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特許7184334弁制御装置、駆動制御装置及び流体制御装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】弁制御装置、駆動制御装置及び流体制御装置
(51)【国際特許分類】
   F16K 31/02 20060101AFI20221129BHJP
【FI】
F16K31/02 A
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2018234852
(22)【出願日】2018-12-14
(65)【公開番号】P2020094675
(43)【公開日】2020-06-18
【審査請求日】2021-09-15
(73)【特許権者】
【識別番号】502254796
【氏名又は名称】有限会社メカノトランスフォーマ
(74)【代理人】
【識別番号】110003476
【氏名又は名称】弁理士法人瑛彩知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】徐 世傑
(72)【発明者】
【氏名】矢野 健
(72)【発明者】
【氏名】矢野 昭雄
【審査官】北村 一
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-053789(JP,A)
【文献】特開2001-012632(JP,A)
【文献】特開平03-092525(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 31/00-31/05
H02N 2/00- 2/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸を中心として回転可能に設けられ、流体が流れる流路内に少なくとも一部が位置される弁体に一端側が直接的又は間接的に接続されて、回転によって、前記弁体と当該弁体によって閉鎖される弁座との相対的な位置又は前記弁体と前記弁座間の接触力を可変させる棒状の回転子と、
前記回転子を挟持し、相対移動により、前記回転子の回転を可能とする一対の接触子と、
前記一対の接触子に相対移動を生じさせる、圧電素子を含む移動部と、
前記圧電素子に、立ち上がりの傾斜と立下りの傾斜が異なる電圧波形を印加して、前記電圧波形の前記立ち上がりの傾斜及び前記立下りの傾斜のうち、緩やかなほうにより、前記一対の接触子によって前記回転子を回転させ、急峻なほうにより前記回転子と前記一対の接触子との間のすべりを生じさせて、前記回転子を任意の方向に回転させることで前記弁体と前記弁座との相対的な位置又は前記弁体と前記弁座間の接触力の少なくともいずれかを制御する駆動制御部と、
を具備し、
前記回転子の第1の位置から第2の位置までの回転量の値と、当該回転量となるために前記一対の接触子を駆動させる回数の値と、前記流体に関する物理値と、が対応付けられた情報から得られるこれらの値の内のいずれかの値に対応させて前記回転子を回転させる
ことを特徴とする弁制御装置。
【請求項2】
前記圧電素子に電力を供給する直流電源をさらに具備し、
前記駆動制御部が、前記直流電源及び前記圧電素子間の電流の流れを制御して、前記圧電素子の端子間に印加される電圧の前記電圧波形を鋸波状又は台形状の少なくともいずれかに制御することを特徴とする請求項1記載の弁制御装置。
【請求項3】
流体用通路に連通する第1連結部と第2連結部とを有し、かつ、前記第1連結部と前記第2連結部を連通する通路を有す本体を具備し、
前記回転子の一端側は、前記本体内で前記弁体に直接的又は間接的に接続されており、
前記弁体及び前記弁座の前記相対的な位置又は前記弁体と前記弁座間の前記接触力の少なくともいずれかの可変によって前記通路を流れる流体の流量、流速、圧力のうちの少なくとも一つが調整されることを特徴とする請求項1又は2に記載の弁制御装置。
【請求項4】
前記弁体及び前記弁座は、前記本体内部に配置された開閉可能なニードル弁機構であることを特徴とする請求項に記載の弁制御装置。
【請求項5】
前記通路は、前記弁座によって第1の通路と第2の通路に区分され、
前記弁座は、前記流体が通って前記第1の通路から前記第2の通路に流れるための孔部を備え、
前記弁体は、前記回転子の一端側と直接的又は間接的に接続される第1の端部と、当該第1の端部とは逆側であり前記孔部を閉鎖可能な第2の端部とを備え、
前記駆動制御部が、前記回転子を任意の方向に回転させることによって、前記弁体が前記孔部を閉鎖する又は閉鎖を解除する方向に移動して前記弁体と前記弁座との相対的な位置又は弁体と弁座間の接触力の少なくともいずれかが可変され、前記流体の圧力、流量及び流速の少なくとも一つが調整されること
を特徴とする請求項3、又は請求項3を引用する請求項4に記載の弁制御装置。
【請求項6】
前記通路は、前記弁座によって第1の通路と第2の通路に区分され、
前記弁座は、前記流体が通って前記第1の通路から前記第2の通路に流れるための孔部を備え、
前記弁体は、前記回転子の一端側に弾性体を介して接続される接続部と、前記孔部を閉鎖可能な閉鎖部とを備え、
前記駆動制御部が、前記回転子を任意の方向に回転させることによって、前記弁体が前記孔部を閉鎖する又は閉鎖を解除する方向に移動して前記弁体と前記弁座との前記接触力が可変され前記流体の圧力が調整されることを特徴とする請求項3、又は請求項3を引用する請求項4に記載の弁制御装置。
【請求項7】
前記駆動制御部は、
流電源に接続され、前記圧電素子に電流をチャージするとともに、ャージ電流を制限するチャージ電流制限回路と、
前記圧電素子から電流をディスチャージするとともに、ィスチャージ電流を制限するディスチャージ電流制限回路と、を有し
前記チャージ電流制限回路には、制御入力として、前記直流電源から前記圧電素子への電流チャージ動作を指令するチャージ動作指令信号と、前記圧電素子に流入する電流の制限値を指定するチャージ電流制限値指令電圧とが入力され、
前記ディスチャージ電流制限回路には、制御入力として、前記圧電素子からの電流ディスチャージ動作を指令するディスチャージ動作指令信号と、前記圧電素子から流出する電流の制限値を指定するディスチャージ電流制限値指令電圧とが入力されることを特徴とする請求項ないし6のいずれかに記載の弁制御装置。
【請求項8】
前記チャージ動作指令信号は、前記圧電素子に印加される電圧値が前記直流電源の電圧までに至るまでの任意の電圧に達した際に停止されることを特徴とする請求項に記載の弁制御装置。
【請求項9】
前記回転子に対し同軸的に固定され、前記回転子に対して慣性モーメントを与える慣性モーメント部材をさらに具備することを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の弁制御装置。
【請求項10】
前記一対の接触子の相対移動の加速度により前記慣性モーメント部材に生じる回転運動の加速度による発生力が、前記回転子と前記一対の接触子との間の静摩擦力以下の場合に、前記回転子は回転運動し、
前記一対の接触子の相対移動の加速度により前記慣性モーメント部材に生じる回転運動の加速度による発生力が、前記回転子と前記一対の接触子との間の静摩擦力より大きい場合に、前記回転子と前記一対の接触子との間にすべりが生じることを特徴とする請求項に記載の弁制御装置。
【請求項11】
回転軸を中心として回転可能に設けられ、流体が流れる流路内に少なくとも一部が位置される弁体に一端側が直接的又は間接的に接続されて、回転によって、前記弁体と当該弁体によって閉鎖される弁座との相対的な位置又は前記弁体と前記弁座間の接触力の少なくともいずれかを可変させる棒状の回転子と、所定の圧力で前記回転子を挟持し、互いの相対移動により、前記回転子の回転を可能とする一対の接触子と、を有し、圧電素子に、立ち上がりの傾斜と立下りの傾斜が異なる電圧波形を印加して、前記電圧波形の前記立ち上がりの傾斜及び前記立下りの傾斜のうち、緩やかなほうにより、前記一対の接触子によって前記回転子を回転させ、急峻なほうにより前記回転子と前記一対の接触子との間のすべりを生じさせる弁制御装置に用いる駆動制御装置であって、
直流電源と、
前記圧電素子に対して電流のチャージ及びディスチャージを行い、チャージ電流及びディスチャージ電流を制限するスイッチング回路と、
を有し、
前記スイッチング回路は、前記圧電素子に対する前記チャージ電流と前記ディスチャージ電流の電流値を異ならせることにより、前記圧電素子に、前記電圧波形を印加し、
前記回転子の第1の位置から第2の位置までの回転量の値と、当該回転量となるために前記一対の接触子を駆動させる回数の値と、前記流体に関する物理値と、が対応付けられた情報から得られるこれらの値の内のいずれかの値に対応させて前記回転子を回転させること
を特徴とする弁制御装置に用いる駆動制御装置。
【請求項12】
前記スイッチング回路は、
前記直流電源に接続され、前記圧電素子に電流をチャージするとともに、前記チャージ電流を制限するチャージ電流制限回路と、
前記圧電素子から電流をディスチャージするとともに、前記ディスチャージ電流を制限するディスチャージ電流制限回路と、
を有し、
前記チャージ電流制限回路には、制御入力として、前記直流電源から前記圧電素子への電流チャージ動作を指令するチャージ動作指令信号と、前記圧電素子に流入する電流の制限値を指定するチャージ電流制限値指令電圧とが入力され、
前記ディスチャージ電流制限回路には、制御入力として、前記圧電素子からの電流ディスチャージ動作を指令するディスチャージ動作指令信号と、前記圧電素子から流出する電流の制限値を指定するディスチャージ電流制限値指令電圧とが入力されることを特徴とする請求項11に記載の弁制御装置に用いる駆動制御装置。
【請求項13】
前記チャージ動作指令信号は、前記圧電素子に印加される電圧値が前記直流電源の電圧までに至るまでの任意の電圧に達した際に停止されることを特徴とする請求項12に記載の弁制御装置に用いる駆動制御装置。
【請求項14】
回転軸を中心として回転可能に設けられ、流体が流れる流路内に少なくとも一部が位置される弁体に一端側が直接的又は間接的に接続されて、回転によって、前記弁体と当該弁体によって閉鎖される弁座との相対的な位置又は前記弁体と前記弁座間の接触力を可変させる棒状の回転子と、前記回転子を挟持し、相対移動により、前記回転子の回転を可能とする一対の接触子と、前記一対の接触子に相対移動を生じさせる、圧電素子を含む移動部とを具備する複数の圧電慣性回転機構と、
個々の圧電慣性回転機構について、前記圧電素子に、立ち上がりの傾斜と立下りの傾斜が異なる電圧波形を印加して、前記電圧波形の前記立ち上がりの傾斜及び前記立下りの傾斜のうち、緩やかなほうにより、前記一対の接触子によって前記回転子を回転させ、急峻なほうにより前記回転子と前記一対の接触子との間のすべりを生じさせて、前記回転子を任意の方向に回転させることで前記弁体と前記弁座との相対的な位置を制御する駆動制御部と、
前記複数の圧電慣性回転機構が取り付けられる本体部と、前記本体部内に配置され、前記駆動制御部によって制御された前記弁体と弁座との相対的な位置又は前記弁体と前記弁座間の接触力の少なくともいずれかの可変によって移動が制御されるピストン部とを備えるエアシリンダと、
を具備し、
前記回転子の第1の位置から第2の位置までの回転量の値と、当該回転量となるために前記一対の接触子を駆動させる回数の値と、前記流体に関する物理値と、が対応付けられた情報から得られるこれらの値の内のいずれかの値に対応させて前記回転子を回転させることを特徴とする流体制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流路に流れる流体の調整に使用される弁を制御する弁制御装置、駆動制御装置及び流体制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、流路を流れる流体の流量や流速や圧力を調整する調整機器(例えば、スピードコントローラやレギュレータ)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような調整機器は、弁を備えており作業員が弁の開度を調整することによって流体の流量や流速や圧力が調整される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-043196号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
作業員が、調整作業の最後に弁の位置が固定されるように固定ナットで締め付けを行う際にバックラッシュ(バックラッシともいう。所謂、ガタ)によって固定ナットが締め付け位置からわずかにずれてしまい、これに対応して弁が調整された位置からずれてしまうことがあった。この結果、弁の調整精度が低下することがあった。
【0006】
本発明は、上記課題の解決のためになされたものであり、弁の調整に好適な弁制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決すべく、本発明の実施形態に係る弁制御装置は、例えば特許請求の範囲に記載の構成を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、弁の調整に好適な弁制御装置、駆動制御装置及び流体制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態に係る弁制御装置の構成図である。
図2】弁調整機構の構成を概略的に示す図である。
図3A】制御部の構成を示す構成図である。
図3B】換算テーブルTBを示す概念図である。
図3C】制御装置の機能を示す機能ブロック図である。
図4】制御部の回転子駆動部の構成を示す構成図である。
図5A】回転子を時計回りに正回転させるときの制御を説明するための図である。
図5B】時計回りに正回転する回転子の様子を示す概略図である。
図5C】回転子を反時計回りに逆回転させるときの制御を説明するための図である。
図6】第2実施形態に係る流体制御装置1aを示す一部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1実施形態)
【0011】
以下、図面を参照して本発明の第1実施形態を説明する。図1は、第1実施形態に係る弁制御装置1の構成図である。より具体的には、図1(a)は、流体調整装置30(一例として、スピードコントローラ(流量調整弁))を制御する弁制御装置1の構成図であり、図1(b)は、流体調整装置30(一例として、レギュレータ(減圧弁))を制御する弁制御装置1の構成図である。図2は、弁調整機構10の構成を概略的に示しており、弁調整機構10を上方から平面視するとともに、制御装置20を模式的に示している。
【0012】
図1図2において、それぞれ互いに直交するx、y及びzの座標軸が図示されている。これらの座標軸によって、例えば図2を基準として方向がわかるようになっている。図2に模式的に示すように、弁調整機構10(圧電慣性回転機構ともいう)を上方から平面視した場合、一対の接触子である接触子101及び接触子102の長手方向をx軸の方向(幅方向ともいう)、前後方向をy軸の方向(奥行方向ともいう)、高さ方向をz軸の方向(垂直方向ともいう)としている。また、図中の「○」の中に「×」が記載されたもの(例えば図1のy軸)は図面の表から裏に向かう矢印を意味し、図中の「○」の中に小さな「●」が記載されたもの(例えば図2のz軸)は、図面の裏から表に向かう矢印を意味する。
【0013】
以下で説明する「流路」とは、流体用通路ともいい、流体(気体又は液体であり、圧力流体ともいう)が流れる経路のことをいう。そして、以下で説明する流体調整装置30(スピードコントローラ30aやレギュレータ30b)は、流路の所定の箇所に配置されるものであり、スピードコントローラ30a又はレギュレータ30bが備える第1ポート301a又は第1ポート301b、第2ポート302a又は第2ポート302b、通路303a又は通路303bは、流路に連通して流路の一部として機能する。
【0014】
また、以下で説明する「弁部310aの開閉」や「弁部310bの開閉」とは、弁体311aや弁体311bが意図した通り制御されることを示し、より具体的には、「弁部310aが備える弁体311aと当該弁体311aによって閉鎖される弁座312aとの相対的な位置が可変されること」、又は、「弁体311bと弁座312b間の接触力が可変されること」を指す。なお「弁部310aの開閉」には、「弁体311a(又は弁体311b)と弁座312a(又は弁座312b)との相対的な位置が可変された結果として、弁体311a(又は弁体311b)と弁座312a(又は弁座312b)間の接触力が可変されること」も含まれる。
【0015】
また、以下の説明では回転子104が正回転または逆回転してz軸方向に進退するが、ここでは「正回転」は、図2に示すように弁調整機構10を上方から平面視したときの時計回りであり、弁部310a(又は弁部310b)を閉める方向の回転を指す。「逆回転」は、図2に示すように弁調整機構10を上方から平面視したときの反時計回りであり、弁部310a(又は弁部310b)を開ける方向の回転を指す。
【0016】
また、以下で説明する「直接的に接続」とは、例えば、弁体311aと弁調整機構10が備える回転子104とが一体的に形成されたり、弁体311aと回転子104とが直に触れるように連結されたりしている状態を指す。
【0017】
「間接的に接続」とは、例えば、空間的に離間した状態の弁体311bと回転子104とが所定の部材を介して互いに接続されている状態を指す。
【0018】
図1に示すように、弁制御装置1は、弁調整機構10及び制御装置20(駆動制御装置)を少なくとも具備する。弁制御装置1は、制御装置20に駆動が制御された弁調整機構10が、流体調整装置30内の弁を開閉する装置であり、この結果流体の流量、流速又は圧力のうちの少なくとも一つが調整される。
【0019】
なおこの第1実施形態では、流体調整装置30は、制御装置1による制御対象であり弁制御装置1には含まれていないが、流体調整装置30を弁制御装置1に含めてもよい。
【0020】
流体調整装置30は、スピードコントローラ30aやレギュレータ30bに限定されず、流体の流量、流速又は圧力のうちの少なくとも一つを調整可能であれば、例えばスロットルバルブなど様々な装置が該当する。
【0021】
(スピードコントローラ30a)
図1(a)に示すようにスピードコントローラ30aは、本体300a及び弁部310aを少なくとも備える。なお、スピードコントローラ30aには、様々な構成及び形状のバリエーションが知られており、スピードコントローラ30aの構成及び形状は、図1に示す構成及び形状に限定されない。
【0022】
本体300aには、第1ポート301a、第2ポート302a及びこれらと連通する通路303aが形成されている。
【0023】
弁部310aは、弁体311a及び弁座312aを備える。弁部310aは、例えばニードル弁である。弁部310aは、弁座312aを境にして通路303aを第1の通路304aと第2の通路305aに区分する。通路303aの所定の箇所には、不必要な部位に流体が流入することを防止するためのOリング306が設けられる。
【0024】
弁体311aは、ニードル状に形成されており、一端側は、弁調整機構10が備える回転子104の一端側と直接的に接続され、この一端側とは逆側の端部は弁座312aを閉鎖する。
【0025】
なお、図1に示すスピードコントローラ30aでは、弁体311aは、回転子104の一端側と直接的に接続されているが、間接的に接続されていてもよい。
【0026】
以上のように構成されたスピードコントローラ30aでは、弁調整機構10の回転子104が回転してz軸方向(軸L方向)に移動することによって、弁体311aもz軸方向に移動して、弁座312aの孔部313aを閉鎖又は閉鎖を解除する(すなわち、弁部310aが開閉される)。なお、回転子104の回転については後述する。
【0027】
弁部310aが開閉されることで第1の通路304aから第2の通路305aに向かって流体が流れる。このとき、弁部310aの開度によって流体の流量が調整される。なお、反対に第2の通路305aから第1の通路304aに向かって流体が流れるようにしてもよい。
【0028】
(レギュレータ30b)
図1(b)に示すようにレギュレータ30bは、本体300b、弁部310b、調整スプリング320、ダイヤフラム330、スプリング受け皿340、接続ロッド350及び小スプリング360を少なくとも備える。なお、レギュレータ30bには、様々な構成及び形状のバリエーションが知られており、レギュレータ30bの構成及び形状は、図1に示す構成及び形状に限定されない。
【0029】
本体300bは、第1ポート301b、第2ポート302b及びこれらと連通する通路303bを備える。
【0030】
弁部310bは、弁体311b、弁座312bを備える。弁部310bは、弁座312bを境にして通路303bを第1の通路304bと第2の通路305bに区分する。
【0031】
弁体311bは、調整スプリング320、ダイヤフラム330、スプリング受け皿340、接続ロッド350などを介して、間接的に回転子104に接続されている。弁体311bは、小スプリング360によって常時弁座312bの孔部313bを閉鎖する方向に押圧されている。弁体311bは、略円錐形状に形成された先端部370を有する略円柱状の部材であり、その頂部371(接続部)には接続ロッド350が接続され、傾斜面372が孔部313b(閉鎖部)を閉鎖する。
【0032】
以上のように構成されたレギュレータ30bでは、弁調整機構10の回転子104が回転してz軸方向に移動することによって、ダイヤフラム330が、調整スプリング320やスプリング受け皿340を介して押圧されたり、この押圧が解除されたりする。この際、弁部310bが開閉されて弁体311bと弁座312bとの接触力が可変され、流体の圧力が調整される。なお、スピードコントローラ30aと同様に流体は第1の通路304bから第2の通路305bに向かって流れるが、反対に第2の通路305bから第1の通路304bに向かって流れるようにしてもよい。
【0033】
(弁調整機構10)
図2及び図3に示すように、弁調整機構10は、一対の接触子である接触子101及び接触子102、圧電素子103(移動部)、回転子104、慣性モーメント部材105を少なくとも備える。
【0034】
弁調整機構10は、流体調整装置30に収容される。ただし、図示しない弁調整機構10専用のハウジングを用意し、このハウジング内に弁調整機構10を配置して流体調整装置30に取り付けるように構成(すなわち、外付けの構成に)してもよい。
【0035】
接触子101は、略L字状をなし、その短辺部101aが圧電素子103の第1の接触端103aに取り付けられている。また、接触子102は、略L字状をなし、その短辺部102aが圧電素子103の第1の接触端103aとは反対側の第2の接触端103bに取り付けられている。接触子101及び接触子102は、例えば、ステンレス鋼で構成されている。
【0036】
回転子104は、円板状(又は円柱状)をなし、軸Lを中心として回転可能となっており、その周面が接触子101の長辺部101b及び接触子102の長辺部102bに挟持されている。回転子104と接触子101及び接触子102との間には、所要の静摩擦力をもたせるような圧力が印加されている。回転子104は、例えば、ステンレス鋼で構成されている。
【0037】
なお、安定な静摩擦力を得るため、回転子104に雄ねじを切り、接触子101及び接触子102には対応する溝を切ることも可能である。
【0038】
圧電素子103としては、板状の圧電体が電極を挟んで複数積層されて構成された積層タイプのものを用いることができる。圧電体を構成する圧電材料としては、圧電効果を有するセラミック材料が用いられ、例えばチタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O;PZT)を用いることができる。圧電素子103の形状は、直方体、三角柱、六角柱、円柱などの種々の形状とすることができる。
【0039】
慣性モーメント部材105は、回転子104に対し同軸的に固定して設けられ、回転子104よりも大径をなし、回転子104に対して慣性モーメントを与える。慣性モーメント部材105は、例えば、黄銅、ステンレス鋼等で構成されている。
【0040】
以上のように構成された弁調整機構10は、圧電素子103の駆動によって接触子101及び接触子102が互いに相対的に移動(以下、接触子101及び接触子102の駆動ともいう)して、結果的に回転子104が正回転又は逆回転し、回転方向に対応してz軸方向に移動(進退)する。なお、このことは後で詳述する。
【0041】
(制御装置20)
次に図3A図4を用いて制御装置20について説明する。図3Aは、制御装置20の構成を示す構成図である。図3Bは、換算テーブルTBの構成を示す構成図である。図3Cは、制御装置20の制御部240の機能を示す機能ブロック図である。図4は、制御装置20の回転子駆動部250の構成を示す構成図である。
【0042】
図3Aに示すように、制御装置20は、電源部210、I/O部220、メモリ装置230、制御部240及び回転子駆動部250(ドライバともいう)を備えている。なお制御装置20の配置位置は特に限定されず、弁調整機構10と同様に流体調整装置30に収容されてもよいし、流体調整装置30には収容されずに空間的に離間された位置に配置されてもよい。
【0043】
また、制御装置20が備える一部の構成は流体調整装置30に収容され、その他の一部の構成は流体調整装置30には収容されずに空間的に離間された位置に配置されるように構成してもよい。例えば、I/O部220や回転子駆動部250は、流体調整装置30に収容され、電源部210、メモリ装置230、制御部240は流体調整装置30には収容されずに空間的に離間された位置に配置されないように構成してもよい。
【0044】
このように、制御装置20の全体、又は少なくとも一部が、流体調整装置30に収容されない構成を有する弁制御装置1を弁制御システム1ともいう。弁制御システム1では、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)などの電子機器を制御装置20として用いることができる。
【0045】
ここでは図示を省略した例えばキーボードなどの入力装置からの入力(例えば、弁部310a(又は弁部310b)の開閉を指示する操作)を制御装置20が受け付けるように構成することもでき、このような入力に基づいて流体調整装置30を制御するようにしてもよい。また、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの表示装置を接続するためのポートを制御装置20が備えてもよい。
【0046】
電源部210は、直流電源(DC電源)としての機能を少なくとも有し、各部に電力を供給する。電源部210は、図示しない種々の電気回路及び/又は電子回路を有しており、電流や電圧を制御することができる。より具体的には、電源部210は、例えば、トランス、オシレータ、スイッチングレギュレータ、インバータ又はコンバータなどのうち少なくとも一つの機能を備えることができる。
【0047】
I/O部220は、制御装置20の各部(例えば、回転子駆動部250)と圧電素子103を電気的に接続するためのインターフェースであり、圧電素子103の駆動制御(すなわち回転子104の回転制御)は、I/O部220を介して行われる。
【0048】
またI/O部220は、制御装置20が外部の装置と通信を行うためのインターフェースとしての機能も備えることもできる。通信は有線でも無線でもどちらでもよい。
【0049】
I/O部220によって様々な信号を外部の装置と送受信可能になる。この信号には、弁部310a(又は弁部310b)の開閉を指示する信号や、流体調整装置30内を流れる流体の流量、流速、圧力のうちの少なくとも一つを示す情報など、流体調整装置30の弁部310a(又は弁部310b)の開閉に必要な様々な情報を含めることができる。
【0050】
メモリ装置230は、例えば、ROM(read only memory)やRAM(Random Access Memory)である。メモリ装置230には、例えば、回転子駆動部250を制御するためのプログラムや、データ(例えば、この後説明する換算テーブルTB)、様々な設定値(例えば、この後説明する回転子駆動部250に供給する種々の電圧や電流の値や供給タイミングなどを示す情報)が記憶される。
【0051】
制御部240は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-processing Unit)、システムLSI、システムLSIより小規模なICチップ群などである。制御部240がプログラムを実行することで本実施形態で説明する種々の機能が実現される。
【0052】
図3Bに示すようにメモリ装置230には、換算テーブルTBが記憶される。制御装置20が図示しないネットワークを介してサーバやパソコンなどと通信可能に構成される場合には、メモリ装置230に換算テーブルTBを記憶しなくともよい。この場合、換算テーブルTBに格納される種々の数値は、ネットワークを介して適宜送受信される。
【0053】
換算テーブルTBには少なくとも「駆動回数」、「回転量」及び「制御対象量」が対応付けられている。換算テーブルTBには「駆動回数」に対応させて駆動方向(すなわち、回転子104の回転方向)を示す情報を含めてもよい。
【0054】
換算テーブルTBの各値は、様々なものが用いられるが、ここでは一例として「駆動回数」は、接触子101及び接触子102の相対的な移動回数(往復回数)とする。
【0055】
また「回転量」は、上記した「駆動回数」で相対的に移動した接触子101及び接触子102によって回転した回転子104の変位量とする。回転量は、例えば、回転数(回)でもよいし、回転角度(度)でもよいし、回転角度(ラジアン:rad)でもよいし、移動距離(上記した[nm]など)でもよい(図3Bでは一例として「rad」としている。)。また、弁部310a(又は弁部310b)の開度(%)でもよいし、弁体311bと弁座312b間の接触力でもよい。接触力は、[N](ニュートン)など種々の単位で表現できる。
【0056】
開度は、例えば0%~100%(弁部310a(又は弁部310b)が完全に閉まった状態~弁部310a(又は弁部310b)が全開の状態)で表される。開度は駆動回数及び駆動方向から制御装置20が算出してもよい。
【0057】
「制御対象量」は、弁部310a(又は弁部310b)の開閉によって制御される制御対象の所定の物理量(物理値)とする。制御対象量は、例えば流体調整装置30を流れる流体の流量(単位の例としては体積流量[m^3/s])、流速(単位の例としては[m/s])、圧力(単位の例としては[Pa])のうちの少なくとも一つである。
【0058】
ただし、上記の体積流量以外にも例えば、質量流量[kg/s]でもよいし、流量[slm(standard liter (リットル)/min)]や流量[ccm(cc/min)]でもよい(図3Bでは一例として「m^3/s」としている。)。同様に流速や圧力も適宜設定される。
【0059】
換算テーブルTBによって、例えば、流体調整装置30を流れる流体の流量、流速、圧力のうちの少なくとも一つを所定の値にしたい場合に、どの程度の回転量で回転子104を回転させればよいか、そしてそのための駆動回数は何回かを制御装置20が取得又は算出することができる。
【0060】
また、換算テーブルTBによって、例えば、所定の駆動回数及び方向で回転子104を回転させた結果、流体調整装置30を流れる流体の流量、流速、圧力がどの程度の値になるかを制御装置20が取得又は算出することができる。
【0061】
なお、換算テーブルTBを駆動回数と制御対象量とを対応させたテーブルとしてもよい。
【0062】
図3Cに示すように、制御部240は、少なくとも信号受信部241、値算出部242及び回転子駆動部用制御部243として機能する。
【0063】
信号受信部241は、I/O部220を介して種々の信号を受信する。例えば、信号受信部241は、上記した弁部310a(又は弁部310b)の開閉を指示する信号や、目標とする調整量を外部から受信する。
【0064】
値算出部242は、信号受信部241が受信した種々の信号に対応させて、弁部310a(又は弁部310b)の制御に必要な様々な値を換算テーブルTBから取得又は算出する。より具体的には、値算出部242は、換算テーブルTBを参照して、各値(例えば、駆動回数や回転量や制御対象量の値)を取得する。また値算出部242は、上記したように必要に応じて開度を算出することもできる。
【0065】
値算出部242は、例えば、開度0%の状態を基準として、接触子101及び接触子102の駆動回数に対応させて駆動回数の積算を含む種々の演算を行い、接触子101及び接触子102の駆動後の弁部310a(又は弁部310b)の開度を算出する。このとき、値算出部242は、駆動方向を加味して積算値を適宜増減させる。結果として0~100%までの所定の開度が算出される。
【0066】
なお、値算出部242は、回転量や制御対象量から開度を算出することもできる。また、値算出部242は、例えば所定の開度(仮に第1の開度とする)からこの所定の開度とは異なる開度(仮に第2の開度とする)に変更するための駆動回数や駆動方向を算出することもできる。
【0067】
値算出部242は、開度を演算するのと同様に、換算テーブルTBを参照して駆動回数や回転量や制御対象量の値を必要に応じて算出することもできる。
【0068】
回転子駆動部用制御部243は、値算出部242が取得又は算出した値に対応させて、図3Aに示した回転子駆動部250を制御する。より具体的には、回転子駆動部用制御部243は、値算出部242が取得又は算出した値に対応させて、この後図4を参照して説明するチャージ動作指令信号、チャージ電流制限値指定電圧(チャージ電流制限値指令電圧やチャージ電流最大値指定電圧ともいう)、ディスチャージ動作指令信号及びディスチャージ電流制限値指定電圧(ディスチャージ電流制限値指令電圧やディスチャージ電流最大値指定電圧ともいう)を回転子駆動部250に入力する。これらの信号及び電圧により、回転子駆動部250による圧電素子103の駆動制御が可能となり、結果的に回転子104が回転及びz軸方向に移動し、弁部310a(又は弁部310b)が開閉される。
【0069】
以上を要するに制御部240が換算テーブルTBを参照することによって、圧電素子103が制御されて、回転子104が回転して図1に示したz軸方向に移動する。結果的に弁部310a(又は弁部310b)が開閉される。
【0070】
図4に示すように回転子駆動部250は、チャージ電流制限回路251及びディスチャージ電流制限回路252を備える。
【0071】
チャージ電流制限回路251及びディスチャージ電流制限回路252はスイッチング回路を構成している。チャージ電流制限回路251は、電源部210と圧電素子103とを接続して圧電素子103に電流をチャージし、ディスチャージ電流制限回路252は、圧電素子103から電流をディスチャージする。
【0072】
チャージ電流制限回路251は、制御部240(図3C参照)の回転子駆動部用制御部243から入力されるチャージ動作指令信号(電流チャージ動作を指令する信号)がONの間は、電源部210と圧電素子103との間を接続して圧電素子103に電流をチャージする。
【0073】
その時に圧電素子103に流入するチャージ電流値は、制御部240の回転子駆動部用制御部243から入力されるチャージ電流制限値指定電圧にしたがって制限される。
【0074】
すなわち、チャージ電流制限値指定電圧は、電源部210と圧電素子103との間を接続した時に圧電素子103に流入する電流の制限値(最大値)を指定するもので、流入する電流の最大値に比例して設定される。
【0075】
ディスチャージ電流制限回路252は、制御部240の回転子駆動部用制御部243から入力されるディスチャージ動作指令信号(圧電素子103からの電流ディスチャージ動作を指令する信号)であり、ディスチャージ動作指令信号がONの間は負荷である圧電素子103とアース間を接続し、圧電素子103の電流をディスチャージする。
【0076】
その時に圧電素子103から流出する電流値はディスチャージ電流制限値指定電圧にしたがって制限される。
【0077】
すなわち、ディスチャージ電流制限値指定電圧は、圧電素子103とアース間を接続した時に圧電素子103から流出する電流の制限値(最大値)を指定するもので、流出する電流の最大値に比例して指定される。
【0078】
(動作の説明)
以下、図5A図5Cを参照して、回転子104を回転させるときのチャージ電流制限回路251及びディスチャージ電流制限回路252による圧電素子103の駆動制御について説明する。
【0079】
図5Aは、回転子を時計回りに正回転(上記したように、図2に示すように弁調整機構10を上方から平面視したときの時計回りであり、弁部310a(又は弁部310b)を閉める方向の回転)させるときの制御を説明するための図である。図5Bは、時計回りに正回転する回転子の様子を説明するための概略図である。図5Cは、回転子を反時計回りに逆回転(図2に示すように弁調整機構10を上方から平面視したときの反時計回りであり、弁部310a(又は弁部310b)を開ける方向の回転)させるときの制御を説明するための図である。
【0080】
まず、図5A及び図5Bを参照して回転子104を正回転させる場合について説明する。
【0081】
図5Aに示すように、チャージ電流制限回路251及びディスチャージ電流制限回路252において、チャージ電流制限値指定電圧及びディスチャージ電流制限値指定電圧は、チャージ動作指令信号及びディスチャージ動作指令信号がONになる時点の前で予め印加されている。
【0082】
チャージ電流制限値指定電圧値は比較的低い値に設定され、ディスチャージ電流制限値指令電圧は比較的高い値に設定されている。
【0083】
チャージ動作指令信号がONになると電源部210と負荷である圧電素子103との間は接続されるが、チャージ電流制限値指定電圧値が比較的低いため、圧電素子103に流入する電流値(圧電素子駆動電流波形)は低く、圧電素子103の両端電圧(圧電素子駆動電圧波形)は比較的緩い傾斜で上昇する。
【0084】
つまり、圧電素子103はコンデンサと類似の電気的性質を持っているから、以下に説明するように、コンデンサと同様、電流値が低い場合は電圧傾斜が緩くなるのである。
【0085】
コンデンサに一定電流源から電流を供給すると、コンデンサの両端電圧は時間に比例するような電圧となる。仮にコンデンサの静電容量をC、電流源からの供給電流をIとすれば、コンデンサ両端電圧V及び電圧の時間傾斜は各々(1)式及び(2)式のようになる。
V=I/C・t (1)
dV/dt=I/C (2)
電流値Iが低い場合は(2)式に示すようにdV/dtは低く、電圧傾斜は緩くなる。
【0086】
そして、電圧が電源部210のDC電源電圧に達すると流入する電流は自動的に停止する。圧電素子103はコンデンサの機能を持つので、流入する電流が停止した後も両端電圧は維持される。この際にチャージ動作指令信号はOFFになる。
【0087】
続いて、ディスチャージ動作指令信号がONになると、アースと圧電素子103の間は接続されるが、ディスチャージ電流制限値指定電圧値が高いため、圧電素子103に流入する電流値(圧電素子駆動電流波形)は高く、上述したチャージ時点とは逆に、圧電素子103の両端電圧は急な傾斜で下降する。そして、電圧がアース電位に達すると流出する電流は自動的に停止する。このとき、圧電素子両端電圧はゼロに維持される。この際にディスチャージ動作指令信号はOFFになる。
【0088】
このようにチャージ電流制限回路251及びディスチャージ電流制限回路252による電流のチャージまたはディスチャージによって圧電素子103の両端に略鋸波状の電圧(圧電素子駆動電圧波形)が与えられて、圧電素子103が伸縮し、接触子101と接触子102との間に相対的な移動を生じさせることができる。
【0089】
このとき、接触子101と接触子102の相対的な移動の加速度により慣性モーメント部材105に生じる回転運動の加速度による発生力が、回転子104と接触子101、及び、回転子104と接触子102との間の静摩擦力以下の場合には、回転子104は接触子101及び接触子102の相対的な移動によって回転運動し、静摩擦力より大きい場合には、回転子104と、接触子101及び接触子102との間にはすべりを生じる。
【0090】
より具体的には、圧電素子103に緩やかな電圧変化を与えることによって、接触子102が緩やかに移動し、静摩擦力により回転子104を回転させることができ、また、急峻な電圧変化を与えることによって、接触子102が急激に移動して摩擦力に打ち勝つとともに、慣性モーメント部材105が作用し、回転子104と接触子101及び接触子102との間にすべりが生じて、接触子101と接触子102のみを移動させることができる。したがって、立ち上がりの傾斜と立下りの傾斜とが異なる、いわゆる鋸状波に類似した電圧波形を与えることにより回転子104の回転運動を所定期間継続させることができる。
【0091】
すなわち、図5Aに示したような制御の場合には、チャージ電流によって生じる緩やかな電圧上昇による圧電素子103の伸長(図5Bの矢印Ar1参照)により、短辺部101aとは反対側の長辺部101bの先端側が回転子104に近づく方向(図5Bの矢印Ar2参照)に接触子101全体が後退し、短辺部102aとは反対側の長辺部102bの先端側が回転子104から離れる方向(図5Bの矢印Ar3参照)方向に接触子102全体が進出して、回転子104が時計回り方向(図5Bの矢印Ar4参照)に回転する。次いで、ディスチャージ電流によって生じる急峻な電圧下降による圧電素子103の縮退(元に戻る)により、接触子101及び接触子102との間に滑りが生じ、回転子104が回転した状態のまま、接触子101及び接触子102の位置が元に戻る。これを繰り返すことにより、回転子104の時計回り方向の回転運動が継続する。回転した回転子104は、弁部310a(又は弁部310b)を閉めるようにz軸方向に移動する。
【0092】
次に図5Cを参照して、回転子104を反時計回りに逆回転させる場合について説明する。回転子104を反時計回りに逆回転させる場合にもおいても、チャージ電流制限回路251及びディスチャージ電流制限回路252において、チャージ電流制限値指定電圧及びディスチャージ電流制限値指定電圧は、チャージ動作指令信号及びディスチャージ動作指令信号がONになる時点の前で予め印加されている。
【0093】
チャージ電流制限値指定電圧は比較的高い値に設定され、ディスチャージ電流制限値指定電圧は比較的低い値に設定されている。
【0094】
チャージ動作指令信号がONになると電源部210と圧電素子103との間は接続されるが、チャージ電流最大値指定電圧値が高いため、圧電素子103に流入する電流値(圧電素子駆動電流波形)は高く、圧電素子103の両端電圧は急な傾斜で上昇し、DC電源電圧に達すると流入する電流は自動的に停止する。
【0095】
続いて、ディスチャージ動作指令信号がONになると、アースと圧電素子103の間は接続されるが、ディスチャージ電流制限値指定電圧値が比較的低いため、圧電素子103に流入する電流値(圧電素子駆動電流波形)は低く、圧電素子両端電圧は緩い傾斜で下降し、アース電位達すると流出する電流は自動的に停止する。
【0096】
図5Cに示すような圧電素子駆動波形により、チャージ電流によって慣性モーメント部材105に対して生じる加速度により発生する力は、回転子104と接触子101、及び、回転子104と接触子102間の静摩擦力を超え、一方、ディスチャージ電流によって慣性モーメント部材105に対して生じる加速度により発生する力は回転子104と接触子101、及び、回転子104と接触子102間の静摩擦力を超えないように構成される。
【0097】
すなわち、図5Cの場合には、チャージ電流によって生じる急峻な電圧上昇による圧電素子103の伸長により、回転子104と接触子101及び接触子102との間に滑りが生じる。次いで、ディスチャージ電流によって生じる緩やかな電圧下降による圧電素子103の縮退(もとに戻る)により、接触子101及び接触子102が元に戻るように移動して、回転子104が反時計回り方向に回転する(すなわち、回転子104は、図5Bに示した状態とは逆方向に回転する)。これを繰り返すことにより、回転子104の反時計回り方向の回転運動が継続する。回転した回転子104は、弁部310a(又は弁部310b)を開けるようにz軸方向に移動する。
【0098】
以上のように、チャージ電流制限回路251及びディスチャージ電流制限回路252による圧電素子103へのチャージ電流又はディスチャージ電流によって、圧電素子103の圧電素子駆動電圧波形は、立ち上がりと立ち下がりで傾斜の異なる鋸波形状となるが、立ち上がりの傾斜と立ち下がりの傾斜角度が異なるのであれば、圧電素子駆動電圧波形は、所謂三角波に近似するような波形状や台形状の波形状でもよい
【0099】
また、回転子駆動部用制御部243は、弁部310a(又は弁部310b)に無理な力がかかるような方向へ回転子104が回転しないように回転子駆動部250を制御することができる。
【0100】
「弁部310a(又は弁部310b)に無理な力がかかるような方向」とは、例えば、開度が0%を超えてさらに弁部310a(又は弁部310b)を閉めるような方向である。同様に開度が100%を超えてさらに弁部310a(又は弁部310b)を開けるような方向である。
【0101】
以上説明した様に、第1実施形態に係る弁制御装置1は、回転軸(軸L)を中心として回転可能に設けられ、流体が流れる流路内に少なくとも一部が位置される弁体(弁体311a又は弁体311b)に一端側が直接的又は間接的に接続されて、回転によって、前記弁体と当該弁体によって閉鎖される弁座(弁座312a又は弁座312b)との相対的な位置又は前記弁体と前記弁座間の接触力を可変させる棒状の回転子(回転子104)と、前記回転子を挟持し、相対移動により、前記回転子の回転を可能とする一対の接触子(接触子101及び接触子102)と、前記一対の接触子に相対移動を生じさせる、圧電素子(圧電素子103)を含む移動部と、前記圧電素子に、立ち上がりの傾斜と立下りの傾斜が異なる電圧波形を印加して、前記電圧波形の前記立ち上がりの傾斜及び前記立下りの傾斜のうち、緩やかなほうにより、前記一対の接触子によって前記回転子を回転させ、急峻なほうにより前記回転子と前記一対の接触子との間のすべりを生じさせて、前記回転子を任意の方向に回転させることで前記弁体と前記弁座との相対的な位置を制御する駆動制御部(回転子駆動部250)と、を具備することを特徴とする。
【0102】
弁制御装置1では、回転子104は、圧電素子103が駆動されない状態のときは、位置が固定されるため、弁体311a(又は弁体311b)の調整作業の最後に弁体311a(又は弁体311b)の位置が固定されるようなロック機構(例えば、固定ナット)を備えなくてもよくなる。この結果、例えば、ニードル弁の軸心方向への調整後に固定ナットのバックラッシュにより調整がずれてしまうようなことが防止される。
【0103】
固定ナットを備える場合、例えば、大型機械が稼働している工場では振動によって固定ナットが緩み、調整位置がずれてしまう場合があるが、弁制御装置1は、固定ナットを備えなくてもよいので、このような場所に使用されるのに好適である。
【0104】
また、回転子104は、ナノメートル(nm)、マイクロメートル(μm)、ミリメートル(mm)など小さい単位で回転するので、作業員の手作業による調整よりも精密な調整が可能である。また、作業員の手作業による調整よりも調整の再現性が極めて高く、複数回調整する場合の各回の調整誤差を少なくすることができる。すなわち、安定した調整が可能となる。
【0105】
第1実施形態に係る弁制御装置1の前記駆動制御部(回転子駆動部250)は、
前記回転子の第1の位置から第2の位置までの回転量の値と、当該回転量となるために前記一対の接触子を駆動させる回数(駆動回数)の値と、前記流体に関する物理値(制御対象量)とが対応付けられたテーブル(換算テーブルTB)から得られるこれらの値の内のいずれかの値に対応させて前記回転子(回転子104)を回転させることを特徴とする。
【0106】
例えば、DCモータやエンコーダを用いて回転子104の回転位置を検出するような構成も考えられるが、これらを用いる場合構造が複雑化したり、装置が巨大化したりする恐れがある。
【0107】
弁制御装置1では、換算テーブルTBから得られる値によって、圧電素子103を駆動させて回転子104を回転させるので構造を単純化させやすくなる。また、DCモータやエンコーダの替わりにステッピングモータを用いて回転子104を回転させる構成も考えられるが、ステッピングモータを用いる場合も装置が巨大化する恐れがある。これに比べて、圧電素子103を利用した回転子104の回転機構は、装置の小型化に好適である。
【0108】
第1実施形態に係る弁制御装置1は、前記圧電素子(圧電素子103)に電力を供給する直流電源(電源部210)をさらに具備し、前記駆動制御部(回転子駆動部250)が、前記直流電源及び前記圧電素子間の電流の流れを制御して、前記圧電素子の端子間に印加される電圧の前記電圧波形を鋸波状又は台形状に制御することを特徴とする。
【0109】
弁制御装置1では、鋸波状又は台形状の電圧波形によって回転子104を好適に駆動させることができる。
【0110】
第1実施形態に係る弁制御装置1は、流体用通路(流路)に連通する第1連結部(第1ポート301a)と第2連結部(第2ポート302a)とを有し、かつ、前記第1連結部と前記第2連結部を連通する通路(通路303a)を有す本体(本体300a)を具備し、前記回転子(回転子104)の一端側は、前記本体内で前記弁体(弁体311a)に直接的又は間接的に接続されており、前記弁体及び前記弁座(弁座312a)の前記相対的な位置又は前記弁体と前記弁座間の前記接触力の可変によって前記通路を流れる流体の流量、流速、圧力のうちの少なくとも一つの調整されることを特徴とする。
【0111】
弁制御装置1は、流体の流量、流速、圧力のうちの少なくとも一つを好適に調整することができる。
【0112】
第1実施形態に係る弁制御装置1は、弁体(弁体311a)及び前記弁座(弁座312a)は、前記本体(本体300a)内部に配置された開閉可能なニードル弁機構であることを特徴とする。
【0113】
弁制御装置1は、ニードル弁の開閉制御に好適である。
【0114】
第1実施形態に係る弁制御装置1は、前記通路(通路303a)は、前記弁座(弁座312a)によって第1の通路(第1の通路304a)と第2の通路(第2の通路305a)に区分され、前記弁座は、前記流体が通って第1の通路から第2の通路に流れるための孔部(孔部313a)を備え、前記弁体(弁体311a)は、前記回転子(回転子104)の一端側と直接的又は間接的に接続される第1の端部と、当該第1の端部とは逆側であり前記孔部を閉鎖可能な第2の端部とを備え、前記駆動制御部(回転子駆動部250)が、前記回転子を任意の方向に回転させることによって、前記弁体が前記孔部を閉鎖する又は閉鎖を解除する方向に移動して前記弁体と前記弁座との相対的な位置又は弁体と弁座間の接触力が可変され、前記流体の圧力、流量及び流速の少なくとも一つが調整されることを特徴とする。
【0115】
弁制御装置1は、回転子駆動部250が回転子104を任意の方向に回転させることによって、弁体311aと弁座312aとの相対的な位置又は弁体311aと弁座312aの接触力を容易に可変することができる。この結果、上記のように構成された装置における流体の圧力、流量及び流速の少なくとも一つを好適に調整することができる。
【0116】
第1実施形態に係る弁制御装置1は、前記通路(通路303b)は、前記弁座(弁座312b)によって第1の通路(第1の通路304b)と第2の通路(第2の通路305b)に区分され、前記弁座は、前記流体が通って前記第1の通路から前記第2の通路に流れるための孔部(孔部313b)を備え、前記弁体(弁体311b)は、前記回転子(回転子104)の一端側に弾性体(調整スプリング320及び/又はダイヤフラム330)を介して接続される接続部(頂部371)と、前記孔部を閉鎖可能な閉鎖部(傾斜面372)とを備え、前記駆動制御部(回転子駆動部250)が、前記回転子(回転子104)を任意の方向に回転させることによって、前記弁体が前記孔部を閉鎖する又は閉鎖を解除する方向に移動して前記弁体と前記弁座との前記接触力が可変され前記流体の圧力が調整されることを特徴とする。
【0117】
弁制御装置1は、回転子駆動部250が回転子104を任意の方向に回転させることによって、弁体311bが孔部313bを閉鎖する又は閉鎖を解除する方向に移動して弁体311bと弁座312bとの接触力を容易に可変することができる。この結果、上記のように構成された装置における流体の圧力の調整に好適である。
【0118】
第1実施形態に係る弁制御装置1は、前記駆動制御部(回転子駆動部250)は、前記直流電源(電源部210)に接続され、前記圧電素子(圧電素子103)に電流をチャージするとともに、前記チャージ電流を制限するチャージ電流制限回路(チャージ電流制限回路251)と、前記圧電素子から電流をディスチャージするとともに、前記ディスチャージ電流を制限するディスチャージ電流制限回路(ディスチャージ電流制限回路252)と、を有し、前記チャージ電流制限回路には、制御入力として、前記直流電源から前記圧電素子への電流チャージ動作を指令するチャージ動作指令信号と、前記圧電素子に流入する電流の制限値を指定するチャージ電流制限値指令電圧(チャージ電流制限値指定電圧)とが入力され、前記ディスチャージ電流制限回路には、制御入力として、前記圧電素子からの電流ディスチャージ動作を指令するディスチャージ動作指令信号と、前記圧電素子から流出する電流の制限値を指定するディスチャージ電流制限値指令電圧(ディスチャージ電流制限値指定電圧)とが入力されることを特徴とする。
【0119】
また、第1実施形態に係る弁制御装置1は、チャージ動作指令信号(チャージ電流制限値指定電圧)は、前記圧電素子(圧電素子103)に印加される電圧値が前記直流電源(電源部210)の電圧までに至るまでの任意の電圧に達した際に停止されることを特徴とする。
【0120】
弁制御装置1では、回転子駆動部250が上記構成を備えることによって、圧電素子103の両端に略鋸波状又は台形状の電圧(圧電素子駆動電圧波形)を与えることができる。この結果、圧電素子103を伸縮させて、接触子101と接触子102との間に相対的な移動を生じさせて、回転子104を回転させることができる。
【0121】
第1実施形態に係る弁制御装置1は、前記回転子(回転子104)に対し同軸的に固定され、前記回転子に対して慣性モーメントを与える慣性モーメント部材(慣性モーメント部材105)をさらに具備することを特徴とする。
【0122】
慣性モーメント部材105は、回転子104に慣性モーメントを与えることができ、急峻な電圧変化を与えられた圧電素子103の駆動によって、回転子104と接触子101及び接触子102との間にすべりを生じさせるのに好適である。
【0123】
第1実施形態に係る弁制御装置1は、前記一対の接触子(接触子101及び接触子102)の相対移動の加速度により前記慣性モーメント部材(慣性モーメント部材105)に生じる回転運動の加速度による発生力が、前記回転子と前記一対の接触子との間の静摩擦力以下の場合に、前記回転子は回転運動し、前記一対の接触子の相対移動の加速度により前記慣性モーメント部材に生じる回転運動の加速度による発生力が、前記回転子と前記一対の接触子との間の静摩擦力より大きい場合に、前記回転子と前記一対の接触子との間にすべりが生じることを特徴とする。
【0124】
弁制御装置1では、回転子104を回転運動させることと、回転子104と、接触子101及び接触子102との間にすべりが生じさせることとを交互に繰り返すことによって、一方方向(例えば、正転の方向)または逆の一方方向(例えば、逆転の方向)に回転子104を回転させ続けることができる。
【0125】
第1実施形態に係る制御装置20は、回転軸(軸L)を中心として回転可能に設けられ、流体が流れる流路内に少なくとも一部が位置される弁体(弁体311a又は弁体311b)に一端側が直接的又は間接的に接続されて、回転によって、前記弁体と当該弁体によって閉鎖される弁座(弁座312a又は弁座312b)との相対的な位置又は前記弁体と前記弁座間の接触力を可変させる棒状の回転子(回転子104)と、所定の圧力で前記回転子を挟持し、互いの相対移動により、前記回転子の回転を可能とする一対の接触子(接触子101及び接触子102)と、を有し、圧電素子(圧電素子103)に、立ち上がりの傾斜と立下りの傾斜が異なる電圧波形を印加して、前記電圧波形の前記立ち上がりの傾斜及び前記立下りの傾斜のうち、緩やかなほうにより、前記一対の接触子によって前記回転子を回転させ、急峻なほうにより前記回転子と前記一対の接触子との間のすべりを生じさせる弁制御装置に用いる駆動制御装置であって、直流電源(電源部210)と、前記圧電素子に対して電流のチャージ及びディスチャージを行い、チャージ電流及びディスチャージ電流を制限するスイッチング回路(チャージ電流制限回路251及びディスチャージ電流制限回路252)と、を有し、前記スイッチング回路は、前記圧電素子に対する前記チャージ電流と前記ディスチャージ電流の電流値を異ならせることにより、前記圧電素子に、前記電圧波形を印加することを特徴とする。
【0126】
制御装置20は、上記構成を備えることによって、圧電素子103の両端に略鋸波状又は台形状の電圧(圧電素子駆動電圧波形)を与えることができる。この結果、圧電素子103を伸縮させて、接触子101と接触子102との間に相対的な移動を生じさせて、回転子104を回転させることができる。
【0127】
第1実施形態に係る制御装置20は、前記スイッチング回路(チャージ電流制限回路251及びディスチャージ電流制限回路252)は、前記直流電源(電源部210)に接続され、前記圧電素子(圧電素子103)に電流をチャージするとともに、前記チャージ電流を制限するチャージ電流制限回路(チャージ電流制限回路251)と、前記圧電素子から電流をディスチャージするとともに、前記ディスチャージ電流を制限するディスチャージ電流制限回路(ディスチャージ電流制限回路252)と、を有し、前記チャージ電流制限回路には、制御入力として、前記直流電源から前記圧電素子への電流チャージ動作を指令するチャージ動作指令信号と、前記圧電素子に流入する電流の制限値を指定するチャージ電流制限値指令電圧(チャージ電流制限値指定電圧)とが入力され、前記ディスチャージ電流制限回路には、制御入力として、前記圧電素子からの電流ディスチャージ動作を指令するディスチャージ動作指令信号と、前記圧電素子から流出する電流の制限値を指定するディスチャージ電流制限値指令電圧(ディスチャージ電流制限値指定電圧)とが入力されることを特徴とする。
【0128】
また、第1実施形態に係る制御装置20は、前記チャージ動作指令信号は前記圧電素子(圧電素子103)に印加される電圧値が前記直流電源(電源部210)の電圧までに至るまでの任意の電圧に達した際に停止されることを特徴とする。
【0129】
制御装置20が上記構成を備えることによって、圧電素子103の両端に略鋸波状又は台形状の電圧(圧電素子駆動電圧波形)を与えることができる。この結果、圧電素子103を伸縮させ、そして接触子101と接触子102との間に相対的な移動を生じさせて、回転子104を回転させることができる。
【0130】
第1実施形態に係る制御装置20は、前記回転子(回転子104)の第1の位置から第2の位置までの回転量の値と、当該回転量となるために前記一対の接触子を駆動させる回数(駆動回数)の値と、前記流体に関する物理値(制御対象量)とが対応付けられたテーブル(換算テーブルTB)から得られるこれらの値の内のいずれかの値に対応させて前記回転子を回転させることを特徴とする。
【0131】
制御装置20では、制御対象量の値を換算テーブルTBから参照することで、回転子104をどの程度回転させればよいのか(又は接触子101と接触子102を何回駆動させればよいのか)という情報を容易に得ることができる。すなわち、調整目標とする制御対象量までの回転子104の回転制御が換算テーブルTBを参照することで容易になる。
【0132】
(第2実施形態)
次に、図6を用いて弁制御装置1の第2実施形態である流体制御装置1aについて説明する。図6は、弁制御装置1の第2実施形態について説明するための一部断面図である。以下の説明では、第1実施形態と対応する構成には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0133】
図6に示すように、流体制御装置1aは、弁制御装置1を、エアシリンダ40の制御に適用する実施形態である。エアシリンダ40は、エアの力でシリンダ本体410内部のピストンロッド411が往復移動するように構成されている。
【0134】
エアシリンダ40には、弁調整機構10を収容した複数の流体調整装置30(例えば、一対のスピードコントローラ30a)が取り付けられている。
【0135】
このような構成では、スピードコントローラ30aの弁部310aの開度によって、エアの流量を制御してピストンロッド411の移動速度を適宜変更することができ、一対のスピードコントローラ30aの内の一方の弁部310aの開度と、もう一方のスピードコントローラ30aの弁部310aの開度とを異ならせることで、例えば、ピストンロッド411の往路と復路とで移動スピードを異なるようにするなど様々な制御が可能となる。
【0136】
制御装置20の制御部240は、換算テーブルTBに基づいて一対のスピードコントローラ30aをそれぞれ独立的に制御することができる。なお、弁制御装置1の適用例はエアシリンダに限定されず、液体によってシリンダを移動させるような構成にも適用可能である。
【0137】
第2の実施形態に係る流体制御装置1aは、制御部240が一対のスピードコントローラ30aを制御するものであるが、制御部240がさらに多くのスピードコントローラ30aをそれぞれ独立的に制御するようにしてもよい。また、少なくとも一つのスピードコントローラ30aと少なくとも一つのレギュレータ30bとを混在させて、制御部240がそれぞれを独立的に制御するようにしてもよい。
【0138】
第2実施形態に係る流体制御装置1aは、回転軸(軸L)を中心として回転可能に設けられ、流体が流れる流路内に少なくとも一部が位置される弁体(弁体311a又は弁体311b)に一端側が直接的又は間接的に接続されて、回転によって、前記弁体と当該弁体によって閉鎖される弁座(弁座312a又は弁座312b)との相対的な位置又は前記弁体と前記弁座間の接触力を可変させる棒状の回転子(回転子104)と、前記回転子を挟持し、相対移動により、前記回転子の回転を可能とする一対の接触子(接触子101及び接触子102)と、前記一対の接触子に相対移動を生じさせる、圧電素子(圧電素子103)を含む移動部とを具備する複数の圧電慣性回転機構(弁調整機構10)と、個々の圧電慣性回転機構について、前記圧電素子に、立ち上がりの傾斜と立下りの傾斜が異なる電圧波形を印加して、前記電圧波形の前記立ち上がりの傾斜及び前記立下りの傾斜のうち、緩やかなほうにより、前記一対の接触子によって前記回転子を回転させ、急峻なほうにより前記回転子と前記一対の接触子との間のすべりを生じさせて、前記回転子を任意の方向に回転させることで前記弁体と前記弁座との相対的な位置を制御する駆動制御部(制御装置20)と、前記複数の圧電慣性回転機構が取り付けられる本体部(シリンダ本体410)と、前記本体部内に配置され、前記駆動制御部によって制御された前記弁体と弁座との相対的な位置又は前記弁体と前記弁座間の接触力の可変によって移動が制御されるピストン部(ピストンロッド411)とを備えるエアシリンダ(エアシリンダ40)と、を具備することを特徴とする。
【0139】
流体制御装置1aでは、制御装置20が複数の弁調整機構10を制御することによってエアシリンダ40の移動を制御することができる。流体制御装置1aでは、弁制御装置1と同様の上記した効果を得ることができ、エアシリンダ40を好適に制御することができる。
【0140】
(その他の実施形態)
本願発明は、上記第1実施形態及び第2実施形態に限定されず、さらに種々の変形・変更が可能である。例えば、弁部310a(又は弁部310b)の開度が制御されるたびに、この開度を計数して表示する計数機を有するようにしてもよい。弁制御装置1では、制御部240が弁調整機構10を機械的に制御して弁部310a(又は弁部310b)の開度を制御するので、開度の計数を容易に行うことができる。
【0141】
また、弁制御装置1に外部センサー(例えば、圧力センサや流量計など)を設けられてもよい。圧力センサーを設ければ、例えば、弁体311bと弁座312b間の接触力をリアルタイムで計測し制御できる。同じく、流量計を設ければ、例えば、弁体311aと弁座312aの開閉位置をリアルタイムで計測し制御できる。
なお、上述の実施例は少なくとも下記を開示している。
回転軸を中心として回転可能に設けられ、流体が流れる流路内に少なくとも一部が位置される弁体に一端側が直接的又は間接的に接続されて、回転によって、前記弁体と当該弁体によって閉鎖される弁座との相対的な位置又は前記弁体と前記弁座間の接触力を可変させる棒状の回転子と、
前記回転子を挟持し、相対移動により、前記回転子の回転を可能とする一対の接触子と、
前記一対の接触子に相対移動を生じさせる、圧電素子を含む移動部と、前記圧電素子に、
立ち上がりの傾斜と立下りの傾斜が異なる電圧波形を印加して、前記電圧波形の前記立ち上がりの傾斜及び前記立下りの傾斜のうち、緩やかなほうにより、前記一対の接触子によって前記回転子を回転させ、急峻なほうにより前記回転子と前記一対の接触子との間のすべりを生じさせて、前記回転子を任意の方向に回転させることで前記弁体と前記弁座との相対的な位置又は前記弁体と前記弁座間の接触力を可変させる制御する駆動制御部と、を
具備することを特徴とする。
(1)
回転軸を中心として回転可能に設けられ、流体が流れる流路内に少なくとも一部が位置される弁体に一端側が直接的又は間接的に接続されて、回転によって、前記弁体と当該弁体によって閉鎖される弁座との相対的な位置又は前記弁体と前記弁座間の接触力を可変させる棒状の回転子と、
前記回転子を挟持し、相対移動により、前記回転子の回転を可能とする一対の接触子と、
前記一対の接触子に相対移動を生じさせる、圧電素子を含む移動部と、
前記圧電素子に、立ち上がりの傾斜と立下りの傾斜が異なる電圧波形を印加して、前記電圧波形の前記立ち上がりの傾斜及び前記立下りの傾斜のうち、緩やかなほうにより、前記一対の接触子によって前記回転子を回転させ、急峻なほうにより前記回転子と前記一対の接触子との間のすべりを生じさせて、前記回転子を任意の方向に回転させることで前記弁体と前記弁座との相対的な位置又は前記弁体と前記弁座間の接触力を制御する駆動制御部と、
を具備することを特徴とする弁制御装置。
(2)
前記駆動制御部は、
前記回転子の第1の位置から第2の位置までの回転量の値と、当該回転量となるために前記一対の接触子を駆動させる回数の値と、前記流体に関する物理値とが対応付けられたテーブルから得られるこれらの値の内のいずれかの値に対応させて前記回転子を回転させることを特徴とする(1)に記載の弁制御装置。
(3)
前記圧電素子に電力を供給する直流電源をさらに具備し、
前記駆動制御部が、前記直流電源及び前記圧電素子間の電流の流れを制御して、前記圧電素子の端子間に印加される電圧の前記電圧波形を鋸波状又は台形状に制御することを特徴とする(1)又は(2)に記載の弁制御装置。
(4)
流体用通路に連通する第1連結部と第2連結部とを有し、かつ、前記第1連結部と前記第2連結部を連通する通路を有す本体を具備し、
前記回転子の一端側は、前記本体内で前記弁体に直接的又は間接的に接続されており、
前記弁体及び前記弁座の前記相対的な位置又は前記弁体と前記弁座間の前記接触力の可変によって前記通路を流れる流体の流量、流速、圧力のうちの少なくとも一つが調整されることを特徴とする(1)ないし(3)のいずれかに記載の弁制御装置。
(5)
前記弁体及び前記弁座は、前記本体内部に配置された開閉可能なニードル弁機構であることを特徴とする(4)に記載の弁制御装置。
(6)
前記通路は、前記弁座によって第1の通路と第2の通路に区分され、
前記弁座は、前記流体が通って第1の通路から第2の通路に流れるための孔部を備え、
前記弁体は、前記回転子の一端側と直接的又は間接的に接続される第1の端部と、当該第1の端部とは逆側であり前記孔部を閉鎖可能な第2の端部とを備え、
前記駆動制御部が、前記回転子を任意の方向に回転させることによって、前記弁体が前記孔部を閉鎖する又は閉鎖を解除する方向に移動して前記弁体と前記弁座との相対的な位置又は弁体と弁座間の接触力が可変され、前記流体の圧力、流量及び流速の少なくとも一つが調整されること
を特徴とする(5)に記載の弁制御装置。
(7)
前記通路は、前記弁座によって第1の通路と第2の通路に区分され、
前記弁座は、前記流体が通って前記第1の通路から前記第2の通路に流れるための孔部を備え、
前記弁体は、前記回転子の一端側に弾性体を介して接続される接続部と、前記孔部を閉鎖可能な閉鎖部とを備え、
前記駆動制御部が、前記回転子を任意の方向に回転させることによって、前記弁体が前記孔部を閉鎖する又は閉鎖を解除する方向に移動して前記弁体と前記弁座との前記接触力が可変され前記流体の圧力が調整されることを特徴とする(4)に記載の弁制御装置。
(8)
前記駆動制御部は、
前記直流電源に接続され、前記圧電素子に電流をチャージするとともに、前記チャージ電流を制限するチャージ電流制限回路と、
前記圧電素子から電流をディスチャージするとともに、前記ディスチャージ電流を制限するディスチャージ電流制限回路と、を有し、前記チャージ電流制限回路には、制御入力として、前記直流電源から前記圧電素子への電流チャージ動作を指令するチャージ動作指令信号と、前記圧電素子に流入する電流の制限値を指定するチャージ電流制限値指令電圧とが入力され、
前記ディスチャージ電流制限回路には、制御入力として、前記圧電素子からの電流ディスチャージ動作を指令するディスチャージ動作指令信号と、前記圧電素子から流出する電流の制限値を指定するディスチャージ電流制限値指令電圧とが入力されることを特徴とする(3)ないし(6)のいずれかに記載の弁制御装置。
(9)
前記チャージ動作指令信号は、前記圧電素子に印加される電圧値が前記直流電源の電圧までに至るまでの任意の電圧に達した際に停止されることを特徴とする(8)に記載の弁制御装置。
(10)
前記回転子に対し同軸的に固定され、前記回転子に対して慣性モーメントを与える慣性モーメント部材をさらに具備することを特徴とする(1)ないし(9)のいずれかに記載の弁制御装置。
(11)
前記一対の接触子の相対移動の加速度により前記慣性モーメント部材に生じる回転運動の加速度による発生力が、前記回転子と前記一対の接触子との間の静摩擦力以下の場合に、前記回転子は回転運動し、
前記一対の接触子の相対移動の加速度により前記慣性モーメント部材に生じる回転運動の加速度による発生力が、前記回転子と前記一対の接触子との間の静摩擦力より大きい場合に、前記回転子と前記一対の接触子との間にすべりが生じることを特徴とする(10)に記載の弁制御装置。
(12)
回転軸を中心として回転可能に設けられ、流体が流れる流路内に少なくとも一部が位置される弁体に一端側が直接的又は間接的に接続されて、回転によって、前記弁体と当該弁体によって閉鎖される弁座との相対的な位置又は前記弁体と前記弁座間の接触力を可変させる棒状の回転子と、所定の圧力で前記回転子を挟持し、互いの相対移動により、前記回転子の回転を可能とする一対の接触子と、を有し、圧電素子に、立ち上がりの傾斜と立下りの傾斜が異なる電圧波形を印加して、前記電圧波形の前記立ち上がりの傾斜及び前記立下りの傾斜のうち、緩やかなほうにより、前記一対の接触子によって前記回転子を回転させ、急峻なほうにより前記回転子と前記一対の接触子との間のすべりを生じさせる弁制御装置に用いる駆動制御装置であって、
直流電源と、
前記圧電素子に対して電流のチャージ及びディスチャージを行い、チャージ電流及びディスチャージ電流を制限するスイッチング回路と、
を有し、
前記スイッチング回路は、前記圧電素子に対する前記チャージ電流と前記ディスチャージ電流の電流値を異ならせることにより、前記圧電素子に、前記電圧波形を印加すること
を特徴とする弁制御装置に用いる駆動制御装置。
(13)
前記スイッチング回路は、
前記直流電源に接続され、前記圧電素子に電流をチャージするとともに、前記チャージ電流を制限するチャージ電流制限回路と、
前記圧電素子から電流をディスチャージするとともに、前記ディスチャージ電流を制限するディスチャージ電流制限回路と、
を有し、
前記チャージ電流制限回路には、制御入力として、前記直流電源から前記圧電素子への電流チャージ動作を指令するチャージ動作指令信号と、前記圧電素子に流入する電流の制限値を指定するチャージ電流制限値指令電圧とが入力され、
前記ディスチャージ電流制限回路には、制御入力として、前記圧電素子からの電流ディスチャージ動作を指令するディスチャージ動作指令信号と、前記圧電素子から流出する電流の制限値を指定するディスチャージ電流制限値指令電圧とが入力されることを特徴とする(12)に記載の弁制御装置に用いる駆動制御装置。
(14)
前記チャージ動作指令信号は、前記圧電素子に印加される電圧値が前記直流電源の電圧までに至るまでの任意の電圧に達した際に停止されることを特徴とする(13)に記載の弁制御装置に用いる駆動制御装置。
(15)
前記回転子の第1の位置から第2の位置までの回転量の値と、当該回転量となるために前記一対の接触子を駆動させる回数の値と、前記流体に関する物理値とが対応付けられたテーブルから得られるこれらの値の内のいずれかの値に対応させて前記回転子を回転させることを特徴とする(12)ないし(14)のいずれかに記載の弁制御装置に用いる駆動制御装置。
(16)
回転軸を中心として回転可能に設けられ、流体が流れる流路内に少なくとも一部が位置される弁体に一端側が直接的又は間接的に接続されて、回転によって、前記弁体と当該弁体によって閉鎖される弁座との相対的な位置又は前記弁体と前記弁座間の接触力を可変させる棒状の回転子と、前記回転子を挟持し、相対移動により、前記回転子の回転を可能とする一対の接触子と、前記一対の接触子に相対移動を生じさせる、圧電素子を含む移動部とを具備する複数の圧電慣性回転機構と、
個々の圧電慣性回転機構について、前記圧電素子に、立ち上がりの傾斜と立下りの傾斜が異なる電圧波形を印加して、前記電圧波形の前記立ち上がりの傾斜及び前記立下りの傾斜のうち、緩やかなほうにより、前記一対の接触子によって前記回転子を回転させ、急峻なほうにより前記回転子と前記一対の接触子との間のすべりを生じさせて、前記回転子を任意の方向に回転させることで前記弁体と前記弁座との相対的な位置を制御する駆動制御部と、
前記複数の圧電慣性回転機構が取り付けられる本体部と、前記本体部内に配置され、前記駆動制御部によって制御された前記弁体と弁座との相対的な位置又は前記弁体と前記弁座間の接触力の可変によって移動が制御されるピストン部とを備えるエアシリンダと、
を具備することを特徴とする流体制御装置。
【産業上の利用可能性】
【0142】
以上のように、本発明は、弁の調整に好適な弁制御装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0143】
1 :弁制御装置
1a :流体制御装置
10 :弁調整機構
20 :制御装置
30 :流体調整装置
30a :スピードコントローラ
30b :レギュレータ
40 :エアシリンダ
101 :接触子
102 :接触子
103 :圧電素子
104 :回転子
105 :慣性モーメント部材
210 :電源部
220 :I/O部
230 :メモリ装置
240 :制御部
241 :信号受信部
242 :値算出部
243 :回転子駆動部用制御部
250 :回転子駆動部
251 :チャージ電流制限回路
252 :ディスチャージ電流制限回路
300 :本体
300a :本体
300b :本体
301 :第1ポート
302 :第2ポート
303 :通路
304a :第1の通路
304b :第1の通路
305a :第2の通路
305b :第2の通路
306 :Oリング
310a :弁部
310b :弁部
311a :弁体
311b :弁体
312a :弁座
312b :弁座
313a :孔部
320 :調整スプリング
330 :ダイヤフラム
340 :スプリング受け皿
350 :接続ロッド
360 :小スプリング
370 :先端部
371 :頂部
372 :傾斜面
411 :ピストンロッド

図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5A
図5B
図5C
図6