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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】車載機器取付構造
(51)【国際特許分類】
   B60R 11/02 20060101AFI20221129BHJP
   B60R 1/24 20220101ALI20221129BHJP
   F16B 5/06 20060101ALI20221129BHJP
【FI】
B60R11/02 C
B60R1/24
F16B5/06 A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019224035
(22)【出願日】2019-12-11
(65)【公開番号】P2021091338
(43)【公開日】2021-06-17
【審査請求日】2021-11-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000135209
【氏名又は名称】株式会社ニフコ
(73)【特許権者】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】武田 直也
(72)【発明者】
【氏名】福本 充
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 聡
【審査官】浅野 麻木
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-077267(JP,A)
【文献】特開2018-144712(JP,A)
【文献】特開2019-006149(JP,A)
【文献】特開2017-171167(JP,A)
【文献】特開2004-149071(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 11/02
B60R 1/00
F16B 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室内に設けられるブラケットと、前記ブラケットに取り付けられる車載機器と、を備える車載機器取付構造であって、
前記車載機器に設けられた係合突起と、
前記ブラケットに設けられ、前記係合突起が該係合突起の突出方向と直交する方向から嵌る係合凹部と、
一端が前記ブラケットに固定され、他端が自由端とされ、前記ブラケットとの間に前記係合突起を前記係合凹部へ案内する案内路を形成すると共に、前記係合凹部に嵌った前記係合突起を前記係合凹部へ向けて付勢する板状の付勢部材と、
前記ブラケットに第1位置から第2位置へ移動可能に設けられ、前記第1位置では前記付勢部材と非接触であり、第2位置では前記付勢部材の他端側を押して前記案内路の入口の幅を狭める、押圧部材と、
を備える車載機器取付構造。
【請求項2】
前記付勢部材の他端側には、前記案内路を狭めるように突出する曲がり部が形成されている、請求項1に記載の車載機器取付構造。
【請求項3】
前記押圧部材が前記第2位置にあるときの前記曲がり部に対応する部分の前記案内路の幅が、前記係合突起の前記直交する方向の断面における最小幅以下である、請求項2に記載の車載機器取付構造。
【請求項4】
前記ブラケットには、前記係合凹部に隣接して支持壁が設けられており、
前記押圧部材は、前記係合突起の突出方向と平行に前記第1位置と前記第2位置との間をスライド移動可能に前記支持壁に支持されている、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の車載機器取付構造。
【請求項5】
前記押圧部材は、金属製である、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の車載機器取付構造。
【請求項6】
前記車載機器は、車両前方を撮影するカメラである、請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の車載機器取付構造。
【請求項7】
前記ブラケットは、樹脂製であり、車両用のフロントガラスに接着されている、請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の車載機器取付構造。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載機器取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車載機器としてのカメラをカメラ用のブラケットに取り付ける取付構造について開示されている。この取付構造では、カメラに設けられた係合突起がブラケットに設けられた被係合部に板バネによって押し付けられている。この板バネは、弾性変形範囲内で係合突起を被係合部に向けて付勢するため、カメラがブラケットに安定して装着されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-171167号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1の取付構造では、係合突起を板バネのバネ力(弾性力)によって被係合部に押し付けているため、車両衝突時などにカメラに伝わる衝突荷重の大きさによっては、カメラがブラケットから外れる虞がある。このため、ブラケットからカメラが外れるのを抑制するために、板バネのバネ力を向上させる方法が考えられるが、バネ力を向上させた場合、係合突起を被係合部と板バネとの間に挿し入れるときの挿入力が上がる。これにより、カメラをブラケットに取り付ける際の作業性が低下する。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、ブラケットに車載機器を取り付ける際の作業性を向上させると共に衝突荷重によって車載機器がブラケットから外れるのを抑制する車載機器取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様の車載機器取付構造は、車室内に設けられるブラケットと、前記ブラケットに取り付けられる車載機器と、を備える車載機器取付構造であって、前記車載機器に設けられた係合突起と、前記ブラケットに設けられ、前記係合突起が該係合突起の突出方向と直交する方向から嵌る係合凹部と、一端が前記ブラケットに固定され、他端が自由端とされ、前記ブラケットとの間に前記係合突起を前記係合凹部へ案内する案内路を形成すると共に、前記係合凹部に嵌った前記係合突起を前記係合凹部へ向けて付勢する板状の付勢部材と、前記ブラケットに第1位置から第2位置へ移動可能に設けられ、前記第1位置では前記付勢部材と非接触であり、第2位置では前記付勢部材の他端側を押して前記案内路の入口の幅を狭める、押圧部材と、を備える。
【0007】
第1態様の車載機器取付構造では、まず、押圧部材を第1位置に配置した状態で、車載機器の係合突起を案内路の入口から挿し込み、案内路を通して係合凹部まで移動させて、係合突起を突出方向と直交する方向から係合凹部に嵌める。そして、係合突起が係合凹部に嵌った状態では、付勢部材によって係合突起が係合凹部へ向けて付勢される。
ここで、押圧部材が第1位置に配置された状態では、付勢部材の他端が自由端(自由状態)のため、例えば、付勢部材の他端が拘束状態の構造と比べて、係合突起を案内路の入口から係合凹部まで挿し入れるときの挿入力を低減することができる。これにより、ブラケットに車載機器を取り付ける際の作業性が向上する。
【0008】
次に、係合突起が係合凹部に嵌った状態で押圧部材を第1位置から第2位置へ移動させる。押圧部材を第2位置に移動させた状態では、押圧部材によって付勢部材の他端側が押されて案内路の入口の幅が狭くなる。
ここで、押圧部材が第2位置に配置された状態では、付勢部材の他端側が押圧部材によって押されて案内路の入口の幅が狭くなる、すなわち、付勢部材の他端側が案内路の入口の幅が狭くなるように押圧部材によって押される。このため、係合凹部に嵌った係合突起に対して作用する付勢部材の付勢力が向上し、係合凹部から係合突起が抜け出るのが抑制される。これにより、衝突荷重によって車載機器がブラケットから外れるのが抑制される。
【0009】
上記車載機器取付構造によれば、押圧部材を第1位置から第2位置へ移動させることで、係合突起に作用する付勢部材の付勢力を向上できる。このため、例えば、付勢力を向上させた付勢部材を用いる構造と比べて、押圧部材を第1位置に配置した状態では、係合突起の挿入力を低減してブラケットに車載機器を取り付ける際の作業性を向上することができる。また、押圧部材を第2位置に配置した状態では、係合突起に作用する付勢部材の付勢力を向上させて係合凹部から係合突起が抜け出るのを抑制し、衝突荷重によって車載機器がブラケットから外れるのを抑制することができる。
【0010】
本発明の第2態様の車載機器取付構造は、第1態様の車載機器取付構造において、前記付勢部材の他端側には、前記案内路を狭めるように突出する曲がり部が形成されている。
【0011】
第2態様の車載機器取付構造では、付勢部材の他端側に案内路を狭めるように突出する曲がり部が形成されているため、係合突起の案内路からの抜け出しが曲がり部との当接によって抑制される。これにより、案内路から係合突起が抜け出るのが抑制されるため、衝突荷重によって車載機器がブラケットから外れるのが更に抑制される。
【0012】
本発明の第3態様の車載機器取付構造は、第2態様の車載機器取付構造において、前記押圧部材が前記第2位置にあるときの前記曲がり部に対応する部分の前記案内路の幅が、前記係合突起の前記直交する方向の断面における最小幅以下である。
【0013】
第3態様の車載機器取付構造では、押圧部材が第2位置にあるときの曲がり部に対応する部分の案内路の幅を係合突起の突出方向と直交する方向の断面における最小幅以下にしていることから、係合突起の案内路からの抜け出しが曲がり部との当接によって阻止される。これにより、案内路から係合突起が抜け出るのが阻止されるため、衝突荷重によって車載機器がブラケットから外れるのが阻止される。
【0014】
本発明の第4態様の車載機器取付構造は、第1態様~第3態様のいずれか一態様の車載機器取付構造において、前記ブラケットには、前記係合凹部に隣接して支持壁が設けられており、前記押圧部材は、前記係合突起の突出方向と平行に前記第1位置と前記第2位置との間をスライド移動可能に前記支持壁に支持されている。
【0015】
第4態様の車載機器取付構造では、押圧部材が係合突起の突出方向と平行に第1位置と第2位置との間をスライド移動可能に支持壁に支持されていることから、簡単な操作(スライド操作)で係合凹部から係合突起が抜け出るのを抑制することができる。
【0016】
本発明の第5態様の車載機器取付構造は、第1態様~第4態様のいずれか一態様の車載機器取付構造において、前記押圧部材は、金属製である。
【0017】
第5態様の車載機器取付構造では、押圧部材を金属製としていることから、第2位置において付勢部材から付勢力を受け続けても、樹脂材料のクリープ現象のような変形を生じない。このため、衝突荷重によって車載機器がブラケットから外れるのを抑制する効果を長期に亘って維持することができる。
【0018】
本発明の第6態様の車載機器取付構造は、第1態様~第5態様のいずれか一態様の車載機器取付構造において、前記車載機器は、車両前方を撮影するカメラである。
【0019】
第6態様の車載機器取付構造では、衝突荷重によって車両前方を撮影するカメラがブラケットから外れるのが抑制されるため、ブラケットから外れることによるカメラの損傷を防止することができる。また、カメラをブラケットに取り付けた状態では、押圧部材が第2位置に移動しているため、係合突起に作用する付勢部材の付勢力が向上している。このため、車両走行時においてブラケットに対するカメラの振れを抑制できる。
【0020】
本発明の第7態様の車載機器取付構造は、第1態様~第6態様のいずれか一態様の車載機器取付構造において、前記ブラケットは、樹脂製であり、車両用のフロントガラスに接着されている。
【0021】
第7態様の車載機器取付構造では、ブラケットを樹脂製としていることから、ブラケットが軽量であり、フロントガラスに接着により固定できる。ここで、車載機器が車両前方を撮影するカメラ等のセンサーの場合、ブラケットを介してフロントガラスに固定することで、車両前方の情報をより正確に得ることが可能になる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、ブラケットに車載機器を取り付ける際の作業性を向上させると共に衝突荷重によって車載機器がブラケットから外れるのを抑制する車載機器取付構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施形態に係る車載機器取付構造を示す斜視図である。
図2図1に示すブラケットを表面側から見た平面図である。
図3図1に示す車載機器の斜視図である。
図4図2の矢印4で指し示す部分の拡大斜視図である。
図5図2の矢印5で指し示す部分の拡大斜視図である。
図6図2の矢印4で指し示す部分をブラケットの長手方向から見た側面図である。
図7図6に示すブラケットの係合凹部に一方の係合突起を嵌めた状態を示す側面図である。
図8図7に示すブラケットの押圧部材を第1位置から第2位置に移動させて付勢部材の他端を押し下げ、一方の係合突起を係合凹部に拘束した状態を示す側面図である。
図9】ブラケットの押圧部材を第1位置から第2位置に移動させて付勢部材の他端を押し下げ、他方の係合突起を係合凹部に拘束した状態を示す側面図(図8に対応する側面図)である。
図10図8に示すブラケットの斜視図(図4と同じ角度で見た斜視図)である。
図11図2の矢印5で指し示す部分をブラケットの長手方向に沿って切断した断面図である。
図12図2の12-12線に沿った断面図であり、ウインドガラスに接着されたブラケットに車載機器を取り付けた状態を示している。
図13】本発明のその他の実施形態に係る車載機器取付構造において、ブラケットの係合凹部に一方の係合突起を嵌めた状態を示す側面図(図7に対応する側面図)である。
図14図13に示すブラケットの押圧部材を第1位置から第2位置に移動させて付勢部材の他端を押し下げ、一方の係合突起を係合凹部に拘束した状態を示す側面図(図8に対応する側面図)である。
図15】ブラケットの押圧部材を第1位置から第2位置に移動させて付勢部材の他端を押し下げ、他方の係合突起を係合凹部に拘束した状態を示す側面図(図14に対応する側面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
次に、図面を用いて本発明の一実施形態に係る車載機器取付構造を説明する。
【0025】
図1及び図12に示されるように、本実施形態の車載機器取付構造S1(以下、適宜「取付構造S1」と記載する。)は、車室内に設けられるブラケット30に車載機器20を取り付けるための取付構造である。この取付構造S1は、車載機器20と、ブラケット30とを備えている。
【0026】
<車載機器>
車載機器20は、図3及び図12に示されるように、ブラケット30を介して車室内に固定される電子機器である。本実施形態では、車載機器20として、車両前方を撮影するステレオカメラを用いている。なお、本発明は上記構成に限定されず、車載機器として運転支援用の各種センサー(例えば、モノカメラ、ライダ)を用いてもよいし、ドライブレコーダや電波を受信するアンテナ(例えば、GPSアンテナ、ラジオアンテナ、テレビアンテナ)を用いてもよい。また、車載機器として、上記各種センサー、ドライブレコーダ及びアンテナを種々組み合わせた複合機器を用いてもよい。
【0027】
また、本実施形態の車載機器20は、ハウジング22と、ハウジング22に取り付けられた2つのカメラ24と、ハウジング22に設けられた係合突起26、28と、を備えている。
【0028】
ハウジング22は、樹脂製であり、長手方向(図3では矢印EL方向)の両端部にカメラ24を収容する収容部22Aがそれぞれ形成されている。これらの収容部22Aは、ハウジング22の長手方向(以下、適宜「長手方向EL」と記載する。)の中間部22Bよりも厚みが厚くなっている。また、収容部22Aのハウジング22の幅方向(図3では矢印EW方向)の一方側の周壁22Cからカメラ24のレンズ部24Aが露出している。また、ハウジング22の内部には、2つのカメラ24用の配線類が収められている。
【0029】
2つのカメラ24は、ハウジング22の長手方向ELに間隔をあけて配置されており、各々のレンズ部24Aがハウジング22の幅方向(以下、適宜「幅方向EW」と記載する。)の一方側を向いている。なお、ハウジング22を車室内に設けられたブラケット30に取り付けた状態では、2つのカメラ24の各レンズ部24Aが車両前方を向くようになっている。
【0030】
(係合突起)
係合突起26、28は、ハウジング22をブラケット30へ取り付けるための係合部の一例である。
【0031】
係合突起26は、図3に示されるように、ピン状の突起であり、収容部22Aの長手方向ELの内側(言い換えると、長手方向ELの中央側)の周壁22Dから長手方向ELに沿って突出している。また、長手方向ELの両側の収容部22Aからそれぞれ突出する一対の係合突起26は、互いに同軸となるように各々の収容部22Aに設けられている。言い換えると、一方の係合突起26の軸線の延長線上に他方の係合突起26の軸線が位置するように係合突起26が収容部22Aに設けられている。
【0032】
係合突起28は、図3に示されるように、ピン状の突起であり、収容部22Aの中間部22Bの幅方向EWの一方側の周壁22Dから幅方向EWに沿って突出している。
【0033】
<ブラケット>
ブラケット30は、図2及び図12に示されるように、車両用のウインドガラス100に車載機器20を固定するための部材である。なお、本実施形態では、ブラケット30がウインドガラス100の一例であるフロントガラスに接着される。
【0034】
ブラケット30は、樹脂製であり、長尺な板状に形成されている。以下では、ブラケット30の長手方向を矢印BLで示し、ブラケット30の幅方向を矢印BWで示し、ブラケット30の厚み方向を矢印BTで示す。また、ブラケット30に車載機器20を取り付けた状態では、ブラケット30の長手方向(以下、適宜「長手方向BL」と記載する。)がハウジング22の長手方向ELと略一致(製造誤差含む)し、ブラケット30の幅方向(以下、適宜「幅方向BW」と記載する。)がハウジング22の幅方向EWと略一致(製造ござ)する。さらに、ブラケット30をウインドガラス100に取り付けた状態では、ブラケット30の長手方向BLが車両幅方向と略一致し、ブラケット30の幅方向BWが車両前後方向と略一致する。なお、ブラケット30の幅方向BWの一方側が車両前方(図12における矢印FR方向)にあたる。また、図12における矢印UPは車両上方を示している。
【0035】
ブラケット30は、図2に示されるように、ブラケット片32、34、36と、連結部38、40と、係合凹部42、44、46と、付勢部材48、50、52と、を備えている。また、ブラケット30は、押圧部材60、62と、位置決め部70、72、74と、を備えている。なお、係合凹部42、付勢部材48及び押圧部材60の詳細は図8に示され、係合凹部46、付勢部材52の詳細は図9に示され、係合凹部44、付勢部材50及び押圧部材62の詳細は図11に示されている。なお、ブラケット片32、34、36と、連結部38、40と、係合凹部42、44、46と、位置決め部70、72、74と、はそれぞれ一体に成形されている。
【0036】
(ブラケット片)
ブラケット片32、34、36は、ブラケット30の本体を長手方向BLに分割した部位である。言い換えると、ブラケット片32、34、36は、ブラケット30の長手方向BLに並列されている。なお、本実施形態では、ブラケット片34がブラケット30の長手方向BLの中央に配置され、ブラケット片32、36がブラケット片34の長手方向BLの両側にそれぞれ配置されている。
【0037】
ブラケット片32、34、36は、それぞれ板状に形成されている。
【0038】
また、ブラケット片32、34、36の裏面32B、34B、36Bには、それぞれ接着剤が付与されており、それぞれの裏面32B、34B、36Bをウインドガラス100の内面(車室内側の面)100Aに押し付けることで、ブラケット片32、34、36がウインドガラス100に接着されるようになっている。この接着剤は、ブラケット片の裏面全体に付与してもよいし、裏面に部分的に付与してもよい。なお、本実施形態では、接着剤をブラケット片の裏面に部分的(詳細には、間隔をあけて複数の位置)に付与している。
【0039】
(連結部)
連結部38、40は、図2に示されるように、隣接するブラケット片32、34同士及び隣接するブラケット片34、36同士をそれぞれ相対移動可能に連結する部位である。すなわち、隣接するブラケット片32、34同士が連結部38、40によって連結され、隣接するブラケット片34、36同士が連結部38、40によって連結されている。
【0040】
連結部38は、弾性変形可能な変形部39を有している。この変形部39は、屈曲変形可能な湾曲部である。具体的には、本実施形態の連結部38は、帯状の部位であり、一方のブラケット片から他方のブラケット片へ向けて延びている。この連結部38の延在方向の中央部は、幅方向BWの他方側へ向けて山なりに湾曲している。この湾曲部は屈曲変形可能な部位であり、連結部38の変形部39を構成している。なお、変形部39は、屈曲変形可能であれば、その湾曲形状については限定されない。例えば、変形部39は、幅方向BWの他方側へ向けて円弧状に湾曲する湾曲部でもよいし、幅方向BWの他方側へ向けてU字状に湾曲する湾曲部でもよい。
【0041】
また、変形部39の厚み(厚み方向BTに沿った厚み)は、ブラケット片32の厚みよりも薄い。なお、ここでいう「ブラケット片32の厚み」とは、ブラケット片32の連結部38との連結部分近傍における厚みを指す。また、本実施形態では、ブラケット片34、36の厚みもブラケット片32の厚みと同じ厚みである。
【0042】
連結部40は、弾性変形可能な変形部41を有している。この変形部41は、屈曲変形可能な湾曲部である。具体的には、本実施形態の連結部40は、帯状の部位であり、一方のブラケット片から他方のブラケット片へ向けて延びている。この連結部40の延在方向の中央部は、幅方向BWの一方側へ向けて山なりに湾曲している。この湾曲部は屈曲変形可能な部位であり、連結部40の変形部41を構成している。なお、変形部41は、屈曲変形可能であれば、その湾曲形状については限定されない。例えば、変形部41は、幅方向BWの他方側へ向けて円弧状に湾曲する湾曲部でもよいし、幅方向BWの他方側へ向けてU字状に湾曲する湾曲部でもよい。
【0043】
また、変形部41の厚みは、ブラケット片32の厚みよりも薄い。
【0044】
本実施形態では、2つの連結部38、40が同じ形状であり、隣接する連結部38、40が対称に配置されている。具体的には、隣接するブラケット間で対向する連結部38、40がブラケット30の幅方向BWに対称に配置されている。
【0045】
(係合凹部)
係合凹部42、46は、車載機器20の一対の係合突起26がそれぞれ係合する部位であり、係合凹部44は、車載機器20の係合突起28が係合する部位である。係合凹部42はブラケット片32に設けられ、係合凹部44はブラケット片34に設けられ、係合凹部46はブラケット片36に設けられている。
【0046】
ブラケット片32の表面32Aには、図4及び図6に示されるように、台座33が形成されている。この台座33の上面33Aには、係合凹部42が設けられている。この係合凹部42は、ブラケット30の長手方向BLに沿って延びる溝部であり、対向する凹壁が底部から開口部に向けて溝幅が広がるように傾斜している。また、係合凹部42には、一方の係合突起26が該係合突起26の突出方向と直交する方向から嵌るようになっている。具体的には、係合凹部42には、一方の係合突起26の外周の一部が嵌るようになっている。また、台座33の上面33Aの係合凹部42よりも幅方向BWの他方側の部分が一方の係合突起26を係合凹部42へ案内する案内面33Bを構成している。
【0047】
ブラケット片34の表面34Aには、図5及び図11に示されるように、台座35が形成されている。この台座35の上面35Aには、係合凹部44が設けられている。この係合凹部44は、ブラケット30の幅方向BWに沿って延びる溝部であり、対向する凹壁が底部から開口部に向けて溝幅が広がるように傾斜している。また、係合凹部44には、係合突起28が該係合突起28の突出方向と直交する方向で嵌るようになっている。具体的には、係合凹部44には、係合突起28の外周の一部が嵌るようになっている。また、係合凹部44の底部は、係合突起28を係合凹部44の奥側へ案内する案内面35Bを構成している。
【0048】
ブラケット片36の表面36Aには、図9に示されるように、台座37が形成されている。この台座37の上面37Aには、係合凹部46が設けられている。この係合凹部46は、ブラケット30の長手方向BLに沿って延びる溝部であり、対向する凹壁が底部から開口部に向けて溝幅が広がるように傾斜している。また、係合凹部46には、他方の係合突起26が該係合突起28の突出方向と直交する方向から嵌るようになっている。具体的には、係合凹部46には、他方の係合突起28の外周の一部が嵌るようになっている。また、台座37の上面37Aの係合凹部46よりも幅方向BWの他方側の部分が他方の係合突起28を係合凹部46へ案内する案内面37Bを構成している。
【0049】
(付勢部材)
付勢部材48は、図6に示されるように、係合凹部42に嵌った一方の係合突起26を係合凹部42へ向けて付勢する板状の部材である。具体的には、付勢部材48は、係合凹部42に嵌った一方の係合突起26を嵌った側と反対側から係合凹部42の底部へ向けて付勢するようになっている。なお、本実施形態では、付勢部材48として板ばねを用いている。
【0050】
付勢部材48は、図6に示されるように、台座33の上面33Aに間隔をあけて対向配置されている。この付勢部材48の一端48Aは、ブラケット片32に固定されている。具体的には、付勢部材48の一端48Aは、ブラケット片32の台座33よりも幅方向BWの一方側に該台座33に隣接して設けられた支柱部49に固定されている。また、付勢部材48の他端48Bは、自由端(自由状態)とされている。
【0051】
付勢部材48とブラケット片32の台座33との間には、一方の係合突起26を係合凹部42へ案内する案内路54が形成されている。この案内路54は、具体的には、台座33の案内面33Bと、付勢部材48の板面48Dであって台座33の案内面33Bに対向する部分とで形成されている。
【0052】
また、付勢部材48の他端48B側には、案内路54を狭めるように突出する曲がり部48Cが形成されている。具体的には、付勢部材48は、図6に示されるように、ブラケット30の長手方向BLから見て、支柱部49から幅方向BWの他方側に向けて延び、途中で台座33に向けて略V字状に折れ曲がり、この曲がり部48Cから他端48Bに向けて台座33から離間するように斜めに延びている。
【0053】
付勢部材50は、図11に示されるように、係合凹部44に嵌った係合突起28を係合凹部44へ向けて付勢する板状の部材である。具体的には、付勢部材50は、係合凹部44に嵌った係合突起28を嵌った側と反対側から係合凹部44の底部へ向けて付勢するようになっている。なお、本実施形態では、付勢部材50として板ばねを用いている。
【0054】
付勢部材50は、図11に示されるように、台座35の上面35Aに間隔をあけて対向配置されている。この付勢部材50の両端50Aは、ブラケット片34に固定されている。具体的には、付勢部材50の両端50Aは、台座35を覆うフード部51に固定されている。また、付勢部材48の中央部50Bは係合凹部44の底部に向けて略円弧状に突出している。ここで、係合凹部44に係合突起28を嵌めると、係合突起28の外周の一部で押圧される付勢部材48の中央部50Bが復元力(付勢力)によって、係合突起28を係合凹部44の底部に付勢する。
【0055】
付勢部材52は、図9に示されるように、係合凹部46に嵌った他方の係合突起26を係合凹部46へ向けて付勢する板状の部材である。具体的には、付勢部材52は、係合凹部46に嵌った他方の係合突起26を嵌った側と反対側から係合凹部46の底部へ向けて付勢するようになっている。なお、本実施形態では、付勢部材52として板ばねを用いている。
【0056】
付勢部材52は、図9に示されるように、台座37の上面37Aに間隔をあけて対向配置されている。この付勢部材52の一端52Aは、ブラケット片36に固定されている。具体的には、付勢部材52の一端52Aは、ブラケット片36の台座37よりも幅方向BWの一方側に該台座37に隣接して設けられた支柱部53に固定されている。また、付勢部材52の他端52Bは、自由端(自由状態)とされている。
【0057】
また、付勢部材52とブラケット片36の台座37との間には、他方の係合突起28を係合凹部46へ案内する案内路56が形成されている。この案内路56は、具体的には、台座37の案内面37Bと、付勢部材52の板面52Dであって台座37の案内面37Bに対向する部分とで形成されている。
【0058】
また、付勢部材52の他端52B側には、案内路56を狭めるように突出する曲がり部52Cが形成されている。具体的には、付勢部材52は、ブラケット30の長手方向BLから見て、支柱部53から幅方向BWの他方側に向けて延び、途中で台座37に向けて略V字状に折れ曲がり、この曲がり部52Cから他端52Bに向けて台座37から離間するように斜めに延びている。
【0059】
(押圧部材)
押圧部材60は、図4及び図6に示されるように、付勢部材48の他端48B側を押して案内路54の入口54Aの幅を狭める部材である。この押圧部材60は、金属製のピン状部材であり、ブラケット片32に第1位置から第2位置へ移動可能に設けられている。具体的には、ブラケット片32の台座33に長手方向BLの内側に隣接して支持壁61が設けられており、この支持壁61に形成された長手方向BLに貫通する貫通孔61Aに押圧部材60が長手方向BLにスライド移動可能に挿入されている。言い換えると、車載機器20をブラケット30に取り付けた状態では、押圧部材60は、支持壁61によって一方の係合突起26の突出方向と平行に第1位置と第2位置との間をスライド移動可能に支持されている。
【0060】
この押圧部材60は、図4に示される第1位置(図4における押圧部材60の位置)では付勢部材48と非接触であり、第1位置よりも長手方向BLの内側であり、図10に示される第2位置(図10における押圧部材60の位置)では付勢部材48の他端48B側を押して案内路54の入口54Aの幅を狭めるようになっている。具体的には、押圧部材60が第1位置にあるときは、付勢部材48が弾性変形するときの変形軌跡上から押圧部材60が退避しているため、付勢部材48と押圧部材60が非接触となる。一方、押圧部材60が第2位置にあるときは、付勢部材48が弾性変形するときの変形軌跡上に押圧部材60が進入しているため、付勢部材48と押圧部材60が接触する。具体的には、押圧部材60を第1位置から第2位置に移動させると、付勢部材48の他端48B側に押圧部材60の先端部外周に形成されたテーパー面60Aが当接する。さらに押圧部材60を第2位置に向けて移動させると、付勢部材48の他端48B側が押圧部材60によって押し下げられる。これにより、案内路54の入口54Aの幅が狭くなる。
【0061】
また、図8に示されるように、押圧部材60が第2位置にあるときには、付勢部材48の曲がり部48Cに対応する部分の案内路54の幅W1が、一方の係合突起26の直交する方向の断面における最小幅W2以下である。なお、本実施形態では、一方の係合突起26が断面円形のため直径が最小幅W2となる。
【0062】
押圧部材62は、図9に示されるように、付勢部材52の他端52B側を押して案内路56の入口54Aの幅を狭める部材である。この押圧部材62は、金属製のピン状部材であり、ブラケット片36に第1位置から第2位置へ移動可能に設けられている。具体的には、ブラケット片36の台座37に長手方向BLの内側に隣接して支持壁63が設けられており、この支持壁63に形成された長手方向BLに貫通する貫通孔63Aに押圧部材62が長手方向BLにスライド移動可能に挿入されている。言い換えると、車載機器20をブラケット30に取り付けた状態では、押圧部材62は、支持壁63によって他方の係合突起26の突出方向と平行に第1位置と第2位置との間をスライド移動可能に支持されている。
【0063】
この押圧部材62は、図9に示されるように、第1位置では付勢部材52と非接触であり、第1位置よりも長手方向BLの内側の第2位置では付勢部材52の他端52B側を押して案内路56の入口56Aの幅を狭めるようになっている。具体的には、押圧部材62が第1位置にあるときは、付勢部材52が弾性変形するときの変形軌跡上から押圧部材62が退避しているため、付勢部材52と押圧部材62が非接触となる。一方、押圧部材62が第2位置にあるときは、付勢部材52が弾性変形するときの変形軌跡上に押圧部材62が進入しているため、付勢部材52と押圧部材62が接触する。具体的には、押圧部材62を第1位置から第2位置に移動させると、図9に示されるように、付勢部材52の他端52B側に押圧部材62の先端部外周に形成されたテーパー面62Aが当接する。さらに押圧部材62を第2位置に向けて移動させると、付勢部材52の他端52B側が押圧部材62によって押し下げられる。これにより、案内路56の入口56Aの幅が狭くなる。
【0064】
また、図9に示されるように、押圧部材62が第2位置にあるときには、付勢部材52の曲がり部52Cに対応する部分の案内路56の幅W3が、他方の係合突起26の直交する方向の断面における最小幅W4以下である。なお、本実施形態では、他方の係合突起26が断面円形のため直径が最小幅W4となる。
【0065】
(位置決め部)
位置決め部70、72、74は、それぞれブラケット片32、34、36に設けられている。これらの位置決め部70、72、74は、ウインドガラス100に対するブラケット片32、34、36の位置決めを行うための部位である。具体的には、位置決め部70、72、74がウインドガラス100にそれぞれのブラケット片32、34、36の接着面を押し付ける押付装置(図示省略)で保持されることによってウインドガラス100に対するブラケット片32、34、36の位置決めが行われる。
【0066】
位置決め部70は、ブラケット片32の表面32Aから突出する凸部であり、ブラケット片32に複数(本実施形態では2つ)設けられている。これらの位置決め部70のうち、少なくとも一つが係合凹部42に隣接(又は近接)している。具体的には、少なくとも一つの位置決め部70が、係合凹部42が設けられた台座33に隣接(又は近接)している。また、複数の位置決め部70は、長手方向BLに沿って一列に並べられている。なお、本実施形態では、一方の係合突起26が係合凹部42に係合した状態(嵌った状態)において、複数の位置決め部70が一方の係合突起26の軸線の延長線上に一列に並んでいる。
【0067】
位置決め部72は、ブラケット片34の表面34Aから突出する凸部であり、ブラケット片34に複数(本実施形態では2つ)設けられている。これらの位置決め部72のうち、少なくとも一つが係合凹部44に隣接(又は近接)している。具体的には、少なくとも一つの位置決め部72が、係合凹部44が設けられた台座35に隣接(又は近接)している。また、複数の位置決め部72は、幅方向BWに沿って一列に並べられている。なお、本実施形態では、係合突起28が係合凹部44に係合した状態(嵌った状態)において、複数の位置決め部72が係合突起28の軸線の延長線上に一列に並んでいる。
【0068】
位置決め部74は、ブラケット片36の表面36Aから突出する凸部であり、ブラケット片36に複数(本実施形態では2つ)設けられている。これらの位置決め部74のうち、少なくとも一つが係合凹部46に隣接(又は近接)している。具体的には、少なくとも一つの位置決め部74が、係合凹部46が設けられた台座37に隣接(又は近接)している。また、複数の位置決め部74は、長手方向BLに沿って一列に並べられている。なお、本実施形態では、他方の係合突起26が係合凹部46に係合した状態(嵌った状態)において、複数の位置決め部74が他方の係合突起26の軸線の延長線上に一列に並んでいる。
【0069】
ここで、ブラケット片34の複数の位置決め部72の並列方向(本実施形態では、幅方向BWと同義)と、ブラケット片32、36の複数の位置決め部70、74の各々の並列方向とが直交している。なお、車載機器20をブラケット30に取り付けた状態では、ブラケット片34の複数の位置決め部72の並列方向が車両幅方向となり、ブラケット片32、36の複数の位置決め部70、74の並列方向が車両前後方向となる。
【0070】
次に、本実施形態の車載機器20をウインドガラス100に固定する車載機器固定方法について説明する。
【0071】
まず、製品として加工されたウインドガラス100にブラケット30を接着により固定する。具体的には、まず、ウインドガラス100を上記押付装置の第1保持部で保持し、次に、押付装置の第2保持部でブラケット30を保持する。ここで、押付装置の第2保持部は、ブラケット30を構成する各ブラケット片32、34、36にそれぞれ設けられた位置決め部70、72、74を保持することでブラケット30を保持する。この保持により、第2保持部に対してブラケット30が位置決めされる。そして、ブラケット30を構成する各ブラケット片32、34、36の裏面32B、34B、36Bに接着剤を付与する。
【0072】
次に、第1保持部で保持されたウインドガラス100に対して第2保持部で保持されたブラケット30を近づけ、ウインドガラス100の内面100Aに、接着剤が付与されたブラケット片32、34、36の各裏面32B、34B、36Bを押し付ける。これにより、ウインドガラス100にブラケット片32、34、36が接着される。すなわち、ウインドガラス100にブラケット片32、34、36が接着により固定される。なお、上記押付装置の第1保持部と第2保持部は、ウインドガラス100に対するブラケット30の接着位置が所定位置となるように設定されている。このため、押付装置の第2保持部が位置決め部70、72、74を保持することで、ウインドガラス100に対してブラケット30が位置決めされる。
【0073】
なお、本実施形態では、第2保持部でブラケット30を保持した後で、第1保持部でウインドガラス100を保持してもよい。また、ブラケット30への接着剤の付与は、ブラケット30を第2保持部で保持する前に実施してもよい。
【0074】
次に、ブラケット30に車載機器20を取り付ける。
具体的には、まず、ウインドガラス100に接着されたブラケット30の押圧部材60、62をそれぞれ第1位置に配置した状態で、車載機器20の一方の係合突起26を入口54Aから案内路54内に挿し入れる(図6参照)と共に、他方の係合突起26を入口56Aから案内路56内に挿し入れる。次に、一方の係合突起26を案内路54に沿って係合凹部42まで移動させて、一方の係合突起26を該係合突起26の突出方向と直交する方向から係合凹部42に嵌め(図7参照)、他方の係合突起26を案内路56に沿って係合凹部46まで移動させて、他方の係合突起26を該係合突起26の突出方向と直交する方向から係合凹部46に嵌める。ここで、押圧部材60、62がそれぞれ第1位置に配置された状態では、付勢部材48、52の各々の他端48B、52Bが自由端(自由状態)のため、一対の係合突起26をそれぞれ案内路54、56の入口54A、56Aから係合凹部42、46まで挿し入れるときの挿入力を低減することができる。
また、一対の係合突起26が係合凹部42、46に嵌るときには、係合突起28も係合凹部44に係合突起28の突出方向と直交する方向で嵌まる(図12参照)。
【0075】
次に、一対の係合突起26がそれぞれの係合凹部42、46に嵌った状態で押圧部材60、62を第1位置から第2位置へ移動させる(図8及び図9参照)。押圧部材60、62を第2位置に移動させた状態では、押圧部材60、62によって付勢部材48、52の各々の他端48B、52B側が押されてそれぞれの案内路54、56の入口54A、56Aの幅が狭くなる。ここで、押圧部材60、62が第2位置に配置された状態では、付勢部材48、52の各々の他端48B、52B側が押圧部材60、62によって押されて案内路54、56の入口54A、56Aの幅が狭くなる、すなわち、付勢部材48、52の他端48B、52B側が案内路54、56の入口54A、56Aの幅が狭くなるように押圧部材60、62によって押される。このため、係合凹部42、46に嵌った各々の係合突起26に対して作用する付勢部材48、52の付勢力が向上し、係合凹部42、46から各々の係合突起26が抜け出るのが抑制される。これにより、衝突荷重によって車載機器20がブラケット30から外れるのが抑制される。
【0076】
このようにして、ブラケット30に車載機器20が取り付けられることで、車載機器20がブラケット30を介してウインドガラス100に固定される。なお、車載機器20のブラケット30への取付は、車体にウインドガラス100を取り付けた後で実施してもよいし、車体にウインドガラス100を取り付け前に実施してもよいが、車載機器20の搬送時の不具合等も考慮し、車体にウインドガラス100を取り付けた後でブラケット30へ車載機器20を取り付けることが好ましい。また、ブラケット30に車載機器20を取り付けた状態では、車載機器20の長手方向EL及びブラケット30の長手方向BLが車両幅方向と略一致し、車載機器20の幅方向BW及びブラケット30の幅方向BWが車両長手方向と略一致する。このとき、車載機器20の2つのカメラ24の各レンズ部24Aが車両前方を向き、車両前方の撮影が可能になる。
【0077】
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
取付構造S1では、前述の通り、押圧部材60、62を第1位置から第2位置へ移動させることで、一対の係合突起26に作用する付勢部材48、52の付勢力を向上できる。このため、取付構造S1では、例えば、付勢力を向上させた付勢部材を用いる構造と比べて、押圧部材60、62をそれぞれ第1位置に配置した状態では、一対の係合突起26の挿入力が低減してブラケット30に車載機器20を取り付ける際の作業性が向上する。また、取付構造S1では、押圧部材60、62をそれぞれ第2位置に配置した状態では、一致の係合突起26に作用する付勢部材48、52の付勢力を向上させて、係合凹部42、46から各々の係合突起26が抜け出るのを抑制する。これにより、衝突荷重によって車載機器20がブラケット30から外れるのを抑制することができる。
【0078】
また、取付構造S1では、付勢部材48の他端48B側に案内路54を狭めるように突出する曲がり部48Cが形成されているため、一方の係合突起26の案内路54からの抜け出しが曲がり部48Cとの当接によって抑制される。同様に、付勢部材52の他端52B側に案内路56を狭めるように突出する曲がり部52Cが形成されているため、他方の係合突起26の案内路56からの抜け出しが曲がり部52Cとの当接によって抑制される。これにより、案内路54、56から一対の係合突起26が抜け出るのが抑制されるため、衝突荷重によって車載機器20がブラケット30から外れるのが更に抑制される。
【0079】
また、取付構造S1では、押圧部材60が第2位置にあるときの曲がり部48Cに対応する部分の案内路54の幅W1を一方の係合突起26の最小幅W2以下にしていることから、一方の係合突起26の案内路54からの抜け出しが曲がり部48Cとの当接によって阻止される。同様に、押圧部材62が第2位置にあるときの曲がり部52Cに対応する部分の案内路56の幅W3を他方の係合突起26の最小幅W4以下にしていることから、他方の係合突起26の案内路56からの抜け出しが曲がり部52Cとの当接によって阻止される。これにより、案内路54、56から一対の係合突起26が抜け出るのが阻止されるため、衝突荷重によって車載機器20がブラケット30から外れるのが阻止される。
【0080】
取付構造S1では、押圧部材60が第1位置と第2位置との間をスライド移動可能に支持壁61に支持されていることから、簡単な操作(スライド操作)で係合凹部42から一方の係合突起26が抜け出るのを抑制することができる。同様に、押圧部材62が第1位置と第2位置との間をスライド移動可能に支持壁63に支持されていることから、簡単な操作(スライド操作)で係合凹部46から他方の係合突起26が抜け出るのを抑制することができる。
【0081】
また、取付構造S1では、押圧部材60、62を金属製としていることから、それぞれが第2位置において付勢部材48、52から付勢力を受け続けても、樹脂材料のクリープ現象のような変形を生じない。このため、取付構造S1では、衝突荷重によって車載機器20がブラケット30から外れるのを抑制する効果を長期に亘って維持することができる。
【0082】
取付構造S1では、衝突荷重によって車両前方を撮影するステレオカメラがブラケット30から外れるのが抑制されるため、ブラケット30から外れることによるステレオカメラの損傷を防止することができる。また、ステレオカメラのハウジング22をブラケット30に取り付けた状態では、押圧部材60、62が第2位置に移動しているため、一対の係合突起26に作用する付勢部材48、52の付勢力が向上している。このため、車両走行時においてブラケット30に対する車載機器20としてのステレオカメラの振れを抑制できる。
【0083】
また、取付構造S1では、ブラケット30を樹脂製としていることから、ブラケット30が軽量であり、ウインドガラス100としてのフロントガラスに接着により固定できる。ここで、車載機器20が車両前方を撮影するカメラ等のセンサーの場合、ブラケット30を介してフロントガラスに固定することで、車両前方の情報をより正確に得ることが可能になる。
【0084】
ブラケット30では、隣接するブラケット片同士が連結部38、40で相対移動可能に連結されているため、車載機器20の温度上昇に伴い各ブラケット片が熱膨張しても、連結部38、40によって隣接するブラケット片の熱膨張が吸収される。このようにブラケット30は、温度上昇に伴う熱膨張を吸収する構成を有することから、熱膨張によってウインドガラス100との間の接着剤に作用するせん断力の上昇を抑制することができる。これにより、ブラケット30では、熱膨張に伴うウインドガラス100との間の接着性の低下を抑制することができる。
以上より、ブラケット30を用いる取付構造S1では、車載機器20の熱膨張に伴うブラケット30とウインドガラス100との間の接着性の低下を抑制することができる。
【0085】
またブラケット30では、連結部38、40が弾性変形可能な変形部39、41をそれぞれ有しており、これらの変形部39、41が弾性変形することで、隣接するブラケット片の熱膨張が吸収される。このようにブラケット30では、変形部39、41が弾性変形する簡単な構成で、熱膨張に伴うウインドガラス100との間の接着性の低下を抑制することができる。
【0086】
またブラケット30では、変形部39、41が屈曲変形可能な山なりの湾曲部であることから、湾曲部の屈曲変形(弾性変形)時に湾曲部に局所的な応力集中が生じるのを抑制することができる。これにより、ブラケット30では、隣接するブラケット片の熱膨張を連結部38、41で吸収する効果を長期に亘り維持することが可能となる。
【0087】
またブラケット30では、変形部39の厚み及び変形部41の厚みをそれぞれブラケット片32の厚みよりも薄くしているため、例えば、変形部39、41の各厚みがブラケット片32の厚み以上の場合と比べて、変形部39、41が弾性変形しやすい。このようにブラケット30では、変形部39、41の厚みをそれぞれブラケット片32の厚みよりも薄くするという簡単な構成で変形部を弾性変形しやすくできる。
【0088】
またブラケット30では、隣接するブラケット片同士を複数の連結部38、40で連結していることから、例えば、隣接するブラケット片同士を一つの連結部で連結する構成と比べて、隣接するブラケット片の熱膨張を複数の連結部38、40で分けて吸収することが可能になる。これにより、隣接するブラケット片の熱膨張を安定して吸収可能になる。
【0089】
またブラケット30では、隣接するブラケット片同士を同じ形状の複数の連結部38、40で連結すると共に隣接する連結部38、40同士を対称に配置していることから、隣接するブラケット片の熱膨張をそれぞれの連結部38、40で略均等に吸収することが可能になる。これにより、隣接するブラケット片の熱膨張を更に安定して吸収可能になる。
【0090】
またブラケット30では、それぞれのブラケット片32、34、36に設けられた各位置決め部70、72、74を押付装置で保持することによってウインドガラス100に対するブラケット片32、34、36の位置決めが行われる。このようにブラケット30では、ウインドガラス100に対して位置決め用の加工を施さなくても、位置決め部70、72、74を押付装置で保持させることで、ウインドガラス100に対するブラケット片32、34、36の位置決めを行うことができるため、ウインドガラス100に対して精度よく位置決めでき且つ位置決め作業も容易になる。
【0091】
またブラケット30では、隣接するブラケット片同士が連結部38、40で相対移動可能に連結されているため、例えば、ブラケット片の成形時に成形誤差が生じても、連結部38、40によって隣接するブラケット片の成形誤差を吸収できる。このようにブラケット30は、成形時における成形誤差を吸収する構成を有することから、ウインドガラス100に対してブラケット片32、34、36を精度よく位置決めできる。
以上より、上記ブラケット30を用いた取付構造S1では、ウインドガラス100に対して車載機器20が精度よく位置決めされる。また、ウインドガラス100にブラケット30を介して車載機器20を固定するまでの作業工数を削減することができる。
【0092】
またブラケット30では、ブラケット片32に複数の位置決め部70が設けられており、そのうちの少なくとも一つの位置決め部70を、係合凹部42が設けられた台座33に隣接(又は近接)させている。また、ブラケット片34に複数の位置決め部72が設けられており、そのうちの少なくとも一つの位置決め部72を、係合凹部44が設けられた台座35に隣接(又は近接)させている。さらに、ブラケット片36に複数の位置決め部74が設けられており、そのうちの少なくとも一つの位置決め部74を、係合凹部46が設けられた台座37に隣接(又は近接)させている。このようにブラケット30では、押付装置に対して位置決めの基準となる位置決め部70、72、74に隣接(又は近接)して台座33、35、37を設けていることから、ウインドガラス100に対して係合凹部42、44、46の位置が精度よく決まる。すなわち、ウインドガラス100に対してブラケット30が精度よく位置決めされる。その結果、ブラケット30に取り付けられる車載機器20のウインドガラス100に対する位置決め精度が向上する。
【0093】
またブラケット30では、ブラケット片32の複数の位置決め部70が一列に並べられ、ブラケット片34の複数の位置決め部72が一列に並べられ、ブラケット片36の複数の位置決め部74が一列に並べられており、ブラケット片34の複数の位置決め部72の並列方向と、ブラケット片32、36の複数の位置決め部70、74の各々の並列方向とが互いに直交している。このため、ウインドガラス100にブラケット片32、34、36をそれぞれ接着する場合のウインドガラス100に対する面内方向の位置決め精度が向上する。
【0094】
またブラケット30では、車載機器20を取り付けた状態において、ブラケット片32の複数の位置決め部70が車載機器20から突出する一方の係合突起26の軸線の延長線上に一列に並び、ブラケット片34の複数の位置決め部72が車載機器20から突出する係合突起28の軸線の延長線上に一列に並び、ブラケット片36の複数の位置決め部74が車載機器20から突出する他方の係合突起26の軸線の延長線上に一列に並んでいることから、ブラケット30を介した車載機器20のウインドガラス100に対する位置決め精度が更に向上する。
【0095】
またブラケット30では、位置決め部70、72、74をブラケット片の接着側と反対側の面(表面)に設けられた凸部としていることから、ブラケット片の接着側の面(裏面)に付与する接着剤の配置(すなわち、レイアウト)を自由に設定できる。これにより、ウインドガラス100とブラケット片32、34、36の接着性を向上させることが可能になる。
【0096】
車両前方を撮影する運転支援用の車載機器20であるステレオカメラは、2つのカメラ24が長手方向ELに間隔をあけて配置されている。このようなステレオカメラをウインドガラス100であるフロントガラスに固定する場合、フロントガラスに対してステレオカメラの長手方向ELが車両幅方向となるように(言い換えると、2つのカメラ24が車両幅方向で離間するように)固定する必要がある。ここで、取付構造S1では、複数のブラケット片32、34、36をフロントガラスに対して車両幅方向に並列した状態で接着しているため、例えば、複数のブラケット片をフロントガラスに対して車両前後方向に並列した状態で接着している構成と比べて、車両幅方向に隣接するブラケット片の熱膨張を連結部38、40で吸収できる。このため、フロントガラスにブラケット30を介して固定されるステレオカメラのフロントガラスに対する車両幅方向の位置精度が向上する。
【0097】
また、取付構造S1では、ウインドガラス100であるフロントガラスに接着されたブラケット30に車載機器20を取り付けた状態において、ブラケット片32の複数の位置決め部70の並列方向及びブラケット片36の複数の位置決め部74の並列方向が車両幅方向であり、ブラケット片34の複数の位置決め部72の並列方向が車両前後方向であることから、フロントガラスに複数のブラケット片32、34、36をそれぞれ接着する場合のフロントガラスに対する車両幅方向及び車両前後方向の位置決め精度が向上している。これにより、フロントガラスに対するブラケット30の車両幅方向及び車両前後方向の位置精度が向上する
【0098】
(その他の実施形態)
前述の実施形態では、ブラケット片32の台座33に隣接して支持壁61を設け、この支持壁61によって押圧部材60をブラケット30の長手方向BLにスライド移動可能に支持させているが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、図13図15に示されるように、ブラケット片32の台座33に厚み方向BTで対向して支持壁81を設け、この支持壁81によって押圧部材80を厚み方向BTにスライド移動可能に支持させてもよい。なお、図13では、押圧部材80が第1位置にあり、押圧部材80が付勢部材48に非接触とされている。また、図14では、押圧部材80が第2位置にあり、押圧部材80が付勢部材48の他端48B側を台座33に向けて押圧している。この押圧部材80による付勢部材48の押圧によって、係合凹部42に一方の係合突起26が嵌った状態が維持される。また、ブラケット片36の台座37に隣接して支持壁63を設け、この支持壁63によって押圧部材62をブラケット30の長手方向BLにスライド移動可能に支持させているが、本発明はこの構成に限定されず、上記と同様に、ブラケット片36の台座37に厚み方向BTで対向して支持壁83を設け、この支持壁83によって押圧部材80を厚み方向BTにスライド移動可能に支持させてもよい。図15では、押圧部材82が第2位置にあり、押圧部材82が付勢部材52の他端52B側を台座37に向けて押圧している。なお、押圧部材82が第1位置にある状態は図示省略している。この押圧部材82による付勢部材52の押圧によって、係合凹部46に他方の係合突起26が嵌った状態が維持される。
【0099】
前述の実施形態では、ブラケット30をウインドガラス100の一例であるフロントガラスに接着しているが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、ブラケット30をウインドガラス100の一例であるリアガラスに接着してもよい。この場合には、車載機器20であるステレオカメラが車両後方を撮影する。また、ブラケット30をウインドガラス100のうち、フロントガラス及びリアガラスを除き車体に固定されているウインドガラス(言い換えると、開閉できないウインドガラス)に接着してもよい。この場合には、車載機器20であるステレオカメラがウインドガラスから車両外側を撮影する。
【0100】
また、前述の実施形態では、ブラケット30をウインドガラス100に接着しているが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、ブラケット30を、車体を構成するフロントヘッダ、又は他の部材を介してフロントヘッダに締結固定してもよい。また、ブラケット30を、フロントヘッダ又は他の部材を介してフロントヘッダに締結固定する場合、ブラケット30を軽量金属(例えば、アルミニウム)で形成してもよい。
【0101】
前述の実施形態では、ブラケット30を3つのブラケット片32、34、36で構成しているが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、ブラケットを2つのブラケット片で構成してもよいし、ブラケットを4つ以上のブラケット片で構成してもよい。さらに、ブラケットをブラケット片に分けずに地続きとしてもよい。この場合には、隣接するブラケット片同士を連結する連結部を省略してもよい。
【0102】
また、前述の実施形態では、隣接するブラケット片同士を連結部38及び連結部40で連結しているが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、1つの連結部で隣接するブラケット片同士を連結してもよいし、3つ以上の連結部で隣接するブラケット片同士を連結してもよい。
【0103】
前述の本実施形態では、押圧部材60、62を金属製としているが、本発明はこの構成に限定されない。付勢部材48、52からの付勢力に対して長期に亘って形状維持が可能であれば、例えば、押圧部材60、62を樹脂製としてもよい。
【0104】
前述の実施形態では、弾性変形可能な変形部39を有する連結部38と弾性変形可能な変形部41を有する連結部40とで隣接するブラケット片同士が相対移動可能に連結されているが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、連結部38と連結部40がそれぞれスライド機構を有する構成とし、隣接するブラケット片同士を連結部38と連結部40の各々のスライド機構で相対移動可能にしてもよい。
【0105】
前述の実施形態では、ブラケット片32、34、36にそれぞれ凸状の位置決め部70、72、74が設けられているが、本発明はこの構成に限定されず、ブラケット片32、34、36にそれぞれ凹状の位置決め部70、72、74が設けられてもよい。
【0106】
また、前述の実施形態では、複数のブラケット片32、34、36にそれぞれ位置決め部70、72、74が設けられているが、本発明はこの構成に限定されず、複数のブラケット片のうち、少なくとも一つのブラケット片には、位置決め部を設けなくてもよい。なお、ウインドガラス100の内面100Aにブラケット取付用の位置決めピンを設ける場合には、ブラケット30に位置決めピン用の位置決め孔を形成すれば、各ブラケット片32、34、36に対して位置決め部70、72、74を形成することを省略できる。
【0107】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、その主旨を逸脱しない範囲内において上記以外にも種々変形して実施することが可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0108】
20 車載機器
24 カメラ
26 係合突起
30 ブラケット
42 係合凹部
46 係合凹部
48 付勢部材
48A 一端
48B 他端
48C 曲がり部
52 付勢部材
52A 一端
52B 他端
52C 曲がり部
54 案内路
54A 入口
56 案内路
56A 入口
60 押圧部材
61 支持壁
62 押圧部材
63 支持壁
80 押圧部材
81 支持壁
82 押圧部材
83 支持壁
100 ウインドガラス
S1 取付構造(車載機器取付構造)
W1 幅(曲がり部における案内路の幅)
W2 最小幅(係合突起)
W3 幅(曲がり部における案内路の幅)
W4 最小幅(係合突起)
図1
図2
図3
図4
図5
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図10
図11
図12
図13
図14
図15