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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】止水パネルの取付け装置
(51)【国際特許分類】
   E06B 5/00 20060101AFI20221129BHJP
   E04H 9/14 20060101ALI20221129BHJP
【FI】
E06B5/00 Z
E04H9/14 Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018220224
(22)【出願日】2018-11-26
(65)【公開番号】P2020084566
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-08-02
(73)【特許権者】
【識別番号】594117995
【氏名又は名称】三基工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100083068
【弁理士】
【氏名又は名称】竹中 一宣
(74)【代理人】
【識別番号】100165489
【弁理士】
【氏名又は名称】榊原 靖
(72)【発明者】
【氏名】神谷 泰規
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】特許第6505305(JP,B1)
【文献】特開2016-186208(JP,A)
【文献】特開2012-087465(JP,A)
【文献】特開2017-031759(JP,A)
【文献】登録実用新案第3212276(JP,U)
【文献】特開平04-309684(JP,A)
【文献】特開2003-120070(JP,A)
【文献】特開2016-079641(JP,A)
【文献】特開2006-214178(JP,A)
【文献】特開2010-144499(JP,A)
【文献】特開2016-191280(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 7/20
E04H 9/14
E05C 19/02-19/04
E05C 19/10-19/14
E06B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物、構造物、構築物の何れかの出入口、又は水路、通路の何れかの開口部に立設された対の方立て(6)と、この方立て(6)間に支持される止水パネル(1)の取付け装置であって、
前記止水パネル(1)面(2a)は、前記方立て(6)の面(6a)に対峙する対峙面であって、前記面(2a)には、係止体(3)、及び係止爪(4)・(5)を備え、
前記方立て(6)の前記面(6a)は、前記止水パネル(1)の前記面(2a)に対峙する対峙面であって、前記面(6a)には被係止体(7)及び係止孔(8)・(9)を備え、
前記止水パネル(1)の前記係止体(3)は、前記被係止体(7)に押圧支持し、前記止水パネル(1)の前記係止爪(4)・(5)は、前記係止孔(8)・(9)に差込み支持
構成において、
前記係止体(3)の先端に設けた係止突起(3a)は、前記被係止体(7)に押圧支持し、かつ前記係止爪(4)・(5)の爪片(4a)・(5a)は、前記係止孔(8)・(9)の係止部(8a)・(9a)を乗り越えるとともに、前記止水パネル(1)が、前記方立て(6)に係止されることを特徴とした止水パネルの取付け装置。
【請求項2】
前記止水パネル(1)の、上段に設けた前記係止体(3)の先端と、中段と下段にそれぞれ設けた前記係止爪(4)・(5)の前記爪片(4a)・(5a)を、前記止水パネル(1)の前記面(2a)より突出する構成とした請求項1に記載の止水パネルの取付け装置。
【請求項3】
前記係止爪(4)・(5)には、ブラケット(11)・(12)を設け、前記ブラケット(11)・(12)を、前記止水パネル(1)に取付ける構成とした請求項1に記載の止水パネルの取付け装置。
【請求項4】
前記ブラケット(11)・(12)は、少なくとも、二枚構造であって、その一枚は、前記係止爪(4)・(5)の前側に、その他の一枚は、前記係止爪(4)・(5)の後側とする構成とした請求項3に記載の止水パネルの取付け装置。
【請求項5】
前記止水パネル(1)は、前後板の二枚の止水パネル材であって、前記二枚の止水パネル材を前記ブラケット(11)・(12)に取付ける構成とした請求項4に記載の止水パネルの取付け装置。
【請求項6】
前記止水パネル(1)の下面には、スポンジゴム、又は弾性体の何れかでなる水密ゴム(15)を付設する構成とし、前記止水パネル(1)を前記方立て(6)に差し込む際に前記水密ゴム(15)を圧縮し、差込み後に、前記水密ゴム(15)が復帰し、前記係止体(3)と、前記被係止体(7)の係止維持を可能とする請求項1に記載の止水パネルの取付け装置。
【請求項7】
前記方立て(6)には、カバー(10)を設け、前記カバー(10)で、前記被係止体(7)、及び前記係止孔(8)・(9)を塞ぐ構成とした請求項1に記載の止水パネルの取付け装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物、構造物、構築物の何れかの出入口、又は水路、トンネルの何れかの開口部に立設される止水パネル(止水扉)の取付け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この止水パネルは、人の往来、物の取扱い等における出入口、又は水、海水の流れ、物流の流れ等の開口部に取付けられる。この取付け方法として、方立てに設けた溝に、差込み支持する差込み式(落込み式)と、方立てに、水圧方向より圧接する取付け式がある。
【0003】
(1) 差込み式としては、例えば、特開2016-191236号公報に記載の発明では、方立てに、上方より落とし込む構造であり、かつ落込みと同時にラッチ機構が働くことを特徴とする。従って、止水パネルを、上方に高く(方立ての上の高さ)に持ち上げる所作が必要となり、厄介である。緊急時に困ることが考えられる。
【0004】
(2) 取付け式としては、例えば、特開2006-214178号公報に記載の発明がある。この発明は、パッキンとフックを備えた止水パネルを、方立ての一面(水圧方向対峙の面)に当接することと、フックを、方立てのピンに係止する構造が記載されている。しかし、フックをピンに係止する所作が必要となり、取付け時に、余分の手間が掛かる。従って、緊急時に、余分の手間が掛かることは問題であり、改良の余地がある。また、特開2005-68964号公報に記載の発明がある。この発明は、方立て(枠)間の開口部に、止水板を、止水側(水圧側)から取付ける構造であり、長い止水板押圧具を差込み螺着する構造である。従って、止水板を押付けながら締め込む所作を必要とし、厄介である。
【0005】
【文献】特開2016-191236号公報
【文献】特開2006-214178号公報
【文献】特開2005-68964号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述した文献(1)~(3)においては、従前の止水パネルより改良されており、取付けの方法が進歩している。しかしながら、前述した如く、緊急時等において、止水パネルが必要な際に、止水パネルを持ち上げる所作、及び/又は、ロック操作等が必要となり、厄介であること、又は余分の手間がかかる恐れがあること、等の課題の改良が要望される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記止水パネルを、方立ての一面よりストレートに差込み支持することで、持ち上げる所作を無くすこと、又はこの差込み操作で、原則として、その他の所作をすることなく、取付作業が完了する取付け装置を提案する。
【0008】
その好ましい、一例が、請求項1-7である。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明では、 建物、構造物、構築物の何れかの出入口、又は水路、通路の何れかの開口部に立設された対の方立て(6)と、この方立て(6)間に支持される止水パネル(1)の取付け装置であって、
前記止水パネル(1)面(2a)は、前記方立て(6)の面(6a)に対峙する対峙面であって、前記面(2a)には、係止体(3)、及び係止爪(4)・(5)を備え、
前記方立て(6)の前記面(6a)は、前記止水パネル(1)の前記面(2a)に対峙する対峙面であって、前記面(6a)には被係止体(7)及び係止孔(8)・(9)を備え、
前記止水パネル(1)の前記係止体(3)は、前記被係止体(7)に押圧支持し、前記止水パネル(1)の前記係止爪(4)・(5)は、前記係止孔(8)・(9)に差込み支持
構成において、
係止体(3)の先端に設けた係止突起(3a)は、被係止体(7)に押圧支持し、かつ係止爪(4)・(5)の爪片(4a)・(5a)は、係止孔(8)・(9)の係止部(8a)・(9a)を乗り越えるとともに、前記止水パネル(1)が、前記方立て(6)に係止されることを特徴とした止水パネルの取付け装置を提案する。
【0010】
これにより、請求項1では、止水パネルを、方立ての一面よりストレートに差込み支持することで、持ち上げる所作を無くすこと、又はこの差込み操作で、原則として、その他の所作をすることなく、取付け作業が完了する取付け装置を提案する。
【0011】
請求項2の発明では、止水パネル(1)の、上段に設けた係止体(3)の先端と、中段と下段にそれぞれ設けた係止爪(4)・(5)の爪片(4a)・(5a)を、止水パネル(1)面(2a)より突出する構成とした止水パネルの取付け装置を提案する。
【0012】
これにより、請求項2では、請求項1の特徴を達成できる。また、この特徴を達成できる止水パネルの構造を提供できる。
【0013】
請求項3の発明では、係止爪(4)・(5)には、ブラケット(11)・(12)を設け、ブラケット(11)・(12)を、止水パネル(1)に取付ける構成とした止水パネルの取付け装置を提案する。
【0014】
これにより、請求項3では、請求項1の特徴を達成できる。また、この特徴を達成できる係止爪の構造を提供できる。
【0015】
請求項4の発明では、ブラケット(11)・(12)は、少なくとも、二枚構造であって、その一枚は、係止爪(4)・(5)の前側に、その他の一枚は、係止爪(4)・(5)の後側とする構成とした止水パネルの取付け装置を提案する。
【0016】
これにより、請求項4では、請求項1の特徴を達成できる。また、この特徴を達成できるブラケット、及び係止爪の構造を提供できる。
【0017】
請求項5の発明では、止水パネル(1)は、前後板の二枚の止水パネル材であって、前記二枚の止水パネル材をブラケット(11)・(12)に取付ける構成とした止水パネルの取付け装置を提案する。
【0018】
これにより、請求項5では、請求項1の特徴を達成できる。また、この特徴を達成できる止水パネル材、及びブラケットの構造を提供できる。
【0019】
請求項6の発明では、止水パネル(1)の下面には、スポンジゴム、又は弾性体の何れかでなる水密ゴム(15)を付設する構成とし、止水パネル(1)を方立て(6)に差し込む際に水密ゴム(15)を圧縮し、差込み後に、水密ゴム(15)が復帰し、係止体(3)と、被係止体(7)の係止維持を可能とする止水パネルの取付け装置を提案する。
【0020】
これにより、請求項6では、請求項1の特徴を達成できる。また、止水パネル材の差込み時に最適な止水パネルの取付け装置を提供できる。
【0021】
請求項7の発明では、方立て(6)には、カバー(10)を設け、カバー(10)で、被係止体(7)、及び係止孔(8)・(9)を塞ぐ構成とした止水パネルの取付け装置を提案する。
【0022】
これにより、請求項7では、請求項1の特徴を達成できる。また、最適な、方立ての構造を備えた止水パネル材の取付け機構を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施例を示した要部の俯瞰図
図2図1の分解斜視図
図3-1】方立てをカバーで閉塞(隠蔽)した状態を示した俯瞰図
図3-2】図3-1において、カバーを開放した状態を示した俯瞰図
図4-1】金物に溶接固定した一例の方立てと、一例の止水パネルとの関係を示した模式図で、(イ)は平面図、(ロ)は要部の断面図
図4-2】壁面に埋込み固定した方立てと、一例の止水パネルとの関係を示した模式図で、(イ)は平面図、(ロ)は要部の断面図
図4-3】壁面に止め具で固定した方立てと、一例の止水パネルとの関係を示した模式図で、(イ)は平面図、(ロ)は要部の断面図
図5-1】止水パネルと方立てとの関係を示した一部欠截の縮尺平面図
図5-2】図5-1の正面図
図5-3】図5-2のA-A断面図で、(イ)はカバーの開放時、(ロ)は一部欠截のカバーの閉塞時
図5-4】図5-2のB-B断面図で、カバーの開放時
図5-5】図5-2のC-C断面図で、カバーの開放時
図5-6】図5-2のD-D断面図で、(イ)は方立てが、カバーで閉塞されている準備状態、(ロ)はカバーを開放し、方立てに止水パネルを取付けた状態と、その要部の拡大図
図5-7】図5-2のE-E断面図で、(イ)は止水パネルを方立てに取付ける前の状態、(ロ)は止水パネルを取付けた状態
図6-1】被係止体(突起)の一例を示した模式図
図6-2】係止体の一例と、被係止体(突起)との関係を示した模式図
図7】方立ての係止孔と、止水パネルに設けた係止爪との関係を示した模式図
図8】止水パネルの他の係止体と、方立ての他の被係止体との関係を示した俯瞰図
図9】止水パネルの別の係止体と、方立ての別の被係止体との関係を示した俯瞰図
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の好ましい、一実施例を説明する。
【0025】
図面において、図1図2等において、図中1は止水パネル(止水扉)で、例えば、炭素繊維強化プラスチックとか、発泡アルミ、コア等の軽量素材で構成する。この止水パネル1の長手方向Xの両面は2、2a(以下、対の構造は、一方の符号のみを記す)であって、その端部1a、1bには、その一方の面2a(方立て6に対峙する面2a)より突出する、係止突起3a(ラッチ)を備えた係止体3と、一つ、又は複数個の係止爪4、5を備える。また、原則として、上から順に、係止突起3a、係止爪4、5となっているが、一例である。また、出入口と、開口部に、対で設けられているのが、方立て6、6(以下、対の構造は、一方の符号のみを記す)であり、この方立て6の対峙面(止水パネル1に対峙する面6a)には、少なくとも、係止体3と係止爪4、5を差込み支持する(差込み支持、又は、係止受けとなる)、被係止体7(ロックラッチ)、又は係止孔8、9の何れかの係止体受けを有する。
【0026】
止水パネル1は、図1を始めとして、略全図に関して示されている。そこで、好ましい、各実施例を説明する。但し、説明と図例は、一例であり限定されない(以下、各部品等は同じ)。例えば、炭素繊維強化プラスチックとか、発泡アルミ、コア等の軽量素材で、必要により、枠板を設けて補強する。この止水パネル1の長手方向Xにおける端部1aには、係止体3と、係止爪4、5が、取付けられている。この一例では、係止体3は、止水板1の面2a側に取付けられており、また、係止爪4、5、その前側と後側に配備したブラケット11、12を利用し、止水パネル1の面2aの内面1cに、また、止水パネル1の面2に、それぞれ固定する。例えば、止水パネル1の上端に係止体3が、中段、及び/又は、下段に係止爪4、5がそれぞれ設けられており、前述の如く、係止体3の先端の係止突起3aと、係止爪4、5の爪片4a、5aが、止水パネル1の面2aより突出する。この突出した係止体3の先端の係止突起3aは、方立て6の被係止体7に押圧支持され、また、爪片4a、5aは、係止孔8、9に差込み、かつ壁面、或いは図示しないが棒材等に載架・係止等される。このように、止水パネル1に係止体3、又は係止爪4、5を、それぞれ取付ける構造は、低コスト化、作業・組立て等の合理化、又は材料節約等に有益である。
【0027】
また、方立て6に関し、図4-1(イ)、(ロ)~図4-3(イ)、(ロ)に示した、好ましい一例を説明する。図4-1は、既設金物に溶接固定した方立て6、図4-2は、壁面に埋込み固定した方立て6、図4-3は、後面アンカーに固定した方立て6を示しており、本発明の止水パネルの取付け装置はこれら全ての形態に対応可能であり、次のような利点がある。
【0028】
即ち、:既設金物(既設の敷金物)がある場合、それをそのまま流用することが可能である。:方立て6は、四角柱の形状で、突起(被係止体7)は設けるが、陥没可能であり、何ら邪魔とならない。又はカバー10を採用し、被嵌する構成とすれば、外観がすっきりする。:緊急時にしか使用しないものなので、使用時以外は人の動線を初めとし、視覚的にも邪魔にならない。:設置は壁面に埋込み固定(壁への埋設)と壁へのアンカー止めの前出しと、どちらにも対応できる。そして、この前出しでも、突出は、例えば、4cm~10cm程度と少ない(望ましくは、6cm~8cm)。さらに、前出し設置であれば、土木工事をほぼなしで施工ができる(勿論、敷金物は止水性をどれだけ高く見るか客先の判断による)。:止水パネル1は段積みが可能であり、かつ段済みしても、前述の方立て6に関する利点は図れる。
【0029】
続いて、係止体3と、被係止体7は、擬似的なロックラッチ機構であり、図1図9の例では、止水パネル1に設けた突起でなる係止体3と、方立て6に設けた固定か、又は出没自在(図示しない)の突起でなる被係止体7の構造であり、止水パネル1の水密ゴム15を圧縮し、方立て6の被係止体7の下に、係止体3の係止突起3aを押し込む。この押し込みを解除することで、水密ゴム15が復帰し、被係止体7の下に、止水パネル1の係止体3の係止突起3aが止付けられる構造である。このように止付けられれば、後は、水圧で、止水パネル1は方立て6に押圧される構造である。尚、その他として、図8に示した他の例であり、止水パネル1に設けた鍵形の可動式の係止体3と、方立て6に設けた突起、突条、棒材等の何れかでなる被係止体7とか、図9に示した別の例であり、止水パネル1に設けた係止体3と、方立て6に設けた挟持機構の被係止体7とか、の例でも同様に採用できる。
【0030】
図8図9の例では、係止体3と被係止体7の他の取付け手段(ロックラッチ機構)である。
【0031】
この図8の例は、止水パネル1に係止体3(ラッチ機構)を、方立て6に被係止体7(挟持孔付の可動ロックカム:ロックラッチ)を、それぞれ設ける構造である。この一例では、方立て6に空胴でなる被係止体7を設ける。挟持開放可能な被係止体7は、方立て6の対峙面(止水パネル1の面2aに対峙する面6a)に設けられ、係止体3の操作具13を受ける手段である。従って、被係止体7の空胴に、操作具13を差込み支持する。尚、その他の機能と、使用の仕方は、図1図7の例に準ずる。
【0032】
また図9の例は、止水パネル1に係止体3(ラッチ機構)を、方立て6に被係止体7を、それぞれ設ける構造である。この一例は、止水パネル1に差込み係止突起3aを設ける。挟持開放可能な被係止体7は、方立て6の対峙面に設けられ、係止体3を受ける手段となる。尚、その他の機能と、使用の仕方は、図1図7の例に準ずる。
【0033】
また、係止爪4、5(原則として、共通するので、係止爪4を主体として説明する)は、図5-4、図5-5に一例が図解されている。即ち、係止爪4は、爪片4aを備えており、補強体(図示しない)を一側面、及び/又は、両側面に設けてもよい。そして、この係止爪4の面に(止水パネル側の面)には、対のブラケット11・11、12・12(以下、11、11とする)が間隔を置いて、面と直交する方向に設けられる。この対のブラケット11、11は、止水パネル1の面2aの内面1cと、面2に取付ける。このように、ブラケット11、11のうち一方を、内面1cに取付けることで、方立て6に止水パネル1の中間部及び下部が密着して取付け可能となる。尚、ブラケット12・12は、板状の本体を直角に折曲げ形成し、ブラケット12・12は溶接等で直角に支持する。
【0034】
前記水密ゴム15は、例えば、方立て6、及び/又は、止水パネル1の間とか、止水パネル1の下面2c等に設けるが一例であり、その他として、例えば、止水パネル1の他の箇所、又は建物、通路等の床面、その他の箇所に設けることも有り得る。
【0035】
方立て6には、カバー10が設けられており、このカバー10は、方立て6に設けた、被係止体7、及び係止孔8、9を、カバーする。図示しないが、止水パネル1にもカバーを設けることも有り得る。このカバー10は、方立て6との空間Hを保護するため、例えば、端部に折曲げ板部10a~10c等を備える。そして、この空間Hを確保することで、例えば、方立て6の面6aより突出する装備品、例えば、被係止体7(衝止突起、衝止ロック部、その他のロック、又はロックラッチ等)を覆うことを可能とする。尚、カバー10は、図示しないが、被係止体7、及び/又は、係止孔8、9の一部をカバーする例も有り得る。
【0036】
続いて、止水パネル1を方立て6、6(一方の符号のみを記す)に支持する(取付ける)には、止水パネル1を、原則として、一人で持ち、例え、水圧方向から(前から)、例えば、方立て6の被係止体7に向かって(この図例では、被係止体7に衝止するようにし)、かつ長孔形態の係止孔8、9の上側を狙って差し入れる(係止爪4、5の爪片4a、5aが、少なくとも、係止部8a、9aを乗り越えることが望ましい)。そのために、僅かであるが、持ち上げる(方立て6より、少し上げる)。係止爪4、5が壁面(孔壁)を乗り越えた後に、止水パネル1を下げる(下側にする)。これにより、係止体3の下側に被係止体7を差入れられ、かつ係止爪4、5の爪片4a、5aが係止部8a、9aに係止(ロック)され、しかも、爪片4a、5aが孔壁に載架される。この止水パネル1の設置が完了し、かつ水密ゴム15の働きで、方立て6と地面の止水が確保され、かつ方立て6と止水パネル1との水密も確保される。例えば、一人の操作の時には、方立て6の一方側を取付けた後に、他方側を取付ける操作が簡易で、かつ的確に操作できる。
【0037】
この方法であれは、ハンドル、フック等によるロック操作とか、前述の高い位置までの持ち上げ操作等の厄介で、かつ時間を要する所作がなくなり、有益であることと、利便性が図れる。また、一人での設置が可能である。さらには、ロック操作等に必要とする所作と機材の必要がない。例えば、戸当り金物において、ハンドルの受けが付いたパネルに、ハンドルが付いたタイプでは、パネルへのハンドルの取付けと、設置可能なタイプでは、収納スペース(保管場所)が必要となる。しかし、本発明では、ハンドルの飛び出しもなく、省スペースで設置できることと、ハンドル付きパネルに対して、ハンドル、その他の部品もなく軽量化と、低コスト化が図れる。例え、ハンドルを無くすことで、一枚の止水パネルにおいて、ハンドルを最低で4個を取付けた場合に比し、少なくとも、2~3kgの軽量化が図れる。
【0038】
尚、止水パネル1を取外す場合には、止水パネル1を押下げ、水密ゴム15を圧縮し、被係止体7による係止体3の衝止を解除し、併せて、止水パネル1を、少し持ち上げ、係止爪4、5と、係止孔8、9の壁面との係止関係を解除する。この操作で、両方の係止関係が解除される。そこで、止水パネル1を手前(水圧方向)に引き寄せて取外す。例えば、一人の操作の時においても、方立て6の一方側を取外すことで、他方側を取外す作業も簡易で、かつ的確に操作できる。また、例えば、ワンタッチで取外し作業が終了する。
【0039】
前述した各実施例等は、本発明の好ましい一例の説明である。各実施例とか図面に限定されない。従って、発明の趣旨の範囲において構成の一部を変更する構造とか、同じ特徴と効果を達成できる構造、等は、本発明の範疇である。
【符号の説明】
【0041】
1 止水パネル
1a 端部
1b 端部
1c 内面
2 面
2a 面
2b 上面
2c 下面
3 係止体
3a 係止突起
4 係止爪
4a 爪片
5 係止爪
5a 係止爪
6 方立て
6a 面
7 被係止体
8 係止孔
8a 係止部
9 係止孔
9a 係止部
10 カバー
10a~10c 折曲げ板部
11 ブラケット
12 ブラケット
13 操作具
15 水密ゴム
H 空間
図1
図2
図3-1】
図3-2】
図4-1】
図4-2】
図4-3】
図5-1】
図5-2】
図5-3】
図5-4】
図5-5】
図5-6】
図5-7】
図6-1】
図6-2】
図7
図8
図9