(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】運転補助装置付き車両の走行制御装置
(51)【国際特許分類】
B60W 30/14 20060101AFI20221129BHJP
B60W 50/10 20120101ALI20221129BHJP
B60K 31/00 20060101ALI20221129BHJP
F02D 29/02 20060101ALI20221129BHJP
B60T 7/10 20060101ALI20221129BHJP
F02D 11/02 20060101ALI20221129BHJP
B60K 26/04 20060101ALN20221129BHJP
【FI】
B60W30/14
B60W50/10
B60K31/00 Z
F02D29/02 311E
B60T7/10 B
F02D11/02 Z
B60K26/04
(21)【出願番号】P 2018164147
(22)【出願日】2018-09-03
【審査請求日】2021-06-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000231350
【氏名又は名称】ジヤトコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 誠一郎
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 孝治
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 泰弘
(72)【発明者】
【氏名】廣枝 篤志
(72)【発明者】
【氏名】西澤 雅央
(72)【発明者】
【氏名】田尻 真介
【審査官】二之湯 正俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-015469(JP,A)
【文献】特開2007-112230(JP,A)
【文献】特開2015-227097(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 30/14
B60W 50/10
B60K 31/00
F02D 29/02
B60T 7/10
F02D 11/02
B60K 26/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コントロールグリップから手を離したときのデフォルトポジションから前記コントロールグリップを手前に引くとアクセル操作になり、前記コントロールグリップを前方へ押すとブレーキ操作になる手動操作デバイスと、
目標車速が設定されると、実車速を目標車速に一致させる駆動力制御により車速を維持して走行する定速走行制御を実行する定速走行コントローラと、
を備える運転補助装置付き車両の走行制御装置において、
前記定速走行コントローラは、
定速走行制御を実行中に、前記コントロールグリップを手前に引くと前記アクセル操作を実行し、前記コントロールグリップを前方に押すと前記ブレーキ操作を実行し、前記アクセル操作中又は前記ブレーキ操作中に前記コントロールグリップから手を離すと、前記コントロールグリップがデフォルトポジションになったときの車速を目標車速に設定し、
前記目標車速が設定された後、前記コントロールグリップがデフォルトポジションを維持している間、実車速を前記目標車速に一致させる駆動力制御により車速を維持して走行する
ことを特徴とする運転補助装置付き車両の走行制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載された運転補助装置付き車両の走行制御装置において、
前記手動操作デバイスは、前記コントロールグリップを手前に引いたとき
に前記アクセル操作を実行する操作領域をアクセルコントロール域
とし、
前記コントロールグリップを前方へ押したとき
に前記ブレーキ操作を実行する操作領域をブレーキコントロール域
とする
ことを特徴とする運転補助装置付き車両の走行制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載された運転補助装置付き車両の走行制御装置において、
前記手動操作デバイスは、前記ブレーキコントロール域を、前記デフォルトポジションに近い第1領域と前記デフォルトポジションから離れた第2領域に分け、
前記第1領域を
、減速走行モードとする減速コントロール域に振り分け、前記第2領域を、車輪に制動力を加えるブレーキモードとするブレーキ操作域に振り分ける
ことを特徴とする運転補助装置付き車両の走行制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、福祉車両等に適用される運転補助装置付き車両の走行制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車速が所定値以上かつ所定期間での車速変動が所定値以下の条件が成立すると、アクセルペダルの踏み込み量に応じて設定される車速を維持するスピードコントロール制御モードを開始する。そして、スピードコントロール制御モードを開始した後、アクセル踏み込み速度又はアクセル踏み戻し速度が所定速度以上である場合には、車速が所定の変化率で変化するよう駆動力を制御する車速制御装置が記載されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、足によるアクセルペダル操作やブレーキペダル操作ができないドライバーの運転補助装置として、コントロールグリップを手前に引くとアクセル操作になり、コントロールグリップを前方へ押すとブレーキ操作になる手動操作デバイスが知られている。この手動操作デバイスを用いて従来装置の車速制御を行うと、手動操作デバイスでの走行中、常にコントロールグリップを手前に引いたアクセル操作状態を保つ必要があり、ドライバーの負担となっていた。よって、運転補助装置が搭載されている福祉車両等においては、ドライバーの運転操作負担を軽減するためにさらなる改善が必要である、という課題があった。
【0005】
本発明は、上記課題に着目してなされたもので、手動操作デバイスを備えた運転補助装置付き車両でのドライバーの運転操作負担を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の運転補助装置付き車両の走行制御装置は、手動操作デバイスと、定速走行コントローラと、を備える。
定速走行コントローラは、定速走行制御を実行中に、コントロールグリップを手前に引くとアクセル操作を実行し、コントロールグリップを前方に押すとブレーキ操作を実行し、アクセル操作中又はブレーキ操作中にコントロールグリップから手を離すと、コントロールグリップがデフォルトポジションになったときの車速を目標車速に設定する。
目標車速が設定された後、コントロールグリップがデフォルトポジションを維持している間、実車速を前記目標車速に一致させる駆動力制御により車速を維持して走行する。
【発明の効果】
【0007】
定速走行制御を実行中に、コントロールグリップを手前に引くとアクセル操作を実行し、コントロールグリップを前方に押すとブレーキ操作を実行し、アクセル操作中又はブレーキ操作中にコントロールグリップから手を離すと、コントロールグリップがデフォルトポジションになったときの車速を目標車速に設定し、目標車速が設定された後、コントロールグリップがデフォルトポジションを維持している間、実車速を前記目標車速に一致させる駆動力制御により車速を維持して走行することで、走行中にコントロールグリップから手を離してデフォルトポジションにすると、その時の車速を目標車速とする定速走行制御状態となる。このため、手動操作デバイスを備えた運転補助装置付き車両でのドライバーの運転操作負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施例1の走行制御装置が適用された運転補助装置付きエンジン車の駆動系/制動系/制御系を示す全体システム図である。
【
図2】手動操作デバイスのレバーポジションと定速制御コントローラでの加速/定速/減速領域の対比関係を示す対比関係説明図である。
【
図3】手動操作デバイスのアクセルコントロール域とブレーキコントロール域(減速コントロール域、ブレーキ操作域)を示す側面図である。
【
図4】実施例1の運転支援コントロールユニットの定速走行コントローラにて実行される手動操作デバイスによる走行制御処理の流れを示すフローチャートである。
【
図5】発進→定速走行→減速走行→加速走行→定速走行→減速走行→停車へ移行するときの車速特性と手動操作デバイスへの手動操作を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の運転補助装置付き車両の走行制御装置を実施するための形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
【実施例1】
【0010】
実施例1における運転支援制御装置は、トルクコンバータと前後進切替機構とバリエータと終減速機構により構成されるベルト式無段変速機を搭載した運転補助装置付きエンジン車(運転補助装置付き車両の一例)に適用したものである。以下、実施例1の構成を、「全体システム構成」、「手動操作デバイスと定速走行コントローラの関連構成」、「手動操作デバイスによる走行制御処理構成」に分けて説明する。
【0011】
[全体システム構成]
図1は、実施例1の走行制御装置が適用された運転補助装置付きエンジン車の駆動系と制御系を示す。以下、
図1に基づいて全体システム構成を説明する。
【0012】
運転補助装置付きエンジン車は、駆動系として、
図1に示すように、エンジン1と、トルクコンバータ2と、前後進切替機構3と、バリエータ4と、終減速機構5と、ブレーキ装置6と、駆動輪7と、を備えている。そして、制動系として、油圧ブレーキ装置15を備えている。ここで、ベルト式無段変速機CVTは、トルクコンバータ2と前後進切替機構3とバリエータ4と終減速機構5を図外の変速機ケースに内蔵することにより構成される。
【0013】
エンジン1は、ドライバーによるアクセル操作による出力トルクの制御(通常制御)以外に、外部からのエンジン制御信号により出力トルクを制御可能である。このエンジン1には、点火時期リタード制御やスロットルバルブ開閉動作等によりトルクダウン制御を行う出力トルク制御アクチュエータ10を有する。
【0014】
トルクコンバータ2は、トルク増大機能やトルク変動吸収機能を有する流体継手による発進要素である。トルク増大機能やトルク変動吸収機能を必要としないとき、エンジン出力軸11(=トルクコンバータ入力軸)とトルクコンバータ出力軸21を直結可能なロックアップクラッチ20を有する。
【0015】
前後進切替機構3は、バリエータ4への入力回転方向を前進走行時の正転方向と後退走行時の逆転方向で切り替える機構である。この前後進切替機構3は、Dレンジ等の前進走行レンジ選択時に油圧締結される前進クラッチ31と、Rレンジ等の後退走行レンジ選択時に油圧締結される後退ブレーキ32と、を有する。
【0016】
バリエータ4は、プライマリプーリ42と、セカンダリプーリ43と、プーリベルト44と、を有する。そして、プライマリプーリ42とセカンダリプーリ43へのベルト接触径の変化により変速比(バリエータ入力回転とバリエータ出力回転の比)を無段階に変化させる無段変速機能を備える。プライマリプーリ42のプライマリプーリ圧室とセカンダリプーリ43のセカンダリプーリ圧室へは、油圧制御回路7からプライマリ圧Ppriとセカンダリ圧Psecがそれぞれ供給される。
【0017】
終減速機構5は、ドライブ走行中、バリエータ出力軸からのバリエータ出力回転を減速すると共に差動機能を与えて左右の駆動輪6へ駆動力を伝達する機構である。
【0018】
油圧ブレーキ装置15は、駆動輪6と共に回転するディスクロータを、ブレーキキャリパーに組み込まれたブレーキパッドで両側から挟圧することで駆動輪6を制動する装置である。ブレーキ操作時、油圧ブレーキ装置15のブレーキキャリパー内のホイールシリンダ室には、ブレーキ液圧アクチュエータ11からブレーキ操作量に応じたブレーキ液圧が供給される。
【0019】
運転補助装置付きエンジン車は、電子制御系として、
図1に示すように、CVTコントロールユニット8と、エンジンコントロールユニット9と、ブレーキコントロールユニット12と、運転支援コントロールユニット14と、を備えている。CVTコントロールユニット8とエンジンコントロールユニット9とブレーキコントロールユニット12と運転支援コントロールユニット14は、情報交換可能なCAN通信線13により互いに接続されている。
【0020】
CVTコントロールユニット8は、運転支援コントロールユニット14からCAN通信線13を介して変速要求を入力すると、通常の変速制御(Dレンジ無段変速スケジュールを用いた無段変速制御)に優先して運転支援対応の変速制御が実行される。運転支援対応の変速制御では、バリエータ4の変速比を、変速要求による目標変速比とするアップシフト又はダウンシフトが行われる。
【0021】
エンジンコントロールユニット9は、エンジン1から駆動輪6へ伝達される駆動力を制御する駆動力制御手段である。運転支援コントロールユニット14からCAN通信線13を介してトルクダウン要求やトルクアップ要求を入力すると、通常のエンジン制御(アクセル開度に応じたエンジン出力制御)に優先して運転支援対応のトルクダウン制御やトルクアップ制御が実行される。
【0022】
運転支援コントロールユニット14は、自動ブレーキ制御や自動駐車制御等のように、ドライバーによる運転操作(アクセル操作、ブレーキ操作、ステアリング操作等)の負担を軽減する各種の運転支援制御を行う。この運転支援コントロールユニット14には、目標車速が設定されると、実車速を目標車速に一致させる駆動力制御により車速を維持して走行する定速走行モードを実行する定速走行コントローラ14aが設けられる。
【0023】
運転支援コントロールユニット14には、車速センサ80からの車速情報と、手動操作デバイス20のレバーポジションセンサ81からのレバーポジション情報と、手動操作デバイス20のブレーキロックスイッチ82からのブレーキロックスイッチ情報、等が入力される。
【0024】
手動操作デバイス20は、コントロールグリップ24を手前に引くとアクセル操作になり、コントロールグリップ24を前方へ押すとブレーキ操作になる運転補助装置である。つまり、手動操作デバイス20は、足によるアクセルペダル操作とブレーキペダル操作に代え、コントロールグリップ24に対する1つの手動操作によりアクセル操作とブレーキ操作を兼用する。この手動操作デバイス20は、
図1に示すように、取り付け支持部材21と、デバイス本体22と、コントロールレバー23と、コントロールグリップ24と、ブレーキロックボタン25と、を備える。
【0025】
デバイス本体22は、取り付け支持部材21を介して車体に支持固定され、右ハンドル車の場合にはドライバーの左手にて操作し易い位置に配置される。デバイス本体22の上面には、手首乗せ部22aと、車両前後方向の長穴部22bとを有する。コントロールレバー23は、長穴部22bから上方突出状態で設けられ、長穴部22bに沿って車両前後方向に傾倒可能である。コントロールグリップ24は、コントロールレバー23の上端部に設けられ、ドライバーが把持して操作し易い形状とされている。ブレーキロックボタン25は、コントロールグリップ24の車両前方面に設定され、コントロールグリップ24を前方に押したブレーキ操作位置でボタン操作を行うと、コントロールレバー23が前方傾倒角度を保ったままでロックされる。
【0026】
手動操作デバイス20は、
図1に示すコントロールグリップ24の位置をデフォルトポジションとする。そして、デフォルトポジションからコントロールグリップ24を手前に引いた操作領域をアクセルコントロール域とし、デフォルトポジションからコントロールグリップ24を前方に押した操作領域をブレーキコントロール域とする。ここで、「デフォルトポジション」とは、コントロールグリップ24をアクセルコントロール域、或いは、ブレーキコントロール域へ手動操作した後、コントロールグリップ24から手を離して操作力を抜くと自動的に復帰するニュートラル位置である。
【0027】
[手動操作デバイスと定速走行コントローラの関連構成]
図2は、手動操作デバイス20のレバーポジションと定速制御コントローラ14aでの加速/定速/減速領域の対比関係を示す。
図3は、手動操作デバイス20のアクセルコントロール域(加速コントロール域)とブレーキコントロール域(減速コントロール域、ブレーキ操作域)を示す。以下、
図2及び
図3に基づいて手動操作デバイス20と定速走行コントローラ14aの関連構成を説明する。
【0028】
定速走行コントローラ14aは、全アクセル開度領域を、下側閾値αから上側閾値βまでのアクセル開度幅による定速領域Cと、上側閾値βより高開度の加速領域Aと、下側閾値αより低開度の減速領域Bとに分けて定速走行制御を実行する。この定速走行制御は、定速走行モードの開始条件をドライバーのアクセル操作条件により与えることで、走行中、車速が安定しなくてもワンペダル操作により定速走行モードに入ることを目的として構築された制御則である。
【0029】
ここで、下側閾値αと上側閾値βは、車速上昇によるロード/ロード駆動力の上昇勾配に応じて車速VSPが第1車速VSP1から第2車速VSP2へと高くなるほど高いアクセル開度値に設定している。
【0030】
よって、アクセル開度APOが下側閾値αから上側閾値βまでのアクセル開度幅である場合は、アクセル開度幅内でのアクセル開度変化があったとしてもドライバーが定速走行を意図しているとの判断に基づいて定速領域Cとしている。一方、アクセル開度APOが上側閾値βより高開度である場合は、ドライバーが加速走行を意図しているとの判断に基づいて加速領域Aとしている。さらに、アクセル開度APOが下側閾値αより低開度である場合は、ドライバーが減速走行を意図しているとの判断に基づいての減速領域Bとしている。
【0031】
そして、例えば、減速領域Bにアクセル開度APOがあるとき、アクセル開度APOが上昇して定速領域Cに入ると、定速領域Cに入った瞬間の実車速を目標車速に設定する。このため、定速領域Cに入った後は、下側閾値αから上側閾値βまでのアクセル開度幅内でのアクセル開度APOが変化しても定速走行制御の実行が維持される。
【0032】
手動操作デバイス20は、
図2及び
図3に示すように、コントロールグリップ24から手を離したときのデフォルトポジションDPを、定速領域Cでの定速走行モードに振り分けている。
【0033】
手動操作デバイス20は、
図2及び
図3に示すように、コントロールグリップ24を手前に引いたときのアクセルコントロール域を加速コントロール域ACEとし、加速領域Aでの加速走行モードに振り分けている。
【0034】
手動操作デバイス20は、
図2及び
図3に示すように、コントロールグリップ24を前方へ押したときのブレーキコントロール域を、減速領域Bでの減速走行モードに振り分けている。このとき、ブレーキコントロール域を、
図2に示すように、デフォルトポジションDPに近い第1領域E1とデフォルトポジションDPから離れた第2領域E2に分けている。そして、第1領域E1を、
図3に示すように、減速領域Bでの減速走行モードとする減速コントロール域DCEに振り分けている。第2領域E2を、駆動輪6に制動力を加えるブレーキ操作モードとするブレーキ操作域BOEに振り分けている。
【0035】
即ち、ブレーキコントロール域においてブレーキが効き始めるまでに少し遊びを作り、その隙間にエンジン1とバリエータ4で実現する駆動力での減速コントロール域DCEを入れ込むようにしている。
【0036】
このように、手動操作デバイス20と定速走行コントローラ14aとを関連させた構成とした。このため、定速走行コントローラ14aは、コントロールグリップ24への手動操作による加速走行中又は減速走行中にコントロールグリップ24から手を離すと、コントロールグリップ24がデフォルトポジションDPになったときの車速を目標車速に設定する。そして、目標車速が設定された後は、コントロールグリップ24のデフォルトポジションDPを維持すると、実車速を目標車速に一致させる駆動力制御により車速を維持して走行する定速走行制御が実行される。
【0037】
[手動操作デバイスによる走行制御処理構成]
図4は、実施例1の運転支援コントロールユニット14の定速走行コントローラ14aにて実行される手動操作デバイス20による走行制御処理の流れを示す。以下、
図4の各ステップについて説明する。
【0038】
ステップS1では、スタート、或いは、リターンに続き、手動操作デバイス20の操作位置がデフォルトポジションDPであるか否かを判断する。YES(デフォルトポジションDPである)の場合はステップS2へ進み、NO(デフォルトポジションDPでない)の場合はステップS5へ進む。
【0039】
ここで、「デフォルトポジションDP」は、手動操作デバイス20に設けられているレバーポジションセンサ81からのレバーポジション情報に基づいて判断する。
【0040】
ステップS2では、S1でのYESとの判断に続き、目標車速が設定されていないか否かを判断する。YES(目標車速が設定されていない)の場合はステップS3へ進み、NO(目標車速が設定されている)の場合はステップS4へ進む。
【0041】
ステップS3では、S2でのYESとの判断に続き、手動操作デバイス20がデフォルトポジションDPになったときの車速VSP(=車速センサ80による実車速)を目標車速に設定し、ステップS4へ進む。
【0042】
ステップS4では、S2でのNOとの判断、或いは、S3に続き、設定されている目標車速を維持する定速走行モードを実行し、リターンへ進む。
【0043】
ステップS5では、S1でのNOとの判断に続き、そのときに目標車速が設定されていれば、目標車速をクリアし、ステップS6へ進む。
【0044】
ステップS6では、S5に続き、手動操作デバイス20の操作位置が加速コントロール域ACEであるか否かを判断する。YES(加速コントロール域ACEである)の場合はステップS7へ進み、NO(加速コントロール域ACEでない)の場合はステップS9へ進む。
【0045】
ステップS7では、S6でのYESとの判断に続き、レバーポジションセンサ81からのレバーポジションを読み込み、ステップS8へ進む。
【0046】
ステップS8では、S7に続き、レバーポジションに応じて駆動力を上昇し、車両を加速させる加速走行モードを実行し、リターンへ進む。
【0047】
ステップS9では、S6でのNOとの判断に続き、手動操作デバイス20の操作位置が減速コントロール域DCEであるか否かを判断する。YES(減速コントロール域DCEである)の場合はステップS10へ進み、NO(減速コントロール域DCEでない)の場合はステップS12へ進む。
【0048】
ステップS10では、S9でのYESとの判断に続き、レバーポジションセンサ81からのレバーポジションを読み込み、ステップS11へ進む。
【0049】
ステップS11では、S10に続き、レバーポジションに応じて駆動力を低下し、車両を減速させる減速走行モードを実行し、リターンへ進む。
【0050】
ステップS12では、S9でのNOとの判断に続き、レバーポジションセンサ81からのレバーポジションを読み込み、ステップS13へ進む。
【0051】
ステップS13では、S12に続き、レバーポジションに応じて駆動輪6に制動力を加えるブレーキ操作モードを実行し、リターンへ進む。
【0052】
次に、実施例1の作用を、「背景技術と課題」、「課題解決手段と作用」、「手動操作デバイスによる走行制御作用」に分けて説明する。
【0053】
[背景技術と課題]
足によるアクセルペダル操作やブレーキペダル操作ができないドライバーの運転補助装置として、コントロールグリップを手前に引くとアクセル操作になり、コントロールグリップを前方へ押すとブレーキ操作になる手動操作デバイスが知られている。
【0054】
しかし、手動操作デバイスのコントロールグリップは、デフォルトポイントから手前に引いたときの操作領域をアクセルコントロール域としている。このため、手動操作デバイスでの走行中、常にコントロールグリップを手前に引いたままでのアクセル操作状態を保つ必要がある。また、路面勾配等の走行環境により車速が変化するときに定速走行を保つには、アクセルコントロール域でコントロールグリップを前後に動かす微妙な手動操作が必要である。
【0055】
このように、手動操作デバイスでの長時間走行や遠距離走行等においては、ドライバーの運転操作負担になってしまう。よって、運転補助装置が搭載されている福祉車両等においては、ドライバーの運転操作負担を軽減するためにさらなる改善が必要である、という課題がある。
【0056】
[課題解決手段と作用]
本発明者等は、上記課題に着目し、足によりペダル操作をできないドライバーの運転操作負担を軽減させるため、手動操作デバイス20を定速走行制御技術に関連させるようにした。つまり、課題を解決する手段として、定速走行コントローラ14aは、全アクセル開度領域を、下側閾値αから上側閾値βまでのアクセル開度幅による定速領域Cと、上側閾値βより高開度の加速領域Aと、下側閾値αより低開度の減速領域Bとに分けて定速走行制御を実行する。手動操作デバイス20は、コントロールグリップ24から手を離したときのデフォルトポジションDPを、定速領域Cでの定速走行モードに振り分ける構成を採用した。
【0057】
即ち、本発明者等は、アクセルペダルのみの操作で定速走行と加速走行と減速走行を実施することを目指し、
図2に示すように、全アクセル開度領域を、定速領域Cと加速領域Aと減速領域Bとに分けて定速走行制御を実行する技術を先に提案した。
【0058】
この提案した定速走行制御技術と手動操作デバイスとを単純に組み合わせると、定速走行制御技術での全アクセル開度領域は、手動操作デバイスのアクセルコントロール域に対応する。このため、手動操作デバイスのアクセルコントロール域を、定速領域Cに対応する領域と、加速領域Aに対応する領域と、減速領域Bに対応する領域とに3分割することになる。
【0059】
よって、手動操作デバイスに、定速走行制御技術での所定のアクセル開度域内でのアクセル開度変化に対して定速を保つという考え方が導入される。このため、路面勾配等の走行環境により車速が変化するとき、手動操作デバイスによるアクセルコントロール域での微妙な手動操作を不要としながら定速走行を保つことができる。しかし、手動操作デバイスのコントロールグリップを手前に引いたアクセル操作状態は保っておく必要がある。
【0060】
そこで、手動操作デバイス20のコントロールグリップ24から手を離したときのデフォルトポジションDPを、定速走行コントローラ14aにおける定速領域Cでの定速走行モードに関連させた。このため、例えば、減速走行中に手動操作デバイス20のコントロールグリップ24から手を離してデフォルトポジションDPにすると、定速領域Cでの定速走行モードに入って定速走行が確保される。また、加速走行中に手動操作デバイス20のコントロールグリップ24から手を離してデフォルトポジションDPにすると、定速領域Cでの定速走行モードに入って定速走行が確保される。
【0061】
このように、定速走行を要求するときは、手動操作デバイス20のコントロールグリップ24から手を離しままとする、或いは、コントロールグリップ24に力を加えないで手を載せたままとすることで実現される。この結果、手動操作デバイス20を備えた運転補助装置付き車両でのドライバーの運転操作負担を軽減することができる。
【0062】
[手動操作デバイスによる走行制御作用]
まず、
図4に示すフローチャートに基づいて、手動操作デバイス20による走行制御処理作用を説明する。
【0063】
発進時等において手動操作デバイス20の操作位置が加速コントロール域ACEである場合、
図4に示すフローチャートにおいて、S1→S5→S6→S7→S8→リターンへと進む流れが繰り返される。つまり、手動操作デバイス20の操作位置が加速コントロール域ACEである場合には、手動操作デバイス20のレバーポジションに応じてエンジン1とバリエータ4による駆動力を上昇する制御が行われ、車両を加速させる加速走行モードが実行されることになる。
【0064】
加速によりドライバーが要求する車速まで到達した時点で手動操作デバイス20のコントロールグリップ24から手を離すと、手動操作デバイス20の操作位置をデフォルトポジションDPになる。手動操作デバイス20の操作位置をデフォルトポジションDPにした最初の処理では、
図4に示すフローチャートにおいて、S1→S2→S3→S4へと進む。そして、S3にて手動操作デバイス20がデフォルトポジションDPになったときの車速VSP(=車速センサ80による実車速)が目標車速に設定され、S4にて設定されている目標車速を維持する定速走行モードの実行が開始される。二回目以降の処理では、
図4に示すフローチャートにおいて、S1→S2→S4→リターンへと進む流れが繰り返され、目標車速を維持する定速走行モードの実行が維持される。
【0065】
その後、ドライバーの減速要求にしたがって手動操作デバイス20の操作位置をデフォルトポジションDPから減速コントロール域DCEの位置とするコントロールグリップ24の押し操作をする。手動操作デバイス20の操作位置を減速コントロール域DCEの位置にすると、
図4に示すフローチャートにおいて、S1→S5→S6→S9→S10→S11→リターンへと進む流れが繰り返される。S5では、そのときに目標車速が設定されていれば目標車速がクリアされる。S11では、レバーポジションに応じてエンジン1とバリエータ4による駆動力を低下する制御が行われ、車両を減速させる減速走行モードが実行されることになる。
【0066】
その後、ドライバーのブレーキ要求にしたがって手動操作デバイス20の操作位置を減速コントロール域DCEからブレーキ操作域BOEの位置とするコントロールグリップ24のさらなる押し操作をする。手動操作デバイス20の操作位置をブレーキ操作域BOEの位置にすると、
図4に示すフローチャートにおいて、S1→S5→S6→S9→S12→S13→リターンへと進む流れが繰り返される。S13では、レバーポジションに応じて駆動輪6に制動力を加えるブレーキ操作モードが実行されることになる。
【0067】
停車後、ドライバーが手動操作デバイス20のコントロールグリップ24に設けられているブレーキロックスイッチ25を押す操作をすると、手動操作デバイス20のコントロールグリップ24から手を離しても手動操作デバイス20の前方角度はロック状態で維持される。
【0068】
なお、再発進を意図する場合は、コントロールグリップ24に設けられているブレーキロックスイッチ25を戻すOFF操作をし、手動操作デバイス20のコントロールグリップ24から手を離して操作位置をデフォルトポジションDPに戻す。その後、手動操作デバイス20のコントロールグリップ24を手前に引いて加速コントロール域ACEの位置とする。
【0069】
次に、
図5に示すタイムチャートに基づいて、手動操作デバイス20による走行制御作用の一例を説明する。
【0070】
時刻t1にて発進を開始し、時刻t2にて定速走行に移行するときは、時刻t1にてコントロールグリップ24を手前に引いて手動操作デバイス20の操作位置をデフォルトポジションDPから加速コントロール域ACEとする。この手動操作により時刻t1の発進開始から車速VSPが上昇し、車速VSPが要求車速VSP(c1)に到達する時刻t2になるとコントロールグリップ24から手を離す。この発進操作により時刻t2~t3は要求車速VSP(c1)を維持する定速走行になる。
【0071】
時刻t3にて定速走行から減速走行へ移行し、時刻t4にて定速走行へ移行するときは、時刻t3にてコントロールグリップ24を前方に押して手動操作デバイス20の操作位置をデフォルトポジションDPから減速コントロール域DCEとする。この手動操作により時刻t3の減速開始から車速VSPが低下し、車速VSPが要求車速VSP(b)に到達する時刻t4になると、コントロールグリップ24から手を離す。この減速操作により時刻t4~t5は要求車速VSP(b)を維持する定速走行になる。
【0072】
時刻t5にて定速走行から加速走行へ移行し、時刻t6にて定速走行へ移行するときは、時刻t5にてコントロールグリップ24を手前に引いて手動操作デバイス20の操作位置をデフォルトポジションDPから加速コントロール域ACEとする。この手動操作により時刻t5の加速開始から車速VSPが上昇し、車速VSPが要求車速VSP(c2)に到達する時刻t6になると、コントロールグリップ24から手を離す。この加速操作により時刻t6~t7は要求車速VSP(c2)を維持する定速走行になる。
【0073】
時刻t7にて定速走行から加速走行へ移行し、時刻t8にて定速走行へ移行するときは、時刻t7にてコントロールグリップ24を手前に引いて手動操作デバイス20の操作位置をデフォルトポジションDPから加速コントロール域ACEとする。この手動操作により時刻t7の加速開始から車速VSPが上昇し、車速VSPが要求車速VSP(a)に到達する時刻t8になると、コントロールグリップ24から手を離す。この加速操作により時刻t8~t9は要求車速VSP(a)を維持する定速走行になる。
【0074】
時刻t9にて定速走行から減速走行へ移行し、時刻t10にて定速走行へ移行するときは、時刻t9にてコントロールグリップ24を前方に押して手動操作デバイス20の操作位置をデフォルトポジションDPから減速コントロール域DCEとする。この手動操作により時刻t9の減速開始から車速VSPが低下し、車速VSPが要求車速VSP(c3)に到達する時刻t10になると、コントロールグリップ24から手を離す。この減速操作により時刻t10~t11は要求車速VSP(c3)を維持する定速走行になる。
【0075】
時刻t11にてコントロールグリップ24を前方に押して手動操作デバイス20の操作位置をデフォルトポジションDPからブレーキ操作域BOEとする。この手動操作により車速VSPが低下し、時刻12にて車速VSPがゼロになって停車する。停車後にブレーキロックボタン25を押し、手動操作デバイス20のレバー前方傾倒角度を保つと時刻t12以降は、コントロールグリップ24から手を離したままで停車状態が維持されることになる。
【0076】
このように、時刻t1の発進から時刻t12の停車までの走行において、時刻t2~t3、時刻t4~t5、時刻t6~t7、時刻t8~t9、時刻10~t11による大半の区間が定速走行区間になる。この定速走行区間では、コントロールグリップ24から手を離したまま、或いは、コントロールグリップ24に力を加えないで手を載せたままとすることで定速走行が実現されるため、ドライバーの運転操作負担を軽減することができる。言い換えると、時刻t1~t2の発進域と時刻t11~t12の減速停車域以外、コントロールグリップ24に対する手動操作は、減速要求(時刻t3~t4、時刻t9~t10)と加速要求(時刻t5~t6、時刻t7~t8)があるときにのみ行えばよい。
【0077】
以上説明してきたように、実施例1の運転補助装置付きエンジン車の走行制御装置にあっては、下記に列挙する効果が得られる。
【0078】
(1) コントロールグリップ24を手前に引くとアクセル操作になり、コントロールグリップ24を前方へ押すとブレーキ操作になる手動操作デバイス20と、
目標車速が設定されると、実車速を目標車速に一致させる駆動力制御により車速を維持して走行する定速走行制御を実行する定速走行コントローラ14aと、
を備える運転補助装置付き車両(エンジン車)の走行制御装置において、
定速走行コントローラ14aは、全アクセル開度領域を、下側閾値αから上側閾値βまでのアクセル開度幅による定速領域Cと、上側閾値βより高開度の加速領域Aと、下側閾値αより低開度の減速領域Bとに分けて定速走行制御を実行し、
手動操作デバイス20は、コントロールグリップ24から手を離したときのデフォルトポジションDPを、定速領域Cでの定速走行モードに振り分ける。
このため、手動操作デバイス20を備えた運転補助装置付き車両でのドライバーの運転操作負担を軽減することができる。
【0079】
(2) 手動操作デバイス20は、コントロールグリップ24を手前に引いたときのアクセルコントロール域を加速コントロール域ACEとし、加速領域Aでの加速走行モードに振り分け、
コントロールグリップ24を前方へ押したときのブレーキコントロール域を、減速領域Bでの減速走行モードに振り分ける。
このため、定速走行からの加速要求に対するコントロールグリップ24の良好な手動操作性と、定速走行からの減速要求に対するコントロールグリップ24の良好な手動操作性と、を確保することができる。
即ち、コントロールグリップ24から手を離したときのデフォルトポジションDPを基準位置とし、コントロールグリップ24を手前に引くと加速走行になり、コントロールグリップ24を前方へ押すと減速走行になる。
【0080】
(3) 手動操作デバイス20は、ブレーキコントロール域を、デフォルトポジションDPに近い第1領域E1とデフォルトポジションDPから離れた第2領域E2に分け、
第1領域E1を、減速領域Bでの減速走行モードとする減速コントロール域DCEに振り分け、第2領域E2を、車輪(駆動輪6)に制動力を加えるブレーキモードとするブレーキ操作域BOEに振り分ける。
このため、手動操作デバイス20が本来持っているブレーキ操作機能を損なうことなく、ブレーキコントロール域に、駆動力の低下制御により車両を減速させる減速コントロール域DCEを振り分けることができる。
【0081】
(4) 定速走行コントローラ14aは、コントロールグリップ24への手動操作による加速走行中又は減速走行中にコントロールグリップ24から手を離すと、コントロールグリップ24がデフォルトポジションDPになったときの車速を目標車速に設定し、
目標車速が設定された後、コントロールグリップ24のデフォルトポジションDPを維持すると、実車速を目標車速に一致させる駆動力制御により車速を維持して走行する。
このため、定速走行と加速走行と減速走行の組み合わせによる通常走行中、定速走行モードでの目標車速をドライバーの意図に応じて容易に設定することができる。
即ち、加速走行中又は減速走行中にドライバーが意図する車速になると、コントロールグリップ24から手を離すだけで、そのときの車速が目標車速に設定される。
【0082】
以上、本発明の運転補助装置付き車両の走行制御装置を実施例1に基づき説明してきた。しかし、具体的な構成については、この実施例1に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
【0083】
実施例1では、定速走行コントローラ14aとして、コントロールグリップ24への手動操作による加速走行中又は減速走行中にデフォルトポジションDPになったときの車速を目標車速に設定する例を示した。しかし、定速走行コントローラとしては、走行中に目標車速の設定ボタン等を押したときの車速を目標車速として設定する例としても良い。
【0084】
実施例1では、定速走行コントローラ14aとして、定速走行モードの実行中、自車の目標車速を設定し、実車速が目標車速を維持する定速走行制御を実行する例を示した。しかし、定速走行コントローラとしては、定速走行制御モードの実行中、先行車が存在しないときは目標車速により走行し、先行車が存在するときは自車と先行車との車速に応じた車間距離を確保しながら走行するというように、周知の定速走行制御を実行する例としても勿論良い。
【0085】
実施例1では、本発明の走行制御装置を、トルクコンバータと前後進切替機構とバリエータと終減速機構により構成されるベルト式無段変速機を搭載した運転補助装置付きエンジン車に適用する例を示した。しかし、本発明の走行制御装置は、バリエータのみによるベルト式無段変速機に限らず、バリエータと副変速機が直列に連結される副変速機付きベルト式無段変速機を搭載した車両やステップATと呼ばれる自動変速機を搭載した車両に適用しても良い。また、適用される車両としても、エンジン車に限らず、走行用駆動源にエンジンとモータを搭載したハイブリッド車、走行用駆動源にモータを搭載した電気自動車等に対しても適用できる。
【符号の説明】
【0086】
1 エンジン
CVT ベルト式無段変速機
2 トルクコンバータ
3 前後進切替機構
4 バリエータ
5 終減速機構
6 駆動輪
8 CVTコントロールユニット
9 エンジンコントロールユニット
12 ブレーキコントロールユニット
13 CAN通信線
14 運転支援コントロールユニット
14a 定速走行コントローラ
20 手動操作デバイス
24 コントロールグリップ
80 車速センサ
81 レバーポジションセンサ
82 ブレーキロックスイッチ
α 下側閾値
β 上側閾値
A 加速領域
B 減速領域
C 定速領域
DP デフォルトポジション
ACE 加速コントロール域
E1 第1領域
E2 第2領域
DCE 減速コントロール域
BOE ブレーキ操作域