(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20221129BHJP
【FI】
A63F7/02 320
(21)【出願番号】P 2019027356
(22)【出願日】2019-02-19
【審査請求日】2021-09-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000144153
【氏名又は名称】株式会社三共
(72)【発明者】
【氏名】小倉 敏男
【審査官】本村 眞也
(56)【参考文献】
【文献】特許第6850274(JP,B2)
【文献】特開2014-033781(JP,A)
【文献】特開2017-080112(JP,A)
【文献】特開2017-189221(JP,A)
【文献】特開2016-190003(JP,A)
【文献】特開2016-030169(JP,A)
【文献】特開2015-221060(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
識別情報の可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、
識別情報の可変表示に関する情報を記憶可能な記憶手段と
前記有利状態に制御するか否かを決定する決定手段と、
前記決定手段の決定前に前記有利状態に制御するか否かを判定する判定手段と、
可変表示に対応する特定表示
として、前記判定手段の判定結果に基づいて前記記憶手段に記憶されている情報に対応する保留表示と、実行中の可変表示に対応する特別表示とを表示可能な特定表示手段と、
前記特定表示の表示態様を変化させる変化演出を実行する変化演出実行手段と、
特定演出を実行可能な特定演出実行手段と、
前記特定演出と異なる所定演出を実行可能な所定演出実行手段と、を備え、
前記特定演出が実行されているときの方が、前記特定演出が実行されていないときよりも前記特定表示の表示態様が変化しやすく、
前記特定演出が実行されているときの方が、前記所定演出が実行されているときよりも前記特定表示の表示態様が変化しやすく、
前記判定手段の判定結果に基づいて前記特定演出が実行されるとともに、判定結果に対応する可変表示の実行中に前記特定演出は終了し、
前記特定演出は、前記特定表示の表示態様が複数回変化する場合に実行可能であり、
前記特定演出が終了した後も、該特定演出が実行されていたときに表示態様が変化した前記特定表示は、該特定演出が実行されていたときに表示態様が変化しなかった前記特定表示よりも表示態様が変化しやすく、
前記特定演出が実行されていることを認識可能な報知画像を、前記特定表示とは重複しない位置に表示可能であり、
前記特定表示の変化後の表示態様として、第1態様と、該第1態様よりも前記有利状態に制御される期待度が高い第2態様と、を含み、
前記特定演出を実行した後に、該特定演出よりも前記期待度の高い特別演出を実行可能であり、
前記特別演出が実行される場合に、前記特定表示は前記第2態様に変化する、
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
所定の演出条件を満たす場合に保留表示に関する特別なゾーン演出を実行する遊技機が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の遊技機では、特別なゾーン演出が終了した後に興趣が低下するおそれがあった。
【0005】
この発明は、上記の実状に鑑みてなされたものであり、興趣を向上させた遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(A)識別情報の可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、
識別情報の可変表示に関する情報を記憶可能な記憶手段と
前記有利状態に制御するか否かを決定する決定手段と、
前記決定手段の決定前に前記有利状態に制御するか否かを判定する判定手段と、
可変表示に対応する特定表示
として、前記判定手段の判定結果に基づいて前記記憶手段に記憶されている情報に対応する保留表示と、実行中の可変表示に対応する特別表示とを表示可能な特定表示手段と、
前記特定表示の表示態様を変化させる変化演出を実行する変化演出実行手段と、
特定演出を実行可能な特定演出実行手段と、
前記特定演出と異なる所定演出を実行可能な所定演出実行手段と、を備え、
前記特定演出が実行されているときの方が、前記特定演出が実行されていないときよりも前記特定表示の表示態様が変化しやすく、
前記特定演出が実行されているときの方が、前記所定演出が実行されているときよりも前記特定表示の表示態様が変化しやすく、
前記判定手段の判定結果に基づいて前記特定演出が実行されるとともに、判定結果に対応する可変表示の実行中に前記特定演出は終了し、
前記特定演出は、前記特定表示の表示態様が複数回変化する場合に実行可能であり、
前記特定演出が終了した後も、該特定演出が実行されていたときに表示態様が変化した前記特定表示は、該特定演出が実行されていたときに表示態様が変化しなかった前記特定表示よりも表示態様が変化しやすく、
前記特定演出が実行されていることを認識可能な報知画像を、前記特定表示とは重複しない位置に表示可能であり、
前記特定表示の変化後の表示態様として、第1態様と、該第1態様よりも前記有利状態に制御される期待度が高い第2態様と、を含み、
前記特定演出を実行した後に、該特定演出よりも前記期待度の高い特別演出を実行可能であり、
前記特別演出が実行される場合に、前記特定表示は前記第2態様に変化する、
ことを特徴とする。
(1)上記目的を達成するため、他の態様に係る遊技機は、
可変表示に対応する特定表示(例えば保留表示、アクティブ表示)を表示可能な遊技機(例えばパチンコ遊技機1)であって、
特定表示の表示態様を変化させる変化演出実行手段(例えばステップ57AKS002、ステップ57AKS005、ステップ57AKS008、ステップ57AKS010の処理を実行する演出制御用CPU120)と、
特定演出(例えば表示変化高確率ゾーンのゾーン演出)を実行可能な特定演出実行手段(例えばステップ57AKS003、ステップ57AKS005、ステップ57AKS011の処理を実行する演出制御用CPU120)と、を備え、
前記特定演出が実行されているときの方が、前記特定演出が実行されていないときよりも特定表示の表示態様が変化しやすく、
前記特定演出が終了した後も、当該特定演出が実行されていたときに表示態様が変化した特定表示は、当該特定演出が実行されていたときに表示態様が変化しなかった特定表示よりも表示態様が変化しやすく(例えばステップ57AKS003の処理で特定表示の表示態様の変化回数に応じて表示変化高確率ゾーンに移行させるか否かを決定する)、
さらに、
前記可変表示の表示結果が特定結果となったときに遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当り遊技状態など)に制御可能であって、
前記有利状態に制御される確率が異なる複数段階の設定値(例えば、最も遊技者にとって不利な設定値である1から最も遊技者にとって有利な設定値である6までの値など)のうちいずれかの設定値に設定可能な設定手段(例えば、
図11-15の設定値変更処理を実行するCPU103など)と、
前記有利状態の終了後に、前記有利状態に制御される確率が通常状態よりも高い特別状態に制御可能な特別状態制御手段(例えば、大当り遊技状態が終了した後に、大当り種別に応じて、確変状態に制御するCPU103など)と、を備え、
前記特別状態に制御されているときの可変表示の表示結果として、前記特定結果とは異なる表示結果の一部である所定結果を表示する割合を、前記設定手段で設定されている設定値に応じて異ならせる(例えば、ステップ048AKS010の処理を実行する演出制御用CPU120など)、
ことを特徴する。
【0007】
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記特定演出が実行されているときと前記特定演出が実行されていないときとで、特定表示の表示態様が変化することを示唆する変化示唆演出(例えば
図10-1(C)等に示す星の画像57AK004が特定表示に作用する演出)の実行割合が異なる(例えば表示変化高確率ゾーンのみで変化示唆演出を実行する)ようにしてもよい。
このような構成によれば、特定表示の表示態様がさらに変化することに期待が持てるので、遊技の興趣が向上する。
【0008】
(3)上記(1)または(2)の遊技機において、
前記特定演出が実行されたときに表示態様が所定態様に変化した特定表示は、前記特定演出が実行されていないときに表示態様が所定態様に変化した特定表示よりも表示態様が変化しやすい(例えばステップ57AKS003の処理で特定表示の表示態様の変化回数に応じて表示変化高確率ゾーンに移行させるか否かを決定する)ようにしてもよい。
このような構成によれば、特定表示の表示態様がさらに変化することに期待が持てるので、遊技の興趣が向上する。
【0009】
(4)上記(1)から(3)のいずれかの遊技機において、
前記特定演出とは異なる特別演出(例えばチャンスゾーンのゾーン演出)を実行可能な特別演出実行手段(例えばステップ57AKS003、ステップ57AKS005、ステップ57AKS011の処理を実行する演出制御用CPU120)と、を備え、
前記特定演出が実行されているときの方が、前記特別演出が実行されているときよりも、特定表示の表示態様が変化しやすいようにしてもよい。
このような構成によれば、演出が多彩になり興趣が向上する。
【0010】
(5)上記(1)から(4)のいずれかの遊技機において、
前記特定演出とは異なる特別演出(例えばチャンスゾーンのゾーン演出)を実行可能な特別演出実行手段(例えばステップ57AKS003、ステップ57AKS005、ステップ57AKS011の処理を実行する演出制御用CPU120)と、を備え、
前記特別演出が実行されているときの方が、前記特定演出が実行されているときよりも、遊技者にとって有利な有利状態に制御される割合が高く、
前記特定演出から前記特別演出に移行可能である(例えば
図10-7参照)ようにしてもよい。
このような構成によれば、演出が多彩になり興趣が向上する。
【0011】
また、後述する発明を実施するための形態には、以下の(6)から(14)の遊技機に係る発明が含まれる。従来より、遊技機において、特開2011-218044号公報に示されているような、有利状態の終了後に所定回数の可変表示が行われるまでの期間、有利状態に制御される確率が高くなる特別状態に制御可能なものや、特開2010-200902号公報に示されているような、遊技者にとっての有利度が異なる複数の設定に変更可能であり、変更前後の設定値に応じた演出(設定示唆演出)を行うものがあった。しかしながら、上記した従来の遊技機には、特別状態中における設定示唆演出について改善の余地があり、この点に鑑み、特別状態における遊技興趣を向上させることができる遊技機の提供が求められている。
【0012】
(6) 識別情報の可変表示を行い、可変表示の表示結果が特定結果となったときに遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当り遊技状態など)に制御可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1など)であって、
前記有利状態に制御される確率が異なる複数段階の設定値(例えば、最も遊技者にとって不利な設定値である1から最も遊技者にとって有利な設定値である6までの値など)のうちいずれかの設定値に設定可能な設定手段(例えば、
図11-15の設定値変更処理を実行するCPU103など)と、
前記有利状態の終了後に、前記有利状態に制御される確率が通常状態よりも高い特別状態に制御可能な特別状態制御手段(例えば、大当り遊技状態が終了した後に、大当り種別に応じて、確変状態に制御するCPU103など)と、を備え、
前記特別状態に制御されているときの可変表示の表示結果として、前記特定結果とは異なる表示結果の一部である所定結果を表示する割合を、前記設定手段で設定されている設定値に応じて異ならせる(例えば、ステップ048AKS010の処理を実行する演出制御用CPU120など)、
ことを特徴する。
【0013】
このような構成によれば、特別状態中における可変表示の表示結果によりいずれの設定値に設定されているかが示唆されるため遊技興趣を向上させることができる。
【0014】
(7) 上記(6)の遊技機において、
前記特別状態制御手段は、前記有利状態の終了後、所定回の可変表示が実行されるまで前記特別状態を継続させる(例えば、確変状態は大当り遊技状態の終了後において所定回数(100回)の特図ゲームが実行されることにより終了するなど)、
ようにしてもよい。
【0015】
このような構成によれば、特別状態中に制御された後、有利状態に制御されることなく通常状態となった場合の遊技興趣の低下を防止することができる。
【0016】
(8) 上記(6)または(7)の遊技機において、
前記所定結果は複数種類あり(例えば、種類A~種類Cなど)、
前記設定手段で設定された設定値に応じて、表示される前記所定結果の種類が異なる(例えば、設定されている設定値に応じて異なる割合で異なる種類の所定表示を表示するなど)、
ようにしてもよい。
【0017】
このような構成によれば、いずれの種類の所定結果が表示されるかに対して遊技者の注目を集めることができる。
【0018】
(9) 上記(6)~(8)のいずれかの遊技機において、
未だ開示されていない対象の可変表示よりも前に実行される可変表示の表示結果を特殊結果とすることで前記対象の可変表示の表示結果が前記特定結果となることを予告する先読み演出を実行する先読み演出実行手段(例えば、ステップ048AKS012にて先読みチャンス目を実行する演出制御用CPU120など)をさらに備え、
前記所定結果は前記特殊結果とは異なる表示結果である(例えば、先読みチャンス目を構成する非リーチ組合せの確定飾り図柄は、所定表示を構成する非リーチ組み合わせの確定飾り図柄と異なる図柄の組み合わせになっているなど)、
ようにしてもよい。
【0019】
このような構成によれば、先読み演出としての特殊結果と所定結果との差別化が図れ、有利状態に対する予告演出と混同してしまうことを防止できる。
【0020】
(10) 上記(6)~(9)のいずれかの遊技機において、
未だ開示されていない対象の可変表示よりも前に実行される可変表示の表示結果を特殊結果とすることで前記対象の可変表示の表示結果が前記特定結果となることを予告する先読み演出を実行する先読み演出実行手段(例えば、ステップ048AKS012にて先読みチャンス目を実行する演出制御用CPU120など)をさらに備え、
前記所定結果は前記特殊結果とは異なる表示結果であり(例えば、先読みチャンス目を構成する非リーチ組合せの確定飾り図柄は、所定表示を構成する非リーチ組み合わせの確定飾り図柄と異なる図柄の組み合わせになっているなど)、
前記特殊結果は複数回の可変表示において連続して表示可能である一方、前記所定結果は複数回の可変表示において連続して表示されないよう制限する(例えば、先読みチャンス目は複数の変動に亘って連続して表示可能であるのに対し、所定表示については連続して表示されないよう制限するなど)、
ようにしてもよい。
【0021】
このような構成によれば、所定結果が連続して表示されることで先読み演出と混同してしまうことを防止できる。
【0022】
(11) 上記(6)~(10)のいずれかの遊技機において、
前記特別状態に制御された後前記通常状態に制御されるタイミングにおいて、前記特別状態において前記所定結果が表示された頻度を示す所定頻度表示演出を実行可能である(例えば、ステップ048AKS052の処理を実行して
図11-28(f)に示す表示を行う演出制御用CPU120など)、
ようにしてもよい。
【0023】
このような構成によれば、所定結果が表示された頻度を遊技者が確認することができ設定値の予想を容易にすることができる。
【0024】
(12) 上記(6)~(11)のいずれかの遊技機において、
前記通常状態から前記有利状態に制御され最初に前記特別状態に制御された後、前記特別状態において再度前記有利状態に制御されることなく前記通常状態に制御された場合、前記通常状態に制御されるタイミングにおいて、前記所定結果が表示された頻度を示す所定頻度表示演出を実行可能である(例えば、一旦確変状態に制御された後に再度大当りとなることなく通常状態となったタイミングでのみ所定表示の種類に応じて設けられたカウント値を表示するなど)、
ようにしてもよい。
【0025】
このような構成によれば、連荘することにより設定値の推測が容易になってしまうことを防止できる。
【0026】
(13) 上記(11)または(12)の遊技機において、
遊技者による動作を検出する検出手段(例えばプッシュセンサ35Bなど)をさらに備え、
前記所定頻度表示演出は、前記検出手段にて遊技者の動作が検出されたことにより実行可能である(例えば、プッシュボタン31Bに対する遊技者の動作をプッシュセンサ35Bにて検出したことに基づいて、所定表示の種類に応じて設けられたカウント値を表示するなど)、
ようにしてもよい。
【0027】
このような構成によれば、遊技者の好みに応じて演出を実行することができる。
【0028】
(14) 上記(11)~(13)のいずれかの遊技機において、
前記特別状態に複数回連続して制御された場合に前記特別状態から前記通常状態に移行するタイミングにおいては、前記所定頻度表示演出を実行せずに、複数回の前記特別状態に対応する前記有利状態中に付与された遊技媒体の数を表示する総数表示演出を実行する(例えば、ステップ048AKS051にてYesと判定した場合にステップ048AKS054の処理を実行するなど)、
ようにしてもよい。
【0029】
このような構成によれば、所定頻度表示演出に代えて総数表示演出が実行されるため遊技興趣を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】この実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図である。
【
図2】パチンコ遊技機に搭載された各種の制御基板などを示す構成図である。
【
図3】遊技制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。
【
図4】遊技制御用タイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。
【
図5】特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】演出制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。
【
図8-1】パチンコ遊技機に搭載された各種の制御基板などを示す構成図である。
【
図8-3】遊技機用枠を開放した状態のパチンコ遊技機の背面斜視図である。
【
図8-4】表示結果判定テーブルを示す説明図である。
【
図8-5】特徴部112IWにおける遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。
【
図8-6】特徴部112IWにおける遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。
【
図8-7】特徴部112IWにおける遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。
【
図8-8】電源投入時に実行される処理を示す説明図である。
【
図8-9】設定変更処理における表示モニタの表示態様を示す説明図である。
【
図9-1】特徴部53AKの予告Xの実行割合、出現率、信頼度の一例を示す図である。
【
図9-2】特徴部53AKの予告Xの他の実行割合、出現率、信頼度の一例を示す図である。
【
図9-3】特徴部53AKの予告Yの実行割合、出現率の一例を示す図である。
【
図9-4】特徴部53AKの予告Zの実行割合、出現率の一例を示す図である。
【
図9-5】特徴部53AKの演出動作例を示す図である。
【
図10-1】特徴部57AKの演出動作例を示す図である。
【
図10-2】特徴部57AKの特定表示処理を示すフローチャートである。
【
図10-3】特定表示処理における決定割合を示す図である。
【
図10-4】特定表示の表示態様の変化タイミングを示す図である。
【
図10-5】特徴部57AKの特定表示の表示変化パターンを示す図である。
【
図10-7】特徴部57AKの変形例の演出動作例を示す図である。
【
図11-2】表示結果判定テーブルを示す説明図である。
【
図11-3】表示結果判定テーブルを示す説明図である。
【
図11-4】表示結果判定テーブルを示す説明図である。
【
図11-5】表示結果判定テーブルを示す説明図である。
【
図11-6】表示結果判定テーブルを示す説明図である。
【
図11-7】表示結果判定テーブルを示す説明図である。
【
図11-8】通常状態または時短状態での第1特図の可変表示における大当りの数値範囲と小当りの数値範囲を示す図である。
【
図11-9】確変状態での第1特図の可変表示における大当りの数値範囲と小当りの数値範囲を示す図である。
【
図11-10】通常状態または時短状態での第2特図の可変表示における大当りの数値範囲と小当りの数値範囲を示す図である。
【
図11-11】確変状態での第2特図の可変表示における大当りの数値範囲と小当りの数値範囲を示す図である。
【
図11-12】大当り種別判定テーブルを示す説明図である。
【
図11-13】遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。
【
図11-14】(A)はRAMクリア処理を示すフローチャートであり、(B)はRAMの概略図である。
【
図11-15】設定変更処理を示すフローチャートである。
【
図11-16】設定確認処理を示すフローチャートである。
【
図11-17】入賞時乱数値判定処理を示すフローチャートである。
【
図11-18】特別図柄通常処理を示すフローチャートである。
【
図11-19】可変表示結果判定モジュールを示すフローチャートである。
【
図11-20】先読み予告設定処理内の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図11-21】先読みチャンス目の実行有無等の決定割合の一例を示す説明図である。
【
図11-22】可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。
【
図11-23】非リーチハズレ停止図柄等決定処理の一例を示すフローチャートである。
【
図11-24】所定表示決定処理の一例を示すフローチャートである。
【
図11-25】所定表示の実行有無とその決定割合の一例を示す説明図である。
【
図11-26】所定表示の種類とその決定割合の一例を示す説明図である。
【
図11-27】最終変動演出設定処理の一例を示すフローチャートである。
【
図11-28】所定表示や種類毎のカウント値表示が行われた場合における演出動作例を示す図である。
【
図11-29】変形例における大当りの数値範囲と小当りの数値範囲を示す図である。
【
図11-30】変形例における大当りの数値範囲と小当りの数値範囲を示す図である。
【
図11-31】変形例における大当りの数値範囲と小当りの数値範囲を示す図である。
【
図11-32】変形例における大当りの数値範囲と小当りの数値範囲を示す図である。
【
図12-1】(A)は、演出モード決定処理の一例を示すフローチャートであり、(B)は、演出モード記憶バッファの構成例を示す図である。
【
図12-2】次回演出モードの決定割合の一例を示す説明図である。
【
図12-3】設定示唆演出処理の一例を示すフローチャートである。
【
図12-4】設定示唆演出の実行有無とその決定割合の一例を示す説明図である。
【
図12-5】設定示唆演出の種類とその決定割合の一例を示す説明図である。
【
図12-6】可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。
【
図12-7】モード示唆演出設定処理の一例を示すフローチャートである。
【
図12-8】モード示唆演出の種類とその決定割合の一例を示す説明図である。
【
図12-9】遊技状態と演出状態の遷移を示すタイミングチャートである。
【
図12-10】設定示唆演出の種類とその決定割合の一例を示す説明図である。
【
図13-1】可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。
【
図13-2】特定演出実行設定処理の一例を示すフローチャートである。
【
図13-3】特定演出の実行有無とその決定割合の一例を示す説明図である。
【
図13-4】特定演出の種類とその決定割合の一例を示す説明図である。
【
図13-5】特別演出処理の一例を示すフローチャートである。
【
図13-6】特別演出の種類とその決定割合の一例を示す説明図である。
【
図13-7】特定演出と特別演出が実行された場合における演出動作例を示す図である。
【
図13-8】特定演出として表示されるキャラクタ画像としてアイキャッチ画像を表示する場合における演出動作例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
(基本説明)
まず、パチンコ遊技機1の基本的な構成及び制御(一般的なパチンコ遊技機の構成及び制御でもある。)について説明する。
【0032】
(パチンコ遊技機1の構成等)
図1は、パチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、遊技領域が形成され、この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
【0033】
遊技盤2の所定位置(
図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、複数種類の特別識別情報としての特別図柄(特図ともいう)の可変表示(特図ゲームともいう)を行う第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bが設けられている。これらは、それぞれ、7セグメントのLEDなどからなる。特別図柄は、「0」~「9」を示す数字や「-」などの点灯パターンなどにより表される。特別図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。
【0034】
なお、特別図柄の「可変表示」とは、例えば、複数種類の特別図柄を変動可能に表示することである(後述の他の図柄についても同じ)。変動としては、複数の図柄の更新表示、複数の図柄のスクロール表示、1以上の図柄の変形、1以上の図柄の拡大/縮小などがある。特別図柄や後述の普通図柄の変動では、複数種類の特別図柄又は普通図柄が更新表示される。後述の飾り図柄の変動では、複数種類の飾り図柄がスクロール表示又は更新表示されたり、1以上の飾り図柄が変形や拡大/縮小されたりする。なお、変動には、ある図柄を点滅表示する態様も含まれる。可変表示の最後には、表示結果として所定の特別図柄が停止表示(導出又は導出表示などともいう)される(後述の他の図柄の可変表示についても同じ)。なお、可変表示を変動表示、変動と表現する場合がある。
【0035】
なお、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。また、第1特図を用いた特図ゲームを「第1特図ゲーム」といい、第2特図を用いた特図ゲームを「第2特図ゲーム」ともいう。なお、特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示装置は1種類であってもよい。
【0036】
遊技盤2における遊技領域の中央付近には画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)や有機EL(Electro Luminescence)等から構成され、各種の演出画像を表示する。画像表示装置5は、プロジェクタ及びスクリーンから構成されていてもよい。画像表示装置5には、各種の演出画像が表示される。
【0037】
例えば、画像表示装置5の画面上では、第1特図ゲームや第2特図ゲームと同期して、特別図柄とは異なる複数種類の装飾識別情報としての飾り図柄(数字などを示す図柄など)の可変表示が行われる。ここでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームに同期して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄が可変表示(例えば上下方向のスクロール表示や更新表示)される。なお、同期して実行される特図ゲーム及び飾り図柄の可変表示を総称して単に可変表示ともいう。
【0038】
画像表示装置5の画面上には、実行が保留されている可変表示に対応する保留表示や、実行中の可変表示に対応するアクティブ表示を表示するための表示エリアが設けられていてもよい。保留表示及びアクティブ表示を総称して可変表示に対応する可変表示対応表示ともいう。
【0039】
保留されている可変表示の数は保留記憶数ともいう。第1特図ゲームに対応する保留記憶数を第1保留記憶数、第2特図ゲームに対応する保留記憶数を第2保留記憶数ともいう。また、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計を合計保留記憶数ともいう。
【0040】
また、遊技盤2の所定位置には、複数のLEDを含んで構成された第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられ、第1保留表示器25Aは、LEDの点灯個数によって、第1保留記憶数を表示し、第2保留表示器25Bは、LEDの点灯個数によって、第2保留記憶数を表示する。
【0041】
画像表示装置5の下方には、入賞球装置6Aと、可変入賞球装置6Bとが設けられている。
【0042】
入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に遊技球が進入可能な一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。第1始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第1特図ゲームが開始され得る。
【0043】
可変入賞球装置6B(普通電動役物)は、ソレノイド81(
図2参照)によって閉鎖状態と開放状態とに変化する第2始動入賞口を形成する。可変入賞球装置6Bは、例えば、一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物を備え、ソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、当該可動翼片の先端が入賞球装置6Aに近接し、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態になる(第2始動入賞口が閉鎖状態になるともいう。)。その一方で、可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態になる(第2始動入賞口が開放状態になるともいう。)。第2始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第2特図ゲームが開始され得る。なお、可変入賞球装置6Bは、閉鎖状態と開放状態とに変化するものであればよく、電動チューリップ型役物を備えるものに限定されない。
【0044】
遊技盤2の所定位置(
図1に示す例では、遊技領域の左右下方4箇所)には、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる一般入賞口10が設けられる。この場合には、一般入賞口10のいずれかに進入したときには、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。
【0045】
入賞球装置6Aと可変入賞球装置6Bの下方には、大入賞口を有する特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、ソレノイド82(
図2参照)によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
【0046】
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用(特別電動役物用)のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。
【0047】
大入賞口に遊技球が進入したときには、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口及び一般入賞口10に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。
【0048】
一般入賞口10を含む各入賞口に遊技球が進入することを「入賞」ともいう。特に、始動口(第1始動入賞口、第2始動入賞口)への入賞を始動入賞ともいう。
【0049】
遊技盤2の所定位置(
図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄とは異なる複数種類の普通識別情報としての普通図柄の可変表示を行う。普通図柄は、「0」~「9」を示す数字や「-」などの点灯パターンなどにより表される。普通図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲームともいう。
【0050】
画像表示装置5の左方には、遊技球が通過可能な通過ゲート41が設けられている。遊技球が通過ゲート41を通過したことに基づき、普図ゲームが実行される。
【0051】
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、実行が保留されている普図ゲームの数である普図保留記憶数をLEDの点灯個数により表示する。
【0052】
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
【0053】
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果用の遊技効果ランプ9が設けられている。遊技効果ランプ9は、LEDを含んで構成されている。
【0054】
遊技盤2の所定位置(
図1では図示略)には、演出に応じて動作する可動体32が設けられている。
【0055】
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技球を打球発射装置により遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)30が設けられている。
【0056】
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する打球供給皿(上皿)が設けられている。上皿の下方には、上皿満タン時に賞球が払い出される打球供給皿(下皿)が設けられている。
【0057】
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aには、遊技者が押下操作可能なトリガボタンが設けられている。スティックコントローラ31Aに対する操作は、コントローラセンサユニット35A(
図2参照)により検出される。
【0058】
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bに対する操作は、プッシュセンサ35B(
図2参照)により検出される。
【0059】
パチンコ遊技機1では、遊技者の動作(操作等)を検出する検出手段として、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bが設けられるが、これら以外の検出手段が設けられていてもよい。
【0060】
(遊技の進行の概略)
パチンコ遊技機1が備える打球操作ハンドル30への遊技者による回転操作により、遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技球が通過ゲート41を通過すると、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。なお、前回の普図ゲームの実行中の期間等に遊技球が通過ゲート41を通過した場合(遊技球が通過ゲート41を通過したが当該通過に基づく普図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該通過に基づく普図ゲームは所定の上限数(例えば4)まで保留される。
【0061】
この普図ゲームでは、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、普図当り図柄以外の普通図柄(普図ハズレ図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図ハズレ」となる。「普図当り」となると、可変入賞球装置6Bを所定期間開放状態とする開放制御が行われる(第2始動入賞口が開放状態になる)。
【0062】
入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に遊技球が進入すると、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームが開始される。
【0063】
可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に遊技球が進入すると、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームが開始される。
【0064】
なお、特図ゲームの実行中の期間や、後述する大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されている期間に、遊技球が始動入賞口へ進入(入賞)した場合(始動入賞が発生したが当該始動入賞に基づく特図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該進入に基づく特図ゲームは所定の上限数(例えば4)までその実行が保留される。
【0065】
特図ゲームにおいて、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄、例えば「7」、後述の大当り種別に応じて実際の図柄は異なる。)が停止表示されれば、「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄、例えば「2」)が停止表示されれば、「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄(ハズレ図柄、例えば「-」)が停止表示されれば「ハズレ」となる。
【0066】
特図ゲームでの表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利な有利状態として大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの表示結果が「小当り」になった後には、小当り遊技状態に制御される。
【0067】
大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が所定の態様で開放状態となる。当該開放状態は、所定期間(例えば29秒間や1.8秒間)の経過タイミングと、大入賞口に進入した遊技球の数が所定個数(例えば9個)に達するまでのタイミングと、のうちのいずれか早いタイミングまで継続される。前記所定期間は、1ラウンドにおいて大入賞口を開放することができる上限期間であり、以下、開放上限期間ともいう。このように大入賞口が開放状態となる1のサイクルをラウンド(ラウンド遊技)という。大当り遊技状態では、当該ラウンドが所定の上限回数(15回や2回)に達するまで繰り返し実行可能となっている。
【0068】
大当り遊技状態においては、遊技者は、遊技球を大入賞口に進入させることで、賞球を得ることができる。従って、大当り遊技状態は、遊技者にとって有利な状態である。大当り遊技状態におけるラウンド数が多い程、また、開放上限期間が長い程遊技者にとって有利となる。
【0069】
なお、「大当り」には、大当り種別が設定されている。例えば、大入賞口の開放態様(ラウンド数や開放上限期間)や、大当り遊技状態後の遊技状態(後述の、通常状態、時短状態、確変状態など)を複数種類用意し、これらに応じて大当り種別が設定されている。大当り種別として、多くの賞球を得ることができる大当り種別や、賞球の少ない又はほとんど賞球を得ることができない大当り種別が設けられていてもよい。
【0070】
小当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が所定の開放態様で開放状態となる。例えば、小当り遊技状態では、一部の大当り種別のときの大当り遊技状態と同様の開放態様(大入賞口の開放回数が上記ラウンド数と同じであり、かつ、大入賞口の閉鎖タイミングも同じ等)で大入賞口が開放状態となる。なお、大当り種別と同様に、「小当り」にも小当り種別を設けてもよい。
【0071】
大当り遊技状態が終了した後は、上記大当り種別に応じて、時短状態や確変状態に制御されることがある。
【0072】
時短状態では、平均的な特図変動時間(特図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させる制御(時短制御)が実行される。時短状態では、平均的な普図変動時間(普図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させたり、普図ゲームで「普図当り」となる確率を通常状態よりも向上させる等により、第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくなる制御(高開放制御、高ベース制御)も実行される。時短状態は、特別図柄(特に第2特別図柄)の変動効率が向上する状態であるので、遊技者にとって有利な状態である。
【0073】
確変状態(確率変動状態)では、時短制御に加えて、表示結果が「大当り」となる確率が通常状態よりも高くなる確変制御が実行される。確変状態は、特別図柄の変動効率が向上することに加えて「大当り」となりやすい状態であるので、遊技者にとってさらに有利な状態である。
【0074】
時短状態や確変状態は、所定回数の特図ゲームが実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたこと等といった、いずれか1つの終了条件が先に成立するまで継続する。所定回数の特図ゲームが実行されたことが終了条件となるものを、回数切り(回数切り時短、回数切り確変等)ともいう。
【0075】
通常状態とは、遊技者にとって有利な大当り遊技状態等の有利状態、時短状態、確変状態等の特別状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける表示結果が「普図当り」となる確率及び特図ゲームにおける表示結果が「大当り」となる確率などのパチンコ遊技機1が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
【0076】
確変制御が実行されている状態を高確状態、確変制御が実行されていない状態を低確状態ともいう。時短制御が実行されている状態を高ベース状態、時短制御が実行されていない状態を低ベース状態ともいう。これらを組み合わせて、時短状態は低確高ベース状態、確変状態は高確高ベース状態、通常状態は低確低ベース状態などともいわれる。高確状態かつ低ベース状態は高確低ベース状態ともいう。
【0077】
小当り遊技状態が終了した後は、遊技状態の変更が行われず、特図ゲームの表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される(但し、「小当り」発生時の特図ゲームが、上記回数切りにおける上記所定回数目の特図ゲームである場合には、当然遊技状態が変更される)。なお、特図ゲームの表示結果として「小当り」がなくてもよい。
【0078】
なお、遊技状態は、大当り遊技状態中に遊技球が特定領域(例えば、大入賞口内の特定領域)を通過したことに基づいて、変化してもよい。例えば、遊技球が特定領域を通過したとき、その大当り遊技状態後に確変状態に制御してもよい。
【0079】
(演出の進行など)
パチンコ遊技機1では、遊技の進行に応じて種々の演出(遊技の進行状況を報知したり、遊技を盛り上げたりする演出)が実行される。当該演出について以下説明する。なお、当該演出は、画像表示装置5に各種の演出画像を表示することによって行われるが、当該表示に加えて又は代えて、スピーカ8L、8Rからの音声出力、及び/又は、遊技効果ランプ9の点等/消灯、可動体32の動作等により行われてもよい。
【0080】
遊技の進行に応じて実行される演出として、画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。第1特図ゲームや第2特図ゲームにおいて表示結果(確定特別図柄ともいう。)が停止表示されるタイミングでは、飾り図柄の可変表示の表示結果となる確定飾り図柄(3つの飾り図柄の組合せ)も停止表示(導出)される。
【0081】
飾り図柄の可変表示が開始されてから終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示の態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が後述の大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄については可変表示が継続している態様などのことである。
【0082】
また、飾り図柄の可変表示中に上記リーチ態様となったことに対応してリーチ演出が実行される。パチンコ遊技機1では、演出態様に応じて表示結果(特図ゲームの表示結果や飾り図柄の可変表示の表示結果)が「大当り」となる割合(大当り信頼度、大当り期待度とも呼ばれる。)が異なる複数種類のリーチ演出が実行される。リーチ演出には、例えば、ノーマルリーチと、ノーマルリーチよりも大当り信頼度の高いスーパーリーチと、がある。
【0083】
特図ゲームの表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「大当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示される。
【0084】
大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御される「確変大当り」である場合には、奇数の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示され、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されない「非確変大当り(通常大当り)」である場合には、偶数の飾り図柄(例えば、「6」等)が揃って停止表示されるようにしてもよい。この場合、奇数の飾り図柄を確変図柄、偶数の飾り図柄を非確変図柄(通常図柄)ともいう。非確変図柄でリーチ態様となった後に、最終的に「確変大当り」となる昇格演出を実行するようにしてもよい。
【0085】
特図ゲームの表示結果が「小当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた小当り組合せとなる確定飾り図柄(例えば、「1 3 5」等)が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「小当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上にチャンス目を構成する飾り図柄が停止表示される。なお、特図ゲームの表示結果が、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別)の「大当り」となるときと、「小当り」となるときとで、共通の確定飾り図柄が導出表示されてもよい。
【0086】
特図ゲームの表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様とならずに、飾り図柄の可変表示の表示結果として、非リーチ組合せの確定飾り図柄(「非リーチハズレ」ともいう。)が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「非リーチハズレ」となる)ことがある。また、表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様となった後に、飾り図柄の可変表示の表示結果として、大当り組合せでない所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ」ともいう)の確定飾り図柄が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「リーチハズレ」となる)こともある。
【0087】
パチンコ遊技機1が実行可能な演出には、上記の可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)を表示することも含まれる。また、他の演出として、例えば、大当り信頼度を予告する予告演出等が飾り図柄の可変表示中に実行される。予告演出には、実行中の可変表示における大当り信頼度を予告する予告演出や、実行前の可変表示(実行が保留されている可変表示)における大当り信頼度を予告する先読み予告演出がある。先読み予告演出として、可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)の表示態様を通常とは異なる態様に変化させる演出が実行されるようにしてもよい。
【0088】
また、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示中に飾り図柄を一旦仮停止させた後に可変表示を再開させることで、1回の可変表示を擬似的に複数回の可変表示のように見せる擬似連演出を実行するようにしてもよい。
【0089】
大当り遊技状態中にも、大当り遊技状態を報知する大当り中演出が実行される。大当り中演出としては、ラウンド数を報知する演出や、大当り遊技状態の価値が向上することを示す昇格演出が実行されてもよい。また、小当り遊技状態中にも、小当り遊技状態を報知する小当り中演出が実行される。なお、小当り遊技状態中と、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別で、例えばその後の遊技状態を高確状態とする大当り種別)での大当り遊技状態とで、共通の演出を実行することで、現在が小当り遊技状態中であるか、大当り遊技状態中であるかを遊技者に分からないようにしてもよい。そのような場合であれば、小当り遊技状態の終了後と大当り遊技状態の終了後とで共通の演出を実行することで、高確状態であるか低確状態であるかを識別できないようにしてもよい。
【0090】
また、例えば特図ゲーム等が実行されていないときには、画像表示装置5にデモ(デモンストレーション)画像が表示される(客待ちデモ演出が実行される)。
【0091】
(基板構成)
パチンコ遊技機1には、例えば
図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、中継基板15などが搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1の背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、電源基板などといった、各種の基板が配置されている。
【0092】
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における上記遊技の進行(特図ゲームの実行(保留の管理を含む)、普図ゲームの実行(保留の管理を含む)、大当り遊技状態、小当り遊技状態、遊技状態など)を制御する機能を有する。主基板11は、遊技制御用マイクロコンピュータ100、スイッチ回路110、ソレノイド回路111などを有する。
【0093】
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、ROM(Read Only Memory)101と、RAM(Random Access Memory)102と、CPU(Central Processing Unit)103と、乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備える。
【0094】
CPU103は、ROM101に記憶されたプログラムを実行することにより、遊技の進行を制御する処理(主基板11の機能を実現する処理)を行う。このとき、ROM101が記憶する各種データ(後述の変動パターン、後述の演出制御コマンド、後述の各種決定を行う際に参照される各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM102がメインメモリとして使用される。RAM102は、その一部または全部がパチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間記憶内容が保存されるバックアップRAMとなっている。なお、ROM101に記憶されたプログラムの全部又は一部をRAM102に展開して、RAM102上で実行するようにしてもよい。
【0095】
乱数回路104は、遊技の進行を制御するときに使用される各種の乱数値(遊技用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。遊技用乱数は、CPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
【0096】
I/O105は、例えば各種信号(後述の検出信号)が入力される入力ポートと、各種信号(第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどを制御(駆動)する信号、ソレノイド駆動信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
【0097】
スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチ(ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23)からの検出信号(遊技球が通過又は進入してスイッチがオンになったことを示す検出信号など)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。検出信号の伝送により、遊技球の通過又は進入が検出されたことになる。
【0098】
ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオンする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
【0099】
主基板11(遊技制御用マイクロコンピュータ100)は、遊技の進行の制御の一部として、遊技の進行に応じて演出制御コマンド(遊技の進行状況等を指定(通知)するコマンド)を演出制御基板12に供給する。主基板11から出力された演出制御コマンドは、中継基板15により中継され、演出制御基板12に供給される。当該演出制御コマンドには、例えば主基板11における各種の決定結果(例えば、特図ゲームの表示結果(大当り種別を含む。)、特図ゲームを実行する際に使用される変動パターン(詳しくは後述))、遊技の状況(例えば、可変表示の開始や終了、大入賞口の開放状況、入賞の発生、保留記憶数、遊技状態)、エラーの発生等を指定するコマンド等が含まれる。
【0100】
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、演出制御コマンドを受信し、受信した演出制御コマンドに基づいて演出(遊技の進行に応じた種々の演出であり、可動体32の駆動、エラー報知、電断復旧の報知等の各種報知を含む)を実行する機能を有する。
【0101】
演出制御基板12には、演出制御用CPU120と、ROM121と、RAM122と、表示制御部123と、乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
【0102】
演出制御用CPU120は、ROM121に記憶されたプログラムを実行することにより、表示制御部123とともに演出を実行するための処理(演出制御基板12の上記機能を実現するための処理であり、実行する演出の決定等を含む)を行う。このとき、ROM121が記憶する各種データ(各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM122がメインメモリとして使用される。
【0103】
演出制御用CPU120は、コントローラセンサユニット35Aやプッシュセンサ35Bからの検出信号(遊技者による操作を検出したときに出力される信号であり、操作内容を適宜示す信号)に基づいて演出の実行を表示制御部123に指示することもある。
【0104】
表示制御部123は、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)などを備え、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、演出を実行する。
【0105】
表示制御部123は、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、実行する演出に応じた映像信号を画像表示装置5に供給することで、演出画像を画像表示装置5に表示させる。表示制御部123は、さらに、演出画像の表示に同期した音声出力や、遊技効果ランプ9の点灯/消灯を行うため、音指定信号(出力する音声を指定する信号)を音声制御基板13に供給したり、ランプ信号(ランプの点灯/消灯態様を指定する信号)をランプ制御基板14に供給したりする。また、表示制御部123は、可動体32を動作させる信号を当該可動体32又は当該可動体32を駆動する駆動回路に供給する。
【0106】
音声制御基板13は、スピーカ8L、8Rを駆動する各種回路を搭載しており、当該音指定信号に基づきスピーカ8L、8Rを駆動し、当該音指定信号が指定する音声をスピーカ8L、8Rから出力させる。
【0107】
ランプ制御基板14は、遊技効果ランプ9を駆動する各種回路を搭載しており、当該ランプ信号に基づき遊技効果ランプ9を駆動し、当該ランプ信号が指定する態様で遊技効果ランプ9を点灯/消灯する。このようにして、表示制御部123は、音声出力、ランプの点灯/消灯を制御する。
【0108】
なお、音声出力、ランプの点灯/消灯の制御(音指定信号やランプ信号の供給等)、可動体32の制御(可動体32を動作させる信号の供給等)は、演出制御用CPU120が実行するようにしてもよい。
【0109】
乱数回路124は、各種演出を実行するために使用される各種の乱数値(演出用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。演出用乱数は、演出制御用CPU120が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
【0110】
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、各種信号(映像信号、音指定信号、ランプ信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
【0111】
演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、主基板11以外の基板をサブ基板ともいう。パチンコ遊技機1のようにサブ基板が機能別に複数設けられていてもよいし、1のサブ基板が複数の機能を有するように構成してもよい。
【0112】
(動作)
次に、パチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
【0113】
(主基板11の主要な動作)
まず、主基板11における主要な動作を説明する。パチンコ遊技機1に対して電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理が実行される。
図3は、主基板11におけるCPU103が実行する遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。
【0114】
図3に示す遊技制御メイン処理では、CPU103は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。続いて、必要な初期設定を行う(ステップS2)。初期設定には、スタックポインタの設定、内蔵デバイス(CTC(カウンタ/タイマ回路)、パラレル入出力ポート等)のレジスタ設定、RAM102をアクセス可能状態にする設定等が含まれる。
【0115】
次いで、クリアスイッチからの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップS3)。クリアスイッチは、例えば電源基板に搭載されている。クリアスイッチがオンの状態で電源が投入されると、出力信号(クリア信号)が入力ポートを介して遊技制御用マイクロコンピュータ100に入力される。クリアスイッチからの出力信号がオンである場合(ステップS3;Yes)、初期化処理(ステップS8)を実行する。初期化処理では、CPU103は、RAM102に記憶されるフラグ、カウンタ、バッファをクリアするRAMクリア処理を行い、作業領域に初期値を設定する。
【0116】
また、CPU103は、初期化を指示する演出制御コマンドを演出制御基板12に送信する(ステップS9)。演出制御用CPU120は、当該演出制御コマンドを受信すると、例えば画像表示装置5において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示を行う。
【0117】
クリアスイッチからの出力信号がオンでない場合には(ステップS3;No)、RAM102(バックアップRAM)にバックアップデータが保存されているか否かを判定する(ステップS4)。不測の停電等(電断)によりパチンコ遊技機1への電力供給が停止したときには、CPU103は、当該電力供給の停止によって動作できなくなる直前に、電源供給停止時処理を実行する。この電源供給停止時処理では、RAM102にデータをバックアップすることを示すバックアップフラグをオンする処理、RAM102のデータ保護処理等が実行される。データ保護処理には、誤り検出符号(チェックサム、パリティビット等)の付加、各種データをバックアップする処理が含まれる。バックアップされるデータには、遊技を進行するための各種データ(各種フラグ、各種タイマの状態等を含む)の他、前記バックアップフラグの状態や誤り検出符号も含まれる。ステップS4では、バックアップフラグがオンであるか否かを判定する。バックアップフラグがオフでRAM102にバックアップデータが記憶されていない場合(ステップS4;No)、初期化処理(ステップS8)を実行する。
【0118】
RAM102にバックアップデータが記憶されている場合(ステップS4;Yes)、CPU103は、バックアップしたデータのデータチェックを行い(誤り検出符号を用いて行われる)、データが正常か否かを判定する(ステップS5)。ステップS5では、例えば、パリティビットやチェックサムにより、RAM102のデータが、電力供給停止時のデータと一致するか否かを判定する。これらが一致すると判定された場合、RAM102のデータが正常であると判定する。
【0119】
RAM102のデータが正常でないと判定された場合(ステップS5;No)、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、初期化処理(ステップS8)を実行する。
【0120】
RAM102のデータが正常であると判定された場合(ステップS5;Yes)、CPU103は、主基板11の内部状態を電力供給停止時の状態に戻すための復旧処理(ステップS6)を行う。復旧処理では、CPU103は、RAM102の記憶内容(バックアップしたデータの内容)に基づいて作業領域の設定を行う。これにより、電力供給停止時の遊技状態に復旧し、特別図柄の変動中であった場合には、後述の遊技制御用タイマ割込み処理の実行によって、復旧前の状態から特別図柄の変動が再開されることになる。
【0121】
そして、CPU103は、電断からの復旧を指示する演出制御コマンドを演出制御基板12に送信する(ステップS7)。これに合わせて、バックアップされている電断前の遊技状態を指定する演出制御コマンドや、特図ゲームの実行中であった場合には当該実行中の特図ゲームの表示結果を指定する演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。これらコマンドは、後述の特別図柄プロセス処理で送信設定されるコマンドと同じコマンドを使用できる。演出制御用CPU120は、電断からの復旧時を特定する演出制御コマンドを受信すると、例えば画像表示装置5において、電断からの復旧がなされたこと又は電断からの復旧中であることを報知するための画面表示を行う。演出制御用CPU120は、前記演出制御コマンドに基づいて、適宜の画面表示を行うようにしてもよい。
【0122】
復旧処理または初期化処理を終了して演出制御基板12に演出制御コマンドを送信した後には、CPU103は、乱数回路104を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS10)。そして、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行い(ステップS11)、割込みを許可する(ステップS12)。その後、ループ処理に入る。以後、所定時間(例えば2ms)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。
【0123】
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、
図4のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。
図4に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチからの検出信号の受信の有無を判定する(ステップS21)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS22)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報(大当りの発生回数等を示す情報)、始動情報(始動入賞の回数等を示す情報)、確率変動情報(確変状態となった回数等を示す情報)などのデータを出力する(ステップS23)。
【0124】
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS24)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS25)。CPU103がタイマ割込み毎に特別図柄プロセス処理を実行することにより、特図ゲームの実行及び保留の管理や、大当り遊技状態や小当り遊技状態の制御、遊技状態の制御などが実現される(詳しくは後述)。
【0125】
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS26)。CPU103がタイマ割込み毎に普通図柄プロセス処理を実行することにより、ゲートスイッチ21からの検出信号に基づく(通過ゲート41に遊技球が通過したことに基づく)普図ゲームの実行及び保留の管理や、「普図当り」に基づく可変入賞球装置6Bの開放制御などを可能にする。普図ゲームの実行は、普通図柄表示器20を駆動することにより行われ、普図保留表示器25Cを点灯させることにより普図保留数を表示する。
【0126】
普通図柄プロセス処理を実行した後、遊技制御用タイマ割込み処理の一部として、電断が発生したときの処理、賞球を払い出すための処理等などが行われてもよい。その後、CPU103は、コマンド制御処理を実行する(ステップS27)。CPU103は、上記各処理にて演出制御コマンドを送信設定することがある。ステップS27のコマンド制御処理では、送信設定された演出制御コマンドを演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して伝送させる処理が行われる。コマンド制御処理を実行した後には、割込みを許可してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
【0127】
図5は、特別図柄プロセス処理として、
図4に示すステップS25にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。
【0128】
始動入賞判定処理では、始動入賞の発生を検出し、RAM102の所定領域に保留情報を格納し保留記憶数を更新する処理が実行される。始動入賞が発生すると、表示結果(大当り種別を含む)や変動パターンを決定するための乱数値が抽出され、保留情報として記憶される。また、抽出した乱数値に基づいて、表示結果や変動パターンを先読み判定する処理が実行されてもよい。保留情報や保留記憶数を記憶した後には、演出制御基板12に始動入賞の発生、保留記憶数、先読み判定等の判定結果を指定するための演出制御コマンドを送信するための送信設定が行われる。こうして送信設定された始動入賞時の演出制御コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、
図4に示すステップS27のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
【0129】
S101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110~S120の処理のいずれかを選択して実行する。なお、特別図柄プロセス処理の各処理(ステップS110~S120)では、各処理に対応した演出制御コマンドを演出制御基板12に送信するための送信設定が行われる。
【0130】
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される。この特別図柄通常処理では、保留情報の有無などに基づいて、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、表示結果決定用の乱数値に基づき、特別図柄や飾り図柄の表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かや「大当り」とする場合の大当り種別を、その表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、決定された表示結果に対応して、特図ゲームにおいて停止表示させる確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。その後、特図プロセスフラグの値が“1”に更新され、特別図柄通常処理は終了する。なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるようにしてもよい(特
図2優先消化ともいう)。また、第1始動入賞口及び第2始動入賞口への遊技球の入賞順序を記憶し、入賞順に特図ゲームの開始条件を成立させるようにしてもよい(入賞順消化ともいう)。
【0131】
乱数値に基づき各種の決定を行う場合には、ROM101に格納されている各種のテーブル(乱数値と比較される決定値が決定結果に割り当てられているテーブル)が参照される。主基板11における他の決定、演出制御基板12における各種の決定についても同じである。演出制御基板12においては、各種のテーブルがROM121に格納されている。
【0132】
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果等に基づき、変動パターン決定用の乱数値を用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理では、変動パターンを決定したときに、特図プロセスフラグの値が“2”に更新され、変動パターン設定処理は終了する。
【0133】
変動パターンは、特図ゲームの実行時間(特図変動時間)(飾り図柄の可変表示の実行時間でもある)や、飾り図柄の可変表示の態様(リーチの有無等)、飾り図柄の可変表示中の演出内容(リーチ演出の種類等)を指定するものであり、可変表示パターンとも呼ばれる。
【0134】
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新され、特別図柄変動処理は終了する。
【0135】
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、表示結果が「大当り」である場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、表示結果が「小当り」である場合には、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、表示結果が「ハズレ」である場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。表示結果が「小当り」又は「ハズレ」である場合、時短状態や確変状態に制御されているときであって、回数切りの終了成立する場合には、遊技状態も更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、特別図柄停止処理は終了する。
【0136】
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。大入賞口を開放状態とするときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対してソレノイド駆動信号を供給する処理が実行される。このときには、例えば大当り種別がいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする開放上限期間や、ラウンドの上限実行回数を設定する。これらの設定が終了すると、特図プロセスフラグの値が“5”に更新され、大当り開放前処理は終了する。
【0137】
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新し、大当り開放中処理を終了する。
【0138】
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が設定された上限実行回数に達したか否かを判定する処理や、上限実行回数に達した場合に大当り遊技状態を終了させるための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、大当り解放後処理は終了する。
【0139】
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、大当り終了処理は終了する。
【0140】
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、表示結果が「小当り」となったことに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新され、小当り開放前処理は終了する。
【0141】
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻して小当り遊技状態の終了タイミングとなったときには、特図プロセスフラグの値が“10”に更新され、小当り開放中処理は終了する。
【0142】
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、小当り終了処理は終了する。
【0143】
(演出制御基板12の主要な動作)
次に、演出制御基板12における主要な動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、
図6のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。
図6に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。また、初期動作制御処理を実行する(ステップS72)。初期動作制御処理では、可動体32を駆動して初期位置に戻す制御、所定の動作確認を行う制御といった可動体32の初期動作を行う制御が実行される。
【0144】
その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS73)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS73;No)、ステップS73の処理を繰り返し実行して待機する。
【0145】
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11からの演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドを取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
【0146】
ステップS73にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS73;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS74)、コマンド解析処理を実行する(ステップS75)。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。例えば、どの演出制御コマンドを受信したかや演出制御コマンドが特定する内容等を演出制御プロセス処理等で確認できるように、読み出された演出制御コマンドをRAM122の所定領域に格納したり、RAM122に設けられた受信フラグをオンしたりする。また、演出制御コマンドが遊技状態を特定する場合、遊技状態に応じた背景の表示を表示制御部123に指示してもよい。
【0147】
ステップS75にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS76)。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、可動体32の駆動動作といった、各種の演出装置を動作させる制御が行われる。また、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
【0148】
ステップS76の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS77)、演出制御基板12の側で用いられる演出用乱数の少なくとも一部がソフトウェアにより更新される。その後、ステップS73の処理に戻る。ステップS73の処理に戻る前に、他の処理が実行されてもよい。
【0149】
図7は、演出制御プロセス処理として、
図6のステップS76にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図7に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、まず、先読予告設定処理を実行する(ステップS161)。先読予告設定処理では、例えば、主基板11から送信された始動入賞時の演出制御コマンドに基づいて、先読み予告演出を実行するための判定や決定、設定などが行われる。また、当該演出制御コマンドから特定される保留記憶数に基づき保留表示を表示するための処理が実行される。
【0150】
ステップS161の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、例えばRAM122に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170~S177の処理のいずれかを選択して実行する。
【0151】
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11から可変表示の開始を指定するコマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始すると判定された場合、演出プロセスフラグの値を“1”に更新し、可変表示開始待ち処理を終了する。
【0152】
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理では、演出制御コマンドにより特定される表示結果や変動パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の表示結果(確定飾り図柄)、飾り図柄の可変表示の態様、リーチ演出や各種予告演出などの各種演出の実行の有無やその態様や実行開始タイミングなどを決定する。そして、その決定結果等を反映した演出制御パターン(表示制御部123に演出の実行を指示するための制御データの集まり)を設定する。その後、設定した演出制御パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の実行開始を表示制御部123に指示し、演出プロセスフラグの値を“2”に更新し、可変表示開始設定処理を終了する。表示制御部123は、飾り図柄の可変表示の実行開始の指示により、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示を開始させる。
【0153】
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、表示制御部123を指示することで、ステップS171にて設定された演出制御パターンに基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、可動体32を駆動させること、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を実行する。こうした演出制御を行った後、例えば演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から確定飾り図柄を停止表示させることを指定するコマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の表示結果となる確定飾り図柄を停止表示させる。確定飾り図柄を停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新され、可変表示中演出処理は終了する。
【0154】
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドを受信したきに、そのコマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を“6”に更新する。これに対して、そのコマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定するコマンドを受信せずに、当該コマンドの受信待ち時間が経過したときには、特図ゲームにおける表示結果が「ハズレ」であったと判定して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。演出プロセスフラグの値を更新すると、特図当り待ち処理を終了する。
【0155】
ステップS174の小当り中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板11から小当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新し、小当り中演出処理を終了する。
【0156】
ステップS175の小当り終了演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、小当り終了演出処理を終了する。
【0157】
ステップS176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11から大当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新し、大当り中演出処理を終了する。
【0158】
ステップS177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態の終了時におけるエンディング演出の各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、エンディング演出処理を終了する。
【0159】
(基本説明の変形例)
この発明は、上記基本説明で説明したパチンコ遊技機1に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、様々な変形及び応用が可能である。
【0160】
上記基本説明のパチンコ遊技機1は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機であったが、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機であってもよい。
【0161】
特別図柄の可変表示中に表示されるものは1種類の図柄(例えば、「-」を示す記号)だけで、当該図柄の表示と消灯とを繰り返すことによって可変表示を行うようにしてもよい。さらに可変表示中に当該図柄が表示されるものも、可変表示の停止時には、当該図柄が表示されなくてもよい(表示結果としては「-」を示す記号が表示されなくてもよい)。
【0162】
上記基本説明では、遊技機としてパチンコ遊技機1を示したが、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるゲームを実行可能なスロット機(例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、RT、AT、ART、CZ(以下、ボーナス等)のうち1以上を搭載するスロット機)にも本発明を適用可能である。
【0163】
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
【0164】
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
【0165】
なお、本明細書において、演出の実行割合などの各種割合の比較の表現(「高い」、「低い」、「異ならせる」などの表現)は、一方が「0%」の割合であることを含んでもよい。例えば、一方が「0%」の割合で、他方が「100%」の割合又は「100%」未満の割合であることも含む。
【0166】
(特徴部112IWに関する説明)
次に、特徴部112IWについて説明する。特徴部112IWのパチンコ遊技機1は、設定変更可能となっている。設定変更可能なパチンコ遊技機1においては、複数の設定値のいずれかに設定可能であり、設定された設定値に応じて異なる割合で有利状態(大当り遊技状態)に制御可能である。他の特徴部のパチンコ遊技機1においても特徴部112IWと同様に設定変更可能に構成してもよい。先ず、
図8-1及び
図8-2に示すように、パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、縦長の方形枠状に形成された外枠112IW001aと、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)112IW003とから構成されている。遊技盤2には、遊技領域が形成され、この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。また、遊技機用枠112IW003には、ガラス窓を有するガラス扉枠112IW003aが左側辺を中心として遊技機用枠112IW003の前面を開放する扉開放位置と該前面を閉鎖する扉閉鎖位置との間で回動可能に設けられ、該ガラス扉枠112IW003aにより遊技領域を開閉できるようになっており、ガラス扉枠112IW003aを閉鎖したときにガラス窓を通して遊技領域を透視できるようになっている。
【0167】
また、遊技機用枠112IW003は、遊技場の店員等が所有する扉キーを錠前に挿入して解錠することで開放可能となり、店員以外の遊技者等は遊技機用枠112IW003及びガラス扉枠112IW003aを開放することはできないようになっている。
【0168】
主基板11は、第1部材と第2部材とにより開放可能に構成された基板ケース112IW201に収納された状態でパチンコ遊技機1の背面に搭載されている。また、主基板11には、後述する設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キー112IW051と、設定変更状態において後述する大当りの当選確率(出玉率)等の設定値を変更するための設定スイッチとして機能する設定切替スイッチ112IW052が設けられている。
【0169】
これら設定キー112IW051及び設定切替スイッチ112IW052といった遊技者が操作可能な操作部が設けられた設定切替本体部は、主基板11とともに基板ケース112IW201内に収容されており、設定キー112IW051及び設定切替スイッチ112IW052は、基板ケース112IW201を開放しなくても操作可能となるように基板ケース112IW201の背面右部に形成された開口を介して背面側に露出している。
【0170】
設定キー112IW051及び設定切替スイッチ112IW052を有する基板ケース112IW201は、パチンコ遊技機1の背面に設けられているため、遊技機用枠112IW003を閉鎖した状態ではパチンコ遊技機1の正面側からの操作が不可能であり、所定の扉キーを用いて遊技機用枠112IW003を開放することで操作が可能となる。また、設定キー112IW051は、遊技場の店員等が所有する設定キーの操作を要することから、設定キーを所持する店員のみ操作が可能とされている。また、設定キー112IW051は、後述するONとOFFの切替操作を実行可能なスイッチでもある。尚、この特徴部112IWでは、扉キーと設定キーとが別個のキーである形態を例示したが、一のキーにて兼用されていてもよい。
【0171】
また、基板ケース112IW201には、表示モニタ112IW029と、該表示モニタ112IW029の表示を切り替えるための表示切替スイッチ112IW030が配置されている。これら表示モニタ112IW029及び表示切替スイッチ112IW030は、主基板11に接続されているとともに、基板ケース112IW201の左上部に配置されている。つまり、表示モニタ112IW029及び表示切替スイッチ112IW030は、基板ケース112IW201における主基板11を視認する際の正面に配置されている。主基板11は、遊技機用枠112IW003を開放していない状態では視認できないので、主基板11を視認する際の正面とは、遊技機用枠112IW003を開放した状態における遊技盤2の裏面側を視認する際の正面であり、パチンコ遊技機1の正面とは異なる。ただし、主基板11を視認する際の正面とパチンコ遊技機1の正面とが共通するようにしてもよい。
【0172】
前述したように、本特徴部112IWにおける設定キー112IW051や設定切替スイッチ112IW052は、遊技機用枠112IW003を閉鎖した状態ではパチンコ遊技機1の正面側からは操作が不可能となっているが、該パチンコ遊技機1が設置される遊技島の内側等から設定キー112IW051や設定切替スイッチ112IW052が操作される虞がある。そこで本特徴部112IWでは、
図8-2及び
図8-3に示すように外枠112IW001aの右端部には、遊技機用枠112IW003の閉鎖時に、設定キー112IW051と設定切替スイッチ112IW052とを含む基板ケース112IW201の右側部を背面側から被覆するセキュリティカバー112IW500Aが取り付けられている。このセキュリティカバー112IW500Aは、前後方向を向く短片112IW500Aaと、該短片112IW500Aaの後端部からパチンコ遊技機1の左側方に向けて伸びる長片112IW500Abと、を備える略L字状の部材であって、透過性を有する板状の合成樹脂材によって構成されている。短片112IW500Aaの上下寸法は、基板ケース112IW201の背板の上下寸法とほぼ同寸とされている。また、セキュリティカバー112IW500Aは、短片112IW500Aaの前端部を介して外枠112IW001aの右端部に固定されている。
【0173】
尚、
図8-2に示すように、長片112IW500Abは、遊技機用枠112IW003が閉鎖されている状態において、基板ケース112IW201の右部にパチンコ遊技機1の後方から当接(または近接)することによって設定キー112IW051と設定切替スイッチ112IW052とを含む基板ケース112IW201の右側部をパチンコ遊技機1の背面側から被覆する。このため、設定キー112IW051及び設定切替スイッチ112IW052は、長片112IW500Abによって操作不能な状態となる。一方で、
図8-3に示すように、遊技機用枠112IW003が開放されている状態においては、設定キー112IW051と設定切替スイッチ112IW052とは、遊技機用枠112IW003とともに移動して長片112IW500Abから離間することによって長片112IW500Abによる被覆状態が解除されることで操作可能な状態となる。
【0174】
つまり、本特徴部112IWにおけるパチンコ遊技機1は、遊技機用枠112IW003が閉鎖されている状態においては、セキュリティカバー112IW500Aによって設定キー112IW051と設定切替スイッチ112IW052を含む操作部に対する操作が規制される規制状態に維持される一方で、遊技機用枠112IW003が開放されている状態においては、前述したセキュリティカバー112IW500Aによる規制状態が解除され、設定キー112IW051と設定切替スイッチ112IW052との操作が許容される許容状態となる。
【0175】
基板ケース112IW201は、パチンコ遊技機1の背面側に設けられているため、遊技機用枠112IW003が閉鎖されている状態において、設定キー112IW051や設定切替スイッチ112IW052にアクセスすることは極めて困難であるため、遊技場の店員等が扉キーにより遊技機用枠112IW003を開放しない限り設定キー112IW051や設定切替スイッチ112IW052を操作して設定値を変更することはできない。
【0176】
しかし、パチンコ遊技機1が遊技場の遊技島(図示略)に設置された状態において、遊技機用枠112IW003が閉鎖されていても、例えば、パチンコ遊技機1に隣接する他のパチンコ遊技機との間に設置されるカードユニット等の遊技用装置やスペーサ部材とパチンコ遊技機1との間から針金やセル板等の不正部材を進入させて、パチンコ遊技機1の背面側にある設定キー112IW051や設定切替スイッチ112IW052を操作することで設定値が変更されるといった不正行為が行われる可能性があるため、遊技機用枠112IW003が閉鎖されている状態においてセキュリティカバー112IW500Aによって設定キー112IW051と設定切替スイッチ112IW052を含む操作部に対する操作が規制される規制状態に維持されることで、上記不正行為を好適に抑制することができる。
【0177】
また、遊技機用枠112IW003が閉鎖され、セキュリティカバー112IW500Aによって設定キー112IW051と設定切替スイッチ112IW052を含む基板ケース112IW201の背面右側が被覆されている規制状態でも、透過性を有するセキュリティカバー112IW500Aを通して、基板ケース112IW201に収容されている主基板11等を透視することができるため、主基板11におけるCPU103などの電子部品が実装される実装面や封印シール等の状況を容易に確認することができる。
【0178】
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行し、RAM102をワークエリアとして用いることで、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種の処理が実行される。また、CPU103は、乱数生成プログラムを実行することで、主基板11の側において用いられる各種の乱数の全てを生成可能とされている。
【0179】
本特徴部112IWでは、主基板11の側において、特図表示結果判定用の乱数値MR1の他、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3、普図表示結果判定用の乱数値MR4、MR4の初期値決定用の乱数値MR5のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。尚、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。これらの乱数値MR1~MR5は、CPU103にて、異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによる更新によってカウントするようにしてもよいし、乱数回路104によって更新されてもよい。乱数回路104は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100とは異なる乱数回路チップとして構成されるものであってもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
【0180】
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のテーブルデータなどが記憶されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定を行うために用意された、
図8-4に示す判定テーブル等の複数の判定テーブルを構成するテーブルデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御信号を出力させるために用いられる複数の制御パターンテーブルを構成するテーブルデータや、特別図柄や普通図柄などの変動表示における各図柄の変動態様となる変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルなどが記憶されている。
【0181】
ROM101が記憶する判定テーブルには、例えば
図8-4(A)に示す表示結果判定テーブル(設定値1)、
図8-4(B)に示す表示結果判定テーブル(設定値2)、
図8-4(C)に示す表示結果判定テーブル(設定値3)の他、大当り種別判定テーブル(図示略)、大当り変動パターン判定テーブル(図示略)、ハズレ変動パターン判定テーブル(図示略)、普図表示結果判定テーブル(図示略)、普図変動パターン判定テーブル(図示略)などが含まれている。
【0182】
本特徴部112IWにおけるパチンコ遊技機1は、設定値に応じて大当りの当選確率(出玉率)が変わる構成とされている。具体的には、特別図柄プロセス処理の特別図柄通常処理において、設定値に応じた表示結果判定テーブル(当選確率)を用いることにより、大当りの当選確率(出玉率)が変わるようになっている。設定値は1~3の3段階からなり、1が最も出玉率が低く、1、2、3の順に値が大きくなるほど出玉率が高くなる。すなわち、設定値として1が設定されている場合には遊技者にとって最も有利度が低く、2、3の順に値が大きくなるほど有利度が段階的に高くなる。
【0183】
(表示結果判定テーブル)
図8-4(A)~(C)は、各設定値に対応する表示結果判定テーブルを示す説明図である。表示結果判定テーブルとは、ROM101に記憶されているデータの集まりであって、MR1と比較される当り判定値が設定されているテーブルである。各表示結果判定テーブルは、変動特図指定バッファが1(第1)である、つまり、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合と、変動特図指定バッファが2(第2)である、つまり、第2特別図柄が変動表示の対象とされている場合のそれぞれについて、大当りとする判定値が設定されている。
【0184】
図8-4(A)に示すように、設定値1に対応する表示結果判定テーブルを用いるときに、変動特図指定バッファが第1である場合、つまり、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合には、設定値が「2」、「3」である場合よりも低い確率(非確変時は1/320、確変時は1/32)で大当りに当選する。また、変動特図指定バッファが第2である場合には、大当りに対応する判定値として、変動特図指定バッファが第1である場合と同様の判定値が設定されており、第2特別図柄が変動表示の対象とされている場合にも、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合と同じ確率(非確変時は1/320、確変時は1/32)で大当りに当選する。
【0185】
また、
図8-4(B)に示すように、設定値2に対応する表示結果判定テーブルを用いるときに、変動特図指定バッファが第1である場合には、設定値が「1」である場合よりも高い確率(非確変時は1/300、確変時は1/30)で大当りに当選する。また、変動特図指定バッファが第2である場合には、大当りに対応する判定値として、変動特図指定バッファが第1である場合と同様の判定値が設定されており、第2特別図柄が変動表示の対象とされている場合にも、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合と同じ確率(非確変時は1/300、確変時は1/30)で大当りに当選する。
【0186】
また、
図8-4(C)に示すように、設定値3に対応する表示結果判定テーブルを用いるときに、変動特図指定バッファが第1である場合には、設定値が「1」、「2」である場合よりも高い確率(非確変時は1/280、確変時は1/28)で大当りに当選する。また、変動特図指定バッファが第2である場合には、大当りに対応する判定値として、変動特図指定バッファが第1である場合と同様の判定値が設定されており、第2特別図柄が変動表示の対象とされている場合にも、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合と同じ確率(非確変時は1/280、確変時は1/28)で大当りに当選する。
【0187】
つまり、CPU103は、その時点で設定されている設定値に対応する表示結果判定テーブルを参照して、MR1の値が
図8-4(A)~(C)に示す大当りに対応するいずれかの当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(大当り種別A~大当り種別C)とすることを決定する。すなわち、設定値に応じた確率で大当りの当選を決定する。尚、
図8-4(A)~(C)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に制御するか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器4Aまたは第2特別図柄表示器4Bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。
【0188】
尚、本特徴部112IWでは、パチンコ遊技機1に設定可能な設定値として1~3の計3個の設定値を設けているが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機1に設定可能な設定値は、2個または4個以上であってもよい。
【0189】
また、本特徴部112IWでは、パチンコ遊技機1に設定される設定値が大きいほど遊技者にとって有利となる(大当り確率が高まる)形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機1に設定される設定値が小さいほど遊技者にとって有利となるようにしてもよい。
【0190】
(表示モニタ112IW029)
本特徴部112IWでは、パチンコ遊技機1において、各入賞口(大入賞口、第2大入賞口、第1始動入賞口、第2始動入賞口、一般入賞口)への遊技球の進入数の集計を行い、該集計による連比、役比、ベースなどの各種の入賞情報を算出可能である。
【0191】
具体的には、表示モニタ112IW029は、4桁の表示部を備えている。各桁の表示部は、いずれも「8」の字を描く7つのセグメントによって構成される7セグメントと、7セグメントの右側方下部に配置されたドットによって構成されている。
【0192】
1桁目の表示部と2桁目の表示部には表示内容が表示され、3桁目の表示部と4桁目の表示部には数値が百分率で表示される。表示No1では、短期の連比が表示され、表示No2では、短期の役比が表示される。表示No3では、総累計の連比が表示され、表示No4では、総累計の役比が表示される。また、表示No5では、前回の賞球60000個に基づいて算出されたベース(ベース1)が表示され、表示No6では、直前の賞球60000個に基づいて算出されたベース(ベース2)が表示される。
【0193】
ここでの短期とは、払い出された賞球数(獲得球数)が6000個であった期間を意味する。総累計を求める期間は、連比、役比の算出を開始してからの通算、又は連比、役比の計算を一旦リセットしてからの通算の期間を意味する。
【0194】
なお、上記の例では、連比や役比、ベースは、遊技状態によらずに算出するが、遊技状態を考慮して算出してもよい。例えば、連比は、賞球合計数のうち、大当り遊技状態中の大入賞口への入賞による賞球数が占める割合としてもよい。また、役比は、賞球合計数のうち、高ベース状態中の第2始動入賞口への入賞による賞球数と大当り遊技状態中の大入賞口への入賞による賞球数が占める割合としてもよい。また、ベースは、低ベース状態と高ベース状態とで個別に算出してもよい。
【0195】
表示No1の短期連比が表示される場合には、1桁目の表示部及び2桁目の表示部に「y6.」が表示され、表示No2の短期役比が表示される場合には、1桁目の表示部及び2桁目の表示部に「y7.」が表示される。また、表示No1の短期連比が表示される場合には、3桁目の表示部及び4桁目の表示部には、短期連比が百分率表示(%表示)され、表示No2の短期役比が表示される場合には、3桁目の表示部及び4桁目の表示部には、短期役比が百分率表示(%表示)される。
【0196】
表示No3の総累計連比が表示される場合には、1桁目の表示部及び2桁目の表示部に「A6.」が表示され、表示No4の総累計役比が表示される場合には、1桁目の表示部及び2桁目の表示部に「A7.」が表示される。また、表示No3の総累計連比が表示される場合には、3桁目の表示部及び4桁目の表示部には、総累計連比が百分率表示(%表示)され、表示No4の総累計役比が表示される場合には、3桁目の表示部及び4桁目の表示部には、総累計役比が百分率表示(%表示)される。
【0197】
表示No5のベース1が表示される場合には、1桁目の表示部及び2桁目の表示部に「bL.」が表示され、表示No4のベース2が表示される場合には、1桁目の表示部及び2桁目の表示部に「B6.」が表示される。また、表示No5のベース1が表示される場合には、3桁目の表示部及び4桁目の表示部には、総累計連比が百分率表示(%表示)され、表示No6のベース2が表示される場合には、3桁目の表示部及び4桁目の表示部には、総累計役比が百分率表示(%表示)される。
【0198】
更に、これら短期連比、短期役比、総累計連比、総累計役比、ベース1、ベース2の表示は、表示切替スイッチ112IW030の操作に基づいて、そのときに設定されている設定値についての短期連比、短期役比、総累計連比、総累計役比、ベース1、ベース2の表示に順次変更することが可能となっている。
【0199】
尚、本特徴部112IWでは、表示モニタ112IW029においては、各設定値における連比、役比、ベースを表示可能な形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、表示モニタ112IW029においてはこれら連比、役比、ベースのうち、1の数値のみ、或いはいずれか2の数値のみ表示可能であってもよい。
【0200】
また、本特徴部112IWでは、付与された賞球数に基づく情報である連比、役比、ベースを算出し、これら連比、役比、ベースを表示モニタ112IW029にて表示する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、連比、役比、ベースを算出せずに、表示モニタ112IW029には、付与された賞球数の履歴を表示するようにしてもよい。
【0201】
(設定変更処理)
次に、本特徴部112IWにおけるパチンコ遊技機1の設定値の変更について説明する。
図8-5~
図8-7は、特徴部112IWにおける遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。なお、本特徴部112IWにおいて、ステップ112IWS001~S002の処理は、
図3で示したステップS1~S2の処理と同様である。
【0202】
初期設定を行うと、CPU103は、遊技機への電源供給を開始したときに演出制御手段(具体的には、演出制御用CPU120)が起動するまでの時間を計測するための演出制御手段起動待ちタイマをセットする(ステップ112IWS003)。この場合、演出制御手段起動待ちタイマには、遊技機への電源供給を開始してから演出制御用CPU120が起動するまでに十分な時間がセットされる。次いで、CPU103は、演出制御手段起動待ちタイマの値を1減算し(ステップ112IWS004)、減算後の演出制御手段起動待ちタイマの値が0となっているか否かを確認する(ステップ112IWS005)。演出制御手段起動待ちタイマの値が0となっていなければ、ステップ112IWS004に戻り、ステップ112IWS004~S005の処理を繰り返し実行する。演出制御手段起動待ちタイマの値が0となっていれば、ステップ112IWS006に移行する。
【0203】
ステップ112IWS003~S005の処理が実行されることによって、演出制御用CPU120が起動するまで待ってからステップ112IWS006以降の処理が実行され、設定値の変更や確認、RAMの初期化や復旧処理などが実行される。そのため、後述する設定値コマンドや初期化指定コマンド、復旧時のコマンドなど各種のコマンド類が演出制御用CPU120が起動する前に送信されてしまうような事態を防止することができ、コマンドの取りこぼしが発生することを防止することができる。
【0204】
次いで、CPU103は、設定値が工場出荷時の値(例えば「0」や取り得る設定値以外の値)であるか否かを判定する(ステップ112IWS006)。工場出荷時の設定のままであれば(ステップ112IWS006;Yes)、ステップ112IWS010に移行する。
【0205】
工場出荷時の設定でなければ(ステップ112IWS006;No)、すなわち少なくとも既に1回は設定値の変更が行われていれば、CPU103は、ステップS4と同様の処理により、RAM102(バックアップRAM)にバックアップデータが保存されているか否かを判定する(ステップ112IWS007)。具体的には、ステップ112IWS007では、CPU103は、バックアップフラグがオンであるか否かを判定する。バックアップフラグがオフでRAM102にバックアップデータが記憶されていない場合(ステップ112IWS007;No)、ステップ112IWS010に移行する。
【0206】
RAM102にバックアップデータが記憶されている場合(ステップ112IWS007;Yes)、CPU103は、ステップS5と同様の処理により、バックアップしたデータのデータチェックを行い(誤り検出符号を用いて行われる)、データが正常か否かを判定する(ステップ112IWS008)。ステップ112IWS008では、例えば、パリティビットやチェックサムにより、RAM102のデータが、電力供給停止時のデータと一致するか否かを判定する。これらが一致すると判定された場合、RAM102のデータが正常であると判定する。RAM102のデータが正常でないと判定された場合(ステップ112IWS008;No)、ステップ112IWS010に移行する。
【0207】
RAM102のデータが正常であると判定された場合(ステップ112IWS008;Yes)、CPU103は、現在設定値の変更中であることを示す設定変更中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップ112IWS009)。設定変更中フラグがセットされていれば(ステップ112IWS009;Yes)、すなわち設定値の変更中に電断などが発生して遊技機への電源供給が再開された場合、ステップ112IWS010に移行する。
【0208】
ステップ112IWS010では、CPU103は、RAM異常エラー報知コマンドを演出制御用CPU120に対して送信する制御を行う(ステップ112IWS010)。なお、CPU103は、表示モニタ112IW029においてRAM異常エラーであることを示す表示(例えば、「E」の表示)を表示する制御を行うようにしてもよい。
【0209】
次いで、CPU103は、扉開放センサ112IW090からの出力信号がオン(扉(遊技機用枠112IW003)が開放している状態)であるか否かを判定する(ステップ112IWS011)。扉開放センサ112IW090からの出力信号がオンであれば、CPU103は、設定キー112IW051がオンであるか否かを判定する(ステップ112IWS012)。設定キー112IW051がオンであれば、CPU103は、クリアスイッチからの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップ112IWS013)。クリアスイッチからの出力信号がオンであれば、CPU103は、RAMクリアフラグをセットする(ステップ120AKSA01)。RAMクリアフラグがオンである場合、設定変更に係る処理が実行された後、RAM102の記憶内容をクリアするためのRAMクリア処理が実行される。そして、ステップ120AKSA03に移行する。
【0210】
一方、扉開放センサ112IW090からの出力信号がオフ(扉が閉鎖している状態)である場合や(ステップ112IWS011のN)、設定キー112IW051がオフである場合(ステップ112IWS012のN)、クリアスイッチからの出力信号がオフである場合(ステップ112IWS013のN)には、ステップ120AKSA01には移行せず、ループ処理に移行する。なお、ループ処理に入る前に、RAM異常エラー報知コマンドを演出制御用CPU120に対して送信する制御(ステップ112IWS010の処理)を実行するようにしてもよい。
【0211】
ステップ112IWS006~S013の処理が実行されることによって、本特徴部112IWでは、バックアップRAMが正常でない場合や(ステップ112IWS007,S008のN)、工場出荷時用の設定のままとなっている場合(ステップ112IWS006のY)、設定変更中に電断などが発生した場合(ステップ112IWS009のY)には、遊技機用枠112IW003が開放された状態で設定キー112IW051がオン操作され且つクリアスイッチがオン操作されたことを条件に、ステップ120AKSA03以降の設定値の変更が可能となり、その後RAMクリアされる。一方で、遊技機用枠112IW003が開放され、設定キー112IW051およびクリアスイッチがオン操作されないかぎり、ループ処理が実行され、設定値の変更を行えず、遊技制御も進行しない。
【0212】
設定変更中フラグがセットされていなければ(ステップ112IWS009;No)、CPU103は、クリアスイッチからの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップ112IWS015)。
【0213】
クリアスイッチからの出力信号がオンであれば(ステップ112IWS015;Yes)、CPU103は、RAMクリアフラグをセットする(ステップ120AKSA02)。
【0214】
ステップ120AKSA02の処理の後や、クリアスイッチからの出力信号がオンでなければ、CPU103は、扉開放センサ112IW090からの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップ112IWS016)。扉開放センサ112IW090からの出力信号がオンであれば、CPU103は、設定キー112IW051がオンであるか否かを判定する(ステップ112IWS017)。
【0215】
設定キー112IW051がオンであれば、CPU103は、RAMクリアフラグがオンであるか否かを判定する(ステップ120AKSA03)。ここで、設定キー112IW051がオンある場合には、RAMクリアフラグの状態(即ちクリアスイッチのオン/オフ)によって、設定確認するための処理(設定確認処理)または設定変更するための処理(設定変更処理)を実行する。なお、設定変更中や設定確認中に扉開放センサ112IW090からの出力信号がオフとなった場合にエラー処理を実行するようにしてもよい。
【0216】
RAMクリアフラグがオンである場合(ステップ120AKSA03;Yes)、設定変更処理を開始することを示す設定変更開始コマンドを演出制御基板12に送信する(ステップ120AKSA04)。また、RAMクリアフラグがオフである場合(ステップ120AKSA03;No)、設定確認処理を開始することを示す設定確認開始コマンドを演出制御基板12に送信する(ステップ120AKSA05)。
【0217】
演出制御基板12側では、設定変更コマンドまたは設定確認コマンドを受信すると、設定変更中または設定確認中である旨を報知する制御を行う(例えば、画像表示装置5において所定の画像を表示したり、スピーカ8L、8Rから所定の音を出力したり、装飾用LEDといった装飾発光体を所定の態様により発光させたりする)。
【0218】
次いで、CPU103は、設定値が工場出荷時の値(例えば「0」等)であるか否かを判定する(ステップ120AKSA06)。工場出荷時の設定値であれば(ステップ120AKSA06;Yes)、設定値を「1」に設定する(ステップ120AKSA07)。ステップ120AKSA07では、RAM102のバックアップ領域に記憶される設定値を「1」に更新する。
【0219】
ステップ120AKSA07では、設定値が工場出荷時の値である場合、初期値として設定値を「1」に設定するが、他の設定値を初期値としてもよい。また、RAM102にバックアップデータが記憶されていない場合、バックアップデータが正常でない場合といったRAM異常エラーがある場合(例えばステップ112IWS010の処理を実行した場合)にも、設定値を初期値「1」に設定するようにしてもよい。このようにする場合、ステップ112IWS010の処理を実行した場合に(ステップ112IWS006;Yes、ステップ112IWS007;No、またはステップ112IWS008;Noである場合に)RAM異常フラグをセットし、ステップ120AKSA06では当該RAM異常フラグがオンであるか否かを判定するようにしてもよい。
【0220】
工場出荷時の設定値でない場合や(ステップ120AKSA06;No)、ステップ120AKSA07の処理を実行した後には、CPU103は、RAM102のバックアップ領域に格納されている設定値を表示モニタ112IW029に表示する(ステップ120AKSA08)。
【0221】
そして、CPU103は、RAMクリアフラグがオンであるか否かを判定する(ステップ120AKSA09)。RAMクリアフラグがオンである場合(ステップ120AKSA09;Yes)、設定変更中フラグをセットする(ステップ120AKSA10)。
【0222】
続いて、設定切替スイッチ112IW052からの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップ120AKSA11)。設定切替スイッチ112IW052からの出力信号がオンであれば(ステップ120AKSA11;Yes)、RAM102のバックアップ領域に記憶される設定値を更新する(ステップ120AKSA12)。設定値は、設定切替スイッチ112IW052の操作(押下)毎に更新される。例えば、設定値が「1」であった場合「2」に更新し、設定値が「2」であった場合「3」に更新し、設定値が「3」であった場合「1」に更新すればよい。なお、設定切替スイッチ112IW052の操作により特定の設定値を指定できるようにしてもよい。
【0223】
RAMクリアフラグがオフである場合は(ステップ120AKSA09;No)、設定確認が行われた場合であるので、設定変更に関する処理は実行しない。この場合や、設定切替スイッチ112IW052からの出力信号がオンでない場合(ステップ120AKSA11;No)、ステップ120AKSA12の処理を実行した後には、設定キー112IW051からの出力信号がオフになったか否かを判定する(ステップ120AKSA13)。
【0224】
設定キー112IW051からの出力信号がオンのままである場合には(ステップ120AKSA13;No)、ステップ120AKSA08に戻り、設定確認処理または設定変更処理を継続する。ステップ120AKSA12にて設定値が更新された場合には、再度ステップ120AKSA08の処理が実行されることで、更新後の設定値が表示モニタ112IW029表示される。
【0225】
設定キー112IW051からの出力信号がオフである場合には(ステップ120AKSA13;Yes)、RAMクリアフラグがオンであるか否かを判定する(ステップ120AKSA14)。RAMクリアフラグがオンである場合(ステップ120AKSA14;Yes)、設定変更中フラグをリセットし(ステップ120AKSA15)、設定変更が終了したことを示す設定変更終了コマンドを演出制御基板12に送信する(ステップ120AKSA16)。
【0226】
RAMクリアフラグがオフである場合(ステップ120AKSA14;No)、設定確認が終了したことを示す設定確認終了コマンドを演出制御基板12に送信する(ステップ120AKSA17)。
【0227】
その後、表示モニタ112IW029における設定値の表示を消去し(ステップ120AKSA18)、設定値を示す設定値コマンドを演出制御基板12に送信する(ステップ112IWS031)。なお、設定値が更新された場合のみ設定値コマンドを送信するようにしてもよい。
【0228】
次いで、RAMクリアフラグがオンであるか否かを判定する(ステップ120AKSA19)。RAMクリアフラグがオンである場合(ステップ120AKSA19;Yes)、RAMクリア処理を実行する(ステップ120AKSA20)。RAMクリア処理では、CPU103は、RAM102に記憶されるフラグ、カウンタ、バッファをクリアするRAMクリア処理を行い、作業領域に初期値を設定する。ただし、RAMクリア処理では、RAM102の記憶領域のうち連比や役比、ベースなどの性能表示用の情報を記憶する領域、および設定値を記憶する領域以外の領域がクリアされ、連比や役比、ベースなどの性能表示用の情報、および設定値の情報はクリアされず保持される。
【0229】
その後、CPU103は、ステップS9と同様の処理により、初期化を指示する演出制御コマンドを演出制御基板12に送信する(ステップ112IWS033)。
【0230】
RAMクリアフラグがオフである場合(ステップ120AKSA19;No)、CPU103は、ステップS6と同様の処理により、主基板11の内部状態を電力供給停止時の状態に戻すための復旧処理(ステップ112IWS022)を行う。復旧処理では、CPU103は、RAM102の記憶内容(バックアップしたデータの内容)に基づいて作業領域の設定を行う。また、CPU103は、ステップS7と同様の処理により、電断からの復旧を指示する演出制御コマンドを演出制御基板12に送信する(ステップ112IWS023)。
【0231】
ステップ112IWS033またはステップ112IWS023の処理の後、ステップ112IWS034の処理に移行する。なお、ステップ112IWS034~S036の処理は、
図3で示したステップS10~S12の処理と同様である。
【0232】
なお、ステップ120AKSA08において、設定値を画像表示装置5に表示するようにしてもよい。そして、以降の処理が画像表示装置5を用いて実行されるようにしてもよい。
【0233】
また、設定確認処理および設定変更処理の実行中は、特別図柄表示装置4A,4Bを通常遊技中では表示されない態様(たとえば、7セグメントLEDの全セグメントを点灯または点滅させる態様)とするようにしてもよい。このように特別図柄表示装置4A,4Bを用いて報知することで、好適に設定確認状態や設定変更状態であることを遊技者に報知することができる。なお、特別図柄表示装置4A,4Bを、設定確認状態中と設定変更状態中とで異なる態様としてもよい。
【0234】
また、設定変更処理の実行中に電源断となった場合には、再度、設定変更処理が実行されて更新後の設定値がRAM102(バックアップRAM)に記憶されることによって設定変更が完了しない限り、エラーとするようにしてもよい。具体的には、設定変更処理の開始時に、設定値を記憶するバックアップRAMと同じバックアップRAMに設定変更フラグ(RAMクリアされても消去されない)を格納し、設定変更処理の終了時に、その設定変更フラグをオフにし、設定変更処理以外の処理(たとえば、遊技制御メイン処理)を実行する場合に設定変更フラグがオンであればエラーとする。上述のように、設定変更処理が途中で正常に進行しなくなるような状況においては、遊技場の店員が設定変更が完了していないのに完了したと勘違いする場合がある。このような場合に、設定変更が完了してなければエラーとなるようにすることで、設定変更の確実な完了を担保することができる。
【0235】
また、ステップ120AKSA08で、バックアップRAMから現在の設定値を読出し、当該設定値を表示させるようにしている。しかし、バックアップRAMへのバックアップが正常に行われなかったときは、画像表示装置5にエラーであることを示す情報を表示するとともに、特別図柄表示装置4A,4Bを、通常遊技中とは異なる態様(たとえば、7セグメントLEDの全セグメントを消灯させる態様、設定確認処理および設定変更処理中が全点灯であれば、全点滅させる態様)とするようにしてもよい。
【0236】
図8-8は、電源投入時に実行される処理を示す説明図である。本特徴部112IWでは、
図8-8に示すように、電源投入時に設定キー112IW051がオンである場合(さらに、扉開放センサ112IW090からの出力信号がオンである場合)には、クリアスイッチがオンであれば、設定変更処理(ステップ120AKSA08~120AKSA13等)が実行され、クリアスイッチがオフであれば、設定確認処理(ステップ120AKSA08、120AKSA13等)が実行される。また、電源投入時に設定キー112IW051がオフである場合には、クリアスイッチがオンであれば、初期化処理(ステップ120AKSA20等)が実行され、クリアスイッチがオフであれば、復旧処理(ステップ112IWS024)が実行される。
【0237】
本実施例では、
図8-5~
図8-7に示す遊技制御メイン処理において、一部の処理を共通化しつつ、設定キー112IW051とクリアスイッチ(RAMクリアフラグ)の状態に応じて分岐することで、設定変更処理、設定確認処理、初期化処理、または、復旧処理が実行されるようになっていたが、それぞれをモジュール化して個別の処理として実行するようにしてもよい。
【0238】
次に、設定変更処理における表示モニタ112IW029の表示態様について説明する。先ず、
図8-9(A)及び
図8-9(B)に示すように、遊技場の店員等の操作によって電源がOFFとなる(電断させる)と、パチンコ遊技機1への電力の供給が停止することによって表示モニタ112IW029での表示が終了する。尚、電源をOFFとするタイミングにおいて大当り遊技中等の大入賞口の開放中である場合は、ソレノイド82への電力の供給が停止することによって大入賞口が閉鎖される。
【0239】
次に、
図8-9(C)に示すように、遊技場の店員等がクリアスイッチを操作しつつ電源を投入すると(遊技制御メイン処理のステップS3でYesの場合)、設定キー112IW051がONとなっていることを条件にCPU103によって設定変更処理が実行され、表示モニタ112IW029においてRAM102のバックアップ領域に格納されている設定値が表示される。
【0240】
このように表示モニタ112IW029にて設定値が表示されている状態において、
図8-9(D)に示すように、CPU103は、遊技場の店員等による設定切替スイッチ112IW052の操作を検出する毎に表示モニタ112IW029に表示している数値を順次更新(例えば、設定切替スイッチ112IW052が操作される毎に1→2→3→1→・・・のように更新)表示していく。
【0241】
次いで、
図8-9(E)に示すように、CPU103は、設定キー112IW051が遊技場の店員等の操作によってOFFとなったことに基づいて、表示モニタ112IW029に表示されている設定値をRAM102のバックアップ領域に格納(更新記憶)する。このとき、CPU103は、表示モニタ112IW029に、表示切替スイッチ112IW030の操作に基づいて、そのときに設定されている設定値についての短期連比、短期役比、総累計連比、総累計役比、ベース1、ベース2を表示させる。また、RAM
102のバックアップ領域に保留記憶が記憶されている場合は、該保留記憶がクリアされる。また、
図8-9(A)のタイミング(パチンコ遊技機1の電源がOFFとなったタイミング)にて大入賞口が閉鎖された場合には、設定変更が行われるとRAMクリア処理が実行されて大当りに関する記憶が消去されるため、大入賞口は閉鎖されたままとなる。以降、CPU103は、設定変更処理を終了し、遊技が可能な状態、つまり、変動表示結果や大当り種別、変動パターンの決定抽選や、賞球の払出等が実行可能な状態となる。
【0242】
また、
図8-9(F)に示すように、CPU103は、設定値が記憶されるRAM102にエラーが発生したことに基づいて、表示モニタ112IW029に「E.E.E.E.」と表示させることが可能である。
【0243】
尚、本特徴部112IWにおける設定変更処理では、表示モニタ112IW029に表示する初期表示として、RAM102のバックアップ領域に格納されている設定値を表示する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、設定変更処理において表示モニタ112IW029に表示する初期表示としては、遊技者にとって最も不利な設定値(本特徴部112IWであれば「1」)、或いは、遊技者にとって最も有利な設定値(本特徴部112IWであれば「3」)を表示するようにしてもよい。
【0244】
(特徴部53AKに関する説明)
続いて、特徴部53AKについて説明する。特徴部53AKのパチンコ遊技機1は、設定変更可能となっている。設定変更可能なパチンコ遊技機1においては、複数の設定値のいずれかに設定可能であり、設定された設定値に応じて異なる割合で有利状態(大当り遊技状態)に制御可能である。特徴部53AKでは、可変表示の実行中に表示結果が大当りとなること(大当り遊技状態に制御されることを)を予告・示唆する予告演出を実行可能になっている。
【0245】
予告演出は、可変表示を開始するときに、
図7に示すステップS171の可変表示開始設定処理において、表示結果が大当りとなるか否かに応じて実行の有無が決定される。設定変更可能なパチンコ遊技機1においては、設定値が大きい程、大当りとなる確率が高くなる。予告演出(特に大当りとなる信頼度の高い予告演出)は、表示結果が大当りとなる場合には実行されやすくなっているため、設定値によらず均等な割合で実行有無を決定すると、設定値が高い程予告演出の出現率、及び、信頼度が高くなる。なお、信頼度とは、この実施例では、大当り信頼度のことをいい、当該予告演出が実行された場合に大当りとなる割合のことをいう。
【0246】
そのため、設定値によるブレにより予告演出の出現率や信頼度が意図していたものと異なってしまったり、信頼度が変化して遊技者が困惑してしまうおそれがあった。特徴部53AKに係るパチンコ遊技機1では、設定値に応じて予告演出の実行割合を調整(変更)することで、予告演出の出現率、及び、信頼度の少なくとも一方を同一または略同一の範囲内に調整している。これにより、予告演出の出現率や信頼度を意図したものとすることができ、予告演出により遊技者を困惑させてしまうことを防止できる。また、予告演出の実行頻度によりむやみに設定値を示唆してしまうことを防止できる。
【0247】
なお、予告演出の出現率、及び、信頼度の調整する場合において、小数点以下の割合を完全一致させることが困難な場合がある。そのため、特徴部53AKに係る発明は、予告演出の出現率や信頼度の同一とするものに加えて、略同一の範囲内に調整したものも含む。なお、略同一の範囲内であれば同一である場合と同様の効果を奏することができる。略同一の範囲内とは、予め定められた範囲内であればよく、所定の誤差範囲内(例えばプラスマイナス5%等)であったり、遊技者の体感的に予告演出の出現率や信頼度が同一と感じられるような実質同一の範囲内であってもよい。
【0248】
図9-1は、特徴部53AKの予告演出として予告Xの実行割合、出現率、信頼度の一例を示す図である。
図9-1(A)は、予告Xの出現率、信頼度が未調整の場合の例を示している。この実施例では、設定値として「1」~「3」の3段階が設けられている。
図9-1(A)に示すように、この実施例では、大当り確率aは、設定値「1」の場合「1/300」、設定値「2」の場合「1/250」、設定値「3」の場合「1/200」となっている。そして、大当り時の予告Xの実行割合bは、設定値によらず「50/100」となっている。従って、予告Xが実行されて大当りとなる割合(全変動に占める割合)A(=大当り確率a×実行割合b)は、設定値「1」の場合「1/600」、設定値「2」の場合「1/500」、設定値「3」の場合「1/400」となっている。
【0249】
また、ハズレ確率c(=1-大当り確率a)は、設定値「1」の場合「299/300」、設定値「2」の場合「249/250」、設定値「3」の場合「199/200」となっている。そして、ハズレ時の予告Xの実行割合dは、「1/100」となっている。従って、予告Xが実行されてハズレとなる割合(全変動に占める割合)B(=ハズレ確率c×実行割合d)は、いずれの設定値でも約「1/100」となっている。
【0250】
全変動における予告Xの出現率C(=A+B)は、設定値「1」の場合「7/600」、設定値「2」の場合「6/500」、設定値「3」の場合「5/400」となっている。また、予告Xの信頼度D(=A/C)は、設定値「1」の場合「1/7」(約14%)、設定値「2」の場合「1/6」(約17%)、設定値「3」の場合「1/5」(20%)となっている。
【0251】
このように、設定値によらず調整せずに予告演出(予告X)の実行割合を同一とした場合、高設定値程、予告演出の出現率及び信頼度が高くなる。特に、信頼度は設定値「2」の場合を基準とした場合、プラスマイナス3%程度の誤差が生じてしまう。
【0252】
図9-1(B)は、予告Xの出現率、信頼度を同一となるように調整した場合の例を示している。
図9-1(B)に示す例では、
図9-1(A)に示す例とは異なり、大当り時の予告Xの実行割合bは、設定値「1」の場合「60/100」、設定値「2」の場合「50/100」、設定値「3」の場合「40/100」となっている。また、ハズレ時の予告Xの実行割合dは、設定値「1」の場合「3/299」、設定値「2」の場合「2.5/249」、設定値「3」の場合「2/199」となっている。
【0253】
このようにすることで、全変動における予告Xの出現率Cは、設定値によらず「6/500」となる。また、予告Xの信頼度Dは、設定値によらず「1/6」となる。これにより、設定値に応じて予告演出の出現率や信頼度が変化してしまって意図しない割合となってしまうことを防止でき、好適に予告演出を実行できる。また、予告演出により遊技者を困惑させてしまうことを防止できる。
【0254】
なお、この実施例では、予告演出として予告Xの出現率や信頼度を設定値によらず同一または略同一範囲内に調整しているが、複数種類の予告演出のうち予告Xのような比較的高信頼度な予告演出や、目玉となる特別な予告演出(即ち一部の予告演出)についてはそのような調整を行い、他の予告演出については実行割合を調整せずに、設定値によって出現率や信頼度が変化するようにしてもよい。即ち、他の予告演出については設定値によらず同一の実行割合で実行するようにしてもよい。このようにすることで、全ての予告演出について出現率や信頼度を調整する場合に比べて、出現率や信頼度を調整する負担が発生することや、予告演出の実行有無を決定する処理負担の増大を防止できる。
【0255】
なお、
図9-1(B)に示す例では、ハズレ時の予告Xの実行割合dを異ならせているが、
図9-1(A)に示すように同一とした場合でも、予告Xが実行されてハズレとなる割合Bは、いずれの設定値でも略同一である「1/100」となり、予告Xの出現率Cも略同一(約1.17%~1.25%)となるため、ハズレ時の予告Xの実行割合dは設定値によらず同一としてもよい。
【0256】
この場合、大当り時の予告Xの実行割合bのみを調整することで、予告Xの出現率Cや信頼度Dを同一または略同一の範囲内とすることができる。このように、全変動においてほとんどの割合を占めるハズレ時の予告演出の実行割合を共通とすることで、ハズレの変動毎に設定値を判定して実行割合を異ならせる必要がなくなるので、予告演出を実行するための制御負担を軽減できる。
【0257】
図9-1(C)は、予告Xの出現率を同一となるように調整した場合の例を示している。
図9-1(C)に示す例では、
図9-1(A)に示す例とは異なり、ハズレ時の予告Xの実行割合dは、設定値「1」の場合「2.5/299」、設定値「2」の場合「2/249」、設定値「3」の場合「1.5/199」となっている。大当り時の予告Xの実行割合bは、設定値によらず「50/100」のままである。
【0258】
このようにすることで、全変動における予告Xの出現率Cは、設定値によらず「1/100」となる。このようにすることで、予告演出の実行頻度によって遊技者に違和感を与えたり、むやみに設定値を示唆してしまうことを防止できる。また、大当りとなる場合の予告Xの占有率を共通とすることができ、大当り時の好適な出現率を維持することができる。
【0259】
なお、この場合、予告Xの出現率Cは、設定値によらず共通となるが、
図9-1(C)に示すように、予告Xの信頼度は設定値に応じて変化するようになる。このようにすることで、設定値に応じた遊技性を提供することができる。また、予告Xの出現数が多くなる程、信頼度を推測することができ、設定値も推測することができるようになるため、パチンコ遊技機1の稼働率の向上を期待できる。なお、出現率を合わせることで、設定値に応じた信頼度が30%~50%というように比較的大きく(プラスマイナス10%程度)変化するようにしてもよい。これにより、設定値をより推測しやすくなる。
【0260】
図9-1(D)は、予告Xの信頼度を同一となるように調整した場合の例を示している。
図9-1(D)に示す例では、
図9-1(A)に示す例とは異なり、ハズレ時の予告Xの実行割合dは、設定値「1」の場合「2.5/299」、設定値「2」の場合「2.5/249」、設定値「3」の場合「2.5/199」となっている。大当り時の予告Xの実行割合bは、設定値によらず「50/100」のままである。
【0261】
このようにすることで、予告Xの信頼度Dは、設定値によらず「1/6」となる。このようにすることで、予告Xにより設定値によらず同一の信頼度を報知することができる。また、大当りとなる場合の予告Xの占有率を共通とすることができ、大当り時の好適な出現率を維持することができる。
【0262】
なお、この場合、予告Xの信頼度Dは、設定値によらず共通となるが、
図9-1(D)に示すように、予告Xの出現率は設定値に応じて変化するようになる。このようにすることで、設定値に応じた遊技性を提供することができる。また、予告Xの出現数が多くなる程、設定値も推測することができるようになるため、パチンコ遊技機1の稼働率の向上を期待できる。
【0263】
なお、
図9-1(D)では、ハズレ時の予告Xの実行割合を設定値に応じて異ならせることで、予告Xの信頼度を設定値によらず同一となるように調整していたが、ハズレ時の予告Xの実行割合を設定値によらず同一として、大当り時の予告Xの実行割合を設定値に応じて異ならせることで、予告Xの信頼度を設定値によらず同一となるように調整してもよい。このように、全変動においてほとんどの割合を占めるハズレ時の予告演出の実行割合を共通とすることで、ハズレの変動毎に設定値を判定して実行割合を異ならせる必要がなくなるので、予告演出を実行するための制御負担を軽減できる。
【0264】
図9-1(A)~(D)に示した大当り確率aや、予告の実行割合b、dの調整例は一例である。設定値によらず出現率Cと信頼度Dとの少なくともいずれかを同一(略同一)とするためには、設定値によらず出現率Cや信頼度Dが同一(略同一)となるように、予告の実行割合b、dの少なくとも一方が設定値に応じて変更されていればよい。即ち、出現率Cを同一(略同一)とする場合には、設定値によらず出現率C=a×b+(1-a)×dが同一(略同一)となるように予告の実行割合b、dの少なくとも一方が調整されればよい。また、予告演出の信頼度Dを同一(略同一)とする場合には、設定値によらず予告演出の信頼度D=(a×b)/(a×b+(1-a)×d)が同一(略同一)となるように予告の実行割合b、dの少なくとも一方が調整されればよい。
【0265】
図9-1に示した実行割合では、大当り種別に応じた実行割合は考慮されていなかったが、大当り種別が複数ある場合には、大当り種別に応じて予告演出(予告X)の実行割合を異ならせてもよい。例えば、大当り確率aは、
図9-1に示したものと同一であり、大当り種別として通常大当りと確変大当りとがあり、大当り時に均等割合(50%)でいずれかの大当り種別となる場合について説明する。
【0266】
この場合、
図9-2(A)に示すように、通常大当り確率a1と確変大当り確率a2は、それぞれ
図9-1の大当り確率aの半分となる。そして、この例では、通常大当り時の予告Xの実行割合b1は、設定値「1」の場合「60/100」、設定値「2」の場合「50/100」、設定値「3」の場合「40/100」となっている。従って、予告Xが実行されて通常大当りとなる割合(全変動に占める割合)A1(=通常大当り確率a1×実行割合b1)は、設定値によらず「1/1000」となっている。
【0267】
また、
図9-2(A)に示すように、確変大当り時の予告Xの実行割合b2は、設定値によらず50/100(未調整)となっている。従って、予告Xが実行されて確変大当りとなる割合(全変動に占める割合)A2(=確変大当り確率a2×実行割合b2)は、設定値「1」の場合「1/1200」、設定値「2」の場合「1/1000」、設定値「3」の場合「1/800」となっている。そして、予告Xが実行されて大当りとなる割合(全変動に占める割合)A(=A1+A2)は、設定値「1」の場合「44/24000」、設定値「2」の場合「48/24000」、設定値「3」の場合「54/24000」となっている。
【0268】
そして、
図9-2(B)に示すように、ハズレ時の予告Xの実行割合dは、設定値「1」の場合「196/(299×80)」、設定値「2」の場合「192/(249×96)」、設定値「3」の場合「186/(199×120)」となっている。従って、予告Xが実行されてハズレとなる割合(全変動に占める割合)は、設定値「1」の場合「196/24000」、設定値「2」の場合「192/24000」、設定値「3」の場合「186/24000」となっている。
【0269】
以上の結果、
図9-2(B)に示すように、全変動における予告Xの出現率C(=A+B)は、設定値によらず「1/100」となっている。このように、大当り種別が複数ある場合に、大当り種別毎に、予告演出の実行割合を異ならせることで、設定値によらず予告演出の出現率を同一または略同一の範囲内に調整するようにしてもよい。このようにすることで、予告演出の実行割合を同一または略同一の範囲内としつつ、予告演出が実行された場合、設定値によっていずれの大当り種別となるかの割合が異なるので、設定値によって予告演出が実行されたことで特定の大当り(例えば確変大当り)となることを期待するようになる。
【0270】
なお、
図9-2に示す例では、通常大当り時の予告Xの実行割合を異ならせることで、予告Xの出現率を同一(略同一)に調整していたが、他の大当り種別やハズレ時の実行割合を異ならせることで、予告Xの出現率Cを同一(略同一)に調整してもよい。即ち、予告Xの出現率C=a1×b1+a2×b2+c×dが同一(略同一)となるように予告の実行割合b1、b2の少なくともいずれかとdが調整されればよい。
【0271】
また、大当り種別に応じて予告Xの実行割合を異ならせることで、予告Xの信頼度Dを同一(略同一)としてもよい。この場合には、設定値によらず予告演出の信頼度D=(a1×b1+a2×b2)/(a1×b1+a2×b2+((1-a1-a2)×d)が同一(略同一)となるように予告の実行割合b1、b2の少なくともいずれかとdが調整されればよい。このようにすることで、予告演出の信頼度を同一または略同一の範囲内としつつ、予告演出が実行された場合、設定値によっていずれの大当り種別となるかの割合が異なるので、設定値によって予告演出が実行されたことで特定の大当り(例えば確変大当り)となることを期待するようになる。
【0272】
また、予告演出のうち一部の予告演出については、特定の大当り種別の実行割合は設定値によらず同一の実行割合で実行するようにしてもよい。例えば、大当り種別として通常大当りと確変大当り(大当り種別の振分50%)とがあり、予告演出として、確変大当りとなることを報知する予告Yを実行するようにしてもよい。この場合、
図9-3に示すように、通常大当りやハズレとなる場合には、設定値によらず予告Yの実行割合は0/100(0%)となる。一方、確変大当り時の予告Yの実行割合b2は、設定値「1」の場合「60/100」、設定値「2」の場合「50/100」、設定値「3」の場合「40/100」となっている。大当り確率は、
図9-1に示した例と同様である。従って、全変動の予告Yの出現率は、設定値によらず「1/1000」となっている。このようにすることで、確変大当り時には確変大当りとなることを報知する予告Yを設定値によらず同じ出現率で実行できる。また、設定値によらず確変大当りとなることを予告できる。また、通常大当りのときには、設定値によらず予告Yを実行しないので、処理負担が軽減できる。なお、図示していないが、予告Yは確変大当り時にしか実行されないため、信頼度は100%となる。
【0273】
確変大当りとなることを予告する予告演出をハズレのときに実行するようにしてもよい。例えば、予告演出として、確変大当りとなることを予告する予告Zを実行する場合、
図9-4に示すように、通常大当りとなる場合には、設定値によらず予告Zの実行割合は0/100(0%)となる。一方、確変大当り時の予告Zの実行割合b2は、
図9-3に示した予告Yの実行割合と同一であり、予告Zが実行されて大当りとなる割合は、設定値によらず「1/1000」となっている。そして、ハズレ時の予告Zの実行割合dは、設定値「1」の場合「3/2990」、設定値「2」の場合「2.5/2490」、設定値「3」の場合「2/1990」となっている。予告Yが実行されてハズレとなる割合Bは、いずれの設定値でも「1/1000」となっている。
【0274】
このようにすることで、全変動における予告Zの出現率Cは、設定値によらず「2/1000」となる。また、予告Zの信頼度Dは、設定値によらず「1/2」となる。これにより、設定値に応じて予告Zの出現率や信頼度が変化してしまって意図しない割合となってしまうことを防止でき、大当りとなった場合には確変大当りとなることを予告する予告Zを好適に実行できる。また、通常大当りのときには、設定値によらず予告Zを実行しないので、処理負担が軽減できる。なお、予告Zの出現率と信頼度のうちのいずれかが設定値によって異なるようにしてもよい。
【0275】
続いて、53AKにおける予告演出の演出動作例を説明する。
図9-5(A)の下側矢印は、画像表示装置5の「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の可変表示が実行されていることを示している。予告演出として予告Xを実行することが決定された場合、各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの実行中に、
図9-5(B)に示すようなキャラクタ画像53AK001が「チャンス」というセリフを発する予告Xが実行される。これにより、遊技者は有利状態に制御される可能性が高いことを認識できる。特に、信頼度が設定値によらず同一または略同一範囲内に調整されている場合には、設定値を意識することなく、遊技者は有利状態に制御される可能性が高いことを認識できる。
【0276】
その後、
図9-5(C)に示すように、各飾り図柄表示エリア5L、5Rに7の数字を示す飾り図柄が停止してリーチが成立する。そして、
図9-5(D)に示すように、「スーパーリーチ!」という文字が表示されて、例えば、
図9-5(E)に示すように、キャラクタが対決するスーパーリーチのリーチ演出が開始される。スーパーリーチのリーチ演出中、例えば、
図9-5(E)に示すように、飾り図柄の可変表示は画像表示装置5の右下部分で縮小して実行される。
【0277】
そして、例えば、可変表示の表示結果が導出表示される直前に、
図9-5(F)に示すように、キャラクタ画像53AK002が「確変!?」というセリフを発する予告Yまたは予告Zが実行される。これにより、遊技者は確変大当りとなることを期待するようになる。特に、予告Yであった場合は、確変大当りとなることが確定するので、興趣が向上する。
【0278】
なお、予告Yと予告Zとの双方を実行可能とする場合には、共に確変大当りとなることを予告・示唆する演出であるが、遊技者が判別可能なように、セリフの表示色やセリフ内容といった一部の演出態様を異ならせることが好ましい。
【0279】
その後、表示結果が大当りである場合には、
図9-5(G)に示すように、味方のキャラクタが勝利した旨が表示され、
図9-5(H)に示すように、大当り組合せとなる飾り図柄が導出表示される。なお、
図9-5に示した予告演出の演出態様は一例であり、大当りとなるかや確変大当りとなることを示唆・予告できる演出であれば任意の演出態様でよい。
【0280】
(特徴部53AKの変形例)
本特徴部は、この実施例に限定されず、種々の変形や応用が可能であり、更に特徴を追加してもよい。また、上記実施例で説明した構成は、その全てが必須構成ではなく、その一部が欠けていてもよい。また、本特徴部と他の特徴部を適宜組み合わせてもよい。
【0281】
上記実施例では設定値として1~3の3段階が設けられていたが、設定値は2段階以下や4段階以上(例えば6段階)であってもよい。また、設定値は大きい値である程遊技者にとって有利な大当り確率となっていたが、設定値は小さい値である程遊技者にとって有利な大当り確率となっていてもよい。また、
図9-1等に示した設定値に応じた大当り確率も一例であり、設定値に応じた段階的な大当り確率となっていればよい。
【0282】
上記実施例では、全ての設定値(設定値1~3)の予告演出の出現率、信頼度のうち少なくとも一方を同一または略同一範囲内となるように、予告演出の実行割合を設定値に応じて変更(調整)するようにしていたが、複数種類の設定値のうち、一部の設定値の予告演出の出現率、信頼度のうち少なくとも一方を同一または略同一範囲内となるようしてもよい。例えば、第1設定値(例えば設定値1)と第2設定値(例えば設定値2)との予告演出の出現率、信頼度のうち少なくとも一方を同一または略同一範囲内となるようしてもよい。また、設定値が6段階である場合に、第1設定値群(例えば設定値1~3)の予告演出の出現率、信頼度のうち少なくとも一方を同一または略同一範囲内となるようして、第2設定値群(例えば設定値4~6)の予告演出の出現率、信頼度のうち少なくとも一方を同一または略同一範囲内となるようしてもよい。
【0283】
上記実施例では、特定演出として、少なくとも一部の予告演出の出現率や信頼度を設定値によらず同一または略同一範囲内となるようにしていたが、特定演出は有利状態に制御されることを示唆する他の演出であってもよい。例えば、演出制御基板12の側でリーチ演出の種類や擬似連回数を決定する場合には、設定値に応じてリーチ演出の種類や擬似連回数の決定割合を異ならせることで、設定値によらず各リーチ演出の出現率や信頼度、各擬似連回数の出現率や信頼度が設定値によらず同一または略同一範囲内となるように制御されればよい。
【0284】
また、予告演出の実行有無を決定する際に、設定値毎に異なる実行割合が割り当てられたテーブルを使用して、予告演出の実行有無を決定してもよいし、予告演出を決定するための基準となるテーブルを設けて、当該テーブルに設定値に応じたパラメータにより演算して設定値に応じたテーブルを生成し、生成したテーブルを使用して予告演出の実行有無を決定してもよい。
【0285】
図9-1~
図9-4で示した予告演出の実行割合、出現率、信頼度は一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。また、予告演出として、上記実施例に示した予告演出以外の他の予告演出が実行可能であってもよい。そのような他の予告演出においても、設定値によらず出現率や信頼度が同一または略同一範囲内となるようにしてもよいし、他の予告演出の一部または全部においては設定値によらず同一の実行割合として出現率や信頼度は設定値に応じて変化するようにしてもよい。例えば、予告演出の内、比較的信頼度の高い予告演出については設定値によらず出現率や信頼度が同一または略同一範囲内となるようにして、比較的信頼度が低かったり出現率の高い予告演出については設定値によらず同一の実行割合としてもよい。このようにすることで、全部の予告演出について設定値によらず出現率や信頼度が同一または略同一範囲内となるようにする場合と比較して、予告演出の実行有無決定に関する制御負担を軽減することができる。
【0286】
また、複数種類の予告演出のうち特定の予告演出について、一部の設定値ではハズレとなる場合にも実行され、その他の設定値である場合ではハズレとなる場合には実行されない(あるいは実行されづらい)ようにしてもよい。例えば、高信頼度(例えば大当り確率90%以上等)の特定の予告演出は、低設定値(例えば6段階の場合の1~3)の場合にはハズレ時に実行されず、高設定値(例えば6段階の場合の4~6)の場合にはハズレ時に実行され得るようにしてもよい。このようにすることで、当該特定の予告演出が実行されたにも関わらずハズレとなることで意外性のある演出が実行できるとともに、高設定値であることを示唆・報知することができる。
【0287】
図9-1、
図9-2に示す図では、予告演出として予告Xの実行割合を示していたが、表示結果に応じて予告演出の実行有無を決定した後に、予告演出の種類(演出パターン)を決定するようにしてもよい。この場合において、予告演出の種類を決定する際にも各予告演出の出現率や信頼度が設定値によらず同一または略同一範囲内となるように、各予告演出の実行割合を設定値に応じて異ならせてもよい。
【0288】
上記実施例では、ハズレ時の変動パターンによらず予告の実行有無が決定されるようになっていたが、ハズレ時に変動パターン(リーチの有無や種類、擬似連の有無や回数)に応じて、予告演出の実行割合を異ならせてもよい。
【0289】
上記実施例では、確変状態における大当り確率は考慮されていなかったが、確変状態においても、予告演出の出現率や信頼度を設定値によらず同一または略同一範囲内に調整してもよい。また、遊技状態に応じて、予告演出の出現率や信頼度を設定値によらず同一または略同一範囲内に調整してもよい。例えば、大当りとなる確率が高く、予告演出も実行されやすい確変状態(高確状態)においては、予告演出の出現率や信頼度を設定値によらず同一または略同一範囲内に調整して、通常状態(低確状態)ではそのような調整をしないようにしてもよい。また、異なる遊技状態間で、予告演出(特定の予告演出)の出現率や信頼度が異なっていてもよいし、同一または略同一範囲内に調整してもよい。例えば、高確高ベース状態と低確高ベース状態とで背景を共通する等により見分けが付かないようにした場合、高確高ベース状態と低確高ベース状態とで予告演出(特定の予告演出)の出現率や信頼度を同一または略同一範囲内に調整してもよい。さらに、設定値によらず予告演出(特定の予告演出)の出現率や信頼度を同一または略同一範囲内に調整してもよい。このようにすることで、予告演出の出現率や信頼度により見た目状見分けの付かない遊技状態を認識されてしまうことを防止できる。
【0290】
上記実施例では、大当り種別として通常大当りと確変大当りとがある場合において、大当り種別に応じて、予告演出の出現率や信頼度を設定値によらず同一または略同一範囲内に調整するようになっていた。大当り種別の相違は、大当りのラウンド数の大小であったり、大当り遊技状態に制御される時短状態や確変状態の長さの相違であってもよい。
【0291】
表示結果として小当りを設け、小当りとなる場合にも予告演出を実行する場合、上記実施例のように、大当り時、ハズレ時の予告演出の実行割合を設定値に応じて異ならせることに加えて、小当り時の予告演出の実行割合を設定値に応じて異ならせることで、当該予告演出の出現率や信頼度を設定値によらず同一または略同一範囲内に調整してもよい。例えば、小当り遊技状態において開放する入賞口内に特定領域を設けて、小当り遊技状態において特定領域を通過したことに基づいて大当り遊技状態に制御する遊技機においては、小当りとなることを予告する予告演出は大当りとなることの予告ともいえるため、小当りとなることを予告する予告演出について、出現率や信頼度を設定値によらず同一または略同一範囲内に調整してもよい。この場合において、設定値に応じて小当り確率を変化させる場合には、当該設定値に応じた小当り確率を考慮して予告演出の実行割合を変更することで、予告演出の出現率や信頼度を調整すればよい。具体的には、設定値に応じた大当り確率、小当り確率、ハズレ確率を考慮して、大当り時、小当り時、ハズレ時の予告演出の実行割合を設定値に応じて異ならせることで、当該予告演出の出現率や信頼度を設定値によらず同一または略同一範囲内に調整すればよい。
【0292】
擬似連の複数回の変動の各々において、予告演出を実行可能である場合、擬似連の最終変動における予告演出についてのみ、出現率や信頼度を設定値によらず同一または略同一範囲内に調整してもよい。このようにすることで、擬似連の全ての変動について、出現率や信頼度を調整する場合に比べて、予告演出の設計に容易にでき処理負担も軽減できる。
【0293】
上記実施例では、設定値によって変化するものは大当り確率だけであったが、演出制御基板12の側で設定値に応じて、演出態様や演出の実行割合を異ならせてもよい。例えば、同じ変動パターンであっても設定値に基づいて異なるリーチ演出や擬似連等の可変表示中の演出を実行するようにしてもよい。このようにすることで、演出態様は演出の実行割合によって設定値を示唆することができる。
【0294】
上記特徴部53AKに係る実施例の構成と変形例の構成との一部または全部を適宜組み合わせてもよい。
【0295】
(特徴部53AKに係る手段の説明)
(1)特徴部53AKに係る遊技機は、
複数の設定値(例えば設定値1~3あるいは設定値1~6等)のうちいずれかに設定可能であり、設定された設定値に応じて異なる割合で遊技者にとって有利な有利状態(例えば大当り遊技状態)に制御可能な遊技機(例えば特徴部53AKに係るパチンコ遊技機1)であって、
前記有利状態に制御されることを示唆する特定演出(例えば予告X、予告Y、予告Z等)を実行可能な特定演出実行手段を備え、
前記特定演出実行手段は、設定値が第1設定値であるときの前記特定演出の出現率と、設定値が前記第1設定値とは異なる第2設定値であるときの前記特定演出の出現率と、が同一または略同一の範囲内となるように前記特定演出を実行する(例えば
図9-1(B)、(C)、
図9-2~
図9-3)。
このような構成によれば、設定値によらず共通の出現率で特定演出を実行できるので、遊技の興趣が向上する。
【0296】
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記特定演出実行手段は、前記有利状態に制御されないときの前記特定演出の実行割合を設定値に応じて異ならせる(例えば
図9-1(B)、(C)、
図9-2、
図9-4)ようにしてもよい。
このような構成によれば、有利状態に制御されるときの特定演出の出現率を維持した上で、特定演出の出現率を好適に調整できる。
【0297】
(3)上記(1)または(2)の遊技機において、
前記特定演出実行手段は、前記有利状態に制御されるときの前記特定演出の実行割合を設定値に応じて異ならせる(例えば
図9-1(B)、
図9-2~
図9-4)ようにしてもよい。
このような構成によれば、特定演出の出現率を好適に調整できる。
【0298】
(4)上記(1)から(3)のいずれかの遊技機において、
前記特定演出が実行されたときに前記有利状態に制御される割合(例えば信頼度)が、設定値によらず同一または略同一の範囲内となる(例えば
図9-1(B)、
図9-3、
図9-4)ようにしてもよい。
このような構成によれば、設定値によらず同一の出現率、信頼度で特定演出が実行され、有利状態に制御されることが示唆されるので、興趣が向上する。
【0299】
(5)上記(1)から(4)のいずれかの遊技機において、
前記特定演出が実行されたときに前記有利状態に制御される割合が、設定値によって変化する(例えば
図9-1(C)、
図9-2)ようにしてもよい。
このような構成によれば、特定演出の出現率は調整されるが、信頼度が変化するので、信頼度を推測する遊技性を提供でき、興趣が向上する。
【0300】
(6)上記(1)から(5)のいずれかの遊技機において、
遊技者にとっての有利度合いの異なる複数種類の前記有利状態があり、
前記特定演出実行手段は、制御される前記有利状態の種類毎に前記特定演出の実行割合を設定値に応じて異ならせる(例えば
図9-2~
図9-4)ようにしてもよい。
このような構成によれば、特定演出が実行されることで、設定値に応じて特定の有利状態となることを期待でき、興趣が向上する。また、特定演出の種類により設定値の示唆が可能になり興趣が向上する。
【0301】
(7)上記(1)から(6)のいずれかの遊技機において、
遊技者にとっての有利度合いの異なる複数種類の前記有利状態があり、
前記特定演出実行手段は、特定の前記有利状態に制御されるときの前記特定演出の実行割合を設定値によらず変化させない(例えば
図9-2~
図9-4)ようにしてもよい。
このような構成によれば、特定演出が実行されることで、設定値によらず特定の有利状態となることを期待でき、興趣が向上する。
【0302】
(特徴部54AKに係る手段の説明)
また、特徴部53AKは、特徴部54AKに係る発明を含んでいる。
(1)特徴部54AKに係る遊技機は、
複数の設定値(例えば設定値1~3あるいは設定値1~6等)のうちいずれかに設定可能であり、設定された設定値に応じて異なる割合で遊技者にとって有利な有利状態(例えば大当り遊技状態)に制御可能な遊技機(例えば特徴部54AKに係るパチンコ遊技機1)であって、
前記有利状態に制御されることを示唆する特定演出(例えば予告X、予告Y、予告Z等)を実行可能な特定演出実行手段を備え、
前記特定演出実行手段は、設定値が第1設定値であるときの前記特定演出が実行されたときに前記有利状態に制御される割合と、設定値が前記第1設定値とは異なる第2設定値であるときの前記特定演出が実行されたときに前記有利状態に制御される割合と、が同一または略同一の範囲内となるように前記特定演出を実行する(例えば
図9-1(B)、(D)、
図9-4)。
このような構成によれば、設定値によらず共通の信頼度(有利状態に制御される割合)で特定演出を実行できるので、遊技の興趣が向上する。
【0303】
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記特定演出実行手段は、前記有利状態に制御されないときの前記特定演出の実行割合を設定値に応じて異ならせる(例えば
図9-1(B)、(D)、
図9-4)ようにしてもよい。
このような構成によれば、有利状態に制御されるときの特定演出の出現率を維持した上で、特定演出の信頼度を好適に調整できる。
【0304】
(3)上記(1)または(2)の遊技機において、
前記特定演出実行手段は、前記有利状態に制御されるときの前記特定演出の実行割合を設定値に応じて異ならせる(例えば
図9-1(B)、
図9-4)ようにしてもよい。
このような構成によれば、特定演出の信頼度を好適に調整できる。
【0305】
(4)上記(1)から(3)のいずれかの遊技機において、
前記特定演出の出現率が、設定値によらず同一または略同一の範囲内となる(例えば
図9-1(B)、
図9-3、
図9-4)ようにしてもよい。
このような構成によれば、設定値によらず同一の出現率、信頼度で特定演出が実行され、有利状態に制御されることが示唆されるので、興趣が向上する。
【0306】
(5)上記(1)から(4)のいずれかの遊技機において、
前記特定演出の出現率が、設定値によって変化する(例えば
図9-1(D))ようにしてもよい。
このような構成によれば、特定演出の信頼度は調整されるが、出現率が変化するので、興趣が向上する。
【0307】
(6)上記(1)から(5)のいずれかの遊技機において、
遊技者にとっての有利度合いの異なる複数種類の前記有利状態があり、
前記特定演出実行手段は、制御される前記有利状態の種類毎に前記特定演出の実行割合を設定値に応じて異ならせる(例えば
図9-2~
図9-4)ようにしてもよい。
このような構成によれば、特定演出が実行されることで、設定値に応じて特定の有利状態となることを期待でき、興趣が向上する。また、特定演出の種類により設定値の示唆が可能になり興趣が向上する。
【0308】
(7)上記(1)から(6)のいずれかの遊技機において、
遊技者にとっての有利度合いの異なる複数種類の前記有利状態があり、
前記特定演出実行手段は、特定の前記有利状態に制御されるときの前記特定演出の実行割合を設定値によらず変化させない(例えば
図9-2~
図9-4)ようにしてもよい。
このような構成によれば、特定演出が実行されることで、設定値によらず特定の有利状態となることを期待でき、興趣が向上する。
【0309】
(特徴部57AKに関する説明)
続いて、特徴57AKについて説明する。特徴部57AKのパチンコ遊技機1は、可変表示に対応する特定表示として、実行前の保留された可変表示に対応する保留表示と、実行中の可変表示に対応するアクティブ表示を表示可能である。また、保留表示やアクティブ表示の表示態様を変化させる先読予告演出(保留変化予告)を実行可能となっている。
【0310】
また、通常(電源投入時等)の演出状態とは異なる演出状態であって、遊技者にとって有利な状態であることを示す、演出上のゾーンに移行するゾーン演出を実行可能となっている。ゾーン演出中は、画像表示装置5に演出上のゾーンに移行していることを示す表示等が行われる。ゾーン演出は、複数回の可変表示に亘って実行可能であり、複数回の可変表示に亘って遊技者にとって有利な状態であることを報知できる。このようなゾーン演出も、実行前の可変表示に基づいて有利となる(大当り信頼度が高いこと等)ことを示す先読予告演出として実行される。
【0311】
この実施例では、演出上のゾーンとして、特定表示の表示態様が変化しやすいことを示す表示変化高確率ゾーンが設けられている。表示変化高確率ゾーンのゾーン演出を特定演出ともいう。表示変化高確率ゾーン(特定演出の実行中)である場合、表示変化高確率ゾーンでない場合よりも保留変化予告が実行されて特定表示の表示態様が変化しやすくなる。これにより、表示変化高確率ゾーンである場合、遊技者は特定表示の表示態様が変化すること、即ち、大当りとなることを期待できるようになる。
【0312】
また、特徴部57AKでは、表示変化高確率ゾーンから通常の演出状態に移行することにより、表示変化高確率ゾーン(特定演出の実行)が終了した後も、表示変化高確率ゾーンで表示態様が変化した特定表示は、表示変化高確率ゾーンで表示態様が変化しなかった特定表示よりも、保留変化予告が実行されて特定表示の表示態様が変化しやすくなっている。これにより、表示変化高確率ゾーンが終了した後も特定表示の表示態様が更に変化することに期待できるので、表示変化高確率ゾーンが終了したことによる遊技者の落胆を抑えつつ、遊技者の期待感を維持することができ、遊技の興趣が向上する。
【0313】
特徴部57AKでは、演出上のゾーンとして表示変化高確率ゾーンの他に、大当りとなる確率が高いことを示すチャンスゾーンが設けられている。チャンスゾーンのゾーン演出を特別演出ともいう。このように、この実施例では、複数のゾーンが設けられており、ゾーン演出としていずれかのゾーンに移行可能になっている。チャンスゾーンの詳細については後述する。
【0314】
図10-1は、特徴部57AKに係るパチンコ遊技機1の演出動作例を示す図である。
図10-1(A)は、下向きの矢印で画像表示装置5の「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の可変表示が実行されていること示している。画像表示装置5には、アクティブ表示を表示するアクティブ表示領域57AK001と、保留表示を表示する保留表示領域57AK002と、が設けられている。保留表示領域57AK002には、保留の上限数に対応して4つまで保留表示を表示可能であり、右側が古く左側が新しい保留情報に対応している。可変表示が終了して次の可変表示が実行されるときに、アクティブ表示が消去され全ての特定表示(保留表示及びアクティブ表示)が右側にシフトする。
【0315】
図10-1(A)では、保留表示が2つ表示されている。ここでは、アクティブ表示及び保留表示は全て通常態様である白の円形で表示されている。また、ゾーン演出も実行されておらず、通常の演出状態となっている。
【0316】
ここで、入賞球装置6Aに遊技球が進入すると、
図10-1(B)に示すように、保留表示が1つ増加して計3つとなる。また、ここで表示変化高確率ゾーンに移行すると決定されたことにより、画像表示装置5の上部に表示変化高確率ゾーンである旨を示すゾーン表示57AK003が表示され、表示変化高確率ゾーンに制御される。
【0317】
その後、例えば、
図10-1(C)に示すように、ハズレの飾り図柄の組合せが停止して、保留表示(特定表示)がシフトするタイミングで、2番目の保留表示に対して星の画像57AK004が移動して作用(衝突)するような演出(変化示唆演出)が実行される。表示変化高確率ゾーンでは、このような変化示唆演出により、作用対象の保留表示(特定表示)の表示態様が変化する(保留変化予告が実行される)ことを示唆するようになっている。そして、
図10-1(D)に示すように、変化示唆演出の対象となった保留表示の表示態様が例えば青色に変化する。
【0318】
続いて、
図10-1(E)に示すように、ハズレの飾り図柄の組合せが停止して、保留表示(特定表示)がシフトするタイミングで、1番目の保留表示に対して変化示唆演出が実行される。そして、
図10-1(F)に示すように、変化示唆演出の対象となった保留表示の表示態様が例えば緑色に変化する。
【0319】
その後、
図10-1(G)に示すように、ハズレの飾り図柄の組合せが停止して、1番目の保留表示がアクティブ表示にシフトするタイミングで、アクティブ表示に対して変化示唆演出が実行される。そして、
図10-1(H)に示すように、変化示唆演出の対象となったアクティブ表示の表示態様が例えば紫色に変化する。
【0320】
そして、
図10-1(I)に示すように、アクティブ表示に対応する可変表示においてリーチが成立するタイミングで、アクティブ表示に対して変化示唆演出が実行される。そして、
図10-1(J)に示すように、変化示唆演出の対象となったアクティブ表示の表示態様が例えば赤色に変化する。このとき、ゾーン表示57AK003が消去され、表示変化高確率ゾーンへの制御が終了する。このように、この実施例では、表示変化高確率ゾーンは、対象の可変表示(ゾーン演出実行の契機となった始動入賞に対応する可変表示)の途中で終了するようになっている。
【0321】
その後、
図10-1(K)に示すように、スーパーリーチへ発展するタイミングで、変化示唆演出が実行されることなく、アクティブ表示の表示態様が例えば金色に変化する。
【0322】
このように、表示変化高確率ゾーンに移行した場合、特定表示の表示態様が変化しやすくなっている。よって、表示変化高確率ゾーンに移行したことで、遊技者は特定表示の表示態様が変化することや大当りとなることを期待できるようになる。また、表示変化高確率ゾーンが終了した後も、特定表示の変化タイミング(
図10-1(K))が設けられており、表示変化高確率ゾーン終了前に表示態様が変化していた特定表示は、表示態様が変化していない特定表示よりも表示変化高確率ゾーンが終了後も表示態様が変化しやすくなっている。これにより、表示変化高確率ゾーンが終了したことによる遊技者の落胆を抑えつつ、表示変化高確率ゾーンが終了した後も遊技者の期待感を維持できるので、遊技の興趣が向上する。
【0323】
表示変化高確率ゾーンでない場合にも保留表示予告が実行されて特定表示の表示態様が変化する場合もあるようになっている。しかし、表示変化高確率ゾーンである場合に表示態様が変化した特定表示は、表示変化高確率ゾーンでない場合に表示態様が変化した特定表示よりも、更に表示態様が変化しやすくなっている。即ち、表示変化高確率ゾーン中には特定表示が変化する回数が多くなりやすくなっている。これにより、表示変化高確率ゾーン中は、特定表示の表示態様が変化するといった成功の体験を多く味わえることから、表示変化高確率ゾーン中の興趣を向上させることができる。なお、表示変化高確率ゾーンである場合に表示態様が変化した特定表示は、表示変化高確率ゾーンが終了した後も、表示変化高確率ゾーンでない場合に表示態様が変化した特定表示よりも、更に表示態様が変化しやすくなっている。これにより、表示変化高確率ゾーンが終了したことによる遊技者の落胆を抑えつつ、表示変化高確率ゾーンが終了した後も遊技者の期待感を維持できるので、遊技の興趣が向上する。
【0324】
この実施例では、特定表示の表示態様の変化タイミングは、特定表示のシフト時と、アクティブ表示中の所定タイミングと、になっている。また、この実施例では、特定表示の表示態様が変化することを示唆する変化示唆演出が実行されるようになっている。特に、表示変化高確率ゾーン中は特定表示の変化し得る全てのタイミングで必ず実行される。なお、
図10-1では、変化示唆演出が実行された後、必ず特定表示の表示態様が変化する(変化が成功する)ようになっているが、変化しない(変化が失敗する)場合もある。即ち、変化示唆演出がガセの場合もある。このようにすることで、表示変化高確率ゾーンに特定表示の表示態様が変化することを、効果的に煽ることができ、演出効果が向上する。
【0325】
一方、この実施例では、表示変化高確率ゾーンでない場合には、変化示唆演出が実行されないようになっている。なお、表示変化高確率ゾーンでない場合も、変化示唆演出が実行されるようにしてもよい。この場合、表示変化高確率ゾーンでない場合の変化示唆演出の実行割合を表示変化高確率ゾーンである場合よりも低くしてもよい。例えば、表示変化高確率ゾーンでない場合のガセの変化示唆演出の実行割合を表示変化高確率ゾーンである場合よりも低くする(例えばガセの変化示唆演出を実行しない)ことで、相対的な時刻割合を低くしてもよい。
【0326】
なお、変化示唆演出が実行された後、特定表示の表示態様が変化する割合(成功割合)を、表示変化高確率ゾーンでない場合と、それ以外である場合と、で異ならせてもよい。例えば、表示変化高確率ゾーンでない場合の方がそれ以外である場合よりも成功割合を高くしてもよいし低くしてもよい。また、変化示唆演出の演出態様を複数設けて、変化示唆演出の演出態様の演出態様によって成功割合や、その後に変化する演出態様(段階数)の割合が異なるようにしてもよい。このようにすることで、変化示唆演出が多彩になり、変化示唆演出により遊技者の期待感を効果的に煽ることができる。
【0327】
また、表示変化高確率ゾーンでない場合は変化示唆演出の実行態様が異なるようにしてもよい。表示変化高確率ゾーンでない場合は表示変化高確率ゾーンである場合と、異なる演出態様の変化示唆演出を実行するようにしてもよい。このようにすることで、演出が多彩になり、演出効果を向上させることができる。
【0328】
なお、いずれのゾーンであるかに関わらず、実際に特定表示が変化するかによって変化示唆演出の実行割合や実行する場合の演出態様の決定割合を異ならせるようにしてもよい。このようにすることで、表示変化高確率ゾーンでは変化示唆演出の実行割合が高くなるとともに、特定表示の表示態様が変化する割合が高い態様の変化示唆演出が実行されやすくなる。また、変化示唆演出の有無や演出態様によって、成功割合を異ならせることができる。
【0329】
図10-2は、特徴部57AKの特定表示を表示したり保留変化予告を実行するための特定表示処理の動作を示すフローチャートである。特定表示処理は、例えば、
図7に示す演出制御プロセス処理のステップS161の先読予告設定処理内にて、演出制御用CPU120により実行される。なお、本発明に係る演出動作が実現できれば対応表示処理の位置(実行タイミング)は先読予告設定処理内に限定されない。
【0330】
特定表示処理では、演出制御用CPU120は、先ず、第1始動入賞口または第2始動入賞口に遊技球が進入したことによって始動入賞が発生したか否かを判定する(ステップ57AKS001)。ステップ57AKS001の処理では、例えば主基板11から始動入賞の発生を指定するための演出制御コマンドを受信したか否か判定することにより、始動入賞が発生したか否かを判定すればよい。
【0331】
始動入賞が発生したと判定された場合(ステップ57AKS001;Yes)、当該始動入賞に対応する特定表示の最終的な表示態様(最終表示態様)及び特定表示の表示態様の変化過程(保留変化予告の演出態様)に対応する表示変化パターンを決定する(ステップ57AKS002)。
【0332】
ステップ57AKS002の処理では、始動入賞時に受信する先読み判定の判定結果を指定する演出制御コマンドに基づいて、表示結果や変動カテゴリ(大まかな変動パターンの分類等)を先読みして、最終表示態様や表示変化パターンが決定される。ステップ57AKS002の処理では、最終表示態様や表示変化パターンを決定することで、保留変化予告の実行有無やその演出態様を決定する。この実施例では、特定表示が表示されてから当該特定表示に対応する可変表示が終了するまでの間に、表示態様が複数回変化する保留変化予告が実行される場合があるが、最終表示態様を決定した後に、その最終表示態様に対応した表示変化パターン(変化過程)が決定される。
【0333】
ステップ57AKS002では、まず、例えば
図10-3に示す決定割合で、表示結果に応じて、最終表示態様を決定する。この実施例では、特定表示の表示態様(表示色)として、
図10-3に示すように、変化演出実行前の通常態様である「白」、及び、保留変化予告によって変化する予告態様として、「青」、「緑」、「紫」、「赤」、「金」、「虹」の表示態様が設けられている。そして、
図10-3の決定割合に示すように、表示結果(変動カテゴリ)が「非リーチ」、「ノーマルハズレ」、「スーパーリーチハズレ」、「大当り」のいずれであるかに応じて異なる割合で最終表示態様が決定されるようになっている。
図10-3に示す決定割合では、最終表示態様が(「白」<)「青」<「緑」<「紫」<「赤」<「金」<「虹」の順に大当りとなる可能性(大当り信頼度)やスーパーリーチとなる可能性(スーパーリーチ信頼度)、リーチが成立する可能性が高くなっている。
【0334】
なお、この実施例では、
図10-3に示すように、「白」、「青」、「緑」、「紫」、「赤」、「金」、「虹」の表示態様を、それぞれ「a」、「b」、「c」、「d」、「e」、「f]、「g」とも表記する。この実施例では、色の違いによって特定表示の表示態様を複数設けていたが、形状や模様、モチーフやキャラクタの相違によって特定表示の表示態様を複数設けてもよい。即ち、「a」~「g」の相違は形状や模様、モチーフやキャラクタの相違であってもよい。
【0335】
図10-3に示すように、特定表示の表示態様が「白」のままの場合(最終表示態様が「白」の場合)には大当りとなることは無く、大当り信頼度は0%となっている。表示態様が「青」になった場合には、リーチが成立する可能性が高くなる。表示態様が「緑」となった場合には、少なくともリーチが成立する。また、表示態様が「紫」となった場合には、スーパーリーチとなることが確定する。しなしながら、最終表示態様が「青」~「紫」の場合、大当り信頼度は低い。
【0336】
特定表示の表示態様が「赤」になった場合には、「紫」以下の場合よりも大当り信頼度が大幅(12倍以上)に高くなる。よって、遊技者は表示態様が「赤」以上になるか否かに注目するようになる。表示態様が「金」になった場合には、更に大当り信頼度が高く(60%)なり、表示態様が「虹」になった場合には、大当りとなることが確定する。なお、「虹」の表示態様は大当り時(概ね通常状態で1/300等)に7%のみ決定されるようになっているため、その出現率は低く、希少価値のある演出(プレミア演出)となっている。
【0337】
このように、この実施例では、特定表示の表示態様が細分化されており、8段階の表示態様が設けられている。よって、表示変化高確率ゾーンになった場合に、表示態様が変化しやすく(変化回数が多く)なるように設計できるとともに、変化し得る回数を多くすることができる。また、この実施例では、特定表示の表示態様の変化タイミング(変化し得るタイミング)として、
図10-4(A)、(B)示すように、7つのタイミング「保4」、「保3」、「保2」、「保1」、「ア1」、「ア2」、「ア3」が設けられている。「保4」は4番目の保留表示として表示されるときである。「保3」は3番目の保留表示として表示されるとき(入賞時またはシフト時)である。「保2」は2番目の保留表示として表示されるとき(入賞時またはシフト時)である。「保1」は1番目の保留表示として表示されるとき(入賞時またはシフト時)である。「ア1」はアクティブ表示として表示されるとき(入賞時またはシフト時)である。「ア2」はアクティブ表示として表示されているときであって、飾り図柄の最初の仮停止のタイミング(リーチ成立による左右図柄の仮停止時、擬似連時の全ての図柄の仮停止時といった変動中の最初の大当り煽りのタイミング等)である。「ア3」はアクティブ表示として表示されているときであって、スーパーリーチに発展するとき等(スーパーリーチのリーチ演出開始時等)である。
【0338】
このように、本実施例では、特定表示の変化段階数や変化タイミングが複数設けられている。これにより、特定表示の表示態様が変化する頻度を多くすることができ、保留変化予告の興趣を向上させることができる。
【0339】
また、
図10-4(B)に示すように、表示変化高確率ゾーンへの制御は、「保4」から「ア1」のいずれかのタイミングで実行され、「ア2」のタイミングで終了する。よって、「ア3」は必ず表示変化高確率ゾーン外となる。「ア3」は、スーパーリーチに発展するとき等なので、スーパーリーチに発展する前に表示変化高確率ゾーンを終了させることで、演出が煩雑にあることを防止でき、スーパーリーチのリーチ演出に注目させることができる。なお、表示変化高確率ゾーン外に2つ以上の変化タイミングを設けてもよい。
【0340】
ステップ57AKS002の処理において、最終表示態様を決定した後には、決定した最終表示態様に応じて表示変化パターンを決定する。この実施例では、各変化タイミングにおける特定表示の表示態様の変化のシナリオに対応した表示変化パターンが複数種類設けられており、最終的に最終表示態様に変化することに対応した表示変化パターンを複数種類の中から選択決定するようになっている。
【0341】
図10-5は、特徴部57AKの表示変化パターンの一部を示す図である。
図10-5(A)は、最終表示態様がb(青)のときの表示変化パターンを示している。
図10-5(A)に示すように、この実施例では、最終表示態様がb(青)のときの表示変化パターンとして4種類の表示変化パターンpt2-1、pt2-2、pt2-3、pt2-4が設けられている。
図10-5では、各変化タイミングとなったときの特定表示の表示態様が示されている。例えば、表示変化パターンpt2-1は「保4」から「ア1」までa(白)で表示され、「ア2」においてa(白)からb(青)に変化することを示している。また、表示変化パターンpt2-4は「保4」から「ア3」までb(青)で表示されることを示している。
【0342】
表示変化パターンを決定する際には、現在の保留記憶数(即ち、入賞時に何番目の保留表示またはアクティブ表示としてされるか)に関わらず、いずれかの表示変化パターンに決定するようになっている。よって、表示態様が変化する変化タイミングを過ぎている表示変化パターンに決定された場合(保留記憶数が表示態様が変化する変化タイミングよりも少ない場合)には、変化後の表示態様で特定表示が表示される。また、
図10-5には、特定表示の表示態様の変化回数も示されており、最終表示態様がb(青)である場合の変化回数は入賞時の保留記憶数と表示変化パターンに応じて、0回か1回となる。例えば、保留記憶数が2以下で表示変化パターンpt2-3に決定された場合は、終始b「青」で表示され、変化回数は0回となる。
【0343】
図10-5(B)は、最終表示態様がc(緑)のときの表示変化パターンを示している。
図10-5(B)に示すように、この実施例では、最終表示態様がc(緑)のときの表示変化パターンとして7種類の表示変化パターンpt3-1~pt3-7が設けられている。
図10-5(B)に示すように、表示変化パターン毎に、各変化タイミングとなったときの特定表示の表示態様が定められている。最終表示態様がc(緑)である場合の変化回数は入賞時の保留記憶数と表示変化パターンに応じて、0回~2回となる。
【0344】
図10-5(C)は、最終表示態様がe(赤)のときの表示変化パターンを示している。
図10-5(C)に示すように、この実施例では、最終表示態様がe(赤)のときの表示変化パターンとして13種類の表示変化パターンpt5-1~pt5-13が設けられている。
図10-5(C)に示すように、表示変化パターン毎に、各変化タイミングとなったときの特定表示の表示態様が定められている。最終表示態様がe(赤)である場合の変化回数は入賞時の保留記憶数と表示変化パターンに応じて、0回~4回となる。
【0345】
図10-5(D)は、最終表示態様がg(虹)のときの表示変化パターンを示している。
図10-5(D)に示すように、この実施例では、最終表示態様がg(虹)のときの表示変化パターンとして10種類の表示変化パターンpt7-1~pt7-10が設けられている。
図10-5(D)に示すように、表示変化パターン毎に、各変化タイミングとなったときの特定表示の表示態様が定められている。最終表示態様がg(虹)である場合の変化回数は入賞時の保留記憶数と表示変化パターンに応じて、1回~6回となる。
【0346】
図10-5では、最終表示態様がb、c、e、gの場合の表示変化パターンを示したが、最終表示態様が他の場合の表示変化パターンも複数設けられる。ステップ57AKS002の処理では、最終表示態様に応じて、
図10-5に示すような表示変化パターンのいずれかに決定する。表示変化パターンの決定割合は任意でよいが、均等割合であってもよいし、表示結果に応じて異なる割合で決定するようにしてもよい。表示結果に応じて異なる割合で決定する場合には、変化タイミングによって大当りとなる可能性を予告示唆できるようになる。
【0347】
なお、
図10-5に示した表示変化パターンは一例であり、
図10-5に示したもの以外の表示変化パターンが設けられていてもよいし、
図10-5に示した表示変化パターンによりも種類が少なくてもよい。
【0348】
ステップ57AKS002の処理にて、特定表示の最終表示態様及び特定表示の表示態様の変化過程に対応する表示変化パターンを決定した後には、ゾーン演出の実行有無と実行する場合のゾーンの種類を決定する(ステップ57AKS003)。上述のように、この実施例では、ゾーン演出として表示変化高確率ゾーンに制御する演出が実行されるようになっている。また、表示変化高確率ゾーンとは異なるゾーンとして、大当りとなる可能性が高いことを示すチャンスゾーンに制御する演出も実行されるようになっている。この実施例では、ゾーン演出が実行されていない通常の演出状態と、表示変化高確率ゾーンと、チャンスゾーンと、が設けられており、ゾーン演出実行時にはいずれかのゾーンに制御される。
【0349】
ステップ57AKS003では、先ず、今回発生した始動入賞に対応する特定表示の表示態様の変化回数に応じて、表示変化高確率ゾーンに移行させるか否かを決定する。
図10-6(A)は、表示変化高確率ゾーンに移行させるか否かの決定割合を示している。
図10-6(A)に示すように、変化回数が5、6回である場合には、必ず表示変化高確率ゾーンに移行させ、変化回数が0、1回である場合には、表示変化高確率ゾーンに移行させないようになっている。また、変化回数が2~4回である場合には、変化回数が多い程表示変化高確率ゾーンに移行させる割合が高くなっている。このようにすることで、表示変化高確率ゾーンに制御されることにより、特定表示が変化する割合が高くなるため、遊技者の期待感を向上させることができる。
【0350】
表示変化高確率ゾーンへの制御は、保留変化予告の対象の可変表示中(変化タイミング「ア2」の後)に終了するが、どのタイミングで表示態様が変化するかに関わらず、変化回数が多い程表示変化高確率ゾーンに移行させる割合が高くなっているため、表示変化高確率ゾーン中にゾーン移行契機となった特定表示が変化しやすくなることはもちろん、表示変化高確率ゾーンへの制御が終了した後も、ゾーン移行契機となった特定表示(アクティブ表示)が変化する割合は高くなる。よって、表示変化高確率ゾーンへの制御が終了した後も、遊技者の期待感を維持することができ、遊技の興趣低下を防止できる。
【0351】
なお、表示変化高確率ゾーン外の変化タイミング「ア3」においてアクティブ表示が変化するか否かに応じて、表示変化高確率ゾーンに移行させるか否かを決定するようにしてもよい。例えば、変化回数が多い程表示変化高確率ゾーンに移行させる割合を高くするとともに、「ア3」においてアクティブ表示が変化する場合には更に表示変化高確率ゾーンに移行させる割合を高くするようにしてもよい。このようにすることで、表示変化高確率ゾーンへの制御された場合、表示変化高確率ゾーンが終了後にも変化する割合が高くなるので、表示変化高確率ゾーンが終了した後の遊技者の期待感をより維持することができるようになる。
【0352】
ステップ57AKS003において、表示変化高確率ゾーンへ制御することが決定された場合には、チャンスゾーンに制御するか否かを決定せずにステップ57AKS004の処理に移行する。即ち、この実施例ではゾーン演出として表示変化高確率ゾーンへの制御が優先され、表示変化高確率ゾーンへ制御の有無を決定し、表示変化高確率ゾーンへ制御する場合には、チャンスゾーンには制御しないようになっている。なお、ゾーン演出の優先順位を逆にしてもよい。即ち、チャンスゾーンへの制御の有無を決定してから、チャンスゾーンに制御しないと決定された場合に表示変化高確率ゾーンへ制御の有無を決定するようにしてもよい。
【0353】
表示変化高確率ゾーンへ制御しないと決定された場合には、チャンスゾーンに制御するか否かを決定する。この場合、今回発生した始動入賞に対応する特定表示の最終表示態様に応じて、チャンスゾーンに移行させるか否かを決定する。
図10-6(B)は、チャンスゾーンに移行させるか否かの決定割合を示している。
図10-6(B)に示すように、最終表示態様がg(虹)である場合には、必ずチャンスゾーンに移行させ、最終表示態様がf(金)である場合には、高確率(80%)でチャンスゾーンに移行させ、最終表示態様がそれら以外の場合には、チャンスゾーンに移行させないようになっている。このようにすることで、チャンスゾーンに制御されることにより、特定表示が大当り信頼度の高い態様に変化しやすくなるので、遊技者の期待感を向上させることができる。
【0354】
なお、表示変化高確率ゾーンも通常の演出状態である場合よりも大当り信頼度は高い状態となるが、表示変化高確率ゾーンよりもチャンスゾーンの方が大当り信頼度が高い(最終的に大当り信頼度の高い表示態様に変化する)状態となる。このように、特定表示の表示態様が変化しやすく成功体験を味わいやすい表示変化高確率ゾーンと、大当り信頼度が極めて高いチャンスゾーンといった複数のゾーンを設けることで、ゾーン演出のバリエーションが多彩になって演出効果が向上し、遊技の興趣が向上する。なお、チャンスゾーンを通常の演出状態である場合よりも大当り信頼度は高いが、表示変化高確率ゾーンよりも大当り信頼度が低い状態としてもよい。
【0355】
続いて、ステップ57AKS002及びステップ57AKS003における決定結果を保存し(ステップ57AKS004)、決定結果に応じた表示態様で特定表示を表示する制御、及び、決定結果に応じたゾーンに移行させる制御を実行する(ステップ57AKS005)。ここでゾーンに移行させる制御を実行した場合、現在のゾーンを特定可能なゾーンフラグに対応する値セットすればよい。また、移行させるゾーンに対応した画像を画像表示装置5に表示すること等により、ゾーンに移行したことを報知する制御を実行すればよい。
【0356】
始動入賞が発生していないと判定された場合(ステップ57AKS001;No)、保留表示のシフトタイミングであるか否かを判定する(ステップ57AKS006)。保留表示は新たな可変表示が開始されるときにシフトするので、ステップ57AKS006では、例えば主基板11から可変表示の開始を指定する演出制御コマンドを受信したか否かにより、保留表示のシフトタイミングであるか否かを判定すればよい。
【0357】
保留表示のシフトタイミングであると判定された場合(ステップ57AKS006;Yes)、シフト元の保留表示を消去する制御(ステップ57AKS007)、シフト先の特定表示(保留表示またはアクティブ表示)を表示する制御を実行する(ステップ57AKS008)。このとき、例えば表示変化パターンを参照して、シフト先にて表示態様が変化する特定表示である場合には、その特定表示を表示変化パターンにより特定される表示態様に変化させる制御も実行される。また、表示変化高確率ゾーンである場合には、
図10-1に示した変化示唆演出を実行するための制御も実行される。その後、特定表示処理を終了する。
【0358】
ステップ57AKS005の処理を実行した後や、保留表示のシフトタイミングでないと判定された場合(ステップ57AKS006;No)、アクティブ表示の変化タイミングであるか否かを判定する(ステップ57AKS009)。ステップ57AKS009では、例えば現在の変動パターンや変動時間を計測するためのタイマの値等から「ア2」、「ア3」の変化タイミングとなったか否かを判定するとともに、表示変化パターンを参照して、到達した変化タイミングにてアクティブ表示の表示態様を変化させるものであるかを判定すればよい。
【0359】
アクティブ表示の変化タイミングであると判定した場合(ステップ57AKS009;Yes)、アクティブ表示の表示態様を変化させるための制御を行う(ステップ57AKS010)。ステップ57AKS010では、例えば表示変化パターンを参照して、アクティブ表示を表示変化パターンにより特定される表示態様に変化させる制御が実行される。また、表示変化高確率ゾーンである場合には、変化示唆演出を実行するための制御も実行される。
【0360】
アクティブ表示の変化タイミングでないと判定した場合や(ステップ57AKS009;No)、ステップ57AKS010の処理を実行した後には、ゾーン演出の終了タイミングであるか否か判定する(ステップ57AKS011)。ここでは、例えばゾーンフラグからゾーン演出を実行中であるか否かを判定するとともに、現在の変動パターンや変動時間を計測するためのタイマ値等から当該ゾーンの終了タイミング(例えば表示変化高確率ゾーンであれば「ア2」、チャンスゾーンであれば対象の変動終了時)であるか否かを判定する。ゾーン演出の終了タイミングでなければ(ステップ57AKS011;No)、特定表示処理を終了する。
【0361】
ゾーンの終了タイミングであれば(ステップ57AKS011;Yes)、ゾーン演出を終了させる制御を実行し(ステップ57AKS012)、特定表示処理を終了する。ステップ57AKS012では、ゾーンに対応した画像を画像表示装置5から消去させるといった制御を実行すればよい。
【0362】
以上のような、特定表示処理を演出制御用CPU120が実行することにより、
図10-1に示すような保留変化予告やゾーン演出の演出動作が実現される
【0363】
(特徴部57AKの変形例)
本特徴部は、この実施例に限定されず、種々の変形や応用が可能であり、更に特徴を追加してもよい。また、上記実施例で説明した構成は、その全てが必須構成ではなく、その一部が欠けていてもよい。また、本特徴部と他の特徴部を適宜組み合わせてもよい。
【0364】
上記実施例では、ゾーン演出として、表示変化高確率ゾーンとチャンスゾーンとのいずれかに制御されるようになっていたが、表示変化高確率ゾーンからチャンスゾーンに移行するようにしてもよい。例えば、
図10-7(A)に示すように、表示変化高確率ゾーンに制御されているときに、
図10-7(B)、(C)に示すように、表示変化高確率ゾーンである旨を示すゾーン表示57AK003からチャンスゾーンである旨を示すゾーン表示57AK005が表示されて、チャンスゾーンに移行するようにしてもよい。表示変化高確率ゾーンからチャンスゾーンに移行するタイミングは任意でよいが、例えば、表示変化高確率ゾーンの移行契機となった始動入賞に対応する可変表示(保留変化予告の対象の可変表示)中や、特定表示の表示態様が所定段階以上(例えばe以上)になったとき等であればよい。このようにすることで、特定表示の表示態様が変化しやすく成功体験を味わいやすい表示変化高確率ゾーンから大当り信頼度が極めて高いチャンスゾーンに移行するので、演出のバリエーションが増え、遊技の興趣が向上する。なお、チャンスゾーンから表示変化高確率ゾーンに移行するようにしてもよい。また、1回のゾーン演出中に複数回ゾーンを移行するようにしてもよい。例えば、チャンスゾーンに移行した後、特定表示の表示態様が変化するタイミングで表示変化高確率ゾーンに移行し、再度チャンスゾーンに移行するようにしてもよい。
【0365】
また、
図10-7(B)’に示すように、表示変化高確率ゾーンである旨を示すゾーン表示57AK003とチャンスゾーンである旨を示すゾーン表示57AK005とがともに表示されて、2つのゾーンに並行して移行可能としてもよい。このようにすることで、演出が多彩になるともに、特定表示の表示態様が変化しやすいこと、及び、大当り信頼度が高いことを報知できる。
【0366】
上記実施例では、特定表示の表示態様の変化過程(保留変化予告の演出態様)は、表示変化パターンを選択決定することにより決定されるようになっていたが、決定方法は任意であり、例えば各変化タイミングにおける特定表示の表示態様をその都度個別に決定するようにしてもよい。また、上記実施例では、保留表示のシフト時が変化タイミングとなっていたが、これに限定されず、保留表示の表示態様を変化タイミングは可変表示中の任意のタイミングであってもよい。
【0367】
また、上記実施例では、特定表示が複数表示されている場合、一の特定表示について保留変化予告が実行されているときに、他の特定表示についての保留変化予告が実行されることを制限していない。よって、一の特定表示の表示態様が変化した後に、他の特定表示(例えば新たに発生した始動入賞に対応する特定表示)の表示態様が変化する場合があるようになっている。これに対して、表示変化高確率ゾーンである場合には、新たに発生した始動入賞に対応する特定表示については保留変化予告の実行を制限するようにしてもよい。これにより、表示変化高確率ゾーン中に注目するべき特定表示及び可変表示が分かりづらくなることを防止できる。なお、このようにした場合、表示変化高確率ゾーン終了後に表示変化高確率ゾーン中に新たに表示された特定表示については表示態様が変化することはない。一方、表示変化高確率ゾーン中に表示態様が変化した特定表示(つまりゾーン移行契機となった特定表示)ついては更に表示態様が変化する場合がある。よって、表示変化高確率ゾーン中に表示態様が変化した特定表示は、表示変化高確率ゾーン中に表示態様が変化しなかった特定表示よりも表示態様が変化しやすいといえる。
【0368】
なお、表示変化高確率ゾーン(特定演出)が終了した後も、表示変化高確率ゾーン中に表示態様が変化した特定表示は、表示変化高確率ゾーン中に表示態様が変化しなかった特定表示よりも表示態様が変化しやすいとは、表示変化高確率ゾーン中に表示態様が変化した特定表示の方が変化する頻度が高いことに加えて、表示変化高確率ゾーン中に表示態様が変化しなかった特定表示は全く変化せず、表示変化高確率ゾーン中に表示態様が変化した特定表示は変化する場合があることを含む。また、表示変化高確率ゾーン中に表示態様が変化した特定表示は、表示変化高確率ゾーン中に表示態様が変化しなかった特定表示よりも表示態様が変化する回数が多くなりやすいことも含む。
【0369】
表示変化高確率ゾーンにおいて、複数の特定表示の表示態様が変化するようにしてもよい。例えば表示変化高確率ゾーン移行契機となった始動入賞に対応する特定表示(ターゲットの特定表示)以外の特定表示を「青」に変化させることによって、ターゲットがいずれであるかわかりづらくしてもよい。その際に、複数の特定表示が同時に変化する保留変化予告や、複数の特定表示が同時に変化することを示唆する変化示唆演出(例えば保留表示領域全体にエフェクトがかかったり画像が作用する演出等)を実行するようにしてもよい。この場合、複数の特定表示の変化が成功するようにしてもよいし、一つのみ変化する場合があってもよい。また、複数の特定表示が同時に変化する保留変化予告は、表示変化高確率ゾーン中のみ実行されるようにしてもよいし、他のゾーンやゾーン演出中でない通常状態で実行されるようにしてもよい。
【0370】
上記実施例では、表示変化高確率ゾーンは一種類であったが、表示変化高確率ゾーンが複数種類あってもよい。例えば、通常状態よりも特定表示の表示態様が変化しやすい弱表示変化高確率ゾーンと、弱表示変化高確率ゾーンよりも特定表示の表示態様が変化しやすい強表示変化高確率ゾーンと、を設けてもよい。この場合、ゾーン表示57AK003の表示色を異ならせることで、いずれの表示変化高確率ゾーンであるかを示すようにしてもよい。例えば、弱表示変化高確率ゾーンでは青色のゾーン表示57AK003として、強表示変化高確率ゾーンでは赤色のゾーン表示57AK003としてもよい。そして、弱表示変化高確率ゾーンから強表示変化高確率ゾーンに移行するようにしてもよい。弱表示変化高確率ゾーンから強表示変化高確率ゾーンに移行させる場合には、ゾーン表示57AK003の表示色を変化させればよい。このようにすることで、いずれも表示変化高確率ゾーンであることがわかりやすく、また期待度が変化したことを報知できる。また、表示変化高確率ゾーンの種類として、特定表示の変化する確率が高い表示変化高確率ゾーンと、特定表示の変化する回数が多くなりやすい表示変化高確率ゾーンと、があってもよい。
【0371】
表示変化高確率ゾーンを複数種類設ける場合、各表示変化高確率ゾーンとチャンスゾーンとの間で移行可能としてもよい。例えば、弱表示変化高確率ゾーンから強表示変化高確率ゾーンに移行し、その後チャンスゾーンに移行するようにしてもよい。また、弱表示変化高確率ゾーンからチャンスゾーンに移行し、その後強表示変化高確率ゾーンに移行するようにしてもよい。また、特定のルートではゾーンが移行しないように制限してもよいし、ルートが分岐するような演出(いずれのゾーンに移行するかを示す演出)を実行してもよい。
【0372】
上記実施例では、変化示唆演出は、星の画像57AK004が特定表示に作用するような演出であったが、変化示唆演出の演出態様はこれに限定されず、キャラクタ画像といった所定の画像が表示されるようなものであってもよいし、音、ランプ、可動体の動作等により特定表示の表示態様が変化することを示唆するものであってもよい。また、ゾーン演出中であるか否か、いずれのゾーンであるかによって変化示唆演出の演出態様(演出装置)を異ならせてもよい。
【0373】
上記実施例では、ゾーン表示57AK003、57AK005により、ゾーン演出が実行されていることや、いずれのゾーンに制御されているかが報知されるようになっていたが、画像表示装置5における背景や音、ランプ、可動体の動作等によりゾーンの報知を行うようにしてもよい。また、背景画像をゾーンによって大きく異ならせたり、特定表示の表示領域(アクティブ表示領域57AK001、保留表示領域57AK002)にゾーンの種類を表示してもよいし、特定表示の表示領域の表示態様や色をゾーンによって異ならせてもよい。
【0374】
また、画像表示装置5とは異なるサブの表示装置(サブ液晶)を設けて、サブ液晶にゾーンの種類を表示したり、サブ液晶を可動式としてサブ液晶の動作や位置によってゾーンの種類を報知してもよい。また、特定表示の表示位置、表示サイズ、アニメーションの態様(更新速度、動作速度、動作方向等)をゾーンの種類によって異ならせてもよい。以上のようなゾーンの報知方法は、いずれか一つであってもよいし任意に組み合わせてもよい。
【0375】
特徴部57AKに係る実施例の構成と変形例の構成との一部または全部を適宜組み合わせてもよい。また、特徴部57AKに係る発明と、他の特徴部に係る発明を適宜組み合わせてもよい。
【0376】
例えば、特徴部57AKに係る発明に特徴部53AK、54AKに係る発明を組み合わせて、本願の先読予告演出(保留変化予告、ゾーン演出)の出現率や信頼度を設定値に依らず同一または略同一の範囲内となるように、先読予告演出の実行割合を設定値に応じて調整するようにしてもよい。
【0377】
(特徴部57AKに係る手段の説明)
(1)特徴部57AKに係る遊技機は、
可変表示に対応する特定表示(例えば保留表示、アクティブ表示)を表示可能な遊技機(例えばパチンコ遊技機1)であって、
特定表示の表示態様を変化させる変化演出実行手段(例えばステップ57AKS002、ステップ57AKS005、ステップ57AKS008、ステップ57AKS010の処理を実行する演出制御用CPU120)と、
特定演出(例えば表示変化高確率ゾーンのゾーン演出)を実行可能な特定演出実行手段(例えばステップ57AKS003、ステップ57AKS005、ステップ57AKS011の処理を実行する演出制御用CPU120)と、を備え、
前記特定演出が実行されているときの方が、前記特定演出が実行されていないときよりも特定表示の表示態様が変化しやすく、
前記特定演出が終了した後も、当該特定演出が実行されていたときに表示態様が変化した特定表示は、当該特定演出が実行されていたときに表示態様が変化しなかった特定表示よりも表示態様が変化しやすい(例えばステップ57AKS003の処理で特定表示の表示態様の変化回数に応じて表示変化高確率ゾーンに移行させるか否かを決定する)。
このような構成によれば、特定表示の表示態様がさらに変化することに期待が持てるので、遊技の興趣が向上する。
【0378】
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記特定演出が実行されているときと前記特定演出が実行されていないときとで、特定表示の表示態様が変化することを示唆する変化示唆演出(例えば
図10-1(C)等に示す星の画像57AK004が特定表示に作用する演出)の実行割合が異なる(例えば表示変化高確率ゾーンのみで変化示唆演出を実行する)ようにしてもよい。
このような構成によれば、特定表示の表示態様がさらに変化することに期待が持てるので、遊技の興趣が向上する。
【0379】
(3)上記(1)または(2)の遊技機において、
前記特定演出が実行されたときに表示態様が所定態様に変化した特定表示は、前記特定演出が実行されていないときに表示態様が所定態様に変化した特定表示よりも表示態様が変化しやすい(例えばステップ57AKS003の処理で特定表示の表示態様の変化回数に応じて表示変化高確率ゾーンに移行させるか否かを決定する)ようにしてもよい。
このような構成によれば、特定表示の表示態様がさらに変化することに期待が持てるので、遊技の興趣が向上する。
【0380】
(4)上記(1)から(3)のいずれかの遊技機において、
前記特定演出とは異なる特別演出(例えばチャンスゾーンのゾーン演出)を実行可能な特別演出実行手段(例えばステップ57AKS003、ステップ57AKS005、ステップ57AKS011の処理を実行する演出制御用CPU120)と、を備え、
前記特定演出が実行されているときの方が、前記特別演出が実行されているときよりも、特定表示の表示態様が変化しやすいようにしてもよい。
このような構成によれば、演出が多彩になり興趣が向上する。
【0381】
(5)上記(1)から(4)のいずれかの遊技機において、
前記特定演出とは異なる特別演出(例えばチャンスゾーンのゾーン演出)を実行可能な特別演出実行手段(例えばステップ57AKS003、ステップ57AKS005、ステップ57AKS011の処理を実行する演出制御用CPU120)と、を備え、
前記特別演出が実行されているときの方が、前記特定演出が実行されているときよりも、遊技者にとって有利な有利状態に制御される割合が高く、
前記特定演出から前記特別演出に移行可能である(例えば
図10-7参照)ようにしてもよい。
このような構成によれば、演出が多彩になり興趣が向上する。
【0382】
本発明は、以上に説明したものに限られるものではない。また、その具体的な構成は、上述の実施形態や後述の他の形態例に加えて、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があってもこの発明に含まれる。
【0383】
また、上述した実施の形態及び各変形例に示した構成、後述の形態例及び各変形例に示した構成のうち、全部又は一部の構成を任意に組み合わせることとしてもよい。
【0384】
なお、今回開示された上述の実施形態及び後述の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上述の説明及び後述の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等な意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0385】
本発明の遊技機としては、他にも、可変表示に対応する特定表示(例えば保留表示、アクティブ表示)を表示可能な遊技機(例えばパチンコ遊技機1)であって、特定表示の表示態様を変化させる変化演出実行手段(例えばステップ57AKS002、ステップ57AKS005、ステップ57AKS008、ステップ57AKS010の処理を実行する演出制御用CPU120)と、特定演出(例えば表示変化高確率ゾーンのゾーン演出)を実行可能な特定演出実行手段(例えばステップ57AKS003、ステップ57AKS005、ステップ57AKS011の処理を実行する演出制御用CPU120)と、を備え、前記特定演出が実行されているときの方が、前記特定演出が実行されていないときよりも特定表示の表示態様が変化しやすく、前記特定演出が終了した後も、当該特定演出が実行されていたときに表示態様が変化した特定表示は、当該特定演出が実行されていたときに表示態様が変化しなかった特定表示よりも表示態様が変化しやすく(例えばステップ57AKS003の処理で特定表示の表示態様の変化回数に応じて表示変化高確率ゾーンに移行させるか否かを決定する)、さらに、前記可変表示の表示結果が特定結果となったときに遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当り遊技状態など)に制御可能であって、前記有利状態に制御される確率が異なる複数段階の設定値(例えば、最も遊技者にとって不利な設定値である1から最も遊技者にとって有利な設定値である6までの値など)のうちいずれかの設定値に設定可能な設定手段(例えば、
図11-15の設定値変更処理を実行するCPU103など)と、前記有利状態の終了後に、前記有利状態に制御される確率が通常状態よりも高い特別状態に制御可能な特別状態制御手段(例えば、大当り遊技状態が終了した後に、大当り種別に応じて、確変状態に制御するCPU103など)と、を備え、前記特別状態に制御されているときの可変表示の表示結果として、前記特定結果とは異なる表示結果の一部である所定結果を表示する割合を、前記設定手段で設定されている設定値に応じて異ならせる(例えば、ステップ048AKS010の処理を実行する演出制御用CPU120など)遊技機が挙げられる。
【0386】
このような構成によれば、特定表示の表示態様がさらに変化することに期待が持てるので、遊技の興趣が向上する。また、特別状態中における可変表示の表示結果によりいずれの設定値に設定されているかが示唆されるため遊技興趣を向上させることができる。
【0387】
なお、特別状態中における所定結果の表示割合による設定値の示唆に加えて、特定演出(例えば表示変化高確率ゾーンのゾーン演出)の実行頻度により、設定値の示唆を行うようにしてもよい。例えば、特定演出を実行可能なタイミング毎に特定演出を実行するか否かを抽選等により決定するとともに、設定されている設定値によって特定演出の実行を決定する割合を異ならせることにより、設定されている設定値が遊技者にとって有利であるほど、特定演出が実行されやすくなるようにしてもよい。そのようにすれば、特定演出が実行された場合には、特定表示の表示態様が変化すること、および、設定されている設定値が遊技者にとって有利であることへの期待感が向上するため、遊技興趣を一層向上させることができる。
また、特別状態中における所定結果の表示割合による設定値の示唆に加えて、特定演出(例えば表示変化高確率ゾーンのゾーン演出)において表示態様が変化した特定表示が、特定演出が終了した後に表示態様がさらに変化する割合により、設定値の示唆を行うようにしてもよい。例えば、特定演出において特定表示の表示態様が変化したときに、特定演出が終了した後にさらに表示態様を変化させるか否かを抽選等により決定するとともに、設定されている設定値によって表示態様をさらに変化させる旨を決定する割合を異ならせることにより、設定されている設定値が遊技者にとって有利であるほど、特定表示の表示態様がさらに変化しやすくなるようにしてもよい。そのようにすれば、特定表示の表示態様がさらに変化した場合には、設定されている設定値が遊技者にとって有利であることへの期待感が向上するため、遊技興趣を向上させることができる。
また、特別状態中における所定結果の表示割合による設定値の示唆に加えて、特定演出(例えば表示変化高確率ゾーンのゾーン演出)において、あるいは特定演出が終了した後において、特定表示の表示態様を変化させるときの変化後の態様を複数種類の中から抽選等により選択するとともに、設定されている設定値によって変化後の各態様の選択割合を異ならせることにより、設定されている設定値が遊技者にとって有利であるほど、変化後の態様が特定種類の態様になりやすくなるようにしてもよい。そのようにすれば、特定表示の表示態様の変化後の態様が豊富になるとともに、特定種類の態様に変化した場合には設定されている設定値が遊技者にとって有利であることへの期待感が向上するため、遊技興趣を向上させることができる。
また、このように、設定値の示唆を複数の要素(例えば特別状態中における所定結果の表示割合と特定演出の実行頻度等との2つの要素)により行うようにすれば、複数の要素で遊技者に有利な設定値が示唆された場合には、遊技者は遊技者に有利な設定値であることをより確信することができ、或る要素で遊技者に有利な設定値が示唆されなかった場合でも、他の要素で有利な設定値が示唆されれば、遊技者は遊技者に有利な設定値であることへの期待感を持続できるので、遊技興趣を向上させることができる。
【0388】
さらに、遊技興趣を向上させることができる遊技機の形態の一例として、識別情報の可変表示を行い、可変表示の表示結果が特定結果となったときに遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当り遊技状態など)に制御可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1など)であって、前記有利状態に制御される確率が異なる複数段階の設定値(例えば、最も遊技者にとって不利な設定値である1から最も遊技者にとって有利な設定値である6までの値など)のうちいずれかの設定値に設定可能な設定手段(例えば、
図11-15の設定値変更処理を実行するCPU103など)と、前記有利状態の終了後に、前記有利状態に制御される確率が通常状態よりも高い特別状態に制御可能な特別状態制御手段(例えば、大当り遊技状態が終了した後に、大当り種別に応じて、確変状態に制御するCPU103など)と、を備え、前記特別状態に制御されているときの可変表示の表示結果として、前記特定結果とは異なる表示結果の一部である所定結果を表示する割合を、前記設定手段で設定されている設定値に応じて異ならせる(例えば、ステップ048AKS010の処理を実行する演出制御用CPU120など)遊技機が挙げられる。以下に、これらの遊技機の形態例の一例を他の形態例として説明する。
【0389】
以下、他の形態例の特徴部について説明する。
(特徴部048AKに関する説明)
次に、本実施の形態の特徴部048AKについて説明する。
図11-1は、本実施の形態の特徴部048AKにおけるパチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。
図11-1に示すように、パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、縦長の方形枠状に形成された外枠と、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)とから構成されている。遊技盤2には、遊技領域が形成され、この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。また、遊技機用枠には、ガラス窓を有するガラス扉枠が左側辺を中心として遊技機用枠の前面を開放する扉開放位置と該前面を閉鎖する扉閉鎖位置との間で回動可能に設けられ、該ガラス扉枠により遊技領域を開閉できるようになっており、ガラス扉枠を閉鎖したときにガラス窓を通して遊技領域を透視できるようになっている。
【0390】
また、遊技機用枠は、遊技場の店員等が所有する扉キーを図示しない錠前に挿入して解錠することで開放可能となり、店員以外の遊技者等は遊技機用枠及びガラス扉枠を開放することはできないようになっている。
【0391】
また、
図11-1に示すように、画像表示装置5の表示領域の下部の左右2箇所には、第1保留記憶表示エリア207SG005D、第2保留記憶表示エリア207SG005Uが設定されている。第1保留記憶表示エリア207SG005D、第2保留記憶表示エリア207SG005Uでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。パチンコ遊技機(遊技機)1の遊技盤2における画像表示装置5の左側は、遊技球が流下可能な左遊技領域207SG002Lに形成されており、遊技盤2における画像表示装置5の右側は、遊技球が流下可能な右遊技領域207SG002Rに形成されている。
【0392】
左遊技領域207SG002Lは、打球操作ハンドル30の操作によって比較的弱く打ち出された(左打ち)遊技球が流下する遊技領域であり、右遊技領域207SG002Rは、打球操作ハンドル30の操作によって左遊技領域207SG002Lを流下する遊技球よりも強く打ち出された(右打ち)遊技球が、画像表示装置5の上方経路207SG002Cを通過して流下する遊技領域である。
【0393】
また、左遊技領域207SG002Lには、一般入賞口10が配置されており、右遊技領域207SG002Rには、該右遊技領域207SG002Rの上流方から下流側にかけて、通過ゲート41、可変入賞球装置6B、一般入賞口10、特別可変入賞球装置7が配置されている。つまり、左遊技領域207SG002Lを流下する遊技球は、一般入賞口10と入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に入賞可能となっており、右遊技領域207SG002Rを流下する遊技球は、可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口、一般入賞口10及び特別可変入賞球装置7が形成する大入賞口に入賞可能となっているとともに、通過ゲート41を通過可能となっている。
【0394】
図11-1に示すように、入賞球装置6Aと可変入賞球装置6B及び特別可変入賞球装置7の間には、複数の障害釘207SGK1が配設されている。このため、左遊技領域207SG002Lを流下する遊技球は、第2始動入賞口や大入賞口に入賞不能であるとともに、右遊技領域207SG002Rを流下する遊技球は、第1始動入賞口に入賞不能となっている。
【0395】
本実施の形態の特徴部048AKにおける主基板11は、図示は省略しているが、第1部材と第2部材とにより開放可能に構成された基板ケース207SG201に収納された状態でパチンコ遊技機1の背面に搭載されている。また、主基板11には、パチンコ遊技機1の設定値を変更可能な設定値変更状態に切り替えるための錠スイッチ207SG051と、設定値変更状態において後述する大当りの当選確率(出玉率)等の設定値を変更するための設定スイッチとして機能する設定切替スイッチ207SG052と、遊技機用枠の開放を検知する開放センサ207SG090と、が設けられている。なお、本実施の形態の特徴部048AKにおける設定値変更状態は、遊技場の店員等がパチンコ遊技機1に設定されている設定値を確認可能な状態(設定値確認状態)でもある。
【0396】
これら錠スイッチ207SG051及び設定切替スイッチ207SG052といった遊技者が操作可能な操作部が設けられた設定切替本体部は、主基板11とともに基板ケース207SG201内に収容されており、錠スイッチ207SG051及び設定切替スイッチ207SG052は、基板ケース207SG201を開放しなくても操作可能となるように基板ケース207SG201の背面に形成された開口を介して背面側に露出している。
【0397】
錠スイッチ207SG051及び設定切替スイッチ207SG052を有する基板ケース207SG201は、パチンコ遊技機1の背面に設けられているため、遊技機用枠を閉鎖した状態では操作が極めて困難であり、所定の扉キーを用いて遊技機用枠を開放することで操作が可能となる。また、錠スイッチ207SG051は、遊技場の店員等が所有する設定キーの操作を要することから、設定キーを所持する店員のみ操作が可能とされている。また、錠スイッチ207SG051は、設定キーによって、後述するONとOFFの切替操作を実行可能なスイッチでもある。尚、本実施の形態の特徴部048AKでは、扉キーと設定キーとが別個のキーである形態を例示しているが、これらは1のキーにて兼用されていてもよい。
【0398】
また、基板ケース207SG201には、設定値やベース値を表示可能な表示モニタ207SG029が配置されている。該表示モニタ207SG029は、主基板11に接続されているとともに、基板ケース207SG201の上部に配置されている。つまり、表示モニタ207SG029は、基板ケース207SG201における主基板11を視認する際の正面に配置されている。主基板11は、遊技機用枠を開放していない状態では視認できないので、主基板11を視認する際の正面とは、遊技機用枠を開放した状態における遊技盤2の裏面側を視認する際の正面であり、パチンコ遊技機1の正面とは異なる。ただし、主基板11を視認する際の正面とパチンコ遊技機1の正面とが共通するようにしてもよい。
【0399】
本実施の形態の特徴部048AKのパチンコ遊技機1は、設定値に応じて大当りの当選確率(出玉率)が変わる構成とされている。詳しくは、後述する特別図柄プロセス処理の特別図柄通常処理において、設定値に応じた表示結果判定テーブル(当選確率)を用いることにより、大当りの当選確率(出玉率)が変わるようになっている。設定値は1~6の6段階からなり、6が最も出玉率が高く、6、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど出玉率が低くなる。すなわち、設定値として6が設定されている場合には遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。換言すれば、設定値とは、最も大きい値である6が最も遊技場側にとって不利な値であり、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど遊技場側にとって有利な値となる。なお、設定値に応じて出玉率が変われば、例えば、大当りの確率が設定値によって変わっていてもよいし、大当り確率は一定であるものの大当り遊技状態におけるラウンド数が設定値によって変わっていてもよい(以下の特徴部049AKおよび特徴部050AKについても同様)。また、設定されている設定値は、主基板11の側から設定値指定コマンドとして演出制御基板12の側へ送信される(以下の特徴部049AKおよび特徴部050AKについても同様)。
【0400】
図11-2(A)~
図11-2(B)は、各設定値に対応する表示結果判定テーブルを示す説明図である。表示結果判定テーブルとは、ROM101に記憶されているデータの集まりであって、MR1と比較される当り判定値が設定されているテーブルである。本実施の形態の特徴部048AKでは、表示結果判定テーブルとして、第1特図と第2特図とで個別の表示結果判定テーブルを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1特図と第2特図とで共通の表示結果判定テーブルを用いるようにしても良い。
【0401】
図11-2(A)に示すように、設定値が1であり変動特図が第1特図である場合に用いる第1特図用表示結果判定テーブル(設定値1)においては、遊技状態が通常状態または時短状態である場合は、0~65535の範囲で値を取り得る数値であり、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される当り判定値のうち、1020~1237までが「大当り」に割り当てられており、32767~33094までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。また、遊技状態が確変状態である場合は、前述の当り判定値のうち、1020~1346までが「大当り」に割り当てられており、32767~33094までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。
【0402】
図11-2(B)に示すように、設定値が1であり変動特図が第2特図である場合に用いる第2特図用表示結果判定テーブル(設定値1)においては、遊技状態が通常状態または時短状態である場合は、0~65535の範囲で値を取り得る数値であり、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される当り判定値のうち、1020~1237までが「大当り」に割り当てられており、32767~33421までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。また、遊技状態が確変状態である場合は、前述の当り判定値のうち、1020~1346までが「大当り」に割り当てられており、32767~33421までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。
【0403】
図11-3(A)に示すように、設定値が2であり変動特図が第1特図である場合に用いる第1特図用表示結果判定テーブル(設定値2)においては、遊技状態が通常状態または時短状態である場合は、0~65535の範囲で値を取り得る数値であり、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される当り判定値のうち、1020~1253までが「大当り」に割り当てられており、32767~33094までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。また、遊技状態が確変状態である場合は、前述の当り判定値のうち、1020~1383までが「大当り」に割り当てられており、32767~33094までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。
【0404】
図11-3(B)に示すように、設定値が2であり変動特図が第2特図である場合に用いる第2特図用表示結果判定テーブル(設定値2)においては、遊技状態が通常状態または時短状態である場合は、0~65535の範囲で値を取り得る数値であり、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される当り判定値のうち、1020~1253までが「大当り」に割り当てられており、32767~33421までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。また、遊技状態が確変状態である場合は、前述の当り判定値のうち、1020~1383までが「大当り」に割り当てられており、32767~33421までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。
【0405】
図11-4(A)に示すように、設定値が3であり変動特図が第1特図である場合に用いる第1特図用表示結果判定テーブル(設定値3)においては、遊技状態が通常状態または時短状態である場合は、0~65535の範囲で値を取り得る数値であり、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される当り判定値のうち、1020~1272までが「大当り」に割り当てられており、32767~33094までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。また、遊技状態が確変状態である場合は、前述の当り判定値のうち、1020~1429までが「大当り」に割り当てられており、32767~33094までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。
【0406】
図11-4(B)に示すように、設定値が3であり変動特図が第2特図である場合に用いる第2特図用表示結果判定テーブル(設定値3)においては、遊技状態が通常状態または時短状態である場合は、0~65535の範囲で値を取り得る数値であり、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される当り判定値のうち、1020~1272までが「大当り」に割り当てられており、32767~33421までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。また、遊技状態が確変状態である場合は、前述の当り判定値のうち、1020~1429までが「大当り」に割り当てられており、32767~33421までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。
【0407】
図11-5(A)に示すように、設定値が4であり変動特図が第1特図である場合に用いる第1特図用表示結果判定テーブル(設定値4)においては、遊技状態が通常状態または時短状態である場合は、0~65535の範囲で値を取り得る数値であり、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される当り判定値のうち、1020~1292までが「大当り」に割り当てられており、32767~33094までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。また、遊技状態が確変状態である場合は、前述の当り判定値のうち、1020~1487までが「大当り」に割り当てられており、32767~33094までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。
【0408】
図11-5(B)に示すように、設定値が4であり変動特図が第2特図である場合に用いる第2特図用表示結果判定テーブル(設定値4)においては、遊技状態が通常状態または時短状態である場合は、0~65535の範囲で値を取り得る数値であり、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される当り判定値のうち、1020~1292までが「大当り」に割り当てられており、32767~33421までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。また、遊技状態が確変状態である場合は、前述の当り判定値のうち、1020~1487までが「大当り」に割り当てられており、32767~33421までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。
【0409】
図11-6(A)に示すように、設定値が5であり変動特図が第1特図である場合に用いる第1特図用表示結果判定テーブル(設定値4)においては、遊技状態が通常状態または時短状態である場合は、0~65535の範囲で値を取り得る数値であり、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される当り判定値のうち、1020~1317までが「大当り」に割り当てられており、32767~33094までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。また、遊技状態が確変状態である場合は、前述の当り判定値のうち、1020~1556までが「大当り」に割り当てられており、32767~33094までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。
【0410】
図11-6(B)に示すように、設定値が5であり変動特図が第2特図である場合に用いる第2特図用表示結果判定テーブル(設定値5)においては、遊技状態が通常状態または時短状態である場合は、0~65535の範囲で値を取り得る数値であり、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される当り判定値のうち、1020~1317までが「大当り」に割り当てられており、32767~33421までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。また、遊技状態が確変状態である場合は、前述の当り判定値のうち、1020~1556までが「大当り」に割り当てられており、32767~33421までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。
【0411】
図11-7(A)に示すように、設定値が6であり変動特図が第1特図である場合に用いる第1特図用表示結果判定テーブル(設定値6)においては、遊技状態が通常状態または時短状態である場合は、0~65535の範囲で値を取り得る数値であり、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される当り判定値のうち、1020~1346までが「大当り」に割り当てられており、32767~33094までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。また、遊技状態が確変状態である場合は、前述の当り判定値のうち、1020~1674までが「大当り」に割り当てられており、32767~33094までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。
【0412】
図11-7(B)に示すように、設定値が6であり変動特図が第2特図である場合に用いる第2特図用表示結果判定テーブル(設定値4)においては、遊技状態が通常状態または時短状態である場合は、0~65535の範囲で値を取り得る数値であり、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される当り判定値のうち、1020~1346までが「大当り」に割り当てられており、32767~33421までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。また、遊技状態が確変状態である場合は、前述の当り判定値のうち、1020~1674までが「大当り」に割り当てられており、32767~33421までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。
【0413】
以上のように、各表示結果判定テーブルにおいては、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの判定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態または時短状態(低確状態)であるときに特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率(本実施の形態の特徴部048AKでは、設定値が1の場合は1/300、設定値が2の場合は1/280、設定値が3の場合は1/260、設定値が4の場合は1/240、設定値が5の場合は1/220、設定値が6の場合は1/200)に比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる(本実施の形態の特徴部048AKでは、設定値が1の場合は1/200、設定値が2の場合は1/180、設定値が3の場合は1/160、設定値が4の場合は1/140、設定値が5の場合は1/120、設定値が6の場合は1/100)。即ち、各表示結果判定テーブルでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態や時短状態であるときに比べて大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように、判定値が大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられている。
【0414】
尚、本実施の形態の特徴部048AKでは、
図11-2~
図11-7に示すように、各設定値に応じて通常状態や時短状態における大当り確率に対する確変状態における大当り確率の倍率がそれぞれ異なる(例えば、設定値1であれば通常状態や時短状態における大当り確率に対する確変状態における大当り確率の倍率は1.5倍であり、設定値2であればば通常状態や時短状態における大当り確率に対する確変状態における大当り確率の倍率は約1.56倍であり、設定値3であれば通常状態や時短状態における大当り確率に対する確変状態における大当り確率の倍率は1.625倍である)ように設定されている形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、各設定値での通常状態や時短状態における大当り確率に対する確変状態における大当り確率の倍率は全て一定(例えば、5倍)に設定してもよい。
【0415】
また、各第1特図用表示結果判定テーブルにおいては、遊技状態や設定値にかかわらず、特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される確率が同一値となるように判定値が割り当てられている。具体的には、
図11-2(A)、
図11-3(A)、
図11-4(A)、
図11-5(A)、
図11-6(A)、
図11-7(A)に示すように、第1特図用表示結果判定テーブルにおいては、遊技状態や設定値にかかわらず、特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される確率が1/200に設定されている。
【0416】
一方で、各第2特図用表示結果判定テーブルにおいては、遊技状態や設定値にかかわらず、特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される確率が第1特図用表示結果判定テーブルとは異なる同一値となるように判定値が割り当てられている。具体的には、
図11-2(B)、
図11-3(B)、
図11-4(B)、
図11-5(B)、
図11-6(B)、
図11-7(B)に示すように、第2特図用表示結果判定テーブルにおいては、遊技状態や設定値にかかわらず、特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される確率が1/100に設定されている。
【0417】
なお、本実施の形態の特徴部048AKでは、設定値にかかわらず特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される確率が同一確率である形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、設定値に応じて特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される確率を異ならせてもよい。更に、本実施の形態の特徴部048AKでは、変動特図に応じて特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される確率が異なる形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、変動特図にかかわらず特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される確率を同一確率としてもよい。
【0418】
ここで、各表示結果判定テーブルにおいて「大当り」や「小当り」に割り当てられている当り判定値の数値範囲に着目すると、
図11-8に示すように、遊技状態が通常状態または時短状態の場合における第1特図用表示結果判定テーブルにおいては、当り判定値のうち1020~1237までの範囲が、設定値にかかわらず大当りを判定するための大当り判定値の共通数値範囲に設定されている。
【0419】
なお、設定値が1の場合は、大当りを判定するための大当り判定値の共通数値範囲のみが設定されている(1020~1237までが「大当り」に割り当てられている)一方で、設定値2~設定値6の場合は、該大当り判定値の共通数値範囲から連続するように、1238から各設定値に応じた数値範囲が大当り判定値の非共通数値範囲に設定されている。この大当り判定値の非共通数値範囲は、設定値2では1238~1253の範囲、設定値3では1238~1272の範囲、設定値4では1238~1292の範囲、設定値5では1238~1317の範囲、設定値6では1238~1346の範囲にそれぞれ設定されている。
【0420】
つまり、本実施の形態の特徴部048AKでは、遊技状態が通常状態または時短状態である場合における第1特図用表示結果判定テーブルにおいては、設定値が1の場合は0~65535の範囲で値を取り得る当り判定値のうち、共通数値範囲(1020~1237)内の数値のみが「大当り」に割り当てられている一方で、設定値が2以上である場合は、大当り判定値のうち、共通数値範囲に非共通数値範囲を加えた範囲内の数値が「大当り」に割り当てられている。更に、非共通数値範囲は、設定値の値が大きくなるに連れて1238を基準として増加していく。
【0421】
このため、大当り確率は、1020を大当り判定値の基準値(大当り基準値)として、設定値が大きくなるに連れて共通数値範囲に連続する非共通数値範囲が増加していくことによって高くなっていく。
【0422】
なお、遊技状態が通常状態または時短状態である場合における第1特図用表示結果判定テーブルにおいては、当り判定値のうち32767~33094までの範囲が、設定値にかかわらず小当りを判定するための小当り判定値の共通数値範囲に設定されている。ここで設定値が6の場合に注目すると、該設定値が6の場合は、前述したように当り判定値のうち1020~1346までが大当り判定値の数値範囲に設定されている一方で、小当り判定値は、前記設定値6の場合の大当り判定値の範囲(1020~1346)とは異なる数値範囲において、32767を小当り判定値の基準値(小当り基準値)として、32767~33094の範囲に設定されているので、小当り判定値の数値範囲が各設定値に応じて変化する大当り判定値の範囲に重複することが防止されている。
【0423】
次に、
図11-9に示すように、遊技状態が確変状態の場合における第1特図用表示結果判定テーブルにおいては、当り判定値のうち1020~1346までの範囲が、設定値にかかわらず大当りを判定するための大当り判定値の共通数値範囲に設定されている。
【0424】
なお、設定値が1の場合は、大当りを判定するための大当り判定値の共通数値範囲のみが設定されている(1020~1346までが「大当り」に割り当てられている)一方で、設定値2~設定値6の場合は、該大当り判定値の共通数値範囲から連続するように、1347から各設定値に応じた数値範囲が大当り判定値の非共通数値範囲に設定されている。この大当り判定値の非共通数値範囲は、設定値2では1347~1383の範囲、設定値3では1347~1429の範囲、設定値4では1347~1487の範囲、設定値5では1347~1556の範囲、設定値6では1347~1674の範囲にそれぞれ設定されている。
【0425】
つまり、本実施の形態の特徴部048AKでは、遊技状態が確変状態である場合における第1特図用表示結果判定テーブルにおいては、設定値が1の場合は0~65535の範囲で値を取り得る当り判定値のうち、共通数値範囲(1020~1346)内の数値のみが「大当り」に割り当てられている一方で、設定値が2以上である場合は、大当り判定値のうち、共通数値範囲に非共通数値範囲を加えた範囲内の数値が「大当り」に割り当てられている。更に、非共通数値範囲は、設定値の値が大きくなるに連れて1347を基準として増加していく。
【0426】
このため、大当り確率は、1020を大当り判定値の基準値(大当り基準値)として、設定値が大きくなるに連れて共通数値範囲に連続する非共通数値範囲が増加していくことによって高くなっていく。
【0427】
なお、遊技状態が確変状態である場合における第1特図用表示結果判定テーブルにおいては、遊技状態が通常状態または時短状態である場合における第1特図用表示結果判定テーブルと同じく、当り判定値のうち32767~33094までの範囲が、設定値にかかわらず小当りを判定するための小当り判定値の共通数値範囲に設定されている。ここで設定値が6の場合に注目すると、該設定値が6の場合は、前述したように当り判定値のうち1020~1674までが大当り判定値の数値範囲に設定されている一方で、小当り判定値は、前記設定値6の場合の大当り判定値の範囲(1020~1674)とは異なる数値範囲において、32767を小当り判定値の基準値(小当り基準値)として、32767~33094の範囲に設定されているので、小当り判定値の数値範囲が各設定値に応じて変化する大当り判定値の範囲に重複することが防止されている。
【0428】
図11-10に示すように、遊技状態が通常状態または時短状態の場合における第2特図用表示結果判定テーブルにおいては、当り判定値のうち1020~1237までの範囲が、設定値にかかわらず大当りを判定するための大当り判定値の共通数値範囲に設定されている。
【0429】
なお、設定値が1の場合は、大当りを判定するための大当り判定値の共通数値範囲のみが設定されている(1020~1237までが「大当り」に割り当てられている)一方で、設定値2~設定値6の場合は、該大当り判定値の共通数値範囲から連続するように、1238から各設定値に応じた数値範囲が大当り判定値の非共通数値範囲に設定されている。この大当り判定値の非共通数値範囲は、設定値2では1238~1253の範囲、設定値3では1238~1272の範囲、設定値4では1238~1292の範囲、設定値5では1238~1317の範囲、設定値6では1238~1346の範囲にそれぞれ設定されている。
【0430】
つまり、本実施の形態の特徴部048AKでは、遊技状態が通常状態または時短状態である場合における第2特図用表示結果判定テーブルにおいては、設定値が1の場合は0~65535の範囲で値を取り得る当り判定値のうち、共通数値範囲(1020~1237)内の数値のみが「大当り」に割り当てられている一方で、設定値が2以上である場合は、大当り判定値のうち、共通数値範囲に非共通数値範囲を加えた範囲内の数値が「大当り」に割り当てられている。更に、非共通数値範囲は、設定値の値が大きくなるに連れて1238を基準として増加していく。
【0431】
このため、大当り確率は、1020を大当り判定値の基準値(大当り基準値)として、設定値が大きくなるに連れて共通数値範囲に連続する非共通数値範囲が増加していくことによって高くなっていく。
【0432】
尚、遊技状態が通常状態または時短状態である場合における第2特図用表示結果判定テーブルにおいては、当り判定値のうち32767~33421までの範囲が、設定値にかかわらず小当りを判定するための小当り判定値の共通数値範囲に設定されている。ここで設定値が6の場合に注目すると、該設定値が6の場合は、前述したように当り判定値のうち1020~1346までが大当り判定値の数値範囲に設定されている一方で、小当り判定値は、前記設定値6の場合の大当り判定値の範囲(1020~1346)とは異なる数値範囲において、32767を小当り判定値の基準値(小当り基準値)として、32767~33421の範囲に設定されているので、小当り判定値の数値範囲が各設定値に応じて変化する大当り判定値の範囲に重複することが防止されている。
【0433】
次に、
図11-11に示すように、遊技状態が確変状態の場合における第2特図用表示結果判定テーブルにおいては、当り判定値のうち1020~1346までの範囲が、設定値にかかわらず大当りを判定するための大当り判定値の共通数値範囲に設定されている。
【0434】
尚、設定値が1の場合は、大当りを判定するための大当り判定値の共通数値範囲のみが設定されている(1020~1346までが「大当り」に割り当てられている)一方で、設定値2~設定値6の場合は、該大当り判定値の共通数値範囲から連続するように、1347から各設定値に応じた数値範囲が大当り判定値の非共通数値範囲に設定されている。この大当り判定値の非共通数値範囲は、設定値2では1347~1383の範囲、設定値3では1347~1429の範囲、設定値4では1347~1487の範囲、設定値5では1347~1556の範囲、設定値6では1347~1674の範囲にそれぞれ設定されている。
【0435】
つまり、本実施の形態の特徴部048AKでは、遊技状態が確変状態である場合における第2図用表示結果判定テーブルにおいては、設定値が1の場合は0~65535の範囲で値を取り得る当り判定値のうち、共通数値範囲(1020~1346)内の数値のみが「大当り」に割り当てられている一方で、設定値が2以上である場合は、大当り判定値のうち、共通数値範囲に非共通数値範囲を加えた範囲内の数値が「大当り」に割り当てられている。更に、非共通数値範囲は、設定値の値が大きくなるに連れて1347を基準として増加していく。
【0436】
このため、大当り確率は、1020を大当り判定値の基準値(大当り基準値)として、設定値が大きくなるに連れて共通数値範囲に連続する非共通数値範囲が増加していくことによって高くなっていく。
【0437】
尚、遊技状態が確変状態である場合における第2特図用表示結果判定テーブルにおいては、遊技状態が通常状態または時短状態である場合における第2特図用表示結果判定テーブルと同じく、当り判定値のうち32767~33421までの範囲が、設定値にかかわらず小当りを判定するための小当り判定値の共通数値範囲に設定されている。ここで設定値が6の場合に注目すると、該設定値が6の場合は、前述したように当り判定値のうち1020~1674までが大当り判定値の数値範囲に設定されている一方で、小当り判定値は、前記設定値6の場合の大当り判定値の範囲(1020~1674)とは異なる数値範囲において、32767を小当り判定値の基準値(小当り基準値)として、32767~33421の範囲に設定されているので、小当り判定値の数値範囲が各設定値に応じて変化する大当り判定値の範囲に重複することが防止されている。
【0438】
以上、本実施の形態の特徴部048AKにおいては、
図11-8~
図11-11に示すように、各表示結果判定テーブルにおいて、遊技状態及び設定値にかかわらず、当り判定値の1020を基準として共通数値範囲または共通数値範囲と非共通数値範囲とからなる連続した1の数値範囲内に含まれる判定値を大当り判定値の数値範囲とするとともに、遊技状態及び設定値にかかわらず、当り判定値の32767を基準として連続した1の数値範囲(共通数値範囲)内に含まれる判定値を小当り判定値の数値範囲として可変表示結果を判定するようになっている。
【0439】
更に、これら各表示結果判定テーブルにおいては、変動特図が同一である場合は、遊技状態にかかわらず小当り判定値の数値範囲は同一(小当り判定値の数値範囲に含まれる判定値数が同一)である。また、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて小当り判定値の数値範囲に含まれる判定値数が異なる(第1特図用表示結果判定テーブルにおける小当り判定値の数値範囲に含まれる判定値数は328個であるのに対して、第2特図用表示結果判定テーブルにおける小当り判定値の数値範囲に含まれる判定値数は655個と約2倍である)一方で、小当り判定値の数値範囲自体は、32767を基準値(小当り基準値)として設定されている。
【0440】
更に、前述したように、各遊技状態においては、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が1の場合が最も特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が低く、設定値の値が大きくなるほど特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように判定値が割り当てられている(大当り確率:設定値6>設定値5>設定値4>設定値3>設定値2>設定値1)。
【0441】
つまり、CPU103は、その時点で設定されている設定値に対応する表示結果判定テーブルを参照して、MR1の値が大当りに対応するいずれかの当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(大当りA~大当りF)とすることを決定する。また、MR1が小当りに対応するいずれかの当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることを決定する。すなわち、設定値に応じた確率で大当り及び小当りの当選を決定する。尚、
図11-2(A)~
図11-7(B)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)並びに小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に制御するか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に制御するか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
【0442】
尚、本実施の形態では、パチンコ遊技機1に設定可能な設定値として1~6の計6個の設定値を設けているが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機1に設定可能な設定値は、5個以下や7個以上であってもよい。
【0443】
また、本実施の形態の特徴部048AKでは、パチンコ遊技機1に設定される設定値が大きいほど遊技者にとって有利となる(大当り確率が高まることや、大当り種別としての大当りCが決定されやすくなること等)形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機1に設定される設定値が小さいほど遊技者にとって有利となるようにしてもよい。また、本実施の形態の特徴部048AKでは、パチンコ遊技機1に設定される設定値に応じて大当り確率が変化する一方で、遊技性自体は変化しない形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機1に設定される設定値に応じて遊技性が変化するようにしてもよい。
【0444】
例えば、パチンコ遊技機1に設定される設定値が1である場合は、通常状態での大当り確率が1/320、確変状態が65%の割合でループする遊技性(所謂確変ループタイプ)とし、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が2である場合は、通常状態での大当り確率が1/200、大当り遊技中に遊技球が、特別可変入賞球装置7内に設けられた所定スイッチを通過することに基づいて大当り遊技終了後の遊技状態を確変状態に制御する一方で、変動特図に応じて大当り遊技中に遊技球が該所定スイッチを通過する割合が異なる遊技性(所謂V確変タイプ)とし、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が3である場合は、大当り確率が1/320且つ小当り確率が1/50であり、高ベース中(時短制御中)に遊技球が特別可変入賞球装置7内に設けられた所定スイッチを通過することに基づいて大当り遊技状態に制御する遊技性(所謂1種2種混合タイプ)としてもよい。更に、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が1~3のいずれかである場合は遊技性が同一であるが、これら設定値が1~3のいずれかである場合よりも大当り確率や小当り確率が高い一方で大当り遊技中に獲得可能な賞球数が少ない設定(例えば、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が4~6のいずれかである場合)を設けてもよい。
【0445】
更に、このように、設定値に応じて遊技性を変化させる場合は、共通のスイッチを異なる用途に使用してもよい。具体的には、設定値が1~3の場合は、特別可変入賞球装置7内に設けられた所定スイッチを演出用スイッチ(遊技球が所定領域を通過する毎に所定の演出を実行するためのスイッチ)として使用し、設定値が4~6の場合は、該所定スイッチを遊技用スイッチ(遊技球が所定スイッチを通過したことに基づいて遊技状態を確変状態や大当り遊技状態に制御するためのスイッチ)として使用してもよい。
【0446】
次に、本実施の形態の特徴部048AKにおける大当り種別について、
図11-12を用いて説明する。
図11-12は、大当り種別判定テーブルを示す説明図である。本実施の形態の特徴部048AKでは、第1特図と第2特図における大当り種別として、大当り遊技の終了後において高確制御と時短制御とが実行されて高確高ベース状態に移行する大当りA~大当りF(確変大当りともいう)の大当り種別が設定されている。図示するように、本実施の形態の特徴部048AKでは、一旦大当りとなった場合には、100%確変制御が行われるようになっている。なお、第1特図と第2特図のいずれか、または両方に、大当り遊技状態の終了後において時短制御のみが実行されて低確高ベース状態に移行する大当りG(非確変大当りともいう)の大当り種別や、次回大当りとなるまで確変制御が継続する(すなわち回数により終了しない)大当りHの大当り種別が設定されていてもよい。また、大当り遊技の終了後において高確制御と時短制御のいずれも実行されない大当り種別があってもよい。
【0447】
「大当りA」による大当り遊技状態は、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが4回(いわゆる4ラウンド)、繰返し実行される通常開放大当りであり、「大当りB」による大当り遊技状態は、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが8回(いわゆる8ラウンド)、繰返し実行される通常開放大当りである。更に、「大当りC」による大当り遊技状態は、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが2回(いわゆる2ラウンド)、繰返し実行される通常開放大当りである(いわゆる「突確」の大当りである)。また、「大当りD」による大当り遊技状態は、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが5回(いわゆる5ラウンド)、繰返し実行される通常開放大当りであり、「大当りE」による大当り遊技状態は、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが10回(いわゆる10ラウンド)、繰返し実行される通常開放大当りである。更に、「大当りF」による大当り遊技状態は、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが2回(いわゆる2ラウンド)、繰返し実行される通常開放大当りである(いわゆる「突確」の大当りである)。
【0448】
「大当りA」~「大当りF」の大当り遊技状態の終了後において実行される高確制御と時短制御(確変状態状態)は、該大当り遊技状態の終了後において所定回数(本実施の形態の特徴部048AKでは100回)の特図ゲームが実行されること、或いは該所定回数の特図ゲームが実行される前に大当り遊技状態となることにより終了する。よって、再度大当りが発生した場合には、大当り遊技状態の終了後に再度、高確制御と時短制御が実行されるので、大当り遊技状態が通常状態を介することなく連続的に発生する、いわゆる連荘状態となる。
【0449】
なお、例えば、大当りが発生した場合、大当りCや大当りFといったいわゆる突確の大当りに決定する割合を、設定値6、5、4、3、2、1の順に低くしてもよい。つまり、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が6である場合が最も出玉率が高く、設定値が5、4,3、2、1の順に小さくなるほど出玉率が低くなっていればよい。この他にも、設定値に応じて決定される大当り種別の割合が異なるようにしてもよく、この場合、設定値が高いほど遊技者にとって出玉率が高くなるようにすればよい。このように、本実施の形態の特徴部048AKでは、設定されている設定値に応じて可変表示結果が大当りとなった場合の大当り種別の決定割合が異なっているので、遊技興趣を向上できる。
【0450】
次に、本実施の形態の特徴部048AKにおける遊技制御メイン処理について説明する。
図11-13は、CPU103が実行する遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。遊技制御メイン処理では、CPU103は、先ず、割込禁止に設定する(207SGSa001)。続いて、必要な初期設定を行う(207SGSa002)。初期設定には、スタックポインタの設定、内蔵デバイス(CTC(カウンタ/タイマ回路)、パラレル入出力ポート等)のレジスタ設定、RAM102をアクセス可能状態にする設定等が含まれる。
【0451】
次いで、CPU103は、RAM102にバックアップデータが記憶されているか否か(107SGSa003)や、RAM102(バックアップRAM)が正常であるか否か(107SGSa004)を判定する。バックアップデータが記憶されていない場合(207SGSa003;N)やRAM102が正常でない場合(207SGSa004;N)は、207SGSa017に進み、バックアップデータが記憶されており、且つRAM102が正常である場合(207SGSa003;Y、207SGSa004;Y)は、更にRAM102に格納されている設定値が1~6のいずれかであるか、つまり、RAM102に正常な値の設定値が格納されているか否かを判定する(207SGSa005)。
【0452】
RAM102に格納されている設定値が1~6のいずれかではない場合(207SGSa005;N)は、207SGSa017に進み、RAM102に格納されている設定値が1~6のいずれかである場合(207SGSa005;Y)は、電断前に後述する設定値変更処理の実行中であったこと(設定値変更処理の実行中に電断が発生したこと)を示す設定値変更中フラグがセットされているか否かを判定する(207SGSa006)。設定値変更中フラグがセットされている場合(207SGSa006;Y)は、207SGSa017に進み、設定値変更中フラグがセットされていない場合は、後述するRAMクリア処理を実行したことを示すRAMクリアフラグがセットされていれば該RAMクリアフラグをクリアし(207SGSa007)、クリアスイッチがONであるか否か、つまり、クリアスイッチが操作されている状態でパチンコ遊技機1が起動したか否かを判定する(207SGSa008)。
【0453】
クリアスイッチがONである場合(207SGSa008;Y)は、RAMクリアフラグをセットして207SGSa011に進み(207SGSa010)、クリアスイッチがOFFである場合(207SGSa008;N)は、207SGSa010を実行せずに207SGSa011に進む。
【0454】
207SGSa011においてCPU103は、錠スイッチ207SG051がONであるか否かを判定する(207SGSa011)。錠スイッチ207SG051がONである場合(207SGSa011;Y)は、更に開放センサ207SG090がONであるか否かを判定する(207SGSa012)。開放センサ207SG090がONである場合、つまり、錠スイッチ207SG051がON且つ遊技機用枠が開放されている状態でパチンコ遊技機1が起動した場合(207SGSa012;Y)は、RAMクリアフラグがセットされているか否かを判定する(207SGSa013a)。
【0455】
RAMクリアフラグがセットされている場合(207SGSa013a;Y)は、パチンコ遊技機1に設定されている設定値を変更するための設定値変更処理(207SGSa013b)を実行して207SGSa013dに進み、RAMクリアフラグがセットされていない場合(207SGSa013a;N)は、パチンコ遊技機1に設定されている設定値を確認するための設定値確認処理(207SGSa013c)を実行して207SGSa013dに進む。
【0456】
尚、錠スイッチ207SG051がOFFである場合(207SGSa011;N)や開放センサがOFFである場合(207SGSa012;N)は、207SGSa013a~207SGSa013cの処理を実行せずに207SGSa013dに進む。
【0457】
207SGSa013dにおいてCPU103は、RAMクリアフラグがセットされているか否か、つまり、今回のパチンコ遊技機1の起動に際してRAM102をクリアするか(RAMクリア処理(207SGSa013e)を実行するか)否かを判定する(207SGSa013d)。RAMクリアフラグがセットされている場合(207SGSa013d;Y)はRAMクリア処理(207SGSa013e)を実行した後に207SGSa014に進み、RAMクリアフラグがセットされていない場合(207SGSa013d;N)はRAMクリア処理(207SGSa013e)を実行せずに207SGSa014に進む。
【0458】
207SGSa014においてCPU103は、再度RAMクリアフラグがセットされているか否か判定する(207SGSa014)。RAMクリアフラグがセットされている場合(207SGSa014;Y)は207SGSa022に進み、RAMクリアフラグがセットされていない場合(207SGSa014;N)は、主基板11の内部状態を電力供給停止(電断)時の状態に戻すための復旧処理を行う(207SGSa015)。
【0459】
復旧処理では、CPU103は、RAM102の記憶内容(バックアップしたデータの内容)に基づいて作業領域の設定を行う。これにより、電力供給停止時の遊技状態に復旧し、特別図柄の変動中であった場合には、後述の遊技制御用タイマ割込み処理の実行によって、復旧前の状態から特別図柄の変動が再開されることになる。そして、CPU103は、パチンコ遊技機1が電断前の状態で復旧(ホットスタートで起動)したとして、演出制御基板12に対してホットスタート通知コマンドを含む復旧時のコマンドを送信し、207SGSa028に進む(207SGSa016)。
【0460】
また、207SGSa017においてCPU103は、クリアスイッチがONであるか否か、つまり、クリアスイッチが操作されている状態でパチンコ遊技機1が起動したか否かを判定する(207SGSa017)。クリアスイッチがONである場合(207SGSa017;Y)は、更に錠スイッチ207SG051がONであるか否か(207SGSa018)や、開放センサ207SG090がONであるか否かを判定する(207SGSa019)。
【0461】
錠スイッチ207SG051がONであり(207SGSa018;Y)、且つ開放センサ207SG090がONである場合、つまり、RAM102にバックアップデータが存在しない、RAM102が正常ではない、または、正常な設定値が設定されていないが、遊技場の従業員等の操作により正式な手順によりパチンコ遊技機1を起動した場合(遊技機用枠を開放し、錠スイッチ207SG051をONとした状態でクリアスイッチを操作しつつパチンコ遊技機1を起動した場合)は、RAM102に記憶されている設定値をクリアするとともに(207SGSa020)、設定値変更中フラグがセットされていれば該設定値変更中フラグをクリアする(207SGSa021)。そして、前述した207SGSa010~207SGSa016の処理を実行する。
【0462】
尚、クリアスイッチがOFFである場合(207SGSa017;N)、錠スイッチ207SG051がOFFである場合(207SGSa018;N)、開放センサ207SG090がOFFである場合(207SGSa019;N)は、207SGSa031に進む。
【0463】
また、2078SGSa022においてCPU103は、パチンコ遊技機1がコールドスタートにて起動したとして、演出制御基板12に対してコールドスタート通知コマンドを含む復旧時のコマンドを送信する(207SGSa022)。そして、パチンコ遊技機1のコールドスタートを報知するための期間に応じたコールドスタート報知タイマをセットし(207SGSa023)、表示モニタ207SG029を構成する全セグメントの点滅を開始することによってコールドスタートの報知を開始する(207SGSa024)。
【0464】
207SGSa024の実行後、CPU103は、コールドスタート報知タイマの値を-1し(207SGSa025)、該コールドスタート報知タイマがタイマアウトしたか否かを判定する(207SGSa026)。コールドスタート報知タイマがタイマアウトしていない場合(207SGSa026;N)は、207SGSa025と207SGSa026の処理を繰り返し実行し、コールドスタート報知タイマがタイマアウトした場合(207SGSa026;Y)は、表示モニタ207SG029における全セグメントの点滅を終了し(207SGSa027)、207SGSa028に進む。
【0465】
尚、本実施の形態の特徴部048AKでは、パチンコ遊技機1のコールとスタート時にコールドスタート報知タイマの期間(例えば、5秒間)に亘って表示モニタ207SG029を構成する全セグメントを点滅させる形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機1のコールとスタート時には、表示モニタ207SG029を構成する全セグメントのうち一部のセグメントのみを点滅させるようにしてもよいし、また、表示モニタ207SG029を構成する全セグメントのうち少なくとも一部のセグメントを点灯させるようにしてもよい。
【0466】
そして、207SGSa028においてCPU103は、乱数回路104を初期設定する乱数回路設定処理(207SGSa028)を実行し、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行い(207SGSa029)、割込みを許可する(207SGSa030)。その後、ループ処理に入る。以後、所定時間(例えば2ms)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。
【0467】
また、207SGSa031においてCPU103は、RAM102に異常な設定値が記憶されていること(設定値異常エラー)や、後述する設定変更中の電断から復帰したこと等にもとづいて、演出制御基板12に対して設定値の異常に応じたエラー指定コマンドを送信する(207SGSa031)。更に、エラー報知実行待ちタイマをセットする(207SGSa032)。そして、CPU103は、エラー報知実行待ちタイマの値を-1し(207SGSa033)、該エラー報知実行待ちタイマがタイマアウトしたか否かを判定する(207SGSa034)。エラー報知実行待ちタイマがタイマアウトしていない場合(207SGSa034;N)は、207SGSa033と207SGSa034の処理を繰り返し実行し、エラー報知実行待ちタイマがタイマアウトした場合(207SGSa034;Y)は、設定値異常エラーの発生や設定変更中の電断から復帰しことの報知(エラー報知)として、表示モニタ207SG029を構成する第1表示部207SG029A、第2表示部207SG029B、第3表示部207SG029C、第4表示部207SG029Dのそれぞれにおいて「E.」を表示する(207SGSa035)。
【0468】
また、CPU103は、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bを構成する全てのLEDを点滅させるとともに(207SGSa036)、パチンコ遊技機1に設けられた図示しないターミナル基板を介して遊技場の管理コンピュータ等の管理装置に対してセキュリティ信号を出力し207SGSa032に進む(207SGSa037)。以降、CPU103は、パチンコ遊技機1の電断発生まで(遊技場の店員等の操作によってパチンコ遊技機1の電源がOFFになるまで)207SGSa032~207SGSa037の処理を繰り返し実行することで、表示モニタ207SG029、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4Bによるエラーの発生報知を実行する。
【0469】
このように、本実施の形態の特徴部048AKにおけるパチンコ遊技機1は、異常な設定値が設定されていることや設定値の変更中の電断から復帰した場合に、表示モニタ207SG029、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4Bによるエラーの発生報知を実行するので、遊技場の店員等は、パチンコ遊技機1の正面側と背面側の両面からエラーの発生や設定値の変更中の電断から復帰したことを認識することが可能となっている。加えて、パチンコ遊技機1のエラーの発生や設定値の変更中の電断からの復帰は遊技場の管理装置においても認識することができるので、パチンコ遊技機1のセキュリティ性を向上できるようになっている。
【0470】
尚、本実施の形態の特徴部048AKの遊技制御メイン処理では、
図11-13に示すように、207SGSa013dにおいてRAMクリアフラグがセットされていると判定した場合(207SGSa013d;Y)に、RAMクリア処理(207SGSa013e)を実行する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、該RAMクリア処理は、207SGSa008においてクリアスイッチがONであると判定した場合(207SGSa008;Y)や207SGSa021において設定値変更中フラグをクリアした後に実行してもよい。
【0471】
図11-14(A)は、CPU103が遊技制御メイン処理において実行するRAMクリア処理(207SGSa013e)を示すフローチャートである。RAMクリア処理では、CPU103は、先ず、RAM102における先頭から2番目のアドレスを指定する(207SGSa041)。次いで、指定したアドレスに「00H」をセット(格納)する(207SGSa042)。そして、指定されたアドレスがRAM102の最後のアドレス(後述するFXXX)であるか否かを判定する(207SGSa043)。指定されたアドレスがRAM102の最後のアドレスでない場合(207SGSa043;N)は、RAM102における次のアドレスを指定し(207SGSa044)、該指定したアドレスがRAMクリアフラグを格納しているアドレス(F002)であるか否かを判定する(207SGSa45)。
【0472】
指定したアドレスがRAMクリアフラグを格納しているアドレスでない場合(207SGSa045;N)は207SGSa042に進み、指定したアドレスがRAMクリアフラグを格納しているアドレスである場合(207SGSa045;N)は、更に次のアドレスを指定して207SGSa042に進む(207SGSa046)。尚、指定されたアドレスがRAM102の最後のアドレスである場合(207SGSa043;Y)は、RAMクリア処理を終了する。
【0473】
尚、本実施の形態の特徴部048AKにおけるRAM102は、
図11-14(B)に示すように、格納領域毎にアドレス(F000~FXXX)が割り当てられている。これら格納領域のうち、RAM102の先頭のアドレス(F000)には、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が格納されており、RAM102の先頭から2番目のアドレス(F001)には、後述する仮設定値が格納されている。更に、3番目のアドレス(F002)には、RAMクリアフラグが格納されている。その他のアドレス(F003以降)には、特図保留記憶や普図保留記憶、各種カウンタの値、各種タイマ、各種フラグ、パチンコ遊技機1にて発生したエラー情報を含む遊技情報、前回の特別図柄通常処理において可変表示結果を判定する際に表示結果判定テーブルをセットするために読み出した設定値(判定使用済設定値)と、が格納されている。尚、バックアップデータ(バックアップフラグを含む)は、その他の情報が記憶される領域のうち、特定のバックアップデータ記憶領域に記憶される。また、工場出荷時におけるRAM102の先頭のアドレス(F000)には、工場出荷状態を示す値(例えば、設定値「0」)がセットされている。尚、RAM102の先頭のアドレス(F000)に工場出荷状態を示す値がセットされている状態においてパチンコ遊技機1を起動した場合は、必ず設定変更処理が実行されるようにしてもよいし、画像表示装置5での表示等によって設定変更処理を実行するためのパチンコ遊技機1を再起動するように促してもよい。
【0474】
つまり、本実施の形態の特徴部048AKにおけるRAMクリア処理とは、設定値を除くアドレスに「00H」を格納することによって設定値とRAMクリアフラグ以外のデータをクリアする処理である。
【0475】
尚、本実施の形態における特徴部048AKでは、RAMクリア処理において設定値以外のデータをクリアする形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機1がコールドスタートで起動した場合は、RAM102の所定のアドレス(本実施の形態の特徴部048AKではアドレスF003以降)に格納されている遊技情報のみをクリアするようにしてもよい。
【0476】
また、本実施の形態における特徴部048AKでは、RAM102にRAMクリアフラグを記憶する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、RAMクリアフラグを、遊技制御用マイクロコンピュータ100のレジスタ(例えば、演算の中心となるアキュームレータ、アキュームレータの状態を記憶するフラグレジスタ、汎用レジスタのいずれか)に記憶することで、RAM102にRAMクリアフレアグを記憶したり読み出したりする処理を省略し、CPU103の処理負荷を軽減できるようにしてもよい。尚、RAM102にRAMクリアフラグを記憶する場合は、RAMクリアフラグを遊技制御用マイクロコンピュータ100のレジスタに記憶する場合よりも該レジスタの自由度を向上できるので、RAMクリアフラグがCPU103の処理によって他の情報(データ)に上書きされてしまうことを防ぐことができる。
【0477】
図11-15は、CPU103が遊技制御メイン処理で実行する設定値変更処理(207SGSa013b)を示すフローチャートである。設定値変更処理においてCPU103は、先ず、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bを構成する全セグメントの点灯を開始するとともに(207SGSa051)、右打ちランプ207SG132及び第1保留表示器25A、第2保留表示器25Bの点滅を開始する(207SGSa052)。更にCPU103は、設定値変更処理に応じた態様(大当りA~大当りFのいずれでもない態様)として、ラウンド表示器207SG131を構成するセグメントのうち、1のセグメントのみの点灯を開始する(207SGSa052a)。
【0478】
また、CPU103は、演出制御基板12に対して設定値変更開始通知コマンドを送信し(207SGSa053)、RAM102のアドレスF000に設定値として1~6のいずれかの値が記憶されているか否かを判定する(207SGSa053a)。RAM102に設定値として1~6以外の値が記憶されている場合や、RAM102に設定値が記憶されていない場合(207SGSa020において設定値がクリアされている場合)は、RAM102におけるアドレスF000に設定値として「1」をセット(設定値を「1」にリセット)して207SGSa054に進む(207SGSa053b)。尚、RAM102に設定値として1~6のいずれかの値が記憶されている場合(207SGSa053a;Y)は、207SGSa053bの処理を実行せずに207SGSa054に進む。
【0479】
207SGSa054においてCPU103は、電源断検出処理を実行するまで待機するための電源断検出処理実行開始待ちタイマをセットする。そして、該電源断検出処理実行開始待ちタイマの値を-1し(207SGSa055)、電源断検出処理実行開始待ちタイマがタイマアウトしたか否かを判定する(207SGSa056)。電源断検出処理実行開始待ちタイマがタイマアウトしていない場合(207SGSa056;N)は、207SGSa055と207SGSa056の処理を繰り返し実行し、電源断検出処理実行開始待ちタイマがタイマアウトした場合(207SGSa056;Y)は、電源断検出処理を実行する(207SGSa057)。
【0480】
電源断検出処理の実行後、CPU103は、RAM102におけるアドレスF000に格納されている設定値の表示を表示モニタ207SG029において開始し(207SGSa058)、パチンコ遊技機1に設けられた図示しないターミナル基板を介して遊技場の管理コンピュータ等の管理装置に対してセキュリティ信号を出力する(207SGSa059)。
【0481】
そしてCPU103は、設定値変更中フラグをセットし(207SGSa061)、設定切替スイッチ207SG052の操作が有りか否かを判定する(207SGSa062)。設定切替スイッチ207SG052の操作が無い場合(207SGSa062;N)は207SGSa065に進み、設定切替スイッチ207SG052の操作が有る場合(207SGSa062;Y)は、該設定切替スイッチ207SG052の操作にもとづいてRAM102におけるアドレスF001の内容を更新する(207SGSa063)。
【0482】
具体的には、表示モニタ207SG029に表示されている設定値が「1」である場合は、該「1」よりも遊技者にとって1段階有利な設定値である「2」を仮の設定値としてRAM102のアドレスF001に格納し、表示モニタ207SG029に表示されている設定値が「2」である場合は、該「2」よりも遊技者にとって1段階有利な設定値である「3」を仮の設定値としてRAM102のアドレスF001に格納する等、表示モニタ207SG029に表示されている設定値よりも1大きい数値を借りの設定としてRAM102のアドレスF001に格納する。尚、表示モニタ207SG029に表示されている設定値が「6」である場合は、「1」を仮の設定値としてRAM102のアドレスF001に格納すればよい。
【0483】
そして、CPU103は、RAM102におけるアドレスF001格納されている設定値(仮の設定値)を表示モニタ207SG029に表示し(207SGSa064)、錠スイッチ207SG051がONであるか否かを判定する(207SGSa065)。
【0484】
錠スイッチ207SG051がONである場合(207SGSa065;Y)、CPU103は、207SGSa062~207SGSa065の処理を繰り返し実行することによってRAM102のアドレスF001に新たな仮の設定値を格納する処理や、アドレスF001に格納されている設定値を表示モニタ207SG029に表示する処理を実行する。
【0485】
また、207SGSa065において錠スイッチ207SG051がOFFである場合(207SGSa065;N)は、CPU103は、設定値変更中フラグをクリアする(207SGSa066)とともに、表示モニタ207SG029における設定値(または仮の設定値)の表示を終了し(207SGSa067)、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bを構成する全セグメントを消灯する(207SGSa067a)。更に、CPU103は、右打ちランプ207SG132、第1保留表示器25A及び第2保留表示器25Bの点滅と、ラウンド表示器207SG131を構成するセグメントの点灯を終了する(207SGSa068、207SGSa068a)。
【0486】
そしてCPU103は、RAM102におけるアドレスF001に仮の設定値が格納されているか否かを判定する(207SGSa069)。RAM102におけるアドレスF001に仮の設定値が格納されていない場合(207SGSa069;N)は207SGSa072に進み、RAM102におけるアドレスF001に仮の設定値が格納されている場合(207SGSa069;Y)は、更にRAM102におけるアドレスF000に格納されている設定値の値とアドレスF001に格納されている仮の設定値の値とが異なっているか否かを判定する(207SGSa070)。
【0487】
RAM102におけるアドレスF000に格納されている設定値の値とアドレスF001に格納されている仮の設定値の値とが同一である場合(207SGSa070;N)は207SGSa072に進み、RAM102におけるアドレスF000に格納されている設定値の値とアドレスF001に格納されている仮の設定値の値とが異なっている場合(207SGSa070;Y)は、RAM102におけるアドレスF001に格納されている仮の設定値をアドレスF000に格納し(207SGSa071)、207SGSa072に進む。つまり、207SGSa071の処理では、仮の設定値を実際の設定値としてRAM102に更新記憶する。
【0488】
また、CPU103は、演出制御基板12に対して設定値変更終了通知コマンドを送信し(207SGSa073)、設定値変更処理を終了する。
【0489】
図11-16は、CPU103が遊技制御メイン処理で実行する設定値確認処理(207SGSa013c)を示すフローチャートである。設定値確認処理においてCPU103は、先ず、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bを構成する全セグメントの点灯を開始するとともに(207SGSa101)、右打ちランプ207SG132及び第1保留表示器25A、第2保留表示器25Bの点滅を開始する(207SGSa102)。更にCPU103は、設定値確認処理に応じた態様(大当りA~大当りFのいずれでもない態様)として、ラウンド表示器207SG131を構成するセグメントのうち、1のセグメントのみの点灯を開始する(207SGSa103)。
【0490】
また、CPU103は、演出制御基板12に対して設定値確認開始通知コマンドを送信し(207SGSa104)、電源断検出処理を実行するまで待機するための電源断検出処理実行開始待ちタイマをセットする(207SGSa105)。そして、該電源断検出処理実行開始待ちタイマの値を-1し(207SGSa106)、電源断検出処理実行開始待ちタイマがタイマアウトしたか否かを判定する(207SGSa107)。電源断検出処理実行開始待ちタイマがタイマアウトしていない場合(207SGSa107;N)は、207SGSa106と207SGSa107の処理を繰り返し実行し、電源断検出処理実行開始待ちタイマがタイマアウトした場合(207SGSa107;Y)は、電源断検出処理を実行する(207SGSa108)。尚、本電源断検出処理(207SGSa108)は、前述した設定値変更処理の電源断検出処理(207SGSa057)と同一の処理である。
【0491】
電源断検出処理の実行後、CPU103は、RAM102におけるアドレスF000に格納されている設定値の表示を表示モニタ207SG029において開始し(207SGSa109)、パチンコ遊技機1に設けられた図示しないターミナル基板を介して遊技場の管理コンピュータ等の管理装置に対してセキュリティ信号を出力する(207SGSa110)。
【0492】
そしてCPU103は、錠スイッチ207SG051がONであるか否かを判定する(207SGSa111)。錠スイッチ207SG051がONである場合(207SGSa111;Y)、CPU103は、207SGSa111の処理を繰り返し実行することによって錠スイッチ207SG051がOFFとなるまで待機する。また、207SGSa111において錠スイッチ207SG051がOFFである場合(207SGSa111;N)は、表示モニタ207SG029における設定値の表示を終了するとともに(207SGSa112)、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bを構成する全セグメントを消灯する(207SGSa112a)。更に、CPU103は、右打ちランプ207SG132、第1保留表示器25A及び第2保留表示器25Bの点滅と、ラウンド表示器207SG131を構成するセグメントの点灯を終了する(207SGSa113、207SGSa114)。
【0493】
そしてCPU103は、演出制御基板12に対して設定値確認終了通知コマンドを送信し(207SGSa115)、設定値確認処理を終了する。
【0494】
このように、設定値変更処理や設定値確認処理の開始時から第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B及びラウンド表示器207SG131の点灯と、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B及び右打ちランプ207SG232の点滅とを開始することによって、遊技者や遊技場の店員等は、パチンコ遊技機1の正面側から該パチンコ遊技機1が設定値の変更中または設定値の確認中であることを認識可能となっている。
【0495】
尚、本実施の形態の特徴部048AKでは、設定値変更処理や設定値確認処理の開始時に、設定値変更処理や設定値確認処理に応じた態様として、ラウンド表示器207SG131を構成するセグメントのうち1のLEDのみを点灯する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、ラウンド表示器207SG131を構成するセグメントの点灯パターンは、示す大当りA~大当りFのいずれにも該当しない態様であれば特にその点灯態様は問わない。
【0496】
また、本実施の形態の特徴部048AKでは、設定値変更処理や設定値確認処理の開始時に、設定値変更処理や設定値確認処理に応じた態様として、ラウンド表示器207SG131を構成するセグメントが同一態様にて点灯する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、ラウンド表示器207SG131を構成するセグメントは、設定値変更処理の開始時と設定値確認処理の開始時とで異なる態様にて点灯してもよい。
【0497】
以上のように本実施の形態の特徴部048AKでは、パチンコ遊技機1の電源を一旦OFF(電断)した後に再起動する際に、遊技機用枠が開放されている状態で錠スイッチ207SG051とクリアスイッチとをONとすることで設定値変更処理を実行するようになっている。
【0498】
このとき、表示モニタ207SG029では、パチンコ遊技機1の電源をOFFとすることによって第1表示部207SG029A、第2表示部207SG029B、第3表示部207SG029C、第4表示部207SG029Dを用いた表示(ベース値の表示)が終了する。つまり、本実施の形態における表示モニタ207SG029は、起動時に設定値変更処理を実行する場合と、起動が終了した後にベース値を表示する場合とでは、使用する表示部数が異なっている。
【0499】
次に、パチンコ遊技機1の再起動によってCPU103が設定値変更処理を開始すると、第4表示部207SG029Dにおいてパチンコ遊技機1に設定されている設定値の表示が開始される。そして、このように第4表示部207SG029Dにおいて設定値が表示されている状態で設定切替スイッチ207SG052が操作されると、第4表示部207SG029Dでの表示が更新されていくようになっている。尚、この状態にて錠スイッチ207SG051がOFFとなった場合は、第4表示部207SG29Dに表示されている数値が新たな設定値として設定される。
【0500】
また、本実施の形態の特徴部048AKでは、パチンコ遊技機1の電源を一旦OFF(電断)した後に再起動する際に、遊技機用枠207SG003が開放されている状態で錠スイッチ207SG051をON(クリアスイッチはOFF)とすることで設定値確認処理を実行するようになっている。
【0501】
このとき、表示モニタ207SG029では、パチンコ遊技機1の電源をOFFとすることによって第1表示部207SG029A、第2表示部207SG029B、第3表示部207SG029C、第4表示部207SG029Dを用いた表示ベース値の表示)が終了する。つまり、本実施の形態における表示モニタ207SG029は、起動時に設定値確認処理を実行する場合と、起動が終了した後にベース値を表示する場合とでは、使用する表示部数が異なっている。
【0502】
次に、パチンコ遊技機1の再起動によってCPU103が設定値確認処理を開始すると、第4表示部207SG029Dにおいてパチンコ遊技機1に設定されている設定値の表示が開始される。尚、該第4表示部207SG029Dにける設定値の表示は、錠スイッチ207SG051がOFFとなることによって終了し、パチンコ遊技機1が遊技可能な状態となる。
【0503】
図11-17(A)は、入賞時乱数値判定処理として、
図5のステップS101の処理内で実行される処理の一例を示すフローチャートである。本特徴部048AKにおいて、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるときには、後述する特別図柄通常処理(
図5のステップS110、
図11-18)により、特図表示結果(特別図柄の可変表示結果)を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの判定や特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かの判定が行われる。他方、これらの判定とは別に、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)にて検出されたタイミングで、CPU103がこの入賞時乱数値判定処理を実行することにより、特図表示結果として大当り図柄や小当り図柄を停止表示すると判定されるか否かの判定や、飾り図柄の可変表示態様がスーパーリーチを伴う所定表示態様となるか否かの判定などを行う。これにより、始動入賞口に進入した遊技球の検出に基づく特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるより前、つまり、該可変表示の開始時に大当りや小当りとするか否かが決定されるよりも前に、特図表示結果が「大当り」や「小当り」となることや、飾り図柄の可変表示態様がいずれのカテゴリの可変表示態様となるかを判定し、この判定結果に基づいて、演出制御用CPU120などにより、後述するように、保留表示予告演出等の先読み予告演出が実行されるようになる。
【0504】
図11-17(A)に示す入賞時乱数値判定処理において、CPU103は、まず、例えば遊技制御フラグ設定部207SG152などに設けられた時短フラグや確変フラグの状態を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(207SGS521)。CPU103は、確変フラグがオンであるときには確変状態であることを特定し、確変フラグがオフで時短フラグがオンであるときには時短状態であることを特定し、確変フラグと時短フラグがともにオフであるときには通常状態であることを特定すればよい。
【0505】
207SGS521の処理に続いて、CPU103は、RAM102における先頭のアドレス(
図11-14(B)参照)を参照し、パチンコ遊技機1に設定されている設定値を特定する(207SGS522)。次いで、現在の遊技状態、始動口バッファ値及び設定値に応じた特図表示結果判定テーブルを選択してセットする(207SGS524)。その後、
図11-19に示す可変表示結果判定モジュール(207SGS525)において、特図表示結果が「大当り」、「小当り」、「はずれ」のいずれになるかを判定する処理を行う。
【0506】
図11-19に示すように、可変表示結果判定モジュールにおいて、CPU103は、セットした特図表示結果判定テーブルにおける大当り判定値の数値範囲と特定した特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データとを比較し(207SGS571)、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データが所定の大当り判定範囲内であるか否かを判定する(207SGS572)。このとき、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であると判定されることにより、その乱数値MR1を含む保留データに基づく可変表示結果が「大当り」に決定されると判定できる。
【0507】
207SGS572にて大当り判定範囲内であると判定された場合(207SGS572;Y)、可変表示において大当りとなると判定する(207SGS576)。一方、207SGS572にて大当り判定範囲内ではないと判定された場合、つまり、可変表示において大当りとならないと判定された場合には(207SGS572;N)、セットした特図表示結果判定テーブルにおける小当り判定値の数値範囲と特定した特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データとを比較し(207SGS573)、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データが所定の小当り判定範囲内であるか否かを判定する(207SGS574)。
【0508】
乱数値MR1を示す数値データが所定の小当り判定範囲内であると判定された場合(207SGS574;Y)、可変表示において小当りとなると判定する(207SGS577)。一方、207SGS574にて小当り判定範囲内ではないと判定された場合、つまり、可変表示において小当りとならないと判定された場合には(207SGS574;N)、可変表示においてはずれとなると判定する(207SGS575)。
【0509】
図11-17(A)に戻って、207SGS575にて可変表示において大当りとなると判定したか否かを確認し(207SGS526)、大当りとならないと判定した場合(207SGS526;N)、207SGS525において可変表示において小当りとなると判定したか否かを確認し(207SGS527)、小当りとならないと判定した場合、つまり、可変表示においてはずれとなると判定した場合には(207SGS526;N)、可変表示結果が「はずれ」となることに応じた図柄指定コマンドである第1図柄指定コマンドの送信設定を実行し(207SGS527a)、時短フラグがセットされているか否か、つまり、現在の遊技状態が時短状態であるか否かを判定する(207SGS528)。
【0510】
207SGS526にて可変表示において大当りとなると判定した場合には(207SGS526;Y)、大当り種別判定用の乱数値MR2と大当り種別判定テーブルとに基づいて、大当り種別を判定する(207SGS533)。このとき、CPU103は、始動口バッファ値に対応して特定される変動特図(「1」に対応する「第1特図」または「2」に対応する「第2特図」)に応じて、大当り種別判定テーブルを構成するテーブルデータから大当り種別判定用テーブルデータを選択する。そして、選択した大当り種別判定用テーブルデータを参照することにより、大当り種別が複数種別のいずれに判定されるかを判定する。
【0511】
また、判定した大当り種別に応じた図柄指定コマンド、つまり、大当りAである場合には第2図柄指定コマンド、大当りBである場合には第3図柄指定コマンド、大当りCである場合には第4図柄指定コマンド、大当りDである場合には第5図柄指定コマンド、大当りEである場合には第6図柄指定コマンド、大当りFである場合には第7図柄指定コマンドの送信設定を実行し(207SGS534)、その後、大当り変動パターンを判定するためのテーブルとして、大当り種別に応じた大当り用変動パターン判定テーブルを選択してセットして(207SGS535)、207SGS536に進む。
【0512】
また、207SGS527にて可変表示において小当りとなると判定した場合には(207SGS527;Y)、可変表示結果が「小当り」となることに応じた図柄指定コマンドである第8図柄指定コマンドの送信設定を実行し(207SGS531)、小当り用変動パターン判定テーブルを選択してセットして(207SGS532)、207SGS536に進む。
【0513】
また、207SGS528にて時短フラグがセットされていない場合は(207SGS528;N)、はずれ用変動パターン判定テーブルAを選択してセットし(207SGS529)、時短フラグがセットされている場合は(207SGS528;Y)、はずれ用変動パターン判定テーブルDを選択してセットする(207SGS530)。尚、はずれ用変動パターン判定テーブルAは、保留記憶数が2個以下である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルである。また、はずれ用変動パターン判定テーブルDは、遊技状態が時短制御の実行されている高ベース状態である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルである。
【0514】
尚、本特徴部048AKでは、これらのはずれ用変動パターン判定テーブルAやはずれ用変動パターン判定テーブルDに加えて、合算保留記憶数が2~4個である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルBと、合算保留記憶数が5個以上である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルCが予め用意されているが、はずれ用変動パターン判定テーブルAにおいては、非リーチの変動パターンに対しては変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち、設定値1が1の場合は1~450、設定値が2の場合は1~430、設定値が3の場合は1~410、設定値が4の場合は1~390、設定値が5の場合は1~370、設定値が6の場合は1~350がそれぞれ割り当てられている。
【0515】
また、はずれ用変動パターン判定テーブルBにおいては、非リーチの変動パターンに対しては変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち、設定値が1の場合は1~500、設定値が2の場合は1~480、設定値が3の場合は1~460、設定値が4の場合は1~440、設定値が5の場合は1~420、設定値が6の場合は1~400がそれぞれ割り当てられている。
【0516】
また、はずれ用変動パターン判定テーブルC及びはずれ用変動パターン判定テーブルDにおいては、非リーチの変動パターンに対しては変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち、設定値が1の場合は1~550、設定値が2の場合は1~530、設定値が3の場合は1~510、設定値が4の場合は1~490、設定値が5の場合は1~470、設定値が6の場合は1~450がそれぞれ割り当てられている。
【0517】
一方で、いずれのはずれ用変動パターン判定テーブルにおいても、スーパーリーチの変動パターンに対して動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち、701~997までが設定値にかかわらず割り当てられている。
【0518】
このため、207SGS529においてはずれ用変動パターン判定テーブルAまたははずれ用変動パターン判定テーブルDを用いて変動パターンを判定することで、非リーチとスーパーリーチの判定は、該判定後に保留記憶数が変化しても必ず非リーチまたはスーパーリーチの変動パターンとなるので、始動入賞時の判定においては、はずれ用変動パターン判定テーブルAまたははずれ用変動パターン判定テーブルDを用いて変動パターンを判定するようになっている。
【0519】
207SGS529,207SGS530,207SGS532,207SGS535の処理のいずれかを実行した後には、これらの各ステップにおいてセットされた各変動パターン判定テーブルと変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データとを用いて、乱数値MR3が含まれる判定値の範囲に応じた変動カテゴリを判定する(207SGS536)。本特徴部048AKでは、
図11-17(B)に示すように、少なくとも可変表示結果が「はずれ」となる場合に、合計保留記憶数にかかわらず共通して「非リーチ」の可変表示態様となる変動カテゴリと、「スーパーリーチ」の可変表示態様となる変動カテゴリと、「非リーチ」と「スーパーリーチ」以外の可変表示態様(例えばノーマルリーチや小当り)となる「その他」の変動カテゴリと、を設け、乱数値MR3に基づいて、このような変動カテゴリに決定されるか否かを判定できればよい。
【0520】
その後、207SGS536の処理による判定結果に応じた変動カテゴリ指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってから(207SGS537)、入賞時乱数値判定処理を終了する。尚、図柄指定コマンドや変動カテゴリ指定コマンドは、CPU103がコマンド制御処理を実行することで送信される。
【0521】
図11-18は、特別図柄通常処理として、
図5のS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図11-18に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(207SGS541)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、207SGS541の処理では、遊技制御カウンタ設定部207SG154に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
【0522】
207SGS541にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(207SGS541;N)、第2特図保留記憶部207SG151Bにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出して特定する(207SGS542)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
【0523】
207SGS542の処理に続いて、第2特図保留記憶数カウント値や合計保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数と合計保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部207SG151Bのデータを更新する。具体的には、第2特図保留記憶部207SG151Bにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」~「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1~MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(207SGS543)。
【0524】
その後、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新した後(207SGS544)、207SGS549に移行する。
【0525】
一方、207SGS541にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(207SGS541;Y)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(207SGS545)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、207SGS545の処理では、遊技制御カウンタ設定部207SG154にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、207SGS545の処理は、207SGS541にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
【0526】
尚、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるものに限定されず、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)して始動入賞が発生した順に、特図ゲームの実行が開始されるようにしてもよい。この場合には、始動入賞が発生した順番を特定可能なデータを記憶するテーブルを設けて、その記憶データから第1特図と第2特図のいずれを用いた特図ゲームの実行を開始するかを決定できればよい。
【0527】
207SGS545にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(207SGS545;N)、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出して特定する(207SGS546)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
【0528】
207SGS546の処理に続いて、第1特図保留記憶数カウント値や合計保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数と合計保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部207SG151Aのデータを更新する。具体的には、第1特図保留記憶部207SG151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」~「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1~MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(207SGS547)。
【0529】
その後、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「1」に更新した後(207SGS548)、207SGS549に移行する。
【0530】
207SGS549においては、例えば、遊技制御フラグ設定部207SG152などに設けられた時短フラグや確変フラグの状態を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(207SGS549)。CPU103は、確変フラグがオンであるときには確変状態であることを特定し、確変フラグがオフで時短フラグがオンであるときには時短状態であることを特定し、確変フラグと時短フラグがともにオフであるときには通常状態であることを特定すればよい。
【0531】
207SGS549の処理に続いて、CPU103は、RAM102の先頭のアドレス(
図11-14(B)参照)を参照し、パチンコ遊技機1に設定されている設定値を特定する(207SGS550)。
【0532】
次いで、CPU103は、RAM102に記憶されている遊技情報(
図11-14(B)参照)を参照し、判定使用済設定値の記憶があるか否かを判定する(207SGS551)。判定使用済設定値の記憶があると判定した場合には(207SGS551:Y)、207SGS550にて特定した設定値と記憶されている判定使用済設定値とを比較し(207SGS552)、特定した設定値と記憶されている判定使用済設定値とが同じであるか否かを判定する(207SGS553)。
【0533】
207SGS553において、特定した設定値と記憶されている判定使用済設定値とが同じでないと判定した場合は(207SGS553:N)、演出制御基板12に対して設定値の異常に応じたエラー指定コマンドを送信するための設定を行うとともに(207SGS554)、パチンコ遊技機1に設けられた図示しないターミナル基板を介して遊技場の管理コンピュータ等の管理装置に対してセキュリティ信号を出力して(207SGS555)、ループ処理に入る。以降、CPU103は、他の処理を実行することが無くなるので、該ループ処理によってパチンコ遊技機は遊技不能な状態(遊技不能状態)となる。尚、エラー指定コマンドは、CPU103がコマンド制御処理を実行することで送信される。
【0534】
このように、本実施の形態の特徴部048AKにおけるパチンコ遊技機1は、前回の可変表示を実行する際に参照した設定値(判定使用済設定値)と現在RAM102の先頭のアドレスに格納されている設定値が異なっている場合に、遊技場の管理装置において判定使用済設定値と現在RAM102の先頭のアドレスに格納されている設定値が異なっている旨を認識することができるので、パチンコ遊技機1のセキュリティ性を向上できるようになっている。
【0535】
尚、本実施の形態の特徴部048AKでは、CPU103がループ処理を実行することにより他の処理を実行しないことでパチンコ遊技機1を遊技不能状態に制御する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、CPU103は、遊技球の発射を制限すること、各入賞口への遊技球が入賞したとしても賞球の払い出しや特別図柄の可変表示を行わないこと等の処理を実行することによりパチンコ遊技機1を遊技不能状態に制御してもよい。
【0536】
また、本特徴部048AKの特別図柄通常処理では、判定使用済設定値と現在RAM102の先頭のアドレスに格納されている設定値が異なっていることを異常として、該異常を遊技場の管理装置において認識可能な形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、表示モニタ207SG029、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4Bを点滅させたり、「E.」の表示を行うことによって、該異常を遊技者や遊技場の店員等に報知してもよい。
【0537】
また、本特徴部048AKの特別図柄通常処理では、判定使用済設定値と現在RAM102の先頭のアドレスに格納されている設定値が異なっている場合、演出制御基板12に対するエラー指定コマンドの送信と遊技場の管理装置に向けてのセキュリティ信号の出力をそれぞれ1回のみ実行する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらエラー指定コマンドの送信やセキュリティ信号の出力は、前述した遊技不能状態において所定期間毎に繰り返し実行してもよい。
【0538】
また、本特徴部048AKの特別図柄通常処理では、判定使用済設定値と現在RAM102の先頭のアドレスに格納されている設定値が異なっている場合は、CPU103がパチンコ遊技機1を遊技不能状態に制御する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、判定使用済設定値と現在RAM102の先頭のアドレスに格納されている設定値が異なっている場合、CPU103は、パチンコ遊技機1を遊技不能状態に制御せずともよい。
【0539】
更に、判定使用済設定値と現在RAM102の先頭のアドレスに格納されている設定値が異なっている場合にCPU103によるパチンコ遊技機1の遊技不能状態への制御を実行しない場合は、例えば、遊技場の管理装置に向けてのセキュリティ信号の出力のみを実行してもよいし、また、RAM102の先頭アドレスに格納されている設定値を再設定指定してもよい。尚、RAM102の先頭アドレスに格納されている設定値の再設定を行う場合は、例えば、判定使用済設定値をRAM102の先頭アドレスに格納してもよいし、最も遊技者にとって不利な値(本実施の形態の特徴部048AKでは1)を設定することによって、パチンコ遊技機1が遊技場の意図に反して過度に遊技者にとって有利となることを防止してもよい。
【0540】
207SGS551において判定使用済設定値の記憶がないと判定した場合、つまり、パチンコ遊技機1がコールドスタートで起動して1回目の可変表示を実行する場合(207SGS551:N)または207SGS553において特定した設定値と記憶されている判定使用済設定値とが同じであると判定した場合は(207SGS553:Y)、現在の遊技状態、始動口バッファ値及び設定値に応じた特図表示結果判定テーブルを選択してセットする(207SGS556)。その後、
図11-17(A)に示す207SGS525における可変表示結果判定モジュールにおいて実行する処理と同じ処理、つまり、
図11-19に示す207SGS571~207SGS577の処理を行う(207SGS557)。
【0541】
続いて、207SGS557において可変表示において大当りとなると判定したか否かを確認し(207SGS558)、大当りとならないと判定した場合(207SGS558;N)、207SGS557において可変表示において小当りとなると判定したか否かを確認する(207SGS559)。
【0542】
207SGS558にて可変表示において大当りとなると判定した場合には(207SGS558;Y)、遊技制御フラグ設定部207SG152に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(207SGS561)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、
図11-12(A)(B)に示す大当り種別判定テーブルを選択してセットする(207SGS562)。こうしてセットされた大当り種別判定テーブルを参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別判定用の乱数値MR2を示す数値データと、大当り種別判定テーブルにおいて「大当りA」~「大当りF」の各大当り種別に割り当てられた判定値のいずれと合致するかに応じて、図示する決定割合に従って大当り種別を複数種別のいずれとするかを決定する(207SGS563)。
【0543】
207SGS563の処理にて大当り種別を決定することにより、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を、時短状態と、時短状態よりも遊技者にとって有利度が高い確変状態とのうち、いずれの遊技状態に制御するかが、可変表示結果としての確定特別図柄が導出される以前に決定されることになる。こうして決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部207SG155に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(207SGS564)、決定された大当り種別を記憶する。一例として、大当り種別が「大当りA」~「大当りF」に応「1」~「6」とすればよい。
【0544】
一方、207SGS559にて可変表示において小当りとなると判定した場合には(207SGS559;Y)、207SGS560に進んで、遊技制御フラグ設定部207SG152に設けられた小当りフラグをオン状態にセットする(207SGS560)。
【0545】
一方、207SGS559にて可変表示において小当りとなると判定しなかった場合、つまり、可変表示においてはずれとなる場合には(207SGS559;N)、207SGS565に進む。
【0546】
207SGS565においては、大当り遊技状態に制御するか否か(大当りフラグがセットされているか否か)の事前決定結果、小当り遊技状態に制御するか否か(大当りフラグがセットされているか否か)の事前決定結果、更には、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する。一例として、特図表示結果を「はずれ」とする旨の事前決定結果に対応して、はずれ図柄となる「-」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、207SGS558にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合、例えば、207SGS563における大当り種別が「大当りA」である場合には「1」の数字を示す特別図柄を確定特別図柄に設定する。また、大当り種別が「大当りB」である場合には、「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、207SGS559にて特図表示結果が「小当り」であると判定された場合(207SGS560において小当りフラグがセットされた場合)には、特図表示結果を「小当り」とする旨の事前決定結果に対応して、小当り図柄となる「2」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。尚、これら確定特別図柄は一例であり、これら以外の確定特別図柄を設定してもよいし、確定特別図柄として複数種類の図柄を設定するようにしてもよい。
【0547】
207SGS565にて確定特別図柄を設定した後には、207SGS553において特定した設定値を判定使用済設定値としてRAM102に更新記憶した後(207SGS566)、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(207SGS567)、特別図柄通常処理を終了する。
【0548】
尚、207SGS545にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(207SGS545;Y)、所定のデモ表示設定を行ってから(207SGS568)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、既に、客待ちデモ指定コマンドを送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
【0549】
尚、本実施の形態の特徴部048AKでは、判定使用済み設定値をRAM102に遊技情報の1つとして記憶しているため(
図11-14(B)参照)、パチンコ遊技機1をコールドスタートにて起動した場合には、最初の可変表示を実行する際に判定使用済設定値が存在しない形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、判定使用済み設定値をRAM102におけるRAMクリア処理にてクリアされてない領域に格納することによって、パチンコ遊技機1をコールドスタートにて起動した場合においても最初の可変表示を実行する際に判定使用済設定値とRAM102の先頭のアドレスに格納されている設定値(パチンコ遊技機1に設定されている設定値)を比較できるようにしてもよい。
【0550】
尚、本実施の形態の特徴部048AKでは、
図11-17及び
図11-18に示すように、共通の処理を実行する可変表示結果判定モジュールを用いて可変表示結果を判定する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、可変表示結果判定モジュールには、CPU103が特定した設定値(RAM102の先頭のアドレスに格納されている設定値)と判定使用済設定値とを比較する処理(
図11-18に示す207SGS551~207SGS553)や、該処理結果としてCPU103が特定した設定値と判定使用済設定値とが一致しなかった場合にパチンコ遊技機1を遊技停止状態に制御する処理(207SGS554~207SGS555)等を含めてもよい。このようにすることで、入賞時乱数値判定処理を実行する場合においてもCPU103が特定した設定値と判定使用済設定値とを比較する処理や該処理結果としてCPU103が特定した設定値と判定使用済設定値とが一致しなかった場合にパチンコ遊技機1を遊技停止状態に制御する処理を実行することができるので、パチンコ遊技機1のセキュリティ性をより一層向上させることができる。
【0551】
次に、演出制御用CPU120が実行する処理について説明する。
【0552】
図11-20は、
図7のステップS161における先読み予告設定処理内にて行われる処理(先読み予告設定処理内の処理)の一例を示すフローチャートである。
図11-20に示す先読み予告設定処理内の処理において、演出制御用CPU120は、今回新たに始動入賞時コマンドを受信したか否かを判定する(ステップ048AKS001)。新たな始動入賞時コマンドの受信がない場合(ステップ048AKS001;No)、先読み予告を実行することはないので、先読み予告設定処理内の処理を終了する。
【0553】
新たな始動入賞時コマンドの受信がある場合(ステップ048AKS001;Yes)、当該新たに受信した始動入賞時コマンドに対応する保留表示番号が「1」であるかを判定し(ステップ048AKS002)、当該新たに受信した始動入賞時コマンドに対応する保留表示番号が「1」である場合(ステップ048AKS002;Yes)、先読み予告設定処理内の処理を終了する。一方当該新たに受信した始動入賞時コマンドに対応する保留表示番号が「1」でない場合(「2」~「4」の場合)には(ステップ048AKS002;No)、先読み予告の実行禁止条件が成立しているかを判定する(ステップ048AKS003)。当該実行禁止条件は、先読み予告の実行を禁止するときの条件であり、ここでは、当該新たに受信した始動入賞時コマンドに含まれる入賞時判定結果指定コマンドが「判定無し」を指定しているとき、すなわち、ターゲット前に実行される可変表示において「非リーチ」以外の判定があるとき(始動入賞時コマンドバッファの内容をチェックし、当該新たに受信した始動入賞時コマンドに対応する保留表示番号よりも前の保留表示番号の各入賞時判定結果指定コマンドや、当該新たに受信した始動入賞時コマンドが第1始動入賞時コマンドのときに第2始動入賞時コマンドバッファに格納された各入賞時判定結果指定コマンドに「非リーチ」以外の入賞時判定結果(リーチ以上の判定結果)を指定しているコマンドがあったときなど)に成立する条件である。なお、当該実行禁止条件は、ターゲット前に実行される可変表示において既に先読みチャンス目を実行すると決定されている場合(後述する先読みチャンス目フラグがオン状態である場合)にも成立する。これにより、複数ターゲットに対する先読みチャンス目が実行されることを防止して遊技者の混乱を防止することができる。なお、この他にも、先読みチャンス目はターゲットがリーチ以上である場合に実行されるようにしてもよい。なお、先読みチャンス目を実行するとは、先読みチャンス目を表示することで先読み予告演出を実行することをいう。
【0554】
先読み予告の実行禁止条件が成立している場合(ステップ048AKS003;Yes)、先読み予告設定処理内の処理を終了する。一方、先読み予告の実行禁止条件が成立していない場合(ステップ048AKS003;No)、先読みチャンス目の実行の有無などを決定する(ステップ048AKS004)。具体的に、ステップ048AKS004では、
図11-21に示す決定割合に従って、入賞時判定結果に応じて先読みチャンス目を実行するか否か、および実行する場合における先読みチャンス目の種類を決定する。特徴部048AKでは、
図11-21に示すように「実行無し」、「先読みチャンス目A」、「先読みチャンス目B」のいずれかを、図示する決定割合で決定する。なお、先読みチャンス目は、先読み予告として実行される演出であり、ターゲット前に実行される飾り図柄の可変表示(複数の可変表示が実行される場合には、複数の可変表示それぞれ)の可変表示結果として、予め定められたチャンス目(可変表示においてリーチが成立しない非リーチのときの非リーチチャンス目)を導出表示する演出である。
【0555】
特徴部048AKでは、2種類の先読みチャンス目が用意されており、一方が「先読みチャンス目A」で、他方が「先読みチャンス目B」である。「先読みチャンス目A」と「先読みチャンス目B」とでは、ターゲットの大当り期待度が異なり、かつ、停止するチャンス目が異なる(
図11-21のように、先読みチャンス目Aでは「234」の所定チャンス目が停止し、先読みチャンス目Bでは「345」の所定チャンス目が停止する。)。なお、チャンス目停止時において、飾り図柄を発光させるようにしてもよく、この場合には、「先読みチャンス目A」と「先読みチャンス目B」とで異なる発光色とすることで、両者を区別するようにしてもよい。図示するように、この実施の形態では、先読みチャンス目A」よりも「先読みチャンス目B」が実行された場合の方が、大当り期待度が高くなっている。
【0556】
なお、この他にも、例えば、先読みチャンス目として導出表示される表示結果の決定割合が、設定値に応じて異なるようにしてもよい。例えば、1、3、5、7、9といった奇数の飾り図柄の組合せで先読みチャンス目を構成する場合において、設定値が「6」である場合にのみ「315」(サイコー)の組合せが先読みチャンス目として導出表示されてもよい。また、例えば、低設定である場合には、先読みチャンス目として「133」や「155」、「377」などといったように、中図柄と右図柄とが同じ数字である組合せが導出表示される割合が高く(なお、後述する所定表示についても中図柄と右図柄とが同じ数字であるため、その場合には、先読みチャンス目と所定表示とが区別されるよう、いずれか一方を、中図柄と右図柄ではなく、左図柄と中図柄が同じ数字となる態様にすればよい)、高設定である場合には、先読みチャンス目として「135」や「357」、「379」などといったように同じ数字を含まない、いわゆるバラケ目の組合せが導出表示される割合が高くなるようにしてもよい。すなわち、導出表示される先読みチャンス目の種類により設定値を示唆するようにしてもよい(先読みチャンス目が設定示唆演出を含んでいてもよい)。
【0557】
図11-20に戻り、ステップ048AKS004の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、先読みチャンス目を実行すると決定したか否かを判定する(ステップ048AKS005)。先読みチャンス目を実行しない場合(ステップ048AKS005;No)、先読み予告設定処理内の処理を終了する。先読みチャンス目を実行する場合(ステップ048AKS005;Yes)、先読みチャンス目を実行することを示す先読みチャンス目フラグをオン状態にセットしてから(ステップ048AKS006)、先読み予告設定処理内の処理を終了する。なお、先読みチャンス目フラグは、RAM122の所定領域に設けられていればよい。
【0558】
なお、例えば、先読みチャンス目のターゲットがいずれであるのかを遊技者に視認可能であるように、当該先読みチャンス目のターゲットの保留に対して保留表示予告演出を行い、先読みチャンス目のターゲットである保留表示の表示態様を、通常態様とは異なる態様に変化させてもよい。すなわち、先読みチャンス目を実行する場合には、合わせて保留表示予告演出を実行してもよい。また、先読みチャンス目とは別に、保留表示予告を実行してもよい。
【0559】
図11-22は、特徴部048AKにて実行される可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。
図11-22に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS521)。特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がなされたときには(ステップS521;Yes)、例えば主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、指定された変動パターンが飾り図柄の可変表示態様を「非リーチ」とする場合に対応した非リーチ変動パターンであるか否かを判定する(ステップS522)。
【0560】
ステップS522にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS522;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せとして、先読みチャンス目、所定表示、これら以外の表示、のいずれを導出表示するか、非リーチハズレ停止図柄等決定処理により決定する(ステップ048AKS010)。
【0561】
図11-23は、
図11-22のステップ048AKS010にて実行される非リーチハズレ停止図柄等決定処理の一例を示すフローチャートである。
図11-23に示す非リーチハズレ停止図柄等決定処理において、演出制御用CPU120は、先読みチャンス目フラグがオン状態にセットされているか否かを判定する(ステップ048AKS011)。先読みチャンス目フラグがオンである場合(ステップ048AKS011;Yes)、演出制御用CPU120は、
図11-20のステップ048AKS004で決定した種類の先読みチャンス目(先読みチャンス目Aであればそれに対応した「234」の飾り図柄、先読みチャンス目Bであればそれに対応した「345」の飾り図柄)を、最終停止図柄として決定する(ステップ048AKS012)。
【0562】
ステップ048AKS012の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、先読みチャンス目のターゲットとなった変動の一つ前の変動(ターゲットの直前の変動)であるか否かを判定する(ステップ048AKS013)。ターゲットの直前の変動でない場合、非リーチハズレ停止図柄等決定処理を終了する。一方、ターゲットの直前の変動である場合(ステップ048AKS013;Yes)、当該ターゲット変動において先読みチャンス目が導出表示されることのないよう、先読みチャンス目フラグをオフ状態にクリアし(ステップ048AKS014)、非リーチハズレ停止図柄等決定処理を終了する。なお、例えばターゲットの変動がリーチ以上の変動である場合にのみ先読みチャンス目が実行される場合(ターゲットの変動が非リーチの変動である場合には先読みチャンス目が実行されない場合)には、ターゲットの変動の終了時に先読みチャンス目フラグをオフ状態にクリアしてもよい。このように、先読みチャンス目は、先読みチャンス目フラグがオン状態にセットされてからターゲットの変動の直前の変動まで連続して表示される。なお、予め先読みチャンス目を表示する変動をパターンとして複数用意しておき(例えば、ターゲットの変動が4回目の変動でありターゲットまで3回の変動が行われる場合、1回目と3回目に先読みチャンス目を表示するパターンや2回目と3回目に先読みチャンス目を表示するパターンなど)、当該パターンに応じて先読みチャンス目を表示するようにしてもよい。
【0563】
ステップ048AKS011にて先読みチャンス目フラグがオフ状態である場合(ステップ048AKS011;No)、演出制御用CPU120は、所定表示決定処理を実行する(ステップ048AKS015)。特徴部048AKでは、所定表示として、非リーチ組合せの確定飾り図柄のうちの一部の飾り図柄の組合せを、設定されている設定値に応じて異なる割合で表示することで、設定値に関する示唆を行う設定示唆演出を行う。具体的に、
図11-26に示すように、種類A~種類Cの非リーチ組合せの確定飾り図柄を、設定値に応じて異なる割合で表示することで、設定示唆演出を行う。また、特徴部048AKでは、大当り遊技状態終了後の確変状態において当該所定表示を行う。
【0564】
図11-24は、
図23のステップ048AKS015にて行われる所定表示決定処理の一例を示すフローチャートである。
図11-24に示す所定表示決定処理において、演出制御用CPU120は、確変制御中であるか否かを判定する(ステップ048AKS041)。確変制御中であるか否かは、例えば、主基板11から伝送された遊技状態指定コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、判定すればよい。確変制御中でない場合(ステップ048AKS041;No)、演出制御用CPU120は、所定表示決定処理を終了する。一方、確変制御中である場合(ステップ048AKS041;Yes)、前回フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップ048AKS042)。前回フラグは、当該所定表示を表示するか否かの対象となった変動の1つ前の変動(前回の変動)において所定表示を表示したか否かを示すフラグであり、RAM122の所定領域に設けられている。
【0565】
前回フラグがオンの場合、すなわち前回の変動において所定表示を表示した場合(ステップ048AKS042;Yes)、演出制御用CPU120は、所定表示決定処理を終了する。一方、前回フラグがオフの場合(ステップ048AKS042;No)、演出制御用CPU120は、
図11-25に示す決定割合に従って、所定表示の表示有無、すなわち所定表示を表示する設定示唆演出の実行有無を決定し(ステップ048AKS043)、所定表示決定処理を終了する。このように、特徴部048AKでは、前回の変動において所定表示を表示した場合には所定表示を表示しないこととすることで、連続して所定表示が表示されることを防止している。一方、大当り期待度を示唆する演出である先読みチャンス目については、上述したように複数の変動で連続して表示されるため、大当り期待度を示唆する演出であるのか、設定値を示唆する設定示唆演出であるのかを遊技者に認識しやすくし、所定表示が連続して表示されることで先読みチャンス目と混同してしまうことを防止している。なお、この例では、前回の変動において所定表示が表示されたか否かを判定する例を示したが、例えば、連続回数をカウントし、当該連続回数が2回であれば所定表示を表示可能とし、3回であれば所定表示を表示しないよう制限してもよい。さらに、設定せれている設定値に応じて所定表示が連続して表示される回数が異なっていてもよい。これによれば演出のバリエーションが増え遊技興趣を向上させることができる。以下、所定表示を表示することで設定示唆演出を実行するということを、単に所定表示を実行する、という。
【0566】
図11-25は、所定表示の実行有無を決定するための決定割合を示す図である。図示するように、特徴部048AKでは、いわゆる連荘状態である連荘中であるか否か(後述する連荘フラグがオンであるか否か)、すなわち1回目の大当りであるか否かに応じて、所定表示を実行すると決定する割合が異なっている。図示する例では、連荘中である場合には所定表示が実行されないように決定割合が設定されている。これによれば、いわゆる連荘状態において所定表示が実行されることで設定値の推測が容易になってしまうことを防止するとともに、1回目の大当り終了後に遊技者の注目を集めることができる。なお、連荘中であっても、例えば2%などの少ない割合で所定表示が実行されてもよい。
【0567】
図11-23に戻り、ステップ048AKS015の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、所定表示を実行すると決定したか否か、すなわち所定表示ありか否かを判定する(ステップ048AKS016)。所定表示ありの場合(ステップ048AKS016;Yes)、演出制御用CPU120は、
図11-26に示す決定割合に従って、実行すべき所定表示の種類を、設定値に応じて決定する(ステップ048AKS017)。
【0568】
図11-26は、実行する所定表示の種類を決定するための決定割合を示す図である。図示するように、特徴部048AKでは、種類A~種類Cの所定表示が予め用意されており、種類Aでは「344」の飾り図柄の組合せが導出表示され、種類Bでは「399」の飾り図柄の組合せが導出表示され、種類Cでは「577」の飾り図柄の組合せが導出表示される。そして、種類A<種類B<種類Cの順に高設定であることを示唆するようになっている。なお、この例では、設定値がいずれであるかを示唆する例を示しているが、例えば、設定値が変更されたこと、奇数や偶数の設定値であること、最低の「1」の設定値ではないこと、など、設定値に関する示唆であれば、示唆する内容は異なっていてもよい。また、設定されている設定値が高設定である場合にのみ表示される種類の所定表示があってもよい。なお、高設定は、例えば1~6のうちの4~6といった上位半数の設定値であってもよいし、5と6といった上位2つであってもよい。なお、最高の設定値である設定値6については、最高設定値という。
【0569】
図11-23に戻り、ステップ048AKS017の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、ステップ048AKS017にて決定した種類の所定表示(決定した飾り図柄の組合せ)を、最終停止図柄として決定する(ステップ048AKS018)。続いて前回フラグをオン状態にセットし(ステップ048AKS019)、所定表示の種類に応じて設けられたカウント値を1加算してから(ステップ048AKS020)、非リーチハズレ停止図柄等決定処理を終了する。所定表示の種類に応じて設けられたカウント値は、RAM122の所定領域に設けられたカウント値で、当該確変状態中(連荘状態ではない場合に限る)に種類A~種類Cの所定表示が表示された回数をカウントするためのものである。ステップ048AKS020では、最終停止図柄として決定した種類の所定表示に対応するカウント値を1加算する。なお、当該カウント値は、後述する最終変動演出設定処理(
図11-27参照)にて参照され、
図11-28(f)に示すように画像表示装置5に表示され、その後クリアされる。
【0570】
図11-23のステップ048AKS016にて所定表示なしと判定した場合(ステップ048AKS016;No)、演出制御用CPU120は、所定表示および先読みチャンス目となる飾り図柄の組合せ以外(所定表示等以外)の非リーチ組合せを最終停止図柄として決定する(ステップ048AKS021)。一例として、ステップ048AKS021の処理では、まず、RAM122に設けられたランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、RAM122に設けられたランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、RAM122に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。なお、予め所定表示および先読みチャンス目となる飾り図柄の組合せとならないよう、各確定図柄決定テーブルから当該予め所定表示および先読みチャンス目(所定表示等)を構成する飾り図柄が選択されないようにしてもよいし、飾り図柄の組合せが決定した際に、当該飾り図柄の組合せが所定表示等と一致する場合に再抽選してもよい。また、ステップ048AKS021の処理では、例えば、確変状態ではない場合には、所定表示と同一の飾り図柄の組合せが、特別状態である場合よりも低い割合で、設定値に関わらず表示されることがあってよい。
【0571】
ステップ048AKS021の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、前回フラグをオフ状態にクリアしてから(ステップ048AKS022)、非リーチハズレ停止図柄等決定処理を終了する。このように、先読みチャンス目を実行する場合には、先読みチャンス目が所定表示よりも優先して実行される。先読みチャンス目は、確変状態であるか否かに関わらず実行されるのに対し、所定表示は確変状態に制御中であって、かつ1回目の大当り遊技状態の終了後にのみ実行される(すなわち連荘状態では実行されない)。また、先読みチャンス目は複数回の変動で連続して表示されるのに対し、所定表示は連続して表示されない。そのため、確変状態中における遊技者の注目を集めるとともに、先読みチャンス目であるか所定表示であるかを遊技者に認識容易にするとともに、興趣を向上させることができる。なお、先読みチャンス目を表示する場合であっても、確変状態である場合には所定表示を優先してもよい。この場合、所定表示が表示された後の最終停止図柄を先読みチャンス目としてしまうと、遊技者が混乱してしまう恐れがあることから、当該所定表示を優先させた場合には、所定期間先読みチャンス目の実行を制限してもよい。具体的には、所定表示が5回表示されるまで先読みチャンス目の実行を制限してもよい。さらに、所定表示が5回表示されてから、3回の変動が終了するまでは先読みチャンス目の実行を制限してもよい。これによれば、所定表示の表示に連続して先読みチャンス目が表示されることで遊技者が混乱してしまうことを防止することができる。なお、連荘状態は、一旦大当り遊技状態に制御された後、その終了後の確変状態中に再び大当りとなることにより連荘状態となる(連荘フラグがオン状態にセットされる)。また、連荘状態となった後、再び大当りとなることなく、確変制御が行われる所定回数の変動が行われることで終了する(連荘フラグがオフ状態にクリアされる)。
【0572】
図11-22に戻り、ステップS522にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(ステップS522;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS524)。一例として、ステップS524の処理では、まず、RAM122に設けられたランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、RAM122に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
【0573】
ステップS521にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(ステップS521;No)、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」である(大当りCまたは大当りFである)場合、または、特図表示結果が「小当り」である場合であるか、これら以外の場合であるかを判定する(ステップS525)。「突確」または「小当り」であると判定されたときには(ステップS525;Yes)、例えば開放チャンス目といった、「突確」の場合や「小当り」の場合に対応した最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS527)。一例として、変動パターン指定コマンドにより変動パターンPC1-1~PC1-3のいずれかが指定された場合に対応して、複数種類の開放チャンス目のうち、いずれかを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する。この場合には、RAM122に設けられたランダムカウンタ等により更新されるチャンス目決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定のチャンス目決定テーブルを参照することなどにより、開放チャンス目のいずれかを構成する確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。
【0574】
ステップ048AKS010、ステップS524、ステップS527のいずれかの処理を実行した後、演出制御用CPU120は、確変状態における最終変動であるか否かを判定する(ステップ048AKS031)。ステップ048AKS031では、例えば、大当り遊技状態の終了後に100回の変動において確変制御が行われる場合、確変状態に制御され、かつ100回目の変動であるか否かを判定する。最終変動である場合(ステップ048AKS031;Yes)、演出制御用CPU120は、最終変動演出設定処理を行う(ステップ048AKS032)。
【0575】
図11-27は、
図11-22のステップ048AKS032にて行われる最終変動演出設定処理の一例を示すフローチャートである。最終変動演出設定処理は、大当りとなることなく確変状態が終了する際に行われる処理である。最終変動演出設定処理では、表示された所定表示の頻度を種類毎に遊技者に視認可能に表示する設定、または連荘中に獲得した出球数を遊技者に視認可能に表示する設定が行われる。
図11-27に示す最終変動演出設定処理において、演出制御用CPU120は、連荘フラグがオン状態にセットされているか、すなわち連荘中であるか否かを判定する(ステップ048AKS051)。
【0576】
連荘中でない場合、すなわち連荘フラグがオフである場合(ステップ048AKS051;No)、演出制御用CPU120は、所定表示の種類に応じて設けられたカウント値それぞれの値を表示する設定(種類毎のカウント値表示設定)を行う(ステップ048AKS052)。ステップ048AKS052では、例えば、
図11-28(f)に示すように、種類A~種類Cの出現頻度を棒グラフにより表示する設定が行われる。続いて演出制御用CPU120は、所定表示の種類に応じて設けられたカウント値それぞれの値を0にクリアするとともに、前回フラグがオンであればオフ状態にクリアし、獲得出玉カウント値を0にクリアしてから(ステップ048AKS053)、最終変動演出設定処理を終了する。
【0577】
一方、ステップ048AKS051にて連荘中であると判定した場合、すなわち連荘フラグがオンである場合(ステップ048AKS051;Yes)、演出制御用CPU120は、当該連荘中に獲得した出球数を表示する設定(獲得出玉表示設定)を行う(ステップ048AKS054)。なお、連荘中に獲得した出球数(獲得出玉)は、大当り遊技状態に制御されたことによりカウントを開始し、連荘しなかった場合には上述のステップ048AKS053によりクリアされ、連荘した場合には、後述するステップ048AKS056にてクリアされる。すなわち、連荘フラグがオンになってからオフになるまでの期間に大当り遊技状態で獲得した出球が継続してカウントされればよい。
【0578】
ステップ048AKS054の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、連荘フラグをオフ状態にクリアし(ステップ048AKS055)、上述したステップ048AKS053の処理に移行する。
【0579】
図11-22に戻り、ステップS525にて「突確」または「小当り」以外である(大当りA、大当りB、大当りD、大当りEのいずれか)と判定されたときには(ステップS525;No)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS526)。一例として、ステップS527の処理では、まず、RAM122のランダムカウンタなどにより更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、続いてROM121などに予め記憶された所定の大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の画面上で「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。このときには、大当り種別が大当りA、大当りB、大当りD、大当りEのいずれであるかに応じて、異なる飾り図柄を確定飾り図柄とする決定が行われるようにしてもよい。
【0580】
ステップS526の処理とステップ048AKS032の処理のいずれかを実行した後、またはステップ048AKS031にて確変状態における最終変動でないと判定した場合(ステップ048AKS031;No)、演出制御用CPU120は、その他の演出実行設定を行う(ステップS530)。例えば可変表示の開始時や実行中における所定のタイミングにて、スピーカ8L、8Rから所定の効果音(例えばアラーム音やチャイム音、サイレン音など)が出力されるような態様の演出や、遊技効果ランプ9などに含まれるフラッシュランプが光るような態様の演出のうち、一部または全部を含む所定態様の演出を実行することにより、可変表示結果が「大当り」となることを直ちに告知(確定的に報知)する一発告知態様の演出が実行されてもよい。あるいは、変動中予告演出として、可変表示結果が「大当り」となることに対応した特別な演出画像(プレミアム画像)を表示する演出が実行されてもよい。
【0581】
他の一例として、ステップS530の処理では、可変表示結果が「大当り」となる可能性などにはかかわらず、例えば賑やかしのために所定態様の演出を実行するための設定が行われてもよい。より具体的には、遊技効果ランプ9に含まれる所定のランプが光るような態様の演出や、ミニキャラとなる所定の演出画像を表示する演出といった、所定態様の演出を実行できればよい。
【0582】
その後、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS531)。このとき、演出制御用CPU120は、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンなどに対応して、複数用意された特図変動時演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。 ステップS531の処理を実行した後には、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM122に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS532)。続いて、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS533)。このときには、例えばステップS532にて使用パターンとして決定された特図変動時演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の画面上に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS534)、可変表示開始設定処理を終了する。
【0583】
図11-28は、所定表示や種類毎のカウント値表示が行われた場合における演出動作例を示す図である。図示する例では、連荘中ではなく、種類Aの所定表示が実行される例を示している。また、確変状態であり、大当り遊技状態終了後100回の変動が行われるまで確変制御が行われるものとする。
図11-28(a)に示すように変動が開始される。なお、
図11-28(a)は大当り遊技状態終了後の99回目の変動であるものとする。当該変動において所定表示を実行すると決定され、その種類が種類Aである場合、
図11-28(b)に示すように「344」の飾り図柄の組合せ(
図11-23のステップ048AKS018にて決定された飾り図柄の組合せ)が導出表示される。そして、
図11-28(c)に示すように100回目の変動、すなわち確変状態における最終変動が開始され、
図11-28(c)に示すようにハズレ図柄(
図11-23のステップ048AKS021にて決定された飾り図柄の組合せ)が導出表示される。これにより、確変状態が終了することになる。なお、確変状態終了時には当該最終変動の終了後に、
図11-28(e)に示すようにその旨を示すメッセージ表示(確変状態であるSTモードの終了を示すメッセージ表示)が行われる。そして、
図11-28(f)に示すように、
図11-27のステップ048AKS052の処理にて設定された種類毎のカウント値が表示され(種類毎にグラフ表示され)、通常状態である通常モードへ移行することとなる。
【0584】
以上、本実施の形態の特徴部048AKにおけるパチンコ遊技機1においては、
図11-8~
図11-11に示すように、表示結果判定テーブルにおいては、パチンコ遊技機1に設定されている設定値にかかわらず、当り判定値のうち1020~1237までの範囲が大当り判定値の共通数値範囲として設定されている。そして、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が2~6のいずれかである場合(パチンコ遊技機1に設定されている設定値が1以外の場合)は、1238から各設定値に応じた値までの範囲が大当り判定値の非共通数値範囲として設定されている。つまり、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が2~6のいずれかである場合は、当たり判定値の1020を大当り基準値として、大当り判定値の共通数値範囲と非共通数値範囲とが連続した数値範囲となるように設定されているので、大当り遊技状態に制御されるか否かの判定を行う際は、乱数値MR1の値が1020から各設定値に応じた非共通数値範囲の最大値までの数値範囲内であるか否かを判定すればよいので、CPU103が有利状態に制御するか否かの判定を行う処理負荷を低減することができる。
【0585】
特に本実施の形態の特徴部048AKにおいては、0~65535の範囲内において大当り判定値の数値範囲が1020を基準値とした1箇所に設定されているので、有利状態判定値の数値範囲が複数設けられている場合と比較して乱数値MR1の値が大当り判定値の数値範囲内の値であるか否か(大当り遊技状態に制御するか否か)の判定を複数回実行する必要が無いため、CPU103が有利状態に制御するか否かの判定を行う処理負荷を低減することができる。
【0586】
また、
図11-8~
図11-11に示すように、表示結果判定テーブルにおいては、遊技状態が通常状態や時短状態、確変状態のいずれかであるかにかかわらず、前述した当り判定値の1020を大当り基準値として、大当り判定値の共通数値範囲と非共通数値範囲とが連続した数値範囲となるように設定されているので、大当り遊技状態に制御されるか否かの判定を行う際は、乱数値MR1の値が、1020から通常状態や時短状態に応じた非共通数値範囲の最大値までの数値範囲内であるか否か、及び1020から確変状態に応じた非共通数値範囲の最大値までの範囲内であるか否を判定すればよいので、CPU103が大当り遊技状態に制御するか否かの判定を行う処理負荷を低減することができる。
【0587】
更に、
図11-8~
図11-11に示すように、表示結果判定テーブルにおいては、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて小当り判定値の数値範囲に含まれる判定値数が異なる(第1特図用表示結果判定テーブルにおける小当り判定値の数値範囲に含まれる判定値数は328個であるのに対して、第2特図用表示結果判定テーブルにおける小当り判定値の数値範囲に含まれる判定値数は655個と約2倍である)一方で、小当り判定値の数値範囲自体は、32767を基準値(小当り基準値)として設定されている。このため、小当り遊技状態に制御されるか否かの判定を行う際は、乱数値MR1の値が、32767から変動特図に応じた小当り判定値の数値範囲の最大値までの数値範囲内であるか否かを判定すればよいので、CPU103が小当り遊技状態に制御するか否かの判定を行う処理負荷を低減することができる。
【0588】
尚、
図11-8~
図11-11に示すように、表示結果判定テーブルにおいて小当り判定値の数値範囲は、パチンコ遊技機1に設定されている設定値にかかわらず、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が6である場合の大当りの判定値の数値範囲とは異なる数値範囲(32767~33094または、32767~33421)に設定されているので、大当り遊技状態に制御されるか否かの判定を行う際は、乱数値MR1が1020から各設定値に応じた非共通数値範囲の最大値までの数値範囲内であるか否かを判定すればよく、小当り遊技状態に制御されるか否かの判定を行う際は、乱数値MR1が32767から変動特図に応じた小当り判定値の数値範囲の最大値までの範囲内であるか否かを判定すればよいので、CPU103が大当り遊技状態に制御するか否かの判定を行う処理負荷並びに小当り遊技状態に制御するか否かの判定を行う処理負荷を低減することができる。
【0589】
また、本実施の形態の特徴部048AKにおけるRAM102は、パチンコ遊技機1に設定された設置値を記憶可能となっている。そして、
図11-18に示すように、本実施の形態の特徴部048AKにおけるCPU103は、可変表示を開始する毎(開始する可変表示の可変表示結果を決定する毎)に該RAM102に記憶されている設定値を読み出すとともに、該読み出した設定値に対応する大当り判定値の共通数値範囲と非共通数値範囲とを設定し(設定値に応じた表示結果判定テーブルを設定し)、大当り遊技状態に制御するか否かの判定を行う。つまり、CPU103は、可変表示を実行する毎にRAM102から設定値を読み出し、該読み出した設定値に応じた表示結果判定テーブルを設定するので、不適切な設定値が読み出されることによって不適切な可変表示結果の判定が行われることを防ぐことができる。
【0590】
尚、本実施の形態の特徴部048AKでは、可変表示を実行する毎にRAM102から設定値を読み出すとともに、該読み出した設定値に応じた表示結果判定テーブルを設定する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、パチンコ遊技機1が起動した時点でCPU103がRAM102から設定値を読み出し、該読み出した設定値に応じた表示結果判定テーブルを設定してもよい。尚、このようにパチンコ遊技機1が起動した時点でRAM102から読み出した設定値に応じた表示結果判定テーブルを設定する場合は、パチンコ遊技機1に電断が発生するまでの期間において該設定された表示結果判定テーブルを用いて全ての可変表示結果を判定すればよい。
【0591】
また、CPU103は、可変表示を開始する毎(開始する可変表示の可変表示結果を決定する毎)に該RAM102に記憶されている設定値を読み出すとともに、該読み出した設定値と前回可変表示結果を判定するためにRAM102から読み出した設定値(判定使用済設定値)とを比較し、該比較結果として今回RAM102から読み出した設定値と判定使用済設定値とが一致しなかった場合には、画像表示装置5に表示される画像によってエラー報知が実行されるので、不適切な設定値が読み出されることによって不適切な可変表示結果の判定が行われることを防ぐことができる。更に、RAM102に不適切な設定値が設定されていることをより的確に特定することができるばかりか、RAM102に設定されている設定値が異常である旨を遊技機の周囲に認識させることができるので、遊技場の店員等が異常な設定値への対処を迅速に行うことができる。
【0592】
尚、本実施の形態の特徴部048AKでは、可変表示を実行する毎にRAM102に記憶されている設定値と判定使用済設定値とを比較する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、RAM102に記憶されている設定値と判定使用済設定値とは、可変表示の所定回数の実行や、所定時間の経過にもとづいて実行してもよい。
【0593】
また、CPU103は、RAM102から読み出した設定値と前回使用済設定値とを比較し、該比較結果として今回RAM102から読み出した設定値と判定使用済設定値とが一致しなかった場合には、演出制御基板12に対してエラー指定コマンドを送信し、演出制御用CPU120は、CPU103から該エラー指定コマンドを受信したことにもとづいて画像表示装置5に報知画像207SG005M4を表示するので、適切な設定値が読み出されることによって不適切な可変表示結果の判定が行われることをより確実に防ぐことができる。
【0594】
また、CPU103は、
図11-17~
図11-19に示すように、入賞時乱数値判定を実行するときと特別図柄通常処理を実行するときとで共通の可変表示結果判定モジュールを用いて可変表示結果を判定するので、これら入賞時乱数値判定を実行するときと特別図柄通常処理を実行するときとで処理の一部を共通化することができ、CPU103の処理負荷を抑えることができる。
【0595】
また、本実施の形態の特徴部048AKでは、
図11-8~
図11-11に示すように、変動特図が同一であればパチンコ遊技機1に設定されている設定値にかかわらず小当り判定値の数値範囲は同一となっているが、CPU103は、可変表示を実行する際にRAM102から読み出した設定値に応じた小当り判定値の数値範囲を設定する(RAM102から読み出した設定値に応じた表示結果判定テーブルを設定する)ので、CPU103が小当り遊技状態に制御するか否かを判定するための処理負荷を低減できる、更に、本実施の形態の特徴部048AKのように、RAM102から読み出した設定値に応じた大当り判定値の数値範囲と小当り判定値の数値範囲を設定する場合は、RAM102から読み出す設定値に対応する表示結果判定テーブルを設定するための処理を共通化することができるので、処理プログラムの容量も削減することができる。
【0596】
また、
図11-8~
図11-11に示すように、パチンコ遊技機1に設定値として1(最も大当り確率が低い設定値)が設定されている場合は、大当り判定値の非共通数値範囲が設定されていないので、パチンコ遊技機1に設定値として1が設定されている場合は、大当り判定値の数値範囲として共通数値範囲のみを対象として大当り遊技状態に制御するか否かを判定すればよいので、CPU103が大当り遊技状態に制御するか否かの判定を行う処理負荷を低減することができる。
【0597】
尚、本実施の形態の特徴部048AKにおいては、
図11-8~
図11-11に示すように、大当り基準値を大当り判定値の共通数値範囲の最低値に設定する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、大当り基準値を大当り判定値の共通数値範囲の最大値に設定してもよい。つまり、本実施の形態の特徴部048AKにおいては、大当り判定値の非共通数値範囲を大当り判定値の共通数値範囲の最大値から連続するように設定しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、大当り判定値の非共通数値範囲を大当り判定値の共通数値範囲の最小値から連続するように設定してもよい。
【0598】
また、本実施の形態の特徴部048AKにおいては、
図11-8~
図11-11に示すように、小当り基準値を小当り判定値の共通数値範囲の最低値に設定する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、小当り基準値を小当り判定値の共通数値範囲の最大値に設定してもよい。
【0599】
また、特徴部048AKでは、確変状態に制御中に、所定表示として、非リーチ組合せの確定飾り図柄のうちの一部の飾り図柄の組合せを、設定されている設定値に応じて異なる割合で表示する。また、所定表示の他、非リーチ組合せの確定飾り図柄で構成される先読みチャンス目も、可変表示結果として表示されることから、演出のバリエーションを増加させ遊技興趣を向上させることができる。さらに、当該先読みチャンス目についても、設定されている設定値に応じて異なる割合で表示してもよい。これによれば、確変状態に制御中における可変表示結果によりいずれの設定値に設定されているかが示唆されるため遊技興趣を向上させることができる。
【0600】
また、確変状態は、大当り遊技状態の終了後において所定回数(100回)の特図ゲームが実行されること、或いは該所定回数の特図ゲームが実行される前に大当り遊技状態となることにより終了する。すなわち、再度大当り遊技状態とならない場合には少なくとも所定回数の特図ゲームが実行されるまで確変状態が継続する。そのため、確変状態に制御され、再度大当り遊技状態に制御されずに通常状態となった場合であっても、所定表示が表示されることで遊技興趣の低下を防止することができる。
【0601】
また、特徴部048AKでは、種類A~種類Cの所定表示について、設定されている設定値に応じて異なる割合で異なる種類の所定表示を表示する。したがって、いずれの種類の所定表示が表示されるかに対して遊技者の注目を集めることができる。
【0602】
また、特徴部048AKでは、先読みチャンス目を構成する非リーチ組合せの確定飾り図柄は、所定表示を構成する非リーチ組み合わせの確定飾り図柄と異なる図柄の組み合わせになっている。そのため、先読み演出と設定示唆演出との差別化を図ることができ、大当り期待度の予告演出と混同してしまうことを防止できる。さらに、先読みチャンス目は複数の変動に亘って連続して表示可能であるのに対し、所定表示については連続して表示されないよう制限する。そのため、所定表示が連続して表示されることで先読み予告演習と混同してしまうことを防止できる。
【0603】
また、特徴部048AKでは、確変状態に制御された後、通常状態に制御されるタイミングにおいて、所定表示の種類に応じて設けられたカウント値を表示することで、所定表示がされた頻度を遊技者に認識可能とする。これによれば、所定結果が表示された頻度を遊技者が確認することができ設定値の予想を容易にすることができる。また、当該所定表示の種類に応じて設けられたカウント値の表示は、連荘フラグがオフである場合、すなわち一旦確変状態に制御された後に再度大当りとなることなく通常状態となったタイミングでのみ行われる。したがって、連荘時に当該カウント値を表示することで設定値の推測が容易になってしまうことを防止できる。一方、連荘中である場合には、所定表示の種類に応じて設けられたカウント値の表示に代えて、通常状態となったタイミングで、当該連荘中に獲得した出球数を表示する。これによれば、連荘中の獲得出玉が表示され遊技興趣を向上させることができる。
【0604】
(特徴部048AKの変形例)
上記特徴部048AKでは、
図11-8~
図11-11に示すように、遊技状態や設定値にかかわらず、小当り判定値の数値範囲(小当り判定値の共通数値範囲)を大当り判定値の数値範囲とは連続しない異なる範囲に設けたが、本発明はこれに限定されるものではなく、変形例として
図11-29(A)及び
図11-29(B)に示すように、遊技状態や設定値にかかわらず大当り判定値の数値範囲と小当り判定値の数値範囲とを連続して設けてもよい。
【0605】
尚、このように大当り判定値の数値範囲と小当り判定値との数値範囲(小当り判定値の共通数値範囲)とを連続して設ける場合は、大当り判定値の非共通数値範囲の増加に応じて小当り判定値の基準値をシフトすることによって、小当り判定値の数値範囲に含まれる判定値数を維持しつつ、小当り判定値の数値範囲を変更すればよい。
【0606】
具体的には、遊技状態が通常状態または時短状態である場合は、
図11-29(A)に示すように、設定値が1である場合は、大当り判定値の共通数値範囲を1020~1237に設定するとともに、小当り判定値の共通数値範囲を該大当り判定値の共通数値範囲に連続するように1238~1565(1238が小当り判定値の基準値)に設定する。また、設定値が2である場合は、大当り判定値の共通数値範囲(1020~1237)に連続するように大当り判定値の非共通数値範囲を1238~1253に設定するとともに、小当り判定値の共通数値範囲を該大当り判定値の非共通数値範囲に連続するように1254~1581(1254が小当り判定値の基準値)に設定する。また、設定値が3である場合は、大当り判定値の共通数値範囲(1020~1237)に連続するように大当り判定値の非共通数値範囲を1238~1272に設定するとともに、小当り判定値の共通数値範囲を該大当り判定値の非共通数値範囲に連続するように1273~1600(1273が小当り判定値の基準値)に設定する。以降、設定値が4~6である場合においても同様に小当り判定値の共通数値範囲を設定すればよい。
【0607】
遊技状態が確変状態である場合は、
図11-29(B)に示すように、設定値が1である場合は、大当り判定値の共通数値範囲を1020~1346に設定するとともに、小当り判定値の共通数値範囲を、大当り判定値の共通数値範囲が通常状態または時短状態から増加した分シフトし、該大当り判定値の共通数値範囲に連続するように1347~1674(1347が小当り判定値の基準値)に設定する。また、設定値が2である場合は、大当り判定値の共通数値範囲(1020~1346)に連続するように大当り判定値の非共通数値範囲を1347~1383に設定するとともに、小当り判定値の共通数値範囲を該大当り判定値の非共通数値範囲に連続するように1384~1711(1384が小当り判定値の基準値)に設定する。また、設定値が3である場合は、大当り判定値の共通数値範囲(1020~1346)に連続するように大当り判定値の非共通数値範囲を1347~1429に設定するとともに、小当り判定値の共通数値範囲を該大当り判定値の非共通数値範囲に連続するように1430~1757(1430が小当り判定値の基準値)に設定する。以降、設定値が4~6である場合においても同様に小当り判定値の共通数値範囲を設定すればよい。
【0608】
また、このように大当り判定値の数値範囲と小当り判定値の数値範囲(小当り判定値の共通数値範囲)とを連続するように設定する形態としては、
図11-30に示すように、小当り判定値の数値範囲を65308~65535の範囲(当り判定値が取り得る数値の後端部の範囲)に設定するとともに、該小当り判定値の数値範囲に連続するように大当り判定値の共通数値範囲(64990~65207)を設定してもよい。更にこの場合は、大当り判定値の共通数値範囲に連続するように大当り判定値の非共通数値範囲を設定し、設定値に応じて該大当り判定値の非共通数値範囲の最小値を異ならせることにより大当り確率を設定値に応じて異ならせればよい。
【0609】
尚、
図11-30に示すように大当り判定値の数値範囲と小当り判定値の数値範囲とを設定する場合は、可変表示結果を判定する際に、先ず、CPU103は、乱数値MR1の値が大当り判定値の最小値の値(
図11-30に示す例であれば、設定値1では64990、設定値2では64974、設定値3では64954)以上であるか否かを判定し、乱数値MR1の値が大当り判定値の最小値の値以上であると判定した場合には、更に乱数値MR1が小当り判定値の基準値である65208以上であるか否かを判定することによって可変表示結果が大当りであるか小当りであるかを判定すればよい。このように可変表示の判定を行うことによって、可変表示結果が大当りとなるか否かの判定とか変表示結果が小当りとなるか否かの判定の両方を実行することなく可変表示結果を判定することができるので、CPU103の可変表示結果の判定に関する処理負荷を低減することができる。
【0610】
以上、
図11-29及び
図11-30にあっては、大当り判定値の数値範囲と小当り判定値の数値範囲(パチンコ遊技機1に設定値として1が設定されている場合は大当り判定値の共通数値範囲と小当り判定値の共通数値範囲、パチンコ遊技機1に設定値として2~6が設定されている場合は大当り判定値の共通数値範囲及び非共通数値範囲と小当り判定値の共通数値範囲)が大当り判定値の基準値である1020から連続する数値範囲として設定されているとともに、小当り判定値の数値範囲は、パチンコ遊技機1に設定される設定値にかかわらず大当り判定値の数値範囲から連続した範囲において同一数の判定値を含むように設定されている。このため、CPU103は、乱数値MR1が1020と設定値に応じた小当り判定値の数値範囲の最大値との範囲内であるか否かを判定することによって、大当り遊技状態または小当り遊技状態に制御するか否かを判定することができる。更に、大当り遊技状態または小当り遊技状態に制御すると判定した場合は、乱数値MR1が設定値に応じた小当り判定値の数値範囲の最小値以上であるか否かを判定することによって大当り遊技状態と小当り遊技状態のどちらに制御するかを判定することができるので、CPU103が大当り遊技状態に制御するか否かの判定を行う処理負荷並びに小当り遊技状態に制御するか否かの判定を行う処理負荷を低減することができる。
【0611】
また、
図11-29に示すように、CPU103によって遊技状態が確変状態に制御された場合は、大当り判定値が大当り基準値である1020から連続する数値範囲として増加するとともに、増加した大当り判定値の数値範囲に応じて小当り判定値の数値範囲がシフトするので、CPU103は、該大当り判定値数が増加した数値範囲内で大当り遊技状態に制御するか否かの判定や小当り遊技状態に制御するか否かの判定を行えばよいので、CPU103による大当り遊技状態に制御するか否かの判定を行う処理負荷並びに小当り遊技状態に制御するか否かの判定を行う処理負荷を低減することができる。
【0612】
また、
図11-29及び
図11-30に示す形態においても、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が1である場合は、大当り判定値の非共通数値範囲が設定されていないので、CPU103は、大当り判定値の共通数値範囲のみを対象として大当り遊技状態に制御するか否かの判定を行えばよいので、CPU103が大当り遊技状態に制御するか否かの判定を行う処理負荷を低減することができる。
【0613】
尚、
図11-29及び
図11-30に示す形態では、大当り判定値の数値範囲の最大値に連続するように小当り判定値の数値範囲を設定する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、大当り判定値の数値範囲の最小値に連続するように小当り判定値の数値範囲を設定してもよい。
【0614】
また、前記実施の形態の特徴部048AKでは、大当り判定値の共通数値範囲と非共通数値範囲とを連続して設定する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、
図11-31及び
図11-32に示すように、大当り判定値の共通数値範囲と非共通数値範囲とを異なる数値範囲に設定してもよい。
【0615】
尚、このように大当り判定値の共通数値範囲と非共通数値範囲とを異なる数値範囲に設定する場合は、
図11-31及び
図11-32に示すように、小当り判定値の数値範囲(小当り判定値の共通数値範囲)を、大当り判定値の共通数値範囲とは異なる数値範囲であるとともに大当り判定値の設定値が6の場合の非共通数値範囲(非共通数値範囲に含まれる判定値数が最も多い数値範囲)とは異なる数値範囲において、小当り判定値の基準値から連続する数値範囲(
図11-31では32767~33094、
図11-32では32767~33421、いずれの場合も小当り判定値の基準値は32767)に設定すればよい。
【0616】
尚、
図11-31及び
図11-32に示す形態においては、変動特図に応じて小当り判定値の基準値は共通である一方で小当り判定値の数値範囲に含まれている判定値数が異なる形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、変動特図にかかわらず小当り判定値の基準値と小当り判定値の数値範囲に含まれる判定値数とは同一であってもよい。
【0617】
以上のように
図11-31及び
図11-32に示す形態にあっては、大当り判定値の共通数値範囲は、設定値にかかわらず1020を基準値とした1020~1237の範囲に設定されている。また、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が2~6の場合において、大当り判定値の共通数値範囲と小当り判定値の数値範囲(小当り判定値の共通数値範囲)とは異なる数値範囲において、60000を基準値とした設定値に応じた範囲(設定値2であれば60000~60016、設定値3であれば60000~60035・・・設定値6であれば60000~60109)が大当り判定値の非共通数値範囲として設定されている。このため、パチンコ遊技機1の開発環境において、設定値の変更に応じて大当り判定値の非共通数値範囲を変更するのみで大当り確率を異ならせることができるので、設定値に関するパチンコ遊技機の開発負荷を軽減することができる。更に、CPU103による大当り遊技状態に制御するか否かの判定並びに小当り遊技状態に制御するか否かの判定を行う処理負荷を低減することができる。
【0618】
特に、CPU103は、大当り判定値の非共通数値範囲について、設定値にかかわらず同一値である60000を基準値として大当り遊技状態に制御するか否かの判定を行うことができるので、CPU103が大当り遊技状態に制御するか否かの判定を行う処理負荷を低減することができる。
【0619】
また、
図11-31及び
図11-32に示す形態にあっては、前述した特徴部048AKと同じく、パチンコ遊技機1に設定値として1が設定される場合は大当り判定値の非共通数値範囲が設定されないので、CPU103は、大当り判定値の共通数値範囲のみを対象として大当り遊技状態に制御するか否かの判定を行えばよいので、CPU103による大当り遊技状態に制御するか否かの判定を行う処理負荷を低減することができる。
【0620】
また、
図11-31及び
図11-32に示す形態にあっては、小当り判定値の数値範囲(小当り判定値の共通数値範囲)は、設定値にかかわらず大当り判定値の共通数値範囲や非共通数値範囲とは異なる数値範囲において、32767を基準値(小当り基準値)として連続した数値範囲(32767~33094)となるように設定されている。つまり、小当り判定値の数値範囲には、設定値にかかわらず同一数の設定値が含まれているので、CPU103は、パチンコ遊技機1に設定されている設定値にかかわらず同一値である32767を小当り基準値として小当り遊技状態に制御するか否かを判定できるので、CPU103の小当り遊技状態に制御するか否かの判定を行う処理負荷を低減することができる。
【0621】
尚、
図11-31及び
図11-32に示す形態にあっては、パチンコ遊技機1に設定されている設定値にかかわらず大当り判定値の共通数値範囲が設定されている一方で、パチンコ遊技機1に設定値として1が設定される場合は大当り判定値の非共通数値範囲を設定せず、パチンコ遊技機1に設定値として2以上の値が設定される場合は各設定値に応じた大当り判定値の非共通数値範囲を設定する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機1に設定値として1が設定される場合においても大当り判定値の非共通数値範囲を設定してもよい。尚、このようにパチンコ遊技機1に設定値として1が設定される場合においても大当り判定値の非共通数値範囲を設定する場合は、例えば、
図11-31及び
図11-32と同様に基準値である1238~各設定値に応じた値までの範囲を大当り判定値の非共通数値範囲とすればよい。そして、パチンコ遊技機1に設定値として1が設定される場合の大当り判定値の非共通数値範囲を最も小さく設定するとともに、パチンコ遊技機1に設定される設定値が大きくなるにしたがって大当り判定値の非共通数値範囲を拡大していくことによって、パチンコ遊技機1に設定される設定値に応じて大当り遊技状態に制御される確率を異ならせればよい。
【0622】
更に、
図11-31及び
図11-32に示す形態にあっては、変動特図が第1特図である場合は、32767~33094の範囲が小当り判定値の共通数値範囲に設定されている一方で、変動特図が第2特図である場合は、32767~33421の範囲が小当り判定値の共通数値範囲に設定されている。すなわち、小当り判定値の数値範囲は、変動特図に応じて含まれる判定値数は異なるが同一値を基準とした連続する数値範囲として設定されているので、CPU103は、変動特図が第1特図である場合と第2特図である場合とで同一値である32767を基準値として小当り遊技状態に制御するか否かを判定できるので、CPU103による小当り遊技状態に制御するか否かの判定を行う処理負荷を低減することができる。
【0623】
尚、
図11-31及び
図11-32に示す形態にあっては、大当り判定値の非共通数値範囲の基準値を該非共通数値範囲の最低値として設定する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、大当り判定値の非共通数値範囲の基準値を該非共通数値範囲の最大値として設定してもよい。
【0624】
また、前記実施の形態の特徴部048AKにおいては、CPU103は、0~65535の範囲で値を取り得る特図表示結果判定用の乱数値MR1の値が大当り判定値の共通数値範囲内または非共通数値範囲内の値であるか否かにもとづいて大当り遊技状態に制御するか否かを判定するとともに、前記乱数値MR1の値が小当り判定値の共通数値範囲内の値であるか否かにもとづいて小当り遊技状態に制御するか否かを判定する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、CPU103は、特徴部048AKに示した以外の方法によって大当り遊技状態に制御するか否かや小当り遊技状態に制御するか否かを判定してもよい。例えば、乱数値MR1の値に対して演算を行い、該演算結果の値にもとづいて大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御するか否かを判定してもよい。更に、乱数値MR1の値に対して演算を行い、該演算結果の値が所定値(例えば、当り判定値の最大値である65535)を超えたか否かにもとづいて大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御するか否かを判定してもよい。
【0625】
また、上記実施の形態では、大当り遊技状態の終了後には必ず確変制御が行われ、所定回数(100回)の特図ゲームが終了したか、または次回の大当り遊技状態が開始されたこと等といった、いずれか1つの終了条件が先に成立するまで継続する例を示したが、例えば、確変制御は、次回の大当り遊技状態が開始されるまで継続するようにしてもよい(所定回数(100回)の特図ゲームが終了したことを確変制御の終了条件としなくてもよい)。このような場合、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されない大当り種別(非確変の大当り種別)を用意しておき、当該非確変の大当り遊技状態の終了後に所定回の特図ゲームが終了するまで制御される時短制御が終了するタイミングで連想状態が終了すればよい。このような遊技機では、確変状態の他、時短状態に制御中においても所定表示を表示可能としてもよい。
【0626】
また、このような遊技機においては、次回の大当り遊技状態が開始されるまで確変状態が継続するものの、可変表示結果が大当りとなるまでに多大な期間を要する場合がある(いわゆる連荘中のハマリ状態)。そのため、例えば、可変入賞球装置6Bに入賞した遊技球の数が所定数以上となった場合に、連荘中のハマリ状態に突入したと判定し、設定値に応じて設定示唆演出を行ってもよい。また、発射センサを設け、遊技球の発射数が所定数以上となったことにより連荘中のハマリ状態に突入したと判定し、設定値に応じて設定示唆演出を行ってもよい。さらに、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口にアウトセンサを設け、アウト球の数が所定数以上となったことにより連荘中のハマリ状態に突入したと判定し、設定値に応じて設定示唆演出を行ってもよい。これによれば、いわゆる連荘中のハマリ状態における遊技興趣を向上させることができるとともに、発射を促進することができる。なお、設定示唆演出は、例えば、設定されている設定値に応じて、音声を出力したり、特定のキャラクタを表示したり、その両方を行うようにすればよい。
【0627】
また、上記実施の形態では、
図11-28(e)に示すように確変状態であるSTモードの終了を示すメッセージ表示された後、
図11-28(f)に示すように、そのまま所定表示の種類に応じて設けられたカウント値が、種類毎にグラフ表示される例を示したが、これは一例である。例えば、
図11-28(e)に示すように確変状態であるSTモードの終了を示すメッセージ表示された後、遊技者に対してプッシュボタン31Bの動作を促し(例えばボタンを押せなどのメッセージ表示やボタン画像を表示するなど)、当該プッシュボタン31Bに対する遊技者の動作をプッシュセンサ35Bにて検出したことに基づいて、所定表示の種類に応じて設けられたカウント値を表示するようにしてもよい。これによれば、遊技者の好みに応じて演出を実行することができる。なお、遊技者による動作を検出しない場合には、所定表示の種類に応じて設けられたカウント値を表示しなくてもよい。
【0628】
(特徴部049AKに関する説明)
次に、本実施の形態の特徴部049AKについて説明する。なお、説明をわかりやすくするため、特徴部049AKにおけるパチンコ遊技機1においても、特徴部048AKと同様、一旦大当りとなった場合には、当該大当り遊技状態の終了後に100%確変制御が行われるようになるものとする。すなわち、特徴部048AKと同様、大当り種別として、
図11-12に示す「大当りA」~「大当りF」の大当り種別が用意されているものとする。なお、特徴部049AKにおけるパチンコ遊技機において、第1特図と第2特図のいずれか、または両方に、大当り遊技状態の終了後において時短制御のみが実行されて低確高ベース状態に移行する大当りG(非確変大当りともいう)の大当り種別や、次回大当りとなるまで確変制御が継続する(すなわち回数により終了しない)大当りHの大当り種別が設定されていてもよい。また、大当り遊技の終了後において高確制御と時短制御のいずれも実行されない大当り種別があってもよい。また、特徴部049AKでは、遊技状態が通常状態である場合に、設定示唆演出の実行に関する抽選を行うために内部的に設けられた演出状態として、複数種類の演出モードのいずれかに制御される。特徴部049AKにおける演出モードは、例えば、表示される背景画像が制御中の演出モードに応じて異なることでいずれの演出モードに制御されているかが遊技者にとって視認可能なものや、出力音やランプの点灯パターンが制御されている演出モードに応じて異なることでいずれの演出モードに制御されているかが遊技者にとって認識可能なものではなく、いずれの演出モードにおいても共通の態様であり、遊技者が認識不可能な内部状態をいう。なお、この実施の形態における特徴部049AKでは、遊技状態が通常状態である場合にのみ演出状態として複数の演出モードのいずれかに制御され、確変状態ではいずれの演出モードにも制御されないものとなっている。
【0629】
図12-1(A)は、特徴部049AKにて実行される演出モード決定処理の一例を示すフローチャートである。当該演出モード決定処理は、次に通常状態に制御されたときに制御する(移行する)演出モードを決定する処理(次回通常状態時の演出モードを決定する処理)であり、
図7のステップS173の特図当り待ち処理にて大当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドの受信があったと判定した場合に実行される処理である。演出モードは、演出状態のことを言い、特徴部049AKでは、モードA、モードB、モードCといった3種類の演出モードが用意されている。特徴部049AKでは、共通の設定示唆演出が行われた場合であっても、いずれの演出モードに制御されているかにより、示唆する内容が異なるものとなっている。また、特徴部049AKでは、いずれの演出モードに制御されているかにより、設定示唆演出を実行する割合が異なっている。
【0630】
図12-1(A)に示す演出モード決定処理を開始すると、演出制御洋CPU120は、現在の遊技状態が通常状態であるか否かを判定する(049AKS001)。通常状態ではある場合(ステップ049AKS001;Yes)、演出制御用CPU120は、
図12-1(B)に示す演出モード記憶バッファを確認することにより、現在の演出モードを特定する(ステップ049AKS002)。演出モード記憶バッファは、現在の演出モードと次回の演出モードとを記憶するバッファであり、RAM122の所定領域に予め記憶されており、初期状態では、現在の演出モードとして「モードA」が記憶されている。
【0631】
ステップ049AKS002の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、
図12-2(A)~(C)に示す決定割合に従って、次回通常状態時の演出モード(次回演出モード)を決定し(ステップ049AKS003)、
図12-1(B)に示す演出モード記憶バッファの次回の演出モードとして記憶する。具体的に、ステップ049AKS002にて特定した現在の演出モードが「モードA」である場合には、設定されている設定値に応じて、
図12-2(A)に示す決定割合に従って次回演出モードを決定する。また、特定した現在の演出モードが「モードB」である場合には、設定されている設定値に応じて、
図12-2(B)に示す決定割合に従って次回演出モードを決定する。特定した現在の演出モードが「モードC」である場合には、設定されている設定値に応じて、
図12-2(C)に示す決定割合に従って次回演出モードを決定する。
【0632】
特徴部049AKでは、モードC>モードB>モードAの順に、制御された際に実行される設定示唆演出にて示唆される内容の信頼度が高くなっている。特徴部049AKでは、
図12-2(A)に示すように、偶数の設定値で、かつ高設定値(設定値「4」や「6」)に設定されているほど、「モードA」から「モードC」に移行しやすくなるように決定割合が設定されている。また、特徴部049AKでは、
図12-2(B)に示すように、「モードB」からは「モードA」に移行しないように決定割合が設定されている。また、特徴部049AKでは、
図12-2(C)に示すように、偶数の設定値で、かつ最高設定値(設定値「6」)に設定されているほど、「モードC」から「モードB」に移行しやすくなるように決定割合が設定されている。
【0633】
図12-1(A)に戻り、ステップ049AKS003の処理を実行した後、またはステップ049AKS001にて通常状態ではない(確変状態である)と判定した場合(ステップ049AKS001;No)、演出制御用CPU120は演出モード決定処理を終了する。なお、確変状態である場合にそのまま演出モード決定処理を終了するのは、通常状態から大当りとなったタイミング(連荘状態における最初の大当り時)において、既に次回通常状態時の演出モードを決定して演出モード記憶バッファに記憶しているためである。
【0634】
図12-3は、特徴部049AKにて実行される設定示唆演出処理の一例を示すフローチャートである。当該設定示唆演出処理は、
図7のステップS177のエンディング演出処理内にて実行される処理であり、エンディング演出として設定示唆演出を実行する処理である。特徴部049AKでは、上述したように、いずれの演出モードに制御されているかにより、設定示唆演出を実行する割合が異なっており、また、共通の設定示唆演出が行われた場合であっても、いずれの演出モードに制御されているかにより、示唆する内容が異なるものとなっている。
図12-3に示す設定示唆演出処理を開始すると、演出制御用CPU120は、現在の演出モードを特定する(ステップ049AKS011)。例えば、現在の演出モードが「モードA」であり、次回の演出モードが「モードC」である場合を例に説明すると、ステップ049AKS011では、現在の演出モードとして「モードA」を特定する。
【0635】
ステップ049AKS011の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、特定した演出モードに応じて、
図12-4に示す決定割合に従って、設定示唆演出の実行有無を決定する。特徴部049AKでは、
図12-4に示すように、モードC>モードB>モードAの順に設定示唆演出の実行割合が高くなっている。
図12-3に戻り、ステップ049AKS012の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、設定示唆演出を実行すると決定したか、すなわち設定示唆演出実行ありか否かを判定する(ステップ049AKS013)。設定示唆演出を実行しない場合(ステップ049AKS013;No)、演出制御用CPU120は、そのまま設定示唆演出処理を終了する。
【0636】
一方、設定示唆演出を実行する場合、すなわち実行ありの場合(ステップ049AKS013;Yes)、演出制御用CPU120は、
図12-5(A)~(C)に示す設定示唆実行テーブルのうち、いずれかの設定示唆実行テーブルを、ステップ049AKS011にて特定した演出モードに応じてセットして、実行する設定示唆演出の種類を設定値に応じて決定する(ステップ049AKS014)。
【0637】
図12-5(A)~(C)は、設定示唆実行テーブルの構成例を示す図である。図示するように、特徴部049AKでは、遊技盤2に設けられたランプを、「白」、「青」、「赤」のいずれかに点灯させることにより、設定示唆演出が実行される。なお、当該ランプはLEDを含んで構成されている。
図12-5(A)は、ステップ049AKS002にて特定した現在の演出モードが「モードA」である場合にセットされる設定示唆実行テーブルである。図示するように、
図12-5(A)に示す設定示唆実行テーブルは、「赤」の点灯が行われた場合には高設定であることを示唆するように決定割合が設定されている。
図12-5(B)は、ステップ049AKS002にて特定した現在の演出モードが「モードB」である場合にセットされる設定示唆実行テーブルである。図示するように、
図12-5(B)に示す設定示唆実行テーブルは、「白」の点灯が行われた場合には奇数の設定値に設定されている割合が高く、「青」の点灯が行われた場合には偶数の設定値に設定されている割合が高く、「赤」の点灯が行われた場合には高設定であることを示唆するように決定割合が設定されている。
図12-5(C)は、ステップ049AKS002にて特定した現在の演出モードが「モードC」である場合にセットされる設定示唆実行テーブルである。図示するように、
図12-5(C)に示す設定示唆実行テーブルは、「白」の点灯が行われた場合には奇数の設定値であることを確定的に報知し、「青」の点灯が行われた場合には偶数の設定値に設定されてことを確定的に報知し、「赤」の点灯が行われた場合には高設定であることを示唆するように決定割合が設定されている。すなわち、特徴部049AKでは、モードC>モードB>モードAの順に、制御された際に実行される設定示唆演出にて示唆される内容の信頼度が高くなっている。
【0638】
このように、特徴部049AKでは、「モードB」である場合に「青」の点灯が行われる設定示唆演出が実行された場合と、「モードC」である場合に「青」の点灯が行われる設定示唆演出が実行された場合とで、いずれも「青」の点灯を行うといった共通の設定示唆演出であるものの、一方は偶数の設定値である割合が高いことを示唆するのに対し、他方は偶数の設定値であることを確定的に報知する。すなわち、「青」の点灯を行う設定示唆演出が実行された場合、偶数の設定値であることが確定する場合とそうでない場合がある。このように、複数の演出モードうちいずれの演出モードであるかに応じて共通の設定示唆演出であってもその示唆内容を異ならせることができ、設定示唆演出に関するバリエーションを増加させ遊技興趣を向上させることができる。また、複数の演出モードのうちいずれの演出モードであるかに関わらず共通の設定示唆演出を実行可能であるものの、設定されている演出モードに応じて設定示唆演出の実行割合が異なっている。したがって、設定示唆演出に関するバリエーションを増加させ遊技興趣を向上させることができる。
【0639】
図12-3に戻り、ステップ049AKS014の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、決定した種類の設定示唆演出を実行し(ステップ049AKS015)、設定示唆演出処理を終了する。なお、実行した設定示唆演出は、例えばステップS177のエンディング演出処理において演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新したタイミングにて終了すればよい。
【0640】
また、特徴部049AKでは、特徴部048AKと同様に、大当り遊技状態の終了後において所定回数(100回)の特図ゲームが実行されること、或いは該所定回数の特図ゲームが実行される前に大当り遊技状態となること、のいずれかの条件が成立するまで、遊技状態が確変状態に制御される。特徴部049AKでは、大当り遊技状態の終了後において所定回数(100回)の特図ゲームが実行されることにより確変状態が終了し、遊技状態が通常状態に制御されるタイミングにおいて、当該通常状態に制御された際に移行する演出モードがいずれの演出モードであるか遊技者に示唆するモード示唆演出を実行可能である。
【0641】
図12-6は、特徴部049AKにて実行される可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。当該可変表示開始設定処理にてモード示唆演出の実行設定が行われる。なお、
図12-6に示す可変表示開始設定処理は、特徴部048AKにて実行される可変表示開始設定処理(
図11-22参照)と比較して、特徴部048AKではステップ048AKS010を実行するのに対し、特徴部049AKではステップS523の処理を実行する。また、特徴部048AKではステップ048AKS032の処理を実行するのに対し、特徴部049AKではステップ049AKS021の処理を実行する。その他の処理については
図11-22に示す可変表示開始設定処理と同様であるため、説明を省略する。
【0642】
図12-6に示すステップS522にて非リーチ変動パターンであると判定された場合(ステップS522;Yes)、演出制御用CPU120は、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS523)。一例として、ステップS523の処理では、まず、RAM122に設けられたランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、RAM122に設けられたランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、RAM122に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。なお、ステップS523の処理では、変動図柄予告を実行中である場合に対応して、所定のチャンス目図柄となる非リーチ組合せの確定飾り図柄を決定すればよい。
【0643】
そして、ステップ048AKS031において、確変状態に制御され、かつ確変状態における最終変動であると判定した場合(ステップ048AKS031;Yes)、次回通常状態時に制御される演出モードを示唆するモード示唆演出の実行設定を行うモード示唆演出設定処理を実行する(ステップ049AKS021)。これにより、確変状態における最終変動においてモード示唆演出が実行されることとなる。このように、モード示唆演出が実行されることで、いずれの演出モードに制御されているかを遊技者に予想させることができ遊技興趣を向上させることができる。なお、モード示唆演出は、確変状態における最終変動中でなくとも、例えば、
図7のステップS173の特図当り待ち処理において、確変状態における最終変動であり、かつ当該変動がハズレとなる場合に実行してもよい。これによれば、確変状態における最終変動後のタイミングでモード示唆演出を実行可能となり、確変状態から通常状態に戻るより近いタイミングで演出モードを示唆することができる。
【0644】
図12-7は、
図12-6のステップ049AKS021にて実行されるモード示唆演出設定処理の一例を示すフローチャートである。
図12-6に示すモード示唆演出設定処理において、演出制御用CPU120は、演出モード記憶バッファを確認することにより、次回の演出モードを特定する(ステップ049AKS031)。例えば、現在の演出モードが「モードA」であり、次回の演出モードが「モードC」である場合を例に説明すると、ステップ049AKS031では、次回の演出モードとして「モードC」を特定する。
【0645】
ステップ049AKS031の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、特定した演出モードに応じて、
図12-8に示す決定割合に従って、実行するモード示唆演出の種類を決定する(ステップ049AKS032)。
図12-8に示すように、特徴部049AKでは、次回モード(通常状態に制御された際に移行する演出モード)が「モードA」であることを示唆する「示唆A」のモード示唆演出と、「モードB」であることを示唆する「示唆B」のモード示唆演出と、「モードC」であることを示唆する「示唆C」のモード示唆演出とがあり、「示唆C」の種類のモード示唆演出が実行された場合には、次回モードが「モードB」または「モードC」であること、すなわち「モードA」ではないことを確定的に報知するよう決定割合が設定されている。なお、上述したように、特徴部049AKでは、モードC>モードB>モードAの順に、制御された際に実行される設定示唆演出にて示唆される内容の信頼度が高くなっている。そのため、「示唆C」の種類のモード示唆演出が実行されることに対する遊技者の期待感を向上させることができる。なお、特徴部049AKにおけるモード示唆演出は、例えば、画像表示装置5にキャラA~キャラCのいずれかを表示することにより、次回モードとして、それぞれモードA~モードCを示唆すればよい。なお、例えば「示唆A」では画像を表示し、「示唆B」ではランプを所定の色にて点灯し、「示唆C」では音声を出力するなど、モード示唆演出の種類に応じて、異なる種類の演出を実行してもよい。
【0646】
図12-7に戻り、ステップ049AKS032の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、演出モード記憶バッファの内容を更新し(ステップ049AKS033)、モード示唆演出設定処理を終了する。ステップ049AKS033の処理では、次回の演出モードとして記憶されている内容を、現在の演出モードとして更新する。例えば、現在の演出モードが「モードA」であり、次回の演出モードが「モードC」である場合、「モードC」を現在の演出モードにシフトする。これにより、確変状態が終了し、通常状態となるタイミングで演出モード記憶バッファの現在の演出モードに記憶されている内容の演出モードに制御されることとなる。例えば、
図7のステップS173の特図当り待ち処理において、確変状態における最終変動であり、かつ当該変動がハズレとなる場合に、演出モード記憶バッファの現在の演出モードに記憶されている内容の演出モードに移行する設定を行えばよい。
【0647】
図12-9は、遊技状態と演出状態の遷移を示すタイミングチャートである。ここでは、現在の演出モードが「モードA」であり、次回の演出モードが「モードC」に決定される場合を例に説明する。また、図示する大当り1までの遊技状態は通常状態であるものとする。現在の演出モードが「モードA」に制御されている状態で大当りとなると(図示する大当り1)、
図12-1(A)に示す演出モード決定処理が実行され、
図12-9に示すように、次回通常状態時の演出モード(次回モード)が決定される(この例ではモードCが決定される)。そして、大当り1の大当り遊技状態に制御され、大当り1のエンディングとなると、
図12-3に示す設定示唆演出処理が実行され、現在の演出状態であるモードAに対応して
図12-4に示す割合で設定示唆演出を実行するか否かが決定され、実行する場合には、
図12-5(A)に示す設定示唆実行テーブルに従って、設定されている設定値に基づき設定示唆演出が行われる。
図12-9に示すように、大当り1の大当り遊技状態の終了後は、遊技状態が確変状態に制御される。なお、確変状態は、大当り遊技状態の終了後において所定回数(100回)の特図ゲームが実行されること、或いは該所定回数の特図ゲームが実行される前に大当り遊技状態となることにより終了するが、図示する例では、100回の特図ゲームが実行されることで終了する場合について示している。
【0648】
続いて確変状態の最終変動となると、
図12-7に示すモード示唆演出設定処理が実行され、大当り1となったときに決定された次回モード(モードC)に基づいて、次回通常状態時に制御される演出モードを示唆するモード示唆演出を実行するとともに、次回モードを現在モードに更新する(モードCを現在モードとする)。これにより、次に設定示唆演出が実行される場合における演出モードが示唆されるため、遊技者の注目を集めることができる。また、演出モードCに対する示唆(示唆C)が行われた場合には、その後に実行される設定示唆演出の信頼度が高いことから、その後の大当り遊技状態の終了タイミングで実行される設定示唆演出にて示唆される内容を確認したいという遊技者の期待感を煽ることができ、稼働を促進することができる。
【0649】
なお、上述したように、特徴部049AKにおいて、制御されている演出モードは、遊技者にとって認識不可能なものである。そのため、遊技者は当該モード示唆演出が実行されることにより、次に制御される演出モードを予想することになる。
図12-2(A)に示すように、偶数の設定値で、かつ高設定値(設定値「4」や「6」)に設定されているほど、「モードA」から「モードC」に移行しやすくなるように決定割合が設定されている。そのため、前回実行されたモード示唆演出がモードAに対応する示唆(示唆A)であり、今回実行されたモード示唆演出がモードCに対応する示唆(示唆C)である場合には、遊技者にモードAからモードCへ移行したと予想させることができる。この場合、遊技者は設定値が「4」や「6」であると予想するため、その後の大当り遊技状態の終了タイミングで実行される設定示唆演出にて高設定であることが示唆されることを確認したいという遊技者の期待感を煽ることができ、稼働を促進することができる。また、
図12-2(B)に示すように、「モードB」からは「モードA」に移行しないように決定割合が設定されていることから、実行されたモード示唆演出がモードBに対応する示唆(示唆B)である場合には、次に移行する演出モードが、制御された際に実行される設定示唆演出にて示唆される内容の信頼度が高い演出モードである演出モードCとなる期待感を遊技者に与えることができ、次の大当り遊技状態となるまで稼働を促進することができる。また、特徴部049AKでは、
図12-2(C)に示すように、偶数の設定値で、かつ最高設定値(設定値「6」)に設定されているほど、「モードC」から「モードB」に移行しやすくなるように決定割合が設定されている。そのため、前回実行されたモード示唆演出がモードCに対応する示唆(示唆C)であり、今回実行されたモード示唆演出がモードBに対応する示唆(示唆B)である場合には、遊技者にモードCからモードBへ移行したと予想させることができる。この場合、遊技者は最高設定値であることを期待するため、その後の大当り遊技状態の終了タイミングで実行される設定示唆演出にて高設定であることが示唆され、最高設定値である可能性が高いことを確認したいという遊技者の期待感を煽ることができ、稼働を促進することができる。
【0650】
図12-9に戻り、確変状態の最終変動が終了すると、遊技状態が通常状態となり、大当り1となったときに決定された演出モード(モードC)に制御される。そして、再度大当りとなると(図示する大当り2)、次回通常状態時の演出モード(次回モード)が決定され、当該大当り2のエンディングにおいて、現在の演出状態であるモードCに対応して
図12-4に示す割合で設定示唆演出を実行するか否かが決定され、実行する場合には、
図12-5(C)に示す設定示唆実行テーブルに従って、設定されている設定値に基づき設定示唆演出が行われる。
【0651】
以上、本実施の形態の特徴部049AKにおけるパチンコ遊技機1においては、設定示唆演出の実行に関する抽選を行うために内部的に設けられた演出状態として、複数種類の演出モードのいずれかに制御可能である。そして、
図12-5に示すように、「モードB」である場合に「青」の点灯が行われる設定示唆演出が実行された場合と、「モードC」である場合に「青」の点灯が行われる設定示唆演出が実行された場合とで、いずれも「青」の点灯を行うといった共通の設定示唆演出であるものの、一方は偶数の設定値である割合が高いことを示唆するのに対し、他方は偶数の設定値であることを確定的に報知する。そのため、共通の設定示唆演出が行われた場合であっても、いずれの演出モードに制御されているかにより、示唆する内容が異なるものとなっている。これによれば、演出モードを複数備えることで設定示唆演出に関するバリエーションを増加させ遊技興趣を向上させることができる。
【0652】
また、本実施の形態の特徴部049AKにおけるパチンコ遊技機1においては、複数の演出モードのうちいずれの演出モードであるかに関わらず共通の設定示唆演出を実行可能であるものの、
図12-4に示すように、設定されている演出モードに応じて設定示唆演出の実行割合が異なっている。したがって、設定示唆演出に関するバリエーションを増加させ遊技興趣を向上させることができる。
【0653】
また、特徴部049AKでは、遊技状態が通常状態に制御されている場合に、複数種類の演出モードのいずれかに制御されるものの、確変状態ではいずれの演出モードにも制御されない。すなわち、遊技状態が通常状態である場合に制御可能な演出モードの数は、遊技状態が確変常置合である場合よりも多くなっている。これによれば、遊技者にとって有利な状態ではない通常状態における遊技興趣を向上させることができる。
【0654】
また、特徴部049AKにおける演出モードは、いずれの演出モードにおいても共通の態様であり、遊技者が認識不可能な内部状態である。そして、当該特徴部049AKでは、通常状態に制御された際に移行する演出モードがいずれの演出モードであるか遊技者に示唆するモード示唆演出を実行可能である。これによれば、いずれの演出状態に制御されるかを遊技者に予想させることができ遊技興趣を向上させることができる。
【0655】
また、特徴部049AKでは、確変状態における最終変動においてモード示唆演出を実行する。さらに、確変状態における最終変動後のタイミングでモード示唆演出を実行可能である。すなわち、特徴部049AKでは、確変状態から通常状態に制御されるタイミングでいずれの演出状態に制御されるかが遊技者に示唆される。これによれば、確変状態から通常状態に戻るタイミングにおける遊技者の注目を集めることができる。
【0656】
また、特徴部049AKでは、モード示唆演出を実行可能であるとともに、大当り遊技状態中のエンディング演出として、演出モードに応じた設定示唆演出を実行する。これによれば、モード示唆演出と設定示唆演出との組合せにより設定されている設定値を予想させることができ演出のバリエーションを増加させることができる。
【0657】
また、特徴部049AKでは、
図7のステップS173の特図当り待ち処理にて大当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドの受信があったと判定した場合に、次に通常状態に制御されたときに制御する(移行する)演出モードを決定する。これによれば、大当り遊技状態に制御されるタイミングにおいて、いずれの演出モードとなるかに関する興趣を向上させることができる。
【0658】
(特徴部049AKの変形例)
上記特徴部049AKでは、
図12-3に示す設定示唆演出処理において
図12-5に示す設定示唆実行テーブルを用いて実行すべき設定示唆演出の種類を決定する例を示したが、これは一例である。設定示唆実行テーブルは任意に変更可能であり、例えば、
図12-10に示す設定示唆実行テーブルを用いてもよい。具体的に、
図12-10(A)に示す設定示唆実行テーブルは、「赤」の点灯が行われた場合に設定値が「2」以上であることを確定的に報知するよう設定されており、
図12-10(B)に示す設定示唆実行テーブルは、「赤」の点灯が行われた場合に設定値が「3」以上であることを確定的に報知するよう設定されており、
図12-10(C)に示す設定示唆実行テーブルは、「赤」の点灯が行われた場合に設定値が「4」以上であることを確定的に報知するよう設定されている。このように、共通の「赤」の点灯が行われた場合に、設定値が「2」~「4」のいずれの設定値以上であるかを、制御されている演出モードによって異なるようにしてもよい。これによれば、示唆Cのモード示唆演出が実行された場合に、その後に実行される設定示唆演出にて「赤」の点灯が行われることへの期待感を向上させることができる。
【0659】
また、上記実施の形態における特徴部049AKでは、遊技状態が通常状態である場合にのみ演出状態として複数の演出モードのいずれかに制御され、確変状態ではいずれの演出モードにも制御されない例を示したが、これは一例である。確変状態において制御される演出モードがあってもよい。そして、確変状態において制御される演出モードの数は、通常状態において制御される演出モードの数よりも少なければよい。これによれば、通常状態に制御中における演出効果を向上させることができる。なお、確変状態において制御可能な演出モードについても、通常状態において制御可能な演出モードを決定する際に決定すればよい。そして、連荘状態中における大当り遊技状態のエンディングにて確変状態中における演出モードに基づいて設定示唆演出を実行すればよい。
【0660】
また、上記実施の形態における特徴部049AKでは、ステップS173の特図当り待ち処理にて大当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドの受信があったと判定した場合に、次に通常状態に制御されたときに制御する(移行する)演出モードを決定する例を示したが、これは一例である。当該決定タイミングは、例えば大当り遊技状態中であってもよいし、確変状態中であってもよい。また、設定示唆演出の実行タイミングについても、大当り遊技状態におけるエンディング演出時でなくてもよく、変動中(例えばスーパーリーチのリーチ演出中やリーチ状態となる前のタイミングなど)であってもよい。この場合、ステップS171の可変表示開始設定処理において、
図12-4に示す決定割合に従って、演出モードに応じて設定示唆演出の実行有無を決定すればよい。これによれば、いずれの演出状態に制御されているかに対する遊技者の関心を高めることができる。また、モード示唆演出についても、確変状態における最終変動でなくてもよく、例えば確変状態中のいずれかの変動で行われてもよいし、大当り遊技状態におけるエンディング演出にて行われてもよい。なお、設定示唆演出の実行タイミングとしては、例えば、通常状態における50回の変動毎に実行してもよいし、リアルタイムクロックや内部タイマなどにより予め定められた時間または計測期間が所定期間となったタイミングにおいて実行してもよい。また、各回の変動において表示結果に応じて異なる決定割合にて設定示唆演出の実行有無を決定してもよいし、表示結果に関わらず共通の決定割合にて設定示唆演出の実行有無を決定してもよい。なお、設定示唆演出では、設定値が変更されたことを示唆するようにしてもよい。
【0661】
また、大当り遊技状態の終了後において時短制御のみが実行されて低確高ベース状態に移行するような場合には、時短制御が終了する変動においてモード示唆演出を実行すればよい。また、例えば、確変制御が次回の大当り遊技状態が開始されるまで継続し、非確変の大当り種別の大当りとなりその後の時短制御が終了することで連荘状態が終了するような遊技機においては、上述したように確変状態中における演出モードとしていずれかの演出モードに制御し、当該演出モードに基づいて、当該確変状態における変動中に設定示唆演出を実行してもよい。より具体的には、可変入賞球装置6Bに入賞した遊技球の数が所定数以上となった場合や、遊技球の発射数が所定数以上となったことにより連荘中のハマリ状態に突入したと判定し、設定示唆演出を実行すればよい。これによれば、いわゆる連荘中のハマリ状態における遊技興趣を向上させることができる。
【0662】
また、上記実施の形態における特徴部049AKでは、演出モード記憶バッファには、初期状態において、現在の演出モードとして「モードA」が記憶されている例を示したが、これは一例である。電源投入時において、現在の演出モードを抽選により決定してもよい。この場合には、電源投入時における設定値に応じて設定する演出モードの決定割合が異なっていればよい。これによれば、演出状態に関する抽選が多様となり遊技興趣を向上させることができる。また、電源投入後における変動(例えば最初の変動や10回の変動のうちのいずれかの変動など)において、当該演出モードに基づいてモード示唆演出を実行可能であればよい。
【0663】
さらに、電源投入時には、モードCに決定される割合が高くなるように決定割合を設定すればよい。特徴部049AKでは、モードC>モードB>モードAの順に、制御された際に実行される設定示唆演出にて示唆される内容の信頼度が高くなっていることから、これによれば、電源投入時の最初の遊技にて実行される設定示唆演出は信頼度が高い内容を示唆するため、遊技場の開店直後に遊技を開始する遊技者の意欲を向上させることができる。なお、演出モードについては電断時にバックアップされないため、復旧後の演出モードが復旧前の演出モードと異なっている場合がある。このような場合に「示唆C」の種類のモード示唆演出が実行されると、次回モードが「モードA」ではないことが確定的に報知されることになるが、実際には「モードA」である場合もあり、遊技者を混乱させてしまい、モード示唆演出の信頼度が低下し遊技興趣を低下させてしまう。よって、このようなことを防止するため、電源投入時におけるモード示唆演出では、
図12-8に示す決定割合ではなく、確定的に報知することのないよう決定割合が設定されているテーブルを用いて実行するモード示唆演出の種類を決定すればよい。
【0664】
(特徴部050AKに関する説明)
次に、本実施の形態の特徴部050AKについて説明する。なお、説明をわかりやすくするため、特徴部050AKにおけるパチンコ遊技機1においても、特徴部048AKと同様、一旦大当りとなった場合には、当該大当り遊技状態の終了後に100%確変制御が行われるようになるものとする。すなわち、特徴部048AKと同様、大当り種別として、
図11-12に示す「大当りA」~「大当りF」の大当り種別が用意されているものとする。なお、特徴部050AKにおけるパチンコ遊技機において、第1特図と第2特図のいずれか、または両方に、大当り遊技状態の終了後において時短制御のみが実行されて低確高ベース状態に移行する大当りG(非確変大当りともいう)の大当り種別や、次回大当りとなるまで確変制御が継続する(すなわち回数により終了しない)大当りHの大当り種別が設定されていてもよい。また、大当り遊技の終了後において高確制御と時短制御のいずれも実行されない大当り種別があってもよい。
【0665】
特徴部050AKでは、大当り遊技状態に制御される前に実行される特定演出と、大当り遊技状態において実行される特別演出とにより設定されている設定値に関する示唆を行う。詳しくは後述するが、特徴部050AKにおける特定演出は、スーパーリーチ演出の後半にて複数種類のキャラクタ画像のうちいずれかのキャラクタ画像を、設定されている設定値に応じて表示する演出である。また、特徴部050AKにおける特別演出は、特定演出が実行された場合に、大当り遊技状態におけるエンディング演出にて実行される演出であり、実行された特定演出にて表示されたキャラクタが敵キャラクタとバトルを行うバトル演出である。なお、この実施の形態における特徴部050AKでは、大当り遊技状態におけるエンディング演出として特別演出を実行する例を示しているが、例えば大当り遊技状態中のラウンド遊技として、特別演出を実行してもよい。また、5ラウンド目などの特定のラウンドのみ特別演出を実行してもよいし、5ラウンド目~8ラウンド目(大当りBで8回のラウンド数の場合)など、全ラウンド数の後半の複数ラウンドに亘って特別演出を実行してもよい。
【0666】
図13-1は、特徴部050AKにて実行される可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。
図13-1に示す可変表示開始設定処理は、特徴部048AKにて実行される可変表示開始設定処理(
図11-22参照)と比較して、特徴部048AKではステップ048AKS010を実行するのに対し、特徴部050AKではステップS523の処理を実行する(特徴部049AKと同様であるため説明を省略する)。また、特徴部048AKではステップ048AKS031およびステップ048AKS032の処理を実行するのに対し、特徴部050AKではステップS528およびステップ050AKS001の処理を実行する。その他の処理については
図11-22に示す可変表示開始設定処理と同様であるため、説明を省略する。
【0667】
図13-1に示すステップS524、ステップS527、ステップS526のいずれかの処理を実行した後、演出制御用CPU120は、スーパーリーチの変動パターンであるか否かを判定する(ステップS528)。ステップS528の処理では、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、スーパーリーチの変動パターンであるか否かを判定すればよい。ステップS528にてスーパーリーチの変動パターンであると判定した場合(ステップS528;Yes)、演出制御用CPU120は、特定演出を実行するための特定演出実行設定処理を実行する(ステップ050AKS001)。
【0668】
図13-2は、
図13-1に示すステップ050AKS001にて実行される特定演出実行設定処理の一例を示すフローチャートである。
図13-2に示す特定演出実行設定処理において、演出制御用CPU120は、
図13-3に示す決定割合に従って、特定演出を実行するか否かを決定する(ステップ050AKS011)。なお、図示する例では可変表示結果に関わらず共通の決定割合となっている例を示しているが、可変表示結果に応じて異なる決定割合としてもよい。また、スーパーリーチの種類に応じて異なる決定割合としてもよい。
【0669】
図13-2に戻り、ステップ050AKS011の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、特定演出を実行すると決定したか、すなわち特定演出実行ありか否かを判定する(ステップ050AKS012)。特定演出を実行しない場合(ステップ050AKS012;No)、演出制御用CPU120は、そのまま特定演出実行設定処理を終了する。一方、特定演出を実行する場合、すなわち実行ありの場合(ステップ050AKS012;Yes)、演出制御用CPU120は、
図13-4に示す決定割合に従って、設定値に応じて、実行する特定演出の種類を決定する(ステップ050AKS013)。
【0670】
特徴部050AKでは、図示するように、特定演出として「キャラA」~「キャラC」の種類の特定演出が用意されている。「キャラA」~「キャラC」の特定演出は、それぞれ「キャラクタA」~「キャラクタC」の画像を表示する演出である。
図13-4に示すように、特徴部050AKでは、「キャラC」の種類の特定演出が実行された場合には設定値が2以上であること(すなわち最低設定値の1ではないこと)が確定されるよう決定割合が設定されている。そのため、キャラCの種類の特定演出が実行されることで最低設定値でないことの安心感を得たいという遊技者の期待を煽ることができる。なお、この実施の形態における特徴部050AKでは、実行する特定演出の種類が、設定値に応じて異なる割合で決定される例を示しているが、設定値がいずれに設定されているかに関わらず共通の割合で決定されてもよい。
【0671】
なお、特徴部050AKでは、「キャラA」~「キャラC」それぞれの種類に共通してスーパーリーチの後半(可変表示結果が表示される所定時間前)にそれぞれの種類のキャラクタ画像が表示されるものとなっており、当該キャラクタ画像の表示タイミングは予め定められている。なお、実行する特定演出の種類に応じてそれぞれのキャラクタ画像の表示タイミングが異なっていてもよい。例えば、キャラAよりもキャラBの種類の方が遅いタイミングで表示され、キャラBよりもキャラCの方が遅いタイミングで表示されるようにしてもよい。
図13-2のステップ050AKS013の処理により、実行する特定演出の種類が決定されることにより、合わせて実行タイミング(キャラクタ画像の表示タイミング)も決定される。特定演出を実行するタイミングは、可変表示結果が表示される10秒前といったようにタイマ設定されていればよい。なお、スーパーリーチのリーチ演出が開始されてから40秒後、といった設定であってもよい。スーパーリーチの種類に応じてリーチ演出の期間は異なることから、このような設定によれば、スーパーリーチの種類によっては、スーパーリーチのリーチ演出期間中の早い段階で特定演出が実行されることとなり、演出の幅を広げ興趣を向上させることができる。なお、特徴部050AKでは、スーパーリーチ演出の後半に特定演出を実行するものとしているが、大当りとなる前(より具体的には可変表示結果が表示される前)のタイミングであれば任意のタイミングであってよい。スーパーリーチ中に実行されなくてもよく、リーチとなるか否かに関わらず、例えば50回の変動毎に実行してもよいし、リアルタイムクロックや内部タイマなどにより予め定められた時間または計測期間が所定期間となったタイミングにおいて実行してもよい。
【0672】
ステップ050AKS013の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、特定演出を実行することを示す特定演出フラグをオン状態にセットしてから(ステップ050AKS014)、特定演出実行設定処理を終了する。なお、特定演出フラグは、RAM122の所定領域に設けられていればよく、後述する特別演出が実行されることでオフ状態にクリアされる。また、この実施の形態における特徴部050AKでは、可変表示結果が「ハズレ」となる場合にも特定演出が実行されるものの、特別演出は実行されない(大当り遊技状態にて実行されるものであるため)。したがって、ステップ050AKS014にてオン状態にセットされた特定演出フラグは、可変表示結果が「大当り」となる場合には後述する特別演出が実行されることでオフ状態にクリアされる一方で、可変表示結果が「ハズレ」となる場合にはステップS173の特図当り待ち処理にて、大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定するコマンドを受信せずに、当該コマンドの受信待ち時間が経過したときに、オフ状態にクリアされればよい。また、特定演出は、一旦実行された場合には、可変表示結果が導出表示されるまでの期間実行されればよい(決定した種類のキャラクタ画像が継続して表示されればよい)。すなわち、特定演出実行期間は、スーパーリーチのリーチ演出の後半から可変表示結果が導出表示されるまでの期間であればよい。なお、例えば50回の変動毎や、リアルタイムクロックや内部タイマなどにより予め定められた時間または計測期間が所定期間となったタイミングにおいて特定演出が実行される場合には、当該変動後に消去され、再度実行タイミングとなった場合に表示されるようにしてもよい。さらに、特定演出は、一旦実行された場合には、可変表示結果が大当りとなるまで、複数回の変動に亘って継続して実行されてもよい(継続してキャラクタ画像が表示されてもよい)。この場合、ステップS173の特図当り待ち処理にて、大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定するコマンドを受信せずに、当該コマンドの受信待ち時間が経過したときに、特定演出フラグをオフ状態にクリアせず、オン状態のままとすればよい。そして、ステップ050AKS001にて既に特定演出フラグがオン状態である場合には、特定演出実行設定処理を終了すればよい。これによれば、実行された特定演出がいずれの種類の特定演出であったのかを見逃してしまうことを防止できる。
【0673】
図13-5は、特徴部050AKにて実行される特別演出処理の一例を示すフローチャートである。当該特別演出処理は、
図7のステップS177のエンディング演出処理内にて実行される処理であり、エンディング演出として、実行した特定演出に対応した特別演出を実行する処理である。
図13-5に示す特別演出処理を開始すると、演出制御用CPU120は、特定演出フラグがオン状態にセットされているか否かを判定する(ステップ050AKS021)。特定演出フラグがオフである場合(ステップ050AKS021;No)、特定演出が実行されていないことから、特別演出処理を終了する。
【0674】
一方、特定演出フラグがオンである場合(ステップ050AKS021;Yes)、演出制御用CPU120は、実行した特定演出の種類を特定する(ステップ050AKS022)。例えば、
図13-2のステップ050AKS013にて特定演出の種類を決定した場合に、決定した内容を記憶しておき、当該ステップ050AKS022では、この内容を確認することで特定演出の種類を特定する。なお、特定演出の種類に応じて特定演出フラグA~特定演出フラグCを用意しておき、
図13-2のステップ050AKS014にて、対応する種類の特定演出フラグをオン状態にセットしてもよく、その場合には、ステップ050AKS022において、いずれの特定演出フラグがオン状態であるかにより特定演出の種類を特定してもよい。
【0675】
図13-5のステップ050AKS022の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、特定した特定演出の種類に応じて、
図13-6(A)~(C)のいずれかに示す決定割合に従い、実行する特別演出の種類を設定値に応じて決定し、決定した種類の特別演出を実行する(ステップ050AKS023)。上述したように、特徴部050AKにて実行される特別演出は、特定演出にて表示されたキャラクタが敵キャラクタとバトルを行うバトル演出であり、図示するように、「勝利」、「引き分け」、「敗北」といった種類の特別演出が用意されている。「勝利」、「引き分け」、「敗北」は、それぞれバトル演出の結果を示している。なお、特徴部050AKでは、特別演出としてバトル演出を行い、特別演出の種類に応じてその結果が異なるものとしているが、バトル演出、会話演出(他のキャラクタと会話する演出)、ダンス演出(キャラクタがダンスする演出)といったように、特別演出の種類に応じて演出自体の種類が異なっていてもよい。
【0676】
図13-6(A)は、実行された特定演出の種類が「キャラA」の場合の決定割合を示す図である。図示するように、「キャラA」の種類の特定演出が実行された場合における特別演出では、バトル結果として「キャラA」のキャラクタが「勝利」した場合、すなわち、「勝利」する特別演出が実行された場合に、最低設定値である「1」を否定する(設定値が「2」以上である)ことを確定的に報知するよう、決定割合が設定されている。そのため、「勝利」の特別演出が実行されることで最低設定値でないことの安心感を得たいという遊技者の期待を煽ることができる。
【0677】
図13-6(B)は、実行された特定演出の種類が「キャラB」の場合の決定割合を示す図である。図示するように、「キャラB」の種類の特定演出が実行された場合における特別演出では、バトル結果として「キャラB」のキャラクタが「勝利」した場合、すなわち、「勝利」する特別演出が実行された場合に、設定されている設定値が「3」以上であることを確定的に報知するよう、決定割合が設定されている。また、
図13-6(C)は、実行された特定演出の種類が「キャラC」の場合の決定割合を示す図である。図示するように、「キャラC」の種類の特定演出が実行された場合における特別演出では、バトル結果として「キャラC」のキャラクタが「勝利」した場合、すなわち、「勝利」する特別演出が実行された場合に、設定されている設定値が「4」以上であることを確定的に報知するよう、決定割合が設定されている。このように、この実施の形態における特徴部050AKでは、「勝利」の種類の特別演出が実行された場合、設定値に関する確定的な報知を行う(例えば、設定値が変更されたことを確定的に報知してもよい)ため、「勝利」の種類の特別演出が実行されることに対する遊技者の期待感を向上させることができる。
【0678】
図13-5に戻り、ステップ050AKS023の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、特定演出フラグをオフ状態にクリアしてから(ステップ050AKS024)、特別演出処理を終了する。なお、この実施の形態における特徴部050AKでは、
図13-1のステップ050AKS001にて特定演出の実行設定を行い、
図13-5のステップ050AKS023にて特別演出を実行する、といったようにそれぞれの演出(実行有無や実行する種類など)を2つの処理にて決定しているが、例えば、
図13-1のステップ050AKS001にて、特定演出と特別演出の実行有無および種類を一括して決定してもよい。この場合、可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、特別演出を実行しないよう決定すればよい。
【0679】
図13-7は、特定演出と特別演出が実行された場合における演出動作例を示す図である。図示する例では、「キャラA」の特定演出が実行され、「勝利」の特別演出が実行される例、すなわち、最低設定値であることを確定的に報知する内容の設定示唆演出が行われる例について示している。
図13-7(a)に示すように可変表示が開始され、
図13-7(b)に示すようにリーチ状態となり、スーパーリーチへと発展した後、
図13-7(c)に示すように、スーパーリーチのリーチ演出の後半にて特定演出実行期間となり、特定演出が実行される。図示するように、特定演出が実行されることにより、味方キャラクタAとしての画像CH1が、画像表示装置5における右下の領域に表示される。
【0680】
続いて
図13-7(d)に示すように、可変表示結果が表示され大当り遊技状態に制御される。大当り遊技状態では、
図13-7(e)に示すように大当り種別に応じた回数のラウンド遊技が行われる。そして大当り遊技状態のエンディングとなると、
図13-7(f)および(g)に示すように、エンディング演出としての特別演出が実行され、特定演出にて表示された味方キャラクタAとしての画像CH1と、敵キャラクタとしての画像CH2が表示され、それぞれのキャラクタがバトルを行う演出が実行される。そして、
図13-7(h)に示すようにバトルに勝利する態様となり、大当り遊技状態が終了する。
【0681】
以上、本実施の形態の特徴部050Kにおけるパチンコ遊技機1においては、スーパーリーチのリーチ演出の後半に実行される特定演出と、大当り遊技状態におけるエンディング演出にて実行される特別演出とにより、設定されている設定値に関する示唆を行う。これによれば、実行される特定演出と特別演出の種類により設定示唆演出に関するバリエーションを増加させ遊技興趣を向上させることができる。
【0682】
また、特徴部050AKにおける特定演出は、一旦実行された場合には、可変表示結果が導出表示されるまでの期間実行される。また、特徴部050AKにおける特定演出は、一旦実行された場合、可変表示結果が大当りとなるまで、複数回の変動に亘って継続して実行されてもよい。これによれば、実行された特定演出がいずれの種類の特定演出であったのかを見逃してしまうことを防止できる。
【0683】
(特徴部050AKの変形例)
上記実施の形態における特徴部050AKでは、特定演出としてスーパーリーチ演出の後半にて複数種類のキャラクタ画像のうちいずれかのキャラクタ画像を、設定されている設定値に応じて表示する例を示したが、これは一例である。特定演出として表示されるキャラクタ画像は、例えば、アイキャッチ画像であってもよい。アイキャッチ画像は、演出の合間に挟み込まれる比較的短い時間(この例では1秒で一定)表示される画像である(たとえば、
図13-8(e)参照)。なお、アイキャッチ画像には、遊技に関する抽選結果に係る演出内容とは関連性の無い文字(たとえば、遊技機の機種名などの文字)が含まれていてもよく、遊技者の目を引いたり奪ったりする画像であることが好ましい。なお、当該アイキャッチ画像は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に表示されるものであればよい。そして、特別演出は、当該アイキャッチ画像が表示された可変表示よりも後に行われる可変表示にて大当りとなった場合に実行されればよい。
【0684】
この例においては、スーパーリーチの背景が表示された後、リーチ状態となるまでの飾り図柄の背景が表示される前に、アイキャッチ画像が表示される。なお、ここで、背景とは、変動表示における飾り図柄(絵付図柄、絵無図柄、小図柄)以外のすべての画像(静止画像,動画像)のことであり、背景画像だけでなくキャラクタ画像、および、CG映像や実写映像などの映像も含む。
【0685】
図13-8は、特定演出として表示されるキャラクタ画像としてアイキャッチ画像を表示する場合における演出動作例を示す図である。まず、
図13-8(a)から
図13-8(b)に示すように、変動開始コマンド等の変動開始時のコマンドが受信されてからリーチ状態となるまでは、通常背景(ここでは、山の背景)が表示され、ゴシック体の飾り図柄の変動表示が実行される。
【0686】
次に、
図13-8(c)に示すように、リーチ状態となると、スーパーリーチ背景(ここでは、宇宙の映像)が表示され、小図柄の飾り図柄の変動表示が、スーパーリーチ背景に合わせた所定のタイミングで順に切替えられて実行される。次いで、
図13-8(d)に示すように、
図13-8(c)の続きからハズレ図柄が表示されるまでは、
図13-8(c)と同様、スーパーリーチ背景が表示され、小図柄の変動表示(リーチ状態の間のみ)および明朝体の飾り図柄の変動表示(リーチ状態からハズレ図柄が表示されるまで)が、スーパーリーチ背景に合わせた所定のタイミングで順に切替えられて実行される。なお、ハズレ図柄の明朝体の飾り図柄は、揺れ表示の態様(表示結果が未確定であることを示す態様)で表示される。
【0687】
そして、
図13-8(e)に示すように、ハズレ図柄が表示されてから所定期間の間は、揺れ表示の態様の小図柄のハズレ図柄が表示される(本実施の形態では1秒間)とともに、背景に替えてアイキャッチ画像が表示される。この例におけるアイキャッチ画像は、上記実施の形態における「キャラA」~「キャラC」の種類のいずれかのキャラクタ画像であればよく、さらにこのパチンコ遊技機1の機種の機種名を加えた画像であってもよい。なお、アイキャッチ画像の表示中において、アイキャッチ画像の表示前に比べて、小図柄の画像の透過率を高めたり、小図柄の表示を省略してもよい。
【0688】
その後、図柄確定コマンドが受信されると、
図13-8(f)に示すように、背景が通常背景に切り替わるとともに、ゴシック体の飾り図柄のハズレ図柄が確定飾り図柄として停止表示される。そして次の変動開始コマンド等の変動開始時のコマンドが受信されると、
図13-8(g)に示すように、次の変動表示が開始される。このときの変動表示の態様は、
図13-8(a)と同様である。
【0689】
ここで、
図13-8(e)に示すように、アイキャッチ画像の表示中において、小図柄のハズレ図柄が表示されるため、遊技者が変動表示結果を確認することができる。また、設定値に応じてアイキャッチ画像の種類が異なる割合で表示されることから、表示されるアイキャッチ画像の種類に対する遊技者の注目を集めることができる。さらに、ハズレ図柄が表示された場合に特定演出としてアイキャッチ画像が表示されることから、その後に実行される特別演出への遊技意欲を高めることができる。なお、アイキャッチ画像が表示されてから、通常背景に切り替わった後に、可変表示結果が大当りとなる救済演出を実行可能としてもよい。
【0690】
また、上記実施の形態における特徴部050AKでは、特定演出が、スーパーリーチ演出の後半にキャラクタ画像を表示する演出である例を示したが、これは一例である。特定演出は、例えば、特徴部049AKにおけるモード示唆演出であってもよい。具体的に、演出モードA~演出モードCのいずれの演出状態であるかを示唆するモード示唆演出としてキャラクタA~キャラクタCのいずれかのキャラクタ画像を演出状態に応じて表示することで演出モードを示唆し、大当り遊技状態におけるエンディングにて、特別演出として、当該表示されたキャラクタによるバトル演出を実行すればよい。これによれば、演出モードを複数備えることにより設定値に関する示唆のバリエーションを増加させ遊技興趣を向上させることができる。
【0691】
また、このような場合、電源投入時において、現在の演出モードを抽選により決定し、電源投入後における変動(例えば最初の変動や10回の変動のうちのいずれかの変動など)において、当該演出モードに基づいてモード示唆演出を実行可能であればよい。さらに、電源投入時には、モードCに決定される割合が高くなるように決定割合を設定すればよい。なお、モードC>モードB>モードAの順に、制御された際に実行される設定示唆演出にて示唆される内容の信頼度が高くなっていることから、電源投入時の最初の遊技にて、特定演出と特別演出との組合せとして実行される設定示唆演出は、信頼度が高い内容を示唆する。そのため、電源投入後の遊技に対する遊技者の期待感を向上させることができる。
【0692】
(特徴部の関連づけに係る説明)
特徴部048AK、特徴部049AKおよび特徴部050AKに関する各構成は、他の特徴部に関する各構成の一部または全部と、適宜、組み合わせられてもよい。このように組み合わせられた特徴部、あるいは、組み合わせられていない個別の特徴部について、他の特徴部に関する各構成の一部または全部と、適宜、組み合わせられてもよい。例えば、確変状態においては特徴部048AKのように所定表示により設定値に関する示唆を行い、通常状態においては特徴部049AKのように、制御されているモードに基づいて大当り遊技状態におけるエンディングにて設定値に関する示唆を行ってもよい。また、上述したように、特徴部049AKにおけるモード示唆演出を、特徴部050AKにおける特定演出とし、当該特定演出と特別演出とにより設定値に関する示唆を行ってもよい。
【符号の説明】
【0693】
1 … パチンコ遊技機
2 … 遊技盤
3 … 遊技機用枠
4A、4B … 特別図柄表示装置
5 … 画像表示装置
6A … 入賞球装置
6B … 可変入賞球装置
7 … 特別可変入賞球装置
8L、8R … スピーカ
9 … 遊技効果ランプ
10 … 一般入賞口
11 … 主基板
12 … 演出制御基板
13 … 音声制御基板
14 … ランプ制御基板
15 … 中継基板
20 … 普通図柄表示器
21 … ゲートスイッチ
22A、22B … 始動口スイッチ
23 … カウントスイッチ
30 … 打球操作ハンドル
31A … スティックコントローラ
31B … プッシュボタン
32 … 可動体
100 … 遊技制御用マイクロコンピュータ
101、121 … ROM
102、122 … RAM
103 … CPU
104、124 … 乱数回路
105、125 … I/O
120 … 演出制御用CPU
123 … 表示制御部