(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】蛍光照明に基づいて3D画像を生成するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61B 10/00 20060101AFI20221129BHJP
G06T 7/55 20170101ALI20221129BHJP
【FI】
A61B10/00 E
G06T7/55
(21)【出願番号】P 2019514265
(86)(22)【出願日】2017-09-12
(86)【国際出願番号】 IL2017051024
(87)【国際公開番号】W WO2018051336
(87)【国際公開日】2018-03-22
【審査請求日】2020-09-09
(32)【優先日】2016-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516040109
【氏名又は名称】イェダ リサーチ アンド ディベロップメント カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】YEDA RESEARCH AND DEVELOPMENT CO.LTD.
【住所又は居所原語表記】at the Weizmann Institute of Science, P.O.Box 95, 7610002 Rehovot, Israel
(74)【代理人】
【識別番号】100133503
【氏名又は名称】関口 一哉
(72)【発明者】
【氏名】ハーメリン, アロン
(72)【発明者】
【氏名】カルチェンコ, ヴャチェスラヴ
(72)【発明者】
【氏名】モロディジュ, グイラウメ
【審査官】牧尾 尚能
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0016587(US,A1)
【文献】特開2006-039658(JP,A)
【文献】特開2010-054356(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0039309(US,A1)
【文献】特表2013-515959(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0157725(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0276008(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0200748(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00 - 5/0538
A61B 5/06 - 5/398
G06Q 50/22
G16H 10/00 -80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蛍光照明に基づいて三次元(3D)画像を生成するシステムであって、
投与された蛍光剤による蛍光照明を
発する複数の領域を有する対象物に向けてそれぞれの視差に配置された少なくとも3つの画像センサの各々によって、前記複数の領域の蛍光照明を含む複数の画像のそれぞれのシーケンスを並行して受信するイメージングインターフェース(218)であって、前記複数の画像の各々は一定の時間間隔を置いて分離されている、イメージングインターフェースと、
コードを記憶するプログラムストア(212)と、
記憶されているコードを実施するために前記イメージングインターフェースおよび前記プログラムストアに結合されている少なくとも1つのプロセッサ(208)であって、前記コードは、
それぞれの画素の位置の計算された最大相関に基づいて前記複数の領域の各領域の深度を示すボリュームデータセットを作成するために、それぞれのシーケンスのそれぞれの画素における前記蛍光照明の強度の変化を示す少なくとも1つのパターンの分析に基づいて時間類似度指数を計算することと、前記時間類似度指数に従って前記
複数の領域の各々の種類を計算することによって前記それぞれのシーケンスを分析することと、
前記ボリュームデータセットに従って3D画像を生成することとを行うためのコードを含む、少なくとも1つのプロセッサとを備え、
前記種類は、血管の分岐、より低い組織レベルにある第2の血管に交差するより高い組織レベルにある第1の血管、動脈、静脈、リンパ管、管腔を含む脳脊髄液(CSF)、消化器系に関連する空気充填管腔、および泌尿器系に関連する尿充填管腔からなる群から選択されるものである、システム。
【請求項2】
前記対象物は生きている哺乳動物内の組織を含み、蛍光照明領域は前記生きている哺乳動物の皮膚の下に位置する蛍光照明剤を注入される複数の血管を含み、前記少なくとも3つの画像センサが皮膚の外側にかつ前記皮膚に接触しないように配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記分析することは、前記少なくとも3つの画像センサの各画像センサ対についてそれぞれの視差データセットを計算するために前記それぞれのシーケンスを分析することと、各画像センサ対の前記それぞれの視差データセットに基づいて前記ボリュームデータセットを計算することとを含み、前記ボリュームデータセットは、前記複数の領域の各領域の3D位置を示す、請求項1または2のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項4】
前記領域の各々の種類は、前記蛍光照明の強度の変化を示す前記少なくとも1つのパターンの類似度を有する画素をリンクすることによって計算され、類似度は、前記時間類似度指数に基づく類似度要件に従って定義される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記類似度要件は、以下の式に従って計算され、
(式中、Ir(t)は基準時間関数を表し、SiはIr(t)との比較によって現在の時間関数を示すIc(t)間の相対距離を定義する時間評価を表し、
であり)前記類似度は、関係| Ic(t) - Ir(t) |に従って、マンハッタン距離として計算される、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記蛍光照明の強度の変化を示す前記少なくとも1つのパターンは、前記蛍光照明の最大強度までの時間、および/または、一定の時間間隔にわたる前記蛍光照明のほぼ安定した強度を含む、請求項4または5に記載のシステム。
【請求項7】
前記ボリュームデータセットによって定義される前記複数の領域の各領域を、前記複数の領域の各領域の計算された種類を示す少なくとも1つの視覚的マーカと関連付けるコードをさらに含み、3D画像を生成することは、前記少なくとも1つの視覚的マーカに基づいて前記3D画像を生成することを含む、請求項4~
6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
ニューラルネットワークは、前記それぞれのシーケンスを受信し、前記時間類似度指数を計算して、前記複数の領域の各領域の深度を示す前記ボリュームデータセットを出力する、請求項4~
7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
重み付き係数を含む時空間歪み補償行列(STDCM)を計算することと、各領域の各画素の深度座標を補正するために前記ボリュームデータセットに前記STDCMを適用することとをさらに含み、
前記STDCMは、前記それぞれのシーケンスに基づいて計算される、それぞれの画素における経時的な少なくとも1つの蛍光強度パターンに関連する複数の計算された時間形状指数パラメータに基づいて計算され、前記複数の計算された時間形状指数パラメータは、前記ボリュームデータセットの構造的および/または機能的詳細を解像するために使用され、
構造的および/または機能的詳細を解像するために使用される前記複数の計算された時間形状指数パラメータは、微細構造詳細、血管の種類、血管の分岐または血管の交差を示すトポロジ、血管分類、蛍光コントラスト溢出、および正常な機能状態または異常な挙動からなる群から選択される、
請求項1~
8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
動き推定器であって、動きアーチファクトを補正するために前記動き推定器を前記ボリュームデータセットに適用するための前記それぞれのシーケンスの画素の前記蛍光照明の強度の変化の分析に基づく、動き推定器、
前記蛍光照明の散乱を補償し、血管から漏出する蛍光照明剤の拡散を推定し、前記ボリュームデータセットを補正し、前記複数の領域の空間解像度を改善するために使用される、デコンボリューションパラメータ、
少なくとも3つの画像センサのそれぞれの視差ずれに基づいた構造テンソルであって、前記3D画像内の前記複数の領域の深度および/または視差感度を改善するために、前記ボリュームデータセットを計算することに用いることのできる構造テンソル、
の少なくとも1つを算出することをさらに含む、請求項1~
9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記少なくとも3つの画像センサの各々によって受信されるそれぞれのシーケンスに適応フィルタを適用するコードをさらに含み、前記適応フィルタは、
-各領域の位置の空間解像度を改善し、
-前記蛍光照明の強度の変動中のノイズを低減し、および/または、
-優ガウス背景減算を用いて各シーケンスの前記複数の画像の各画像から前記適応フィルタを減算することにより前記対象物の媒質の散乱効果を低減する
ように設計されている、請求項1~
10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記少なくとも3つの画像センサの中心に位置決めされているレーザおよび別の画像センサ(207D)と、前記プログラムストアによって記憶されているコード命令とをさらに備え、前記コードは、前記別の画像センサによって捕捉される前記レーザの反射に基づいて作成される画像を分析して、レーザスペックルイメージング(LSI)を計算し、 前記LSIを独立した基準として使用して、前記ボリュームデータセットに基づいてリアルタイムで前記3D画像を生成するためのコードを含む、請求項1~
11のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、2016年9月18日に出願された米国仮特許出願第62/396,163号の米国特許法第119条(e)項に基づく優先権の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、そのいくつかの実施形態において、蛍光イメージングに関し、より具体的には、限定はしないが、蛍光照明剤(複数可)に基づいて3D画像を生成するためのシステムおよび方法に関する。
【0003】
蛍光照明に基づくイメージングは、例えば、臨床および前臨床診療において脳血管のイメージングを実行するために使用される。蛍光照明ベースのイメージングは、例えば血管の非侵襲性または低侵襲性画像を生成し得る。
【0004】
in vivo光イメージングの例示的な方法である生体顕微鏡検査は、無傷の生物有機体がどのように機能するかについての知識を向上させる不可欠なツールである。生体顕微鏡検査は強力なツールであり、細胞および細胞以下の解像度の自然な文脈で生きている生対象物の生理機能を特徴付ける能力を提供する。しかしながら、視野が小さく、非常に高価で複雑な機器が使用されるため、一般的な生物学的研究における生体内イメージングの有用性は制限される。標準または高度な生体顕微鏡検査は、視野(FOV)が2ミリメートル(mm)まで延在せず、深度が数百マイクロメートルまで延在しないときに役立つ。
【0005】
経頭蓋光学血管イメージング(TOVI)と呼ばれる蛍光イメージングに基づく別の例示的な方法は、本願と同じ発明者によって発明されたものである。この方法は蛍光造影剤の循環への投与に基づいている。この方法は2D画像を生成する。TOVIを使用して、無傷の頭蓋骨および無傷の皮膚を通して15mmのFOVで脳血管を観察することができる。
【発明の概要】
【0006】
第1の態様によれば、蛍光照明に基づいて三次元(3D)画像を生成するコンピュータ実施方法は、蛍光照明を中に有する複数の領域を有する対象物に向けてそれぞれの視差に配置された少なくとも3つの画像センサの各々によって、複数の領域の蛍光照明を含む複数の画像のそれぞれのシーケンスを並行して受信することであって、複数の画像の各々は一定の時間間隔を置いて分離されている、受信することと、複数の領域の各それぞれの領域の深度を示すボリュームデータセットを作成するために、それぞれのシーケンスを分析することと、ボリュームデータセットに従って3D画像を生成することとを含む。
【0007】
第2の態様によれば、蛍光照明に基づいて三次元(3D)画像を生成するためのシステムは、蛍光照明を中に有する複数の領域を有する対象物に向けてそれぞれの視差に配置された少なくとも3つの画像センサの各々によって、複数の領域の蛍光照明を含む複数の画像のそれぞれのシーケンスを並行して受信するイメージングインターフェースであって、複数の画像の各々は一定の時間間隔を置いて分離されている、イメージングインターフェースと、コードを記憶するプログラムストアと、記憶されているコードを実施するためにイメージングインターフェースおよびプログラムストアに結合されている少なくとも1つのプロセッサであって、コードは、複数の領域の各それぞれの領域の深度を示すボリュームデータセットを作成するために、それぞれのシーケンスを分析することと、ボリュームデータセットに従って3D画像を生成することとを行うためのコードを含む、少なくとも1つのプロセッサとを備える。
【0008】
第3の態様によれば、蛍光照明に基づいて三次元(3D)画像を生成するための、少なくとも1つのプロセッサによって実施するためのプログラムコードを記憶している非一時的コンピュータ可読記憶媒体を備えるコンピュータプログラム製品は、蛍光照明を中に有する複数の領域を有する対象物に向けてそれぞれの視差に配置された少なくとも3つの画像センサの各々によって、複数の領域の蛍光照明を含む複数の画像のそれぞれのシーケンスを並行して受信するためのコード命令であって、複数の画像の各々は一定の時間間隔を置いて分離されている、受信するためのコード命令と、複数の領域の各それぞれの領域の深度を示すボリュームデータセットを作成するために、それぞれのシーケンスを分析するためのコード命令と、ボリュームデータセットに従って3D画像を生成するためのコード命令とを備える。
【0009】
本明細書で提供されるシステムおよび/または方法(例えば、プロセッサ(複数可)によって実行される記憶装置に記憶されたコード命令)は、対象物の蛍光照明領域のイメージングの正確度および/または解像度を改善するという技術的問題に対する技術的解決策を提供する。技術的問題は、生きている哺乳動物(例えば、ヒト、マウス、ブタ、ヒツジ、イヌ、ウサギ、ネコ)内の血管および/または管腔の(任意に非侵襲的な)生体内イメージングに関するものであり得る。技術的問題は、蛍光照明領域による血管および/または管腔の種類の分類に関連し得る。技術的問題は、例えば動脈と静脈との間の区別、および/または血管分岐と互いに交差する2つの血管との間の区別のような、構造的詳細の解像に関連し得る。技術的問題は、蛍光照明領域に基づく、生成された3D画像内の血管および/または管腔の位置の正確度および/または解像度を改善することに関連し得る。
【0010】
本明細書で提供されるシステムおよび/または方法(例えば、プロセッサ(複数可)によって実行される記憶装置に記憶されたコード命令)は、in vivo光イメージング中の生体組織内の光の(すなわち媒質による蛍光の)散乱および/または吸収の技術的問題に対する技術的解決策を提供する。光の散乱および/または吸収は、臨床的に重要である十分に高い解像度で構造をイメージングする能力および/または組織の奥深くの機能的情報を取得する能力を制限する。本明細書で提供されるシステムおよび/または方法は、in vivo光イメージング中に、蛍光照明剤に基づいて、空間解像度を改善し、かつ/またはイメージングの深度を拡大する。本明細書で提供されるシステムおよび/または方法は他の様態で、生体から得られる3D画像内の隠れた構造的および/または機能的詳細を解像する。そのような動的な詳細は、他の標準的なイメージング方法、例えば磁気共鳴イメージングを用いては得られない。
【0011】
本明細書に記載のシステムおよび/または方法(例えば、プロセッサ(複数可)によって実行される記憶装置に記憶されたコード命令)は、生きている哺乳動物に投与される薬剤(複数可)の蛍光照明を捕捉する画像センサを使用して画像を生成する生体内イメージングシステムの計算ユニットの性能を向上させる。性能の向上は、蛍光照明に基づいて画像センサによって捕捉される血管(複数可)および/または管腔(複数可)の種類の識別を含む、生成される3D画像の少なくとも改善された正確度および/または解像度を含む。性能の向上は、結果として得られる画像の品質を犠牲にすることなく、より少ないメモリ、および/またはより少ない計算リソース(例えば、プロセッサ(複数可)利用率)、および/またはより速い計算時間を使用して3D画像を生成することを含み得る。
【0012】
第1の態様、第2の態様、および第3の態様のさらなる実装形態では、対象物は生きている哺乳動物内の組織を含み、蛍光照明領域は生きている哺乳動物の皮膚の下に位置する蛍光照明剤を注入される複数の血管を含み、少なくとも3つの画像センサが皮膚の外側にかつ皮膚に接触しないように配置される。
【0013】
第1の態様、第2の態様、および第3の態様のさらなる実装形態において、分析することは、少なくとも3つの画像センサの各画像センサ対についてそれぞれの視差データセットを計算するためにそれぞれのシーケンスを分析することと、各画像センサ対のそれぞれの視差データセットに基づいてボリュームデータセットを計算することを含み、ボリュームデータセットは、複数の領域の各領域の3D位置を示す。
【0014】
第1の態様、第2の態様、および第3の態様のさらなる実装形態において、分析することは、各それぞれのシーケンスのそれぞれの画素における蛍光照明の強度の変化を示す少なくとも1つのパターンの分析に基づいて時間類似度指数を計算することと、時間類似度指数に従って各領域の種類を計算することとを含む。
【0015】
第1の態様、第2の態様、および第3の態様のさらなる実装形態において、各領域の種類は、蛍光照明の強度の変化を示す少なくとも1つのパターンの類似度を有する画素をリンクすることによって計算され、類似度は、時間類似度指数に基づく類似度要件に従って定義される。
【0016】
第1の態様、第2の態様、および第3の態様のさらなる実装形態において、類似度要件は、以下の式に従って計算される。
式中、Ir(t)は基準時間関数を表し、SiはIr(t)との比較によって現在の時間関数を示すIc(t)間の相対距離を定義する時間評価を表し、
であり、類似度は、関係| Ic(t) - Ir(t) |に従って、マンハッタン距離として計算される。
【0017】
第1の態様、第2の態様、および第3の態様のさらなる実装形態において、蛍光照明の強度の変化を示す少なくとも1つのパターンは、蛍光照明の最大強度までの時間を含む。
【0018】
第1の態様、第2の態様、および第3の態様のさらなる実装形態において、蛍光照明の強度の変化を示す少なくとも1つのパターンは、一定の時間間隔にわたる蛍光照明のほぼ安定した強度を含む。
【0019】
第1の態様、第2の態様、および第3の態様のさらなる実装形態において、種類は、血管の分岐、より低い組織レベルにある第2の血管に交差するより高い組織レベルにある第1の血管、動脈、静脈、リンパ管、管腔を含む脳脊髄液(CSF)、消化器系に関連する空気充填管腔、および泌尿器系に関連する尿充填管腔からなる群から選択される。
【0020】
第1の態様、第2の態様、および第3の態様のさらなる実装形態において、方法は、ボリュームデータセットによって定義される複数の領域の各領域を、複数の領域の各それぞれの領域の計算された種類を示す少なくとも1つの視覚的マーカと関連付けることをさらに含み、および/または、システムは、そのようにするためのコードをさらに含み、および/または、コンピュータプログラム製品は、そのようにするための追加の命令を含み、3D画像を生成することは、少なくとも1つの視覚的マーカに基づいて3D画像を生成することを含む。
【0021】
第1の態様、第2の態様、および第3の態様のさらなる実装形態において、ニューラルネットワークは、それぞれのシーケンスを受信し、時間類似度指数を計算して、複数の領域の各それぞれの領域の深度を示すボリュームデータセットを出力する。
【0022】
第1の態様、第2の態様、および第3の態様のさらなる実装形態において、方法は、等方性基準を計算することと、等方性基準に従って、生成されている3D画像の空間解像度を向上させることとをさらに含み、および/または、システムは、そのようにするためのコードをさらに含み、および/または、コンピュータプログラム製品は、そのようにするための追加の命令を含む。
【0023】
第1の態様、第2の態様、および第3の態様のさらなる実装形態において、方法は、重み付き係数を含む時空間歪み補償行列(STDCM)を計算することと、各領域の各画素の深度座標を補正するためにボリュームデータセットにSTDCMを適用することとをさらに含み、および/または、システムは、そのようにするためのコードをさらに含み、および/または、コンピュータプログラム製品は、そのようにするための追加の命令を含む。
【0024】
第1の態様、第2の態様、および第3の態様のさらなる実装形態において、STDCMは、それぞれのシーケンスに基づいて計算される、各それぞれの画素における経時的な少なくとも1つの蛍光強度パターンに関連する複数の計算された時間形状指数パラメータに基づいて計算され、複数の計算された時間形状指数パラメータは、ボリュームデータセットの構造的および/または機能的詳細を解像するために使用される。
【0025】
第1の態様、第2の態様、および第3の態様のさらなる実装形態において、構造的および/または機能的詳細を解像するために使用される複数の計算された時間形状指数パラメータは、微細構造詳細、血管の種類、血管の分岐または血管の交差を示すトポロジ、血管分類、蛍光コントラスト溢出、および正常な機能状態または異常な挙動からなる群から選択される。
【0026】
第1の態様、第2の態様、および第3の態様のさらなる実装形態において、方法は、それぞれのシーケンスの画素の蛍光照明の強度の変化の分析に基づいて動き推定器を算出することと、動きアーチファクトを補正するために動き推定器をボリュームデータセットに適用することとをさらに含み、かつ/または、システムは、そのようにするためのコードをさらに含み、かつ/または、コンピュータプログラム製品は、そのようにするための追加の命令を含む。
【0027】
第1の態様、第2の態様、および第3の態様のさらなる実装形態において、方法は、蛍光照明の散乱を補償し、血管から漏出する蛍光照明剤の拡散を推定するデコンボリューションパラメータを計算することをさらに含み、かつ/または、システムは、そのようにするためのコードをさらに含み、かつ/または、コンピュータプログラム製品は、そのようにするための追加の命令を含み、デコンボリューションパラメータは、ボリュームデータセットを補正し、複数の領域の空間解像度を改善するために使用される。
【0028】
第1の態様、第2の態様、および第3の態様のさらなる実装形態において、方法は、少なくとも3つの画像センサのそれぞれの視差ずれに基づいて構造テンソルを計算することと、3D画像内の複数の領域の深度および/または視差感度を改善するために、構造テンソルに従ってボリュームデータセットを計算することとをさらに含み、かつ/または、システムは、そのようにするためのコードをさらに含み、かつ/または、コンピュータプログラム製品は、そのようにするための追加の命令を含む。
【0029】
第1の態様、第2の態様、および第3の態様のさらなる実装形態において、それぞれのシーケンスの分析は、少なくとも3つの画像センサのそれぞれのシーケンスによる各それぞれの画素の計算されている初期位置、および、各それぞれの画素における蛍光イメージングにおける少なくとも1つの変化パターンを入力として受け取り、各それぞれの画素の位置の計算された最大相関に基づいてボリュームデータセットを出力する訓練された時間類似度指数分類器を使用して実行される。
【0030】
第1の態様、第2の態様、および第3の態様のさらなる実装形態において、方法は、少なくとも3つの画像センサの各々によって受信される各それぞれのシーケンスに適応フィルタを適用することをさらに含み、かつ/または、システムは、そのようにするためのコードをさらに含み、かつ/または、コンピュータプログラム製品は、そのようにするための追加の命令を含み、適応フィルタは、各領域の位置の空間解像度を改善し、蛍光照明の強度の変動中のノイズを低減するように設計されている。
【0031】
第1の態様、第2の態様、および第3の態様のさらなる実装形態において、方法は、少なくとも3つの画像センサの各々によって受信される各それぞれのシーケンスに適応フィルタを適用することをさらに含み、かつ/または、システムは、そのようにするためのコードをさらに含み、かつ/または、コンピュータプログラム製品は、そのようにするための追加の命令を含み、適応フィルタは、対象物の媒質の散乱効果を低減するように設計されており、適応フィルタは、各シーケンスの複数の画像の各画像から適応フィルタを減算することによって、優ガウス背景減算として実施される。
【0032】
第1の態様、第2の態様、および第3の態様のさらなる実装形態において、方法は、少なくとも3つの画像センサの中心に位置決めされているレーザおよび別の画像センサを動作させることをさらに含み、かつ/または、システムは、動作のために、少なくとも3つの画像センサの中心に位置決めされているレーザおよび別の画像センサと、プログラムストアによって記憶されているコード命令とを備え、かつ/またはコンピュータプログラム製品は、少なくとも3つの画像センサの中心に位置決めされているレーザおよび別の画像センサを動作させるための追加の命令と、プログラムストアによって記憶されているコード命令とを含み、コードは、別の画像センサによって捕捉されるレーザの反射に基づいて作成される画像を分析して、レーザスペックルイメージング(LSI)を計算し、 LSIを独立した基準として使用して、ボリュームデータセットに基づいてリアルタイムで3D画像を生成するためのコードを含む。
【0033】
第1の態様、第2の態様、および第3の態様のさらなる実装形態において、LSIは血管の3Dフローマップを決定するために使用される。
【0034】
第1の態様、第2の態様、および第3の態様のさらなる実装形態において、LSIはボリュームデータセットの領域の3D座標を補正するために使用される。
【0035】
第1の態様、第2の態様、および第3の態様のさらなる実装形態において、少なくとも3つの画像センサは、x-y-z空間の同じz軸値に位置決めされている。
【0036】
第1の態様、第2の態様、および第3の態様のさらなる実装形態において、少なくとも3つの画像センサは相補型金属酸化膜半導体(CMOS)センサを含む。
【0037】
他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての技術的および/または科学的用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載された方法および材料と類似または同等の方法および材料を本発明の実施形態の実践または試験に使用することができるが、例示的な方法および/または材料を以下に記載する。矛盾がある場合は、定義を含め、本特許明細書が優先するものとする。さらに、材料、方法、および実施例は例示的なものに過ぎず、必ずしも限定であることを意図するものではない。
【0038】
本発明のいくつかの実施形態が、添付の図面を参照して、単なる例として本明細書において説明される。ここで図面を詳細に参照すると、示された詳細は、例としてのものであり、本発明の実施形態の説明のためであることが強調される。この点に関して、図面を用いた説明は、本発明の実施形態がどのように実践され得るかを当業者に明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】本発明のいくつかの実施形態による、少なくとも3つの画像センサを使用して時間的に離間された画像のシーケンスを使用して取得される領域内からの蛍光照明に基づいて対象物の領域の3D画像を生成する方法のフローチャートである。
【
図2】本発明のいくつかの実施形態による、少なくとも3つの画像センサを使用して捕捉される時間的に離間された画像のシーケンスを使用してイメージングされる蛍光照明に基づいて対象物の領域の3D画像を生成するシステムの構成要素のブロック図である。
【
図3】本発明のいくつかの実施形態による、適応フィルタの適用前後の800枚の積層画像のシーケンスの比較を示す図である。
【
図4】本発明のいくつかの実施形態による、類似のパターンを有する画素に従って色分けされた第1の画像および第2の画像を含む図である。
【
図5】本発明のいくつかの実施形態による、
図4の画像を重ね合わせることによって作成された画像図である。
【
図6】本発明のいくつかの実施形態による、対象物に適用される、蛍光照明の時間的に離間された画像のシーケンスに基づいて対象物の3D画像を生成するためのプロセスの例示的なデータフローを示すブロック図である。
【
図7】本発明のいくつかの実施形態による、本発明者らによって実施されたイメージング実験の例示的な3-Y設定の写真を含む図である。
【
図8】本発明のいくつかの実施形態による、
図7の3-Y設定を使用して生成され、本明細書に記載のシステムおよび/または方法を使用して計算された3D画像図である。
【
図9】本発明のいくつかの実施形態による、3-Y設定を使用して捕捉された3Dグローバル形状(すなわち、3D画像を生成するために使用されるボリュームデータセットとも呼ばれる深度マップ)の画像図である。
【
図10】本発明のいくつかの実施形態による、
図7に示される設定のチューブの複数の位置のうちの1つの位置の微細構造詳細に関する構造化形状を示す、計算されたSTDCMに基づいて生成された画像図である。
【
図11】本発明のいくつかの実施形態による、本明細書に記載の3-Y設定の3つのカメラのうちの2つの間の視差データセットを計算するための設定を示す概略図である。
【
図12】本発明のいくつかの実施形態による、
図11に示す設定を使用して生成された3D画像図である。
【
図13】本発明のいくつかの実施形態による、
図11に示す設定に基づいて生成された、2つの深く根付いた血管網の3Dトポロジ上の表示の画像図である。
【
図14】本発明のいくつかの実施形態による、自動画像復元方法の一例を示す画像を含む図である。
【
図15】本発明のいくつかの実施形態による、実際の経皮イメージングにおける自動画像復元方法の一例を示す画像を含む図である。
【
図16】本発明のいくつかの実施形態による、
図15のイメージングデータに適用される時間類似度指数方法を使用して生成された画像図である。
【
図17】本発明のいくつかの実施形態による、捕捉された画像のシーケンスの品質に対する適応フィルタの効果を評価するための、模型を用いた実験室実験の一部として計算された3D画像を含む図である。
【
図18】本発明のいくつかの実施形態による、生成された3D画像の品質に対する適応フィルタの効果を評価するための、実験の一部として捕捉された画像のシーケンスから計算された3D画像を含む図である。
【
図19】本発明のいくつかの実施形態による、3D画像を計算するためのニューラルネットワークベースのアーキテクチャの例示的な実装形態を示す概略図である。
【
図20】本発明のいくつかの実施形態による、構造の分岐および/または交差の明瞭さを示す、ニューラルネットワークの出力に基づく3D画像の一部を含む図である。
【
図21】本発明のいくつかの実施形態による、本明細書に記載の画像解像度の向上および/またはあいまいな分岐および/または交差の区別の向上を示す、ニューラルネットワークの出力に基づいて計算された3D画像を含む図である。
【
図22】本発明のいくつかの実施形態による、時間指数化に従って計算された脳の血管網の3D画像図である。
【
図23】本発明のいくつかの実施形態による、構造テンソルを示す脳の血管網の例示的な3D画像図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本発明は、そのいくつかの実施形態において、蛍光イメージングに関し、より具体的には、限定はしないが、蛍光照明に基づいて3D画像を生成するためのシステムおよび方法に関する。
【0041】
本発明のいくつかの実施形態の一態様は、時間的に離間された画像のシーケンス(例えばタイムスタンプ付き)の分析に基づいて作成されるボリュームデータセット(複数可)に基づいて3D画像(複数可)を生成するシステムおよび/または方法(例えば、プロセッサ(複数可)によって実行される記憶装置に記憶されたコード命令)に関し、各それぞれのシーケンスは、蛍光照明領域を有する対象物に対して非平行に(すなわち、それぞれの視差を有する)配置された3つ(またはそれ以上)の画像センサのうちの1つによって取得される。蛍光照明領域に基づく3D画像は、対象物、任意選択的に他の隠された領域の構造的および/または機能的詳細を提供する。光経皮イメージングが行われてもよい。例えば、3D画像は、脳卒中の影響を評価し、腫瘍を識別し、または他の用途のために、例えば、ヒトまたはマウスの脳の血管のイメージングなど、対象物(例えば、ヒト、動物)の血管をイメージングするために、場合によってはリアルタイムで、非侵襲的に実行され得る。生物(例えば、哺乳動物)の経皮イメージングの場合、蛍光照明領域(例えば、血管)が、生きている哺乳動物の皮膚の下で位置特定され、3つ(またはそれ以上)の画像センサが、生きている動物の皮膚の外側に配置される。3つ(またはそれ以上)の画像センサは皮膚に接触しない(すなわち、生きている哺乳動物の皮膚から離間している)。イマジンセンサによって捕捉される画像は、皮膚(および他の組織)をトラバースしており、皮膚(および他の組織)によって影響を受けた蛍光、例えば本明細書に記載されるような散乱に基づいている。
【0042】
任意選択的に、捕捉されたシーケンスに基づいて画像センサの各対について視差データセットが計算され、例えば、3つの画像センサが使用されるとき、対の3つの組み合わせについて3つの視差データセットが計算される。ボリュームデータセットは、視差データセットに基づいて、例えば訓練された統計的分類器および/または(任意選択的に畳み込み)ニューラルネットワークを使用して計算される。3D画像はボリュームデータセットに基づいて生成される。
【0043】
代替的にまたは付加的に、ボリュームデータセットはシーケンスの蛍光照明パターン(複数可)の分析に基づいて生成される。パターンは、各シーケンスの時間的に離間された画像にわたる蛍光照明の強度の変化を示している。パターンは、画素(例えば、ピクセル、ボクセル)および/または画素のグループごとに計算することができる。パターンは、経時的な強度の変化を示す時間関数として表すことができる。
【0044】
任意選択的に、パターンは蛍光照明の最大強度に達するまでの時間を示す。代替的にまたは付加的に、パターンは蛍光照明の強度の安定性を示す。(例えば、例として統計的距離および/または相関などの類似度要件)類似したパターンを有する画素をともにグループ化することができる。グループ化された画素は、構造および/または機能を示す1つまたは複数の所定の種類として識別することができ、および/または構造詳細を解像して、例えば動脈と静脈との間で区別し、ならびに/もしくは、血管の分岐と2つの血管の互いに対する交差との間で区別するために使用することができる。
【0045】
本明細書で提供されるシステムおよび/または方法(例えば、プロセッサ(複数可)によって実行される記憶装置に記憶されたコード命令)は、対象物の蛍光照明領域のイメージングの正確度および/または解像度を改善するという技術的問題に対する技術的解決策を提供する。技術的問題は、生きている哺乳動物(例えば、ヒト、マウス、ブタ、ヒツジ、イヌ、ウサギ、ネコ)内の血管および/または管腔の(任意に非侵襲的な)生体内イメージングに関するものであり得る。技術的問題は、蛍光照明領域による血管および/または管腔の種類の分類に関連し得る。技術的問題は、例えば動脈と静脈との間の区別、および/または血管分岐と互いに交差する2つの血管との間の区別のような、構造的詳細の解像に関連し得る。技術的問題は、蛍光照明領域に基づく、生成された3D画像内の血管および/または管腔の位置の正確度および/または解像度を改善することに関連し得る。
【0046】
本明細書で提供されるシステムおよび/または方法(例えば、プロセッサ(複数可)によって実行される記憶装置に記憶されたコード命令)は、in vivo光イメージング中の生体組織内の光の(すなわち媒質による蛍光の)散乱および/または吸収の技術的問題に対する技術的解決策を提供する。光の散乱および/または吸収は、臨床的に重要である十分に高い解像度で構造をイメージングする能力および/または組織の奥深くの機能的情報を取得する能力を制限する。本明細書で提供されるシステムおよび/または方法は、in vivo光イメージング中に、蛍光照明剤に基づいて、空間解像度を改善し、かつ/またはイメージングの深度を拡大する。本明細書で提供されるシステムおよび/または方法は他の様態で、生体から得られる3D画像内の隠れた構造的および/または機能的詳細を解像する。そのような動的な詳細は、他の標準的なイメージング方法、例えば磁気共鳴イメージングを用いては得られない。
【0047】
経時的な(すなわち、複数のシーケンス画像にわたる)蛍光イメージングのパターンの分析に基づいて、画素および/または領域の種類および/または位置を識別するシステムおよび/または方法(例えば、プロセッサ(複数可)によって実行されるコード命令)は、例えば、例として本明細書においてその全体が組み込まれるJ.Seo,Y.An,J.Lee,T.Ku,Y.Kang,C.Ahn,C.Choi「Principal component analysis of dynamic fluorescence images for diagnosis of diabetic vasculopathy」(J.Biomed.Opt.21(4),046003,2016)に記載されているように、主成分分析(PCA)に基づく方法と比較して、他の方法よりも計算効率が向上する。PCA法は、統計的手法を用いて主成分のみを抽出すると考えられ、例えば、Seo他は、主要な頻出パターン(すなわち時間的挙動モード)を決定すると考えられる。対照的に、本明細書に記載のシステムおよび/または方法(例えば、プロセッサ(複数可)によって実行されるコード命令)は、例えば、例として循環系における投与された蛍光剤の流動時間遅延に基づく類似度要件に従って類似のパターン(すなわち時間的挙動)を有する画素(例えばピクセル、ボクセル)をリンクさせる。本明細書に記載のシステムおよび/または方法(例えば、プロセッサ(複数可)によって実行されるコード命令)は、より頻繁なおよび/または通常のパターン(例えば、脳内などの主幹動脈)を検出するとともに、他の様態で隠れた異常(例えば、出血性脳卒中に起因する脳血管からの血液のゆっくりとした漏出、および/または腫瘍における異常な血管形成)を検出することができる。
【0048】
本明細書に記載のシステムおよび/または方法(例えば、プロセッサ(複数可)によって実行される記憶装置に記憶されたコード命令)は、生きている哺乳動物に投与される薬剤(複数可)の蛍光照明を捕捉する画像センサを使用して画像を生成する生体内イメージングシステムの計算ユニットの性能を向上させる。性能の向上は、蛍光照明に基づいて画像センサによって捕捉される血管(複数可)および/または管腔(複数可)の種類の識別を含む、生成される3D画像の少なくとも改善された正確度および/または解像度を含む。性能の向上は、結果として得られる画像の品質を犠牲にすることなく、より少ないメモリ、および/またはより少ない計算リソース(例えば、プロセッサ(複数可)利用率)、および/またはより速い計算時間を使用して3D画像を生成することを含み得る。
【0049】
本明細書で提供されるシステムおよび/または方法(例えば、プロセッサ(複数可)によって実行される記憶装置に記憶されたコード命令)は、画像処理の技術分野、特に対象物への蛍光照明剤(複数可)の投与に基づいた3D画像(任意選択的に医用画像)の生成の分野の基礎となる技術プロセスを改善する。生成されている本明細書で説明されるシステムおよび/または方法は、血管の微細な3D構造の詳細を明らかにし、血管の隠された詳細を明らかにすること(例えば、分岐している血管と互いに交差している血管との間で区別すること)によって、対象物の領域(例えば脳内の血管)の3D画像を改善し、深度データを解像し、光散乱を改善し、動きアーチファクトを低減または排除する。
【0050】
本明細書に記載のシステムおよび/または方法(例えば、1つまたは複数のプロセッサによって実行されるコード命令)は、物理的な現実の構成要素、例えば、対象物の領域(複数可)に投与される蛍光照明剤(複数可)に基づいて画像のシーケンスを各々が捕捉する画像センサに結び付けられる。
【0051】
したがって、本明細書に記載のシステムおよび/または方法は、対象物に投与される蛍光照明剤(複数可)に基づく対象物の3Dイメージング(任意選択的に哺乳動物の生体内イメージング)において生じる実際の技術的問題を克服するために、計算技術および/または物理的構成要素(すなわち画像センサ)に密接に結び付けられる。
【0052】
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その適用において、以下の説明に記載されているおよび/または図面および/または実施例に示されている構成要素および/または方法の構造および構成の詳細に必ずしも限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態も可能であり、または様々な方法で実践もしくは実行することが可能である。
【0053】
本発明は、システム、方法、および/またはコンピュータプログラム製品であってもよい。コンピュータプログラム製品は、プロセッサに本発明の態様を実行させるためのコンピュータ可読プログラム命令をその上に有するコンピュータ可読記憶媒体(複数可)を含むことができる。
【0054】
コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行装置による使用のために命令を保持し記憶することができる有形装置とすることができる。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電子記憶装置、磁気記憶装置、光学記憶装置、電磁記憶装置、半導体記憶装置、または上記の任意の適切な組合せであり得るが、これらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例の非網羅的リストは、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ポータブルコンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、メモリスティック、フロッピーディスク、上記の任意の適切な組み合わせを含む。本明細書で使用されるコンピュータ可読記憶媒体は、無線波または他の自由に伝播する電磁波、導波路もしくは他の伝送媒体を伝播する電磁波(例えば、光ファイバケーブルを通過する光パルス)、またはワイヤを介して送信される電気信号などの一時的信号自体であると解釈されるべきではない。
【0055】
本明細書に記載のコンピュータ可読プログラム命令は、例えば、インターネット、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワークおよび/またはワイヤレスネットワークなどのネットワークを介してコンピュータ可読記憶媒体から、または外部コンピュータもしくは外部記憶装置へと、それぞれのコンピューティング/処理装置にダウンロードすることができる。ネットワークは、銅伝送ケーブル、光伝送ファイバ、ワイヤレス伝送、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイコンピュータおよび/またはエッジサーバを含んでもよい。各コンピューティング/処理装置内のネットワークアダプタカードまたはネットワークインターフェースは、ネットワークからコンピュータ可読プログラム命令を受信し、それぞれのコンピューティング/処理装置内のコンピュータ可読記憶媒体に記憶するためにコンピュータ可読プログラム命令を転送する。
【0056】
本発明の動作を実行するためのコンピュータ可読プログラム命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、機械命令、機械依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、または、Smalltalk、C++などの対象物指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語または同様のプログラミング言語を含む、1つまたは複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで書かれたソースコードもしくは対象物コードのいずれかであり得る。コンピュータ可読プログラム命令は、全体的にユーザのコンピュータ上で、部分的にユーザのコンピュータ上で、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして、部分的にユーザのコンピュータ上ならびに部分的に遠隔コンピュータ上で、または全体的に遠隔コンピュータまたはサーバ上で実行することができる。後者のシナリオでは、遠隔コンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)または広域ネットワーク(WAN)を含む任意の種類のネットワークを介してユーザのコンピュータに接続することができ、または接続は、外部コンピュータに対して行うことができる(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを介して)。いくつかの実施形態において、例えば、プログラム可能論理回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、またはプログラム可能論理アレイ(PLA)を含む電子回路が、本発明の態様を実行するために、電子回路をパーソナライズするためにコンピュータ可読プログラム命令の状態情報を利用することによってコンピュータ可読プログラム命令を実行し得る。
【0057】
本発明の態様は、本発明の実施形態による方法、装置(システム)、およびコンピュータプログラム製品のフローチャート図および/またはブロック図を参照して本明細書で説明される。フローチャート図および/またはブロック図の各ブロック、ならびにフローチャート図および/またはブロック図内のブロックの組み合わせは、コンピュータ可読プログラム命令によって実施することができることは理解されよう。
【0058】
これらのコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータまたは他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサを介して実行する命令が、装置、フローチャートおよび/またはブロック図の1つまたは複数のブロックにおいて指定された機能/動作を実施するための手段を作成するように、汎用コンピュータ、特殊用途コンピュータ、または他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサに提供されて、機械を生成することができる。これらのコンピュータ可読プログラム命令は、命令を記憶されているコンピュータ可読記憶媒体が、フローチャートおよび/またはブロック図の1つまたは複数のブロックにおいて指定された機能/動作の態様を実施する命令を含む製品を含むように、特定の様式で、コンピュータ、プログラム可能データ処理装置、および/または他の装置に指示することができるコンピュータ可読記憶媒体に記憶することもできる。
【0059】
コンピュータ可読プログラム命令はまた、コンピュータ、他のプログラム可能装置、または他の装置上で実行する命令が、フローチャートおよび/またはブロック図の1つまたは複数のブロックにおいて指定された機能/動作の態様を実施するように、コンピュータ、他のプログラム可能データ処理装置、または他の装置にロードして、コンピュータ、他のプログラム可能装置または他の装置上で一連の動作ステップを実行させて、コンピュータ実施プロセスを生成することができる。
【0060】
図面中のフローチャートおよびブロック図は、本発明の様々な実施形態によるシステム、方法、およびコンピュータプログラム製品の可能な実施態様のアーキテクチャ、機能、および動作を示している。
これに関して、フローチャートまたはブロック図の各ブロックは、指定された論理機能(複数可)を実施するための1つまたは複数の実行可能命令を含むモジュール、セグメント、または命令の一部を表すことができる。いくつかの代替の実装形態では、ブロックに記載されている機能は、図に記載されている順序とは異なる順序で行われてもよい。例えば、連続して示されている2つのブロックは、実際には、含まれる機能に応じて、実質的に同時に実行されてもよく、または時には逆の順序で実行されてもよい。ブロック図および/またはフローチャート図の各ブロック、ならびにブロック図および/またはフローチャート図内のブロックの組み合わせは、指定されている機能を実施し、または、特殊目的ハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせを実行する特殊目的ハードウェアベースのシステムによって実装することができることにも留意されたい。
【0061】
本明細書で使用されるとき、3-Y画像センサ設定(または3-Y設定)という用語は、本明細書において記載される場合、対象物に対する画像センサの例示的な位置決めを指す。
【0062】
本明細書において使用される場合、視差という用語は、見る角度に応じて対象物の位置または方向が変化するように見える方法を意味する。各画像センサは、対象物を有する領域の異なる視差を生成する。視差データセットは、複数(任意選択的に3つ)の画像センサからの画像センサ対によって取得されるシーケンスから計算されるため、本明細書において参照される視差データセットは単独で使用される視差という用語とは異なることに留意されたい。
【0063】
ここで、本発明のいくつかの実施形態による、少なくとも3つの画像センサを使用して時間的に離間された画像のシーケンスを使用して取得される領域内からの蛍光照明に基づいて対象物の領域の3D画像を生成する方法のフローチャートである
図1を参照する。本発明のいくつかの実施形態による、少なくとも3つの画像センサ207A~Cを使用して捕捉される時間的に離間された画像のシーケンスを使用してイメージングされる蛍光照明(例えば、蛍光照明投与装置206によって投与される)に基づいて対象物204の領域202の3D画像を生成するシステム200の構成要素のブロック図である
図2も参照する。システム200は、任意選択的に、プログラムストア212に記憶されたコード命令212Aを実行するコンピューティングユニット210の処理ユニット208によって、
図1を参照して説明される方法の動作を実施することができる。
【0064】
システムおよび/または方法(例えば、プロセッサ(複数可)によって実行されるコード命令によって実施される)は、2D画像よりも優れた3D画像を生成することによって、2D TOVI方法(本願の同じ著者によって発明された)を改良する。3D画像は、改善されたより深い深度データ(例えば、3D画像内の血管および/または他の領域の位置)を提供し、(組織による)蛍光照明の散乱からのノイズを低減し、(血管からの蛍光照明剤の)拡散を補正し、残留する動きアーチファクトからのぼけを補正し、および/または歪みを補償する。3D画像は、2D画像よりも改善された空間的および/または時間的解像度を提供する。TOVI法のさらなる詳細は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれている以下の刊行物を参照して見出される。
* V.Kalchenko,K.Ziv,Y.Addadi,N.Madar-Balakirski,I.Meglinski,およびM.Neeman「Combined application of dynamic light scattering imaging and fluorescence intravital microscopy in vascular biology」(Laser Phys.Lett.,7(8),603-606 ,2010)。
* V.Kalchenko,N.Madar-Balakirski,I.Meglinski,およびA.Harmelin「In vivo characterization of tumor and tumor vascular network using multi-modal imaging approach」(J.Biophotonics,4(9),645-649,2011)。
* V.Kalchenko,D.Israeli,Y.Kuznetsov,およびA.Harmelin「Transcranial optical vascular imaging (TOVI) of cortical hemodynamics in mouse brain」(Sci.Rep.4,5839,2014)。
* V.Kalchenko,Y.Kuznetsov,I.Meglinski,およびA.Harmelin「Label free in vivo laser speckle imaging of blood and lymph vessels」(J.Biomed.Opt.,17(5),050502,2012)。
* V.Kalchenko,D.Israeli,Y.Kuznetsov,I.Meglinski,およびA.Harmelin「A simple approach for non-invasive transcranial optical vascular imaging (nTOVI)」(J.Biophotonics,8(11-12),897-901,2015))。
【0065】
本明細書に記載のシステムおよび/または方法は、対象物(例えば、組織、脳)内部のより深部に位置する以前は隠れていた血管構造を含む3D画像を生成し、血液灌流機能をリアルタイムで特徴付けるために使用することができ、および/または、リアルタイム3Dイメージングシステムを生成するために使用することができる機能的イメージング手法を提供する。
【0066】
本明細書において使用される場合、グローバル形状という用語は、対象物の表面の垂直方向における対象物の領域(および/または他の構造)の深度を示す(すなわち、特定の見やすい点における)深度マップ(例えば、行列および/または画像として実装される)を意味する。生成された3D画像は、例えば、解像度および/または品質に関して、グローバル形状の改善であり得ることに留意されたい。
【0067】
微細な頭蓋内構造のない頭蓋の単純な2D深度マップが3Dグローバル形状を画定し得ることに留意されたい。2Dの場合、深度マップ(Z深度とも呼ばれる)は、グレイレベル画像、または視点からのシーン領域の表面の距離に関する情報を含む行列として実装することができる。そのような深度マップは、2画像センサステレオ設定を使用して計算することができる。ただし、結果は多くの歪みおよび情報が欠けている箇所を含む粗い推定である。本明細書に記載の3-Y設定は、3D画像を生成するために使用される高品質の深度マップをレンダリングするために使用される追加の視点を提供する。
【0068】
3-Y設定は、標準的な2Dステレオイメージングシステムにまさる、追加の計算上の改善を提供する。3-Y設定は、三角測量機能を提供するように構成されてもよく、それは、対象物のグローバル形状に対する固有の解を計算するために使用することができる。3つ(またはそれ以上)の独立した歪みデータセット(例えば行列)を計算することができる。歪みデータセットは、例えば、3D画像を生成するニューラルネットワークに供給される、生成される3D画像の品質を改善するために使用され得る。3-Y設定は、複数の異なる視点からのデータの組み合わせに基づいて、欠けている側方部分を埋めるために使用されるデータを生成することができる。
【0069】
明瞭かつ単純にするために、本明細書においては、3つの画像センサ207~Cを使用する実施態様を説明する。しかし、当業者であれば、例えば、生成される3D画像内の領域の解像度をさらに向上させるために、3つよりも多い画像センサ207A~Cを実装することを選択することができることに留意されたい。画像センサ207A~Cは、リアルタイムで、例えば毎秒約5~10画像、または毎秒約11~20画像、または毎秒約1~4画像、または他の速度で、(各々が一定の時間間隔で分離された)画像のシーケンスを迅速に取得するように設計されている。画像センサの例示的なハードウェア実施態様は、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)ベースの光センサを含む。
【0070】
画像センサ207A~Cは、それぞれの視差に(すなわち、互いに非平行に)位置決めされている。画像センサ207A~Cは、互いに対して傾斜している(すなわち、0よりも大きい、または約180度未満の角度)。画像センサ207A~Cは、各々が、対象物204の異なる視差を捕捉するように位置決めされている。任意選択的に、画像センサ207A~Cは、実質的に、対象物204を含む3D x-y-z空間内の同じy軸値に沿って位置決めされる。任意選択的に、画像センサ207A~Cは、正三角形の頂点に位置決めされる。画像センサ207A~Cは、3つの視野角(または追加のセンサが使用される場合はそれ以上)を得る。
【0071】
任意選択的に、システム200は、レーザ(複数可)と他の画像センサ(複数可)207Dとを含む。レーザおよびセンサ207Dは、レーザスペックルイメージング(LSI)を実行するように設計されている。LSIデータを生成された3D画像と共に使用して、対象物204内の領域202のリアルタイム3D画像を作成することができる。レーザおよびセンサ207Dは、画像センサ207A~Cの中心に位置決めされてもよい。レーザおよびセンサ207Dの位置は、幾何学的歪みを低減または排除するように設計されている。
【0072】
任意選択的に、対象物204は、例えば、ヒト、ブタ、マウス、イヌ、およびヒツジなどの、生きている哺乳動物の一部を含む。対象物204は、例えば、生きている哺乳動物の頭部の一部、腫瘍の一部、および/または心臓の一部を含んでもよい。
【0073】
任意選択的に、対象物204の領域202は、血管、動脈、静脈、リンパ管、管腔(例えば、室、管)を含む脳脊髄液(CSF)、消化器系に関連する空気充填管腔(例えば、腸)、および、泌尿器系に関連した尿充填管腔((例えば、尿管)のうちの1つまたは複数を含む。
【0074】
任意選択的に、蛍光照明投与装置206は、蛍光照明剤(複数可)(例えば、造影剤)を対象物204の領域(複数可)202に注入する。蛍光照明管理装置206は、例えば手、動注射器、規定量の蛍光照明剤を規定の時間注入するようにプログラムされた自動注射器、静脈内(IV)点滴、経口投与剤(すなわち、薬剤を飲むこと)、または他の実施態様として実施することができる。
【0075】
コンピューティングユニット210は、例えば、クライアント端末、サーバ、コンピューティングクラウド、モバイル装置、デスクトップコンピュータ、シンクライアント、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ウェアラブルコンピュータ、メガネ型コンピュータ、および時計型コンピュータとして実装することができる。コンピューティングユニット210は、
図1を参照して説明されている動作のうちの1つまたは複数を実行したローカルに記憶されたソフトウェアを含むことができ、および/または、例えば、クライアント端末(複数可)214にサービス型ソフトウェア(SaaS)を提供し、クライアント端末(複数可)214へのローカルダウンロードのためのアプリケーションを提供し、および/またはウェブブラウザなどを通じてクライアント端末214への遠隔アクセスセッションを使用して機能を提供する、ネットワーク216を介して1つまたは複数のクライアント端末214にサービス(例えば、
図1を参照して説明されている動作のうちの1つまたは複数)を提供する1つまたは複数のサーバ(例えばネットワークサーバ、ウェブサーバ、コンピューティングクラウド)として動作することができる。
【0076】
コンピューティングユニット210は、1つまたは複数のイメージングインターフェース(複数可)218、例えば有線接続、ワイヤレス接続、他の物理的インターフェース実施態様、および/または仮想インターフェース(例えばソフトウェアインターフェース、アプリケーションプログラミングインターフェース(API)、ソフトウェア開発キット(SDK))を使用して、画像センサ207A~Cによって捕捉されたイメージングデータを受信する。
【0077】
例えばランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、および/または記憶装置、例えば不揮発性メモリ、磁気媒体、半導体メモリ装置、ハードドライブ、リムーバブル記憶装置、および光媒体(例えばDVD、CD-ROM)などのプログラムストア212は、処理装置204によって実施可能なコード命令を記憶する。例えば、プログラムストア212は、
図1を参照して説明されている方法の1つまたは複数の動作を実行するコード命令212Aを記憶することができる。
【0078】
コンピューティングユニット210は、例えば(本明細書に記載されるように)3D画像を生成するために使用される訓練された時間類似度指数分類器、ならびに(本明細書に記載されるように)対象物の領域の画像を安定させ、および/または光散乱を補正するために使用される適応フィルタなどの、データを記憶するためのデータリポジトリ220を含むことができる。データリポジトリ220は、例えば、メモリ、ローカルハードドライブ、取り外し可能記憶ユニット、光ディスク、記憶装置として、および/または遠隔サーバ222および/またはコンピューティングクラウド(例えば、データインターフェース224を使用してネットワーク216を介してアクセスされる)として実装され得る。コード命令212Aは、例えば、処理ユニット208による実行のために実行部分がプログラムストア212にロードされた状態で、データリポジトリ220に記憶され得ることに留意されたい。
【0079】
コンピューティングユニット210は、例えば、ネットワークインターフェースカード、ワイヤレスネットワークに接続するためのワイヤレスインターフェース、ネットワーク接続のためのケーブルに接続するための物理インターフェース、ソフトウェア内で実装される仮想インターフェース、より上層のネットワーク接続を提供するネットワーク通信ソフトウェア、および/または他の実施態様などの、ネットワーク216に接続するためのデータインターフェース224、任意選択的にネットワークインターフェースを含むことができる。コンピューティングユニット210は、例えばネットワーク216を使用して1つまたは複数の遠隔サーバ222にアクセスして、コード命令212Aの更新をダウンロードすることができる。
【0080】
コンピューティングユニット210は、ネットワーク216(または直接リンク(例えば、ケーブル、ワイヤレス)および/または間接リンク(例えば、サーバなどの中間のコンピューティングユニットを介して、および/または記憶装置を介して)を通じてなど、別の通信チャネル)を使用して、以下の1つまたは複数と接続することができる。
*例えば、コンピューティングユニット210がSaaSを提供するサーバとして機能するときはクライアント端末(複数可)214。
*例えば、サーバ222が、例えば患者に対する手術中に医療支援を提供する専門家による遠隔観察のために、生成された3D画像を提示することができる遠隔モニタサーバの一部である場合、サーバ222。
*生成された3D画像、および/または3D画像を構築するために使用されるデータ、例えば画像センサ207A~Cによって捕捉された画像のシーケンスのうちの1つまたは複数を記憶する、サーバ222によってホストされる記憶装置。サーバ222によってホストされる記憶ユニットは、例えば、ストレージサーバ、コンピューティングクラウドストレージサーバ、または他の実施態様として実装されてもよい。
【0081】
コンピューティングユニット210は、ユーザがデータを入力すること、および/または提示されたデータを見ること、および/または生成された3D画像を見ることを可能にするユーザインターフェース226を含むかまたはそれと通信する。例示的なユーザインターフェース226は、例えば、タッチスクリーン、ディスプレイ、キーボード、マウス、ならびにスピーカおよびマイクロフォンを使用する音声起動ソフトウェアのうちの1つまたは複数を含む。
【0082】
図1を参照して説明される方法の1つまたは複数の動作は、コンピューティングユニット210の処理ユニット(複数可)208によって実行されるプログラムストア212に記憶された(および/またはデータリポジトリ220に記憶された)コード命令212Aによって実施され得る。
【0083】
102において、対象物204の領域202の蛍光照明の画像のシーケンスが各画像センサ207A~Bから受信される。各シーケンスは複数の画像を含み、各画像はシーケンス内の前の画像および次の画像から一定の時間間隔だけ分離されている。シーケンスは同時におよび/または並行して捕捉されてもよい。
【0084】
任意選択的に、各画像は、取得時間、例えば絶対時間(すなわち、グローバルクロックに対する)および/または相対時間(例えば、前の画像からの経過時間)を示すタグと関連付けられる。相対時間を決定する例示的な方法は、例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれるG.Molodij,E.N.Ribak,M.Glanc,およびG.Chenegros「Enhancing retinal images by extracting structural information」(Opt.Comm.313,321-328 (2014)))によって説明される。
【0085】
例えば、画像センサ207A~Cは、マウスの脳の血管をイメージングするように位置決めされ、腫瘍の血管をイメージングするように位置決めされ、脳神経外科手術を受けている人間の血管をイメージングするように位置決めされ、または他の適用シナリオを受ける。
【0086】
3-Y設定は、マルチステレオイメージング手法に基づく。3つの独立した視差データセットが生成され、本発明者らは、これらが、(本明細書に記載されるように)有効な歪み行列を計算するため、および3Dイメージング空間内の領域(および/または他の構造)の位置を計算するための最小値であることを発見した。時間指数化(本明細書では時間類似度指数とも呼ばれる)を適用することによって、対象物204の正確なグローバル形状を得ることができる。本明細書に記載のパラメータをともに処理する(例えば、統計的分類器および/またはニューラルネットワークを使用して)領域202の微細な詳細情報(例えば、脳の血管3Dアーキテクチャ)が決定される。
【0087】
103において、LSIデータがレーザおよび/またはセンサ207Dから受信される。受信画像は、センサ207Dによって捕捉されたレーザスペックル投影の反射に基づいて生成される。独立した基準としてLSIを使用して、リアルタイムで3D画像を生成する(ブロック108)ために、LSIを使用することができる。LSIは、例えば、無傷の頭蓋骨を通じてイメージングするときに、散乱による歪みを補正するために使用することができる。
【0088】
LSIデータは、蛍光照明とは独立してグローバル形状の代替基準として取得され得る反射性の複数の視差画像データを含み得る。
【0089】
LSIは血管の3Dフローマップを決定するために使用されてもよい。フローマップは、血管の位置の作成されたボリュームデータセットと相関し得る。LSIは、ボリュームデータセットの領域の3D座標を補正するために使用され得る。例えば、特定の画素が血管(すなわち領域)の一部であることを決定する分析(例えば、ブロック104を参照して説明される)が、LSIデータを使用して補正され得る。例えば、血管として識別され、LSIデータが血流を示す画素が、血管として確認され得る。例えば、最初は血管として識別されたがLSIデータに基づくと流れている血液と関連付けられない画素は、そのような画素が血管ではないことを示すように補正することができる。
【0090】
ここで
図1に戻って参照すると、104において、任意選択的に領域の画素(例えば、ピクセル、ボクセル)の深度値を設計することによって、対象物の各それぞれの領域の深度を示すボリュームデータセットを作成するために、シーケンス(複数可)が分析される。ボリュームデータセットは、深度マップ、または深度行列(特定の視点に対する)、またはイメージング空間内の座標、または他の実施態様として表現され得る。
【0091】
例示的な分析方法は、ブロック106A~Fを参照して説明される。ブロック106A~Bを参照して説明される方法は、各画素の深度(すなわち位置)を示すボリュームデータセットを生成するために、並行して、および/または順次に、および/または組み合わせて実行することができる。任意選択的に、ブロック106C~Fを参照して説明される方法は、ボリュームデータセットを改善するために、例えば、ボリュームデータセットの正確度および/または解像度を向上させるために、並行して、および/または順次に、および/またはブロック106A~Bを参照して説明した方法と組み合わせて実行することができる。
【0092】
ボリュームデータセットは、2つの関心領域間の画像位置整合方法である局所相関追跡技法(LCT)に基づいて生成することができる。
【0093】
画像のシーケンスの分析は、訓練された時間類似度指数分類器を使用して実行することができる。本明細書において使用される場合、時間類似度指数分類器という用語は、機械学習方法、例えば、ニューラルネットワーク、統計的分類器、決定木、一連の規則、回帰方法、サポートベクタマシン、k最近傍などを意味する。訓練された時間類似度指数分類器は、(例えば、ブロック106Aを参照して説明されている計算された視差データセットに基づく)各それぞれの画素の計算された初期位置と、(例えば、ブロック106Bを参照して説明されている計算された時間類似度指数に基づく)各それぞれの画素における蛍光イメージングの変化のパターン(複数可)とを入力として受信し、各それぞれの領域の位置および/または各領域の画素の計算された最大相関に基づいてボリュームデータセットを出力する。最大相関は、局在化、時間指数化、および/またはシステムの対称性に応じて確率論的推定器として実装することができる最大確率推定値を使用して計算することができる。3D画像はボリュームデータセットに基づいて生成することができる。
【0094】
任意選択的に、各領域(例えば血管)の各画素(例えば点、画素、ボクセル)の深度(すなわちZ座標)を補正するために時空間歪み補償行列(STDCM)が計算される。STDCMは、対象物に対する特定の観察方向に垂直な領域(例えば点、ボクセル)の深度の行列(または他の表現の実施態様)である。STDCMは、深度座標を補正するために、深度座標の初期ボリュームデータセットに適用することができる重み付き係数を含む。STDCMは、3Dグローバル形状(例えば頭蓋)のx-y-z座標を補正するために使用することができ、3Dグローバル形状(例えば頭蓋)内の各領域(例えば血管)の3D(x-y-z)位置のレンダリングを可能にする。STDCMは、ブロック106Aおよび/または106Bを参照して説明されている方法に基づいて計算され、ブロック106C~Eを参照して説明されている方法に基づいて計算されてもよい。本明細書において説明するように、STDCMは複数の空間的および/または時間的パラメータを考慮に入れる。
【0095】
任意選択的に、105において、適応フィルタが各シーケンスに適用される。適応フィルタは、ブロック104および/または106A~Fを参照して説明されている分析の前および/または間に適用される、シーケンスの分析の一部として適用することができる。
【0096】
適応フィルタは、対象物のイメージング領域を安定させ、および/または光散乱を補正するように設計されている。適応フィルタは、各画素の位置の空間解像度を向上させるように設計されている。適応フィルタは、蛍光照明の強度の変動中にノイズを減らすように設計されている。
【0097】
経皮イメージングが行われるとき(すなわち、対象が生きている哺乳動物であり、蛍光照明領域が体内の血管および/または他の流体充填管腔であるとき)、適応フィルタは、皮膚を含む拡散層からの光の散乱を除去および/または低減するように設計される。
【0098】
適応フィルタは、画像のシーケンスの蛍光強度変動の間に空間解像度を改善し、および/またはノイズを低減するように設計されている。適応フィルタは、可視イメージング領域が時間とともに急速に変化するのにかかわらず適用される。適応フィルタは、3Dフーリエ変換に基づくカッパ-オメガ適応フィルタと呼ばれる天文計算技法に基づいて実施することができる。適応フィルタは、脳血管系の動的光学イメージング中に取得される運動劣化画像の教師なし画像レジストレーションの品質を著しく向上させる。
【0099】
(優ガウス仮定における)深視野散乱除去が適用されてもよい。画像のぼけをもたらす多重散乱は、未知のカーネルとの畳み込みの結果としてモデル化され得る。散乱媒質の点広がり関数は、例えば、生物学的組織の光学モデルに従って実行されるモンテカルロシミュレーションを使用して取得され得る。
【0100】
蛍光放射は、測光再構成においてランベルト面として作用すると仮定され得る。画質を改善するために、優ガウス背景減算を適用することができる。ある方向に伝播する波の減衰は、例えばTatarskii,V.I.「The effects of the turbulent atmosphere on wave propagation」( Jerusalem:Israel Program for Scientific Translations,1971)を参照して説明されているように、他の方向における(エネルギーの保存による)散乱に起因すると考えられる。大気の乱流を通るレーザービーム伝播または星間媒質を通る光のような光子伝播を記述するための散乱の確率論的手法は、例えば、Hill,R.J.,Frehlich,R.G.「Probability distribution of irradiance for the onset of strong scintillation」(JOSAA,14,I7,1530-1540 (1997)),Andrews,L.C.,Phillips,R.,L.,Sasiela,R.J.,Parenti,R.「PDF Models for Uplink to Space in the Presence of Beam Wander 」(Proc.of SPIE Vol.6551,655109,(2007)),およびJohnson,M.D.; Gwinn,C.R.「Ultra-high-resolution Intensity Statistics of a Scintillating Source」(Ap.J.,755,2,(2012))に記載されているように、散乱効果に適合することができるスクリーンモデルを定義する確率密度関数に基づく。しかしながら、対照的に、生きている哺乳動物の経皮イメージングでは、蛍光放射は、反射画像より優れている空気中での測光増強をもたらす。蛍光放射は、その等方性放射のためにランバート面として挙動し得る。散乱媒質の点広がり関数は、生物学的組織の光学モデルに従って実行されるモンテカルロシミュレーションにおいて取得され得る。蛍光反射率は、例えば、A.M.Bronstein,M.M.Bronstein,M.Zibulevsky,Y.Y.Zeevi「Quasi-maximum likelihood blind deconvolution of images acquired through scattering media」(Biomedical Imaging:Nano to Macro,IEEE 10.1109/ISBI.2004.1398547 (2004)),I.Sato,T.Okabe,およびY.Sato「 Bispectral photometric stereo based on fluorescence」(Proc.IEEE CVPR,3,6 (2012)),T.Treibitz,Z.Murez,B.G.Mitchell,およびD.Kriegman「Shape from fluorescence」(Proc.ECCV,3,6 (2012)),ならびにZ.Murez,T.Treibitz,R.Ramamoorthi,D.Kriegman「Photometric Stereo in a Scattering Medium」(IEEE International Conference on Computer Vision,10.1109/ICCV.2015.390.(28))、D.Nandy,J.Ben-Arie「Shape from recognition:a novel approach for 3-D face shape recovery」(IEEE Trans. Image Process.,10,206-217 (2001))を参照して説明されるように、測光再構成におけるランバート面として作用する。 放射のために、優ガウススパース関数が、散乱媒質を通した画像復元のための良好な近似を提供する。これは例えば、Bronstein他を参照して説明される。
【0101】
任意選択的に、適応フィルタは、媒質(例えば、皮膚)の散乱効果を除去するための優ガウス背景減算として実装される。優ガウス背景減算は、適切な確率論的手法を提供し得る。数学表現に関しては、以下のようになる。
式中、
I
filt(i,j)は適応フィルタ(すなわち、空間フィルタ関数)を示す。
I
raw(i,j)
は、i×jとして表されるピクセル寸法を有する受信画像のシーケンスの特定の現在の生画像を示す。
σはガウスパラメータを示す。
【0102】
本発明者らは、例えばG.Molodij,E.N.Ribak,M.Glanc,G.Chenegros「Enhancing retinal images by nonlinear registration」(Opt.Comm.342,157-166,2015)を参照して説明されるように、画像情報エントロピーが最小であるときに画像の最適な補正が得られることを見出した。数学的表現の観点からは、最適な補正は以下のように示される。
Icor(i,j)=Iraw(i,j)-Ifilt(i,j)
【0103】
適応フィルタなしで生成された画像と比較した、適応フィルタを用いて生成された画像の例を、
図17~
図18を参照して以下に説明する。
【0104】
ここで、本発明のいくつかの実施形態による、適応フィルタ(カッパ-オメガ適応フィルタ)を同じシーケンスに適用する前402および適用した後404の800枚の積層画像のシーケンスの比較を示す
図3を参照する。シーケンス404は、生画像シーケンス402と比較して、視覚的に鮮明であり(すなわち、ノイズが少ない)および/またはより高い解像度を有する。画質を推定するために、時間的色分け(カラーバー406)がシーケンス402および404に適用される。
【0105】
ここで
図1に戻って参照すると、106Aにおいて、シーケンス(複数可)は、画像センサの各対についてそれぞれの視差データセットを計算するために処理される。例えば、3つの画像センサを有する例示的な3-Y設定では、それぞれの視差データセットはカメラ1-2、2-3、および1-3に基づいて計算される。各視差データセットは、領域の各画素の3D位置を示すボリュームデータを示す。各視差データセットは独立して計算することができる。
【0106】
任意選択的に、視差データセットは、画像空間内の各領域の位置を示すボリュームデータセットを作成するために処理される。処理は、例えば、機械学習方法、任意選択的にニューラルネットワーク、任意選択的に畳み込みニューラルネットワークを使用して実行することができる。畳み込みニューラルネットワークは、任意選択的にオプティカルフロー法を使用して、少なくとも3つの異なる方向から取得された画像の深度を決定するために、局所相関を利用する。3つの視差データセットに基づく記載されている畳み込みニューラルネットワークは、例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれるJ.Zbontar,Y.LeCun,「Computing the stereo matching cost with a convolutional7 neural network」(Proceedings of the IEEE Conference on Computer Vision and Pattern Recognition,2015)を参照して説明されるような、2つのカメラを用いて2つの画像を生成する方法よりも改善された結果(例えば、解像度、正確度)に関して改善された計算効率を提供することに留意されたい。さらなる例示的な方法は、例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれるG.Molodij,E.N.Ribak,M.Glanc,G.Chenegros「Enhancing retinal images by nonlinear registration」(Opt.Comm.342,157-166,2015)に見出すことができる。
【0107】
106Bにおいて、分析は、画素における蛍光照明の強度の経時的な変化を示す1つまたは複数のパラメータおよび/またはパターンを含むことができる、時間形状指数パラメータ(複数可)(本明細書においては時間類似度指数とも呼ばれ、これは本明細書においてはパターン(複数可)とも呼ばれる))の計算に基づく。時間形状指数は、例えば関数などの、経時的な蛍光照明強度変動の挙動(例えばパターン)に関連する時間的パラメータである。パターンは、蛍光照明剤を一切投与されていない少なくとも1つの画像、および、投与された蛍光照明剤の流れパターンを表す複数の画像を含むことができる捕捉されている画像シーケンスに基づいて計算することができる。シーケンスは、蛍光照明剤が対象物の領域から除去された(例えば、血液循環から除去された、および/または無視できる濃度まで十分に拡散された)終端画像を含み得る。
【0108】
時間形状指数という用語は、2つの(または複数のグループの)画素間(例えば、ピクセル、ボクセル)の類似度の推定値を指すことがある。時間形状指数パラメータという用語は、画素の時間発展挙動を示すことがある。パターンという用語は、(必要に応じて)類似した推定時間的挙動、すなわち時間類似度指数に基づいて推定される類似した形状指数パラメータ(複数可)を有する空間構造の結果を示すことがある。
【0109】
時間類似度指数は、投与された蛍光剤との時間動的相互作用に従って領域(例えば内部微細構造)を1つまたは複数の種類に分類する(例えば指数化する)ために使用することができる。
【0110】
任意選択的に、STDCMは、各それぞれの領域における経時的な蛍光強度のパターン(複数可)に関連付けられる計算された時間形状指数パラメータに基づいて計算される。
【0111】
蛍光照明のシーケンスは、蛍光照明の最大強度に至るまでの時間のパターン、および/または蛍光照明の強度がほぼ安定した時間のパターンを決定するために(任意選択的に局所的に、例えば画素ごとに、および/または隣接する画素のグループごとに)分析され得る。
【0112】
画素および/または隣接する画素のグループに関するパターン、例えば、いずれの画素グループが最初に最大蛍光照明への上昇を経験するか、いずれのグループが最後に最大蛍光照度への上昇を経験するか、いずれのグループが最も長い安定した蛍光照度の強度を経験するか、および、いずれのグループが最も短い蛍光照度の強度を経験するかを決定するために、蛍光照明のシーケンスを(任意選択的に大域的に)分析することができる。
【0113】
任意選択的に、分析は、蛍光照明の強度の変化を示す類似のパターンを有するリンク画素に基づいて、領域ごとにおよび/またはグループごとに実行される。
【0114】
パターンに基づく分析は、領域の種類を決定するために実行される。例示的な種類は、血管の分岐、より低い組織レベルにある第2の血管に交差するより高い組織レベルにある第1の血管、動脈、静脈、リンパ管、管腔を含む脳脊髄液(CSF)、消化器系に関連する空気充填管腔、および泌尿器系に関連する尿充填管腔を含む。
【0115】
種類を決定するためのイメージング要素のパターンおよび/またはグループに基づく例示的な分析方法は以下を含む。
*画素にわたる分岐部または交差部における蛍光照明のパターンによって、血管の交差から血管の分岐を区別すること。分岐はほぼ同時に起こる(すなわち、血管内の血液が分岐において同時に分かれる)と仮定される一方で、異なる血管の交差は異なる時間に起こると仮定される(すなわち、血管の位置に応じて各血管が蛍光剤で充填されるにつれて)。
*最大蛍光照明の時間に応じて静脈から動脈を区別すること。例えば、動脈は最初に蛍光剤で充填され、その後静脈が充填されると仮定される。
*定義済みの種類と関連付けられた(例えば、タグ付けされた)3D画像データを使用して訓練された構造指数類似度分類器を使用して種類を識別すること。構造指数類似度分類器は、訓練イメージングデータ内の同じ3D位置に(および/または互いに対して)配置された構造に基づいて、3D位置においていずれの構造を予測すべきかに従って画素および/または領域を分類することができる。例えば、特定の血管が特定の位置において訓練画像の70%に現れる、ならびに/もしくは特定の血管が、70%において現れる解剖学的構成を有するとき、画素は特定の血管として分類することができる。
【0116】
計算された時間形状指数パラメータは、空間的位置に従って構造および/または機能(すなわち現象)を解像するために使用され得る。任意選択的に、識別された構造(複数可)および/または機能(複数可)は、例えば、特定の位置にある構造および/または機能に従って特定の位置にある領域を色分けすること(または他のラベリング方法)によって、ボリュームデータと相関される。代替的にまたは付加的に、構造(複数可)および/または機能(複数可)は、特定の位置における予測される構造および/または機能を考慮して識別され、例えば、ある血管が別の識別された血管の隣にあると予測される場合、血管の存在を、時間形状指数によって検証することができる。例示的な構造(複数可)および/または機能(複数可)は、微細構造詳細、血管の種類(すなわち、動脈または静脈)、血管の分岐または血管の交差を示すトポロジ、血管分類問題、蛍光造影剤溢出、および正常な機能状態または異常な挙動の識別のうちの1つまたは複数を含む。
【0117】
任意選択的に、計算された時間類似度指数は、組織を通じた蛍光の伝播の前に散乱前駆体を局在化するために使用される。
【0118】
本発明者らは、画素(および/または領域および/またはグループ)の種類への分類は、最大蛍光強度までの時間、ならびに、経時的な蛍光強度の類似度(すなわち、複数の画像にわたる維持)および/または近傍の画素の蛍光強度パターンの類似度(類似度要件による)を含む、それぞれの画素において計算される少なくとも2つのパラメータを用いて実行することができることを発見した。最大蛍光強度への比較的遅い上昇時間の識別は、種類の分類に関する感受性が高い。異なる画素においては異なる蛍光照明パターンが重なり合っていることに起因して、血液が血管を通って流れるとき、遅い立ち上がり時間は血管を通る血流(すなわち、血液内の蛍光剤)に対応するものとして分析され得る。互いに連続している近傍の画素にわたる蛍光強度パターンの類似度は、連続した血管の存在を示し得る。経時的な蛍光強度パターンの類似度は、例えば血管内の血流を遮断する動脈瘤または凝血塊のような、血液の停滞を示す可能性がある。
【0119】
(類似度要件、例えば相関値閾値またはパターン間の相関類似度を示す範囲、および/または、パターン間の時間類似度指数に従って)類似した(または同じ)種類を有しおよび/または類似するパターンを有すると識別された画素および/またはグループは、類似の色を割り当てることができる。類似度要件は、例えば、信号取得における誤差のマージンを考慮するために、および/または臨床的に重要なパターンをともにグループ化するために選択され得る。
【0120】
任意選択的に、蛍光照明のパターン(任意選択的に画素ごとおよび/またはグループごと)は時間関数として表現される。任意選択的に、パターン間の類似度は、時間関数間の類似度に基づいて計算される。任意選択的に、時間関数間の類似度を示す時間類似度指数が計算される。時間類似度指数は、人間が知覚できる対数感度(例えば、ウェーバーフェヒナー対数則)および/または2つの関数間の統計的距離により提供される構造的情報(例えばマンハッタン距離)を考慮に入れる。
【0121】
数学表現に関しては、以下のとおりである。
Ic(t)は現在の時間関数を示す。
Ir(t)は基準時間関数を示す。
代替的にまたは付加的に、記載されている時間類似度指数(本明細書においては構造類似度指数とも呼ばれる)は、べき乗則によって説明される共通感覚の感度(例えば、K.Brecher「Should Astronomy Abolish Magnitudes? 」( American Astronomical Society,199th AAS Meeting,id.40.02; Bulletin of the American Astronomical Society,33,1363,2001)を参照して説明される)および2つの関数から得られる構造情報(例えば、2つの関数から導出されるマンハッタン距離によって得られる)を考慮に入れる。数学的表現に関して、以下の関係が、計算された時間類似度の改善された効率を表すことができる。
【0122】
Siは、Ir(t)で示される基準時間関数との比較によってIc(t)間の相対距離(すなわち、現在の時間関数)を定義する時間的評価を示す。Siが計算されるとき、δ
dの値は代替的に以下の関係に従って計算されてもよい。
【0123】
Siは基準関数Irの最大値に関係付けられる。項δdにおいて、測定値はコントラストに関係付けられる。2つの関数間の構造関係は、例えば、| Ic(t) - Ir(t) |として示されるマンハッタン距離による、基準画像と現在の画像との間の比較に由来する。
【0124】
本明細書において論じられているように、時間類似度指数は、投与された蛍光剤との時間動的相互作用に従って内部構造を1つまたは複数の種類に分類する(例えば指数化する)ために使用することができる。より頻繁なおよび/または通常のパターンを検出することができ(例えば、脳内などの主幹動脈)、および/または、他の様態で隠れた異常(例えば、出血性脳卒中に起因する脳血管からの血液のゆっくりとした漏出、および/または腫瘍における異常な血管形成)を検出することができる。パターンは、例えば、蛍光照明の最大強度に達するまでの時間および/または蛍光照明の強度の安定性を示す。(例えば、類似度要件、例えば構造的距離に従って)類似したパターンを有する画素は、例えばメタデータタグおよび/または各グループを示す色によってともにグループ化される。グループ化された画素は、構造および/もしくは機能を示す1つまたは複数の所定の種類として識別することができ、または、構造詳細を解像して、例えば動脈と静脈との間で区別するために使用される。
【0125】
時間関数間の類似度を計算するためのさらなる例示的な方法は、例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれるG.Molodij,E.N.Ribak,M.Glanc,G.Chenegros「Enhancing retinal images by nonlinear registration」(Opt.Comm.342,157-166,2015)に見出すことができる。
【0126】
ここで、本発明のいくつかの実施形態による、(類似度要件に従って)類似のパターンを有する画素に従って色分けされた第1の画像502および第2の画像504を含む
図4を参照する。パターンの類似度は、シーケンスの画像にわたる各画素における照明のパターンに基づいて計算される。任意選択的に、類似のパターンは血管の種類に従って分類される。画像502は動脈(赤)を示し、画像504は静脈(青)を示す。
【0127】
ここで、本発明のいくつかの実施形態による、
図4の画像502および504を重ね合わせることによって作成された画像である
図5を参照する。
【0128】
ここで
図1に戻って参照すると、任意選択的に、106Cにおいて、等方性基準が計算される。等方性基準は、3D画像が等方性基準に従って生成されるときに、生成される3D画像の空間解像度を向上させる。
【0129】
等方性基準を使用して、任意選択的に適応的教師なし技法を実行することによって、点広がり関数(PSF)を計算することができる。最適な点広がり関数は、空間解像度の改善および/または画像ボリューム補正に使用され得る。
【0130】
等方性基準は、統計的方法を使用して、任意選択的にエルゴード原理の仮定に基づいて、3D画像の解像度を自動的に定量化するために使用され得る。ここで使用される場合、エルゴード原理は、経時的な平均推定値が空間的な平均推定値と等価であることを示す確率論的原理である。
【0131】
PSFは、例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれる G.Molodij,S.Keil,T.Roudier,N.Meunier,S.Rondi,「Method for single image restoration based on the ergodic principle」(J.Opt.Soc.Am.A.27(11),2459-2467,2010)を参照して説明されるように、エルゴード原理の仮定に基づいて、正確なラプラスおよび相互相関の単一の生画像への重ね合わせから抽出することができる。PSFは、既存の方法、例えばブラインドアルゴリズム、またはルーシー-リチャードソンアルゴリズムへの入力として決定され実装されてもよい。
【0132】
安定性推定器に基づく画質評価を使用して最適なカーネルを評価することができることに留意されたい。そのような安定性評価は、エルゴード原理に基づく単一画像に対するリアプノフ指数の適応に基づいて実行されてもよい。安定性推定器の決定は、生画像と生成された画像との間の空間平均勾配値から推定することができる。複素係数Scの虚数部の値は、可能な限り大きい二次多項式フィットが割り当てられる安定性の推定値を示す。基準画像が存在するとき、Scは最小である。Scは次のように示される。
【0133】
代替的または付加的に、106Dにおいて、領域の蛍光照明の強度の変化の分析に基づいて動き推定器が計算される。動き推定器は、動きアーチファクトを補正するために深度位置のボリュームデータセットに適用することができる。小さい動きアーチファクトでも貴重な情報を損なう可能性があることに留意されたい。
【0134】
任意選択的に、動き推定器は、経時的に(すなわち、シーケンス内の複数の画像にわたって)各画素(例えば、点、画素、ボクセル)の位置を検証するKオメガ適応的動き推定手法に基づく。
【0135】
任意選択的に、動き推定器は、一切の基準のない生画像を使用した復元安定性の推定に基づいて、画質評価に使用される。
【0136】
代替的にまたは付加的に、106Eにおいて、蛍光照明の散乱を補償する、および/または血管から漏出する蛍光照明剤の拡散を推定するデコンボリューションパラメータ(複数可)が計算される。ボリュームデータセットを補正するために、デコンボリューションパラメータ(複数可)を深度データのボリュームデータセットに適用することができる。補正されたボリュームデータセットは、領域の改善された空間解像度を含むことができる。
【0137】
デコンボリューションは、画像のバリが畳み込み関係(例えば、関数)によって数学的に表され得るという仮定に基づいて、画像の品質(例えば、空間解像度)を改善する画像復元方法である。
【0138】
デコンボリューションパラメータは、ブロック106Bを参照して説明されている蛍光強度の決定されたパターンに基づいて計算することができる。
【0139】
無傷の頭蓋骨および無傷の皮膚を通してイメージングする場合、散乱は特に問題となり得ることに留意されたい。
【0140】
デコンボリューションは、教師なし画像復元方法に基づいて計算することができる。
【0141】
デコンボリューションは、計算されたPSFに従って計算されてもよい。
【0142】
代替的または付加的に、106Fにおいて、構造テンソルが、画像センサのそれぞれの視差シフトに基づいて計算される。ボリュームデータセットは、3D画像内の領域の深度および/または視差感度を改善するために、計算された構造テンソルに従って計算(および/または補正)される。
【0143】
構造テンソルは、例えば、蛍光照明されている血管の深度および/または視差の計算を改善するために、深度データのボリュームデータセットの深度および/または視差感度を改善するために計算される。構造テンソルは、イメージング要素(例えば、ピクセル、ボクセル、他のイメージング要素)、またはそれらのグループに対して計算することができる。
【0144】
構造テンソルは、画像センサが、皮膚の表面下の組織(例えば、血管)から放射される蛍光の画像を捕捉するためにイメージングされている対象の哺乳動物の皮膚の外部に配置されている、経皮イメージングに基づいて捕捉された画像シーケンスに対して計算され得る。
【0145】
ボリュームデータセットの深度および/または視差を改善するための構造テンソルの計算は、例えば、相関窓のサイズによって制限される、および/または雑音のあるデータに適用される相関ベースの技法などの他の方法によって得られる解像度と比較して、拡散媒質(例えば、皮膚、組織)の下にあるイメージングされる構造(例えば蛍光を含む血管)の明瞭さおよび/または正確度を改善することによって、計算ユニット210の計算効率を改善する。
【0146】
局所深度は、任意選択的に時間分析(例えば、時間類似度指数に基づく分析としても参照されている、動作106を参照して説明されているような)と組み合わせて、および/または適応フィルタリング(例えば、動作105を参照して説明したような)と組み合わせて対象物204に対する画像センサ(例えば、207A~C)の相対的な向きから推測される。
【0147】
108において、(例えば、それぞれの領域を表す各画素の位置を記憶することによって)各領域の位置を記憶するボリュームデータセットに従って3D画像が生成される。任意選択的に、3D画像は、複数の視差データセットに従って生成され、領域の位置の補正は、本明細書で説明されるように実行される。
【0148】
任意選択的に、3D画像は、任意選択的に機械学習方法、任意選択的に畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を使用して、オプティカルフローに基づく再構成プロセスを使用して生成される。CNNは、最小量の前処理を使用して計算を実行するように設計されてもよく、それによって計算ユニットの計算効率が改善する。
【0149】
(類似度要件、例えば相関値閾値またはパターン間の相関類似度を示す範囲に従って)類似した(または同じ)種類を有しおよび/または類似するパターンを有すると識別された画素は、類似の色を割り当てることができる。
【0150】
任意選択的に、ボリュームデータセットの識別された領域(例えば、領域の種類)は、計算された種類を示す視覚的マーカ(複数可)と関連付けられ、例えば、カラー画素は、種類に従って色分けされ、および/または、画素の強度が種類に従って指定される。割り当てられた視覚的マーカ(複数可)に基づいて3D画像が生成される。代替的または付加的に、(類似度要件に従って)類似のパターンを有する画素には類似の色が割り当てられる。
【0151】
110において、生成された3D画像はローカルに(例えばディスプレイ226上に)提示され、ローカルに(例えばデータリポジトリ220に)記憶され、および/または、遠隔提示および/または遠隔記憶のために遠隔ロケーション(例えばクライアント端末(複数可)214、サーバ(複数可)222)に送信される。
【0152】
112において、ブロック102~110が、例えば脳神経外科手術などの医療処置中に、および/または例えば患者の脳卒中の進行を監視するために監視プロセスの一部として、リアルタイムで任意選択的に繰り返される。生成された3D画像は、画像のシーケンスとしておよび/または動画として動的に更新することができる。
【0153】
ここで、本発明のいくつかの実施形態による、対象物に適用される、蛍光照明の時間的に離間された画像のシーケンスに基づいて対象物の3D画像を生成するためのプロセスの例示的なデータフローを示すブロック図である
図6を参照する。
図6を参照して説明されるデータフローは、
図1を参照して説明されている方法、および/または
図2を参照して説明されたシステム200に基づいてもよく、および/またはそれに従って埋め込まれてもよい。
【0154】
データフロー302は、生画像シーケンスを生成するプロセスを示す。カメラ304が複数のフレーム306を取得する。フレームは一定の時間間隔だけ互いに分離されている。フレームは時間308に関連付けられており、任意選択的にクロックに従って現在の時間がスタンプされている。フレームは生画像シーケンス(RIS)310として記憶される。
【0155】
データフロー312は、3つの視差データセットの計算を示す。各カメラ(すなわち、画像センサ)314A~Bは、投与された蛍光照明剤(複数可)を有する1つまたは複数の領域318を含む対象物316のRISを捕捉する。RISは、領域318の位置の深度データを含む視差データセット322A~Cを計算するために視差計算コード命令320(例えば、計算ユニットのプロセッサ(複数可)によって実施される)によって処理される。視差データセット322Aは、カメラ314Aおよび314Bに基づく。視差データセット322Bは、カメラ314Aおよび314Cに基づく。視差データセット322Cは、カメラ314Bおよび314Cに基づく。視差データセット322A~Cは、STDCMとして実装され得る。
【0156】
データフロー324は、取得されたRISに基づく3D画像(すなわち3Dモデル)の計算を示す。 RIS 326A~Cは、データフロー302によって説明されるようにカメラによって取得される。RIS 326A~Cは次の目的で(並列および/または順次および/または独立して)使用される。
*データフロー312を参照して説明されているように、対象物の領域の位置のボリュームデータセット330を提供するために使用される深度行列328を計算するため。ボリュームデータ330は、STDCMの計算に基づいて再構成することができる。
*本明細書で説明するように、時間感度指数332を計算するため。これは、構造を認識し、隠された詳細334を復元するために使用される。
*生成された3D画像の空間解像度338を改善するために使用される等方性基準336を計算するため。
【0157】
ボリュームデータ330、構造認識および隠された詳細334、ならびに改善された空間解像度338のデータは、対象物内の領域の画像再構成340を実行するために処理される。本明細書で説明するように、3Dモデル342が生成され、これは構造の種類を示す演色344と関連付けることができる。
【0158】
ここで、本発明のいくつかの実施形態による、本発明者らによって実施されたイメージング実験の例示的な3-Y設定の写真602、604を含む
図7を参照する。模型形状は脳をシミュレートするために使用された。チューブを用いて血管をシミュレートした。蛍光照明剤をチューブに注入して血管内の血液の循環をシミュレートした。画像606A~Cは、3-Y設定の異なる画像センサによって捕捉された、模型および投与された蛍光剤で充填されたチューブの生画像を表す。
【0159】
ここで、本発明のいくつかの実施形態による、
図7の3-Y設定を使用して生成され、本明細書に記載のシステムおよび/または方法を使用して計算された3D画像を示す
図8を参照する。3D画像は、3つの異なる見やすい点において回転して示される。チューブ間の相対位置(チューブ交差の上または下)を知るために、深度再構成の感度が人工的に増強される(交差領域におけるチューブの隆起を使用して)。チューブ自体の精密な形状は、本明細書に記載のように、例えば、本明細書に記載のニューラルネットワークプロセスを用いた二次処理から導き出すことができる。
【0160】
ここで、本発明のいくつかの実施形態による、3-Y設定を使用して捕捉された3Dグローバル形状(すなわち、3D画像を生成するために使用されるボリュームデータセットとも呼ばれる深度マップ)の画像である
図9を参照する。深度マップは、ある視点に垂直な(
図7に示された構成の)チューブの表面の距離に関するデータを含むグレーレベル画像または行列として表される。
図9に示される画像は、本明細書に記載される時間指数化を使用せずに計算され、高解像度かつ高品質の3D画像を生成する際の時間指数化の寄与を強調する。視差を決定するために、3-Y設定からの局所相関追跡技法が使用される。グレーレベルは深度を示す。蛍光照明の構造および散乱が混合し、粗い形状になっていることに留意されたい。これは、本明細書に記載された方法が高品質の3D画像を生成する際の散乱に対して的確であることをさらに強調する。
【0161】
ここで、本発明のいくつかの実施形態による、
図7に示される設定のチューブの複数の位置のうちの1つの位置の微細構造詳細に関する構造化形状を示す、計算されたSTDCMに基づいて生成された画像である
図10を参照する。
図9に対する
図10の改善に留意されたい。
図10の画像は、本明細書で説明されている時間指数化を使用した深度再構成を含む。グレーレベルは深度を示す。微細構造(チューブ)は3D形状再構成において考慮される。
【0162】
ここで、本発明のいくつかの実施形態による、本明細書に記載の3-Y設定の3つのカメラのうちの2つの間の視差データセットを計算するための設定を示す概略図である
図11を参照する。
【0163】
ここで、本発明のいくつかの実施形態による、
図11に示す設定を使用して生成された3D画像を含む
図12を参照する。STDCMは、本明細書に記載されている時間指数化に基づいて計算され、3D画像を生成するために使用される。
【0164】
ここで、本発明のいくつかの実施形態による、
図11に示す設定に基づいて生成された、2つの深く根付いた血管網の3Dトポロジ上の表示の画像である
図13を参照する。
図13の画像は、生成された3D画像における微細な詳細を示している。動脈802が赤色で示されている。静脈804が青色で示されている。本明細書に記載されている(例えば、ブロック106Bを参照して)時間指数化は、2つの深く根付いた血管網(すなわち、動脈および静脈)の3Dトポロジを抽出するために局所相関から2つの歪み行列を決定するために使用される。再構成の精度は、
図11の2つの設定カメラ(1つの視差測定)によって制限されることに留意されたい。
【0165】
ここで、本発明のいくつかの実施形態による、自動画像復元方法の一例を示す画像を含む
図14を参照する。ぼやけた画像902は、例えばブロック106Cを参照して本明細書で説明されるように、等方性基準自動化方法、および、基準を用いない安定性推定を使用して画像904に復元される。
【0166】
ここで、本発明のいくつかの実施形態による、実際の経皮イメージングに対する自動画像復元方法の一例を示す画像を含む
図15を参照する。ぼやけた画像1002は、例えばブロック106Cを参照して本明細書で説明されるように、等方性基準方法を使用する画像復元方法を使用して画像1004に復元される。
【0167】
ここで、本発明のいくつかの実施形態による、(例えば、ブロック106Cを参照して説明したような)等方性基準方法およびKオメガレジストレーション方法を用いた画像復元方法がシーケンスに適用された後に、
図15の画像データに適用される(例えば、ブロック106Bを参照して説明したような)時間類似度指数化方法を用いて生成された画像の例である
図16を参照する。
【0168】
ここで、本発明のいくつかの実施形態による、3D画像の品質に対する適応フィルタの効果を評価するための、模型を用いた実験室実験の一部として計算された3D画像1702~1706を含む
図17を参照する。評価されている適応フィルタは、本明細書で説明されるように、Ifilt(i、j)と示される優ガウス背景減算として実施された。(例えば
図2のシステム200および/または
図5を参照して)本明細書に記載されているシステム設定および本明細書に記載されるような画像シーケンスの処理(例えば、
図1および/または
図6)を使用して、蛍光が模型内の管に入ったときに模型の画像のシーケンスを捕捉することによって、画像1702~1706を作成した。
【0169】
画像1702は、拡散層(例えば、皮膚をシミュレートする)を通して模型を観察する画像センサによって捕捉された画像シーケンスから作成される。画像1702は、画像1704および画像1706と比べて比較的低い解像度であることに留意されたい。さらに、画像1702の場合、画像のシーケンスから模型の蛍光充填チューブの照射の程度を決定することは、画像1704および1706と比較してより困難である。
【0170】
画像1704は、画像1702を作成するために使用されている生画像シーケンスに適応ガウスフィルタを適用することによって作成される。散乱効果は(画像1702と比較して)画像1704から取り除かれており、(画像1702と比較して)画像1704におけるチューブの照射の程度は明確に識別されることに留意されたい。
【0171】
画像1702および1074との相対比較のために、拡散層なしで蛍光が模型内のチューブに入ったときに模型の画像のシーケンスを捕捉することによって画像1706が作成されている。
【0172】
ここで、本発明のいくつかの実施形態による、3D画像の品質に対する適応フィルタの効果を評価するための、実験の一部として捕捉された画像のシーケンスから計算された例示的な3D画像1802~4を含む
図18を参照する。画像1802~4は、皮膚を通した脳血管新生の実際の観察から捕捉された画像のシーケンスから計算された。(例えば
図2のシステム200および/または
図5を参照して)本明細書に記載されているシステム設定および本明細書に記載されるような画像シーケンスの処理(例えば、
図1および/または
図6)を使用して、蛍光が脳内の血管に入ったときに頭蓋の画像のシーケンスを捕捉することによって、画像1802~4を作成した。
【0173】
画像1802は、適応フィルタを適用せずに、(適応フィルタによって補正されなかった)散乱光を含む画像シーケンスに対して時間指数化方法を実施することによって作成された。画像1804は、適応フィルタを適用すること、および、散乱光を除去するように補正された画像シーケンスに対して時間指数化方法を実施することによって作成された。評価されている適応フィルタは、本明細書で説明されるように、Ifilt(i、j)と示される優ガウス背景減算として実施された。本明細書に記載された構造指数化方法は、血管の性質を区別するために色分けを使用して画像シーケンスに対して実施された。動脈1810は赤色で示されている。静脈1812は青色で示されている。皮膚血管1814は緑色で示されている。
【0174】
ここで、本発明のいくつかの実施形態による、捕捉された画像のシーケンスから対象物の各それぞれの蛍光増強領域の深度を示す3D画像を計算するためのニューラルネットワークベースのアーキテクチャ1900の例示的な実施態様を示す概略図である
図19を参照する。ニューラルネットワーク1902は、本明細書において記載されているように、時間指数化を実行し、および/または局所深度を計算し、および/または散乱を低減して、対象物の画像1906の捕捉されたシーケンスから3D画像1904(任意選択的に、構造の種類に従って色分けされている、例えば、動脈、静脈、および皮膚血管の間で区別するために色分けされている)を計算する。捕捉画像1906は、適応フィルタ1908(例えば、
図1の動作105を参照して本明細書で説明されているガウスフィルタ)の適用、ならびに、動きアーチファクト1910の排除および/または低減(例えば、
図1の動作106Dを参照して説明されている)によって散乱光を除去するために処理される。
【0175】
ニューラルネットワーク1902は、
図1を参照して説明した動作106A~Fのうちの1つまたは複数を参照して説明した計算、および任意選択的に
図1の動作108を参照して説明した3D画像(複数可)の生成を実行し得る。
ニューラルネットワーク1902は、例えば、計算ユニット210の処理ユニット(複数可)208による実行のために、計算ユニット210のデータレポジトリ220および/またはプログラムストア212に、および/またはコード212Aの一部として記憶することができる。
【0176】
ニューラルネットワーク1902は、例えば、蛍光強度の高速の動的性質に起因して実施が困難である標準的なセグメンテーション方法を使用する代わりに、ニューラルモード画像のグループごとに蛍光照明の画像のシーケンスを分析して時間のパターンを決定し得る。任意選択的に、ニューラルネットワークは、蛍光照明の強度の変化を示す類似のパターンを有する画素をリンクすることに基づいて(例えば、
図1の動作106Bを参照して説明したように)時間指数化ベースの分析を計算する。
【0177】
ニューラルネットワーク1902の実装は、例えば、生成される3D画像の品質の改善に関して、計算ユニット210の計算効率を改善することに留意されたい。ニューラルネットワーク1902は、対象物の蛍光照明構造の局所的組織化に対して感受性が高いように見え、これは、本明細書に記載の分岐および/または交差のあいまいさの検出のための分析を改善する。
【0178】
ここで、本発明のいくつかの実施形態による、本明細書に記載の分岐および/または交差のあいまいさに対する解像度を示す、(例えば、本明細書に記載されるような、および/または
図19のニューラルネットワーク1902のような)ニューラルネットワークの出力に基づいて計算される3D画像2002を含む
図20を参照する。画像2002は、構造(例えば血管)の分岐および/または交差の明瞭さを示す。画像2002は、ニューラルネットワークなしで他の方法を用いて計算された画像2004と比較される。画像2002~4は、(例えば
図2のシステム200および/または
図5を参照して)本明細書に記載されているシステム設定および本明細書に記載されるような画像シーケンスの処理(例えば、
図1および/または
図6および/または
図19)を使用した、蛍光が模型内のチューブに入ったときに捕捉される模型実験(
図17を参照して説明されている)の画像のシーケンスに基づく。(ニューラルネットワークによって計算される)画像2002に示されるような3D局所空間内のチューブの局所的組織化は、画像2004(ニューラルネットワークによって計算されない)と比較してより正確に決定される。
【0179】
画像2002では、画像2004で明らかなあいまいさと比較して、チューブのあいまいな分岐および/または交差が解像されている。例えば、画像2004を参照すると、接合部2010Aにおいて、チューブ2012Aとチューブ2014Aとが分岐しているのか否か、または、いずれの管がより高く、いずれの管がより低いのかは不明瞭である。あいまいさは画像2002において解像され、対応する接合部2010Bにおいて、対応するチューブ2012Bがチューブ2014Bに交差する(すなわち、チューブ2012Bがチューブ2014Bの上に位置する)ことが明らかである。
【0180】
ここで、本発明のいくつかの実施形態による、画像解像度の改善および/または本明細書に記載の分岐および/または交差のあいまいさの区別の改善を示す、(例えば、本明細書に記載されるような、および/または
図19のニューラルネットワーク1902のような)ニューラルネットワークの出力に基づいて計算される3D画像を含む
図21を参照する。
【0181】
図21の画像は、ニューラルネットワークなしで、他の方法を使用して計算された
図12に示される画像と比較される。
図21の画像は、
図12を参照して説明したように、生きている哺乳動物から捕捉された画像から処理される。
図21の画像は、(例えば、
図2のシステム200および/または
図5を参照して)本明細書に記載されているシステム設定および本明細書に記載されるような画像シーケンスの処理(例えば、
図1および/または
図6および/または
図19)を使用して計算される。(ニューラルネットワークによって計算される)
図21の画像に示す脳血管系の局所的組織化は、
図12の画像(ニューラルネットワークによって計算されない)と比較してより正確に決定される。
【0182】
ここで、本発明のいくつかの実施形態による、本明細書において説明される(例えば、
図1の動作106Bを参照して説明されるような)時間指数化(本明細書では時間類似度指数とも呼ぶ)に従って計算された脳の血管網の3D画像である
図22を参照する。
図22の画像に示されるように、時間指数化は、脳の静脈網の下部構造を区別するための解像度を向上させる。
図22の画像について得られた解像度は、他の既知の方法を用いて得られる解像度よりも良好である。本明細書に記載されるように、時間指数化は、例えば蛍光循環の流動時間遅延を考慮することにより(例えば、より頻繁な通常パターン、隠れた異常な構造、および/または清浄な隠れた下部構造を検出する)、共通の時間的挙動に関連付けられるピクセルのリンクに基づいて画像解像度を向上させる。下部構造は、構造の種類に従って色分けすることができる。色分けは、静脈ネットワーク内の下部構造の区別、および対応する構造のリンクを改善して、既存の方法を使用するよりも良好な空間解像度を実現する。
【0183】
本明細書に記載のシステム、方法、および/またはコード命令に従って計算された画像の解像度の向上に基づいて、画像を計算する計算ユニットの性能が向上することに留意されたい。
【0184】
ここで、本発明のいくつかの実施形態による、(例えば、
図1の動作106Fを参照して説明したような)配向構造テンソルを示す脳の血管網の例示的な3D画像2302である
図23を参照する。画像2302は、(例えば、
図2のシステム200および/または
図5を参照して)本明細書に記載されているシステム設定および本明細書に記載されるような画像シーケンスの処理(例えば、
図1および/または
図6および/または
図19)を使用して計算される。画像2304は、画像2302の色と計算された構造テンソルの向きとの間のマッピングを定義する車輪形の説明図である。
【0185】
本発明の様々な実施形態の説明は、例示の目的で提示されているが、網羅的であること、または開示された実施形態に限定されることを意図するものではない。記載された実施形態の範囲および精神から逸脱することなく、多くの修正形態および変形形態が当業者には明らかであろう。本明細書で使用される用語は、実施形態の原理、市場で見出される技術に対する実用化または技術的改善を最もよく説明するため、または当業者が本明細書で開示される実施形態を理解できるようにするために選択された。
【0186】
本出願から成熟する特許の存続期間中に、多くの関連する蛍光照明剤および画像センサが開発されることになることが予測され、蛍光照明剤および画像センサという用語の範囲は、そのようなすべての新しい技術を先験的に含むことが意図される。
【0187】
本明細書で使用されるとき、用語「約」は±10%を指す。
【0188】
用語「備える」、「備えている」、「含む」、「含んでいる」、「有している」およびそれらの活用形は、「含むが限定されない」ことを意味する。この用語は、「からなる」および「本質的に~からなる」という用語を包含する。
【0189】
「本質的に~からなる」という句は、組成物または方法が追加の成分および/またはステップを含み得るが、これは、追加の成分および/またはステップが特許請求の範囲に記載の組成物または方法の基本的および新規な特徴を実質的に変えない場合に限る。
【0190】
本明細書で使用されるとき、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が明らかにそうでないことを指示しない限り、複数の参照を含む。例えば、用語「化合物」または「少なくとも1つの化合物」は、それらの混合物を含む、複数の化合物を含み得る。
【0191】
「例示的」という用語は、本明細書では、「例、実例または例示として役立つ」ことを意味するために使用される。「例示的」として説明されているいずれの実施形態も、必ずしも他の実施形態よりも好ましいまたは有利であると解釈されるべきではなく、および/または他の実施形態からの特徴の組み込みを排除するためのものではない。
【0192】
「任意選択的に」という単語は、本明細書においては、「いくつかの実施形態において提供され、他の実施形態において提供されない」ことを意味するために使用される。本発明の任意の特定の実施形態は、そのような特徴が矛盾しない限り、複数の「任意選択の」特徴を含み得る。
【0193】
本出願全体を通して、本発明の様々な実施形態は範囲形式で提示され得る。範囲形式での説明は単に便宜上および簡潔さのためのものに過ぎず、本発明の範囲に対する柔軟性のない限定として解釈されるべきではないことを理解されたい。したがって、範囲の説明は、すべての可能な部分範囲およびその範囲内の個々の数値を具体的に開示していると見なされるべきである。例えば、1~6のような範囲の記載は、1~3、1~4、1~5、2~4、2~6、3~6などのような部分範囲、ならびに、その範囲内の個々の数、例えば、1、2、3、4、5、および6を具体的に開示していると考えられるべきである。これは範囲の幅に関係なく適用される。
【0194】
本明細書において数値範囲が示されるときはいつでも、それは示された範囲内の任意の記載されている数字(分数または整数)を含むことを意味する。第1の指示数および第2の指示数「の間に及ぶ(ranging/ranges between)」ならびに第1の指示数「から」第2の指示数「に及ぶ」(“ranging/ranges from” a first indicate number “to” a second indicate number)という句は、本明細書では互換的に使用され、第1の指示数および第2の指示数ならびにそれらの間のすべての分数および整数を含むことを意味する。
【0195】
明確にするために、別個の実施形態の文脈で説明される本発明の特定の特徴は、単一の実施形態において組み合わせて提供されてもよいことが理解される。逆に、簡潔にするために単一の実施形態の文脈で説明されている本発明の様々な特徴は、別々にもしくは任意の適切な部分組み合わせにおいて、または本発明の任意の他の説明された実施形態において適切であるように提供され得る。様々な実施形態の文脈で説明される特定の特徴は、実施形態がそれらの要素なしで動作不能でない限り、それらの実施形態の本質的な特徴と考えられるべきではない。
【0196】
本発明をその特定の実施形態と併せて説明してきたが、多くの代替形態、修正形態および変形形態が当業者には明らかになることは明白である。したがって、添付の特許請求の範囲の精神および広い範囲内に含まれるすべてのそのような代替形態、修正形態および変形形態を包含することが意図されている。
【0197】
本明細書で言及されたすべての刊行物、特許および特許出願は、あたかも各個々の刊行物、特許または特許出願が具体的かつ個別に参照により本明細書に組み込まれると示されるのと同程度に、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。さらに、本出願における任意の引用文献の引用または特定は、そのような引用文献が本発明に対する先行技術として利用可能であることの承認として解釈されるべきではない。節の見出しが使用されている限りにおいて、それらは必ずしも限定的であると解釈されるべきではない。