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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】ゲームシステムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/69 20140101AFI20221129BHJP
   A63F 13/45 20140101ALI20221129BHJP
   A63F 13/80 20140101ALI20221129BHJP
   A63F 13/792 20140101ALI20221129BHJP
【FI】
A63F13/69
A63F13/45
A63F13/80 F
A63F13/792
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019190205
(22)【出願日】2019-10-17
(62)【分割の表示】P 2018187533の分割
【原出願日】2018-10-02
(65)【公開番号】P2020054819
(43)【公開日】2020-04-09
【審査請求日】2021-09-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000169477
【氏名又は名称】株式会社コナミアミューズメント
(72)【発明者】
【氏名】細川 貴由
【審査官】坪内 優佳
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-161357(JP,A)
【文献】特開2011-067534(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0124984(US,A1)
【文献】ペルソナ2 罰 公式パーフェクトガイド,初版,日本,株式会社エンターブレイン,2012年06月21日,第64頁
【文献】「ビンゴチャレンジ」のあそび方,実況パワフルプロ野球(iOS/Android)攻略wiki,ファミ通.com,2015年10月13日,htts://wiki.famitsu.com/pawapuro/「ビンゴチャレンジ」のあそび方
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/00 - 13/98
G06Q 30/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のゲームの各々を進行させ、遊技価値をプレイヤに付与するための第1条件が成立したか否かをゲーム毎に判定するゲーム制御部と、
前記複数のゲームの各々における前記第1条件の成否について第2条件が成立したか否かを判定する条件判定部と、
前記第2条件が成立したと前記条件判定部が判定した場合にプレイヤに特典を付与する特典付与部と、
前記複数のゲームからいずれか1以上のゲームを特定のゲームとして選択する選択手段とを具備し、
前記選択手段は前記プレイヤの指示に基づいて、または、ランダムに、前記複数のゲームからいずれか1以上のゲームを前記特定のゲームとして選択し、
前記条件判定部は、前記第1条件が成立し、かつ、前記特定のゲームについて前記第2条件が成立したか否かを判定する、
ゲームシステム。
【請求項2】
前記複数のゲームについては、
ゲーム毎に前記遊技価値を使用する量を設定可能な、
請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記ゲーム制御部は、
前記複数のゲームを並行して進行させる、
請求項1または請求項2記載のゲームシステム。
【請求項4】
複数の抽選要素の何れかを抽選により決定する抽選処理部を具備し、
前記ゲーム制御部は、前記抽選処理部による抽選の結果に応じて前記複数のゲームを並行して進行させる、
請求項1から請求項3の何れか1項に記載のゲームシステム。
【請求項5】
複数のゲームの各々を進行させ、遊技価値をプレイヤに付与するための第1条件が成立したか否かをゲーム毎に判定するゲーム制御部と、
前記複数のゲームの各々における前記第1条件の成否について第2条件が成立したか否かを判定する条件判定部と、
前記第2条件が成立したと前記条件判定部が判定した場合にプレイヤに特典を付与する特典付与部と、
前記複数のゲームからいずれか1以上のゲームを特定のゲームとして選択する選択手段と、
を具備し、
前記選択手段は前記プレイヤの指示に基づいて、または、ランダムに、前記複数のゲームからいずれか1以上のゲームを前記特定のゲームとして選択し、
前記条件判定部は、前記第1条件が成立し、かつ、前記特定のゲームについて前記第2条件が成立したか否かを判定する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームシステムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
球体等の抽選媒体を利用した抽選の結果に応じてゲームを進行させるゲームシステムが従来から提案されている。例えば特許文献1には、複数の抽選孔が形成された円板状の抽選フィールドに抽選媒体を順次に投入し、複数の抽選孔のうち何れの抽選孔に抽選媒体が進入するかに応じてビンゴゲームを進行させる抽選装置が提案されている。具体的には、ビンゴカードに行列状に配列された複数の番号のうち抽選媒体が進入した抽選孔に対応する番号が有効状態に変更され、1列内の全部の番号が有効状態に変更された場合に当選(ビンゴ)が成立する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第4885296号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1のビンゴゲームは、プレイヤにとって単調になりやすく進行の途中で飽きてしまうという問題がある。以上の事情を考慮して、本発明の好適な態様は、興趣性の高いゲームを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために、本発明の好適な態様に係るゲームシステムは、複数のゲームの各々を進行させ、遊技価値をプレイヤに付与するための第1条件が成立したか否かをゲーム毎に判定するゲーム制御部と、前記複数のゲームのうち前記第1条件が成立したゲームに関する第2条件が成立したか否を判定する条件判定部と、前記第2条件が成立したと前記条件判定部が判定した場合にプレイヤに特典を付与する特典付与部とを具備する。
【0006】
本発明の好適な態様に係るプログラムは、複数のゲームの各々を進行させ、遊技価値をプレイヤに付与するための第1条件が成立したか否かをゲーム毎に判定するゲーム制御部、前記複数のゲームのうち前記第1条件が成立したゲームに関する第2条件が成立したか否を判定する条件判定部、および、前記第2条件が成立したと前記条件判定部が判定した場合にプレイヤに特典を付与する特典付与部としてコンピュータを機能させる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態に係るゲームシステムの平面図である。
図2】ゲームシステムの機能的な構成を例示するブロック図である。
図3】制御装置の機能的な構成を例示するブロック図である。
図4】ゲーム画面の模式図である。
図5】第2条件が成立した状態のゲーム画面の模式図である。
図6】制御装置による処理を例示するフローチャートである。
図7】第3実施形態に係るゲームシステムの構成を例示するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。図面における各部の寸法および縮尺は、実際の構成における寸法および縮尺とは適宜に相違する。以下に記載する実施の形態は、技術的に好適な種々の限定を含む。本発明の範囲は、以下に例示する形態には限定されない。
【0009】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係るゲームシステム100Aの構成を例示する平面図である。ゲームシステム100Aは、例えばゲームセンターもしくはカジノ等の娯楽施設、またはショッピングセンター等の商業施設に設置される。カジノにおいて使用されるゲームシステム100Aは、ゲーミングマシンとも称呼される。
【0010】
プレイヤは、遊技価値を投入して使用(すなわちベット)することでゲームシステム100Aによるゲームをプレイすることができる。遊技価値は、例えばトークンコイン(メダル)、コイン(貨幣)もしくはチケット等の有体の媒体、または、クレジットもしくはポイント等の無体の価値である。無体の遊技価値の数量は、例えばICカード等の記録媒体にデータとして記憶される。有体の遊技価値および無体の遊技価値の何れかをプレイヤが選択して投入してもよい。
【0011】
遊技価値はゲームの結果に応じた特典(報酬)としてプレイヤに付与される。すなわち、遊技価値の獲得がゲームの目的のひとつである。遊技価値の付与は、遊技価値の払出とも換言される。なお、ゲームのプレイのために使用される遊技価値とゲームの結果に応じた特典としてプレイヤに付与される遊技価値とは、同種および異種の何れでもよい。例えば、無体の遊技価値であるクレジットの投入によりプレイヤがゲームをプレイした結果に応じて、所定量のクレジット(すなわち同種の遊技価値)を特典としてプレイヤに付与してもよいし、有体の遊技価値であるトークンコイン(すなわち異種の遊技価値)を特典としてプレイヤに付与してもよい。
【0012】
図1に例示される通り、第1実施形態のゲームシステム100Aは、抽選機構10と複数のステーション20とを具備する。抽選機構10は、鉛直方向からの平面視で略円形に構成され、抽選媒体Bを利用した物理抽選に使用される。抽選媒体Bは、例えば球体等の立体物である。複数のステーション20は、抽選機構10を包囲するように円周方向に配列される。複数のステーション20の各々を使用してプレイヤがゲームをプレイする。
【0013】
抽選機構10は、物理抽選部11と抽選フィールド12と投入機構13とを具備する。物理抽選部11は、回転可能に支持された円板状の構造体(ルーレット)である。物理抽選部11には円周方向に沿って等間隔に複数(例えば25個)の抽選孔Hが形成される。複数の抽選孔Hの各々は、抽選媒体Bが進入可能なポケットである。複数の抽選孔Hの各々には相異なる番号が割当てられる。図1に例示される通り、各抽選孔Hの近傍には、当該抽選孔Hに割当てられた番号が表記される。第1実施形態の物理抽選部11は、例えばモータ等の駆動機構(図示略)により駆動されることで回転する。なお、物理抽選部11を回転させなくてもよい。
【0014】
抽選フィールド12は、鉛直方向からの平面視で物理抽選部11を包囲する円環状の板状部材である。抽選フィールド12の表面は、外周縁から内周縁(すなわち物理抽選部11側)にかけて降下する傾斜面である。投入機構13は、抽選フィールド12の外周縁の近傍に設置され、抽選媒体Bを抽選フィールド12の面上に順次に投入する。投入機構13により投入された抽選媒体Bは、抽選フィールド12の面上で転動しながら徐々に物理抽選部11に接近し、最終的には物理抽選部11の複数の抽選孔Hの何れかに進入する。複数の番号のうち抽選媒体Bが進入した抽選孔Hに対応する番号(以下「当選番号」という)が抽選の結果である。すなわち、抽選機構10を利用した物理抽選は、相異なる抽選孔Hに対応するN個の番号の何れかを無作為に選択する動作である。
【0015】
複数のステーション20の各々は、プレイヤがゲームをプレイするために使用する装置である。図1に例示される通り、各ステーション20は、遊技価値の入出に使用される受付部21を具備する。受付部21は、トークンコイン等の有体の遊技価値が投入される投入口と、有体の遊技価値を特典として放出する払出口とを含んで構成される。ただし、例えばクレジット等の無体の遊技価値を例えばICカード等の記録媒体から読出す読出回路と、無体の遊技価値を記録媒体に書込む書込回路とを、受付部21として利用してもよい。
【0016】
図1に例示される通り、複数のステーション20の各々は、表示装置22と操作装置23とを具備する。表示装置22は、各種の画像を表示する。例えば液晶表示パネルまたは有機EL(ElectroLuminescence)表示パネル等の平板型の表示パネルが表示装置22として好適に利用される。例えば抽選機構10を利用した物理抽選の結果を利用したゲームを表す画面(以下「ゲーム画面」という)Xが表示装置22に表示される。操作装置23は、プレイヤによる操作を受付ける。第1実施形態の操作装置23は、表示装置22の表示面と一体に構成されてプレイヤによる接触を検知するタッチパネルである。ただし、プレイヤが操作する操作子を操作装置23として利用してもよい。
【0017】
図2は、第1実施形態に係るゲームシステム100Aの機能的な構成を例示するブロック図である。図2に例示される通り、ゲームシステム100Aは、管理システム30を具備する。複数のステーション20の各々は、管理システム30に接続される。なお、図2においては1個のステーション20のみが代表的に図示されている。管理システム30は、制御装置31と記憶装置32とを具備するコンピュータシステムである。制御装置31は、例えばCPU(Central Processing Unit)等の処理回路で構成され、抽選機構10および各ステーション20を含むゲームシステム100の全体を統括的に制御する。記憶装置32は、制御装置31が実行するプログラムと制御装置31が使用する各種のデータとを記憶する。例えば表示装置22が表示する画像を表す画像データが記憶装置32に記憶される。例えば半導体記録媒体および磁気記録媒体等の公知の記録媒体、または複数種の記録媒体の組合せが、記憶装置32として任意に採用される。
【0018】
図3は、制御装置31の機能的な構成を例示するブロック図である。図3に例示される通り、制御装置31は、記憶装置32に記憶されたプログラムを実行することで、抽選制御部311、ゲーム制御部312、表示制御部313、配列制御部314、条件判定部315および特典付与部316として機能する。
【0019】
抽選制御部311は、抽選機構10を使用した物理抽選を制御する。具体的には、抽選制御部311は、例えば投入機構13による抽選媒体Bの投入を制御する処理と、複数の抽選孔Hのうち抽選媒体Bが進入した抽選孔Hを特定する処理とを実行する。以上の説明から理解される通り、抽選機構10および抽選制御部311は、抽選媒体Bを利用した抽選を実行する抽選処理部として機能する。
【0020】
以下の説明では、任意の1個のステーション20に便宜的に着目する。なお、複数のステーション20の各々にゲーム制御部312、条件判定部315、特典付与部316、配列制御部314および表示制御部313を個別に設置してもよい。ゲーム制御部312は、物理抽選の結果を利用した複数のゲームを進行させる。例えば相異なる種類の複数のゲーム(例えばルールが相違するゲーム)が進行する。第1実施形態のゲーム制御部312は、複数のゲームを物理抽選の結果に応じて並行に進行させる。
【0021】
各ゲームについては、遊技価値の使用の有無が設定される。プレイヤは、遊技価値を使用する量(以下「使用量」という)を、操作装置23に対する操作によりゲーム毎に設定することで、各ゲームについて遊技価値の使用を設定することができる。プレイヤは、ゲーム毎に共通の使用量(すなわちベット量)を設定してもよいし、ゲーム毎に異なる使用量を設定してもよい。具体的には、ゲーム制御部312は、抽選処理部による抽選の結果に応じて複数のゲームの各々をステーション20毎に進行させる。
【0022】
表示制御部313は、各ステーション20の表示装置22にゲーム画面Xを表示させる。図4は、表示装置22が表示するゲーム画面Xの表示例である。ゲーム画面Xの画像データを表示装置22に出力することでゲーム画面Xが表示される。図4に例示される通り、ゲーム画面Xは、ゲーム画面Xの右側の領域R1に表示される複数の単位画像Pと、ゲーム画面Xの左側の領域R2に表示される拡大画像Zとを含む。複数(図4では9個)の単位画像P1-P9の各々は、ゲーム制御部312が進行させる各ゲームGを表す画像である。他方、拡大画像Zは、複数のゲームG(G1-G9)のうちの何れかの単位画像Pを拡大した画像である。例えば、領域R1に9個の単位画像P1-P9が所定の配列(例えば3行3列の状列)により表示され、領域R2に9個の単位画像P1-P9のうちプレイヤが選択したゲームG6の拡大画像Zが拡大して表示される。プレイヤは、例えば操作装置23に対する操作により、領域R2に拡大表示される単位画像P6を選択する。領域R2に表示される拡大画像Zは、ゲームGの進行中にも随時に切り替え可能である。プレイヤが選択したゲームG6の単位画像P6は、例えば領域R1においてプレイヤに把握できるように他の単位画像Pとは異なる態様で表示される。図4では、単位画像P6の周囲が便宜的に網掛け表示されている。なお、各ゲームGについて設定した遊技価値の使用量を表す画像Fが、当該ゲームGの単位画像Pに対応した位置に表示される。図4に示す通り、例えばプレイヤが各ゲームGについて共通の使用量「10」を設定した場合には、各単位画像Pの下側に「BET 10」という文字列を含む画像Fが表示される。
【0023】
図3の配列制御部314は、複数のゲームG1-G9について配列を規定する。具体的には、配列制御部314は、複数の単位画像P1-P9の配列を規定する。表示制御部313は、配列制御部314が規定する配列により領域R1に複数の単位画像P1-P9を表示させる。具体的には、図4に例示される通り、9個の単位画像P1-P9が、領域R1において3行3列の行列状に配列される。すなわち、配列制御部314は、領域R1内の行列の各要素がどのゲームGに対応しているのかを規定する。図4に例示される通り、領域R1内において複数の単位画像P1-P9が行列状に配列されることで、複数の直線L1-L8が観念される。
【0024】
ゲーム制御部312が進行する各ゲームGは、図4に例示される通り、例えば、抽選処理部による抽選の候補となる番号が割当てられた複数のオブジェクトが配置されたゲームである。オブジェクトは、例えばゲームGの内容に応じた形状の画像(例えばゲームG6では円形の画像)である。抽選処理部による抽選の結果に応じてゲームGが進行する。
【0025】
ゲームGが進行して第1条件が成立すると、遊技価値がプレイヤに付与される。すなわち、第1条件は、遊技価値をプレイヤに付与するための条件である。具体的には、第1条件は、ゲームGのルールに応じて規定された条件であり、ゲームG毎に相違する。したがって、第1条件の成否はゲームG毎に異なる。ゲーム制御部312は、個々のゲームGについて第1条件の成否を判定する。したがって、第1条件が成立する時点はゲームG毎に相違し得る。すなわち、複数のゲームG1-G9のうち第1条件が成立するゲームGと第1条件が成立しないゲームGとが存在し得る。例えば、複数のオブジェクトが行列状に配置されたゲームG8では、抽選処理部により順次に抽選された番号のオブジェクトが直線状に配列すること(すなわちビンゴ)が第1条件である。また、例えば、抽選処理部により順次に抽選された番号のオブジェクトと当該オブジェクトの周囲に位置するオブジェクトが消去されるゲームG6では、ゲームGが進行して全てのオブジェクトが消去されることが第1条件である。ゲーム制御部312は、各ゲームGを進行させるとともに、第1条件が成立したが否かをゲームG毎に判定する。なお、第1実施形態では、複数のゲームG1-G9の全てについて、第1条件の成否が判定される。
【0026】
第1実施形態の表示制御部313は、各ゲームGの進行に応じて当該ゲームGの単位画像Pを随時に更新する。すなわち、複数の単位画像P1-P9の各々は、ゲームGの進行に連動して実時間的に変化する画像である。
【0027】
図3の条件判定部315は、複数のゲームG1-G9のうち第1条件が成立したゲームGに関する第2条件が成立したか否かを判定する。第1実施形態の第2条件は、第1条件が成立したゲームGが特定の組合せであることである。第1実施形態の条件判定部315は、第1条件が成立し、かつ、遊技価値の使用が設定されたゲームG(すなわち使用量が設定されたゲームG)について第2条件が成立した否かを判定する。1個の抽選媒体Bが抽選孔Hに進入するたびに、第1条件および第2条件の成否が判定される。第1条件が個々のゲームG毎に判定されるのに対し、第2条件は複数のゲームG1-G9の全体について判定される。すなわち、複数のゲームG1-G9の各々が個別に進行するほか、複数のゲームG1-G9の全体としてもゲームとして成立する。
【0028】
図5は、第2条件が成立した場合のゲーム画面Xの表示例である。表示制御部313は、第1条件が成立したゲームGについて画像W(例えば「WIN」表示)を表示する。第2条件は、領域R1内において、第1条件が成立した単位画像P(「WIN」が表示されている単位画像P)が直線状に並ぶことである。すなわち、直線L上に位置する複数のゲームGについて第1条件が成立する(すなわちビンゴ)ことで、第2条件が成立する。図5では、直線L7上に位置する3つのゲームG1,G5,G9について第1条件が成立したことで、第2条件が成立した場合が例示されている。第1実施形態では、第2条件が成立する直線は、複数の直線L1-L8のうち何れでもよい。また、複数の直線L1-L8のうち2以上の直線Lにおいて、第1条件が成立した3つのゲームGが並ぶことを第2条件としてもよい。以上の説明から理解される通り、第1実施形態の第2条件は、第1条件が成立した2以上のゲームGの配列に関する条件である。なお、複数の直線Lについて第2条件が成立する場合もある。
【0029】
第2条件の成立について、遊技価値の使用の有無が設定される。プレイヤは、遊技価値の使用量を操作装置23に対する操作により設定することで、第2条件の成立について遊技価値の使用を設定することができる。例えば、各ゲームGについて設定された使用量と同量の使用量が第2条件の成立について設定される。また、プレイヤが、個々のゲームGの使用量とは別に使用量を設定してもよい。
【0030】
図3の特典付与部316は、第1条件が成立した各ゲームGについてプレイヤに遊技価値を付与する。図5では、第1条件が成立した各ゲームG(G1,G4,G5,G9)について遊技価値が付与される。具体的には、第1条件が成立した各ゲームGについて、当該ゲームGに設定した使用量「10」に応じた数量の遊技価値が付与される。例えば、所定の倍率(すなわちオッズ)を使用量に乗算した数量の遊技価値が付与される。なお、第1条件の成立後に、抽選結果に応じて段階的に遊技価値の付与数を増加させてもよい。
【0031】
また、特典付与部316は、第2条件が成立したと条件判定部315が判定した場合にプレイヤに特典を付与する。第1実施形態では、第2条件が成立したと条件判定部315が判定し、かつ、第2条件の成立について遊技価値の使用が設定されている場合に、特典が付与される。具体的には、第2条件の成立について設定された使用量に応じた特典がプレイヤに付与される。第1実施形態では、第2条件に関する使用量に応じた数量の遊技価値がプレイヤに付与される。すなわち、使用量に応じて、プレイヤに付与する遊技価値を量的に変化させる。例えば、所定の倍率を使用量に乗算した数量の遊技価値が付与される。なお、複数の直線Lにおいて第2条件が成立した場合には、当該直線Lの数に応じて、付与される遊技価値の量が増加する。以上の説明から理解される通り、複数のゲームG1-G9の各々における第1条件の成立と、第2条件の成立との双方について、プレイヤに遊技価値が付与される可能性がある。
【0032】
図6は、第1実施形態における制御装置31が実行する処理の具体的な手順を例示するフローチャートである。複数のステーション20の各々について図6の処理が並行に開始される。図6の処理を開始すると、配列制御部314は、複数のゲームG1-G9について配列を規定する(Sa1)。例えば、前述の例示の通り、行列状の配列が規定される。表示制御部313は、ゲーム画面Xを表示装置22に表示させる(Sa2)。表示制御部313は、配列制御部314が規定する配列により複数の単位画像P1-P9を表示させる。具体的には、図4に示す通り、複数の単位画像P1-P9が領域R1に表示され、複数のゲームG1-G9のうち任意の1個のゲームGの拡大画像Zが領域R2に拡大して表示される。
【0033】
表示装置22にゲーム画面Xが表示されると、抽選処理部による抽選が開始される。すなわち、投入機構13からM個の抽選媒体Bが順次に投入され、各抽選媒体Bが相異なる抽選孔Hに進入することでM個の当選番号が順次に決定される。抽選により決定される当選番号の個数Mは、抽選候補となる番号の総数(例えば25個)を下回る自然数である。なお、各ゲームGの実行中に1個の抽選媒体Bが進入した抽選孔Hには、他の抽選媒体Bは進入できない。すなわち、ゲームGにおいては、各当選番号が唯1回だけ選択され、複数回にわたり重複して当選番号が決定されることはない。プレイヤは、抽選処理部による抽選の開始前に、各ゲームGと、第2条件の成立とのそれぞれについて遊技価値の使用量を設定できる。なお、M個の当選番号が決定するまでの任意の時点において、遊技価値の使用量を設定または変更してもよい。
【0034】
ゲーム制御部312は、抽選処理部による抽選で1個の当選番号が決定されるまで待機する(Sa3:NO)。1個の当選番号が決定されると(Sa3:YES)、ゲーム制御部312は、抽選処理部による抽選の結果に応じて各ゲームGを進行させる(Sa4)。すなわち、当選番号の決定毎(すなわち抽選媒体B毎)に各ゲームGが進行する。第1実施形態では、複数のゲームG1-G9が並行して進行する。表示制御部313は、ゲームGの進行に応じてゲーム画面Xを更新する(Sa5)。領域R1に表示される複数の単位画像P1-P9と、領域R2に拡大表示される拡大画像Zとが更新される。すなわち、各単位画像Pは、ゲームGの進行に連動して変化する。
【0035】
ゲーム制御部312は、第1条件が成立したか否かをゲームG毎に判定する(Sa6)。また、条件判定部315は、第1条件の成立の結果として第2条件が成立したか否を判定する(Sa7)。具体的には、第1条件が成立し、かつ、遊技価値の使用量が設定された2以上のゲームGが直線状(図4の直線Lに沿って)に配列したか否かが判定される。
【0036】
ゲーム制御部312は、抽選処理部が順次に決定するM個の当選番号について、ステップSa3~ステップSa7の処理を実行したか否かを判定する(Sa8)。すなわち、M個の抽選媒体Bの投入により1回のプレイが終了する。M個の当選番号について処理を実行していない場合(Sa8:NO)、処理をステップSa3に移行して、抽選処理部による新たな当選番号の決定を待機する。他方、M個の当選番号について処理を実行した場合(Sa8:YES)、特典付与部316は、遊技価値を付与する(Sa9)。具体的には、ステップSa6において第1条件が成立したと判定され、かつ、遊技価値の使用(すなわち使用量)が設定された各ゲームGについて、プレイヤに遊技価値が付与される。また、ステップSa7において第2条件が成立したと判定され、かつ、第2条件の成立について遊技価値の使用(すなわち使用量)が設定されている場合に、プレイヤに特典が付与される。第2条件に関する使用量に応じた数量の遊技価値がプレイヤに付与される。例えば、所定の倍率を使用量に乗算した数量の遊技価値が付与される。なお、第1条件が成立したゲームGがない場合、および、第2条件が成立しなかった場合には、遊技価値は付与されない。
【0037】
以上の説明から理解される通り、第1実施形態では、複数のゲームG1-G9のうち第1条件が成立したゲームGに関する第2条件が成立した場合にプレイヤに特典が付与されるから、ゲームG毎の第1条件の成立に対する期待感だけでなく、第2条件の成立に対する期待感をプレイヤに付与することができる。また、複数のゲームG1-G9の各々が個別に進行するほか、複数のゲームG1-G9の全体としてもゲームとして成立する。したがって、長時間にわたり飽きにくい興趣性の高いゲームGを提供することが可能である。
【0038】
第1実施形態では、複数のゲームG1-G9が並行して進行し、各ゲームGにおける第1条件の成否が複数のゲームG1-G9にわたり並行して判定される。したがって、短時間で複数のゲームG1-G9が一斉に進行し、プレイヤに期待感を付与することができるという効果が顕著である。また、複数のゲームG1-G9が順番に進行する構成と比較して、第2条件の成否の判定までの時間を短縮できる。
【0039】
また、第1実施形態では、抽選処理部による抽選の結果に応じて複数のゲームG1-G9が並行して進行する。すなわち、抽選結果が複数のゲームG1-G9にわたり共用される。したがって、複数のゲームG1-G9の各々について個別に抽選を実行する構成と比較して、抽選に必要な処理負荷を軽減できるという利点がある。
【0040】
第1実施形態では特に、第1条件が成立した2以上のゲームGの配列に関する条件が第2条件として規定されるから、第2条件の成否をプレイヤが直感的に把握できる。複数の単位画像P1-P9が配列して表示される第1実施形態によれば、第2条件の成否をプレイヤが視覚的および直感的に把握できるという利点がある。また、各ゲームGの進行に連動して変化する画像を単位画像Pとして表示する第1実施形態の構成によれば、プレイヤが複数のゲームG1-G9の進行を並行して把握することができる。
【0041】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態について説明する。なお、以下の各例示において機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0042】
第1実施形態では、図4の複数の直線L1-L8のうち任意の直線Lについて第2条件が成立した場合にプレイヤに特典が付与された。それに対して、第2実施形態では、複数の直線L1-L8のうち特定の直線L(以下「特定直線」という)について第2条件が成立した場合に特典が付与される。すなわち、複数のゲームG1-G9のうち1以上のゲームGに関する特定の組合せ(すなわち特定の直線L上に位置する複数のゲームG)について第2条件が成立した場合にプレイヤに特典が付与される。
【0043】
特典の付与の対象となる特定直線は、ゲームGの開始前に、例えばプレイヤからの指示に応じて複数の直線L1-L8の中から選択される。第2実施形態では、第2条件の成立についてプレイヤが指示した使用量に応じて特定直線が選択される。例えば、使用量の増加により所定値を上回るたびに複数の直線の何れかが特定直線として所定の順番で選択される。したがって、複数の直線が特定直線として選択される場合もある。なお、複数の直線L1-L8のうち任意の直線を、操作装置23に対する操作によりプレイヤが特定直線として選択してもよい。プレイヤは、特定直線について遊技価値の使用量を設定する。また、複数の直線L1-L8からゲーム制御部312が特定直線をランダムに選択してもよい。
【0044】
第2実施形態では、図6のステップSa9において、第1実施形態と同様に、第1条件が成立したと判定された各ゲームGについて、プレイヤに遊技価値が付与される。また、第2実施形態では、ステップSa7において第2条件が成立し、かつ、当該第2条件が成立した直線Lが特定直線である場合に、プレイヤに遊技価値が付与される。第2条件が成立した直線Lが特定直線でない場合には、遊技価値は付与されない。すなわち、第2実施形態の特典付与部316は、複数のゲームG1-G9のうち1以上のゲームGに関する特定の組合せについて第2条件が成立した場合に特典を付与する。
【0045】
第2実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。第2実施形態では、複数のゲームG1-G9のうち1以上のゲームGに関する特定の組合せについて第2条件が成立した場合に特典が付与されるから、当該組合せに関わらず第2条件が成立すれば特典が付与される構成と比較して、興趣性が高いゲームが提供される。
【0046】
[第3実施形態]
図7は、本発明の第3実施形態に係るゲームシステム100Bの構成を例示するブロック図である。第3実施形態のゲームシステム100Bは、スマートフォンまたはパーソナルコンピュータ等の情報端末である。ゲームに専用される可搬型のゲーム機器をゲームシステム100Bとして利用してもよい。図7に例示される通り、ゲームシステム100Bは、制御装置51と記憶装置52と表示装置53と操作装置54とを具備する。
【0047】
制御装置51は、例えばCPU等の処理回路で構成され、ゲームシステム100Bの各要素を統括的に制御する。記憶装置52は、制御装置51が実行するプログラムと制御装置51が使用する各種のデータとを記憶する。例えば半導体記録媒体および磁気記録媒体等の公知の記録媒体、または複数種の記録媒体の組合せが、記憶装置52として任意に採用される。表示装置53は、制御装置51による制御のもとで各種の画像を表示する。操作装置54は、プレイヤによる操作を受付ける。例えば表示装置53の表示面と一体に構成されたタッチパネルが操作装置54として好適に利用される。
【0048】
制御装置51は、記憶装置52に記憶されたプログラムを実行することで、抽選処理部310、ゲーム制御部312、配列制御部314、条件判定部315、特典付与部316および表示制御部313として機能する。抽選処理部310は、第1実施形態と同様に、複数の番号の何れかを抽選により順次に決定する。第1実施形態の抽選処理部は、抽選機構10を利用した物理抽選を実行するのに対し、第3実施形態の抽選処理部310は、制御装置51による演算処理を利用した電子抽選により当選番号を決定する。電子抽選は、例えば乱数の発生により当選番号を確率的に決定する情報処理である。第2実施形態の表示制御部313は、各単位画像Pを表示するとともに、抽選の過程を表す画像を表示装置53に表示させる。例えば第1実施形態の抽選機構10を表す画像が表示装置53に表示される。
【0049】
ゲーム制御部312、配列制御部314、条件判定部315および特典付与部316は、第1実施形態と同様の処理を実行する。したがって、第2条件が成立した場合にプレイヤに特典が付与される。第3実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。なお、第2実施形態の構成を第3実施形態のゲームシステム100Bに適用してもよい。
【0050】
[変形例]
以上に例示した各形態は多様に変形され得る。前述の各形態に適用され得る具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様を、相互に矛盾しない範囲で併合してもよい。
【0051】
(1)前述の各形態では、複数の番号の何れかを抽選により決定する構成を例示したが、抽選により決定される要素(抽選要素)は番号に限定されない。例えば文字、記号、色彩、模様または絵柄等の各種のシンボルを抽選要素として、複数の候補から抽選により決定してもよい。以上の説明から理解される通り、抽選処理部が実行する抽選の典型例は、複数の抽選要素の何れかを決定する処理である。また、複数回にわたる抽選のうち一部の抽選では、複数の抽選要素の何れかをプレイヤが選択できるようにしてもよい。例えば所定のアイテムを使用したプレイヤが抽選要素を選択する権利を獲得する構成が想定される。
【0052】
(2)前述の各形態では、複数の抽選孔Hの何れかに抽選媒体Bを進入させるルーレット方式の抽選を例示したが、抽選処理部が実行する抽選の方式は以上の例示に限定されない。例えば、相異なる抽選要素が各面に表記された多面体(ダイス)を転動させる方式の抽選を実行してもよい。多面体が停止した状態における頂面の抽選要素が、抽選の結果として確定される。
【0053】
(3)前述の各形態では、ルールが相違する複数の異種のゲームG1-G9を実行したが、ルールが共通する複数の同種のゲームGを実行してもよい。例えば、9個の同種のゲームG6を実行する場合、オブジェクトの配置はゲームG6毎に相違する。したがって、進行の度合はゲームG6毎に相違する。すなわち、ゲームG6毎に第1条件の成立の可否も相違する。ゲームGの種類は、例えば操作装置23に対する操作によりプレイヤが選択してもよい。プレイヤにより選択されるゲームGの種類数は任意である。例えば、ゲームシステム100Aにより実行させる9個のゲームG1-G9のうち、4つをゲームG6に設定し、5つをゲームG5に設定することも可能である。
【0054】
(4)前述の各形態では、第1条件の成立と第2条件の成立とについて遊技価値を特典としてプレイヤに付与したが、プレイヤに付与する特典は遊技価値に限定されない。例えば、特典付与部316は、ゲーム内で使用するアイテムを特典としてプレイヤに付与してもよい。また、特別なゲームをプレイする権利を特典としてプレイヤに付与してもよい。特別なゲームは、例えば大量の遊技価値(いわゆるジャックポット)を獲得可能な抽選ゲームである。すなわち、「遊技価値の付与」には、第1条件または第2条件の成立に対して直接的に遊技価値が付与される場合と、遊技価値を獲得可能なゲームをプレイする権利により間接的に遊技価値が付与される場合との双方が含まれる。また、第2条件の成立に対して付与される特典の内容を直線L毎に相違させてもよい。以上の例示から理解される通り、特典は、ゲームに関するプレイヤにとっての利益として包括的に表現される。
【0055】
(5)前述の各形態では、複数のゲームG1-G9について行列状の配列を規定したが、配列制御部314が複数のゲームG1-G9について規定する配列は以上の例示に限定されない。例えば複数のゲームG1-G9について直線状または曲線状の配列を規定してもよい。また、前述の各形態では、第1条件が成立した2以上のゲームGが直線状に配列することを第2条件として例示したが、第2条件は配列制御部314が規定する配列の態様に応じて適宜に変更し得る。例えば、直線状または曲線状の配列を配列制御部314が規定した場合には、当該配列の特定の範囲内に位置するゲームGについて第1条件が成立することを第2条件としてもよい。
【0056】
(6)前述の各形態では、第1条件が成立したゲームGが特定の組合せ(すなわちビンゴ成立)であることであることを第2条件としたが、第2条件は以上の例示に限定されない。例えば以下に例示する条件を第2条件としてもよい。
【0057】
[A]第1条件が成立したゲームGが特定のゲーム(以下「特定ゲーム」という)であることを第2条件としてもよい。例えば、複数のゲームG1-G9のなかから特定ゲームがゲームの開始前に設定される。ゲーム制御部312が複数のゲームG1-G9から特定ゲームをランダムに選択してもよいし、複数のゲームG1-G9から特定ゲームをプレイヤが選択してもよい。なお、複数の特定ゲームを選択してもよい。特定ゲームの総数に比例した数量の遊技価値をプレイヤに付与してもよい。
【0058】
[B]第1条件が成立したゲームGの総数が所定値に到達したことを第2条件としてもよい。所定値は、事前に設定された固定値を使用してもよいし、プレイヤが任意に設定してもよい。プレイヤが所定値を設定する構成では、所定値に比例した量の遊技価値をプレイヤに付与してもよい。
【0059】
[C]複数のゲームG1-G9のうち2以上のゲームGについて特定の順番により第1条件が成立することを第2条件としてもよい。例えば、順番は、ゲーム制御部312が設定してもよいし、プレイヤが任意に設定してもよい。
【0060】
以上の説明から理解される通り、複数のゲームG1-G9について規定された配列とは無関係の条件を第2条件としてもよい。すなわち、配列制御部314は本発明において必須ではない。なお、当該配列とは無関係の条件を第2条件とする構成では、領域R1に表示される単位画像Pの配列は任意に設定される。
【0061】
(7)前述の各形態において、配列制御部314は、プレイヤからの指示に応じて、複数のゲームG1-G9について配列(すなわち複数の単位画像P1-P9の配列)を規定してもよい。プレイヤは、操作装置23に対する操作により、領域R1に表示される単位画像Pの配列を指示する。例えば、プレイヤは、領域R1内の行列の各要素に任意の単位画像Pを配置する。すなわち、ゲームGの配列が規定される。配列制御部314がプレイヤからの指示に応じて配列を規定する構成では、プレイヤが指示した配列に関する条件が第2条件として判定されるから、興趣性の高いゲームが提供される。なお、配列制御部314は、プレイ毎に配列を規定してもよいし、複数のプレイで共通に配列を規定してもよい。
【0062】
(8)前述の各形態では、ゲーム制御部312が複数のゲームG1-G9を並行して進行させたが、複数のゲームを並行して進行させることは本発明において必須ではない。例えば、複数のゲームを順番に進行させてもよい。また、前述の各形態では、ゲーム制御部312が9個のゲームGを進行させたが、ゲーム制御部312進行させるゲームGの総数は任意である。
【0063】
(9)前述の各形態では、ゲームGの進行に連動して変化する画像を単位画像Pとして領域R1に表示したが、領域R1に表示される単位画像Pは以上の画像に限定されない。例えば、ゲームGの進行によらない固定の画像(すなわちゲームGを表すアイコン)を単位画像Pとして表示する構成や、ゲームGを簡素化して表した画像を単位画像Pとして表示する構成も採用される。本発明においてゲームGの進行に連動して変化する単位画像Pを領域R1に表示することは必須ではない。
【0064】
(10)前述の各形態では、配列制御部314が規定する配列により複数の単位画像P1-P9を表示したが、配列制御部314が規定する配列とは無関係に複数の単位画像P1-P9を領域R1に表示してもよい。
【0065】
(11)前述の各形態では、抽選処理部による抽選結果に応じて各ゲームGを進行させたが、例えば遊技価値の使用量、または、プレイヤによる操作装置23に対する操作に応じて各ゲームGを進行させてもよい。すなわち、抽選処理部による抽選は本発明において必須ではない。
【0066】
(12)前述の各形態において、第2条件が成立した直線L上に位置する各ゲームGの使用量に応じて、当該第2条件の成立について付与される遊技価値の量を変化させてもよい。例えば直線L上に位置する各ゲームGの使用量の合計値に比例して、第2条件の成立により付与される遊技価値の量を増加させてもよい。
【0067】
(13)前述の各形態では、単体の装置(ゲーム装置)として構成されるゲームシステム100(100A,100B)を例示したが、相互に別体で形成された複数の装置によりゲームシステム100を構成してもよい。また、ゲームシステム100の機能の一部を、当該ゲームシステム100と通信可能なサーバ装置により実現してもよい。
【0068】
(14)前述の各形態では、各ゲームGについて遊技価値の使用の有無が設定されたが、各ゲームGについて遊技価値の使用の有無を設定することは本発明において必須ではない。すなわち、第2条件の成否の判定について、遊技価値の使用が設定されたゲームGであるか否かを加味することは省略される。
【0069】
(15)前述の各形態では、第2条件の成立について遊技価値の使用の有無が設定されたが、第2条件の成立について遊技価値の使用の有無を設定することは本発明において必須ではない。したがって、第2条件が成立したと条件判定部315により判定されれば、遊技価値が付与される。すなわち、遊戯価値の付与において、第2条の成立について遊技価値の使用が設定されているか否かを加味することは必須ではない。
【0070】
なお、特典付与部316は、第2条件が成立したと条件判定部315が判定し、かつ、第2条件の成立について設定された使用量が所定値を上回る場合に、特典を付与してもよい。また、特典付与部316は、第2条件が成立したと条件判定部315が判定し、かつ、第1条件が成立したゲームGについてプレイヤに付与される遊技価値の数量が所定値を上回る場合に、特典を付与してもよい。以上の説明から理解される通り、第2条件の成立に加えて、任意の条件(例えば第2条件の成立について遊技価値の使用が設定されていること)をプレイヤに特典を付与するための条件として設定してもよい。
【0071】
(16)前述の各形態では、第2条件の成立について遊技価値の使用量が設定されたが、第2条件の成立について遊技価値の使用量を設定することは本発明において必須ではない。
【0072】
(17)前述の各形態では、第1条件の成立と第2条件の成立とについて、使用量に応じた特典をプレイヤに付与したが、使用量に関わらずに特典を付与してもよい。
【0073】
(18)前述の各形態では、第2条件の成立について設定された使用量に応じて、プレイヤに付与する遊技価値を量的に変化させたが、第2条件の成立について設定された使用量に応じて、プレイヤに付与する遊技価値を質的に変化させてもよい。例えば使用量に応じた種類のゲームをプレイする権利、または、使用量に応じたアイテムを付与してもよい。
【0074】
(19)前述の各形態では、ゲーム制御部312による制御の対象となる複数のゲームの全てについて第1条件の成否が判定されたが、複数のゲームG1-G9のうちの一部について第1条件の成否を判定してもよい。例えば、ゲーム制御部312は、複数のゲームG1-G9のうち遊技価値の使用が設定されたゲームGについて第1条件の成否を判定してもよい。すなわち、遊技価値の使用量が設定されたゲームGのみが第1条件の成否の判定の対象となる。以上の構成では、第1条件が成立したゲームGについて遊技価値の使用の有無を判定する処理が条件判定部315において省略されるから、条件判定部315における処理が簡素化される。以上の説明から理解される通り、各ゲームGについて遊技価値の使用が設定されているか否かを判定する処理は、ゲーム制御部321による第1条件の成否を判定する処理の前に実行しても、後に実行してもよい。なお、複数のゲームG1-G9のうち設定された使用量が所定値を上回るゲームGについてのみ第1条件の成否を判定してもよい。
【0075】
(20)前述の各形態において、第2条件の成立について遊技価値の使用が設定されている場合にのみ、条件判定部315により第2条件の成否を判定してもよい。すなわち、第2条件の成立について遊技価値の使用が設定されていない場合には、条件判定部315による処理が省略される。以上の構成では、第2条件の成立について遊技価値の使用の有無を判定する処理が特典付与部316において省略されるから、特典付与部316おける処理が簡素化される。以上の説明から理解される通り、第2条件の成立について遊技価値の使用が設定されているか否かを判定する処理は、条件判定部315による第2条件の成否を判定する処理の前に実行しても、後に実行してもよい。なお、第2条件の成立について設定された使用量が所定値を上回る場合にのみ、条件判定部315による第2条件の成否を判定してもよい。
【0076】
(21)第1実施形態における管理システム30の機能は、前述の通り、制御装置31等の処理回路とプログラムとの協働により実現される。また、第3実施形態におけるゲームシステム100Bの機能は、前述の通り、制御装置51等の処理回路とプログラムとの協働により実現される。前述の各形態に係るプログラムは、コンピュータが読取可能な記録媒体に格納された形態で提供されてコンピュータにインストールされ得る。記録媒体は、例えば非一過性(non-transitory)の記録媒体であり、CD-ROM等の光学式記録媒体(光ディスク)が好例であるが、半導体記録媒体または磁気記録媒体等の公知の任意の形式の記録媒体も包含される。なお、非一過性の記録媒体とは、一過性の伝搬信号(transitory, propagating signal)を除く任意の記録媒体を含み、揮発性の記録媒体も除外されない。また、通信網を介した配信の形態でプログラムをコンピュータに提供してもよい。
【0077】
[付記]
以上の記載から、例えば以下のように本発明の好適な態様が把握される。なお、各態様の理解を容易にするために、以下では、図面の符号を便宜的に括弧書で併記するが、本発明を図示の態様に限定する趣旨ではない。
【0078】
[付記1]
本発明の好適な態様(付記1)に係るゲームシステム(100)は、複数のゲーム(G)の各々を進行させ、遊技価値をプレイヤに付与するための第1条件が成立したか否かをゲーム(G)毎に判定するゲーム制御部(312)と、前記複数のゲーム(G)のうち前記第1条件が成立したゲーム(G)に関する第2条件が成立したか否を判定する条件判定部(315)と、前記第2条件が成立したと前記条件判定部(315)が判定した場合にプレイヤに特典を付与する特典付与部(316)とを具備する。
【0079】
以上の態様によれば、複数のゲーム(G)のうち第1条件が成立したゲーム(G)に関する第2条件が成立した場合にプレイヤに特典が付与されるから、ゲーム(G)毎の第1条件の成立に対する期待感だけでなく、第1条件が成立したゲーム(G)に関する第2条件の成立に対する期待感をプレイヤに付与することができる。また、複数のゲーム(G)の各々が個別に進行するほか、複数のゲーム(G)の全体としてもゲームとして成立する。したがって、長時間にわたり飽きにくい興趣性の高いゲームが提供される。
【0080】
「複数のゲーム(G)」は、同種のゲーム(G)(例えばルールが共通するゲーム(G))でも異種のゲーム(G)(例えばルールが相違するゲーム(G))でもよい。例えば、数字の配列が異なる複数のビンゴゲーム(同種のゲーム(G))を実行する場合や、ルールが異なる複数種のゲーム(G)を実行する場合が含まれる。「遊技価値」は、ゲームシステムを利用したゲームにおいて獲得の目標となる価値であり、例えば有体的な価値媒体(トークンコイン)、または、無体的な遊技価値(クレジット)を含む。「特典」は、ゲームに関するプレイヤにとっての利益であり、例えば、遊技価値、ゲーム内で使用するアイテム、または、特別なゲームをプレイする権利を含む。「第1条件」は、個々のゲーム(G)について判定される条件である。第1条件の成否はゲーム(G)毎に異なる。
【0081】
「第2条件」は、プレイヤに特典を付与するための条件であり、
(1)第1条件が成立したゲーム(G)が特定の組合せ(例えばビンゴ成立)であること(2)第1条件が成立したゲーム(G)が特定のゲーム(G)であること
(3)第1条件が成立したゲーム(G)の総数が所定値に到達したこと
(4)特定の順番により第1条件が成立したこと
を含む。
【0082】
[付記2]
付記1の好適な態様(付記2)において、前記各ゲーム(G)については、遊技価値の使用の有無が設定され、前記条件判定部(315)は、第1条件が成立し、かつ、前記遊技価値の使用が設定されたゲーム(G)について前記第2条件が成立したか否かを判定する。以上の態様によれば、各ゲームに対する遊技価値の使用の有無に応じて特典が付与されるか否かが変化する。したがって、遊技価値の使用を促進できるとともに、興趣性の高いゲームが提供される。
【0083】
[付記3]
付記1または付記2の好適な態様(付記3)において、前記第2条件の成立については、遊技価値の使用の有無が設定され、前記特典付与部(316)は、前記第2条件が成立したと前記条件判定部(315)が判定し、かつ、前記第2条件の成立について前記遊技価値の使用が設定されている場合に、前記特典を付与する。以上の態様によれば、第2条件の成立に対する遊技価値の使用の有無に応じて特典が付与されるか否かが変化する。したがって、遊技価値の使用を促進できるとともに、興趣性の高いゲーム(G)が提供される。
【0084】
[付記4]
付記3の好適な態様(付記4)において、前記第2条件の成立については、前記遊技価値の使用量が設定され、前記特典付与部(316)は、前記使用量に応じた特典を付与する。以上の態様によれば、遊技価値の使用量に応じた特典が付与されるから、遊技価値の使用を促進できる。
【0085】
「使用量に応じた特典」は、使用量に応じて特典を量的または質的に変化させることを意味する。特典の量的な変化は、例えば使用量に応じて特典(例えば遊技価値)の数量を変化させることである。特典の質的な変化は、例えば使用量に応じて特典の種類を変化させることである。例えば使用量に応じた種類のゲームをプレイする権利を付与することが例示できる。
【0086】
[付記5]
付記1から付記4の何れかの好適な態様(付記5)において、前記特典付与部(316)は、前記複数のゲーム(G)のうち1以上のゲーム(G)に関する特定の組合せについて前記第2条件が成立した場合に前記特典を付与する。以上の態様によれば、複数のゲーム(G)のうち1以上のゲーム(G)に関する特定の組合せについて第2条件が成立した場合に特典が付与されるから、当該組合せに関わらず第2条件が成立すれば特典が付与される構成を比較して、興趣性の高いゲームを提供することが可能である。
【0087】
「1以上のゲーム(G)に関する特定の組合せ」は、例えば遊技価値の所定量を使用すること(すなわちベット)がプレイヤにより指示された組合せである。
【0088】
[付記6]
付記1から付記7の何れかの好適な態様(付記3)において、前記ゲーム制御部(312)は、前記複数のゲーム(G)を並行して進行させる。以上の態様によれば、複数のゲーム(G)が並行して進行するから、各ゲーム(G)における第1条件の成立の成否が複数のゲーム(G)にわたり並行して判定される。したがって、複数のゲームが一斉に進行し、プレイヤに期待感を付与することができるという効果が顕著である。また、例えば、複数のゲーム(G)が順番に進行する構成と比較して、第2条件の成立の成否の判定までの時間を短縮できる。
【0089】
[付記7]
付記6の好適な態様(付記7)において、複数の抽選要素の何れかを抽選により決定する抽選処理部(10,311,310)を具備し、前記ゲーム制御部(312)は、前記抽選処理部(10,311,310)による抽選の結果に応じて前記複数のゲーム(G)を並行して進行させる。以上の態様によれば、複数の抽選要素の何れかを決定する抽選の結果に応じて複数のゲーム(G)が並行して進行するから、抽選結果が複数のゲーム(G)にわたり共用される。したがって、複数のゲーム(G)の各々について個別に抽選を実行する構成と比較して、抽選に必要な処理負荷を軽減できる。
【0090】
「抽選要素」は、抽選により選択される要素であり、例えばルーレットにおける番号、またはスロットにおける絵柄である。「抽選処理部」が実行する抽選は、有体物である抽選機構を利用した物理抽選(例えばルーレット)でもよいし、演算処理による電子抽選でもよい。
【0091】
[付記8]
付記1から付記7の何れかの好適な態様(付記8)において、前記複数のゲーム(G)をそれぞれ表わす複数の画像(P)の配列を規定する配列制御部(314)と、前記配列制御部(314)が規定する配列により前記複数の画像(P)を表示装置(22)に表示させる表示制御部(313)とを具備し、前記第2条件は、前記第1条件が成立した2以上のゲーム(G)を表す画像(P)の配列に関する条件である。以上の態様によれば、第1条件が成立した2以上のゲーム(G)を表す画像(P)の配列に関する条件が第2条件として規定されるから、第2条件の成否をプレイヤが直感的に把握できる。
【0092】
「配列に関する条件」は、例えば複数のゲーム(G)を表す画像(P)が行列状に配列された場合には、第1条件が成立した2以上のゲーム(G)を表す画像(P)が直線状に配列すること(すなわちビンゴ)である。
【0093】
[付記9]
付記8の好適な態様(付記9)において、前記配列制御部(314)は、プレイヤからの指示に応じて前記配列を規定する。以上の態様によれば、プレイヤからの指定に応じた配列に関する条件が第2条件として設定されるから、興趣性の高いゲームが提供される。
【0094】
[付記10]
付記8または付記9の好適な態様(付記10)において、前記複数の画像(P)の各々は、前記ゲーム(G)の進行に連動して変化する画像である。以上の態様によれば、各ゲーム(G)の進行に連動して変化する画像が表示されるから、プレイヤが複数のゲーム(G)の進行を並行して把握することができる。
【0095】
[付記11]
本発明の好適な態様(付記11)に係るプログラムは、複数のゲーム(G)の各々を進行させ、遊技価値をプレイヤに付与するための第1条件が成立したか否かをゲーム(G)毎に判定するゲーム制御部(312)、前記複数のゲーム(G)のうち前記第1条件が成立したゲーム(G)に関する第2条件が成立したか否を判定する条件判定部(315)、および、前記第2条件が成立したと前記条件判定部(315)が判定した場合にプレイヤに特典を付与する特典付与部(316)としてコンピュータを機能させる。
【符号の説明】
【0096】
100(100A,100B)…ゲームシステム、10…抽選機構、11…物理抽選部、12…抽選フィールド、13…投入機構、20…ステーション、21…受付部、22…表示装置、23…操作装置、30…管理システム、31…制御装置、310…抽選処理部、311…抽選制御部、312…ゲーム制御部、313…表示制御部、314…配列制御部、315…条件判定部、316…特典付与部、32…記憶装置、51…制御装置、52…記憶装置、53…表示装置、54…操作装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7