(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】トランス型脂環式カーボネートの製造方法
(51)【国際特許分類】
C07D 317/46 20060101AFI20221129BHJP
C07B 61/00 20060101ALN20221129BHJP
【FI】
C07D317/46
C07B61/00 300
(21)【出願番号】P 2018007948
(22)【出願日】2018-01-22
【審査請求日】2020-10-28
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000000033
【氏名又は名称】旭化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】浦山 鉄平
【審査官】中島 芳人
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-084512(JP,A)
【文献】特開2000-239271(JP,A)
【文献】特開平11-269166(JP,A)
【文献】国際公開第2009/072501(WO,A1)
【文献】特表2001-520234(JP,A)
【文献】ITAYA T. et al.,Reactions of Oxalyl Chloride with 1,2-Cycloalkanediols in the Presence of Triethylamine,Chem. Pharm. Bull.,日本,Pharmaceutical Society of Japan,2002年,Vol.50, No.1,p.83-86
【文献】TEZUKA K. et al.,The anionic ring-opening polymerization of five-membered cyclic carbonates fused to the cyclohexane ring,Polymer Journal,2013年,Vol.45, No.12,p.1183-1187
【文献】J. Org. Chem.,2000年,Vol.65,p.6368-6380
【文献】J Org Chem,2000年,Vol.65,p.6368-6380
【文献】Polymer Journal,2013年,Vol.45, No.12,p.1183-1187
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 317/46
C07B 61/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機塩基化合物の存在下において、
下記一般式(1)の構造を有するトランス型脂環式ジオールと、
下記一般式(2)の構造を有する、化学構造中にハロゲン元素を含まないカルボニル源
化合物と、
を、反応させる工程を有し、
前記工程は溶媒として前記有機塩基化合物のみが存在し、
前記有機塩基化合物が、前記反応させる工程における温度で前記トランス型脂環式ジオ
ールを溶解させる液体であり、かつ含窒素化合物であ
り、
前記含窒素化合物は、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、4-エチルモルホリン、及びγ-ピコリンからなる群より選ばれる少なくともいずれかである、
トランス型脂環式カーボネートの製造方法。
【化1】
(一般式(1)中、nは1~10の整数である。また、脂環上に置換基を有していてもよい。)
【化2】
(一般式(2)中、R
1、R
2は、置換基を有していてもよい炭化水素基を示し、同一であ
ってもよく、異なっていてもよい。R
1、R
2は互いに結合して一般式(2)中に示される
カルボニル基とともに環を形成していてもよい。)
【請求項2】
前記トランス型脂環式ジオールが、トランスシクロヘキサンジオールである、
請求項1に記載のトランス型脂環式カーボネートの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トランス型脂環式カーボネートの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
脂肪族ポリカーボネートは、耐衝撃性や軽量性等の優れた特性を有しているため、従来から医療用材料やエンジニアプラスチック等として有用であることが知られているが、ガラス転移点が低いという問題点を有している。
一方、脂肪族ポリカーボネートの中でも、その主鎖構造に脂環式構造を有する脂環式ポリカーボネートは、他の脂肪族ポリカーボネートに比較して高いガラス転移点を示すため魅力的な高分子材料である。特に、ポリシクロヘキセンカーボネート(以下、PCHCと記載する場合がある。)は、代表的な脂環式ポリカーボネートであり、その製造方法が開発対象として盛んに取り上げられている。
【0003】
PCHCの製造方法としては、亜鉛二核錯体等の触媒存在下、原料であるシクロヘキセンオキサイドと二酸化炭素とを反応させる方法が一般的に知られている。
しかしながら、当該既存の製造方法では汎用ポリマー製造に占める触媒コストが高く、また、高圧条件を必要とすることから、工業的に応用することが困難であるという問題を有しており、反応性の高いカーボネートモノマーを使用した効率的製造法の確立が求められている。
【0004】
一方、シクロヘキセンカーボネート(以後、CHCと記載する場合がある。)は、脂環式構造を有するポリカーボネートの原料モノマーであり、その重合反応によりPCHCを合成することができるモノマーとして知られている。
前記CHCの物性は、そのカーボネート基の立体構造に大きく依存していることから、目的の立体構造を有するCHCを幾何選択的に得る製法が求められている。特に、大きなひずみ構造を有するトランス体は高い反応性を有しており、ポリマー製造工程の省エネルギー化等、製法改善にも貢献できると考えられる。
このようなトランスシクロヘキセンカーボネート(以後、trans-CHCと表記)を幾何選択的に製造する方法に関しては、従来から技術提案がなされている(例えば、非特許文献1及び2参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【文献】K. Tezuka, K. Komatsu, O. Haba, Polymer Journal, 2013, 45, 1183-1187.
【文献】B. Gabriele, R. Mancuso, G. Salemo, L. Veltri, M. Costa, A. Dibenedetto, ChemSusChem, 2011, 4, 1178-1786.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、非特許文献1に開示されている製造方法では、trans-CHCの収率が悪く、また毒性物質であるホスゲン由来化合物をカルボニル源化合物として使用しており、さらに、副生塩素のトラップ用に量論量の塩基が消費されるという問題を有している。またさらに、ハロゲン含有化合物をカルボニル源化合物として用いることは環境負荷の観点から好ましくないという問題も有している。
非特許文献2に開示されている製造方法では、反応を促進するために遷移金属触媒の他に無機塩基や脱水剤を使用することが必須とされており、脱水剤非存在下で反応は全く進行しないという問題を有している。
上記のように、これらの従来技術による方法では、塩素トラップ用塩基や脱水剤等の添加剤を必要とするため、CHCを製造するための工程が複雑になるという問題を有している。
すなわち、添加剤を必要としない簡潔な反応系により、目的とする立体構造を有するカーボネート化合物を幾何選択的に得る方法が求められている。
【0007】
そこで本発明においては、所望の立体構造を有する脂環式カーボネートモノマーを、脂環式ジオールとハロゲン元素を含まないカルボニル源化合物とから幾何選択的に製造する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上述した従来技術の課題を解決するために鋭意検討した結果、有機塩基化合物が、脂環式ジオールとカルボニル源化合物とのエステル交換反応において触媒かつ溶媒として機能することを見出し、原料と触媒のみから成る簡潔な反応系でトランス型脂環式カーボネートが幾何選択的に得られるという知見に基づいて本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
【0009】
〔1〕
有機塩基化合物の存在下において、
下記一般式(1)の構造を有するトランス型脂環式ジオールと、
下記一般式(2)の構造を有する、化学構造中にハロゲン元素を含まないカルボニル源化合物と、
を、反応させる工程を有し、
前記有機塩基化合物が、前記反応させる工程における温度で前記トランス型脂環式ジオ
ールを溶解させる液体であり、かつ含窒素化合物である、トランス型脂環式カーボネートの製造方法。
〔2〕
前記トランス型脂環式ジオールが、トランスシクロヘキサンジオールである、前記〔1
〕に記載のトランス型脂環式カーボネートの製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、原料と触媒のみから成る簡潔な反応系により、毒性物質であるホスゲン由来化合物を使用せず、トランス型脂環式ジオールとハロゲン元素を有さないカルボニル源化合物とから、幾何選択的にトランス型脂環式カーボネートを製造する方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。
なお、以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
【0012】
〔トランス型脂環式カーボネートの製造方法〕
本実施形態のトランス型脂環式カーボネートの製造方法は、
有機塩基化合物の存在下において、
トランス型脂環式ジオールと、
化学構造中にハロゲン元素を含まないカルボニル源化合物と、
を、反応させる工程を有する。
【0013】
(有機塩基化合物)
本実施形態のトランス型脂環式カーボネートの製造方法においては、有機塩基化合物を用いる。
有機塩基化合物は、トランス型脂環式ジオールのヒドロキシ基を活性化することでエステル交換反応を促進する触媒となる機能を有する化合物である。
さらに効率的に反応を促進する観点から、有機塩基化合物は、前記反応工程における温度で、前記トランス型脂環式ジオールを溶解させる液体であり、かつ含窒素化合物であることが好ましく、前記トランス型脂環式ジオールを溶解させる溶媒として機能する含窒素化合物であることがより好ましい。
【0014】
含窒素化合物としては、複素環化合物、アミン化合物が好適であり、以下に限定されるものではないが、例えば、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、4-エチルモルホリン、ピコリン、ピリジン、N,N-ジメチル-4-アミノピリジン、ジアザビシクロウンデセン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、モルホリン、ピリミジン、イミダゾール、アニリン等が挙げられる。
これらの中でも触媒活性の観点から、アミン化合物が好ましい。
アミン化合物は、第1級、第2級、又は第3級アミンのいずれであってもよいが、アミン化合物の安定性の観点から第3級アミンがより好ましい。第3級アミンとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、4-エチルモルホリンが挙げられ、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミンがより好ましいものとして挙げられる。
【0015】
(原料)
本実施形態の脂環式カーボネートの製造方法においては、トランス型脂環式ジオールと、化学構造中にハロゲン元素を含まないカルボニル源化合物とを原料として使用する。
【0016】
<トランス型脂環式ジオール>
トランス型脂環式ジオールとしては、例えば、下記一般式(1)に示すものが挙げられる。
【0017】
【0018】
(一般式(1)中、nは1以上の整数であり、好ましくは1~10であり、より好ましくは1~6である。また、脂環上に置換基を有していてもよい。)
【0019】
本実施形態において用いるトランス型脂環式ジオールとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、シクロペンタンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロへプタンジオール、シクロオクタンジオールが挙げられる。これらの中でも、生成物の安定性の観点からシクロヘキサンジオールが好ましい。
【0020】
<化学構造中にハロゲン元素を含まないカルボニル源化合物>
本実施形態において用いる化学構造中にハロゲン元素を含まないカルボニル源化合物とは、その化学式中にハロゲン元素を有さず、目的とするトランス型脂環式カーボネートにおけるカーボネート基を形成するためのカルボニル基を有する化合物を言う。
ハロゲン元素を含まないカルボニル源化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、尿素、一酸化炭素、二酸化炭素、カーボネート化合物等が挙げられる。
これらの中でも、反応性の観点からカーボネート化合物が好ましい。
【0021】
カーボネート化合物としては、例えば、下記一般式(2)に示す化合物が挙げられる。
【0022】
【0023】
(一般式(2)中、R1、R2は、置換基を有していてもよい炭化水素基を示し、同一であってもよく、異なっていてもよい。
R1、R2は互いに結合して一般式(2)中に示されるカルボニル基とともに環を形成していてもよい。)
【0024】
前記R1、R2に示す炭化水素基としては、以下に限定されるものではないが、例えば、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、及びこれらの基が2以上結合した基が挙げられる。好ましくは炭素数1~4の脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、及びこれらの基が2以上結合した基が挙げられる。
カーボネート化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、炭酸ジフェニル、炭酸ジメチル、炭酸エチレン等が挙げられる。これらの中でも、反応性の観点から、芳香族炭化水素基を有するカーボネート化合物、例えば炭酸ジフェニルが好ましい。
【0025】
本実施形態の製造方法においては、前述の有機塩基化合物が溶媒として機能することが好ましいが、必要に応じて他の溶媒も用いることもできる。
【0026】
(反応条件)
本実施形態のトランス型脂環式カーボネートの製造工程においては、有機塩基化合物の使用量は、原料のトランス型脂環式ジオール1グラムに対して、例えば0.1グラム~30グラムが好ましく、より好ましくは0.1グラム~10グラム、さらに好ましくは1.0グラム~5.0グラムである。
本実施形態のトランス型脂環式カーボネートの製造方法においては、有機塩基化合物が、反応液を均一な一相状態にする溶媒として機能する量で用いることが好ましい。
カルボニル源化合物の使用量は、収率や反応後の単離・精製の観点から、原料のトランス型脂環式ジオールに対して、例えば0.5当量~10当量程度が好ましく、より好ましくは1.0当量~4当量である。
反応温度としては、例えば30℃~250℃が好ましく、より好ましくは30℃~180℃、さらに好ましくは90℃~180℃である。
本実施形態の製造方法における、トランス型脂環式ジオールと、カルボニル源化合物との反応は、回分式、半回分式、連続式等の慣用の方法により行うことができる。
反応終了後、反応生成物であるトランス型脂環式カーボネートは、例えば、濃縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶等の分離手段や、これらを組み合わせた分離手段により分離精製できる。
【実施例】
【0027】
以下、具体的な実施例及び比較例を挙げて本発明について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
【0028】
〔実施例1〕
ガラス製ナスフラスコに、トランスシクロヘキサンジオール1.0g、炭酸ジフェニル1.8g、トリエチルアミン3.0gを加え、150℃で1時間撹拌してtrans-CHC(トランス型シクロヘキセンカーボネート)を得た(転化率:92.3%、収率:62.3%、選択率:67.5%)。
なお、トランスシクロヘキサンジオールの転化率、及びtrans-CHCの収率を、ガスクロマトグラフィーを使用して内部標準法で測定した。
選択率は、(収率/転化率)×100により算出した。
結果を下記表1に示す。
【0029】
(分析条件)
装置 島津製ガスクロマトグラフィーGC2010
カラム DB-1
条件 インジェクション温度:250℃、ディテクション温度:250℃
キャリアガス:窒素(カラム流量0.51mL/min、SP比200)
検出器ガス:乾燥空気400mL/min、水素40mL/min
昇温速度:40℃(2分保持)~(5℃/min)~165℃~(10℃/
min)~250℃(35分保持)
内標 シクロヘプタノン
【0030】
〔実施例2~5〕
実施例2~5においては、トリエチルアミンを、下記表1に記載の有機塩基化合物に変更した。その他の条件は〔実施例1〕と同様にしてtrans-CHC(トランス型シクロヘキセンカーボネート)を得た。
測定結果を下記表1に示す。
【0031】
【0032】
〔実施例6~11〕
実施例6~11においては、炭酸ジフェニル/トランスシクロヘキサンジオールとのモル比(下記表2中、DPC/CHDLと記載)、及び反応温度を、表2に記載の値に変更した。その他の条件は〔実施例1〕と同様にしてtrans-CHC(トランス型シクロヘキセンカーボネート)を得た。
測定結果を下記表2に示す。
【0033】
【0034】
〔実施例12~13〕
実施例12~13においては、炭酸ジフェニルに替えて、炭酸ジメチル又は炭酸エチレンを使用した。その他の条件は〔実施例1〕と同様にしてtrans-CHC(トランス型シクロヘキセンカーボネート)を得た。
測定結果を下記表3に示す。
【0035】
【0036】
〔比較例1〕
トランスシクロヘキサンジオールに替えて、シスシクロヘキサンジオールを使用した。その他の条件は〔実施例1〕と同様にして実施した。
本比較例ではtrans-CHC収率は0%であり、シスシクロヘキセンカーボネートを収率:31.7%(転化率:37.0%、選択率:85.7%)で得た。
【0037】
〔比較例2〕
ガラス製ナスフラスコに、トランスシクロヘキサンジオール500g、1,4-ジオキサン5.0Lを加えて氷冷し、クロロギ酸エチル700gを反応液中に滴下して加えた。
続いて、トリエチルアミン870gをトルエン2.5Lで希釈した溶液を滴下し、1時間撹拌して288.2gのtrans-CHCを得た(収率:47.1%)。
本比較例で示すように、ハロゲンを含むカルボニル源化合物を使用した場合、トラップ剤としての塩基が必要となり、好ましくない例となった。
【0038】
〔比較例3〕
耐圧反応器に、シクロヘキセンオキシド200g、ヨウ化カリウム0.8gを加えて、4MPaの二酸化炭素を充填した後、200℃で20時間反応させた。
本比較例ではtrans-CHC収率は0%であり、シスシクロヘキセンカーボネートを収率93%で得た。
本比較例で示すように、シクロヘキセンオキシドと二酸化炭素の反応では、より安定な構造のシス体が生成するため、トランス体を得ることができなかった。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、有機塩基化合物を触媒かつ溶媒として機能させることでトランス型脂環式ジオールとハロゲン元素を含まないカルボニル源化合物から簡潔な方法で幾何選択的にトランス型脂環式カーボネートを得ることができ、工業上有用な高分子材料である脂環式ポリカーボネートの原料モノマーとなるトランス型脂環式カーボネートの製造方法として産業上の利用可能性を有する。