(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】非プロトン性溶媒中のアルカリ土類金属アルコキシドの低粘度溶液、その製造方法及びチーグラー・ナッタ触媒の製造のためのその使用
(51)【国際特許分類】
C07C 31/30 20060101AFI20221129BHJP
C07C 29/70 20060101ALI20221129BHJP
C07C 31/32 20060101ALI20221129BHJP
C07F 3/02 20060101ALI20221129BHJP
C08F 4/50 20060101ALI20221129BHJP
【FI】
C07C31/30
C07C29/70
C07C31/32
C07F3/02 A
C08F4/50
(21)【出願番号】P 2017508094
(86)(22)【出願日】2015-08-12
(86)【国際出願番号】 EP2015068513
(87)【国際公開番号】W WO2016023932
(87)【国際公開日】2016-02-18
【審査請求日】2018-08-09
【審判番号】
【審判請求日】2020-07-07
(31)【優先権主張番号】102014215919.9
(32)【優先日】2014-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102014216067.7
(32)【優先日】2014-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102014224139.1
(32)【優先日】2014-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】513159239
【氏名又は名称】アルベマール ジャーマニー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Albemarle Germany GmbH
【住所又は居所原語表記】Industriepark Hoechst, Gebaeude G 879, D-65926 Frankfurt am Main, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ウルリヒ ヴィーテルマン
(72)【発明者】
【氏名】ウテ エメル
(72)【発明者】
【氏名】アーミン シュトル
(72)【発明者】
【氏名】フローリアン キーファー
【合議体】
【審判長】阪野 誠司
【審判官】野田 定文
【審判官】関 美祝
(56)【参考文献】
【文献】特表昭61-500438(JP,A)
【文献】特開昭50-123628(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C
C07F
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非プロトン性溶媒中で、0.7~1.8mmol/gの範囲のアルカリ土類金属濃度を示す、金属アルキル化合物M(R
10R
11)と混合した形の、アルカリ土類アルコキシド化合物M(OCH
2R
6)
2-a-b(OR
7)
a[O(CHR
8)
nOR
9]
bの溶液であって、前記式中、
・ Mは、
Mgであり;
・ OCH
2R
6は、O官能基を基準として2位に分枝を示す、少なくとも
4つ、最大で
38のC原子からなるアルコキシド基であり、つまりR
6=-CHR
12R
13であり、R
12、R
13は、互いに無関係にアルキル基C
1~C
18であり;
・ R
7は、2~15のC原子を有するアルキル基であり、前記アルキル基は線状であるか又は(O官能基を基準として)3位以上の位置に分枝を示し;
・ R
8は、1~6のC原子を有するアルキル基であり、前記アルキル基は線状であるか又は(O官能基を基準として)3位以上の位置に分枝を示し;
・ R
9は、2~15のC原子を有するアルキル基であり、前記アルキル基は線状であるか又は分枝を示し;
・ R
10及びR
11は、1~15のC原子を有するアルキル基のいずれかであり、
・ n=1~4の整数であり、
・ a+b≦2であって、a及びbは、0~2の値をとることができ、かつ
・ M(OCH
2R
6)
2-a-b(OR
7)
a[O(CHR
8)
nOR
9]
bとM(R
10R
11)とのモル比は99:1~70:30である、アルカリ土類アルコキシド化合物の溶液。
【請求項2】
前記アルカリ土類金属濃度は、0.7~1.4mmol/gの範囲にあることを特徴とする、請求項1に記載の溶液。
【請求項3】
≧1mmol/g~≦1.6mmol/gのMg濃度での室温の粘度は、≦300cPであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の溶液。
【請求項4】
アルミニウム化合物Al(OCH
2R
6)
3-c-d(OR
7)
c[O(CHR
8)
nOR
9]
dを含み、前記式中、
・ OCH
2R
6は、O官能基を基準として2位に分枝を示す、少なくとも
4つ、最大で
38のC原子からなるアルコキシド基であり、つまりR
6=-CHR
12R
13であり、R
12、R
13は、互いに無関係にアルキル基C
1~C
18であり;
・ R
7は、2~15のC原子を有するアルキル基であり、前記アルキル基は線状であるか又は(O官能基を基準として)3位以上の位置に分枝を示し;
・ R
8は、1~6のC原子を有するアルキル基であり、前記アルキル基は線状であるか又は(O官能基を基準として)3位以上の位置に分枝を示し;
・ R
9は、2~15のC原子を有するアルキル基であり、前記アルキル基は線状であるか又は分枝を示し;
・ n=1~4の整数であり、ここで、
・ c+d≦3であり、c及びdの双方は、0~3の値をとることができ、ここで、アルミニウム化合物Al(OCH
2R
6)
3-c-d(OR
7)
c[O(CHR
8)
nOR
9]
dの含有率は、溶解した
Mgを基準として、0~20mol%の範囲にある
ことを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載の溶液。
【請求項5】
O(CHR
8
)
n
OR
9
が、2-エトキシエタノール、3-エトキシ-1-プロパノール、3-エトキシ-1-ブタノール、2-(2-エチルヘキソキシ)エタノール、2-ブトキシエタノール、2-ヘキシルオキシエタノール
、1,3-プロピレングリコールモノブチルエーテル
、及びその混合物から選択されるアルコールのアルコキシ官能基であり;
OCH
2
R
6
が、イソブタノール、2-メチル-1-ペンタノール、2-エチル-1-ブタノール、2-エチル-1-ペンタノール、2-エチル-4-メチル-1-ペンタノール、2-プロピル-1-ヘプタノール、2-メチル-1-ヘキサノール、2-エチルヘキサノール
、2-エチル-5-メチル-1-オクタノール
、及びその混合物から選択される2位で分枝したアルコールのアルコキシ官能基であり;並びに、
OR
7
が、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール、デカノール、ドデカノール、3-メチルブタン-1-オール
、及びその混合物から選択される、非分枝の又は3位以上の位置に分枝を示す2~15のC原子を有する第一級アルコールのアルコキシ官能基であることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項に記載の溶液。
【請求項6】
請求項1から
5までのいずれか1項に記載の溶液の製造方法において、
Mgを非プロトン性溶媒中でアルコールと反応させ、この反応の完了後に、金属アルキル化合物M(R
10R
11)の溶液を添加
することを特徴とする、アルカリ土類アルコキシド化合物の溶液の製造方法。
【請求項7】
トリアルキル化合物、アルキル-アルコキシ化合物及び/又はアルキル-ハロゲン化物化合物から選択される1種以上のアルキルアルミニウム化合物を添加し、Al濃度は、溶解したアルカリ土類金属を基準として、0~20mol%の範囲にあることを特徴とする、請求項
6に記載の方法。
【請求項8】
溶媒として炭化水素を使用し、ここで、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン、デカリン及び市販の沸点画分(ガソリン留分)からなる群から選択される脂肪族溶媒、又は、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン及びクメンからなる群から選択される芳香族溶媒を使用することを特徴とする、請求項
6又は
7に記載の方法。
【請求項9】
前記反応を、0~180℃の温度で行うことを特徴とする、請求項
6から
8までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
O(CHR
8
)
n
OR
9
が、2-エトキシエタノール、3-エトキシ-1-プロパノール、3-エトキシ-1-ブタノール、2-(2-エチルヘキソキシ)エタノール、2-ブトキシエタノール、2-ヘキシルオキシエタノール
、1,3-プロピレングリコールモノブチルエーテル、
及びその混合物から選択されるアルコールのアルコキシ官能基であり;
OCH
2
R
6
が、イソブタノール、2-メチル-1-ペンタノール、2-エチル-1-ブタノール、2-エチル-1-ペンタノール、2-エチル-4-メチル-1-ペンタノール、2-プロピル-1-ヘプタノール、2-メチル-1-ヘキサノール、2-エチルヘキサノール
、2-エチル-5-メチル-1-オクタノール
及びその混合物から選択される2位で分枝したアルコールのアルコキシ官能基であり;並びに、
OR
7
が、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール、デカノール、ドデカノール、3-メチルブタン-1-オール
及びその混合物から選択される、非分枝の又は3位以上の位置に分枝を示す2~15のC原子を有する第一級アルコールのアルコキシ官能基であることを特徴とする、請求項
6から
9までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
請求項1から
5までのいずれか1項に記載の溶液の製造方法において、非プロトン性溶媒中の金属アルキル化合物M(R
10R
11)の溶液に、アルコールHOCH
2R
6、HOR
7及び/又はHO(CHR
8)
nOR
9を添加し、ここで、全てのアルコールのモル合計の半分と金属アルキル化合物とのモル比は、99.5:0.5~60:40であることを特徴とする、アルカリ土類アルコキシド化合物の溶液の製造方法。
【請求項12】
重合触媒の製造のための、請求項1から
5までのいずれか1項に記載の溶液の使用。
【請求項13】
有機合成における、請求項1から
5までのいずれか1項に記載の溶液の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルカリ土類金属アルキルと混合した形のアルカリ土類金属アルコキシドの溶液、並びにその製造方法に関する。
【0002】
マグネシウムアルコキシドは、とりわけ、チーグラー・ナッタ型の担持されたオレフィン重合触媒の製造のために必要とされる。このため、文献EP 1031580によると、不溶性アルコキシド、例えばマグネシウムメトキシドを球状粒子の形で使用し、これを、塩化チタン又は他のチタン-ハロゲン結合を含む化合物(例えばCp2TiCl2)との反応により活性の形に変換する:
Mg(OEt)2 + Cp2TiCl2 → Mg(OEt)2-xClx + Cp2TiCl2-x(OEt)x
(x=0~2)
【0003】
文献WO 85/02176は、可溶性のマグネシウムアルコキシドから出発して担持されたチーグラー・ナッタ触媒を製造する他の可能性を記載している。大抵のマグネシウムアルコラート、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、tert-ブタノールなどのMg塩は、非プロトン性溶媒中で不溶である一方で、2位に分枝を示す第一級アルコールの多くのMg化合物は、炭化水素中に可溶であることが判明している。文献WO 85/02176からは、例えば、2-メチル-1-ペンタノール又は2-エチル-1-ヘキサノールのマグネシウム塩は、シクロヘキサン中に1.3mol/lの濃度で可溶であることが公知である。混合したMg-アルコキシド、つまり、2種の異なるアルコキシド基を有するMgアルコキシド、Mg(OR1)n(OR2)2-nも、対応するアルコール、R1OHが2位で分枝した第一級アルコールであり、かつ対応するアルコールR2OHが例えば第二級アルコールである場合に、炭化水素に可溶であり得る。
【0004】
マグネシウム以外に、如何なる他の溶解した金属を含まない炭化水素溶液についての欠点は、比較的高い粘度である。更に、このような溶液を、問題を生じる助剤を添加せずに、所望の炭化水素中でマグネシウム金属とアルコールとの反応により直接製造することは不可能である。一般に直接の反応を可能にするために、マグネシウム金属を活性化しなければならず、これはヨウ素を用いた浸食により達成することができる。この措置を用いて、高活性Mg粉末を使用した場合でさえも、反応速度はまだ極めて低い。例えば、文献EP 0156512には、ヨウ素の使用下でのドデカン中のマグネシウムビス(2-エチルヘキソキシド)の希釈溶液の製造を記載している。145℃の反応温度で、10時間の反応時間が必要であり、生成物は粘性の溶液の形で得られる。極端に長い反応時間を回避するために、したがって、マグネシウムアルコラート溶液は、一般に市場で入手可能なジアルキルマグネシウム化合物(R2Mg)から出発して得られる。しかしながら、この合成経路は、比較的高価なマグネシウム供給源(つまり、製造のためにハロゲンアルカンを必要とするR2Mg化合物)を使用するという欠点を有する。更に、この合成経路は、所定の溶媒、つまり飽和炭化水素への確定を含意している:ジアルキルマグネシウム化合物、例えばジブチルマグネシウム、ブチルエチルマグネシウム及びブチルオクチルマグネシウムは、飽和炭化水素、例えばヘキサン又はヘプタン中でのみ市場で入手可能であるにすぎない。
【0005】
更に、
R3R4Mg+2ROH → Mg(OR)2+R3H+R4H
によるアルコール分解の際に、飽和炭化水素(R3H及びR4H、例えばブタン又はオクタン)の発生は避けられない。したがって、市場で入手可能なジアルキルマグネシウム化合物から出発して、トルエン又はエチルベンゼンのような純粋な芳香族溶媒中のマグネシウムアルコラートの直接製造は不可能である。
【0006】
可溶性のアルカリ土類アルコラートを製造するための別の合成バリエーションは、易揮発性アルコール(例えばエタノール)から製造された不溶性のアルカリ土類アルコラートの、比較的高い沸点のアルコールを用いたアルコール交換である、例えば、以下のとおりである:
Mg(OR5)2+2ROH → Mg(OR)2+2R5OH
【0007】
欠点は、この方法の比較的大きく、コストのかさむ手間である。というのも、アルコラートMg(OR5)2を、まず揮発性アルコールR5OHと金属マグネシウムとから製造し、これを単離しなければならず、次いで、余り揮発性でないアルコール、例えば2-エチルヘキサノールと反応させ、次いで、より揮発性のアルコールR5OHを、例えば蒸留により除去しなければならないためである。
【0008】
マグネシウムアルコキシド溶液の比較的高い粘度は、会合現象によって引き起こされる。文献US 6,734,134から、この粘度はアルキルアルミニウム化合物の添加により低減できることは公知である。アルキルアルミニウム化合物とMgアルコラートとの好ましい比率は、0.001:1~1:1、より好ましくは0.01~0.1:1、更に特に好ましくは0.03~0.05:1である。
【0009】
最後に、文献WO 2010/146122から、アルミニウム化合物Al(OCH2R6)3-y(OR7)yと混合した形の、混合したアルカリ土類アルコキシド化合物M(OCH2R6)2-x(OR7)xを、非プロトン性溶媒中で1種のアルカリ土類金属及び2種の異なるアルコールから出発して製造することが公知である。この場合、
Mは、Mg、Ca、Ba、Srから選択されるアルカリ土類金属であり;
OCH2R6は、O官能基を基準として2位に分枝を示す、少なくとも3つ、最大で40のC原子からなるアルコキシド基であり、つまりR6=-CHR8R9であり、R8、R9は、互いに無関係にアルキル基C1~C18であり;
R7は、2~15のC原子を有するアルキル基であり、このアルキル基は線状であるか又は、(O官能基を基準として)3位以上の位置に分枝を示し、
かつ、x及びyの合計は、0.01~0.8、好ましくは0.02~0.3、特に好ましくは0.03~0.2の数を示す。
【0010】
この方法を用いて製造された生成物溶液は、アルカリ土類アルコキシド化合物の比較的高い濃度(つまり、CMg>0.5mol/kg)を示すが、この粘度は、粘度低下させるAl化合物の比較的低い濃度(溶解したアルカリ土類金属濃度を基準として≦3mol%)を示す生成物の場合に、室温(RT)で典型的に≧1,000cPでまだ不十分に高い。チーグラー・ナッタ触媒担体材料として使用するために、文献US 6,734,134によると、低いAl濃度が決定的に重要である。
【0011】
更に、ジアルキルマグネシウム化合物、例えばブチルエチルマグネシウム又はジブチルマグネシウムは、チーグラー・ナッタ触媒担体材料(化学的にはMgCl2)の製造のために直接使用することができる。しかしながら、ジアルキルマグネシウム化合物の使用についての欠点は、その比較的高い製造コスト並びにこのような金属オルガニルの炭化水素溶液が発火性であるという事実である。この発火性の特性は、特別でかつ不都合な輸送規定、貯蔵規定又は取扱規定の遵守を必要とする。
【0012】
同様に、ジアルコキシマグネシウム化合物とジアルキルマグネシウム化合物との混合物は公知である。例えば、US 4,634,786の実施例XVIIIでは、マグネシウム2-メチル-1-ペントキシド及びジブチルマグネシウムからなる1:1錯体を含むヘプタン-シクロヘキサン溶液の製造を記載している。しかしながら、上述の特許の他の実施例では、正確に化学量論量のジアルキルマグネシウム化合物及びアルコールが使用されるため、正確に化学量論的に構成されたMg(OR1R2)化合物(つまり過剰量のR2Mgを含まない化合物)が形成される。実施例I、II、IIIから、粘度に関して、アルコール過剰を用いることが好都合であるという示唆を推知することができる。例えば、実施例1では、約5mol%の2-メチル-1-ペンタノールの添加によって、化学量論的に構成された生成物溶液の粘度は「著しく」低減される。
【0013】
本発明には、低いAl濃度(例えば、Mg含有率を基準として、<5mol%)を示し、同時に低い粘度(例えば、室温で<500cP)を示し、かつ発火性でない、非プロトン性溶媒、殊に炭化水素中の濃縮されたアルカリ土類金属アルコキシド化合物を探し出し、並びにその製造方法を提供するという課題が課せられる。
【0014】
この課題は、非プロトン性溶媒中で、0.2~1.8mmol/gの範囲のアルカリ土類金属濃度を示す、アルカリ土類アルコキシド化合物M(OCH2R6)2-a-b(OR7)a[O(CHR8)nOR9]bと金属アルキル化合物M(R10R11)との混合物を提供することにより解決され、前記式中、
・ Mは、Mg、Ca、Ba、Srから選択されるアルカリ土類金属であり;
・ OCH2R6は、O官能基を基準として2位に分枝を示す、少なくとも3つ、最大で40のC原子からなるアルコキシド基であり、つまりR6=-CHR12R13であり、R12、R13は、互いに無関係にアルキル基C1~C18であり;
・ R7は、2~15のC原子を有するアルキル基であり、このアルキル基は線状であるか又は(O官能基を基準として)3位以上の位置に分枝を示し、
・ R8は、1~6のC原子を有するアルキル基であり、このアルキル基は線状であるか又は(O官能基を基準として)3位以上の位置に分枝を示し、
・ R9は、2~15のC原子を有するアルキル基であり、このアルキル基は線状であるか又は分枝を示し、
・ R10及びR11は、1~15のC原子を有するいずれかのアルキル基であり、
・ n=1~4の整数であり、
・ a+b≦2であって、この場合、a及びbは、0~2の値をとることができ、かつ
・ M(OCH2R6)2-a-b(OR7)a[O(CHR8)nOR9]bとM(R10R11)とのモル比は、99.5:0.5~60:40、好ましくは99:1~70:30、特に好ましくは95:5~80:20である。
【0015】
意外にも、既に少量のアルカリ土類金属アルキルを、非プロトン性溶媒中のアルカリ土類アルコキシド化合物の溶液に添加することにより、この粘度を著しく低減できることが観察された。これは、US 4,634,786から公知の技術的教示とは反対であり、つまり、化学量論的に構成されたマグネシウムアルコキシド溶液に更なるアルコールを添加するだけで、粘度低下する作用を及ぼす。
【0016】
本発明による溶液は、sec-ブタノール及び指示薬としてのビキノリンを用いた直接滴定により決定してかつ溶液中のアルカリ土類金属M全体を基準として、活性塩基R2Mg0.1~30mol%、好ましくは1~20mol%、特に好ましくは3~15mol%を含む。
【0017】
好ましくは、本発明による溶液中には、更にアルミニウム化合物Al(OCH2R6)3-c-d(OR7)c[O(CHR8)nOR9]dが含まれていて、ここで、
・ OCH2R6は、O官能基を基準として2位に分枝を示す、少なくとも3つ、最大で40のC原子からなるアルコキシド基であり、つまりR6=-CHR12R13であり、R12、R13は、互いに無関係にアルキル基C1~C18であり;
・ R7は、2~15のC原子を有するアルキル基であり、このアルキル基は線状であるか又は(O官能基を基準として)3位以上の位置に分枝を示し;
・ R8は、1~6のC原子を有するアルキル基であり、このアルキル基は線状であるか又は(O官能基を基準として)3位以上の位置に分枝を示し;
・ R9は、2~15のC原子を有するアルキル基であり、このアルキル基は線状であるか又は分枝を示し;
・ n=1~4の整数であり、ここで、
c+d≦3であり、c及びdの双方は、0~3の値をとることができ、かつ、ここで、アルミニウム化合物Al(OCH2R6)3-c-d(OR7)c[O(CHR8)nOR9]dの含有率は、溶解したアルカリ土類金属を基準として、0~約20mol%、好ましくは0.2~5mol%、特に好ましくは0.5~4mol%の範囲にある。
【0018】
非プロトン性溶媒は、5~20のC原子を有する1種又は数種の脂肪族化合物であるか、又は5~20のC原子を有する1種又は数種の脂肪族化合物を含み、この場合、環状の化合物でも開鎖状の化合物であってもよい。好ましくは:シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン、デカリン及び市販の沸点画分(ガソリン留分)である。
【0019】
非プロトン性溶媒は、更に芳香族化合物を含むか、又は芳香族化合物からなっていてもよい。好ましくは:ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン及びクメンである。
【0020】
本発明の別の実施形態の場合に、本発明によるアルカリ土類アルコキシド溶液は、更に、極性の非プロトン性溶媒、例えばエーテル又は第三級アミンを含んでよい。
【0021】
2位で分枝したアルコール(HOCH2R6)は、特に好ましくは、次からなる群から選択される:イソブタノール、2-メチル-1-ペンタノール、2-エチル-1-ブタノール、2-エチル-1-ペンタノール、2-エチル-4-メチル-1-ペンタノール、2-プロピル-1-ヘプタノール、2-メチル-1-ヘキサノール、2-エチルヘキサノール及び2-エチル-5-メチル-1-オクタノール、又は列記されたアルコールの少なくとも2種からなる混合物のいずれか。第一級アルコール(HOR7)は、好ましくは、次からなる群から選択される:エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール、デカノール、ドデカノール、3-メチルブタン-1-オール、又は列記されたアルコールの少なくとも2種からなる混合物のいずれか。アルコキシ官能基を含むアルコールHO(CHR8)nOR9は、好ましくはC2~C4-グリコールモノエーテル、例えば2-エトキシエタノール、3-エトキシ-1-プロパノール、3-エトキシ-1-ブタノール、2-(2-エチルヘキソキシ)エタノール、2-ブトキシエタノール、2-ヘキシルオキシエタノール並びに1,3-プロピレングリコールモノブチルエーテル、又は列記されたアルコールの少なくとも2種からなる混合物のいずれか。
【0022】
本発明による生成物は、例えば2つの異なる方法により製造することができる。
【0023】
第一の方法は、市販のアルカリ土類金属、好ましくはマグネシウム金属(これは、好ましくは粉末の形、顆粒の形又は切屑の形)から出発する。金属は、水不含の非プロトン性溶媒、好ましくは芳香族又は脂肪族の炭化水素中で、不活性化された、つまり乾燥されかつ保護ガス(窒素又はアルゴン)を備えた攪拌機容器内に装入される。次いで、アルキルアルミニウム化合物、例えばトリアルキルアルミニウム、例えばトリエチルアルミニウム、トリブチルアルミニウム、アルキルアルミニウムヒドリド、例えばジブチルアルミニウムヒドリド、アルキルアルミニウムハロゲン化物、例えばジブチルアルミニウムクロリド又はアルコキシアルミニウム化合物、例えばジエチルアルミニウムエトキシドを添加することができる。一般に、アルキルアルミニウム化合物とアルコールとのモル比は、0~0.1:1、好ましくは0.005~0.04:1である。アルミニウム化合物は、完全に又は部分的に、アルコールの後に、又はアルコールに添加してもよい。
【0024】
次いで、所望のアルコール、つまりアルコキシ官能基を含むアルコールHO(CHR8)nOR9及び/又は分枝アルコールHOCH2R6及び/又は、非分枝若しくは3位以上の位置に分枝を示す2~15のC原子を有する第一級アルコール(HOR7)を、混合物として又は順々に添加する。好ましくは、まず第一級アルコールR7OHを添加し、次いで始めて他の材料種から選択されるアルコールを添加する。この添加は、0~180℃、好ましくは約40~140℃の温度で行うことができる。更に特に好ましくは、この添加は、使用された溶媒の沸点で行われ、つまり例えばトルエンの場合に約110℃で行われる。反応時間は、使用したアルカリ土類金属、殊にマグネシウムの反応性、並びに使用したアルコールの酸性度、アルカリ土類金属、殊にマグネシウムとアルコールとの間の化学量論比、並びに反応温度に依存する。アルカリ土類金属、殊にマグネシウムを過剰量で(好ましくは1~300mol%、特に好ましくは10~100mol%で)使用する場合、還流法で、1~6時間の反応時間で十分である。好ましくは、実際に全てのアルコールが反応するまで、つまりアルコールの濃度が<0.01mmol/g、好ましくは<0.001mmol/gとなるまで反応させる。
【0025】
反応の完了(水素流が尽きることで認識可能)後に、比較的粘性の反応混合物に、アルカリ土類金属アルキル化合物、例えばMgR10R11の溶液を添加する。原則として、更なる短期間の粘度上昇が観察されるが、しかしながら、この粘度上昇は、数mol%のMgR10R11の添加により逆転し、つまり、この反応溶液は意外にもほぼ瞬時に低粘度になる。使用したアルコール及び他のパラメータに依存して、この効果は1~20mol%の金属アルキル化合物の添加により生じる。それに対して、MgR10R11の更なる添加は、取扱技術的に意味のない更なる粘度低下が生じるだけである。例えば、ちょうど3mol%のAlを含むマグネシウム-ビス(2-エチルヘキソキシド)の約30質量%のヘプタン溶液を、9mol%又は4mol%のジアルキルマグネシウム化合物、例えばブチルエチルマグネシウムと反応させる場合、室温で≧1000cPの粘度は、約50cP又は100cPに低下する。
【0026】
第二の好ましい製造方法は、非プロトン性溶媒中のジアルキルマグネシウム化合物の溶液から出発する。これに、1種以上の所望のアルコールを、本発明による生成物を生じる化学量論で添加する。この添加の順序は任意であり;予め製造したアルコール混合物を使用してもよい。更に、1種以上のアルコールを、好ましくは非プロトン性溶媒と混合した形で装入し、かつジアルキルマグネシウム成分を添加することも可能である。最終的に、装入した溶媒中に同時供給することも考えられる。
【0027】
本発明による方法により製造された生成物は、意外にも、≧0.5mol/kg、好ましくは≧1.0mol/kgの比較的高いアルカリ土類金属濃度にもかかわらず、粘性が極めて僅かである。アルカリ土類金属濃度は、好ましくは約0.4~1.6mmol/g、特に好ましくは0.7~1.4mmol/gの範囲にある。室温で測定された粘度は、≧1mmol/g及び≦1.5mmol/gのMg濃度の場合に、一般に300cP未満、好ましくは200cP未満、特に好ましくは100cP未満である。
【0028】
溶解したアルミニウムの含有率は、溶解したアルカリ土類金属を基準にして、0~約20mol%の範囲、好ましくは0.2~15mol%の範囲、特に好ましくは0.5~4mol%の範囲にある。
【0029】
本発明による生成物は、重合触媒の製造のため、殊にチーグラー・ナッタ型の不均一化されたポリオレフィン触媒の製造のために使用される。更に、この生成物は、有機合成中での、例えば塩基として使用してもよい。
【0030】
実施例
全ての反応は、乾燥した、アルゴンで不活性化したガラス装置内で行った。市販のマグネシウム屑を使用した。Mg及びAlの濃度は、ICP(誘導結合型プラズマ)によって測定した。
【0031】
活性塩基は、指示薬としての2,2-ビキノリンに対して、ヘキサン中の1Mの2-ブタノール溶液を用いた直接滴定によって測定される。赤色から灰色への変化。
【0032】
実施例1:ヘプタン中の6mol%のジブチルマグネシウムと混合した形のマグネシウムビス(2-エチルヘキソキシド)の35%の溶液の製造
還流冷却器及び滴下漏斗を備えた0.5Lの二重ジャケットガラス反応器内に、マグネシウム屑32.0g及びヘプタン352gを装入した。次いで、ヘプタン中のトリエチルアルミニウムの20質量%の溶液11.3g、エタノール1.8g並びに2-エチルヘキサノール171.9gを添加し、沸点に加熱した。4時間還流させ、その際に、ガス14.6Lが発生し、かつマグネシウムビス(2-エチルヘキソキシド)の粘性の溶液が生じた。試料を取り出し、その粘度を測定した(25℃で1025cP)。
【0033】
反応混合物を約80℃に冷却し、ヘキサン中のジブチルマグネシウム溶液(Mg=1.08mmol/g)54.6gを添加した。添加後に、流動性の、容易に取扱可能な溶液が生じた。明灰色の懸濁液をサイフォンで吸引しかつ濾過した。1.22mmol/gのマグネシウム含有率を示す非粘性の液体579gが得られた。更に、この生成物溶液は、アルミニウム0.030mmol/gを含み、かつ0.15mmol/gの活性塩基含有率(Bu2Mg 0.075mmol/gに相当、約6mol%)を示した。
収率:理論値の98%
粘度(ブルックフィールド、25℃):33cP
UN試験N.2、N.3において、生成物溶液は、発火性ではないことが判明した。
【0034】
実施例2:14mol%のジブチルマグネシウムと混合した形のヘキサン中の29%のマグネシウムデカノラート溶液の製造
還流冷却器及び滴下漏斗を備えた0.5Lの二重ジャケットガラス反応器内に、ヘキサン中のジブチルマグネシウム溶液(Mg=1.11mmol/g、91mmol)82.0gを装入した。次いで、n-デカノール(149mmol)23.6gを集中的に撹拌しながら添加した。滴加箇所で、一時的にゲル状の反応生成物が生じたが、この反応生成物は撹拌の際に完全に溶解した。供給後に、粘性でない無色透明の溶液が生じた。
収量:溶液104g
全マグネシウム含有率:0.88mmol/g
活性塩基含有率:0.24mmol/g
粘度(ブルックフィールド、25℃):4.8cP
UN試験N.2、N.3において、生成物溶液は、発火性ではないことが判明した。
【0035】
比較例1:ヘキサン中の約30%のマグネシウムデカノラート溶液の製造
還流冷却器及び滴下漏斗を備えた0.5Lの二重ジャケットガラス反応器内に、ヘキサン中のジブチルマグネシウム溶液(Mg=1.11mmol/g、94mmol)85.0gを装入した。次いで、n-デカノール(197mmol)31.2gを集中的に撹拌しながら添加した。全アルコール量の約90%の添加後に、滴加箇所に生じるゲル状の相は、次第にゆっくりと溶解し、次いでもはや溶解しなくなった。供給の後に、突き崩せないゲルが生じ、このゲルは加熱時(約80℃)でも液化しなかった。
ゲル状のコンシステンシーのため、シリンジにより試料を取り出すことができなかった。
【0036】
実施例3:ヘプタン中の約5mol%のブチルエチルマグネシウムと混合した形の、マグネシウムビス(2-エチルヘキソキシド)/マグネシウムデカノラート(75:25)の35%の溶液の製造
還流冷却器及び滴下漏斗を備えた0.5Lの二重ジャケットガラス反応器内に、マグネシウム屑32.0g及びヘプタン352gを装入した。次いで、ヘプタン中のトリエチルアルミニウムの20質量%の溶液11.3g、エタノール1.8g並びに2-エチルヘキサノール128.9gと1-デカノール52.2gとの混合物を添加し、沸点に加熱した。3.5時間還流させ、その際に、ガス16.0Lが発生し、かつ混合したマグネシウムアルコキシドの粘性の溶液が生じた。試料を取り出し、その粘度を測定した(25℃で3800cP)。
【0037】
これを100℃に冷却し、ヘプタン中のブチルエチルマグネシウム溶液(Mg=1.09mmol/g)55.1gを添加した。添加後に、流動性の、容易に取扱可能な溶液が生じた。明灰色の懸濁液をサイフォンで吸引しかつ濾過した。1.19mmol/gのマグネシウム含有率を示す非粘性の液体534gが単離された。生成物溶液は、更にアルミニウム0.033mmol/gを含み、かつ0.11mmol/gの活性塩基含有率(BuMgEt0.055mmol/gに相当、4.6mol%)を示した。
収率:理論値の88%
粘度(ブルックフィールド、25℃):16cP
UN試験N.2、N.3において、生成物溶液は、発火性ではないことが判明した。
【0038】
実施例4:トルエン中の5mol%のブチルエチルマグネシウムと混合した形のマグネシウムビス(2-エチルヘキソキシド)の34%の溶液の製造
還流冷却器及び滴下漏斗を備えた0.5Lの二重ジャケットガラス反応器内に、マグネシウム屑32.0g及びトルエン352gを装入した。次いで、トルエン中のトリエチルアルミニウムの25質量%の溶液9.0g、エタノール1.8g並びに2-エチルヘキサノール171.9gを添加し、沸点に加熱した。ちょうど4時間還流させ、その際に、ガス16.4Lが発生し、かつマグネシウムアルコキシドの粘性の溶液が生じた。
【0039】
次いで、100℃に冷却し、ヘプタン中のジブチルマグネシウム溶液(Mg=1.08mmol/g)56.5gを添加した。添加後に、流動性の、容易に取扱可能な溶液が生じた。明灰色の懸濁液をサイフォンで吸引しかつ濾過した。1.21mmol/gのマグネシウム含有率を示す非粘性の液体576gが単離された。生成物溶液は、更にアルミニウム0.030mmol/gを含み、かつ0.13mmol/gの活性塩基含有率(BuMgEt0.065mmol/gに相当、5.4mol%)を示した。
収率:理論値の97%
粘度(ブルックフィールド、25℃):94cP
UN試験N.2、N.3において、生成物溶液は、発火性ではないことが判明した。
【0040】
比較例1、並びに実施例1及び3におけるジアルキルマグネシウム溶液の添加前及び添加後の粘度データの比較から、ジアルキルマグネシウム溶液のマグネシウムアルコキシド溶液への添加(実施例1及び3)により、若しくはジアルキルマグネシウム溶液との反応の際のアルコール不足量の使用(実施例2及び比較例1)により引き起こされる有利な影響を推知することができる。
【0041】
0.88~1.22mmol/gのMg濃度及び≦3mol%のAl濃度を示す本発明により製造された全ての生成物溶液は、極めて良好に取扱可能でかつ流動性(25℃での粘度<100cP)であったが、ジアルキルマグネシウム不含の生成物溶液は極めて粘性であった:液体生成物の粘度は>1000~3800cPであった。2位で分枝したアルコール(O官能基を基準として2位に分枝を示す少なくとも3及び最大で40のC原子からなるHOCH2R6、つまりR6=-CHR12R13、式中R12、R13=相互に無関係にアルキル基C1~C18)を使用せず、単に非分枝のアルコールを使用する場合、完全な反応又は軽度のアルコール過剰量の使用の際に、ポンプによっても又は他の方法でも輸送不能なゲル状の生成物が生じる(比較例1)。それに対して、約14mol%のジブチルマグネシウムの存在では、水のように流動性の生成物が得られる。このような生成物は、US 4,634,786により製造することはできない、というのも、先行技術のこの文献によると、「(a)脂肪族2-アルキル置換された第一級モノアルコール;又は(b)記載された(a)アルコールと、C3~C12-脂肪族第二級又は第三級アルコールとの混合物;又は(c)記載された(a)アルコールと、C1~C12-脂肪族第一級の線状の非置換のアルコールとの混合物;この場合、記載された(a)アルコール対記載された(b)アルコール、及び記載された(a)アルコール対記載された(c)アルコールのモル比は、記載された(a)アルコール1対記載された(b)及び記載された(c)アルコール0.1~2(である)」、つまり全ての場合で2位で分枝した(a)アルコールが必要とされているためである。
【0042】
本発明による全ての生成物溶液は、発火性ではない。