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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】クレードル装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/14 20060101AFI20221129BHJP
【FI】
A61B8/14
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2017253718
(22)【出願日】2017-12-28
(65)【公開番号】P2019118463
(43)【公開日】2019-07-22
【審査請求日】2020-09-28
【審判番号】
【審判請求日】2022-03-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】白石 貴彦
(72)【発明者】
【氏名】千原 達史
(72)【発明者】
【氏名】野口 信哉
【合議体】
【審判長】福島 浩司
【審判官】伊藤 幸仙
【審判官】石井 哲
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-515312(JP,A)
【文献】特開平11-177670(JP,A)
【文献】特開平11-155005(JP,A)
【文献】特開2009-200799(JP,A)
【文献】登録実用新案第3196455(JP,U)
【文献】特許第6031312(JP,B2)
【文献】米国特許第11406357(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00 - 8/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波診断装置を着脱可能に支持するクレードル装置であって、
前記超音波診断装置の底部を支持する基部と、
前記基部から、前記超音波診断装置の着脱方向に沿って伸び、前記超音波診断装置の表示装置が形成されている前部とは反対側の背部を支持する背部支持部と、
前記超音波診断装置の前記背部に設けられているレールと嵌合し、前記超音波診断装置を前記着脱方向に沿って摺動可能にする、前記背部支持部に設けられたガイドと、
を有し、
前記レールは前記背部を支持する可変スタンドを構成し、前記可変スタンドは前記背部に収納した閉位置と前記背部から起立した開位置とに移動可能であり、
前記ガイドは、第1のガイドと、前記第1のガイドと対向する第2のガイドと、を含み、
前記第1のガイドと前記第2のガイドは、前記可変スタンドを構成する前記レール前記第1のガイドと前記第2のガイドとで形成される空間に挿入された状態において、前記第1のガイドと前記第2のガイドとが対向する方向に前記超音波診断装置が移動することを制限するように構成されている
クレードル装置。
【請求項2】
超音波診断装置を着脱可能に支持するクレードル装置であって、
前記超音波診断装置の底部を支持する基部と、
前記基部から、前記超音波診断装置の着脱方向に沿って伸び、前記超音波診断装置の表示装置が形成されている前部とは反対側の背部を支持する背部支持部と、
前記超音波診断装置の前記背部に設けられているレールと嵌合し、前記超音波診断装置を前記着脱方向に沿って摺動可能にする、前記背部支持部に設けられたガイドと、
を有し、
前記背部支持部には、前記超音波診断装置が装着されたとき、前記超音波診断装置の前記背部に設けられた電源コネクタに外部電源が接続されないよう、前記電源コネクタを隠すパネルが設けられている、
クレードル装置。
【請求項3】
前記背部支持部には、前記超音波診断装置が装着されたとき、前記超音波診断装置の前記背部に設けられた電源コネクタに外部電源が接続されないよう、前記電源コネクタを隠すパネルが設けられている、
請求項1に記載のクレードル装置。
【請求項4】
前記レールは、前記超音波診断装置の前記背部に設けられたスタンドの一部で構成されている、
請求項2に記載のクレードル装置。
【請求項5】
前記基部には、前記超音波診断装置の底部に設けられている第1のコネクタと接続される第2のコネクタが設けられている、
請求項1から4のいずれか一項に記載のクレードル装置。
【請求項6】
前記背部支持部には、外部電源が接続される第3のコネクタが設けられ、
前記第2のコネクタは、前記第3のコネクタと配線によって接続されている、
請求項5に記載のクレードル装置。
【請求項7】
前記背部支持部には、信号線が接続される第4のコネクタが設けられ、
前記第2のコネクタは、前記第4のコネクタと配線によって接続されている、
請求項5または6に記載のクレードル装置。
【請求項8】
前記第4のコネクタには、前記超音波診断装置の動作を制御するフットスイッチが接続される、
請求項7に記載のクレードル装置。
【請求項9】
前記第4のコネクタには、超音波探触子が接続される、
請求項7または8に記載のクレードル装置。
【請求項10】
前記背部支持部には、前記背部支持部から突出して、前記超音波診断装置の前記背部に設けられた窪み部と嵌合する突起部が設けられ、
前記突起部は、前記背部支持部に設けられたボタンの押下に連動して、前記背部支持部内に引っ込む、
請求項1から9のいずれか一項に記載のクレードル装置。
【請求項11】
前記背部支持部は、カートに固定される、
請求項1から10のいずれか一項に記載のクレードル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波診断装置を着脱可能に支持するクレードル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、超音波探触子にて生体等の被検体に対して超音波の送受信を行い、受信した超音波から得られた信号に基づいて超音波画像データを生成し、これに基づく超音波画像を画像表示装置に表示する超音波診断装置が知られている。このような装置による超音波診断は、簡単な操作で心臓の拍動や胎児の動き等の被検体の様子がリアルタイムで得られ、かつ非侵襲で安全性が高いため、繰り返して実施することができる。また、近年では、小型で携帯が可能な超音波診断装置が実用化されており、持ち運び等が容易になっている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-008796号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、例えば、携帯可能な超音波診断装置を病室等で固定的に使用したい場合に、超音波診断装置を着脱可能に支持するクレードル装置はこれまで提案されていない。
【0005】
本発明の目的は、超音波診断装置を容易に着脱可能に支持するクレードル装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るクレードル装置は、
超音波診断装置を着脱可能に支持するクレードル装置であって、
前記超音波診断装置の底部を支持する基部と、
前記基部から、前記超音波診断装置の着脱方向に沿って伸び、前記超音波診断装置の表示装置が形成されている前部とは反対側の背部を支持する背部支持部と、
前記超音波診断装置の前記背部に設けられているレールと嵌合し、前記超音波診断装置を前記着脱方向に沿って摺動可能にする、前記背部支持部に設けられたガイドと、
を有し、
前記レールは前記背部を支持する可変スタンドを構成し、前記可変スタンドは前記背部に収納した閉位置と前記背部から起立した開位置とに移動可能であり、
前記ガイドは、第1のガイドと、前記第1のガイドと対向する第2のガイドと、を含み、
前記第1のガイドと前記第2のガイドは、前記可変スタンドを構成する前記レール前記第1のガイドと前記第2のガイドとで形成される空間に挿入された状態において、前記第1のガイドと前記第2のガイドとが対向する方向に前記超音波診断装置が移動することを制限するように構成されている
また、本発明に係るクレードル装置は、
超音波診断装置を着脱可能に支持するクレードル装置であって、
前記超音波診断装置の底部を支持する基部と、
前記基部から、前記超音波診断装置の着脱方向に沿って伸び、前記超音波診断装置の表示装置が形成されている前部とは反対側の背部を支持する背部支持部と、
前記超音波診断装置の前記背部に設けられているレールと嵌合し、前記超音波診断装置を前記着脱方向に沿って摺動可能にする、前記背部支持部に設けられたガイドと、
を有し、
前記背部支持部には、前記超音波診断装置が装着されたとき、前記超音波診断装置の前記背部に設けられた電源コネクタに外部電源が接続されないよう、前記電源コネクタを隠すパネルが設けられている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、超音波診断装置を容易に着脱可能に支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施の形態に係るクレードル装置を示した斜視図である。
図2】超音波診断装置がクレードル装置に装着された状態を示した斜視図である。
図3】カートに固定されたクレードル装置を示した図である。
図4】超音波診断装置の後方斜視図である。
図5】超音波診断装置の可変スタンドの起立した状態を示した図である。
図6】超音波診断装置の底面図である。
図7】超音波診断装置の側面図である。
図8】クレードル装置の上面図である。
図9図8のAA矢視断面図である。
図10】クレードル装置の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0010】
図1は、本発明の実施の形態に係るクレードル装置10を示した斜視図である。図1には、クレードル装置10に着脱される携帯型の超音波診断装置20も示してある。以下では、クレードル装置10および超音波診断装置20に対し、図1に示すx、y、z軸の直交座標系を設定する。また、図1において、+y軸方向がクレードル装置10および超音波診断装置20の前方、-y軸方向がクレードル装置10および超音波診断装置20の後方とする。
【0011】
超音波診断装置20は、クレードル装置10の上方から、クレードル装置10に装着される。例えば、超音波診断装置20は、図1に示す矢印A1方向(-z軸方向)に向ってクレードル装置10に押し込まれることにより、クレードル装置10に装着される。
【0012】
図2は、超音波診断装置20がクレードル装置10に装着された状態を示した斜視図である。図2において、図1と同じものには同じ符号が付してある。上記したように、超音波診断装置20は、クレードル装置10の上方から(図1に示す状態から)、クレードル装置10に押し込まれることにより、図2に示すように、クレードル装置10に装着される。
【0013】
図1の説明に戻る。クレードル装置10に装着された超音波診断装置20は、クレードル装置10の上方に持ち上げられることにより、クレードル装置10から取り外される。例えば、クレードル装置10に装着された超音波診断装置20は、図1に示す矢印A2方向(+z軸方向)に持ち上げられることにより、クレードル装置10から取り外される。
【0014】
クレードル装置10は、例えば、カートに固定される。従って、カートに固定されたクレードル装置10に超音波診断装置20を装着すると、超音波診断装置20は、カートで移動させることができる。また、超音波診断装置20は、カートに固定されたクレードル装置10から取り外せば、自由に持ち運びができる。
【0015】
図3は、カート30に固定されたクレードル装置10を示した図である。図3には、図1に示したクレードル装置10と、キャスター付きのカート30と、が示してある。
【0016】
図3に示すように、カート30は、アーム31を有している。クレードル装置10は、アーム31の先端に固定される。例えば、クレードル装置10は、ネジによって、アーム31の先端に固定される。これによって、超音波診断装置20は、キャスター付きのカート30を移動させることにより、容易に移動させることができる。
【0017】
なお、クレードル装置10は、カート30以外に固定されてもよい。例えば、クレードル装置10は、病室の壁や棚等に固定されてもよい。これによって、超音波診断装置20は、病室の壁や棚等に固定されたクレードル装置10に装着されることによって、病室内で固定的に使用されることができる。
【0018】
図1の説明に戻る。クレードル装置10は、基部11と、背部支持部12と、ガイド13aa,13ab,13ac,13ba,13bcと、コネクタ14(第2のコネクタ)と、突起部15と、ボタン16と、パネル17と、を有している。
【0019】
基部11は、クレードル装置10に装着された超音波診断装置20の底部(底面)を支持する。基部11の超音波診断装置20の底部と接触する面は、クレードル装置10に装着された超音波診断装置20を安定して支持するように、超音波診断装置20の底部の面の形状に沿った形状を有している。
【0020】
背部支持部12は、基部11から、超音波診断装置20の着脱方向(z軸方向)に沿って伸びている。背部支持部12は、クレードル装置10に装着された超音波診断装置20の背部(背面)を支持する。
【0021】
ガイド13aa,13ab,13acは、クレードル装置10の前方から見て、背部支持部12の左側に形成されている。ガイド13aa,13ab,13acは、各々板状の形状を有し、超音波診断装置20の着脱方向(z軸方向)に沿って伸びている。
【0022】
ガイド13aa,13abは、対向しており、間に空間(例えば、図8の点線A31を参照)を形成している。ガイド13aa,13abの間に形成された空間には、後述する超音波診断装置20の可変スタンド(図4図5の可変スタンド43参照)が挿入される。
【0023】
ガイド13acは、対向するガイド13aa,13abを連結している。ガイド13acは、クレードル装置10の前方から見て、ガイド13aa,13abの左側において、ガイド13aa,13abを連結している。
【0024】
ガイド13baは、クレードル装置10の前方から見て、背部支持部12の右側に設けられている。図1には、図示していないが、背部支持部12には、ガイド13baに対向するガイドが設けられている(図8図9のガイド13bb参照)。ガイド13baとこれに対向するガイドは、各々板状の形状を有し、超音波診断装置20の着脱方向に沿って伸びている。ガイド13baとこれに対向するガイドとの間に形成された空間(例えば、図8の点線A32を参照)には、後述する超音波診断装置20の可変スタンドが挿入される。
【0025】
ガイド13bcは、ガイド13baとこれに対向するガイド(図8図9のガイド13bb参照)とを連結している。ガイド13bcは、板状の形状を有し、超音波診断装置20の着脱方向に沿って伸びている。ガイド13bcは、クレードル装置10の前方から見て、ガイド13baとこれに対向するガイドとの右側において、ガイド13baとこれに対向するガイドとを連結している。
【0026】
コネクタ14は、基部11に設けられている。コネクタ14は、超音波診断装置20がクレードル装置10に装着されたとき、超音波診断装置20の底部に設けられたコネクタと嵌合する。
【0027】
突起部15は、背部支持部12から、クレードル装置10の前方に向って突出している。突起部15は、ボタン16と連結されており、ボタン16の押下に応じて、クレードル装置10の後方側に動き、背部支持部12内に引っ込む。なお、突起部15の周辺の背部支持部12(例えば、矢印A3に示す部分)は、超音波診断装置20がクレードル装置10に装着されたとき、超音波診断装置20の背部と接触し、超音波診断装置20を支持する。
【0028】
突起部15は、略直方体形状を有している。突起部15は、超音波診断装置20がクレードル装置10に装着されたとき、超音波診断装置20の背部に設けられた窪み(図4の窪み部41を参照)と嵌合する。突起部15は、ボタン16が押下されると、超音波診断装置20の背部に設けられた窪みとの嵌合が解除される。すなわち、クレードル装置10に装着された超音波診断装置20は、ボタン16が押下されないと、超音波診断装置20から取り外すことができない(超音波診断装置20は、矢印A2の方向に持ち上げられない)。
【0029】
ボタン16は、背部支持部12の上部(上面)に設けられている。ボタン16は、突起部15と連結されており、-z軸方向に押下されると、突起部15を背部支持部12内に引っ込める。
【0030】
パネル17は、クレードル装置10の前方から見て、背部支持部12の左側に形成されている。パネル17は、板状の形状を有している。パネル17は、超音波診断装置20がクレードル装置10に装着されたとき、超音波診断装置20の背部に設けられている電源コネクタ(図4の電源コネクタ42を参照)が隠れるように形成されている。すなわち、パネル17は、超音波診断装置20がクレードル装置10に装着されると、超音波診断装置20に電源ケーブルが接続されないようにしている。なお、パネル17の位置は、図示の位置に限られない。クレードル装置10に装着された超音波診断装置20の背部の電源コネクタに対応する位置(電源コネクタを隠す位置)であれば、背部支持部12のどの場所に設けられてもよい。
【0031】
超音波診断装置20は、底部21と、前部22と、表示装置23と、側部24a,24bと、背部25と、上部26と、取っ手27と、コネクタ28と、を有している。超音波診断装置20は、略直方体形状を有している。
【0032】
底部21は、超音波診断装置20の底面を形成している。底部21には、図1には図示していないが、コネクタが設けられている(図6のコネクタ51を参照)。底部21に設けられたコネクタは、超音波診断装置20がクレードル装置10に装着されると、クレードル装置10のコネクタ14と嵌合される。
【0033】
前部22は、超音波診断装置20の前面を形成している。前部22には、表示装置23が設けられている。表示装置23は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)やOLED(Organic Light-Emitting diode)等の表示装置である。表示装置23の上面には、タッチパネルが設けられていてもよい。
【0034】
側部24a,24bは、超音波診断装置20の側面を形成している。側部24a,24bの一方または両方には、超音波探触子のケーブルが接続されるコネクタ28が設けられている。図1の例では、側部24bにコネクタ28が設けられている。
【0035】
背部25は、超音波診断装置20の背面を形成している。上部26は、超音波診断装置20の上面を形成している。上部26には、取っ手27が設けられている。取っ手27は、上部26に倒れた状態および上部26から起立した状態を取る。図1では、取っ手27の倒れた状態を示している。
【0036】
コネクタ28には、超音波探触子のケーブルが接続される。コネクタ28には、接続された超音波探触子の信号が入力される。超音波診断装置20は、入力された信号に基づいて、超音波画像データを生成し、超音波画像データに基づく超音波画像を、表示装置23に表示する。
【0037】
図4は、超音波診断装置20の後方斜視図である。図4に示すように、超音波診断装置20の背部25には、窪み部41と、電源コネクタ42と、可変スタンド43と、USB(Universal Serial Bus)コネクタ44a,44bと、が設けられている。
【0038】
窪み部41は、超音波診断装置20の内側(内部)に向って窪んでいる。窪み部41は、超音波診断装置20がクレードル装置10に装着されたとき、クレードル装置10の突起部15と嵌合する形状を有している。例えば、窪み部41は、略直方体形状を有している。
【0039】
超音波診断装置20がクレードル装置10に装着されたとき、クレードル装置10の突起部15が、窪み部41に嵌る。これにより、超音波診断装置20は、クレードル装置10から外すことができなくなる。超音波診断装置20をクレードル装置10から外すには、クレードル装置10のボタン16を押下し、超音波診断装置20の取っ手27を持って、超音波診断装置20を上方に持ち上げる。
【0040】
電源コネクタ42には、電源ケーブルのコネクタが接続される。電源コネクタ42に、電源ケーブルのコネクタが接続されることにより、超音波診断装置20には、外部電源が供給される。
【0041】
電源コネクタ42は、超音波診断装置20がクレードル装置10に装着されたとき、クレードル装置10のパネル17によって、電源ケーブルのコネクタが接続されないようになっている。すなわち、電源コネクタ42は、超音波診断装置20がクレードル装置10に装着されたとき、クレードル装置10のパネル17によって隠されるようになっている。後述するが、超音波診断装置20がクレードル装置10に装着されたとき、超音波診断装置20には、クレードル装置10のコネクタ14から、外部電源が供給される。
【0042】
可変スタンド43は、例えば、超音波診断装置20をテーブルの上に立て掛けるためのスタンドである。可変スタンド43は、背部25に収納した状態および背部25から起立した状態を取る。図4では、可変スタンド43の収納した状態を示している。
【0043】
超音波診断装置20をクレードル装置10に装着するには、可変スタンド43を収納する。すなわち、超音波診断装置20は、可変スタンド43が図4に示す状態のとき、クレードル装置10に装着可能となる。
【0044】
図5は、超音波診断装置20の可変スタンド43の起立した状態を示した図である。図5において、図4と同じものには同じ符号が付してある。図5に示すように、可変スタンド43は、超音波診断装置20の背部25から起立させることができる。可変スタンド43は、起立させる角度を変えることができる。例えば、図5に示す矢印A11の角度を変えることができる。
【0045】
これにより、超音波診断装置20は、例えば、テーブルの上に立て掛けて使用できる。また、可変スタンド43の角度を変えることにより、超音波診断装置20の操作者に対する表示装置23の角度を変えることができる。
【0046】
図4の説明に戻る。USBコネクタ44a,44bには、USBケーブルのコネクタが接続される。USBコネクタ44a,44bに、USBケーブルのコネクタが接続されることにより、超音波診断装置20は、外部機器と通信できる。
【0047】
外部機器は、例えば、キーボードやフットスイッチである。フットスイッチは、例えば、超音波診断装置20の表示装置23の画面を一時停止するスイッチである。例えば、超音波診断装置20の操作者は、フットスイッチを踏むことによって、超音波診断装置20の表示装置23の画面を一時停止できる。
【0048】
図6は、超音波診断装置20の底面図である。図6において、図1および図4と同じものには同じ符号が付してある。図6に示すように、超音波診断装置20の底部21には、コネクタ51(第1のコネクタ)が設けられている。コネクタ51は、超音波診断装置20がクレードル装置10に装着されたとき、クレードル装置10のコネクタ14と接続される。
【0049】
収納された状態の可変スタンド43と、背部25の表面との間には、空間(隙間)が形成される。例えば、図6の点線A21,A22に示すように、収納された状態の可変スタンド43と、背部25の表面との間には、空間が形成される。この空間は、次の図7で説明するように、超音波診断装置20の着脱方向(z軸方向)に沿って伸びている。
【0050】
図7は、超音波診断装置20の側面図である。図7において、図1図4、および図6と同じものには同じ符号が付してある。図7の点線A21(図6の点線A21も参照)に示すように、収納された状態の可変スタンド43と、背部25の表面との間の空間は、z軸方向に沿って伸びている。図6の点線A22に示した空間も、図7の点線A21と同様に、z軸方向に沿って伸びている。超音波診断装置20がクレードル装置10に装着されるとき、点線A21,A22に示す空間には、クレードル装置10のガイド13aa,13baが挿し込まれる。
【0051】
図8は、クレードル装置10の上面図である。図8において、図1と同じものには同じ符号が付してある。
【0052】
図1で説明したように、ガイド13aa,13abは、対向しており、空間を形成している。例えば、図8の点線A31に示すように、ガイド13aa,13abの間には、空間が形成される。同様に、ガイド13ba,13bbは、対向しており、空間を形成している。例えば、図8の点線A32に示すように、ガイド13ba,13bbの間には、空間が形成される。
【0053】
図9は、図8のAA矢視断面図である。図9において、図8と同じものには同じ符号が付してある。ガイド13ba,13bbは、超音波診断装置20の着脱方向(z軸方向)に沿って伸びている。従って、ガイド13ba,13bbの間に形成される空間も、点線A32(図8の点線A32も参照)に示すように、z軸方向に沿って伸びている。図8の点線A31に示した空間も、図9の点線A32と同様に、z軸方向に沿って伸びている。
【0054】
超音波診断装置20がクレードル装置10に装着されるとき、図8の点線A31,A32に示す空間に、超音波診断装置20の可変スタンド43の、着脱方向(z軸方向)に沿って伸びている部分が挿入される。例えば、図4の点線A41に示す部分が、図8の点線A31に示す空間に挿入され、図4の点線A42に示す部分が、図8の点線A32に示す空間に挿入される。
【0055】
また、超音波診断装置20がクレードル装置10に装着されるとき、図8に示すクレードル装置10のガイド13aaは、図6の点線A22に示す空間に挿入され、図8に示すクレードル装置10のガイド13bbは、図6の点線A21に示す空間に挿入される。
【0056】
すなわち、可変スタンド43の着脱方向に沿って伸びる部分は、ガイド13aa,13abの間と、ガイド13ba,13bbの間とに挿入される。言い換えれば、可変スタンド43の着脱方向に沿って伸びる部分は、レールとしての機能を果たし、着脱方向に伸びるガイド13aa,13abの間と、ガイド13ba,13bbの間とを、着脱方向に沿って摺動する。
【0057】
なお、ガイド13aa,13ab,13ba,13bbは、クレードル装置10に装着された超音波診断装置20のy軸方向の移動を制限(規制)する。ガイド13ac,13bcは、クレードル装置10に装着された超音波診断装置20のx軸方向の移動を制限する。
【0058】
図10は、クレードル装置10の背面図である。図10において、図1と同じものには同じ符号が付してある。図10に示すように、クレードル装置10の背部60には、電源コネクタ61(第3のコネクタ)と、USBコネクタ62a,62b(第4のコネクタ)と、ネジ穴63と、が設けられている。
【0059】
電源コネクタ61には、電源ケーブルのコネクタが接続される。電源コネクタ61は、基部11に設けられているコネクタ14と、配線によって(配線を介して)電気的に接続されている。従って、電源ケーブルを電源コネクタ61に接続すれば、クレードル装置10に装着された超音波診断装置20に電力を供給できる。
【0060】
なお、上記したように、超音波診断装置20をクレードル装置10に装着した場合、超音波診断装置20の電源コネクタ42は、パネル17によって隠され、電源ケーブルが接続されないようになっている。すなわち、超音波診断装置20をクレードル装置10に装着した場合、超音波診断装置20には、クレードル装置10からのみ、外部電源による電力が供給される。つまり、超音波診断装置20には、2つの外部電源による電力が供給されないようになっている。
【0061】
USBコネクタ62a,62bには、USBケーブルのコネクタが接続される。USBコネクタ62a,62bは、基部11に設けられているコネクタ14と、配線によって(配線を介して)電気的に接続されている。従って、外部機器と接続されたUSBケーブルをUSBコネクタ62a,62bに接続することにより、クレードル装置10に装着された超音波診断装置20は、外部機器と通信できる。外部機器は、例えば、キーボードやフットスイッチである。
【0062】
ネジ穴63は、クレードル装置10を、例えば、カート30や病室の壁や棚に固定するためのネジ穴である。ネジ穴63は、例えば、VASA(Video Electronics Standards Association)規格に基づいて形成されている。
【0063】
以上説明したように、クレードル装置10は、超音波診断装置20の底部21を支持する基部11と、基部11から、超音波診断装置20の着脱方向(z軸方向)に沿って伸び、超音波診断装置20の表示装置23が形成されている前部22とは反対側の背部25を支持する背部支持部12と、を備える。また、クレードル装置10は、超音波診断装置20の背部25に設けられている可変スタンド43(レール)と嵌合し、超音波診断装置20を着脱方向に沿って摺動可能にする、背部支持部12に設けられたガイド13aa,13ab,13ba,13bbを有する。これにより、クレードル装置10は、超音波診断装置20を、容易に着脱可能に支持できる。例えば、超音波診断装置20の可変スタンド43を、クレードル装置10のガイド13aa,13ab,13ba,13bbに合わせ、超音波診断装置20を、クレードル装置10に向って押し込むことにより、超音波診断装置20を、容易にクレードル装置10に装着でき、支持させることができる。また、超音波診断装置20を、クレードル装置10から持ち上げれば、容易にクレードル装置10から取り外すことができる。
【0064】
また、超音波診断装置20のクレードル装置10への着脱を容易にしたので、超音波診断装置20の使い勝手がよくなる。例えば、超音波診断装置20をクレードル装置10に装着すれば、固定的な使用ができる。また、超音波診断装置20をクレードル装置10から取り外せば、様々な場所での使用ができる。
【0065】
また、クレードル装置10は、超音波診断装置20の底部21に設けられたコネクタ51と接続されるコネクタ14を有する。また、クレードル装置10は、基部11のコネクタ14と接続された電源コネクタ61を背部60に有する。これにより、クレードル装置10の電源コネクタ61に電源ケーブルを接続していれば、超音波診断装置20をクレードル装置10に装着するだけで、超音波診断装置20に電源を供給できる。
【0066】
また、クレードル装置10は、基部11のコネクタ14と接続されたUSBコネクタ62a,62bを背部60に有する。これにより、クレードル装置10のUSBコネクタ62a,62bに、外部機器と接続されたUSBケーブルを接続していれば、超音波診断装置20をクレードル装置10に装着するだけで、外部機器と通信できる。すなわち、超音波診断装置20の背部25に設けられているUSBコネクタ44a,44bに、USBケーブルを接続しなくて済む。また、クレードル装置10のUSBコネクタ62a,62bに、外部機器と接続されたUSBケーブルを接続していれば、超音波診断装置20をクレードル装置10から取り外すとき、超音波診断装置20から、USBケーブルを外さなくて済む。
【0067】
また、クレードル装置10は、超音波診断装置20が装着されたとき、超音波診断装置20の背部25に設けられた電源コネクタ42に外部電源が接続されないよう、電源コネクタ42を隠すパネル17を備える。これにより、超音波診断装置20に2つの外部電源が供給されることを防止でき、装置の故障を抑制できる。
【0068】
また、クレードル装置10は、背部支持部12から突出して、超音波診断装置20の背部25に設けられた窪み部41と嵌合する突起部15と、突起部15と連結され、突起部15を背部支持部12内に引っ込めるボタン16とを有する。これにより、クレードル装置10は、超音波診断装置20をしっかりと固定することができる。
【0069】
なお、クレードル装置10の背部60に設けられるコネクタは、USBコネクタに限られない。その他の規格のコネクタであってもよい。また、クレードル装置10の背部60には、超音波探触子のコネクタと接続されるコネクタが備えられてよい。また、このコネクタは、複数備えられてもよい。複数のコネクタを備えた場合には、例えば、クレードル装置に、複数種類の超音波探触子を接続できる。超音波診断装置20の操作者は、複数種類の超音波探触子の中から、所望の超音波探触子を選択し、使用することができる。
【0070】
また、クレードル装置10の基部11に設けられるコネクタ14および背部60に設けられるUSBコネクタ62a,62bの数は、上記の実施形態の数に限定されない。
【0071】
また、ガイド13aa,13ab,13ba,13bbには、超音波診断装置20の可変スタンド43が嵌合されるとしたが、これに限られない。例えば、超音波診断装置20の背部25には、ガイド13aa,13ab,13ba,13bbと嵌合し、摺動するレールが、可変スタンド43とは別に設けられてもよい。
【0072】
また、ガイド13ab,13bbは、可変スタンド43が摺動しやすい材料で構成されてもよい。これにより、超音波診断装置20は、クレードル装置10への着脱の際の摺動が滑らかとなる。ガイド13aa,13baも、可変スタンド43が摺動しやすい材料で構成されてもよい。
【0073】
その他、上記実施の形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0074】
10 クレードル装置
11 基部
12 背部支持部
13aa,13ab,13ac,13ba,13bc,13bb ガイド
14,28,51 コネクタ
15 突起部
16 ボタン
17 パネル
20 超音波診断装置
21 底部
22 前部
23 表示装置
24a,24b 側部
25,60 背部
26 上部
27 取っ手
30 カート
31 アーム
41 窪み部
42,61 電源コネクタ
43 可変スタンド
44a,44b,62a,62b USBコネクタ
63 ネジ穴
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10