(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】色識別機能を有するトルク工具
(51)【国際特許分類】
B25B 23/142 20060101AFI20221129BHJP
【FI】
B25B23/142
(21)【出願番号】P 2021079524
(22)【出願日】2021-05-10
【審査請求日】2021-05-10
(73)【特許権者】
【識別番号】521115498
【氏名又は名称】瞬豐實業股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Matatakitoyo Tool Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】No. 28,Ln.67,Hecuo St.,Xitun Dist.,Taichung City 407,Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】100185694
【氏名又は名称】山下 隆志
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼逸民
【審査官】大光 太朗
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第06722235(US,B2)
【文献】米国特許出願公開第2011/0036214(US,A1)
【文献】米国特許第07117765(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25B 23/142
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のヘッド部材、1つの本体部材、1つのカラーコード表、指示器及び1つの指示リングを備えた、色識別機能を有するトルク工具であって、
前記ヘッド部材は、1つの識別色をそれぞれ有し、
前記本体部材は、前記ヘッド部材のうちの1つに接続され、前記本体部材の1つのトルクを前記ヘッド部材に伝達し、トルクは、1組の対照識別色の臨界点を調節し得て、
前記カラーコード表は、前記本体部材に配設されるとともに、前記ヘッド部材の前記識別色に対応した1組のカラーコード及び複数の数字符号を含み、前記数字符号は、前記カラーコード中で前記カラーコードが対応したトルクの臨界点を表し、
前記本体部材は1つのグリップを含み、
前記指示器は、前記本体部材上に形成され、
前記指示リングは、前記本体部材に設けられ
、前記ヘッド部材と前記グリップとの間に位置し、前記指示リング及び前記グリップは円周方向に回転可能であり、
前記グリップの回転によりトルクの臨界点を調節でき、
前記指示リングは、1組のカラー領域を有し、前記カラー領域のうちの1つが前記指示器に位置合わせされて前記本体部材のトルクの臨界点を表し、
前記識別色は、前記カラーコード及び前記カラー領域と同一又は類似であり、前記本体部材のトルクの臨界点は、前記ヘッド部材に適用されることを特徴とする、色識別機能を有するトルク工具。
【請求項2】
前記本体部材の1つのベースは、1つの収容部を有し、
前記収容部には、1つの透明蓋が結合され、
前記カラーコード表は、前記透明蓋と前記収容部との間に位置することを特徴とする請求項1に記載の色識別機能を有するトルク工具。
【請求項3】
前記カラーコードは、1つの第1のカラーコード、1つの第2のカラーコード、1つの第3のカラーコード及び1つの第4のカラーコードを含むことを特徴とする請求項1に記載の色識別機能を有するトルク工具。
【請求項4】
前記指示リングの前記カラー領域の数は、前記カラーコード表の前記カラーコードの数に等しく、各前記カラー領域は、前記本体部材のトルクの臨界点の1つを表すことを特徴とする請求項1に記載の色識別機能を有するトルク工具。
【請求項5】
前記指示リングは、4つの前記カラー領域を含み、
前記カラーコード表は、4つの前記カラーコードを含むことを特徴とする請求項4に記載の色識別機能を有するトルク工具。
【請求項6】
前記指示器は、前記ベースが前記指示リングに向かって延びた1つの先端であることを特徴とする請求項2に記載の色識別機能を有するトルク工具。
【請求項7】
前記ベースの1つのトルク単位は、前記収容部と前記先端との間に位置することを特徴とする請求項6に記載の色識別機能を有するトルク工具。
【請求項8】
複数のヘッド部材、1つの本体部材、1つの指示器及び1つの指示リングを備えた、色識別機能を有するトルク工具であって、
前記ヘッド部材は、1つの識別色をそれぞれ有し、
前記本体部材は、前記ヘッド部材のうちの1つに接続され、前記本体部材の1つのトルクを前記ヘッド部材に伝達し、トルクは、1組の対照識別色の臨界点を調節し得て、
前記指示器は、前記本体部材上に形成され、
前記本体部材は1つのグリップを含み、
前記指示リングは、前記本体部材に設けられ
、前記ヘッド部材と前記グリップとの間に位置し、前記指示リング及び前記グリップは円周方向に回転可能であり、
前記グリップの回転によりトルクの臨界点を調節でき、前記指示リングは、1組のカラー領域を有し、前記カラー領域のうちの1つが前記指示器に位置合わせされて前記本体部材のトルクの臨界点を表し、
前記識別色は、前記カラー領域と同一又は類似であり、前記本体部材のトルクの臨界点は、前記ヘッド部材に適用されることを特徴とする、色識別機能を有するトルク工具。
【請求項9】
前記カラー領域は、1つの第1のカラー領域、1つの第2のカラー領域、1つの第3のカラー領域及び1つの第4のカラー領域を含むことを特徴とする請求項8に記載の色識別機能を有するトルク工具。
【請求項10】
前記本体部材には、矢印部が突設され、
前記指示器は、前記矢印部が前記指示リングに向かって延びた1つの先端であることを特徴とする請求項8に記載の色識別機能を有するトルク工具。
【請求項11】
前記矢印部の頂面には、トルク単位が設けられることを特徴とする請求項10に記載の色識別機能を有するトルク工具。
【請求項12】
前記本体部材には、凹槽のような1つの矢印部が形成され、
前記指示器は、前記矢印部が前記指示リングに向かって延びた1つの先端であることを特徴とする請求項8に記載の色識別機能を有するトルク工具。
【請求項13】
前記本体部材中で固定されて前記指示リングを遮蔽する透明カバーをさらに備えることを特徴とする請求項1又は8に記載の色識別機能を有するトルク工具。
【請求項14】
前記指示リングは、1組の数字符号を有し、
前記数字符号は、前記カラー領域が対応するトルクの臨界値を表すことを特徴とする請求項8に記載の色識別機能を有するトルク工具。
【請求項15】
複数のヘッド部材、1本のパイプ、1本の杆、1つのジョイント、1つのグリップ、1つのカラーコード表及び1つの指示リングを備えた、色識別機能を有するトルク工具であって、
前記杆は、前記パイプに枢着され、前記杆の一端が前記パイプに深く挿入されるとともに、トルクを受け、
前記ヘッド部材は、1つの識別色をそれぞれ有し、
前記ジョイントは、前記杆の他端に接続され、
かつ前記ヘッド部材のうちの1つに接続され、
前記グリップは、前記パイプに回転可能に設けられるとともに、前記パイプを介して前記杆及び前記ジョイントに伝達されるトルクは、複数の臨界点のうちの1つを変化させ、
前記カラーコード表は、前記パイプに配設されるとともに、
前記ヘッド部材の前記識別色に対応した1組のカラーコードを含み、各カラーコードは、トルクの一臨界点に対応し、
前記指示リングは、前記ヘッド部材と前記グリップとの間に位置し、
前記指示リング及び前記グリップは、前記パイプと一緒に同じ方向に回転し、
前記グリップの回転によりトルクの臨界点を調節でき、前記指示リングの1組のカラー領域の色は、前記カラーコード表の前記カラーコードに対応
し、前記識別色は、前記カラーコード及び前記カラー領域と同一又は類似であることを特徴とする、色識別機能を有するトルク工具。
【請求項16】
ベースをさらに備え、
前記ベースは、前記パイプ中に固定されるとともに、透明蓋に結合された収容部を有し、
前記カラーコード表は、前記透明蓋と前記収容部との間に位置することを特徴とする請求項15に記載の色識別機能を有するトルク工具。
【請求項17】
透明カバーをさらに備え、
前記透明カバーは、前記パイプ中に固定されて前記指示リングを遮蔽し、
前記透明カバーの1つの凹部は、前記ベースの1つの先端に合致し、前記先端は、前記指示リングの前記カラー領域を向くことを特徴とする請求項16に記載の色識別機能を有するトルク工具。
【請求項18】
前記収容部と先端との間には、前記ベースのトルク単位が設けられることを特徴とする請求項16に記載の色識別機能を有するトルク工具。
【請求項19】
前記カラーコード表は、前記透明蓋と、前記ベースの前記収容部との間に位置することを特徴とする請求項2又は16に記載の色識別機能を有するトルク工具。
【請求項20】
前記カラーコード表は、前記透明蓋の底面に印刷されることを特徴とする請求項2又は16に記載の色識別機能を有するトルク工具。
【請求項21】
前記カラー領域の代わりに前記指示リングの表面に1組の目盛が設けられることを特徴とする請求項15に記載の色識別機能を有するトルク工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハンドツールに関し、特に、同じ色(又は似た色)の組み合わせにより、1つのトルク臨界点に適用した螺着部材を識別する、色識別機能を有するトルク工具に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、開口スパナ、モンキーレンチ、メガネレンチ、六角レンチ及びその付属部品(例えば、ソケット)などの従来の工具の一般的な標記方式に関しては、レンチの表面に少なくとも1つの識別性のある文字又は符号が刻印されるか、大面積の識別標記が刻まれ、半永久的に標記して識別可能とすることが一般的であった。
【0003】
前述した方式は、長年工具に使用されてきたが、依然として問題点があった。例えば、正常な使用状況下では、標記の一部又は全部が油脂に覆われた場合、使用者は作業を中断し、油脂を拭き取って標記を読取り、レンチがワークピースの寸法規格に適用することを確認しなければならないか、一部のスパナの背面に標記されていなかったため、レンチをひっくり返して正面を向けなければならず、横向きから縦向きに変えなければレンチの標記をはっきりと見ることはできないことがあった。
【0004】
前述した方式の問題点を減らすか無くすために、特許文献1の工具識別方法は、1つのカラーコードにより10個の色及び算用数字0~9の関連性を決めている。工具の表面には、少なくとも1つの凹溝が形成され、凹溝内に収容された着色材料には、カラーリングが形成され、工具の寸法は、カラーリングの幅によりメートル法及びヤード・ポンド法が決められている。
【0005】
しかし、カラーコードを長期間、記憶しておく必要があったため、頻繁に使用しない場合、色と数字との関連性を忘れてしまい、工具を探す時間が無駄に増え、組立て時間が長くなったり修理の効率が下がったりした。
【0006】
また、単組のカラーコードは、単一の工具の寸法規格を表示する。その他の螺着部材を回転させる場合、1組の寸法が異なる工具も携帯しなければならなかった。そのため多くの工具は、体積が大きかったため、運搬するのに不便であった上、間違った寸法の工具を選択し易かった。
【0007】
また、個人の経験に基づいて工具を用いて螺着部材を回していたため、過度に締付けてしまった場合、螺着部材構造を破壊させてしまうことがある一方、十分締付けられない場合、螺着部材が振動により緩んでしまうこともあった。
【0008】
特許文献2のモンキーレンチは、ハンドルに固定顎及び可動顎が設けられている。可動顎の1組の目盛と、ハンドルの他組の目盛とが並べて設けられたノギスのようなもので螺着部材の寸法を測定する。
【0009】
ハンドルの1つの換算表をメートル法及びヤード・ポンド法の2つの単位の互換基礎として用いる。しかし、互換する際には、暗算又は電子計算機による計算が必要であり、計算間違いした場合、測定結果に大きな影響を与えるため、非常に面倒であった。
【0010】
特許文献3のトルク設定装置は、トルク調整可能な工具の末端に、複数の歯溝及びつまみが設けられ、つまみの1つの歯が歯溝に係合され、工具が出力する最大のトルク値を決めることができる。つまみを引っ張り出すと、歯と歯溝との係合関係を解除することができる。つまみが力を受けて所定角度で回転され、工具から引っ込めると、歯が他の歯溝に係合されて係合関係が回復し、トルクを臨界点に設定することができる。
【0011】
同様に、トルク設定装置は、1名の使用者に、当該螺着部材に適するトルク臨界点がどんななのかは教えない。
【0012】
そのため、螺着部材は、適したトルクが得られるようにすることが求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【文献】米国特許第4982627号明細書
【文献】中国実用新案公告第2118617号公報
【文献】米国特許第7836781号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
こうした現状に鑑み、本発明者は鋭意研究を重ねた結果、上述した従来技術の問題点を改善し、覚えたり計算したりしなくても、同色組み合わせによりトルク工具に適したトルクを識別する、色識別機能を有するトルク工具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態によれば、複数のヘッド部材(11)、1つの本体部材(30)、1つのカラーコード表(60)、指示器及び1つの指示リング(80)を備えた、色識別機能を有するトルク工具であって、前記ヘッド部材(11)は、1つの識別色をそれぞれ有し、前記本体部材(30)は、前記ヘッド部材(11)のうちの1つに接続され、前記本体部材(30)の1つのトルクを前記ヘッド部材(11)に伝達し、前記トルクは、1組の対照識別色の臨界点を調節し得て、前記カラーコード表(60)は、本体部材(30)に配設されるとともに、前記ヘッド部材(11)の識別色に対応した1組のカラーコード及び複数の数字符号を含み、前記数字符号は、カラーコード中で前記カラーコードが対応したトルクの臨界点を表し、前記指示器は、前記本体部材(30)上に形成され、前記指示リング(80)は、前記本体部材(30)に設けられて円周方向に回転可能であり、前記指示リング(80)は、1組のカラー領域を有し、前記カラー領域のうちの1つが指示器に位置合わせされて前記本体部材(30)のトルクの臨界点を表し、前記識別色は、カラーコード及びカラー領域と同一又は類似であり、前記本体部材(30)のトルクの臨界点は、前記ヘッド部材(11)に適用されることを特徴とする、色識別機能を有するトルク工具が提供される。
【発明の効果】
【0016】
本発明の色識別機能を有するトルク工具は、覚えたり計算したりしなくても、同色組み合わせによりトルク工具に適したトルクを識別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る色識別機能を有するトルク工具を示す分解斜視図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係る色識別機能を有するトルク工具の部品部分を示す分解斜視図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係る色識別機能を有するトルク工具の部品部分を示す組立斜視図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る色識別機能を有するトルク工具の連続動作状態(1)を示す説明図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る色識別機能を有するトルク工具の連続動作状態(2)を示す説明図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る色識別機能を有するトルク工具の連続動作状態(3)を示す説明図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る色識別機能を有するトルク工具の連続動作状態(4)を示す説明図である。
【
図8】本発明の第1実施形態に係る色識別機能を有するトルク工具は、ヘッド部材を介して本体部材に接続されたときの状態を示す説明図である。
【
図9】本発明の第1実施形態に係る色識別機能を有するトルク工具は、ヘッド部材を介して本体部材に接続されたときの状態を示す説明図である。
【
図10】本発明の第2実施形態に係る色識別機能を有するトルク工具の一部構造を示す斜視図である。
【
図11】本発明の第3実施形態に係る色識別機能を有するトルク工具の一部構造を示す斜視図である。
【
図12】本発明の第4実施形態に係る色識別機能を有するトルク工具の一部構造を示す斜視図である。
【
図13】本発明の第5実施形態に係る色識別機能を有するトルク工具の一部構造を示す斜視図である。
【
図14】本発明の第6実施形態及び第7実施形態に係る色識別機能を有するトルク工具の一部構造を示す斜視図である。
【
図15】本発明の第8実施形態に係る色識別機能を有するトルク工具を示す斜視図である。
【
図17】本発明の第9実施形態に係る色識別機能を有するトルク工具を示す斜視図である。
【
図19】本発明の第10実施形態に係る色識別機能を有するトルク工具を示す分解斜視図である。
【
図20】本発明の第10実施形態に係る色識別機能を有するトルク工具を示す組立図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の技術手段及びそれにより達成可能な効果を、より完全かつ明白に開示するために、開示した添付の図面及び符号と併せて本発明を以下に詳説する。
【0019】
(第1実施形態)
図1を参照する。
図1に示すように、本発明の第1実施形態に係るトルク工具は、ヘッド部材11を1つの本体部材30に結合し、着脱可能なレンチ10を組み立てる。
【0020】
図1に示すように、本体部材30は、1本のパイプ38を有する。パイプ38には、1本の軸37が堅牢に固定される。軸37は、パイプ38内の1本の杆35に挿通される。1つのホイール36には、パイプ38の一端に深く挿入される杆35が枢着される。1つのジョイント31は、杆35の他端と一体成形される。ジョイント31は、パイプ38の外部に位置し、ジョイント31の自由端には、開口槽のような1つの取付部32が形成される。2つの孔33は、ジョイント31の頂面及び底面に形成される。2つの押ボタン34は、自由落下方式により対応した孔33中に取付けられる。各押ボタン34は、ジョイント31から離れないが、取付部32に進入することもない。
【0021】
上述した本体部材30は、調節機構40をさらに有する。調節機構40の1つの圧縮ばね45は、パイプ38内に位置する。圧縮ばね45の一端は、1つの圧接ブロック46を介して杆35のホイール36に当接される。
【0022】
図2及び
図3を参照する。調節機構40は、グリップ41と、1本のねじ軸43と、1つの従動部材44とを含むがこれだけに限定されるわけではない。グリップ41は、中空状であり、1つのコネクタ48を介してねじ軸43の1つの直線部431に接続される。直線部431は、1つの軸受47に挿通され、1つのコントローラ49と螺着関係が維持される。軸受47は、パイプ38の1つの管口(図示せず)に挿入され、直線部431(又はねじ軸43)の軸心方向がパイプ38の軸心方向と重なり、パイプ38の外部に嵌設されたグリップ41を、パイプ38内部のねじ軸43とともに同じ方向に回転させることができる。グリップ41がパイプ38の周りで回転する角度は、予め設定され、コントローラ49の設計範囲に属し、本願の技術的核心ではない。興味がある者は、従来技術の特許文献3を参照すれば分かるため、ここでは詳しく述べない。
【0023】
本実施形態において、従動部材44は、内面に1つのねじ部441が形成され、外表面に1本の直線溝442が凹設された1つの管体である。従動部材44は、ねじ部441を介してねじ軸43に接続される。従動部材44は、圧縮ばね45の他端に接触される。1つのピン39は、パイプ38の壁に挿通されて直線溝442中に進入され、従動部材44がパイプ38内で直線往復運動することを制限し、従動部材44の行程の終点を決定する。また、固定管443は、パイプ38に嵌設されて固定される。固定管443は、パイプ38からピン39が離れることを防ぎ、グリップ41は、固定管443を遮蔽する。
【0024】
上述した本体部材30は、1つの指示ユニット50をさらに有する。指示ユニット50は、1つのリング51と、1つの透明蓋59と、1枚のカラーコード表60と、1つの透明カバー70と、1つの指示リング80とを含むがこれだけに限定されるわけではない。
【0025】
リング51も管体であり、その管体には、1つのベース53が突設される。ベース53は、1つの収容部56を有するとともに、厚さ方向でリング51まで貫通した2つの孔57が収容部56に形成されている。パイプ38は、リング51に挿通され、2つの締結具58が孔57を介してパイプ38に螺入され、リング51が固定管443の横に固定される。ベース53には、1つの先端54が設けられ、先端54と収容部56との間には1つのトルク単位55が設けられる。トルク単位55は、ベース53の表面に印刷され、国際単位制のN・mによりトルク値を表す。先端54は、本体部材30に形成された1つの指示器である。
【0026】
本実施形態において、カラーコード表60は、1枚の印刷品である。印刷品は、収容部56に収容され、ベース53に組み込まれた透明蓋59により押圧される。カラーコード表60は、1組のカラーコード及び4つの数字符号が印刷される。各数字符号は、カラーコードの中央に位置する。例えば、数字符号61aは、第1のカラーコード61のトルクの臨界点が18N・mであることを表す。数字符号62aは、第2のカラーコード62のトルクの臨界点が42N・mであることを表す。数字符号63aは、第3のカラーコード63のトルクの臨界点が55N・mであることを表す。数字符号64aは、第4のカラーコード64のトルクの臨界点が65N・mであることを表す。
【0027】
他の実施形態では、印刷品が無くてもよい。上述したカラーコード表60は、塗布、印刷などの技術により透明蓋59の底面に設けられてもよい。透明蓋59を注視すると、同様に当該組のカラーコード及び数字符号が見えるが、カラーコード表60下方の締結具58は見えない。
【0028】
リング51は、指示リング80に挿入される。指示リング80は、先端54と固定管443との間に位置し、リング51の周りで回転可能であるが、リング51の軸心方向には移動しない。指示リング80は、本体部材30に設けられて円周方向に回転可能である。指示リング80の外表面には、1つの歯車81が形成される。歯車81は、グリップ41の内側に周設された連続した歯42に噛着される。指示リング80の外表面には、1つの槽87が形成される。槽87の内部には、1組のカラー領域及び1組の目盛86が設けられる。
【0029】
また、上述した透明カバー70は、リング51の外部に位置する。透明カバー70の内側に周設されたリブ74が、リング51の1本の溝52に係合されるため、透明カバー70がパイプ38の軸心方向でリング51から離れることを防ぐことができる。透明カバー70の1つの第2の開口72は、グリップ41に向かう。透明カバー70の1つの第1の開口71は、1つの凹部73を有する。凹部73は、第1の開口71から第2の開口72にかけて縮減したV字状の切欠きであり、それはベース53の先端54に対応し、透明カバー70がリング51の周りで回転することを防ぐため、透明カバー70が指示リング80を遮蔽するように固定される。
【0030】
図4~
図7に示すように、カラー領域は、1つの第1のカラー領域82と、1つの第2のカラー領域83と、1つの第3のカラー領域84と、1つの第4のカラー領域85とを含む4つである。目盛86は、第1のカラー領域82と第4のカラー領域85との間に位置する。指示リング80のカラー領域の数は、カラーコード表60のカラーコードの数に等しい。
【0031】
図1~
図4に示すように、グリップ41が力を受けてパイプ38に対して回転すると、ねじ軸43を介して従動部材44が軸受47に向かって後退し、圧縮ばね45の一部の力をリリースする。歯車81と歯42とが噛接又は噛合された状態に保持され、指示リング80がリング51の周りで同じ方向に回転すると、グリップ41により本体部材30のトルクレベルを調節することができる。
【0032】
ベース53の先端54は、指示リング80に向かって延び、第4のカラー領域85が先端54に位置合わせされ、本体部材30のトルクの臨界点は65N・mである。第4のカラー領域85の色(又は色系)は、第4のカラーコード64と同じ色(又は似た色)であり、これは65N・mが第4のカラーコード64の中央の数字符号64aのトルク臨界点の設定値に合致することを表す。
【0033】
調節機構40が機械構造に属し、±5N・mの誤差があるため、本体部材30のトルクは65±5N・mの範囲である。
【0034】
本体部材30のトルクは、圧縮ばね45が変形して発生した力から得られ、当該力は、ジョイント31の1つの反作用力に対抗する。もし反作用力が小さい場合、本体部材30がジョイント31に対して継続的にトルクを付与する。反作用力が大きくなり、調節機構40が設定したトルクの臨界点を超えると、ホイール36及び圧接ブロック46が圧縮ばね45の力を中断し、トルクを伝達しなくなり、このときの本体部材30の最大トルクは65±5N・mである。
【0035】
図2、
図3及び
図5に示すように、グリップ41は、ねじ軸43により従動部材44を後退させ、圧縮ばね45がジョイントに付与する力を変え、歯車81と歯42とが噛接又は噛合された状態下で、指示リング80がリング51の周りで同じ方向に回転すると、グリップ41によりトルクレベルを調節することができる。
【0036】
先端54が第3のカラー領域84を向くと、第3のカラー領域84と第3のカラーコード63とは同色組み合わせ関係に属する。覚えたり計算したりしなくても、本体部材30のトルクは約55±5N・mの範囲にあり、カラーコード表60から第3のカラーコード63の数字符号63aは、トルクの臨界点を表す。
【0037】
図2、
図3及び
図6に示すように、前述した調節動作に基づき、本体部材30のトルクレベルを変えることができる。このとき先端54は、第2のカラー領域83を向き、同色に対応した第2のカラーコード62の数字符号62aを参考にすることができるため、覚えたり計算したりしなくても、本体部材30のトルクが42±5N・mの範囲にあることを知ることができる。
【0038】
図2、
図3及び
図7に示すように、グリップ41を回転させると、指示リング80が同じ方向に回転し、第1のカラー領域82をベース53の先端54に位置合わせすることができる。第1のカラーコード61の同色組み合わせ状況下で、覚えたり計算したりしなくても、本体部材30のトルクが18±5N・mの範囲にあり、数字符号61aが提示する第1のカラーコード61のトルクの臨界点に合致することを知ることができる。
【0039】
図1を再び参照する。上述したヘッド部材11は、1つの本体12を有する。本体12は、2つの固定顎13を有し、2つの固定顎13は、距離15により離間されている。2つの固定顎13の互いに対向する面は駆動面14である。本体12の頂面には、1つの隆起部16が形成されている。その隆起部16には、外方に延びた1つの突部17が延設されている。突部17の底面には、1つの球槽(
図9を参照する)が形成されている。その球槽には、1つの弾性部材18及び1つの球体19が配設され、球体19の一部が弾性部材18により押動されて突部17の表面から突出される。球体19は、突部17から簡単に離れることができない。また、隆起部16の頂面には、1つの第4の識別色23が塗布されている。第4の識別色23は、突部17の頂面を覆う。1つの第4の識別符号27は、隆起部16の頂面に印刷される。
【0040】
図8及び
図9を参照する。
図8及び
図9に示すように、突部17が取付部32に挿入され、球体19により押動されて押ボタン34がジョイント31の外表面から突出される。2つの固定顎13がヘッド部材11を開口スパナのような輪郭を有するため、ヘッド部材11を本体部材30に結合すると、開口スパナの機能を有するレンチ10が構成される。
【0041】
押ボタン34に力を加えると孔33中に引っ込む。押ボタン34が球体19を押動すると突部17の球槽に引き込まれ、球体19と孔33との係合関係が解除され、突部17を取付部32から抜き取ることができるため、本体部材30はその他のヘッド部材11を容易に交換することができる。係合関係が解除されている期間中、弾性部材18は球体19により押圧される。突部17が取付部32から離れた後、弾性部材18により押動され、次回の使用まで、球体19が突部17の表面から突出された状態となる。
【0042】
締め付けたり緩めたりする作業を行うとき、2つの固定顎13の2つの駆動面14により、螺着部材(例えば、ナット又はねじの頭部)の両側に力を加える。そのため、ナット又はねじの頭部の対辺距離が大きすぎる場合、螺着部材は2つの固定顎13間に進入できず、対辺距離が小さすぎる場合、2つの駆動面14を螺着部材の両側に効果的に接触させることができない。言い換えると、ヘッド部材11は、単一の螺着部材に適合する。螺着部材の寸法規格は、対辺距離が29mmであり、合致する1組の算用数字29は、第4の識別符号27を表す。
【0043】
図4及び
図8を参照する。
図4及び
図8に示すように、第4の識別符号27の代表色は第4の識別色23である。第4の識別色23及び第4のカラーコード64は、同じ色か似た色であり、第4のカラー領域85に対応したトルクであることが好ましい。レンチ10のトルク調節は、指示リング80の第4のカラー領域85をベース53の先端54に位置合わせするだけで行える。そのため覚えたり計算したりしなくても、本体部材30は65±5N・mのトルクを提供し、ヘッド部材11の臨界点として用い、寸法規格が29mmである螺着部材が適合する。
【0044】
(第2実施形態)
図5及び
図10を参照する。
図5及び
図10に示すように、本発明の第2実施形態に係るトルク工具は、その構造が第1の実施形態の構造と略同じであり、まず、1つの第3の識別符号26が隆起部16の頂面に位置し、距離15は対辺距離が26mmである螺着部材に相当する。簡単に述べると、ヘッド部材11の距離15は、第1の実施形態の距離より小さい。
【0045】
次に、第3の識別符号26の代表色は、1つの第3の識別色22である。第3の識別色22は、本体12の側面に設けられ、2つの固定顎13の表面を含む。
【0046】
覚えたり計算したりしなくても、第3の識別色22に同色の第3のカラーコード63及び第3のカラー領域84を組み合わせ、本体部材30は、55±5N・mの範囲のトルクを提供し、ヘッド部材11が回転する対辺距離は、26mmの螺着部材のトルク臨界点に適合する。
【0047】
(第3実施形態)
図6及び
図11を参照する。
図6及び
図11に示すように、本発明の第3実施形態に係るトルク工具の構造は、第2実施形態の構造と略同じであるが、1つの第2の識別符号25が隆起部16の頂面に位置し、距離15が螺着部材の約22mmの対辺距離に相当することを表す点が異なる。言い換えると、ヘッド部材11の距離15は、第1実施形態の距離より小さい。
【0048】
また、第2の識別符号25の代表色は、1つの第2の識別色21である。第2の識別色21は、隆起部16の周辺に設けられ、隆起部16の頂面から突部17の頂面まで延びる。
【0049】
同色を組み合わせた第2の識別色21、第2のカラーコード62及び第2のカラー領域83に基づき、本体部材30が42±5N・m範囲のトルクを提供し、ヘッド部材11は22mmの螺着部材のトルク臨界点に適合する。
【0050】
(第4実施形態)
図7及び
図12を参照する。
図7及び
図12に示すように、本発明の第4実施形態に係るトルク工具の構造は、第3実施形態の構造と略同じであるが、まず、1つの第1の識別符号24が隆起部16の頂面に位置し、距離15が螺着部材の約17mmの対辺距離に相当することを表す点が異なる。言い換えると、ヘッド部材11の距離15は、第1実施形態及び第2実施形態の距離より小さい。
【0051】
第1の識別符号24の代表色は2つの第1の識別色20である。これら第1の識別色20は、本体12の側面にそれぞれ設けられ、隆起部16の頂面が突部17の頂面まで延びる。同色で組み合わされた第1の識別色20、第1のカラーコード61及び第1のカラー領域82に基づき、本体部材30は、18±5N・mの範囲のトルクを提供し、ヘッド部材11の回転する対辺距離が17mmの螺着部材のトルク臨界点に適合する。
【0052】
同色組み合わせ、螺着部材の寸法規格及びトルク臨界点の対応関係に基づいて作った以下の表1は、mmにより螺着部材の寸法規格を表し、国際単位制(N・m)によりトルク値を表す。
【0053】
【0054】
第1実施形態~第4実施形態のヘッド部材11は1組であり、単一の本体部材30が組み合わされてトルク工具が構成される。螺着部材の角度から見た場合、螺着部材をヘッド部材11に挿入し、同色の識別色とカラーコードとを比較し、数字符号61a~64aの臨界値を参考にし、指示リング80の同色のカラー領域が先端54に位置合わせされるまで、本体部材30のトルク臨界点を変える。このようなレンチ10の操作方式は非常に簡単なため、経験が少ない(又は慣れていない)一般使用者でも使用することができる。
【0055】
反対に、グリップ41を回転させると、本体部材30のトルク臨界点を変更することができ、数字符号61a~64aに基づいてカラーコードが同じ(又は似た)識別色のヘッド部材11を探し出し、経験が豊富な(又は熟練した)専門家は、寸法規格に合致したヘッド部材11の螺着部材を回転させることができる。
【0056】
(第5実施形態)
図13を参照する。
図13に示すように、本発明の第5実施形態に係るトルク工具の構造は、第1実施形態の構造と略同じである。ヘッド部材11aは本体12aを有する。本体12aの一端には、突部17が形成される。この突部17は、弾性の球体19を有する。そのため、突部17をジョイント31の取付部32に挿入すると、球体19により押ボタン34が押圧されて係合し、ヘッド部材11aと本体部材30との組立てが完成する。
【0057】
第5実施形態は、第1実施形態と異なり、本体12aの他端に1つの固定顎13aが立設される。固定顎13aの根部には、本体12aに形成された1本の開口槽29aが位置する。上述した開口槽29aは、本体12aの1つの操作孔19aに連通する。1つのウォーム18aは、操作孔19aに挿入され、本体12aは回転の接続関係が保持される。1本の直杆16aを本体12aの開口槽29a中に挿入する。直杆16aは、一辺が1つの可動顎14aに接続され、他辺に1列の歯17aが設けられる。歯17aがウォーム18aに噛接又は噛合され、直杆16aが開口槽29aで移動するのに必要な動力を供給し、可動顎14aから固定顎13aまでの距離15aを変えることができる。
【0058】
このように、ヘッド部材11aは、モンキーレンチの輪郭を有し、本体部材30が結合されてモンキーレンチの機能を有するレンチ10が構成される。
【0059】
また、前述した表1の同色組み合わせ部分は、ヘッド部材11aを少しだけ変更してもよい。簡単に述べると、本体12aの外側には、第1の識別色20a、第2の識別色21a、第3の識別色22a及び第4の識別色23aが設けられる。第1の識別色20aには、湾曲状の1つの第1の識別符号24aが接続される。第2の識別色21aには、湾曲状の1つの第2の識別符号25aが接続される。第3の識別色22aには、直線状の1つの第3の識別符号26aが接続される。第4の識別色23aには、湾曲状の1つの第4の識別符号27aが接続される。可動顎14aの側辺の1つの指示部28aは、1つの矢印である。この矢印の先端は、何れか1つの識別符号を指し示し、同色の識別色及びカラーコード(又はカラー領域)の組み合わせ関係により、本体部材30は、ヘッド部材11aが螺着部材を回転させるのに必要なトルクを提供する。
【0060】
(第6実施形態)
図14を参照する。
図14は、本発明の第6実施形態に係る色識別機能を有するトルク工具は、本体部材30に1つのヘッド部材11bが結合された状態を示す。ヘッド部材11bは、第1実施形態と同様に、突部17と一体成形される。突部17がジョイント31の取付部32に挿入され、ヘッド部材11bが本体部材30と一体成形される。
【0061】
第6実施形態のヘッド部材11bは、第1実施形態と異なり、本体12bが1つの開口15bを有し、ヘッド部材11bがY字状を呈する。本体12bの内側の1つの駆動面14bは、連続した歯が開口15bの一辺から他辺に接続されていることを指し、ヘッド部材11bが開口式メガネレンチの輪郭を有する。ヘッド部材11bには、本体部材30が結合されてトルク工具が構成され、開口式メガネレンチと同様の機能を有する構造となる。
【0062】
また、本体12bの外側の第1の識別色20bは、前述した表1の同色組み合わせ関係から分かるように、本体部材30のトルクが18±5N・mに範囲にあり、ヘッド部材11bの回転規格は17mmの螺着部材に適合する。
【0063】
(第7実施形態)
本発明の第7実施形態に係る色識別機能を有するトルク工具は、同じ本体部材30に1つのヘッド部材11cが結合された状態を示す。ヘッド部材11cは、第1実施形態と同様に、本体部材30の構造は変化しない。突部17とヘッド部材11cとは一体成形される。突部17がジョイント31の取付部32に挿入されると、ヘッド部材11cが本体部材30と結合されて一体成形される。
【0064】
第7実施形態のヘッド部材11cは、第1実施形態と異なり、本体12cがO字状を呈し、内側に連続した歯が周設されて1つの駆動面14cが形成され、ヘッド部材11cがメガネレンチの輪郭を有する。ヘッド部材11cには、本体部材30が結合されてトルク工具を構成し、同様にメガネレンチの機能を有する構造となる。
【0065】
また、本体12cから突部17に至る表面には、第2の識別色21bが設けられ、前述した表1の同色組み合わせ関係から分かるように、ヘッド部材11cが寸法規格22mmの螺着部材を回転させることができるように、本体部材30は、42±5N・mの範囲のトルクを提供する。
【0066】
(第8実施形態)
図15を参照する。
図15は、本発明の第8実施形態に係る色識別機能を有するトルク工具を示す斜視図である。
図16は、第8実施形態の本体部材30の丸で囲まれた部分を示す拡大図である。第8実施形態の構造は、第1実施形態の構造と略同じであり、ヘッド部材11を介して本体部材30と結合し、レンチ10を構成する。
【0067】
本発明の第8実施形態に係る色識別機能を有するトルク工具は、第1実施形態と異なり、カラー領域が無い。円周方向に沿って、当該組の目盛86が指示リング80の外表面に印刷される。
【0068】
同色組み合わせ原則により、カラーコード表60の第4のカラーコード64は、識別色を対照する。第4のカラーコード64の数字符号64aを参照し、ベース53が先端54を目盛86に位置合わせされるまで、グリップ41を回転させて指示リング80を同じ方向に回転させ、本体部材30を65N・mのトルク臨界値まで調節するため、寸法規格が29mmの螺着部材を回転させるヘッド部材11に適合し、同様に色識別機能を備える。
【0069】
(第9実施形態)
図17を参照する。
図17は、本発明の第9実施形態に係る色識別機能を有するトルク工具を示す斜視図である。
図18は、第9実施形態の本体部材30の丸で囲まれた部分を示す拡大図である。第9実施形態の構造は、第1実施形態の構造と略同じであり、ヘッド部材11を介して本体部材30に結合し、レンチ10を構成する。
【0070】
本発明の第9実施形態に係る色識別機能を有するトルク工具は、第1実施形態と異なり、完全な指示ユニットが無い。本体部材30は、1つの矢印部541を有する。矢印部541は、リング51の外部に突設され、上述した先端54及びトルク単位55を保留する。トルク単位55は、矢印部541の頂面に位置する。
【0071】
矢印部541の先端54は、第3のカラー領域84を指し示し、第3のカラー領域84及びヘッド部材11の識別色は、異なる色又は色系に属する。覚えたり計算したりしなくても(55±5N・m)のトルクが、ヘッド部材11が回転する螺着部材に適合しないことを知ることができ、この場合、前述した説明に基づき、本体部材30のトルクを調節する。指示器は、矢印部541が指示リング80に向かって延びた1つの先端54である。
【0072】
(第10実施形態)
図19及び
図20を参照する。
図19は、本発明の第10実施形態に係る色識別機能を有するトルク工具を示す分解斜視図である。
図20は、本発明の第10実施形態に係る色識別機能を有するトルク工具を示す組立図である。
【0073】
第10実施形態の構造は、第1実施形態と同様に、ヘッド部材11dが本体部材30a に結合されてトルク工具を構成する。同色組み合わせ原則により、ヘッド部材11dの第4の識別色23が指示リング80aの第4のカラー領域85と同じな(又は似てる)ため、本体部材30aのトルクの臨界点はヘッド部材11dの所定値に適合する。
【0074】
また、第4の識別色23をヘッド部材11dの異なる位置に塗布することも、本発明の範囲に含まれる。
【0075】
第10実施形態のヘッド部材11dは、第1実施形態と以下(1)~(6)の点で異なる。
(1)ヘッド部材11dは、1つのドライバービット90を介して1つのソケット91に結合される。ソケット91の端面には、方形状の1つの結合孔92が凹設される。
(2)本体部材30aは、トルクの1つの本体41aを有する。本体41aの一端が延びて結合柱93が延設される。結合柱93は、弾性を有する1つの球体94に配設される。結合柱93は、結合孔92に挿入される。球体94は、結合孔92の壁の周りに周設されたソケット91に当接され、ドライバービット90の駆動端を支えて螺着部材を回転させる(例えば、皿ねじの溝)。そのため、本体部材30aは、本体41aに結合され、1つのトルクドライバ10aのトルク工具を構成する。
(3)本体41aの他端には、1つのつまみ49aが取り付けられる。つまみ49aは、コントローラ49の一部に属する。つまみ49aと本体41aとの間には、透明カバー70aが設けられる。透明カバー70aは、固定されて指示リング80aの外周を遮蔽する。
(4)矢印部542は、本体41aの表面に凹設された1つの槽である。当該槽は、指示リング80aの何れか1つのカラー領域を向く先端54を有する。指示器は、矢印部542が指示リング80aに向かって延びた1つの先端54である。
(5)カラーコード表60には、第5のカラーコード65が増設される。第5のカラーコード65の色は、指示リング80aの第5のカラー領域88と同一又は類似である。第5のカラーコード65の中央は、80N・mのトルク臨界点の数字符号65aを表す。
(6)第5のカラー領域88及び第3のカラー領域84は、第4のカラー領域85の両側に位置し、第5のカラー領域88の中央には、80N・mの設定値を表す1組の算用数字が設けられる。
【符号の説明】
【0076】
10 レンチ
10a トルクドライバ
11 ヘッド部材
11a ヘッド部材
11b ヘッド部材
11c ヘッド部材
11d ヘッド部材
12 本体
12a 本体
12b 本体
12c 本体
13 固定顎
13a 固定顎
14 駆動面
14a 可動顎
14b 駆動面
14c 駆動面
15 距離
15a 距離
15b 開口
16 隆起部
16a 直杆
17 突部
17a 歯
18 弾性部材
18a ウォーム
19 球体
19a 操作孔
20 第1の識別色
20a 第1の識別色
20b 第1の識別色
21 第2の識別色
21a 第2の識別色
21b 第2の識別色
22 第3の識別色
22a 第3の識別色
23 第4の識別色
23a 第4の識別色
24 第1の識別符号
24a 第1の識別符号
25 第2の識別符号
25a 第2の識別符号
26 第3の識別符号
26a 第3の識別符号
27 第4の識別符号
27a 第4の識別符号
28a 指示部
29a 開口槽
30 本体部材
30a 本体部材
31 ジョイント
32 取付部
33 孔
34 押ボタン
35 杆
36 ホイール
37 軸
38 パイプ
39 ピン
40 調節機構
41 グリップ
41a 本体
42 歯
43 ねじ軸
44 従動部材
45 圧縮ばね
46 圧接ブロック
47 軸受
48 コネクタ
49 コントローラ
49a つまみ
50 指示ユニット
51 リング
52 溝
53 ベース
54 先端
55 トルク単位
56 収容部
57 孔
58 締結具
59 透明蓋
60 カラーコード表
61 第1のカラーコード
61a 数字符号
62 第2のカラーコード
62a 数字符号
63 第3のカラーコード
63a 数字符号
64 第4のカラーコード
64a 数字符号
65 第5のカラーコード
65a 数字符号
70 透明カバー
70a 透明カバー
71 第1の開口
72 第2の開口
73 凹部
74 リブ
80 指示リング
80a 指示リング
81 歯車
82 第1のカラー領域
83 第2のカラー領域
84 第3のカラー領域
85 第4のカラー領域
86 目盛
87 槽
88 第5のカラー領域
90 ドライバービット
91 ソケット
92 結合孔
93 結合柱
94 球体
431 直線部
441 ねじ部
442 直線溝
443 固定管
541 矢印部
542 矢印部