(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】薬物及び治療薬の精密送達のための手持ち式フィラメント伸長式霧化器
(51)【国際特許分類】
A61M 11/02 20060101AFI20221129BHJP
A61F 9/007 20060101ALI20221129BHJP
A61M 11/00 20060101ALI20221129BHJP
B05B 7/24 20060101ALI20221129BHJP
【FI】
A61M11/02 Z
A61F9/007 170
A61M11/00 K
B05B7/24
(21)【出願番号】P 2019160778
(22)【出願日】2019-09-04
【審査請求日】2022-08-26
(32)【優先日】2018-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】504407000
【氏名又は名称】パロ アルト リサーチ センター インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・ベネディクト
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド・マシュー・ジョンソン
(72)【発明者】
【氏名】スコット・イー・ソルバーグ
(72)【発明者】
【氏名】ジェイミー・カルプ
(72)【発明者】
【氏名】ラヴィ・ニーラカンタン
(72)【発明者】
【氏名】ジェローム・ユニダッド
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド・チャールズ・タイラー
(72)【発明者】
【氏名】フランシス・ヤン
【審査官】菊地 牧子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第96/003218(WO,A1)
【文献】米国特許第05192009(US,A)
【文献】特開2017-029978(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02868389(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 11/00
B05B 7/00
A61F 9/007
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体をミストとして分配するための手持ち式ディスペンサーであって、
ユーザーの手に収まるように構成されたケーシングと、
ミストを分配するように構成された前記ケーシング内のノズルと、
前記ミストになる流体を保持するために前記ケーシング内に収容された流体リザーバと、
前記ケーシング内に収容された、一対の逆回転ローラーを含むフィラメント伸長式霧化器であって、前記ローラーは、前記流体リザーバから流体を受容し、
前記ローラーの分岐表面間で前記流体を伸長させることによって前記流体から前記ミストを生成するように
構成されている、フィラメント伸長式霧化器と、
前記ケーシング内に収容された空気源であって、前記空気源が、前記ミストを前記ノズルに方向付けるための空気流を提供するように、前記フィラメント伸長式霧化器に隣接して構成されている、空気源と、
前記ケーシング内に収容されたモーターであって、前記モーターが、前記フィラメント伸長式霧化器を動作させるように、前記フィラメント伸長式霧化器に接続されている、モーターと、
前記ユーザーが前記ディスペンサーを起動させることができるように、前記ケーシング上に位置付けられたアクチュエータと、
前記ケーシング内に収容された制御回路であって、前記制御回路が、前記アクチュエータから信号を受信し、前記モーターに信号を送信して前記モーターを作動させるように、前記モーター及び前記アクチュエータに電気的に接続されている、制御回路と、
前記ケーシング内に収容された電源であって、前記電源が、前記制御回路から信号を受信すると、前記モーターに電力を供給するように、前記制御回路及び前記モーターに電気的に接続されている、電源と、を含む、手持ち式ディスペンサー。
【請求項2】
前記流体リザーバから前記フィラメント伸長式霧化器に流体を移動させるために前記流体リザーバ及び前記フィラメント伸長式霧化器に接続されたポンプを更に含む、請求項1に記載のディスペンサー。
【請求項3】
前記流体リザーバが加圧されており、前記流体リザーバは、分配される流体の量を制御するための制御弁を有する、請求項1に記載のディスペンサー。
【請求項4】
前記ローラーが、交換可能なヘッドカートリッジ内に収容されている、請求項
1乃至3のいずれかに記載のディスペンサー。
【請求項5】
前記交換可能なヘッドカートリッジは、前記ユーザーが、前記交換可能なヘッドカートリッジを適切に整列させて、電力接続部及び任意の封止部の嵌合を確実にすることを可能にするための整列機構を有する、請求項
4に記載のディスペンサー。
【請求項6】
前記交換可能なヘッドカートリッジが、液密封止部及び気密封止部のうちの少なくとも1つを含む、請求項
4に記載のディスペンサー。
【請求項7】
前記交換可能なヘッドカートリッジが、少なくとも1つのセンサーと、前記ディスペンサーへの通信リンクと、を含む、請求項
4に記載のディスペンサー。
【請求項8】
前記空気源が、電子空気ポンプ、ファン、及び圧縮空気容器のうちの1つを含む、請求項1に記載のディスペンサー。
【請求項9】
前記制御回路が、前記電源を制御し、前記ケーシング内の装置に駆動電圧を供給し、前記ケーシング内の装置の動作モードを切り替え、ユーザーフィードバックを提供し、前記アクチュエータから作動信号を受信し、前記ディスペンサーを動作させるように構成されている、請求項1に記載のディスペンサー。
【請求項10】
前記流体リザーバが、補充可能なリザーバ又は交換可能なカートリッジのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のディスペンサー。
【請求項11】
前記交換可能なカートリッジは、前記カートリッジが前記ケーシングに挿入されたとき、前記ケーシング上の構造体によって破断可能な封止部を含む、請求項
10に記載のディスペンサー。
【請求項12】
前記交換可能なカートリッジが、整列機構を有する永久封止部を含み、その結果、前記永久封止部が前記ケーシング内で整列して漏れを防止するようになる、請求項
10に記載のディスペンサー。
【請求項13】
前記交換可能なカートリッジが、少なくとも1つのセンサーと、前記ディスペンサーへの通信リンクと、を含む、請求項
10に記載のディスペンサー。
【請求項14】
前記流体リザーバが複数の流体リザーバを含み、各流体リザーバが異なる流体を有する、請求項1に記載のディスペンサー。
【請求項15】
前記アクチュエータがボタンを含む、請求項1に記載のディスペンサー。
【請求項16】
前記ユーザーが、前記ディスペンサーを保持しているのと同じ手で前記アクチュエータを起動させることができるように、前記アクチュエータが、前記ケーシング上に構成されている、請求項1に記載のディスペンサー。
【請求項17】
前記モーターが、前記ローラーのうちの1つを回転子として有するハブモーターを含む、請求項
1乃至16のいずれかに記載のディスペンサー。
【請求項18】
前記回転子は、永久磁石のアレイが内部に取り付けられているローラーを含み、前記モーターは、前記ローラーの内部に固定子を有する、請求項
17に記載のディスペンサー。
【請求項19】
前記空気源が、空気流を生成するためのインペラ機構を含む、請求項1に記載のディスペンサー。
【請求項20】
前記ディスペンサーが外部システムに情報を送信することを可能にするための通信リンクを更に含む、請求項1に記載のディスペンサー。
【請求項21】
前記制御回路が、
任意の製品流体を適用する前に、前記ローラーに電力を供給し、それらを回転させ、 前記モーターを監視して前記ローラーが汚染されているかどうかを判定し、
前記ローラーが汚染されていると、前記ユーザーと通信する、ように動作可能である、請求項
4に記載のディスペンサー。
【請求項22】
前記ユーザーと通信することが、前記ローラーに洗浄又は交換のうちの1つを行う必要があることを前記ユーザーに知らせることを含む、請求項
21に記載のディスペンサー。
【請求項23】
前記ユーザーと通信することが、前記ローラーを洗浄する必要があることを前記ユーザーに知らせることと、洗浄溶液を前記ローラー上に分配してそれらを洗浄することと、を含む、請求項
21に記載のディスペンサー。
【請求項24】
分配システムであって、
流体をミストとして分配するための手持ち式ディスペンサーであって、
ユーザーの手に収まるように構成されたケーシングと、
前記ユーザーの眼の中にミストを分配するように構成された前記ケーシング内のノズルと、
前記ミストになる流体を保持するために前記ケーシング内に収容された流体リザーバと、
前記ケーシング内に収容された、一対の逆回転ローラーを含むフィラメント伸長式霧化器であって、前記ローラーは、前記流体リザーバから流体を受容し、
前記ローラーの分岐表面間で前記流体を伸長させることによって前記流体から前記ミストを生成するように
構成されている、フィラメント伸長式霧化器と、
前記ケーシング内に収容された空気源であって、前記空気源が、前記ミストを前記ノズルに方向付けるための空気流を提供する、空気源と、
前記ケーシング内に収容されたモーターであって、前記モーターが、前記フィラメント伸長式霧化器を動作させるように、前記フィラメント伸長式霧化器に接続されている、モーターと、
前記ユーザーが前記ディスペンサーを起動させることができるように、前記ケーシング上に位置付けられたアクチュエータと、
前記ケーシング内に収容された制御回路であって、前記制御回路が、前記アクチュエータから信号を受信し、前記モーターに信号を送信して前記モーターを作動させるように、前記モーター及び前記アクチュエータに電気的に接続されている、制御回路と、
前記ケーシング内に収容された電源であって、前記電源が、前記制御回路から信号を受信すると、前記モーターに電力を供給するように、前記制御回路及び前記モーターに電気的に接続されている、電源と、
ディスペンサーコネクタと、を含む、手持ち式ディスペンサーと、
前記ディスペンサー内の前記電源に電力を供給するための、前記ディスペンサーコネクタと接続するように構成された電力コネクタと、を含む、分配システム。
【請求項25】
前記電力コネクタが、電力コード、電力接点、又は無線誘導コネクタのうちの1つを含む、請求項
24に記載の分配システム。
【請求項26】
前記電力コネクタがドッキングステーション内に存在する、請求項
24に記載の分配システム。
【請求項27】
前記ドッキングステーションが、必要に応じて前記ディスペンサーの前記フィラメント伸長式霧化器を洗浄するために洗浄ステーションを含む、請求項
26に記載の分配システム。
【請求項28】
前記洗浄ステーションが、
前記洗浄ステーションの構成要素を収容するハウジングと、
前記ディスペンサーが前記洗浄ステーション内にドッキングされたときに、前記ディスペンサーの前記制御回路及び前記電源と接続するように構成されたステーション電子機器と、
洗浄溶液の洗浄リザーバと、
前記洗浄溶液が前記フィラメント伸長式霧化器に適用されて前記フィラメント伸長式霧化器を洗浄した後に、洗浄溶液を回収するための廃棄物回収リザーバと、
交流電源への電力接続部と、を含む、請求項
27に記載の分配システム。
【請求項29】
前記フィラメント伸長式霧化器が動作する際に、前記洗浄溶液のための導管が、前記フィラメント伸長式霧化器の背面に連結して、前記フィラメント伸長式霧化器を通って洗浄溶液を噴霧する、請求項
28に記載の分配システム。
【請求項30】
前記洗浄溶液のための導管が、前記フィラメント伸長式霧化器の正面に連結して、前記フィラメント伸長式霧化器の前記正面に向かって洗浄溶液を噴霧する、請求項
28に記載の分配システム。
【請求項31】
前記洗浄ステーションが、前記洗浄ステーションへの前記ディスペンサーの挿入を可能にするように開くよう構成されている、請求項
27に記載の分配システム。
【請求項32】
前記ハウジングが、前記ディスペンサーを前記洗浄ステーション内の定位置にラッチするためのラッチ機構を有する、請求項
28に記載の分配システム。
【請求項33】
前記洗浄溶液の洗浄リザーバが、前記ディスペンサー内の前記流体リザーバを交換するためのカートリッジを含む、請求項
28に記載の分配システム。
【請求項34】
前記廃棄物回収リザーバが、前記ディスペンサーの内部から廃棄流体を受容するように構成されている、請求項
28に記載の分配システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、流体の霧化に関し、より具体的には薬物送達及び治療薬送達のための手持ち式霧化器に関する。
【0002】
点眼液の送達のための主な方法は、点滴容器とも呼ばれる点眼液ディスペンサーであった。これらの小さな容器は、典型的には、容器先端部を逆さまにしたときに、どの程度の量の液体が出るかを調節する制御されたサイズを持つオリフィスを有する。
【0003】
しかしながら、多くのユーザーは、点眼液を使用するのは困難であると感じており、眼に物質を送達するための代替方法があれば歓迎するであろう。加えて、点滴容器は1つの大きな液滴として単一の滴のみを送達するので、送達される物質のかなりの体積が失われる。送達された体積は、点滴容器からの活性物質の体積の10%しか有しないことがある。
【0004】
噴霧送達は、これらの薬物を送達するための方法を提供する。噴霧送達は、噴霧粒子に付与される追加の運動量により、送達装置が眼に対して任意の角度で動作することを可能にするので、点滴容器に関連する課題の多くを克服することができる。しかしながら、既存の噴霧送達システムはそれ自体の課題を有する。1つのアプローチである空気霧化は、ストロークの開始時に大きな噴霧の塊をもたらし得る。加えて、非ニュートン性の伸長硬化流体が使用されるとき、空気圧式アクチュエータは、小さな液滴のミストではなく、流体の流れのようなフィラメントを生成することになる。超音波技術及び振動メッシュ技術は、大きな液滴を有しない微細な小さいミストを生成することができるが、レオロジーに関して非常に厳しい制限を有しており、伸長硬化特性を少しでも有する流体は処理することができない。
【0005】
実施形態は、流体を分配するための手持ち式ディスペンサーであって、ユーザーの手に収まるケーシングと、ミストを分配するためのケーシング内のノズルと、ミストになる流体を保持するようにケーシング内に収容された流体リザーバと、ミストを生成するようにケーシング内に収容されたフィラメント伸長式霧化器と、ミストをノズルに方向付けるための空気流を提供するようにケーシング内に収容された空気源と、フィラメント伸長式霧化器を動作させるようにケーシング内に収容されたモーターと、ディスペンサーを起動させるようにケーシング上に位置付けられたアクチュエータと、アクチュエータから信号を受信し、モーターに信号を送信してモーターを作動させるようにケーシング内に収容された制御回路と、制御回路から信号を受信するとモーターに電力を供給するようにケーシング内に収容された電源と、を含む、手持ち式ディスペンサーである。
【0006】
実施形態は、ミストとして流体を分配するための手持ち式ディスペンサーを有する分配システムである。手持ち式ディスペンサーは、ユーザーの手に収まるように構成されたケーシングと、ユーザーの眼の中にミストを分配するように構成されたケーシング内のノズルと、ミストになる流体を保持するためにケーシング内に収容された流体リザーバと、リザーバから流体を受容し、ミストを生成するように、ケーシング内に収容されたフィラメント伸長式霧化器と、ケーシング内に収容された空気源であって、空気源が、ミストをノズルに方向付けるための空気流を提供する、空気源と、ケーシング内に収容されたモーターであって、モーターが、フィラメント伸長式霧化器を動作させるように、フィラメント伸長式霧化器に接続されている、モーターと、ユーザーがディスペンサーを起動させることができるように、ケーシング上に位置付けられたアクチュエータと、ケーシング内に収容された制御回路であって、制御回路が、アクチュエータから信号を受信し、モーターに信号を送信してモーターを作動させるように、モーター及びアクチュエータに電気的に接続されている、制御回路と、ケーシング内に収容された電源であって、電源が、制御回路から信号を受信すると、モーターに電力を供給するように、制御回路及びモーターに電気的に接続されている、電源と、ディスペンサーコネクタと、を有する。システムはまた、ディスペンサー内の電源に電力を供給するための、ディスペンサーコネクタとの電力コネクタも含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】手持ち式流体ディスペンサーの実施形態を示す。
【
図2】手持ち式流体ディスペンサーのための交換可能なカートリッジの実施形態を示す。
【
図3】交換可能な流体カートリッジを有する手持ち式流体ディスペンサーの実施形態を示す。
【
図4】交換可能な流体カートリッジを有する手持ち式流体ディスペンサーの実施形態を示す。
【
図5】手持ち式流体ディスペンサーのための交換可能なヘッドカートリッジの実施形態を示す。
【
図6】手持ち式流体ディスペンサーのための交換可能なヘッドカートリッジの実施形態を示す。
【
図7】手持ち式ディスペンサーのための交換可能なヘッドカートリッジの代替実施形態を示す。
【
図8】手持ち式ディスペンサーのための交換可能なヘッドカートリッジの代替実施形態を示す。
【
図9】交換可能なヘッドカートリッジのための駆動シャフトの様々な実施形態を示す。
【
図10】交換可能なヘッドカートリッジのための駆動シャフトの様々な実施形態を示す。
【
図11】交換可能なヘッドカートリッジのための駆動シャフトの様々な実施形態を示す。
【
図12】接続管を有する交換可能なヘッドカートリッジの実施形態を示す。
【
図13】ハブモーターを有するフィラメント伸長式霧化器ローラーの実施形態を示す。
【
図14】手持ち式流体ディスペンサー内のモーターに取り付け可能なインペラの実施形態を示す。
【
図15】手持ち式流体ディスペンサーのためのケーシング及び内部ローラーの実施形態を示す。
【
図16】手持ち式流体ディスペンサーのためのケーシング及び内部ローラーの実施形態を示す。
【
図17】手持ち式流体ディスペンサーのためのケーシング、内部ローラー、及びインペラの実施形態を示す。
【
図18】手持ち式流体ディスペンサーのためのケーシング、内部ローラー、及びインペラの実施形態を示す。
【
図19】手持ち式流体ディスペンサーのためのモーターマウント及び取り付け可能なインペラの実施形態を示す。
【
図20】共有されているが分離されているローラー及び空気発生構成要素を有する駆動シャフトの実施形態を示す。
【
図21】分配装置のための洗浄プロセスの実施形態のフローチャートを示す。
【
図22】手持ち式流体ディスペンサー(hand-help fluid dispenser)のためのドッキング及び洗浄ステーションの実施形態を示す。
【
図23】手持ち式流体ディスペンサー(hand-help fluid dispenser)のためのドッキング及び洗浄ステーションの実施形態を示す。
【
図24】手持ち式流体ディスペンサー(hand-help fluid dispenser)のためのドッキング及び洗浄ステーションの実施形態を示す。
【
図25】手持ち式流体ディスペンサー(hand-help fluid dispenser)のためのドッキング及び洗浄ステーションの実施形態を示す。
【
図26】手持ち式流体ディスペンサー(hand-help fluid dispenser)のためのドッキング及び洗浄ステーションの実施形態を示す。
【
図27】手持ち式流体ディスペンサー(hand-help fluid dispenser)のためのドッキング及び洗浄ステーションの実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、フィラメント伸長式霧化器を使用して流体をミストとして分配するための手持ち式ディスペンサーの実施形態を示す。手持ち式ディスペンサーは、ユーザーの手に収まるように構成されたケーシング12を有する。ケーシングは、ノズル14、液体リザーバ16、フィラメント伸長式霧化器18、空気源20、モーター/駆動ユニット22、アクチュエータ24、制御電子機器及び回路26、電源28、並びに任意追加の流量制御30を含む、ディスペンサーの全ての要素を収容する。ケーシングは、ユーザーの手に収まるように設計された寸法及びフォームファクタを有する。
【0009】
フィラメント伸長式霧化器18は、流体リザーバ16から流体を受容し、ノズル14にミストを送達する。ノズル14は、特定のサイズの標的位置に噴霧を集中させるように選択された寸法を有し得る。最良の結果のために、この領域は、緊密に制御され、またオーバースプレーを最小化し、送達を最大化し、皮膚との望ましくない接触を防止するように可能な限り小さい。送達される流体は、点眼液、創傷用の抗生物質スプレーなど、いくつかの種類の治療用物質からなり得る。
【0010】
流体リザーバ16は、流体を収容する。リザーバは、後でより詳細に説明するように、補充可能又は交換可能であり得る。加えて、セレクタノブ、又はどの流体リザーバがフィラメント伸長式霧化器に流体を送るかを選択する他の手段と共に、2つ以上のリザーバがケーシング内に存在し得る。リザーバは、空気、又はバネなどの機械的圧縮などで加圧され得る。液体リザーバは、ポート、管、弁などを介してフィラメント伸長式霧化器及びシステムの他の構成要素と連動し得る。
【0011】
フィラメント伸長式霧化器は、電子制御回路の制御下で、モーター/駆動回路22によって動力を供給されて、流体からミストを生成する。空気源20は、ミストをフィラメント伸長式霧化器からノズルに方向付ける。フィラメント伸長式霧化器によって小さな粒子(100マイクロメートル未満)が製造されるので、それらは装置を出ると急速に運動量を失う。空気源は、電子空気ポンプ、ファン、圧縮容器、又は任意の他の空気容積源であり得る。空気は、処理中の表面に向けて噴霧を方向付けるのに役立ち、送達効率を最大化するのに役立つ。空気速度及び圧力は、快適性を最大化するために最小化されるべきである。空気流速度及び圧力の選択は、適用領域に依存し得る。例えば、25ミリメートル未満の距離など、近距離の適用は、最大量の物質が小さい領域で基材に到達することを可能にするために、低い空気速度を必要とする。一方、適用により長い距離が使用される場合、標的までの距離が長いほど、より多くの運動量、ひいてはより高い空気速度が必要になる。空気は、ポンプ又は弁の使用によって起動される。ポンプは、貯蔵された空気を使用しない場合に使用され得、この場合、ポンプ要素は、電子制御又は駆動要素の運動のいずれかにより起動されて、空気から圧力を生成する。圧縮ガスなどの内蔵空気源が使用される場合は、制御された方法で圧縮空気を放出するように、電子信号又は作動駆動ユニットの運動のいずれかによって弁が作動させられる。
【0012】
フィラメント伸長式霧化器18は、分岐表面間で流体を伸長させてフィラメントを形成することによって、流体をミストに変換する。分岐表面により、フィラメントはミストを形成する液滴に分解される。フィラメント伸長式霧化器は、多くの異なる種類の分岐表面を使用し得る。ここでの実施形態は、2つの逆回転ローラーを用いる。ローラーの表面が互いに離れて回転すると、流体はフィラメントを形成し、次いで、フィラメントはミストになる破断点まで伸長する。
【0013】
フィラメント伸長式霧化器は、モーター22の制御下で動作する。これは、高速、典型的には数千~数万回転/分で、動作するように設計された電動モーターからなり得る。モーターは、機械的な連結器を介してフィラメント伸長式霧化器に連結する。これには、ベルト、プーリー、歯車、シャフト、又は電気若しくは磁気連結器が挙げられ得る。フィラメント伸長式霧化器はまた、様々な速度でローラー又はモーターを駆動するための歯車機構も含み得る。
【0014】
ユーザーがアクチュエータ24を押すか、又は他の方法で起動させると、装置は動作する。これは、信号を制御電子機器に送信させるボタン又は他のアクチュエータからなり得る。ユーザーの利便性のために、アクチュエータ24は、ユーザーがディスペンサーを保持し、同じ手でアクチュエータを起動させることができるような、ケーシング12上の位置に存在し得る。ボタンは、複数の位置又は複数の感知モードを有し得る。例えば、ボタンは、最初に少し押下されるか、又は容量性手段で接触を検出して、装置の電子機器をアクティブにするか、又はサブシステムの一部をオンにし得、次いで、装置が更に押下されると、システムは用量を分配し得る。あるいは、2つの起動モードを使用することができるように、容量性及び物理的押下など、複数の感知モードを使用することができる。
【0015】
アクチュエータから信号を受信すると、電子制御回路は、装置を動作させる。制御回路は、電池又は他の電源28の充電を制御し、モーターに駆動電圧を供給し、任意のポンプ又は弁を切り替え、ユーザーフィードバック及び制御を提供し得る。電子制御回路は、コントローラ集積回路、制御を管理するために必要な構成要素を有する回路基板、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、マイクロコントローラなどからなり得る。アクチュエータは、構成要素を同時に又は特定の順序でのいずれかで作動させ得る。いくつかの実施形態では、最初に空気がオンになり、少し遅れて、モーターが作動してローラーがオンになり、更に少し遅れて、ポンプが一定時間にわたって起動状態になる。ポンプが休止状態になると、モーターはオフになり、少し遅れて、空気流がオフになる。
【0016】
電子機器は、ディスペンサーが、Bluetooth(登録商標)、WiFi、又は他の近距離無線通信などの共通無線プロトコルを介してディスペンサーの外部の装置と通信することを可能にする通信リンクを含み得る。電池28は、典型的には再充電可能電池からなり、コード、接点、又は無線誘導充電システムによって充電され得る。
【0017】
図1はまた、液体の投与を制御し得るポンプ/流量制御モジュール30も示す。これは、電子制御回路の制御下で、圧電ポンプなど、ポンプ又は他の流量制御手段を含み得る。しかしながら、リザーバが加圧される場合、ポンプは任意追加であり得る。投与は、ポンプの代わりに弁によって制御されることになる。前述した空気源はまた、弁によって制御が達成されるリザーバに駆動圧力を供給することにも利用され得る。
【0018】
図1に示されるディスペンサーは、ユーザーが流体のミストを標的領域上に容易かつ正確に分配することを可能にする。ディスペンサーをユーザーにとってより便利にするために、並びに装置の適切な動作を確実にするために、構成要素のうちのいくつかは、交換可能であり得る。
図2~
図4は、流体リザーバ16が交換可能な流体カートリッジからなるディスペンサーの実施形態を示す。
図2に示すように、流体カートリッジは、弁/封止部32を含み得る。一実施形態では、封止部は、ディスペンサー上の構造体又は管が破断させることになる破断可能な内側表面を有し得る。カートリッジが装填されていないとき、内側封止部はカートリッジの内容物を外部汚染から保護する。次いで、封止リングは、漏れ及び汚染を回避するために、カートリッジと共に液密封止部を形成する。封止構造体はまた、制御電子機器が作動させることができる弁も含み得る。これは、インクがインクジェットカートリッジから出て紙又は他の印刷基材上に落ちることを可能にするように開口する小型の電気制御弁を有するインクジェットカートリッジと同様に動作し得る。
【0019】
流体カートリッジは、空気によって、又はフィルムなどの何らかの障壁によって分離された複数の流体を同時に収容し得る。装置が流体を分配すると、最終的に、装置は全ての治療用又は薬物流体を使い果たす。次いで、装置は洗浄流体に到達し、洗浄流体を分配して、システムを洗浄する。ユーザーは、カートリッジから分配された用量の数をカウントすることによって、又は粘度、光学的不透明度、若しくは粘度など、流体の変化を検出することによって、分配しようとしている使用可能な流体及び洗浄流体が底をついていることに気づき得る。
【0020】
加えて、流体カートリッジは、デバイダによって分離された複数のチャンバを収容し得る。デバイダは、フィルム又は固体壁であり得る。カートリッジ及び複数のチャンバ(A cartridge will multiple chambers)は、複数の封止及び穿刺構造体を含み、装置自体は、複数の流体を収容するために複数の弁又はポンプを有し得る。このように、システムは複数の流体から選択して分配し得る。例えば、治療が複数の薬物を含む場合、システムは、それらをユーザーに連続的に分配し得る。あるいは、1つのチャンバは、装置を洗浄する必要があるときにユーザーが選択して起動することができる洗浄溶液であり得る。
【0021】
システムは、装填されているカートリッジに関する情報を検出するための複数の手段を有し得る。RFID又はNFCタグが、ラベルの形態で、又は小さい構成要素としてカートリッジ上に配置され得る。システム電子機器は、挿入されたカートリッジに関する情報を検出するために、適切な無線プロトコルを使用してこのデータを読み取るように電子機器で構成されることができる。情報は、カートリッジ内に収容された物質、流体若しくは投与の量、投与量設定、FEAシステムの設定、シリアル番号、有効期限、又はユーザーの推奨投与頻度のようなものを含むことができる。システムは、空気流及びFEA噴霧ステムの設定を調整するために、又は特定の頻度で若しくは特定の時間に流体を使用するように情報若しくは指示をユーザーに提供するために、このデータを使用することができる。
【0022】
図3及び
図4は、ディスペンサーの構成について異なる選択肢を示す。
図3では、ポンプが使用され、ポンプは、流体をリザーバからフィラメント伸長式霧化器にポンピングする駆動シャフト34を有する。
図4では、典型的には加圧された容器を有しており、流体をリザーバからフィラメント伸長式霧化器18へ輸送するのに導管36のみが必要である。
【0023】
交換可能な流体カートリッジに加えて、フィラメント伸長式霧化器ローラーを含む他の構成要素も交換可能であり得る。本明細書においてヘッドカートリッジと呼ばれる、これらの取り外し可能なカートリッジは、ローラーを収容する。
図5~
図9は、交換可能なヘッドカートリッジの実施形態を示す。
図5では、ヘッドカートリッジシステム40は、本明細書においてヘッドカートリッジと呼ばれる、ヘッドカートリッジケーシング38によって囲まれた逆回転ローラー42及び44を収容する。このケーシングは、単一のユニットとして取り外すことができ、容易に交換することができる。ヘッドカートリッジは、上でカートリッジに関して論じたように、ヘッドカートリッジがディスペンサー又は1つ以上の外部装置に情報を送信することを可能にするNFC又はRFIDなど、通信リンクを有し得る。
【0024】
図6は、ローラー42及び44がノズル14にミストを供給することを可能にするように、ケーシング12内に落ちる水平構成の交換可能なヘッドカートリッジ38を示す。
図7及び
図8は、ローラー42及び44が垂直方向にある交換可能なヘッドカートリッジを示す。この実施形態では、ケース47は開口部及びカバー45を有する。ヘッドカートリッジ38は開口部に滑り込み、次いでカバーが閉じられる。この実施形態では、
図7の歯車又はスプライン46は、ヘッドカートリッジ上の歯車とかみ合って、ローラーの駆動力を供給する。
図8は、同様の垂直構成を示しているが、駆動力はシャフトによって供給される。
図9~
図11は、駆動接続部の他の選択肢を示す。
【0025】
図9は、シャフト48及びその連結器49の側面図及び上面図を示す。
図10は、D形シャフト50及びその連結器51を示す。
図11は、スロット54、キー53及びそれらの連結器52のキー/キーウェイ構成の例を示す。ヘッドカートリッジがディスペンサーに接続するとき、接続部は、漏れ抵抗性の油圧接続部である必要がある。
図12は、右リザーバ16にスナップ嵌めされて、右リザーバ16からの流体の輸送を可能にする連結管56を示す。左リザーバは、ユーザーが異なる流体から選択することを可能にするために、図示していない異なる連結管を有し得る。
【0026】
ローラーは、交換可能なカートリッジ内であってもなくても、モーターサイズと同様のサイズを有する。モーター及びローラーサブシステムを組み合わせるために、一般に「ハブモーター」と呼ばれるものを利用することが可能である。この実装では、回転子はローラーであり、固定子はローラーの内部にある。モーターは、多くの異なる構成体からなり得るが、典型的な形態は、永久磁石(PM)回転子を有するブラシレスDCモーターであろう。
【0027】
図13は、ハブモーター55の実施形態を示す。永久磁石のアレイは、ローラーの内部に存在する。ハブは電磁固定子を有し得、ハブ及びローラー/回転子を回転機械連通にする軸受が存在し得る。
図13は、この実施形態の4分の1の部分を示す。ローラーは、コーティング又は外側表面58を有し得る。永久磁石アレイ/回転子60は、ローラーの内側で外縁に向かって存在し、固定子ハブ62は磁石のアレイの内側に存在する。外側表面58は、アセンブリの残りの部分から容易に着脱可能であり得る。この材料は、ユーザーによって交換されても、専門サービスによって定期的に交換されてもよい。
【0028】
ローラーは、多くのファン及びブロワーと同様の速度で回転し、同様の直径を有する。ローラーの表面上への直接的な圧力差の生成は、フィラメント伸長式霧化器に有用な空気流を引き起こすことができる。一実施形態は、
図14のインペラ64で示されるように、接線空気流を作り出すために、インペラ機構をローラーの半径方向面上に直接含む。
【0029】
この実施形態では、インペラは、ローラーの回転軸の近くで空気を引き込み、それを半径方向において接線方向外側に吹き出す。フィラメント伸長式霧化器は、有用な空気流を生成するために、ローラー/ブロワー内へ及び接線羽根の外への両方に空気を方向付けるための追加の機構を有し得る。
図15及び
図16は、フィラメント伸長式霧化器システム上で内部モーター、組み合わされたローラーブロワー42及び44、並びに空気流機構を収容しているローラーケーシング38の外部図及び内部図を示す。ケース38は、空気流を供給するために66などの空気孔を有する。
図17及び
図18は、66などの外部孔及び42などの内部ローラーを有するケーシング38の別の実施形態の外部図及び内部図を示しており、内部ローラーのうちの1つはインペラ64を有する。
【0030】
図19は、ローラー及び空気発生システムが容易に交換可能であるシステムを提供する、モーター固定子68に取り付け可能なインペラ64を示す。ローラー及びインペラは、洗浄を容易にするために又は交換されるために、モーター固定子から取り外され、また再び取り付けられることができる。
図20は、モーター22が、ローラー42を有する共通シャフト34と、別個のインペラ64と、を有する代替構成を示す。あるいは、インペラは、連結器を介してモーターに接続されているが、ローラーと同じ駆動シャフトに接続されていない、別個のシャフト上に取り付けられることができる。これは、インペラがローラーと同じ速度以外の速度で動作することを可能にし得、これにより、空気速度及び圧力が別個に調節されることが可能になる。
【0031】
モーターの使用は、システムがローラーの清浄度を追跡することを可能にし得る。溶液は、ローラーが接するニップ部において特に厚くなる粘着性ポリマー残留物を残し得る。これらの領域は、モーターの動作に影響を及ぼすのに十分な粘着性物質を有し得る。これを使用して過電流を検出することができるが、他の方法を使用することもできる。
【0032】
図21は、ローラーの清浄度を監視する方法の一実施形態を示す。70では、ローラーは、それらが「粘着性」であるかどうかを判定するために、製品溶液なしで「ドライ」運転される。72では、モーター電流又は速度が監視され、システムマイクロコントローラは、ローラーが、製品溶液を使用した噴霧運転のために使用される準備が整っているかどうかを判定するようにプログラムされる。ローラーが清浄であり、運転準備が整っている場合は、74において装置の動作が許可される。ローラーの運転準備が整っていない場合、ユーザーは、ローラーを洗浄するよう指示される。
【0033】
ローラーを洗浄することは、78において、上述したヘッドカートリッジ交換の場合のようにローラーを交換することを含み得、ユーザーは、79において、ローラーを洗浄できるように、ローラーを洗浄/ドッキングステーションに挿入することができ、又はユーザーは、ローラーを洗浄溶液で洗浄するために、洗浄溶液のカートリッジをディスペンサー内に挿入してもよい。
【0034】
ドッキングステーションは、充電、保管など、他の理由のために使用され得るが、ディスペンサーを洗浄するために使用されることもできる。
図22~
図27は、洗浄溶液の様々な構成及び位置を示すドッキング/洗浄ステーションの実施形態を示す。
図22~
図27では、ドッキングステーション80はディスペンサーケーシング12を受容する。ディスペンサーケーシングは、リザーバ16、ここでは電池28として示される電池及び電子機器26及び28、並びに42などのローラーを有する。ドッキングステーション80は、ステーション電子機器82を有しており、ステーション電子機器82は、典型的には、コネクタ、接触パッド、又は誘導充電システムのいずれかによる、ディスペンサーの再充電ポイントを含む。ドッキングステーションは、88において壁面コンセント、典型的にはで交流源に接続する。ドッキングステーションはまた、洗浄溶液の洗浄リザーバ84及び廃棄物回収領域86も含む。
【0035】
図22は、洗浄溶液が装置の正面から装置に入る構成を示す。内部流路は、流体がローラー上に分配されるローラーへと流れを方向付ける。流体は、噴霧動作中に流体が分配される方法と同様に分配され得る。無線で又は電気接点を介してのいずれかで装置と通信することができるドッキングステーションは、ローラーを起動してそれらを洗浄し得る。ローラーは、使用される洗浄溶液に基づいて、より速く、より遅く、又は噴霧動作時と同じ速度でスピンし得る。一実施形態では、生理食塩水溶液が使用され、ローラーはより速い速度でスピンする。洗浄溶液は、ローラーだけを洗浄するのではなく、ノズル全体に沿って分散し、内面を洗浄する。
【0036】
図23では、洗浄溶液は、ポンプ92によってローラーの正面に噴霧され、ローラーはスピンしてもよく、次いで、溶液は廃棄物回収領域86内に流れ落ちる。
【0037】
図24は、ディスペンサーが洗浄ステーションにスナップ嵌めされ、ラッチ又は磁石90によって定位置に保持される、別の代替構成を示す。ポンプ92は、洗浄溶液をローラーの背面にポンピングする。ローラーは、起動され、洗浄溶液を洗浄ステーション80に向かって推進させるように超高速度で回転させられる。洗浄ステーションの背壁に当たった後、余分な流体は、システムを廃棄物回収領域86まで流れ落ちる。
【0038】
図25は、ステーションが開いて、ディスペンサーが挿入されることを可能にし、次いで、その背後で洗浄溶液リザーバが閉じて、洗浄溶液がディスペンサーの背面に取り付けられることを可能にする、ドッキングステーションの実施形態を示す。この実施形態では、洗浄溶液が加圧されて、洗浄溶液がローラー上に噴霧されることを可能にする。
【0039】
図26は、製品流体リザーバが取り外され、装置が、交換可能なカートリッジ口に嵌合する機構を含む洗浄ステーションとドッキングされる実施形態を示す。この嵌合を介して、システム全体に洗浄溶液を流すことができる。嵌合される機構は、カートリッジと同じサイズ及び設計であってもよく、又はカートリッジの嵌合機構を複製するようにのみ設計され、有意により大きくてもよい。洗浄溶液は、洗浄ステーションによって起動される、装置内のポンプによってシステムを通って移動させられる。洗浄溶液は、ローラーが起動され、流体がそれらの上に分配されると、ローラーによって噴霧又は分散される。ディスペンサーは、ステーション電子機器82内で接点又は誘導充電システムを有する。
【0040】
図27は、洗浄溶液がドッキングステーション内に存在し、ローラーの正面に噴霧される、別の実施形態を示す。磁石又はラッチ92は、
図24及び
図26に示されるように、ドッキングステーション及び装置自体に含まれる。2つの部品は、装置がドッキングステーションに取り付けられるように互いに嵌合するように設計されているが、洗浄又は充電が完了すると、ユーザーが取り外すことができる。ローラー自体に近い距離で溶液を噴霧する管が含まれる。ローラーは、物質が装置全体及び最終的にステーション自体の上に噴霧又は分散されるように起動され得る。次いで、溶液は、他の廃棄物回収領域に接続された内部廃棄物回収リザーバに入る。これらのドッキングステーションのいずれも、ローラーが洗浄されて、ディスペンサーのより良好な動作を可能にすることができる。