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特許7184437通信装置、SIM自動切り替え方法、及びSIM自動切り替えプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】通信装置、SIM自動切り替え方法、及びSIM自動切り替えプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 8/22 20090101AFI20221129BHJP
   H04W 76/10 20180101ALI20221129BHJP
【FI】
H04W8/22
H04W76/10
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020187032
(22)【出願日】2020-11-10
(65)【公開番号】P2022076592
(43)【公開日】2022-05-20
【審査請求日】2022-03-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】永井 裕人
【審査官】永田 義仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-69676(JP,A)
【文献】国際公開第2018/057151(WO,A1)
【文献】特開2020-136730(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108601023(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B7/24-7/26
H04M1/00
1/24-3/00
3/16-3/20
3/38-3/58
7/00-7/16
11/00-11/10
99/00
H04W4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末と通信接続を行う端末側通信モジュールと、
無線基地局と通信接続を行う基地局側通信モジュールと、
複数のSIMを格納する複数のSIMスロットと、
前記複数のSIMスロットの切り替えを制御する制御部と、
前記ユーザ端末の接続方法を識別する接続方法識別部と、
前記ユーザ端末のMACアドレスを取得するMACアドレス取得部と、
前記ユーザ端末の接続方法と、前記複数のSIMスロットと、優先度とを対応付けて記憶する記憶部と、を備え、
前記MACアドレス取得部は、前記ユーザ端末の接続時及び所定時間経過後にMACアドレスを取得し、
前記制御部は、異なるタイミングに取得された前記MACアドレスに基づいて、前記ユーザ端末の接続状態を判定し、
前記ユーザ端末が接続している場合、前記ユーザ端末の接続方法と、前記優先度とに基づいて、自動でSIMスロットを切り替える、
通信装置。
【請求項2】
前記MACアドレス取得部は、前記ユーザ端末の接続時にMACアドレスを取得し、
前記制御部は、前記記憶部を参照し、前記ユーザ端末の接続方法に対応するSIMスロットの前記優先度と、現在使用しているSIMスロットの前記優先度とを比較し、
前記優先度が一致していない場合、前記MACアドレス取得部は、所定時間経過後に前記ユーザ端末のMACアドレスを取得し、
前記制御部は、異なるタイミングに取得された前記MACアドレスが同一である場合、前記ユーザ端末が接続していると判定し、
前記ユーザ端末が接続している場合、前記ユーザ端末の接続方法と、前記優先度とに基づいて、自動でSIMスロットを切り替える、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記ユーザ端末が接続している場合、前記基地局側通信モジュールは、前記無線基地局との通信を切断し、
通信が切断された後、前記制御部は、前記優先度が高いSIMスロットに自動で切り替え、
切り替え後、前記基地局側通信モジュールは、前記無線基地局との通信を接続する、
請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記MACアドレス取得部は、切断したユーザ端末のMACアドレスを前記制御部へ送信し、
前記制御部は、前記記憶部を参照し、前記切断したユーザ端末の接続方法に対応するSIMスロットと、現在使用しているSIMスロットとの前記優先度を比較し、
前記優先度が一致している場合、
前記制御部は、前記MACアドレス取得部が、前記切断したユーザ端末のMACアドレスを所定時間経過後に取得できない場合、前記切断したユーザ端末が切断状態にあると判定し、
前記切断したユーザ端末が切断状態である場合、接続中のユーザ端末の接続方法に対応したSIMスロットの中で、前記優先度が高いSIMスロットに自動で切り替える、
請求項1~3のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項5】
前記優先度が一致している場合、
前記制御部は、前記切断したユーザ端末の接続方法と同じ接続方法の他のユーザ端末があるか判定し、
前記他のユーザ端末が無い場合、
前記制御部は、前記MACアドレス取得部が、前記切断したユーザ端末のMACアドレスを所定時間経過後に取得できない場合、ユーザ端末が切断状態にあると判定し、
前記切断したユーザ端末が切断状態である場合、接続中のユーザ端末の接続方法に対応したSIMスロットの中で、前記優先度が高いSIMスロットに自動で切り替える、
請求項4に記載の通信装置。
【請求項6】
前記切断したユーザ端末が切断状態である場合、
前記基地局側通信モジュールは、前記無線基地局との通信を切断し、
通信が切断された後、前記制御部は、接続中のユーザ端末の接続方法に対応したSIMスロットの中で、前記優先度が高いSIMスロットに自動で切り替え、
切り替え後、前記基地局側通信モジュールは、前記無線基地局との通信を接続する、
請求項5に記載の通信装置。
【請求項7】
ユーザ端末と通信接続を行う端末側通信モジュールと、無線基地局と通信接続を行う基地局側通信モジュールと、複数のSIMを格納する複数のSIMスロットとを備える通信装置のSIM自動切り替え方法であって、
前記ユーザ端末の接続方法を識別し、
前記ユーザ端末の接続方法と、前記複数のSIMスロットと、優先度とを対応付けて記憶し、
前記ユーザ端末の接続時及び所定時間経過後にMACアドレスを取得し、
異なるタイミングに取得された前記MACアドレスに基づいて、前記ユーザ端末の接続状態を判定し、
前記ユーザ端末が接続している場合、前記ユーザ端末の接続方法と、前記優先度とに基づいて、自動でSIMスロットを切り替える、
SIM自動切り替え方法。
【請求項8】
ユーザ端末と通信接続を行う端末側通信モジュールと、無線基地局と通信接続を行う基地局側通信モジュールと、複数のSIMを格納する複数のSIMスロットとを備える通信装置のSIM自動切り替えプログラムであって、
前記ユーザ端末の接続方法を識別し、
前記ユーザ端末の接続方法と、前記複数のSIMスロットと、優先度とを対応付けて記憶し、
前記ユーザ端末の接続時及び所定時間経過後にMACアドレスを取得し、
異なるタイミングに取得された前記MACアドレスに基づいて、前記ユーザ端末の接続状態を判定し、
前記ユーザ端末が接続している場合、前記ユーザ端末の接続方法と、前記優先度とに基づいて、自動でSIMスロットを切り替える、
処理をコンピュータに実行させるためのSIM自動切り替えプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は通信装置、SIM自動切り替え方法、及びSIM自動切り替えプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
モバイルルータやスマートフォンなどの通信装置を通信事業者のネットワークに接続するためには、SIM(Subscriber Identity Module)が必要である。
利用者は通信事業者と契約し、SIMを取得する必要があるが、通信事業者との契約には、通信事業者独自の様々なプランが用意されている。例えば、通信速度は遅いが通信量に制限が無いプラン(以下、低速プランともいう)や、通信速度は速いが一定の通信量に到達すると通信速度の制限がかかり、それ以降は超低速での通信となるプラン(以下、高速プランともいう)などがある。通常、これらのプランは、契約時に提供されるSIMと1対1で紐付けられている。
【0003】
一方、複数のSIMスロットを有する通信装置も知られている。利用者は、通信事業者やプランの異なる複数のSIMを通信装置に格納し、状況に応じて使用するSIMスロットを設定画面などで、手動で切り替えることで、使用するSIMを選択することができる。
【0004】
例えば、利用者は、以下のようにSIMを使い分けることがある。通信装置に接続したスマートフォンを用いて、メールの送受信やスマートフォン用のWebページの閲覧などの比較的少量のデータ通信を長時間行う場合は低速のプランのSIMを使用する。一方で、通信装置に接続したPCを用いて、PC用のWebページの閲覧や動画の視聴、音楽のダウンロードなどの比較的短時間に高速かつ大容量の通信を行う場合は、高速プランのSIMを使用する。
【0005】
しかしながら、利用者がSIMスロットの切り替えを忘れたり、利用者が気づかない内に他の利用者が、大容量のデータ通信を行うPCなどのユーザ端末を通信装置に接続したりした場合には、意図しないSIMスロットが使用されている場合があった。例えばPCが接続されているときに低速プランのSIMが使用される場合、通信速度が十分でないことから、Webページの表示に時間がかかったり、動画の画質が落ちたり、場合によっては頻繁に動画が停止するなどの問題が生じる場合があった。一方で、PCが通信を切断したにも関わらず高速プランのSIMを使い続けた場合、高速プランの通信量を消費してしまい、契約の通信量の上限に到達してしまうことで、その後は超低速でしか通信できないという問題があった。
【0006】
SIMスロットの切り替えに関して、例えば特許文献1には、通信量に加えて、通信インターフェースの種類(接続方法)を考慮してSIMを切り替えることで適切な通信速度を維持することが可能な通信端末を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2016-208168号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1の方法では、ユーザ端末が一時的に接続あるいは切断した場合においても、ユーザ端末の接続方法に従ってSIMスロットが切り替わることで、不要なSIMスロットの切り替えが生じるという問題点があった。
【0009】
上記問題に鑑み本発明の目的は、SIMスロットの不要な切り替えを抑制しつつ、ユーザ端末の接続方法に基づき、SIMスロットを自動で切り替えることができる通信装置、SIM自動切り替え方法、SIM自動切り替えプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様に係る通信装置は、
ユーザ端末と通信接続を行う端末側通信モジュールと、
無線基地局と通信接続を行う基地局側通信モジュールと、
複数のSIMを格納する複数のSIMスロットと、
前記複数のSIMスロットの切り替えを制御する制御部と、
前記ユーザ端末の接続方法を識別する接続方法識別部と、
前記ユーザ端末のMACアドレスを取得するMACアドレス取得部と、
前記ユーザ端末の接続方法と、前記複数のSIMスロットと、優先度とを対応付けて記憶する記憶部と、を備え、
前記MACアドレス取得部は、前記ユーザ端末の接続時及び所定時間経過後にMACアドレスを取得し、
前記制御部は、異なるタイミングに取得された前記MACアドレスに基づいて、前記ユーザ端末の接続状態を判定し、
前記ユーザ端末が接続している場合、前記ユーザ端末の接続方法と、前記優先度とに基づいて、自動でSIMスロットを切り替える通信装置である。
【0011】
本発明の一態様に係るSIM自動切り替え方法は、
ユーザ端末と通信接続を行う端末側通信モジュールと、無線基地局と通信接続を行う基地局側通信モジュールと、複数のSIMを格納する複数のSIMスロットとを備える通信装置のSIM自動切り替え方法であって、
前記ユーザ端末の接続方法を識別し、
前記ユーザ端末の接続方法と、前記複数のSIMスロットと、優先度とを対応付けて記憶し、
前記ユーザ端末の接続時及び所定時間経過後にMACアドレスを取得し、
異なるタイミングに取得された前記MACアドレスに基づいて、前記ユーザ端末の接続状態を判定し、
前記ユーザ端末が接続している場合、前記ユーザ端末の接続方法と、前記優先度とに基づいて、自動でSIMスロットを切り替える方法である。
【0012】
本発明の一態様に係るSIM自動切り替えプログラムは、
ユーザ端末と通信接続を行う端末側通信モジュールと、無線基地局と通信接続を行う基地局側通信モジュールと、複数のSIMを格納する複数のSIMスロットとを備える通信装置のSIM自動切り替えプログラムであって、
前記ユーザ端末の接続方法を識別し、
前記ユーザ端末の接続方法と、前記複数のSIMスロットと、優先度とを対応付けて記憶し、
前記ユーザ端末の接続時及び所定時間経過後にMACアドレスを取得し、
異なるタイミングに取得された前記MACアドレスに基づいて、前記ユーザ端末の接続状態を判定し、
前記ユーザ端末が接続している場合、前記ユーザ端末の接続方法と、前記優先度とに基づいて、自動でSIMスロットを切り替える、
処理をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、SIMスロットの不要な切り替えを抑制しつつ、ユーザ端末の接続方法に基づき、SIMスロットを自動で切り替えることができる通信装置、SIM自動切り替え方法、SIM自動切り替えプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1の実施形態に係る通信装置の構成を示した図である。
図2】第2の実施形態に係る通信システムの構成を模式的に示した図である。
図3】第2の実施形態に係る通信装置の構成を示すブロック図である。
図4】第2の実施形態に係る接続方法、SIMスロット、優先度を対応付けた対応表である。
図5】第2の実施形態に係るWi-Fi端末が接続したときの処理を示すフローチャートである。
図6】第2の実施形態に係るWi-Fi端末が切断したときの処理を示すフローチャートである。
図7】第3の実施形態に係る通信システムの構成を模式的に示した図である。
図8】第3の実施形態に係る接続方法、SIMスロット、優先度を対応付けた対応表の図である。
図9】第3の実施形態に係るSSID2端末が接続したときの処理を示すフローチャートである。
図10】第3の実施形態に係るSSID2端末が切断したときの処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1の実施形態)
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。ただし、本発明が以下の実施形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜、簡略化されている。
【0016】
図1は、第1の実施形態に係る通信装置の構成を示した図である。
第1の実施形態に係る通信装置10は、端末側通信モジュール1、基地局側通信モジュール2、SIMスロット3、SIMスロット4、制御部5、接続方法識別部6、MACアドレス取得部7、記憶部8を備える。
【0017】
端末側通信モジュール1は、ユーザ端末と通信接続を行う。基地局側通信モジュール2は、無線基地局と通信接続を行う。SIMスロット3、SIMスロット4(複数のSIMスロットに対応)は、SIMをそれぞれ格納する。制御部5は、SIMスロット3、SIMスロット4の切り替えを制御する。接続方法識別部6は、ユーザ端末の接続方法を識別する。MACアドレス取得部7は、ユーザ端末のMACアドレスを取得する。記憶部8は、ユーザ端末の接続方法と、SIMスロット3、SIMスロット4と、優先度とを対応付けて記憶する。MACアドレス取得部7は、ユーザ端末の接続時及び所定時間経過後にMACアドレスを取得し、制御部5は、異なるタイミングに取得されたMACアドレスMACアドレスに基づいて、ユーザ端末の接続状態を判定し、ユーザ端末が接続している場合、ユーザ端末の接続方法と、優先度とに基づいて、自動でSIMスロットを切り替える。
【0018】
これにより、本実施の形態に係る通信装置10は、SIMスロットの不要な切り替えを抑制しつつ、ユーザ端末の接続方法に基づき、SIMスロットを自動で切り替えることができる。
【0019】
(第2の実施形態)
図2は、第2の実施形態に係る通信システムの構成を模式的に示した図である。
第2の実施形態に係る通信システムは、モバイルルータ100、SIMスロット101、SIMスロット102、SIM103、SIM104、スマートフォン105、カーナビゲーション106、PC107、通信事業者Aのネットワーク108、通信事業者Bのネットワーク109、インターネット110から構成される。
【0020】
本実施形態に係る通信装置として、モバイルルータ100を例に説明する。なお、通信装置として、複数のSIMが格納可能な据え置き型のルータやスマートフォンなどを用いることもできる。
【0021】
モバイルルータ100は、通信事業者Aのネットワーク108及び通信事業者Bのネットワーク109に、例えばLTE(Long Term Evolution)やWiMAX 2+(Worldwide Interoperability for Microwave Access 2+)、5G(5th Generation)などの方法で接続する機能を備えた可搬型のルータである。なお、接続方法は上述の例に限られず、通信事業者のネットワークへ接続可能であれば他の方法でもよい。
【0022】
モバイルルータ100は、加入者情報が記録されたSIM103、SIM104をそれぞれ格納するためのSIMスロット101、SIMスロット102を有する。なお、モバイルルータ100は、3つ以上のSIMスロットを備えるように構成してもよい。
【0023】
SIM103は、通信事業者Aのネットワーク108に接続するための加入者情報が書き込まれたSIMであり、低速プランのSIMである。SIM103は、SIMスロット101に格納されている。
SIM104は、通信事業者Bのネットワーク109に接続するための加入者情報が書き込まれたSIMであり、高速プランのSIMである。SIM104は、SIMスロット102に格納されている。
【0024】
モバイルルータ100と、モバイルルータ100に接続するユーザ端末との接続方法は、例えばWi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)テザリング(以下、Bluetooth)、Ethernet(登録商標)、USB(登録商標)テザリングなどである。なお、接続方法は上述の例に限られず、モバイルルータ100へ接続可能であれば他の接続方法でもよい。
第2の実施形態では、Wi-Fi接続のユーザ端末(以下、Wi-Fi端末ともいう)及びBluetooth接続のユーザ端末(以下、Bluetooth端末ともいう)に着目して説明する。
【0025】
ここで、Wi-Fi及びBluetoothによる接続の特徴について説明する。
Wi-Fiは、Bluetoothよりも通信速度が大きい。よって、Wi-Fiは、動画視聴、ゲームなど、インターネット110上のサーバから比較的短時間に大量のデータを送受信する用途に適している。
一方で、Bluetoothは、Wi-Fiよりも通信速度が小さいものの電池消費が少ない。このことから、Bluetoothは、メールやニュースアプリ、Webの閲覧などの比較的少量のデータを長時間あるいは定期的に送受信する用途に適している。
【0026】
スマートフォン105は、例えばモバイルルータ100を利用する利用者が所有するスマートフォンであり、モバイルルータ100にBluetoothで接続している。スマートフォン105は、インターネット110上のWebサーバやメールサーバとの間で比較的少量のデータを送受信する。
【0027】
カーナビゲーション106は、例えばモバイルルータ100を利用する利用者の所有する車に搭載されたカーナビゲーションシステムであり、モバイルルータ100にBluetoothで接続している。カーナビゲーション106は、インターネット110上のサーバとの間で交通情報や天気など比較的少量のデータを定期的に送受信する。
【0028】
PC107は、例えばモバイルルータ100を利用する利用者が所有するノートPCであり、モバイルルータ100にWi-Fiで接続している。インターネット110上のサーバとの間で動画など、比較的短時間に大量のデータを送受信する。
【0029】
図3は、第2の実施形態に係る通信装置の構成を示すブロック図である。
第2の実施形態に係るモバイルルータ100は、CPU(Central Processing Unit)201、バス202、ROM(Read Only Memory)203、RAM(Random Access Memory)204、不揮発メモリ205、SIMスロット206、SIMスロット207、WAN接続制御部208、Wi-Fi制御部209、Bluetooth制御部210から構成されている。
【0030】
第2の実施形態に係るCPU201は、第1の実施形態に係る制御部5、接続方法識別部6の機能に対応する。また、ROM203、RAM204、不揮発メモリ205は、記憶部8の機能に対応し、SIMスロット206、SIMスロット207は、SIMスロット3、SIMスロット4に対応する。WAN接続制御部208は、基地局側通信モジュール2の機能に対応し、Wi-Fi制御部209、Bluetooth制御部210は、端末側通信モジュール1、MACアドレス取得部7の機能に対応する。
【0031】
CPU201は、プログラムを実行可能な演算処理装置であり、バス202を介して装置内の各部と接続されている。
ROM203は、CPU201が実行する各種制御プログラムを格納した読込専用のメモリである。
【0032】
RAM204は、CPU201がプログラムを実行する上で一時的に必要とするデータを格納する。
不揮発メモリ205は、電源を供給しなくても記憶を保持するメモリであり、モバイルルータ100の設定値などの情報を格納している。
【0033】
SIMスロット206、SIMスロット207はSIMをそれぞれ格納するための部品であり、図2のSIMスロット101、SIMスロット102に対応する。
WAN接続制御部208は、CPU201の指示に従い、ネットワークへの接続を制御する。
【0034】
Wi-Fi制御部209は、CPU201の指示に従い、Wi-Fi端末の通信接続または切断を制御する。
Bluetooth制御部210は、CPU201の指示に従い、Bluetooth端末の通信接続または切断を制御する。
【0035】
図4は、接続方法、SIMスロット、優先度を対応付けた対応表である。
対応表301は、モバイルルータ100とユーザ端末との接続方法と、接続方法に対応したSIMスロットと、優先度との対応関係を示している。対応表301は、不揮発メモリ205に保存されている。
【0036】
対応表301において、Wi-Fi接続に対応するSIMスロット102を優先度1、Bluetooth接続に対応するSIMスロット101を優先度2とする。例えば、Wi-Fi端末のみが接続しているときは、SIMスロット102に格納されているSIM104を使用する。Bluetooth端末のみが接続しているときは、SIMスロット101に格納されているSIM103を使用する。Wi-Fi端末とBluetooth端末とが接続しているとき、優先度1のSIMスロット102に格納されているSIM104を使用する。接続方法が1つだけの場合は、優先度を考慮しなくてもよい。
利用者は、モバイルルータ100の設定ページなどにて、接続方法、SIMスロット、及び優先度についての設定を行うことができる。
以上のように、モバイルルータ100は、対応表301を参照し、SIMスロットを選択する。
【0037】
具体的には、第2の実施形態において、スマートフォン105、カーナビゲーション106のようなBluetooth端末のみがモバイルルータ100に接続しているとき、SIMスロット101に格納されている低速プランのSIM103を使用する。一方で、PC107のようなWi-Fi端末のみがモバイルルータ100に接続しているとき、SIMスロット102に格納されている高速プランのSIM104を使用する。Wi-Fi端末とBluetooth端末とがモバイルルータ100に接続しているときは、SIMスロット102に格納されている高速プランのSIM104を使用する。
【0038】
これにより、Bluetooth端末のみが接続しているときは、低速プランのSIM103を使用し、Wi-Fi端末が接続しているときにSIM104を使用することで、通信量制限のある高速プランのSIM104の使用を抑えるとともに、ユーザ端末に応じて適切な通信速度のインターネットを利用することができる。
さらに、本実施形態に係るモバイルルータ100は、異なるタイミングに取得されたMACアドレスに基づいてユーザ端末を識別することによって、SIMスロットの不要な切り替えを抑制する。
以下、具体的な方法について説明する。
【0039】
モバイルルータ100にユーザ端末が接続したときの処理について説明する。
図5は、Wi-Fi端末が接続したときの処理を示すフローチャートである。
図5の前提条件として、モバイルルータ100にはBluetooth端末であるスマートフォン105のみが接続しており、対応表301より、SIMスロット101に格納されているSIM103が使用されている。このモバイルルータ100に、Wi-Fi端末であるPC107が新たに接続したときの処理について以下説明する。
【0040】
Wi-Fi制御部209は、接続しているユーザ端末のMACアドレスを一時的に記憶している。また、Wi-Fi制御部209は、CPU201の指示に従い、ユーザ端末のMACアドレスをCPU201に送信する。
【0041】
モバイルルータ100のCPU201は、PC107がWi-Fi接続でモバイルルータ100に接続をしていることを認識すると、Wi-Fi制御部209からPC107のMACアドレスを取得する(S401)。CPU201は、対応表301を参照し、PC107の接続方法に対応するSIMスロットと優先度との情報を取得する(S402)。
【0042】
CPU201は、現在使用しているSIMスロットがS402で取得したSIMスロットと一致しているかを確認する(S403)。一致している場合は(S403、YES)、SIMスロットの切り替えは実行しない。一致していない場合(S403、NO)、CPU201は、所定の時間待機する(S404)。Wi-Fi制御部209は、所定時間経過後にPC107のMACアドレスを取得する(S405)。取得できなかった場合(S405、NO)、CPU201は、PC107が接続されていないと判定し、SIMスロットの切り替えは実行しない。
【0043】
PC107のMACアドレスが取得できた場合(S405、YES)、CPU201は取得したMACアドレスがPC107のMACアドレスと同一であるか判定する(S406)。MACアドレスが同一でない場合(S406、NO)、PC107は接続されていないが、他のWi-Fi端末が新たに接続していると判断できるため、S401に戻る。MACアドレスが同一である場合(S406、YES)、CPU201は、PC107が接続状態を維持していると判定する。
【0044】
その後、WAN接続制御部208は、CPU201の指示に従い、WANを切断する(S407)。切断した後、CPU201は、SIMスロットを優先度の高いSIMスロットに切り替える(S408)。具体的には、優先度1のSIMスロット102に切り替える。切り替えが完了した後、WAN接続制御部208は、WANに接続する。(S409)。なお、スマートフォン105は、Bluetooth接続で、モバイルルータ100に継続して接続している。
【0045】
これにより、Wi-Fi端末の接続が所定時間経過後にも継続されている場合、つまり接続が一時的でない場合において、SIMスロットを切り替えることができ、SIMスロットの不要な切り替えを抑制することができる。
【0046】
次に、モバイルルータ100からユーザ端末が切断された場合の処理について説明する。
図6は、Wi-Fi端末が切断したときの処理を示すフローチャートである。
図6の前提条件として、モバイルルータ100では、PC107の接続が切断された時点において、優先度1のSIMスロット102に格納されているSIM104が使用されている。また、モバイルルータ100には、Bluetooth端末であるスマートフォン105が接続している。
【0047】
Wi-Fi制御部209は、接続しているユーザ端末のMACアドレスを一時的に記憶している。また、Wi-Fi制御部209は、PC107が切断されたとき、PC107のMACアドレスをCPU201に送信する。
【0048】
モバイルルータ100のCPU201は、PC107の接続が切断されたことを認識すると、Wi-Fi制御部209からPC107のMACアドレスを取得する(S501)。また、CPU201は、対応表301を参照し、PC107の接続方法に対応するSIMスロットと優先度との情報を取得する(S502)。
【0049】
CPU201は、現在使用しているSIMスロットがS502で取得したSIMスロットと一致しているかを確認する(S503)。一致していない場合は(S503、NO)、SIMスロットの切り替えは実行しない。一致している場合(S503、YES)、CPU201は、接続中の他のWi-Fi端末の有無を確認する(S504)。接続中の他のWi-Fi端末があるとき(S505、NO)、SIMスロットの切り替えは実行しない。接続中の他のWi-Fi端末がないとき(S505、YES)、CPU201は、所定の時間待機する。(S506)CPU201は、Wi-Fi制御部209からPC107のMACアドレスを取得できたとき(S507、NO)、PC107が再度接続したと判定し、SIMスロットの切り替えは実行しない。CPU201は、Wi-Fi制御部209からPC107のMACアドレスを取得できないときに、切断が維持されていると判定する(S507、YES)。
PC107の切断状態が維持されている場合、、WAN接続制御部208は、CPU201の指示に従い、WANを切断する(S508)。切断した後、CPU201は、SIMスロットを切り替える(S509)。具体的には、優先度2のSIMスロット101に切り替える。切り替えが完了した後、WAN接続制御部208は、WANに接続する。(S510)。
【0050】
これにより、ユーザ端末のMACアドレスに基づき、切断状態が継続されているかを判定した上で、SIMスロットの切り替えを行うことができ、SIMスロットの不要な切り替えを抑制することができる。
【0051】
(第3の実施形態)
図7は第3の実施形態に係る通信システムの構成を模式的に示した図である。第3の実施形態に係る通信システムは、モバイルルータ600、SIMスロット601、SIMスロット602、SIM603、SIM604、スマートフォン605、ゲーム機606、テレビ607、通信事業者Aのネットワーク608、通信事業者Bのネットワーク609、インターネット610から構成されている。
【0052】
モバイルルータ600は、通信事業者Aのネットワーク608や通信事業者Bのネットワーク609へLTEやWiMAX 2+、5Gなどの方法で接続する機能を備えた可搬型のルータである。モバイルルータ100は、Wi-Fi接続において、2つのSSIDを同時に有効にすることができる。
モバイルルータ600は、加入者情報が記録されたSIM603、SIM604を格納するためのSIMスロット601、SIMスロット602を有する。
【0053】
SIM603は、通信事業者Aのネットワーク608に接続するための加入者情報が書き込まれたSIMであり、低速プランのSIMである。SIM603は、SIMスロット601に格納されている。
【0054】
SIM604は、通信事業者Bのネットワーク609に接続するための加入者情報が書き込まれたSIMであり、高速プランのSIMである。SIM604は、SIMスロット602に格納されている。
【0055】
スマートフォン605は、例えばモバイルルータ600を利用する利用者が所有するスマートフォンであり、モバイルルータ600のSSID1に接続する。スマートフォン605は、インターネット610上のWebサーバやメールサーバとの間でデータを送受信する。スマートフォン605は、比較的少量のデータを送受信する。
【0056】
ゲーム機606は、例えばモバイルルータ600を利用する利用者が所有するゲーム機であり、モバイルルータ600のSSID2に接続する。ゲーム機606は、インターネット610上のサーバとの間で対戦型ゲームのデータを送受信する。ゲーム機606は、短時間で比較的大量のデータを送受信する。
【0057】
テレビ607は、例えばモバイルルータ600を利用する利用者が所有するテレビであり、モバイルルータ600のSSID2に接続する。テレビ607は、インターネット610上のサーバから映画やスポーツ中継などのデータを受信する。テレビ607は、短時間で比較的大量のデータを受信する。
【0058】
モバイルルータ600の構成は、モバイルルータ100と同様である。図2より、モバイルルータ600は、CPU201、バス202、ROM203、RAM204、不揮発メモリ205、SIMスロット206、SIMスロット207、WAN接続制御部208、Wi-Fi制御部209、Bluetooth制御部210で構成されている。SIMスロット206、SIMスロット207は、SIMスロット601、SIMスロット602に対応する。なお、Bluetooth制御部210は、備えていなくてもよい。
【0059】
図8は、接続方法、SIMスロット、優先度を対応付けた対応表である。対応表701は、SSID、SIMスロット、優先度の対応関係を示している。
SSID2のSIMスロット602を優先度1、SSID1のSIMスロット601を優先度2とする。例えば、SSID1で接続している端末(以下、SSID1端末ともいう)のみが接続しているときは、SIMスロット601に格納されているSIM603を使用する。SSID2で接続している端末(以下、SSID2端末ともいう)のみが接続しているときは、SIMスロット602に格納されているSIM604を使用する。SSID1端末とSSID2端末とが接続しているときは、優先度1のSIMスロット602に格納されているSIM604を使用する。接続方法が1つだけの場合は、優先度を考慮しなくてもよい。
以上のように、モバイルルータ600は、対応表701を参照し、SIMスロットを選択する。
【0060】
利用者はモバイルルータ600の設定ページなどにて、接続方法、SIMスロット、及び優先度についての設定を行うことができる。対応表701は、モバイルルータ600の不揮発メモリ205に保存されている。
【0061】
図9は、SSID2端末が接続したときの処理を示すフローチャートである。
図9の前提条件として、モバイルルータ600には、SSID1で接続しているSSID1端末であるスマートフォン605のみが接続しており、対応表701より、SIMスロット601に格納されているSIM603が使用されている。このモバイルルータ600に、SSID2端末であるゲーム機606が新たに接続したときの処理について以下説明する。
【0062】
Wi-Fi制御部209は、接続しているユーザ端末のMACアドレスを一時的に記憶している。また、Wi-Fi制御部209は、CPU201の指示に従い、ユーザ端末のMACアドレスをCPU201に送信する。
【0063】
モバイルルータ600のCPU201は、ゲーム機606がSSID2接続でモバイルルータ600に接続をしていることを認識すると、Wi-Fi制御部209からゲーム機606のMACアドレスを取得する(S801)。CPU201は、対応表701を参照し、ゲーム機606の接続方法に対応するSIMスロットと優先度の情報を取得する(S802)。
【0064】
CPU201は、現在使用しているSIMスロットがS802で取得したSIMスロットと一致しているかを確認する(S803)。一致している場合(S803、YES)、SIMスロットの切り替えは実行しない。一致していない場合(S803、NO)、CPU201は、所定の時間待機する(S804)。Wi-Fi制御部209は、所定時間経過後にゲーム機606のMACアドレスを取得する(S805)。取得できなかった場合(S805、NO)、CPU201は、ゲーム機606が接続されていないと判定する。
【0065】
ゲーム機606のMACアドレスが取得できた場合(S805、YES)、CPU201は、取得したMACアドレスがゲーム機606のMACアドレスと同一であるか判定する(S806)。MACアドレスが同一でない場合(S806、NO)、ゲーム機606は接続されていないが、他のSSID2端末が他のWi-Fi端末が新たに接続していると判断できるため、S801に戻る。MACアドレスが同一である場合(S806、YES)、CPU201は、ゲーム機606が接続状態を維持していると判定する。
【0066】
その後、WAN接続制御部208は、CPU201の指示に従い、WANを切断する(S807)。切断した後、CPU201は、SIMスロットを優先度の高いSIMスロットに切り替える(S808)。具体的には、優先度1のSIMスロット602に切り替える。切り替えが完了した後、WAN接続制御部208は、WANに接続する。(S809)。なお、スマートフォン605は、SSID1接続で、モバイルルータ600に継続して接続している。
【0067】
これにより、SSID2端末の接続が所定時間経過後にも継続されている場合、つまり接続が一時的でない場合において、SIMスロットを切り替えることができ、SIMスロットの不要な切り替えを抑制することができる。
【0068】
次に、モバイルルータ600からSSID2端末が切断された場合の処理について説明する。
図10は、SSID2端末が切断したときの処理を示すフローチャートである。
図10の前提条件として、モバイルルータ600では、ゲーム機606の接続が切断された時点において、優先度1のSIMスロット602に格納されているSIM604が使用されている。また、モバイルルータ600には、SSID1端末であるスマートフォン605が接続している。
【0069】
Wi-Fi制御部209は、接続しているユーザ端末のMACアドレスを一時的に記憶している。また、Wi-Fi制御部209は、ゲーム機606が切断されたとき、ゲーム機606のMACアドレスをCPU201に送信する。
【0070】
モバイルルータ600のCPU201は、ゲーム機606の接続が切断されたことを認識すると、Wi-Fi制御部209からゲーム機606のMACアドレスを取得する(S901)。また、CPU201は、対応表701を参照し、ゲーム機606の接続方法に対応するSIMスロットと優先度との情報を取得する(S902)。
【0071】
CPU201は、現在使用しているSIMスロットがS902で取得したSIMスロットと一致しているかを確認する(S903)。一致していない場合(S903、NO)、SIMスロットの切り替えは実行しない。一致している場合(S903、YES)、接続中の他のSSID2端末の有無を確認する(S904)。
【0072】
接続中の他のSSID2端末があるとき(S905、NO)、SIMスロットの切り替えは実行しない。接続中の他のSSID2端末がないとき(S905、YES)、CPU201は、所定の時間待機する(S906)。CPU201は、Wi-Fi制御部209からゲーム機606のMACアドレスを取得できたとき(S907、NO)、PC107が再度接続したと判定し、SIMスロットの切り替えは実行しない。CPU201は、Wi-Fi制御部209からPC107のMACアドレスを取得できないときに、切断が維持されていると判定する(S907、YES)。
ゲーム機606の切断状態が維持されている場合、WAN接続制御部208は、CPU201に従って、WANを切断する(S908)。切断した後、CPU201は、SIMスロットを切り替える(S909)。具体的には、優先度2のSIMスロット601に切り替える。切り替えが完了した後、WAN接続制御部208は、WANに接続する。(S910)。
【0073】
これにより、ユーザ端末のMACアドレスに基づき、切断状態が継続されているかを判定した上で、SIMスロットの切り替えを行うことができ、SIMスロットの不要な切り替えを抑制することができる。
【0074】
以上、本実施の形態に係る発明によれば、SIMスロットの不要な切り替えを抑制しつつ、ユーザ端末の接続方法に基づき、SIMスロットを自動で切り替えることができる通信装置、SIM自動切り替え方法、SIM自動切り替えプログラムを提供することができる。
【0075】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0076】
上述の例において、各種制御プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM)を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【符号の説明】
【0077】
1 端末側通信モジュール
2 基地局側通信モジュール
3 SIMスロット
4 SIMスロット
5 制御部
6 接続方法識別部
7 MACアドレス取得部
8 記憶部
10 通信装置
100 モバイルルータ
101、102 SIMスロット
103、104 SIM
105 スマートフォン
106 カーナビゲーション
107 PC
108、109 ネットワーク
110 インターネット
201 CPU
202 バス
203 ROM
204 RAM
205 不揮発メモリ
206、207 SIMスロット
208 WAN接続制御部
209 Wi-Fi制御部
210 Bluetooth制御部
600 モバイルルータ
601、602 SIMスロット
603、604 SIM
605 スマートフォン
606 ゲーム機
607 テレビ
608、609 ネットワーク
610 インターネット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10