(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】蓄熱式燃焼設備
(51)【国際特許分類】
F23L 15/02 20060101AFI20221129BHJP
F23C 1/00 20060101ALI20221129BHJP
【FI】
F23L15/02
F23C1/00 301
(21)【出願番号】P 2021010456
(22)【出願日】2021-01-26
【審査請求日】2021-10-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000211123
【氏名又は名称】中外炉工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087572
【氏名又は名称】松川 克明
(72)【発明者】
【氏名】河本 祐作
【審査官】礒部 賢
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-297910(JP,A)
【文献】特開平09-222224(JP,A)
【文献】特開2004-093122(JP,A)
【文献】特開昭55-110725(JP,A)
【文献】特開2018-004171(JP,A)
【文献】特開2009-186101(JP,A)
【文献】特開2020-183833(JP,A)
【文献】特開2012-063132(JP,A)
【文献】特開2020-063869(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23L 15/02
F23C 1/00
F23J 15/00
F23D 14/66
F27D 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄熱部に収容された蓄熱材に蓄熱された熱により燃焼用空気を加熱させて給排気部を通して炉内に導き、この燃焼用空気と燃料供給ノズルから供給された燃料とを混合させて炉内で燃焼させる蓄熱式燃焼装置と、燃料供給ノズルから燃料を供給するのを停止した状態で、炉内における燃焼後の燃焼排ガスを、給排気部を通して蓄熱材が収容された蓄熱部に導いて燃焼排ガスの熱を蓄熱材に蓄熱させ、この蓄熱部を通して燃焼排ガスを外部に排出させる蓄熱式燃焼装置とが対になって設けられ、この対になった蓄熱式燃焼装置において燃焼と蓄熱とを交互に切り換えて行う蓄熱式燃焼設備において、前記の燃料に低燃焼性燃料を用い、各蓄熱式燃焼装置における燃焼時の火炎の状態を検知する火炎検知装置と、前記の火炎検知装置によって検知された火炎の状態が出力される制御装置を設けると共に、高燃焼性燃料を燃焼させる処理用バーナーを各蓄熱式燃焼装置に対して設け、燃焼側の蓄熱式燃焼装置における火炎の失火が前記の火炎検知装置によって検知されて前記の制御装置に出力されると、この制御装置により、燃料供給ノズルから燃焼側の蓄熱式燃焼装置に燃料を供給するのを停止すると共に、高燃焼性燃料を蓄熱側の蓄熱式燃焼装置における処理用バーナーに供給し、この処理用バーナーにより燃焼されなかった低燃焼性燃料を高燃焼性燃料と一緒に燃焼させ、その燃焼排ガスを蓄熱側の蓄熱式燃焼装置の蓄熱部における蓄熱材に蓄熱させて排出させることを特徴とする蓄熱式燃焼設備。
【請求項2】
請求項1に記載の蓄熱式燃焼設備において、前記の処理用バーナーを各蓄熱式燃焼装置における前記の給排気部に設け、蓄熱式燃焼装置の燃焼時における火炎の失火が火炎検知装置によって検知されて制御装置に出力されると、この制御装置により、燃料供給ノズルから燃焼側の蓄熱式燃焼装置への燃料を供給するのを停止すると共に、蓄熱側の蓄熱式燃焼装置の給排気部に設けた処理用バーナーに高燃焼性燃料を供給して、燃焼されず蓄熱側の蓄熱式燃焼装置の給排気部に導かれた低燃焼性燃料をこの高燃焼性燃料により燃焼させることを特徴とする蓄熱式燃焼設備。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の蓄熱式燃焼設備において、前記の低燃焼性燃料がアンモニアであることを特徴とする蓄熱式燃焼設備。
【請求項4】
請求項1~請求項3の何れか1項に記載の蓄熱式燃焼設備において、前記の高燃焼性燃料が水素であることを特徴とする蓄熱式燃焼設備。
【請求項5】
請求項4に記載の蓄熱式燃焼設備において、高燃焼性燃料の水素を水素ボンベに収容させ、この水素ボンベから水素を前記の処理用バーナーに供給することを特徴とする蓄熱式燃焼設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄熱部に収容された蓄熱材に蓄熱された熱により燃焼用空気を加熱させて給排気部を通して炉内に導き、この燃焼用空気と燃料供給ノズルから供給された燃料とを混合させて炉内で燃焼させる蓄熱式燃焼装置と、燃料供給ノズルから燃料を供給するのを停止した状態で、炉内における燃焼後の燃焼排ガスを、給排気部を通して蓄熱材が収容された蓄熱部に導いて燃焼排ガスの熱を蓄熱材に蓄熱させ、この蓄熱部を通して燃焼排ガスを外部に排出させる蓄熱式燃焼装置とが対になって設けられ、この対になった蓄熱式燃焼装置において燃焼と蓄熱とを交互に切り換えて行う蓄熱式燃焼設備において、前記の燃料にアンモニア等の低燃焼性燃料を用いた蓄熱式燃焼設備に関するものである。特に、前記のように燃料にアンモニア等の低燃焼性燃料を燃焼させるにあたり、アンモニア等の低燃焼性燃料の燃焼が行われなくなって失火した際に、アンモニア等の低燃焼性燃料が燃焼されない状態で、蓄熱式燃焼装置の蓄熱部を通して外部に排出されるのを簡単かつ確実に防止できるようにした点に特徴を有するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、工業炉等においては、燃焼排ガスの熱を利用して効率のよい燃焼を行うために、炉内において燃焼された燃焼排ガスの熱を蓄熱部に収容させた蓄熱材に蓄熱させ、燃焼用空気を前記の蓄熱部における蓄熱材に蓄熱された熱により加熱させ、このように加熱された燃焼用空気を、給排気部を通して炉内に導き、この燃焼用空気と燃料供給ノズルから供給された燃料とを混合させて炉内において燃焼させる蓄熱式燃焼装置と、燃料供給ノズルから燃料を供給するのを停止した状態で、炉内における燃焼後の燃焼排ガスを、給排気部を通して蓄熱材が収容された蓄熱部に導いて燃焼排ガスの熱を蓄熱材に蓄熱させ、この蓄熱部を通して燃焼排ガスを外部に排出させる蓄熱式燃焼装置とを対にして設け、この対になった蓄熱式燃焼装置において燃焼と蓄熱とを交互に切り換えて行うようにした蓄熱式燃焼設備が用いられている。
【0003】
また、従来の蓄熱式燃焼設備においては、前記のように加熱された燃焼用空気と燃料供給ノズルから供給された燃料とを混合させて炉内において燃焼させるにあたり、その燃料としては、一般に燃焼性の高い炭化水素系燃料が使用されていた。
【0004】
しかし、前記の蓄熱式燃焼装置において、炭化水素系燃料を燃焼用空気と混合させて燃焼させた場合、二酸化炭素などの温室効果ガスが多く発生するという問題があった。
【0005】
そして、近年においては、二酸化炭素などの温室効果ガスを削減することが要望され、燃料に炭化水素系燃料以外のものを用いることが検討されている。
【0006】
ここで、炭化水素系燃料以外の燃料として、従来からアンモニア等の低燃焼性燃料を用いることが知られているが、アンモニア等の低燃焼性燃料は炭化水素系燃料に比べて燃焼性が悪くて、燃焼時に失火しやすいという問題があった。
【0007】
そして、従来においては、燃焼性が悪い低燃焼性燃料のアンモニアを燃焼させるにあたって、特許文献1に示されるように、燃料にアンモニアを噴出させるバーナーチップの下流側にディフューザーを配置し、アンモニアを自然吸引された燃焼用空気と一緒にディフューザーの周辺を迂回させて混合させ、このように混合されたアンモニアと燃焼用空気とを、渦流状態にしてディフューザーの上側に滞留させて燃焼させ、アンモニアの燃焼性を高めるようにしたものや、特許文献2に示されるように、低燃焼性燃料のアンモニアと燃焼用空気とを予混合させて均一化させた後、このように予混合させたガスを、スワラにより旋回させて強く攪拌しながら燃焼させて、アンモニアの燃焼性を高めるようにしたものが提案されている。
【0008】
また、従来においては、特許文献3~6に示されるように、前記のような蓄熱式燃焼設備において、窒素酸化物NOxが含まれる燃焼排ガスが導かれる位置にアンモニアを噴出させて、燃焼後の燃焼排ガスに含まれる窒素酸化物NOxを減少させるようにしたものが提案されている。
【0009】
しかし、アンモニア等の低燃焼性燃料は、前記のように燃焼性が悪くて、燃焼時に失火しやすく、前記のような蓄熱式燃焼装置において、アンモニア等の低燃焼性燃料の燃焼時の火炎が失火した場合、燃焼されなかったアンモニア等の低燃焼性燃料が外部に排気され、特に低燃焼性燃料を用いた場合、アンモニアは有毒で、僅か1ppmでも刺激臭を放つため、環境に悪影響を及ぼすという問題があり、前記の特許文献1~6に示される何れのものにおいても、このような問題を解決するための手段は全く示されていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】実公昭50-8257号公報
【文献】特開2016-130619号公報
【文献】特開平7-293815号公報
【文献】特開平10-110941号公報
【文献】特開2000-65316号公報
【文献】特許第3045430号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、蓄熱部に収容された蓄熱材に蓄熱された熱により燃焼用空気を加熱させて給排気部を通して炉内に導き、この燃焼用空気と燃料供給ノズルから供給された燃料とを混合させて炉内で燃焼させる蓄熱式燃焼装置と、燃料供給ノズルから燃料を供給するのを停止した状態で、炉内における燃焼後の燃焼排ガスを、給排気部を通して蓄熱材が収容された蓄熱部に導いて燃焼排ガスの熱を蓄熱材に蓄熱させ、この蓄熱部を通して燃焼排ガスを外部に排出させる蓄熱式燃焼装置とが対になって設けられ、この対になった蓄熱式燃焼装置において燃焼と蓄熱とを交互に切り換えて行う蓄熱式燃焼設備において、前記の燃料にアンモニア等の低燃焼性燃料を用いた場合における前記のような問題を解決することを課題とするものである。
【0012】
すなわち、本発明においては、前記のような蓄熱式燃焼設備において、燃料にアンモニア等の低燃焼性燃料を使用して燃焼と蓄熱とを行うにあたりさせるにあたり、燃焼側の蓄熱式燃焼装置においてアンモニア等の低燃焼性燃料の燃焼が行われなくなって火炎が失火した際に、アンモニア等の低燃焼性燃料が燃焼されない状態で、蓄熱側における蓄熱式燃焼装置の蓄熱部を通して外部に排出されるのを簡単かつ確実に防止できるようにすることを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る蓄熱式燃焼設備においては、前記のような課題を解決するため、蓄熱部に収容された蓄熱材に蓄熱された熱により燃焼用空気を加熱させて給排気部を通して炉内に導き、この燃焼用空気と燃料供給ノズルから供給された燃料とを混合させて炉内で燃焼させる蓄熱式燃焼装置と、燃料供給ノズルから燃料を供給するのを停止した状態で、炉内における燃焼後の燃焼排ガスを、給排気部を通して蓄熱材が収容された蓄熱部に導いて燃焼排ガスの熱を蓄熱材に蓄熱させ、この蓄熱部を通して燃焼排ガスを外部に排出させる蓄熱式燃焼装置とが対になって設けられ、この対になった蓄熱式燃焼装置において燃焼と蓄熱とを交互に切り換えて行う蓄熱式燃焼設備において、前記の燃料に低燃焼性燃料を用い、各蓄熱式燃焼装置における燃焼時の火炎の状態を検知する火炎検知装置と、前記の火炎検知装置によって検知された火炎の状態が出力される制御装置を設けると共に、高燃焼性燃料を燃焼させる処理用バーナーを各蓄熱式燃焼装置に対して設け、燃焼側の蓄熱式燃焼装置における火炎の失火が前記の火炎検知装置によって検知されて前記の制御装置に出力されると、この制御装置により、燃料供給ノズルから燃焼側の蓄熱式燃焼装置に燃料を供給するのを停止すると共に、高燃焼性燃料を蓄熱側の蓄熱式燃焼装置における処理用バーナーに供給し、この処理用バーナーにより燃焼されなかった低燃焼性燃料を高燃焼性燃料と一緒に燃焼させ、その燃焼排ガスを蓄熱側の蓄熱式燃焼装置の蓄熱部における蓄熱材に蓄熱させて排出させるようにした。
【0014】
このように、燃焼側の蓄熱式燃焼装置における低燃焼性燃料の火炎が失火したことを火炎検知装置が検知すると、その結果を制御装置に出力し、この制御装置により、燃料供給ノズルから燃焼側の蓄熱式燃焼装置に燃料を供給するのを停止すると共に、高燃焼性燃料を蓄熱側の蓄熱式燃焼装置に対して設けられた処理用バーナーに供給し、この処理用バーナーにより燃焼されなかった低燃焼性燃料を高燃焼性燃料と一緒に燃焼させ、その燃焼排ガスを蓄熱側の蓄熱式燃焼装置の蓄熱部における蓄熱材に蓄熱させて排出させると、失火により燃焼されなかった低燃焼性燃料が外部に排出されるのが防止されると共に、低燃焼性燃料と高燃焼性燃料とを一緒に燃焼させた際における燃焼排ガスの熱が、蓄熱側の蓄熱式燃焼装置における蓄熱部の蓄熱材に蓄熱されるようになる。なお、処理用バーナーは、前記のように各蓄熱式燃焼装置に対して設けられていればよい。
【0015】
ここで、本発明に係る蓄熱式燃焼設備においては、前記の処理用バーナーを各蓄熱式燃焼装置における前記の給排気部に設け、蓄熱式燃焼装置の燃焼時における火炎の失火が火炎検知装置によって検知されて制御装置に出力されると、この制御装置により、燃料供給ノズルから燃料を燃焼側の蓄熱式燃焼装置に供給するのを停止すると共に、蓄熱側の蓄熱式燃焼装置の給排気部に設けた処理用バーナーに高燃焼性燃料を供給して、燃焼されず蓄熱側の蓄熱式燃焼装置の給排気口に導かれた低燃焼性燃料をこの処理用バーナーにより高燃焼性燃料と一緒に燃焼させことが好ましい。なお、処理用バーナーを蓄熱式燃焼装置の近傍の炉内に設けることも可能であるが、前記のようにすると、燃焼排ガスが必ず蓄熱側の蓄熱式燃焼装置の給排気口を通して導かれるので、失火により燃焼されなかった低燃焼性燃料のほぼ全量が、炉内から蓄熱側の蓄熱式燃焼装置の給排気部に吸引され、この給排気部において、燃焼されなかった低燃焼性燃料のほぼ全量が処理用バーナーに供給された高燃焼性燃料によって確実に燃焼されるようになり、処理用バーナーを蓄熱式燃焼装置の近傍の炉内に設ける場合よりも、失火により燃焼されなかった低燃焼性燃料が外部に排出されるのを確実に防止できるようになる。
【0016】
また、本発明に係る蓄熱式燃焼設備においては、前記の低燃焼性燃料としてアンモニアNH3を用いることができる。アンモニアNH3は特に有害で刺激臭もあり、このアンモニアNH3が高燃焼性燃料によって燃焼されるようにすると、アンモニアNH3が炉内から外部に排気されて、環境に悪影響を及ぼすということがなくなる。
【0017】
また、前記の高燃焼性燃料としては、水素H2や炭化水素系燃料を用いることができ、特に水素H2を用いることが好ましい。このように、高燃焼性燃料に水素H2を用いると、炭化水素系燃料を用いた場合のように、前記の低燃焼性燃料と一緒に燃焼させた際に、二酸化炭素などの温室効果ガスが発生するのを防止することができる。なお、アンモニアNH3を燃焼させた場合にも二酸化炭素は発生しないので、低燃焼性燃料にアンモニアNH3を用い、高燃焼性燃料に水素H2を用いるようにすると、失火したときでも二酸化炭素などの温室効果ガスが発生するのを防止することができる。また、このように高燃焼性燃料に水素H2を用いる場合には、水素H2を水素ボンベ収容させ、この水素ボンベから高燃焼性燃料管を通して水素H2を処理用バーナーに供給させることができ、大掛かりな設備を設けなくても、必要に応じて、処理用バーナーに高燃焼性燃料の水素H2を供給することが、安価な設備で簡単に行えるようになる。
【発明の効果】
【0018】
本発明における蓄熱式燃焼設備においては、前記のように燃焼側の蓄熱式燃焼装置における低燃焼性燃料の火炎が失火したことを火炎検知装置が検知すると、その結果を制御装置に出力し、この制御装置により、燃料供給ノズルから燃料を供給するのを停止すると共に、高燃焼性燃料を蓄熱側の蓄熱式燃焼装置における処理用バーナーに供給し、失火によって燃焼されなかった低燃焼性燃料をこの処理用バーナーにおいて高燃焼性燃料と一緒に燃焼させ、その燃焼排ガスを蓄熱側の蓄熱式燃焼装置の蓄熱部における蓄熱材に蓄熱させて排出させるようにしたため、失火により燃焼されなかった低燃焼性燃料が外部に排出されるのを簡単かつ確実に防止できると共に、低燃焼性燃料と高燃焼性燃料とを一緒に燃焼させた際における燃焼排ガスの熱を有効に利用できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の実施形態に係る蓄熱式燃焼設備において、燃焼と蓄熱とを交互に切り換えるようにした対になった蓄熱式燃焼装置における燃焼側の蓄熱式燃焼装置に低燃焼性燃料を供給して燃焼させる一方、燃焼後の燃焼排ガスを蓄熱側の蓄熱式燃焼装置における蓄熱部に導いて燃焼排ガスの熱を蓄熱材に蓄熱させ、この蓄熱部を通して燃焼排ガスを外部に排出させる状態を示した概略断面説明図である。
【
図2】同実施形態に係る蓄熱式燃焼設備において、燃焼側の蓄熱式燃焼装置における低燃焼性燃料の燃焼火炎が失火したことを火炎検知装置が検知した場合に、制御装置により、燃焼側の蓄熱式燃焼装置に対する低燃焼性燃料の供給するのを停止すると共に、蓄熱側の蓄熱式燃焼装置の給排気部に設けた処理用バーナーから高燃焼性燃料を供給して、炉内からこの給排気部に導かれた未燃焼の低燃焼性燃料をこの高燃焼性燃料と一緒に燃焼させ、燃焼後の燃焼排ガスを蓄熱側の蓄熱式燃焼装置における蓄熱部に導いて燃焼排ガスの熱を蓄熱材に蓄熱させた後、この蓄熱部を通して燃焼排ガスを外部に排出させる状態を示した概略断面説明図である。
【
図3】同実施形態に係る蓄熱式燃焼設備において、
図2に示すように処理した後、依然として炉内に未燃焼の低燃焼性燃料が残っている場合に、蓄熱と燃焼を切り換えて、各蓄熱式燃焼装置に対する低燃焼性燃料の供給を停止した状態で、前回の蓄熱側における蓄熱式燃焼装置における蓄熱部に燃焼用空気を供給して炉内に導く一方、前回の燃焼側の蓄熱式燃焼装置の給排気部に設けた処理用バーナーに高燃焼性燃料を供給して、炉内からこの給排気部に導かれた未燃焼の低燃焼性燃料を、この処理用バーナーにより高燃焼性燃料と一緒に燃焼させ、燃焼後の燃焼排ガスをこの蓄熱式燃焼装置における蓄熱部に導いて燃焼排ガスの熱を蓄熱材に蓄熱させた後、この蓄熱部を通して燃焼排ガスを外部に排出させる状態を示した概略断面説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態に係る蓄熱式燃焼設備を添付図面に基づいて具体的に説明する。なお、本発明に係る蓄熱式燃焼設備は、下記の実施形態に示したものに限定されず、発明の要旨を変更しない範囲において、適宜変更して実施できるものである。
【0021】
この実施形態における蓄熱式燃焼設備においては、
図1~
図3に示すように、対になった蓄熱式燃焼装置10a,10bを炉1内に向けて対向するように設けており、このように対になった蓄熱式燃焼装置10a,10bにおいて、燃焼と蓄熱とを交互に切り換えて行うようにしている。
【0022】
また、この実施形態における蓄熱式燃焼設備においては、燃料として低燃焼性燃料のアンモニアNH3を用いている。
【0023】
そして、この実施形態の蓄熱式燃焼設備における各蓄熱式燃焼装置10a,10bにおいて、前記の低燃焼性燃料のアンモニアNH3を燃焼させるにあたっては、それぞれ蓄熱材xが収容された蓄熱部11a,11bに燃焼用空気Airを導き、前記の蓄熱材xに蓄熱された熱により燃焼用空気Airを加熱させて、それぞれの給排気部12a,12bを通して炉1内に供給させると共に、各蓄熱式燃焼装置10a,10bにおける前記の給排気部12a,12bの近傍に設けた各燃料供給ノズル13a,13bから前記のアンモニアNH3を、それぞれ給排気部12a,12bの近傍に供給して、前記の燃焼用空気Airと混合させて炉1内で燃焼させるようにしている。
【0024】
一方、各蓄熱式燃焼装置10a,10bにおいて、炉1内においてアンモニアNH3を燃焼させた後の燃焼排ガスの熱をそれぞれ蓄熱部11a,11bに収容された蓄熱材xに蓄熱させる場合には、燃料供給ノズル13a,13bから燃料を供給させるのを停止させた状態で、炉1内における燃焼後の燃焼排ガスを、それぞれ給排気部12a,12bを通して蓄熱材xが収容された蓄熱部11a,11bに導いて燃焼排ガスの熱を蓄熱材xに蓄熱させ、このように蓄熱材xに熱を蓄熱させた後の燃焼排ガスを外部に排出させるようにしている。
【0025】
また、この実施形態における蓄熱式燃焼設備においては、前記の各蓄熱式燃焼装置10a,10bにおける各給排気部12a,12bにおいて、それぞれ高燃焼性燃料の水素H2を燃焼させる処理用バーナー20a,20bを設け、各処理用バーナー20a,20bに対して前記の水素H2と燃焼用空気Airとを供給して、各処理用バーナー20a,20bにより水素H2を各給排気部12a,12bにおいて燃焼させるようにしている。
【0026】
また、この実施形態における蓄熱式燃焼設備においては、前記のように各蓄熱式燃焼装置10a,10bにおいて低燃焼性燃料のアンモニアNH3を燃焼させた場合における火炎の状態を検知するように、各蓄熱式燃焼装置10a,10bに対応させてそれぞれ火炎検知装置31a,31bを設け、各火炎検知装置31a,31bによって検知された火炎の状態を制御装置30に出力させ、この制御装置30により以下に示すような制御を行うようにしている。
【0027】
ここで、この実施形態における蓄熱式燃焼設備において、前記のように各蓄熱式燃焼装置10a,10bにおける各蓄熱部11a,11bに燃焼用空気Airを供給するにあたっては、給気装置40から各蓄熱式燃焼装置10a,10bにおける各蓄熱部11a,11bに向けて燃焼用空気Airを導く空気案内経路41の部分にそれぞれ開閉弁41a,41bを設けている。
【0028】
そして、前記の開閉弁41a,41bを、前記の制御装置30によって開閉させて、前記の給気装置40から空気案内経路41を通して各蓄熱式燃焼装置10a,10bにおける各蓄熱部11a,11bに対する燃焼用空気Airの供給と停止とを切り換えるようにしている。ここで、前記の開閉弁41a,41bについては、弁を開いた状態を白抜きで示す一方、弁を閉じた状態を黒塗りで示している。
【0029】
また、この実施形態における蓄熱式燃焼設備において、前記のように各蓄熱式燃焼装置10a,10bにおける各給排気部12a,12bの近傍に設けた各燃料供給ノズル13a,13bから低燃焼性燃料のアンモニアNH3を炉1内に供給するにあたっては、アンモニアNH3を各燃料供給ノズル13a,13bに導く燃料案内経路51の部分にそれぞれ開閉弁51a,51bを設けている。
【0030】
そして、前記の開閉弁51a,51bを、前記の制御装置30によって開閉させて、前記の燃料案内経路51を通して各燃料供給ノズル13a,13bに供給するアンモニアNH3の供給と停止とを切り換えるようにしている。ここで、前記の開閉弁51a,51bについても、弁を開いた状態を白抜きで示す一方、弁を閉じた状態を黒塗りで示している。
【0031】
また、この実施形態における蓄熱式燃焼設備においては、前記のように各蓄熱式燃焼装置10a,10bにおいて、アンモニアNH3を燃焼させた後の炉1内における燃焼排ガスを、排気装置60により各蓄熱式燃焼装置10a,10bにおける各給排気部12a,12bから蓄熱材xが収容された蓄熱部11a,11bを通して吸引させて外部に排気させるにあたり、燃焼排ガスを各蓄熱式燃焼装置10a,10bの蓄熱部11a,11bを通して排気装置60に導く排気経路61の部分にそれぞれ開閉弁61a,61bを設けている。
【0032】
そして、前記の開閉弁61a,61bを、前記の制御装置30によって開閉させ、前記の排気経路61を通して燃焼排ガスを排気装置60に導く蓄熱式燃焼装置10a,10bを切り換えるようにしている。ここで、前記の開閉弁61a,61bについても、弁を開いた状態を白抜きで示す一方、弁を閉じた状態を黒塗りで示している。
【0033】
また、この実施形態における蓄熱式燃焼設備においては、各蓄熱式燃焼装置10a,10bにおける給排気部12a,12bに設けた前記の各処理用バーナー20a,20bに燃焼用空気Airを供給するにあたって、前記の給気装置40から燃焼用空気Airを各処理用バーナー20a,20bに導く処理用空気案内経路42の部分にそれぞれ開閉弁42a,42bを設け、前記の制御装置30によってこの開閉弁42a,42bを開閉させ、前記の給気装置40から処理用空気案内経路42を通して各処理用バーナー20a,20bへの燃焼用空気Airの供給と停止とを切り換えるようにしている。
【0034】
また、前記の各処理用バーナー20a,20bに高燃焼性燃料の水素H2を供給するにあたっては、水素H2を収容させた水素ボンベ70から各処理用バーナー20a,20bに水素H2を導く高燃焼性燃料案内経路71にそれぞれ開閉弁71a,71bを設け、前記の制御装置30によってこの開閉弁71a,71bを開閉させ、前記の水素ボンベ70から高燃焼性燃料案内経路71を通して各処理用バーナー20a,20bへの水素H2の供給と停止とを切り換えるようにしている。なお、この実施形態においては、水素ボンベ70から水素H2を各処理用バーナー20a,20bに供給するようにしたが、水素H2を連続して供給できる水素供給装置(図示せず)から水素H2を各処理用バーナー20a,20bに供給することも可能である。
【0035】
また、この実施形態における蓄熱式燃焼設備においては、炉1内におけるアンモニアNH3を検知するNH3検知センサー80を設けている。
【0036】
そして、この実施形態における蓄熱式燃焼設備において、一方の蓄熱式燃焼装置10aにおいてアンモニアNH
3を燃焼させる一方、他方の蓄熱式燃焼装置10bにおいて燃焼排ガスの熱を蓄熱させて燃焼排ガスを排気させる場合、アンモニアNH
3を燃焼させる一方の蓄熱式燃焼装置10aにおいては、
図1に示すように、前記の空気案内経路41に設けた一方の開閉弁41aを開けて、前記の給気装置40から燃焼用空気Airを一方の蓄熱式燃焼装置10aにおける蓄熱部11aに導いて、この燃焼用空気Airを蓄熱部11aにおいて蓄熱された蓄熱材xにより加熱させ、このように加熱された燃焼用空気Airを、この蓄熱式燃焼装置10aにおける給排気部12aを通して炉1内に供給すると共に、前記の燃料案内経路51に設けた一方の開閉弁51aを開けて、アンモニアNH
3を前記の燃料案内経路51を通して一方の燃料供給ノズル13aに導き、この燃料供給ノズル13aからアンモニアNH
3を、前記の給排気部12aを通して炉1内に供給される燃焼用空気Airに向けて噴射させ、燃焼用空気Airと混合させて燃焼させるようにする。
【0037】
一方、前記のように燃焼排ガスの熱を蓄熱させて、燃焼排ガスを外部に排気させる他方の蓄熱式燃焼装置10bにおいては、前記の排気経路61に設けた他方の開閉弁61bを開け、前記のようにアンモニアNH3を燃焼用空気Airと混合させて炉1内で燃焼させた後の燃焼排ガスを、前記の排気装置60によりこの他方の蓄熱式燃焼装置10bにおける給排気部12bに吸引し、この燃焼排ガスを他方の蓄熱式燃焼装置10bにおける蓄熱部11bに導いて燃焼排ガスの熱を蓄熱材xに蓄熱させた後、この燃焼排ガスを前記の排気経路61を通して排気装置60に導いて外部に排気させるようにする。
【0038】
そして、この実施形態における蓄熱式燃焼設備においては、一方の蓄熱式燃焼装置10aと他方の蓄熱式燃焼装置10bとにおいて、アンモニアNH
3を燃焼させる燃焼動作と、燃焼排ガスの熱を蓄熱させる蓄熱動作とを切り換えるにあたっては、図示していないが、一方の蓄熱式燃焼装置10aと他方の蓄熱式燃焼装置10bとにおいて、前記の
図1に示した場合とは逆の動作を行うようにする。
【0039】
また、これらの蓄熱式燃焼装置10a,10bにおいて、前記のように炉1内でアンモニアNH3が燃焼用空気Airと混合されて燃焼されている状態では、前記の制御装置30により、前記の給気装置40から燃焼用空気Airを各処理用バーナー20a,20bに導く処理用空気案内経路42の部分に設けた各開閉弁42a,42bを閉じて、各処理用バーナー20a,20bに燃焼用空気Airを供給しないようにすると共に、水素H2を収容させた水素ボンベ70から各処理用バーナー20a,20bに導く高燃焼性燃料案内経路71に設けた各開閉弁71a,71bを閉じて、各処理用バーナー20a,20bに水素H2を供給しないようにし、各処理用バーナー20a,20bによって水素H2を各蓄熱式燃焼装置10a,10bにおける給排気部12a,12b内で燃焼させないようにしている。
【0040】
ここで、燃焼動作を行っている一方の蓄熱式燃焼装置10aにおいて、アンモニアNH3が燃焼されなくなって火炎が失火した場合、燃焼されずに炉1内に残ったアンモニアNH3が蓄熱動作を行っている他方の蓄熱式燃焼装置10bを通って外部に排出されるのを防止する必要が生じる。
【0041】
このため、この実施形態における蓄熱式燃焼設備において、例えば、前記の
図1に示すように燃焼動作を行っている一方の蓄熱式燃焼装置10aにおいて、アンモニアNH
3が燃焼されなくなって火炎が失火した場合、
図2に示すように、この蓄熱式燃焼装置10aにおける火炎の状態を検知する前記の火炎検知装置31aが、この蓄熱式燃焼装置10aにおける火炎の失火を検知すると、この火炎検知装置31aから前記の制御装置30にこの結果を出力する。
【0042】
そして、このように火炎検知装置31aから燃焼側の蓄熱式燃焼装置10aにおける火炎の失火が制御装置30に出力されると、この制御装置30によって燃焼側の蓄熱式燃焼装置10aの燃料供給ノズル13aにアンモニアNH3を案内する燃料案内経路51に設けた開閉弁51aを閉じて、前記の燃料供給ノズル13aに対するアンモニアNH3の供給を停止させ、アンモニアNH3が炉1内に供給されないようにする。また、前記の制御装置30により、前記の給気装置40から燃焼用空気Airを蓄熱側の蓄熱式燃焼装置10bに設けた処理用バーナー20bに導く処理用空気案内経路42における開閉弁42bを開けて、蓄熱側の処理用バーナー20bに燃焼用空気Airを供給すると共に、水素H2を収容させた水素ボンベ70から蓄熱側の処理用バーナー20bに導く高燃焼性燃料案内経路71における開閉弁71bを開けて、蓄熱側の処理用バーナー20bに水素H2を供給して、この処理用バーナー20bにより、水素H2を蓄熱側の蓄熱式燃焼装置10bにおける給排気部12b内で燃焼させるようにする。
【0043】
このようにすると、燃焼側の蓄熱式燃焼装置10aにおける火炎の失火によって燃焼されずに炉1内に残ったアンモニアNH3を含む燃焼排ガスが、前記の排気装置60により蓄熱側の蓄熱式燃焼装置10bにおける給排気部12bに吸引され、この燃焼排ガスに含まれるアンモニアNH3が、前記の処理用バーナー20bによりこの給排気部12b内で前記の水素H2と一緒に燃焼され、このように燃焼された燃焼排ガスを含む燃焼燃焼排ガスが、蓄熱側の蓄熱式燃焼装置10bにおける蓄熱部11bに導かれて燃焼排ガスの熱が蓄熱材xに蓄熱された後、前記の排気経路61を通して排気装置60により外部に排気されるようになり、燃焼排ガスに含まれるアンモニアNH3が蓄熱側の蓄熱式燃焼装置10bから外部に排気されるのが防止される。
【0044】
また、このようにアンモニアNH3を含む燃焼排ガスを蓄熱側の蓄熱式燃焼装置10bに吸引させて、この蓄熱式燃焼装置10bの給排気部12bにおいて燃焼排ガスに含まれるアンモニアNH3を処理用バーナー20bによって水素H2と一緒に燃焼させた後においても、炉1内に依然としてアンモニアNH3が残っている場合には、炉1内におけるアンモニアNH3を前記のNH3検知センサー80によって検知し、このNH3検知センサー80による検知結果を前記の制御装置30に出力する。
【0045】
そして、このようにNH
3検知センサー80から炉1内にアンモニアNH
3が残っていることが制御装置30に出力されると、
図3に示すように、
図2の蓄熱式燃焼装置10a,10bにおける燃焼と蓄熱とを切り換えて、各蓄熱式燃焼装置10a,10bの燃料供給ノズル13a,13bにアンモニアNH
3を案内する燃料案内経路51に設けた開閉弁51a,51bを閉じて、アンモニアNH
3が炉1内に供給させないままの状態で、前記の制御装置30によって前記の空気案内経路41に設けた一方の開閉弁41aを閉じる一方、他方の開閉弁41bを開けて、前記の給気装置40から燃焼用空気Airを他方の蓄熱式燃焼装置10bにおける蓄熱部11bに導き、この蓄熱部11bにおいて蓄熱された蓄熱材xにより燃焼用空気Airを加熱させ、このように加熱された燃焼用空気Airを、この蓄熱式燃焼装置10bにおける給排気部12bを通して炉1内に供給する。
【0046】
また、前記の制御装置30によって、前記の給気装置40から前記の蓄熱式燃焼装置10bに設けた処理用バーナー20bに導く処理用空気案内経路42における前記の開閉弁42bを閉じると共に、水素H2を収容させた水素ボンベ70から前記の処理用バーナー20bに導く高燃焼性燃料案内経路71における前記の開閉弁71bを閉じる一方、給気装置40から燃焼用空気Airを一方の蓄熱式燃焼装置10aに設けた処理用バーナー20aに導く処理用空気案内経路42における開閉弁42aを開けて、一方の処理用バーナー20aに燃焼用空気Airを供給すると共に、水素H2を収容させた水素ボンベ70から一方の処理用バーナー20aに導く高燃焼性燃料案内経路71における開閉弁71aを開けて、この処理用バーナー20aに水素H2を供給し、この処理用バーナー20aにより、水素H2を一方の蓄熱式燃焼装置10aにおける給排気部12a内で燃焼させるようにする。
【0047】
また、前記の制御装置30により前記の排気経路61に設けた他方の開閉弁61bを閉じて一方の開閉弁61aを開け、前記の排気装置60によって、前記のように炉1内に依然として残っているアンモニアNH3を蓄熱式燃焼装置10bから炉1内に供給された加熱された燃焼用空気Airと一緒に、一方の蓄熱式燃焼装置10aにおける給排気部12a内に吸引し、このように吸引されたアンモニアNH3を、前記の処理用バーナー20aにより、この給排気部12a内で前記の水素H2と一緒に燃焼させ、このように燃焼された燃焼排ガスをこの蓄熱式燃焼装置10aにおける蓄熱部11aに導いて、この燃焼排ガスの熱を蓄熱部11aにおける蓄熱材xに蓄熱させた後、前記の排気経路61を通して排気装置60により外部に排気させるようにする。このようにすると、アンモニアNH3が一方の蓄熱式燃焼装置10aから外部に排気されるのも防止される。
【0048】
なお、依然として炉1内にアンモニアNH3が残っている場合には、炉1内におけるアンモニアNH3を前記のNH3検知センサー80によって検知し、このNH3検知センサー80による検知結果を前記の制御装置30に出力し、前記のような操作を各蓄熱式燃焼装置10a,10bにおいて繰り返して行い、各処理用バーナー20a,20bによって炉1内に残っているアンモニアNH3が前記のNH3検知センサー80によって検知されなくなるまで繰り返して行う。
【0049】
このようにすると、火炎の失火によって燃焼されずに炉1内に残ったアンモニアNH3が、前記のように各蓄熱式燃焼装置10a,10bにおける各処理用バーナー20a,20bによって燃焼され、炉1内に残ったアンモニアNH3が外部に排出されるのを確実に防止できるようになる。
【符号の説明】
【0050】
1 :炉
10a :蓄熱式燃焼装置
10b :蓄熱式燃焼装置
11a :蓄熱部
11b :蓄熱部
12a :給排気部
12b :給排気部
13a :燃料供給ノズル
13b :燃料供給ノズル
20a :処理用バーナー
20b :処理用バーナー
30 :制御装置
31a :火炎検知装置
31b :火炎検知装置
40 :給気装置
41 :空気案内経路
41a :開閉弁
41b :開閉弁
42 :処理用空気案内経路
42a :開閉弁
42b :開閉弁
51 :燃料案内経路
51a :開閉弁
51b :開閉弁
60 :排気装置
61 :排気経路
61a :開閉弁
61b :開閉弁
70 :水素ボンベ
71 :高燃焼性燃料案内経路
71a :開閉弁
71b :開閉弁
80 :NH3検知センサー
Air :燃焼用空気
H2 :水素
NH3 :アンモニア
NOx :窒素酸化物
x :蓄熱材