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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】給紙装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 3/48 20060101AFI20221129BHJP
   B65H 3/12 20060101ALI20221129BHJP
【FI】
B65H3/48 320B
B65H3/12 310Z
B65H3/48 320A
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2018124546
(22)【出願日】2018-06-29
(65)【公開番号】P2020001907
(43)【公開日】2020-01-09
【審査請求日】2021-05-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000250502
【氏名又は名称】理想科学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067323
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 教光
(74)【代理人】
【識別番号】100124268
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 典行
(72)【発明者】
【氏名】増田 直哉
【審査官】沖 大樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-179988(JP,A)
【文献】特開2002-128300(JP,A)
【文献】特開2006-001699(JP,A)
【文献】特開2004-224505(JP,A)
【文献】特開2005-104723(JP,A)
【文献】特開2004-142881(JP,A)
【文献】特開平08-333032(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 1/00- 3/68
G03G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
昇降する給紙台と、
前記給紙台に積載された用紙に浮上エアを噴射して用紙を浮上させる浮上エア噴射ノズルと、
前記給紙台の上に浮上した複数枚の用紙のうち最上部の用紙を吸着して用紙搬送方向に搬送する吸着搬送部と、
を有する給紙装置であって、
前記浮上エア噴射ノズルは、前記吸着搬送部の下方の所定位置に設定された上端部と、昇降自在の下端部を備えており、最下部の用紙と前記給紙台の間に浮上エアが吹き込まれないように前記給紙台の昇降動作に基づいて前記下端部の位置を前記給紙台の上面よりも上方の位置に設定するとともに前記浮上エアの風量を制御することを特徴とする給紙装置。
【請求項2】
最下部の用紙の前記浮上エア噴射ノズル側と前記給紙台の隙間を測定する隙間測定部を有し、
前記隙間測定部の測定結果に基づいて前記浮上エア噴射ノズルの下端部の制御を補正することを特徴とする請求項1に記載の給紙装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給紙台に積載した用紙の端面にエアを吹き付けることにより用紙を分離して浮上させ、浮上した用紙を吸着搬送部で吸着して搬送する給紙装置に係り、特に、給紙台上の用紙の枚数が少ない時であっても、用紙の下面と給紙台の間にエアが吹き込まれて用紙が束で浮上して重送される不具合が発生しにくい給紙装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、シート材給送装置の発明が開示されている。このシート材給送装置は、シート材を積層載置する給紙台と、給紙台に積層載置されたシート材を最上部から一枚ずつ分離して給紙する給紙手段と、空気送風口からシート材に空気を送風してシート材の分離給紙を補助するシート材捌き手段と、空気送風口をシート材の積層方向に移動させる送風口移動制御手段とを備えている。シート材捌き手段の空気送風口は、シート材の給紙方向と交差する方向に配置されており、シート材の側端面に空気を送風して密着したシート材の分離給紙を補助することができ、送風口移動制御手段は、送風により浮上するシート材の上昇に追従してシート材捌き手段の空気送風口を上方に移動させることができる。この発明によれば、密着性の強いシート材でも確実に分離でき、重送及び給紙不良を防止することができるものとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-168933号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に示すシート材給送装置の発明によれば、給紙を1枚行う度にエアノズルの全体が所定のストロークで上下動するため、給紙台の上にある記録紙の枚数が少ないと、給紙台上に積載された記録紙の高さに比べてエアノズルが望ましい位置よりも高くなってしまい、そのために空気を吹き込まれた記録紙の端縁が反り上がってしまい、その状態で給送されることにより次段の搬送工程でシワやジャムが発生しやすいという問題があった。また、エアノズルからの送風が最下部の記録紙と給紙台の間に吹き込まれて記録紙が束で浮上して重送される不具合が発生するおそれがあった。
【0005】
本発明は、このような従来の技術及びその課題に鑑みてなされたものであり、昇降可能な給紙台に積載された用紙にエアを噴射して浮上させ、最上部の用紙を吸着して搬送するエア浮上タイプの給紙装置において、給紙台上の用紙の枚数が少ない時であっても、用紙の端縁が反り上がったり、用紙が束で舞い上がることがなく、安定した用紙の浮上によりシワやジャムの発生、重送や空送等のトラブルを防止して確実な給紙を実現することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載された給紙装置は、
昇降する給紙台と、
前記給紙台に積載された用紙に浮上エアを噴射して用紙を浮上させる浮上エア噴射ノズルと、
前記給紙台の上に浮上した複数枚の用紙のうち最上部の用紙を吸着して用紙搬送方向に搬送する吸着搬送部と、
を有する給紙装置であって、
前記浮上エア噴射ノズルは、前記吸着搬送部の下方の所定位置に設定された上端部と、昇降自在の下端部を備えており、最下部の用紙と前記給紙台の間に浮上エアが吹き込まれないように前記給紙台の昇降動作に基づいて前記下端部の位置を前記給紙台の上面よりも上方の位置に設定するとともに前記浮上エアの風量を制御することを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に記載された給紙装置によれば、給紙台上に積載された用紙の残量が少なくても、浮上エア噴射ノズルから噴射される浮上エアが、最下部の用紙と給紙台の間に吹き込まれないため、用紙が束で浮き上がることがなく用紙の浮上状態が安定し、重送や空送等のトラブルが発生しにくく、安定した給紙を円滑に行うことができる。
また、浮上エア噴射ノズル3の下端部4,21の制御によって開口6が狭まるが、風量の制御によって風速を一定とすることができるので、安定した給紙を円滑に行う効果をさらに一層確実に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1実施形態の模式的正面図である。
図2】本発明の第1実施形態におけるエアの噴射方向等を説明するための模式的斜視図である。
図3】本発明の第2実施形態の模式的正面図である。
図4】本発明の第3実施形態の模式的正面図である。
図5】本発明の発明者が本願発明の発明前に提案した給紙装置の模式的正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
1.第1実施形態
第1実施形態の給紙装置1を、図1及び図2と、比較例の図5を参照して説明する。
図1に示すように、給紙装置1は、用紙Pが載置される給紙台2を有している。給紙台2は平面視で略矩形状であり、図示しない駆動源により、図中に示す垂直方向の矢印F1に沿って昇降自在とされている。給紙台2は、載置された用紙Pが給紙により減少すると、これに連動して上昇し、最上位の用紙Pの位置を所定の位置に保つことができる。
【0010】
図1に示すように、給紙台2に関して、用紙搬送方向F2の下流側の隣部には、浮上エア噴射ノズル3が設けられている。浮上エア噴射ノズル3は、昇降自在の下端部4と、下端部4とともに開口6を区画する上端部5及び図示しない側縁部とを有しており、給紙台2に積載された用紙Pの前端部に開口6から浮上エアを噴射して用紙Pを浮上させることができる。
【0011】
図1に示すように、昇降自在の下端部4は逆L字形の板体であり、図示しない駆動源により昇降され、開口6の面積及び浮上エアAを吹き出す位置を変更することができる。すなわち、下端部4を最下部に設定すれば開口6は最も広くなり、下端部4を上昇させれば開口6を徐々に狭くしていくことができる。本実施形態では、給紙台2が、用紙Pの給送による用紙Pの減少に伴い、下方の位置(一点鎖線で示す)から上方の位置(実線で示す)に移動した場合、浮上エア噴射ノズル3の下端部4を同期して上昇させ、下方の位置(一点鎖線で示す)から上方の位置(実線で示す)に移動させる。すなわち、下端部4の位置を給紙台2の上面よりも常に上方に設定することにより、最下部の用紙Pと給紙台2の間に浮上エアが吹き込まれないように制御する。
【0012】
図1に示すように、給紙台2の上方には、給紙台2の上に浮上した複数枚の用紙Pのうち、最上部の用紙Pを吸着して用紙搬送方向F2に搬送する吸着搬送部7が設けられている。吸着搬送部7は、駆動ローラ8及び従動ローラ9と、駆動ローラ8及び従動ローラ9に掛け回されたベルト10と、上側のベルト10と下側のベルト10の間に設けられた図示しない吸引手段とを有している。ベルト10には多数の貫通孔11(図11参照)が形成されている。吸着搬送部7は、下側のベルト10の貫通孔11から吸引手段によってサクションエアCを吸引することにより、用紙Pを下側のベルト10に吸着し、用紙搬送方向F2に搬送することができる。
【0013】
図2は、第1実施形態において、用紙Pに作用するエアの噴射方向等を説明する模式的斜視図である。給紙台2上の用紙Pは、前述した浮上エア噴射ノズル3によって、水平な方向の浮上エアAを前端部に吹き付けられ、これによって用紙Pは給紙台2の上に浮上する。また、給紙台2上に浮上した用紙Pのうち、最も上の用紙Pが、図示しない分離エア噴射ノズルによって、斜め上方に向けた分離エアBを前端部に吹き付けられ、吸着搬送部7に送られる。なお、給紙台2上の用紙Pの両側端には、図示しない浮上エア噴射ノズル及び分離エア噴射ノズルがあり、水平な方向の浮上エアDと、斜め上方を向いた分離エアEが用紙Pの両側端に吹き付けられるようになっており、用紙Pの前端部にある浮上エア噴射ノズル3及び分離エア噴射ノズルとともに、用紙Pの浮上及び分離を確実にしている。そして、分離された用紙Pは、吸着搬送部7のサクションエアCによってベルト10に吸着される。
【0014】
図5は、本発明の発明者が本願発明の発明前に提案した給紙装置1’の模式的正面図である。この給紙装置1’は、浮上エア噴射ノズル3の開口6の下端部4が移動せず、開口6が所定位置に固定されて開口面積が変化しない点を除いて第1実施形態と略同一である。この給紙装置1によれば、給紙台2の上に載置された用紙Pの枚数が少なくなり、用紙Pの減少に連れて給紙台2が上昇し、浮上エア噴射ノズル3の開口6の範囲内に給紙台2の前端部が入ると、給紙台2と用紙Pの間に浮上エアが大量に流入する。これにより、図5に示すように、給紙台2の上にある用紙Pの束が浮上し、吸着搬送部7に複数枚の用紙Pが押し付けられて重送が発生する可能性がある。
【0015】
図5に示した給紙装置1とは異なり、図1に示した本実施形態の給紙装置1によれば、給紙台2に積載された用紙Pの枚数が少なくなって給紙台2が上昇しても、給紙台2の上昇に連動して浮上エア噴射ノズル3の開口6の下端部4が上昇し、浮上エア噴射ノズル3の下端部4が常に給紙台2の上面よりも上方の位置を維持するように下端部4の駆動源が制御される。このため、浮上エア噴射ノズル3から噴射される浮上エアAが、最下部の用紙Pと給紙台2の間に吹き込まれることがないため、用紙Pが束で浮き上がることがなく用紙Pの浮上状態が安定し、重送や空送等のトラブルが発生しにくく、安定した給紙を円滑に行うことができる。
【0016】
第2実施形態について図3を参照して説明する。
図3に示すように、第2実施形態の給紙装置15は、給紙台2上の最下部の用紙Pと、給紙台2の上面との隙間17を測定する隙間測定部16を備えている。隙間測定部16としては、カメラ、イメージセンサ等を使用することができる。また、給紙台2と用紙Pの端面のみでONとなる反射センサを用い、反射センサがOFFである間に給紙台2が移動した距離を給紙台2の駆動源の作動量から検出して距離を測定する構成としてもよい。隙間測定部16以外の構成は第1実施形態と同一であり、当該同一の部分については、図には第1実施形態と同一の符号を付し、第1実施形態の説明を援用して説明を省略する。
【0017】
図3に示すように、用紙Pは変形(例えばカール)していることがある。その用紙Pを給紙台2の上に載置した状態で先端側(すなわち用紙搬送方向F2の下流側)が上方にカールしている場合には、用紙Pの先端と給紙台2の上面との間には隙間17が生じる。このような状態であると、給紙台2の位置に係わらず、浮上エア噴射ノズル3から噴射される浮上エアAは、最下部の用紙Pと給紙台2の上面との隙間17に吹き込まれ、用紙Pを束で浮き上がらせて用紙Pの浮上状態が不安定化しやすい。用紙Pの変形の種類としてカールを例示したが、これに限らず、用紙に波打ち、反り、折れ等の変形があり、浮上エア噴射ノズル3から噴射される浮上エアAが、最下部の用紙Pの浮上エア噴射ノズル3側の端部と給紙台2の上面との隙間17に吹き込まれるような場合には、前記隙間測定部16を用いた前記制御が有効である。
【0018】
図3に示すように、第2実施形態の給紙装置15によれば、給紙台2と、カールした用紙Pの先端部との隙間17を隙間測定部16で予め測定しておき、浮上エア噴射ノズル3の下端部4の位置を、給紙台2の上面の位置よりも、隙間17の寸法だけ高い位置となるように制御する。給紙台2と用紙Pの先端部との隙間17を隙間測定部16で予め測定するのは、用紙Pを供給している時間帯の中で、給紙台2が浮上エア噴射ノズル3の下端部4に接近したタイミングが最も好ましい。給紙台2の上に多くの用紙Pが積載された状態で隙間17の寸法を測定すると、用紙Pの重量の影響で隙間17が小さく測定される可能性がある。従って、用紙Pと給紙台2の間に浮上エアAが吹き込まれる影響を確実に排除するために、前述したタイミングで隙間17を測定するものとした。図3に示した第2実施形態の給紙装置によれば、用紙Pの前記浮上エア噴射ノズル側の端部にカール等の変形があっても、浮上エア噴射ノズル3の下端部4の制御を変形量に応じて補正することにより、安定した給紙を円滑に行う効果をより確実に得ることができる。
【0019】
第3実施形態について図4を参照して説明する。
図4に示すように、第3実施形態の給紙装置20は、浮上エア噴射ノズル3の下端部が昇降する構造が、第1実施形態と異なる。その他の構成は第1実施形態と同一であり、当該同一の部分については、図には第1実施形態と同一の符号を付し、第1実施形態の説明を援用して説明を省略する。
【0020】
図4に示すように、浮上エア噴射ノズル3の下端部21は平板体であって、前壁部の上端に水平なヒンジ22を介して上下方向F3に沿って往復して揺動できるように取り付けられている。下端部20は、図示しない駆動源によって、その先端を任意の位置に設定できる。
【0021】
図4に示した第3実施形態の給紙装置20によれば、給紙台2に積載された用紙Pの枚数が少なくなって給紙台2が下方の位置(一点鎖線で示す)から上方の位置(実線で示す)に移動した場合、浮上エア噴射ノズル3の下端部22を、これに同期して下方の位置(一点鎖線で示す)から上方の位置(実線で示す)に揺動させる。すなわち、浮上エア噴射ノズル3の下端部20の先端が、常に給紙台2の上面よりも上方の位置を維持するように下端部4の駆動源を制御する。これにより、浮上エア噴射ノズル3から噴射される浮上エアAが、最下部の用紙Pと給紙台2の間に吹き込まれることがないため、用紙Pが束で浮き上がることがなく用紙Pの浮上状態が安定し、重送や空送等のトラブルが発生しにくく、安定した給紙を円滑に行うことができる。
【0022】
以上説明した第1~第3実施形態では、給紙台2上に積載された用紙Pの残量が少なくなり、給紙台2が上昇すると、これに合せて浮上エア噴射ノズル3の下端部4,21を上昇させ、噴射される浮上エアAが最下部の用紙Pと給紙台2の間に吹き込まれないようにした。この場合、浮上エア噴射ノズル3の開口6は狭くなるため、仮に浮上エア噴射ノズル3に供給される風量が一定であるとすると、開口6から吹き出すエアの風速は増加することになる。
【0023】
そこで、これら各実施形態では、浮上エア噴射ノズル3の下端部4,21の制御に伴い、浮上エアAの風量を可変制御することとした。具体的には、浮上エア噴射ノズル3の下端部4,21が相対的に下方の位置にあって開口6が相対的に大きい場合には、風量を相対的に大きくする。これに対し、浮上エア噴射ノズル3の下端部4,21の上昇によって開口6が狭くなった場合には、その度合いに応じて風量を相対的に小さくし、開口6が相対的に大きい場合と同等の風速が得られるようにする。これにより、浮上エア噴射ノズル3から噴射される浮上エアAの風速が一定になるので、用紙Pの浮上状態が安定し、吸着搬送部7による吸着搬送も安定する。なお、浮上エアAの風速の一定値は、用紙の坪量により適切に定めればよい。
【0024】
《実施形態における各態様の給紙装置1とその効果について》
第1態様の給紙装置1,15,20は、
昇降する給紙台2と、
前記給紙台2に積載された用紙Pに浮上エアAを噴射して用紙Pを浮上させる浮上エア噴射ノズル3と、
前記給紙台2の上に浮上した複数枚の用紙Pのうち最上部の用紙Pを吸着して用紙搬送方向F2に搬送する吸着搬送部7と、
を有する給紙装置1であって、
最下部の用紙Pと前記給紙台2の間に浮上エアAが吹き込まれないように前記給紙台2の昇降動作に基づいて前記浮上エア噴射ノズル3の下端部4,21を制御することを特徴している。
【0025】
第1態様の給紙装置1,15,20によれば、給紙台2上に積載された用紙Pの残量が少なくなっても、浮上エア噴射ノズル3から噴射される浮上エアAが、最下部の用紙Pと給紙台2の間に吹き込まれないため、用紙Pが束で浮き上がることがなく用紙Pの浮上状態が安定し、重送や空送等のトラブルが発生しにくく、安定した給紙を円滑に行うことができる。
【0026】
第2形態の給紙装置15によれば、
最下部の用紙Pの前記浮上エア噴射ノズル側と前記給紙台2の隙間17を測定する隙間測定部16を有し、
前記隙間測定部16の測定結果に基づいて前記浮上エア噴射ノズル3の下端部4の制御を補正することを特徴としている。
【0027】
第2形態の給紙装置1によれば、用紙Pの前記浮上エア噴射ノズル側の端部がカールしていても、浮上エア噴射ノズル3の下端部4の制御をカール量に応じて補正することにより、安定した給紙を円滑に行う効果をより確実に得ることができる。
【0028】
第3形態の給紙装置1,15,20によれば、
前記浮上エア噴射ノズル3の下端部4,21の制御に伴い、前記浮上エアAの風量を制御することを特徴とする
【0029】
第3形態の給紙装置1,15,20によれば、浮上エア噴射ノズル3の下端部4,21の制御によって開口6が狭まるが、風量の制御によって風速を一定とすることができるので、安定した給紙を円滑に行う効果をさらに一層確実に得ることができる。
【符号の説明】
【0030】
1,15,20…給紙装置
2…給紙台
3…浮上エア噴射ノズル
4,21…浮上エア噴射ノズルの下端部
7…吸着搬送部
16…隙間測定部
17…隙間
A…浮上エア(用紙Pの前端側)
B…分離エア(用紙Pの前端側)
C…サクションエア
D…浮上エア(用紙Pの両側端側)
E…分離エア(用紙Pの両側端側)
図1
図2
図3
図4
図5