(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】保持装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20221129BHJP
【FI】
H01L21/68 N
H01L21/68 R
(21)【出願番号】P 2018178571
(22)【出願日】2018-09-25
【審査請求日】2021-09-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000004547
【氏名又は名称】日本特殊陶業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001911
【氏名又は名称】特許業務法人アルファ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上松 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】江口 明
【審査官】鈴木 孝章
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-267256(JP,A)
【文献】特開平11-162620(JP,A)
【文献】特開2014-183077(JP,A)
【文献】特開2014-138164(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の表面と、前記第1の表面とは反対側に位置する第2の表面とを有する板状部材と、第3の表面を有し、前記第3の表面が前記板状部材の前記第2の表面側に位置するように配置され、かつ、冷却機構を有するベース部材と、前記板状部材の前記第2の表面と前記ベース部材の前記第3の表面との間に配置され、前記板状部材と前記ベース部材とを接合する接合部と、を備え、前記板状部材の前記第1の表面上に対象物を保持する保持装置の製造方法において、
前記板状部材の前記ベース部材との接合前の状態である第1の板状部材の前記第2の表面と、前記ベース部材の前記板状部材との接合前の状態である第1のベース部材の前記第3の表面との間に、前記接合部の硬化前の状態である第1の接合部を配置して、前記第1の板状部材と前記第1の接合部と前記第1のベース部材とから構成される積層体を作製する第1の工程と、
前記積層体を構成する前記第1の板状部材における前記第1の表面の温度分布を測定する第2の工程と、
前記第2の工程で測定された、前記第1の板状部材における前記第1の表面の温度分布の測定結果が所定の条件を満たさないとき、前記積層体における、前記第1の板状部材と前記第1のベース部材とを分離する第3の工程と、
前記第2の工程で測定された、前記第1の板状部材における前記第1の表面の温度分布の測定結果に応じて、前記第1の板状部材と、前記第1の接合部と、前記第1のベース部材との少なくとも1つの構成を、第2の板状部材と、第2の接合部と、第2のベース部材とにそれぞれ変更する第4の工程と、
前記第1の板状部材または前記第2の板状部材の前記第2の表面と、前記第1のベース部材または前記第2のベース部材の前記第3の表面との間に、前記第1の接合部または前記第2の接合部を配置して、前記第1の接合部または前記第2の接合部を硬化させることにより、前記板状部材と前記ベース部材とを接合する前記接合部を作製する第5の工程と、を備え、
前記第1の接合部は、
前記第1の板状部材の前記第2の表面または前記第1のベース部材の前記第3の表面の一方の表面に対向する第4の表面と、前記第4の表面とは反対側に位置する第5の表面とを有する第1の層と、
前記第1の層の前記第5の表面側に位置する第6の表面を有する第2の層と、を含み、
前記第1の工程において、前記積層体は、
前記第1の層の前記第5の表面と前記第2の層の前記第6の表面との間に、前記第1の層から前記第2の層を剥離可能な剥離部材を配置して、前記第1の板状部材と前記第1の接合部と前記剥離部材と前記第1のベース部材とから構成されるように作製され、
前記剥離部材は、前記剥離部材における前記第1の接合部からの剥離容易性が、前記第1の接合部における前記第1の板状部材からの剥離容易性および前記第1の接合部における前記第1のベース部材からの剥離容易性より高い材料で形成されている、
ことを特徴とする保持装置の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の保持装置の製造方法において、
前記第4の工程において、前記第1の板状部材と前記第1のベース部材との少なくとも1つの構成を変更すること、を実行するとき、前記第1の板状部材と前記第1のベース部材との少なくとも1つを加工することにより、前記第1の板状部材と前記第1のベース部材との少なくとも1つの構成を変更する、
ことを特徴とする保持装置の製造方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の保持装置の製造方法において、
前記第4の工程において、前記第1の接合部の構成を変更すること、を実行するとき、前記第2の接合部を形成する材料の熱伝導率が前記第1の接合部を形成する材料の熱伝導率と異なる熱伝導率となるように、前記第1の接合部の構成を変更する、
ことを特徴とする保持装置の製造方法。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の保持装置の製造方法において、
前記剥離部材は、
前記第1の層の前記第5の表面または前記第2の層の前記第6の表面の一方の表面側に位置する第7の表面と、前記第7の表面とは反対側に位置する第8の表面とを有する基部と、
前記基部の前記第7の表面または前記第8の表面の少なくとも一方の表面における少なくとも一部を覆う被覆部と、を備え、
前記被覆部は、前記被覆部における前記第1の接合部からの剥離容易性が、前記被覆部における前記基部からの剥離容易性より高い材料で形成されている、
ことを特徴とする保持装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される技術は、対象物を保持する保持装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば半導体製造装置において、ウェハを保持する保持装置として、静電チャックが用いられる。静電チャックは、例えばセラミックス製の板状部材と、例えば金属製のベース部材と、板状部材とベース部材とを接合する接合部と、板状部材の内部に設けられたチャック電極とを備えており、チャック電極に電圧が印加されることにより発生する静電引力を利用して、板状部材の表面(以下、「吸着面」という)にウェハを吸着して保持する。
【0003】
静電チャックの吸着面に保持されたウェハの温度が所望の温度にならないと、ウェハに対する各処理(成膜、エッチング等)の精度が低下するおそれがある。そのため、静電チャックの使用時には、ベース部材に形成された冷却機構を利用することにより、板状部材の吸着面の温度分布を制御して、ウェハの温度分布を制御が行われる。
【0004】
従来から、板状部材の吸着面とは反対側の接着面のうち、吸着面の温度分布に応じた位置に、熱伝導率が接合部の熱伝導率とは異なる調整用樹脂が埋設された静電チャックが知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2016-1757号公報
【文献】特開2013-247342号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した従来の静電チャックでは、板状部材とベース部材とを接合部を介して接合する前に、板状部材の接着面に調整用樹脂を埋設することにより、板状部材の吸着面における温度分布を所望の温度としている。しかしながら、板状部材単体において、その吸着面における温度分布を所望の温度としたとしても、板状部材とベース部材とが接合部を介して接合されると、吸着面の温度分布が変動し、所望の温度からずれることがある。このような場合には、例えば、板状部材の接着面に埋設する調整用樹脂を調整等するために、板状部材とベース部材とを分離する工程が必要となる。しかしながら、板状部材とベース部材との接合部による接合は強固であるため、分離する際に各部材を破損してしまうことがあり、各部材を再利用できないおそれがある。このため、静電チャックの製造プロセスにおいて歩留まりの低下を招くという問題がある。
【0007】
なお、このような課題は、静電引力を利用してウェハを保持する静電チャックに限らず、板状部材とベース部材とが接合部を介して接合された保持装置一般に共通の課題である。
【0008】
本明細書では、上述した課題を解決することが可能な技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本明細書に開示される技術は、例えば、以下の形態として実現することが可能である。
【0010】
(1)本明細書に開示される保持装置の製造方法は、第1の表面と、前記第1の表面とは反対側に位置する第2の表面とを有する板状部材と、第3の表面を有し、前記第3の表面が前記板状部材の前記第2の表面側に位置するように配置され、かつ、冷却機構を有するベース部材と、前記板状部材の前記第2の表面と前記ベース部材の前記第3の表面との間に配置され、前記板状部材と前記ベース部材とを接合する接合部と、を備え、前記板状部材の前記第1の表面上に対象物を保持する保持装置の製造方法において、前記板状部材の前記ベース部材との接合前の状態である第1の板状部材の前記第2の表面と、前記ベース部材の前記板状部材との接合前の状態である第1のベース部材の前記第3の表面との間に、前記接合部の硬化前の状態である第1の接合部を配置して、前記第1の板状部材と前記第1の接合部と前記第1のベース部材とから構成される積層体を作製する第1の工程と、前記積層体を構成する前記第1の板状部材における前記第1の表面の温度分布を測定する第2の工程と、前記第2の工程で測定された、前記第1の板状部材における前記第1の表面の温度分布の測定結果が所定の条件を満たさないとき、前記積層体における、前記第1の板状部材と前記第1のベース部材とを分離する第3の工程と、前記第2の工程で測定された、前記第1の板状部材における前記第1の表面の温度分布の測定結果に応じて、前記第1の板状部材と、前記第1の接合部と、前記第1のベース部材との少なくとも1つの構成を、第2の板状部材と、第2の接合部と、第2のベース部材とにそれぞれ変更する第4の工程と、前記第1の板状部材または前記第2の板状部材の前記第2の表面と、前記第1のベース部材または前記第2のベース部材の前記第3の表面との間に、前記第1の接合部または前記第2の接合部を配置して、前記第1の接合部または前記第2の接合部を硬化させることにより、前記板状部材と前記ベース部材とを接合する前記接合部を作製する第5の工程と、を備える。
【0011】
このように、本保持装置の製造方法では、まず、第1の板状部材と第1のベース部材と第1の接合部とから構成される積層体を作製し、作製された積層体における第1の板状部材の第1の表面の温度分布を測定する。次いで、当該積層体における第1の板状部材の第1の表面の温度分布の測定結果が所定の条件を満たさないときには、当該積層体における第1の板状部材と第1のベース部材とを分離し、上記測定結果に応じて、第1の板状部材と第1の接合部と第1のベース部材との少なくとも1つの構成を、第2の板状部材と第2の接合部と第2のベース部材とにそれぞれ変更する。その後、板状部材とベース部材とを接合する接合部を作製して、保持装置を製造することができる。従って、本保持装置の製造方法によれば、予め板状部材における第1の表面の温度分布を測定することなく、板状部材とベース部材とを接合して保持装置を完成させた後、第1の表面の温度分布が測定される製造方法と比較して、保持装置における板状部材の第1の表面の温度分布を制御可能としつつ、保持装置の製造プロセスにおける歩留まりを向上させることができる。
【0012】
(2)上記保持装置の製造方法において、前記第4の工程において、前記第1の板状部材と前記第1のベース部材との少なくとも1つの構成を変更すること、を実行するとき、前記第1の板状部材と前記第1のベース部材との少なくとも1つを加工することにより、前記第1の板状部材と前記第1のベース部材との少なくとも1つの構成を変更する構成としてもよい。
【0013】
板状部材およびベース部材の構成は、保持装置において板状部材の第1の表面の温度分布に影響を及ぼす。本保持装置の製造方法では、第4の工程において、第1の板状部材と第1のベース部材との少なくとも1つを加工することにより、それらの少なくとも1つの構成を変更する。従って、本保持装置の製造方法によれば、保持装置における板状部材の第1の表面の温度分布をより効果的に制御可能としつつ、保持装置の製造プロセスにおける歩留まりを向上させることができる。
【0014】
(3)上記保持装置の製造方法において、前記第4の工程において、前記第1の接合部の構成を変更すること、を実行するとき、前記第2の接合部を形成する材料の熱伝導率が前記第1の接合部を形成する材料の熱伝導率と異なる熱伝導率となるように、前記第1の接合部の構成を変更する構成としてもよい。
【0015】
第1の接合部の熱伝導率は、保持装置において板状部材の第1の表面の温度分布に影響を及ぼす。本保持装置の製造方法では、第2の接合部の熱伝導率が第1の接合部の熱伝導率と異なる熱伝導率となるように、第1の接合部の組成を変更する。従って、本保持装置の製造方法によれば、保持装置における板状部材の第1の表面の温度分布をより効果的に制御しつつ、保持装置の製造プロセスにおける歩留まりを向上させることができる。
【0016】
(4)上記保持装置の製造方法において、前記第1の接合部は、前記第1の板状部材の前記第2の表面または前記第1のベース部材の前記第3の表面の一方の表面に対向する第4の表面と、前記第4の表面とは反対側に位置する第5の表面とを有する第1の層と、前記第1の層の前記第5の表面側に位置する第6の表面を有する第2の層と、を含み、前記第1の工程において、前記積層体は、前記第1の層の前記第5の表面と前記第2の層の前記第6の表面との間に、前記第1の層から前記第2の層を剥離可能な剥離部材を配置して、前記第1の板状部材と前記第1の接合部と前記剥離部材と前記第1のベース部材とから構成されるように作製され、前記剥離部材は、前記剥離部材における前記第1の接合部からの剥離容易性が、前記第1の接合部における前記第1の板状部材からの剥離容易性および前記第1の接合部における前記第1のベース部材からの剥離容易性より高い材料で形成されている構成としてもよい。
【0017】
本保持装置の製造方法では、上記積層体における上記第1の接合部に含まれる第1の層と第2の層との間に剥離部材が配置されている。このため、上記積層体を分離する第3の工程において、第1の板状部材と第1のベース部材とを分離する際に、上記第1の層と剥離部材との間または上記第2の層と剥離部材との間で比較的容易に分離することができる。これにより、これに続く作業が容易となる。これは、分離された第1の板状部材および第1のベース部材のそれぞれに第1の層および第2の層が残存していても、これらを一旦分離した後に、第1の板状部材および第1のベース部材のそれぞれから第1の層および第2の層を除去することは、比較的容易であるためである。従って、本保持装置の製造方法によれば、保持装置における板状部材の第1の表面の温度分布を制御可能としつつ、保持装置の製造プロセスにおける歩留まりを向上させることができるとともに、上記積層体を分離する第3の工程を容易化および効率化することができる。
【0018】
(5)上記保持装置の製造方法において、前記剥離部材は、前記第1の層の前記第5の表面または前記第2の層の前記第6の表面の一方の表面側に位置する第7の表面と、前記第7の表面とは反対側に位置する第8の表面とを有する基部と、前記基部の前記第7の表面または前記第8の表面の少なくとも一方の表面における少なくとも一部を覆う被覆部と、を備え、前記被覆部は、前記被覆部における前記第1の接合部からの剥離容易性が、前記被覆部における前記基部からの剥離容易性より高い材料で形成されている構成としてもよい。
【0019】
本保持装置の製造方法では、上記剥離部材が上記基部と上記被覆部とを備え、当該被覆部における上記第1の接合部からの剥離容易性が、当該被覆部における当該基部からの剥離容易性より高い。このため、上記積層体を分離する第3の工程において、第1の板状部材と第1のベース部材とを分離する際に、剥離部材における被覆部と、第1の接合部に含まれる第1の層および/または第2の層との間でより容易に分離することができる。従って、本保持装置の製造方法によれば、保持装置における板状部材の第1の表面の温度分布を制御可能としつつ、保持装置の製造プロセスにおける歩留まりを向上させることができるとともに、上記積層体を分離する第3の工程をより効果的に容易化および効率化することができる。
【0020】
なお、本明細書に開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、保持装置、静電チャック、真空チャック、それらの製造方法等の形態で実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】第1実施形態における静電チャック100の外観構成を概略的に示す斜視図である。
【
図2】第1実施形態における静電チャック100のXZ断面構成を概略的に示す説明図である。
【
図3】第1実施形態における静電チャック100の製造方法を示すフローチャートである。
【
図4】第1実施形態における静電チャック100の製造方法を模式的に示す説明図である。
【
図5】第1実施形態における静電チャック100の製造方法を模式的に示す説明図である。
【
図6】第1実施形態における静電チャック100の製造方法を模式的に示す説明図である。
【
図7】第2実施形態における静電チャック100の製造方法を示すフローチャートである。
【
図8】第2実施形態における静電チャック100の製造方法を模式的に示す説明図である。
【
図9】第2実施形態における静電チャック100の製造方法を模式的に示す説明図である。
【
図10】第2実施形態における静電チャック100の製造方法を模式的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
A.第1実施形態:
A-1.静電チャック100の構成:
図1は、第1実施形態における静電チャック100の外観構成を概略的に示す斜視図であり、
図2は、第1実施形態における静電チャック100のXZ断面構成を概略的に示す説明図である。各図には、方向を特定するための互いに直交するXYZ軸が示されている。本明細書では、便宜的に、Z軸正方向を上方向といい、Z軸負方向を下方向というものとするが、静電チャック100は実際にはそのような向きとは異なる向きで設置されてもよい。
【0023】
静電チャック100は、対象物(例えば半導体ウェハW)を静電引力により吸着して保持する装置であり、例えば半導体製造装置の真空チャンバー内で半導体ウェハW(以下、「ウェハW」という)を固定するために使用される。静電チャック100は、所定の配列方向(本実施形態では上下方向(Z軸方向))に並べて配置された板状部材10およびベース部材20を備える。板状部材10とベース部材20とは、板状部材10の下面S2(
図2参照)とベース部材20の上面S3とが、後述する接合部30を挟んで上記配列方向に対向するように配置される。すなわち、ベース部材20は、ベース部材20の上面S3が板状部材10の下面S2側に位置するように配置される。
【0024】
板状部材10は、上述した配列方向(Z軸方向)に略直交する略円形平面状の上面(以下、「吸着面」という)S1を有する部材であり、例えばセラミックス(例えば、アルミナや窒化アルミニウム等)により形成されている。板状部材10の直径は例えば50mm~500mm程度(通常は200mm~350mm程度)であり、板状部材10の厚さは例えば1mm~10mm程度である。板状部材10の吸着面S1は、特許請求の範囲における第1の表面に相当し、板状部材10の下面S2は、特許請求の範囲における第2の表面に相当する。また、本明細書では、Z軸方向に直交する方向を「面方向」という。
【0025】
図2に示すように、板状部材10の内部には、導電性材料(例えば、タングステン、モリブデン、白金等)により形成されたチャック電極40が配置されている。Z軸方向視でのチャック電極40の形状は、例えば略円形である。チャック電極40に電源(図示せず)から電圧が印加されると、静電引力が発生し、この静電引力によってウェハWが板状部材10の吸着面S1に吸着固定される。
【0026】
板状部材10の内部には、また、導電性材料(例えば、タングステン、モリブデン、白金等)を含む抵抗発熱体により構成されたヒータ電極50が配置されている。ヒータ電極50に電源(図示せず)から電圧が印加されると、ヒータ電極50が発熱することによって板状部材10が温められ、板状部材10の吸着面S1に保持されたウェハWが温められる。これにより、ウェハWの温度分布の制御が実現される。
【0027】
ベース部材20は、例えば板状部材10と同径の、または、板状部材10より径が大きい円形平面の板状部材であり、例えば金属(アルミニウムやアルミニウム合金等)により形成されている。ベース部材20の直径は例えば220mm~550mm程度(通常は220mm~350mm)であり、ベース部材20の厚さは例えば20mm~40mm程度である。ベース部材20の上面S3は、特許請求の範囲における第3の表面に相当する。
【0028】
ベース部材20は、板状部材10の下面S2とベース部材20の上面S3との間に配置された接合部30によって、板状部材10に接合されている。接合部30は、例えばシリコーン系樹脂やアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等の接着材により構成されている。接合部30の厚さは、例えば0.1mm~1mm程度である。
【0029】
ベース部材20の内部には冷媒流路21が形成されている。冷媒流路21に冷媒(例えば、フッ素系不活性液体や水等)が流されると、ベース部材20が冷却され、接合部30を介したベース部材20と板状部材10との間の伝熱(熱引き)により板状部材10が冷却され、板状部材10の吸着面S1に保持されたウェハWが冷却される。これにより、ウェハWの温度分布の制御が実現される。冷媒流路21は、特許請求の範囲における冷却機構に相当する。
【0030】
また、
図2に示すように、静電チャック100には、ベース部材20の下面S14から板状部材10の吸着面S1にわたって上下方向に延びるピン挿通孔140が形成されている。すなわち、ピン挿通孔140は、ベース部材20をZ軸方向に貫通する孔26と、接合部30をZ軸方向に貫通する孔36と、板状部材10をZ軸方向に貫通する孔16とが互いに連通した一体の孔である。ピン挿通孔140は、板状部材10の吸着面S1上に保持されたウェハWを押し上げて吸着面S1から離間させるためのリフトピン(図示せず)を挿通するための孔である。
【0031】
また、
図2に示すように、静電チャック100は、板状部材10とウェハWとの間の伝熱性を高めてウェハWの温度分布の制御性をさらに高めるため、板状部材10の吸着面S1とウェハWの表面との間に存在する空間に不活性ガス(例えば、ヘリウムガス)を供給する構成を備えている。すなわち、静電チャック100には、ベース部材20の下面S14から接合部30の上面にわたって上下方向に延びる第1のガス流路孔131と、第1のガス流路孔131に連通すると共に板状部材10の吸着面S1に開口する第2のガス流路孔132とが形成されている。第1のガス流路孔131は、ベース部材20をZ軸方向に貫通する孔25と、接合部30をZ軸方向に貫通する孔35とが互いに連通した一体の孔である。ヘリウムガス源(図示しない)から供給されたヘリウムガスが、第1のガス流路孔131内に流入すると、流入したヘリウムガスは、第1のガス流路孔131から第2のガス流路孔132内に流入し、横流路133を介して面方向に流れつつ、吸着面S1に形成されたガス噴出孔から噴出する。このようにして、吸着面S1とウェハWの表面との間に存在する空間に、ヘリウムガスが供給される。
【0032】
A-2.静電チャック100の製造方法:
次に、静電チャック100の製造方法について説明する。
図3は、本実施形態における静電チャック100の製造方法を示すフローチャートである。また、
図4から
図6は、本実施形態における静電チャック100の製造方法の工程を模式的に示す説明図である。
【0033】
(測定用積層体100pの作製工程)
はじめに、測定用積層体100pを作製する(S110、
図4のA欄およびB欄参照)。まず、
図4のA欄に示すように、測定用板状部材10pと測定用ベース部材20pと測定用接着剤シート30pとを準備する。ここで、測定用板状部材10pは、静電チャック100を構成する板状部材10のベース部材20との接合前の状態であり、測定用ベース部材20pは、静電チャック100を構成するベース部材20の板状部材10との接合前の状態であり、測定用接着剤シート30pは、静電チャック100を構成する接合部30の硬化前の状態である。測定用板状部材10pと測定用ベース部材20pと測定用接着剤シート30pとは、公知の方法によって作製することができる。
【0034】
測定用板状部材10pは、例えば、以下の方法で作製される。すなわち、複数のセラミックスグリーンシート(例えばアルミナグリーンシート)を準備し、各セラミックスグリーンシートに、チャック電極40やヒータ電極50等を構成するためのメタライズインクの印刷等を行い、その後、複数のセラミックスグリーンシートを積層して熱圧着し、所定の円板形状にカットした上で焼成し、最後に研磨加工等を行うことにより、測定用板状部材10pが作製される。
【0035】
また、測定用接着剤シート30pは、例えば、以下の方法で作製される。すなわち、液状の樹脂材料に充填材等を加えて作製したペーストを、例えば離型シート上に膜状に塗布した後、所定の硬化処理によって半硬化させることにより、測定用接着剤シート30pが作製される。また、各測定用接着剤シート30pに対して、例えば打ち抜き加工を行うことにより、各測定用接着剤シート30pの形状を所望の形状(例えば、略円形)にする。
【0036】
図4のB欄に示すように、上記準備された、測定用板状部材10pの下面S2と、測定用ベース部材20pの上面S3との間に、測定用接着剤シート30pを配置して、測定用板状部材10pと測定用ベース部材20pと測定用接着剤シート30pとから構成される測定用積層体100pを作製する。上記準備された、測定用板状部材10pと測定用ベース部材20pと測定用接着剤シート30pとを配置した後、すなわち、積層した後、圧着してもよい。なお、測定用板状部材10pは、特許請求の範囲における第1の板状部材に相当し、測定用ベース部材20pは、特許請求の範囲における第1のベース部材に相当し、測定用接着剤シート30pは、特許請求の範囲における第1の接合部に相当し、測定用積層体100pは、特許請求の範囲における積層体に相当する。また、測定用積層体100pの作製工程は、特許請求の範囲における第1の工程に相当する。
【0037】
(吸着面S1の温度分布の測定工程)
次に、ステップS110で作製された測定用積層体100pの測定用板状部材10pにおける吸着面S1の温度分布を測定する(S120、
図4のB欄参照)。なお、吸着面S1の温度分布は、吸着面S1に略平行な面方向(上下方向に略垂直な方向)における温度分布をいう。このとき、使用時の状態における測定用板状部材10pの吸着面S1の温度分布を測定することが好ましい。例えば、測定用板状部材10pに備えられたチャック電極40およびヒータ電極50に電力を供給し、かつ、測定用ベース部材20pに形成された冷媒流路21に冷媒を供給した状態で、吸着面S1の温度分布を測定する。吸着面S1の内の複数の箇所(測温箇所)において測温することにより、各測温箇所における測定温度を取得する。温度分布の測定は、熱電対付きウェハや、赤外線サーモグラフィや、赤外線放射温度計等の温度測定機器TMを用いて行うことができる。なお、吸着面S1の温度分布の測定工程は、特許請求の範囲における第2の工程に相当する。
【0038】
(温度分布の測定結果の判定工程)
次に、ステップS120で得られた測定用板状部材10pにおける吸着面S1の温度分布の測定結果が、所定の条件を満たすか否か判定する(S131)。ステップS131における所定の条件としては、例えば、複数の測温箇所における測定温度の内の最高温度と最低温度との差が所定閾値以下(例えば、6℃以下)であることとしたり、複数の測温箇所で測定された測定温度の標準偏差が所定閾値以下(例えば、6℃以下)であることとすることができる。ステップS131において、上記吸着面S1の温度分布の測定結果が上記所定の条件を満たさないとき(S131:No)、後述するステップS133(測定用積層体100pの分離工程)へ進む。なお、温度分布の測定結果の判定工程および後述の測定用積層体100pの分離工程は、特許請求の範囲における第3の工程に相当する。
【0039】
(測定用積層体100pの分離工程)
次に、ステップS131において、測定用板状部材10pにおける吸着面S1の温度分布の測定結果が上記所定の条件を満たさないと判定された測定用積層体100pにおける、測定用板状部材10pと測定用ベース部材20pとを分離する(S133、
図5のA欄参照)。例えば、板状器具を用いて測定用接着剤シート30pの少なくとも一部を物理的に除去することにより、測定用板状部材10pと測定用ベース部材20pとを分離することができる。なお、この分離工程(S133)は、任意の温度(ただし、測定用接着剤シート30pに含まれる接着剤の分解温度より低い温度)で実行可能であり、例えば常温(5~35℃程度)で行われる。
【0040】
なお、必要により上記分離工程(S133)の前に、分離前処理を実行してもよい。分離前処理は、使用する測定用接着剤シート30pに応じて、例えば、有機溶剤を使用して測定用接着剤シート30pの一部を溶解させる処理や、測定用積層体100pを低温(測定用接着剤シート30pに含まれる接着剤の分解温度より低い温度)で加熱する処理から選択される処理である。分離前処理を行うことにより、上述した測定用板状部材10pと測定用ベース部材20pとの分離工程(S133)をより容易に行うことができるようになる。また、必要により上記分離工程(S133)の後に、分離後処理を実行してもよい。分離後処理は、例えば、分離した測定用板状部材10pおよび測定用ベース部材20pの表面に付着した接着剤を取り除く処理等である。ただし、分離前処理および/または分離後処理は必ずしも実行される必要はない。
【0041】
(測定用積層体100pの構成の変更工程)
ステップS133の後、ステップS120で測定された、測定用板状部材10pにおける吸着面S1の温度分布の測定結果に応じて、測定用積層体100pの構成を変更する(S140、
図5のB欄参照)。具体的には、測定用板状部材10pにおける吸着面S1の温度分布が所望の分布(例えば面方向の温度分布が略均一)に近づくように、測定用板状部材10pと測定用ベース部材20pと測定用接着剤シート30pとの少なくとも1つの構成を変更する。なお、測定用積層体100pの構成の変更工程は、特許請求の範囲における第4の工程に相当する。
【0042】
測定用積層体100pの構成を変更する方法は、特に限定されないが、例えば、測定用板状部材10pにおける吸着面S1の温度分布が所望の分布に近づくよう、接合部30における熱伝導性を変更させることが可能な公知の方法を用いることができる。具体例は次のとおりである。なお、以下に示す方法の内の1つのみを実行してもよく、また、2以上の方法を組み合わせて実行してもよい。
(1)吸着面S1の温度分布のばらつきが抑制されるように、測定用板状部材10pを加工する。例えば、測定用板状部材10pの下面S2の所定の部分を加工(例えば、研削加工)することにより、当該部分における板状部材10からベース部材20への伝熱性(熱引き性)を変更させることができる。これにより、吸着面S1における低温または高温の温度特異点を均一化させることができる。当該加工としては、例えば、測定用板状部材10pの形状を変更すること等が挙げられる。
(2)吸着面S1の温度分布のばらつきが抑制されるように、測定用ベース部材20pを加工する。例えば、測定用ベース部材20pの上面S3の所定の部分を加工(例えば、研削加工)することにより、当該部分における板状部材10からベース部材20への伝熱性(熱引き性)を変更させることができる。これにより、吸着面S1における低温または高温の温度特異点を均一化させることができる。当該加工としては、例えば、測定用ベース部材20pの形状を変更すること等が挙げられる。
(3)吸着面S1の温度分布のばらつきが抑制されるように、後述の接着剤シート30xを形成する材料の熱伝導率を、測定用接着剤シート30pを形成する材料の熱伝導率と異ならせる。
(4)吸着面S1の温度分布のばらつきが抑制されるように、後述の接着剤シート30xの内部に、熱伝導率が互いに異なる複数の部材を配置する。
【0043】
図5のB欄に示す例では、測定用板状部材10pの下面S2を加工することにより、測定用積層体100pの構成を変更することとしている。この例において、測定用板状部材10pの下面S2における所定の部分を研削加工することにより、測定用板状部材10pの下面S2に凹部CP1が形成される。当該凹部CP1が形成された測定用板状部材10pを用いた静電チャック100では、当該凹部CP1内にも接合部30が形成されるため、当該凹部CP1が形成された部分のZ軸方向における接合部30の厚さは、凹部CP1が形成されていない部分のZ軸方向における接合部30の厚さと比較して、厚くなる。接合部30は熱伝導性が比較的低いため、Z軸方向における接合部30の厚さが厚くなるほど、板状部材10からベース部材20への伝熱性(熱引き性)は悪くなる。このため、ステップS120で測定された、測定用板状部材10pにおける吸着面S1の温度分布の測定結果、低温の温度特異点となった部分について、上述の通り、測定用板状部材10pの下面S2に凹部CP1を形成することにより、当該部分が低温の温度特異点となることを抑制することができる。測定用板状部材10pの下面S2への加工は、例えば、ショットブラスト装置BDを用いて、測定用板状部材10pの吸着面S1に向けてブラスト材BM(投射材)を投射することにより、吸着面S1の内の所定の部分を研削して凹部CP1を形成することにより実行される。
【0044】
(積層体100ppの作製工程)
ステップS140の後、積層体100ppを作製する(S151、
図5のC欄および
図6のA欄参照)。まず、
図5のC欄に示すように、板状部材10とベース部材20と接着剤シート30xとを準備する。ここで、板状部材10およびベース部材20は、ステップS140において構成が変更された後の測定用板状部材10pおよび測定用ベース部材20pである。すなわち、ステップS140において、測定用板状部材10pの構成を変更した場合には、構成変更後の測定用板状部材10pが板状部材10となる。一方、ステップS140において、測定用板状部材10pの構成を変更しない場合には、ステップS133で分離された測定用板状部材10pがそのまま板状部材10となる。ベース部材20および接着剤シート30xについても、板状部材10と同様である。すなわち、測定用ベース部材20pの構成を変更した場合には、構成変更後の測定用ベース部材20pがベース部材20となる。一方、測定用ベース部材20pの構成を変更しない場合には、ステップS133で分離された測定用ベース部材20pがそのままベース部材20となる。また、測定用接着剤シート30pの構成を変更した場合には、構成変更後の測定用接着剤シート30pが接着剤シート30xとなる。一方、測定用接着剤シート30pの構成を変更しない場合には、ステップS133で分離された測定用接着剤シート30pと同等の構成を有し、かつ、別に作製された測定用接着剤シート30pが接着剤シート30xとなる。
【0045】
図5のC欄に示す例では、板状部材10は、測定用積層体100pを構成する測定用板状部材10pであって、ステップS140において構成が変更された測定用板状部材10pである。ベース部材20は、測定用積層体100pを構成する測定用ベース部材20pであって、ステップS133で分離された測定用ベース部材20pである。接着剤シート30xは、測定用積層体100pを構成する測定用接着剤シート30pを形成する材料と同じ材料で形成された接着剤シートである。ただし、接着剤シート30xには、第1のガス流路孔131の一部を構成する孔35と、ピン挿通孔140の一部を構成する孔36と、測定用板状部材10pに形成された凹部CP1の形状に相当する凸部CP2とが形成されている。
【0046】
図6のA欄に示すように、上記準備された、板状部材10の下面S2と、ベース部材20の上面S3との間に、接着剤シート30xを配置して、板状部材10とベース部材20と接着剤シート30xとから構成される積層体100ppを作製する。上記準備された、板状部材10とベース部材20と接着剤シート30xとを配置した後、すなわち、積層した後、圧着してもよい。なお、板状部材10は、特許請求の範囲における第2の板状部材に相当し、ベース部材20は、特許請求の範囲における第2のベース部材に相当し、接着剤シート30xは、特許請求の範囲における第2の接合部に相当する。また、積層体100ppの作製工程および後述の接合部30の作製工程は、特許請求の範囲における第5の工程に相当する。
【0047】
(接合部30の作製工程)
次に、板状部材10とベース部材20とを接合する接合部30を作製する(S153、
図6のB欄参照)。具体的には、上記ステップS151で得られた積層体100ppを、真空中で加圧しつつ加熱する。これにより、接着剤シート30xが硬化して接合部30が作製され、板状部材10とベース部材20とが接合部30により接着される。
【0048】
以上の工程により、静電チャック100が製造される。
【0049】
A-3.本実施形態の効果:
以上説明したように、本実施形態の静電チャック100の製造方法では、まず、測定用板状部材10pの下面S2と測定用ベース部材20pの上面S3との間に測定用接着剤シート30pを配置して、測定用板状部材10pと測定用接着剤シート30pと測定用ベース部材20pとから構成される測定用積層体100pを作製し(S110、
図3参照)、測定用積層体100pを構成する測定用板状部材10pにおける吸着面S1の温度分布を測定する(S120)。その後、ステップS120で測定された、測定用板状部材10pにおける吸着面S1の温度分布の測定結果が所定の条件を満たさないとき(S131:No)、測定用積層体100pにおける、測定用板状部材10pと測定用ベース部材20pとを分離する(S133)。さらに、ステップS120で測定された、測定用板状部材10pにおける吸着面S1の温度分布の測定結果に応じて、測定用板状部材10pと測定用接着剤シート30pと測定用ベース部材20pとの少なくとも1つの構成を、板状部材10と接着剤シート30xとベース部材20とにそれぞれ変更する(S140)。次いで、測定用板状部材10pまたは板状部材10の下面S2と、測定用ベース部材20pまたはベース部材20の上面S3との間に、測定用接着剤シート30pまたは接着剤シート30xを配置して、測定用接着剤シート30pまたは接着剤シート30xを硬化させることにより、板状部材10とベース部材20とを接合する接合部30を作製する(S151およびS153)。
【0050】
このように、本実施形態の静電チャック100の製造方法では、まず、測定用板状部材10pと測定用ベース部材20pと測定用接着剤シート30pとから構成される測定用積層体100pを作製し、作製された測定用積層体100pにおける測定用板状部材10pの吸着面S1の温度分布を測定する。次いで、当該測定用積層体100pにおける測定用板状部材10pの吸着面S1の温度分布の測定結果が所定の条件を満たさないときには、測定用積層体100pにおける測定用板状部材10pと測定用ベース部材20pとを分離し、上記測定結果に応じて、測定用板状部材10pと測定用接着剤シート30pと測定用ベース部材20pとの少なくとも1つの構成を板状部材10と接着剤シート30xとベース部材20に変更する。その後、板状部材10とベース部材20とを接合する接合部30を作製して、静電チャック100を製造することができる。従って、本実施形態の静電チャック100の製造方法によれば、予め板状部材10における吸着面S1の温度分布を測定することなく、板状部材10とベース部材20とを接合して静電チャック100を完成させた後、吸着面S1の温度分布が測定される製造方法と比較して、静電チャック100における板状部材10の吸着面S1の温度分布を制御可能としつつ、静電チャック100の製造プロセスにおける歩留まりを向上させることができる。
【0051】
また、本実施形態の静電チャック100では、上記ステップS140において、ステップS133で分離された測定用板状部材10pと測定用ベース部材20pとの少なくとも1つの構成を変更すること、を実行するとき、測定用板状部材10pと測定用ベース部材20pとの少なくとも1つを加工することにより、測定用板状部材10pと測定用ベース部材20pとの少なくとも1つの構成を変更する。
【0052】
板状部材10およびベース部材20の構成は、静電チャック100において板状部材10の吸着面S1の温度分布に影響を及ぼす。本実施形態の静電チャック100の製造方法では、ステップS140において、測定用板状部材10pと測定用ベース部材20pとの少なくとも1つを加工することにより、それらの少なくとも1つの構成を変更する。従って、本実施形態の静電チャック100の製造方法によれば、静電チャック100における板状部材10の吸着面S1の温度分布をより効果的に制御可能としつつ、静電チャック100の製造プロセスにおける歩留まりを向上させることができる。
【0053】
また、本実施形態の静電チャック100では、上記ステップS140において、測定用接着剤シート30pの構成を変更すること、を実行するとき、接着剤シート30xを形成する材料の熱伝導率が測定用接着剤シート30pを形成する材料の熱伝導率と異なる熱伝導率となるように、測定用接着剤シート30pの構成を変更する。
【0054】
測定用接着剤シート30pの熱伝導率は、静電チャック100において板状部材10の吸着面S1の温度分布に影響を及ぼす。本実施形態の静電チャック100の製造方法では、接着剤シート30xの熱伝導率が測定用接着剤シート30pの熱伝導率と異なる熱伝導率となるように、測定用接着剤シート30pの組成を変更する。従って、本実施形態の静電チャック100の製造方法によれば、静電チャック100における板状部材10の吸着面S1の温度分布をより効果的に制御しつつ、静電チャック100の製造プロセスにおける歩留まりを向上させることができる。
【0055】
B.第2実施形態:
B-1.静電チャック100の製造方法:
第2実施形態の静電チャック100の製造方法について説明する。
図7は、第2実施形態における静電チャック100の製造方法を示すフローチャートである。また、
図8から
図10は、第2実施形態における静電チャック100の製造方法の工程を模式的に示す説明図である。以下では、第2実施形態における静電チャック100の構成およびその製造方法の工程の内、上述した第1実施形態における静電チャック100の構成と同一の構成および静電チャック100の製造方法と同一の工程ついては、同一符号を付すことによって、その説明を適宜省略する。
【0056】
(測定用積層体100paの作製工程)
はじめに、測定用積層体100paを作製する(S110a、
図8および
図9のA欄参照)。まず、
図8に示すように、測定用板状部材10pと測定用ベース部材20pと測定用接着剤シート30paと剥離部材300とを準備する。ここで、測定用接着剤シート30paは、静電チャック100を構成する接合部30の硬化前の状態である。測定用板状部材10pと測定用ベース部材20pとは、例えば、上述した方法により作製することができる。
【0057】
測定用接着剤シート30paは、板状部材側接着剤シート31とベース部材側接着剤シート33とを含んでいる。板状部材側接着剤シート31およびベース部材側接着剤シート33は、例えば、以下の方法で作製される。すなわち、液状の樹脂材料に充填材等を加えて作製したペーストを、例えば離型シート上に膜状に塗布した後、所定の硬化処理によって半硬化させることにより、板状部材側接着剤シート31およびベース部材側接着剤シート33がそれぞれ作製される。また、板状部材側接着剤シート31およびベース部材側接着剤シート33のそれぞれに対して、例えば打ち抜き加工を行うことにより、板状部材側接着剤シート31およびベース部材側接着剤シート33のそれぞれの形状を所望の形状(例えば、略円形)にする。なお、ベース部材側接着剤シート33には、第1のガス流路孔131の一部を構成する孔35aおよびピン挿通孔140の一部を構成する孔36aが形成されている。板状部材側接着剤シート31は、特許請求の範囲における第1の層に相当し、ベース部材側接着剤シート33は、特許請求の範囲における第2の層に相当する。
【0058】
剥離部材300は、
図8の拡大図に示すように、基部301と基部301の下面S8の全面を覆う被覆部303とを備えており、例えば、以下の方法で作製される。すなわち、測定用板状部材10pと略同径の基部301に、基部301と略同径の被覆部303を貼り付けることにより、剥離部材300を作製することができる。剥離部材300は、板状部材側接着剤シート31からベース部材側接着剤シート33を剥離可能な部材であり、剥離部材300における測定用接着剤シート30pa(31,33)からの剥離容易性が、測定用接着剤シート30paにおける測定用板状部材10pからの剥離容易性および測定用接着剤シート30paにおける測定用ベース部材20pからの剥離容易性より高い材料で形成されている。また、剥離部材300が備える被覆部303は、被覆部303における測定用接着剤シート30paからの剥離容易性が、被覆部303における基部301からの剥離容易性より高い材料で形成されている。具体的には、基部301は、例えば、ステンレス、アルミニウム、鉄、ニッケル等の金属で形成されており、被覆部303は、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラフルオロエチレン(テフロン(登録商標))、アクリル等の樹脂で形成されている。なお、基部301の直径は例えば50mm~500mm程度であり、基部301の厚さは例えば0.2mm~1mm程度である。被覆部303の直径は例えば50mm~500mm程度であり、被覆部303の厚さは例えば0.01mm~0.1mm程度である。剥離部材300は、具体的には、例えば、ステンレスで形成された厚さ0.3mmの円板に、厚さ0.02mmのポリエチレンテレフタレートテープを貼り付けることにより作製される。基部301の下面S8は、特許請求の範囲における第8の表面に相当する。
【0059】
上記作製された測定用接着剤シート30pa(板状部材側接着剤シート31およびベース部材側接着剤シート33)と、剥離部材300とを接合して測定用接合体37paを作製する。具体的には、板状部材側接着剤シート31の下面S5側に剥離部材300の表面の内の一方の表面である基部301側の表面(以下、「基部側表面S7」という)が位置し、ベース部材側接着剤シート33の上面S6側に剥離部材300の表面の内の他方の表面である被覆部303側の表面(以下、「被覆部側表面S9」という)が位置するように、板状部材側接着剤シート31とベース部材側接着剤シート33と剥離部材300とを接合する。なお、板状部材側接着剤シート31の下面S5は、特許請求の範囲における第5の表面に相当し、ベース部材側接着剤シート33の上面S6は、特許請求の範囲における第6の表面に相当し、基部側表面S7は、特許請求の範囲における第7の表面に相当する。
【0060】
図9のA欄に示すように、上記準備された、測定用板状部材10pの下面S2と、測定用ベース部材20pの上面S3との間に、測定用接合体37paを配置して、測定用板状部材10pと測定用ベース部材20pと測定用接合体37pa(すなわち、測定用接着剤シート30paおよび剥離部材300)とから構成される測定用積層体100paを作製する。具体的には、測定用板状部材10pの下面S2側に測定用接合体37paの表面の内の一方の表面である板状部材側接着剤シート31側の表面S4が位置し、測定用ベース部材20pの上面S3側に測定用接合体37paの表面の内の他方の表面であるベース部材側接着剤シート33側の表面S10が位置するように、測定用板状部材10pと測定用ベース部材20pと測定用接合体37paとを配置する。測定用板状部材10pと測定用ベース部材20pと測定用接合体37paとを配置した後、すなわち、積層した後、圧着してもよい。なお、板状部材側接着剤シート31側の表面S4は、特許請求の範囲における第4の表面に相当する。
【0061】
次に、ステップS110aで作製された測定用積層体100paの測定用板状部材10pにおける吸着面S1の温度分布を測定し(S120)、ステップS120で得られた吸着面S1の温度分布の測定結果が、所定の条件を満たすか否か判定する(S131)。ステップS131において、上記吸着面S1の温度分布の測定結果が上記所定の条件を満たさないとき(S131:No)、後述するステップS133a(測定用積層体100paの分離工程)へ進む。
【0062】
(測定用積層体100paの分離工程)
次に、ステップS131において、測定用板状部材10pにおける吸着面S1の温度分布の測定結果が上記所定の条件を満たさないと判定された測定用積層体100paにおける、測定用板状部材10pと測定用ベース部材20pとを分離する(S133a、
図9のB欄および
図10参照)。ステップS133aでは、例えば、まず、
図9のB欄に示すように、剥離部材300の被覆部側表面S9とベース部材側接着剤シート33の上面S6との間を分離させることにより、測定用板状部材10pと測定用ベース部材20pとを分離する。当該分離の方法は、特に限定されないが、例えば、ベース部材側接着剤シート33に形成された孔35aに連通する測定用ベース部材20pに形成された孔25と、ベース部材側接着剤シート33に形成された孔36aに連通する測定用ベース部材20pに形成された孔26との少なくとも一方から、空気等のガスを圧入して、剥離部材300の被覆部側表面S9とベース部材側接着剤シート33の上面S6との界面にガスを導入することにより行うことができる。剥離部材300の被覆部側表面S9とベース部材側接着剤シート33の上面S6との間を分離した後、測定用板状部材10pから板状部材側接着剤シート31および剥離部材300を分離し、測定用ベース部材20pからベース部材側接着剤シート33を分離する。当該分離の方法は、第1実施形態の分離工程における分離方法と同様の方法により行うことができる。
【0063】
ステップS133aの後、ステップS120で測定された、測定用板状部材10pにおける吸着面S1の温度分布の測定結果に応じて、測定用積層体100paの構成を変更し(S140)、板状部材10とベース部材20と接着剤シート30xとから構成される積層体100ppを作製する(S151)。その後、板状部材10とベース部材20とを接合する接合部30を作製する(S153)。なお、積層体100ppには、剥離部材300は備えられていない。以上の工程により、第2実施形態における静電チャック100が製造される。
【0064】
B-2.第2実施形態の効果:
以上説明したように、第2実施形態の静電チャック100の製造方法では、ステップS110aで作製される測定用積層体100paを構成する測定用接着剤シート30paが、板状部材側接着剤シート31とベース部材側接着剤シート33とを含んでいる。また、ステップS110aにおいて、測定用積層体100paは、板状部材側接着剤シート31の下面S5とベース部材側接着剤シート33の上面S6との間に、板状部材側接着剤シート31からベース部材側接着剤シート33を剥離可能な剥離部材300を配置して、測定用板状部材10pと測定用接着剤シート30paと剥離部材300と測定用ベース部材20pとから構成されるように作製されている。さらには、剥離部材300は、剥離部材300における測定用接着剤シート30paからの剥離容易性が、測定用接着剤シート30paにおける測定用板状部材10pからの剥離容易性および測定用接着剤シート30paにおける測定用ベース部材20pからの剥離容易性より高い材料で形成されている。
【0065】
第2実施形態における静電チャック100の製造方法では、測定用積層体100paにおける測定用接着剤シート30paに含まれる板状部材側接着剤シート31とベース部材側接着剤シート33との間に剥離部材300が配置されている。このため、測定用積層体100paを分離する上記ステップS133aにおいて、測定用板状部材10pと測定用ベース部材20pとを分離する際に、板状部材側接着剤シート31と剥離部材300との間またはベース部材側接着剤シート33と剥離部材300との間で比較的容易に分離することができる。これにより、これに続く作業が容易となる。これは、分離された測定用板状部材10pおよび測定用ベース部材20pのそれぞれに板状部材側接着剤シート31およびベース部材側接着剤シート33が残存していても、これらを一旦分離した後に、測定用板状部材10pおよび測定用ベース部材20pのそれぞれから板状部材側接着剤シート31およびベース部材側接着剤シート33を除去することは、比較的容易であるためである。従って、第2実施形態の静電チャック100の製造方法によれば、静電チャック100における板状部材10の吸着面S1の温度分布を制御可能としつつ、静電チャック100の製造プロセスにおける歩留まりを向上させることができるとともに、測定用積層体100paを分離するステップS133aを容易化および効率化することができる。
【0066】
第2実施形態における静電チャック100の製造方法では、剥離部材300が、基部301と被覆部303とを備えている。被覆部303は、基部301における下面S8(基部301における基部側表面S7とは反対側に位置する表面)の全面を覆っている。また、被覆部303は、被覆部303における測定用接着剤シート30paからの剥離容易性が、被覆部303における基部301からの剥離容易性より高い材料で形成されている。
【0067】
第2実施形態における静電チャック100の製造方法では、剥離部材300が基部301と被覆部303とを備え、被覆部303における測定用接着剤シート30paからの剥離容易性が、被覆部303における基部301からの剥離容易性より高い。このため、測定用積層体100paを分離する上記ステップS133aにおいて、測定用板状部材10pと測定用ベース部材20pとを分離する際に、剥離部材300における被覆部303と、測定用接着剤シート30paに含まれるベース部材側接着剤シート33との間でより容易に分離することができる。従って、第2実施形態の静電チャック100の製造方法によれば、静電チャック100における板状部材10の吸着面S1の温度分布を制御可能としつつ、静電チャック100の製造プロセスにおける歩留まりを向上させることができるとともに、測定用積層体100paを分離するステップS133aをより効果的に容易化および効率化することができる。
【0068】
C.変形例:
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
【0069】
上記各実施形態における静電チャック100の構成は、あくまでも一例であり、種々変形可能である。例えば、板状部材10の内部に、チャック電極40およびヒータ電極50の少なくとも一方を備えない構成としてもよい。また、上記各実施形態では、板状部材10の内部にヒータ電極50が配置されているが、必ずしも板状部材10の内部にヒータ電極50が配置されている必要はなく、板状部材10の表面にヒータ電極50が配置されていてもよい。また、上記各実施形態では、ベース部材20に冷媒流路21が形成されているが、必ずしもベース部材20に冷媒流路21が形成されている必要はなく、ベース部材20にペルチェ素子等の他の冷却機構が備えられていてもよい。
【0070】
上記各実施形態では、測定用積層体100p(100pa)がチャック電極40およびヒータ電極50を備えるとともに、ステップS120において、チャック電極40およびヒータ電極50に電力を供給した状態で、吸着面S1の温度分布を測定しているが、これに限定されない。すなわち、測定用積層体100p(100pa)はチャック電極40および/またはヒータ電極50を備えない構成としてもよい。また、チャック電極40および/またはヒータ電極50を備える構成において、チャック電極40および/またはヒータ電極50に電力を供給しない状態で、吸着面S1の温度分布を測定することとしてもよい。
【0071】
上記各実施形態のステップS140における、測定用板状部材10p、測定用ベース部材20pおよび測定用接着剤シート30p(30pa)の構成の変更は、測定用板状部材10pおよび/または測定用ベース部材20pを加工することによる変更や、測定用接着剤シート30p(30pa)の材料を変更することによる変更に限定されない。また、上記各実施形態におけるステップS140では、ステップS120およびステップS133(S133a)の工程を経ている測定用板状部材10pと測定用ベース部材20pと測定用接着剤シート30p(30pa)との少なくとも1つの構成を変更して板状部材10とベース部材20と接着剤シート30xとしているが、これに限定されない。すなわち、例えば、測定用積層体100pにおいてステップS120およびステップS133(S133a)の工程を経た測定用板状部材10pと測定用ベース部材20pと測定用接着剤シート30p(30pa)との少なくとも1つを、当該測定用積層体100p(100pa)と異なる他の測定用積層体においてステップS120およびステップS133(S133a)の工程を経た測定用板状部材と測定用ベース部材と測定用接着剤シートとの少なくとも1つに置き換えることにより、上記構成を変更することとしてもよい。さらには、ステップS120およびステップS133(S133a)の工程を経ていない測定用板状部材と測定用ベース部材と測定用接着剤シートとの少なくとも1つに置き換えることにより、上記構成を変更してもよい。これらの場合において、ステップS140で上記部材の構成を変更した後の積層体について、改めてステップS120(吸着面S1の温度分布の測定)を実行することが好ましい。
【0072】
上記実施形態の静電チャック100の製造方法は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、第2実施形態におけるステップS110a(測定用積層体100paの作製工程)において、予め測定用接合体37paを作製することなく、測定用板状部材10pと板状部材側接着剤シート31と剥離部材300と板状部材側接着剤シート31と測定用ベース部材20pとを積層することにより、測定用積層体100paを作製することとしてもよい。
【0073】
上記第2実施形態において、剥離部材300は、基部301と被覆部303とを備えているが、これに限定されない。すなわち、剥離部材300は、基部301または被覆部303のみから構成されていてもよい。また、上記第2実施形態の剥離部材300では、被覆部303は基部301の下面S8(ベース部材側接着剤シート33側の表面)に備えられているが、これに限定されず、基部301の基部側表面S7(板状部材側接着剤シート31側の表面)に備えられていてもよく、また、基部301の両側の表面に備えられていてもよい。また、上記第2実施形態では、ベース部材側接着剤シート33に孔35aおよび孔36aが形成されているが、これに限定されず、孔35aおよび孔36aの内の一方の孔が形成されている構成であってもよい。また、板状部材側接着剤シート31に第2のガス流路孔132および/または孔16に連通する各孔が形成されていてもよい。なお、被覆部303と板状部材側接着剤シート31および/またはベース部材側接着剤シート33との間を剥離させる観点から、被覆部303に対向する板状部材側接着剤シート31および/またはベース部材側接着剤シート33に上記各孔が形成されていることが好ましい。
【0074】
上記実施形態では、板状部材10の内部に1つのチャック電極40が設けられた単極方式が採用されているが、板状部材10の内部に一対のチャック電極40が設けられた双極方式が採用されてもよい。
【0075】
上記実施形態の静電チャック100における各部材の形成材料は、あくまで一例であり、任意に変更可能である。例えば、上記実施形態では、板状部材10が、セラミックスにより形成されているが、板状部材10が、セラミックス以外の材料(例えば、樹脂材料)により形成されるとしてもよい。
【0076】
本発明は、静電引力を利用してウェハWを保持する静電チャック100の製造方法に限らず、板状部材とベース部材と接合部とを備え、板状部材の表面上に対象物を保持する他の保持装置(例えば、真空チャック等)の製造方法にも同様に適用可能である。
【符号の説明】
【0077】
10:板状部材 10p:測定用板状部材 16:孔 20:ベース部材 20p:測定用ベース部材 21:冷媒流路 25:孔 26:孔 30:接合部 30p:測定用接着剤シート 30pa:測定用接着剤シート 30x:接着剤シート 31:板状部材側接着剤シート 33:ベース部材側接着剤シート 35:孔 35a:孔 36:孔 36a:孔 37pa:測定用接合体 40:チャック電極 50:ヒータ電極 100:静電チャック 100p:測定用積層体 100pa:測定用積層体 100pp:積層体 131:第1のガス流路孔 132:第2のガス流路孔 133:横流路 134:拡径部 140:ピン挿通孔 160:充填部材(通気性プラグ) 300:剥離部材 301:基部 303:被覆部 BD:ショットブラスト装置 BM:ブラスト材 CP1:凹部 CP2:凸部 S10:表面 S14:下面 S1:吸着面 S2:下面 S3:上面 S4:表面 S5:下面 S6:上面 S7:基部側表面 S8:下面 S9:被覆部側表面 TM:温度測定機器 W:半導体ウェハ