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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】画像処理方法および受像装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/01 20060101AFI20221129BHJP
   G06T 3/40 20060101ALI20221129BHJP
【FI】
H04N7/01 170
H04N7/01 350
G06T3/40 725
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019513502
(86)(22)【出願日】2018-04-09
(86)【国際出願番号】 IB2018052435
(87)【国際公開番号】W WO2018193333
(87)【国際公開日】2018-10-25
【審査請求日】2021-04-08
(31)【優先権主張番号】P 2017084603
(32)【優先日】2017-04-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000153878
【氏名又は名称】株式会社半導体エネルギー研究所
(72)【発明者】
【氏名】塩川 将隆
(72)【発明者】
【氏名】高橋 圭
(72)【発明者】
【氏名】岩城 裕司
(72)【発明者】
【氏名】郷戸 宏充
【審査官】益戸 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-346639(JP,A)
【文献】国際公開第2009/130820(WO,A1)
【文献】特開2013-131042(JP,A)
【文献】大谷真也 他4名,4並列の畳み込みニューラルネットワークを用いた超解像,電子情報通信学会論文誌D 早期公開論文,日本,電子情報通信学会,2016年01月15日,DOI:10.14923/transinfj.2015JDL8032,pp.1-6
【文献】台明 他3名,超解像処理を施した自然画像の視覚的質感改善の基礎検討,IMPS IMAGE MEDIA PROCESSING SYMPOSIUM 2015,2015年11月18日,pp.130-131
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/01
G06T 3/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
低解像度の画像データを分割することで、複数の第1画像データを生成し、
前記複数の第1画像データのうち、隣接する2つの一方を第2画像データとし、他方を第3画像データとし、
前記第2画像データの周囲を0のデータおよび隣接する前記第3画像データで補うことで第4画像データを生成し、
前記第3画像データの周囲を0のデータおよび隣接する前記第2画像データで補うことで第5画像データを生成し、
前記第4画像データを入力とする畳み込みニューラルネットワークを行い、前記第4画像データをアップコンバートして第6画像データを出力し、
前記第5画像データを入力とする畳み込みニューラルネットワークを行い、前記第5画像データをアップコンバートして第7画像データを出力し、
第6画像データと第7画像データを結合することで、高解像度の画像データを生成する、画像処理方法。
【請求項2】
請求項1において、
前記第6画像データおよび前記第7画像データの解像度が、前記第1画像データの解像度のn倍(nは2以上の整数)である、画像処理方法。
【請求項3】
低解像度の画像データを受信して高解像度の画像を表示する受像装置であって、
低解像度の画像データを分割することで、複数の第1画像データを生成し、
前記複数の第1画像データのうち、隣接する2つの一方を第2画像データとし、他方を第3画像データとし、
前記第2画像データの周囲を0のデータおよび隣接する前記第3画像データで補うことで第4画像データを生成し、
前記第3画像データの周囲を0のデータおよび隣接する前記第2画像データで補うことで第5画像データを生成し、
前記第4画像データを入力とする畳み込みニューラルネットワークを行い、前記第4画像データをアップコンバートして第6画像データを出力し、
前記第5画像データを入力とする畳み込みニューラルネットワークを行い、前記第5画像データをアップコンバートして第7画像データを出力し、
第6画像データと第7画像データを結合することで、前記高解像度の画像を表示する、受像装置。
【請求項4】
請求項3において、前記第6画像データおよび前記第7画像データの解像度が、前記第1画像データの解像度のn倍(nは2以上の整数)である、受像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、画像処理方法、および当該画像処理方法により動作する受像装置に関する。
【0002】
また、本発明の一態様は、半導体装置に関する。なお、本明細書等において半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装置全般を指す。表示装置、発光装置、記憶装置、電気光学装置、蓄電装置、半導体回路および電子機器は、半導体装置を有する場合がある。
【0003】
なお本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。本明細書等で開示する発明の技術分野は、物、方法、または、製造方法に関するものである。または、本発明の一態様は、プロセス、マシン、マニュファクチャ、または、組成物(コンポジション・オブ・マター)に関するものである。そのため、より具体的に本明細書で開示する本発明の一態様の技術分野としては、半導体装置、表示装置、液晶表示装置、発光装置、蓄電装置、撮像装置、記憶装置、プロセッサ、電子機器、それらの駆動方法、それらの製造方法、それらの検査方法、またはそれらのシステムを一例として挙げることができる。
【背景技術】
【0004】
テレビジョン(TV)は、大画面化に伴い、高精細度の映像を視聴できることが望まれている。日本国では、2015年に通信衛星(CS)およびケーブルテレビ等による4K実用放送が開始され、2016年に放送衛星(BS)による4K・8K試験放送が開始されている。今後、8K実用放送の開始が予定されている。そのため、8K放送に対応するための各種の電子機器が開発されている(非特許文献1)。8Kの実用放送では、4K放送、2K放送(フルハイビジョン放送)も併用される予定である。
【0005】
8K放送の映像の解像度(水平・垂直の画素数)は7680×4320であり、4K(3840×2160)の4倍、2K(1920×1080)の16倍である。したがって、8K放送の映像を見る者は、2K放送の映像、または4K放送の映像等を見る者より高い臨場感を感じることができると期待される。
【0006】
また、テレビジョンに限らず様々な電子機器に対して人工ニューラルネットワーク等を利用した人工知能を付する開発が進められている。人工ニューラルネットワークを利用することで、従来のノイマン型コンピュータよりも高性能なコンピュータが実現できると期待されており、近年、電子回路上で人工ニューラルネットワークを構築する種々の研究が進められている。非特許文献2には、人工ニューラルネットワークによる自己学習機能を備えたチップに関する技術が記載されている。
【0007】
さらに、特許文献1には、チャネル形成領域に酸化物半導体を有するトランジスタを用いた記憶装置によって、人工ニューラルネットワークを用いた計算に必要な重みデータを保持する発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】米国特許公開第2016/0343452号公報
【非特許文献】
【0009】
【文献】S.Kawashima,et al.,”13.3-In.8K X 4K 664-ppi OLED Display Using CAAC-OS FETs,”SID 2014 DIGEST,pp.627―630.
【文献】Yutaka Arima et al,”A Self-Learning Neural Network Chip with 125 Neurons and 10K Self-Organization Synapses”,IEEE JOURNAL OF SOLID-STATE CIRCUITS,VOL.26,NO.4,APRIL 1991,pp.607-611
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
8Kのような高解像度の映像は、データ量が多いため、放送局から受信機へデータの送信を行う際の通信負荷が大きい。通信負荷を減らすために、放送局が低解像度の映像を放送し、当該放送を受信した受信機側で解像度を高める技術が必要とされている。
【0011】
本発明の一態様は、低解像の画像データから高解像度の画像データを生成する画像処理方法を提供することを課題の1つとする。または、本発明の一態様は、計算量の少ない画像処理方法を提供することを課題の1つとする。または、本発明の一態様は、高画質の画像を表示することが可能な受像装置を提供することを課題の1つとする。または、本発明の一態様は、信頼性の高い受像装置を提供することを課題の1つとする。または、本発明の一態様は、消費電力の小さい受像装置を提供することを課題の1つとする。または、本発明の一態様は、高速に動作する受像装置を提供することを課題の1つとする。または、本発明の一態様は、新規な画像処理方法、新規な受像装置、および新規な半導体装置を提供することを課題の1つとする。
【0012】
なお本発明の一態様の課題は、上記列挙した課題に限定されない。上記列挙した課題は、他の課題の存在を妨げるものではない。なお他の課題は、以下の記載で述べる、本項目で言及していない課題である。本項目で言及していない課題は、当業者であれば明細書または図面等の記載から導き出せるものであり、これらの記載から適宜抽出することができる。なお、本発明の一態様は、上記列挙した記載、および他の課題のうち、少なくとも一つの課題を解決するものである。なお、本発明の一態様は、上記列挙した記載、および他の課題の全てを解決する必要はない。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一態様は、低解像度の画像データから高解像度の画像データを生成する画像処理方法であって、低解像の画像データを分割することで、複数の第1画像データを生成し、複数の第1画像データのうち、隣接する2つの一方を第2画像データとし、他方を第3画像データとし、第2画像データの周囲を画素データで補うことで第4画像データを生成し、画素データは、第3画像データの一部を含み、第4画像データを入力とする畳み込みニューラルネットワークを行い、畳み込みニューラルネットワークは第5画像データを出力し、複数の第5画像データを結合することで、高解像度の画像データを生成する画像処理方法である。
【0014】
また、上記態様において、第5画像データの解像度が、第1画像データの解像度のn倍(nは2以上の整数)であってもよい。
【0015】
また、本発明の一態様は、低解像度の画像データを受信して高解像度の画像を表示する受像装置であって、低解像の画像データを分割することで、複数の第1画像データを生成し、複数の第1画像データのうち、隣接する2つの一方を第2画像データとし、他方を第3画像データとし、第2画像データの周囲を画素データで補うことで第4画像データを生成し、画素データは、第3画像データの一部を含み、第4画像データを入力とする畳み込みニューラルネットワークを行い、畳み込みニューラルネットワークは第5画像データを出力し、複数の第5画像データを結合することで、高解像度の画像を表示する受像装置である。
【0016】
また、上記態様において、第5画像データの解像度が、第1画像データの解像度のn倍(nは2以上の整数)であってもよい。
【0017】
また、本発明の一態様は、低解像度の画像データを受信して、高解像度の画像を表示する受像装置であって、複数の回路と、表示パネルを有し、低解像度の画像データを、複数の第1画像データに分割し、複数の回路は、それぞれ、複数の第1画像データの1つを、畳み込みニューラルネットワークを用いて、第2画像データに変換し、第2画像データは第1画像データよりも解像度が高く、表示パネルは、複数の第2画像データを結合することで、高解像度の画像を表示する受像装置である。
【0018】
また、上記態様において、複数の回路は第1乃至第Nの回路(Nは2以上の整数)からなり、低解像度の画像データは、M×N(Mは1以上の整数)の第1画像データに分割されてもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明の一態様により、低解像度の画像データから高解像度の画像データを生成する画像処理方法を提供することができる。または、本発明の一態様により、計算量の少ない画像処理方法を提供することができる。または、本発明の一態様により、高画質の画像を表示することが可能な受像装置を提供することができる。または、本発明の一態様により、信頼性の高い受像装置を提供することができる。または、本発明の一態様により、消費電力の小さい受像装置を提供することができる。または、本発明の一態様により、高速に動作する受像装置を提供することができる。または、本発明の一態様により、新規な画像処理方法、新規な受像装置、および新規な半導体装置を提供することができる。
【0020】
なお本発明の一態様の効果は、上記列挙した効果に限定されない。上記列挙した効果は、他の効果の存在を妨げるものではない。なお他の効果は、以下の記載で述べる、本項目で言及していない効果である。本項目で言及していない効果は、当業者であれば明細書または図面等の記載から導き出せるものであり、これらの記載から適宜抽出することができる。なお、本発明の一態様は、上記列挙した効果、および他の効果のうち、少なくとも一つの効果を有するものである。従って本発明の一態様は、場合によっては、上記列挙した効果を有さない場合もある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】画像処理方法の一例を示す図。
図2】画像処理方法の一例を示す図。
図3】CNNの構成例を示すブロック図。
図4】テレビジョン装置の構成例を示す外観図およびブロック図。
図5】表示パネルの構成例を示すブロック図。
図6】表示パネルの構成例を示すブロック図。
図7】表示パネルの構成例を示すブロック図。
図8】表示パネルの構成例を示すブロック図。
図9】画素の構成例を示す回路図。
図10】表示パネルの構成例を示す断面図。
図11】表示パネルの構成例を示す断面図。
図12】半導体装置の構成例を示す回路図。
図13】積和演算素子の構成例を示すブロック図。
図14】プログラマブルスイッチの構成例を示す回路図。
図15】電子機器の例を示す図。
図16】画像処理方法の一例を示す図。
図17】画像処理方法の一例を示す図。
図18】表示結果を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本明細書等において、人工ニューラルネットワーク(ANN、以後、ニューラルネットワークと呼称する。)とは、生物の神経回路網を模したモデル全般を指す。一般的には、ニューラルネットワークは、ニューロンを模したユニットが、シナプスを模したユニットを介して、互いに結合された構成となっている。
【0023】
シナプスの結合(ニューロン同士の結合)の強度(重み係数ともいう。)は、ニューラルネットワークに既存の情報を与えることによって、変化させることができる。このように、ニューラルネットワークに既存の情報を与えて、結合強度を決める処理を「学習」と呼ぶ場合がある。
【0024】
また、「学習」を行った(結合強度を定めた)ニューラルネットワークに対して、何らかの情報を与えることにより、その結合強度に基づいて新たな情報を出力することができる。このように、ニューラルネットワークにおいて、与えられた情報と結合強度に基づいて新たな情報を出力する処理を「推論」または「認知」と呼ぶ場合がある。
【0025】
ニューラルネットワークのモデルとしては、例えば、ホップフィールド型、階層型等が挙げられる。特に、多層構造としたニューラルネットワークを「ディープニューラルネットワーク」(DNN)と呼称し、ディープニューラルネットワークによる機械学習を「ディープラーニング」と呼称する。なお、DNNには、全結合ニューラルネットワーク(FC-NN:Full Connected -Neural Network)、畳み込みニューラルネットワーク(CNN:Convolutional Neural Network)、再帰ニューラルネットワーク(RNN:Recurrent Neural Network)等が含まれる。
【0026】
本明細書等において、金属酸化物(metal oxide)とは、広い表現での金属の酸化物である。金属酸化物は、酸化物絶縁体、酸化物導電体(透明酸化物導電体を含む)、酸化物半導体(Oxide Semiconductorまたは単にOSともいう)等に分類される。例えば、トランジスタの半導体層に金属酸化物を用いた場合、当該金属酸化物を酸化物半導体と呼称する場合がある。つまり、金属酸化物が増幅作用、整流作用、およびスイッチング作用の少なくとも1つを有するトランジスタのチャネル形成領域を構成し得る場合、当該金属酸化物を、金属酸化物半導体(metal oxide semiconductor)、略してOSと呼ぶことができる。また、OS FET(またはOSトランジスタ)と記載する場合においては、金属酸化物または酸化物半導体を有するトランジスタと換言することができる。
【0027】
半導体の不純物とは、例えば、半導体層を構成する主成分以外をいう。例えば、濃度が0.1原子%未満の元素は不純物である。不純物が含まれることにより、例えば、半導体にDOS(Density of States)が形成されることや、キャリア移動度が低下することや、結晶性が低下すること等が起こる場合がある。半導体が酸化物半導体である場合、半導体の特性を変化させる不純物としては、例えば、第1族元素、第2族元素、第13族元素、第14族元素、第15族元素、主成分以外の遷移金属等があり、特に、例えば、水素(水にも含まれる)、リチウム、ナトリウム、シリコン、ホウ素、リン、炭素、窒素等がある。酸化物半導体の場合、例えば水素等の不純物の混入によって酸素欠損を形成する場合がある。また、半導体がシリコン層である場合、半導体の特性を変化させる不純物としては、例えば、酸素、水素を除く第1族元素、第2族元素、第13族元素、第15族元素等がある。
【0028】
本明細書等において、「第1」、「第2」、「第3」という序数詞は、構成要素の混同を避けるために付したものである。従って、構成要素の数を限定するものではない。また、構成要素の順序を限定するものではない。また例えば、本明細書等の実施の形態の一において「第1」に言及された構成要素が、他の実施の形態、あるいは特許請求の範囲において「第2」に言及された構成要素とすることもありうる。また例えば、本明細書等の実施の形態の一において「第1」に言及された構成要素を、他の実施の形態、あるいは特許請求の範囲において省略することもありうる。
【0029】
実施の形態について図面を参照しながら説明している。但し、実施の形態は多くの異なる態様で実施することが可能であり、趣旨およびその範囲から逸脱することなく、その形態および詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は、実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、実施の形態の発明の構成において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。
【0030】
また、本明細書等において、「上に」、「下に」等の配置を示す語句は、構成同士の位置関係を、図面を参照して説明するために、便宜上用いている。構成同士の位置関係は、各構成を描写する方向に応じて適宜変化する。そのため、配置を示す語句は、明細書で説明した記載に限定されず、状況に応じて適切に言い換えることができる。
【0031】
また、「上」や「下」の用語は、構成要素の位置関係が直上または直下で、かつ、直接接していることを限定するものではない。例えば、「絶縁層A上の電極B」の表現であれば、絶縁層Aの上に電極Bが直接接して形成されている必要はなく、絶縁層Aと電極Bとの間に他の構成要素を含むものを除外しない。
【0032】
また、図面において、大きさ、層の厚さ、または領域は、説明の便宜上任意の大きさに示したものである。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。なお図面は明確性を期すために模式的に示したものであり、図面に示す形状または値等に限定されない。例えば、ノイズによる信号、電圧、若しくは電流のばらつき、または、タイミングのずれによる信号、電圧、若しくは電流のばらつき等を含むことが可能である。
【0033】
また、図面において、明確性を期すために一部の構成要素の記載を省略している場合がある。
【0034】
また、図面において、同一の要素または同様な機能を有する要素、同一の材質の要素、あるいは同時に形成される要素等には同一の符号を付す場合があり、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
【0035】
本明細書等において、トランジスタの接続関係を説明する際、ソースとドレインとの一方を、「ソースまたはドレインの一方」と表記し、ソースとドレインとの他方を「ソースまたはドレインの他方」と表記している。これは、トランジスタのソースとドレインは、トランジスタの構造または動作条件等によって変わるためである。なおトランジスタのソースとドレインの呼称については、ソース(ドレイン)端子や、ソース(ドレイン)電極等、状況に応じて適切に言い換えることができる。また、本明細書等に記載するトランジスタが2つ以上のゲートを有するとき、それらのゲートをフロントゲート、バックゲートと呼ぶ場合がある。特に、「フロントゲート」という語句は、単に「ゲート」という語句に互いに言い換えることができる。また、「バックゲート」という語句は、単に「ゲート」という語句に互いに言い換えることができる。なお、ボトムゲートとは、トランジスタの作製時において、チャネル形成領域よりも先に形成される端子のことをいい、「トップゲート」とは、トランジスタの作製時において、チャネル形成領域よりも後に形成される端子のことをいう。
【0036】
トランジスタは、ゲート、ソース、およびドレインと呼ばれる3つの端子を有する。ゲートは、トランジスタの導通状態を制御する制御端子として機能する端子である。ソースまたはドレインとして機能する2つの入出力端子は、トランジスタの型および各端子に与えられる電位の高低によって、一方がソースとなり他方がドレインとなる。このため、本明細書等においては、ソースやドレインの用語は、入れ替えて用いることができるものとする。
【0037】
また、本明細書等において「電極」や「配線」の用語は、これらの構成要素を機能的に限定するものではない。例えば、「電極」は「配線」の一部として用いられることがあり、その逆もまた同様である。さらに、「電極」や「配線」の用語は、複数の「電極」や「配線」が一体となって形成されている場合等も含む。
【0038】
また、本明細書等において、電圧と電位は、適宜言い換えることができる。電圧は、基準となる電位からの電位差のことであり、例えば基準となる電位をグラウンド電位(接地電位)とすると、電圧を電位に言い換えることができる。グラウンド電位は必ずしも0Vを意味するとは限らない。なお電位は相対的なものであり、基準となる電位によっては、配線等に与える電位を変化させる場合がある。
【0039】
なお本明細書等において、「膜」、「層」等の語句は、場合によっては、または、状況に応じて、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」という用語に変更することが可能な場合がある。または、例えば、「絶縁膜」という用語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能な場合がある。または、場合によっては、または、状況に応じて、「膜」、「層」等の語句を使わずに、別の用語に入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」または「導電膜」という用語を、「導電体」という用語に変更することが可能な場合がある。または、例えば、「絶縁層」「絶縁膜」という用語を、「絶縁体」という用語に変更することが可能な場合がある。
【0040】
なお本明細書等において、「配線」、「信号線」、「電源線」等の用語は、場合によっては、または、状況に応じて、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「配線」という用語を、「信号線」という用語に変更することが可能な場合がある。また、例えば、「配線」という用語を、「電源線」等の用語に変更することが可能な場合がある。また、その逆も同様で、「信号線」「電源線」等の用語を、「配線」という用語に変更することが可能な場合がある。「電源線」等の用語は、「信号線」等の用語に変更することが可能な場合がある。また、その逆も同様で「信号線」等の用語は、「電源線」等の用語に変更することが可能な場合がある。また、配線に印加されている「電位」という用語を、場合によっては、または、状況に応じて、「信号」等という用語に変更することが可能な場合がある。また、その逆も同様で、「信号」等の用語は、「電位」という用語に変更することが可能な場合がある。
【0041】
各実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて、本発明の一態様とすることができる。また、1つの実施の形態の中に、複数の構成例が示される場合は、互いに構成例を適宜組み合わせることが可能である。
【0042】
なお、ある一つの実施の形態の中で述べる内容(一部の内容でもよい)は、その実施の形態で述べる別の内容(一部の内容でもよい)と、一つ若しくは複数の別の実施の形態で述べる内容(一部の内容でもよい)との少なくとも一つの内容に対して、適用、組み合わせ、または置き換え等を行うことができる。
【0043】
なお、実施の形態の中で述べる内容とは、各々の実施の形態において、様々な図を用いて述べる内容、または明細書に記載される文章を用いて述べる内容のことである。
【0044】
なお、ある一つの実施の形態において述べる図(一部でもよい)は、その図の別の部分、その実施の形態において述べる別の図(一部でもよい)と、一つ若しくは複数の別の実施の形態において述べる図(一部でもよい)との少なくとも一つの図に対して、組み合わせることにより、さらに多くの図を構成させることができる。
【0045】
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の画像処理方法の一例について説明する。
【0046】
<画像処理の方法例>
本発明の一態様は、例えば画像データの解像度を高める、画像処理方法に関する。例えば、衛星放送または電波塔からの放送電波により送信される画像データを、テレビジョン等の受像装置が受信し、受信した画像データの解像度を、例えばニューラルネットワーク、特にCNNを用いて高める。本発明の一態様の画像処理方法に対応する受像装置により、解像度を高めた画像データに対応する画像を表示することができる。例えば、QVGA(Quarter Video Graphics Array)に対応する解像度の画像データ(320×240)を、VGAに対応する解像度の画像データ(640×480)に変換することができる。例えば、VGAに対応する解像度の画像データを、Quad-VGA(1280×960)に対応する解像度の画像データに変換することができる。例えば、2K(1920×1080)に対応する解像度の画像データを、4K(3840×2160)に対応する解像度の画像データに変換することができる。例えば、4Kに対応する解像度の画像データを、8K(7680×4320)に対応する解像度の画像データに変換することができる。例えば、2Kに対応する解像度の画像データを、8Kに対応する解像度の画像データに変換することができる。
【0047】
本発明の一態様の画像処理方法では、受像装置が受信した画像データを分割し、分割した画像データのそれぞれに対し、隣接する画像データに対応するデータを補填する。その後、画像データの解像度を高め、解像度を高めた各画像データを結合する。画像データを分割してから解像度を高める処理を行うことにより、受像装置が受信した画像データの容量を大きくしても、当該画像データの解像度を高める処理を行う際に要する計算量が大幅に増加することを抑制することができる。また、隣接する画像データに対応するデータを補填することにより、分割した画像データを結合した際の結合部を見えにくくすることができる。以上、本発明の一態様の画像処理方法により、高画質の画像データを生成することができる。
【0048】
図1(A)、(B)、(C)、(D)、(E)は、本発明の一態様の画像処理方法である、画像データの解像度を高める方法を示す図である。具体的には、QVGAに対応する解像度の画像データ(320×240)を、VGAに対応する解像度の画像データ(640×480)に変換する方法を示す図である。
【0049】
図1(A)に示す画像データimg1は、解像度を高める前の画像データを表し、解像度は320×240とする。画像データimg1として、例えば、衛星放送または電波塔からの放送電波により送信された画像データとすることができる。
【0050】
本発明の一態様の画像処理方法では、まず、受像装置が画像データimg1を受信し、受信した画像データimg1をマトリクス状に分割する。図1(B)では、画像データimg1を2×2に分割する場合について示している。図1(B)では、左上の画像データを画像データa[1,1]と表記し、右上の画像データを画像データa[2,1]と表記し、左下の画像データを画像データa[1,2]と表記し、右下の画像データを画像データa[2,2]と表記している。なお、本明細書等において、他の画像データにおいても、同様の表記を用いて区別する場合がある。画像データa[1,1]乃至画像データa[2,2]の解像度は、それぞれ160×120(解像度320×240の1/4)とする。
【0051】
図1(C)に、分割後の画像データimg1を示す。本発明の一態様の画像処理方法では、画像データa[1,1]乃至画像データa[2,2]のそれぞれに、隣接する画像データaの一部を補填するように、画像データimg1を分割する。図1(C)において、破線部は、画像データa[1,1]乃至画像データa[2,2]に補填された画像データを示している。
【0052】
図1(B)、(C)に示すように、例えば分割後の画像データimg1[1,1]は、画像データa[1,1]の境界の外側に、画像データa[1,1]と隣接する画像データである画像データa[2,1]の一部、画像データa[1,2]の一部、および画像データa[2,2]の一部が補填された画像データimg1[1,1]である。つまり、画像データimg1[1,1]の解像度は、画像データa[1,1]の解像度である160×120より大きくなる。なお、画像データimg1[2,1]、画像データimg1[1,2]、および画像データimg1[2,2]も、同様の方法により生成される。以上により、画像データimg1が画像データimg1[1,1]、画像データimg1[2,1]、画像データimg1[1,2]、および画像データimg1[2,2]に分割される。
【0053】
次に、画像データimg1[1,1]乃至画像データimg1[2,2]のそれぞれに対して、解像度を高める処理(アップコンバート)を行う。図1(D)に、アップコンバート後の画像データである画像データimg2[1,1]、画像データimg2[2,1]、画像データimg2[1,2]、および画像データimg2[2,2]を示す。図1(D)には、画像データimg2[1,1]乃至画像データimg2[2,2]の解像度を、それぞれ画像データa[1,1]乃至画像データa[2,2]の解像度の4倍とするようにアップコンバートを行った場合について示している。つまり、画像データimg2[1,1]乃至画像データimg2[2,2]の解像度が、それぞれ320×240となる場合を示している。
【0054】
アップコンバートは、ニューラルネットワーク、特にCNNを用いて行うことができる。ニューラルネットワークを用いてアップコンバートを行う場合、ニューラルネットワークが繰り返し学習を行うことにより、正確にアップコンバートを行うことができる。これにより、本発明の一態様の画像処理方法により動作する受像装置は、高画質の画像データを生成することができる。
【0055】
その後、画像データimg2[1,1]乃至画像データimg2[2,2]を結合する。図1(E)に、結合後の画像データである画像データimg2を示す。図1(E)に示すように、画像データimg2の解像度は、640×480となる。以上に示す方法により、解像度320×240の画像データが、解像度640×480の画像データにアップコンバートされる。
【0056】
以上示したように、本発明の一態様の画像処理方法では、受像装置が受信した画像データを分割した後にアップコンバートを行う。これにより、受像装置が受信する画像データの容量を大きくしても、当該画像データに対してアップコンバートを行う際に要する計算量が大幅に増加することを抑制することができる。
【0057】
また、本発明の一態様の画像処理方法では、画像データimg1[1,1]乃至画像データimg1[2,2]等、アップコンバートを行う前の分割した画像データが、それぞれ隣接する画像データの一部を有する。これにより、分割した画像データに、隣接する画像データが補填されず、例えばエッジパディングまたはゼロパディングを行う場合と比較して、アップコンバート後の画像データを結合した際の、各結合部(境界)における画像データのずれを抑制することができる。これにより、アップコンバート後の画像データに対応する画像を表示した場合に、各結合部を見えにくくすることができる。したがって、本発明の一態様の画像処理方法により、高画質の画像データを生成することができる。
【0058】
図1(A)、(B)、(C)、(D)、(E)では、画像データimg1の解像度を320×240、画像データimg2の解像度を640×480としたが、本発明の一態様の画像処理方法ではこれに限らない。画像データimg1は、任意の解像度とすることができる。また、画像データimg2の解像度は、画像データimg1の解像度よりも大きければよい。例えば、2×2倍としてもよいし、3×3倍としてもよいし、4×4倍としてもよいし、5×5倍以上としてもよい。
【0059】
また、図1(B)、(C)では、画像データimg1を2×2に分割したが、本発明の一態様はこれに限らない。例えば、画像データimg1を3×3に分割してもよいし、4×4に分割してもよいし、10×10に分割してもよいし、10×10より多くの画像データに分割してもよい。また、水平方向の分割数と、垂直方向の分割数とが異なってもよい。例えば、画像データimg1を4×3、つまり水平方向に4つ、かつ垂直方向に3つに分割してもよい。この場合、画像データimg1は、画像データimg1[1,1]乃至画像データimg1[4,3]に分割される。
【0060】
なお、本発明の一態様の画像処理方法により動作する受像装置が有するニューラルネットワークは、画像データをアップコンバートする機能を、例えば教師あり学習により得ることができる。
【0061】
次に、本発明の一態様の画像処理方法により動作する受像装置が有するニューラルネットワークが行う学習方法の一例として、2×2に分割した画像データimg1を画像データimg2にアップコンバートする機能を得るための学習方法を説明する。まず、画像データimg2に対応する画像、つまり画像データimg2と同じ解像度の画像を用意する。次に、当該画像データを分割して、画像データimg2[1,1]乃至画像データimg2[2,2]に対応する画像データを生成する。次に、画像データimg2[1,1]乃至画像データimg2[2,2]に対応する画像データの解像度を低下させ、図1(C)等に示すと同様の方法で画像データを補填することにより、画像データimg1[1,1]乃至画像データimg1[2,2]に対応する画像データを生成する。例えば、画像データimg2[1,1]乃至画像データimg2[2,2]に対応する画像データの解像度が320×240である場合、当該画像データの解像度を160×120に低下させた後、隣接する画像データを補填することにより、画像データimg1[1,1]乃至画像データimg1[2,2]に対応する画像データを生成する。
【0062】
その後、画像データimg1[1,1]乃至画像データimg1[2,2]に対応する画像データを入力データとし、画像データimg2[1,1]乃至画像データimg1[2,2]に対応する画像データを教師データして、学習を行う。例えば、画像データimg1[1,1]から推論した画像データが画像データimg2[1,1]と一致するように、ニューラルネットワークの重み係数の更新等を行う。以上が学習方法の一例である。
【0063】
次に、画像データimg1を、CNNを用いて画像データimg2にアップコンバートする場合における、画像データimg1および画像データimg2の構成例について詳細に説明する。
【0064】
図2(A)では、図1(B)に示す場合と同様に、画像データimg1が画像データa[1,1]、画像データa[2,1]、画像データa[1,2]、および画像データa[2,2]から構成される場合を示している。図2(A)に示す場合において、画像データa[1,1]は、画素データDa11、画素データDa21、画素データDa12、および画素データDa22を有する。また、画像データa[2,1]は、画素データDb11、画素データDb21、画素データDb12、および画素データDb22を有する。また、画像データa[1,2]は、画素データDc11、画素データDc21、画素データDc12、および画素データDc22を有する。また、画像データa[2,2]は、画素データDd11、画素データDd21、画素データDd12、および画素データDd22を有する。つまり、図2(A)に示す場合において、画像データa[1,1]乃至画像データa[2,2]は、それぞれ2×2の画素データを有する。なお、各画像データaは、画素データをそれぞれ3×3以上有してもよい。また、前述のように、画像データimg1は、画像データaを3×3以上有してもよい。
【0065】
本明細書等において、画素データとは、例えば、画素が表現する階調に対応するデータを意味する。画素データ1個は、例えば1個の画素が表現する階調に対応するデータとすることができる。例えば、図1(B)に示す場合と同様に、画像データa[1,1]の解像度が160×120である場合、画像データa[1,1]は画素データを160×120個有するとすることができる。
【0066】
図2(B)は、図2(A)に示す画像データa[1,1]を基に生成された、画像データimg1[1,1]の構成例を示している。図2(B)に示す場合において、画像データa[1,1]の周囲に、画像データa[1,1]と隣接する画素データである画素データDb11、画素データDb12、画素データDc11、画素データDc21、および画素データDd11を補填している。また、画像データa[1,1]の上隣および左隣には画像データaが存在しないため、“0”のデータを補填している。
【0067】
なお、図2(B)に示す場合において、画像データa[1,1]の下隣に1行分の画素データを補填し、右隣に1列分の画素データを補填しているが、2行分以上および2列分以上の画素データを補填してもよい。例えば、2行分および2列分の画素データを補填する場合、画素データDb11、画素データDb12、画素データDc11、画素データDc21、および画素データDd11の他、画素データDb21、画素データDb22、画素データDc12、画素データDc22、画素データDd21、画素データDd12、および画素データDd22を画像データa[1,1]に補填する。
【0068】
また、図2(B)に示す場合において、画像データa[1,1]の左隣に1列分のデータ“0”を、上隣に1行分のデータ“0”を補填しているが、例えば画像データa[1,1]の左隣に2行分以上のデータ“0”を補填し、画像データa[1,1]の上隣に2列分以上のデータ“0”を補填してもよい。また、データ“0”の代わりに、“0”以外の特定のデータを補填してもよいし、画像データa[1,1]が有する画素データ(画素データDa11、画素データDa21、画素データDa12、画素データDa22)のうちいずれかを補填してもよい。なお、画像データimg1の左隣および上隣にデータ“0”を補填しなくてもよい。
【0069】
図2(C)は、図2(B)に示す画像データimg1[1,1]を基に生成された、画像データimg2[1,1]の構成例を示している。図2(C)に示す場合において、画像データimg2[1,1]は、4×4の画素データを有する。具体的には、画素データUP_Da11、画素データUP_Da21、画素データUP_Da31、画素データUP_Da41、画素データUP_Da12、画素データUP_Da22、画素データUP_Da32、画素データUP_Da42、画素データUP_Da13、画素データUP_Da23、画素データUP_Da33、画素データUP_Da43、画素データUP_Da14、画素データUP_Da24、画素データUP_Da34、および画素データUP_Da44を有する。
【0070】
ここで、図2(B)、(C)においてハッチングで示すように、画素データUP_Da11、画素データUP_Da21、画素データUP_Da12、および画素データUP_Da22は、画素データDa11を基に生成された画素データということができる。また、画素データUP_Da31、画素データUP_Da41、画素データUP_Da32、および画素データUP_Da42は、画素データDa21を基に生成された画素データということができる。また、画素データUP_Da13、画素データUP_Da23、画素データUP_Da14、および画素データUP_Da24は、画素データDa12を基に生成された画素データということができる。また、画素データUP_Da33、画素データUP_Da43、画素データUP_Da34、および画素データUP_Da44は、画素データDa22を基に生成された画素データということができる。
【0071】
以上により、2×2の画素データを有する画像データa[1,1]が、4×4の画素データを有する画像データimg2[1,1]にアップコンバートされる。つまり、図2(A)に示す構成の画像データa[1,1]を、4倍の解像度となるようにアップコンバートすることにより、図2(C)に示す構成の画像データimg2[1,1]が生成される。
【0072】
図2(B)および図2(C)に示す動作を、すべての画像データaに対して行うことにより、画像データimg1が、解像度4倍の画像データimg2にアップコンバートされる。
【0073】
<畳み込みニューラルネットワーク>
次に、本発明の一態様の画像処理方法で用いる、CNNについて説明する。図3は、CNNの構成例を示す図である。CNNは、分割後の画像データimg1が入力され、特徴抽出を行うことにより、当該画像データimg1をアップコンバートした画像データimg2が出力される。図3は、画像データimg1[1,1]が入力され、画像データimg2[1,1]が出力される場合を示している。
【0074】
畳み込み層CLは、画像データに対して畳み込みを行う機能を有する。畳み込みは、画像データの一部と重みフィルタのフィルタ値との積和演算を繰り返すことにより行われる。畳み込み層CLにおける畳み込みにより、画像の特徴が抽出される。
【0075】
畳み込みには、重みフィルタを用いることができる。畳み込み層CLに入力された画像データには、フィルタfilを用いたフィルタ処理が施され、データDが生成される。
【0076】
畳み込みが施されたデータDは、活性化関数によって変換された後、プーリング層PLに出力される。活性化関数としては、ReLU(Rectified Linear Units)等を用いることができる。ReLUは、入力値が負である場合は“0”を出力し、入力値が“0”以上である場合は入力値をそのまま出力する関数である。また、活性化関数として、シグモイド関数、tanh関数等を用いることもできる。
【0077】
プーリング層PLは、畳み込み層CLから入力された画像データに対してプーリングを行う機能を有する。プーリングは、画像データを複数の領域に分割し、当該領域ごとに所定のデータを抽出してマトリクス状に配置する処理である。プーリングにより、畳み込み層CLによって抽出された特徴を残しつつ、画像データが縮小される。なお、プーリングとしては、最大プーリング、平均プーリング、Lpプーリング等を用いることができる。
【0078】
CNNは、上記の畳み込み処理およびプーリング処理により特徴抽出を行う。なお、CNNは、複数の畳み込み層CLおよびプーリング層PLによって構成することができる。図3には、畳み込み層CLおよびプーリング層PLによって構成される層Lがz層(ここでのzは1以上の整数である。)設けられ(L乃至L)、畳み込み処理およびプーリング処理がz回行われる構成を示している。この場合、各層Lにおいて特徴抽出が行うことができ、より高度な特徴抽出が可能となる。
【0079】
全結合層FCLは、畳み込みおよびプーリングが行われた画像データを用いて、画像の判定を行う機能を有する。全結合層FCLは、ある層の全てのノードが、次の層の全てのノードと接続された構成を有する。畳み込み層CLまたはプーリング層PLから出力された画像データは2次元の特徴マップであり、全結合層FCLに入力されると1次元に展開される。そして、全結合層FCLによる推論によって得られた画像データが出力される。
【0080】
なお、CNNの構成は図3の構成に限定されない。例えば、プーリング層PLが複数の畳み込み層CLごとに設けられていてもよい。また、抽出された特徴の位置情報を極力残したい場合は、プーリング層PLが省略されていてもよい。
【0081】
また、全結合層FCLの出力データから画像の分類を行う場合は、全結合層FCLと電気的に接続された出力層が設けられていてもよい。出力層は、尤度関数としでソフトマックス関数等を用い、分類クラスを出力することができる。
【0082】
また、CNNは、画像データを学習データおよび教師データとして用いた教師あり学習を行うことができる。教師あり学習には、例えば誤差逆伝播法を用いることができる。CNNの学習により、重みフィルタのフィルタ値、全結合層の重み係数等を最適化することができる。
【0083】
本実施の形態は、本明細書等で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0084】
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1に示す画像処理方法を備えた受像装置について説明を行う。なお、本実施の形態では受像装置の例としてテレビジョン装置について説明を行う。
【0085】
<受像装置の構成例>
図4(A)は、受像装置10の外観図である。受像装置10はアンテナ12が受信した放送信号から画像データを生成し、画像を表示する機能を有する。図4(A)に示す受像装置10は、例として、サッカーの試合中継を表示している。
【0086】
また、受像装置10はコンピュータネットワーク11を経由して、サーバー13と通信することができる。
【0087】
アンテナ12が受信できる放送電波としては、地上波、または衛星から送信される電波などが挙げられる。またアンテナ12により受信できる放送電波として、アナログ放送、デジタル放送などがあり、また映像および音声、または音声のみの放送などがある。例えばUHF帯またはVHF帯のうちの特定の周波数帯域で送信される放送電波を受信することができる。また例えば、複数の周波数帯域で受信した複数のデータを用いることで、転送レートを高くすることができ、より多くの情報を得ることができる。これによりフルハイビジョン(画素数1920×1080)を超える解像度を有する映像を、表示パネル30に表示させることができる。例えば、4K2K(画素数3840×2160)、8K4K(画素数7680×4320)、16K8K、またはそれ以上の解像度を有する画像を表示させることができる。
【0088】
コンピュータネットワーク11として、World Wide Web(WWW)の基盤であるインターネット、イントラネット、エクストラネット、PAN(Personal Area Network)、LAN(Local Area Network)、CAN(Campus Area Network)、MAN(Metropolitan Area Network)、WAN(Wide Area Network)、GAN(Global Area Network)等が挙げられる。
【0089】
図4(B)は、受像装置10の構成例を示すブロック図である。受像装置10は、制御部20、記憶部22、通信制御部23、画像処理回路24、デコーダ回路25、映像信号受信部26、タイミングコントローラ27、SD(ソースドライバ)28、GD(ゲートドライバ)29、表示パネル30等を有する。SD28およびGD29を表示パネル30の駆動回路と呼ぶ。
【0090】
表示パネル30の駆動回路が有するトランジスタは、表示パネル30の画素を構成するトランジスタと同時に形成することができる。
【0091】
また、駆動回路部の一部または全部を他の基板上に形成して、表示パネル30と電気的に接続してもよい。例えば、駆動回路部の一部または全部を、単結晶基板を用いたICチップで形成し、表示パネル30と電気的に接続してもよい。例えば、COG(Chip on glass)法またはCOF(Chip on Film)法を用いて、上記ICチップを表示パネル30に設けることができる。
【0092】
制御部20は、例えばCPUとして機能することができる。例えば制御部20は、システムバス21を介して記憶部22、通信制御部23、画像処理回路24、デコーダ回路25、および映像信号受信部26等のコンポーネントを制御する機能を有する。
【0093】
制御部20と各コンポーネントとは、システムバス21を介して信号の伝達が行われる。また制御部20は、システムバス21を介して接続された各コンポーネントから入力される信号を処理する機能、各コンポーネントへ出力する信号を生成する機能等を有し、これによりシステムバス21に接続された各コンポーネントを統括的に制御することができる。
【0094】
記憶部22は、制御部20および画像処理回路24がアクセス可能なレジスタ、キャッシュメモリ、メインメモリ、二次メモリなどとして機能する。
【0095】
二次メモリとして用いることのできる記憶装置としては、例えば書き換え可能な不揮発性の記憶素子が適用された記憶装置を用いることができる。例えば、フラッシュメモリや、ReRAM(Resistive Random Access Memory)、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)、PRAM(Phase change RAM)、FeRAM(Ferroelectric RAM)、NOSRAMなどを用いることができる。
【0096】
なお、NOSRAM(登録商標)とは「Nonvolatile Oxide Semiconductor RAM」の略称であり、ゲインセル型(2T型、3T型)のメモリセルを有するRAMを指す。NOSRAMは、OSトランジスタのオフ電流が低いことを利用したOSメモリの一種である。NOSRAMは、フラッシュメモリのように書き換え可能回数に制限が無く、データを書き込む際の消費電力が小さい。そのため、信頼性が高く消費電力の小さい不揮発性メモリを提供することができる。
【0097】
また、レジスタ、キャッシュメモリ、メインメモリなどの一時メモリとして用いることのできる記憶装置としては、DRAM(Dynamic RAM)や、SRAM(Static Random Access Memory)、DOSRAMなどの揮発性の記憶素子を用いてもよい。
【0098】
DOSRAM(登録商標)とは、「Dynamic Oxide Semiconductor RAM」の略称であり、1T(トランジスタ)1C(容量)型のメモリセルを有するRAMを指す。DOSRAMはOSトランジスタのオフ電流が低いことを利用したOSメモリの一種である。DOSRAMは、DRAMと比べて、データのリフレッシュ回数が少ない。また、周辺回路の上にメモリセルを作製することができるため、占有面積を小さくすることができる。そのため、消費電力が小さく集積度の高い揮発性メモリを提供することができる。
【0099】
メインメモリに設けられるRAMとしては、例えばDRAMが用いられ、制御部20の作業空間として仮想的にメモリ空間が割り当てられ利用される。記憶部22に格納されたオペレーティングシステム、アプリケーションプログラム、プログラムモジュール、プログラムデータ等は、実行のためにRAMにロードされる。RAMにロードされたこれらのデータやプログラム、プログラムモジュールは、制御部20に直接アクセスされ、操作される。
【0100】
一方、ROMには書き換えを必要としないBIOS(Basic Input/Output System)やファームウェア等を格納することができる。ROMとしては、マスクROMや、OTPROM(One Time Programmable Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)等を用いることができる。EPROMとしては、紫外線照射により記憶データの消去を可能とするUV-EPROM(Ultra-Violet Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリなどが挙げられる。
【0101】
また、記憶部22の他に、取り外し可能な記憶装置を接続可能な構成としてもよい。例えばストレージデバイスとして機能するハードディスクドライブ(Hard Disk Drive:HDD)やソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)などの記録メディアドライブ、フラッシュメモリ、ブルーレイディスク、DVDなどの記録媒体と接続する端子を有することが好ましい。これにより、映像を記録することができる。
【0102】
通信制御部23は、コンピュータネットワーク11を介して行われる通信を制御する機能を有する。例えば、制御部20からの命令に応じてコンピュータネットワーク11に接続するための制御信号を制御し、当該信号をコンピュータネットワーク11に発信する。これによって、コンピュータネットワーク11と接続し、サーバー13と通信を行うことができる。
【0103】
また、通信制御部23は、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)等の通信規格を用いてコンピュータネットワーク11または他の電子機器と通信する機能を有していてもよい。
【0104】
映像信号受信部26は、例えば、復調回路、およびA-D変換回路(アナログ-デジタル変換回路)等を有する。復調回路は、アンテナ12から入力した信号を復調する機能を有する。またA-D変換回路は、復調されたアナログ信号をデジタル信号に変換する機能を有する。映像信号受信部26で処理された信号は、デコーダ回路25に送られる。
【0105】
デコーダ回路25は、映像信号受信部26から入力されるデジタル信号に含まれる映像データを、送信される放送規格の仕様に従ってデコードし、画像処理回路に送信する信号を生成する機能を有する。例えば8K放送における放送規格としては、H.265 | MPEG-H High Efficiency Video Coding(略称:HEVC)などがある。
【0106】
また、映像信号受信部26およびデコーダ回路25は、コンピュータネットワーク11を介したデータ伝送技術により送信された放送のデータを用いて、画像処理回路24に送信する信号を生成する構成としてもよい。このとき、受信する信号がデジタル信号の場合には、映像信号受信部26は復調回路およびA-D変換回路等を有していなくてもよい。
【0107】
画像処理回路24は、デコーダ回路25から入力される映像信号に基づいて、タイミングコントローラ27に出力する映像信号を生成する機能を有する。
【0108】
またタイミングコントローラ27は、画像処理回路24が処理を施した映像信号等に含まれる同期信号を基に、GD29およびSD28に出力する信号(クロック信号、スタートパルス信号などの信号)を生成する機能を有する。また、タイミングコントローラ27は、上記信号に加え、SD28に映像信号を出力する機能を有する。
【0109】
表示パネル30は、複数の画素を有する。各画素は、GD29およびSD28から供給される信号により駆動される。表示パネル30の解像度は、フルハイビジョン、4K2K、8K4K等の規格に応じた解像度を用いればよい。
【0110】
図4(B)に示す制御部20や画像処理回路24としては、例えばプロセッサを有する構成とすることができる。例えば、制御部20は、CPUとして機能するプロセッサを用いることができる。また、画像処理回路24として、例えばDSP(Digital Signal Processor)、GPU等の他のプロセッサを用いることができる。また制御部20や画像処理回路24に、上記プロセッサをFPGA(Field Programmable Gate Array)やFPAA(Field Programmable Analog Array)といったPLD(Programmable Logic Device)によって実現した構成としてもよい。
【0111】
プロセッサは、種々のプログラムからの命令を解釈し実行することで、各種のデータ処理やプログラム制御を行う。プロセッサにより実行しうるプログラムは、プロセッサが有するメモリ領域に格納されていてもよいし、別途設けられる記憶装置に格納されていてもよい。
【0112】
また、制御部20、記憶部22、通信制御部23、画像処理回路24、デコーダ回路25、映像信号受信部26、およびタイミングコントローラ27のそれぞれが有する機能のうち、2つ以上の機能を1つのICチップに集約させ、システムLSIを構成してもよい。例えば、プロセッサ、デコーダ回路、チューナ回路、A-D変換回路、DRAM、およびSRAM等を有するシステムLSIとしてもよい。
【0113】
なお、制御部20や他のコンポーネントが有するIC等に、OSトランジスタを利用することもできる。OSトランジスタは、オフ電流が極めて低いため、OSトランジスタを記憶素子として機能する容量素子に流入した電荷(データ)を保持するためのスイッチとして用いることで、データの保持期間を長期にわたり確保することができる。この特性を制御部20等のレジスタやキャッシュメモリに用いることで、必要なときだけ制御部20を動作させ、他の場合には直前の処理の情報を当該記憶素子に待避させることにより、ノーマリーオフコンピューティングが可能となる。これにより、受像装置10の低消費電力化を図ることができる。
【0114】
受像装置10は、図4(B)に示す構成のほか、外部インターフェース、音声出力部、タッチパネルユニット、センサユニット、カメラユニットなどを有していてもよい。外部インターフェースとしては、例えばUSB(Universal Serial Bus)端子、LAN(Local Area Network)接続用端子、電源受給用端子、音声出力用端子、音声入力用端子、映像出力用端子、映像入力用端子などの外部接続端子、赤外線、可視光、紫外線などを用いた光通信用の送受信機、筐体に設けられた物理ボタンなどがある。また、例えば音声入出力部としては、サウンドコントローラ、マイクロフォン、スピーカなどがある。
【0115】
以下では、画像処理回路24についてより詳細な説明を行う。
【0116】
画像処理回路24は、デコーダ回路25から入力される映像信号に基づいて、画像処理を実行する機能を有することが好ましい。
【0117】
画像処理としては、例えばノイズ除去処理、階調変換処理、色調補正処理、輝度補正処理などが挙げられる。色調補正処理や輝度補正処理としては、例えばガンマ補正などがある。
【0118】
例えば、ノイズ除去処理としては、文字などの輪郭の周辺に生じるモスキートノイズ、高速の動画で生じるブロックノイズ、ちらつきを生じるランダムノイズ、解像度のアップコンバートにより生じるドットノイズなどのさまざまなノイズを除去する。
【0119】
階調変換処理は、画像の階調を表示パネル30の出力特性に対応した階調へ変換する処理である。例えば階調数を大きくする場合、小さい階調数で入力された画像に対して、各画素に対応する階調値を補間して割り当てることで、ヒストグラムを平滑化する処理を行うことができる。また、ダイナミックレンジを広げる、ハイダイナミックレンジ(HDR)処理も、階調変換処理に含まれる。
【0120】
また、色調補正処理は、画像の色調を補正する処理である。また輝度補正処理は、画像の明るさ(輝度コントラスト)を補正する処理である。例えば、受像装置10が設けられる空間に配置された照明の種類や輝度、または色純度などを検知し、それに応じて表示パネル30に表示する画像の輝度や色調が最適となるように補正する。または、表示する画像と、あらかじめ保存してある画像リスト内の様々な場面の画像と、を照合し、最も近い場面の画像に適した輝度や色調に表示する画像を補正する機能を有していてもよい。
【0121】
また、画像処理回路24は、解像度のアップコンバートに伴う画素間補間処理や、フレーム周波数のアップコンバートに伴うフレーム間補間などの処理を実行する機能を有していることが好ましい。
【0122】
画素間補間処理では、解像度をアップコンバートした際に、本来存在しないデータを補間する。
【0123】
フレーム間補間は、表示する映像のフレーム周波数を増大させる場合に、本来存在しないフレーム(補間フレーム)の画像を生成する。
【0124】
画像処理回路24はニューラルネットワークの計算を行う回路(以下、NN回路)を有することが好ましい。NN回路は、実施の形態1に示す画像処理方法を用いて、上記画素間補間処理を行うことが好ましい。そうすることで、受像装置10は低解像度の映像信号を受信し、高解像度の画像を表示することができる。
【0125】
また、ニューラルネットワークに用いる重み係数のデータは、データテーブルとして記憶部22に格納される。当該重み係数を含むデータテーブルは、例えばコンピュータネットワーク11を介して、サーバー13から最新のものをダウンロードすることができる。または、画像処理回路24が学習機能を有し、重み係数を含むデータテーブルを更新可能な構成としてもよい。
【0126】
<表示パネルの構成例1>
図5は、表示パネル30とその周辺回路の構成例を説明するためのブロック図である。図5は、表示パネル30と、GD29と、SD28_1乃至28_n(nは2以上の整数)と、画像処理回路24を示している。また、表示パネル30はマトリクス状に配置された複数の画素31を有し、画像処理回路24は、NN回路32_1乃至32_nを有する。図5において、GD29は、表示パネル30の左右にそれぞれ設けられている。
【0127】
表示パネル30は、各々が略平行に配設され、且つ、GD29にて電位が制御される複数の走査線GLと、各々が略平行に配設され、且つ、SD28_1乃至28_nによって電位が制御される複数の信号線SLと、を有する。
【0128】
各走査線GLは、画素31のうち、いずれかの行に配設された複数の画素31と電気的に接続される。また、各信号線SLは、画素31のうち、いずれかの列に配設された複数の画素31に電気的に接続される。
【0129】
NN回路32_1乃至32_nは、それぞれ、実施の形態1に示す画像処理方法で、画像データのアップコンバートを行うことができる。
【0130】
例えば、図1に示すように画像データimg1を2×2の画像データに分割し、分割されたそれぞれの画像データに対してアップコンバートを行う場合、図5においてn=2とし、img1[1、1]はNN回路32_1でアップコンバートを行い、img1[2、1]はNN回路32_2でアップコンバートを行うことが好ましい。同様に、img1[1、2]はNN回路32_1でアップコンバートを行い、img1[2、2]はNN回路32_2でアップコンバートを行うことが好ましい。アップコンバートされたそれぞれの画像は、最終的に結合された状態で表示パネル30に表示される。
【0131】
例えば、画像データimg1を10×10の画像データに分割し、分割されたそれぞれの画像データに対してアップコンバートを行う場合、図5においてn=10とし、img1[1、1]、[2、1]、[3、1]、[4、1]、[5、1]、[6、1]、[7、1]、[8、1]、[9、1]、[10、1]は、それぞれ、NN回路32_1、32_2、32_3、32_4、32_5、32_6、32_7、32_8、32_9、32_10でアップコンバートを行うことが好ましい。
【0132】
このように、img1の分割数に応じてNN回路を設けることで、受像装置10は、並列的に画像データをアップコンバードすることができる。すなわち、受像装置10は、アンテナ12から受信した映像信号を、少ないタイムラグで表示パネル30に表示できる。
【0133】
<表示パネルの構成例2>
図6は、図5の表示パネル30を、表示パネル30_A、30_B、30_C、30_Dの4つに分割した例である。なお、表示パネル30_A乃至30_Dをまとめて表示パネル30と呼称する。表示パネル30に表示される画像データは4つに分割され、それぞれ表示パネル30_A乃至30_Dで表示される。
【0134】
表示パネル30_Aに対して、NN回路32_A1乃至32_Am(mは2以上の整数)が、実施の形態1に示す方法で画像データのアップコンバートを行い、SD28_A1乃至28_Amが、信号線SL_Aを介して、表示パネル30_Aに画像データを供給する。
【0135】
表示パネル30_Bに対して、NN回路32_B1乃至32_Bmが、実施の形態1に示す方法で画像データのアップコンバートを行い、SD28_B1乃至28_Bmが、信号線SL_Bを介して、表示パネル30_Bに画像データを供給する。
【0136】
表示パネル30_Cに対して、NN回路32_C1乃至32_Cmが、実施の形態1に示す方法で画像データのアップコンバートを行い、SD28_C1乃至28_Cmが、信号線SL_Cを介して、表示パネル30_Cに画像データを供給する。
【0137】
表示パネル30_Dに対して、NN回路32_D1乃至32_Dmが、実施の形態1に示す方法で画像データのアップコンバートを行い、SD28_D1乃至28_Dmが、信号線SL_Dを介して、表示パネル30_Dに画像データを供給する。
【0138】
図5と同様に、表示パネル30_Aに表示される画像データは、分割され、アップコンバードされる。上記分割の数に応じて、NN回路32_A1乃至32_Amを設けることが好ましい。例えば、表示パネル30_Aに表示される画像データを10×10に分割して、アップコンバードする場合、NN回路32_A1乃至32_A10(m=10)を設けることが好ましい。表示パネル30_B、30_C、30_Dに対しても同様である。
【0139】
図6に示す構成は、1本の信号線に接続される画素31の数を少なくすることができる。すなわち、1本の信号線に接続される容量を小さくすることができる。その結果、表示パネルは信号線に画像データを書き込む時間を短縮することができる。図6に示す構成は、特に8Kなど、高精細な表示パネルに適用することが好ましい。例えば、4Kの画素数をもつ表示パネルを、表示パネル30_A乃至30_Dにそれぞれ適用することで、受像装置10は、8Kの画素数をもつ表示パネルを備えることができる。
【0140】
<表示パネルの構成例3>
図7は、図5の表示パネル30を、表示パネル41_1乃至41_n、表示パネル42_1乃至42_n、表示パネル43_1乃至43_n、および表示パネル44_1乃至44_nに分割した例である。これら分割された表示パネルをまとめて表示パネル30と呼称する。表示パネル30に表示される画像データは4×nに分割され、それぞれの表示パネルで表示される。なお、表示パネル30の分割数はこれに限定されず、自由に設定することができる。
【0141】
表示パネル41_1、42_1に対して、NN回路32_U1が、実施の形態1に示す方法で画像データのアップコンバートを行い、SD28_U1が、信号線SL_U1を介して、表示パネル41_1、42_1に画像データを供給する。
【0142】
表示パネル41_n、42_nに対して、NN回路32_Unが、実施の形態1に示す方法で画像データのアップコンバートを行い、SD28_Unが、信号線SL_Unを介して、表示パネル41_n、42_nに画像データを供給する。
【0143】
表示パネル43_1、44_1に対して、NN回路32_B1が、実施の形態1に示す方法で画像データのアップコンバートを行い、SD28_B1が、信号線SL_B1を介して、表示パネル43_1、44_1に画像データを供給する。
【0144】
表示パネル43_n、44_nに対して、NN回路32_Bnが、実施の形態1に示す方法で画像データのアップコンバートを行い、SD28_Bnが、信号線SL_Bnを介して、表示パネル43_n、44_nに画像データを供給する。
【0145】
図7は、1つの表示パネルに、1つのNN回路と1つのソースドライバが接続されている点で、図6の構成と異なる。
【0146】
<表示パネルの構成例4>
図8は、図5の信号線SLを、信号線SL1、SL2の2本に分割した例を示している。同じ列に配置された複数の画素31は、信号線SL1または信号線SL2と、交互に、電気的に接続される。
【0147】
図8に示す構成は、1本の信号線に接続される画素31の数を少なくすることができる。その結果、表示パネル30は、信号線に画像データを書き込む時間を短縮することができ、高速に画像データを切り替えることができる。
【0148】
また、図6図7に示す構成は、表示パネルと表示パネルの間に繋ぎ目が生じ、その影響が表示画像に表れてしまうが、図8に示す構成は繋ぎ目が存在しないため、上述の問題を回避することができる。その結果、表示パネル30は、繋ぎ目のない滑らかな画像を表示することができる。
【0149】
<画素回路の構成例>
次に、上述の画素31に用いることができる回路構成について、図9を用いて説明を行う。
【0150】
図9(A)に示す画素31は、トランジスタ3431と、容量素子3233と、液晶素子3432と、を有する。
【0151】
トランジスタ3431のソースまたはドレインの一方は、信号線SLに電気的に接続され、他方はノード3436に電気的に接続される。トランジスタ3431のゲートは走査線GLに電気的に接続される。トランジスタ3431は、ノード3436へのデータ信号の書き込みを制御する機能を有する。
【0152】
容量素子3233の一対の電極の一方は、特定の電位が供給される配線(以下、「容量線CL」ともいう。)に電気的に接続され、他方は、ノード3436に電気的に接続される。容量線CLの電位は、画素31の仕様に応じて適宜設定される。容量素子3233は、ノード3436に書き込まれたデータを保持する機能を有する。
【0153】
液晶素子3432の一対の電極の一方は共通の電位(コモン電位)が与えられ、他方はノード3436に電気的に接続される。液晶素子3432に含まれる液晶は、ノード3436に書き込まれる電位により配向状態が決定される。
【0154】
液晶素子3432のモードとしては、例えば、TNモード、STNモード、VAモード、ASM(Axially Symmetric Aligned Micro-cell)モード、OCB(Optically Compensated Birefringence)モード、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モード、AFLC(AntiFerroelectric Liquid Crystal)モード、MVAモード、PVA(Patterned Vertical Alignment)モード、IPSモード、FFSモード、またはTBA(Transverse Bend Alignment)モードなどを用いてもよい。また、他の例として、ECB(Electrically Controlled Birefringence)モード、PDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal)モード、PNLC(Polymer Network Liquid Crystal)モード、ゲストホストモードなどがある。ただし、これに限定されず、様々なモードを用いることができる。
【0155】
図9(B)に示す画素31は、トランジスタ3431と、容量素子3233と、トランジスタ3232と、発光素子3125と、を有する。
【0156】
トランジスタ3431のソースまたはドレインの一方はデータ信号が与えられる信号線SLに電気的に接続され、他方はノード3435に電気的に接続される。トランジスタ3431のゲートはゲート信号が与えられる走査線GLに電気的に接続される。トランジスタ3431はデータ信号のノード3435への書き込みを制御する機能を有する。
【0157】
容量素子3233の一対の電極の一方はノード3435に電気的に接続され、他方はノード3437に電気的に接続される。容量素子3233はノード3435に書き込まれたデータを保持する保持容量としての機能を有する。
【0158】
トランジスタ3232のソースまたはドレインの一方は電位供給線VL_aに電気的に接続され、他方はノード3437に電気的に接続される。トランジスタ3232のゲートはノード3435に電気的に接続される。トランジスタ3232は、発光素子3125に流れる電流を制御する機能を有する。
【0159】
発光素子3125のアノードまたはカソードの一方は電位供給線VL_bに電気的に接続され、他方はノード3437に電気的に接続される。
【0160】
発光素子3125としては、例えば有機エレクトロルミネセンス素子(有機EL素子ともいう)などを用いることができる。ただし、これに限定されず、例えば無機材料からなる無機EL素子を用いても良い。
【0161】
例えば、電位供給線VL_aはVDDを供給する機能を有する。また、電位供給線VL_bはVSSを供給する機能を有する。
【0162】
<断面図>
次に、表示パネル30の断面の構成例について、図10および図11を用いて説明を行う。
【0163】
図10(A)、(B)に示す表示パネル30は電極4015を有しており、電極4015はFPC4018が有する端子と異方性導電層4019を介して、電気的に接続されている。また、電極4015は、絶縁層4112、絶縁層4111、および絶縁層4110に形成された開口において配線4014と電気的に接続されている。電極4015は、第1の電極層4030と同じ導電層から形成されている。
【0164】
また第1の基板4001上に設けられた画素31は、トランジスタを有しており、図10(A)では、画素31に含まれるトランジスタ3431を例示し、図10(B)では、画素31に含まれるトランジスタ3232を例示している。
【0165】
また、トランジスタ3431、3232は、絶縁層4102上に設けられている。また、トランジスタ3431、3232は、絶縁層4102上に形成された電極517を有し、電極517上に絶縁層4103が形成されている。絶縁層4103上に半導体層512が形成されている。半導体層512上に電極510および電極511が形成され、電極510および電極511上に絶縁層4110および絶縁層4111が形成され、絶縁層4110および絶縁層4111上に電極516が形成されている。電極510および電極511は、配線4014と同じ導電層で形成されている。
【0166】
トランジスタ3431、3232において、電極517はゲートとしての機能を有し、電極510はソースまたはドレインの一方としての機能を有し、電極511はソースまたはドレインの他方としての機能を有し、電極516はバックゲートとしての機能を有する。
【0167】
トランジスタ3431、3232はボトムゲート構造であり、かつ、バックゲートを有することで、オン電流を増大させることができる。また、トランジスタの閾値を制御することができる。なお、電極516は、製造工程を簡略化するため、場合によっては省略してもよい。
【0168】
トランジスタ3431、3232において、半導体層512はチャネル形成領域としての機能を有する。半導体層512として、結晶シリコン、多結晶シリコン、非晶質シリコン、金属酸化物、有機半導体などを用いればよい。また、必要に応じて、半導体層512の導電率を高めるため、または、トランジスタの閾値を制御するために、半導体層512に不純物を導入してもよい。
【0169】
半導体層512として金属酸化物を用いた場合、半導体層512はインジウム(In)を含むことが好ましい。半導体層512がインジウムを含む金属酸化物の場合、半導体層512はキャリア移動度(電子移動度)が高くなる。また、半導体層512は、元素Mを含む酸化物半導体であると好ましい。元素Mは、好ましくは、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)またはスズ(Sn)などとする。そのほかの元素Mに適用可能な元素としては、ホウ素(B)、シリコン(Si)、チタン(Ti)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、ゲルマニウム(Ge)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、モリブデン(Mo)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、ネオジム(Nd)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)などがある。ただし、元素Mとして、前述の元素を複数組み合わせても構わない場合がある。元素Mは、例えば、酸素との結合エネルギーが高い元素である。例えば、酸素との結合エネルギーがインジウムよりも高い元素である。また、半導体層512は、亜鉛(Zn)を含む金属酸化物であると好ましい。亜鉛を含む金属酸化物は結晶化しやすくなる場合がある。
【0170】
半導体層512は、インジウムを含む金属酸化物に限定されない。半導体層512は、例えば、亜鉛スズ酸化物、ガリウムスズ酸化物などの、インジウムを含まず、亜鉛を含む金属酸化物、ガリウムを含む金属酸化物、スズを含む金属酸化物などであっても構わない。
【0171】
また、図10(A)、(B)に示す表示パネル30は、容量素子3233を有する。容量素子3233は、電極511と電極4021が絶縁層4103を介して重なる領域を有する。電極4021は、電極517と同じ導電層で形成されている。
【0172】
図10(A)は、表示素子として液晶素子を用いた液晶表示パネルの一例である。図10(A)において、表示素子である液晶素子3432は、第1の電極層4030、第2の電極層4031、および液晶層4008を含む。なお、液晶層4008を挟持するように配向膜として機能する絶縁層4032、絶縁層4033が設けられている。第2の電極層4031は第2の基板4006側に設けられ、第1の電極層4030と第2の電極層4031は液晶層4008を介して重畳する。
【0173】
またスペーサ4035は絶縁層を選択的にエッチングすることで得られる柱状のスペーサであり、第1の電極層4030と第2の電極層4031との間隔(セルギャップ)を制御するために設けられている。なお球状のスペーサを用いていても良い。
【0174】
表示素子として、液晶素子を用いる場合、サーモトロピック液晶、低分子液晶、高分子液晶、高分子分散型液晶、強誘電性液晶、反強誘電性液晶等を用いることができる。これらの液晶材料は、条件により、コレステリック相、スメクチック相、キュービック相、カイラルネマチック相、等方相等を示す。
【0175】
また、液晶材料の固有抵抗は、1×10Ω・cm以上であり、好ましくは1×1011Ω・cm以上であり、さらに好ましくは1×1012Ω・cm以上である。なお、本明細書における固有抵抗の値は、20℃で測定した値とする。
【0176】
トランジスタ3431にOSトランジスタを用いた場合、トランジスタ3431は、オフ状態における電流値(オフ電流値)を低くすることができる。よって、映像信号等の電気信号の保持時間を長くすることができ、電源オン状態では書き込み間隔も長く設定できる。よって、リフレッシュ動作の頻度を少なくすることができるため、消費電力を抑制する効果を奏する。
【0177】
また、表示パネルにおいて、ブラックマトリクス(遮光層)、偏光部材、位相差部材、反射防止部材などの光学部材(光学基板)などを適宜設けてもよい。例えば、偏光基板および位相差基板による円偏光を用いてもよい。また、光源としてバックライト、サイドライトなどを用いてもよい。
【0178】
図10(B)は、表示素子としてEL素子などの発光素子を用いた表示パネルの一例である。EL素子は有機EL素子と無機EL素子に区別される。
【0179】
有機EL素子は、電圧を印加することにより、一方の電極から電子、他方の電極から正孔がそれぞれEL層に注入される。そして、それらキャリア(電子および正孔)が再結合することにより、発光性の有機化合物が励起状態を形成し、その励起状態が基底状態に戻る際に発光する。このようなメカニズムから、有機EL素子は、電流励起型の発光素子と呼ばれる。なお、EL層は、発光性の化合物以外に、正孔注入性の高い物質、正孔輸送性の高い物質、正孔ブロック材料、電子輸送性の高い物質、電子注入性の高い物質、またはバイポーラ性の物質(電子輸送性および正孔輸送性が高い物質)などを有していてもよい。EL層は、蒸着法(真空蒸着法を含む)、転写法、印刷法、インクジェット法、塗布法などの方法で形成することができる。
【0180】
無機EL素子は、その素子構成により、分散型無機EL素子と薄膜型無機EL素子とに分類される。分散型無機EL素子は、発光材料の粒子をバインダ中に分散させた発光層を有するものであり、発光メカニズムはドナー準位とアクセプター準位を利用するドナー-アクセプター再結合型発光である。薄膜型無機EL素子は、発光層を誘電体層で挟み込み、さらにそれを電極で挟んだ構造であり、発光メカニズムは金属イオンの内殻電子遷移を利用する局在型発光である。
【0181】
図10(B)は、発光素子3125として有機EL素子を用いた例を説明する。
【0182】
図10(B)において、発光素子3125は、画素31に設けられたトランジスタ3232と電気的に接続されている。なお発光素子3125の構成は、第1の電極層4030、発光層4511、第2の電極層4031の積層構造であるが、この構成に限定されない。発光素子3125から取り出す光の方向などに合わせて、発光素子3125の構成は適宜変えることができる。
【0183】
隔壁4510は、有機絶縁材料、または無機絶縁材料を用いて形成する。特に感光性の樹脂材料を用い、第1の電極層4030上に開口部を形成し、その開口部の側面が連続した曲率を持って形成される傾斜面となるように形成することが好ましい。
【0184】
発光層4511は、単数の層で構成されていても、複数の層が積層されるように構成されていてもどちらでも良い。
【0185】
発光素子3125に酸素、水素、水分、二酸化炭素等が侵入しないように、第2の電極層4031および隔壁4510上に保護層を形成してもよい。保護層としては、窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、DLC(Diamond Like Carbon)などを形成することができる。また、第1の基板4001、第2の基板4006、およびシール材4005によって封止された空間には充填材4514が設けられ密封されている。このように、外気に曝されないように気密性が高く、脱ガスの少ない保護フィルム(貼り合わせフィルム、紫外線硬化樹脂フィルム等)やカバー材でパッケージング(封入)することが好ましい。
【0186】
充填材4514としては窒素やアルゴンなどの不活性な気体の他に、紫外線硬化樹脂または熱硬化樹脂を用いることができ、PVC(ポリビニルクロライド)、アクリル樹脂、ポリイミド、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)またはEVA(エチレンビニルアセテート)などを用いることができる。また、充填材4514に乾燥剤が含まれていてもよい。
【0187】
シール材4005には、ガラスフリットなどのガラス材料や、二液混合型の樹脂などの常温で硬化する硬化樹脂、光硬化性の樹脂、熱硬化性の樹脂などの樹脂材料を用いることができる。また、シール材4005に乾燥剤が含まれていてもよい。
【0188】
また、必要であれば、発光素子の射出面に偏光板、または円偏光板(楕円偏光板を含む)、位相差板(λ/4板、λ/2板)、カラーフィルタなどの光学フィルムを適宜設けてもよい。また、偏光板または円偏光板に反射防止膜を設けてもよい。例えば、表面の凹凸により反射光を拡散し、映り込みを低減できるアンチグレア処理を施すことができる。
【0189】
また、発光素子をマイクロキャビティ構造とすることで、色純度の高い光を取り出すことができる。また、マイクロキャビティ構造とカラーフィルタを組み合わせることで、映り込みが低減し、表示画像の視認性を高めることができる。
【0190】
第1の電極層4030、第2の電極層4031は、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、インジウム錫酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの透光性を有する導電性材料を用いることができる。
【0191】
また、第1の電極層4030、第2の電極層4031はタングステン(W)、モリブデン(Mo)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)などの金属、またはその合金、もしくはその金属窒化物から一種以上を用いて形成することができる。
【0192】
また、第1の電極層4030、第2の電極層4031として、導電性高分子(導電性ポリマーともいう)を含む導電性組成物を用いて形成することができる。導電性高分子としては、いわゆるπ電子共役系導電性高分子を用いることができる。例えば、ポリアニリンまたはその誘導体、ポリピロールまたはその誘導体、ポリチオフェンまたはその誘導体、もしくは、アニリン、ピロールおよびチオフェンの2種以上からなる共重合体またはその誘導体等が挙げられる。
【0193】
発光素子3125が光を外部に取り出すため、少なくとも第1の電極層4030または第2の電極層4031の一方が透明であればよい。表示パネルは、光の取り出し方によって、上面射出(トップエミッション)構造と、下面射出(ボトムエミッション)構造と、両面射出(デュアルエミッション)構造に分類される。上面射出構造は、基板4006から光を取り出す場合をいう。下面射出構造は、基板4001から光を取り出す場合をいう。両面射出構造は、基板4006と基板4001の両方から光を取り出す場合をいう。例えば、上面射出構造の場合、第2の電極層4031を透明にすればよい。例えば、下面射出構造の場合、第1の電極層4030を透明にすればよい。例えば、両面射出構造の場合、第1の電極層4030および第2の電極層4031を透明にすればよい。
【0194】
(基板4001)
作製工程中の熱処理に耐えうる程度の耐熱性を有する材料を基板4001等に用いることができる。例えば、厚さ0.7mm以下厚さ0.1mm以上の材料を基板4001に用いることができる。具体的には、厚さ0.1mm程度まで研磨した材料を用いることができる。
【0195】
例えば、第6世代(1500mm×1850mm)、第7世代(1870mm×2200mm)、第8世代(2200mm×2400mm)、第9世代(2400mm×2800mm)、第10世代(2950mm×3400mm)等の面積が大きなガラス基板を基板4001等に用いることができる。これにより、大型の表示装置を作製することができる。
【0196】
有機材料、無機材料または有機材料と無機材料等の複合材料等を基板4001等に用いることができる。例えば、ガラス、セラミックス、金属等の無機材料を基板4001等に用いることができる。
【0197】
具体的には、無アルカリガラス、ソーダ石灰ガラス、カリガラス、クリスタルガラス、アルミノ珪酸ガラス、強化ガラス、化学強化ガラス、石英またはサファイア等を、基板4001等に用いることができる。具体的には、無機酸化物膜、無機窒化物膜または無機酸窒化物膜等を、基板4001等に用いることができる。例えば、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜等を、基板4001等に用いることができる。ステンレス・スチールまたはアルミニウム等を、基板4001等に用いることができる。
【0198】
例えば、シリコンや炭化シリコンからなる単結晶半導体基板、多結晶半導体基板、シリコンゲルマニウム等の化合物半導体基板、SOI基板等を基板4001等に用いることができる。これにより、半導体素子を基板4001等に形成することができる。
【0199】
例えば、樹脂、樹脂フィルムまたはプラスチック等の有機材料を基板4001等に用いることができる。具体的には、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネートまたはアクリル樹脂等の樹脂フィルムまたは樹脂板を、基板4001等に用いることができる。
【0200】
例えば、金属板、薄板状のガラス板または無機材料等の膜を樹脂フィルム等に貼り合わせた複合材料を基板4001等に用いることができる。例えば、繊維状または粒子状の金属、ガラスもしくは無機材料等を樹脂フィルムに分散した複合材料を、基板4001等に用いることができる。例えば、繊維状または粒子状の樹脂もしくは有機材料等を無機材料に分散した複合材料を、基板4001等に用いることができる。
【0201】
また、単層の材料または複数の層が積層された材料を、基板4001等に用いることができる。例えば、基材と基材に含まれる不純物の拡散を防ぐ絶縁膜等が積層された材料を、基板4001等に用いることができる。具体的には、ガラスとガラスに含まれる不純物の拡散を防ぐ酸化シリコン層、窒化シリコン層または酸化窒化シリコン層等から選ばれた一または複数の膜が積層された材料を、基板4001等に用いることができる。または、樹脂と樹脂を透過する不純物の拡散を防ぐ酸化シリコン膜、窒化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜等が積層された材料を、基板4001等に用いることができる。
【0202】
具体的には、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート若しくはアクリル樹脂等の樹脂フィルム、樹脂板または積層材料等を基板4001等に用いることができる。
【0203】
具体的には、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド(ナイロン、アラミド等)、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリウレタン、アクリル樹脂、エポキシ樹脂もしくはシリコーン等のシロキサン結合を有する樹脂を含む材料を基板4001等に用いることができる。
【0204】
具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)またはアクリル等を基板4001等に用いることができる。または、シクロオレフィンポリマー(COP)、シクロオレフィンコポリマー(COC)等を用いることができる。
【0205】
また、紙または木材などを基板4001等に用いることができる。
【0206】
例えば、可撓性を有する基板を基板4001等に用いることができる。
【0207】
なお、トランジスタまたは容量素子等を基板に直接形成する方法を用いることができる。また、例えば作製工程中に加わる熱に耐熱性を有する工程用の基板にトランジスタまたは容量素子等を形成し、形成されたトランジスタまたは容量素子等を基板4001等に転置する方法を用いることができる。これにより、例えば可撓性を有する基板にトランジスタまたは容量素子等を形成できる。
【0208】
(基板4006)
例えば、基板4001に用いることができる材料を基板4006に用いることができる。例えば、基板4001に用いることができる材料から選択された透光性を備える材料を、基板4006に用いることができる。または、片側の表面に、例えば1μm以下の反射防止膜が形成された材料を基板4006に用いることができる。具体的には、誘電体を3層以上、好ましくは5層以上、より好ましくは15層以上積層した材料を基板4006に用いることができる。これにより、反射率を0.5%以下好ましくは0.08%以下に抑制することができる。または、基板4001に用いることができる材料から選択された複屈折が抑制された材料を、基板4006に用いることができる。
【0209】
例えば、アルミノ珪酸ガラス、強化ガラス、化学強化ガラスまたはサファイア等を、表示パネルの使用者に近い側に配置される基板4006に好適に用いることができる。これにより、使用に伴う表示パネルの破損や傷付きを防止することができる。
【0210】
例えば、シクロオレフィンポリマー(COP)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、トリアセチルセルロース(TAC)等の樹脂フィルムを、基板4006に好適に用いることができる。これにより、重量を低減することができる。または、例えば、落下に伴う破損等の発生頻度を低減することができる。
【0211】
また、例えば、厚さ0.7mm以下厚さ0.1mm以上の材料を基板4006に用いることができる。具体的には、厚さを薄くするために研磨した基板を用いることができる。
【0212】
図11(A)は、図10(A)に示すトランジスタ3431に、トップゲート型のトランジスタを設けた場合の断面図を示している。同様に、図11(B)は、図10(B)に示すトランジスタ3232に、トップゲート型のトランジスタを設けた場合の断面図を示している。
【0213】
図11(A)、(B)のトランジスタ3431、3232において、電極517はゲートとしての機能を有し、電極510はソースまたはドレインの一方としての機能を有し、電極511はソースまたはドレインの他方としての機能を有する。
【0214】
図11(A)、(B)のその他の構成要素の詳細については、図10(A)、(B)の記載を参照すればよい。
【0215】
以上、本実施の形態に示す受像装置を用いることで、効率的に低解像度の画像データをアップコンバートし、高解像度の画像を表示することができる。
【0216】
(実施の形態3)
本実施の形態では、上記実施の形態に示すNN(ニューラルネットワーク)回路に用いることが可能な半導体装置について説明を行う。
【0217】
《半導体装置》
図12は、各種ニューラルネットワークを実現することのできる半導体装置100の構成を示している。
【0218】
半導体装置100は、演算層141[1]乃至141[N]およびスイッチ層142[1]乃至142[N-1]から成る階層構造を有する。なお、Nは2以上の整数とする。
【0219】
演算層141[1]は積和演算素子130[1]乃至130[S]を有し、演算層141[N]は積和演算素子130[1]乃至130[S]を有する。スイッチ層142[1]はプログラマブルスイッチ140[1]乃至140[S]を有し、スイッチ層142[N-1]はプログラマブルスイッチ140[1]乃至140[S]を有する。なお、S乃至Sはそれぞれ1以上の整数とする。スイッチ層142は、異なる2つの演算層141どうしの接続を制御する機能を有する。
【0220】
プログラマブルスイッチ140は、第1の演算層141に含まれる複数の積和演算素子130と、第2の演算層141に含まれる積和演算素子130との接続を制御する機能を有する。例えば、図12において、プログラマブルスイッチ140[S]は、演算層141[1]が有する積和演算素子130[1]乃至130[S]のいずれかと、演算層141[2]が有する積和演算素子130[S]との接続を制御する機能を有する。
【0221】
図12に示す階層構造は、図3に示す階層構造と対応させることができる。なお、本明細書において、積和演算素子130をニューロンと呼ぶ場合がある。
【0222】
《積和演算素子》
図13は積和演算素子130の構成例を示すブロック図である。積和演算素子130は、入力信号IN[1]乃至IN[S]のそれぞれに対応した乗算素子131[1]乃至131[S]と、加算素子133と、活性化関数素子134と、CM(コンフィギュレーションメモリ)132[1]乃至132[S]と、CM135から構成される。なお、Sは1以上の整数とする。
【0223】
乗算素子131は、CM132に格納されているデータと入力信号INを掛け合わせる機能を有する。CM132には重み係数が格納されている。
【0224】
加算素子133は乗算素子131[1]乃至131[S]の出力(乗算結果)を全て足し合わせる機能を有する。
【0225】
活性化関数素子134は、加算素子133の出力(積和演算結果)を、CM135に保存されているデータで定義される関数に従って演算を実行し、出力信号OUTを出力する。当該関数は、シグモイド関数、tanh関数、softmax関数、ReLU関数、閾値関数などとすることができる。これら関数を、テーブル方式または折れ線近似などにより実装し、対応するデータをコンフィギュレーションデータとして、CM135に格納する。
【0226】
なお、CM132[1:S]とCM135とは、それぞれ個別の書き込み回路を有することが好ましい。その結果、CM132[1:S]のデータ更新と、CM135のデータ更新とは、それぞれ独立に行うことができる。つまり、CM135のデータ更新をすることなく、CM132[1:S]のデータ更新を何度も繰り返すことができる。こうすることで、ニューラルネットワークの学習の際に、重み係数の更新のみを何度も繰り返すことができ、効率的に学習ができる。
【0227】
《プログラマブルスイッチ》
図14(A)はプログラマブルスイッチ140の構成を示す回路図である。プログラマブルスイッチ140はスイッチ160を有する。
【0228】
プログラマブルスイッチ140は、出力信号OUT[1]乃至OUT[S]を、入力信号IN[1]乃至IN[S]と接続させる機能を有する。例えば、図12において、プログラマブルスイッチ140[S]は、演算層141[1]の出力信号OUT[1]乃至OUT[S]のいずれかと、演算層141[2]が有する積和演算素子130[S]の入力信号IN[1:S]との接続を制御する機能を有する。
【0229】
また、プログラマブルスイッチ140は、信号“0”と、積和演算素子130の入力信号IN[1]乃至IN[S]との接続を制御する機能を有する。
【0230】
《スイッチ》
図14(B)はスイッチ160の構成例を示す回路図である。スイッチ160は、CM161とスイッチ162を有する。スイッチ162は、OUT[i]とIN[i](iは1以上S以下の整数)との導通を制御する機能を有する。また、スイッチ162は、“0”とIN[i]との導通を制御する機能を有する。CM161に格納するコンフィギュレーションデータにより、スイッチ162のオン/オフが制御される。スイッチ162として、トランジスタを用いることができる。
【0231】
なお、積和演算素子130が直前の演算層141からのOUT[i]を入力として使用しない場合、当該積和演算素子130はIN[i]を“0”に接続する。このとき、IN[i]に対応する乗算素子131[i]は、電力の供給を停止する(パワーゲーティングを行う)ことにより、消費電力を低減することができる。例えば、図12において、演算層141[2]が有する積和演算素子130[S]が、演算層141[1]からのOUT[1]を入力として使用しない場合、積和演算素子130[S]は、そのIN[1]を“0”に接続し、乗算素子131[1]への電力の供給を停止する。
【0232】
また、ある演算層141が有する積和演算素子130のOUT[i]が、他の演算層141が有するどの積和演算素子130とも接続しない場合、OUT[i]を出力する積和演算素子130全体の電力供給を停止し、消費電力を低減することができる。例えば、図12において、演算層141[1]が有する積和演算素子130[S]が、他の演算層141が有するどの積和演算素子130とも接続しない場合、積和演算素子130[S]全体の電力供給を停止する。
【0233】
上記構成において、コンフィギュレーションメモリは、フラッシュメモリ、ReRAM、MRAM、PRAM、FeRAM等を用いて構成することが可能である。また、コンフィギュレーションメモリはOSメモリで構成することも可能である。コンフィギュレーションメモリにOSメモリを用いることで、半導体装置100の消費電力を大幅に低減することができる。
【0234】
例えば、図13に示すCM132[1]乃至132[S]およびCM135をOSメモリで構成することで、半導体装置100は、少ない素子数で低消費電力のネットワークを構成することができる。
【0235】
例えば、図14(B)に示すCM161をOSメモリで構成することで、半導体装置100は、少ない素子数で低消費電力のネットワークを構成することができる。
【0236】
また、乗算素子131および加算素子133をアナログ積和演算素子とすることで、積和演算素子130を構成するトランジスタの数を削減することができる。
【0237】
さらに、積和演算素子130の入出力信号をアナログ信号とすることで、ネットワークを構成する配線数を低減することができる。
【0238】
図12における半導体装置100は、所望のネットワーク構成となるプログラマブルスイッチ140のコンフィギュレーションデータを生成し、当該コンフィギュレーションデータにしたがって、学習を行うことが可能である。学習により重み係数を更新する場合は、プログラマブルスイッチ140のコンフィギュレーションデータを変更せずに、重み係数のコンフィギュレーションデータのみを繰り返し変更する構成が有効である。そのため、積和演算素子130が有するCM132[1:S]と、プログラマブルスイッチ140が有するCM135とは、異なる回路によって、コンフィギュレーションデータが書き込まれることが好ましい。
【0239】
(実施の形態4)
本実施の形態では、実施の形態1に示す画像処理方法を適用することができる電子機器について、図15を用いて説明を行う。以下に示す電子機器は、実施の形態1に示す画像処理方法を用いることで、低解像度の画像データをアップコンバートし、表示部に表示させることができる。
【0240】
図15(A)に示す携帯電話機7400は、筐体7401に組み込まれた表示部7402のほか、操作ボタン7403、外部接続ポート7404、スピーカ7405、マイクロフォン7406などを備えている。携帯電話機7400は、指などで表示部7402に触れることで、情報を入力することができる。また、電話を掛ける、或いは文字を入力するなどのあらゆる操作は、指などで表示部7402に触れることにより行うことができる。また、操作ボタン7403の操作により、電源のON、OFF動作や、表示部7402に表示される画像の種類を切り替えることができる。例えば、メール作成画面から、メインメニュー画面に切り替えることができる。
【0241】
図15(B)は、腕時計型の携帯情報端末の一例を示している。図15(B)に示す携帯情報端末7100は、筐体7101、表示部7102、バンド7103、バックル7104、操作ボタン7105、入出力端子7106などを備える。携帯情報端末7100は、移動電話、電子メール、文章閲覧および作成、音楽再生、インターネット通信、コンピュータゲームなどの種々のアプリケーションを実行することができる。表示部7102はその表示面が湾曲して設けられ、湾曲した表示面に沿って表示を行うことができる。また、表示部7102はタッチセンサを備え、指やスタイラスなどで画面に触れることで操作することができる。例えば、表示部7102に表示されたアイコン7107に触れることで、アプリケーションを起動することができる。
【0242】
操作ボタン7105は、時刻設定のほか、電源のオン、オフ動作、無線通信のオン、オフ動作、マナーモードの実行および解除、省電力モードの実行および解除など、様々な機能を持たせることができる。例えば、携帯情報端末7100に組み込まれたオペレーティングシステムにより、操作ボタン7105の機能を自由に設定することもできる。携帯情報端末7100は、通信規格された近距離無線通信を実行することが可能である。例えば無線通信可能なヘッドセットと相互通信することによって、ハンズフリーで通話することもできる。また、携帯情報端末7100は入出力端子7106を備え、他の情報端末とコネクターを介して直接データのやりとりを行うことができる。また入出力端子7106を介して充電を行うこともできる。なお、充電動作は入出力端子7106を介さずに無線給電により行ってもよい。
【0243】
図15(C)はノート型のパーソナルコンピュータ(PC)を示している。図15(C)に示すPC7200は、筐体7221、表示部7222、キーボード7223、ポインティングデバイス7224等を有する。
【0244】
図15(D)はビデオカメラ7600であり、第1筐体7641、第2筐体7642、表示部7643、操作キー7644、レンズ7645、接続部7646等を有する。
【実施例1】
【0245】
本実施例では、実施の形態1で示す方法でアップコンバートを行い、当該アップコンバートを行った画像データに対応する画像を表示した場合の表示結果について説明する。
【0246】
図16(A)、(B)、(C)、(D)は、本実施例で実行した動作を示す図である。本実施例では、まず、図16(A)に示すように、VGAに対応する解像度(640×480)の画像データimg1を用意した。次に、図16(B)に示すように、画像データimg1を、10×10に分割した。つまり、画像データimg1を、画像データimg1[1,1]乃至画像データimg1[10,10]に分割した。なお、後述する方法1又は方法2により、画像データimg1[1,1]乃至画像データimg1[10,10]の解像度は図16(B)に示すように72×56とし、64×48より大きくした。
【0247】
その後、画像データimg1[1,1]乃至画像データimg1[10,10]のそれぞれについて、CNNを用いてアップコンバートを行った。これにより、図16(C)に示すように、解像度が128×96の画像データimg2[1,1]乃至画像データimg2[10,10]を生成した。なお、CNNにおいて、重みフィルタのフィルタサイズを3×3、畳み込み層の層数を8とし、活性化関数としてReLUを用いた。画像データimg2[1,1]乃至画像データimg2[10,10]を結合することにより、図16(D)に示すように、Quad-VGAに対応する解像度(1280×960)の画像データimg2を生成し、当該画像データimg2に対応する画像を表示した。以上に示す方法により、解像度640×480の画像データimg1を、解像度1280×960の画像データimg2にアップコンバートした。
【0248】
本実施例では、方法1又は方法2により、画像データimg1[1,1]乃至画像データimg1[10,10]の解像度をそれぞれ72×56、つまり64×48より大きくした。方法1では、図1(B)、(C)および図2(A)、(B)に示す方法により、画像データimg1[1,1]乃至画像データimg1[10,10]の解像度をそれぞれ72×56とした。方法2では、図17(A)、(B)に示す方法により、画像データimg1[1,1]乃至画像データimg1[10,10]の解像度をそれぞれ72×56とした。
【0249】
図17(A)、(B)は、画像データimg1[1,1]の解像度を72×56とする、つまり64×48より大きくする方法の一例を示す図である。図17(A)には、画像データimg1を構成する画像データaのうち、画像データa[1,1]の構成例を示す。図17(A)に示す場合において、画像データa[1,1]は、画素データDe11、画素データDe21、画素データDe31、画素データDe41、画素データDe12、画素データDe22、画素データDe32、画素データDe42、画素データDe13、画素データDe23、画素データDe33、画素データDe43、画素データDe14、画素データDe24、画素データDe34、および画素データDe44を有する。
【0250】
図17(B)は、図17(A)に示す構成の画像データa[1,1]を基に生成された、画像データimg1[1,1]の構成例を示している。画像データa[1,1]の境界部に設けられた画素データを、画像データa[1,1]の外側に補填することにより、画像データimg1[1,1]の解像度を画像データa[1,1]の解像度より大きくすることができる。つまり、画像データa[1,1]に対してエッジパディングを行うことにより、画像データimg1[1,1]の解像度を画像データa[1,1]の解像度より大きくすることができる。
【0251】
なお、図17(A)では、画像データa[1,1]が4×4の画素データを有する場合を示しているが、実際には64×48の画素データを有する。また、図17(B)では、画像データa[1,1]の上隣および下隣にそれぞれ1行分の画素データを補填し、左隣および右隣にそれぞれ1列分の画素データを補填する場合を示しているが、実際には画像データa[1,1]の上隣および下隣にはそれぞれ4行分の画素データを補填し、左隣および右隣にはそれぞれ4列分の画素データを補填する。以上により、解像度64×48の画像データa[1,1]から、解像度72×56の画像データimg1[1,1]を生成することができる。
【0252】
前述のように、本実施例では画像データimg1を画像データimg1[1,1]乃至画像データimg1[10,10]に分割する。画像データimg1[1,1]乃至画像データimg1[10,10]のうち、画像データimg1[1,1]以外の画像データも、画像データimg1[1,1]と同様の方法で生成することができる。
【0253】
図18(A)に、方法1を適用した場合の表示結果を示し、図18(B)に、方法2を適用した場合の表示結果を示す。
【0254】
図18(A)では、画像のずれは確認されなかった。一方、図18(B)では、矢印で示した部分において、画像のずれが確認された。これは、画像データの結合部において、画素データのずれが発生したことに起因する。
【符号の説明】
【0255】
10:受像装置、11:コンピュータネットワーク、12:アンテナ、13:サーバー、20:制御部、21:システムバス、22:記憶部、23:通信制御部、24:画像処理回路、25:デコーダ回路、26:映像信号受信部、27:タイミングコントローラ、28:SD、28_A1:SD、28_Am:SD、28_B1:SD、28_Bm:SD、28_Bn:SD、28_C1:SD、28_Cm:SD、28_D1:SD、28_Dm:SD、28_n:SD、28_U1:SD、28_Un:SD、28_1:SD、29:GD、30:表示パネル、30_A:表示パネル、30_B:表示パネル、30_C:表示パネル、30_D:表示パネル、31:画素、32_A1:NN回路、32_A10:NN回路、32_Am:NN回路、32_B1:NN回路、32_Bm:NN回路、32_Bn:NN回路、32_C1:NN回路、32_Cm:NN回路、32_D1:NN回路、32_Dm:NN回路、32_n:NN回路、32_U1:NN回路、32_Un:NN回路、32_1:NN回路、32_2:NN回路、32_3:NN回路、32_4:NN回路、32_5:NN回路、32_6:NN回路、32_7:NN回路、32_8:NN回路、32_9:NN回路、32_10:NN回路、41_n:表示パネル、41_1:表示パネル、41_2:表示パネル、42_n:表示パネル、42_1:表示パネル、43_n:表示パネル、43_1:表示パネル、44_n:表示パネル、44_1:表示パネル、100:半導体装置、130:積和演算素子、131:乗算素子、132:CM、133:加算素子、134:活性化関数素子、135:CM、140:プログラマブルスイッチ、141:演算層、142:スイッチ層、160:スイッチ、161:CM、162:スイッチ、510:電極、511:電極、512:半導体層、516:電極、517:電極、3125:発光素子、3232:トランジスタ、3233:容量素子、3431:トランジスタ、3432:液晶素子、3435:ノード、3436:ノード、3437:ノード、4001:基板、4005:シール材、4006:基板、4008:液晶層、4014:配線、4015:電極、4018:FPC、4019:異方性導電層、4021:電極、4030:電極層、4031:電極層、4032:絶縁層、4033:絶縁層、4035:スペーサ、4102:絶縁層、4103:絶縁層、4110:絶縁層、4111:絶縁層、4112:絶縁層、4510:隔壁、4511:発光層、4514:充填材、7100:携帯情報端末、7101:筐体、7102:表示部、7103:バンド、7104:バックル、7105:操作ボタン、7106:入出力端子、7107:アイコン、7200:PC、7221:筐体、7222:表示部、7223:キーボード、7224:ポインティングデバイス、7400:携帯電話機、7401:筐体、7402:表示部、7403:操作ボタン、7404:外部接続ポート、7405:スピーカ、7406:マイクロフォン、7600:ビデオカメラ、7641:筐体、7642:筐体、7643:表示部、7644:操作キー、7645:レンズ、7646:接続部
図1
図2
図3
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図11
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