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特許7184566スカイダイビングトラッカー:スカイダイビングの安全性を向上させるための飛行データ収集および仮想現実シミュレータのための統合システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】スカイダイビングトラッカー:スカイダイビングの安全性を向上させるための飛行データ収集および仮想現実シミュレータのための統合システム
(51)【国際特許分類】
   G09B 9/00 20060101AFI20221129BHJP
   A63B 69/00 20060101ALI20221129BHJP
【FI】
G09B9/00 Z
A63B69/00 518
【請求項の数】 7
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018153299
(22)【出願日】2018-08-16
(65)【公開番号】P2020042054
(43)【公開日】2020-03-19
【審査請求日】2021-08-16
(73)【特許権者】
【識別番号】518293963
【氏名又は名称】マーク ヘイリー
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100123652
【弁理士】
【氏名又は名称】坂野 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】マーク ハーレイ
【審査官】前地 純一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平03-126476(JP,A)
【文献】特開平09-104398(JP,A)
【文献】特開2007-127914(JP,A)
【文献】特開2002-229433(JP,A)
【文献】特開2016-032610(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 1/00- 9/56
G09B 17/00-19/26
A63B 69/00-69/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジャンプ前のスカイダイビング訓練およびジャンプ後のデブリーフィングのためのシステムにおいて、
ジャンプ前シミュレータであって、キーストローク制御のみのベーシックオプションを有するコンピュータ、または、ユーザの腕の上下の動きがパラシュートの回転および速度を制御する現実のスカイダイバーと同様の腕の動きをトラッキングするセンサを有する最新の仮想現実ヘッドセットを有する、ジャンプ前シミュレータと、
トラッカーであって、ジャンプから得られたGPSのデータが自動的に誤差補正され、該補正されたデータが、スカイダイビングのデータベースを強化し、これにより、前記シミュレータが継続的に改善されると共に、デブリーフィングのための3Dインタラクティブマップも生成される、トラッカーと
を有することを特徴とするシステム。
【請求項2】
重要な任務についている空中または地上にいる職員のシミュレーションされたまたは現実のリアルタイム3Dマップのための継続的に更新されるデータを提供する、地上とのまたは飛行中の飛行機とのリアルタイム通信のための長距離デジタル無線機またはネットワークを更に含み、前記職員の携帯電話通信に不具合が生じても、前記システムがチームのリアルタイムトラッキングを提供可能であり、該リアルタイムトラッキングを携帯電話ネットワークに統合可能な、請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記データが、仮想現実スカイダイビングシミュレータを生成し、該仮想現実スカイダイビングシミュレータが、トラッカーデータベースおよび熟練したスカイダイバーからのフィードバックによって継続的に改善される、請求項1記載のシステム。
【請求項4】
前記データを、スカイダイビングを含む飛行のために使用可能な、および、博物館によって、65インチのディスプレイ上における120~360度のインタラクティブなビデオルーム内においてネットワーク化可能な宇宙の最も偉大な地質学的な場所および人工的な場所のツアーのために使用可能な、インタラクティブマップまたはビデオに変換する、請求項1記載のシステム。
【請求項5】
世界中の任意の場所において、ラウンド型パラシュートおよびラム・エア型パラシュートをシミュレーションし、スカイダイバーのチームの任務地へと飛行中に飛行機内において安価且つコンパクトに使用可能な、独特の訓練システムのための、PCおよび(ジャンパーが自分の転回および速度を制御するための)腕の動きのトラッキングセンサのみと共に携帯可能な、ユーザが単に自分の頭を転回させることによって探索する3D世界に没入するための仮想現実ヘッドセットを更に含む、請求項1記載のシステム。
【請求項6】
既存の技術は対応していない、夜間または昼間のジャンプを見るため、および、1名以上のジャンパーを同時に見て、衝突を回避してチームとしてのパフォーマンスを行うために近接フォーメーションを練習するためのオプションを有する、ローカルまたはリモートでネットワークを介して共有されたシミュレーション飛行データを更に含み、この技術が、高いコスト効果で、ジャンパーのチームが迅速に練習して直ちに任務を開始することを可能にする、請求項1記載のシステム。
【請求項7】
ジャンプ中に言葉による指示を提供するイヤホンまたはヘッドセット用のオプションを更に含む、請求項1記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、関係付けられた3D仮想現実(VR)シミュレータと、デブリーフィングおよび事故調査のための3Dマッピング用の統合されたGPSトラッキングデータ収集とを備えた、スカイダイビングの訓練および安全性に関し、また、スカイダイビング飛行データの拡張型専用データベースを用いたシミュレータの継続的な改善にも関する。本発明は、スモークジャンパー(遠隔地の火災に向かってスカイダイビングする消防士)または軍隊のチーム等の重要な任務についている、飛行機に搭乗している2~12名以上のスカイダイバーのチームを訓練することに焦点を当てたものである。既存のシステムは高価で、扱いにくく、用いるのに時間がかかり過ぎる。
【背景技術】
【0002】
スカイダイバーは、短時間または長時間の自由落下で飛行機から出る。次に、ジャンパーはパラシュートを開き、目標に向かって操舵する。既存のスカイダイビング訓練の特許は、スカイダイバーのチームを訓練するようには設計されていない。例えば、特許文献1に対応する特許文献2は、訓練のために高価な風洞を用いる。別の技術は、生徒にハーネスを装着させることを含むが、これは扱いにくく、各々が100000ドルを超える(2016年6月時点のGSAの価格表)高価なものである。本出願人の軽量なシステムは、数分間でセットアップできると共に、ハードウェアのコストは5000ドル未満であり(即ち、上記のハーネスシステムのコストの20分の1であり)、それに加えて、ネットワークで接続された複数のジャンパーのチームを訓練する(図3)。
【0003】
専門家によれば、最良の訓練は、初心者がインストラクターと共にタンデムでジャンプを開始して、認定スカイダイバーになるために進歩する、現実のスカイダイビングである。また、既存の訓練システムは、例えば、「BLM Final Accident Investigation」にあるMark Urbanの悲劇的な死のような60rpmでの回転等の機能不全に対して十分な訓練が行われない。Urbanは、45rpmの現実の飛行データに基づく本出願人の2017年8月のビデオのようなシミュレーションされた機能不全を練習したことがなかったのかもしれない。
危険なYouTube(登録商標)スピン(座って視聴されたし)-https://youtu.be/U_Q82cvzQHA
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2004-519730号公報
【文献】米国特許第6,929,480号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
2013年には米国では320万件のジャンプが行われており、毎年数百人が負傷し、数十人が死亡している。本技術は、見事な3Dインタラクティブマップを含む、ジャンプ前のより良好な訓練およびジャンプ後のデブリーフィングを用いて、スカイダイビングをより安全なものにする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によるジャンプ前のスカイダイビング訓練およびジャンプ後のデブリーフィングのためのシステムは、
ジャンプ前シミュレータであって、キーストローク制御のみのベーシックオプションを有するコンピュータ、または、ユーザの腕の上下の動きがパラシュートの回転および速度を制御する現実のスカイダイバーと同様の腕の動きをトラッキングするセンサを有する最新の仮想現実ヘッドセットを有する、ジャンプ前シミュレータと、
トラッカーであって、ジャンプから得られたGPSおよび他のデータが自動的に誤差補正され、この補正されたデータが、スカイダイビングのデータベースを強化し、これにより、シミュレータが継続的に改善されると共に、デブリーフィングのための3Dインタラクティブマップも生成される、トラッカーと
を有する。
【0007】
また、本発明によるシステムは、重要な任務についている空中または地上にいる職員のシミュレーションされたまたは現実のリアルタイム3Dマップのための継続的に更新されるデータを提供する、地上とのまたは飛行中の飛行機とのリアルタイム通信のための長距離デジタル無線機またはネットワークを更に含み、職員の携帯電話通信に不具合が生じても、このシステムがチームのリアルタイムトラッキングを提供可能であり、このリアルタイムトラッキングを携帯電話ネットワークまたは他のネットワークに統合可能なものとしてもよい。
【0008】
また、本発明によるシステムにおいては、上記のデータが、仮想現実スカイダイビングシミュレータを生成し、この仮想現実スカイダイビングシミュレータが、トラッカーデータベースおよび熟練したスカイダイバーからのフィードバックによって継続的に改善されるものとしてもよい。
【0009】
また、本発明によるシステムにおいては上記のデータを、スカイダイビングを含む飛行のために使用可能な、および、博物館によって、65インチのディスプレイ上における120~360度のインタラクティブなビデオルーム内においてネットワーク化可能な宇宙の最も偉大な地質学的な場所および人工的な場所のツアーのために使用可能な、インタラクティブマップまたはビデオに変換するものとしてもよい。
【0010】
また、本発明によるシステムは、世界中の任意の場所において、ラウンド型パラシュートおよびラム・エア型パラシュートをシミュレーションし、スカイダイバーのチームの任務地へと飛行中に飛行機内において安価且つコンパクトに使用可能な、独特の訓練システムのための、PCおよび(ジャンパーが自分の転回および速度を制御するための)腕の動きのトラッキングセンサのみと共に携帯可能な、ユーザが単に自分の頭を転回させることによって探索する3D世界に没入するための仮想現実ヘッドセットを更に含むものとしてもよい。
【0011】
また、本発明によるシステムは、既存の技術は対応していない、夜間または昼間のジャンプを見るため、および、1名以上のジャンパーを同時に見て、衝突を回避してチームとしてのパフォーマンスを行うために近接フォーメーションを練習するためのオプションを有する、ローカルまたはリモートでネットワークを介して共有されたシミュレーション飛行データを更に含み、この技術が、高いコスト効果で、ジャンパーのチームが迅速に練習して直ちに任務を開始することを可能にするものとしてもよい。
【0012】
また、本発明によるシステムは、ジャンプ中に言葉による指示を提供するイヤホンまたはヘッドセット用のオプションを更に含むものとしてもよい。
【0013】
本発明によるジャンプ中におけるリアルタイムまたは非リアルタイムトラッキングのためのシステムは、
チームジャンプの前に風速および風向を計算するリアルタイムまたは非リアルタイムトラッカーと、
着地場所および任務に基づいて、飛行機を飛行させる最適な飛行経路、並びに、スカイダイバーのチームをどこで降下させるかをパイロットに指示するために、データを飛行機へと中継する長距離デジタル無線機と
を含む。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】特許請求の範囲の概要のフローチャート論理
図2】本技術を用いたスモークジャンパーの訓練を示す
図3】複数のスカイダイバーがチームとして働くことを可能にするネットワーク化されたバージョンを示す
図4】VR中における13名のジャンパーの図を示す
図5】本システムがスカイダイバーを自動的に評価することを示す
図6】離陸から着地までの飛行機の飛行経路をプロットするリアルタイムトラッカーを示す
図7】トラッカーデータが、どのように動きのタイプ(即ち、飛行機、スカイダイブ等)とプロットを見るための最適な角度とを識別するかを示す
図8】トラッカーデータが、どのように動きのタイプ(即ち、飛行機、スカイダイブ等)とプロットを見るための最適な角度とを識別するかを示す
図9】トラッカーデータが、どのように動きのタイプ(即ち、飛行機、スカイダイブ等)とプロットを見るための最適な角度とを識別するかを示す
図10】トラッカーデータが、どのように動きのタイプ(即ち、飛行機、スカイダイブ等)とプロットを見るための最適な角度とを識別するかを示す
図11】トラッカーデータが、どのように動きのタイプ(即ち、飛行機、スカイダイブ等)とプロットを見るための最適な角度とを識別するかを示す
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、個々のスカイダイバーまたはスカイダイバーのチームのスカイダイビングの安全性を向上させるセンサ、ハードウェア技術、およびソフトウェア技術の驚くべき組み合わせを備えた、統合された最新のスカイダイビングの安全性および訓練システムを提供する。図1は、本システムが、どのようにして(1)スカイダイバーの訓練チームを劇的に改善し、(2)スカイダイビングによる死亡の主な原因(空中衝突を含む)を防ぐのに役立つかを強調したものである。
【0016】
ブロック1において、本出願人の専用の誤差チェック機能を備えた低コストのトラッカー(コストが1000ドル未満のトラッカー)が、クリーンな飛行データ(緯度等)を作成する。カルマンフィルターを用いて、GPS/INSデータ融合を研究した。3名以上のジャンパーが飛行機に搭乗している場合には、本システムは自動的に、的確に、ジャンパー間のデータをクロスチェックする。飛行機の経路、出口点/着地点、各ジャンパーの経路を示す3Dインタラクティブプロットが作成される。また、本技術は、着地時にジャンパーが地下300フィートにいたことを示しているベストセラーのデジタル時計が非常に不正確であることを示しているトラッカーを評価する。
【0017】
任意の数のジャンプ(即ち、1回のジャンプまたは数百万回のジャンプ)を含み得る専用スカイダイビングデータベースに詳細な飛行データが追加され(ブロック2)、これは、事故の調査/デブリーフィングに用いられ得るものであり、また、シミュレータの精度を向上させる。ネットワーク化されたシミュレータは、複数のジャンパーのチームが一緒に訓練することを可能にする(ブロック3)。飛行データは、ジャンパー/飛行機の3Dインタラクティブ飛行経路を作成する(ブロック4)。必要に応じて、ジャンパーには、イヤホンまたはヘッドセットを介して、目標に向かって誘導するためのリアルタイムコマンドが提供される(ブロック5)。熟練したジャンパーからのフィードバックが、このシミュレータを強化する(ブロック6)。この驚くべきスカイダイビング訓練システムは、ジャンプ前のシミュレーション、ジャンプ中の誘導、およびジャンプ後のデブリーフィングを提供する(ブロック7)。宇宙における最も偉大な場所(グランドキャニオン等)のインタラクティブな3Dツアーのための類似の技術(ブロック8)。トラッキングされたジャンプは、ジャンパー、パイロット、スポッターの訓練を改善する(ブロック9)。
【0018】
「スカイダイバートラッカー」は、米国政府によって、何百ものジャンプの訓練において購入/使用されている。或るスカイダイバー訓練マネージャーは、それが彼らに「新人ジャンパーに対してパラシュート操作を教えるのに役立つと共に、経験豊富なジャンパーが技術を洗練させるのに役立つ。…あなた方のGPS誘導貨物配達システムのコンセプトは、貨物のパッケージを配達するためにより高い高度にとどまることが可能であることにより、任務のリスクが低減される」ので、「我々にとって関心がある」と書いている。
グランドキャニオンへの見事な「YouTube」スカイダイビングシミュレーション-http://youtu.be/n2srxXJlQs8
図2は、本出願人の非バーチャルリアリティ(VR)バージョンで訓練しているスモークジャンパー(ギア装着)201を示しているが、より強力なオプションは、ディスプレイ202が不要なVRヘッドセット204を示している。センサ203は、現実のスカイダイビングのようなユーザの腕の動きをトラッキングする。ジャンパーは、シュートを制御する仮想の(または現実の)トグルを引っ張る。彼らの腕がまっすぐ上に向いている場合には、彼らは最大速度でまっすぐ前進して飛ぶが、一方の(即ち、左)腕が下がっている場合には、彼らは左に曲がる。この技術は、ラムジャンパーおよびラウンドジャンパーの両方を訓練する。米国森林局の「U.S. Forest Service Ram-Air Parachute System Implementation Project(米国森林局ラム・エア型パラシュートシステム実装プロジェクト)」(2015年6月)は、「現在用いられているラウンド型のFS-14パラシュートシステムが、最終的には、スクエア型のラム・エア型パラシュートシステムによって置き換えられ、…ほとんどのジャンパーは、ラム・エアの方が、負傷や死亡によってキャリアを終えることにつながりやすいと考えていた」と決定したが、職場や家庭で使用できるこのシミュレータは、彼らの心配を和らげ得る。
【0019】
トラッカーの飛行データは、僅かな回数のジャンプのデータを用いて、用いられるパラシュートおよびペイロードのタイプをシミュレーションできる。現実の飛行データのパフォーマンスに基づいてカスタマイズできないシミュレータは、単なるゲームである。
【0020】
図3は、チームを訓練するために、低コストのジャンプVRシミュレータ(コストが5000ドル未満のシミュレータ)301、309をどのように数分間でセットアップできるかを示す。インストラクターは、3Dカラーマップ316上において、トップダウンビューで、全てのジャンパーを彼らの飛行データと共に見る。例えば、ヘッドセット301を装着したジャンパー1は、1200フィート(365.76メートル)AGLにおいてマップ上のJ1にいる。チームの目標はこの島の北側である。彼らの装備はラップトップPCおよびセンサ/ヘッドセットであり、これらは10分間でセットアップ可能である。チームは、ネットワーク上において、同じ室内で、または世界中で訓練できる。
【0021】
このVRビュー内の13名のジャンパーは、任務中に他のジャンパーとの衝突を回避しなければならない(図4)。
【0022】
また、この技術は、科学博物館が、世界中および太陽系の最も偉大な地質学的な場所および人工的な場所の素晴らしい教育用バーチャルリアリティツアーを提供することを可能にする。この技術は圧倒的でありながら、手頃な価格であり、65インチのディスプレイ上で見事な120~360度のビデオルーム用にカスタマイズできる。
【0023】
重要なスカイダイビングデータベース
このスカイダイビングトラッカーを用いて、400を超えるスカイダイビングがトラッキングされており、これらは増え続けるジャンプ履歴の一部である。デブリーフィング/事故調査のために、3回クリックするだけで、飛行機/ジャンパーについての全ての飛行データを、インタラクティブな3Dマップ/ビデオと共に利用でき、直ちに利用できる。Mark UrbanのBLM事故報告書は、彼の死から8か月後に発行された。また、彼らは(数千ドルを投資して)「データを役に立たたないものにはしなかったものの、各データポイントに関連付けられた不確実性の程度を増加させ…飛行機の飛行速度に関する情報は提供されなかった」欠陥のあるデータロガーを用いた。
【0024】
図5の左側部分は、目標(ボックス内の十字)から782~1209フィート(約238.35~約368.50メートル)において飛行機から出た10名の新人スモークジャンパーを示している。彼らは1478~1580フィート(450.4944~481.584メートル)AGL(地上からの高さ)において出た。
【0025】
本出願人の専用の論理は、8mph(約12.87kph)の風速、飛行機のタイプ、用いられたパラシュートのタイプ(ラウンド型パラシュート)を自動的に計算した。彼らは通常、一度に2名ずつ(例えば、ジャンパー6および7)出て、ジャンパー7が目標の最も近くに着地した(グループで最良の89フィート(約27.13メートル)であった)。ジャンパー6と7とを結ぶ線は、飛行機の飛行経路を示す。飛行機は6回旋回し、10名のジャンパー全員を放った。灰色および黒の領域は木および茂みである。
【0026】
この技術は、トラッカーからの数百万のデータポイントを自動的に3Dインタラクティブマップに変換し、スポッター、パイロット、ジャンパーを評価する。熟練したジャンパーは、通常、目標から50フィート(15.24メートル)以内に着地する。2016年の2週間の訓練中に、飛行機に乗った複数の新人がこのトラッカーを用いた(図5)。新人ジャンパーは、第1週においては目標から平均200フィート(60.96メートル)以上のところに着地したが、第2週までには、目標地点から100フィート(30.48メートル)以内に着地し、劇的に向上した。
【0027】
更なるオプション
本出願人は、400ドル未満の安価なデジタル無線機をアンテナと共に用いて、ジャンパーに飛行機から出るタイミングを通知するために、理想的な飛行経路上のパイロットにリアルタイムの飛行データを提供する。また、単純なストリーマーが、風況をテストするが、本出願人の統合的なソリューションを用いて、パイロットとジャンパーに通知するために、最新の風況が送信される。要するに、空中および地上の両方におけるトラッキングのためのリアルタイムデータが提供されると共に、このリアルタイム誘導システムを用いて、補給ロボットを作った(以下に示す)。
【0028】
緊急医療システム
本出願人の証明された技術は、目標から30フィート(約9.14メートル)以内に着地可能である。パラシュートが開いた際、モーターが、トグルに取り付けられたナイロンコードを引っ張って、第1回目の成功したロボットテスト飛行において示されているように、パラシュートを目標の着地場所へと自律的に誘導する。
「YouTube」ロボット飛行試験-https://www.youtube.com/watch?v=jEDibD18O4E&feature=youtube_gdata
米軍は、(山火事で散らかった森林とは異なる)大きい開けた領域で機能する高価なシステムを有する。しかし、シリア戦争中には、ロボット補給ユニットが正確に着地せずに目標から1/2マイル(約0.8キロメートル)離れて着地したために、米国国防総省はテロリストに100万ドルの武器を届けることとなった。この失敗は、小さいペイロードを正確に着地させるために、本願のVRのような手動制御でオーバーライドする必要性を示しており、このオプションは、より高価なユニットは備えていない。
【0029】
緊急警報ネットワーク
携帯電話通信に不具合が生じてヤーネル(Yarnell)で死亡した20人の消防士のような地上クルーをリアルタイムでトラッキングする。長距離デジタル無線機(高々100マイルまでの範囲を有するデジタル無線機、図6)を有する900MHzネットワークをカスタマイズできる。彼らの事故報告(2013年6月30日)には、「シェルターが展開されたとき、VLAT(Very Large Air Tanker)は火の上方に静止し、クルーの位置が決定されたら直ちに難燃剤を投下するために待機していた」と記されている。本技術があれば、(1)VLATに難燃剤を投下する場所を指示するために、彼らの位置を自動的にブロードキャストできたか、または、(2)VLATが失敗した場合には、スカイダイビングロボットが、閉じ込められた消防士に水を浴びせるために正確に水を届けることができ、役立ったかもしれない。リアルタイムトラッカー1202は、無線、GPS、パラシュートを有し、コストは1000ドル未満であり、重量は2ポンド(約907グラム)である。リアルタイムトラッカー1202は、飛行機から出るまで、飛行機内におけるリアルタイムトラッカー1202の位置をブロードキャストし、次に、風速/および飛行機の飛行方向1201を正確に中継し、10000フィート(約3048メートル)において旋回している飛行機が、スモークジャンパーおよび消防士の地上における正確なGPS位置を常に監視できることを確認した。
【0030】
図7図11は、トラッカーデータをどのように用いて、動きのタイプ(飛行機、スカイダイビング等)を識別し、データの誤差を補正し、3Dインタラクティブマップまたはビデオにおいてプロットを見るための最適な角度および視点を計算するかを示している。
【0031】
スカイダイビングトラッカーは、既存の機能を遥かに超えた、(1)ジャンプ前に、世界中の任意の現実の場所における練習を可能にする仮想現実チームシミュレータと、(2)スカイダイバーのチームによって用いられる正確なパラシュートおよびペイロードについて、および、ジャンプ後のデブリーフィング/事故調査のための3Dグラフィックスのために、シミュレータをカスタマイズするために用いられ得る飛行データを作成する、4オンス(約113グラム)以下の低コストのトラッカー(コストが1000ドル未満のトラッカー)とによって、スカイダイバーの個人およびチームのスカイダイビングの訓練および安全性に革命をもたらす。このスカイダイビングトラッカーは、あらゆるジャンプに対して用いられるべきである。
【符号の説明】
【0032】
202 ディスプレイ
203 センサ
204 VRヘッドセット
301、309 ジャンプVRシミュレータ
316 3Dカラーマップ
1202 リアルタイムトラッカー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11