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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】カーポート
(51)【国際特許分類】
   E04H 6/02 20060101AFI20221129BHJP
   E04B 1/343 20060101ALI20221129BHJP
   E04B 7/00 20060101ALI20221129BHJP
   E04D 13/064 20060101ALI20221129BHJP
【FI】
E04H6/02 A
E04B1/343 U
E04B7/00 Z
E04D13/064 C
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019073727
(22)【出願日】2019-04-08
(65)【公開番号】P2020172756
(43)【公開日】2020-10-22
【審査請求日】2021-11-01
(73)【特許権者】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】赤峯 弘城
【審査官】沖原 有里奈
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-160604(JP,A)
【文献】実開昭59-065134(JP,U)
【文献】特開2006-052592(JP,A)
【文献】特開2018-123615(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 6/02
E04B 1/343
E04B 7/00
E04D 13/064
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋根の外周に配置されて角部を形成する2本の枠部材と、
前記2本の枠部材の端部間に介装される介装部材と、を有し、
前記2本の枠部材は、各々の前記端部が長手方向に対して斜めに傾斜しており、
前記介装部材は、前記2本の枠部材のうちの一方の前記枠部材の前記端部が収容される第1凹部と、前記2本の枠部材のうちの他方の前記枠部材の前記端部が収容される第2凹部と、を有し、
前記第1凹部における前記一方の枠部材の長手方向の深さは、前記第2凹部における前記他方の枠部材の長手方向の深さよりも浅いことを特徴とするカーポート。
【請求項2】
請求項1に記載のカーポートであって、
前記一方の枠部材は、前記介装部材と接合されていることを特徴とするカーポート。
【請求項3】
請求項2に記載のカーポートであって、
前記介装部材は、前記第1凹部と前記第2凹部との間を仕切る仕切り板部を有し、
前記一方の枠部材の小口は、前記仕切り板部との間にシート状のシール材を介して対向し、前記仕切り板部に挿通されて前記一方の枠部材の前記長手方向に進入するビスにより前記一方の枠部材は前記仕切り板部に固定されていることを特徴とするカーポート。
【請求項4】
請求項3に記載のカーポートであって、
前記他方の枠部材は、前記仕切り板部に固定されていないことを特徴とするカーポート。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のカーポートであって、
前記一方の枠部材は、樋をなすことを特徴とするカーポート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーポートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カーポートは、例えば、カーポートの屋根の前に配置される前枠(横枠)と、屋根の左右に配置される側枠と、を備えており、前枠(横枠)と側枠との連結部はキャップにより覆われている(例えば、特許文献1参照)。キャップは、平面視略四角形状を成しており、横枠端面対向部と、側枠端面対向部と、上面覆い部と、下面覆い部を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-160604号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の屋根は、前枠(横枠)と側枠との連結部を覆うキャップが、上面覆い部及び下面覆い部を備え平面視略四角形状を成しているので、前枠(横枠)と側枠との間に、前枠(横枠)及び側枠とは全く形状の異なる部位が大きく露出する。このため、前枠(横枠)と側枠との一体感がなく意匠性が損なわれているという課題がある。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、意匠性に優れたカーポートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる目的を達成するために本発明のカーポートは、屋根の外周に配置されて角部を形成する2本の枠部材と、前記2本の枠部材の端部間に介装される介装部材と、を有し、前記2本の枠部材は、各々の前記端部が長手方向に対して斜めに傾斜しており、前記介装部材は、前記2本の枠部材のうちの一方の前記枠部材の前記端部が収容される第1凹部と、前記2本の枠部材のうちの他方の前記枠部材の前記端部が収容される第2凹部と、を有し、前記第1凹部における前記一方の枠部材の長手方向の深さは、前記第2凹部における前記他方の枠部材の長手方向の深さよりも浅いことを特徴とするカーポートである。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、意匠性に優れたカーポートを提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明にかかるカーポートの一例を示す外観図である。
図2】カーポートの平面図である。
図3図3(a)は、前枠の縦断面図、図3(b)は、側枠の縦断面図、図3(c)は、後枠の縦断面図である。
図4】入隅部を示す斜視図である。
図5】入隅部に設けられる部材を示す斜視図である。
図6図2におけるA部の横断面図である。
図7】介装部材を側枠面側から見た斜視図である。
図8】介装部材を後枠面側から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の一実施形態に係るカーポートについて図面を参照して説明する。
【0009】
本実施形態のカーポート1は、図1に示すように、複数台の車両2が並べて駐車可能なカーポート1であり、図1は、カーポート1を車両2の進入側となる手前側から見た図である。カーポート1は、間口に沿う左右方向に間隔を空けて立設された支柱1a間に下梁1bが掛け渡されており、下梁1b上に設けられた束材1cに支持された上梁1d(図2)に屋根3が取り付けられている。屋根3は、手前側から奥側に向かって低くなるように傾斜している。
【0010】
以下の説明においては、カーポート1が設置されている状態で、上下となる方向を上下方向、間口に沿う方向を左右方向、カーポート1の奥行きとなる方向を見込み方向として示す。また、カーポート1において車両2の進入口側を手前側、反対側を奥側という。また、カーポート1を構成する各部材については単体の状態であっても、カーポート1が設置されている状態にて上下方向、左右方向、見込み方向にて方向を特定して説明する。尚、図面においては、同一図面において複数示されている部材の符号を一部省略している。
【0011】
屋根3は、図2に示すように、長手方向に貫通する3つの中空部30a(図1)を有する押し出し成型材でなる複数の屋根材30と、屋根3の外周部に配置される押し出し成型材でなる複数の枠部材4、5、6と、隣接する枠部材4、5、6間に配置される介装部材7と、を有している。
【0012】
複数の屋根材30は、各々中空部30aが貫通する方向を見込み方向に沿って配置され、奥側が低い傾斜をなしている。複数の屋根材30は、左右方向に沿って設けられている上梁1dに固定されて屋根本体31をなしている。また、本実施形態の屋根3は、左奥側に入隅部3aを有している。
【0013】
枠部材4、5、6は、屋根本体31の手前側の端に左右方向に沿って設けられる前枠4、屋根本体31の左端または右端に見込み方向に沿って設けられる左右の側枠5、屋根本体31の奥側の端に左右方向に沿って設けられる後枠6、入隅部3aを形成し見込み方向に沿って設けられる入隅部3aの側枠5、及び、入隅部3aを形成し左右方向に沿って設けられる入隅部3aの後枠6、を有している。左右の側枠5と入隅部3aの側枠5とは同一の枠部材であり、後枠6と入隅部3aの後枠6とも同一部材である。
【0014】
前枠4、側枠5、後枠6は、図3に示すように、いずれも屋根本体31に固定される固定材40、50、60と、固定材40、50、60に取り付けられる枠本体部41、51、61と、枠本体部41、51、61から外側に突出して設けられる化粧材42、52、62と、を有している。
【0015】
前枠4、側枠5、後枠6が有する化粧材42、52、62の外形形状は同一であり、前枠4及び後枠6の化粧材42、62には、介装部材7を貫通して長手方向に沿って螺合されるビスの螺合部42a、62aが長手方向に沿って設けられている。また、各化粧材42、52、62は、枠本体部41、51、61から取り外し可能であり、種々の外形形状をなす化粧材に付け替えることにより、複数種類の意匠を実現可能である。
【0016】
前枠4は、固定材40が屋根材30の小口を塞ぎ、屋根材30よりも上方に立ち上がる壁部40aを有しており、屋根材30に固定された固定材40に枠本体部41が固定されると、長手方向に沿う中空空間4aが形成されるように構成されている。側枠5は、固定材50が上梁1dの小口を塞ぐと共に屋根材30の側面30bに沿うように固定され、屋根材30に固定された固定材50に枠本体部51が固定されると、長手方向に沿う中空空間5aが形成されるように構成されている。
【0017】
後枠6の固定材60は、屋根材30の小口を塞ぐ壁部60aの上縁60bが屋根材30の上縁30cに沿うように配置されて屋根材30に固定される。後枠6の枠本体部61は、下部に樋をなす溝部61aが設けられており、溝部61aの上方は手前側、すなわち屋根材30側が開放されている。後枠6は、屋根材30に固定された固定材60に枠本体部61が固定されると、屋根材30上の空間から溝部61aまでが繋がった空間となり、奥側が低く傾斜した屋根材30の上を流れる雨水等が溝部61aに流れ込みむように構成されている。
【0018】
互いに隣り合う前枠4または後枠6と側枠5とは、端部間に介装部材7を介して配置される。枠部材4、5、6により形成される角部の構造を、入隅部3aの側枠5と入隅部3aの後枠6とにより形成される角部を例に挙げて説明する。
【0019】
図4図6に示すように、入隅部3aの角部を形成する側枠5と後枠6とは、各々の端部5b、6aが長手方向に対して45度の角度をなすように切断されている。45度の角度をなす端部5b、6aの小口5c、6bが突き合わされるように配置され、それらの間に介装部材7が配置される。このとき、介装部材7と後枠6の小口6bとの間には、シール材としての、例えばブチルゴム製のシート状の止水シーラー8が介在される。尚、図6においては、介装部材7の断面をグレーに着色して示している。
【0020】
介装部材7は、図7図8に示すように、側枠5の小口5cが対向して配置される側枠面7a、及び、後枠6の小口6bが対向して配置される後枠面7bを有する仕切り板部7cを有している。仕切り板部7cは、側枠5及び後枠6の小口5c、6bの外形形状とほぼ同じ形状をなして、側枠5及び後枠6の小口5c、6bよりも僅かに大きく形成されている。
【0021】
仕切り板部7cの外周縁部には、側枠5の小口5cが対向する方向に延出された延出部7d、及び、後枠6の小口6bが対向する方向に延出された延出部7eが設けられ、延出部7d、7eの内側に、仕切り板部7c側に窪む凹部7f、7gが各々形成されている。仕切り板部7cの両面側に延出されている延出部7d、7eは、後枠6の小口6bが対向する側よりも、側枠5の小口5cが対向する側の方が長く延出されている。すなわち、後枠面7b側の凹部(第1凹部)7gの深さD1の方が、側枠面7a側の凹部(第2凹部)7fの深さD2よりも浅く形成されている。
【0022】
仕切り板部7cには、後枠6に螺合されるビス9が挿通される貫通孔7hが設けられている。このとき、後枠6に設けられている螺合部61b、62aは後枠6の長手方向に沿って設けられており、後枠6の端部6aは、長手方向に対して45度の角度をなしているので、仕切り板部7cを貫通したビス9が後枠6の長手方向に沿って進入するように、貫通孔7hは、仕切り板部7cと45度をなすように形成されている。すなわち、仕切り板部7cと後枠6の小口6bとが対向するように配置されると、仕切り板部7cの貫通孔7hと、後枠6の螺合部61b、62aとが直線状に繋がるように貫通孔7hが形成されている。
【0023】
また、後枠6の螺合部61b、62aに螺合されたビス9の頭部が傾かないように、仕切り板部7cの貫通孔7hが設けられている部位は、側枠面7aから突出し、ビス9の頭部が当接され貫通孔7hと直交する面7iが形成されている。
【0024】
仕切り板部7cの上部には、延出部7d、7eの屋根材30側の部位が、側枠5側に水平方向に延出された屋根材側延出部7jを有しており、屋根材側延出部7jには、上下方向に貫通して側枠5の上部に螺合されるビス10が挿通される側枠側挿通孔7kが設けられている。また、屋根材側延出部7jの先端部には、下方に延びる垂壁部7lが設けられており、垂壁部7lの下端には、上下方向に貫通して屋根材30に螺合されるビスが挿通される屋根材側挿通孔7mが設けられている。
【0025】
前枠4、側枠5及び後枠6を取り付ける場合には、上梁1dに複数の屋根材30が取り付けられて、左の奥側が入隅部3aの形状をなす屋根本体31に取り付けられる。各角部を形成する前枠4または後枠6と側枠5の取り付け方法は、ほぼ同様なので、ここでは入隅部3aを形成する側枠5と後枠6の取り付けを例に挙げて説明する。
【0026】
側枠5及び後枠6の枠本体部51、61と化粧材52、62とは、各々予めビス止めして一体化しておく。また、枠本体部51、61と化粧材52、62とが接合された後枠6の側枠5側の端部6aには、介装部材7の仕切り板部7cとの間に止水シーラー8を介在させ、仕切り板部7cの側枠5側から貫通孔7hに挿通させたビス9を締め込むことにより止水シーラー8を圧縮して介装部材7を固定しておく。このとき、止水シーラー8の厚みは、介装部材7における後枠面7b側の凹部7gの深さD1よりも薄く、また、ビス9を締めることにより圧縮されるので、後枠6の枠本体部61及び化粧材62の小口6bは介装部材7の後枠6側の凹部7gに収容され、介装部材7が取り付けられた後枠6の枠本体部61及び化粧材62の小口6bは、外部に露出しない。
【0027】
次に、屋根本体31にて、入隅部3aを形成し奥側に突出している屋根材30の入隅部3a側の側面31aに側枠5の固定材50をビス止めし、入隅部3aを形成し見込み方向の長さが短い屋根材30の奥側の小口に後枠6の固定材60をビス止めする。
【0028】
次に、介装部材7が取り付けられた、後枠6の枠本体部61及び化粧材62を固定材60にビス止めする。このとき、介装部材7の屋根材側挿通孔7mを貫通するビスを屋根本体31に螺合して介装部材7も固定する。
【0029】
次に、側枠5の枠本体部51及び化粧材52の小口5cを、既に取り付けられている介装部材7の側枠5側から仕切り板部7cに近接させるとともに、側枠5の固定材50における下端側に設けられているフック部50a(図3)に枠本体部51の係合片51a(図3)を係合させ、固定材50の上部50b(図3)に、枠本体部51の上部を重ねてビス止めする。このとき、側枠5の枠本体部51及び化粧材52の小口5cは、介装部材7の側枠5側の凹部7fに収容される。このため、側枠5の枠本体部51及び化粧材52の小口5cは外部に露出しない。また、このとき側枠5の枠本体部51及び化粧材52は、介装部材7の仕切り板部7cには固定しない。
【0030】
側枠5及び後枠6において、介装部材7側の端部5b、6aは、各々長手方向と45度をなすように切断されているが、45度に切断する場合には、長手方向と直交する方向に切断する場合より加工精度が低い。このため、側枠5及び後枠6の小口5c、6bを直接当接させて接合すると、小口5c、6b同士が正確に突き合わされず、隙間が生じるなど、意匠性が低下する。このため、側枠5及び後枠6の小口5c、6bをいずれも隠す介装部材7を設けている。
【0031】
また、介装部材7を介して側枠5及び後枠6を配置したとしても、側枠5及び後枠6の小口5c、6bをいずれも介装部材7の仕切り板部7cに当接させて固定すると、側枠5と後枠6とが直交せず、屋根本体31の縁に沿って取り付かない虞がある。このため、本カーポート1の入隅部3aでは、溝部61aが樋として機能する後枠6の小口6bを介装部材7の仕切り板部7cとの間に止水シーラー8を介して後枠6と介装部材7とを接合し、側枠5の端部5bは、延出部7dにより形成される凹部7fに収容させるだけとしたので、側枠5及び後枠6が屋根本体31の縁に沿って適切に取り付けられ、且つ、側枠5及び後枠6の小口5c、6bが露出しない、意匠性に優れたカーポート1を実現することが可能である。枠本体部51を固定材50にビス止めして固定する際には、側枠5の枠本体部51及び化粧材52は、介装部材7の仕切り板部7cに固定しないが、枠本体部51を固定材50にビス止めした後には、介装部材7の側枠側挿通孔7kを貫通するビス10を側枠5の枠本体部51に螺合して介装部材7を側枠5に固定する。
【0032】
また、介装部材7は、ビス止めされる後枠6が収容される後枠面7b側の凹部7gの深さD1を短くし、側枠5の端部5bが収容されるだけの側枠面7a側の凹部7fの深さD2を、凹部7gの深さD1よりも長くしたので、側枠5及び後枠6の端部5b、6aの加工精度、及び、側枠5及び後枠6の屋根本体31への取り付け精度などにより側枠5の小口5cが露出することを防止している。このため、側枠5及び後枠6の小口5c、6bが露出することを防止するばかりでなく、介装部材7のサイズをより小さくすることにより介装部材7がより目立ち難くなり、側枠5と後枠6とにより形成される角部をより綺麗に仕上げることが可能であり、より意匠性に優れたカーポート1を実現している。
【0033】
本実施形態のカーポート1よれば、屋根3の外周に配置されて角部を形成する側枠5及び後枠6は、側枠5及び後枠6の端部5b、6a間に介装される介装部材7の側枠5側の凹部7f及び後枠6側の凹部7gに各々の端部5b、6aが収容される。このため、側枠5及び後枠6の端部5b、6aが露出しないので、意匠性に優れている。このとき、側枠5及び後枠6の端部5b、6aは斜めに傾斜しているので、互いの端部5b、6aをより近づけることが可能であり、介装部材7をより小さくして、目立ち難くすることが可能である。このため、意匠性に優れたカーポート1を提供することが可能である。
【0034】
また、斜めに傾斜した端部5b、6aを高い精度にて加工することは難しいが、介装部材7の後枠6側の凹部7gの深さD1を、側枠5側の凹部7fの深さD2よりも浅くしたので、深さの浅い後枠6側の凹部7gに収容する後枠6の端部6aに合わせて介装部材7を配置し、深さの深い側枠5側の凹部7fに収容される側枠5の配置を調整することにより、側枠5と後枠6とが90度をなすように配置しつつも側枠5及び後枠6の端部5b、6aを覆うことが可能である。このため、意匠性により優れたカーポート1を提供することが可能であり、
【0035】
また、後枠6の端部6aが介装部材7と接合されているので、後枠6の端部6aと介装部材7との相対位置は変化しない。このため、後枠6側の凹部7gの深さD1を浅くしても後枠6の端部6aは露出し難いので、後枠6側の凹部7gの深さD1を浅くすることにより介装部材7を小さくでき、介装部材7自体を目立ち難くして、より意匠性を高めることが可能である。また、側枠5側の凹部7fは、後枠6側の凹部7gよりも深いので、側枠5,後枠6及び介装部材7の製造誤差や製造ばらつき、及び施工誤差を吸収しても側枠5の端部5bが露出しないように納めることが可能なため、施工性にも優れている。
【0036】
また、後枠6は、後枠6側の凹部7gと側枠5側の凹部7fとの間を仕切る仕切り板部7cとの間にシート状の止水シーラー8を介して、仕切り板部7cに挿通されて後枠6の長手方向に進入するビス9により仕切り板部7cに固定されているので、ビス9を締め込むことにより、止水シーラー8が介装部材7と後枠6の端部6aとに圧縮されて挟持される。このため、介装部材7と後枠6とを、止水性を備える状態で接合することが可能である。
【0037】
上記実施形態においては、角部を形成する2本の枠部材を、入隅部3aを形成する側枠5と後枠6とを例に挙げて説明したが、これに限らず、カーポートの屋根の外周に配置されて角部を形成する2本の枠部材であれば構わない。
【0038】
上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。
【0039】
本実施形態には、少なくとも以下の発明が含まれる。
屋根の外周に配置されて角部を形成する2本の枠部材と、前記2本の枠部材の端部間に介装される介装部材と、を有し、前記2本の枠部材は、各々の前記端部が長手方向に対して斜めに傾斜しており、前記介装部材は、前記2本の枠部材のうちの一方の前記枠部材の端部が収容される第1凹部と、前記2本の枠部材のうちの他方の前記枠部材の端部が収容される第2凹部と、を有し、前記第1凹部における前記一方の枠部材の長手方向の深さは、前記第2凹部における前記他方の枠部材の長手方向の深さよりも浅いことを特徴とするカーポートである。
【0040】
このようなカーポートによれば、カーポートの屋根の外周に配置されて角部を形成する2本の枠部材は、2本の枠部材の端部間に介装される介装部材の第1凹部及び第2凹部に各々の端部が収容される。このため、各枠部材の端部が露出しないので、意匠性に優れている。また、2本の枠部材の端部は斜めに傾斜しているので、互いの端部とより近づけることが可能であり、介装部材をより小さくして、目立ち難くすることが可能である。このため、意匠性により優れたカーポートを提供することが可能である。
【0041】
さらに、斜めに傾斜した端部を高い精度にて加工することは難しいが、介装部材の第1凹部の深さを、第2凹部の深さよりも浅くしたので、深さの浅い第1凹部に収容する一方の枠部材の端部に合わせて介装部材を配置し、深さの深い第2凹部に収容される他方の枠部材の配置を調整することにより、一方の枠部材と他方の枠部材が所定の角度をなすように配置しつつも一方の枠部材及び他方の枠部材の端部を覆うことが可能である。このため、意匠性により優れたカーポートを提供することが可能であり、また、枠部材及び介装部材の製造誤差や製造ばらつき、及び施工誤差を吸収し易いので、施工性にも優れている。
【0042】
かかるカーポートであって、前記一方の枠部材は、前記介装部材と接合されていることを特徴とする。
このようなカーポートによれば、一方の枠部材の端部が介装部材と接合されているので、一方の枠部材の端部と介装部材との相対位置は変化しない。このため、第1凹部の深さを浅くしても一方の枠部材の端部は露出し難いので、第1凹部の深さを浅くすることにより介装部材を小さくでき、介装部材自体を目立ち難くして、より意匠性を高めることが可能である。また、第2凹部は、第1凹部よりも深いので、枠部材及び介装部材の製造誤差や製造ばらつき、及び施工誤差を吸収しても他の枠部材の端部露出しないように納めることが可能であり、施工性にも優れている。
【0043】
かかるカーポートであって、前記介装部材は、前記第1凹部と前記第2凹部との間を仕切る仕切り板部を有し、前記一方の枠部材の小口は、前記仕切り板部との間にシート状のシール材を介して対向し、前記仕切り板部に挿通されて前記一方の枠部材の前記長手方向に進入するビスにより前記一方の枠部材は前記仕切り板部に固定されていることを特徴とする。
【0044】
このようなカーポートによれば、一方の枠部材は、第1凹部と第2凹部との間を仕切る仕切り板部との間にシート状のシール材を介して、仕切り板部に挿通されて一方の枠部材の長手方向に進入するビスにより仕切り板部に固定されているので、ビスを締め込むことにより、シール部材が介装部材と一方の枠部材の端部とに圧縮されて挟持される。このため、介装部材と一方の枠部材とを、止水性を備える状態で接合することが可能である。
【0045】
かかるカーポートであって、前記他方の枠部材は、前記仕切り板部に固定されていないことを特徴とする。
このようなカーポートによれば、他方の枠部材は、仕切り板部に固定されていないので、一方の枠部材の端部と介装部材とが固定されていたとしても、一方の枠部材と、他方の枠部材とを所定の角度をなすように配置することが可能である。
【0046】
かかるカーポートであって、前記一方の枠部材は、樋をなすことを特徴とする。
このようなカーポートによれば、カーポートの屋根に、枠と一体となった樋を備えることが可能である。このため、樋を備えつつも高い意匠性を備えるカーポートを提供することが可能である。
【符号の説明】
【0047】
1 カーポート、3 屋根、5 側枠、5b 端部、5c 小口、
6 後枠、6a 端部、6b 小口、7 介装部材、
7c 仕切り板部、7f 側枠側の凹部、7g 後枠側の凹部、
8 止水シーラー、9 ビス、61a 溝部、
D1 後枠側の凹部の深さ、D2 側枠側の凹部の深さ、
図1
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図7
図8