IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社x gardenの特許一覧

特許7184413情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
<>
  • 特許-情報処理システム、情報処理方法及びプログラム 図1
  • 特許-情報処理システム、情報処理方法及びプログラム 図2
  • 特許-情報処理システム、情報処理方法及びプログラム 図3
  • 特許-情報処理システム、情報処理方法及びプログラム 図4
  • 特許-情報処理システム、情報処理方法及びプログラム 図5
  • 特許-情報処理システム、情報処理方法及びプログラム 図6
  • 特許-情報処理システム、情報処理方法及びプログラム 図7
  • 特許-情報処理システム、情報処理方法及びプログラム 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20120101AFI20221129BHJP
【FI】
G06Q30/06 340
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022122519
(22)【出願日】2022-08-01
【審査請求日】2022-09-08
(31)【優先権主張番号】P 2022092011
(32)【優先日】2022-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和4年5月26日に株式会社x gardenのウェブサイトhttps://service.x-garden.co.jp/rittaistoreにて発表
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520275490
【氏名又は名称】株式会社x garden
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】今泉 滉平
(72)【発明者】
【氏名】古井 雄也
(72)【発明者】
【氏名】松谷 遼
【審査官】岡北 有平
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0253745(US,A1)
【文献】特開2021-036424(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0181997(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0152522(US,A1)
【文献】韓国登録特許第2294495(KR,B1)
【文献】特開2021-103526(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理システムであって、
制御部を備え、
前記制御部は、次の各ステップを実行するように構成され、
VR表示制御ステップでは、商品が配置された仮想空間を表すVR画像をユーザが視認可能に表示させ、
AR表示要求受付ステップでは、前記VR画像中に配置された前記商品のオブジェクトを拡張現実として表示するAR表示要求を前記ユーザから受け付け、
AR表示制御ステップでは、受け付けた前記AR表示要求に基づき、前記オブジェクトを含む拡張現実を前記ユーザが視認可能に表示させ、
遷移要求受付ステップでは、前記商品の購入が可能な購入画面へ遷移する遷移要求を前記ユーザから受け付け、
購入画面表示制御ステップでは、受け付けた前記遷移要求に基づき、前記購入画面を前記ユーザが視認可能に表示させ、
前記AR表示要求受付ステップは、前記VR画像中に配置された前記商品に紐付くコードを、前記ユーザの所有する端末で読み込むことで実行される、情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
商品変更要求受付ステップでは、前記VR画像中に配置された前記商品の種類を変更させる商品変更要求を前記ユーザから受け付け、
前記VR表示制御ステップでは、受け付けた前記商品変更要求に基づき、変更された商品が配置されたVR画像を前記ユーザが視認可能に表示させる、情報処理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理システムにおいて、
前記商品変更要求は、前記商品の色又はサイズを変更する要求である、情報処理システム。
【請求項4】
請求項に記載の情報処理システムにおいて、
前記コードは二次元コードである、情報処理システム。
【請求項5】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記仮想空間は複数の商品が配置された空間である、情報処理システム。
【請求項6】
請求項に記載の情報処理システムにおいて、
前記AR表示要求受付ステップでは、前記複数の商品を拡張現実として表示するAR表示要求を前記ユーザから受け付け、
前記AR表示制御ステップでは、前記複数の商品を表すオブジェクトを含む拡張現実を前記ユーザが視認可能に表示させる、情報処理システム。
【請求項7】
請求項に記載の情報処理システムにおいて、
配置変更要求受付ステップでは、前記VR画像中に配置された前記商品の配置を変更させる配置変更要求を前記ユーザから受け付け、
前記VR表示制御ステップでは、受け付けた前記配置変更要求に基づき、商品が変更された配置となるようにVR画像を前記ユーザが視認可能に表示させる、情報処理システム。
【請求項8】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記VR表示制御ステップでは、前記ユーザから前記商品に対する指定を受け付けたときに、前記商品の価格を表示することが可能に構成される、情報処理システム。
【請求項9】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記VR表示制御ステップでは、前記VR画像中に、前記商品に関する特典を表示させる、情報処理システム。
【請求項10】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記購入画面から、前記VR画像及び/又は前記拡張現実の画面への遷移が可能に構成される、情報処理システム。
【請求項11】
情報処理方法であって、
次の各ステップを備え、
VR表示制御ステップでは、商品が配置された仮想空間を表すVR画像をユーザが視認可能に表示させ、
AR表示要求受付ステップでは、前記VR画像中に配置された前記商品のオブジェクトを拡張現実として表示するAR表示要求を前記ユーザから受け付け、
AR表示制御ステップでは、受け付けた前記AR表示要求に基づき、前記オブジェクトを含む拡張現実を前記ユーザが視認可能に表示させ、
遷移要求受付ステップでは、前記商品の購入が可能な購入画面へ遷移する遷移要求を前記ユーザから受け付け、
購入画面表示制御ステップでは、受け付けた前記遷移要求に基づき、前記購入画面を前記ユーザが視認可能に表示させ、
前記AR表示要求受付ステップは、前記VR画像中に配置された前記商品に紐付くコードを、前記ユーザの所有する端末で読み込むことで実行される、方法。
【請求項12】
プログラムであって、
コンピュータに請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の情報処理システムの各ステップを実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネット等を介して商品等を販売する電子商取引が普及してきており、これに伴い、電子商取引を円滑化させる技術も発展してきている。たとえば、特許文献1には、ユーザと対話的なインタラクションを行う人工物によって検知された検知情報を取得する取得部と、前記取得部によって取得された検知情報に基づいて、推薦する商品に関する推薦情報であってEC(Electronic Commerce)サイト上に表示される推薦情報を配信する配信部とを備えたことを特徴とする購買支援システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-167962号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、商品を購買しようとするユーザがより納得感を得やすいシステムについては依然として開拓の余地があった。
【0005】
本発明では上記事情を鑑み、商品を購買しようとするユーザがより納得感を得やすい情報処理システム等を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、情報処理システムが提供される。この情報処理システムは、制御部を備える。制御部は、次の各ステップを実行するように構成される。VR表示制御ステップでは、商品が配置された仮想空間を表すVR画像をユーザが視認可能に表示させる。AR表示要求受付ステップでは、VR画像中に配置された商品のオブジェクトを拡張現実として表示するAR表示要求をユーザから受け付ける。AR表示制御ステップでは、受け付けたAR表示要求に基づき、オブジェクトを含む拡張現実をユーザが視認可能に表示させる。遷移要求受付ステップでは、商品の購入が可能な購入画面へ遷移する遷移要求をユーザから受け付ける。購入画面表示制御ステップでは、受け付けた遷移要求に基づき、購入画面をユーザが視認可能に表示させる。
【0007】
本開示によれば、商品を購買しようとするユーザがより納得感を得やすい情報処理システム等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係る情報処理システム100を表す構成図である。
図2】第1のユーザ端末1のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】サーバ3のハードウェア構成を示すブロック図である。
図4】サーバ3における制御部33等によって実現される機能を示すブロック図である。
図5】本実施形態の情報処理の流れを説明するためのアクティビティ図である。
図6】第1のユーザ端末1等に示される仮想空間の一例である。
図7】第1のユーザ端末1等に示される仮想空間中の商品の一例である。
図8】第1のユーザ端末1等に示される商品の詳細を示す画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0011】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0または1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、または量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0012】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、およびメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、およびフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0013】
1.ハードウェア構成
本節では、本実施形態のハードウェア構成について説明する。
【0014】
1.1 情報処理システム100
図1は、本実施形態に係る情報処理システム100を表す構成図である。情報処理システム100は第1のユーザ端末1と、第2のユーザ端末2と、サーバ3と、出品者端末4とを備え、これらがネットワーク5を通じて接続されている。これらの構成要素についてさらに説明する。なお、情報処理システム100に例示されるシステムとは、1つ又はそれ以上の装置又は構成要素からなるものである。したがって、サーバ3単体であってもシステムの一例となる。
【0015】
1.2 第1のユーザ端末1
第1のユーザ端末1は、商品を購入しようとするユーザが所持する端末である。例えば、第1のユーザ端末1は、タブレット端末、スマートグラス、スマートフォン、コンピュータ等が想定されるが、その詳細は限定されるものではない。本実施形態においては、この第1のユーザ端末1としてタブレット端末を例示している。
【0016】
図2は、第1のユーザ端末1のハードウェア構成を示すブロック図である。
第1のユーザ端末1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13と、表示部14と、入力部15とを有し、これらの構成要素が第1のユーザ端末1の内部において通信バス10を介して電気的に接続されている。通信部11、記憶部12及び制御部13の説明は、後述の、サーバ3における通信部31、記憶部32及び制御部33と略同様のため省略する。
【0017】
表示部14は、例えば、第1のユーザ端末1の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。表示部14は、ユーザが操作可能なグラフィカルユーザインターフェース(Graphical User Interface:GUI)の画面を表示する。これは例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ及びプラズマディスプレイ等の表示デバイスを、端末の種類に応じて使い分けて実施することが好ましい。ここでは、表示部14は、第1のユーザ端末1の筐体に含まれるものとして説明する。
【0018】
入力部15は、第1のユーザ端末1の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。例えば、入力部15は、表示部14と一体となってタッチパネルとして実施されてもよい。タッチパネルであれば、ユーザは、タップ操作、スワイプ操作等を入力することができる。もちろん、タッチパネルに代えて、スイッチボタン、マウス、QWERTYキーボード等を採用してもよい。すなわち、入力部15がユーザによってなされた操作入力を受け付ける。なお、ここでのユーザによってなされた操作入力は、ハンドジェスチャや、目の動き等の、ユーザの動きに基づくものも含んでよい。このようなユーザの動作を入力内容として扱う際には、ユーザの動きを検出可能な機能(典型的には撮像機能、アイトラッキング機能等が含まれる)を、この入力部15の一部として含ませればよい。当該入力が命令信号として、通信バス10を介して制御部13に転送され、制御部13が必要に応じて所定の制御や演算を実行しうる。
【0019】
また、第1のユーザ端末1は、たとえばコードなどを読み出すカメラ機能や、NFC(Near Field Communication)タグ等の各種タグを読み出し可能なリーダーを有していてもよい。
【0020】
1.3 第2のユーザ端末2
第2のユーザ端末2は、商品を購入しようとするユーザが所持する端末である。例えば、第2のユーザ端末2は、コンピュータ、タブレット端末、スマートグラス、スマートフォン等が想定されるが、その詳細は限定されるものではない。本実施形態においては、この第2のユーザ端末2としてデスクトップ型のコンピュータを例示している。
【0021】
第2のユーザ端末2のハードウェア構成は、前述の第1のユーザ端末1のハードウェア構成と同様である場合が例示される。すなわち、第2のユーザ端末2は図2で示される各種構成(通信部、記憶部、制御部、表示部、入力部および通信バス)を有していてもよいが、ここでは省略のため、説明を割愛する。
【0022】
1.4 サーバ3
図3は、サーバ3のハードウェア構成を示すブロック図である。サーバ3は、通信部31と、記憶部32と、制御部33とを有し、これらの構成要素がサーバ3の内部において通信バス30を介して電気的に接続されている。各構成要素についてさらに説明する。
【0023】
通信部31は、USB、IEEE1394、Thunderbolt(登録商標)、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、3G/LTE/5G等のモバイル通信、Bluetooth(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。すなわち、これら複数の通信手段の集合として実施することがより好ましい。すなわち、サーバ3は、通信部31を介して、第1のユーザ端末1や第2のユーザ端末2等とネットワーク5を介して種々の情報を通信する。
【0024】
記憶部32は、前述の記載により定義される様々な情報を記憶する。これは、例えば、制御部33によって実行されるサーバ3に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。また、これらの組合せであってもよい。特に、記憶部32は、制御部33によって実行されるサーバ3に係る種々のプログラム等を記憶している。
【0025】
制御部33は、サーバ3に関連する全体動作の処理・制御を行う。制御部33は、例えば不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。制御部33は、記憶部32に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、サーバ3に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部32に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部33によって具体的に実現されることで、制御部33に含まれる各機能部として実行されうる。これらについては、2.節においてさらに詳述する。なお、制御部33は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部33を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0026】
1.5 出品者端末4
出品者端末4は、商品を出品する出品者が所持する端末である。例えば、出品者端末4は、スマートフォン、タブレット端末、スマートグラス、コンピュータ等が想定されるが、その詳細は限定されるものではない。本実施形態においては、この出品者端末4としてデスクトップ型のコンピュータを例示している。
【0027】
出品者端末4のハードウェア構成は、前述の第1のユーザ端末1のハードウェア構成と同様である場合が例示される。すなわち、出品者端末4は図2で示される各種構成(通信部、記憶部、制御部、表示部、入力部および通信バス)を有していてもよいが、ここでは省略のため、説明を割愛する。
【0028】
2.機能構成
本節では、本実施形態の機能構成について説明する。前述の通り、記憶部32に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例である制御部33によって具体的に実現されることで、制御部33に含まれる各機能部として実行されうる。
【0029】
図4は、サーバ3における制御部33等によって実現される機能を示すブロック図である。具体的には、情報処理システム100の一例であるサーバ3は、受付部331と、表示制御部332と、記憶管理部333とを備えるものである。
【0030】
受付部331は、ユーザの端末操作等を契機に種々の情報を受け付ける。典型的には、受付部331は、VR画像中に配置された商品のオブジェクトを拡張現実として表示するAR表示要求をユーザから受け付けたり(このステップを「AR表示要求受付ステップ」とも称する。)、商品の購入が可能な購入画面へ遷移する遷移要求をユーザから受け付けたりする(このステップを「遷移要求受付ステップ」とも称する。)。詳細については追って説明する。
【0031】
表示制御部332は、種々の表示情報を生成して、ユーザが視認可能な表示内容を制御するように構成される。典型的には、表示制御部332は、商品が配置された仮想空間を表すVR画像をユーザが視認可能に表示させたり(このステップを「VR表示制御ステップ」とも称する。)、受け付けたAR表示要求に基づき、オブジェクトを含む拡張現実をユーザが視認可能に表示させたり(このステップを「AR表示制御ステップ」とも称する。)、受け付けた遷移要求に基づき、購入画面をユーザが視認可能に表示させたりする(このステップを「購入画面表示制御ステップ」とも称する。)。詳細については追って説明する。
なお、表示情報とは、画面、画像、アイコン、テキスト等といった、ユーザが視認可能な態様で生成された情報そのものでもよいし、例えば第1のユーザ端末1や第2のユーザ端末2等に画面、画像、アイコン、テキスト等を表示させるためのレンダリング情報であってもよい。
【0032】
記憶管理部333は、本実施形態の情報処理システム100に関連する、記憶すべき種々の情報について管理するように構成される。典型的には、記憶管理部333は、ユーザや出品者の属性や個人情報、情報処理の過程で生じた入力・出力事項を記憶領域に記憶させるように構成される。この記憶領域は、たとえばサーバ3の記憶部32や各種端末の記憶部が例示されるが、この記憶領域は必ずしも情報処理システム100のシステム内である必要はなく、記憶管理部333は、種々の情報を外部記憶装置などに記憶するように管理することもできる。
【0033】
3.情報処理方法
本節では、前述した情報処理システム100の実行する情報処理方法の各ステップについて説明を行う。
【0034】
すなわち、本実施形態の情報処理システム100の実行する情報処理方法は、具体的には、以下に示すものである。
情報処理方法であって、
次の各ステップを備え、
VR表示制御ステップでは、商品が配置された仮想空間を表すVR画像をユーザが視認可能に表示させ、
AR表示要求受付ステップでは、前記VR画像中に配置された前記商品のオブジェクトを拡張現実として表示するAR表示要求を前記ユーザから受け付け、
AR表示制御ステップでは、受け付けた前記AR表示要求に基づき、前記オブジェクトを含む拡張現実を前記ユーザが視認可能に表示させ、
遷移要求受付ステップでは、前記商品の購入が可能な購入画面へ遷移する遷移要求を前記ユーザから受け付け、
購入画面表示制御ステップでは、受け付けた前記遷移要求に基づき、前記購入画面を前記ユーザが視認可能に表示させる、方法。
以下、各ステップについて図5に示すアクティビティ図を交えながら説明を続ける。図5は、本実施形態の情報処理の流れを説明するためのアクティビティ図である。
【0035】
(VR表示制御ステップ)
本実施形態の情報処理方法では、VR表示制御ステップが行なわれる。
本ステップでは、表示制御部332により、商品が配置された仮想空間を表すVR画像をユーザが視認可能に表示させる。
【0036】
典型的には、このステップは、商品を購入しようとするユーザが所有する端末にVR(Virtual Reality;仮想現実)の視覚情報を表示させることで達成される。図6は、第1のユーザ端末1等に示される仮想空間の一例である。この図ではダイニングテーブルや、チェア、ソファ、ラウンジシートといった複数種の商品が陳列されたショールームのような空間をVR空間(仮想空間)として表示させた例を示している。すなわち、このVR表示制御ステップで表示されるVR画像に係る仮想空間は複数の商品が配置された空間であってもよい。
なお、このVR画像は、出品者端末4に対する所定の操作が行われることでアップロードされた画像データであってよい。ここで、典型的には、商品を購入しようとするユーザが、Webブラウザ等を介して、このような画像データを閲覧することとなる。もっとも、この所定の画像データのアップロードは、出品者を代理する者が、自身の所有する端末を介して行なわれてもよい。
また、このようなVR表示制御ステップは、ユーザが所定のウェブサイトにアクセスすることで達成されてもよい。すなわち、所定のウェブサイトにアクセスしたユーザからVR表示要求が行われ、サーバ3の受付部331がこれを受け付けることでVR表示制御ステップが実行されるように構成されてもよい(図5中、アクティビティ図A101~A102参照)。
【0037】
ここで、商品を購入しようとするユーザは、端末操作等を介して、画像中の商品に対しての変更を要求してもよい。
すなわち、サーバ3の受付部331は、VR画像中に配置された商品の種類を変更させる商品変更要求をユーザから受け付けることができる(このステップを「商品変更要求受付ステップ」とも称する。)。
ここで、表示制御部332は、受け付けた商品変更要求に基づき、変更された商品が配置されたVR画像をユーザが視認可能に表示させることができる。
【0038】
上述の商品変更要求は、商品のグレードや価格、その他商品に関連する情報を変更させる要求であってもよいが、例示的には、商品変更要求は、商品の色又はサイズを変更する要求である。
すなわち、商品を購入しようとするユーザは、自身の接する仮想現実に配された少なくとも一部の商品についての変更がなされる視覚情報を得ることができるので、画面上で商品の色やサイズを変更されることで商品に対するイメージが湧きやすいという効果が奏されやすい。
【0039】
この商品に対する変更の要求について、図7を用いて説明する。図7は、第1のユーザ端末1等に示される仮想空間中の商品の一例である。すなわち、図7には商品としてダイニングテーブルが表示されているが、表示画面中にはこの商品の色の変更を行うことが可能な各種オブジェクト(オブジェクトOBJ1~OBJ4)が示されており、このオブジェクトについてクリック操作等を行うことで、商品(ダイニングテーブル)の色を変更することができる。
【0040】
また、一例として、VR表示制御ステップでは、ユーザから商品に対する指定を受け付けたときに、商品の価格を表示することが可能に構成される。
図8は、第1のユーザ端末1等に示される商品の詳細を示す画面の一例である。すなわち、VR表示制御ステップでは、ユーザから商品に対する指定(たとえば仮想空間中の商品オブジェクト(ダイニングテーブル)に対するクリック操作)を行った際に、その商品の詳細が表示されるように構成される。
図8の表示画面Dにおいては、商品名、商品の色、寸法、価格、在庫数等が商品の詳細として表示された例が示されている。なお、前述した商品変更要求は、この表示画面Dに対する操作を介して行われてもよい。すなわち、図8中のボタンBT1~BT3は商品の色を変更することができるボタンであり、このボタンをクリック操作等で押下することによって、商品の色を変更することができる。
【0041】
その他、表示画面Dには、他のユーザからの商品に対するレビューが表示されるボタンBT4が設けられていてもよい。すなわち、表示画面D中のボタンBT4に対する操作を介して、商品のレビューが示された画面(ウェブページ)への遷移が行われてもよい。
また、図示はしないが、商品が欠品している場合は、入荷時の予約を受け付けるようなボタンが設けられていてもよい。
その他、図8の表示画面Dには、ARモードへ切り替えることができるコードCD1や、購入画面へ遷移することができるボタンBT5が示されているが、これらについては追って説明することとする。
【0042】
また、このVR表示制御ステップでは、商品を購入するユーザから、端末操作等を介して、画像中の商品の配置についての変更を受け付けてもよい。
すなわち、サーバ3の受付部331は、VR画像中に配置された商品の配置を変更させる配置変更要求をユーザから受け付けることができる(このステップを「配置変更要求受付ステップ」とも称する。)。
ここで、表示制御部332は、受け付けた配置変更要求に基づき、商品が変更された配置となるようにVR画像をユーザが視認可能に表示させる。
【0043】
典型的には、ユーザからの商品検索を契機として、検索された商品が存在する仮想空間中の所定の領域にワープするように構成されていてもよい。図6の仮想空間を例に挙げれば、ユーザが「ソファ」を検索したときには、この検索を契機として、画面奥に存在するソファの付近にユーザが存在するように画面制御が行われてもよい。
【0044】
その他、この配置変更要求は、例示的には商品を絞り込む機能として用いられてもよい。すなわち、ユーザから所定のカテゴリで絞り込む操作があったときに、その絞り込んだ商品のみを仮想空間内に表示するように制御されてもよい。換言すれば、絞り込みから外れる商品についてはユーザが視認不能となるように仮想空間についての表示が制御されてもよい。
【0045】
さらに、VR表示制御ステップでは、VR画像中に、商品に関する特典を表示させるように構成されてもよい。
典型的には、この特典は商品に関するクーポンなどが挙げられる。図6の仮想空間を例に挙げれば、画面奥に存在するソファの付近にユーザが近づいた際に、ソファに関するクーポンが画面上に表示されるように構成されてもよい。このクーポンの表示はたとえばポップアップのような演出にてなされるものであってもよい。
【0046】
(AR表示要求受付ステップ)
このAR表示要求受付ステップでは、前述したVR画像中に配置された商品のオブジェクトを拡張現実として表示するAR表示要求をユーザから受け付ける(図5中、アクティビティA103参照)。
【0047】
一例として、このAR表示要求受付ステップは、VR表示とAR表示との双方のモードでの表示が可能なデバイスの所定のスイッチ操作を行うことで実行される。
すなわち、ユーザが第1のユーザ端末1のような、カメラ機能を有し、手持ち操作の容易なタブレット端末や、スマートフォンを用いる場合を例に挙げると、この場合は、ユーザの端末操作等を契機に商品のオブジェクトをAR(Augmented Reality;拡張現実)として表示可能なモードに切り替えることで、AR空間を表示させ、このAR表示要求受付ステップは達成され得る。
その他、いわゆるXRデバイスと称されるような、VR空間とAR空間との双方を表示することが可能なデバイス(このデバイスは、スマートグラスのような所謂ウェアラブルデバイスであってもよい。)においても、このデバイスの表示切替を契機に、このAR表示要求を受付部331が受け付けてもよい。
【0048】
一方、ユーザが第2のユーザ端末2のようなデスクトップ型のコンピュータを用いる場合であれば、AR表示要求受付ステップは以下のように達成されてもよい。
すなわち、AR表示要求受付ステップは、VR画像中に配置された商品に紐付くコードを、ユーザの所有する端末で読み込むことで実行されてもよい。
ここで、コードは二次元コードであってもよい。
【0049】
典型的には、第2のユーザ端末2がVR画像中に配置された商品を指定した際に、コードが第2のユーザ端末2の表示部に表示される。このコードを、AR情報を表示させることができる端末・機器等で読み込むことで、AR表示要求受付ステップは達成され得る。
すなわち、先述した図8の表示画面Dには、ARモードへ切り替えることができるコードCD1が表示されている。第2のユーザ端末2にこの表示画面Dが表示されている場合は、このコードCD1を、AR情報を表示させることができる端末・機器等で読み込むことで、AR表示要求受付ステップは達成される。
【0050】
また、図8の表示画面では、ダイニングテーブル単体についての詳細やコードが示されているが、AR表示要求受付ステップでは、複数の商品を拡張現実として表示するAR表示要求をユーザから受け付けてもよい。なお、この場合は、複数の商品の組み合わせに紐付くコードの読み込みを、AR表示要求受付の契機としてもよい。
【0051】
(AR表示制御ステップ)
このAR表示制御ステップでは、受け付けたAR表示要求に基づき、オブジェクトを含む拡張現実をユーザが視認可能に表示させる(図5中アクティビティA104参照)。
【0052】
すなわち、本ステップでは、商品のオブジェクトを自室等に投影した拡張現実を表示させ得る。
なお、このAR表示制御を行うにあたっては、公知のAR表示に関する技術が活用されてよいが、一例としては、特許第6961157号に開示される各種情報処理が行なわれてもよい。
【0053】
また、前述のAR表示要求受付ステップで、複数の商品を拡張現実として表示するAR表示要求をユーザから受け付けた場合は、AR表示制御ステップでは、複数の商品を表すオブジェクトを含む拡張現実をユーザが視認可能に表示させてもよい。
典型的には、図6に示されるダイニングテーブルとチェアとの組み合わせや、ソファとラウンジシートとの組み合わせについて、表示制御部332の機能により自室等に投影した拡張現実を表示させることができる。
【0054】
なお、図5におけるアクティビティ図では、このAR表示がVR表示と購入画面表示との間に行われるものとして示されているが、このようなAR表示は購入画面表示の後に行われてもよい。典型的には、購入画面を介して、購入の予定とする商品(例示的には「購入カートに入れた商品」等)について、AR表示することも可能である。この場合においても購入カートに入れた商品単体についてのAR表示とすることもできるし、複数の商品についてのAR表示とすることもできる。
【0055】
さらに、前述したVR表示制御ステップ同様に、商品を購入しようとするユーザは、端末操作等を介して、画像中の商品に対しての変更を要求してもよい。すなわち、サーバ3の受付部331は、AR表示中においても、配置された商品の種類を変更させる商品変更要求をユーザから受け付けることができ、表示制御部332は、受け付けた商品変更要求に基づき、変更された商品が配置された拡張現実をユーザが視認可能に表示させることができる。
【0056】
この表示された拡張現実に接したユーザは、購入画面を表示するように画面の遷移要求をすることもできるし、再び、VR画像を表示させるようにVR表示要求をすることもできる(図5参照)。すなわち、前述したようなVR表示とAR表示との双方のモードでの表示が可能なデバイスを用いている場合においては、AR表示からVR表示へのスイッチ操作を行うことで、再び、VR画像をユーザに表示させるように構成することができる。
【0057】
ここで、ユーザがデバイスを介してAR表示のモードで所定の操作を行った後に、VR表示のモードにスイッチした場合に、この所定の操作に応じてVR画像が変化するように構成されてもよい。
換言すれば、AR表示で操作したインタラクション結果を、VR画像に反映させる処理が行われるように構成されてもよい。具体例を挙げると、拡張現実で表示させたある商品についてサイズや色などを変更する操作をユーザが行った際に、変更したサイズや色と、同一又は類似となる商品がVR画像として表示されてもよい。なお、VR画像で変更される商品は拡張現実で表示させた商品そのものであっても、他の商品であってもよい。すなわち、このような態様においては、拡張現実内でのユーザ操作に基づいてVR空間の再編成ができるという観点から、ユーザの嗜好に合った商品をよりイメージさせやすいという効果が奏される。
【0058】
(遷移要求受付ステップ)
この遷移要求受付ステップでは、商品の購入が可能な購入画面へ遷移する遷移要求をユーザから受け付ける(図5中アクティビティA105参照)。
なお、このステップは、前述のVR空間やAR空間に表示された商品の購入ボタンに対し、ユーザが所定の操作を行うことで達成され得る。
【0059】
図8の表示画面Dを例に挙げれば、この表示画面Dには購入画面へ移ることを示すボタンBT5が示されている。クリック操作等でこのボタンBT5を押下することにより、この遷移要求受付が実行されるように構成されてもよい。
【0060】
(購入画面表示制御ステップ)
この購入画面表示制御ステップでは、受け付けた遷移要求に基づき、購入画面をユーザが視認可能に表示させる(図5中アクティビティA106参照)。
すなわち、このステップでは、第1のユーザ端末1等に商品の購入画面が表示される。この処理については、通常のECサイトで適用されるような画面遷移に関する処理が行わればよい。
なお、実際に購入する際の画面に備えられる機能についても公知のものを採用することができる。一例として、購入の予定とする商品(例示的には「購入カートに入れた商品」等)が複数ある場合は、これらの商品の購入額の積算値を表示するように構成されていてもよい。
【0061】
また、この購入画面から、VR画像及び/又は拡張現実の画面への遷移が可能に構成されてもよい。具体的には、購入画面には、VR画像を表示させるように制御するオブジェクトや、拡張現実を表示させるオブジェクトが設けられており、このオブジェクトに対して所定の操作を行うことで、VR表示要求や、AR表示要求が行われるように構成されてもよい(図5参照)。
ここで、遷移するVR画像や拡張現実では、この購入画面に対して行われたユーザ操作の内容が反映されてもよい。たとえば、購入予定とする商品(購入カートに入れた商品)が存在する場合には、この購入予定とする商品をVR画像や拡張現実で再配置するように構成することも可能である。さらに、このVR画像や拡張現実で再配置する場合には、サーバ3の表示制御部332は、ユーザの興味を惹きやすい配置を提示させながら表示させたり、おすすめの使用方法をコメントとして表示する等の処理を実施することも可能である。このユーザの興味を惹きやすい配置や、コメントは、例示的には他のユーザの配置の実績などを参照して決定することができる。
【0062】
その他、図5には示さないが、このような要求の受付や表示の履歴についてはサーバ3の記憶部32に記憶するように、記憶管理部333が制御するように構成されてもよい。
【0063】
以上、本実施形態の情報処理システム100では、VR画像として視認可能な商品を、実際に拡張現実として体感することができる。
このような観点で、本実施形態では、商品を購買しようとするユーザがより納得感を得やすい情報処理システム等が実現されているといえる。
【0064】
4.その他
その他、情報処理システム100に関して、以下のような態様を採用してもよい。
【0065】
以上の実施形態では、情報処理システム100の構成として説明したが、コンピュータに情報処理システム100の各ステップを実行させるプログラムが提供されてもよい。
【0066】
以上の実施形態では、VR表示制御ステップで商品が配置された仮想空間を表すVR画像を表示する態様を示したが、この仮想空間には配置された商品以外に、商品の紹介や説明を行うことが可能な案内員(店員)が存在してもよい。ここで、商品を視認するユーザと、この案内員とはともにアバターとして仮想空間内に存在してもよく、必要に応じて、ユーザと案内員とがチャットや音声通話が可能となるように構成してもよい。なお、チャットの内容や音声通話の内容は記憶部32に記憶されるように構成されてもよい。また、この案内員に対しては、ユーザの自室の画像や、ユーザの興味のある商品、商品を購入しようとするユーザの過去の購入履歴、VR画像や拡張現実においてユーザが商品を再配置した画面や操作の履歴等の各種情報が共有されてもよい。このような共有は、ユーザが所有する端末に対する操作に基づいて画像等の各種データを共有するものであってもよい。また、案内員として操作を行う者が、サーバ3の記憶部32等に記憶されている各種情報にアクセスできるように構成されており、案内員として操作を行う者が、このアクセス操作を行うことで共有が達成されるものであってもよい。
【0067】
以上の実施形態では、VR画像等でユーザが商品を指定する態様を示したが、この指定に先立って、サーバ3の表示制御部332は、ユーザの興味を惹きそうな商品をレコメンドするコメントを表示させることも可能である。このレコメンドは、ユーザや、他のユーザの購入履歴等に基づくものであってもよい。また、サーバ3の記憶部32にユーザの自室等に関する情報が記憶されているようであれば、この自室等に関する情報に基づいて、レコメンド内容を出力してもよい。なお、ユーザの自室等に関する情報は、ユーザが投稿する画像に基づくものであってもよいし、AR表示を実行している際に、サーバ3が受け付け、所定の領域に記憶されたものであってもよい。
【0068】
以上の実施形態では、VR表示制御ステップで商品が配置された仮想空間を表すVR画像を表示する態様を示したが、情報処理システム100のサーバ3は、ユーザの仮想空間内での行動に基づき、商品の需要等を演算するように構成されていてもよい。たとえば、入力部15として、ユーザの動きを検出可能な機能が備えられている場合には、ユーザの仮想空間内での移動パターン、行動パターンや、視線のパターンなどを取得することで、商品に関するヒートマップを作成するように構成されてもよい。このような作成されたヒートマップの提示先はとくに制限されないが、たとえば事業者端末4を所有する事業者等が挙げられる。
また、事前に記憶したユーザの仮想空間内での行動に基づき、特定の商品を配置するにあたって、購買行動につなげるために、仮想空間内で商品をどのような配置とすべきかを演算することができる。同様に、事前に記憶したユーザの仮想空間内での行動に基づき、特定の商品を購買行動につなげるために、仮想空間全体における空間情報をどのようにすべきかを演算することができる。なお、これらの演算結果を事業者にレコメンドするように構成することもできる。
【0069】
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
【0070】
(1)情報処理システムであって、制御部を備え、前記制御部は、次の各ステップを実行するように構成され、VR表示制御ステップでは、商品が配置された仮想空間を表すVR画像をユーザが視認可能に表示させ、AR表示要求受付ステップでは、前記VR画像中に配置された前記商品のオブジェクトを拡張現実として表示するAR表示要求を前記ユーザから受け付け、AR表示制御ステップでは、受け付けた前記AR表示要求に基づき、前記オブジェクトを含む拡張現実を前記ユーザが視認可能に表示させ、遷移要求受付ステップでは、前記商品の購入が可能な購入画面へ遷移する遷移要求を前記ユーザから受け付け、購入画面表示制御ステップでは、受け付けた前記遷移要求に基づき、前記購入画面を前記ユーザが視認可能に表示させる、情報処理システム。
【0071】
(2)上記(1)に記載の情報処理システムにおいて、商品変更要求受付ステップでは、前記VR画像中に配置された前記商品の種類を変更させる商品変更要求を前記ユーザから受け付け、前記VR表示制御ステップでは、受け付けた前記商品変更要求に基づき、変更された商品が配置されたVR画像を前記ユーザが視認可能に表示させる、情報処理システム。
【0072】
(3)上記(2)に記載の情報処理システムにおいて、前記商品変更要求は、前記商品の色又はサイズを変更する要求である、情報処理システム。
【0073】
(4)上記(1)ないし(3)のいずれか1項に記載の情報処理システムにおいて、前記AR表示要求受付ステップは、前記VR画像中に配置された前記商品に紐付くコードを、前記ユーザの所有する端末で読み込むことで実行される、情報処理システム。
【0074】
(5)上記(4)に記載の情報処理システムにおいて、前記コードは二次元コードである、情報処理システム。
【0075】
(6)上記(1)ないし(3)のいずれか1項に記載の情報処理システムにおいて、前記AR表示要求受付ステップは、VR表示とAR表示との双方のモードでの表示が可能なデバイスの所定のスイッチ操作を行うことで実行される、情報処理システム。
【0076】
(7)上記(6)に記載の情報処理システムにおいて、前記ユーザが前記デバイスを介して前記AR表示のモードで所定の操作を行った後に、前記VR表示のモードにスイッチした場合に、前記VR画像が前記所定の操作に応じて変化するように構成される、情報処理システム。
【0077】
(8)上記(1)ないし(7)のいずれか1項に記載の情報処理システムにおいて、前記仮想空間は複数の商品が配置された空間である、情報処理システム。
【0078】
(9)上記(8)に記載の情報処理システムにおいて、前記AR表示要求受付ステップでは、前記複数の商品を拡張現実として表示するAR表示要求を前記ユーザから受け付け、前記AR表示制御ステップでは、前記複数の商品を表すオブジェクトを含む拡張現実を前記ユーザが視認可能に表示させる、情報処理システム。
【0079】
(10)上記(8)又は(9)に記載の情報処理システムにおいて、配置変更要求受付ステップでは、前記VR画像中に配置された前記商品の配置を変更させる配置変更要求を前記ユーザから受け付け、前記VR表示制御ステップでは、受け付けた前記配置変更要求に基づき、商品が変更された配置となるようにVR画像を前記ユーザが視認可能に表示させる、情報処理システム。
【0080】
(11)上記(1)ないし(10)のいずれか1項に記載の情報処理システムにおいて、前記VR表示制御ステップでは、前記ユーザから前記商品に対する指定を受け付けたときに、前記商品の価格を表示することが可能に構成される、情報処理システム。
【0081】
(12)上記(1)ないし(11)のいずれか1項に記載の情報処理システムにおいて、前記VR表示制御ステップでは、前記VR画像中に、前記商品に関する特典を表示させる、情報処理システム。
【0082】
(13)上記(1)ないし(12)のいずれか1項に記載の情報処理システムにおいて、前記購入画面から、前記VR画像及び/又は前記拡張現実の画面への遷移が可能に構成される、情報処理システム。
【0083】
(14)情報処理方法であって、次の各ステップを備え、VR表示制御ステップでは、商品が配置された仮想空間を表すVR画像をユーザが視認可能に表示させ、AR表示要求受付ステップでは、前記VR画像中に配置された前記商品のオブジェクトを拡張現実として表示するAR表示要求を前記ユーザから受け付け、AR表示制御ステップでは、受け付けた前記AR表示要求に基づき、前記オブジェクトを含む拡張現実を前記ユーザが視認可能に表示させ、遷移要求受付ステップでは、前記商品の購入が可能な購入画面へ遷移する遷移要求を前記ユーザから受け付け、購入画面表示制御ステップでは、受け付けた前記遷移要求に基づき、前記購入画面を前記ユーザが視認可能に表示させる、方法。
【0084】
(15)プログラムであって、コンピュータに上記(1)ないし(13)のいずれか1項に記載の情報処理システムの各ステップを実行させる、プログラム。
もちろん、この限りではない。
【0085】
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0086】
1 :第1のユーザ端末
2 :第2のユーザ端末
3 :サーバ
4 :出品者端末
5 :ネットワーク
10 :通信バス
11 :通信部
12 :記憶部
13 :制御部
14 :表示部
15 :入力部
30 :通信バス
31 :通信部
32 :記憶部
33 :制御部
100 :情報処理システム
331 :受付部
332 :表示制御部
333 :記憶管理部
OBJ1~OBJ4 :オブジェクト
BT1~BT5 :ボタン
CD1 :コード
D :表示画面
【要約】
【課題】商品を購買しようとするユーザがより納得感を得やすい情報処理システム等を提供すること。
【解決手段】本発明の一態様によれば、情報処理システムが提供される。この情報処理システムは、制御部を備える。制御部は、次の各ステップを実行するように構成される。VR表示制御ステップでは、商品が配置された仮想空間を表すVR画像をユーザが視認可能に表示させる。AR表示要求受付ステップでは、VR画像中に配置された商品のオブジェクトを拡張現実として表示するAR表示要求をユーザから受け付ける。AR表示制御ステップでは、受け付けたAR表示要求に基づき、オブジェクトを含む拡張現実をユーザが視認可能に表示させる。遷移要求受付ステップでは、商品の購入が可能な購入画面へ遷移する遷移要求をユーザから受け付ける。購入画面表示制御ステップでは、受け付けた遷移要求に基づき、購入画面をユーザが視認可能に表示させる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8