(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】溶液法によりポリエチレンを製造するマイクロ界面強化反応システム及び方法
(51)【国際特許分類】
C08F 2/01 20060101AFI20221129BHJP
C08F 10/00 20060101ALI20221129BHJP
C08F 2/04 20060101ALI20221129BHJP
【FI】
C08F2/01
C08F10/00 510
C08F2/04
(21)【出願番号】P 2022517756
(86)(22)【出願日】2020-06-18
(86)【国際出願番号】 CN2020096738
(87)【国際公開番号】W WO2021253311
(87)【国際公開日】2021-12-23
【審査請求日】2022-03-22
(31)【優先権主張番号】202010554105.7
(32)【優先日】2020-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520307724
【氏名又は名称】南京延長反応技術研究院有限公司
【氏名又は名称原語表記】NANJING YANCHANG REACTION TECHNOLOGY RESEARCH INSTITUTE CO. LTD
【住所又は居所原語表記】ZHOU, Zheng No.88, South Tuan District, Jiangbei New District Nanjing , Jiangsu 210047 China
(74)【代理人】
【識別番号】100185694
【氏名又は名称】山下 隆志
(72)【発明者】
【氏名】張 志炳
(72)【発明者】
【氏名】周 政
(72)【発明者】
【氏名】張 鋒
(72)【発明者】
【氏名】李 磊
(72)【発明者】
【氏名】孟 為民
(72)【発明者】
【氏名】王 宝栄
(72)【発明者】
【氏名】楊 高東
(72)【発明者】
【氏名】羅 華勲
(72)【発明者】
【氏名】楊 国強
(72)【発明者】
【氏名】田 洪舟
(72)【発明者】
【氏名】曹 宇
【審査官】中川 裕文
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-517348(JP,A)
【文献】特開2009-120588(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0300024(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0163183(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第110527008(CN,A)
【文献】中国実用新案第210045217(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F 2/00- 2/60
6/00-246/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶液法によりポリエチレンを製造するマイクロ界面強化反応システム
を用いてポリエチレンを製造する方法であって、
順次接続された予備重合反応器及び重合反応器と、材料中の残留水分を除去するためのポリエチレン循環乾燥装置とを含み、前記予備重合反応器には材料をマイクロバブルに分散破砕するための予備重合用マイクロ界面発生器が設けられ、前記重合反応器には材料をマイクロバブルに分散破砕するためのマイクロ界面発生ユニットが設けられ、
前記マイクロ界面発生ユニットは、第1のマイクロ界面発生器と第2のマイクロ界面発生器を含み、前記第1のマイクロ界面発生器は前記重合反応器の外部に設けられ、前記第2のマイクロ界面発生器は前記重合反応器の内部に設けられ、前記第1のマイクロ界面発生器には前記予備重合反応器で反応することによって得られたプレポリマーが導入され、
前記予備重合反応器の底部にはプレポリマー出口が設けられ、前記重合反応器の側壁には供給口が設けられ、前記第1のマイクロ界面発生器は、一端が前記供給口に接続され、他端が前記プレポリマー出口に接続され、前記第2のマイクロ界面発生器には、重合反応器の液面以上のガスを回収するための気相配管と、第2のマイクロ界面発生器に動力を供給するための液相循環配管とが接続されており、前記液相循環配管は、一端が前記重合反応器の側壁に接続され、他端が前記第2のマイクロ界面発生器に接続されており、
前記重合反応器の底部には重合反応生成物出口が設けられ、前記重合反応生成物出口には、重合反応後の生成物をフラッシュするためのフラッシュタンクが接続され、前記フラッシュタンクの底部にポリエチレン生成物を排出するためのフラッシュタンク底部出口が設けられ、前記フラッシュタンクの底部出口には、ポリエチレン生成物から溶剤及び不純物を除去するための脱溶剤塔が接続され、前記脱溶剤塔の内部には、高温窒素ガスをマイクロバブルに分散破砕するための窒素ガスマイクロ界面発生器が設けられ、前記脱溶剤塔の側壁に生成物出口が設けられ、前記生成物出口にはポリマー中の触媒を分解するための水蒸気分解タンクが接続され、前記水蒸気分解タンクの側壁には、材料出口が設けられ、前記材料出口は、材料の水分を予備的に除去するためのドレイナに接続され、前記ポリエチレン循環乾燥装置は、乾燥箱と、エアポンプと、電熱ヒータと、入口と出口がそれぞれ前記乾燥箱の頂部に接続された循環管とを含み、前記循環管には、前記循環管の入口方向に沿ってエアポンプ及び電熱ヒータはこの順に設けられ、前記ドレイナは乾燥箱に接続され、
前記溶液法によりポリエチレンを製造するマイクロ界面強化反応システム
を用いてポリエチレンを製造する方法は、
エチレンをマイクロバブルに分散破砕した後、触媒の作用により予備重合反応を行ってプレポリマーを得るステップと、
前記プレポリマーを、マイクロバブルに分散破砕したエチレン及び水素と重合反応させて、生成物を得るステップと、
生成物に対して、フラッシュ、洗浄による不純物除去、溶剤と不純物除去、水蒸気分解、水切り、乾燥を行うステップと、を含み、
前記重合反応の温度は130~145℃、圧力は2~2.5MPaである、ことを特徴とするマイクロ界面強化反応システム
を用いてポリエチレンを製造する方法。
【請求項2】
前記循環管には、管路における循環気流の速度を安定化させるためのバッファタンクがさらに設けられ、前記バッファタンクは、前記循環管の出口付近に設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の溶液法によりポリエチレンを製造するマイクロ界面強化反応システム
を用いてポリエチレンを製造する方法。
【請求項3】
前記循環管には排気分岐管が接続され、前記排気分岐管の一側に圧力逃し管が設けられ、前記圧力逃し管に圧力逃し弁が設けられている、ことを特徴とする請求項2に記載の溶液法によりポリエチレンを製造するマイクロ界面強化反応システム
を用いてポリエチレンを製造する方法。
【請求項4】
前記乾燥箱は、ポリエチレンを収集するためのホッパに接続され、前記ホッパは
ポリエチレンを回収する収集箱に接続されている、ことを特徴とする請求項1に記載の溶液法によりポリエチレンを製造するマイクロ界面強化反応システム
を用いてポリエチレンを製造する方法。
【請求項5】
前記フラッシュタンクの頂部に気相出口が設けられ、気相出口から出た材料は予備洗浄塔に導入されて洗浄され、不純物を除去される、ことを特徴とする請求項1に記載の溶液法によりポリエチレンを製造するマイクロ界面強化反応システム
を用いてポリエチレンを製造する方法。
【請求項6】
前記予備洗浄塔の底部には、ポリエチレン粉末を分離するためのバッグフィルタが接続されたポリエチレン粉末出口が設けられている、ことを特徴とする請求項
5に記載の溶液法によりポリエチレンを製造するマイクロ界面強化反応システム
を用いてポリエチレンを製造する方法。
【請求項7】
前記バッグフィルタの底部に設けられた混合物出口は、濾過されたポリエチレン粉末を前記水蒸気分解タンクに導入するために前記水蒸気分解タンクに接続される、ことを特徴とする請求項
6に記載の溶液法によりポリエチレンを製造するマイクロ界面強化反応システム
を用いてポリエチレンを製造する方法。
【請求項8】
前記乾燥箱と前記循環管内に不活性ガスが充填されている、ことを特徴とする請求項1に記載の溶液法によりポリエチレンを製造するマイクロ界面強化反応システム
を用いてポリエチレンを製造する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリエチレンを製造する技術分野に関し、具体的には、溶液法によりポリエチレンを製造するマイクロ界面強化反応システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、ポリエチレンはエチレンを重合して製造された熱可塑性樹脂であり、工業では、エチレンと少量のα-オレフィンの共重合体も含まれ、ポリエチレンは無臭、無毒で、ワックスのような手触りを有し、優れた耐低温性を有し、最低使用温度が-100~70℃であり、化学的安定性が良好であり、ほとんど酸やアルカリによる浸食に耐えられ、常温では一般的な溶剤に不溶であり、吸水性が小さく、電気絶縁性が優れている。数十年の間、ポリエチレンを生産するプロセス及び技術は20種類以上あり、それぞれのプロセス及び技術は重合のタイプによって溶液法、スラリー法(溶剤法とも呼ばれる)、バルク法、バルクと気相を組み合わせた方法、気相法に分類される。
【0003】
現在、溶液法は主にスラリー法によるPP編み袋と比べてモジュラスが低く、強靭性が高い特殊なブランドのPP編み袋の生産に用いられている。溶液法は、通常、撹拌床反応器、釜式反応器、管状反応器、塔式反応器などを重合反応器として使用しているが、これらによる相境界面積及び物質移動係数が限られており、ガス利用率が低く、その結果、反応効率が低く、このため、反応性能には画期的な向上が得られにくく、反応全体の効率に影響を与えてしまい、また、気液相間の混合が不均一であるため、分子量分布も不均一になり、得られたポリエチレンの均一性が低く、製品の品質に影響を与えていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これに鑑み、本発明は、溶液法によりポリエチレンを製造するマイクロ界面強化反応システム及び方法を提案しており、第1の目的は、溶液法によりポリエチレンを製造するマイクロ界面強化反応システムを提供することであり、該マイクロ界面強化反応システムでは、予備重合反応器にマイクロ界面発生器が設けられるとともに、重合反応器にマイクロ界面発生ユニットが設けられることにより、気相と液相の材料間の物質移動面積を増大させ、反応効率を高め、エネルギー消費量を減少させる一方、気相と液相をより均一に混合し、得られたポリエチレンの均一度を向上させ、製品の品質を高める。
【0005】
第2の目的は、上記マイクロ界面強化反応システムを用いて溶液法によりポリエチレンを製造する方法を提供することであり、反応によって得られるポリエチレン製品は、品質が高く、収率が高い。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の上述の目的を達成するために、特に以下の技術的解決手段が採用される。
【0007】
本発明は、溶液法によりポリエチレンを製造するマイクロ界面強化反応システムであって、
順次接続された予備重合反応器及び重合反応器と、材料中の残留水分を除去するためのポリエチレン循環乾燥装置とを含み、前記予備重合反応器には材料をマイクロバブルに分散破砕するための予備重合用マイクロ界面発生器が設けられ、前記重合反応器には材料をマイクロバブルに分散破砕するためのマイクロ界面発生ユニットが設けられ、
前記予備重合反応器の底部にはプレポリマー出口が設けられ、前記重合反応生成物出口には、重合反応後の生成物をフラッシュするためのフラッシュタンクが接続され、前記フラッシュタンクの底部にポリエチレン生成物を排出するためのフラッシュタンク底部出口が設けられ、前記フラッシュタンクの底部出口には、ポリエチレン生成物から溶剤及び不純物を除去するための脱溶剤塔が接続され、前記脱溶剤塔の内部には、高温窒素ガスをマイクロバブルに分散破砕するための窒素ガスマイクロ界面発生器が設けられ、前記脱溶剤塔の側壁に生成物出口が設けられ、前記生成物出口にはポリマー中の触媒を分解するための水蒸気分解タンクが接続され、前記水蒸気分解タンクの側壁には、材料出口が設けられ、前記材料出口は、材料の水分を予備的に除去するためのドレイナに接続され、前記ポリエチレン循環乾燥装置は、乾燥箱と、エアポンプと、電熱ヒータと、入口と出口がそれぞれ前記乾燥箱の頂部に接続された循環管とを含み、前記循環管には、前記循環管の入口方向に沿ってエアポンプ及び電熱ヒータはこの順に設けられ、前記ドレイナは乾燥箱に接続される。
【0008】
さらに、上記した溶液法によりポリエチレンを製造するマイクロ界面強化反応システムにおいて、前記循環管には、管路における循環気流の速度を安定化させるバッファタンクがさらに設けられ、前記バッファタンクは、前記循環管の出口付近に設けられている。
【0009】
さらに、上記した溶液法によりポリエチレンを製造するマイクロ界面強化反応システムにおいて、前記循環管には排気分岐管が接続され、前記排気分岐管の一側に圧力逃し管が設けられ、前記圧力逃し管に圧力逃し弁が設けられている。
【0010】
さらに、上記した溶液法によりポリエチレンを製造するマイクロ界面強化反応システムにおいて、前記乾燥箱は、ポリエチレンを収集するためのホッパに接続され、前記ホッパは前記収集箱に接続されている。
【0011】
さらに、上記した溶液法によりポリエチレンを製造するマイクロ界面強化反応システムにおいて、前記フラッシュタンクの頂部に気相出口が設けられ、気相出口から出た材料は予備洗浄塔に導入されて洗浄され、不純物を除去される。
【0012】
さらに、上記した溶液法によりポリエチレンを製造するマイクロ界面強化反応システムにおいて、前記予備洗浄塔の底部には、ポリエチレン粉末を分離するためのバッグフィルタが接続されたポリエチレン粉末出口が設けられている。
【0013】
さらに、上記した溶液法によりポリエチレンを製造するマイクロ界面強化反応システムにおいて、前記混合物出口は、濾過されたポリエチレン粉末を前記水蒸気分解タンクに導入するために、前記水蒸気分解タンクに接続される。
【0014】
さらに、上記した溶液法によりポリエチレンを製造するマイクロ界面強化反応システムにおいて、前記乾燥箱と前記循環管内に不活性ガスが充填されている。
【0015】
溶液法によりポリエチレンを製造するマイクロ界面強化反応方法であって、
エチレンをマイクロバブルに分散破砕した後、触媒の作用により予備重合反応を行ってプレポリマーを得るステップと、
前記プレポリマーを、マイクロバブルに分散破砕したエチレン及び水素と重合反応させて、生成物を得るステップと、
生成物に対して、フラッシュ、洗浄による不純物除去、溶剤と不純物除去、水蒸気分解、水切り、乾燥を行うステップと、を含むことを特徴とする。
【0016】
さらに、上記溶液法によりポリエチレンを製造するマイクロ界面強化反応システムにおいて、前記重合反応の温度は130~145℃、圧力は2~2.5MPaである。
【0017】
当業者は、本発明で使用されるマイクロインターフェースジェネレータが、出願番号CN201610641119などの発明者の先行特許に具体化されていることを理解することができる。CN205833127UおよびCN207581700Uの特許。以前の特許CN201610641119.6では、マイクロバブルジェネレータ(つまり、マイクロインターフェースジェネレータ)の特定の製品構造と動作原理が詳細に紹介されました。キャビティがあり、本体には空洞、空洞の反対側の第1および第2の端は開いており、空洞の断面積は空洞の中央から空洞の第1および第2の端までです.2番目の端は縮小されています;二次破砕片は、空洞の第1端部と第2端部の少なくとも一方に配置され、二次破砕片の一部は空洞内に配置され、二次破砕片と空洞の両端は開いている環状チャネルマイクロバブル発生器の貫通孔の間に形成されます。マイクロバブル発生器には、空気入口パイプと液体入口パイプも含まれます。」出願書類に開示された特定の構造から、その特定の動作原理は次のとおりであることがわかります。 :液体は液体入口パイプを通って接線方向にミクロンに入ります。気泡発生器では、ガスの超高速回転と切断により、気泡がマイクロレベルでマイクロバブルに分裂し、それによって液相と気相、およびこの特許のマイクロバブル発生器は、空気圧マイクロインターフェース生成装置に属します。
【0018】
さらに、以前の特許201610641251.7は、一次バブルブレーカが循環液入口、循環ガス入口、および気液混合物出口を有し、二次バブルブレーカが供給ポートを気液混合物出口と連絡していることを記録している。バブルブレーカは、気体と液体の両方と混合する必要があります。また、次の図から、一次バブルブレーカは主に循環流体を動力として使用していることがわかります。実際、一次バブルブレーカは油圧に属します。マイクロインターフェースジェネレータであり、二次気泡ブレーカーは気液ブレーカーです。混合物は同時に楕円形の回転ボールに供給されて回転するため、回転中に気泡が破壊されるため、二次気泡ブレーカーは実際には気体です。液体リンケージタイプのマイクロインターフェースジェネレータ。実際、油圧式マイクロインターフェース発生器であろうと気液結合型マイクロインターフェース発生器であろうと、いずれも特定の形態のマイクロインターフェース発生器に属するが、本発明で使用するマイクロインターフェース発生器は、上記の形態に限定されないが、前の特許に記載されたバブルブレーカの特定の構造は、本発明のマイクロインターフェースジェネレータがとることができる形態の1つにすぎない。
【0019】
さらに、以前の特許201710766435.0は、「バブルブレーカの原理は、ガス衝突を達成するために高速ジェットを達成することである」と記録しており、マイクロインターフェース強化原子炉で使用して、バブルブレーカおよびマイクロインターフェースジェネレータ。また、先行特許CN106187660には、バブルブレーカの特定の構造に関する関連記録もあります。具体的には、仕様の段落[0031]~[0041]、および関連する添付の図面を参照してください。バブルブレーカへS-2バブルブレーカの具体的な動作原理を詳しく説明します。バブルブレーカの上部は液相入口、側面は気相入口です。エントレインメントパワーは液相によって提供されます。上から入ってくるので、添付の図にも見られる超微細な気泡に砕ける効果が得られます。気泡ブレーカーは円錐構造で、上部の直径がそれよりも大きくなっています。液相がより良いエントレインメントパワーを提供できるように、下部。
【0020】
マイクロインターフェースジェネレータは、前回の特許出願の初期段階で開発されたばかりであるため、マイクロバブルジェネレータ(CN201610641119.6)、バブルブレーカ(201710766435.0)などと名付けられ、後にマイクロに変更されました。本発明のマイクロインターフェースジェネレータは、従来のマイクロバブルジェネレータ、バブルブレーカ等と同等であるが、名称が異なる。
【0021】
要約すると、本発明のマイクロインターフェースジェネレータは先行技術に属するが、いくつかのバブルブレーカは空気圧バブルブレーカのタイプに属し、いくつかは油圧バブルブレーカのタイプに属し、いくつかはガスのタイプに属する。バブルブレーカ液体連結バブルブレーカの種類ですが、種類の違いは主に特定の作業条件に応じて選択されます。また、マイクロインターフェースジェネレータとリアクターおよびその他の機器との接続(接続構造を含む)接続位置は、マイクロインターフェースジェネレータに依存します。インターフェースジェネレーターの構造に依存しますが、これに限定されません。
【発明の効果】
【0022】
従来技術と比較して、本発明の有益な効果は以下のとおりであり、本発明の溶液法によりポリエチレンを製造するマイクロ界面強化反応システムにおいて、予備重合反応器にはマイクロ界面発生器が設けられるとともに、重合反応器にマイクロ界面発生ユニットが設けられることにより、気相と液相の材料間の物質移動面積を増大させ、反応効率を高め、エネルギー消費量を減少させる一方、気相と液相をより均一に混合し、得られたポリエチレンの均一度を向上させ、製品の品質を高める。
【0023】
好ましい実施形態の以下の詳細な説明を読むと、他の様々な利点および利点が当業者に明らかになるであろう。 図面は、好ましい実施形態を説明することのみを目的としており、本発明を限定すると見なされるべきではない。 また、同じ構成要素は、図面全体を通して同じ参照番号で示されている。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の実施例によって提供される溶液法によりポリエチレンを製造する反応システムの構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本開示の例示的な実施形態は、添付の図面を参照して以下でより詳細に説明される。 本開示の例示的な実施形態が図面に示されているが、本開示は様々な形態で具体化することができ、本明細書に記載の実施形態によって限定されるべきではないことを理解されたい。 むしろ、これらの実施形態は、本開示がより完全に理解され、本開示の範囲を当業者に完全に伝えるように提供される。 本発明の実施形態および実施形態の特徴は、衝突がないという条件下で互いに組み合わせることができることに留意されたい。 本発明は、添付の図面を参照して、実施形態と併せて、以下で詳細に説明される。
【0026】
本発明の説明において、「中央」、「上」、「下」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「内側」、「外側」という用語に留意されたい。示された配向または位置関係は、添付の図面に示される配向または位置関係に基づく。これは、示された装置または要素を示すまたは暗示するのではなく、本発明を説明し、説明を簡略化するための便宜のためだけである。特定の方向または特定の方向を持たなければならない。構造および操作であり、したがって、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。 さらに、「第1」、「第2」、および「第3」という用語は、説明のみを目的として使用されており、相対的な重要性を示したり暗示したりするものと解釈されるべきではありません。
【0027】
本発明の説明において、「設置された」、「接続された」および「接続された」という用語は、他に明示的に指定および限定されない限り、広い意味で理解されるべきであり、例えば、それは固定接続であり得ることに留意されたい。または取り外し可能な接続接続、または一体型接続、機械的接続、電気的接続、直接接続、中間媒体を介した間接接続、2つの要素間の内部通信が可能です。 当業者にとって、本発明における上記の用語の特定の意味は、特定の状況において理解することができる。
【0028】
図1に示すように、本発明の一実施例にかかる溶液法によりポリエチレンを製造する反応システムは、予備重合反応器10及び重合反応器20と、材料中の残留水分を除去するためのポリエチレン循環乾燥装置とを含み、前記予備重合反応器10の内部には材料を小液滴に破砕分散するための予備重合用マイクロ界面発生器101が設けられ、エチレン輸送配管が前記予備重合反応器10の壁面を貫通して前記予備重合用マイクロ界面発生器101に接続され、前記エチレンを前記予備重合用マイクロ界面発生器の内部に導入し、前記重合反応器20には、材料を小液滴に分散破砕するためのマイクロ界面発生ユニットが設けられている。
【0029】
なお、前記マイクロ界面発生ユニットは、第1のマイクロ界面発生器201と第2のマイクロ界面発生器202を含み、前記第1のマイクロ界面発生器201は前記重合反応器20の外部に設けられ、前記第2のマイクロ界面発生器202は前記重合反応器20の内部に設けられ、前記第1のマイクロ界面発生器201には前記予備重合反応器10で反応することによって得られるプレポリマーが導入される。
【0030】
具体的には、前記予備重合反応器10の底部にはプレポリマー出口1010が設けられ、前記重合反応器20の側壁には供給口2010が設けられ、前記第1のマイクロ界面発生器201は、一端が前記供給口2010に接続され、他端が前記プレポリマー出口1010に接続されている。前記第2のマイクロ界面発生器202には、重合反応器20の液面以上のガスを回収するための気相配管と、第2のマイクロ界面発生器202に動力を供給するための液相循環配管とが接続され、前記液相循環配管は、一端が前記重合反応器20の側壁に接続され、他端が前記第2のマイクロ界面発生器202に接続されている。
【0031】
本実施例では、前記予備重合反応器10の側壁には混合溶剤入口1020が設けられ、前記混合溶剤入口1020には、材料、触媒及び溶剤を予備混合するための予備混合タンク30が接続されている。予備混合することにより、反応材料、触媒及び溶剤を均一に混合し、触媒の反応中心を活性化することができる。前記予備混合タンク30の内部には、自動撹拌機構が設けられており、さらに撹拌することにより、混合物をより均一に混合することができる。
【0032】
さらに、前記重合反応器20の底部には、重合反応生成物出口2020が設けられており、前記重合反応生成物出口2020は、重合反応の生成物をフラッシュするためのフラッシュタンク40に接続され、重合反応生成物出口2020とフラッシュタンク40を接続する管路には、減圧弁401とヒータ402が順次設けられ、フラッシュを行うに先立って加熱することにより、フラッシュの効率を向上させることができる。減圧弁401としては、ダイヤフラム減圧弁が好ましく使用される。他の減圧弁と比較して、ダイヤフラム減圧弁のダイヤフラムは圧力により敏感であり、±1%の精度が実現され得る。
【0033】
具体的には、フラッシュタンク40の頂部には、ポリエチレン粉末を気相材料から可能な限り分離するための動力分離器403が設けられている。フラッシュタンク40の頂部で処理されたガスは、再利用されるので、粉末の巻き込みを極力少なくし、又はなくする必要があり、このため、フラッシュタンク40の頂部出口に動力分離装置403を設けることにより、粉末の大部分をフラッシュタンク40内に残し、フラッシュタンク40の分離効率を向上させることができる。
【0034】
さらに、前記フラッシュタンク40の底部には、ポリエチレン生成物を排出するためのフラッシュタンク底部出口4020がさらに設けられ、フラッシュタンク40の頂部には気相出口4010が設けられ、気相出口4010から出た材料は予備洗浄塔50に導入されて洗浄され、不純物を除去される。具体的には、予備洗浄塔50の頂部には気相エチレン出口5010が設けられ、前記気相エチレン出口5010には第2の凝縮器501、第2の凝縮液貯蔵タンク502が順次接続され、前記第2の凝縮液貯蔵タンク502は、前記エチレンの再利用のために前記予備混合タンク30に接続される。予備洗浄塔50の塔頂から出た気相エチレンは、第2の凝縮器501を経て冷却された後、第2の凝縮液貯蔵タンク502に入り、第2の凝縮器貯蔵タンク502の底部の一側には、抜き出しラインが設けられており、気相エチレンには反応に参加しない不活性成分であるエタンが一定量含まれており、繰り返し回収していくとエタンの量が増えていくので、持続的に除去する必要があり、残ったエチレンは冷却されて再び予備混合タンク30内に戻されて再利用され、このように、資源を節約する。前記第2の凝縮器貯蔵タンク502の底部には適量抜き出し口5040が設けられ、前記予備洗浄塔50の側壁にはポリエチレン溶液出口5030が設けられ、前記予備洗浄塔50の底部には、ポリエチレン粉末を分離するためのバッグフィルタ60が接続されたポリエチレン粉末出口5020が設けられている。
【0035】
具体的には、前記バッグフィルタ60の底部には、混合物出口6010が設けられ、頂部には第2の蒸気出口6020が設けられ、前記第2の蒸気出口6020は低圧エチレン洗浄塔80の底部に接続されて気相エチレンを回収し、前記低圧エチレン洗浄塔80の頂部には第3の蒸気出口8010が設けられ、前記第3の蒸気出口8010には、回収された気相エチレン中の不純物を除去するためのエントレインメント分離器801が接続されている。前記エントレインメント分離器801の頂部から出たエチレンガスは、再び予備重合用マイクロ界面生成器101に戻されて再利用される。
【0036】
本実施例では、脱溶剤塔70をさらに含み、前記脱溶剤塔70は、ポリエチレン生成物から溶剤及び不純物を除去するものであり、前記脱溶剤塔70の中間部にはポリエチレン入口7010が設けられ、前記ポリエチレン入口7010は、前記フラッシュタンク底部出口4020及びポリエチレン溶液出口5030の両方に接続され、前記フラッシュタンク底部出口4020とポリエチレン溶液出口5030は連通しており、これにより、2つの管路における材料が合流した後、溶剤及び不純物を除去するために脱溶剤塔70に入ることが可能になり、前記脱溶剤塔70の内部には、高温窒素ガスをマイクロバブルに分散破砕するための窒素ガスマイクロ界面発生器701が設けられ、前記脱溶剤塔70の側壁には吸気口7020が設けられており、前記吸気口7020は、前記窒素ガスマイクロ界面発生器701の内部に高温窒素ガスを送り込むために、配管を介して前記窒素ガスマイクロ界面発生器701の内部に接続されている。
【0037】
さらに、前記脱溶剤塔70の頂部には、第1の凝縮器702と第1の凝縮液貯蔵タンク703とが順に接続された低沸点溶剤出口7040が設けられ、前記第1の凝縮液貯蔵タンク703の底部には還流液出口が設けられ、前記還流液出口は、塔頂還流用として前記脱溶剤塔70の頂部に接続されている。前記第1の凝縮液貯蔵タンク703の底部には凝縮液出口7050がさらに設けられており、前記凝縮液出口7050は凝縮後の溶剤の再利用のために前記予備混合タンク30の底部に接続されている。前記第1の凝縮液貯蔵タンク703の頂部には、窒素ガスを回収するための窒素ガス出口がさらに設けられている。前記脱溶剤塔の底部には、少量の高沸点溶剤や触媒を排出するための残渣排出口が設けられている。
【0038】
本実施例では、前記脱溶剤塔70の側壁には、脱水や不純物除去を行われたポリエチレン生成物を排出するための生成物排出口7030が設けられ、前記生成物出口7030及び混合物出口6010は、いずれもポリマー中の触媒を分離するために水蒸気分解タンク90に接続されており、具体的には、水蒸気分解タンク90の頂部には第1の蒸気出口9010がさらに設けられており、前記第1の蒸気出口9010から出たガスは、蒸気中に混入した少量のポリエチレン粉末を回収するためにポリエチレン洗浄塔100内に入る。
【0039】
さらに、前記水蒸気分解タンク90の側壁には、材料出口9020が設けられ、前記材料出口9020には、水分を予備的に除去するためのドレイナが接続され、前記ドレイナ110はポリエチレン洗浄塔100の塔底にも接続され、これにより、ポリエチレン洗浄塔100の塔底から洗浄されたポリエチレン粉末と材料出口9020から出たポリエチレン粉末とが合流した後、ドレイナ110に入り予備的に水分を除去され、前記ドレイナ110は、材料中の残留水分を除去するためのポリエチレン循環乾燥装置に接続されている。
【0040】
具体的には、前記ポリエチレン循環乾燥装置は、乾燥箱120と、エアポンプ130と、電熱ヒータ140と、入口及び出口がそれぞれ前記乾燥箱120の頂部に接続された循環管190とを含み、前記循環管190には、前記循環管190の入口方向に沿って、エアポンプ130、電熱ヒータ140がこの順に設けられ、前記ドレイナ110は前記乾燥箱120に接続され、前記循環管190には、管路における循環気流の流速を安定化させるバッファタンク160がさらに設けられ、前記バッファタンク160は前記循環管190の出口付近に設けられ、前記循環管190には排気分岐管150が接続され、前記排気分岐管150の一側に圧力逃し管151が設けられ、前記圧力逃し管151に圧力逃し弁152が設けられる。
【0041】
上記実施例では、ポリエチレンを回収するために前記乾燥箱の底部に接続されたホッパ170をさらに含み、前記ホッパ170の底部には、ホッパの底部から出たポリエチレンが収集箱180に回収されるように、収集箱180が接続されている。
【0042】
以下に、本発明の溶液法によりポリエチレンを製造する反応システムの動作過程と原理を簡単に説明する。
【0043】
まず、原料、触媒及び溶剤を予備混合タンク30で予備混合した後、予備重合反応器10に導入しながら、予備重合用マイクロ界面生成器101内にエチレンガスを導入して小液滴に分散破砕し、分散破砕したエチレンと予備混合物とを十分に乳化した後、予備重合反応を行って予備重合体を得、プレポリマーを第1のマイクロ界面発生器201に導入し、同時に導入されたエチレン、水素と十分に乳化した後、重合反応器20内に導入して重合反応させ、上記記重合反応器20内で発生する重合反応の温度を130~145℃、圧力を2~2.5MPaとし、次に、重合生成物はフラッシュタンク40に入ってフラッシュされ、フラッシュタンク40の頂部の気相は予備洗浄塔50に入り、洗浄されて不純物を除去され、予備洗浄塔50の塔頂から出た気相エチレンは、凝縮された後、再び予備混合タンク30に戻されて再利用され、予備洗浄塔50の側壁から抜き出されたポリエチレン溶液とフラッシュタンク40の底部から出た粘稠液は、合流した後脱溶剤塔70に入り、溶剤や不純物を除去され、予備洗浄塔50の塔底のポリエチレン粉末は、バッグフィルタ60に入って濾過され、ポリエチレン粉末が得られ、同時に脱溶剤塔70の側壁から抜き出されたポリエチレンと前記ポリエチレン粉末は合流した後水蒸気分解タンク90に入って水蒸気分解され、水蒸気分解後の生成物はポリエチレン洗浄塔100に入って洗浄され、その後、ドレイナ110に入って予備的に水分を除去され、その後、ポリエチレン循環乾燥装置を接続して材料中の残留水分を除去し、水分が除去されたポリエチレン生成物は、ホッパ170に入った後、収集箱180に入る。
【0044】
したがって、本発明の溶液法によりポリエチレンを製造するマイクロ界面強化反応システムでは、予備重合反応器にマイクロ界面発生器が設けられるとともに、重合反応器にマイクロ界面発生ユニットが設けられることにより、気相と液相の材料間の物質移動面積を増大させ、反応効率を高め、エネルギー消費量を減少させる一方、気相と液相をより均一に混合し、得られたポリエチレンの均一度を向上させ、製品の品質を高める。
【0045】
以上は、図面に示された好適な実施形態をもって本発明の技術的解決手段について説明したが、本発明の保護範囲がこれらの具体的な実施形態に限定されないことは明らかであることが当業者には容易に理解される。当業者は、本発明の原理から逸脱することなく、関連する技術的特徴に対して均等な変更又は置換を行うことができ、これらの変更又は置換による技術的解決手段は全て本発明の保護範囲に入るものとする。
【0046】
上記の説明は、本発明の好ましい実施形態にすぎず、本発明を限定することを意図するものではない;当業者にとって、本発明は、様々な修正および変更を有することができる。 本発明の精神および原則の範囲内で行われた修正、同等の交換、改善などは、本発明の保護範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0047】
10-予備重合反応器
101-予備重合用マイクロ界面発生器
1010-プレポリマー出口
1020-混合溶剤入口
20-重合反応器
201-第1のマイクロ界面発生器
202-第2のマイクロ界面発生器
2010-供給口
2020-重合反応生成物出口
30-予備混合タンク
40-フラッシュタンク
401-減圧弁
402-ヒータ
403-動力分離器
4010-気相出口
4020-フラッシュタンク底部出口
50-予備洗浄塔
501-第2の凝縮器
502-第2の凝縮器貯蔵タンク
5010-気相エチレン出口
5020-ポリエチレン粉末出口
5030-ポリエチレン溶液出口
5040-適量抜き出し口
60-バッグフィルタ
6010-混合物出口
6020-第2の蒸気出口
70-脱溶剤塔
701-窒素マイクロ界面発生器
702-第1の凝縮器
703-第1の凝縮液タンク
7010-ポリエチレン入口
7020-吸気口
7030-生成物出口
7040-低沸点溶剤出口
7050-凝縮液出口
80-低圧エチレン洗浄塔
801-エントレインメント分離器
8010-第3の蒸気出口
90-水蒸気分解タンク
9010-第1の蒸気出口
9020-材料出口
100-ポリエチレン洗浄塔
110-ドレイナ
120-乾燥箱
130-エアポンプ
140-電熱ヒータ
150-排気分岐管
151-圧力逃し管
152-圧力逃し弁
160-バッファタンク
170-ホッパ
180-収集箱
190-循環管