aにおける上記指定を解除し、空き枠状態とすることができる。この他、「外す」アイコン306を上記同様ドラッグアンドドロップすることでも、解除可能である。
【0035】
次に、無効な状態である指定枠301を有効化することに関して説明する。本ゲームでは、所定の条件を満たすことで、上記無効な状態である指定枠301Bおよび301Cを有効化することができる。この所定の条件として、本ゲームでは、所定のサブスクリプションサービスへの加入を条件としている。例えば、月額制のサブスクリプションサービスへの加入である。これにより、サブスクリプションサービスの有効期間内は、指定枠301を3つとも利用できる状態となる。また、月額料金を支払わない等で、サブスクリプションサービスの有効期間が終了すると、指定枠301Bおよび301Cは無効な状態に戻る。つまり、本ゲームでは、指定枠301を3つとも有効にできる期間は有限の期間となっている。以下、サブスクリプションサービスが有効で指定枠301が3つとも利用可能な期間のことを「枠拡張有効期間」とよび、そうではない期間のことを「通常期間」と呼ぶ。
【0036】
上記拡張ボタン302は、上記通常期間の場合に表示されるボタンとなっている。例えば、ユーザが当該拡張ボタン302をタップ操作すると、上記サブスクリプションサービスの案内画面に遷移する。ユーザは、この画面から、サブスクリプションサービスに加入するための操作を行うことができる。なお、本実施形態では、サブスクリプションサービスに加入することで、自動的に指定枠301Bおよび301Cが有効化される例を説明する。但し、他の実施形態では、自動的な有効化は行わず、拡張ボタン302の操作によるユーザの明示的な指示操作を要求するようにしてもよい。つまり、サブスクリプションサービスに加入するだけではなく、その後、当該拡張ボタン302をユーザが操作したタイミングで、指定枠301Bおよび301Cを有効化するようにしてもよい。
【0037】
図5に、枠拡張有効期間における特殊関係設定画面の一例を示す。
図4とは異なり、
図5では、指定枠301Bおよび301C(いずれも空き枠状態)が有効な状態であることを示している。また、上記拡張ボタン302は、
図5では表示されていない。ユーザは、このような画面から、指定枠301Bおよび301Cに対しても、所定の仲間キャラクタの指定および解除の操作を行うことができる。具体的操作は上記指定枠301Aと場合と同じである。
図6に、3つの指定枠301の全てに仲間キャラクタが指定されている状態の画面例を示す。
図6では、指定枠301Aに仲間キャラクタFが、指定枠301Bに仲間キャラクタGが、指定枠301Cに仲間キャラクタHが指定されている例が示される。なお、指定済みの仲間キャラクタについては、仲間一覧表示領域303においてグレーアウト表示され、指定済みであることが示される。以下の説明では、指定枠301Aに指定されている仲間キャラクタのことを第1の指定キャラクタと呼び、指定枠301Bに指定されている仲間キャラクタのことを第2の指定キャラクタと呼び、指定枠301Cに指定されている仲間キャラクタのことを第3の指定キャラクタと呼ぶ。また、有効な状態の指定枠301に指定されている指定キャラクタのことを有効キャラクタと呼び、無効な状態の指定枠301に指定されている指定キャラクタのことを無効キャラクタと呼ぶこともある。
【0038】
更に、本ゲームでは、上記のように3つの指定枠301が有効な状態の場合、この3つの指定枠301の間で、指定キャラクタ同士を入れ替えることも可能となっている。例えば、
図6において第1の指定キャラクタである仲間キャラクタFと第2の指定キャラクタである仲間キャラクタGとを入れ替えたい場合を想定する。この場合、ユーザは、例えば第1の指定キャラクタを指定枠301Bにドラッグアンドドロップする操作を行う。これにより、
図7に示すように、第1の指定キャラクタとして仲間キャラクタGが指定され、第2の指定キャラクタとして仲間キャラクタFが指定された状態とすることができる。そして、このような指定、入れ替え、解除の各操作を行った後、ユーザが決定ボタン305をタップ操作することで、これらの設定内容が確定されることになる。
【0039】
ここで、上記特殊関係レベルについて補足説明する。本ゲームでは、上述した特殊関係レベルは、指定キャラクタ毎に管理される。上記のように3体の指定キャラクタが指定されている場合は、仲間キャラクタF、仲間キャラクタG、仲間キャラクタHとでそれぞれ別個に特殊関係レベルが管理される。また、各特殊関係レベルは、指定キャラクタを解除することによって、リセットされる。例えば、特殊関係レベルが“5“まで上がった指定キャラクタの指定を解除した場合、当該特殊関係レベルは初期化される(例えばレベル1になる)。そのため、当該解除後に、再度このキャラクタを指定した場合でも、特殊関係レベルについては最初(レベル1)から上げ直しとなる。なお、特殊関係レベルが初期化されるのは、指定枠301から解除した場合である。そのため、解除操作を行うことなく、上記のように指定枠内で指定キャラクタ同士を入れ替える操作を行った場合は、特殊関係レベルは維持される。上記の例でいうと、第1の指定キャラクタであり、特殊関係レベルが5である仲間キャラクタFと、第2の指定キャラクタであり、特殊関係レベルが3である仲間キャラクタGを入れ替える操作を行った場合を想定する。この場合、第1の指定キャラクタとして、特殊関係レベルが3の仲間キャラクタGが指定され、第2の指定キャラクタとして、特殊関係レベルが5の仲間キャラクタFが指定されることになる。
【0040】
次に、サブスクリプションサービスに加入した後、脱会すること等によって上記枠拡張有効期間が終了した場合に関して説明する。特に、3つの指定枠301全てに指定キャラクタが指定されている状態で、枠拡張有効期間が終了した場合について説明する。
図8に、このような場合の特殊関係設定画面の一例を示す。
図8では、指定枠301Bおよび301Cについて、グレーアウト表示され、かつ、各枠の右上部分に「×」マークが表示されている。このような表示によって、指定キャラクタが指定されている状態の指定枠301Bおよび301Cが無効な状態であることが示されている。つまり、本ゲームでは、上記枠拡張有効期間が終了したからといって、指定枠301Bおよび301Cの指定内容が勝手に解除されるということはなく、指定キャラクタを指定している状態自体は維持される。但し、有効キャラクタとして指定されていることによって発生する上記有利効果については、無効キャラクタに対しては適用されない。
図8の例でいうと、第2の指定キャラクタ(キャラクタG)および第3の指定キャラクタ(キャラクタH)については、無効キャラクタとなっている。そのため、当該2体の無効キャラクタについては、上記SLGパートにおける上記有利効果を発生させないようにして、各種ゲーム処理が実行されることになる。また、これら無効キャラクタについては、(再度有効化されない限り)上記特殊関係レベルも成長しない状態となる。
【0041】
また、このような状態で指定枠301Bおよび301Cに関してユーザが可能な操作としては、指定枠301Bおよび301Cからの指定キャラクタの解除操作、および、指定枠301内における指定キャラクタの入れ替え操作のみとなる。これら操作に関して説明すると、まず、無効な状態の指定枠301Bまたは301Cから指定キャラクタの指定を解除した場合、解除された指定枠301は「空き状態」となる。この枠に仲間キャラクタを指定するためには、再度のサブスクリプションサービスへの加入が必要となる。つまり、無効な指定枠301からの解除は可能だが、そこに再指定するためには、無効な指定枠301を有効化するための条件を再度満たす必要がある。
【0042】
次に、このような状態における指定キャラクタの入れ替え操作について説明する。本ゲームでは、上記通常期間であっても、指定枠301B、301Cにいずれかの仲間キャラクタが指定されている状態であれば、有効な指定枠301Aと無効な指定枠301Bおよび301Cとの間で指定キャラクタを入れ替えることは可能となっている。例えば、
図8の状態で、第1の指定キャラクタである仲間キャラクタFと、第3の指定キャラクタである仲間キャラクタHとを入れ替える場合を想定する。例えば、ユーザは、仲間キャラクタFを指定枠301Cにドラッグアンドドロップする操作を行う。この場合、このような入れ替え操作を行うことで、
図9に示すように、第1の指定キャラクタとして仲間キャラクタHが、第3の指定キャラクタとして仲間キャラクタFが指定される。この際、仲間キャラクタHの特殊関係レベルは、通常期間になる直前の状態が維持されたまま、第1の指定キャラクタとして指定される。そして、この特殊関係レベルに基づいた上記有利な効果も発生する。また、特殊関係レベルを成長させることも可能な状態となる。一方、第3の指定キャラクタとして指定された仲間キャラクタFについては、無効キャラクタとなるため、上記有利効果の恩恵を受けることはできなくなる。また、当該仲間キャラクタFの特殊関係レベルについては、初期化はされずに維持されたままとはなるが、それ以上成長しない状態になる。
【0043】
本実施形態では、上記のように通常期間中の入れ替え操作を可能とすることで、戦略性をユーザに提供できる。例えば、ユーザは、サブスクリプションサービスに加入している間に、指定枠301Bおよび301Cに何らかの仲間キャラクタを指定しておく。これにより、その後の通常期間中においても、指定枠301から明示的に解除する操作を行わない限りは、この3体の指定キャラクタのうちのいずれか一体を選択的に上記有利効果を発生させた状態で用いることが可能となる。そのため、どの指定キャラクタを指定枠301Aに指定しておくかという点で指定キャラクタの指定に戦略性を与え、ゲームの興趣性を高めることができる。
【0044】
[本実施形態のゲーム処理の詳細]
次に、
図10~
図16を参照して、本実施形態におけるゲーム処理についてより詳細に説明する。なお、以下の説明では、主に上記特殊関係設定画面に関する処理について説明し、その他のゲーム処理の説明は割愛する。
【0045】
[使用データについて]
まず、本ゲーム処理にて用いられる各種データに関して説明する。まず、サーバ101で用いられるデータに関して説明する。
図10は、サーバ101のメモリ112に記憶される各種データの一例を示すメモリマップである。サーバ101のメモリ112には、サーバ側プログラム401、キャラクタマスタデータ402、ユーザデータベース403等が記憶されている。
【0046】
サーバ側プログラム401は、本実施形態におけるゲーム処理を実行するためのプログラムである。例えば、ユーザのログイン処理や、ゲーム処理に必要な各種データを適宜情報処理端末102に送信するための処理を実行するためのプログラムである。
【0047】
キャラクタマスタデータ402は、本ゲームに登場する全ての仲間キャラクタの基本的な情報を定義したデータである。
図11に、キャラクタマスタデータ402のデータ構成の一例を示す。
図11で示すキャラクタマスタデータ402は、キャラクタID511、基本パラメータ情報512、画像データ513等の項目を有するテーブル形式のデータである。キャラクタID511は、仲間キャラクタを一意に識別するためのIDである。基本パラメータ情報512は、仲間キャラクタのパラメータ(ヒットポイントや攻撃力等)の初期値(例えばレベル1の時点の値)を示す情報である。また、レベルアップに伴うパラメータの上昇内容(上昇幅、成長テーブル等)を定義した情報も含まれる。画像データ513は、その仲間キャラクタの外観画像を示すデータである。
【0048】
なお、本実施形態では、上述した指定キャラクタに対する上記有利効果(能力パラメータの上昇効果)の発生は、例えば上記基本パラメータ情報512で示される値に上記特殊関係レベルに応じた所定の値を追加する形で実現される。その他、特殊関係レベルに応じた倍率指定という形式で、能力パラメータを上昇させるようにしてもよい。
【0049】
図10に戻り、次に、ユーザデータベース403は、本実施形態にかかるゲームをプレイする各ユーザに関するデータの集合となるデータベースである。本実施形態では、ユーザデータベース403は、後述するユーザデータ404が1レコードとして構成されるデータベースである。情報処理端末102では、ログイン処理が行われた後、ログインしたユーザに対応したユーザデータ404をサーバ101から取得する処理等が行われる。
【0050】
図12を用いて、ユーザデータ404のデータ構成について説明する。
図12で示すユーザデータ404は、ユーザID531、加入状態データ532、所有キャラクタデータ533、指定枠データ534等で構成されている。ユーザID531は、各ユーザを一意に識別するためのIDである。加入状態データ532は、そのユーザが、上述したサブスクリプションサービスに加入しているか否かを示す情報である。換言すれば、現在、上記枠拡張有効期間であるのか上記通常期間であるのかを判別するための情報である。本実施形態では、上記のように月額料金制のサブスクリプションサービスを想定する。また、月額料金の支払いが行われなかった場合は、自動的に退会処理が行われるものとする。
【0051】
所有キャラクタデータ533は、そのユーザが所有している上記仲間キャラクタを示すデータである。具体的には、そのユーザが所有している仲間キャラクタに対応する上記キャラクタID511等が当該データに含まれる。
【0052】
指定枠データ534は、上述した指定枠301に対応するデータである。
図13に、指定枠データ534のデータ構成の一例を示す。指定枠データ534は、枠番号551、有効フラグ552、指定キャラクタ情報553、特殊関係レベル情報554という項目を含むテーブル形式のデータである。なお、本例では、指定枠301は3つの場合を例示するため、指定枠データ534に含まれるレコード数も3件となっている。枠番号551は、上記指定枠301A、301B、301Cのいずれかを特定するための番号である。本例では、指定枠301A、301B、301Cの順番で、1、2、3の番号が割り当てられているものとする。また、この並び順は、上記特殊関係設定画面における指定枠301の表示順番も示すものとなっている。本例では、表示順番は、画面左側を先頭として水平方向に並べる順番を想定する。有効フラグ552は、その指定枠301が有効な状態か、無効な状態かを示すフラグである。本例では、有効な場合は「オン」が設定され、無効な場合は「オフ」が設定されるものとする。つまり、有効フラグ552がオンの状態の指定枠301に指定されている仲間キャラクタは有効キャラクタとして扱われる。また、有効フラグ552がオフの状態の指定枠301に指定されている仲間キャラクタは無効キャラクタとして扱われる。指定キャラクタ情報553は、その指定枠301が上記空き枠状態か否かを示す情報である。また、空き枠状態ではない場合は、その枠にどの仲間キャラクタが指定されているのかを特定するためのキャラクタID511が設定される。特殊関係レベル情報554は、その枠に指定されている指定キャラクタの上記特殊関係レベルを示す情報である。
【0053】
その他、図示は省略するが、ログイン処理に用いられるユーザのプロフィール情報等、ユーザ個々に関する情報もユーザデータ404に含まれる。
【0054】
次に、情報処理端末102のメモリ122に記憶される各種データについて説明する。
図14は、情報処理端末102のメモリ122に記憶される各種データの一例を示すメモリマップである。情報処理端末102のメモリ122には、端末側ゲームプログラム601、端末側ユーザデータ602、操作データ603、上記キャラクタマスタデータ402、暫定変更データ604等が記憶される。
【0055】
端末側ゲームプログラム601は、本実施形態に係るゲーム処理を実行するためのプログラムである。
【0056】
端末側ユーザデータ602は、当該情報処理端末102を用いて本ゲー
ムをプレイするユーザに対応するユーザデータ404がメモリ122にコピーされたものである。そのデータ構成は、上記
図12で示したデータ構成と同じものであるため、説明は省略する。なお、ゲームプレイ中は、当該データが所定のタイミングで更新され、また、所定のタイミングでサーバ101に送信される。サーバ101では、当該送信された端末側ユーザデータ602に基づき、ユーザデータ404を適宜更新する処理が行われる。
【0057】
操作データ603は、ユーザが操作部123に対して行った操作内容を示すデータであり、所定の周期で生成される。
【0058】
キャラクタマスタデータ402は、本ゲームの開始時に上記サーバ101からメモリ122にコピーされたデータである。
【0059】
暫定変更データ604は、特殊関係設定画面において、変更操作は行われたが、その変更がまだ確定していない(決定ボタン305が押されていない)状態における指定枠301の内容を一時的に保存するためのデータである。そのデータ構造は、上記指定枠データ534と同様である。
【0060】
その他、メモリ122には、本処理で用いられる各種の作業用データ等も適宜格納される。
【0061】
[プロセッサ121が実行する処理の詳細]
次に、本実施形態にかかるゲーム処理の詳細を説明する。なお、ここでは、主に情報処理端末102における、特殊関係設定画面に関する処理(以下、特殊関係設定画面処理)を説明し、その他のゲーム処理の詳細は割愛する。また、サーバ101における処理については、必要に応じて適宜説明を加える。また、これらの処理に先立って、ログインしたユーザに対応するユーザデータ404がサーバ101から取得され、端末側ユーザデータ602としてメモリ122に格納されている状態であるとする。
【0062】
図15は、上記特殊関係設定画面処理の詳細を示すフローチャートである。当該処理は、例えば、所定のゲームメニュー内に表示されている「特殊関係設定」ボタン(図示は省略)をユーザが選択操作することで、開始される。
【0063】
まず、ステップS1で、プロセッサ121は、加入状態データ532を参照して、ユーザが上記サブスクリプションサービスに加入している状態であるか否かを判定する。すなわち、現在が枠拡張有効期間中であるか、通常期間中であるかを判定する。当該判定の結果、加入している場合は(ステップS1でYES)、ステップS2で、プロセッサ121は、指定枠301を全て有効にするための設定を行う、具体的には、プロセッサ121は、指定枠データ534の有効フラグ552に全て“オン“を設定する。一方、加入していない場合は(ステップS1でNO)、ステップS3で、プロセッサ121は、上記指定枠301Bおよび301Cを無効とする設定を行う。具体的には、プロセッサ121は、指定枠301Bおよび301Cに対応する有効フラグ552に“オフ“を設定する。
【0064】
次に、ステップS4で、プロセッサ121は、上記
図4~
図9を用いて説明したような特殊関係設定画面を生成し、表示部124に表示する。具体的には、プロセッサ121は、指定枠データ534を参照して、指定枠301に表示する画像(キャラクタのアイコン、または「空き」の文字列)を設定する。また、無効な状態の指定枠301については、上記のようなグレーアウト表示されるような設定も行う。また、プロセッサ121は、所有キャラクタデータ533を参照し、仲間一覧表示領域303に表示する内容を設定する。また、プロセッサ121は、サブスクリプションサービスに加入していない状態の場合は、上記拡張ボタン302も表示されるような設定も行う。そして、プロセッサ121は、このような表示設定内容を反映した特殊関係設定画面を生成して、表示部124に出力する。これにより、現在の指定枠301の指定内容、および、枠拡張有効期間中であるか通常期間中であるかに応じた特殊関係設定画面が表示されることになる。また、プロセッサ121は、当該処理に併せて、この時点の指定枠データ534の内容を暫定変更データ604にコピーする。以下、変更確定操作が行われるまでは、ユーザの行った指定枠内の変更操作内容は当該暫定変更データ604に反映される。
【0065】
次に、ステップS5で、プロセッサ121は、操作データ603を取得する。次に、ステップS6で、プロセッサ121は、操作データ603に基づき、上述したような指定枠301内における指定キャラクタの入れ替え操作が行われたか否かを判定する。当該判定の結果、指定枠内における入れ替え操作が行われた場合は(ステップS6でYES)、ステップS7で、プロセッサ121は、暫定変更データ604に対して、ユーザに指定された2体の指定キャラクタのデータを入れ替える処理を実行する。例えば、第1の指定キャラクタと第2の指定キャラクタを入れ替える指示操作が行われた場合は、枠番号551が“1”と“2”の指定キャラクタ情報553および特殊関係レベル情報554とを入れ替える処理を実行する。これにより、特殊関係レベルの成長状態ごと、指定枠内での入れ替えが行われることになる。一方、有効フラグ552は入れ替えないため、上記通常期間において第1の指定キャラクタと第2の指定キャラクタを入れ替える指示操作が行われた場合は、有効キャラクタ/無効キャラクタの状態が切り替わることになる。すなわち、第1の指定キャラクタは有効から無効な指定枠301への移動となるため、無効キャラクタとなり、それまで発生していた上記有利効果はこれ以降発生しないことになる。また、第2の指定キャラクタは無効から有効な指定枠301への移動となるため、有効キャラクタとなり、これ以降、上記有利効果が発生することになる。
【0066】
次に、ステップS12で、プロセッサ121は、暫定変更データ604に基づいて指定枠301の表示内容を設定した特殊関係設定画面を生成して、表示部124に出力する。その後、上記ステップS5に戻り、処理が繰り返される。
【0067】
一方、上記ステップS6の判定の結果、入れ替え操作が行われていない場合は(ステップS6でNO)、ステップS8で、プロセッサ121は、操作データ603に基づき、解除操作が行われたか否かを判定する。当該解除操作とは、いずれかの指定枠301から指定キャラクタの指定を解除する操作である。当該判定の結果、解除操作が行われた場合は(ステップS8でYES)、ステップS9で、プロセッサ121は、解除の指定が行われた指定枠301から指定キャラクタを外す処理を暫定変更データ604に対して行う。例えば第3の指定キャラクタの指定を解除する指示操作が行われた場合は、プロセッサ121は、暫定変更データ604における枠番号551が“3”のレコードの指定キャラクタ情報553をクリアし、更に、特殊関係レベル情報554を初期化する。その後、上記ステップS12に戻り、処理を繰り返す。
【0068】
一方、ステップS8の判定の結果、解除操作が行われていない場合は(ステップS8でNO)、ステップS10で、プロセッサ121は、有効な状態の指定枠301に対して、仲間キャラクタを新たに指定する操作(新規指定操作)が行われたか否かを判定する。具体的には、有効な空き枠に仲間キャラクタを指定する操作か、あるいは、仲間キャラクタが既に指定されている状態である有効な指定枠301に対して、仲間一覧表示領域303から新たに仲間キャラクタを指定する操作が行われたか否かを判定する。当該判定の結果、新規指定操作が行われた場合は(ステップS10でYES)、ステップS11で、プロセッサ121は、指定された指定枠301に、指定された仲間キャラクタを指定する処理を暫定変更データ604に対して行う。具体的には、指定された枠に対応する指定キャラクタ情報553に対して、当該新たな指定にかかる仲間キャラクタのキャラクタID511を設定する。また、既に指定状態である枠に対しての新規指定操作の場合は、特殊関係レベル情報554の初期化も行う。その後、上記ステップS12に戻り、処理を繰り返す。
【0069】
一方、ステップS10の判定の結果、新規指定操作が行われていない場合(ステップS10でNO)、
図16のステップS13で、プロセッサ121は、操作データ603に基づき、変更を確定する操作が行われたか否かを判定する。具体的には、上記決定ボタン305が操作されたか否かを判定する。当該判定の結果、変更を確定する操作が行われている場合は(ステップS13でYES)、ステップS14で、プロセッサ121は、暫定変更データ604の内容を指定枠データ534にコピーすることで、上記の各種変更操作にかかる変更内容を確定する。その後、当該特殊関係設定画面処理を終了する。一方、変更を確定する操作が行われていない場合は(ステップS13でNO)、ステップS15で、プロセッサ121は、当該特殊関係設定画面を終了する操作、すなわち、戻るボタン304の操作が行われたか否かを判定する。その結果、行われていない場合は(ステップS15でNO)、ステップS16で、プロセッサ121は、操作内容に応じたその他のゲーム処理を実行し、上記ステップS12に戻る。例えば、拡張ボタン302が操作されていた場合は、サブスクリプションサービスを紹介する画面に遷移する処理が実行される。また、例えば、仲間一覧表示領域303をスクロールする操作が行われていれば、そのスクロール操作に応じて仲間一覧表示領域303における表示内容を変更する。一方、ステップS15の判定の結果、戻るボタン304が操作された場合は(ステップS15でYES)、プロセッサ121は、(それまでに行われた変更内容を指定枠データ534に反映せずに)当該特殊関係設定画面処理を終了する。
【0070】
以上で、本実施形態にかかる特殊関係設定画面処理の詳細説明を終了する。
【0071】
このように、本実施形態では、指定枠301に仲間キャラクタを指定することで、そのキャラクタの性能を向上させてゲームを進めることが可能となる。そして、サブスクリプションサービス加入等の所定の条件を満たすことで、有効な指定枠301の数を増加させることができる。また、一旦有効な指定枠301を増加させた後、所定の条件を満たさない等で当該有効な枠数が減少しても、指定済みのキャラクタの情報は維持されたままにしている。これにより、例えば、サブスクリプションサービスに加入し、一旦脱会し、更にその後再加入したような場合、上記第2および第3の指定キャラクタについては、(再加入するまでの間に解除していなければ)脱会する前の上記特殊関係レベルを維持したまま有効化することができる。また、このように特殊関係レベルを維持しているため、上記通常期間中においても、上記のような指定枠内での入れ替え操作によって、特殊関係レベルを維持したまま無効キャラクタを有効化することも可能である。これに加えて、当該入れ替え操作に伴って有効キャラクタから無効キャラクタに入れ替えられたキャラクタについても、特殊関係レベルを維持したまま再度有効化することもできる。更に、上記通常期間中の指定枠内での入れ替え操作を可能とすることで、通常期間中においてどのキャラクタを指定枠301Aに指定しておくかという点でゲームに戦略性を与え、ゲームの興趣性を高めることができる。例えば、攻略したいマップに応じて、指定枠301Aに指定するキャラクタを変更する、等である。
【0072】
また、本例では、有効/無効の切り替えが行われるのは指定枠301Bおよび301Cであるため、指定枠301Aについては常に有効な状態であるといえる。そして、本例では、この指定枠301Aを他の2つの枠より大きめに表示している(
図4参照)。これにより、指定枠301Bおよび301Cは無効化される可能性があることをユーザに把握させやすくなる。また、ユーザは、優先して指定しておきたい仲間キャラクタを指定枠301Aに指定しておくようにすれば、通常期間における上記枠内での入れ替え操作の手間を省くこともでき、ユーザの利便性を高めることもできる。
【0073】
[変形例]
なお、上記の処理が適用されるゲームは、上記のような指定キャラクタを指定可能な複数の枠があるゲームであればどのようなゲームでもよく、ロールプレイングゲーム、シミュレーションゲーム等についても適用可能である。
【0074】
また、指定キャラクタとして指定可能な数(すなわち、指定枠301の数)について、上記の例では最大で3体まで、また、通常状態における有効な状態の指定枠の数は1である場合を挙げていた。この数値は一例であり、他の実施形態では、任意の数を設定してもよい(但し、上記通常状態における有効な指定枠の数は、最大指定可能数未満とする)。
【0075】
また、上記の例では、通常期間中は、無効キャラクタについては上記のような能力パラメータ向上の効果が発生しない例を挙げた。他の実施形態では、通常期間中でも能力パラメータ向上の効果は発生するが、その向上幅は、枠拡張有効期間中のときよりも小さくなるようにしてもよい。また、特殊関係レベルの成長についても、上記の例では無効な状態の時は成長しない場合を例に挙げた。これに限らず、他の実施形態では、通常期間中でも特殊関係レベルの成長はするが、その成長幅を枠拡張有効期間中のときよりも小さくなるようにしてもよい。
【0076】
また、上記の例では、指定キャラクタの指定を解除した場合、特殊関係レベルを初期化する例を示した。他の実施形態では、指定解除時に、初期化までは行わずに、特殊関係レベルをレベルダウンさせるようにしてもよい(換言すれば、初期値に近づくように変更してもよい)。この場合は、仲間キャラクタ毎に上記特殊関係レベルを対応づけて記憶しておき、指定キャラクタを解除した場合、そのキャラクタに対応づけられている特殊関係レベルを所定数低下させるようにすればよい(例えば1レベルダウン等)。
【0077】
また、上記の例では、無効な状態の指定枠にかかる指定キャラクタに対する解除操作が可能な例を挙げたが、他の実施形態では、無効な状態の指定枠にかかる指定キャラクタについては上記解除操作もできないようにしてもよい。つまり、枠拡張有効期間中のときのみ指定の解除が可能としてもよい。
【0078】
また、上記の例では、有効な指定枠を増やす条件として、月額制のサブスクリプションサービスへの加入を例示した。当該有効な指定枠を増やす条件は、これに限るものではなく、他の条件を用いてもよい。例えば、所定の対価の支払いを条件として、一定の期間、有効な指定枠を増やすようにしてもよい。この対価の支払いに関しても、料金を支払うような場合の他、所定のゲーム内通貨等を消費(対価パラメータを消費)するようにしてもよい。
【0079】
また、上記指定キャラクタの指定手法について、上記の例ではユーザの操作に基づいて指定キャラクタを指定する例を挙げたが、この他、指定キャラクタを自動で決定するようにしてもよい。例えば、ユーザのプレイ履歴を記録しておき、プロセッサ121が、使用回数・使用頻度の多いキャラクタを「おすすめキャラクタ」として自動的に指定キャラクタとして決定してもよい。
【0080】
また、上記のような処理を実行する主体に関しても、上記のような構成に限らない。例えば、上記情報処理システムにおいて、サーバ101側のシステムは、複数の情報処理装置によって構成され、サーバ101側で実行するべき処理を複数の情報処理装置が分担して実行してもよい。また、情報処理端末102で実行される上記一連の処理のうちの主要な処理がサーバ側装置によって実行され、当該情報処理端末102では一部の処理が実行されてもよい。また、いわゆるクラウドゲーミングの構成としてもよい。例えば、情報処理端末102は、ユーザの操作を示す操作データ603をサーバ101に送り、サーバ101において各種ゲーム処理が実行され、その実行結果が動画・音声として情報処理端末102にストリーミング配信されるような構成としてもよい。また、逆に、単体の情報処理装置において、上述したような処理が実行されるような構成としてもいい。
【符号の説明】
【0081】
101 サーバ
102 情報処理端末
111 プロセッサ
112 メモリ
113 通信部
121 プロセッサ
122 メモリ
123 操作部
124 表示部
125 通信部