IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッドの特許一覧

特許7184499様々な剛性工具に好適な調節式の追跡センサー
<>
  • 特許-様々な剛性工具に好適な調節式の追跡センサー 図1
  • 特許-様々な剛性工具に好適な調節式の追跡センサー 図2
  • 特許-様々な剛性工具に好適な調節式の追跡センサー 図3A
  • 特許-様々な剛性工具に好適な調節式の追跡センサー 図3B
  • 特許-様々な剛性工具に好適な調節式の追跡センサー 図3C
  • 特許-様々な剛性工具に好適な調節式の追跡センサー 図3D
  • 特許-様々な剛性工具に好適な調節式の追跡センサー 図3E
  • 特許-様々な剛性工具に好適な調節式の追跡センサー 図4A
  • 特許-様々な剛性工具に好適な調節式の追跡センサー 図4B
  • 特許-様々な剛性工具に好適な調節式の追跡センサー 図4C
  • 特許-様々な剛性工具に好適な調節式の追跡センサー 図5
  • 特許-様々な剛性工具に好適な調節式の追跡センサー 図6
  • 特許-様々な剛性工具に好適な調節式の追跡センサー 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】様々な剛性工具に好適な調節式の追跡センサー
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/10 20160101AFI20221129BHJP
【FI】
A61B34/10
【請求項の数】 4
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2016255377
(22)【出願日】2016-12-28
(65)【公開番号】P2017119112
(43)【公開日】2017-07-06
【審査請求日】2019-12-27
【審判番号】
【審判請求日】2021-11-16
(31)【優先権主張番号】14/986,179
(32)【優先日】2015-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】バディム・グリナー
【合議体】
【審判長】佐々木 一浩
【審判官】栗山 卓也
【審判官】安井 寿儀
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第5154003(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B34/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科手術に用いられる剛性工具の円筒形物体の周りに固定されるように構成され、位置センサーを備える剛性把持器と、
一対の導電体であって、前記剛性把持器が前記円筒形物体の周りに固定されている間、前記円筒形物体の直径に応じて異なる前記一対の導電体を構成する導電体の長さに沿った位置にて互いに接触するように前記剛性把持器に取り付けられている、一対の導電体と、
前記一対の導電体を通過する電流のインピーダンスを測定し、前記インピーダンスに応じて前記直径の示度を生成するように構成されたセンシング回路と、
を備え、
前記剛性把持器が、共通のヒンジの周りを回転し、係止用ねじによって当該回転を固定されることで前記円筒形物体の周りを囲うように固定され、これにより、前記円筒形物体の軸線方向に直交する任意の方向へ動かないように前記円筒形物体に固定される一対のジョーを具備し、前記一対の導電体を構成する導電体のそれぞれが、対応するジョーに取り付けられている、器具。
【請求項2】
円筒形物体の周りに固定されるように構成された剛性把持器と、
一対の導電体であって、前記剛性把持器が前記円筒形物体の周りに固定されている間、前記円筒形物体の直径に応じて異なる前記一対の導電体を構成する導電体の長さに沿った位置にて互いに接触するように前記剛性把持器に取り付けられている、一対の導電体と、
前記一対の導電体を通過する電流のインピーダンスを測定し、前記インピーダンスに応じて前記直径の示度を生成するように構成されたセンシング回路と、
を備え、
前記剛性把持器が、前記円筒形物体を挿通させる矩形フレームと、前記矩形フレーム前記円筒形物体固定るようにこれらと嵌合するウェッジを備え、前記一対の導電体が、前記矩形フレームに取り付けられた第1の導電体と、前記ウェッジに取り付けられた第2の導電体と、を備える、器具。
【請求項3】
前記第2の導電体が一対の平行な導電線を備え、前記第1の導電体が前記平行な導電線を接続する、請求項2に記載の器具。
【請求項4】
円筒形物体の周りに請求項1から3の何れかに記載の器具の前記剛性把持器を前記円筒形物体の軸線方向に直交する任意の方向へ動かないように固定することと、
前記一対の導電体を通過する電流のインピーダンスを測定し、前記インピーダンスに応じて前記円筒形物体の直径の示度を生成することと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全般的には工具の追跡に関し、具体的には、外科手術に用いられる剛性工具の追跡を向上させること又は、これに必要な、剛性工具の直径を測定することに関する。
【背景技術】
【0002】
外科的処置では、位置センサーを工具内に固定して組み込むことによって、処置に用いられる内視鏡などの剛性工具の遠位端を追跡できる。そのような工具を用いる典型的な外科的処置には、耳鼻咽喉(ENT)の治験的処置が含まれる。組み込まれたセンサーは、工具の遠位端に位置付けされる場合もあれば、代替的に、工具の遠位端から離れ近位端に向かって位置付けされる場合もある。後者の場合、組み込まれたセンサーは固定場所にあるため、遠位端からのセンサーの変位に対する補正を、センサーの測定位置に適用できる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の実施形態は、
円筒形物体の周りに固締されるように構成された剛性把持器と、
一対の導電体であって、把持器が円筒形物体の周りに固締されている間、円筒形物体の直径に応じて異なる導電体の長さに沿った位置にて互いに接触するように把持器に取り付けられている、一対の導電体と、
一対の導電体を通過する電流のインピーダンスを測定し、インピーダンスに応じて直径の示度を生成するように構成されたセンシング回路と、
を含む器具を提供するものである。
【0004】
開示されている実施形態において、剛性把持器は、共通のヒンジの周りを回転して円筒形物体の周りに固締される一対のジョーを含み、導電体のそれぞれは、対応するジョーに取り付けられている。
【0005】
更に開示されている実施形態において、本器具は、剛性把持器に固定して取り付けられたセンサーを含み、センサーは、把持器の位置を示すセンサー信号を生成するように構成されている。
【0006】
なお更に開示されている実施形態において、剛性把持器はウェッジを含み、このウェッジは、開いた矩形フレーム内に摺動して円筒形物体の周りに固締されるように構成されている。一対の導電体は、フレームに取り付けられた第1の導電体と、ウェッジに取り付けられた第2の導電体と、を含む。典型的に、第2の導電体は一対の平行な導電線を含み、第1の導電体は平行な導電線を接続する。
【0007】
本発明の一実施形態による器具が更に提供される。本器具は、
遠位端を有する剛性円筒形プローブと、
円筒形プローブの周りに固締されるように構成された剛性把持器と、
剛性把持器に固定して取り付けられ、かつ把持器の位置を示すセンサー信号を生成するように構成されたセンサーと、
一対の導電体であって、把持器が前記円筒形プローブの周りに固締されている間、円筒形内視鏡の直径に応じて異なる導電体の長さに沿った位置にて互いに接触するように把持器に取り付けられている、一対の導電体と、
プロセッサであって、
一対の導電体を通過する電流のインピーダンスを測定し、
そのインピーダンスに応じて直径の示度を生成し、かつ
直径の示度及びセンサー信号に応じて遠位端の位置のメトリックを定式化するように構成された、プロセッサと、
を含む。
【0008】
プロセッサは、インピーダンスに応じて前記プローブに対するセンサーの変位の示度を生成しかつ変位の示度に応じて前記遠位端の位置のメトリックを定式化するように、構成されてよい。
【0009】
本発明の一実施形態による方法が更に提供されている。本方法は、
患者のコンピューター断層撮影スキャンを受信することと、
スキャンから導き出された患者の画像を、患者に近接するセンサーを追跡するように構成された磁気追跡システムに登録することと、
遠位端を有する円筒形プローブの周りに固締されるように構成された剛性把持器に、センサーを固定することと、
一対の導電体を、把持器がじて異なる前記導電体の長さに沿った位置にて互いに接触するように把持器に取り付けることと、
一対の導電体を通過する電流のインピーダンスを測定し、そのインピーダンスに応じて直径の示度を生成することと、
遠位端を患者に接触させて位置決めすることと、
遠位端を患者に接触している間、直径の示度に応じてセンサーから遠位端への並進を表すベクトルを決定することと、
磁気追跡システムでセンサーを追跡している間、センサーの部位にベクトルを追加することによって遠位端の配置を特定することと、
を含む。
【0010】
代替実施形態において、本方法は、インピーダンスに応じてセンサーから円筒形プローブまでの変位を決定し、その変位に応じてベクトルを決定することを含む。
【0011】
更なる代替実施形態において、本方法は、遠位端が患者に接触する地点から円筒形プローブの軸に沿ってセンサーに近接した軸上の領域までの変位を決定し、その変位に応じてベクトルを決定することを含む。
【0012】
本発明の一実施形態による方法が、更に提供されている。本方法は、
円筒形物体の周りに剛性把持器を固締することと、
一対の導電体を、把持器が円筒形物体の周りにを固締されている間、円筒形物体の直径に応じて異なる導電体の長さに沿った位置にて互いに接触するように把持器に取り付けることと、
一対の導電体を通過する電流のインピーダンスを測定し、そのインピーダンスに応じて直径の示度を生成することと、
を含む。
【0013】
本発明の一実施形態による方法が更に提供されている。本方法は、
遠位端を有する剛性円筒形プローブを提供することと、
円筒形プローブの周りに剛性把持器を固締することと、
剛性把持器にセンサーを固定して取り付けることであって、センサーが、把持器の位置を示すセンサー信号を生成するように構成されている、ことと、
一対の導電体を、把持器が円筒形プローブの周りに固締されている間、円筒形内視鏡の直径に応じて異なる導電体の長さに沿った位置にて互いに接触するように把持器に取り付けることと、
一対の導電体を通過する電流のインピーダンスを測定することと、
インピーダンスに応じて直径の示度を生成することと、
直径の示度及びセンサー信号に応じて遠位端の位置のメトリックを定式化することと、
を含む。
【0014】
本発明の一実施形態による器具が更に提供されている。本器具は、
遠位端を有する円筒形プローブと、
円筒形プローブの周りに固締されるように構成された剛性把持器と、
剛性把持器に固定されたセンサーであって、磁気システムにより追跡されるように構成された、センサーと、
一対の導電体であって、把持器が前記円筒形プローブの周りに固締されている間、円筒形プローブの直径に応じて異なる導電体の長さに沿った位置にて互いに接触するように把持器に取り付けられている、一対の導電体と、
プロセッサであって、
患者のコンピューター断層撮影スキャンを受信し、
スキャンから導き出された患者の画像を、磁気追跡システムに登録し、
一対の導電体を通過する電流のインピーダンスを測定し、そのインピーダンスに応じて直径の示度を生成し、
遠位端が患者に接触している間、直径の示度に応じてセンサーから遠位端への並進を表すベクトルを決定し、
磁気追跡システムでセンサーを追跡している間、センサーの位置にベクトルを追加することによって遠位端の場所を特定するように構成された、プロセッサと、
を含む、器具。
【0015】
本開示は、以下の「発明を実施するための形態」のその実施形態から、図面と共により完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態による、鼻腔外科用システムの略図である。
図2】本発明の一実施形態による、外科用システムで使用される磁場放射組立体の略図である。
図3A】本発明の一実施形態による、本システムで使用される把持器の様々な図である。
図3B】本発明の一実施形態による、本システムで使用される把持器の様々な図である。
図3C】本発明の一実施形態による、本システムで使用される把持器の様々な図である。
図3D】本発明の一実施形態による、本システムで使用される把持器の様々な図である。
図3E】本発明の一実施形態による、本システムで使用される把持器の様々な図である。
図4A】本発明の一代替実施形態による、本システムで使用される把持器の様々な図である。
図4B】本発明の一代替実施形態による、本システムで使用される把持器の様々な図である。
図4C】本発明の一代替実施形態による、本システムで使用される把持器の様々な図である。
図5】本発明の一実施形態による、図3A図3Eの把持器に関連付けられているベクトルを例証した概要図である。
図6】本発明の一実施形態による、システムの運用中に実行される工程のフローチャートである。
図7】本発明の一実施形態による、フローチャートが実行されている間の画面の略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
概要
外科手術に用いられる剛性工具によっては、工具内に位置センサーが固定して組み込まれていないものが多くあり、そのような工具は他の手段(例えば、X線透視など)で追跡することが可能であるが、この種の追跡は、工具上に位置センサーを用いた追跡に比べて利便性に劣るのが一般的である。
【0018】
本発明の実施形態は、工具内にセンサーが組み込まれていない工具に関連する問題を、工具に取り付けてあるセンサーを工具上の好都合な任意の配置に提供することによって、克服するものである。また、そのために必要な、剛性工具の直径を測定するための器具及び方法を提供するものである。いったん取り付けると、取り付けられたセンサーの工具の遠位端からの変位が、自動的に測定され、取り付けられたセンサーの読み取り値に組み込まれる。
【0019】
一実施形態において、剛性把持器は、円筒形物体(例えば、外科用工具であると想定)の周りに固締され、この把持器に取り付けられた一対の導電体は、この把持器が工具の周りに固締されている間、互いに接触するようになっている。この接触は、工具の直径に応じて変動する導電体の長さに沿った位置で為される。
【0020】
センシング回路は、一対の導電体を通過する電流のインピーダンスを測定し、そのインピーダンスに応じて直径の示度を生成する。位置センサーを把持器に取り付けてもよく、工具の直径が既知である場合、工具に対するセンサーの変位値を求めることが可能であり、この変位を工具の追跡に使用することができる。
【0021】
代替実施形態では、患者のコンピューター断層撮影スキャンを受信し、このスキャンから導き出された患者の画像を、患者に近接するセンサーを追跡するように構成された磁気追跡システムに登録する。
【0022】
遠位端を有する円筒形プローブの周りに固締されるように構成された剛性把持器に、センサーを固定してもよい。円筒形プローブの直径に応じて異なる導電体の長さに沿った位置にて円筒形プローブの周りに把持器を固締しながら、一対の導電体を互いに接触するように把持器に装着してもよい。
【0023】
一対の導電体を通過する電流のインピーダンスは測定されることができ、そのインピーダンスに応じて直径の示度を生成することができる。
【0024】
遠位端は、患者に接触させて位置決めされ得、そのように位置決めした状態で、センサーから遠位端までの並進を表すベクトルが、直径に応じて決定され得る。
【0025】
磁気追跡システムでセンサーを追跡している間、このセンサーの位置にベクトルを追加することによって、遠位端の場所を特定することができる。
【0026】
システムの説明
ここで、図1を参照すると、同図は鼻腔外科用システム20の略図であり、図2を参照すると、同図は本発明の実施形態による、システムで用いられる磁場放射組立体24の略図である。システム20は、患者22の鼻腔に対する侵襲的処置及び/又は治験的処置中に使用されるのが一般的である。
【0027】
この処置では、例えば、患者が横たわっているベッド25に組立体を固定することによって、患者の頭部の下位に組立体24を位置決めできるとともに、患者の頭部を組立体に対して移動しないように締着させることができる。組立体24は、例えば蹄鉄形フレーム内に固定される5つの磁場ラジエータ26を備え、このフレームは、患者22の頭部がラジエータで囲繞されるように、患者の下位に位置決めされる。ラジエータ26は、患者22の頭部を含む領域30内に交流磁場を放射するように、組立体24に近接して、構成される。交流磁場(典型的には、直交する一組の3つのコイル)によってセンサー32内で信号が誘発される。この信号を解析することによって、組立体24に対するセンサーの位置及び配向を導き出すことが可能である。当然のことながら、センサー32の位置及び配向を特定することによって、領域30の内部のセンサーを実質的に位置決めすることができる。
【0028】
後で詳しく述べるように、剛性円筒形プローブ28の周りに固締されている剛性センサーホルダー36に、センサー32を固定することによって、このホルダーがプローブを把持する。本明細書において、センサーホルダー36は、剛性把持器36又は単に把持器36とも呼ばれる。センサーの位置及び配向を特定することによって、患者の鼻腔に挿入され得るプローブの遠位端34の位置及び配向を追跡することが可能になる。把持器36は、直径が異なる剛性プローブ28に接続するように構成されており、直径が異なるプローブは、必要に応じて、その識別数字28にある英字を付加することによって本明細書中で区別される。
【0029】
ラジエータ26のような磁場ラジエータを用いたシステムは、患者に挿入されたエンティティの追跡を目的としたものであり、本明細書中に参照により援用されている米国特許出願第14/792,823号(Govariらに付与)に記載されている。更に、Diamond Bar,CAのBiosense Websterにより生産されているCarto(登録商標)システムでは、本明細書に記載されるものと同様の追跡システムを用いて、磁場により放射される領域内のコイルの位置及び配向が求められる。
【0030】
ラジエータ26をはじめとするシステム20の要素は、1つ以上のメモリと通信する処理ユニットを備えるシステムプロセッサ40によって制御され得る。典型的に、要素はケーブルを介してプロセッサに接続できる。例えば、ラジエータ26はケーブル58を介してプロセッサ40に接続できる。代替的に又は追加的に、要素は、プロセッサに無線で連結することが可能である。プロセッサ40は、キーパッド、及び/又はマウス若しくはトラックボールなどのポインティングデバイスを典型的に含む動作制御装置51を備えたコンソール50内に実装され得る。コンソール50はまた、例えばプローブ28の近位端52など、システム20の他の要素に接続され得る。医師54が処置の実行中に動作制御装置を用いてプロセッサと対話すると、このプロセッサは、システム20により生成された結果を画面56上に提示することができる。
【0031】
図1では、明確にするために、把持器36から(典型的には、プローブ28の近位端52に至るまで)の導電リード線が図示されていない。ただし、他の図には図示してある。センシング回路53は、コンソール50内に組み込んでもよく、この回路は把持器36の導電リード線に連結し、そのリード線間のインピーダンスを測定するように構成されている。回路53の機能については、以下に更に詳しく記載する。いくつかの実施形態において、回路53は、コンソール50内に位置する代わりに、寧ろ把持器36内に組み込んである。そのような組み込みによって、把持器が独立型ユニットとして機能することが可能になる。
【0032】
プロセッサ40は、プロセッサのメモリ内に保存されたソフトウェアを用いてシステム20を操作する。ソフトウェアは、例えば、ネットワークを介して、電子的形態でプロセッサ40にダウンロードすることも可能であるし、あるいは代替的若しくは追加的に、磁気メモリ、光メモリ、若しくは電子メモリなどの、非一時的な有形媒体上に提供及び/又は保存することも可能である。
【0033】
図3Aは、把持器36の概略斜視図であり、図3Bは、剛性プローブ28Aの一部分の周りに固締された把持器の概略斜視図であり、図3Cは、剛性プローブ28Bの一部分の周りに固締された把持器の概略斜視図であり、図3D及び図3Eは、本発明の一実施形態による、把持器の概略分解図である。図3A図3D及び図3Eに示すように、把持器36は、ロッド61で接続された湾曲した二重ジョー付き区画60を備える。この区画60のジョーのうちの一方は、平坦な導電表面62を有し、この表面にはリード線63が接続されている。把持器36はまた、平坦な導電表面66を有する湾曲した単一ジョー付き区画64を備え、この表面にはリード線67が接続されている。
【0034】
区画60及び64は両方ともロッド68の周りを回転できる。このロッドは、区画用のヒンジとして作用し、その遠位端にてロッドに固定されたセンサー32を有し、その近位端では、係止用ねじ70を受容するように構成されている。係止用ねじを締めることによって、センサー32が把持器36に固定される。追加的に、区画60及び64が互いに向かって回転すると、導電表面62及び66は互いに直流電気的に(galvanically)接触する。前述したように、リード線63及び67をセンシング回路53に連結することによって、プロセッサ40は、2つの接触表面間のインピーダンスを記録することができる。
【0035】
図3Bは、剛性プローブ28Aの一部分の周りに固締されるように構成された後の把持器36を示す。すなわち、区画60及び64を回転させてプローブを把持することにより、その後、係止用ねじ70を締めて、そのプローブに把持器を強固に取り付けた状態に維持できる。この事例では、プローブ28Aの直径が比較的大きく、表面62と表面66との間の接触面積が比較的小さいため、結果として、2つの表面間のインピーダンス測定値は大きくなる。
【0036】
図3Cは、剛性プローブ28Bの一部分の周りに固締されるように構成された後の、プローブ28Aに比べて直径が小さい把持器36を示す。プローブ28Bの直径が小さいことから、いったん把持器がプローブ上の所定位置に締め付けられた後は、表面62と表面66との間の接触面積が比較的大きくなるため、結果として、2つの表面間で測定されたインピーダンスは小さくなる。
【0037】
典型的に、剛性プローブの対称軸からセンサー32までの距離Aは、プローブの直径Dに依存する。いくつかの実施形態では、プローブ28が把持された後、プローブの異なる直径Dに対して距離Aが実質的に等距離になるように区画60及び64のジョーが成形される。図5に、対称軸、直径D、及び距離Aを示す。
【0038】
本発明の実施形態では、プロセッサ40が、センシング回路53を使用して較正を実行すると、接触表面62及び64のインピーダンスZが測定され、直径Dと距離AとインピーダンスZとの間の相関関係が生成される。いくつかの実施形態では、低周波数又はDC電流を接触表面62及び64に通過させることによって、インピーダンスZが測定され、結果として、この測定されたインピーダンスが事実上接触表面のオーム抵抗になる。
【0039】
典型的に、把持器36は、1mm~10mmの範囲内にある直径を有する剛性プローブ28を受容できるが、いくつかの実施形態では、この範囲外の直径を有する剛性プローブが、ホルダー36に受容され得る。
【0040】
図4Aは、剛性プローブ28Aの一部分の周りに固締されているセンサーホルダー136の概略斜視図であり、図4Bは、剛性プローブ28Bの一部分の周りに固締されているセンサーホルダー136の概略斜視図であり、図4Cは、本発明の代替実施形態による、代替視点から図4A及び図4Bの代替視点までのホルダーの概略斜視図である。
【0041】
センサーホルダー136は、センサーホルダー36とは物理的に異なるが、同様な機能、例えば、センサー32を固定して把持している間、直径の異なる円筒形プローブの周りに固締する、などを実行する。ゆえに、本発明の実施形態では、センサーホルダー36の代わりにセンサーホルダー136を使用してもよく、そのため、変更すべきところは変更してセンサーホルダー136の操作にセンサー36の操作の説明(図3A図3E)が準用される。本明細書において、センサーホルダー136は把持器136とも呼ばれる。
【0042】
把持器136はウェッジ138を備えているが、このウェッジは、フレーム140に摺動することにより、開いた略矩形のフレーム140と嵌合する。ウェッジ138は、典型的に1mm~10mmの範囲の直径を有する剛性プローブ28を受容する寸法になっているV字形上面142を有し、センサー32は区画の遠位面144内に固定されている。ウェッジ138は上面142に対して平行ではない下面146を有する。ゆえに、上面及び下面はウェッジ138を形成する。下面146には2本の導電線148、150が組み込まれており、導電線からの対応する導電リード線152、154が存在する。
【0043】
矩形フレーム140は、V字形表面142に平行な上面160と、下面146に平行な下面162と、を有する。図4Cに示すように、下面162はまた導電体164を備えるが、この導電体は、ウェッジ138が矩形フレーム内に摺動して剛性プローブを把持したときに、導電線148及び150を接続する。
【0044】
図4A及び図4Bはそれぞれ、剛性プローブ28Aの一部分及び剛性プローブ28の一部分の周りに固締されている把持器136を示す。いずれの場合においても、剛性プローブは、矩形フレームの上面160及びウェッジのV字形表面により把持される。いったん剛性プローブが把持された後は、係止用ねじ168を締めることによって、ホルダーをプローブに強固に取り付けられた状態に維持できる。
【0045】
前述したように、導電体164が導電線148及び150を接続する。図4A及び図4Bから明らかであるように、把持器136がプローブ28Aの周りに固締されているとき、接続されている導電線の全長は、その把持器がプローブ28BAの周りに固締されているときに接続されている線の全長よりも長い。ゆえに、接続された導電線のインピーダンス(導電リード線152、154間のセンシング回路53により測定される)は、プローブ28Aが把持されている場合の方が、プローブ28Bが把持されている場合よりも大きい。
【0046】
本発明の実施形態では、プロセッサ40が、センシング回路53を使用して較正を実行すると、接続されている導電線148、150のインピーダンスZと、剛性プローブの直径Dと、剛性プローブの対称軸からセンサー32までの距離Aとの相関関係が生成される。
【0047】
図5は、本発明の一実施形態による、剛性プローブ28Aの周りに固締されたときに、把持器36に関連付けられるベクトルを示す概要図である。先に説明したように、いったん把持器36がプローブ28Aを把持するように固締されると、この把持器にセンサー32が固定される。センサーと対話するラジエータ26からの磁場に応答してセンサーからの信号が生成されると、その信号を用いて、このラジエータにより画定される座標系に対してセンサーの位置及び配向が特定される。センサーからの信号を伝達する導電ワイヤは、プローブ28Aの近位端52に接続し、そこからコンソール50に接続できる。図5には導電ワイヤが図示されていない。
【0048】
センサーは、必ずしもそうとは限らないが、典型的にはセンサーの内側対称軸の方向であるセンサー方向200を有するものと想定され、本明細書において言及されている配向によって、ラジエータ26により画定される座標系に対してセンサー方向の配向が測定される。プローブ28Aは、対称軸202を有するものと想定される。
【0049】
図5では、センサー32のセンサー方向200が矢印で図式的に示してある。更に、センサー32は把持器36に固定されているため、センサー方向70に対して既知の配向θを有し、この配向は対称軸202に対して90°をなす(すなわち、この対称軸に直交する)。ゆえに、本明細書において既知の変位ベクトル(A、θ)はまたベクトルVとも呼ばれ、図5に示すように、センサー32から軸202上の地点Pまでの並進に対応する。
【0050】
前述したように、センサー32から対称軸までの距離Aは典型的に、プローブ28Aの直径Dに依存する。いったん上記(接触表面62、64のインピーダンスZ、直径D、及び距離A)の較正が実行されると、プロセッサ40は、測定された接触表面のインピーダンスZからプローブ28Aの直径D及び距離Aを計算できる。
【0051】
地点Pから対称軸202に沿って遠位端34(地点Qとも呼ばれる)まで測定された距離を、距離Bであると仮定する。ベクトルVに対して90°をなし、かつ軸202に沿ったQの方向は既知であるが、把持器36がプローブ28Aに固締されているときの距離B(PQ)は、距離Aとは異なり、不明である。ただし、後述するように、システム20の運用中に、プロセッサ40は距離Bを計算することができる。
【0052】
図6は、システム20の運用中に実行される工程のフローチャートであり、図7は、本発明の一実施形態による、フローチャートが実行されている間の画面56の略図である。このフローチャートは、明確にするために、剛性プローブ28Aの周りに把持器36が固締されていることを想定して記載されている(図3A図3E)。この把持器のジョーは、把持されたプローブの異なる直径に関して距離Aが等距離になるようには形成されていない。当業者であれば、距離Aが等距離になるようにジョーが成形されている実施形態及び把持器36の代わりに把持器136を用いる実施形態に適合するように、変更すべきところは変更してこの記述を準用することができるであろう。
【0053】
初期工程300では、コンピューター断層撮影(CT)(本明細書中では、例えば、X線透視CTと想定される)によって患者22の頭部がスキャンされ、そのスキャンで得られたCTデータがプロセッサ40により取得される。鼻腔外科的処置に対応するフローチャートの残りの工程の実行とは独立して、患者22のCTスキャンが実行される場合もある。
【0054】
追加的に、プロセッサ40はセンサーホルダー36に対して上述の較正を実行し、この較正によって、直径Dと距離AとインピーダンスZとの間の相関関係が生成される。
【0055】
典型的に、工程300は、本処置の以下の外科手術工程の何日も前に実施され得る。
【0056】
第1の処置工程302では、患者22の頭部の下位に、放射組立体24が実装される。その後、ラジエータ26を操作し、位置合わせ工程304では、ラジエータの座標系を被験者の頭部の座標系に位置合わせする。この位置合わせは、典型的には、当該技術分野において公知の任意の手段によって(例えば、患者の外側形体並びにラジエータを保持しているフレームに関して1つ以上の既知の位置及び配向にて磁場センサーコイルを設置するか、あるいはそのようなコイルをグループ化することによって)為される。
【0057】
初期表示工程306において、プロセッサ40は、工程300で受信されたCTデータを用いて、描示(representation)350(本明細書において患者の外側形体の画像350とも呼ばれる)を生成する。CTデータは、ハウンスフィールド単位(HU)を用いたボクセルの形態であり、周知のように、ボクセル値及びそのHU値から、患者22の外側形体の画像350を生成することができる。プロセッサ40によって、画面56上に画像350が表示される。図7は、この画面上に表示される画像を概略的に示す。
【0058】
操作工程308では、医師54が把持器36をプローブ28Aに固締し、この把持器を所定位置に係止する。プロセッサ40は、センシング回路53を使用して、一対の接触導電表面62及び66により生成されたインピーダンスを読み取る。プロセッサは、工程300で取得された較正を用い、インピーダンスの測定値から、プローブ28Aの直径Dの値、及び距離Aの値を計算する。
【0059】
いったん把持器が所定位置に係止された後、連続的な操作工程310において、医師は、プローブの遠位端34を、患者の外側形体の選択領域(例えば、患者の鼻の側部領域)に接触させる。
【0060】
必要とされる遠位端が位置決めされると、把持器36及びその封入済みセンサー32が領域30内に移動し(図1及び図2)、結果として、プロセッサ40はセンサーの位置及び配向を計算できる。いったんこの計算がプロセッサによって実行されると、センサー方向70を表すアイコン352が、典型的には、画面56上で画像350に近接して生成される。画像350及びラジエータ26の共通座標系の内部のセンサー信号から、センサー32の位置及び配向が特定されると、それに従って、画面56上にアイコン352が位置付けられ、配向される。
【0061】
医師は事実上プローブ28を保持しているため、センサー32の実際の位置及び配向は、医師により認識される。医師は、アイコン352の位置及び配向をセンサー32の実際の位置及び配向と比較することによって、システム20の正しい操作を確証することができる。
【0062】
プローブ較正工程312において、医師は、通常は制御装置51を使用することによって、プローブの遠位端が患者の外側形体に接触していることを、プロセッサ40に通知する。この通知を受け取り次第、プロセッサは、センサー32の既知の位置に対して2回の並進を実行する。第1の並進は、ベクトルV(A、θ)(図5)に対応する。したがって、プロセッサは、センサーの位置を、軸202上の地点Pに対してθで画定された方向に沿って値Aだけ並進させる(図5)。地点Pに対応する地点P’が図7に描画されており、第1の並進の終了を示す。地点P’は通常、画面56上に描画されない。
【0063】
プロセッサは、地点Pから軸202に沿った方向への第2の並進を実行する。プロセッサは、軸202に沿って移動する地点Pが患者22の外面と一致する箇所を、画像データから特定することによって、画像350のデータを使用して第2の並進の実際の長さを求める。画像データのハウンスフィールド単位の値に変更があった場合に、外面との一致が起こるが、この一致は、軸202上の地点Qで起こるものと想定される。Qは地点Pからの距離B(ここでは既知)であり、そのため、第2の並進は、図5に示される変位ベクトルW(B、90)に対応する。
【0064】
当然のことながら、地点Qの場所の計算にはCT画像データが使用されるが、この画像は患者22の実際の外側形体と位置合わせされるため、地点Qは、患者の実際の外部地点に対応する。
【0065】
較正工程の終了時に、プロセッサは画面56からアイコン352を削除し、アイコン354を、地点Qに対応する画像350の場所に位置付ける。医師は、アイコン354の位置及び配向を遠位端34の実際の位置及び配向と比較することによって、較正工程が正常に完了したことを確証できる。典型的に、プロセッサ40は、工程308で求めた直径Dに従って、アイコン354のサイズを調整する。
【0066】
較正工程における2回の並進V+Wの合計が、プロセッサ40によって保存されるベクトルである。
【0067】
連続的な追跡工程314において、プロセッサは、工程312で保存されたベクトルをセンサーの位置に追加することによって、遠位端34の部位を特定する。遠位端の配向は、軸202の方向に対応しており、この方向も、センサーの追跡の際にプロセッサによって特定される。ゆえに、プロセッサは、センサー32の位置及び配向を特定することによって、遠位端34の位置及び配向のメトリックを計算できる。プロセッサによって、遠位端の位置及び配向に対応するアイコンが、画面56上に位置決めされ得る。いくつかの実施形態では、患者22の内部に遠位端がある場合、アイコンを隠蔽する可能性のある画像350の外側形体は、少なくとも部分的に透明になる。
【0068】
上記されている実施形態は、例として列挙されており、本発明は、上記で具体的に示され記載されているものに限定されないことが認識されるであろう。寧ろ、本発明の範囲は、上記されている種々の特徴の組み合わせ及び部分的組み合わせと、前述の説明を読んだ際に当業者が想起するであろう、先行技術に開示されていないそれらの変形例及び修飾と、の両方を含む。
【0069】
〔実施の態様〕
(1) 円筒形物体の周りに固締されるように構成された剛性把持器と、
一対の導電体であって、前記把持器が前記円筒形物体の周りに固締されている間、前記円筒形物体の直径に応じて異なる前記導電体の長さに沿った位置にて互いに接触するように前記把持器に取り付けられている、一対の導電体と、
前記一対の導電体を通過する電流のインピーダンスを測定し、前記インピーダンスに応じて前記直径の示度を生成するように構成されたセンシング回路と、
を備える、器具。
(2) 前記剛性把持器が、共通のヒンジの周りを回転して前記円筒形物体の周りに固締される一対のジョーを具備し、前記導電体のそれぞれが、対応するジョーに取り付けられている、実施態様1に記載の器具。
(3) 前記剛性把持器に固定して取り付けられたセンサーを備え、前記センサーが、前記把持器の位置を示すセンサー信号を生成するように構成されている、実施態様1に記載の器具。
(4) 前記剛性把持器が、開いた矩形フレーム内に摺動して前記円筒形物体の周りに固締されるように構成されたウェッジを備え、前記一対の導電体が、前記フレームに取り付けられた第1の導電体と、前記ウェッジに取り付けられた第2の導電体と、を備える、実施態様1に記載の器具。
(5) 前記第2の導電体が一対の平行な導電線を備え、前記第1の導電体が前記平行な導電線を接続する、実施態様4に記載の器具。
【0070】
(6) 遠位端を有する剛性円筒形プローブと、
前記円筒形プローブの周りに固締されるように構成された剛性把持器と、
前記剛性把持器に固定して取り付けられ、かつ前記把持器の位置を示すセンサー信号を生成するように構成されたセンサーと、
一対の導電体であって、前記把持器が前記円筒形プローブの周りに固締されている間、前記円筒形内視鏡の直径に応じて異なる前記導電体の長さに沿った位置にて互いに接触するように前記把持器に取り付けられている、一対の導電体と、
プロセッサであって、
前記一対の導電体を通過する電流のインピーダンスを測定し、
前記インピーダンスに応じて前記直径の示度を生成し、
前記直径の前記示度及び前記センサー信号に応じて前記遠位端の位置のメトリックを定式化するように構成された、プロセッサと、
を具備する、器具。
(7) 前記プロセッサが、前記インピーダンスに応じて前記プローブに対する前記センサーの変位の示度を生成し、かつ前記変位の前記示度に応じて前記遠位端の前記位置の前記メトリックを定式化するように、構成されている、実施態様6に記載の器具。
(8) 患者のコンピューター断層撮影スキャンを受信することと、
前記スキャンから導き出された前記患者の画像を、前記患者に近接するセンサーを追跡するように構成された磁気追跡システムに登録することと、
遠位端を有する円筒形プローブの周りに固締されるように構成された剛性把持器に、前記センサーを固定することと、
一対の導電体を、前記把持器が前記円筒形プローブの周りに固締されている間、前記円筒形プローブの直径に応じて異なる前記導電体の長さに沿った位置にて互いに接触するように前記把持器に取り付けることと、
前記一対の導電体を通過する電流のインピーダンスを測定し、前記インピーダンスに応じて前記直径の示度を生成することと、
前記遠位端を前記患者に接触させて位置決めすることと、
前記遠位端が前記患者に接触している間、前記直径の前記示度に応じて前記センサーから前記遠位端への並進を表すベクトルを決定することと、
前記磁気追跡システムで前記センサーを追跡している間、前記センサーの位置に前記ベクトルを追加することによって前記遠位端の場所を特定することと、
を含む、方法。
(9) 前記インピーダンスに応じて前記センサーから前記円筒形プローブまでの変位を決定することを含み、前記変位に応じて前記ベクトルを決定することを更に含む、実施態様8に記載の方法。
(10) 前記遠位端が前記患者に接触する地点から前記円筒形プローブの軸に沿って前記センサーに近接した前記軸上の領域までの変位を決定することを含み、前記変位に応じて前記ベクトルを決定することを更に含む、実施態様8に記載の方法。
【0071】
(11) 円筒形物体の周りに剛性把持器を固締することと、
一対の導電体を、前記把持器が前記円筒形物体の周りにを固締されている間、前記円筒形物体の直径に応じて異なる前記導電体の長さに沿った位置にて互いに接触するように前記把持器に取り付けることと、
前記一対の導電体を通過する電流のインピーダンスを測定し、前記インピーダンスに応じて前記直径の示度を生成することと、
を含む、方法。
(12) 前記剛性把持器が、共通のヒンジの周りを回転して前記円筒形物体の周りに固締される一対のジョーを具備し、前記導電体のそれぞれが、対応するジョーに取り付けられる、実施態様11に記載の方法。
(13) 前記剛性把持器にセンサーを固定して取り付けることを含み、前記センサーが、前記把持器の位置を示すセンサー信号を生成するように構成されている、実施態様11に記載の方法。
(14) 前記剛性把持器が、開いた矩形フレーム内に摺動して前記円筒形物体の周りに固締されるように構成されたウェッジを備え、前記一対の導電体が、前記フレームに取り付けられた第1の導電体と、前記ウェッジに取り付けられた第2の導電体と、を備える、実施態様11に記載の方法。
(15) 前記第2の導電体が一対の平行な導電線を備え、前記第1の導電体が前記平行な導電線を接続する、実施態様14に記載の方法。
【0072】
(16) 遠位端を有する剛性円筒形プローブを提供することと、
前記円筒形プローブの周りに剛性把持器を固締することと、
前記剛性把持器にセンサーを固定して取り付けることであって、前記センサーが、前記把持器の位置を示すセンサー信号を生成するように構成されている、ことと、
一対の導電体を、前記把持器が前記円筒形プローブの周りに固締されている間、前記円筒形内視鏡の直径に応じて異なる前記導電体の長さに沿った位置にて互いに接触するように前記把持器に取り付けることと、
前記一対の導電体を通過する電流のインピーダンスを測定することと、
前記インピーダンスに応じて前記直径の示度を生成することと、
前記直径の前記示度及び前記センサー信号に応じて前記遠位端の位置のメトリックを定式化することと、
を含む、方法。
(17) 前記インピーダンスに応じて前記プローブに対する前記センサーの変位の示度を生成し、前記変位の前記示度に応じて前記遠位端の前記位置の前記メトリックを定式化することを更に含む、実施態様6に記載の方法。
(18) 遠位端を有する円筒形プローブと、
前記円筒形プローブの周りに固締されるように構成された剛性把持器と、
前記剛性把持器に固定されたセンサーであって、磁気追跡システムにより追跡されるように構成された、センサーと、
一対の導電体であって、前記把持器が前記円筒形プローブの周りに固締されている間、前記円筒形プローブの直径に応じて異なる前記導電体の長さに沿った位置にて互いに接触するように前記把持器に取り付けられている、一対の導電体と、
プロセッサであって、
患者のコンピューター断層撮影スキャンを受信し、
前記スキャンから導き出された前記患者の画像を、前記磁気追跡システムに登録し、
前記一対の導電体を通過する電流のインピーダンスを測定し、前記インピーダンスに応じて前記直径の示度を生成し、
前記遠位端が前記患者に接触している間、前記直径の前記示度に応じて前記センサーから前記遠位端への並進を表すベクトルを決定し、
前記磁気追跡システムで前記センサーを追跡している間、前記センサーの位置に前記ベクトルを追加することによって前記遠位端の場所を特定するように構成された、プロセッサと、
を備える、器具。
(19) 前記インピーダンスに応じて前記センサーから前記円筒形プローブまでの変位を決定し、前記変位に応じて前記ベクトルを決定するように、前記プロセッサを構成することを含む、実施態様18に記載の器具。
(20) 前記遠位端が前記患者に接触する地点から前記円筒形プローブの軸に沿って前記センサーに近接した前記軸上の領域までの変位を決定し、前記変位に応じて前記ベクトルを決定するように、前記プロセッサを構成することを含む、実施態様18に記載の器具。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7