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特許7184618造形システム、造形方法、及び造形制御装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】造形システム、造形方法、及び造形制御装置
(51)【国際特許分類】
   B29C 64/386 20170101AFI20221129BHJP
   B29C 64/40 20170101ALI20221129BHJP
   B33Y 50/02 20150101ALI20221129BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20221129BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20221129BHJP
【FI】
B29C64/386
B29C64/40
B33Y50/02
B33Y10/00
B33Y30/00
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2018229680
(22)【出願日】2018-12-07
(65)【公開番号】P2020090065
(43)【公開日】2020-06-11
【審査請求日】2021-07-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000137823
【氏名又は名称】株式会社ミマキエンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】100166545
【弁理士】
【氏名又は名称】折坂 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100142653
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 直樹
(72)【発明者】
【氏名】原山 健次
【審査官】▲高▼橋 理絵
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-123687(JP,A)
【文献】特開2018-129031(JP,A)
【文献】特表2018-526481(JP,A)
【文献】特開2017-222157(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0210106(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 64/00-64/40
B33Y 10/00-99/00
B22F 10/00-12/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
立体的な造形物を造形する造形システムであって、
前記造形物を造形する動作を実行する造形部と、
前記造形部において前記造形物を造形する動作の制御を行う造形制御部と
を備え、
前記造形物の造形時において、前記造形部は、造形中の前記造形物の少なくとも一部を支持するサポート層を更に形成し、
前記造形制御部は、前記造形部での前記造形物及び前記サポート層の形成が終了した後に行う前記サポート層の除去に要する時間であるサポート層除去時間の予測を行い、
かつ、造形中の前記造形物の向きと、造形中の前記造形物の少なくとも一部を支持するサポート層が形成される位置とを示す情報であるレイアウトの指定を行うことにより、前記造形物を造形する動作の指定を行い、
かつ、前記造形部において前記造形物及び前記サポート層を形成するために要する時間である造形時間と前記サポート層除去時間との合計の時間がより短くなる前記レイアウトの探索を行い、当該探索の結果をユーザに表示し、
前記造形部は、前記造形物の材料を吐出するヘッド部を備え、前記材料を積層方向へ積層することで前記造形物を造形するものであり、前記造形制御部によって指定される前記レイアウトに応じた前記積層方向へ前記材料が積層されるように、前記ヘッド部から前記材料を吐出することを特徴とする造形システム。
【請求項2】
前記造形制御部は、造形中の前記造形物の向きと、造形中の前記造形物の少なくとも一部を支持するサポート層が形成される位置とを示す情報であるレイアウトの指定を行うことにより、前記造形物を造形する動作の指定を行い、かつ、前記レイアウトと対応付けてサポート層除去時間の予測を行うことを特徴とする請求項1に記載の造形システム。
【請求項3】
前記造形制御部は、前記サポート層の表面積に基づき、前記サポート層除去時間の予測を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の造形システム。
【請求項4】
立体的な造形物を造形する造形システムであって、
前記造形物を造形する動作を実行する造形部と、
前記造形部において前記造形物を造形する動作の制御を行う造形制御部と
を備え、
前記造形物の造形時において、前記造形部は、造形中の前記造形物の少なくとも一部を支持するサポート層を更に形成し、
前記造形制御部は、前記サポート層の表面積に基づき、前記造形部での前記造形物及び前記サポート層の形成が終了した後に行う前記サポート層の除去に要する時間であるサポート層除去時間の予測を行い、
前記造形部は、前記サポート層の材料となるサポート材として、所定の液体であるサポート材除去液に対して溶解する性質の材料を用い、
前記サポート層除去時間は、前記サポート材除去液に前記造形物及び前記サポート層を浸漬することで前記サポート層を除去する場合に前記サポート層の除去に要する時間であり、
前記造形制御部は、前記サポート材除去液に浸漬されることで前記サポート層の一部が溶解した時点で残っている前記サポート層の表面積である溶解中表面積の予測を行い、前記溶解中表面積に更に基づいて前記サポート層除去時間の予測を行うことを特徴とする造形システム。
【請求項5】
前記造形部は、前記サポート層の材料となるサポート材として、所定の液体であるサポート材除去液に対して溶解する性質の材料を用い、
前記サポート層除去時間は、前記サポート材除去液に前記造形物及び前記サポート層を浸漬することで前記サポート層を除去する場合に前記サポート層の除去に要する時間であり、
他の前記造形物の造形時に形成した前記サポート層の除去に用いた履歴のある前記サポート材除去液を用いる場合、前記造形制御部は、前記サポート材除去液に溶解している前記サポート材の量に更に基づき、前記サポート層除去時間の予測を行うことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の造形システム。
【請求項6】
前記造形制御部は、過去に実際に前記サポート層の除去を行った場合に要した時間と、当該サポート層を示すレイアウトとを対応付けたデータである実除去時データに基づき、前記サポート層除去時間の予測を行うことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の造形システム。
【請求項7】
前記造形制御部は、前記実除去時データについて、新たな前記実除去時データを順次蓄積するように管理しており、蓄積された前記実除去時データに基づき、前記サポート層除去時間の予測を行うことを特徴とする請求項6に記載の造形システム。
【請求項8】
前記造形制御部は、前記サポート層除去時間の予測の結果をユーザに表示することを特
徴とする請求項1から7のいずれかに記載の造形システム。
【請求項9】
前記造形制御部は、造形中の前記造形物の向きと、造形中の前記造形物の少なくとも一部を支持するサポート層が形成される位置とを示す情報であるレイアウトの指定を行うことにより、前記造形物を造形する動作の指定を行い、
かつ、前記サポート層除去時間がより短くなる前記レイアウトの探索を行い、当該探索の結果をユーザに表示することを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の造形システム。
【請求項10】
立体的な造形物を造形する造形方法であって、
造形部において前記造形物を造形する動作を実行する動作を制御し、
前記造形物の造形時において、前記造形部は、造形中の前記造形物の少なくとも一部を支持するサポート層を更に形成し、
前記造形部での前記造形物及び前記サポート層の形成が終了した後に行う前記サポート層の除去に要する時間であるサポート層除去時間の予測を行い、
かつ、造形中の前記造形物の向きと、造形中の前記造形物の少なくとも一部を支持するサポート層が形成される位置とを示す情報であるレイアウトの指定を行うことにより、前記造形物を造形する動作の指定を行い、
かつ、前記造形部において前記造形物及び前記サポート層を形成するために要する時間である造形時間と前記サポート層除去時間との合計の時間がより短くなる前記レイアウトの探索を行い、当該探索の結果をユーザに表示し、
前記造形部は、前記造形物の材料を吐出するヘッド部を備え、前記材料を積層方向へ積層することで前記造形物を造形するものであり、前記造形物を造形する動作の指定において指定される前記レイアウトに応じた前記積層方向へ前記材料が積層されるように、前記ヘッド部から前記材料を吐出することを特徴とする造形方法。
【請求項11】
造形物を造形する動作を実行する造形部の動作を制御する造形制御装置であって、
前記造形物の造形時において、前記造形部は、造形中の前記造形物の少なくとも一部を支持するサポート層を更に形成し、
前記造形制御装置は、前記造形部での前記造形物及び前記サポート層の形成が終了した後に行う前記サポート層の除去に要する時間であるサポート層除去時間の予測を行い、
かつ、造形中の前記造形物の向きと、造形中の前記造形物の少なくとも一部を支持するサポート層が形成される位置とを示す情報であるレイアウトの指定を行うことにより、前記造形物を造形する動作の指定を行い、
かつ、前記造形部において前記造形物及び前記サポート層を形成するために要する時間である造形時間と前記サポート層除去時間との合計の時間がより短くなる前記レイアウトの探索を行い、当該探索の結果をユーザに表示し、
前記造形部は、前記造形物の材料を吐出するヘッド部を備え、前記材料を積層方向へ積層することで前記造形物を造形するものであり、前記造形制御装置によって指定される前記レイアウトに応じた前記積層方向へ前記材料が積層されるように、前記ヘッド部から前記材料を吐出することを特徴とする造形制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、造形システム、造形方法、及び造形制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インクジェットヘッドを用いて造形物を造形する造形装置(3Dプリンタ)が知られている(例えば、特許文献1参照。)。このような造形装置においては、例えば、インクジェットヘッドにより形成するインクの層を複数層重ねることにより、積層造形法で造形物を造形する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-071282号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
造形装置を用いて造形物を造形する場合、例えば多数のインクの層を形成することが必要になるため、造形に多くの時間を要する場合がある。しかし、近年、造形装置の用途の広がり等により、より効率的に造形を行うことが望まれている。そこで、本発明は、上記の課題を解決できる造形システム、造形方法、及び造形制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
造形物の造形を効率的に行おうとする場合、通常、インクの層を積層する動作に要する時間である造形時間を短縮することが望まれる。また、この場合、例えば、造形中の造形物の向き等を指定するレイアウトとして、造形時間を最短にするレイアウトを選択することが考えられる。
【0006】
しかし、本願の発明者は、鋭意研究により、造形時間を短縮したとしても、造形に関連する全ての作業を終えるまでの時間がかえって長くなる場合があることを見出した。より具体的に、例えば、造形装置において造形物を造形する場合、必要に応じて、造形物の周囲等にサポート層を形成する。そして、この場合、通常、インクの層を積層する工程を行った後に、サポート層を除去するための工程が必要になる。また、更に具体的に、サポート層の材料であるサポート材としては、例えば、水溶性の材料等が用いられる。そして、この場合、水等のサポート材除去液に造形物及びサポート層を浸漬することで、例えば1時間~数十時間程度の時間をかけて、サポート層の除去を行うことになる。
【0007】
また、造形物の造形時にサポート層を形成する範囲(サポート層の付き方)は、例えば、造形物の形状やレイアウト等によって変化する。そのため、例えばレイアウトを変化させると、サポート層の除去に要する時間(サポート層除去時間)も変化する。そして、この場合、例えば、造形時間を最短にするレイアウトを選択することで、サポート層除去時間が長くなる場合もある。また、その結果、造形に関連する全ての作業を終えるまでの時間がかえって長くなる場合もある。
【0008】
これに対し、本願の発明者は、例えばレイアウトの指定時において、サポート層除去時間の予測(見積もり)を行うことを考えた。このように構成すれば、例えば、造形に関連する全ての作業を終えるまでの時間を考慮してレイアウトを選択することができる。また、これにより、例えば、造形物の造形をより効率的に行うことができる。更には、例えば注文等に応じて造形物の造形を行う場合等において、サポート層の除去等の後工程にかかる時間をより明確にすることで、納期を予測する精度を向上させること等も可能になる。
【0009】
また、本願の発明者は、更なる鋭意研究により、このような効果を得るために必要な特徴を見出し、本発明に至った。上記の課題を解決するために、本発明は、立体的な造形物を造形する造形システムであって、前記造形物を造形する動作を実行する造形部と、前記造形部において前記造形物を造形する動作の制御を行う造形制御部とを備え、前記造形物の造形時において、前記造形部は、造形中の前記造形物の少なくとも一部を支持するサポート層を更に形成し、前記造形制御部は、前記造形部での前記造形物及び前記サポート層の形成が終了した後に行う前記サポート層の除去に要する時間であるサポート層除去時間の予測を行うことを特徴とする。
【0010】
このように構成した場合、例えば、サポート層除去時間を適切に予測することができる。また、この場合、サポート層除去時間の予測については、例えば、造形中の造形物の向きと、サポート層が形成される位置とを示す情報であるレイアウトの指定時に行うことが考えられる。このように構成すれば、例えば、造形に関連する全ての作業を終えるまでの時間を考慮してレイアウトを選択することができる。また、これにより、例えば、造形物の造形をより効率的に行うことができる。
【0011】
また、この構成において、造形制御部は、例えば、レイアウトの指定を行うことにより、造形部において造形物を造形する動作の指定を行う。また、この場合、例えば、レイアウトと対応付けてサポート層除去時間の予測を行うことが考えられる。このように構成すれば、例えば、造形の動作の制御及びサポート層除去時間の予測を適切に行うことができる。
【0012】
また、この構成において、造形制御部は、例えば、サポート層除去時間の予測の結果をユーザに表示する。このように構成すれば、例えば、レイアウトの作業等を行うユーザに対し、サポート層除去時間の予測の結果を適切に通知することができる。また、この場合、造形制御部は、例えば、指定するレイアウトと対応付けて、サポート層除去時間の予測を行う。レイアウトと対応付けてサポート層除去時間の予測を行うとは、例えば、ユーザが指定するレイアウトで造形物及びサポート層を形成した場合のサポート層除去時間の予測を行うことである。
【0013】
また、この構成において、造形制御部は、例えば、サポート層の表面積に基づき、サポート層除去時間の予測を行う。サポート層の表面積とは、例えば、造形物の造形時に形成されるサポート層の表面積のことである。サポート層の表面積については、例えば、サポート層において周囲へ露出している部分の面積等と考えることもできる。このように構成すれば、例えば、サポート層除去時間の予測を適切に行うことができる。また、より具体的に、この構成において、造形部は、サポート層の材料となるサポート材として、例えば、所定の液体であるサポート材除去液に対して溶解する性質の材料を用いる。そして、この場合、サポート層除去時間は、例えば、サポート材除去液に造形物及びサポート層を浸漬することでサポート層を除去する場合にサポート層の除去に要する時間になる。また、この場合、サポート層の表面積については、例えば、サポート材除去液に造形物及びサポート層が浸漬された状態でサポート材除去液に触れる部分の面積等と考えることができる。また、このようなサポート材としては、例えば、水溶性のサポート材を用いることが考えられる。この場合、サポート材除去液としては、例えば水を用いることが考えられる。
【0014】
また、サポート層除去時間の予測時には、サポート層の表面積以外に、サポート層除去時間に影響を与える各種の条件を更に考慮することが好ましい。この場合、造形制御部においては、例えば、法線方向におけるサポート層の厚さに更に基づき、サポート層除去時間の予測を行うことが考えられる。また、サポート材が溶解する速度は、サポート材除去液の温度によっても変化すると考えられる。そのため、造形制御部においては、例えば、サポート材除去液の温度に更に基づいてサポート層除去時間の予測を行うことが好ましい。
【0015】
また、サポート層の除去時において、サポート層の表面積は、溶解の進行に応じて変化する。そのため、より高い精度でサポート層除去時間の予測を行うためには、除去の開始前のサポート層の表面積のみではなく、除去の途中段階の表面積を更に考慮することが考えられる。この場合、造形制御部は、例えば、サポート材除去液に浸漬されることでサポート層の一部が溶解した時点で残っているサポート層の表面積である溶解中表面積の予測を行い、溶解中表面積に更に基づいてサポート層除去時間の予測を行う。このように構成すれば、例えば、より高い精度でサポート層除去時間の予測を行うことができる。
【0016】
また、サポート材除去液については、必ずしも一つの造形物に対するサポート層の除去を行う毎に交換するのではなく、複数の造形物及びサポート層に対して繰り返して用いることも考えられる。そして、この場合、既にサポート材除去液に溶解しているサポート材の量が多くなると、サポート材の溶解速度が低下すること等も考えられる。そのため、より高い精度でサポート層除去時間の予測を行うためには、例えば、使用するサポート材除去液にどの程度のサポート材が既に溶解しているかを更に考慮すること等も考えられる。より具体的に、他の造形物の造形時に形成したサポート層の除去に用いた履歴のあるサポート材除去液を用いる場合、造形制御部は、例えば、サポート材除去液に溶解しているサポート材の量に更に基づき、サポート層除去時間の予測を行う。このように構成すれば、例えば、より高い精度でサポート層除去時間の予測を行うことができる。
【0017】
また、サポート層除去時間の予測については、例えば、過去に行ったサポート層の除去での結果を参考にして行うこと等も考えられる。この場合、造形制御部は、例えば、過去に実際にサポート層の除去を行った場合に要した時間と、当該サポート層を示すレイアウトとを対応付けたデータである実除去時データに基づき、サポート層除去時間の予測を行う。このように構成すれば、例えば、過去の結果に基づくことで、より高い精度でサポート層除去時間の予測を行うことができる。また、この場合、例えば、過去の結果を蓄積することで、予測の精度を高めていくこと等も考えられる。より具体的に、この場合、造形制御部において、実除去時データについて、新たな実除去時データを順次蓄積するように管理することが考えられる。また、この場合、造形制御部は、例えば、蓄積された実除去時データに基づき、サポート層除去時間の予測を行う。このように構成すれば、例えば、サポート層除去時間の予測の精度を適切に高めることができる。また、この場合、例えば、人工知能(AI)技術等を利用して、サポート層除去時間の予測を行うこと等が考えられる。
【0018】
また、サポート層除去時間の予測結果については、単に表示するのではなく、ユーザによるレイアウトの選択を助けるために使用すること等も考えられる。この場合、ユーザによるレイアウトの選択を助ける方法としては、例えば、レイアウトの候補を提示することや、レイアウトの変更の方針を提示すること等が考えられる。また、より具体的に、この場合、造形制御部において、例えば、サポート層除去時間がより短くなるレイアウトの探索を行い、当該探索の結果をユーザに表示すること等が考えられる。また、造形制御部においては、サポート層除去時間に加え、造形時間の予測を行うことも考えられる。この場合、造形時間とは、例えば、造形部において造形物及びサポート層を形成するために要する時間のことである。そして、この場合、造形制御部においては、例えば、造形時間とサポート層除去時間との合計の時間がより短くなるレイアウトの探索を行い、当該探索の結果をユーザに表示してもよい。これらのように構成すれば、例えば、より好ましいレイアウトの選択をユーザに行わせることができる。
【0019】
また、この場合、レイアウトの探索については、例えば、新たなレイアウト、又はレイアウトを変更するための指針等を探索すること等と考えることができる。そのため、探索の結果としては、例えば、ユーザにより指定されたレイアウトよりもサポート層除去時間等(例えば、サポート層除去時間、又は造形時間とサポート層除去時間との合計の時間)がより短くなるレイアウトをユーザに提示することや、サポート層除去時間等を短縮するためのレイアウト変更の指針等をユーザに提示すること等が考えられる。
【0020】
また、上記のようなレイアウトの探索については、例えば、ユーザにより指定されたレイアウトに対応するサポート層除去時間等の予測を行った上で、その結果に基づいて行うことが考えられる。このように構成すれば、例えば、より高い精度でレイアウトの探索の結果を提示できる。また、レイアウトの探索については、全てのレイアウトに対してサポート層除去時間等の予測を実際に行うのではなく、例えば、予め用意されたパターン等に基づいて行うこと等も考えられる。この場合、例えば、典型的なレイアウトのパターンとサポート層除去時間の大小関係とを対応付けたデータ等を予め用意しておき、そのデータに基づき、サポート層除去時間を短縮できるレイアウトのパターン等を提示することが考えられる。このように構成すれば、例えば、より簡易かつ適切にレイアウトの探索の結果を提示できる。
【0021】
また、本発明の構成として、上記と同様の特徴を有する造形方法や造形制御装置等を用いることも考えられる。この場合も、例えば、上記と同様の効果を得ることができる。また、この場合、造形方法について、例えば、造形物の製造方法等と考えることもできる。また、本発明の構成として、例えば、造形制御装置において実行するプログラム等を考えることもできる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、例えば、造形物の造形をより効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施形態に係る造形システム10の一例を示す図である。図1(a)は、造形システム10の構成の一例を示す。図1(b)は、造形装置12の要部の構成の一例を示す。図1(c)は、ヘッド部102の構成の一例を示す。
図2】サポート層52のつき方とサポート層除去時間との関係について説明をする図である。図2(a)は、様々な形状の造形物50に対するサポート層52のつき方の例を示す。図2(b)は、造形物A、B、Cについて、サポート層52が徐々に除去される様子の一例を示す。
図3】レイアウトとサポート層除去時間等との関係の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る造形システム10の一例を示す。図1(a)は、造形システム10の構成の一例を示す。本例において、造形システム10は、立体的な造形物を造形する造形システムであり、造形装置12及び制御PC14を備える。
【0025】
造形装置12は、造形物を造形する動作を実行する造形部の一例である。本例において、造形装置12は、フルカラーでの着色がされた造形物を造形可能なフルカラー造形装置であり、造形しようとする造形物を示すデータである造形物データを制御PC14から受け取り、造形物データに基づいて、造形物を造形する。また、これにより、造形装置12は、制御PC14の制御に応じて造形物を造形する。また、造形物の造形時において、造形装置12は、必要に応じて、造形物の周囲等に、サポート層を形成する。サポート層とは、例えば、造形中の造形物の少なくとも一部を支持する積層構造物のことである。サポート層は、造形物の造形時において必要に応じて形成され、造形の完了後に除去される。
【0026】
制御PC14は、造形装置12において造形物を造形する動作の制御を行う造形制御部の一例である。本例において、制御PC14は、所定のプログラムを実行することで造形装置12の動作を制御するコンピュータ(ホストPC)であり、造形物データを造形装置12へ供給することにより、造形装置12による造形の動作を制御する。この場合、制御PC14は、例えば、少なくとも一部が着色された造形物を示す造形物データを造形装置12へ供給する。
【0027】
また、本例において、制御PC14は、造形物データとして、造形装置に形成させる造形物及びサポート層のレイアウトを少なくとも指定するデータを造形装置12へ供給する。このレイアウトについては、例えば、造形中の造形物の向きと、サポート層が形成される位置とを示す情報等と考えることができる。また、この場合、制御PC14の動作については、例えば、レイアウトの指定を行うことで造形物を造形する動作の指定を行っていると考えることができる。また、このような造形物データとしては、レイアウトの情報を含む公知の造形物データと同一又は同様のデータを用いることができる。また、造形物データとしては、レイアウト以外にも、造形物50及びサポート層52の形成に必要な各種の情報を含むデータを用いることが考えられる。
【0028】
また、本例において、制御PC14は、更に、レイアウトと対応付けて、サポート層除去時間の予測を行う。サポート層除去時間とは、例えば、造形装置12での造形物及びサポート層の形成が終了した後に行うサポート層の除去に要する時間のことである。サポート層除去時間の予測を行う動作については、例えば、サポート層の除去に要する時間の見積もりを行うサポート除去時間算出処理の動作等と考えることもできる。サポート層除去時間を予測する動作や、予測したサポート層除去時間の用い方等については、後に更に詳しく説明をする。
【0029】
尚、上記のように、本例において、造形システム10は、複数の装置である造形装置12及び制御PC14により構成されている。しかし、造形システム10の変形例において、造形システム10は、一台の装置により構成されてもよい。この場合、例えば、制御PC14の機能を含む一台の造形装置12により造形システム10を構成すること等が考えられる。また、造形システム10については、例えば、3台以上の装置により構成されてもよい。この場合、造形装置12又は制御PC14の一部の機能を他の装置で実行すること等が考えられる。
【0030】
続いて、造形装置12の具体的な構成について、説明をする。図1(b)は、造形装置12の要部の構成の一例を示す。本例において、造形装置12は、立体的な造形物50を造形する造形装置であり、ヘッド部102、造形台104、走査駆動部106、及び制御部110を有する。
【0031】
尚、以下に説明をする点を除き、造形装置12は、公知の造形装置と同一又は同様の構成を有してよい。より具体的に、以下に説明をする点を除き、造形装置12は、インクジェットヘッドを用いて造形物50の材料となる液滴を吐出することで造形を行う公知の造形装置と同一又は同様の特徴を有してよい。また、造形装置12は、図示した構成以外にも、例えば、造形物50の造形等に必要な各種構成を更に備えてよい。また、本例において、造形装置12は、積層造形法により立体的な造形物50を造形する造形装置(3Dプリンタ)である。この場合、積層造形法とは、例えば、複数の層を重ねて造形物50を造形する方法のことである。造形物50とは、例えば、立体的な三次元構造物のことである。
【0032】
ヘッド部102は、造形物50の材料(造形物用材料)を吐出する部分である。また、本例において、造形物50の材料としては、インクを用いる。この場合、インクとは、例えば、機能性の液体のことである。また、本例において、インクについては、例えば、インクジェットヘッドから吐出する液体等と考えることもできる。また、より具体的に、ヘッド部102は、造形物50の材料として、複数のインクジェットヘッドから、所定の条件に応じて硬化するインクを吐出する。そして、着弾後のインクを硬化させることにより、造形物50を構成する各層を重ねて形成して、積層造形法で造形物を造形する。また、本例では、インクとして、紫外線の照射により液体状態から硬化する紫外線硬化型インク(UVインク)を用いる。
【0033】
また、ヘッド部102は、造形物50の材料として用いるインクに加え、サポート層52の材料であるサポート材として用いるインクを更に吐出する。また、これにより、ヘッド部102は、造形物50の周囲等に、必要に応じて、サポート層52を形成する。また、この場合、ヘッド部102は、制御PC14により指定されるレイアウトで、造形物50及びサポート層52の形成を行う。
【0034】
造形台104は、造形中の造形物50を支持する台状部材であり、ヘッド部102におけるインクジェットヘッドと対向する位置に配設され、造形中の造形物50及びサポート層52を上面に載置する。また、本例において、造形台104は、少なくとも上面が積層方向(図中のZ方向)へ移動可能な構成を有しており、走査駆動部106に駆動されることにより、造形物50の造形の進行に合わせて、少なくとも上面を移動させる。この場合、積層方向とは、例えば、積層造形法において造形の材料が積層される方向のことである。また、本例において、積層方向は、造形装置12において予め設定される主走査方向(図中のY方向)及び副走査方向(図中のX方向)と直交する方向である。
【0035】
走査駆動部106は、造形中の造形物50に対して相対的に移動する走査動作をヘッド部102に行わせる駆動部である。この場合、造形中の造形物50に対して相対的に移動するとは、例えば、造形台104に対して相対的に移動することである。また、ヘッド部102に走査動作を行わせるとは、例えば、ヘッド部102が有するインクジェットヘッドに走査動作を行わせることである。また、本例において、走査駆動部106は、走査動作として、主走査動作(Y走査)、副走査動作(X走査)、及び積層方向走査(Z走査)をヘッド部102に行わせる。
【0036】
主走査動作とは、例えば、造形中の造形物50に対して相対的に主走査方向へ移動しつつインクを吐出する動作のことである。副走査動作とは、例えば、主走査方向と直交する副走査方向へ造形中の造形物50に対して相対的に移動する動作のことである。副走査動作については、例えば、予め設定された送り量だけ副走査方向へ造形台104に対して相対的に移動する動作等と考えることもできる。また、積層方向走査とは、例えば、造形中の造形物50に対して相対的に積層方向へヘッド部102を移動させる動作のことである。走査駆動部106は、造形の動作の進行に合わせてヘッド部102に積層方向走査を行わせることにより、積層方向において、造形中の造形物50に対するインクジェットヘッドの相対位置を調整する。
【0037】
制御部110は、例えば造形装置12のCPUであり、造形装置12の各部を制御することにより、造形装置12において造形物50及びサポート層52を形成する動作を各部に実行させる。また、より具体的に、本例において、制御部110は、制御PC14から受け取る造形物データに基づき、スライスデータを生成する。この場合、スライスデータとは、例えば、レイアウトデータにより向きや位置等が指定されている造形物50及びサポート層52の断面を示すデータのことである。また、制御部110は、予め設定された間隔で設定される積層方向における複数の位置に対応する複数のスライスデータを生成する。そして、造形物50を構成するそれぞれのインクの層を形成する動作において、例えば、ヘッド部102における各インクジェットヘッドの動作をインクの層の位置に対応するスライスデータに従って制御することにより、造形物50及びサポート層52の形成に用いるインクを各インクジェットヘッドに吐出させる。
【0038】
続いて、造形装置12におけるヘッド部102の構成について、更に詳しく説明をする。図1(c)は、ヘッド部102の構成の一例を示す。本例において、ヘッド部102は、複数のインクジェットヘッド、複数の紫外線光源204、及び平坦化ローラ206を有する。また、複数のインクジェットヘッドとして、図中に示すように、インクジェットヘッド202s、インクジェットヘッド202w、インクジェットヘッド202y、インクジェットヘッド202m、インクジェットヘッド202c、インクジェットヘッド202k、及びインクジェットヘッド202tを有する。これらの複数のインクジェットヘッドは、例えば、副走査方向における位置を揃えて、主走査方向へ並べて配設される。また、それぞれのインクジェットヘッドは、造形台104と対向する面に、所定のノズル列方向へ複数のノズルが並ぶノズル列を有する。また、本例において、ノズル列方向は、副走査方向と平行な方向である。
【0039】
また、これらのインクジェットヘッドのうち、インクジェットヘッド202sは、サポート材として用いるインクを吐出するインクジェットヘッドである。サポート材としては、例えば、サポート層用の公知の材料を好適に用いることができる。インクジェットヘッド202wは、白色(W色)のインクを吐出するインクジェットヘッドである。白色のインクは、光反射性のインクの一例であり、例えば造形物50において光を反射する性質の領域(光反射領域)を形成する場合に用いられる。この光反射領域は、例えば、造形物50表面に対してフルカラー表現での着色を行う場合に、造形物50の外部から入射する光を反射する。
【0040】
尚、本例においては、例えば、造形物50の内部を構成する領域である内部領域を白色のインクで形成することにより、内部領域を光反射領域として機能させる。また、内部領域については、例えば、光反射領域とは別の領域として形成してもよい。この場合、内部領域について、白色のインク以外のインクを用いて形成することが考えられる。
【0041】
インクジェットヘッド202y、インクジェットヘッド202m、インクジェットヘッド202c、インクジェットヘッド202kは、着色された造形物50の造形時に用いられる着色用のインクジェットヘッドである。より具体的に、インクジェットヘッド202yは、イエロー色(Y色)のインクを吐出する。インクジェットヘッド202mは、マゼンタ色(M色)のインクを吐出する。インクジェットヘッド202cは、シアン色(C色)のインクを吐出する。また、インクジェットヘッド202kは、ブラック色(K色)のインクを吐出する。また、本例において、YMCKの各色は、減法混色法によるフルカラー表現に用いるプロセスカラーの一例である。また、インクジェットヘッド202tは、クリアインクを吐出するインクジェットヘッドである。クリアインクとは、例えば、可視光に対して無色で透明(T)なクリア色のインクのことである。
【0042】
複数の紫外線光源204は、インクを硬化させるための光源(UV光源)であり、紫外線硬化型インクを硬化させる紫外線を発生する。また、本例において、複数の紫外線光源204のそれぞれは、間にインクジェットヘッドの並びを挟むように、ヘッド部102における主走査方向の一端側及び他端側のそれぞれに配設される。紫外線光源204としては、例えば、UVLED(紫外LED)等を好適に用いることができる。また、紫外線光源204として、メタルハライドランプや水銀ランプ等を用いることも考えられる。平坦化ローラ206は、造形物50の造形中に形成されるインクの層を平坦化するための平坦化手段である。平坦化ローラ206は、例えば主走査動作時において、インクの層の表面と接触して、硬化前のインクの一部を除去することにより、インクの層を平坦化する。
【0043】
以上のような構成のヘッド部102を用いることにより、造形物50を構成するインクの層を適切に形成できる。また、複数のインクの層を重ねて形成することにより、造形物50を適切に造形できる。
【0044】
尚、ヘッド部102の具体的な構成については、上記において説明をした構成に限らず、様々に変形することもできる。例えば、ヘッド部102は、着色用のインクジェットヘッドとして、上記以外の色用のインクジェットヘッドを更に有してもよい。また、ヘッド部102における複数のインクジェットヘッドの並べ方についても、様々に変形可能である。例えば、一部のインクジェットヘッドについて、他のインクジェットヘッドと副走査方向における位置をずらしてもよい。
【0045】
続いて、本例において用いるサポート材の特徴や、サポート層52の除去に関連する事項等について、更に詳しく説明をする。上記においても説明をしたように、サポート材としては、例えば、サポート層用の公知の材料を好適に用いることができる。また、より具体的に、本例において、サポート材としては、水溶性のサポート材を用いる。この場合、水溶性のサポート材は、所定の液体であるサポート材除去液に対して溶解する性質の材料の一例である。また、水は、サポート除去液の一例である。
【0046】
また、本例において、サポート層52の除去は、サポート材除去液である水に造形物50及びサポート層52を浸漬することで行う。水に造形物50及びサポート層52を浸漬するとは、例えば、サポート層52の除去時に使用する容器である除去槽に水を貯留した状態で、サポート層52がついた状態(サポート層52の除去前)の造形物50を除去槽内の水に浸漬することである。この場合、制御PC14では、このようにしてサポート層52の除去を行う場合に要する時間をサポート層除去時間として予測する。また、このようにしてサポート層52の除去を行う場合、サポート層52の除去を行う場合に要する時間は、造形物50に対するサポート層52のつき方によって変化する。そのため、本例において、制御PC14では、サポート層52のつき方に基づいてサポート層除去時間の予測を行う。
【0047】
図2は、サポート層52のつき方とサポート層除去時間との関係について説明をする図である。図2(a)は、様々な形状の造形物50に対するサポート層52のつき方の例を示す図であり、図中に造形物A、B、Cと示す3通りの形状の造形物50の造形時に形成するサポート層52の構成の例について、造形物50及びサポート層52の断面を示す。図2(b)は、造形物A、B、Cについて、サポート層52が徐々に除去される様子の一例を示す。
【0048】
また、より具体的に、造形物Aは、直方体状の造形物50である。造形物Aの造形時において、サポート層52は、例えば図中に示すように、造形物50の周囲を囲むように形成される。また、造形物Bは、造形物Aの表面の一部に対し、テーパー状の孔を設けた造形物50である。図からわかるように、このテーパー状の孔は、開口部から孔の奥へ行く程狭くなるような孔である。造形物Bの造形時において、サポート層52は、例えば図中に示すように、造形物50の周囲を囲む領域に加え、孔の中にも形成される。また、造形物Cは、造形物Aの一つの面からその反対側の面へと貫通する貫通孔を設けた造形物50である。造形物Cの造形時において、サポート層52は、例えば図中に示すように、造形物50の周囲を囲む領域に加え、孔の中にも形成される。
【0049】
ここで、水等のサポート材除去液に造形物50及びサポート層52を浸漬することでサポート層52の除去を行う場合、サポート層除去時間については、サポート材除去液とサポート層52とが触れている面積が大きい程、短くなると考えることができる。より具体的に、例えば、一定の時間にサポート材除去液に溶解するサポート材の量については、概ね、サポート材除去液とサポート材とが触れている面積に反比例すると考えることができる。
【0050】
そして、この場合、造形物B、Cのように、孔が形成されている造形物50の場合、例えば図2(a)において破線で囲んで示す部分において、水と触れる面積(表面積)が小さくなることでサポート材の除去が進みにくく(除去しにくく)なり、サポート層除去時間が長くなる。また、より具体的に、この場合、例えば図2(b)に示すように、造形物50の周囲のサポート材が除去され、造形部Aではサポート層52の除去が完了したタイミングにおいて、造形物B、Cでは、孔の中にサポート材が残った状態になる。また、サポート層52が残っている部分では、サポート材の量に対してサポート層52が水と触れる面積が小さくなっている。そして、この場合、残りのサポート材を除去するために要する時間が長時間化することが考えられる。また、その結果、造形物B、Cにおいては、造形物Aと比べて、サポート層除去時間が長時間化する。
【0051】
このように、サポート層除去時間は、造形物50につくサポート層52の形状や、水に対してサポート層52が接触する箇所等に応じて、変化する。そのため、本例において。制御PC14(図1参照)は、例えば、サポート層52の形状、及び、水に対してサポート層52が接触する箇所に基づき、サポート層除去時間の算出を行う。また、この場合、制御PC14は、水に対してサポート層52が接触する箇所を示すパラメータとして、例えば、サポート層52の表面積を用いる。また、これにより、制御PC14は、例えば、造形物50の造形時に形成されるサポート層52の表面積に基づき、サポート層除去時間の予測を行う。この場合、サポート層52の表面積とは、例えば、サポート層52において周囲へ露出している部分の面積のことである。また、サポート層52において周囲へ露出している部分とは、例えば、造形物50と共にサポート層52を水に浸漬した場合に水に触れる部分のことである。このように構成すれば、例えば、サポート層除去時間の予測を適切に行うことができる。
【0052】
また、図2(b)に示したサポート層52の除去時の様子等から理解できるように、サポート層52の除去時において、サポート層52の表面積は、サポート層52の溶解の進行に応じて変化する。そのため、本例においては、サポート層52の除去の開始前のサポート層52の表面積のみではなく、除去の途中段階の表面積を更に考慮する。また、より具体的に、この場合、制御PC14は、例えば、水に浸漬されることでサポート層52の一部が溶解した時点で残っているサポート層52の表面積である溶解中表面積の予測を行う。そして、溶解中表面積に更に基づき、サポート層除去時間の予測を行う。このように構成すれば、例えば、より高い精度でサポート層除去時間の予測を行うことができる。
【0053】
また、この場合、溶解中表面積の予測については、例えば、サポート層52の除去が完了するまでの間における複数のタイミングに対して行うことが好ましい。この場合、複数のタイミングについては、例えば、一定の間隔で設定すること等が考えられる。また、溶解中表面積の予測を行うタイミングについては、例えば、造形物50又はサポート層52の形状に基づいて設定すること等も考えられる。
【0054】
また、上記のように、本例においては、サポート層52の形状等を考慮して、サポート層除去時間の予測を行う。また、この点に関し、例えば同じ形状の造形物50を造形する場合でも、サポート層52の形状は、造形時に指定するレイアウトによっても変化する。また、その結果、サポート層除去時間についても、指定するレイアウトによって変化することになる。そのため、本例において、制御PC14は、レイアウトに基づいてサポート層52の形状を設定し、設定したサポート層52の形状に基づき、サポート層除去時間の予測を行う。また、この場合、例えば、レイアウトと対応付けてサポート層除去時間の予測を行うことで、好ましレイアウトの選択を行うこと等が考えられる。
【0055】
図3は、レイアウトとサポート層除去時間等との関係の一例を示す図であり、同じ形状の造形物50の造形を図中にレイアウト1~3として示す3通りのレイアウトで行う場合に関し、それぞれのレイアウトでの造形時間及びサポート層除去時間(除去時間)の例を示す。この場合、造形時間とは、例えば、造形システム10における造形装置12(図1参照)において造形物50及びサポート層52を形成するために要する時間のことである。この点に関し、積層造形法で造形を行う場合、通常、積層するインクの層の数が多くなる程、造形時間が長くなる。また、一つのインクの層を形成するために要する時間は、例えば、その層を形成するために行う主走査動作の回数が多くなる程、長くなる。そのため、例えば、より広い範囲のインクの層を形成するために要する時間は、より長くなる。
【0056】
そして、この場合、図中に示すレイアウト1~3の中では、積層方向(Z方向)における幅(高さ)が最も小さくなるレイアウト1の造形時間が、レイアウト2、3での造形時間よりも短くなる。また、レイアウト2とレイアウト3を比べた場合、それぞれのインクの層を形成する範囲の違いにより、レイアウト3での造形時間の方が、レイアウト2での造形時間よりも短くなる。また、より具体的に、図中に示すように、レイアウト1での造形時間は5時間、レイアウト2での造形時間は10時間、レイアウト3での造形時間は8時間になる。
【0057】
これに対し、サポート層除去時間は、上記においても説明をしたように、サポート層52の除去時にサポート層52が水と触れる面積等に応じて決まることになる。そして、この場合、レイアウト1及びレイアウト3では、図中において破線で囲んで示す部分のように、サポート材の除去が進みにくくなる部分が存在することになる。これに対し、レイアウト2の場合、造形物50における孔状の部分の中にサポート層52を形成する必要がなくなるため、サポート材の除去が進みにくくなる部分が形成されることを避けることができる。その結果、レイアウト1~3の中では、レイアウト2でのサポート層除去時間が最も短くなる。また、より具体的に、レイアウト1でのサポート層除去時間は10時間、レイアウト2でのサポート層除去時間は2時間、レイアウト3でのサポート層除去時間は8時間になる。
【0058】
ここで、造形物50の造形時のレイアウトを選択する場合、例えば、その造形物50を形成するために造形装置12を使用する時間を最短にする観点でレイアウトを選択することが考えられる。そして、この場合、通常、造形時間が最短になるようにレイアウトを選択すればよい。
【0059】
しかし、図3に示したレイアウト1~3の比較等からも理解できるように、単に造形時間を短縮することを考えてレイアウトを選択した場合、サポート層除去時間が長くなることで、造形に関連する全ての作業を終えるまでの時間がかえって長くなる場合がある。そのため、造形物50の造形時の求められる条件(例えば、納期等)によっては、造形時間に加えてサポート層除去時間も考慮することで、造形時間とサポート層除去時間との合計が最短になるようにレイアウトを選択することが好ましい場合もある。そして、このような場合、レイアウト1~3の中では、レイアウト2を選択することが好ましいといえる。
【0060】
また、この点に関し、本例によれば、上記においても説明をしたように、例えばレイアウトの指定時等に、制御PC14においてサポート層除去時間の予測を行うことができる。また、これにより、例えば、造形に関連する全ての作業を終えるまでの時間を考慮してレイアウトを選択することができる。そのため、本例によれば、例えば、サポート層除去時間を考慮して、レイアウトの最適化を行うことができる。また、これにより、例えば、造形物50の造形をより効率的に行うことができる。
【0061】
続いて、サポート層除去時間を利用して行う動作等について、更に詳しく説明をする。上記においても説明をしたように、本例において、制御PC14は、レイアウトと対応付けて、サポート層除去時間の予測を行う。この場合、レイアウトと対応付けてサポート層除去時間の予測を行うとは、例えば、ユーザが指定するレイアウトで造形物50及びサポート層52を形成した場合のサポート層除去時間の予測を行うことである。そして、制御PC14は、サポート層除去時間の予測の結果について、例えばモニタ等の表示装置に表示することで、ユーザに通知する。このように構成すれば、例えば、レイアウトの作業等を行うユーザに対し、サポート層除去時間の予測の結果を適切に通知することができる。
【0062】
また、サポート層除去時間の予測結果については、単に表示するのではなく、ユーザによるレイアウトの選択を助けるために使用すること等も考えられる。この場合、ユーザによるレイアウトの選択を助ける方法としては、例えば、レイアウトの候補を提示することや、レイアウトの変更の方針を提示すること等が考えられる。より具体的に、この場合、例えば、同じ形状の造形物50を造形するための複数のレイアウトについて、それぞれのレイアウトでの造形時間及びサポート層除去時間の予測結果と対応付けて表示すること等が考えられる。
【0063】
また、レイアウトの候補については、例えば、ユーザに指定された条件に合ったレイアウトを選択して表示すること等も考えられる。この場合、制御PC14において、例えば、ユーザにより指定される条件に基づき、サポート層除去時間がより短くなるレイアウトの探索を行い、当該探索の結果をユーザに表示すること等が考えられる。レイアウトの探索を行うとは、例えば、同じ形状の造形物50を造形するために用いることが可能な複数のレイアウトの中から、条件に合うレイアウトを探すことである。また、制御PC14においては、サポート層除去時間に加え、造形時間の予測を行うことも考えられる。そして、この場合、制御PC14においては、例えば、造形時間とサポート層除去時間との合計の時間がより短くなるレイアウトの探索を行い、当該探索の結果をユーザに表示してもよい。これらのように構成すれば、例えば、より好ましいレイアウトの選択をユーザに行わせることができる。
【0064】
ここで、上記において説明をした動作において、レイアウトの探索については、例えば、新たなレイアウト、又はレイアウトを変更するための指針等を探索すること等と考えることもできる。そのため、探索の結果としては、例えば、ユーザにより指定されたレイアウトよりもサポート層除去時間等(例えば、サポート層除去時間、又は造形時間とサポート層除去時間との合計の時間)がより短くなるレイアウトをユーザに提示することや、サポート層除去時間等を短縮するためのレイアウト変更の指針等をユーザに提示すること等が考えられる。この場合、ユーザに提示するレイアウトとしては、例えば、サポート層除去時間が短くなる条件等で自動的にレイアウトを行った結果を用いることが考えられる。また、レイアウト変更の指針としては、例えば、造形物50の向きの提案を行うこと等が考えられる。また、レイアウト変更の指針としては、例えば、サポート層除去時間等をより短縮できるレイアウトが存在している可能性を通知すること等も考えられる。
【0065】
また、上記のようなレイアウトの探索については、例えば、いずれかのレイアウトの指定をユーザから受けた後に、そのレイアウトに対応するサポート層除去時間等の予測を行い、その予測の結果に基づいて行うことが考えられる。このように構成すれば、例えば、より高い精度でレイアウトの探索の結果を提示できる。また、探索の結果として、例えばユーザに指定されたレイアウトとは異なるレイアウトを提示する場合、そのレイアウトに対応するサポート層除去時間等も更に算出して、レイアウトと対応付けてサポート層除去時間等を提示することが考えられる。
【0066】
また、レイアウトの探索については、全てのレイアウトに対してサポート層除去時間等の予測を実際に行うのではなく、例えば、予め用意されたパターン等に基づいて行うこと等も考えられる。この場合、例えば、典型的なレイアウトのパターンとサポート層除去時間の大小関係とを対応付けたデータ等を予め用意しておき、そのデータに基づき、サポート層除去時間を短縮できるレイアウトのパターン等を提示することが考えられる。このように構成すれば、例えば、より簡易かつ適切にレイアウトの探索の結果を提示できる。また、レイアウトの探索については、例えば、ユーザによるレイアウトの指定が行われる前に行うこと等も考えられる。この場合、例えば、造形しようとする造形物50の形状等に基づき、サポート層除去時間等が短くなるレイアウトの候補を自動的に作成することが考えられる。また、この場合、例えば、複数のレイアウト(例えば、造形時間が最短になるレイアウト、サポート層除去時間が最短になるレイアウト、及び造形時間とサポート層除去時間との合計が最短になるレイアウト)の候補を自動的に作成して、ユーザに提示すること等が考えられる。
【0067】
また、予測したサポート層除去時間については、上記以外の目的で用いること等も考えられる。より具体的に、例えば、サポート層52の除去時には、サポート層52及び造形物50を水につけた状態で長時間放置することで、時間をかけてサポート層52の除去を行うことが考えられる。しかし、この場合において、サポート層52が除去された後にも長時間にわたって造形物50を水に浸漬し続けると、造形物50の品質に影響が生じる場合もある。この場合、例えば、造形物50が水を吸収して軟化することや、造形物50の表面の色に変色が生じること等が考えられる。これに対し、サポート層除去時間の予測を行う場合、予測の結果に基づいて造形物50及びサポート層52を水に浸漬する時間を管理することで、このような問題が生じること等を適切に防ぐことができる。また、この場合、例えば、サポート層除去時間の予測の結果に基づいて造形物50及びサポート層52を水に浸漬する時間を設定して、自動的に造形物50を水から取り出すこと等も考えられる。
【0068】
続いて、サポート層除去時間の予測の仕方等について、更に詳しく説明をする。上記においても説明をしたように、本例において、制御PC14は、造形時のレイアウトにおいて指定されるサポート層52の表面積等に基づき、サポート層除去時間の予測を行う。しかし、サポート層除去時間の予測時には、サポート層52の表面積等以外にも、サポート層除去時間に影響を与える各種の条件を更に考慮することが好ましい。この場合、例えば、法線方向におけるサポート層52の厚さに更に基づいてサポート層除去時間の予測を行うことが考えられる。また、サポート層52を構成するサポート材が溶解する速度は、サポート材除去液として用いる水の温度によっても変化すると考えられる。そのため、制御PC14においては、例えば、造形物50及びサポート層52を浸漬する水の温度に更に基づいてサポート層除去時間の予測を行うことが好ましい。このように構成すれば、例えば、サポート層52の除去に要する時間が環境によって変化する場合にも、環境に合わせてサポート層除去時間の予測をより適切に行うことができる。
【0069】
また、サポート層52の除去に用いる水については、必ずしも一つの造形物50に対するサポート層52の除去を行う毎に交換するのではなく、複数の造形物50及びサポート層52に対して繰り返して用いることも考えられる。そして、この場合、既に水に溶解しているサポート材の量が多くなると、サポート材の溶解速度が低下することが考えられる。そのため、より高い精度でサポート層除去時間の予測を行うためには、例えば、サポート層52の除去に使用する水に対してどの程度のサポート材が既に溶解しているかを更に考慮することが好ましい。より具体的に、例えば、他の造形物50の造形時に形成したサポート層52の除去に用いた履歴のある水を用いてサポート層52の除去を行う場合、制御PC14において、水に溶解しているサポート材の量に更に基づき、サポート層除去時間の予測を行うことが好ましい。このように構成すれば、例えば、より高い精度でサポート層除去時間の予測を行うことができる。
【0070】
また、サポート層52の除去については、例えば、複数の造形物50に対するサポート層52の除去を同時に行うこと等も考えられる。複数の造形物50に対するサポート層52の除去を同時に行うとは、例えば、一つの除去槽に貯留された水に複数の造形物50及びサポート層52を浸漬して同時にサポート層52の除去を行うことである。そして、この場合、それぞれの造形物50のサポート層52を構成するサポート材の溶解速度に対し、他の造形物50のサポート層52から溶解するサポート材の量による影響が生じること等も考えられる。そのため、複数の造形物50に対するサポート層52の除去を同時に行う場合には、他の造形物50のサポート層52の形状等に更に基づき、それぞれの造形物50のサポート層52に対するサポート層除去時間の予測を行うことも考えられる。このように構成すれば、例えば、より高い精度でサポート層除去時間の予測を行うことができる。
【0071】
また、サポート層除去時間の予測については、上記においても説明をしたように、サポート層52の表面積等に基づき、理論的な計算で算出することができる。この場合、例えば、テスト用の造形物50及びサポート層52を用いて、サポート層52の除去に要する時間を実測し、その実測の結果を利用してサポート層除去時間の予測行うことが考えられる。より具体的に、この場合、例えば、サポート層除去時間の予測を開始する前(見積もりの処理の運用を開始する前)にテスト用の造形物50及びサポート層52を用いた測定を行い、サポート層除去時間の予測に使用する係数を実測値に基づいて設定することが考えられる。このように構成すれば、例えば、サポート層除去時間の予測を適切に行うことができる。また、この場合、テスト用の造形物50及びサポート層52を用いた測定については、サポート層除去時間の予測に対象となるサポート層52の除去を行う環境と同じ環境で行うことが好ましい。このように構成すれば、例えば、環境に依存する条件等の影響を適切に抑えることができる。また、これにより、例えば、サポート層除去時間の予測をより高い精度で行うことができる。
【0072】
また、テスト用の造形物50及びサポート層52を用いた測定の結果の利用については、例えば、過去に行ったサポート層52の除去での結果を参考にしてサポート層除去時間の予測を行う動作の一例と考えることができる。また、この点に関し、過去に行ったサポート層52の除去での結果としては、見積もりの処理の運用を開始する前に行ったサポート層52の除去の結果に限らず、運用の開始後に行ったサポート層52の除去において実際にかかった時間を更に参考にすること等も考えられる。また、この場合、例えば、事前に予測したサポート層除去時間と、実際にサポート層52の除去に要した時間との差に基づき、サポート層除去時間の予測に使用する係数の調整を行うこと等も考えられる。このように構成すれば、例えば、サポート層52の除去に要する時間に関する過去の結果を蓄積することで、予測の精度を高めていくことができる。
【0073】
また、より具体的に、この場合、制御PC14は、例えば、過去に実際にサポート層52の除去を行った場合に要した時間と、そのサポート層52を示すレイアウトとを対応付けたデータである実除去時データに更に基づき、サポート層除去時間の予測を行う。このように構成すれば、例えば、過去の結果に基づくことで、より高い精度でサポート層除去時間の予測を行うことができる。また、この場合、サポート層52の除去を行った場合に要した時間とレイアウトとを対応付けるとは、例えば、サポート層52の除去を行った場合に要した時間をレイアウトの一部に対して対応付けることであってもよい。また、レイアウトとの対応付けについては、例えば、レイアウトを分類する複数のパターンを予め用意しておき、いずれかのパターンとの対応付けを行うことで行ってもよい。
【0074】
また、この場合、制御PC14は、実除去時データについて、新たな実除去時データを順次蓄積するように管理する。そして、例えば、蓄積された実除去時データに基づき、サポート層除去時間の予測を行う。このように構成すれば、例えば、サポート層除去時間の予測をより高い精度で適切に行うことができる。また、この場合、例えば、実除去時データとパターンとを対応付けたデータを用いて機械学習等を実行することで、人工知能(AI)技術等を利用して、サポート層除去時間の予測を行うこと等も考えられる。
【0075】
また、サポート層除去時間の予測を行う動作において、制御PC14は、必要な処理の一部を制御PC14の外部の装置に行わせてもよい。この場合、制御PC14は、外部の処理から受け取る結果を利用することで、サポート層除去時間の予測を行う。また、より具体的に、例えば、上記のようにして人工知能技術を用いる場合、造形システム10(図1参照)の外部にあるコンピュータ等に一部の処理を行わせて、その処理の結果に基づき、制御PC14においてサポート層除去時間の予測を行ってもよい。このように構成すれば、例えば、造形システム10を構成する装置のコストが大きく上昇すること等を防ぎつつ、より高い精度でサポート層除去時間の予測を行うことができる。また、サポート層除去時間の予測を行う動作における一部の処理については、例えば、造形装置12における制御部110(図1参照)等に行わせること等も考えられる。例えば、制御部110がGPUの機能を有している場合、画像処理や人工知能技術に関連する処理の少なくとも一部を制御部110に行わせること等が考えられる。このように構成すれば、例えば、造形システム10内にあるリソースを有効に活用して、サポート層除去時間の予測を適切に行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明は、例えば造形システムに好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0077】
10・・・造形システム、12・・・造形装置、14・・・制御PC、50・・・造形物、52・・・サポート層、102・・・ヘッド部、104・・・造形台、106・・・走査駆動部、110・・・制御部、202・・・インクジェットヘッド、204・・・紫外線光源、206・・・平坦化ローラ
図1
図2
図3