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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】情報処理装置、方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 1/06 20060101AFI20221129BHJP
   A63F 13/20 20140101ALN20221129BHJP
   A63F 13/80 20140101ALN20221129BHJP
【FI】
A63F1/06 Z
A63F13/20 A
A63F13/80 B
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019212502
(22)【出願日】2019-11-25
(65)【公開番号】P2021083484
(43)【公開日】2021-06-03
【審査請求日】2021-11-30
(73)【特許権者】
【識別番号】504440133
【氏名又は名称】株式会社ポケモン
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】新藤 貴行
(72)【発明者】
【氏名】小川 慧
(72)【発明者】
【氏名】寺田 佑貴
【審査官】金子 和孝
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-141564(JP,A)
【文献】特開2019-154912(JP,A)
【文献】特開2003-062328(JP,A)
【文献】特開2018-089123(JP,A)
【文献】特開2013-034624(JP,A)
【文献】特開2019-155039(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 1/06
A63F 13/20
A63F 13/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
TCG(Trading Card Game)で使用するカードを管理するための情報処理装置であって、記憶部と、制御部と、読み取り機構とを備え、
前記制御部は、
前記読み取り機構が単数のカードを収容する収容袋に関する情報を取得するステップと、
前記読み取り機構が読み取った前記収容袋に関する情報が、前記記憶部に記憶されているか否かを判断するステップと、
前記記憶部に記憶されていると判断した場合は、当該収容袋に関する情報に対応付けて記憶されているTCGの対戦に使用するカードの組み合わせを示すデッキの情報を更新し、前記記憶部に記憶されていないと判断した場合は、デッキの情報を新たに生成するステップと、
を実行する、情報処理装置。
【請求項2】
TCG(Trading Card Game)で使用するカードを管理するための情報処理装置であって、記憶部と、制御部と、読み取り機構とを備え、
前記制御部は、
プレイヤが保持するカードの情報を前記読み取り機構により読み取り、読み取った情報を前記記憶部に記憶させるステップと、
前記読み取り機構が、単数のカードを収容する収容袋に関する情報を取得するステップと、
前記カードの情報と、前記収容袋に関する情報とを対応付ける操作を前記プレイヤから受け付けたことに応じ、記憶している前記カードの情報に、前記収容袋に関する情報を対応付けるステップと、
前記プレイヤが保持しないカードの情報と、前記読み取り機構により読み取られた前記収容袋に関する情報と対応付けられる、TCGの対戦に使用するカードの組み合わせを示すデッキの情報とを対応付ける操作を前記プレイヤから受け付けたことに応じ、前記デッキに規定された枚数に関わらず、前記デッキの情報に、前記保持しないカードの情報を希望カード情報として対応付けるステップと、
を実行する、情報処理装置。
【請求項3】
TCG(Trading Card Game)で使用するカードを管理するための情報処理装置であって、記憶部と、制御部と、読み取り機構とを備え、
前記制御部は、
プレイヤが保持するカードの情報を前記読み取り機構により読み取り、読み取った情報を前記記憶部に記憶させるステップと、
前記読み取り機構が、単数のカードを収容する収容袋に関する情報を取得するステップと、
前記カードの情報と、前記収容袋に関する情報とを対応付ける操作を前記プレイヤから受け付けたことに応じ、記憶している前記カードの情報に、前記収容袋に関する情報を対応付けるステップと、
前記プレイヤが保持するカードの情報と、前記読み取り機構により読み取られた前記収容袋に関する情報と対応付けられる、TCGの対戦に使用するカードの組み合わせを示すデッキの情報とを対応付ける操作を前記プレイヤから受け付けたことに応じ、前記デッキの情報に、前記保持するカードであり、且つ、当該デッキとは異なる他のデッキに対応付けられているカードの情報をサブカード情報として対応付けるステップと、
を実行する、情報処理装置。
【請求項4】
前記収容にはマーカが付されており、
前記収容袋に関する情報を取得するステップは、前記読み取り機構が前記収容袋に付されたマーカを読み取るステップを含む、請求項から請求項のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
TCG(Trading Card Game)で使用するカードを管理するための情報処理装置であって、記憶部と、制御部とを備え、
前記制御部は、
プレイヤが保持するカードの情報を前記記憶部に記憶させるステップと、
TCGの対戦に使用するデッキの情報を生成するステップと、
前記カードの情報と、前記デッキの情報とを対応付けて前記記憶部に記憶させるステップと、
前記プレイヤが保持するカードの情報と、前記デッキの情報とを対応付ける操作を当該プレイヤから受け付けたことに応じて、当該デッキの情報に、当該保持するカードであり、且つ、当該デッキとは異なる他のデッキに対応付けられているカードの情報をサブカード情報として登録するステップと、を実行する、情報処理装置。
【請求項6】
TCG(Trading Card Game)で使用するカードを管理するための情報処理装置で実行される方法であって、前記情報処理装置は、記憶部と、制御部とを備え、
前記制御部が、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のステップを実行する方法。
【請求項7】
TCG(Trading Card Game)で使用するカードを管理するためのコンピュータを動作させるプログラムであって、前記コンピュータは、記憶部と、制御部とを備え、前記制御部に、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のステップを実行させるプログラム。
【請求項8】
TCG(Trading Card Game)で使用するカードを管理するための情報処理装置で実行される方法であって、前記情報処理装置は、記憶部と、制御部とを備え、
前記制御部が、
プレイヤが保持するカードの情報を前記記憶部に記憶させるステップと、
TCGの対戦に使用するデッキの情報を生成するステップと、
前記カードの情報と、前記デッキの情報とを対応付けて前記記憶部に記憶させるステップと、
前記プレイヤが保持するカードの情報と、前記デッキの情報とを対応付ける操作を当該プレイヤから受け付けたことに応じて、当該デッキの情報に、当該保持するカードであり、且つ、当該デッキとは異なる他のデッキに対応付けられているカードの情報をサブカード情報として登録するステップと、を実行する、方法。
【請求項9】
TCG(Trading Card Game)で使用するカードを管理するためのコンピュータを動作させるプログラムであって、前記コンピュータは、記憶部と、制御部とを備え、
前記制御部に、
プレイヤが保持するカードの情報を前記記憶部に記憶させるステップと、
TCGの対戦に使用するデッキの情報を生成するステップと、
前記カードの情報と、前記デッキの情報とを対応付けて前記記憶部に記憶させるステップと、
前記プレイヤが保持するカードの情報と、前記デッキの情報とを対応付ける操作を当該プレイヤから受け付けたことに応じて、当該デッキの情報に、当該保持するカードであり、且つ、当該デッキとは異なる他のデッキに対応付けられているカードの情報をサブカード情報として登録するステップと、を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが現実のカードを使用して対戦を行うTCGが知られている。例えば、特許文献1には、所定の対戦能力を持つ複数のカードを使用して、相手カードとの攻防を繰り返し、最終的にカードの体力をゼロにすることによって勝敗を競うカードゲーム玩具が開示されている。TCGでは、ユーザはカードを収集し、収集したカードの中から、対戦に使用するカードを編成する。当該編成をすることについて、「デッキを編成する」と称されることも一般的であるといえる。
【0003】
TCGのユーザは、現実世界でユーザ同士が互いにカードを編成したデッキを持ち寄って、対戦を行う。このようなTCGを盛り上げるために、TCGのカードを提供する事業者や、カードを販売する店舗等が、対戦会を行うことがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2001-204874号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
デッキに編成されるカードには、相性やカードの効果など様々なパラメータが設定されている。ユーザは、これらの各カードに設定されたパラメータを考慮しながら、複数のカードの組み合わせを検討する。例えば、デッキに組み入れられたカードの種類によっては、特定のデッキに対して相性がよいデッキが存在し得る。このようなカード間の有利不利を考慮しながらデッキを編成することに興趣性がある。
【0006】
したがって、現実のカードをユーザがアナログTCGで使用をするうえでは、現実のカードを保管しておくことが必要になる。また、デッキを編成するパターンも様々であるため、デッキを構成するカード枚数よりも多くの枚数を保管しておくことが必要になる。
【0007】
しかしながら、ユーザがデッキ編成のバリエーションを増やそうとして、所持するカードの枚数を増やせば増やすほど、どのカードをどこに置いたかの保管を管理することが困難になる。また、現実のカードを読み取ってゲームで使用する場合と異なり、アナログのTCGでは現実のカードを使用して対戦をすることになるため、デジタルアイテムとしての所有情報と紐づけがされていないことが多いためカードを破棄することもできない。
【0008】
したがって、アナログTCGで使用されるカードをユーザが管理することを、よりいっそう容易にする技術が必要とされている。
【0009】
本開示は、上記課題を解決すべくなされたものであって、その目的は、TCGユーザが複数のカードを容易に管理することができる装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一実施形態によると、TCGで使用するカードを管理するための情報処理装置であって、記憶部と、制御部とを備え、制御部は、プレイヤが保持するカードの情報を記憶部に記憶させるステップと、カードを収容する物体に関する情報を取得するステップと、カードの情報と、収容する物体に関する情報とを対応付けて記憶部に記憶させるステップと、を実行する。
【0011】
一実施形態によると、TCGで使用するカードを管理するための情報処理装置が提供される。情報処理装置は、記憶部と、制御部とを備える。制御部は、プレイヤが保持するカードの情報を記憶部に記憶させるステップと、TCGの対戦に使用するデッキの情報を生成するステップと、カードの情報と、デッキの情報とを対応付けて記憶部に記憶させるステップと、プレイヤが保持するカードの情報と、デッキの情報とを対応付ける操作を当該プレイヤから受け付けたことに応じて、当該デッキの情報に、当該保持するカードであり、且つ、当該デッキとは異なる他のデッキに対応付けられているカードの情報をサブカード情報として登録するステップと、を実行する。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、TCGユーザが複数のカードを容易に管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施形態に係るTCGを説明するための図である。
図2】各ユーザがTCGの対戦を進行させている局面を示す図である。
図3】本実施形態に係るカードを収容する物体の一例を示す図である。
図4】本実施形態に係る支援システム1の全体の構成を示す図である。
図5】本実施形態に係る支援システム1を構成する端末装置10のブロック図である。
図6】サーバ20の機能的な構成を示す図である。
図7】端末装置10が記憶するカード情報181、およびデッキ情報182のデータ構造を示す図である。
図8】ユーザがカードを管理する処理の一例を示すシーケンス図である。
図9】ユーザが希望カード情報またはサブカード情報を登録してデッキ情報を更新する処理の一例を示すシーケンス図である。
図10】ディスプレイに表示されたカードおよび収容する物体に対して、ユーザが行う操作の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0015】
まず、本実施形態に係るTCG(Trading Card Game)の概要について説明する。次いで、ユーザ間のTCGの対戦を支援する技術の一つとして、ユーザ(プレイヤ)が複数のカードを容易に管理することができる支援システムについて説明する。
【0016】
<1 TCGの概要>
図1は、本実施形態に係るTCGを説明するための図である。図1の状態(A)は、ユーザがTCG用品30を利用してTCGの対戦を準備する局面を示す図である。図1の状態(B)は、ユーザがTCGの対戦を開始しようとする局面を示す。
【0017】
図2は、各ユーザがTCGの対戦を進行させている局面を示す図である。
【0018】
<1.1 TCG用品30の構成>
図1を参照して、各ユーザがTCGの対戦で使用する各種用品について説明する。図1の状態(A)に示すように、第1のユーザ(ユーザ5A)と、第2のユーザ(ユーザ5B)とが、TCGの対戦を開始するにあたり、ユーザ5Aとユーザ5Bとの間にTCG用品30を配置する。TCG用品30は、各ユーザがTCGの対戦で使用するカードを配置するためのものである。
【0019】
各ユーザは、TCG用品にカードを配置して、カードを山札から手札に加えつつTCGの対戦を進行させる。まず、TCG用品30の構成について説明すると、TCG用品30は、山札配置部31Aおよび山札配置部31B(以下、「山札配置部31」と総称することもある)と、準備カード配置部32Aとおよび準備カード配置部32B(以下、「準備カード配置部32」と総称することもある)と、勝敗条件カード配置部33Aおよび勝敗条件カード配置部33B(以下、「勝敗条件カード配置部33」と総称することもある)と、バトルカード配置部34Aおよびバトルカード配置部34B(以下、「バトルカード配置部34」と総称することもある)と、消費カード配置部35Aおよび消費カード配置部35B(以下、「消費カード配置部35」と総称することもある)と、を含む。
【0020】
また、図2に示すように、TCGの対戦において、各ユーザは、山札から手札を補充しつつカード同士のバトルを進行させる。図2の例では、第1のユーザ(ユーザ5A)は、手札93A(図2の例では2枚の手札)を有している。第2のユーザ(ユーザ5B)は、手札93B(図2の例では3枚の手札)有している。
【0021】
山札配置部31は、各ユーザがデッキ(TCGの対戦に使用するカードの組み合わせ)として編成したカードのうち、山札を配置するための領域である。山札配置部31Aは、ユーザ5Aが山札を置くための領域である。山札配置部31Bは、ユーザ5Bが山札を置くための領域である。
【0022】
図1の状態(B)に示すように、各ユーザがTCGの対戦を開始するにあたり、まず、山札配置部31に、各ユーザのカードを山札として配置する。山札配置部31は、ユーザが山札を配置するための領域である。各ユーザは、デッキを構成する各カードを混ぜて、カードを裏向きにして山札配置部31に配置する。ユーザ5Aは、山札配置部31Aに山札91Aを配置する。ユーザ5Bは、山札配置部31Bに山札91Bを配置する。
【0023】
準備カード配置部32は、対戦相手のカードとバトルをすることができるカードを配置するための領域である。各ユーザは、準備カード配置部32に配置されているカードと、バトルカード配置部34に配置されているカードとを入れ替えつつ、バトルカード配置部34に配置されているカード同士で、攻撃力・体力・カードの属性・弱点等に応じたダメージ量の補正などを行わせることで対戦を進行させる。図1の状態(B)に示すように、TCGの対戦を開始する前においては、準備カード配置部32、バトルカード配置部34にはカードは配置されていない。一方、図2の状態(A)に示すように、TCGの対戦が進行すると、各ユーザが準備カード配置部32、バトルカード配置部34にカードを配置しつつカード同士のバトルを行う。各ユーザは山札から手札を補充しつつ、手札の中からバトルに使用するカードを準備カード配置部32、バトルカード配置部34に配置する。ユーザ5Aは、準備カード配置部32Aにカードを配置する。ユーザ5Bは、準備カード配置部32Bにカードを配置する。
【0024】
勝敗条件カード配置部33は、各プレイヤが勝利条件をどの程度満たしているかを示す領域である。本実施形態では、勝敗条件カード配置部33に、各プレイヤが山札から所定枚数のカードを裏向きにして勝敗条件カード配置部33に配置する。図1の状態(B)に示すように、ユーザ5Aは、勝敗条件カード配置部33Aにカードを配置する。ユーザ5Bは、勝敗条件カード配置部33Bにカードを配置する。
【0025】
バトルカード配置部34は、対戦相手のカードとバトルを行うカードを配置するための領域である。ユーザ5Aは、バトルカード配置部34Aにカードを配置する。ユーザ5Bは、バトルカード配置部34Bにカードを配置する。本実施形態では、基本的には、バトルカード配置部34Aに配置されるカードと、バトルカード配置部34Bに配置されるカードとで、各カードに設定される体力、攻撃力、カードに示されるキャラクタの属性、弱点の属性、その他のパラメータに基づきバトルを行う。攻撃を受ける等によりカードに設定される体力を失うと、カードに示されるキャラクタが気絶したとしてバトルから退場させ、後述する消費カード配置部35に配置する。
【0026】
消費カード配置部35は、TCGの対戦で消費したカードを配置するための領域である。例えば、バトルに敗北して体力を失ったカード、効果を発動させたカード等を消費カード配置部35に配置する。図2に示すように、ユーザ5Aは、消費カード配置部35Aに、カード92Aを配置する。ユーザ5Bは、消費カード配置部35Bに、カード92Bを配置する。
【0027】
<1.2 TCGで使用するカードの種類>
本実施形態のTCGでは、カードの種類として、(i)バトルに使用することができるキャラクタカードと、(ii)キャラクタカードに関連付けて使用する行動力カード(エネルギーカード)と、(iii)対戦中に特定の効果を発揮させる効果カードとがある。
【0028】
(i)キャラクタカードには、ユーザが山札からカードを引いて手札に加えたのち、バトルカード配置部34に配置してバトルに使用することができるカード(「無条件カード」とも言う)と、特定の条件を満たすことによりバトルで使用することができるカード(「条件付きカード」とも言う)とが含まれる。
【0029】
(iA)例えば、条件付きカードは、条件付きカードに関連する無条件カードを使用することを条件として、バトルに参加させることができる。例えば、キャラクタの進化になぞらえて、まず無条件カードをTCG用品30に配置すること等により対戦相手のユーザに提示したうえで、当該無条件カードに関連する条件付きカードをTCG用品30に配置することにより、条件付きカードをバトルに参加させることができる。このような条件付きカードは、無条件カードから進化させたものとして「進化キャラクタ」とも称されることがある。また、無条件カードは、「進化キャラクタ」をバトルに参戦させるための元となるキャラクタともいえるため、「たねキャラクタ」とも称されることがある。
【0030】
(iB)例えば、条件付きカードは、特定のカードを消費して消費カード配置部35に移動させることにより、バトルに参加させることができる。具体的には、特定のカードとして、TCG用品30に配置されている無条件カードを消費して(消費カード配置部35に移動させて)、条件付きカードをバトルに参加させることができる、としてもよい。
【0031】
例えば、条件付きカードは、TCG用品30にユーザが配置した単数又は複数のキャラクタカードと引き換えに、バトルに参加させることができる。例えば、各キャラクタカードに、カードに示されるキャラクタの攻撃力等の個々のパラメータとは別に、キャラクタの総合的な性能を示すパラメータ(例えば、進化レベルなど)が付されている場合に、ユーザが配置したキャラクタカードの進化レベルの値に対応した進化レベルを有する条件付きカードをバトルに参加させられることとしてもよい。例えば、進化レベル1のキャラクタと進化レベル2のキャラクタとをTCG用品30に配置した状態で、これらキャラクタのカードに重ねて(または、これらのキャラクタカードと引き換えに)、進化レベル3の条件付きカードを配置することができる。
【0032】
この他にも、条件付きカードにより定められる複数のキャラクタカードと引き換えに、当該条件付きカードをバトルに参加させることができる、としてもよい。このとき、キャラクタカードとは異なる後述する補助カードを消費して、条件付きカードをバトルに参加させることとしてもよい。例えば、補助カードに示される効果として、TCG用品30のバトルカード配置部34、消費カード配置部35等にある特定の無条件カードと引き換えに、特定の条件付きカードをバトルに参加させられることが定められている。
【0033】
(iC)これらカードには、上記キャラクタカード、後述する行動力カード、補助カードのうち複数を兼ねるものも含まれる。例えば、キャラクタカードとしても使用でき、補助カードとしても使用できる特殊なカードが含まれることとしてもよい。ユーザは、当該特殊なカードを、キャラクタカードを配置すべき位置(例えば準備カード配置部32、バトルカード配置部34)に配置した場合は、キャラクタカードとして使用することができる。
【0034】
(ii)行動力カード(エネルギーカード)は、ユーザが山札からカードを引いて手札に加えたのち、キャラクタカードと関連付けてTCG用品30に配置することにより、キャラクタカードに示される所定の行動を行うことを可能とするものである。行動力カードをキャラクタカードに関連付ける操作は、例えば、ユーザのターン中に行えることとしてもよい。例えば、TCG用品30に配置されるキャラクタカードの近傍に行動力カードを配置することで、キャラクタカードに行動力カードを関連付けたとしてもよい。また、ターン中に行動力カードをキャラクタカードに関連付けられる回数は制限があってもよい。例えば、ユーザのターン中に1回、TCG用品30に配置されるキャラクタカードのいずれかに、手札中の行動力カードを関連付けるよう配置することができる。例えば、キャラクタカードに、第1の攻撃アクションと、第2の攻撃アクションとが設定されているとする。第1の攻撃アクションは、キャラクタカードに1枚の行動力カードが関連付けられている場合に使用可能であり、第2の攻撃アクションは、1枚の行動力カードでは足りず2枚の行動力カードがキャラクタカードに関連付けられている場合に使用可能であるとしてもよい。
【0035】
キャラクタカードがバトルにより体力値が尽きる等により退場することとなった場合、当該キャラクタカードに関連付けられている行動力カードも当該対戦中で使用不可とすることとしてもよい。
【0036】
(iii)対戦を補助する補助カードには、ユーザの手札にある限り、ユーザがターン中に何枚でも使用できるカード種と、ターン中に1枚だけ使用できるカード種とが含まれる。これら補助カードには、ユーザが補助カードの効果を使用することを宣言することで効果を発揮させるものも含まれる。
【0037】
なお、補助カードとして、予めTCG用品30の所定の位置(本実施形態では、当該所定の位置については図示していない)に、裏向きにするなどして配置したうえで、ユーザが補助カードの使用を発声等により宣言することで補助カードの効果を発揮させるものも含まれる。
【0038】
<1.3 TCGの対戦ルールの概要>
以上のように、TCGの対戦で使用するTCG用品30と、カードの種類とについて説明した。次に、TCGの対戦ルールについて詳細に説明する。
【0039】
本実施形態に示すTCGでは、上記のように、各ユーザがバトルカード配置部34A、バトルカード配置部34Bに配置したカードに基づき攻撃または防御(バトル)を行ってTCGの対戦を進行させるものとする。TCGの対戦は、ユーザがターンごとに交互に行動を行って進行させるものとする。例えば、第1のユーザがターンの行動を終えると、第2のユーザのターンとなる。第2のユーザが当該ターンで行動を行い、行動を終了させると、第1のユーザのターンとなる。
【0040】
各ユーザは、ターンが到来するごとに、山札から所定枚数のカードを引いて手札に加える。
【0041】
各ユーザは、手札にあるカードのうち、対戦相手のユーザのカードへの攻撃または防御に使用するカード(キャラクタカード)の候補を準備カード配置部32に配置する。
【0042】
ユーザ5Aは、準備カード配置部32Aに並べられたカードと、バトルカード配置部34Aに並べられたカードとを、ユーザ5Aのターン中に入れ替えることができる。また、ユーザ5Bは、準備カード配置部32Aに並べられたカードと、バトルカード配置部34Aに並べられたカードとを、ユーザ5Bのターン中に入れ替えることができる。
【0043】
勝敗条件カード配置部33Aと勝敗条件カード配置部33Bとは、上記のように、それぞれのユーザが対戦に勝利する条件に対してどの程度の進捗があるかを各ユーザに通知するための領域である。ここで、ユーザが対戦に勝利する条件としては、例えば、勝敗条件カード配置部33Aまたは勝敗条件カード配置部33Bに配置されるカードが全て回収されることとしてもよい。すなわち、勝敗条件カード配置部33Aまたは勝敗条件カード配置部33Bのいずれかにおいて、全てのカードが回収されたことにより、勝敗が決することとしてもよい。
【0044】
例えば、各ユーザが、TCGの対戦に先立ち、山札から勝敗条件カード配置部33Aまたは勝敗条件カード配置部33Bに所定枚数のカードを配置する。すなわち、ユーザ5Aは、山札から所定枚数のカードを抜き出して勝敗条件カード配置部33Aに配置する。ユーザ5Bは、山札から所定枚数のカードを抜き出して勝敗条件カード配置部33Bに配置する。ユーザ5Aがバトルカード配置部34Aに配置したキャラクタカードと、ユーザ5Bがバトルカード配置部34Bに配置したキャラクタカードとを対戦させ、キャラクタカードに設定される退場条件が満たされると(例えば、キャラクタカードに設定される体力値が、対戦相手のキャラクタカードに設定される攻撃力に基づき減算され、尽きた場合)、当該キャラクタカードのキャラクタが気絶したものとして、消費カード配置部35(「トラッシュ」ともいう)へ移動させる。
【0045】
これにより、バトルに勝利して対戦相手のキャラクタカードを退場させたユーザは、勝敗条件カード配置部33Aまたは勝敗条件カード配置部33Bに配置されたカードを手札に加える。例えば、ユーザ5Bが、自身のターンでユーザ5Aのキャラクタカードに攻撃をすることによりバトルカード配置部34Aに配置されるカードを退場させた場合、勝敗条件カード配置部33Bに配置されるカードから所定枚数のカードを取って手札に加える。一方、ユーザ5Aが、自身のターンでユーザ5Bのキャラクタカードに攻撃をすることによりバトルカード配置部34Bに配置されるカードを退場させた場合、勝敗条件カード配置部33Aに配置されるカードから所定枚数のカードを取って手札に加える。これら操作を繰り返し、ユーザ5Bが勝敗条件カード配置部33Bに配置されるカードを全て回収したとき、または、ユーザ5Aが勝敗条件カード配置部33Aに配置されるカードを全て回収したときに、回収しきったユーザを、TCGの対戦に勝利したユーザと決定することとしてもよい。なお、対戦の勝利条件としては、この他に、バトルカード配置部34と準備カード配置部32のいずれにもキャラクタカードがない場合に敗北する、としてもよい。また、対戦の勝利条件としては、各ユーザが自分のターンで山札配置部31から山札を引けない場合に敗北する、としてもよい。
【0046】
<1.4 カードを収容する物体>
ユーザは、上述のようなTCGで用いるカードをそのまま保持していては損傷するおそれがあるので、カードを保護するために1枚ずつ専用の収容袋に挿入して保管する。収容袋は、カードスリーブ、カードケース、カードプロテクタなどと称され、収納袋は、一方の面(裏面)に無地、またはキャラクタの絵柄や模様などがデザインされている。ユーザは、例えば同じ絵柄や模様、色などの収納袋を用いてデッキごとにカードを保管することで、各デッキを構成するカードを容易に把握することができる。また、同じ絵柄や模様、色などの収納袋を用いることで、裏面からはそれぞれのカードの種類を把握することができないため、TCGをプレイする際に収納袋に入れたままプレイすることができる。
【0047】
また、ユーザはカードを多数収集した場合は、それらを収容箱にいれて保管する。収容箱は、収容空間がカードのサイズに合わせて形成されているようなTCGカード専用の箱が好ましい。
【0048】
図3は、本実施形態に係るカードを収容する物体の一例を示す図である。図3(A)は、カードを収容する収容袋の一例を示す図であり、図3(B)は、カードを収容する収容箱の一例を示す図である。
【0049】
図3(A)において、カード95は、平面視にて略長方形状を有しており、例えば、紙、プラスチック等の材料を用い、所定の厚さを有して形成される。また、カード95の表面には、カードの情報を示す表示がなされており、例えばキャラクタの図、名称、特徴、カードの効果等が表示される。また、カード95には、カードを一意に識別する識別子が付されていてもよい。
【0050】
収容袋96は、カード95の平面視における形状と略同一の形状(図3(A)においては略長方形)を有して袋状に形成されており、カード95を1枚(単数)内部に収容することができる。また、収容袋96は、少なくともカード95に表示されているカードの情報が外部から視認できるように、カードの情報が表示される面を覆う被覆部材は、透明もしくは半透明の材料が用いられる。
【0051】
収容袋96には、マーカ97が付与されている。マーカ97は、カードを収容する物体に関する情報であって、例えば、収容袋を一意に識別できる識別子である。マーカ97は、例えば、バーコードやQRコード(登録商標)等の2次元コードであるが、ICチップ等であってもよい。マーカ97が付与される位置は特に限定されないが、収容袋96の被覆部材ではない一方の面側に付与されていてもよいし、被覆部材に付与されていてもよい。被覆部材に付与される場合は、カード95の情報を示す表示とマーカ97とが同時にカメラで撮影できる位置に付与されることが好ましい。これにより、ユーザがカードの管理のために撮影する(読み取り機構を操作する)労力を軽減することができる。なお、マーカ97がカード95の認識を妨げないよう、自然光下では不可視となるインクでマーカ97が印刷されていてもよい。
【0052】
また、収容袋96のマーカ97は、デッキの情報としてデッキを識別する情報(識別子)を含んでもよい。上述したように、デッキごとに同じデザイン等の収納袋を用いるとデッキを構成するカードの把握が容易になる。管理のためには一意の収納袋を特定して管理する必要まではないため、予め同じデザインの収納袋には、同じデッキの識別子を付与しておくことで、カードの管理を容易にすることができる。詳細は後述する。
【0053】
図3(B)において、収容箱98は、内部にカード収容空間を形成し、カード収容空間の上方を覆うことができる蓋部を一体的に設けている。カード収容空間は、カード95を複数枚入れて収容可能なサイズであり、カード95は、どのような向きで収容されるかは特に限定されない。
【0054】
収容箱98には、マーカ99が付与されている。マーカ99は、カードを収容する物体に関する情報であって、例えば、収容箱を一意に識別できる識別子である。マーカ99は、例えば、バーコードやQRコード(登録商標)等の2次元コードであるが、ICチップ等であってもよい。マーカ99の付与される位置は特に限定されないが、ユーザがマーカ99をカメラで撮影しやすい位置であることが好ましい。
【0055】
ユーザが保持するカード95の情報と、カードを収納する物体である収容袋96や収容箱98に関する情報と対応付けて端末装置10(図4参照)に記憶させることで、ユーザはカードの管理を行うことができる。
【0056】
<2 システム構成>
<2.1 システム全体の構成>
図4は、本実施形態に係る支援システム1の全体の構成を示す図である。図4を参照して、TCGで使用するカードの管理を支援する支援システム1について説明する。
【0057】
図4に示すように、支援システム1は、TCGのユーザが使用する端末装置10Aおよび端末装置10Bと、サーバ20とを含む。なお、例示として端末装置10Aと10Bとが記載されているが、支援システム1を構成する端末装置10は2台に限られず、2台より多くてもよい(以下、総称して「端末装置10」ということもある)。端末装置10とサーバ20とは、ネットワーク80を介して通信接続する。また 、本実施形態において、各装置(端末装置、サーバ等)を情報処理装置として把握することもできる。すなわち、各装置の集合体を1つの「情報処理装置」として把握することができ、支援システム1を複数の装置の集合体として形成してもよい。1つ又は複数のハードウェアに対して本実施形態に係る支援システム1を実現することに要する複数の機能の配分の仕方は、各ハードウェアの処理能力及び/又は支援システム1に求められる仕様等に鑑みて適宜決定することができる。
【0058】
端末装置10は、各ユーザが操作する装置であって、ユーザがTCGで使用するカードを管理するための情報処理装置である。端末装置10は、移動体通信システムに対応したスマートフォン、タブレット等の携帯端末などにより実現される。この他に、端末装置10は、例えば据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPCであるとしてもよい。図3に端末装置10Bとして示すように、端末装置10は、通信IF(Interface)12と、入出力IF13と、メモリ15と、ストレージ16と、プロセッサ19とを備える。サーバ20は、通信IF22と、入出力IF23と、メモリ25と、ストレージ26と、プロセッサ29とを備える。
【0059】
端末装置10は、ネットワーク80を介してサーバ20と通信可能に接続される。端末装置10は、LTEなどの通信規格に対応した無線基地局81、IEEE802.11などの無線LAN規格に対応した無線LANルータ82等の通信機器と通信することによりネットワーク80に接続される。
【0060】
通信IF12は、端末装置10が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入出力IF13は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置(例えば、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス、キーボード等)、および、ユーザに対し情報を提示するための出力装置(ディスプレイ、スピーカ等)とのインタフェースとして機能する。メモリ15は、プログラム、および、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。ストレージ16は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ19は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路などにより構成される。
【0061】
サーバ20は、TCGの対戦に参加するユーザの情報として、ユーザが保持するカードの情報やデッキの情報を管理する。また、サーバ20は、TCGで使用されるカードの情報やユーザがカードを収容するために用いる収容物体の情報を管理する。
【0062】
通信IF22は、サーバ20が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入出力IF23は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置、および、ユーザに対し情報を提示するための出力装置とのインタフェースとして機能する。メモリ25は、プログラム、および、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。ストレージ26は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ29は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路などにより構成される。
【0063】
<2.2 端末装置10の構成>
図5は、本実施形態に係る支援システム1を構成する端末装置10のブロック図である。図5に示すように、端末装置10は、複数のアンテナ(アンテナ111、アンテナ112)と、各アンテナに対応する無線通信部(第1無線通信部121、第2無線通信部122)と、操作受付部130(タッチセンシティブデバイス131およびディスプレイ132を含む)と、音声処理部140と、マイク141と、スピーカ142と、位置情報センサ150と、カメラ160と、記憶部180と、制御部190と、を含む。端末装置10は、図4では特に図示していない機能及び構成(例えば、電力を保持するためのバッテリ、バッテリから各回路への電力の供給を制御する電力供給回路など)も有している。図5に示すように、端末装置10に含まれる各ブロックは、バス等により電気的に接続される。
【0064】
アンテナ111は、端末装置10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ111は、空間から電波を受信して受信信号を第1無線通信部121へ与える。
【0065】
アンテナ112は、端末装置10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ112は、空間から電波を受信して受信信号を第2無線通信部122へ与える。
【0066】
第1無線通信部121は、端末装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ111を介して信号を送受信するための変復調処理などを行う。第2無線通信部122は、端末装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ112を介して信号を送受信するための変復調処理などを行う。第1無線通信部121と第2無線通信部122とは、チューナー、RSSI(Received Signal Strength Indicator)算出回路、CRC(Cyclic Redundancy Check)算出回路、高周波回路などを含む通信モジュールである。第1無線通信部121と第2無線通信部122とは、端末装置10が送受信する無線信号の変復調や周波数変換を行い、受信信号を制御部190へ与える。
【0067】
操作受付部130は、ユーザの入力操作を受け付けるための機構を有する。具体的には、操作受付部130は、タッチスクリーンとして構成され、タッチセンシティブデバイス131と、ディスプレイ132とを含む。タッチセンシティブデバイス131は、端末装置10のユーザの入力操作を受け付ける。タッチセンシティブデバイス131は、例えば静電容量方式のタッチパネルを用いることによって、タッチパネルに対するユーザの接触位置を検出する。タッチセンシティブデバイス131は、タッチパネルにより検出したユーザの接触位置を示す信号を入力操作として制御部190へ出力する。
【0068】
ディスプレイ132は、制御部190の制御に応じて、画像、動画、テキストなどのデータを表示する。ディスプレイ132は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイによって実現される。
【0069】
音声処理部140は、音声信号の変復調を行う。音声処理部140は、マイク141から与えられる信号を変調して、変調後の信号を制御部190へ与える。また、音声処理部140は、音声信号をスピーカ142へ与える。音声処理部140は、例えば音声処理用のプロセッサによって実現される。マイク141は、音声入力を受け付けて、当該音声入力に対応する音声信号を音声処理部140へ与える。スピーカ142は、音声処理部140から与えられる音声信号を音声に変換して当該音声を端末装置10の外部へ出力する。
【0070】
位置情報センサ150は、端末装置10の位置を検出するセンサであり、例えばGPS(Global Positioning System)モジュールである。GPSモジュールは、衛星測位システムで用いられる受信装置である。衛星測位システムでは、少なくとも3個または4個の衛星からの信号を受信し、受信した信号に基づいて、GPSモジュールが搭載される端末装置10の現在位置を検出する。このGPSモジュールが検出する位置は、例えば、端末装置10がセンサ装置50の検知結果に基づいて、予め定められた報知処理を行った時の端末装置10の位置情報をメモリに保存する際等に利用され得る。
【0071】
カメラ160は、受光素子により光を受光して、撮影画像として出力するためのデバイスである。カメラ160は、例えば、カメラ160から撮影対象までの距離を検出できる深度カメラである。また、カメラ160は、読み取り機構として機能し、カードを収容する物体に付されたマーカを撮影して、マーカの情報を読み取ることができる。
【0072】
記憶部180は、例えばフラッシュメモリ等により構成され、端末装置10が使用するデータおよびプログラムを記憶する。記憶部180は、カード情報181と、デッキ情報182と、を記憶する。
【0073】
カード情報181は、ユーザが保持するカードの情報である。カードの情報は、例えば、カードの識別子、カードを収容する物体の識別子および当該カードが組み合わされたデッキの識別子の対応付けを含む。また、カード情報181は、カードに描かれるキャラクタや文字、記号、ゲームにおける効果、強さ、属性などの情報を含んでもよい。
【0074】
デッキ情報182は、TCGの対戦に使用するカードの組み合わせを示すデッキの情報である。デッキの情報は、例えば、デッキの識別子、当該デッキを構成するカードの識別子の対応付けを含む。また、デッキの情報は、デッキの識別子と、希望カード情報(後述)および/またはサブカード情報(後述)との対応付けを含む。
【0075】
制御部190は、記憶部180に記憶されるプログラムを読み込んで、プログラムに含まれる命令を実行することにより、端末装置10の動作を制御する。制御部190は、例えばアプリケーションプロセッサである。制御部190は、プログラムに従って動作することにより、入力操作受付部191と、送受信部192と、データ処理部193と、報知制御部194としての機能を発揮する。
【0076】
入力操作受付部191は、タッチセンシティブデバイス131等の入力装置に対するユーザの入力操作を受け付ける処理を行う。入力操作受付部191は、タッチセンシティブデバイス131に対してユーザが指などを接触させた座標の情報に基づき、ユーザの操作がフリック操作であるか、タップ操作であるか、ドラッグ(スワイプ)操作であるか等の操作の種別を判定する。
【0077】
送受信部192は、端末装置10が、サーバ20等の外部の装置と、通信プロトコルに従ってデータを送受信するための処理を行う。
【0078】
データ処理部193は、端末装置10が入力を受け付けたデータに対し、プログラムに従って演算を行い、演算結果をメモリ等に出力する処理を行う。
【0079】
データ処理部193は、ユーザが保持するカードの情報を取得し、記憶部180のカード情報181に記憶させる。カードの情報は、カードを識別することができる情報であり、ユーザが入力するカードの識別子(識別番号や、カードの名前など)により取得されてもよい。また、カードの情報は、データ処理部193が、ユーザがカメラ160によってカードを撮影した撮影画像を解析することにより取得してもよい。例えば、カードに表示された識別子や、キャラクタや文字、図形、その組み合わせなどを解析して、TCGで用いられるカードの情報を保有するサーバ20に解析結果を送信し、サーバ20からの回答に基づいて、撮影画像のカードを特定するようにしてもよい。
【0080】
また、データ処理部193は、カードを収容する物体に関する情報を取得する。例えば、ユーザがカメラ160によって収納袋や収納箱に付与されたマーカを読み取ることで、データ処理部193は、収納袋や収納箱を識別することができる情報を、カードを収容する物体に関する情報として取得する。
【0081】
データ処理部193は、カード情報181に記憶されたカードの情報と、カードを収容する物体に関する情報と、を対応付ける操作をユーザから操作受付部130を介して受け付けたことに応じて、カードの情報とカードを収容する物体に関する情報とを対応付けを行い、カード情報181に記憶させる。例えば、ユーザが保持するカードと、カードを収容する収容袋または収容箱とが対応付けられて記憶される。ユーザは、保有するカードとカードを収容する物体とを対応付けて記憶させることで、容易にカードの管理ができる。
【0082】
また、データ処理部193は、ディスプレイ132に表示させる表示画像を生成する処理を行う。例えば、データ処理部193は、収容する物体に関する情報を指定する操作をユーザから受け付けたことに応じて、指定された収容する物体に関する情報と対応付けられたカードの情報をユーザに提示する表示画像を生成する。ユーザは、これにより、指定した収容袋や収容箱に収容されているカードの情報を知ることができる。
【0083】
また、データ処理部193は、カメラ160が収容袋に関する情報を読み取ったことに応じて、当該収容袋に関する情報と、デッキの情報とを対応付けてカード情報181に格納する。例えば、カメラ160は、収納袋に関する情報として予め付与されている収納袋の識別子とデッキの識別子を読み取り、データ処理部193は、収納袋の識別子およびデッキの識別子を対応付けてカード情報181に記憶させる。そして、デッキの識別子と、当該識別子に対応付けられた収納袋と対応付けられたカードの情報をデッキの情報として生成し、デッキ情報182に格納する。ユーザは、収納袋を端末装置10のカメラ160で読み取ることで、容易にデッキの情報を管理することができる。
【0084】
この際、データ処理部193は、カメラ160が読み取った収容袋に関する情報が、カード情報181にカードの情報と対応付けて記憶されているか否かを判断する。すなわち、読み取った収納袋に予め付与されているデッキの識別子がすでに記憶されているか否かを判断する。カード情報181に記憶されていると判断した場合は、読み取った収納袋と対応付けられているカードを、デッキを構成するカードとして加え、デッキの情報を更新する。一方、カード情報181に記憶されていないと判断した場合は、上記のようにデッキの情報を生成するようにしてもよい。
【0085】
また、データ処理部193は、ユーザが保持しないカードの情報と、デッキの情報とを対応付ける操作をユーザから受け付けたことに応じて、デッキに規定された枚数に関わらず、デッキの情報に、保持しないカードの情報を希望カード情報として登録する。ユーザは、デッキの構成を考える際、保持しないカードを組み合わせたい場合がある。そこで、組み合わせたいカードを希望カード情報としてデッキの情報と対応付けて登録することで、メモとして機能させることができ、カードの購入や交換などによってカードを入手する際に有用である。
【0086】
また、データ処理部193は、ユーザが保持するカードの情報と、デッキの情報とを対応付ける操作をユーザから受け付けたことに応じて、デッキの情報に、当該保持するカードの情報をサブカード情報として登録する。デッキを構成するカード枚数は予め規定されており、ユーザはデッキの構成を考える際、規定枚数に従って保持するカードを組み合わせる必要がある。そこで、保持するカードのうちデッキに組み込む候補カードが複数ある場合は、候補カードをサブカード情報としてデッキの情報と対応付けて登録することで、メモとして機能させることができ、デッキの管理に有用である。
【0087】
報知制御部194は、表示画像をディスプレイ132に表示させる処理、音声をスピーカ142に出力させる処理、振動をカメラ160に発生させる処理を行う。
【0088】
<2.3 サーバ20の機能的な構成>
図6は、サーバ20の機能的な構成を示す図である。図6に示すように、サーバ20は、通信部201と、記憶部202と、制御部203としての機能を発揮する。
【0089】
通信部201は、サーバ20が外部の装置と通信するための処理を行う。
【0090】
記憶部202は、サーバ20が使用するデータ及びプログラムを記憶する。記憶部202は、ユーザ情報データベース281と、カード情報データベース282と、収容物体データベース283と、を記憶する。
【0091】
ユーザ情報データベース281は、端末装置10を保有する各ユーザのユーザ情報を保持するためのデータベースである。ユーザごとにカード情報やデッキ情報が格納される。
【0092】
カード情報データベース282は、TCGで用いられるカードの情報を保持するためのデータベースである。カードの情報は、例えば、カードの識別子と、カードに表示されるキャラクタや絵柄、図形、記号、文字、カードの強さ、効果などが対応付けられている。端末装置10は、カードの撮影画像を解析する際に、カード情報データベース282に問い合わせて、撮影画像を照会し、カードの情報を取得してもよい。また、端末装置10は、ユーザが入力したカードの情報が、TCGで用いられるカードであるか否かをカード情報データベース282に問い合わせて確認してもよい。また、カード情報データベース282において、カードそれぞれについて、大会等の対戦会で使用可能か否かの基準となる情報を保持することとしてもよい。例えば、対戦会ごとに、使用できるカードの基準が規定されている。当該基準は、複数種類、用意されていてもよい。端末装置10は、ユーザが入力したカードの情報が、対戦会において使用可能なものであるか否かをサーバ20に問い合わせ、サーバ20が、カード情報データベース282を参照して、カードが対戦会において使用可能であるか否かを応答することとしてもよい。
【0093】
収容物体データベース283は、カードを収容する物体であって、例えばマーカが付与されている物体の情報を保持するためのデータベースである。収容する物体に関する情報は、収容する物体の識別子と、収容袋や収容箱に表示されるキャラクタや絵柄等の画像、収容箱に収容できるカード枚数などが対応付けられている。
【0094】
制御部203は、サーバ20のプロセッサがプログラムに従って処理を行うことにより、各種モジュールとして示す機能を発揮する。
【0095】
操作内容取得モジュール2041は、サーバ20が端末装置10に対し保持するカードの情報の入力を受け付ける場合に、ユーザの操作内容を取得する。
【0096】
受信制御モジュール2042は、サーバ20が外部の装置から通信プロトコルに従って信号を受信する処理を制御する。
【0097】
送信制御モジュール2043は、サーバ20が外部の装置に対し通信プロトコルに従って信号を送信する処理を制御する。
【0098】
<2.4 データ構造>
図7は、端末装置10が記憶するカード情報181、およびデッキ情報182のデータ構造を示す図である。
【0099】
図7に示すように、カード情報181は、項目「カードID」と、項目「番号(No.)」と、項目「収容物体ID」と、項目「デッキID」とを含む。
【0100】
項目「カードID」は、ユーザが保持するカードを識別するための情報である。項目「番号(No.)」は、ユーザが複数の同一のカードを保持する場合に、当該同種のカードそれぞれを区別するための情報である。アナログTCGにおいて、同一のカードを複数枚デッキに編成することが許容されていることもある。また、ユーザは、同一のカードを複数枚保持しており、それぞれ、異なるデッキに編成させることもある。項目「収容物体ID」は、カードを収容する物体を識別するための情報である。項目「デッキID」は、デッキを識別するための情報である。
【0101】
例えば、端末装置10を保有するユーザは、カードID「#0001」,「#0122」,「#0323」,「#0014」,「#1235」,「#3216」,「#0016」,「#7D1f」,「#0021」・・・が付与されているカードを保有している。各カードIDには、収容物体ID「#a01」,「#a02」,「#b01」,「#A」,「#a03」,「#a12」,「#b03」,「#A」,「#b02」・・・がそれぞれ対応付けられている。図7の例では、小文字アルファベットおよび数字から構成されるIDは収容袋を、大文字アルファベットで構成されるIDは収容箱を示している。
【0102】
収容袋のIDのうち、小文字アルファベットが同じものは、同一デッキを示している。例えば、収容物体ID「#a01」と「#a02」は、共通する小文字アルファベット「a」を含んでおり、デッキID「#a」と対応付けられている。すなわち、収容物体ID「#a01」,「#a02」,「#a03」,「#a12」と対応付けられるカードID「#0001」,「#0122」,「#1235」,「#3216」は、デッキID「#a」とも対応付けられており、同一デッキ(デッキa)に組み合わされたカードであることを示している。
【0103】
また、カードID「#0001」のカードについては、項目「番号(No.)」において、番号「001」と番号「002」の2枚のカードをユーザが保有していることを示している。当該カードID「#0001」のカードについて、番号「001」のカードは収容物体ID「#a01」の物体に収容され、デッキID「#a」に編成されている。また、番号「002」のカードは収容物体ID「#c01」の物体に収容され、デッキID「#c」に編成されている。例えば、端末装置10は、カードを収容する収容袋を識別する情報と、カードを識別する情報とを読み取ることにより、カード情報181にレコードを登録する。このとき、端末装置10は、既にカード情報181において登録済みのカードの識別情報を読み取ることにより、ユーザが同一のカードを複数枚保持しているとして、当該カードについて、複数枚保持している各カードを区別できるよう項目「番号(No.)」の値を決定する。
【0104】
また、収容物体ID「#b01」,「#b03」,「#b02」と対応付けられたカードID「#0323」,「#0016」,「#0021」は、デッキID「#b」と対応付けられており、同一デッキ(デッキb)に組み合わされたカードであることを示している。
【0105】
一方、収容物体ID「#A」(収容箱A)に対応付けられたカードID「#0014」,「#7D1f」は、項目「デッキID」が「-」(NULL)であり、デッキを構成するカードではないことを示している。
【0106】
デッキ情報182は、項目「デッキID」と、項目「デッキカード」と、項目「希望カードID」と、項目「サブカードID」とを含む。
【0107】
項目「デッキID」は、上述したように、デッキを識別するための情報である。
【0108】
項目「デッキカード」は、デッキを構成するカードを識別するための情報である。つまり、項目「デッキカード」は、デッキに登録されているカードである。なお、項目「デッキカード」に示されるカードの情報は、カード情報181における項目「カードID」と対応付けられている。そのため、端末装置10は、カード情報181とデッキ情報182とにより、デッキに編成されているカードそれぞれの所在(どの収容物体に収容されているか)を特定することができる。
【0109】
項目「希望カードID」は、ユーザがデッキに組み込みたいカード(希望カード)を識別するための情報である。希望カードとしては、ユーザが保持しないカードとしてもよいし、デッキに組み込まれているカードではあるがデッキに同一のカードを編成できる最大の枚数には達しておらずデッキに追加できる余地があるカードとしてもよい。すなわち、希望カード情報が示すカードは、カード情報181には含まれないカードであることもある。端末装置10は、ユーザから、デッキを識別するための情報と関連付けて、希望カードを指定する操作を受け付けることにより、デッキ情報182において、当該デッキを識別するための情報(項目「デッキID」)と関連付けて、項目「希望カードID」を更新する。つまり、端末装置10は、ユーザが指定した希望カードを識別する情報を、項目「希望カードID」において保持する。端末装置10は、デッキを識別する情報と関連付けて、当該デッキを構成するカード(項目「デッキカード」の情報)と、希望カードとを画面に表示する。ユーザはデッキに登録した希望カードの情報を参照することで、デッキの構築のために新たに所有する必要があるカードを容易に把握することができる。
【0110】
項目「サブカードID」は、ユーザが保持するカードであって、ユーザがデッキに組み込みたいカード(サブカード)を識別するための情報である。すなわち、サブカード情報が示すカードは、カード情報181に含まれるカードである。また、サブカード情報は、他のデッキに既に組み込まれているカードであり、サブカードが示すカードの物理的な所在は、サブカード情報が対応付けられているデッキではない。端末装置10は、デッキを識別する情報と関連付けて、当該デッキを構成するカード(項目「デッキカード」の情報)と、サブカードとを画面に表示する。以上のように、端末装置10において、希望カードとサブカードが別に管理されているため、ユーザはデッキに登録したサブカードの情報を参照することで、デッキの構築に必要なカードを新たに手に入れる必要がないことと、どのデッキを探せば所望のカードが見つかるかを容易に把握することができる。
【0111】
図7の例では、デッキID「#a」は、カードID「#0011」,「#0122」,「#1235」,「#3216」・・・と対応付けられており、デッキaがカードID「#0011」,「#0122」,「#1235」,「#3216」・・・で識別されるカードの組み合わせで構成されることを示している。また、デッキID「#a」は、希望カードID「#1100」,「#0102」およびサブカードID「#0014」と対応付けられている。したがって、「#1100」,「#0102」はユーザが所持していないカードであることを容易に把握できる。
【0112】
また、デッキID「#b」についても同様に、項目「デッキカード」、項目「希望カードID」および項目「サブカードID」が対応付けられているが、この例では、項目「希望カードID」が「-」(NULL)であり、希望カード情報は登録されていないことを示している。一方で、サブカードID「#0122」が対応付けられているが、このサブカードは、デッキID「#a」にデッキカードとして対応付けられている。ユーザがこの情報を参照することで、デッキID「#b」でゲームをプレイしたい場合には、どのデッキとも対応付けれていない「#0014」をデッキに組み込み、且つ、デッキID「#a」を探すことで「#0122」を組み込めば良いことを容易に把握することができる。
【0113】
<3 動作>
以下、ユーザがTCGで使用する複数のカードを管理する処理を説明する。
【0114】
図8は、ユーザがカードを管理する処理の一例を示すシーケンス図である。なお、各処理の順序は図8で示す例に限られないことはいうまでもない。
【0115】
ステップS601において、端末装置10は、カメラ160によりカードの情報を読み取り、読み取ったカードの情報を記憶部180のカード情報181に記憶する。なお、端末装置10は、カードの情報を読み取るために、光学的な読み取り手段(カメラ160によりカードを撮影する等)の他に、音声による読み取り手段を用いることとしてもよい。例えば、端末装置10は、マイク141により、ユーザからの音声入力を受け付ける。当該音声入力は、カードを識別する情報をユーザが読み上げた音声をマイク141により受け付けることを含む。端末装置10は、例えば、ユーザが、カードに対応付けられているキャラクター名、当該キャラクターのパラメータ、スキルなどカードに記載されている情報を読み上げることで発する音声をマイク141により取得する。端末装置10は、取得した音声に対し、カードに記載され得る用語(キャラクター名、スキル名、各種パラメータ量(体力値など))の情報に基づいて音声認識処理を行うことで、音声入力に基づきカードの情報をカード情報181に記憶させることができる。例えば、端末装置10は、ユーザが保持するカードとして、読み取ったカードの情報に基づき、カードID(識別子)を記憶する。また、カードの情報をサーバ20に送信する。
【0116】
ステップS651において、サーバ20は、受信したカードの情報を、ユーザが保持するカードとして、ユーザを識別するユーザIDとカードIDとを対応付けてユーザ情報データベース281に記憶する。なお、ここで、サーバ20は、カード情報データベース282にTCGの対戦で使用されるカードとして予め登録されているカードの情報と照合して、端末装置10が読み取ったカードが予め登録されているカードであるか否かをチェックするようにしてもよい。カードが登録されていないカードである場合は、端末装置10に例えば「エラー(誤認識)」などの通知をしてもよい。また、カードが登録されている場合は、カードの情報として、カードに表示されるキャラクタや、カードの強さなどの情報を端末装置10に送信するようにしてもよい。また、ステップS601およびステップS651は、ユーザが保持するカードすべてを記憶部に記憶させるまで繰り返し行うように構成してもよい。
【0117】
ステップS603において、端末装置10は、カードを収容する物体に付与されているマーカを読み取り収容する物体の識別子を取得する。そして、収容する物体の識別子をサーバ20に送信する。
【0118】
ステップS653において、サーバ20は、収容する物体の識別子と、収容物体データベース283に格納された情報とを照合し、収容する物体に関する情報を端末装置10に送信する。例えば、収容する物体の識別子と対応付けられている収容物体に表示されるキャラクタや絵柄、収容物体を示す画像データなどが送信される。図8の例では、サーバ20は、照合の結果、収容する物体が収容袋であると判断し、収容袋の情報を端末装置10に送信する。端末装置10は、受信した情報に基づき、収容袋をディスプレイに表示などしてユーザに提示する。
【0119】
ステップS605において、端末装置10は、ユーザから、カード情報181に記憶されたカードIDと、上記提示された収容袋とを対応付ける操作を受け付ける。ここで、端末装置10は、収容袋に関する情報がカード情報181に記憶されているか否かを判断する。具体的には、収納袋に予め付与されているデッキの識別子がカード情報181に記憶されているか否かを判断する。
【0120】
ステップS607において、端末装置10は、デッキの識別子が記憶されていないと判断した場合は、読み取った収容袋に関する情報に基づき、カードIDと、収容袋IDおよびデッキIDとを対応付けてカード情報181に記憶する。さらに、デッキIDと、カードIDとを対応付けたデッキ情報を生成し、デッキ情報182に格納する。
【0121】
一方、デッキの識別子が記憶されていると判断した場合は、収納袋のIDと対応付けられたカードIDを、デッキを構成するカードとして追加し、デッキ情報182を更新する。
【0122】
ステップS655において、サーバ20は、ステップS607において生成または更新されたデッキ情報をユーザ情報データベース281に記憶する。
【0123】
ステップS609において、端末装置10は、ステップS605の操作に応じて、カードIDと収容袋IDとを対応付けてカード情報181に記憶し、当該対応付けをサーバ20に送信する。
【0124】
ステップS657において、サーバ20は、カードIDと収容袋IDとを対応付けてユーザ情報データベース281に記憶する。
【0125】
以上のように、ユーザは保持するカードと、収容物体およびデッキとを対応付けて記憶させ、カードを管理することができる。
【0126】
図9は、ユーザが希望カード情報またはサブカード情報を登録してデッキ情報を更新する処理の一例を示すシーケンス図である。
【0127】
ステップS701において、端末装置10は、ユーザからカードIDとデッキIDとを対応付ける操作を受け付ける。端末装置10は、ユーザが入力した識別子や、撮影画像などからカードIDを取得してもよい。
【0128】
ステップS703において、端末装置10は、カード情報181を参照して、ステップS701のカードIDが、ユーザが保持するカードか否かを判断する。
【0129】
ステップS705において、端末装置10は、ステップS703においてユーザが保持しないカードであると判断した場合は、当該カードIDを希望カード情報としてデッキIDと対応付け、デッキ情報を更新する。一方、ユーザが保持するカードであると判断した場合は、当該カードIDをサブカード情報としてデッキIDと対応付け、デッキ情報を更新する。端末装置10は、更新したデッキ情報をサーバ20に送信する。
【0130】
ステップS751において、サーバ20は、受信した情報に基づき、デッキ情報を更新する。
【0131】
以上のように、ユーザは、デッキと希望カード情報およびサブカード情報とを対応付けて記憶させ、デッキの管理を行うことができる。
【0132】
図10は、ディスプレイに表示されたカードおよび収容する物体に対して、ユーザが行う操作の一例を示した図である。
【0133】
図10(A)は、カードと収納袋とを対応付ける操作の一例であり、図10(B)は、収容する物体に対応付けられたカードをユーザに提示する画面例である。
【0134】
図10(A)において、端末装置10のディスプレイ130には、カメラ160で読み取ったカード301と、記憶部に記憶されている複数の収容袋302と複数の収容箱303とが示されている。
【0135】
ユーザは、例えばカード301を指などで矢印の方向へドラッグして移動させることで、収容袋302と対応付けることができる。図10(A)では、「カード#0001」と「収容袋#a01」とが対応付けられる。また、カード301を収容袋302の表示されている位置まで移動させ、所定時間指を抑えた状態のままにすると、一番手前の収容袋(この例の場合、「収容袋#a01」)に代わって、後列に配置される複数の収容袋が順に表示され、ユーザは対応付けを希望する収容袋が表示されたタイミングでカード301を抑えていた指をディスプレイから離すことにより、カード301と収容袋302とを対応付けるように構成してもよい
【0136】
図10(B)において、端末装置10のディスプレイ130には、収容袋302に収容されているカード312、収容箱303に収容されているカード群313が示されている。
【0137】
ユーザは、例えば収容袋302や収容箱303を指などでタップすることで、収容袋302や収容箱303が、どのカードと対応付けられているか(すなわち、どのカードを収容しているか)表示させることができる。また、収容袋302の位置に、所定時間指を抑えた状態のままにすると、一番手前の収容袋(この例の場合、「収容袋#b03」)に代わって、後列に配置される複数の収容袋が順に表示され、ユーザは収容されているカードの提示を希望する収容袋が表示されたタイミングで収容袋302を抑えていた指をディスプレイから離すことにより、指を話したタイミングで一番手前に表示されていた収容袋302と対応付けられたカードを提示するよう構成してもよい。
【0138】
<変形例>
(1)上記の実施形態の説明では、図3において、カードを収容する物体(収容袋96)にマーカ97を付与しておき、端末装置10のカメラ160等で撮影をすることでマーカ97の情報を読み取る例を説明した。つまり、収納袋や収納箱に付与されたマーカを読み取ることで、カードを収容する物体それぞれを特定可能にしている。
【0139】
この他に、端末装置10が、カードを収容する物体の外観(デザイン、絵柄)を特定して、当該物体の種類を識別するに留まり、同種類の当該物体のそれぞれについては識別しないこととしてもよい。例えば、収容袋96において、カードの情報が表示される面(おもて面)を覆う被覆部材については透明もしくは半透明の材料を用いつつ、カードの情報が表示されない面(おもて面とは反対側の裏面)を覆う被覆部材については、模様、背景、キャラクタなどが描かれているものがあるとする。例えば、ユーザは、販売店等において、同一のデザインの収容袋が複数枚封入された商品を購入する。
【0140】
端末装置10は、収容袋96の当該被覆部材をカメラ160等で撮影することにより、収容袋96それぞれのデザインを認識することができる。
【0141】
ここで、ユーザは、デッキを構成するカードについて、同一のデザインの収容袋96に収容するとする。これにより、端末装置10は、収容袋96のデザインの認識結果を、デッキを特定する情報として管理することができる。つまり、端末装置10は、第1のデザインの収容袋96と、第1のデザインの複数の収容袋96にそれぞれ収容されるカードとを対応付けて1つのデッキとして管理する。端末装置10は、図7のカード情報181において、項目「カードID」と、収容袋96のデザインの読み取り結果(デッキID)とを対応付けて管理することとしてもよい。
【0142】
また、ユーザが、収容袋96のデザインと、当該デザインに対応するデッキとを確認することを容易にするよう、端末装置10等においてこれら収容袋96のデザインおよび当該デザインに対応するデッキの情報を確認できるようにしてもよい。
【0143】
例えば、端末装置10は、収容袋96のデザインと、当該デザインに対応するデッキとをディスプレイ132に表示することとしてもよい。例えば、ユーザが、複数のデッキと、各デッキに対応する収容袋96のデザインとを端末装置10に登録しているとする。端末装置10は、ディスプレイ132に、デッキとして登録している収容袋96のデザインを示す画像のそれぞれを並べる等により表示する。端末装置10は、ユーザから、収容袋96のデザインを指定する入力操作を受け付けており、当該入力操作に応答して、当該デザインに対応するデッキを構成するカードの情報(カードの絵柄、カードに設定される各種パラメータ等)をディスプレイ132に表示する。なお、端末装置10は、1画面において、収容袋96のデザインを指定するための入力操作を受け付ける領域と、当該指定されたデザインに対応するデッキを構成するカードの情報を表示するための領域とをともに表示してもよい。
【0144】
これにより、ユーザは、収容袋96のデザインが、どのデッキに対応しているかをよりいっそう容易に認識することができる。例えば、対戦会等において、ユーザが端末装置10を操作してデッキの内容を確認しつつ、TCGの対戦で使用する収容袋96のデザインを把握することが容易になる。
【0145】
また、サーバ20において、各ユーザの収容袋96のデザインと、各デザインに対応するデッキの情報とを管理することとしてもよい。これにより、端末装置10が、ユーザから、対戦会等で対戦をした他のユーザの収容袋96のデザインに基づいて、当該他のユーザのデッキの情報を参照できる操作を受け付けることとしてもよい。
【0146】
例えば、対戦会等において、各ユーザが、予めデッキの情報をサーバ20等に登録しているとする。端末装置10は、サーバ20に対し、端末装置10のユーザとは異なる他のユーザの収容袋96のデザインおよび当該デザインに対応するデッキの情報を要求する。サーバ20は、当該要求に応答して、端末装置10に対し、各ユーザの収容袋96のデザインおよび当該デザインに対応するデッキの情報を送信する。これにより、ユーザは、他のユーザが対戦時に使用していた収容袋96のデザインを手掛かりとして、対戦相手のユーザのデッキの情報を参照することができる。
【0147】
(2)以上の実施形態の説明では、カードを収納袋または収納箱に収納するものとしているが、これに限らず、収納袋に収容されたカードを収容箱に収容するようにしてもよい。これにより、収納箱に収納するために、収容袋からカードを出し入れする必要がなくなり、ユーザに煩雑さを感じさせることなく、容易にカードの管理を行うことができる。
【0148】
上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0149】
5A,5B ユーザ、10A,10B 端末装置、12 通信IF、13 入出力IF、15 メモリ、16 ストレージ、19 プロセッサ、20 サーバ、22 通信IF、23 入出力IF、25 メモリ、26 ストレージ、29 プロセッサ、30 TCG用品(マット)、31A,31B 山札配置部、32A,32B 準備カード配置部、33A,33B 勝敗条件カード配置部、34A,34B バトルカード配置部、35A,35B 消費カード配置部、80 ネットワーク、81 無線基地局、82 無線LAN基地局、130 操作受付部(タッチスクリーン)、132 ディスプレイ、181 カード情報、182 デッキ情報、281 ユーザ情報データベース、282 カード情報データベース、283 収容物体データベース

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10