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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】建設機械用監視カメラ装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/18 20060101AFI20221129BHJP
   E02F 9/26 20060101ALI20221129BHJP
   E02F 9/24 20060101ALI20221129BHJP
   B60R 1/00 20220101ALI20221129BHJP
   B60R 11/02 20060101ALI20221129BHJP
【FI】
H04N7/18 J
H04N7/18 U
E02F9/26 A
E02F9/24 B
B60R1/00
B60R11/02 C
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019224377
(22)【出願日】2019-12-12
(65)【公開番号】P2021093672
(43)【公開日】2021-06-17
【審査請求日】2020-08-24
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000146515
【氏名又は名称】株式会社植木組
(74)【代理人】
【識別番号】100092691
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 勇治
(72)【発明者】
【氏名】星野 和利
(72)【発明者】
【氏名】福▲崎▼ 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】原 克也
【審査官】秦野 孝一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-113561(JP,A)
【文献】特開2016-184940(JP,A)
【文献】特開2007-278025(JP,A)
【文献】特開2019-83370(JP,A)
【文献】特開2001-301538(JP,A)
【文献】特開2013-221303(JP,A)
【文献】特開2012-82608(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/18
E02F 9/00-9/28
B60R 1/00
B60R 9/00-11/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建設機械の車体に備えられ、車体の後方を撮像する後方監視カメラと、車体の右側方を撮像する右側方監視カメラと、車体の左側方を撮像する左側方監視カメラと、建設機械の運転室に設置され、該後方監視カメラからの映像信号に基づき車体の後方の撮像対象の鏡像を表示する後方表示部及び該右側方監視カメラからの映像信号に基づき車体の右側方の撮像対象の正像を表示する右側方表示部並びに該左側方監視カメラからの映像信号に基づき車体の左側方の撮像対象の正像を表示する左側方表示部を有するディスプレイとを備えてなり、上記ディスプレイに上記車体の姿勢情報及び上記各監視カメラの設置位置情報を表示する車体情報表示部が設けられ、該車体情報表示部に車体の姿勢情報としての車体の模擬平面図形が表示され、模擬平面図形に上記各監視カメラの設置位置情報が表示され、該車体情報表示部の車体の模擬平面図形の下方位置に上記後方表示部が配置され、該車体情報表示部の車体の模擬平面図形の右側方位置に右側方表示部が配置され、該車体情報表示部の車体の模擬平面図形の左側方位置に左側方表示部が配置され、上記後方表示部、上記右側方表示部及び上記左側方表示部は上記車体の模擬平面図形を取り囲む位置に配置され、上記後方表示部には上記車体の後方の撮像対象の鏡像が180度上下反転して表示され、上記右側方表示部には車体の右側方の撮像対象の正像が時計回りに90度回転して表示され、上記左側方表示部には車体の左側方の撮像対象の正像が反時計回りに90度回転して表示されさらに、上記ディスプレイは上記車体に着脱可能なタブレット端末であり、しかも、上記各監視カメラは上記車体に磁石により取り付けられ、さらに、該各監視カメラと上記ディスプレイとを無線方式で接続する画像処理部が設けられていることを特徴とする建設機械用監視カメラ装置。
【請求項2】
上記後方監視カメラは上記車体の後部中央に1個設置され、上記右側方監視カメラは上記車体の右側部に1個設置され、上記左側方監視カメラは上記車体の左側部に1個設置されてなることを特徴とする請求項1記載の建設機械用監視カメラ装置。
【請求項3】
上記後方監視カメラは上記車体の後部左右両側に1個宛計2個設置され、上記右側方監視カメラは上記車体の右側部に1個設置され、上記左側方監視カメラは上記車体の左側部に1個設置されてなることを特徴とする請求項1記載の建設機械用監視カメラ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、ショベル系建設機械に使用される建設機械用監視カメラ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の建設機械用監視カメラ装置として、図5図6及び図7の如く、建設機械Mの車体Mに備えられ、車体Mの後方を撮像する後方監視カメラCと、車体Mの右側方を撮像する右側方監視カメラCと、車体Mの左側方を撮像する左側方監視カメラCと、建設機械Mの運転室Mに設置され、後方監視カメラCからの映像信号に基づき車体Mの後方の撮像対象Tの鏡像Iを表示する後方表示部D及び右側方監視カメラCからの映像信号に基づき車体Mの右側方の撮像対象Tの正像ITRを表示する右側方表示部D並びに左側方監視カメラCからの映像信号に基づき車体Mの左側方の撮像対象Tの正像ITLを表示する左側方表示部Dを有するディスプレイDとを備えてなる構造のものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平10-140619号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上記従来構造の場合、図6の如く、車体Mの後方の撮像対象Tが(イ)→(ロ)→(ハ)の如く、左側位置から右側位置、更に、右側位置から前側位置へと移動した場合、図7の如く、ディスプレイDの後方表示部Dに表示される撮像対象Tの鏡像Iは(イ)→(ロ)のように左側位置から右側位置へと移動表示され、右側方表示部Dに表示される撮像対象Tの正像ITRは(ロ)→(ハ)のように右側位置から左側位置へと移動表示され、左側方表示部Dに表示される撮像対象Tの正像ITLは(イ)→表示外のように左側位置から無表示域に移動表示され、このため、後方表示部Dの鏡像I並びに右側方表示部Dの正像ITR及び左側方表示部Dの正像ITLの間には撮像対象Tの動きに相互連続性が無く、すなわち、建設機械Mの周囲を移動する撮像対象T、例えば、作業員の動きを車体Mの運転室Mの運転席Mの前方位置に運転者に向けて設置されたディスプレイDの画面により直感的に視認して把握することができず、建設機械Mと撮像対象Tとの接触等による事故防止及び各種の建設機械の操作の安全性の確保に乏しいことがあるという不都合を有している。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明はこれらの不都合を解決することを目的とするもので、本発明のうち、請求項1記載の発明は、建設機械の車体に備えられ、車体の後方を撮像する後方監視カメラと、車体の右側方を撮像する右側方監視カメラと、車体の左側方を撮像する左側方監視カメラと、建設機械の運転室に設置され、該後方監視カメラからの映像信号に基づき車体の後方の撮像対象の鏡像を表示する後方表示部及び該右側方監視カメラからの映像信号に基づき車体の右側方の撮像対象の正像を表示する右側方表示部並びに該左側方監視カメラからの映像信号に基づき車体の左側方の撮像対象の正像を表示する左側方表示部を有するディスプレイとを備えてなり、上記ディスプレイに上記車体の姿勢情報及び上記各監視カメラの設置位置情報を表示する車体情報表示部が設けられ、該車体情報表示部に車体の姿勢情報としての車体の模擬平面図形が表示され、模擬平面図形に上記各監視カメラの設置位置情報が表示され、該車体情報表示部の車体の模擬平面図形の下方位置に上記後方表示部が配置され、該車体情報表示部の車体の模擬平面図形の右側方位置に右側方表示部が配置され、該車体情報表示部の車体の模擬平面図形の左側方位置に左側方表示部が配置され、上記後方表示部、上記右側方表示部及び上記左側方表示部は上記車体の模擬平面図形を取り囲む位置に配置され、上記後方表示部には上記車体の後方の撮像対象の鏡像が180度上下反転して表示され、上記右側方表示部には車体の右側方の撮像対象の正像が時計回りに90度回転して表示され、上記左側方表示部には車体の左側方の撮像対象の正像が反時計回りに90度回転して表示されさらに、上記ディスプレイは上記車体に着脱可能なタブレット端末であり、しかも、上記各監視カメラは上記車体に磁石により取り付けられ、さらに、該各監視カメラと上記ディスプレイとを無線方式で接続する画像処理部が設けられていることを特徴とする建設機械用監視カメラ装置にある。
【0006】
又、請求項2記載の発明は、上記後方監視カメラは上記車体の後部中央に1個設置され、上記右側方監視カメラは上記車体の右側部に1個設置され、上記左側方監視カメラは上記車体の左側部に1個設置されてなることを特徴とするものであり、又、請求項3記載の発明は、上記後方監視カメラは上記車体の後部左右両側に1個宛計2個設置され、上記右側方監視カメラは上記車体の右側部に1個設置され、上記左側方監視カメラは上記車体の左側部に1個設置されてなることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明は上述の如く、請求項1記載の発明にあっては、ディスプレイの後方表示部に表示される撮像対象の鏡像は移動表示されると共に撮像対象の鏡像は180度上下反転して表示され、右側方表示部に表示される撮像対象の正像は移動表示されると共に撮像対象の正像は時計回りに90度回転して表示され、左側方表示部に表示される撮像対象の正像は移動表示されると共に撮像対象の正像は反時計回りに90度回転して表示され、このため、後方表示部の鏡像及び右側方表示部の正像並びに左側方表示部の正像の間での撮像対象の動きに連続性が見られることになり、撮像対象の動きをディスプレイにより直感的に視認して把握することができ、建設機械と撮像対象との接触等による事故防止及び各種の建設機械の操作の安全性を向上することができ、さらに車体情報表示部に車体の姿勢情報としての車体の模擬平面図形が表示され、模擬平面図形に上記各監視カメラの設置位置情報が表示され、車体情報表示部の車体の模擬平面図形の下方位置に上記後方表示部が配置され、車体情報表示部の車体の模擬平面図形の右側方位置に右側方表示部が配置され、車体情報表示部の車体の模擬平面図形の左側方位置に左側方表示部が配置され、上記後方表示部、上記右側方表示部及び上記左側方表示部は上記車体の模擬平面図形を取り囲む位置に配置され、上記後方表示部には上記車体の後方の撮像対象の鏡像が180度上下反転して表示され、上記右側方表示部には車体の右側方の撮像対象の正像が時計回りに90度回転して表示され、上記左側方表示部には車体の左側方の撮像対象の正像が反時計回りに90度回転して表示されているから、撮像対象の動きを上記車体の模擬平面図形及び模擬平面図形に表示された上記各監視カメラの設置位置情報により撮像対象を直感的に視認することができ、監視を確実に行うことができ、さらに、上記ディスプレイは上記車体に着脱可能なタブレット端末であるから、ディスプレイの設置位置情報の融通性及び視認性の向上を図ることができ、しかも、上記各監視カメラは上記車体に磁石により取り付けられ、さらに、各監視カメラと上記ディスプレイとを無線方式で接続する画像処理部が設けられているから、各監視カメラ及びディスプレイの設置を容易に行うことができると共に設置の融通性を向上することができる。
【0008】
又、請求項2記載の発明にあっては、上記後方監視カメラは上記車体の後部中央に1個設置され、上記右側方監視カメラは上記車体の右側部に1個設置され、上記左側方監視カメラは上記車体の左側部に1個設置されてなるから、ディスプレイに後方表示部、右側方表示部及び左側方表示部の三つ画面及び車体情報表示部の画面で表示することができ、撮像対象の動きを上記車体の姿勢情報及び上記各監視カメラの設置位置情報と共に認識することができ、撮像対象の監視を確実に行うことができ、構造を簡素化することができ、又、請求項3記載の発明にあっては、後方監視カメラは上記車体の後部左右両側に1個宛計2個設置され、上記右側方監視カメラは上記車体の右側部に1個設置され、上記左側方監視カメラは上記車体の左側部に1個設置されているから、ディスプレイに2個の後方表示部、右側方表示部及び左側方表示部の四つ画面及び車体情報表示部の画面で表示することができ、撮像対象の動きを上記車体の姿勢情報及び上記各監視カメラの設置位置情報と共に確実に認識することができ、撮像対象の監視を確実に行うことができ、構造を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の第一形態例のディスプレイ説明図である。
図2】本発明の実施の第一形態例の制御ブロック図である。
図3】本発明の実施の第二形態例の説明平面図である。
図4】本発明の実施の第二形態例のディスプレイ説明図である。
図5】カメラ監視状態の説明斜視図である。
図6】カメラ監視状態の説明平面図である。
図7】従来構造のディスプレイ説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1乃至図6は本発明の実施の形態例を示し、図1図2は第一形態例、図3図4は第二形態例であり、上記従来構造と同一態様部分には同符号を付して説明する。
【0011】
図1図2の第一形態例にあっては、図1図2図6の如く、大別して、建設機械Mの車体Mに備えられ、車体Mの後方を撮像する後方監視カメラCと、車体Mの右側方を撮像する右側方監視カメラCと、車体Mの左側方を撮像する左側方監視カメラCと、建設機械Mの運転室Mに設置され、後方監視カメラCからの映像信号Sに基づき車体Mの後方の撮像対象Tの鏡像Iを表示する後方表示部D及び右側方監視カメラCからの映像信号Sに基づき車体Mの右側方の撮像対象Tの正像ITRを表示する右側方表示部D並びに左側方監視カメラCからの映像信号Sに基づき車体Mの左側方の撮像対象Tの正像ITLを表示する左側方表示部Dを有するディスプレイDとを備えて構成されている。
【0012】
この場合、上記後方監視カメラCは上記車体Mの後部中央に1個設置され、上記右側方監視カメラCは上記車体Mの右側部に1個設置され、上記左側方監視カメラCは上記車体Mの左側部に1個設置されている。
【0013】
この場合、図1の如く、上記ディスプレイDとして、上記車体Mに着脱可能なタブレット端末Dが用いられ、又、この場合、上記車体Mの姿勢情報I及び上記各監視カメラC・C・Cの設置位置情報CBP・CRP・CLPを表示する車体情報表示部Dが設けられ、車体情報表示部Dの下方位置に上記後方表示部Dが配置され、車体情報表示部Dの右側方位置に右側方表示部Dが配置され、車体情報表示部Dの左側方位置に左側方表示部Dが配置され、上記後方表示部D 、上記右側方表示部D 及び上記左側方表示部D は上記車体情報表示部D に表示された車体M の姿勢情報I としての車体M の模擬平面図形を取り囲む位置に配置されている。
【0014】
は画像処理部であって、この場合、上記各監視カメラC・C・Cと上記ディスプレイDとは無線方式で接続され、後方監視カメラC、右側方監視カメラC及び左側方監視カメラCからの映像信号Sに基づき車体Mの後方の撮像対象Tの鏡像Iを後方表示部Dに表示し、車体Mの右側方の撮像対象Tの正像ITRを右側方表示部Dに表示し、車体Mの左側方の撮像対象Tの正像ITLを左側方表示部Dに表示するように構成されている。
【0015】
この場合、上記画像処理部Iにおいては、図1の如く、上記後方表示部Dには上記車体Mの後方の撮像対象Tの鏡像Iが180度上下反転して表示され、この場合、撮像対象Tとしての作業員の足部が車体情報表示部Dに近接し、作業員の頭部が車体情報表示部Dから離反する倒立状態で表示され、又、上記右側方表示部Dには車体Mの右側方の撮像対象Tの正像ITRが時計回りに90度回転して表示され、この場合、撮像対象Tとしての作業員の足部が車体情報表示部Dに近接し、作業員の頭部が車体情報表示部Dから離反する横臥状態で表示され、又、上記左側方表示部Dには車体Mの左側方の撮像対象Tの正像ITLが反時計回りに90度回転して表示され、この場合、撮像対象Tとしての作業員の足部が車体情報表示部Dに近接し、作業員の頭部が車体情報表示部Dから離反する横臥状態で表示されるように構成されている。
【0016】
又、この場合、上記車体情報表示部Dに車体Mの姿勢情報Iとしての車体Mの模擬平面図形が表示され、模擬平面図形に上記各監視カメラC・C・Cの設置位置情報CBP・CRP・CLPがカメラ名及びカメラ図案と共に表示されている。
【0017】
又、この場合、上記各監視カメラC・C・Cは上記車体Mに図示省略の磁石により取り付けられている。
【0018】
この実施の第一形態例は上記構成であるから、図6の如く、車体Mの後方の撮像対象Tが(イ)→(ロ)→(ハ)の如く、左側位置から右側位置、更に、右側位置から前側位置へと移動した場合、図1の如く、ディスプレイDの後方表示部Dに表示される撮像対象Tの鏡像Iは(イ)→(ロ)のように左側位置から右側位置へと移動表示されると共に撮像対象Tの鏡像Iは180度上下反転して表示され、又、右側方表示部Dに表示される撮像対象Tの正像ITRは(ロ)→(ハ)のように移動表示されると共に撮像対象Tの正像ITRは時計回りに90度回転して表示され、下側位置から上側位置に移動表示され、又、左側方表示部Dに表示される撮像対象Tの正像ITLは(イ)→表示外のように移動表示されると共に撮像対象Tの正像ITLは反時計回りに90度回転して表示され、上側位置から無表示域に下向き移動表示され、上記後方表示部D 、上記右側方表示部D 及び上記左側方表示部D は上記車体情報表示部D に表示された車体M の模擬平面図形を取り囲む位置に配置され、このため、後方表示部Dの鏡像I及び右側方表示部Dの正像ITR並びに左側方表示部Dの正像ITLの間での撮像対象Tの動きに、車体情報表示部Dの周りの、図中、左回り(反時計回り)の連続性が見られることになり、例えば、建設機械Mの周囲を移動する撮像対象Tが(イ)→(ロ)→(ハ)のように左側位置から右側位置、右側位置から前側位置へと移動した場合、その動きを車体Mの運転室Mに設置されたディスプレイDの画面により直感的に視認して把握することができ、建設機械Mと撮像対象Tとの接触等による事故防止及び各種の建設機械の操作の安全性を向上することができる。
【0019】
この場合、上記後方監視カメラCは上記車体Mの後部中央に1個設置され、上記右側方監視カメラCは上記車体Mの右側部に1個設置され、上記左側方監視カメラCは上記車体Mの左側部に1個設置されてなるから、ディスプレイDに後方表示部D、右側方表示部D及び左側方表示部Dの三つ画面及び車体情報表示部Dの画面で表示することができ、撮像対象Tの動きを上記車体Mの姿勢情報I及び上記各監視カメラC・C・Cの設置位置情報CBP・CRP・CLPと共に認識することができ、撮像対象Tの監視を確実に行うことができ、構造を簡素化することができる。
【0020】
又、この場合、上記車体情報表示部Dに車体Mの姿勢情報Iとしての車体Mの模擬平面図形が表示され、模擬平面図形に上記各監視カメラC・C・Cの設置位置情報CBP・CRP・CLPが表示されているから、撮像対象Tの動きを上記車体Mの模擬平面図形及び模擬平面図形に表示された上記各監視カメラC・C・Cの設置位置情報CBP・CRP・CLPにより撮像対象Tを直感的に視認することができ、監視を確実に行うことができ、又、この場合、上記ディスプレイDは上記車体Mに着脱可能なタブレット端末Dであるから、ディスプレイDの設置位置情報CBP・CRP・CLPの融通性及び視認性の向上を図ることができ、又、この場合、上記各監視カメラC・C・Cは上記車体Mに磁石により取り付けられ、各監視カメラC・C・Cと上記ディスプレイDとの接続は無線方式であるから、各監視カメラC・C・C及びディスプレイDの設置を容易に行うことができると共に設置の融通性を向上することができる。
【0021】
図3図4の第二形態例は別例構造を示し、この場合、後方監視カメラCは上記車体Mの後部左右両側に1個宛計2個設置され、上記右側方監視カメラCは上記車体Mの右側部に1個設置され、上記左側方監視カメラCは上記車体Mの左側部に1個設置され、2個の上記後方表示部D ・D 、上記右側方表示部D 及び上記左側方表示部D は上記車体情報表示部D に表示された車体M の模擬平面図形を取り囲む位置に配置されている。
【0022】
しかして、図3の如く、車体Mの後方の撮像対象Tが(イ)→(ロ)→(ハ)の如く、左側位置から右側位置、更に、右側位置から前側位置へと移動した場合、図4の如く、ディスプレイDの2個の後方表示部D・Dに表示される撮像対象Tの鏡像Iは(イ)→(ロ)のように左側位置から右側位置へと移動表示されると共に撮像対象Tの鏡像Iは180度上下反転して表示され、又、右側方表示部Dに表示される撮像対象Tの正像ITRは(ロ)→(ハ)のように移動表示されると共に撮像対象Tの正像ITRは時計回りに90度回転して表示され、下側位置から上側位置に移動表示され、又、左側方表示部Dに表示される撮像対象Tの正像ITLは(イ)→表示外のように移動表示されると共に撮像対象Tの正像ITLは反時計回りに90度回転して表示され、上側位置から無表示域に下向き移動表示され、上記2個の後方表示部D ・D 、上記右側方表示部D 及び上記左側方表示部D は上記車体情報表示部D に表示された車体M の模擬平面図形を取り囲む位置に配置され、このため、後方表示部Dの鏡像I及び右側方表示部Dの正像ITR並びに左側方表示部Dの正像ITLの間での撮像対象Tの動きに、車体情報表示部Dの周りの、図中、左回り(反時計回り)の連続性が見られることになり、例えば、建設機械Mの周囲を移動する撮像対象Tが(イ)→(ロ)→(ハ)のように左側位置から右側位置、右側位置から前側位置へと移動した場合、その動きを車体Mの運転室Mに設置されたディスプレイDの画面により直感的に視認して把握することができ、建設機械Mと撮像対象Tとの接触等による事故防止及び各種の建設機械の操作の安全性を向上することができる。
【0023】
この場合、後方監視カメラCは上記車体Mの後部左右両側に1個宛計2個設置され、上記右側方監視カメラCは上記車体Mの右側部に1個設置され、上記左側方監視カメラCは上記車体Mの左側部に1個設置されているから、ディスプレイDに2個の後方表示部D・D、右側方表示部D及び左側方表示部Dの四つ画面及び車体情報表示部Dの画面で表示することができ、撮像対象Tの動きを上記車体Mの姿勢情報I及び上記各監視カメラC・C・C・Cの設置位置情報CBP・CRP・CLPと共に確実に認識することができ、撮像対象Tの監視を確実に行うことができ、構造を簡素化することができる。
【0024】
尚、本発明は上記実施の形態例のものに限られるものではなく、建設機械M、後方監視カメラC、右側方監視カメラC、左側方監視カメラC、ディスプレイD、後方表示部D、右側方表示部D、左側方表示部D、車体情報表示部D、模擬平面図形の形状や大きさや構造等は適宜変更して設計される。
【0025】
以上の如く、所期の目的を充分達成することができる。
【符号の説明】
【0026】
M 建設機械
車体
運転室
後方監視カメラ
右側方監視カメラ
左側方監視カメラ
BP 設置位置情報
RP 設置位置情報
LP 設置位置情報
映像信号
T 撮像対象
鏡像
TR 正像
TL 正像
姿勢情報
画像処理部
D ディスプレイ
後方表示部
右側方表示部
左側方表示部
タブレット端末
車体情報表示部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7