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特許7184426搬送装置、搬送方法及び搬送制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】搬送装置、搬送方法及び搬送制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   B65G 43/08 20060101AFI20221129BHJP
【FI】
B65G43/08 E
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018184464
(22)【出願日】2018-09-28
(65)【公開番号】P2020050514
(43)【公開日】2020-04-02
【審査請求日】2021-08-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100134544
【弁理士】
【氏名又は名称】森 隆一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(72)【発明者】
【氏名】吉谷 一仁
(72)【発明者】
【氏名】尾形 哲男
(72)【発明者】
【氏名】中山 博之
【審査官】小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】特開昭59-090680(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0032881(US,A1)
【文献】実開平03-118927(JP,U)
【文献】特開2009-143677(JP,A)
【文献】特開2002-019911(JP,A)
【文献】特開2008-290042(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 43/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の方向に直列に並ぶ複数の収納部を有しかつこれら収納部が第1の方向に順次移動する下流側搬送部と、
前記第1の方向とは異なる第2の方向へ被搬送物を移動させる上流側搬送部と、
前記上流側搬送部と前記下流側搬送部との間で移動する移載台を有し、前記上流側搬送部で搬送された被搬送物を前記下流側搬送部の収納部の1つに振り分ける移載機構と、
前記移載機構による第2の方向への被搬送物の移動を検出する移動検出手段と、
この移動検出手段の検出信号に基づき、前記収納部への被搬送物の移載状況を監視し、監視結果に基づき前記移載機構の搬送を制御する制御手段と、を具備し、
前記移載機構の上流側には被搬送物の長さを計測する長さ計測手段が設けられており、
前記制御手段では、前記長さ計測手段で計測した被搬送物の長さと、前記移載機構に設定された被搬送物の移載速度とに基づいて、該被搬送物の末端が収納可能時間内に前記収納部に至るか否かを判断し、この判断結果に基づいて、前記移載機構による移載を継続又は逆転搬送させることを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
前記移動検出手段の検出領域は、前記移載機構の載置台上から前記下流側搬送部における収納部の入口付近にまで設けられることを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記移載機構による第2の方向への荷物の移送に伴う前記移動検出手段の検出パターンを、予め記憶した正常時の基準検出パターンと比較することにより、前記収納部への被搬送物の移載に異常が生じたか否かを判定することを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記制御手段では、前記移動検出手段の検出信号に基づき、前記収納部への被搬送物の移載状況に異常が生じていると判定した場合に、前記移載機構の安全位置にまで該被搬送物を逆転搬送させた後、停止させることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項5】
前記制御手段では、前記移動検出手段の検出信号に基づき、前記収納部への被搬送物の移載状況が正常であると判定した場合に、前記移載機構の該被搬送物の正転搬送を継続して前記収納部に収納させることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記移載機構の移載台を、前記下流側搬送部の収納部と同じ方向及び速度で並んで移動させつつ、前記移載台から収納部に被搬送物を移送する同期制御を行うことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項7】
第1の方向に直列に並ぶ複数の収納部を有しかつこれら収納部が第1の方向に順次移動する下流側搬送部と、
前記第1の方向とは異なる第2の方向へ被搬送物を移動させる上流側搬送部と、
前記上流側搬送部と前記下流側搬送部との間に設けられて前記上流側搬送部で搬送された被搬送物を前記下流側搬送部の収納部の1つに振り分ける移載機構と、を有する搬送装置において、
前記移載機構による第2の方向への被搬送物の移動を検出する移動検出段階と、
この移動検出段階での検出信号に基づき、前記収納部への被搬送物の移載状況を監視し、その監視結果に基づき、前記移載機構による移載を継続又は逆転搬送させる制御段階と、を具備し、
前記移載機構の上流側には被搬送物の長さを計測する長さ計測手段が設けられており、
前記制御段階では、前記長さ計測手段で計測した被搬送物の長さと、前記移載機構に設定された被搬送物の移載速度とに基づいて、該被搬送物の末端が収納可能時間内に前記収納部に至るか否かを判断し、この判断結果に基づいて、前記移載機構による移載を継続又は逆転搬送させることを特徴とする、
搬送方法。
【請求項8】
第1の方向に直列に並ぶ複数の収納部を有しかつこれら収納部が第1の方向に順次移動する下流側搬送部と、
前記第1の方向とは異なる第2の方向へ被搬送物を移動させる上流側搬送部と、
前記上流側搬送部と前記下流側搬送部との間に設けられて前記上流側搬送部で搬送された被搬送物を前記下流側搬送部の収納部の1つに振り分ける移載機構と、を有する搬送装置の制御をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記移載機構による第2の方向への被搬送物の移動を検出する移動検出段階と、
この移動検出段階での検出信号に基づき、前記収納部への被搬送物の移載状況を監視し、その監視結果に基づき、前記移載機構による移載を継続又は逆転搬送させる制御段階と、を具備し、
前記移載機構の上流側には被搬送物の長さを計測する長さ計測手段が設けられており、
前記制御段階では、前記長さ計測手段で計測した被搬送物の長さと、前記移載機構に設定された被搬送物の移載速度とに基づいて、該被搬送物の末端が収納可能時間内に前記収納部に至るか否かを判断し、この判断結果に基づいて、前記移載機構による移載を継続又は逆転搬送させることを特徴とする、
搬送制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小包等の厚みを有する被搬送物を効率良く搬送するための搬送装置、搬送方法及び搬送制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
関連する技術として、小包等、ある程度の厚みを持ったいわゆる厚物荷物を搬送し、かつ振り分する荷物搬送装置がある。
【0003】
この荷物搬送装置は、荷物を1個ずつ送り出す供給部と、荷物を所定の集積口まで搬送して集積する集積部から構成されている。
供給部は荷物を長手方向に搬送し、集積部は荷物を厚さ方向に搬送する。このため搬送方向を転換するために移載機構を有する。
集積部は供給部から移載機構を介して受け取る荷物を、複数の仕切りのある搬送ボックスに一時格納させて輸送するものである。
【0004】
具体的には、特許文献1に示される郵便物用区分機では、多数が並列配置されユニバーサルチェーンによりー方向に移動する搬送箱と、該搬送箱の移動に同期して郵便物を該搬送箱に移載する同期移載部と、が設けられる。
この同期移載部では、上流部からランダムに送られてきた郵便物を一時保持した後、出口部分が搬送箱の移動に同期して一定区間移動することにより、該郵便物を搬送箱の1つに移載する。
【0005】
このとき、同期移載部では、搬送箱への荷物の移載を失敗した場合に、荷物が破損する等の不具合が生じることがある。
そして、このような荷物の移載不良を検知する技術として、特許文献2に示される搬送物詰り検出装置が知られている。
この検出装置では、搬送コンベアにより搬送される被搬送物が、各検出器に検出される位置に至るまでの基準到達時間を設定し、この基準到達時間内に、被搬送物が所定エリアを通過しない場合に、搬送不良による詰りが生じたと判断して、搬送コンベアを停止しかつ警報機等で作業員に異常を報知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開昭59-90680号公報
【文献】特開平2-110013号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献2に示される搬送物詰り検出装置では、被搬送物の搬送不良が生じた場合に、搬送コンベアを停止しかつ警報機等で作業員に異常を報知した後、この異常報知に基づき、作業員が被搬送物を除去する等の作業を実施する必要がある。
そして、特許文献2では、このような異常回復作業により多大な手間と時間が必要となり、新たな技術が提供されることが期待されていた。
【0008】
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、搬送ボックスとなる収納部への被搬送物の搬送不良を速やかに検知し、移載過程における被搬送物の詰り及び破損発生を未然に防止することができる、搬送装置、搬送方法及び搬送制御プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明の第1態様は搬送装置であって、第1の方向に直列に並ぶ複数の収納部を有しかつこれら収納部が第1の方向に順次移動する下流側搬送部と、前記第1の方向とは異なる第2の方向へ被搬送物を移動させる上流側搬送部と、前記上流側搬送部と前記下流側搬送部との間で移動する移載台を有し、前記上流側搬送部で搬送された被搬送物を前記下流側搬送部の収納部の1つに振り分ける移載機構と、前記移載機構による第2の方向への被搬送物の移動を検出する移動検出手段と、この移動検出手段の検出信号に基づき、前記収納部への被搬送物の移載状況を監視し、監視結果に基づき前記移載機構の搬送を制御する制御手段と、を具備することを特徴とする。
【0010】
本発明の第2態様は搬送方法であって、第1の方向に直列に並ぶ複数の収納部を有しかつこれら収納部が第1の方向に順次移動する下流側搬送部と、前記第1の方向とは異なる第2の方向へ被搬送物を移動させる上流側搬送部と、前記上流側搬送部と前記下流側搬送部との間に設けられて前記上流側搬送部で搬送された被搬送物を前記下流側搬送部の収納部の1つに振り分ける移載機構と、を有する搬送装置において、前記移載機構による第2の方向への被搬送物の移動を検出する移動検出段階と、この移動検出段階での検出信号に基づき、前記収納部への被搬送物の移載状況を監視し、その監視結果に基づき前記移載機構による移載を継続又は逆転搬送させる制御段階と、を具備することを特徴とする。
【0011】
本発明の第3態様は搬送制御プログラムであって、第1の方向に直列に並ぶ複数の収納部を有しかつこれら収納部が第1の方向に順次移動する下流側搬送部と、前記第1の方向とは異なる第2の方向へ被搬送物を移動させる上流側搬送部と、前記上流側搬送部と前記下流側搬送部との間に設けられて前記上流側搬送部で搬送された被搬送物を前記下流側搬送部の収納部の1つに振り分ける移載機構と、を有する搬送装置において、前記移載機構による第2の方向への被搬送物の移動を検出する移動検出段階と、この移動検出段階での検出信号に基づき、前記収納部への被搬送物の移載状況を監視し、その監視結果に基づき、前記移載機構による移載を継続又は逆転搬送させる制御段階と、を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、移載機構の移載台から下流側搬送部となる収納部への被搬送物の搬送不良を速やかに検知し、移載過程における被搬送物の詰り及び破損発生を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係る搬送装置の最少構成例を示す概略構成図である。
図2】本発明の実施形態に係る搬送装置を示す斜視図である。
図3】制御手段の制御内容を示すフローチャートである。
図4】移載プレートから搬送ボックスに正常に移載がなされた場合に、図(a)~(d)に記載の搬送処理がなされる例が示されている。
図5図4に対応した光電センサのON/OFFを示すタイムチャートである。
図6】移載プレート上の荷物が搬送ボックス内の荷物に衝突する搬送不良が生じた場合の動作例(a)~(d)を示す工程図である。
図7図6に示す工程に対応した光電センサのON/OFFを示すタイムチャートである。
図8】移載プレート上の荷物が搬送ボックスの仕切りに衝突する搬送不良が生じた場合の動作例(a)~(d)が示されている。
図9図8に示す工程に対応した光電センサのON/OFFを示すタイムチャートである。
図10】移載プレート上の荷物が移動遅延する搬送不良が生じた場合の動作例(a)~(d)を示す工程図である。
図11図10に示す工程に対応した光電センサのON/OFFを示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の第1態様に係る搬送装置100の最少構成例について、図1を参照して説明する。
本発明の搬送装置100は、下流側搬送部1、上流側搬送部2、移載機構3、移動検出手段4及び制御手段5を主な構成要素とする。
【0015】
下流側搬送部1は、第1の方向(a1)に直列に並ぶ複数の収納部6を有しかつこれら収納部6が第1の方向(a1)に順次移動するように構成される。
上流側搬送部2は、下流側搬送部1の上流側に設けられて、第1の方向(a1)とは異なる第2の方向(a2)へ被搬送物Nを移動させるように構成される。
【0016】
移載機構3は、上流側搬送部2と下流側搬送部1との間で移動する移載台7を有し、上流側搬送部2で搬送された被搬送物Nを下流側搬送部1の収納部6の1つに振り分ける。移動検出手段4は、移載機構3による第2の方向(a2)への被搬送物Nの移動を検出するセンサである。
制御手段5は、移動検出手段4の検出信号に基づき、収納部6への被搬送物Nの移載状況を監視し、移載機構3の搬送を制御するものである。
【0017】
そして、以上のように構成された本発明の搬送装置100では、移載機構3による第2の方向(a2)への被搬送物Nの移動を検出する移動検出手段4の検出信号に基づき、下流側搬送部1の収納部6への被搬送物Nの移載状況を監視し、その監視結果により移載機構3の搬送を制御するようにした。
これにより、本発明では、例えば、移動検出手段4の検出信号に基づき、移載機構3の移載台7から下流側搬送部1の収納部6へ被搬送物Nが収納できないと判定した場合に、移載機構3の安全位置にまで該被搬送物Nを逆転搬送させた後、停止させる制御をすることができる。
また、本発明では、例えば、移動検出手段4の検出信号に基づき、移載機構3の移載台7から下流側搬送部1の収納部6へ被搬送物Nが収納できると判定した場合に、移載機構3の該被搬送物Nの正転搬送を継続して、下流側搬送部1の収納部6に収納させる制御をすることができる。
【0018】
その結果、本発明の搬送装置100では、移載機構3の移載台7から下流側搬送部1となる収納部6への被搬送物Nの搬送不良を速やかに検知し、移載過程における被搬送物Nの詰り及び破損発生を未然に防止することができる。
【0019】
本発明の第2態様では、第1の方向(a1)に直列に並ぶ複数の収納部6を有しかつこれら収納部6が第1の方向(a1)に順次移動する下流側搬送部1と、第1の方向(a1)とは異なる第2の方向(a2)へ荷物Nを移動させる上流側搬送部2と、上流側搬送部2と下流側搬送部1との間に設けられて上流側搬送部2で搬送された荷物Nを下流側搬送部1の収納部6の1つに振り分ける移載機構3と、を有する搬送装置において、移載機構3による第2の方向(a2)への荷物Nの移動を検出する移動検出段階と、この移動検出段階での検出信号に基づき、収納部6への荷物Nの移載状況を監視し、その監視結果に基づき、移載機構3による移載を継続又は逆転搬送させる制御段階と、を有する搬送方法が採用されている。
【0020】
本発明の第3態様では、第1の方向(a1)に直列に並ぶ複数の収納部6を有しかつこれら収納部6が第1の方向(a1)に順次移動する下流側搬送部1と、第1の方向(a1)とは異なる第2の方向(a2)へ荷物Nを移動させる上流側搬送部2と、上流側搬送部2と下流側搬送部1との間に設けられて上流側搬送部2で搬送された荷物Nを下流側搬送部1の収納部6の1つに振り分ける移載機構3と、を有する搬送装置において、移載機構3による第2の方向(a2)への荷物Nの移動を検出する移動検出段階と、この移動検出段階での検出信号に基づき、収納部6への荷物Nの移載状況を監視し、その監視結果に基づき、移載機構3による移載を継続又は逆転搬送させる制御段階とをコンピュータに実行されるプログラムが採用されている。
【0021】
(実施形態)
本発明の実施形態に係る搬送装置101について図2図11を参照して詳細に説明する。
この搬送装置101は、図2に示されるように、被搬送物となる荷物Nを搬送する上流側搬送部11と、荷物Nが収納される区分収納部12と、上流側搬送部11で搬送された荷物Nを区分収納部12に振り分ける移載機構13と、荷物Nを検出する移動検出手段14と、移動検出手段14の検出情報に基づき移載機構13を制御する制御手段15と、を主な構成要素とする。
これら上流側搬送部11、区分収納部12、移載機構13、移動検出手段14、制御手段15はいずれも基台となる装置フレーム10上に設けられている。
また、これら構成要素の中で、上流側搬送部11は上流側搬送部を構成し、区分収納部12は下流側搬送部を構成している。
【0022】
上流側搬送部11は、荷物Nを矢印A2方向(第2の方向)に1つずつ搬送するための搬送レーンである。具体的には、上流側搬送部11は、荷物Nを若干傾斜した状態で支持する荷物支持板20と、該荷物支持板20の下部に設けられて水平面に対し所定角度傾斜して配設された底面ベルト21と、底面ベルト21に対し垂直する位置関係に設けられた側面ベルト22と、これらベルトを駆動する駆動機構(図示略)と、を具備する。
そして、上流側搬送部11では、荷物支持板20に支持された荷物Nの底面が底面ベルト21に接触し、該荷物Nの側面が側面ベルト22に接触することで、該荷物Nを1つずつ矢印A2方向に搬送する。
【0023】
上流側搬送部11の途中には、荷物Nに付されているバーコード、識別番号等の識別情報を読み取る読取部23が配置されている。そして、制御手段15では、読取部23で読み取られた識別情報に基づき、移載機構13に対して、区分収納部12内の該当する搬送ボックス16への荷物振分動作を行わせることができる。
【0024】
区分収納部12は、上流側搬送部11の搬送方向と交差する矢印A1方向(第1の方向)に沿い連続移動する複数の搬送ボックス16を有し、これら搬送ボックス16の1つに上流側搬送部11から搬送された荷物Nを収納する。
また、搬送ボックス16は、互いが隣接するように位置しその開口部が移載機構13に面するように配置されている。
【0025】
移載機構13は、上流側搬送部11の末端部と区分収納部12との間に位置するものであって、上流側に位置する待機用プレート17と、下流側に位置する移載台となる移載プレート18とが、荷物搬送方向(矢印A2方向)に沿い隣接配置されている。
待機用プレート17は、移載プレート18に送り込む荷物Nを待機させるために設けられているものである。具体的には、該待機用プレート17は、待機用プレート17の表面にて荷物Nを傾斜した状態で支持する荷物支持板30と、該荷物支持板30に対して荷物Nを供給、排出又は挟持する底面ベルト31、側面ベルト32、押えローラ33、これらベルト及びローラを駆動する駆動機構(図示略)とを有する。
【0026】
そして、上記のような待機用プレート17では、荷物支持板30に支持された荷物Nの底面が底面ベルト31に接触し、該荷物Nの側面が側面ベルト32に接触するとともに、側面ベルト32と押えローラ33との間に該荷物Nが挟持される。この状態で、底面ベルト31及び側面ベルト32が適宜駆動されることにより、上流側搬送部11から供給された荷物Nが待機用プレート17に支持され、また、該待機用プレート17上の荷物Nが区分収納部12へと排出される。
【0027】
移載プレート18は、搬送ボックス16の移動方向(A1)及び移動速度を同じくした同期動作をするものであって、該移載プレート18を介して待機用プレート17から搬送された荷物Nを、荷物支持板40を介して区分収納部12内の搬送ボックス16の1つに振り分ける。
【0028】
この移載プレート18は、荷物支持板40を矢印A1方向に移動自在に支持するスライドレール19Aを有し、荷物支持板40をスライドレール19Aに沿って移動させる駆動ユニット19が具備されている。
【0029】
また、移載プレート18には、該移載プレート18の表面にて荷物Nを傾斜した状態で支持する荷物支持板40と、該荷物支持板40に対して荷物Nを供給、排出又は挟持する底面ベルト41、側面ベルト42、押えローラ43と、これらベルト及びローラを駆動する駆動機構(図示略)とが具備される。
【0030】
そして、上記のような移載プレート18では、荷物支持板40に支持された荷物Nの底面が底面ベルト41に接触し、該荷物Nの側面が側面ベルト42に接触するとともに、側面ベルト42と押えローラ43との間に該荷物Nが挟持される。
すなわち、底面ベルト41、側面ベルト42及び押えローラ43が適宜駆動されることにより、待機用プレート17から移載プレート18に対して荷物Nが供給され、また、該移載プレート18上の荷物Nが区分収納部12へと送り出される。
【0031】
移動検出手段14は、移載プレート18から搬送ボックス16に至る荷物Nの通過情報を取得するためのものであって、その検出領域は、移載プレート18上から搬送ボックス16の入口付近にまで設けられている。
具体的には、移動検出手段14として、図4に示されるような移載プレート18の矢印A2方向に沿う経路に、検出光が荷物Nにより遮られたか否かにより、該荷物Nが所定の搬送ボックス16に収納されたか否かを監視する光電センサSA1~SA5が間隔をおいて設けられている。
なお、これら光電センサの中で、光電センサSA1~SA4は移載プレート18上に矢印A2方向に沿い配置され、かつ光電センサSA5は移載プレート18と搬送ボックス16の入口との間に配置されている。そして、各光電センサSA1~SA5にて、荷物Nの通過時にON信号を出力し、荷物Nの通過がないときにOFF信号を出力する。
【0032】
制御手段15は、移動検出手段14の監視情報に基づき、区分収納部12の搬送ボックス16と移載機構13の移載プレート18とを同期制御するとともに、移載機構13による矢印A2方向への荷物Nの移送に伴う移動検出手段14の検出パターン(図7A図9A図11A参照)を、予め記憶した正常時の基準検出パターン(図5図7B図9B図11B参照)と比較することにより、搬送ボックス16への荷物Nの移載状況を監視して、移載機構13の搬送を制御する。
【0033】
次に、図3のフローチャートを参照して、光電センサSA1~SA5の検出信号に基づき制御手段15で実行される荷物Nの移載処理についてステップS毎に説明する。なお、このフローチャートは移載機構13により荷物Nが移送される毎に実行される。
〔ステップS1〕
予め設定しておいた搬送制御プログラムにより、上流側搬送部11から移載機構13の移載プレート18に移送された荷物Nを、区分収納部12の搬送ボックス16と同じ方向及び速度で並行移動させつつ、搬送ボックス16の一つに移送する同期動作を行わせる。
【0034】
〔ステップS2〕
移動検出手段14を構成する光電センサSA1~SA5の検出信号に基づき、移載機構13による第2の方向(A2)への荷物Nの移動を段階的に監視(具体的には荷物NのON/OFF信号のパターンを監視)することで、荷物Nの移載処理に異常が生じているか否かを判定する。
そして、このステップS2にて、荷物Nの移載処理に異常が生じず、搬送不良とならないとの判定結果が示されるNOの場合にステップS3に進む。また、このステップS2にて、荷物Nの移載処理に異常が生じて、搬送不良となる判定結果が示されるYESの場合にステップS4に進む。
【0035】
〔ステップS3〕
移載機構13の移載プレート18に移送された荷物Nを、区分収納部12の搬送ボックス16と同じ向き(矢印A1方向)及び速度で並行移動させつつ、該搬送ボックス16内に向けて矢印A2方向に向けて送り込む動作を継続し、該当する搬送ボックス16の一つに収納する。
【0036】
具体的には、図4に示されるように、(a)まず、移載機構13の移載プレート18上に待機用プレート17から供給された荷物Nを載置させる。その後、(b)搬送ボックス16と同じ向き(矢印A1方向)及び速度で並行移動させつつ、該搬送ボックス16内に向けて矢印A2方向に向けて送り込む同期処理を行う。その後、(c)末端に位置する光電センサSA5がOFF信号となったことを確認した後、(d)移載機構13の移載プレート18を、待機用プレート17から荷物Nの受け渡しが可能な初期位置に戻す処理を行う。
なお、図5には、図4(a)~(d)に対応した光電センサSA1~SA5のON/OFF信号に基づく検出パターンのタイミングチャートが示されており、各光電センサSA1~SA5の検出範囲に荷物Nが存在しているときにON信号が出力され、荷物Nが存在しない場合にOFF信号が出力される。
また、図5中に付される(a)~(d)は図4(a)~(d)に対応している。
【0037】
さらに、図5に示されるタイミングチャートは基準検出パターンとして制御手段15内に記憶しておくと良い。このとき、基準検出パターンは荷物Nの長さに対応して複数記憶しておき、例えば、上流側搬送部11に別途設けた長さ検出センサにより検出した荷物の長さに応じて、これら複数の基準検出パターンの1つを選択し、当該荷物に係る光電センサSA1~SA5の検出パターンとの比較対象としても良い。
【0038】
〔ステップS4〕
移載機構13の移載プレート18に移送された荷物Nを、区分収納部12の搬送ボックス16と同じ方向及び速度で並行移動させる動作を停止し、その後、逆転搬送させた後、移載プレート18上に停止させる処理を行う。
【0039】
なお、ステップS4が実行される搬送不良のケースとして以下の3つが示される。
第1のケースでは、荷物Nを入れようとする搬送ボックス16に既に他の荷物が入っており、荷物同士が衝突することが示されている(図6及び図7A図7B参照)。
第2のケースでは、移載機構13と搬送ボックス16のタイミングが合わず、荷物Nが搬送ボックス16の仕切りに衝突することが示されている(図8及び図9A図9B参照)。
第3のケースでは、移載機構13の内部で搬送過程の問題により搬送ボックス16への荷物Nの移載が間に合わないことが示されている(図10及び図11A図11B参照)。
【0040】
第1のケースの具体的として、図6図7A図7Bを参照して説明する。
これらの図において、図6(a)~(d)は移載過程における動作説明図、図7A図6(a)~(d)に対応した光電センサSA1~SA5のON/OFF信号に基づくタイミングチャートであり、図7Bは、図7Aと比較される正常時のタイミングチャートである。
また、図7中に付される(a)~(d)は図6(a)~(d)に対応している。
【0041】
図6(a)に示されるように、まず、移載機構13の移載プレート18上に待機用プレート17から供給された荷物Nを載置させる。その後、図6(b)に示されるように、搬送ボックス16と同じ向き(矢印A1方向)及び速度で並行移動させつつ、該搬送ボックス16内に向けて矢印A2方向に向けて送り込む同期処理を継続して行うが、図示するように荷物Nが搬送ボックス16内に既に収容されている荷物N´と衝突した場合に、該荷物Nの進行が妨げられる。
【0042】
このとき、図6(b)に示される光電センサSA1~SA5のON/OFFパターンは、対比用に示した正常時の図6B(b)のON/OFFパターンとは異なるパターンとなる。
具体的には、図7Aの光電センサSA2のタイミングチャートにおいて、符号t1で示されるON/OFFパターンが、正常時の図7B(b)のON/OFFパターンとは異なるものとなる。
これにより、制御手段15では、図6(c)及び(d)に示すように、移載プレート18上の荷物Nに搬送異常が生じているとして移載動作を停止し、その後、逆転搬送させた後、移載プレート18上に停止させる処理を行う。
【0043】
次に、第2のケースの具体的として、図8図9A図9Bを参照して説明する。これらの図において、図8(a)~(d)は移載過程における動作説明図、図9A図8(a)~(d)に対応した光電センサSA1~SA5のON/OFF信号に基づくタイミングチャートであり、図9Bは、図9Aと比較される正常時のタイミングチャートである。
また、図9中に付される(a)~(d)は図8(a)~(d)に対応している。
【0044】
図8(a)に示されるように、まず、移載機構13の移載プレート18上に待機用プレート17から供給された荷物Nを載置させる。その後、図8(b)に示されるように、搬送ボックス16と同じ向き(矢印A1方向)及び速度で並行移動させつつ、該搬送ボックス16内に向けて矢印A2方向に向けて送り込む同期処理を継続して行うが、図示するように荷物Nが搬送ボックス16の仕切りと衝突した場合に、該荷物Nの進行が妨げられる。
【0045】
このとき、図8(b)に示される光電センサSA1~SA5のON/OFFパターンは、対比用に示した正常時の図8B(b)のON/OFFパターンとは異なるパターンとなる。
具体的には、図9Aの光電センサSA2のタイミングチャートにおいて、符号t2で示されるON/OFFパターンが、正常時の図9B(b)のON/OFFパターンとは異なるものとなる。
これにより、制御手段15では、図8(c)及び(d)に示すように、移載プレート18上の荷物Nに搬送異常が生じているとして移載動作を停止し、その後、逆転搬送させた後、移載プレート18上に停止させる処理を行う。
【0046】
次に、第3のケースの具体的として、図10図11A図11Bを参照して説明する。
これらの図において、図10(a)~(d)は移載過程における動作説明図、図11A図10(a)~(d)に対応した光電センサSA1~SA5のON/OFF信号に基づくタイミングチャートであり、図11Bは、図11Aと比較される正常時のタイミングチャートである。
また、図11中に付される(a)~(d)は図10(a)~(d)に対応している。
【0047】
図10(a)に示されるように、まず、移載機構13の移載プレート18上に待機用プレート17から供給された荷物Nを載置させる。その後、図10(b)に示されるように、搬送ボックス16と同じ向き(矢印A1方向)及び速度で並行移動させつつ、該搬送ボックス16内に向けて矢印A2方向に向けて送り込む同期処理を継続して行うが、図示するように荷物Nの移送が遅延して、搬送ボックス16への移載が間に合わない状況が生じることがある。
【0048】
このとき、図10(b)に示される光電センサSA1~SA5のON/OFFパターンは、対比用に示した正常時の図10B(b)のON/OFFパターンとは異なるパターンとなる。
具体的には、図11Aの光電センサSA2のタイミングチャートにおいて、符号t3で示されるON/OFFパターンが、正常時の図11B(b)のON/OFFパターンとは異なるものとなる。
これにより、制御手段15では、図10(c)及び(d)に示すように、移載プレート18上の荷物Nに搬送異常が生じているとして移載動作を停止し、その後、逆転搬送させた後、移載プレート18上に停止させる処理を行う。
【0049】
そして、以上のように構成された実施形態に示される搬送装置101では、移載機構13による矢印A2方向への荷物Nの移動を検出する移動検出手段14の検出信号に基づき、区分収納部12の搬送ボックス16への荷物Nの移載状況を監視し、その監視結果により移載機構13の搬送を制御するようにした。
具体的には、実施形態に示される搬送装置101では、移載プレート18による矢印A2方向への荷物Nの移送に伴う光電センサSA1~SA5の検出パターンを、予め記憶した正常時の基準検出パターンと比較するようにした。
【0050】
そして、上記搬送装置101では、上記比較結果に基づき、移載プレート18から区分収納部12の搬送ボックス16へ荷物Nが収納できないと判定した場合に、移載機構13の安全位置にまで該荷物Nを逆転搬送させた後、停止させる制御をすることができる。
また、上記搬送装置101では、上記比較結果に基づき、移載プレート18から区分収納部12の搬送ボックス16へ荷物Nが収納できると判定した場合に、移載機構13による荷物Nの正転搬送を継続して、区分収納部12の搬送ボックス16に収納させる制御をすることができる。
【0051】
その結果、上記搬送装置101では、移載機構13の移載プレート18から区分収納部12となる搬送ボックス16への荷物Nの搬送不良を速やかに検知し、移載過程における荷物Nの詰り及び破損発生を未然に防止することができる。
なお、上記実施形態では、搬送不良が発生した荷物Nを移載プレート18上に停止させるようにしたが、その後、警報を出力して作業員に当該荷物Nを回収させても良いし、また、リトライ処理を行うことで、再度、搬送ボックス16に移載しても良い。
【0052】
上記実施形態は以下のように変形しても良い。
(変形実施例1)
上記実施形態では、移動検出手段14として移載プレート18の矢印A2方向性に沿う荷物Nの移動経路に、検出光が荷物Nにより遮られたか否かを検出する光電センサSA1~SA5を、間隔をおいて設けるようにした。
しかし、これに限定されず、光電センサSA1~SA5の検出領域を上方から画像撮影するイメージセンサを設け、該イメージセンサから出力される画像データに基づき、移載プレート18上の矢印A2方向に沿う荷物Nの移動を検出しても良い。
また、イメージセンサに限定されず、マイクロスイッチ、超音波センサ、磁気センサなどの検出手段により、移載プレート18上の矢印A2方向に沿う荷物Nの移動を検出しても良い。
【0053】
(変形実施例2)
上記実施形態では、制御手段15において、移載機構13における矢印A2方向への荷物Nの移送に伴う移動検出手段14の検出パターンを、予め記憶した正常時の基準検出パターンと比較することにより、搬送ボックス16への荷物Nの移載状況を監視するようにした。
しかし、これに限定されず、移載機構13の上流側に荷物Nの長さを計測する長さ計測手段を設けた上で、制御手段15において、長さ計測手段で計測した荷物Nの長さと、光電センサSA1~SA5の検出信号により演算した荷物Nの移載速度とに基づき、該荷物Nの末端が収納可能時間内に収納ボックス16側に至るか否かの移載状況を監視し、その監視結果により、移載機構13による移載を継続又は逆転搬送させても良い。
なお、この変形実施例2に示される検出方式は、先の実施形態で説明した荷物Nの搬送不良検出方式と併用して行っても良い。
【0054】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、小包等の厚みを有する被搬送物を効率良く搬送するための搬送装置、搬送方法及び搬送制御プログラムに関する。
【符号の説明】
【0056】
1 下流側搬送部
2 上流側搬送部
3 移載機構
4 移動検出手段
5 制御手段
6 収納部
7 移載台
11 上流側搬送部
12 区分収納部
13 移載機構
14 移動検出手段
15 制御手段
16 収納ボックス
18 移載プレート
100 搬送装置
101 搬送装置
N 荷物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11