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特許7184536フィルター装置、フィルター装置付きダクト、並びに、フィルター装置付きガラリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】フィルター装置、フィルター装置付きダクト、並びに、フィルター装置付きガラリ
(51)【国際特許分類】
   F24F 7/003 20210101AFI20221129BHJP
   F24F 1/0073 20190101ALI20221129BHJP
   F24F 13/28 20060101ALI20221129BHJP
   F24F 13/02 20060101ALI20221129BHJP
   F24F 7/04 20060101ALI20221129BHJP
   E04B 1/70 20060101ALI20221129BHJP
   E04F 17/06 20060101ALI20221129BHJP
【FI】
F24F7/003
F24F1/0073
F24F13/28
F24F13/02 Z
F24F7/04 B
E04B1/70 D
E04F17/06 A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018092426
(22)【出願日】2018-05-11
(65)【公開番号】P2019196890
(43)【公開日】2019-11-14
【審査請求日】2021-03-16
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001317
【氏名又は名称】株式会社熊谷組
(74)【代理人】
【識別番号】100141243
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 靖夫
(72)【発明者】
【氏名】新井 勘
(72)【発明者】
【氏名】淵▲崎▼ 礼奈
【審査官】▲高▼藤 啓
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第203303778(CN,U)
【文献】特開2009-079784(JP,A)
【文献】特開2008-196822(JP,A)
【文献】特開平04-084039(JP,A)
【文献】特開平03-221904(JP,A)
【文献】特開2009-257713(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 7/003
F24F 1/0073
F24F 13/28
F24F 13/02
F24F 7/04
E04B 1/70
E04F 17/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を透過させる四角形の板により形成された複数の光透過性部材により構成された板状の光透過部と、
前記光透過部の板面と同一面上に位置し、空気を通過させるととも塵埃をろ過する四角形の板により形成された複数の空気ろ過部材により構成された板状の空気ろ過部と、
を備え、
前記空気ろ過部と前記光透過部とが隣り合うように設けられたフィルター装置であって、
前記光透過性部材を形成する四角形の板の端面と、前記空気ろ過部材を形成する四角形の板の端面とが突き合わされた四角形板により構成され、当該四角形板の板面が、前記光透過性部材の板面と前記空気ろ過部材の板面とが交互に配された市松模様に形成されたことを特徴とするフィルター装置。
【請求項2】
光を透過させる扇形の板により形成された複数の光透過性部材により構成された板状の光透過部と、
前記光透過部の板面と同一面上に位置し、空気を通過させるととも塵埃をろ過する扇形の板により形成された複数の空気ろ過部材により構成された板状の空気ろ過部と、
を備え、
前記空気ろ過部と前記光透過部とが隣り合うように設けられたフィルター装置であって、
前記光透過性部材を形成する扇形の板の端面と前記空気ろ過部材を形成する扇形の板の端面とが突き合わされた円形板により構成され、当該円形板の板面が、前記光透過性部材の扇形板面と前記空気ろ過部材の扇形板面とで円の周方向に交互に区切られた構成の板面に形成されたことを特徴とするフィルター装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のフィルター装置が、建物の屋内と屋外とを連通可能なように建物内に設置されたダクトの内側においてダクト内の流路を塞ぐように設置されて、
前覆部、上覆部、左覆部、右覆部を有して建物の外壁に取付けられたベントキャップの給排気部を介して屋外からダクト内に流入した空気が空気ろ過部を通過するとともに、前記前覆部、上覆部、左覆部、右覆部のうちの1つ以上が採光部に形成された前記ベントキャップの採光部を透過して屋外からダクトの内側に取り入れられた光が光透過部を透過するように構成されたことを特徴とするフィルター装置付きダクト。
【請求項4】
請求項1又は請求項に記載のフィルター装置が、ガラリの外側又はガラリの内側に取付けられたことを特徴とするフィルター装置付きガラリ。
【請求項5】
光を透過させる光透過性部材により形成された光透過部と、
空気を通過させるととも塵埃をろ過する空気ろ過部材により形成された空気ろ過部と、
を備え、
空気ろ過部と光透過部とが隣り合うように設けられたフィルター装置が、建物の屋内と屋外とを連通可能なように建物内に設置されたダクトの内側においてダクト内の流路を塞ぐように設置されて、前覆部、上覆部、左覆部、右覆部を有して建物の外壁に取付けられたベントキャップの給排気部を介して屋外からダクト内に流入した空気が空気ろ過部を通過するとともに、前記前覆部、上覆部、左覆部、右覆部のうちの1つ以上が採光部に形成された前記ベントキャップの採光部を透過して屋外からダクトの内側に取り入れられた光が光透過部を透過するように構成され、
光透過部及び空気ろ過部が板状に形成され、光透過部の板面と空気ろ過部の板面とが同一面上に位置されたことを特徴とするフィルター装置付きダクト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光透過機能と空気ろ過機能とを兼ね備えたフィルター装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、内面が鏡面等の光反射面に形成された光ダクトと呼ばれるダクトが知られている(特許文献1等参照)。
また、光ダクト内に屋外から空気を取り込み可能として、屋内に光と空気を取り込むように構成された建物が知られている(特許文献2等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-39318号公報
【文献】特開2012-211451号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献2に開示された建物では、屋外からダクト内に空気と一緒に塵埃が取り込まれた場合、当該塵埃が屋内に取り込まれてしまうという課題があった。
本発明は、屋外から屋内に、塵埃が除去された空気とともに光を取込むことができるフィルター装置等を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るフィルター装置は、光を透過させる四角形の板により形成された複数の光透過性部材により構成された板状の光透過部と、光透過部の板面と同一面上に位置し、空気を通過させるととも塵埃をろ過する四角形の板により形成された複数の空気ろ過部材により構成された板状の空気ろ過部とを備え、空気ろ過部と光透過部とが隣り合うように設けられたフィルター装置であって、光透過性部材を形成する四角形の板の端面と、空気ろ過部材を形成する四角形の板の端面とが突き合わされた四角形板により構成され、当該四角形板の板面が、光透過性部材の板面と空気ろ過部材の板面とが交互に配された市松模様に形成された
また、フィルター装置は、光を透過させる扇形の板により形成された複数の光透過性部材により構成された板状の光透過部と、光透過部の板面と同一面上に位置し、空気を通過させるととも塵埃をろ過する扇形の板により形成された複数の空気ろ過部材により構成された板状の空気ろ過部とを備え、空気ろ過部と光透過部とが隣り合うように設けられたフィルター装置であって、光透過性部材を形成する扇形の板の端面と空気ろ過部材を形成する扇形の板の端面とが突き合わされた円形板により構成され、当該円形板の板面が、光透過性部材の扇形板面と空気ろ過部材の扇形板面とで円の周方向に交互に区切られた構成の板面に形成された。
以上のような、本発明に係るフィルター装置によれば、建物の屋内と屋外とを連通可能なように建物内に設置されたダクトの内側や、ガラリの外側又はガラリの内側に取付けられることにより、屋外から建物の屋内に、塵埃が除去された清浄な空気とともに光を取込むことができるようになる。
また、本発明に係るフィルター装置付きダクトは、上述したフィルター装置が、建物の屋内と屋外とを連通可能なように建物内に設置されたダクトの内側においてダクト内の流路を塞ぐように設置されて、前覆部、上覆部、左覆部、右覆部を有して建物の外壁に取付けられたベントキャップの給排気部を介して屋外からダクト内に流入した空気が空気ろ過部を通過するとともに、前記前覆部、上覆部、左覆部、右覆部のうちの1つ以上が採光部に形成された前記ベントキャップの採光部を透過して屋外からダクトの内側に取り入れられた光が光透過部を透過するように構成された。
また、本発明に係るフィルター装置付きガラリは、上述したフィルター装置が、ガラリの外側又はガラリの内側に取付けられた。
また、本発明に係るフィルター装置付きダクトは、光を透過させる光透過性部材により形成された光透過部と、空気を通過させるととも塵埃をろ過する空気ろ過部材により形成された空気ろ過部とを備え、空気ろ過部と光透過部とが隣り合うように設けられたフィルター装置が、建物の屋内と屋外とを連通可能なように建物内に設置されたダクトの内側においてダクト内の流路を塞ぐように設置されて、前覆部、上覆部、左覆部、右覆部を有して建物の外壁に取付けられたベントキャップの給排気部を介して屋外からダクト内に流入した空気が空気ろ過部を通過するとともに、前覆部、上覆部、左覆部、右覆部のうちの1つ以上が採光部に形成された前記ベントキャップの採光部を透過して屋外からダクトの内側に取り入れられた光が光透過部を透過するように構成され、光透過部及び空気ろ過部が板状に形成され、光透過部の板面と空気ろ過部の板面とが同一面上に位置されて構成された。
以上のように構成されたフィルター装置付きダクト、フィルター装置付きガラリによれば、屋外から建物の屋内に、塵埃が除去された清浄な空気とともに光を取込むことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態1のフィルター装置を示す正面図。
図2】実施形態1のフィルター装置を示す斜視図。
図3】実施形態1のフィルター装置を備えたフィルター装置付きダクトを示す断面図。
図4】実施形態2のフィルター装置を示す正面図。
図5】実施形態2のフィルター装置を示す斜視図。
図6】実施形態2のフィルター装置を示す斜視図。
図7】実施形態3のフィルター装置を示す正面図。
図8】実施形態3のフィルター装置を示す斜視図。
図9】実施形態3のフィルター装置を備えたフィルター装置付きダクトを示す断面図。
図10】実施形態4のフィルター装置付きガラリを示す分解斜視図。
図11】実施形態4のフィルター装置付きガラリを示す分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
実施形態1
図1図2に示すように、実施形態1に係るフィルター装置1は、光Lを透過させる機能を備えた光透過部2と、当該光透過部2よりも光透過率が低く、かつ、空気Aが通過可能で塵埃をろ過する機能を備えた空気ろ過部(エアフィルター)3とを備え、例えば図3に示すように、ダクト4の内側に着脱可能なように構成されている。
【0008】
光透過部2は、光Lを透過させてかつ空気Aを通過させない、ガラス、アクリル樹脂等の光透過性部材により構成される。
空気ろ過部3は、空気Aを通過させるととも塵埃をろ過する、繊維素(セルロース)、グラスウール、グラス繊維等の多孔質部材により形成された空気ろ過部材により構成される。
即ち、フィルター装置1は、光透過部2による光透過機能と空気ろ過部3による空気ろ過機能とを兼ね備え、図3に示すように、ダクト4の内側に設置されることにより、屋外51から建物5の屋内52に、塵埃が除去された清浄な空気Aとともに光Lを取込むことができるように構成されたフィルター装置である。
【0009】
図3に示すように、ダクト4は、建物5の屋内52と屋外51とを連通可能なように建物5内に設置される。
ダクト4は、例えば、内周面41が鏡面等の光反射面に形成された光ダクトと呼ばれるダクトである。
ダクト4は、一端開口縁42が建物5の外壁53に形成された給排気口54に接続され、外壁53側から建物5の内側に延長する延長端である他端43側に制気口44及び放光部45を備えた構成となっている。
尚、図3に示すように、ダクト4の他端43の開口に放光部45が嵌め込まれるように設けられて、かつ、ダクト4の他端43側の周面に制気口44が設けられた構成であっても良いし、あるいは、ダクト4の他端43の開口に制気口44が設けられて、かつ、ダクト4の他端43側の周面に放光部45が設けられた構成であっても良い。
放光部45は、光透過部2と同様に、光Lを透過させてかつ空気Aを通過させない、ガラス、アクリル樹脂等の光透過性部材により構成される。
【0010】
図3に示すように、建物5の外壁53には、ベントキャップ6が取付けられている。
ベントキャップ6は、例えば、給排気口54の屋外側前方、屋外側上方、屋外側左右を覆う覆部61を備えるとともに、給排気口54の屋外側下方に給排気部62を備えた構成である。
覆部61は、例えば、給排気口54の屋外側前方を覆う前覆部61a、給排気口54の屋外側上方を覆う上覆部61b、給排気口54の屋外側左方を覆う左覆部61c、給排気口54の屋外側右方を覆う図外の右覆部を備える。
ベントキャップ6の覆部61の少なくとも一部、例えば、前覆部61a、上覆部61b、左覆部61c、図外の右覆部のうちの1つ以上が採光部63に形成されている。
例えば、図3に示すように、ベントキャップ6の上覆部61bが採光部63に形成されている。
当該採光部63は、光透過部2、放光部45と同様に、光Lを透過させてかつ空気Aを通過させない、ガラス、アクリル樹脂等の光透過性部材により構成される。
即ち、ベントキャップ6は、採光部63を備えていることにより、屋外51からの光Lが当該採光部63を透過して、屋外51からの光Lをベントキャップ6の内側及びダクト4の内側に取り入れることができるように構成されている。
【0011】
図1乃至図3に示すように、フィルター装置1は、中央部Cと、中央部Cの周囲を取り囲むように設けられた環状部Sとを備えて、中央部Cと環状部Sとが隣り合うように構成され、中央部C及び環状部Sのうちの一方が光透過部により形成されて他方が空気ろ過部により形成されている。
つまり、フィルター装置1は、中央部Cの外周面と環状部Sの内周面とが接触し、かつ、環状部Sの外周面(フィルター装置1の外周面11)とダクト4の内周面41とが接触する板状に形成されていれば、どのような形状に形成されていても構わない。例えば、フィルター装置1は、板面の直径寸法がダクト4の内径寸法に対応した寸法の円形板、楕円形板、角形板(四角形板、多角形板等)等の板状に形成されている。
また、中央部Cの外周形状もどのような形状に形成されていても構わない。例えば、多角形、星形等の板状に形成されていてもよい。そして、環状部Sの内周形状は、中央部Cの外周形状に対応して中央部Cの外周に嵌合するような形状に形成されていればよい。
【0012】
例えば、図1図2に示すように、フィルター装置1が円形板により構成される場合、フィルター装置1を構成する円形板の円の中央部Cを形成する小径円形板により形成された光透過部2と、当該小径円形板の周囲を取り囲むように設けられてフィルター装置1を構成する円形板の円の周縁部を形成する環状部Sとしての円環板により形成された空気ろ過部3とが組み合わされて構成される。即ち、直径寸法がダクト4の内径寸法に対応した円環板(2つの同心円によって囲まれた板厚数cm程度の円環板)に形成された空気ろ過部3と、当該円環板により形成された空気ろ過部3の中央円形空間に嵌め込まれる小径円形板により形成された光透過部2とを備え、光透過部2を形成する小径円形板の外周面と空気ろ過部3を形成する円環板の内周面とが、例えば接着手段で接着されて構成される。
あるいは、図示しないが、フィルター装置1が円形板により構成される場合、フィルター装置1を構成する円形板の円の中央部Cを形成する小径円形板により形成された空気ろ過部3と、当該小径円形板の周囲を取り囲むように設けられてフィルター装置1を構成する円形板の円の周縁部を形成する環状部Sとしての円環板により形成された光透過部2とが組み合わされて構成されるようにしてもよい。即ち、直径寸法がダクト4の内径寸法に対応した円環板(2つの同心円によって囲まれた板厚数cm程度の円環板)に形成された光透過部2と、当該円環板により形成された光透過部2の中央円形空間に嵌め込まれる小径円形板により形成された空気ろ過部3とを備え、空気ろ過部3を形成する小径円形板の外周面と光透過部2を形成する円環板の内周面とが、例えば接着手段で接着されて構成されるようにしてもよい。
即ち、フィルター装置1は、円形板により構成される場合、円形板の円の中央部Cを形成する小径円形板及び円形板の円の周縁部を形成する環状部Sとしての円環板のうちの一方が光透過部2により形成されて他方が空気ろ過部3により形成されていることにより、空気ろ過部3と光透過部2とが隣り合うように設けられた構成となっている。
【0013】
また、図示しないが、フィルター装置1が四角形板により構成される場合、フィルター装置1を構成する四角形板の四角の中央部Cを形成する小径四角形板により形成された光透過部2と、当該小径四角形板の周囲を取り囲むように設けられてフィルター装置1を構成する四角形板の四角の周縁部を形成する環状部Sとしての角環板により形成された空気ろ過部3とが組み合わされて構成される。即ち、直径寸法がダクト4の内径寸法に対応した四角環板に形成された空気ろ過部3と、当該四角環板により形成された空気ろ過部3の中央四角空間に嵌め込まれる小径四角形板により形成された光透過部2とを備え、光透過部2を形成する小径四角形板の外周面と空気ろ過部3を形成する四角環板の内周面とが、例えば接着手段で接着されて構成される。
あるいは、図示しないが、フィルター装置1が四角形板により構成される場合、フィルター装置1を構成する四角形板の四角の中央部Cを形成する小径四角形板により形成された空気ろ過部3と、当該小径四角形板の周囲を取り囲むように設けられてフィルター装置1を構成する四角形板の四角の周縁部を形成する環状部Sとしての角環板により形成された光透過部2とが組み合わされて構成されるようにしてもよい。即ち、直径寸法がダクト4の内径寸法に対応した四角環板に形成された光透過部2と、当該四角環板により形成された光透過部2の中央四角空間に嵌め込まれる小径四角形板により形成された空気ろ過部3とを備え、空気ろ過部3を形成する小径四角形板の外周面と光透過部2を形成する四角環板の内周面とが、例えば接着手段で接着されて構成されるようにしてもよい。
即ち、フィルター装置1は、四角形板により構成される場合、四角形板の四角の中央部Cを形成する小径四角形板及び四角形板の四角の周縁部を形成する環状部Sとしての四角環板のうちの一方が光透過部2により形成されて他方が空気ろ過部3により形成されていることにより、空気ろ過部3と光透過部2とが隣り合うように設けられた構成となっている。
【0014】
尚、フィルター装置1は、光透過部2の板面と空気ろ過部3の板面とが同一面上に位置されて板厚が一定の厚さ(例えば板厚数cm程度)の板状に構成されていても良いし、あるいは、光透過部2の板面と空気ろ過部3の板面とが段差面となるような板状に構成されていても良い。
【0015】
フィルター装置1は、ダクト4内に着脱可能に設置される。
即ち、図3に示すように、フィルター装置1が、建物5の屋内52と屋外51とを連通可能なように建物5内に設置されたダクト4の内側においてダクト4の中心軸4Cと直交する方向に延長してダクト4内の流路を塞ぐように設置されることで、フィルター装置付きダクトが構成される。
つまり、フィルター装置付きダクトは、フィルター装置1の外周面11とダクト4の内周面41とが接触するように、フィルター装置1がダクト4の内側に設置された構成である。ここで、「フィルター装置1の外周面11とダクト4の内周面41とが接触する」とは、フィルター装置1の外周面11とダクト4の内周面41とが面全体に渡って接触することを意味する。
当該フィルター装置付きダクトによれば、図3に示すように、屋外51からの空気Aが、ベントキャップ6の給排気部62を介してダクト4内に流入して空気ろ過部3を通過した後に制気口44を介して屋内52に流入するとともに、屋外51からの光Lが、ベントキャップ6の採光部63、光透過部2、放光部45を透過して屋内52に差し込むようになる。
【0016】
フィルター装置1をダクト4内に着脱可能に取付けるための取付構造は、図示しないが、例えば、ダクト4の周面に設けられた点検口等の挿脱孔部と、当該挿脱孔部を介してダクト4内に挿入されたフィルター装置1がダクト4の中心軸4Cに沿った方向に移動しないように規制する規制部と、挿脱孔部を塞ぐ塞蓋とを備えた構成とすればよい。
規制部は、例えば、ダクト4の内周面41よりダクト4の中心軸4Cに近付く方向に延長してダクト4内に挿入されたフィルター装置1の周縁側の両方の板面を挟むように設けられた互いに対向する例えば一対の規制板により構成される。
【0017】
尚、環板状の空気ろ過部3を備えたフィルター装置1の場合、当該空気ろ過部3の形状を保持するための図外の枠材を設け、この枠材で空気ろ過部3を保持するようにすることが好ましい。
【0018】
実施形態1のフィルター装置1によれば、光を透過させる機能を備えた光透過部2と、当該光透過部2よりも透過率が低く、かつ、空気が通過可能で空気中の塵埃をろ過する機能を備えた空気ろ過部3と、を備えたので、例えば、ダクト4内に設置されることにより、屋外51から屋内52に、塵埃が除去された清浄な空気とともに光を取込むことができるようになる。
また、ダクト4の内側に当該フィルター装置1が設置されたフィルター装置付きダクトによれば、一端開口縁42を建物5の外壁53に形成された給排気口54に固定し、他端(他端開口縁)43側を建物5の屋内52に位置させることで、屋外51から建物5の屋内52に、塵埃が除去された清浄な空気とともに光を取込むことができるようになる。
【0019】
実施形態2
実施形態2のフィルター装置は、光透過部2が、光透過性部材により板状に形成された複数のピースにより構成され、かつ、空気ろ過部3が、空気ろ過部材により板状に形成された複数のピースにより構成され、光透過性部材のピースと空気ろ過部材のピースとが隣り合うように配置されて構成されたフィルター装置とした。
例えば、図4乃至図6に示すように、板状に形成された複数の光透過性部材と、板状に形成された複数の空気ろ過部材と、を組み合わせて構成されたフィルター装置であっても良い。
【0020】
例えば、図4,5に示すように、フィルター装置が、断面四角形のダクト4の内周面に対向する外周面を備えた四角形板の様な板状に構成される場合、例えば同じ大きさの正方形の板状の光透過性部材2aと空気ろ過部材3aとを複数作成し、光透過性部材2aを形成する正方形の板の端面と空気ろ過部材3aを形成する正方形の板の端面とを突き合わせて、複数の光透過性部材2a,2a…の板面と複数の空気ろ過部材3a,3a…の板面とによる市松模様が形成された板面を備えた構成のフィルター装置1Aとした。
【0021】
また、例えば、図6に示すように、フィルター装置が、断面円形のダクト4の内周面に対向する外周面を備えた円形板の様な板状に構成される場合、例えば同じ大きさの扇形の板状の光透過性部材2bと空気ろ過部材3bとを複数作成し、光透過性部材2bを形成する扇形の板の端面と空気ろ過部材3bを形成する扇形の板の端面とを突き合わせて、円形板の板面が複数の光透過性部材2b,2b…の扇形板面と複数の空気ろ過部材3b,3b…の扇形板面とで円の周方向に交互に区切られた構成のフィルター装置1Bとした。
【0022】
尚、フィルター装置装置1A,1Bは、複数の光透過性部材の板面と複数の空気ろ過部材の板面とが同一面上に位置されるように構成されていても良いし、あるいは、複数の光透過性部材の板面と複数の空気ろ過部材の板面とが段差面となるように構成されていても良い。
【0023】
即ち、実施形態2のフィルター装置1A,1Bは、複数の光透過性部材により構成された光透過部2と、複数の空気ろ過部材により構成された空気ろ過部3とを備え、光透過性部材と空気ろ過部材とが隣り合うように配置されて構成されたことにより、光透過部2と空気ろ過部3とがバランスよく均等に設けられた構成としたので、例えば、ダクト4内に設置されることにより、屋外51から建物5の屋内52に、光とともに清浄な空気をバランス良く取込むことができるようになる。
【0024】
実施形態2によれば、フィルター装置1Aやフィルター装置1Bの外周面とダクト4の内周面41とが接触するように設置されることにより、フィルター装置付きダクトが構成され、屋外51から建物5の屋内52に、光とともに清浄な空気をバランス良く取込むことができるようになる。
【0025】
尚、実施形態2に係るフィルター装置は、ダクト4の内周面41と接触する外周面を備えた円形板、四角形板等の板状の光透過性部材に、当該光透過性部材板面を貫通する貫通孔を所定の間隔を隔てて複数形成し、これら複数の貫通孔内に、それぞれ、空気ろ過部材が装填されて構成されたものであってもよい。
また、実施形態2に係るフィルター装置は、上述したフィルター装置1A,1Bのような構成に限らず、光透過部と空気ろ過部とを備えた構成であればよいが、屋外から建物の屋内に、光とともに清浄な空気をバランス良く取込むことができるように、光透過部と空気ろ過部とがバランス良く配置された構成とすることが好ましい。
【0026】
実施形態3
図7乃至図9に示すように、フィルター装置は、板状部材Xと、当該板状部材Xに取付けられて当該板状部材Xの一方の板面(例えば図9の板面2x)よりも突出して当該一方の板面と交差する方向に延長するように設けられた一方の突出部材Y1と、当該板状部材Xに取付けられて当該板状部材Xの他方の板面(例えば図9の板面2y)よりも突出して当該他方の板面と交差する方向に延長するように設けられた他方の突出部材Y2とを備え、板状部材X及び突出部材T1,Y2のうちの一方が光透過部により形成されて他方が空気ろ過部により形成されたフィルター装置1Cであっても良い。
つまり、一方の突出部材Y1と他方の突出部材Y2とが互いに離れる方向に延長するように、これら一方の突出部材Y1及び他方の突出部材Y2が板状部材Xに設けられている。
例えば、図8図9に示すように、ダクト4の中心軸4Cに沿った方向に延長するともにダクト4の径方向に沿って延長するように形成された四角形状の板状部材Xと、当該板状部材Xにおけるダクト4の中心軸4Cに沿った方向の一端面(例えば図8の端面2s)に取付けられて当該板状部材Xの一方の板面よりも突出して当該一方の板面と直交する方向に延長するように設けられた一方の突出部材Y1と、当該板状部材Xにおけるダクト4の中心軸4Cに沿った方向の他端面(例えば図8の端面2s)に取付けられて当該板状部材Xの他方の板面よりも突出して当該他方の板面と直交する方向に延長するように設けられた他方の突出部材Y2とを備え、板状部材Xが光透過性部材2cにより形成されて、一方の突出部材Y1及び他方の突出部材Y2が空気ろ過部材3cにより形成された構成のフィルター装置1Cとした。
【0027】
例えば、フィルター装置1Cは、図7図8に示すように、断面円形のダクト4の内側に設置されるフィルター装置1Cの場合、ダクト4の中心軸4Cに沿った方向に延長するともにダクト4の径方向に沿って延長する四角形状の板状部材Xを形成する光透過性部材2cと、ダクト4の内周面41の曲率と対応した曲率の外周面3rを有した半円形の板状の一方の突出部材Y1及び他方の突出部材Y2を形成する2つの空気ろ過部材3c,3cとが組み合わされて構成される。
【0028】
即ち、半円形の板状に形成された2つの空気ろ過部材3c,3cの板面が2つの互いに平行な平面上に位置されて2つの空気ろ過部材3c,3cが互いに間隔を隔てて配置され、かつ、2つの空気ろ過部材3c,3cの各円弧の中間地点がこれら円弧に沿った方向に互いに中心角180°離れて位置するように設けられる。
また、光透過性部材2cは、互いに対向する一方の一対の辺の長さが、互いに間隔を隔てて配置された2つの空気ろ過部材3c,3c間の長さに対応した長さで、かつ、互いに対向する他方の一対の辺の長さが、断面円形のダクト4の内側の直径の長さに対応した長さの四角形の板状に形成される。
そして、各空気ろ過部材3c,3cの半円の直径に沿った端面3f,3f側の互いに平行に対向する各板面部分3s,3sと光透過性部材2cの他方の一対の辺側の端面2s,2sとが、例えば接着手段で接着されることで、フィルター装置1Cが構成される。
【0029】
そして、図9に示すように、当該フィルター装置1Cは、半円形の板状に形成された2つの空気ろ過部材3c,3cが、断面円形のダクト4の中心軸4Cに沿った方向において互いに間隔を隔てて配置されて、2つの空気ろ過部材3c,3cの円弧の外周面3r,3rがそれぞれダクト4の内周面41と接触し、かつ、2つの空気ろ過部材3c,3cを接続する光透過性部材2cにおけるダクト4の直径に沿った方向の両方の端面2t,2t(互いに対向する一方の一対の辺側の端面2t,2t)がダクト4の内周面41と接触することにより、断面円形のダクト4内の流路を塞いだ状態となるよう、ダクト4の内側に設置される。これにより、フィルター装置付きダクトが構成される。
【0030】
図9に示すように、実施形態3に係るフィルター装置付きダクトによれば、屋外51からの空気Aが、ベントキャップ6の給排気部62を介してダクト4内に流入して空気ろ過部材3c,3cを通過した後に制気口44を介して屋内52に流入するとともに、屋外51からの光Lが、ベントキャップ6の採光部63、光透過性部材2c、放光部45を透過して屋内52に差し込むようになる。
従って、実施形態3のフィルター装置1C、当該フィルター装置1C付きのダクト4によれば、屋外51から建物5の屋内52に、塵埃が除去された清浄な空気とともに光を取込むことができるようになる。
【0031】
当該フィルター装置1Cは、換言すれば、ダクト4内においてダクト4の中心軸4Cに沿って間隔を隔てて配置されてダクト4の中心軸4Cと直交する方向に延長する2つの突出部材(一方の突出部材Y1及び他方の突出部材Y2)と、2つの突出部材Y1,Y2の間に配置された板状部材Xとが組み合わされて構成されたものである。この場合、上述したように、2つの突出部材Y1,Y2を空気ろ過部材3c,3cにより形成して、板状部材Xを光透過性部材2cにより形成しても良いが、逆に、2つの突出部材Y1,Y2を光透過性部材2c,2cにより形成して、板状部材Xを空気ろ過部材3cにより形成しても良い。
【0032】
突出部材Y1,Y2を光透過性部材2c,2cにより形成して、板状部材Xを空気ろ過部材3cにより形成したフィルター装置1Cの場合、ダクト4の中心軸4Cと直交するように延長する光透過性部材2c,2cが空気を遮断する壁となるために、圧力損失が大きくなる可能性があるが、図7乃至図9に示すように、突出部材Y1,Y2を空気ろ過部材3c,3cにより形成して、板状部材Xを光透過性部材2cにより形成したフィルター装置1Cとすれば、ダクト4の中心軸4Cと直交するように延長するのは空気ろ過部材3c,3cとなるため、圧力損失を小さくできる。
【0033】
尚、突出部材Y1,Y2を光透過性部材2c,2cにより形成して、板状部材Xを空気ろ過部材3cにより形成したフィルター装置1Cの場合であっても、板状部材Xを形成する空気ろ過部材3cにおけるダクト4の中心軸4Cに沿った方向の長さを長くすることで、圧力損失を小さくできると考えられる。
【0034】
尚、図9に示すように、フィルター装置1Cにおける各突出部材Y1,Y2の半円の直径に沿った端面(例えば空気ろ過部材3cの端面3f)と当該端面と対向するダクト4の内周面41との間には、半円形の間隔による通路49、即ち、ダクト4の中心軸4Cに沿った方向に光L又は空気Aの通過を許容する通路49が形成されることになる。つまり、各突出部材Y1,Y2の半円の直径に沿った端面は、ダクト4の内周面41と対向して、ダクト4の中心軸4Cに沿った方向に光L又は空気Aの通過を許容する通路49を形成するための通路形成部として機能する。
また、フィルター装置1Cがダクト4の内側において所定の設置状態に維持されるように、通路49側に、突出部材Y1,Y2を支持するための図外の支持部材を設けることが好ましい。
【0035】
即ち、建物5の屋内52と屋外51とを連通可能なように建物5内に設置されたダクト4の内側に設置された実施形態3のフィルター装置1Cを備えたフィルター装置付きダクトは、フィルター装置1Cが、ダクト4内においてダクト4の中心軸4Cに沿って間隔を隔てて配置されてダクト4の中心軸4Cと交差する方向(具体的には直交する方向)に延長する2つの突出部材Y1,Y2と、2つの突出部材Y1,Y2の間に配置された板状部材Xとが組み合わされて構成され、板状部材Xは、ダクト4の中心軸4Cに沿った方向の一端(例えば端面2s)が一方の突出部材Y1に接続されるとともにダクト4の中心軸4Cに沿った方向の他端(例えば端面2s)が他方の突出部材Y2に接続され、かつ、ダクト4の中心軸4Cに沿った両方の側端(例えば端面2t,2t)がダクト4の内周面41と接触するように構成され、突出部材Y1,Y2は、ダクト4の中心軸4Cに沿った方向に光又は空気の通過を許容する通路49を形成するための通路形成部(例えば端面3f)を備え、一方の突出部材Y1の通路形成部が板状部材Xの他方の板面(例えば図9の板面2y)側に設けられるとともに、他方の突出部材Y2の通路形成部が板状部材Xの一方の板面(例えば図9の板面2x)側に設けられた構成とした。
【0036】
そして、図9に示すように、突出部材Y1,Y2が空気ろ過部材3c,3cにより形成されて、板状部材Xが光透過性部材2cにより形成された構成のフィルター装置1Cがダクト4内に設置されたフィルター装置付きダクトにおいては、空気Aが、他方の突出部材Y2の通路形成部により形成された通路49及び一方の突出部材Y1(空気ろ過部材3c)、又は、他方の突出部材Y2(空気ろ過部材3c)及び一方の突出部材Y1の通路形成部により形成された通路49を通過した後に制気口44を介して屋内52に流入するとともに、光Lが、他方の突出部材Y2の通路形成部により形成された通路49を通過した後に、板状部材X(光透過性部材2c)を透過して一方の突出部材Y1の通路形成部により形成された通路49を通過し、さらに、放光部45を透過して屋内52に差し込むようになる。
【0037】
また、図示しないが、突出部材Y1,Y2が光透過性部材2c,2cにより形成されて、板状部材Xが空気ろ過部材3cにより形成された構成のフィルター装置1Cがダクト4内に設置されたフィルター装置付きダクトにおいては、空気Aが、他方の突出部材Y2の通路形成部により形成された通路49、板状部材X(空気ろ過部材3c)、一方の突出部材Y1の通路形成部により形成された通路49を通過した後に制気口44を介して屋内52に流入するとともに、光Lが、一方の突出部材Y1(光透過性部材2c)又は他方の突出部材Y2(光透過性部材2c)を透過、さらに、放光部45を透過して屋内52に差し込むようになる。
【0038】
尚、フィルター装置1Cを断面四角形状のダクト4の内側に設置する場合には、突出部材Y1,Y2は、ダクト4の内周面41の半周分と接触する辺縁面を備えた四角形状に形成すればよいことはいうまでもない。
即ち、突出部材Y1,Y2は、ダクト4の内周形状に対応してダクト4の内周面41に接触する外面を備えたものであれば、どのような形状であっても構わない。
【0039】
また、実施形態3のフィルター装置1Cにおいて、各突出部材Y1,Y2は、ダクト4の断面形状に対応した円形板、又は、四角形板等の板に、板面を貫通して光L又は空気Aの通過を許容する通路を形成する貫通孔を通路形成部として備えた構成のものを用いてもよい。この場合、各突出部材Y1,Y2に形成される貫通孔は、一方の突出部材Y1においては板状部材Xの一方の板面と連続する板面側に設けられ、他方の突出部材Y2においては板状部材Xの他方の板面と連続する板面側に設けられる。
【0040】
また、実施形態3のフィルター装置1Cの各突出部材Y1,Y2、実施形態1のフィルター装置1、実施形態2のフィルター装置1A,1Bは、ダクト4の中心軸4Cと直交以外の交差する方向に延長する板状部材により構成してもよい。
【0041】
実施形態4
実施形態1乃至実施形態3では、ダクト4内に設置されるフィルター装置を例示したが、ガラリの外側、又は、ガラリの内側に設けられるフィルター装置としてもよい。
例えば、図10図11に示すように、ガラリ7の戸枠71に着脱可能に構成されたフィルター装置1D,1Eとする。
フィルター装置1D,1Eは、ガラリ7全体を覆うことが可能な四角形の板状に形成される。
【0042】
図10に示すフィルター装置1Dは、実施形態2で示したフィルター装置1Aと同じように、例えば同じ大きさの正方形の板状の光透過性部材2dと空気ろ過部材3dとを複数作成し、光透過性部材2dを形成する正方形の板の端面と空気ろ過部材3dを形成する正方形の板の端面とを突き合わせて、複数の光透過性部材2d,2d…の板面と複数の空気ろ過部材3d,3d…の板面とによる市松模様が形成された板面を備えた構成のフィルター装置である。
また、図11に示すフィルター装置1Eは、例えばガラリ7を構成する各桟の延長方向の直交する方向に細長い長方形の板状の光透過性部材2eと空気ろ過部材3eとを複数作成し、光透過性部材2eを形成する長方形の板の端面と空気ろ過部材3eを形成する長方形の板の端面とを突き合わせて、複数の光透過性部材2e,2e…の板面と複数の空気ろ過部材3e,3e…の板面とが交互になるように形成された板面を備えた構成のフィルター装置である。
【0043】
尚、戸枠71は、例えば、上枠71a,下枠71b,左枠71c,右枠71dを備えた四角形状の枠に形成されている。そして、フィルター装置1D,1Eは、例えば、ガラリ7の戸枠71の上枠71a,下枠71b,左枠71c,右枠71dに対応する上下左右の辺側に、それぞれ、弾性片等を備えた着脱部材72を備え、この着脱部材72,72…により、ガラリ7の戸枠71に着脱可能となるように構成されている。
【0044】
実施形態4に係るフィルター装置1D,1Eをガラリ7の戸枠71に取り付けることにより、屋外からの光が、フィルター装置1D,1Eの光透過部を透過して屋内に差し込むとともに、屋外からの空気が、フィルター装置1D,1Eの空気ろ過部を通過して清浄な空気として屋内に流入することになる。
即ち、ガラリ7の外側又はガラリ7の内側にフィルター装置1D,1Eが取付けられることにより、フィルター装置付きガラリが構成され、屋外から建物の屋内に、塵埃が除去された清浄な空気とともに光を取込むことができるようになる。
【0045】
尚、実施形態4に係るフィルター装置は、上述したフィルター装置1D,1Eのような構成に限らず、光透過部と空気ろ過部とを備えた構成であればよいが、屋外から建物の屋内に、光とともに清浄な空気をバランス良く取込むことができるように、光透過部と空気ろ過部とがバランス良く配置された構成とすることが好ましい。
【符号の説明】
【0046】
1,1A~1E フィルター装置、2 光透過部、2a~2e 光透過性部材、
2f 端面(通路形成部)、3 空気ろ過部、3a~3e 空気ろ過部材、4 ダクト、4C ダクトの中心軸、5 建物、51 屋外、52 屋内、7 ガラリ、C 中央部、S 環状部、X 板状部材、Y1,Y2 突出部材。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11