IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッドの特許一覧

特許7184530位置周波数が検出される場合にワイヤレスツールをオンに切り替えるためのシステム及び方法
<>
  • 特許-位置周波数が検出される場合にワイヤレスツールをオンに切り替えるためのシステム及び方法 図1
  • 特許-位置周波数が検出される場合にワイヤレスツールをオンに切り替えるためのシステム及び方法 図2A
  • 特許-位置周波数が検出される場合にワイヤレスツールをオンに切り替えるためのシステム及び方法 図2B
  • 特許-位置周波数が検出される場合にワイヤレスツールをオンに切り替えるためのシステム及び方法 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】位置周波数が検出される場合にワイヤレスツールをオンに切り替えるためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 1/00 20060101AFI20221129BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20221129BHJP
【FI】
H02J1/00 307F
H02J7/00 302A
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018072163
(22)【出願日】2018-04-04
(65)【公開番号】P2018183041
(43)【公開日】2018-11-15
【審査請求日】2021-04-02
(31)【優先権主張番号】15/479,467
(32)【優先日】2017-04-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】バディム・グリナー
(72)【発明者】
【氏名】ヤロン・エフラス
(72)【発明者】
【氏名】アンドレス・クラウディオ・アルトマン
【審査官】宮本 秀一
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-502132(JP,A)
【文献】特開2007-236937(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B13/00-18/18
A61F2/01
A61N7/00-7/02
H02J1/00-1/16
H02J7/00-7/12
H02J7/34-7/36
H02J50/00-50/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレスツールの電力を管理するためのシステムの作動方法であって、
前記システムは、前記ワイヤレスツールと、プロセッサと、複数のフィールドジェネレータを備える位置パッドと、を含み、
前記複数のフィールドジェネレータからのそれぞれの特定の周波数信号が混合された混合信号を前記ワイヤレスツールが取得し、前記プロセッサが電圧を判定することと、
前記プロセッサが、前記電圧が所定量を下回る場合には、前記ワイヤレスツールをハイバネーションモードに設定することと、
前記プロセッサが、前記電圧が前記所定量を上回る場合には、前記ワイヤレスツールをアクティブモードに設定し、前記ワイヤレスツールの位置及び配向を計算するためにアルゴリズムを適用することと、を含む、システムの作動方法。
【請求項2】
前記プロセッサが、抵抗器を使用して前記電圧を判定することを更に含む、請求項1に記載のシステムの作動方法。
【請求項3】
前記ハイバネーションモードが、信号検出のみを含む、請求項1に記載のシステムの作動方法。
【請求項4】
前記アクティブモードが、ワイヤレス通信伝送を可能にする、請求項1に記載のシステムの作動方法。
【請求項5】
前記アルゴリズムが、Goertzelアルゴリズムである、請求項1に記載のシステムの作動方法。
【請求項6】
ワイヤレスツールの電力を管理するためのシステムであって、
前記システムは、前記ワイヤレスツールと、プロセッサと、複数のフィールドジェネレータを備える位置パッドと、を含み、
前記プロセッサは、
前記ワイヤレスツールが取得した前記複数のフィールドジェネレータからのそれぞれの特定の周波数信号が混合された混合信号を分析し、電圧を判定することと、
前記電圧が所定量を下回る場合には、前記ワイヤレスツールをハイバネーションモードに設定することと、
前記電圧が前記所定量を上回る場合には、前記ワイヤレスツールをアクティブモードに設定し、前記ワイヤレスツールの位置及び配向を計算するためにアルゴリズムを適用することと、を行うように構成されている、システム。
【請求項7】
前記ハイバネーションモードが設定されていることを示すインジケータを表示するモニタを更に備える、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記ワイヤレスツールが、
少なくとも1つのインダクタと、
少なくとも1つのコンデンサと、
少なくとも1つの抵抗器と、を更に備える、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記インダクタが、前記ワイヤレスツールの位置の特定の周波数まで前記コンデンサと同調される、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記インダクタが、前記位置パッドによって発せられた周波数信号を受信するように構成されている、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記抵抗器の電圧である電圧信号が、プロセッサに送信されるように構成されている、請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
前記システムが、前記ワイヤレスツールのバッテリ電力の可聴指標を更に含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項13】
前記システムが、前記ワイヤレスツールのバッテリ電力の可視指標を更に含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項14】
前記ハイバネーションモードが、信号検出のみを含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項15】
前記アクティブモードが、ワイヤレス通信伝送を可能にする、請求項6に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、ワイヤレスツールのための電力管理に関し、より具体的には、位置検出に基づいてツールをオン又はオフに切り替えることによってバッテリ駆動式ワイヤレスツールのバッテリ寿命及び電力を延長することに関する。
【背景技術】
【0002】
非固定医療ツールは、様々な重大な健全な手技のために使用され、かつ電源異常を防ぐために信頼性の高い電力管理システムを必要とする。医療システムは、従来、非固定医療ツールに接続し、かつ一定で信頼できる電源を受信するために、固定されたワイヤ又はケーブルを介して、非固定ツールに信号を送信する。これらの非固定有線システム及びツールは、一定の信頼できる電源を受信するために固定ワイヤ接続を使用していた。現在、短距離無線技術の進歩により、医療ツールメーカーは、固定物理ケーブルを必要とせずに、非固定ツールを作製することができる。例えば、米国電気電子技術者協会(IEEE)802.11g、IrDA(赤外線データ)、及びEricsson Bluetooth(商標)の仕様に一致又は適合する非固定ツールは、短距離無線技術を提供して、無線通信を可能にする。
【0003】
しかしながら、現在の非固定無線ツールは、固定された連続的な信頼できる電源を含んでいない。代わりに、これらのツールは、アクティブであるときに操作するために、通常は約3~4時間の有限寿命を有するポータブルバッテリ電源に依存している。したがって、バッテリが充電されていないか、又は適切に充電されていない場合、手技中に故障する(すなわち、充電が不足する)可能性がある。このため、これらの医療ツールに関する重大な健全性支援要件及びそのような機器における電源異常の潜在的な帰結のために、ツールは信頼性の高い電池電力管理システムを必要とする。
【0004】
これらのバッテリ駆動式ワイヤレスツールは、通常の操作で使用されるとき、機能的問題に曝される。機能的問題の1つの例は、医療ツールの製造業者が、特定の医療手技、特にENT手技において使用するために可能な限り小さくかつ軽いツールを作製しようとすることである。一方、バッテリ駆動式ワイヤレスツールは、可能な限り長い間電力を維持しなければならず、これは、より大きなサイズのバッテリを適用することを必要とする。
【0005】
機能的問題の別の例は、常にユーザにワイヤレス位置指標を提供することである。外科手技又は医療手技の間、医師は多数のワイヤレスツールを使用することができるが、これらのツールのすべてを全手技にわたって使用することはない。代わりに、医師は通常、特定の期間、バッテリ駆動式ワイヤレスツールを使用し、それを側に置き、他のワイヤレスツールを手技の他の部分に使用し、バッテリ駆動式ワイヤレスツールを後で再び使用することがある。したがって、手技中に医師によってある期間使用されていないバッテリ駆動式ワイヤレスツールは依然として稼動しており、ツールの位置及び/又は状態の指標を常に提供している。これは、バッテリ駆動式ワイヤレスツールのバッテリは有限の寿命を有し、ツールがオンになると電力が絶えず減少し、かつツールを使用しない間でもツールの位置を提供するため、電源管理にとって特に問題になる。更に、医師は、手技中に側に置かれたワイヤレスツールの位置指標には関心がなく、代わりに、医師は、現在使用しているツールの位置指標を選択する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、位置周波数が検出されたときに、ワイヤレスツールをオンに切り替え、次いで、位置周波数が検出されないときに、低電力ハイバネーション又は他の省電力モードを呼び出すことによって、バッテリ駆動式ワイヤレスツールのバッテリ寿命を延ばし、手技中に適切なかつ拡張されたワイヤレスツールの操作が確実に行われるシステムを提供することが有益であろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ワイヤレスツールの電力を管理するための方法及びシステムが提供される。この方法は、電磁ナビゲーションのために位置パッドによって発せられた混合電磁周波数信号を取得し、その信号に基づいて電圧を判定することと、電圧が所定量を下回る場合には、ツールがナビゲーション空間から遠く離れていてナビゲーションされる必要がないためワイヤレスツールをハイバネーションモードに設定することと、電圧が所定量を上回る場合には、ワイヤレスツールをアクティブモードに設定し、ワイヤレスツールの位置及び配向を計算するためにアルゴリズムを適用することと、を含む。システムは、少なくとも1つのフィールドジェネレータを備える位置パッドと、混合電磁周波数信号を受信するように構成されたワイヤレスツールと、混合信号を分析して電圧を判定し、電圧が所定量を下回る場合には、ワイヤレスツールをハイバネーションモードに設定し、電圧が所定量を上回る場合には、ワイヤレスツールをアクティブモードに設定して、ワイヤレスツールの位置及び配向を計算するためにアルゴリズムを適用するように構成されたプロセッサと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明は、添付図面の図において、制限としてではなく、例として示される。
図1】本発明の一実施形態によるワイヤレスツールのための電力管理システムの概略図である。
図2A】電力管理システムの例示的なワイヤレスツールである。
図2B】電力管理システムの一実施形態の電気回路図である。
図3】本発明の一実施形態によるワイヤレスツールの電力モード及び/又はハイバネーションモードを起動するための方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ワイヤレスツールをオンに切り替え、位置周波数が検出されたときにワイヤレスツールを低電力モード又はハイバネーションモードに切り替えるためのシステム及び方法が提示される。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態によるワイヤレスツールのための電力管理システム100の概略図を例解する。電力管理システム100は、ワイヤレスツール102と、少なくとも1つのフィールドジェネレータを備える位置パッド104と、プロセッサ108と、コンソール110と、ディスプレイ又はモニタ112と、を含む。ワイヤレスツール102は、ワイヤレス医療ツールであってもよい。モニタ112は、コンソール110に取設され得るか、又はコンソール110とは別個に装着され得る。
【0011】
図1に示すように、医師などの個人114は、システム100を操作して、患者116に対して医療手技を実施する。医師114は、医療手技の一部分を実行するときにワイヤレスツール102を使用する。医療手技の他の部分の間、ワイヤレスツール102は使用されない。
【0012】
一実施形態では、位置パッド104は、1つのフィールドジェネレータを備えてもよい。別の実施形態では、位置パッド104は、複数のフィールドジェネレータを備えてもよい。各フィールドジェネレータは、医療手技中に、電磁場(各々がそれ自身の周波数)を発する複数のコイル(図示せず)と、発せられた周波数を検出する1つ又は2つ以上のセンサ(図示せず)と、を含んでもよい。このシステムは、フィールドジェネレータ104によって生成されセンサによって検出された電磁場を使用して、とりわけ、3次元空間におけるツールの位置を計算し、判定する。ツール102が使用されていないとき、システムは、ツール102の「範囲外」の位置、例えばツール102の使用に適さない位置などを検出し、ツールがナビゲーション空間から遠く離れていてナビゲーションされる必要がないため、ツール102をハイバネーションモードに切り替えてもよい。システムは、ツール102からの信号振幅がある周波数閾値を超えるか又はそれを超えないかを計算する。周波数閾値を超える場合には、ツール102は、使用されるべき位置にある。ツール102がハイバネーションモードにあって、これが閾値を超える場合、ツール102は、オンに切り替えられるか、又は起動される。医療手技全体を通じて、周波数閾値を超えるとき、ワイヤレスツール102は、アクティブのままであるか、又は使用中のままである。さもなければ、周波数閾値が所定の閾値未満である場合、ワイヤレスツール102は、ハイバネーションモードに切り替えられ、維持される。
【0013】
図2Aは、例示的なワイヤレスツール102を示す。一実施形態では、ワイヤレスツール102は、ワイヤレス医療ツールであってもよい。ワイヤレスツール102は、バッテリパック又はバッテリホルダ202を介して1つ又は2つ以上のバッテリによって電力を得ることができる。現在のワイヤレスツールは、短距離無線技術を提供して、ワイヤレス通信を可能にする。これらの技術により、信号のワイヤレス送信及び受信が可能になるが、ツールによって、大幅な電力の消費が引き起こされる。本システムは、ワイヤレスツール102を使用しない間に低電力モードに切り替えることによってワイヤレス通信の電力消費を制限することによって、電力を保存及び管理することを目的とする。低消費電力モードでは、バッテリ消費量を削減して、ツールの使用期間を保持及び延長することができる。
【0014】
ワイヤレスツール102は、図1に示すように、インダクタ204と、電圧を含む信号をプロセッサ108に送信するための抵抗器206、208と、を備える、検出機構を備えることができる。医療手技の間、ワイヤレスツール102は、磁気ナビゲーションのために、特定の周波数信号(「磁気的位置周波数」)を有する電磁場を受信する。本発明の実施形態では、周波数は、17キロヘルツ(kHz)~19.8kHzの範囲であってもよい。他の実施形態では、周波数は、値がより高くてもより低くてもよい。インダクタ204は、信号を受信し、その位置の特定の周波数にコンデンサで同調される。インダクタ204は受動的であるため、電力を消費することはない。インダクタ204によって受信された信号が磁気的位置周波数にないとき、コイルは抵抗器206を介して放電され、抵抗器208の電圧は非常に低い。この電圧信号は、図1に示すようにプロセッサ108に送られ、プロセッサ108は、信号を分析してワイヤレスツール102をハイバネーションモードに維持する。
【0015】
ワイヤレスツール102が使用される位置に移動されると、抵抗器208の電圧が上昇し、周波数閾値を超える。この電圧信号は、図1に示すようにプロセッサ108に送られ、これにより、ワイヤレスツール102は、有効にされるか、又は起動されてアクティブ電力モードになる。ワイヤレスツール102が有効にされると、プロセッサ108は、ワイヤレス周波数(WiFi)を介してワイヤレスツール102と通信し、プロセッサ108は、ワイヤレスツール102の位置及び空間におけるその配向を計算する。
【0016】
ハイバネーションモードは、ワイヤレスツール102が使用されていない期間に、ワイヤレスツール102とプロセッサ108との間のワイヤレス通信を送信又は受信しないこと、及び全体的な電力の低減を含んでもよい。他の低減電力管理スキームが採用されてもよい。ハイバネーションモードでは、ワイヤレス通信は、位置検出のみに制限され得る。
【0017】
更に、ワイヤレスツール102は、十分なバッテリ電力が利用可能であることを示すために可視又は可聴指標のいずれかを生成してもよい。可視指標は、モニタ112に照明用発光ダイオード(LED)及び/又はインジケータを含むことができ、可聴指標は、周期的に聞こえる可聴音を含むことができる。可聴指標は、コンソール110のスピーカ(図示せず)を介して生成することができる。可視又は可聴指標を使用して、バッテリ電力がいつ特定の閾値を下回るかを示すこともできる。
【0018】
図2Bは、電力管理システムの一実施形態の電気回路図である。この実施形態では、インダクタ204は、位置パッド104が発した周波数信号を受信し、コンデンサ210を用いてその位置の特定の周波数に同調される。インダクタ204によって受信された信号が磁気的位置周波数にないとき、コイルは抵抗器206を介して放電され、抵抗器208の電圧は非常に低い。このため、ワイヤレスツール102はハイバネーションモードに維持される。
【0019】
ワイヤレスツール102が使用される位置に移動されると、例えばインダクタ204がその位置のコンデンサ210の特定の周波数に一致すると、抵抗器208の電圧が上昇し周波数閾値を超え、これにより、ワイヤレスツール102を有効にさせるか、又は起動させてアクティブ電力モードにすることができる。さもなければ、電圧が低いままである間、ワイヤレスツール102は、ハイバネーションモードに留まる。使用されていないときにワイヤレスツール102をハイバネーションモードに維持し、ワイヤレスツール102が使用される位置に移動されたときにワイヤレスツール102を起動又は有効にすることで、バッテリ電力を保存し、ワイヤレスツール102の寿命を延ばす。この構成ではまた、手技中にワイヤレスツールを維持するためにより少ないバッテリ電力が必要とされることから、ワイヤレスツール102において、より小型のバッテリを使用することが可能になる。
【0020】
図3は、位置周波数が検出されたときにワイヤレスツールをオンに切り替えるための本発明の方法の一実施形態のフロー図である。この手技は、通常、医療手技中に実行される。工程S1において、ワイヤレスツール102は、インダクタ204を介して位置パッド104によって発せられた磁気的位置周波数を受信し、このため、コイルが第1の抵抗器206を介して放電され、第2の抵抗器208の電圧に影響を及ぼす。工程S2では、電圧を所定量と比較する。この電圧が所定量を下回る場合(S2=はい)には、システムは、ツールが非アクティブ状態であることを認識する。工程S3において、ツールはハイバネーションモードに切り替えられるか、又はハイバネーションモードに維持され、システムは、工程S1に戻って、ツールの監視を続ける。
【0021】
抵抗器208の電圧が所定量以上である場合(S2=いいえ)、工程S4において、プロセッサ108は、ワイヤレスツール102を起動してアクティブ電力モードにする。
【0022】
工程S5において、工程S1から取得された混合信号が、プロセッサ108によって処理され、各それぞれのコイルによって発せられた周波数が判定される。一実施形態では、工程S5において、プロセッサ108は、ある周波数閾値を超える信号振幅を検出するためのアルゴリズムを適用する。いずれの受信モードも、所望の信号の他にノイズ又は他の望ましくない入力信号の可能性をもたらすため、異なる検出手法を使用してもよい。一実施形態では、3次元空間におけるワイヤレスツール102の位置及び配向を判定するためにプロセッサ108によって適用されるアルゴリズムは、Goertzelアルゴリズムである。更に、プロセッサ108は、WiFiを介してツールと通信する。
【0023】
離散フーリエ変換(DFT)及び高速フーリエ変換に関する1つの問題は、より多数の周波数でフーリエ変換係数を推定することは非常に効率的ではあるが、少数の周波数でフーリエ変換係数を推定することはあまり効率的でないことである。この問題は、一様でないDFTを使用して実際のデュアルトーンマルチ周波数(DTMF)周波数でサンプルを評価することによって克服可能である。一様でないDFTの一例は、Goertzelアルゴリズムである。高速フーリエ変換(FFT)とは対照的に、既知の離散周波数を解析する場合は、Goertzelアルゴリズムを常に使用し得る。これは、典型的には、本発明の検出機構の場合である。
【0024】
本明細書の開示に基づいて多くの変更例が可能であることを理解されたい。特徴及び要素が特定の組み合わせで上に説明されているが、各特徴又は要素は、他の特徴及び要素を用いずに単独で、又は他の特徴及び要素を用いて若しくは用いずに他の特徴及び要素との様々な組み合わせで使用されてもよい。
【0025】
提供される方法は、汎用コンピュータ、プロセッサ、又はプロセッサコアにおける実装を含む。好適なプロセッサとしては、例として、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、従来型プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと関連する1つ若しくは2つ以上のマイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)回路、任意の他の種類の集積回路(IC)、及び/又は状態機械が挙げられる。このようなプロセッサは、処理されたハードウェア記述言語(HDL)命令及びネットリスト等の他の中間データ(このような命令は、コンピュータ可読媒体に記憶することが可能である)の結果を用いて製造プロセスを構成することにより、製造することが可能である
【0026】
本明細書に提供される方法又はフローチャートは、汎用コンピュータ又はプロセッサによる実行のために持続性コンピュータ可読記憶媒体に組み込まれるコンピュータプログラム、ソフトウェア、又はファームウェアにおいて実装することができる。持続性コンピュータ可読記憶媒体の例としては、ROM、ランダムアクセスメモリ(RAM)、レジスタ、キャッシュメモリ、半導体メモリデバイス、磁気媒体、例えば内蔵ハードディスク及びリムーバブルディスク、磁気光学媒体、並びに光学媒体、例えば、CD-ROMディスク及びデジタル多用途ディスク(DVD)が挙げられる。
【0027】
〔実施の態様〕
(1) ワイヤレスツールの電力を管理するための方法であって、
混合信号を取得し、電圧を判定することと、
前記電圧が所定量を下回る場合には、前記ワイヤレスツールをハイバネーションモードに設定することと、
前記電圧が前記所定量を上回る場合には、前記ワイヤレスツールをアクティブモードに設定し、前記ワイヤレスツールの位置及び配向を計算するためにアルゴリズムを適用することと、を含む、方法。
(2) 抵抗器を使用して前記電圧を判定することを更に含む、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記ハイバネーションモードが、信号検出のみを含む、実施態様1に記載の方法。
(4) 前記アクティブモードが、ワイヤレス通信伝送を可能にする、実施態様1に記載の方法。
(5) 前記アルゴリズムが、Goertzelアルゴリズムである、実施態様1に記載の方法。
【0028】
(6) ワイヤレスツールの電力を管理するためのシステムであって、
ワイヤレスツールと、
プロセッサであって、
混合信号を分析し、電圧を判定することと、
前記電圧が所定量を下回る場合には、前記ワイヤレスツールをハイバネーションモードに設定することと、
前記電圧が前記所定量を上回る場合には、前記ワイヤレスツールをアクティブモードに設定し、前記ワイヤレスツールの位置及び配向を計算するためにアルゴリズムを適用することと、を行うように構成された、プロセッサと、を備える、システム。
(7) 前記ハイバネーションモードが設定されていることを示すインジケータを表示するモニタを更に備える、実施態様6に記載のシステム。
(8) 前記ワイヤレスツールが、
少なくとも1つのインダクタと、
少なくとも1つのコンデンサと、
少なくとも1つの抵抗器と、を更に備える、実施態様6に記載のシステム。
(9) 前記インダクタが、前記ワイヤレスツールの位置の特定の周波数まで前記コンデンサと同調される、実施態様8に記載のシステム。
(10) 前記インダクタが、位置パッドによって発せられた周波数信号を受信するように構成されている、実施態様9に記載のシステム。
【0029】
(11) 前記抵抗器が、電圧信号を送信するように構成されている、実施態様8に記載のシステム。
(12) 前記システムが、前記ワイヤレスツールのバッテリ電力の可聴指標を更に含む、実施態様6に記載のシステム。
(13) 前記システムが、前記ワイヤレスツールのバッテリ電力の可視指標を更に含む、実施態様6に記載のシステム。
(14) 前記ハイバネーションモードが、信号検出のみを含む、実施態様6に記載のシステム。
(15) 前記アクティブモードが、ワイヤレス通信伝送を可能にする、実施態様6に記載のシステム。
【0030】
(16) コンピュータソフトウェア製品であって、コンピュータプログラム命令が記憶された非一時的なコンピュータ可読記憶媒体を含み、前記命令は、コンピュータによって実行されるとき、前記コンピュータに、
ワイヤレスツールによって発せられた混合信号を取得し、電圧を判定する工程と、
前記電圧が所定量を下回る場合には、前記ワイヤレスツールをハイバネーションモードに設定する工程と、
前記電圧が前記所定量を上回る場合には、前記ワイヤレスツールをアクティブモードに設定し、前記ワイヤレスツールの位置及び配向を計算するためにアルゴリズムを適用する工程と、を行わせる、コンピュータソフトウェア製品。
図1
図2A
図2B
図3