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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】情報処理装置、方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 1/06 20060101AFI20221129BHJP
   A63F 13/80 20140101ALI20221129BHJP
   A63F 13/20 20140101ALI20221129BHJP
   A63F 13/45 20140101ALI20221129BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20221129BHJP
   A63F 13/795 20140101ALI20221129BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20221129BHJP
【FI】
A63F1/06 Z
A63F13/80 B
A63F13/20 A
A63F13/45
A63F13/79
A63F13/795
G06Q50/10
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2019238596
(22)【出願日】2019-12-27
(65)【公開番号】P2021106662
(43)【公開日】2021-07-29
【審査請求日】2021-11-30
(73)【特許権者】
【識別番号】504440133
【氏名又は名称】株式会社ポケモン
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】新藤 貴行
(72)【発明者】
【氏名】小川 慧
(72)【発明者】
【氏名】寺田 佑貴
【審査官】佐藤 洋允
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-103583(JP,A)
【文献】特開2019-072245(JP,A)
【文献】特開2002-301264(JP,A)
【文献】特開2018-089123(JP,A)
【文献】特開2007-260012(JP,A)
【文献】特開2014-183952(JP,A)
【文献】特開2014-113271(JP,A)
【文献】特開2013-192855(JP,A)
【文献】特開2010-000115(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 1/00- 5/04
A63F 13/00-13/98
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部と、記憶部とを備え、TCG(Trading Card Game)の対戦会の運営を支援するための情報処理装置であって、前記制御部が、
記対戦会に参加する複数の参加者のうち、第1ユーザと、当該第1ユーザと対戦る対戦相手として第2ユーザを決定するステップと、
前記第1ユーザと前記第2ユーザの勝敗情報の登録前に、複数の前記参加者それぞれが登録した、前記対戦会で使用するトレーディングカードの組み合わせであるデッキについてのデッキ情報のうち、前記第2ユーザの前記ッキ情報に関連する情報を前記第1ユーザに提示するステップと、
前記第1ユーザに提示するステップによる提示の後に、前記デッキ情報に含まれる前記第1ユーザのデッキから、前記第2ユーザとの対戦に使用するデッキの指定を前記第1ユーザから受け付けるステップと
実行る、情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、
複数の前記参加者から、前記ッキ情報を、前記対戦会の開催期間以前のタイミングにおいて受け付けるステップと、
受け付けた前記ッキ情報を複数の前記参加者と関連付けて記憶るステップと
を実行
所定の条件の成立後において、複数の前記参加者の操作にかかわらず、ッキ情報を複数の前記参加者に変更させない、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第2ユーザを含む他のユーザの操作にかかわらず、前記第1ユーザ前記ッキ情報を、前記第1ユーザに変更させない、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記TCGの前記対戦において使用されるカードが配置される範囲をセンシングするセンシング機構センシングされたデータの解析結果に基づいて、ッキ情報として記憶されたデッキに含まれるカードと異なるカードが使用されたことを検出するステップを実行る、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記デッキ情報に関連する情報を提示するステップにおいて、記第1ユーザと前記第2ユーザとのマッチングが完了したことに応答して、前記第1ユーザに前記第2ユーザのデッキ情報に関連する情報を提示し、前記第2ユーザに前記第1ユーザのデッキ情報に関連する情報をする求項1から請求項4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記ッキ情報に関連する情報を示するステップにおいて、記複数のデッキそれぞれの一部の情報を提示する、請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記複数のデッキそれぞれの一部の情報は、複数のデッキそれぞれに編成されたカード内の特定の種類のカードである、請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記複数のデッキそれぞれの一部の情報は、対戦会の運営者および/または対戦するユーザによって指定される、請求項6または請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記複数のデッキそれぞれの一部の情報は、複数のデッキそれぞれに編成されたカードが示す情報の一部である、請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記複数のデッキそれぞれの一部の情報は、前記複数のデッキそれぞれと、他のデッキとの相性の情報である、請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記相性を、前記デッキに編成されたカードの組み合わせ、または、前記デッキの過去の対戦成績の履歴に基づいて判定する、請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記制御部は、対戦に使用するデッキの指定を前記第1ユーザから受け付けると、前記第2ユーザの端末に、前記第1ユーザが指定したデッキの情報を保持させるステップを実行する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記ッキ情報として、前記対戦に使用できる少なくとも一の非制限デッキの情報と、前記対戦に使用できない少なくとも一の制限デッキの情報を含み、
前記デッキ情報に関連する情報を提示するステップにおいて、前記第1ユーザに対し、前記非制限デッキと前記制限デッキとを区別なく提示する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記制限デッキの情報は、ユーザの操作によるカード選択操作なしに生成する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項15】
プロセッサと、メモリとを備え、TCG(Trading Card Game)の対戦会の運営を支援するためのコンピュータに実行される方法であって、前記プロセッサが、
記対戦会に参加する複数の参加者のうち、第1ユーザと、当該第1ユーザと対戦する対戦相手としての第2ユーザを決定するステップと、
複数の前記参加者それぞれが登録した、前記対戦会で使用するトレーディングカードの組み合わせであるデッキについてデッキ情報のうち、前第2ユーザのデッキ情報に関連する情報を前記第1ユーザに提示するステップと、
前記ッキに含まれる前記第1ユーザのデッキから、前記第2ユーザとの対戦に使用するデッキの指定を前記第1ユーザから受け付けるステップと
実行する、方法。
【請求項16】
プロセッサと、メモリとを備え、TCG(Trading Card Game)の対戦会の運営を支援するためのコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記プログラムは、前記プロセッサに、
前記対戦会に参加する複数の参加者のうち、第1ユーザと、当該第1ユーザと対戦する対戦相手としての第2ユーザを決定するステップと、
複数の前記参加者それぞれが登録した、前記対戦会で使用するトレーディングカードの組み合わせであるデッキについてデッキ情報のうち、前第2ユーザのデッキ情報に関連する情報を前記第1ユーザに提示するステップと、
前記ッキに含まれる前記第1ユーザのデッキから、前記第2ユーザとの対戦に使用するデッキの指定を前記第1ユーザから受け付けるステップと
実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが現実のカードを使用して対戦を行うTCGが知られている。例えば、特許文献1には、所定の対戦能力を持つ複数のカードを使用して、相手カードとの攻防を繰り返し、最終的にカードの体力をゼロにすることによって勝敗を競うカードゲーム玩具が開示されている。TCGでは、ユーザはカードを収集し、収集したカードの中から、対戦に使用するカードを編成する。当該編成をすることについて、「デッキを編成する」と称されることも一般的であるといえる。
【0003】
TCGのユーザは、現実世界でユーザ同士が互いにカードを編成したデッキを持ち寄って、対戦を行う。このようなTCGを盛り上げるために、TCGのカードを提供する事業者や、カードを販売する店舗等が、対戦会を行うことがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2001-204874号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
デッキに編成されるカードには、相性やカードの効果など様々なパラメータが設定されている。ユーザは、これらの各カードに設定されたパラメータを考慮しながら、複数のカードの組み合わせを検討する。例えば、デッキに組み入れられたカードの種類によっては、特定のデッキに対して相性がよいデッキが存在し得る。このようなカード間の有利不利を考慮しながらデッキを編成することに興趣性がある。
【0006】
対戦会では、予め、ユーザが使用するデッキを1つ登録したうえで、ユーザ同士の対戦を進行させていることがある。これにより、ユーザ間の勝敗結果を集計した際に、編成されたデッキの勝率を、対戦会の運営者等が把握することが容易になる。
【0007】
しかし、対戦会のように、事前に1種類のデッキを登録したうえで対戦に臨む際、デッキの相性により、あるプレイヤにとっては、別のプレイヤのデッキに勝利することが困難な事態が生じうる。すなわち、マッチングにより対戦相手のユーザが決定した段階で、勝敗の趨勢がおおよそ定まってしまうことがあり得る。
【0008】
したがって、ユーザが編成したデッキを持ち寄って対戦をする対戦会において、マッチングした対戦相手との対戦の展開を、よりいっそう多様化することができる技術が必要とされている。
【0009】
本開示は、上記課題を解決すべくなされたものであって、その目的は、対戦会における対戦の展開を、よりいっそう多様化する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一実施形態によると、TCG(Trading Card Game)の対戦会の運営を支援するための情報処理装置が提供される。情報処理装置は、対戦会に関する対戦会情報と、対戦会に参加する各ユーザの対戦情報を管理しており、対戦会情報に対応付けて、ユーザが対戦会で使用可能な複数のデッキの情報を登録デッキ情報として記憶するように構成されており、情報処理装置の制御部は、一のユーザと対戦をする対戦相手のユーザを決定するステップと、一のユーザと対戦相手のユーザの勝敗情報の登録前に、対戦相手のユーザの登録デッキ情報に関連する情報を一のユーザに提示するステップと、ユーザに提示するステップによる提示の後に、一のユーザの登録デッキ情報のうち、対戦に使用するデッキの指定を一のユーザから受け付けるステップと、対戦をする各ユーザがデッキの指定をしたことに応答して、管理される対戦情報を更新させるステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、デッキを編成して対戦を行うものにおいて、対戦の展開を、よりいっそう多様化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施の形態1の支援システム1の構成を示す図である。
図2】各ユーザが支援システム1を用いてTCGの対戦を進行させている局面を示す図である。
図3】支援システム1の全体の構成を示す図である。
図4】実施の形態1の支援システム1を構成する端末装置10のブロック図である。
図5】サーバ20の機能的な構成を示す図である。
図6】サーバ20が記憶するユーザ情報データベース281、マッチング履歴データベース282、および対戦履歴データベース283のデータ構造を示す図である。
図7】ユーザ同士の対戦を端末で解析し、解析結果に応じてTCGの対戦の進行を支援するための通知を行う処理を示すフローチャートである。
図8】端末装置10Bが、対戦中にルールに適合しない行為が行われたことをユーザに通知する局面を示す図である。
図9】TCGの対戦の進行を支援するために、TCG用品30に対して端末装置10を配置する他の配置例を示す図である。
図10】各ユーザが端末を用いてTCGの対戦を進行させる処理を示す図である。
図11】カード情報286と、対戦会データベース287のデータ構造を示す図である。
図12】対戦会エントリー情報288と、マッチング履歴データベース282Cと、対戦履歴データベース283Cのデータ構造を示す図である。
図13】実施の形態2における各装置の動作を示す図である。
図14】第2の実施の形態における端末装置10の画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0014】
以下の実施形態では、ユーザがTCG(Trading Card Game)の対戦を行う際、支援システム1がTCGの対戦の進行を支援する技術について説明する。また、このようにユーザ間のTCGの対戦を支援することにより、多数のユーザでTCGの対戦を行う対戦会(大会など)の運営を容易にする技術を説明する。このように対戦の進行を支援するために、以下の実施形態では、ユーザが保持する携帯端末を使用してTCG用品をセンシングすることにより、ユーザ間のTCGの対戦で起きている事象を特定すること、特定した内容に基づいてユーザに所定の情報を通知すること等を説明する。
【0015】
TCGの対戦の進行を支援することとしては、具体的には以下の内容が含まれる。
【0016】
(1)対戦前の準備段階として、例えば、(i)対戦するユーザのマッチングを行うこと、(ii)各ユーザに、対戦相手と、対戦を行う場所を案内すること、(iii)システムを利用して対戦を行う際、カードを配置するためのTCG用品(例えば、マット、シート状のものが使用される)に対しユーザの端末でセンシングを行うにあたり、センシングに適したユーザ端末の位置をユーザに通知すること、等が含まれる。
【0017】
(2)対戦中の段階として、例えば、(i)TCG用品においてカードを配置すべき位置をユーザに通知すること、(ii)TCGで対戦を行う際のルールをユーザに通知すること、(iii)ユーザが各カードを配置して、相手方のカードを攻撃したり、攻撃を受けたり、パラメータをアップさせる等の効果を発動させた場合に、カードのパラメータの変動を計算してユーザに通知すること、(iv)TCGの対戦の進行状況(各ユーザが勝利条件にどれだけ近づいているか等)をユーザに通知すること、(v)各ユーザが、TCGのルールに適合しない行為(例えば、特定のカードが使用できないタイミングでカードを使用したこと、対戦会等のルールで禁止されているカードを使用したこと、対戦会で事前に使用するカードを登録するルールであるにも関わらず登録申請していないカードを使用したこと等)を行ったことを通知すること、(vi)TCGのルールに適合しない行為とまでは言えないがTCGの対戦を行うための規範を守るよう促すこと(例えば、TCG用品において、カードを配置すべき位置にユーザが乱雑に配置しないようユーザに促すこと等がある。例えば、カードを配置すべき位置がTCG用品において枠などで示されているとする。この場合に、端末が、TCG用品の撮影画像を解析することで、これら枠を無視してユーザがカードを配置していることを検出すると、ユーザに対し、カードを乱雑に配置しないよう注意を促す通知をすることとしてもよい。このとき、規範を守ってTCGの対戦を行うことで、当該行為を評価することをユーザに通知してもよい。)等が含まれる。
【0018】
(3)対戦終了後の段階として、例えば、(i)ユーザが次に対戦する対戦相手をマッチングすること、(ii)対戦中の各ユーザのプレイ内容を評価して、ユーザの熟練度を評価する(ユーザがターンを進行させるまでの時間、ルールの熟知度合い等に基づき評価する)こと、(iii)ユーザが登録するデッキ(TCGの対戦に使用するカードの組み合わせ)の内容、ユーザの熟練度の評価結果などに基づいて、ユーザの対戦相手をレコメンドすること、当該対戦相手との対戦をマッチングさせること、(iv)ユーザがTCGの対戦を行うための規範を守ってプレイしたことを評価してユーザに通知すること(例えば、TCG用品においてカードを配置するための枠などに対し、ユーザが枠に従ってカードを適切に配置したことを、端末が、TCG用品の撮影画像を解析すること等により評価する。端末が、ユーザに対し、当該評価結果を、例えばフェアプレーポイント等として通知する)、等が含まれる。
【0019】
<1 構成>
図1は、実施の形態1の支援システム1の構成を示す図である。図2は、各ユーザが支援システム1を用いてTCGの対戦を進行させている局面を示す図である。
【0020】
図1の状態(A)は、ユーザが支援システム1を利用してTCGの対戦を準備する局面を示す図である。図1の状態(B)は、ユーザがTCG用品に対してユーザの端末とユーザのカードとを配置して、TCGの対戦を開始しようとする局面を示す。
【0021】
図2の状態(A)は、ユーザが山札から手札を加えつつTCGの対戦を進行させている局面を示す。図2の状態(B)は、TCGの対戦の進行状況を、端末装置10Bによりユーザに通知する局面を示す図である。図2の状態(C)は、ユーザがTCGの対戦を終えることにより、ユーザの端末が次の対戦相手と対戦場所とをユーザに通知する局面を示す図である。
【0022】
<1.1 TCG用品30の構成>
まず図1を参照して、各ユーザがTCGの対戦で使用する各種用品について説明する。図1の状態(A)に示すように、第1のユーザ(ユーザ5A)と、第2のユーザ(ユーザ5B)とが、TCGの対戦を開始するにあたり、ユーザ5Aとユーザ5Bとの間にTCG用品30を配置する。TCG用品30は、各ユーザがTCGの対戦で使用するカードを配置するためのものである。
【0023】
各ユーザは、TCG用品にカードを配置して、カードを山札から手札に加えつつTCGの対戦を進行させる。まず、TCG用品30の構成について説明すると、TCG用品30は、山札配置部31Aおよび山札配置部31B(以下、「山札配置部31」と総称することもある)と、準備カード配置部32Aとおよび準備カード配置部32B(以下、「準備カード配置部32」と総称することもある)と、勝敗条件カード配置部33Aおよび勝敗条件カード配置部33B(以下、「勝敗条件カード配置部33」と総称することもある)と、バトルカード配置部34Aおよびバトルカード配置部34B(以下、「バトルカード配置部34」と総称することもある)と、消費カード配置部35Aおよび消費カード配置部35B(以下、「消費カード配置部35」と総称することもある)と、二次元コード36とを含む。
【0024】
また、図2に示すように、TCGの対戦において、各ユーザは、山札から手札を補充しつつカード同士のバトルを進行させる。図2の例では、第1のユーザ(ユーザ5A)は、手札93A(図2の例では2枚の手札)を有している。第2のユーザ(ユーザ5B)は、手札93B(図2の例では3枚の手札)有している。
【0025】
山札配置部31は、各ユーザがデッキとして編成したカードのうち、山札を配置するための領域である。山札配置部31Aは、ユーザ5Aが山札を置くための領域である。山札配置部31Bは、ユーザ5Bが山札を置くための領域である。
【0026】
図1の状態(B)に示すように、各ユーザがTCGの対戦を開始するにあたり、まず、山札配置部31に、各ユーザのカードを山札として配置する。山札配置部31は、ユーザが山札を配置するための領域である。各ユーザは、デッキを構成する各カードを混ぜて、カードを裏向きにして山札配置部31に配置する。ユーザ5Aは、山札配置部31Aに山札91Aを配置する。ユーザ5Bは、山札配置部31Bに山札91Bを配置する。
【0027】
準備カード配置部32は、対戦相手のカードとバトルをすることができるカードを配置するための領域である。各ユーザは、準備カード配置部32に配置されているカードと、バトルカード配置部34に配置されているカードとを入れ替えつつ、バトルカード配置部34に配置されているカード同士で、攻撃力・体力・カードの属性・弱点等に応じたダメージ量の補正などを行わせることで対戦を進行させる。図1の状態(B)に示すように、TCGの対戦を開始する前においては、準備カード配置部32、バトルカード配置部34にはカードは配置されていない。一方、図2の状態(A)に示すように、TCGの対戦が進行すると、各ユーザが準備カード配置部32、バトルカード配置部34にカードを配置しつつカード同士のバトルを行う。各ユーザは山札から手札を補充しつつ、手札の中からバトルに使用するカードを準備カード配置部32、バトルカード配置部34に配置する。ユーザ5Aは、準備カード配置部32Aにカードを配置する。ユーザ5Bは、準備カード配置部32Bにカードを配置する。
【0028】
勝敗条件カード配置部33は、各プレイヤーが勝利条件をどの程度満たしているかを示す領域である。本実施形態では、勝敗条件カード配置部33に、各プレイヤーが山札から所定枚数のカードを裏向きにして勝敗条件カード配置部33に配置する。図1の状態(B)に示すように、ユーザ5Aは、勝敗条件カード配置部33Aにカードを配置する。ユーザ5Bは、勝敗条件カード配置部33Bにカードを配置する。
【0029】
バトルカード配置部34は、対戦相手のカードとバトルを行うカードを配置するための領域である。ユーザ5Aは、バトルカード配置部34Aにカードを配置する。ユーザ5Bは、バトルカード配置部34Bにカードを配置する。本実施形態では、基本的には、バトルカード配置部34Aに配置されるカードと、バトルカード配置部34Bに配置されるカードとで、各カードに設定される体力、攻撃力、カードに示されるキャラクタの属性、弱点の属性、その他のパラメータに基づきバトルを行う。攻撃を受ける等によりカードに設定される体力を失うと、カードに示されるキャラクタが気絶したとしてバトルから退場させ、後述する消費カード配置部35に配置する。
【0030】
消費カード配置部35は、TCGの対戦で消費したカードを配置するための領域である。例えば、バトルに敗北して体力を失ったカード、効果を発動させたカード等を消費カード配置部35に配置する。図2の状態(A)に示すように、ユーザ5Aは、消費カード配置部35Aに、カード92Aを配置する。ユーザ5Bは、消費カード配置部35Bに、カード92Bを配置する。
【0031】
二次元コード36は、対戦が行われる場所を特定するための情報であり、例えば端末装置10のカメラ等により光学読み取り可能な二次元コードである。二次元コード36は、例えば、対戦会などで各ユーザが対戦を行うための卓が複数配置されている場合に、任意の卓を特定するための情報を含む。二次元コード36は、例えば、卓を特定する情報を含むURLを表す文字列である。ユーザの端末で二次元コード36に示されるURLを読み込み、当該URLにアクセスする際、ユーザの端末に保持されるユーザの識別情報をアクセス先の装置(例えばサーバ)に送信する。そして、事前に卓に対応付けられたユーザの識別情報と照合することにより、当該ユーザの識別情報に示されるユーザが正しい卓に到着していること、対戦の準備が可能であることを判定し得る。例えば、ユーザ5Aの端末である端末装置10A、または、ユーザ5Bの端末である端末装置10Bがカメラにより二次元コード36を撮影することにより、二次元コード36に示される情報を端末装置10Aまたは端末装置10Bで読み込むことができる。なお、例えば対戦会などで予め各ユーザが対戦を行う卓をユーザに提示する場合に限らず、ユーザ同士でTCGの対戦を行うにあたり、各ユーザの端末装置のカメラにより二次元コード36を撮影することとしてもよい。これにより、ユーザが対戦を行った卓、対戦を行ったタイミング(日時)を特定することができるため、例えばサーバ等でユーザ間の対戦の記録を行うことができる。
【0032】
<1.2 TCGで使用するカードの種類>
本実施形態のTCGでは、カードの種類として、(i)バトルに使用することができるキャラクタカードと、(ii)キャラクタカードに関連付けて使用する行動力カード(エネルギーカード)と、(iii)対戦中に特定の効果を発揮させる効果カードとがある。
【0033】
(i)キャラクタカードには、ユーザが山札からカードを引いて手札に加えたのち、バトルカード配置部34に配置してバトルに使用することができるカード(「無条件カード」とも言う)と、特定の条件を満たすことによりバトルで使用することができるカード(「条件付きカード」とも言う)とが含まれる。
【0034】
(iA)例えば、条件付きカードは、条件付きカードに関連する無条件カードを使用することを条件として、バトルに参加させることができる。例えば、キャラクタの進化になぞらえて、まず無条件カードをTCG用品30に配置すること等により対戦相手のユーザに提示したうえで、当該無条件カードに関連する条件付きカードをTCG用品30に配置することにより、条件付きカードをバトルに参加させることができる。このような条件付きカードは、無条件カードから進化させたものとして「進化キャラクタ」とも称されることがある。また、無条件カードは、「進化キャラクタ」をバトルに参戦させるための元となるキャラクタともいえるため、「たねキャラクタ」とも称されることがある。
【0035】
(iB)例えば、条件付きカードは、特定のカードを消費して消費カード配置部35に移動させることにより、バトルに参加させることができる。具体的には、特定のカードとして、TCG用品30に配置されている無条件カードを消費して(消費カード配置部35に移動させて)、条件付きカードをバトルに参加させることができる、としてもよい。
【0036】
例えば、条件付きカードは、TCG用品30にユーザが配置した単数又は複数のキャラクタカードと引き換えに、バトルに参加させることができる。例えば、各キャラクタカードに、カードに示されるキャラクタの攻撃力等の個々のパラメータとは別に、キャラクタの総合的な性能を示すパラメータ(例えば、進化レベルなど)が付されている場合に、ユーザが配置したキャラクタカードの進化レベルの値に対応した進化レベルを有する条件付きカードをバトルに参加させられることとしてもよい。例えば、進化レベル1のキャラクタと進化レベル2のキャラクタとをTCG用品30に配置した状態で、これらキャラクタのカードに重ねて(または、これらのキャラクタカードと引き換えに)、進化レベル3の条件付きカードを配置することができる。
【0037】
この他にも、条件付きカードにより定められる複数のキャラクタカードと引き換えに、当該条件付きカードをバトルに参加させることができる、としてもよい。このとき、キャラクタカードとは異なる後述する補助カードを消費して、条件付きカードをバトルに参加させることとしてもよい。例えば、補助カードに示される効果として、TCG用品30のバトルカード配置部34、消費カード配置部35等にある特定の無条件カードと引き換えに、特定の条件付きカードをバトルに参加させられることが定められている。
【0038】
(iC)これらカードには、上記キャラクタカード、後述する行動力カード、補助カードのうち複数を兼ねるものも含まれる。例えば、キャラクタカードとしても使用でき、補助カードとしても使用できる特殊なカードが含まれることとしてもよい。ユーザは、当該特殊なカードを、キャラクタカードを配置すべき位置(例えば準備カード配置部32、バトルカード配置部34)に配置した場合は、キャラクタカードとして使用することができる。
【0039】
(ii)行動力カード(エネルギーカード)は、ユーザが山札からカードを引いて手札に加えたのち、キャラクタカードと関連付けてTCG用品30に配置することにより、キャラクタカードに示される所定の行動を行うことを可能とするものである。行動力カードをキャラクタカードに関連付ける操作は、例えば、ユーザのターン中に行えることとしてもよい。例えば、TCG用品30に配置されるキャラクタカードの近傍に行動力カードを配置することで、キャラクタカードに行動力カードを関連付けたとしてもよい。また、ターン中に行動力カードをキャラクタカードに関連付けられる回数は制限があってもよい。例えば、ユーザのターン中に1回、TCG用品30に配置されるキャラクタカードのいずれかに、手札中の行動力カードを関連付けるよう配置することができる。例えば、キャラクタカードに、第1の攻撃アクションと、第2の攻撃アクションとが設定されているとする。第1の攻撃アクションは、キャラクタカードに1枚の行動力カードが関連付けられている場合に使用可能であり、第2の攻撃アクションは、1枚の行動力カードでは足りず2枚の行動力カードがキャラクタカードに関連付けられている場合に使用可能であるとしてもよい。
【0040】
キャラクタカードがバトルにより体力値が尽きる等により退場することとなった場合、当該キャラクタカードに関連付けられている行動力カードも当該対戦中で使用不可とすることとしてもよい。
【0041】
(iii)対戦を補助する補助カードには、ユーザの手札にある限り、ユーザがターン中に何枚でも使用できるカード種と、ターン中に1枚だけ使用できるカード種とが含まれる。これら補助カードには、ユーザが補助カードの効果を使用することを宣言することで効果を発揮させるものも含まれる。
【0042】
なお、補助カードとして、予めTCG用品30の所定の位置(本実施形態では、当該所定の位置については図示していない)に、裏向きにするなどして配置したうえで、ユーザが補助カードの使用を発声等により宣言することで補助カードの効果を発揮させるものも含まれる。
【0043】
<1.3 TCGの対戦ルールの概要>
以上のように、TCGの対戦で使用するTCG用品30と、カードの種類とについて説明した。次に、TCGの対戦ルールについて詳細に説明する。
【0044】
本実施形態に示すTCGでは、上記のように、各ユーザがバトルカード配置部34A、バトルカード配置部34Bに配置したカードに基づき攻撃または防御(バトル)を行ってTCGの対戦を進行させるものとする。TCGの対戦は、ユーザがターンごとに交互に行動を行って進行させるものとする。例えば、第1のユーザがターンの行動を終えると、第2のユーザのターンとなる。第2のユーザが当該ターンで行動を行い、行動を終了させると、第1のユーザのターンとなる。
【0045】
各ユーザは、ターンが到来するごとに、山札から所定枚数のカードを引いて手札に加える。
【0046】
各ユーザは、手札にあるカードのうち、対戦相手のユーザのカードへの攻撃または防御に使用するカード(キャラクタカード)の候補を準備カード配置部32に配置する。
【0047】
ユーザ5Aは、準備カード配置部32Aに並べられたカードと、バトルカード配置部34Aに並べられたカードとを、ユーザ5Aのターン中に入れ替えることができる。また、ユーザ5Bは、準備カード配置部32Aに並べられたカードと、バトルカード配置部34Aに並べられたカードとを、ユーザ5Bのターン中に入れ替えることができる。
【0048】
勝敗条件カード配置部33Aと勝敗条件カード配置部33Bとは、上記のように、それぞれのユーザが対戦に勝利する条件に対してどの程度の進捗があるかを各ユーザに通知するための領域である。ここで、ユーザが対戦に勝利する条件としては、例えば、勝敗条件カード配置部33Aまたは勝敗条件カード配置部33Bに配置されるカードが全て回収されることとしてもよい。すなわち、勝敗条件カード配置部33Aまたは勝敗条件カード配置部33Bのいずれかにおいて、全てのカードが回収されたことにより、勝敗が決することとしてもよい。
【0049】
例えば、各ユーザが、TCGの対戦に先立ち、山札から勝敗条件カード配置部33Aまたは勝敗条件カード配置部33Bに所定枚数のカードを配置する。すなわち、ユーザ5Aは、山札から所定枚数のカードを抜き出して勝敗条件カード配置部33Aに配置する。ユーザ5Bは、山札から所定枚数のカードを抜き出して勝敗条件カード配置部33Bに配置する。ユーザ5Aがバトルカード配置部34Aに配置したキャラクタカードと、ユーザ5bがバトルカード配置部34Bに配置したキャラクタカードとを対戦させ、キャラクタカードに設定される退場条件が満たされると(例えば、キャラクタカードに設定される体力値が、対戦相手のキャラクタカードに設定される攻撃力に基づき減算され、尽きた場合)、当該キャラクタカードのキャラクタが気絶したものとして、消費カード配置部35(「トラッシュ」ともいう)へ移動させる。
【0050】
これにより、バトルに勝利して対戦相手のキャラクタカードを退場させたユーザは、勝敗条件カード配置部33Aまたは勝敗条件カード配置部33Bに配置されたカードを手札に加える。例えば、ユーザ5Bが、自身のターンでユーザ5Aのキャラクタカードに攻撃をすることによりバトルカード配置部34Aに配置されるカードを退場させた場合、勝敗条件カード配置部33Bに配置されるカードから所定枚数のカードを取って手札に加える。一方、ユーザ5Aが、自身のターンでユーザ5Bのキャラクタカードに攻撃をすることによりバトルカード配置部34Bに配置されるカードを退場させた場合、勝敗条件カード配置部33Aに配置されるカードから所定枚数のカードを取って手札に加える。これら操作を繰り返し、ユーザ5Bが勝敗条件カード配置部33Bに配置されるカードを全て回収したとき、または、ユーザ5Aが勝敗条件カード配置部33Aに配置されるカードを全て回収したときに、回収しきったユーザを、TCGの対戦に勝利したユーザと決定することとしてもよい。なお、対戦の勝利条件としては、この他に、バトルカード配置部34と準備カード配置部32のいずれにもキャラクタカードがない場合に敗北する、としてもよい。また、対戦の勝利条件としては、各ユーザが自分のターンで山札配置部31から山札を引けない場合に敗北する、としてもよい。
【0051】
<1.4 TCGの対戦を支援するシステムの概要>
図1の状態(B)に示すように、ユーザ5Aとユーザ5BとがTCGの対戦を開始する際に、ユーザ5Aの端末である端末装置10Aと、ユーザ5Bの端末である端末装置10Bとで通信接続を確立することにより、互いの端末を関連付ける。図示するように、端末装置10Aは、TCG用品30の外部に配置する。端末装置10Aは、端末装置10Aのカメラにより、TCG用品30においてカードが配置される範囲の全てをセンシングできるように配置される。
【0052】
<1.4.1 ユーザの行動を判別する方法>
(i) 画像解析による、ユーザの行動の判別
端末装置10Aは、端末装置10Aのカメラの撮影画像を解析することにより、各ユーザの指または手の動き、ユーザの視線、TCG用品30に配置されるカードを特定する。端末装置10Aは、各ユーザの発話内容を音声認識し、TCGの対戦における所定の行動を抽出する。これにより、端末装置10Aは、例えば、ユーザ5Aおよびユーザ5BがカードをTCG用品30に配置する操作を行ったこと、当該操作の内容を特定すること(カードの効果を発動させる等)、ユーザ5Aまたはユーザ5Bの発話内容を音声認識することにより各ユーザがカードの効果を発動させたこと、等のTCGの進行に関する情報を判別する。
【0053】
具体的には、端末装置10Aは、例えば距離を検出できる深度カメラ等を搭載している。端末装置10Aは、撮影画像に基づいて、TCG用品30が配置されるテーブルなどの面を認識する。端末装置10Aは、撮影画像の画像解析により、テーブルなどに設置されるTCG用品30を特定し、面状のオブジェクトとして認識する。端末装置10Aは、画像解析により、TCG用品30を構成する山札配置部31、準備カード配置部32、勝敗条件カード配置部33、バトルカード配置部34、消費カード配置部35の範囲を特定する。
【0054】
(ii) TCG用品30の各領域にカードが載置されていることの検出
端末装置10Aは、撮影画像の画像解析により、TCGで使用されるカードを検出する。端末装置10Aは、カードの図柄、またはカードに埋め込まれた識別コード等と、カードのデータベースとに基づいて、TCGの対戦で使用されている個々のカードを特定する(どのキャラクタカードであるか等を特定する)。カードの図柄は、通常、カードごとにそれぞれ異なるため、端末装置10Aは、撮影画像に含まれるカードの図柄に基づいて、いずれのカードが使用されているかを検出することができる。また、例えば、カードの裏面がカードごとに異なる場合(例えばカードの裏面に識別コードが付与されている場合)、端末装置10Aは、撮影画像に含まれるカードの裏面に基づいて、いずれのカードであるかを検出する。なお、後述するように、各ユーザがTCGの対戦で使用するカードの情報をデッキとして登録している場合、これらデッキに登録されているカードの中からいずれのカードがTCG用品30に載置されているかを検出する。TCGの対戦に多数の種類のカードを使用できる状況で、このように予め各ユーザのデッキの内容を登録しておき、当該デッキを構成するカードの中から上記の検出を行うことにより、カードの検出の精度をよりいっそう向上させることができる。
【0055】
(iii) ユーザが指定しているカードの検出
端末装置10Aは、撮影画像にユーザの身体が含まれる場合に、特定の動作、行為、姿勢を検出する。例えば、TCG用品30は、撮影画像中のユーザの身体を検出すると、身体を構成する点を検出することに基づいて骨格情報(ボーン)を設定する。例えば、端末装置10Aは、撮影画像中のユーザの手の範囲を検出すると、指先の位置と、指関節の位置と、手首の位置とを特定して、これらを連結する骨格情報を設定する。これにより、端末装置10Aは、ユーザが手を動かしてTCG用品30に配置されたカードに触っていること、TCG用品30に配置されたカードを指さしていること等を検出する。
【0056】
<1.4.2 判別する内容>
端末装置10AがTCGの進行に関する情報を判別することには、例えば以下のように(1)対戦の進行に関する情報を判別することと、(2)TCGのルールに適合しない行為が行われたことを判別すること等が含まれる。
【0057】
(1)対戦の進行に関する情報の判別
(1-1)バトルの準備に関するユーザの行為の判別
(i)手札の補充と消費 端末装置10Aは、ユーザの手が山札配置部31に触れたこと、ユーザが山札からカードを取って保持していることを検出する。これにより、端末装置10Aは、ユーザの山札からカードが取られたことを検出し、各ユーザの山札にあるカードの枚数を管理する。また、ユーザがカードを消費カード配置部35に置いた場合(カードをトラッシュに移動させた場合)、端末装置10Aは、消費カード配置部35にカードが配置されたこと、配置されたカードの種別を特定することで、各ユーザが消費カード配置部35に配置したカード(対戦で消費したカード)の枚数を管理する。これら端末装置10Aにより管理される情報は、TCGの対戦中においてユーザに通知することとしてもよい。例えば、端末装置10Bが、各ユーザからの入力操作に応答して、各ユーザの山札のカードの枚数、対戦中に消費したカードの枚数等をディスプレイに表示する。
【0058】
また、端末装置10Aは、各ユーザの手札(例えば、カードの背面)を撮影することにより、各ユーザの手札の内容(すなわち、各ユーザが、デッキのカードのうち、どのカードを手札として保持しているか)を判別する。
【0059】
(ii)キャラクタカード同士のバトルの準備 端末装置10Aは、TCG用品30のバトルカード配置部34または準備カード配置部32にカードが配置されていること、当該配置されているカードがキャラクタカードであること、どのキャラクタカードがバトルカード配置部34または準備カード配置部32に配置されているかを特定する。これにより、端末装置10Aは、各プレイヤーがバトルカード配置部34または準備カード配置部32に配置しているキャラクタカードの情報を更新する。
【0060】
(iii)行動力カードの関連付け 端末装置10Aは、ユーザが当該キャラクタカードの近傍にカードを配置すること、配置されたカードが行動力カードであることを検出すると、当該キャラクタカードのキャラクタに関連付けられている行動力カードの枚数の情報を更新する。なお、キャラクタカードに重ねて行動力カードをTCG用品30に配置してもよい。すなわち、端末装置10Aは、行動力カードの図柄等に基づいて、行動力カードの全ての範囲が撮影画像に含まれていなくとも、カードが行動力カードであることを検出する。
【0061】
(iv)キャラクタカードの進化 端末装置10Aは、キャラクタカードのうち、条件付きカードがバトルで使用できる状態になったこと(進化)を検出する。端末装置10Aは、バトルカード配置部34または準備カード配置部32に配置されているカードが、キャラクタカードのうち無条件カード(たねキャラクタ)であることを特定する。端末装置10Aは、ユーザが、当該無条件カードに関連付けてTCG用品30に配置したカードが、条件付きカード(進化キャラクタ)であることを特定すると、ユーザが使用しているキャラクタカードの情報を、無条件カードのキャラクタから条件付きカードのキャラクタに更新する。このとき、端末装置10Aは、無条件カードのキャラクタに関連付けられている行動力カード(エネルギーカード)の数、無条件カードのキャラクタのパラメータ変化(相手側のユーザのキャラクタから受けたダメージ量など)も、条件付きカードのキャラクタに引き継いでデータを更新することとしてもよい。
【0062】
なお、無条件カードに関連付けて条件付きカードを配置する方法としては、例えば、無条件カードに重ねて条件付きカードを配置することとしてもよい。端末装置10Aは、TCG用品30に無条件カードが配置されている領域に、新たに配置されるカードを検出し、当該カードが条件付きカードである場合に、無条件カードに代えて条件付きカードがバトルで使用できる状態になった(たねキャラクタが進化キャラクタへ進化した)と判別する。
【0063】
(1-2)バトル中の行動の判別
例えば、端末装置10Aが、バトルカード配置部34Aに配置されたカードを特定することにより、ユーザ5Aがバトルに使用するキャラクタカードを特定する。端末装置10Aは、ユーザ5Aの発話内容を音声認識すること、および、バトルカード配置部34Aに配置されるカードをユーザ5Aが指等で指定したことを検出すること等により、バトルカード配置部34Aに配置されるキャラクタカードに、どのような行動を行わせたか(例えば、キャラクタカードに攻撃手段が複数ある場合、どの攻撃手段を行ったか)を特定する。これにより、キャラクタカードの攻撃力、体力等のパラメータに基づいて、キャラクタカードのパラメータを計算する。
【0064】
(1-3)補助カードを使用したことの判別
端末装置10Aは、ユーザの発話内容を音声認識することと、ユーザがTCG用品30に配置した補助カードを指定すること等により、ユーザが補助カードを使用したことを検出する。例えば、ユーザが補助カードを手に取り、対戦相手のユーザに提示して、補助カードを使用することを宣言した場合に、端末装置10Aが補助カードの使用を検出する。端末装置10Aは、補助カードの効果に従って、各キャラクタカードのパラメータを補正する等の処理を行う。
【0065】
(1-4)勝利条件を満たしていることの判別
端末装置10Aは、勝敗条件カード配置部33に配置されているカードの枚数を特定することにより、いずれのユーザが勝利したかを判別する。上記のように、バトルに勝利して、対戦相手のバトルカード配置部34に配置されるキャラクタカードの体力値を尽きさせるたびに、勝敗条件カード配置部33に配置されるカードをユーザが入手できることとしているため、端末装置10Aは、勝敗条件カード配置部33に配置されるカードがなくなったことを検出することにより、勝利したユーザを判別する。
【0066】
以上のように、端末装置10Aが対戦の進行に関する情報を判別することにより、ターンごとに各ユーザが行った行動を端末装置10Aが記録する。端末装置10Aは、各ユーザについて、山札の枚数、バトルに参戦できるキャラクタ(準備カード配置部32またはバトルカード配置部34に配置されるキャラクタカード)、各キャラクタの攻撃等により増減する各キャラクタのパラメータ、発揮されている補助カードの効果、勝敗条件カード配置部33に配置されているカードの総数などの情報を記録する。
【0067】
(2)TCGのルールに適合しない行為の判別
端末装置10Aは、上記のようにユーザが行った行為を判別することにより、ユーザの行為がルールに適合するものか否かを判別することができる。
【0068】
(2-1)使用できる枚数の不適合: 例えば、端末装置10Aが、ユーザが行動できるターン中でユーザが使用したカードの履歴を保持することにより、ターン中で使用できるカード数の上限に違反していることを判別する。端末装置10Aは、例えば、補助カードのうちターン中で使用できる枚数が1枚に限られるカード種のカードが、ターン中に2枚使用された場合に、ルールに適合しない行為であることを判別する。
【0069】
(2-2)使用できる行動の不適合: (i)端末装置10Aは、各ユーザがキャラクタカードのキャラクタに特定の行動を行わせるための条件を満たしたうえで、当該行動を行っているか否かを判別する。例えば、キャラクタカードに複数の攻撃アクションが設定されており、それぞれの攻撃アクションを実行するのに必要な行動力カードの数が設定されているとする。TCG用品30には、キャラクタカードと、キャラクタカードに関連付けて行動力カードが配置されている。端末装置10Aは、キャラクタカードに設定される攻撃アクションのうち、ユーザが指定した攻撃アクションを行うのに必要な行動力カードが足りない場合に、ルールに適合しない行為であることを判別する。
【0070】
(ii)端末装置10Aは、キャラクタカードのうち条件付きカードをバトルで使用できる条件を満たしたうえで、当該条件付きカードを使用しているか否かを判別する。すなわち、端末装置10Aは、条件付きカードをバトルで使用できる条件を満たしていないにもかかわらず条件付きカードをバトルで使用できるようにしていることを判別した場合に、ユーザに警告等を通知する。
【0071】
また、上記のように、条件付きカードは、特定のカードを消費して消費カード配置部35に移動させることでバトルに参加させられるものもある。端末装置10は、このような条件付きカードがバトルに参加する場合に、当該特定カードが消費されていること(消費カード配置部35に移動させたこと)を検出する。端末装置10Aは、ユーザが条件付きカードをバトルに参加させようとしているにもかかわらず当該特定カードが消費カード配置部35に移動していない場合に、ルールに適合しない行為であることを判別する。この場合、端末装置10Aは、条件付きカードをバトルに参加させる際のルールとして、当該特定カードを消費カード配置部35に移動させるようユーザに通知する。
【0072】
また、上記のように、条件付きカードは、特定のカードをTCG用品30に配置したうえで、これら特定のカードを消費せず(すなわち、消費カード配置部35に移動させず)にバトルに参加させられるものも含まれる。端末装置10Aは、ユーザが条件付きカードをバトルに参加させようとし、特定のカードを消費する必要がないにもかかわらず、これら特定のカードをユーザが消費している(すなわち、消費カード配置部35に移動させている)ことを判別する。この場合、端末装置10Aは、条件付きカードをバトルに参加させる際のルールとして、当該特定カードを消費カード配置部35に移動させる必要がないことをユーザに通知する。
【0073】
(2-3)対戦の進行手順の不適合: (i)端末装置10Aは、各ユーザがターン中に行うことができる行動の手順が定められている場合に、手順に従わず行動が行われたことを検出する。例えば、各ユーザがターンの開始時に山札から所定枚数のカードを入手してから、その他の行為を行うものとする。この場合、端末装置10Aは、ユーザのターンが開始してから山札配置部31の山札のカードが入手されるのを検出することなく、バトルカード配置部34に配置されるキャラクタカードに攻撃を行わせる、補助カードを使用する等の行為が行われたことを検出した場合に、当該行為がルールに適合しない行為であることを判別する。
【0074】
(ii)端末装置10Aは、各ユーザの勝利条件にかかわる操作が不適切に行われたことを検出する。例えば、バトルカード配置部34に配置されるカードのキャラクタが通常のキャラクタではなく特殊なキャラクタであり、当該特殊なキャラクタがバトルで体力値が尽きて退場する場合に、ユーザが勝敗条件カード配置部33から取るカードの枚数が、通常のキャラクタの場合と比べて多いとする。この場合、端末装置10Aは、キャラクタカードのバトルで退場したキャラクタが通常のキャラクタであるか特殊なキャラクタであるかを特定し、その後、勝敗条件カード配置部33から取られるカードの枚数が適切でないことを検出することにより、ルールに適合しない行為を判別する。例えば、端末装置10Aは、バトルで退場するキャラクタが特殊なキャラクタであることを特定し、勝敗条件カード配置部33に配置されるカードの枚数が、通常のキャラクタが退場した場合の変化量に留まっていることを検出することで、ルールに適合しない行為であることを判別する。
【0075】
<1.5 TCGの対戦を支援する情報をユーザに通知する方法>
以上のように、端末装置10Aがユーザ間のTCG対戦の内容、ルールに適合しない行為を検出する。端末装置10Bは、端末装置10Aと通信することにより、端末装置10Aが画像解析の結果に基づいて判別した内容を、ユーザに通知する。
【0076】
図1の状態(B)に示すように、端末装置10Bは、操作受付部130(タッチスクリーン)において、対戦の進行状況を、進行状況表示部132Aに表示する。端末装置10Bは、対戦の進行状況として、例えば、バトルを行っている各キャラクタの体力の情報、各キャラクタに関連付けられている行動力カード(エネルギーカード)の数をユーザに通知する。これらのパラメータは、ユーザが対戦中に行う行為(攻撃の指示など)に応じて端末装置10Aがこれら行為を特定し、特定した結果に基づいて計算される(攻撃を受けたキャラクタの体力値を、攻撃力に応じて減算する等)。端末装置10Bは、各ユーザがターンを進行させるための入力操作を受け付けるためのボタンを、ターン進行ボタン132Bに表示する。端末装置10Bは、ターン進行ボタン132Bへの入力操作をユーザから受け付けると、当該ユーザのターンが終了したことを示す信号を端末装置10Aへ送信する。
【0077】
端末装置10Aがユーザ同士の対戦の終了を検出すると、その旨を後述するサーバおよび端末装置10Bへ送信する。端末装置10Bは、対戦の勝敗結果の情報を端末装置10Aまたはサーバから受信する。また、対戦会や大会などでTCGの対戦を行う場合、後述するサーバが、ユーザ同士の対戦のマッチングを行い、その対戦を行う場所(会場にある卓など)を決定する。端末装置10Aまたは端末装置10Bは、サーバと通信し、ユーザごとに、次の対戦相手の情報と、対戦の場所の情報とを取得する。
【0078】
図2の状態(C)に示すように、端末装置10Bは、操作受付部130において、対戦の勝敗結果の情報と、次に対戦する対戦相手の情報(対戦相手の強さを示すレーティング値など)と、対戦場所の情報とを、対戦会情報表示部132Cに表示する。端末装置10Bは、ユーザが次に対戦を行う場所への地図を、地図表示部132Dに表示する。地図表示部132Dは、例えば、対戦会場内で、ユーザの現在地から、対戦を行う卓への移動経路の情報を表示する。
【0079】
以上のようにして、本実施形態によると、対戦会などの運営を支援しつつ、ユーザ同士がTCGで対戦を行うのを支援する情報を各ユーザに通知することができる。
【0080】
<1.6 システム全体の構成図>
図3は、支援システム1の全体の構成を示す図である。
【0081】
図3に示すように、支援システム1は、TCGの対戦を行うユーザが使用する端末装置10Aおよび端末装置10B(以下、総称して「端末装置10」ということもある)と、TCGの対戦を運営する運営者側のユーザが使用する端末装置11と、サーバ20とを含む。端末装置10とサーバ20とは、ネットワーク80を介して通信接続する。また、本実施形態において、各装置(端末装置、サーバ等)を情報処理装置として把握することもできる。すなわち、各装置の集合体を1つの「情報処理装置」として把握することができ、支援システム1を複数の装置の集合体として形成してもよい。1つ又は複数のハードウェアに対して本実施形態に係る支援システム1を実現することに要する複数の機能の配分の仕方は、各ハードウェアの処理能力及び/又は支援システム1に求められる仕様等に鑑みて適宜決定することができる。
【0082】
端末装置10は、各ユーザが操作する装置である。端末装置10は、移動体通信システムに対応したスマートフォン、タブレット等の携帯端末などにより実現される。この他に、端末装置10は、例えば据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPCであるとしてもよい。図3に端末装置10Bとして示すように、端末装置10は、通信IF(Interface)12と、入出力IF13と、メモリ15と、ストレージ16と、プロセッサ19とを備える。サーバ20は、通信IF22と、入出力IF23と、メモリ25と、ストレージ26と、プロセッサ29とを備える。
【0083】
端末装置10は、ネットワーク80を介してサーバ20と通信可能に接続される。端末装置10は、LTEなどの通信規格に対応した無線基地局81、IEEE802.11などの無線LAN規格に対応した無線LANルータ82等の通信機器と通信することによりネットワーク80に接続される。
【0084】
通信IF12は、端末装置10が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入出力IF13は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置(例えば、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス、キーボード等)、および、ユーザに対し情報を提示するための出力装置(ディスプレイ、スピーカ等)とのインタフェースとして機能する。メモリ15は、プログラム、および、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。ストレージ16は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ19は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路などにより構成される。
【0085】
端末装置11は、TCGの対戦の運営者が操作する装置である。運営者は、例えば、対戦会の情報をサーバ20にアップロードする。対戦会の情報としては、対戦会を開催する日時、対戦会の場所(例えば、店舗や展示場など)、対戦会のルール(例えば、新規に発売するTCG対戦用のカードをデッキに含めるか否か、特定のカードの使用を認めるか否か等)、参加できるユーザの条件(例えば、特定の対戦会で上位に入賞する等)、などがある。運営者は、これら対戦会の情報を入力して、地図データなどとともにサーバ20にアップロードする。
【0086】
また、対戦会として、(i)ユーザが対戦を行う卓を複数用意して、各ユーザに対し卓を指定したうえで対戦会を進行させるものがある。例えば、リーグ戦やトーナメント戦などを行う場合、どのユーザを対戦させるかを運営者側で管理しながら対戦会を進行させることがあり得る。この他に、対戦会として、(ii)対戦を行う卓は運営者が用意するが、各ユーザが対戦を行う卓は特に指定しないで対戦会を進行させるもの、がある。例えば、対戦会の会場にいるユーザ同士で、対面で対戦を行ってもらいつつ、一定数の勝利を収めたユーザを選出する場合などがあり得る。端末装置11は、運営者から、対戦会をいずれの形式で運営するか(すなわち、各ユーザが対戦を行う卓を指定して対戦会を行うか、卓を指定しないで対戦会を行うか、あるいはこれらの両方か)の指定を受け付ける。端末装置11は、ユーザから受け付けた対戦会の情報をサーバ20へ送信する。
【0087】
サーバ20は、各ユーザの情報を管理する。サーバ20は、ユーザ間のTCGの対戦を支援するため、ユーザ同士のマッチング等を行う。サーバ20は、端末装置10とネットワーク80を介して通信し、端末装置10Aが判別するTCG対戦の内容を、対戦の履歴として保持する。
【0088】
通信IF22は、サーバ20が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入出力IF23は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置、および、ユーザに対し情報を提示するための出力装置とのインタフェースとして機能する。メモリ25は、プログラム、および、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。ストレージ26は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ29は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路などにより構成される。
【0089】
<1.7 端末装置10の構成>
図4は、実施の形態1の支援システム1を構成する端末装置10のブロック図である。図4に示すように、端末装置10は、複数のアンテナ(アンテナ111、アンテナ112)と、各アンテナに対応する無線通信部(第1無線通信部121、第2無線通信部122)と、操作受付部130(タッチセンシティブデバイス131およびディスプレイ132を含む)と、音声処理部140と、マイク141と、スピーカ142と、位置情報センサ150と、カメラ160と、記憶部180と、制御部190と、を含む。端末装置10は、図4では特に図示していない機能及び構成(例えば、電力を保持するためのバッテリ、バッテリから各回路への電力の供給を制御する電力供給回路など)も有している。図4に示すように、端末装置10に含まれる各ブロックは、バス等により電気的に接続される。
【0090】
アンテナ111は、端末装置10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ111は、空間から電波を受信して受信信号を第1無線通信部121へ与える。
【0091】
アンテナ112は、端末装置10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ112は、空間から電波を受信して受信信号を第2無線通信部122へ与える。
【0092】
第1無線通信部121は、端末装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ111を介して信号を送受信するための変復調処理などを行う。第2無線通信部122は、端末装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ112を介して信号を送受信するための変復調処理などを行う。第1無線通信部121と第2無線通信部122とは、チューナー、RSSI(Received Signal Strength Indicator)算出回路、CRC(Cyclic Redundancy Check)算出回路、高周波回路などを含む通信モジュールである。第1無線通信部121と第2無線通信部122とは、端末装置10が送受信する無線信号の変復調や周波数変換を行い、受信信号を制御部190へ与える。
【0093】
操作受付部130は、ユーザの入力操作を受け付けるための機構を有する。具体的には、操作受付部130は、タッチスクリーンとして構成され、タッチセンシティブデバイス131と、ディスプレイ132とを含む。タッチセンシティブデバイス131は、端末装置10のユーザの入力操作を受け付ける。タッチセンシティブデバイス131は、例えば静電容量方式のタッチパネルを用いることによって、タッチパネルに対するユーザの接触位置を検出する。タッチセンシティブデバイス131は、タッチパネルにより検出したユーザの接触位置を示す信号を入力操作として制御部190へ出力する。
【0094】
ディスプレイ132は、制御部190の制御に応じて、画像、動画、テキストなどのデータを表示する。ディスプレイ132は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイによって実現される。
【0095】
音声処理部140は、音声信号の変復調を行う。音声処理部140は、マイク141から与えられる信号を変調して、変調後の信号を制御部190へ与える。また、音声処理部140は、音声信号をスピーカ142へ与える。音声処理部140は、例えば音声処理用のプロセッサによって実現される。マイク141は、音声入力を受け付けて、当該音声入力に対応する音声信号を音声処理部140へ与える。スピーカ142は、音声処理部140から与えられる音声信号を音声に変換して当該音声を端末装置10の外部へ出力する。
【0096】
位置情報センサ150は、端末装置10の位置を検出するセンサであり、例えばGPS(Global Positioning System)モジュールである。GPSモジュールは、衛星測位システムで用いられる受信装置である。衛星測位システムでは、少なくとも3個または4個の衛星からの信号を受信し、受信した信号に基づいて、GPSモジュールが搭載される端末装置10の現在位置を検出する。このGPSモジュールが検出する位置は、例えば、端末装置10がセンサ装置50の検知結果に基づいて、予め定められた報知処理を行った時の端末装置10の位置情報をメモリに保存する際等に利用され得る。例えば、TCGの対戦会場において、ユーザがいる位置を位置情報センサ150により取得することができる。
【0097】
カメラ160は、受光素子により光を受光して、撮影画像として出力するためのデバイスである。カメラ160は、例えば、カメラ160から撮影対象までの距離を検出できる深度カメラである。
【0098】
記憶部180は、例えばフラッシュメモリ等により構成され、端末装置10が使用するデータおよびプログラムを記憶する。ある局面において、記憶部180は、ユーザ情報181と、対戦会エントリー情報182と、会場マップ情報183とを記憶する。
【0099】
ユーザ情報181は、TCGの対戦を行うユーザの情報である。ユーザの情報としては、ユーザを識別する情報、ユーザが対戦を行うにあたり登録しているデッキの情報(デッキを識別する情報、および、デッキを構成するカードの情報)、ユーザが使用する言語の設定、ユーザが対戦会や大会などに参加した履歴の情報等が含まれる。
【0100】
対戦会エントリー情報182は、端末装置10のユーザがエントリーしている対戦会の情報である。対戦会エントリー情報182は、例えば、対戦会を識別する情報、対戦会の日時の情報等を含む。
【0101】
会場マップ情報183は、対戦会などTCGの対戦が行われる会場のマップの情報である。会場マップ情報183は、会場に配置されTCGの対戦が行われる卓を識別する情報と、卓が配置される位置の情報とを含む。
【0102】
制御部190は、記憶部180に記憶されるプログラムを読み込んで、プログラムに含まれる命令を実行することにより、端末装置10の動作を制御する。制御部190は、例えばアプリケーションプロセッサである。制御部190は、プログラムに従って動作することにより、入力操作受付部191と、送受信部192と、データ処理部193と、報知制御部194としての機能を発揮する。
【0103】
入力操作受付部191は、タッチセンシティブデバイス131等の入力装置に対するユーザの入力操作を受け付ける処理を行う。入力操作受付部191は、タッチセンシティブデバイス131に対してユーザが指などを接触させた座標の情報に基づき、ユーザの操作がフリック操作であるか、タップ操作であるか、ドラッグ(スワイプ)操作であるか等の操作の種別を判定する。
【0104】
送受信部192は、端末装置10が、サーバ20等の外部の装置と、通信プロトコルに従ってデータを送受信するための処理を行う。
【0105】
データ処理部193は、端末装置10が入力を受け付けたデータに対し、プログラムに従って演算を行い、演算結果をメモリ等に出力する処理を行う。例えば、データ処理部193は、端末装置10と、他のユーザの端末とを関連付ける処理を行う。データ処理部193は、カメラ160のセンシング結果(撮影画像)を解析することにより、TCGの対戦の進行状況を判別する。データ処理部193は、対戦の進行に関する情報をユーザに通知ための、通知の内容を決定する。
【0106】
報知制御部194は、表示画像をディスプレイ132に表示させる処理、音声をスピーカ142に出力させる処理、振動をカメラ160に発生させる処理を行う。
【0107】
<1.8 サーバ20の機能的な構成>
図5は、サーバ20の機能的な構成を示す図である。図5に示すように、サーバ20は、通信部201と、記憶部202と、制御部203としての機能を発揮する。
【0108】
通信部201は、サーバ20が外部の装置と通信するための処理を行う。
【0109】
記憶部202は、サーバ20が使用するデータ及びプログラムを記憶する。記憶部202は、ユーザ情報データベース281と、マッチング履歴データベース282と、対戦履歴データベース283と、対戦会場マップ情報284とを記憶する。
【0110】
ユーザ情報データベース281は、TCGの対戦を行う各ユーザの情報を保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0111】
マッチング履歴データベース282は、サーバ20がユーザ間の対戦のマッチングを行った履歴を示すデータベースである。詳細は後述する。
【0112】
対戦履歴データベース283は、TCGの対戦内容の履歴を保持するためのデータベースである。対戦履歴データベース283は、端末装置10Aおよび端末装置10BがTCGの対戦の進行を支援する過程で、ユーザの行動内容を解析した結果を保持している。よって、例えば端末装置10等が対戦履歴データベース283の情報を取得することにより、対戦履歴データベース283に保持される対戦内容の履歴に基づいて、各ユーザが行った行動をリプレイとして再現することができる。詳細は後述する。
【0113】
対戦会場マップ情報284は、対戦会などTCGの対戦が行われる会場のマップの情報である。会場マップ情報183は、会場に配置されTCGの対戦が行われる卓を識別する情報と、卓が配置される位置の情報とを含む。サーバ20は、端末装置10の要求に応答して、対戦会場マップ情報284を送信する。
【0114】
制御部203は、サーバ20のプロセッサがプログラムに従って処理を行うことにより、各種モジュールとして示す機能を発揮する。
【0115】
操作内容取得モジュール2041は、サーバ20が端末装置10に対し大会への参加などの情報の入力を受け付ける場合に、ユーザの操作内容を取得する。
【0116】
受信制御モジュール2042は、サーバ20が外部の装置から通信プロトコルに従って信号を受信する処理を制御する。
【0117】
送信制御モジュール2043は、サーバ20が外部の装置に対し通信プロトコルに従って信号を送信する処理を制御する。
【0118】
マッチングモジュール2044は、TCGで対戦するユーザをマッチングさせる。
【0119】
マッチングモジュール2044は、例えば、対戦履歴データベース283に保持される各ユーザの対戦履歴の情報に基づいて、対戦させるユーザをマッチングさせてもよい。各ユーザの対戦履歴の情報には、各ユーザの勝敗の情報が記録されるため、各ユーザについてTCGの対戦の習熟度合いを示す評価値を算出することができる。このような評価値の算出方法としては、レーティング(例えば、イロレーティング)によることとしてもよい。
【0120】
また、マッチングモジュール2044は、対戦履歴データベース283に基づいて、各ユーザがターンを進行させるのに要する時間に基づいて、ユーザのマッチングを行うこととしてもよい。ユーザがターンを進行させるのに、制限時間いっぱいまで要する場合は、ユーザが対戦に慣れていない可能性がある。一方、ユーザがターンを進行させる時間が短い場合や、ユーザがターン中に複数の行動を途切れなく行う場合(例えば、複数のカードを次々と使用する)は、ユーザが対戦に慣れている可能性がある。よって、マッチングモジュール2044は、対戦履歴データベース283に基づいて、対戦に慣れているユーザ同士をマッチングさせる、あるいは、対戦に慣れていないユーザ同士をマッチングさせることができる。
【0121】
また、マッチングモジュール2044は、対戦履歴データベース283に基づいて、各ユーザが対戦中にルールに適合しない行為を行った履歴を参照してユーザのマッチングを行う。ルールに適合しない行為を行うユーザは、対戦ルールに慣れていない可能性がある。一方、ルールに適合しない行為をほとんど行わないユーザは、対戦ルールに慣れているといえる。よって、マッチングモジュール2044は、対戦ルールに慣れているユーザ同士をマッチングさせる、あるいは、対戦に慣れていないユーザ同士をマッチングさせることができる。
【0122】
また、マッチングモジュール2044が、対戦会の参加者同士のマッチングを行う場合、各参加者が対戦を行っている卓の位置に基づいてマッチングを行うこととしてもよい。卓での対戦を終えたユーザに対し、次に対戦する対戦相手を決定する際、卓の位置が近いユーザ同士をマッチングさせ、新たな対戦場所の卓をユーザに通知することで、ユーザの移動時間が短くなるため、対戦の開始までの時間をより短くすることができる。
【0123】
対戦行動解析モジュール2045は、対戦履歴データベース283に保持される、各ユーザが対戦を進行させた履歴に基づいて、ユーザごとの行動の傾向を解析する。例えば、各ユーザのデッキの傾向、対戦相手のデッキに対する相性のよさ(勝率)等を解析することで、ユーザに対し、デッキを構築する際の参考となる情報を提供し得る。
【0124】
<2 データ構造>
図6は、サーバ20が記憶するユーザ情報データベース281、マッチング履歴データベース282、および対戦履歴データベース283のデータ構造を示す図である。
【0125】
図6に示すように、ユーザ情報データベース281のレコードのそれぞれは、ユーザを識別する情報それぞれについて、項目「登録デッキ識別情報(ID)」と、項目「登録デッキ内容」と、項目「言語設定」と、項目「対戦会参加履歴」とを含む。
【0126】
項目「登録デッキ識別情報(ID)」は、ユーザが登録するデッキそれぞれを識別するための情報である。
【0127】
項目「登録デッキ内容」は、ユーザがデッキに登録するカードの内容を示す情報である。
【0128】
項目「言語設定」は、ユーザが使用する言語の設定を示す情報である。
【0129】
項目「対戦会参加履歴」は、ユーザが大会にエントリーして参加した実績を示す情報である。本実施形態では、対戦会に参加するにあたり、対戦開始より前に、対戦に使用するデッキを大会運営に届け出ることとしている。項目「対戦会参加履歴」は、ユーザが参加した対戦会それぞれについて、ユーザが各ユーザの端末装置10の操作によって登録したデッキの情報を含む。
【0130】
マッチング履歴データベース282のレコードのそれぞれは、項目「マッチング識別情報(ID)」と、項目「マッチング日時」と、項目「対象ユーザ」と、項目「対戦会種別情報」とを含む。
【0131】
項目「マッチング識別情報(ID)」は、サーバ20が行ったマッチングそれぞれを識別するための情報である。なお、本実施形態では、サーバ20がマッチングを行ったからといって、必ずしもマッチングされたユーザ同士が対戦をするとは限らないものとしているが、ユーザ同士が対戦を行うに至ったマッチングのみをマッチング履歴データベース282において保持することとしてもよい。
【0132】
項目「マッチング日時」は、サーバ20がマッチングを行ったタイミング(日時)を示す。
【0133】
項目「対象ユーザ」は、マッチングされたユーザの情報を含む。サーバ20は、ユーザ同士をマッチングさせると、対戦をするよう各ユーザの端末装置10に通知する。
【0134】
項目「対戦会種別情報」は、マッチングを行った対戦会を特定するための情報を含む。サーバ20は、対戦会などを運営する運営者のオペレーションを支援するために、対戦会の参加者の中からマッチングを行うこととしてもよい。図示するように、項目「対戦会種別情報」は、対戦会を特定するための情報として、対戦会の名称、対戦会のルールの内容、対戦会の日時その他の情報を含む。
【0135】
対戦履歴データベース283のレコードのそれぞれは、項目「対戦識別情報(ID)」と、項目「対戦日時」と、項目「対象ユーザ」と、項目「マッチングID」と、項目「対戦進行履歴」と、項目「ルール不適合履歴」とを含む。
【0136】
項目「マッチング識別情報(ID)」と、項目「マッチング日時」と、項目「対象ユーザ」と、項目「対戦会種別情報」とを含む。
【0137】
項目「対戦識別情報(ID)」は、ユーザが対戦を行ったそれぞれを識別するための情報である。サーバ20は、支援システム1を使用して端末装置10がユーザ同士の対戦を解析した結果を受け付けることにより、対戦履歴データベース283のレコードを更新する。
【0138】
項目「対戦日時」は、ユーザ同士の対戦が行われたタイミングを示す。ここで、対戦が行われたタイミングには、サーバ20がマッチングを行ったタイミング(日時)、各ユーザが対戦を開始した時刻(後述するようにサーバ20がユーザ同士の対戦開始を受け付けた時刻)、各ユーザが対戦を終了した時刻(後述するように対戦を行ったユーザのいずれかが勝利条件を満たしたと判定された時刻)が含まれることとしてもよい。
【0139】
項目「対象ユーザ」は、対戦を行ったユーザそれぞれを識別する情報である。
【0140】
項目「マッチングID」は、サーバ20がマッチングを行い、このマッチングに基づいてユーザ同士の対戦が行われた場合のマッチングIDを示す。
【0141】
項目「対戦進行履歴」は、端末装置10がTCG用品をセンシングすることにより解析される各ユーザの行動の手順を含む。これら行動の手順の情報には、各ユーザがターンを進行させるのに要した時間の情報が含まれる。例えば、端末装置10Bで「ターン進行ボタン」をユーザが操作することでターンを進行させるため、これにより各ユーザがターンを進行させるのに要した時間を計測することができる。この他に、端末装置10Bで、各ユーザがターン中に行える各種行動に対応してボタンを表示することとしてもよい。この場合に、これらボタンに対する操作がなされることで、各ユーザがターンを進行させるのに要した時間を計測してもよい。例えば、端末装置10Bは、操作受付部130に、ターン中に所定枚数しか使用できないカードを使用したことをユーザから受け付けるボタン(例えば、ターン中に使用できる枚数の上限がある補助カードを使用したことをユーザから受け付ける)を表示する。また、例えば、端末装置10Bは、行動力カードをキャラクタカードに関連付けたことをユーザから受け付けるボタンを操作受付部130に表示する。これにより、各ユーザがターンを進行させることを支援することができる。例えば、ターン中に既に行動力カードをキャラクタカードに所定枚数まで関連付けており、これ以上は当該ターン中で行動力カードを関連付けられないことを各ユーザに通知することができる。
【0142】
各ユーザが行う行動については、それぞれ固有の行動IDが設定されている。項目「対戦進行履歴」は、これらの情報を含んでいるため、各ユーザが自身のデッキを用いてどのように対戦を進行させたかを、項目「対戦進行履歴」の情報に基づいて再現することができる。
【0143】
項目「ルール不適合履歴」は、端末装置10Aがユーザの対戦中にルールに適合しない行為があったことを判別した履歴を示す。
【0144】
<3 動作>
以下、ユーザが行うTCGの対戦を、端末装置10A、端末装置10Bが支援する処理を説明する。
【0145】
図7は、ユーザ同士の対戦を端末で解析し、解析結果に応じてTCGの対戦の進行を支援するための通知を行う処理を示すフローチャートである。以下の例では、対戦会などで各ユーザが対戦場所の通知を受けながら対戦を繰り返していく局面を説明する。
【0146】
ステップS651において、サーバ20は、対戦でマッチングさせるユーザを決定すると、各ユーザの端末に、対戦相手の情報と、対戦を行う会場(卓の情報)とを送信する。
【0147】
ステップS601Aにおいて、第1のユーザ(ユーザ5A)が操作する端末装置10Aは、ディスプレイ132に、対戦相手の情報と、対戦を行う会場の情報とを表示する。
【0148】
ステップS601Bにおいて、第2のユーザ(ユーザ5B)が操作する端末装置10Bは、ディスプレイ132に、対戦相手の情報と、対戦を行う会場の情報とを表示する。
【0149】
ステップS603Aにおいて、ユーザ5Aが端末装置10Aの撮影機能により、TCG用品30の二次元コード36を読み取る。二次元コード36は、対戦を行う卓を識別する情報を含み、例えばURLである。端末装置10Aは、二次元コード36の読み取り結果に基づいて、サーバ20に、対戦を行う卓を識別する情報を送信する。
【0150】
ステップS603Bにおいて、ユーザ5Bが端末装置10Bの撮影機能により、TCG用品30の二次元コード36を読み取る。端末装置10Bは、二次元コード36の読み取り結果に基づいて、サーバ20に、対戦を行う卓を識別する情報を送信する。
【0151】
なお、ユーザが端末装置10の撮影機能により二次元コード36を読み取った場合に、端末装置10は、当該ユーザが対戦を行うべき卓と、二次元コード36の読み取り結果に示される卓とを比較することで、ユーザが対戦を行う卓にいるか否かを検出する。すなわち、端末装置10は、ユーザが、対戦を行うべき卓とは異なる卓で対戦を行おうとしていることを検出する。端末装置10は、ユーザが対戦を行うべき卓と、二次元コード36の読み取り結果に示される卓とが一致しない場合に、エラーを通知するとともに、ユーザに対し、対戦を行うべき卓の位置の案内を通知する。このような案内としては、例えば、二次元コード36に示される卓の位置から、対戦を行うべき卓の位置までの経路を端末装置10に表示すること、または、対戦を行うべき卓の位置の周囲にある目印となるものを端末装置10に表示すること等が含まれる。例えば、端末装置10は、対戦会場の入り口や対戦会場の設置物等の目印と、これら目印に対する卓の位置の情報を表示する(「対戦を行う卓は、入り口から2つめの席です」といった表示をする)。
【0152】
ステップS653において、サーバ20は、対戦を行うユーザの端末それぞれから、二次元コード36の読み取り結果に基づいて信号を受信することにより、マッチングを行ったユーザが対戦を開始したものとして受け付ける。サーバ20は、ユーザが対戦を開始したことを受け付けたことを、端末装置10A、端末装置10Bに送信する。サーバ20は、各ユーザが登録しているデッキの情報を、端末装置10Aと端末装置10Bに送信する。各ユーザの端末は、対戦を行うユーザのデッキの情報を受信する。
【0153】
ステップS605AおよびステップS605Bにおいて、端末装置10Aと端末装置10Bとは、互いに通信接続を確立する。例えば、Bluetooth(登録商標)、WiFi等の近距離無線通信により、通信接続を確立する。
【0154】
ステップS607Bにおいて、端末装置10Bは、ユーザ5Bに、TCG用品30の盤面上に端末装置10Bを配置するよう通知する(図1の状態(A))。図1の状態(B)に示すように、端末装置10Bは、対戦の進行状況をユーザに通知しつつ、ターン進行ボタン132Bを表示して各ユーザがターンを進行させる操作を受け付ける。よって、図1の状態(A)の配置例に限らず、端末装置10Bは、例えば、ユーザ5Aとユーザ5Bとがともに情報の通知を受けられる位置に配置することとしてもよい。
【0155】
ステップS607Aにおいて、端末装置10Aは、TCG用品30に対して端末装置10Aを配置する個所を、画像または音声によりユーザ5Aに通知する。端末装置10Aは、カメラ160の撮影画像に基づいて、端末装置10Aが、TCG用品30においてユーザがカードを配置する範囲の全てを撮影可能な位置に配置されているか否かを判定し、端末装置10Aが適切な箇所に配置されるまで、ユーザ5Aに通知をする。また、端末装置10Aが撮影する範囲内に端末装置10Bを配置する場合、端末装置10Aは、撮影画像に基づいて、端末装置10Bが適切に配置されていることを検出し、端末装置10Bを検出しない場合に、端末装置10Bを適切な位置に配置するようユーザに通知する。端末装置10Aは、端末装置10A、端末装置10Bが適切な位置に配置されたことを検出すると、ユーザに対し、TCGの対戦が開始できることを音声でユーザに通知する。または、端末装置10Aは、TCGの対戦が開始できることを示す信号を端末装置10Bに送信し、端末装置10Bに、TCGの対戦が開始できることをユーザに通知させる。
【0156】
ステップS609Aにおいて、端末装置10Aは、ユーザがTCGの対戦を進行させている間、カメラ160の撮影画像に基づいて、対戦の進行状況を特定する。具体的には、端末装置10Aは、カメラ160がTCG用品30を撮影する撮影画像を解析することにより、キャラクタカードの戦闘内容、補助カードの効果発動等を特定する。端末装置10Aは、ユーザの音声を解析することにより、これら対戦中にユーザが行った行為を特定する。端末装置10Aは、撮影画像と音声の双方に基づいて、対戦中にユーザが行った行為を特定する。端末装置10Aは、このようにして特定された結果に基づいて、対戦の進行状況(例えば、キャラクタカードのキャラクタの体力値が変動した、補助カードの効果が発動された等)を判別し、判別した結果を、端末装置10Bへ送信する。また、端末装置10Aは、撮影画像を解析することにより、ユーザが対戦のルールに適合しない行為を行ったことを特定し、当該行為が行われたことを端末装置10Bへ送信する。なお、対戦の進行状況の特定や、ユーザが対戦のルールに適合しない行為を行ったことは、撮影画像を解析することに加えて、または、撮影画像の解析の代わりに、ユーザの音声を解析することや、端末装置10Bへの入力操作を受け付けること等によって特定してもよい。
【0157】
ステップS609Bにおいて、端末装置10Bは、端末装置10Aから、対戦の進行状況の判別結果を受信して、対戦の進行状況をユーザに通知する。端末装置10Bは、対戦が進行している間、ターンをユーザが進行させるための入力操作を受け付ける(例えば、図1の状態(B)のように通知する)。端末装置10Bは、ルールに適合しない行為が行われたことを端末装置10Aから受信した場合に、画像または音声によりユーザに通知する。端末装置10Bは、サーバ20にユーザ情報データベース281として保持される、ユーザの言語設定に応じて、ユーザに情報を通知する際の言語を決定する。端末装置10Bは、例えば、ターンで行動を行っているユーザの言語設定に応じて通知する。例えば、ターンが到来したユーザに対し、「あなたのターンです」といった音声を、ターンが到来したユーザの言語で通知する。または、端末装置10Bは、対戦に参加しているユーザの言語それぞれにより、対戦の進行状況をユーザに画像または音声により通知する。例えば、端末装置10BをTCG用品30に載置する場合、端末装置10Bのディスプレイ132において、ユーザ5Aから視認しやすい領域には、ユーザ5Aから視認しやすい向きでユーザ5Aの言語設定で情報を表示し、ユーザ5Bから視認しやすい領域には、ユーザ5Aから視認しやすい向き(ユーザ5Aの言語設定での情報とは異なる向き)でユーザ5Bの言語設定で情報を表示する。このように、端末装置10Aが撮影画像を解析することにより、TCG用品30における端末装置10Bの向きを特定し、端末装置10Bが、ディスプレイ132にそれぞれの言語で情報を表示する。端末装置10Bは、ユーザがターンを開始してから一定時間内にターンを進行させる操作を行わない場合に、ターンを進行させ、当該ユーザのターンを終了させる通知を行う。端末装置10Bは、ターン進行ボタン132Bへの入力操作に応答して、ユーザがターンを進行させたことをサーバ20、端末装置10Aへ送信する。これにより、端末装置10Aは、ユーザのターンが進行したことを検知することができる。
【0158】
図8は、端末装置10Bが、対戦中にルールに適合しない行為が行われたことをユーザに通知する局面を示す図である。端末装置10Bは、操作受付部130において、ルールに適合しない行為が行われたこと、および、その内容を示す情報を、エラー検出表示部132Eに表示する。端末装置10Bは、対戦会などで審判を行なう審判員(ジャッジ)を呼び出すための操作を受け付けるジャッジ呼出部132Fと、端末装置10Aの撮影画像をリプレイとして表示するための操作を受け付けるリプレイ再生部132Gとを操作受付部130に表示する。
【0159】
端末装置10Bは、ジャッジ呼出部132Fへのユーザの入力操作に応答して、サーバ20に信号を送信する。これにより、対戦会の運営者は、どの卓でルールに適合しない行為が行われたかを知ることができ、当該卓へ審判員を派遣することができる。
【0160】
端末装置10Bは、リプレイ再生部132Gへのユーザの入力操作に応じて、端末装置10Aまたはサーバ20へ信号を送信する。これにより、端末装置10Aが撮影し記録している動画を、端末装置10B、または、対戦会の運営者の端末等で表示することができる。
【0161】
図7の説明に戻ると、ステップS611Aにおいて、端末装置10Aは、対戦の終了条件を満たしたと判定すると、対戦中に判別した各ユーザの行動の履歴をサーバ20へ送信する。
【0162】
ステップS655において、サーバ20は、端末装置10から、対戦を進行させた履歴、および、ルールに適合しない行為が行われた履歴を受信して、対戦履歴データベース283に保持する。
【0163】
ステップS657において、サーバ20は、各ユーザが次に対戦する対戦相手のマッチングを行い、対戦相手の情報、対戦場所の情報を端末装置10A、端末装置10Bへ送信する。
【0164】
ステップS613Aにおいて、端末装置10Aは、ディスプレイ132に、対戦相手の情報と、対戦を行う会場の情報とを表示する。
【0165】
ステップS613Bにおいて、端末装置10Bは、ディスプレイ132に、対戦相手の情報と、対戦を行う会場の情報とを表示する(図2の状態(C))。
【0166】
<4 配置例>
図9は、TCGの対戦の進行を支援するために、TCG用品30に対して端末装置10を配置する他の配置例を示す図である。
【0167】
図9の例(A)では、対戦を行うユーザの両サイドに、TCG用品30を撮影するよう端末装置10Aと端末装置10Bを配置している。2台の端末でTCG用品30を撮影し、画像解析を行うことにより、対戦の進行状況を判別する精度をよりいっそう向上させることができる。
【0168】
例(B)では、対戦を行うユーザの手元に、それぞれの端末を配置している。ユーザの音声入力に基づいて対戦の進行状況を判別する場合に、話者に近い位置に端末を配置することにより、判別の精度をよりいっそう向上させることができる。
【0169】
例(C)では、3台の端末を配置している。ここで、端末装置10Aはユーザ5Aの端末であり、端末装置10Bはユーザ5Bの端末である。この他に、対戦会の運営者などの第三者が端末装置10Cを用意し、TCG用品30に載置する。端末装置10Cは、上記の図7の説明における端末装置10Bと同様の処理を行うことで、TCGの対戦の進行を支援することができる。また、端末装置10Cは、図1図2で説明した二次元コード36に代えて、卓を識別する情報(例えば、二次元コード)をディスプレイに表示することとしてもよい。各ユーザは、対戦場所が割り当てられた状態で、端末装置10Aと端末装置10Bで端末装置10Cに表示される情報を読み取ることで、対戦会などでの対戦を開始することができることとしてもよい。すなわち、対戦で組み合わせられた正しいユーザである場合に、その卓での対戦を開始することができる。このように、端末装置10Aと端末装置10Bとが、端末装置10Cに表示される二次元コードを読み取ることでTCGの対戦の開始をサーバ20で受け付けると(図7のステップS653)、サーバ20から端末装置10Cに対して、対戦が開始したことを通知する。以降、端末装置10Cは、図7で説明した端末装置10Bの役割を発揮して、TCGの対戦の進行を支援する情報を表示する(ステップS609Bと同様)。また、各ユーザの端末を用いて、2台でTCG用品30をセンシングし、各端末が、対戦の進行状況を判別してサーバ20へ送信することとしてもよい。これにより、対戦履歴データベース283に記録される対戦進行履歴の保持内容の整合性を高め、TCG対戦における不正を抑止する。
【0170】
<5 サーバ20によるマッチングを介さない場合>
図7の説明では、対戦会などでサーバ20が対戦相手をマッチングする例を説明したが、これに限らない。
【0171】
図10は、各ユーザが端末を用いてTCGの対戦を進行させる処理を示す図である。
【0172】
まず、対戦の開始にあたり、各ユーザが互いの端末に表示される情報を読み取ることにより、対戦相手となるユーザを端末が識別するものとする。
【0173】
ステップS901Aにおいて、端末装置10Aは、端末装置10Aのユーザを識別するための情報(例えば、ユーザID)を、端末装置10Bが読み取り可能な態様(例えば、二次元コード)で表示する。
【0174】
ステップS901Bにおいて、端末装置10Bは、端末装置10Aに表示されるコードを読み取ることにより、対戦相手のユーザ(ユーザ5A)の情報を取得する。
【0175】
ステップS903Bにおいて、端末装置10Bは、端末装置10Bのユーザを識別するための情報を、端末装置10Aが読み取り可能な態様で表示する。
【0176】
ステップS903Aにおいて、端末装置10Aは、端末装置10Bに表示されるコードを読み取ることにより、対戦相手のユーザ(ユーザ5B)の情報を取得する。
【0177】
端末装置10Aと端末装置10Bは、それぞれが読み取った対戦相手の情報を、サーバ20へ送信する。
【0178】
ステップS653Aにおいて、サーバ20は、対戦を開始するユーザの情報を各端末から受信することにより、ユーザが対戦を開始したことを受け付ける。
【0179】
以降の処理は、図7で説明したものと同様であるため説明を繰り返さない。
【0180】
<6 変形例>
(1) 以上の実施形態の説明では、端末装置10Aが、対戦が終了したことを判定しているものとしているが、これに限らず、以下のようにしてもよい。例えば、端末装置10Aでは、対戦が終了したことを判定せず、対戦が終了したかどうかをユーザが判断し、ユーザが端末装置10Bに対戦を終了させる入力操作を行う等によりTCGの対戦を終了させることとしてもよい。これにより、ユーザ間で、対面でTCGの対戦を行いつつ、対戦の終了の際にコミュニケーションを促すことができる。
【0181】
(2) 図9で説明したような端末の配置例について、対戦ごとに個別に配置のパターンを指定してもよいし、対戦会などにおいては運営者が事前に設定しておいてもよい。
【0182】
(3) 以上の実施形態では、キャラクタカード同士の対戦において、バトルカード配置部34に配置するカードの向きにかかわらず、攻撃等により体力値などのパラメータを変動させることとしている。これに限らず、カードが配置された向きを考慮し、カードが配置された向きを端末装置10Aが検出することにより、TCGの対戦の進行に影響を与える(例えば、ダメージ量が異なる等)こととしてもよい。
【0183】
(4) 以上の実施形態の説明では、第1のユーザ(ユーザ5A)の端末装置10AによりTCG用品30を撮影し、第2のユーザ(ユーザ5B)の端末装置10BをTCG用品30に載置してTCGの対戦の進行を支援する情報を表示することとしている。ここで、各ユーザが使用する端末装置の性能は様々であり、カメラの性能、プロセッサの処理能力、ディスプレイの解像度等が異なり得る。よって、例えばサーバ20等が、各ユーザの端末の性能に関する情報を比較することにより、いずれの端末をTCG用品30の撮影に使用するか(上記の端末装置10Aの役割にするか)を決定することとしてもよい。例えば、TCG用品30等のセンシングの精度が一定以上である端末装置を、撮影に用いる端末装置としてもよい。具体的には、カメラの撮影画像に基づいてTCGの対戦における各ユーザの行動の内容等を判別することとしているため、一定以上の画素数を有するカメラを搭載し、かつ、プロセッサによる処理能力が高い端末装置(すなわち、各ユーザの行動内容の判別に要する時間が短い端末装置)を、撮影用の端末装置としてもよい。この他に、TCGの対戦中、端末装置が、各ユーザの行動内容を判別するためにセンシングを継続することとなるため、電池残量が十分にある端末装置をセンシングに用いることとしてもよい。
【0184】
(5) 以上の実施形態では、ルールに適合しない行為が行われた場合に、リプレイを端末装置10で表示することとして説明した。この他に、対戦会の審判員(ジャッジ)が操作する端末装置では、端末装置10A等で撮影された画像を、随時、審判員の入力操作に応答すること等により表示することとしてもよい。これにより、審判員は、各ユーザの対戦の進行状況を把握することがよりいっそう容易になる。
【0185】
(6) TCGの対戦において、カード以外の物品を使用してパラメータを変動させる場合に、端末装置10Aが、センシング結果に基づいて当該物品を検出することとしてもよい。端末装置10は、これら物品の検出結果に基づいて、各種パラメータを変動させて、その結果をユーザに通知する。例えば、キャラクタカードに体力値のパラメータが設定されており、バトルにより体力値が減少する、または回復等により体力値が増加する場合に、これら減少している値を示す物品を、キャラクタカードに関連付けて配置するものとする。例えば、キャラクタカードがダメージを受けている場合に、ダメージ量の分だけ、数字が印字された物品を、カードに重ねて配置するものとする。この場合、端末装置10Aは、当該物品を検出することで、体力値のパラメータの変動を認識することができる。なお、上記のように、ユーザがキャラクタカードを用いてバトルを行った場合に、各キャラクタカードのパラメータに基づいて、体力値などのパラメータを端末装置10A等で変動させて管理しているが、当該管理しているパラメータと、上記の物品に示されるダメージ量とが異なる場合に、端末装置10Bが、ユーザにその旨を通知することとしてもよい。
【0186】
(7) 上記の実施形態の説明では、端末装置10Aのセンシング結果に基づいて、TCG用品30に配置されているカードやユーザの手札のカードがいずれであるかを特定している。この他に、センシング結果(端末装置10Aが判別したカードの種類)を端末装置10Bで表示して、ユーザに対し、正しいセンシング結果であるか確認する操作を促すこととしてもよい。例えば、カードごとに、カードの種類を特定できる精度が異なる場合(特定のカードについては端末装置10A等で判別し難い場合があり得る)、精度が一定以下のカードについては、ユーザから、いずれのカードであるか入力を端末装置10B等で受け付けることとしてもよい。
【0187】
<7 第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態について説明する。第1の実施の形態と同様の構成については説明を繰り返さない。
【0188】
第2の実施の形態では、サーバ20は、ユーザから、対戦会での対戦において、予め、複数のデッキの登録を受け付ける。サーバ20は、対戦会での対戦において、各ユーザをマッチングさせると、各ユーザの端末装置10に対し、対戦相手となるユーザのデッキの情報(デッキを構成するカードの一部の情報)を表示させる。各ユーザの端末装置10は、ユーザから、複数登録しているデッキのうち、対戦で使用するデッキの指定を受け付ける。
【0189】
これにより、デッキを構成するカードの相性なども考慮して、対戦に使用するデッキをユーザが指定することができるため、TCG対戦の興趣性をよりいっそう向上させることができる。
【0190】
<7.1 第2の実施の形態におけるデータ構造>
第2の実施の形態において、サーバ20は、記憶部202において、カード情報286と、対戦会データベース287と、対戦会エントリー情報288と、マッチング履歴データベース282Cと、対戦履歴データベース283Cとを記憶する。
【0191】
図11は、カード情報286と、対戦会データベース287のデータ構造を示す図である。カード情報286は、TCGの対戦で使用されるカードの情報を保持するためのデータベースである。対戦会データベース287は、TCGの対戦会それぞれの運営にかかわる情報を保持するためのデータベースである。
【0192】
図11に示すように、カード情報286のレコードのそれぞれは、項目「カードID」と、項目「カード名称」と、項目「カード種類」と、項目「カード属性」と、項目「パラメータ」と、項目「レギュレーション」等を含む。
【0193】
項目「カードID」は、TCGで対戦に使用されるカードそれぞれを識別するための情報である。
【0194】
項目「カード名称」は、カードの名称を示す。例えば、カードの名称として、カードに記載されるキャラクタの名称、補助カードの名称などがある。
【0195】
項目「カード種類」は、別の実施の形態で既に説明したように、カードの種類を示す。カードの種類として、キャラクタカード(無条件カード、条件付きカード)、行動力カード、補助カード(ユーザがターン中に何枚でも使用できる第1のカード種と、ターン中に1枚だけ使用できる第2のカード種とを含む)等がある。
【0196】
項目「カード属性」は、カードに設定される属性を示す。ここで、カードに設定される属性としては、複数の種類が予め用意されており、それぞれの種類ごとの相性が設定されているものとする。例えば、第1の種類(例えば、種類「森」)。第2の種類(例えば、種類「火」)、第3の種類(例えば、種類「水」)などの種類があり、これら種類間で有利不利の傾向が設定される。例えば、第1の種類は第2の種類に対し有利になるようカードのパラメータが補正される等であり、これら複数の種類間で三すくみのような相性が設定される。なお、カードに設定される属性の種類は3種類に限らず、属性が設定されない「無」属性もあり得る。
【0197】
項目「パラメータ」は、カードに設定される体力、攻撃力などのキャラクタのパラメータ、効果の量などを規定したパラメータ等である。
【0198】
項目「レギュレーション」は、カードごとに設定されており、対戦会の種類ごとに対戦での使用可否を規定した情報である。例えば、TCGで使用されるカードのシリーズごとにレギュレーションが設定されることがある。対戦会によっては、レギュレーション(つまり、対戦会で使用できるカードの種類の範囲)が規定されることがある。
【0199】
対戦会データベース287のレコードのそれぞれは、項目「対戦会ID」と、項目「対戦会名称」と、項目「対戦会開催日時」と、項目「デッキ登録受付期間」と、項目「対戦会場」と、項目「デッキのレギュレーション」と、項目「大会参加資格」等を含む。
【0200】
項目「対戦会ID」は、対戦会それぞれを識別するための情報である。
【0201】
項目「対戦会名称」は、対戦会の名称を示す。
【0202】
項目「対戦会開催日時」は、対戦会が開催される期間を示す。1日で終了する対戦会もあれば、複数日にわたって開催される対戦会もあり得る。
【0203】
項目「デッキ登録受付期間」は、対戦会で各ユーザが使用するデッキについて、対戦会に参加するにあたり事前に登録を受け付けるための期間である。例えば、対戦会の開催日時よりも前にデッキの登録を受け付ける期間を締め切る場合もあれば、対戦会当日にエントリーする(対戦会に参加するユーザとして登録するための手続きをとる)段階でデッキの登録を受け付ける(対戦会でのTCGの対戦が開始するより前)こともあり得る。サーバ20は、デッキ登録受付期間を経過した以降、または、対戦会の対戦の開始以降において、ユーザの操作にかかわらず、当該対戦会で使用するものとしてユーザから受け付けた複数のデッキの情報をユーザに変更させない。つまり、対戦会において対戦が始まっている期間において、ユーザは、対戦会に登録した複数のデッキを変更することができない(デッキを構成するカードの組み合わせを変更することができない)こととする。また、サーバ20は、ユーザが対戦会で使用する複数のデッキの情報について、当該ユーザの対戦相手を含む他のユーザの操作にかかわらず、当該ユーザの複数のデッキの情報を変更させない。
【0204】
項目「対戦会場」は、対戦会が行われる場所を示す。
【0205】
項目「デッキのレギュレーション」は、対戦会で使用可能なカードの範囲を規定する場合の、カードのレギュレーションを示す。すなわち、レギュレーションとして指定された範囲のカードを用いて、各ユーザがデッキを編成することとなる。
【0206】
項目「大会参加資格」は、対戦会に参加するための条件がある場合の、当該条件を示す。
【0207】
図12は、対戦会エントリー情報288と、マッチング履歴データベース282Cと、対戦履歴データベース283Cのデータ構造を示す図である。対戦会エントリー情報288は、対戦会に参加者として登録している各ユーザのデッキの情報を管理するためのデータベースである。マッチング履歴データベース282Cは、サーバ20がユーザ間の対戦のマッチングを行った履歴を示すデータベースであり、各ユーザが対戦で使用したデッキの情報を含む。対戦履歴データベース283Cは、TCGの対戦内容の履歴を保持するためのデータベースである。
【0208】
図12に示すように、対戦会エントリー情報288のレコードのそれぞれは、対戦会それぞれの識別情報と関連付けて、項目「ユーザID」と、項目「第1の登録デッキ」と、項目「第2の登録デッキ」と、項目「第3の登録デッキ」等を含む。ユーザが対戦会にエントリーするにあたり、対戦会で登録できるデッキの数よりも、少ない数のデッキでエントリーできることとしてもよい。図示する例では、ユーザ「#USER_01」は3つのデッキを登録している一方、ユーザ「#USER_02」は、ユーザ自身が編成した1つのデッキを登録している。対戦会へのエントリーにあたり、ユーザ自身が編成したデッキの他に、ダミーとなるデッキ(ダミーデッキ)を登録することができることとしてもよい。つまり、ユーザが所有していないカードであっても、ダミーデッキとして登録できるようにしてもよい。よって、ダミーデッキは、ユーザが所有していないカードが関連付けられていることがあり得るために対戦に使用できないデッキ(制限デッキ)とも言える。一方、ユーザが所有しているカードにより編成したデッキは、対戦会で登録し、対戦において使用できるデッキ(非制限デッキ)であると言える。
【0209】
サーバ20は、ユーザからダミーデッキの登録を受け付けるか、ユーザが登録するデッキが所定数よりも少ない場合(例えば、1つのデッキを登録する場合)、ユーザの操作によらず自動的にダミーデッキを登録することとしてもよいし、ダミーデッキの候補を自動的に生成してユーザに提示し、ユーザからダミーデッキの選択を受け付けることとしてもよい。つまり、サーバ20は、ダミーデッキの情報を、ユーザの操作(ユーザがデッキを編成するためにカードを選択する操作)によらず生成することとしてもよい。
【0210】
項目「ユーザID」は、対戦会に参加するユーザそれぞれを識別するための情報である。
【0211】
項目「第1の登録デッキ」は、ユーザが登録した複数のデッキのうちの第1のデッキを構成する各カードの情報を示す。
【0212】
項目「第2の登録デッキ」は、ユーザが登録した複数のデッキのうちの第2のデッキを構成する各カードの情報を示す。
【0213】
項目「第3の登録デッキ」は、ユーザが登録した複数のデッキのうちの第3のデッキを構成する各カードの情報を示す。
【0214】
マッチング履歴データベース282Cのレコードのそれぞれは、項目「マッチングID」と、項目「マッチング日時」と、項目「対象ユーザ」と、項目「テーブル番号」と、項目「使用デッキ」等を含む。
【0215】
項目「マッチングID」は、サーバ20が行ったマッチングそれぞれを識別するための情報である。
【0216】
項目「マッチング日時」は、サーバ20がマッチングを行ったタイミング(日時)を示す。
【0217】
項目「対象ユーザ」は、マッチングされたユーザの情報を含む。
【0218】
項目「テーブル番号」は、対戦会の会場に、対戦を行うための卓(テーブル)が配置される場合に、各ユーザが対戦を行った卓を識別する情報である。
【0219】
項目「使用デッキ」は、ユーザ間で対戦する際、各ユーザが複数のデッキのうち対戦に使用するために指定したデッキを示す。
【0220】
対戦履歴データベース283Cのレコードのそれぞれは、項目「対戦ID」と、項目「対戦日時」と、項目「対象ユーザ」と、項目「マッチングID」と、項目「対戦進行履歴」と、項目「ルール不適合履歴」等を含む。
【0221】
項目「対戦ID」は、ユーザが対戦を行ったそれぞれを識別するための情報である。
【0222】
項目「対戦日時」は、ユーザ同士の対戦が行われたタイミングを示す。
【0223】
項目「対象ユーザ」は、対戦を行ったユーザそれぞれを識別する情報である。
【0224】
項目「マッチングID」は、サーバ20がマッチングを行い、このマッチングに基づいてユーザ同士の対戦が行われた場合のマッチングIDを示す。
【0225】
項目「対戦進行履歴」は、端末装置10がTCG用品をセンシングすることにより解析される各ユーザの行動の手順を含む。
【0226】
項目「ルール不適合履歴」は、端末装置10Aがユーザの対戦中にルールに適合しない行為があったことを判別した履歴を示す。
【0227】
<7.2 第2の実施の形態における動作>
次に第2の実施の形態における各装置の動作について説明する。図13は実施の形態2における各装置の動作を示す図である。図13の説明において、ステップS601A、ステップS601Bの処理は、図7と同様であるため説明を繰り返さない。
【0228】
ステップS651Aにおいて、サーバ20は、対戦するユーザをマッチングし、マッチングさせた各ユーザの端末(端末装置10A、10B)に、対戦場所の情報を通知する。サーバ20は、各ユーザの端末に、対戦相手のデッキの情報(対戦会エントリー情報288に保持される、各ユーザが登録する複数のデッキの情報)を送信する。サーバ20は、対戦相手のユーザが登録する複数のデッキの情報を全て各ユーザの端末に送信することとしてもよいし、登録する複数のデッキの情報の一部を各ユーザの端末に送信することとしてもよい。サーバ20は、ユーザの情報と関連付けてダミーデッキが登録されている場合、当該ユーザの複数のデッキの情報として、ダミーデッキを含む情報を、当該ユーザの対戦相手となるユーザの端末に送信する。または、サーバ20は、ユーザ同士をマッチングさせることにより、ダミーデッキを生成することとしてもよい。すなわち、第1のユーザが、第1のユーザ自身が編成した複数のデッキを登録していない場合(例えば、1つのデッキを登録している場合)、サーバ20は、対戦を行うユーザ同士をマッチングすることにより、第1のユーザの対戦相手となる第2のユーザに送信するダミーデッキを生成して、生成したダミーデッキの情報と、第1のユーザ自身が編成したデッキの情報とを、当該第2のユーザの端末に送信することとしてもよい。
【0229】
ステップS1303Aにおいて、端末装置10Aは、マッチングされた対戦相手のデッキの少なくとも一部の情報をサーバ20から取得し、取得したデッキの一部の情報を表示する。端末装置10Aは、ユーザが対戦で使用するデッキの指定を受け付ける。なお、ユーザと対戦する対戦相手のデッキの情報にダミーデッキの情報が含まれていたとしても、どのデッキの情報がダミーデッキのものであるか、ユーザには判別し難いものとなる。つまり、端末装置10において、対戦相手が所有しているカードにより編成され、対戦会に登録されているデッキ(非制限デッキ)と、ダミーデッキ(制限デッキ)とを区別なくユーザに提示する。一方、対戦相手のユーザは、1つのデッキを編成しておくことで、複数のデッキを編成しなくとも対戦会に参加することができ、対戦会に参加することが容易になる。
【0230】
ステップS1303Bにおいて、端末装置10Bは、マッチングされた対戦相手のデッキの少なくとも一部の情報をサーバ20から取得し、取得したデッキの一部の情報を表示する。端末装置10Bは、ユーザが対戦で使用するデッキの指定を受け付ける。ここで、ユーザが、複数ではなく1つのデッキを編成している場合には、ユーザが対戦で使用するデッキの指定を受け付けることなく当該1つのデッキを使用するものとして、ユーザの端末装置10が処理を行うこととしてもよい。また、ユーザの端末装置10において、対戦相手のユーザの端末装置10に表示させているダミーデッキの情報を表示してもよい。つまり、対戦相手に提示されるダミーデッキの情報をユーザが確認できることとしてもよい。端末装置10は、対戦相手に提示されるダミーデッキの情報を表示する場合に、当該ダミーデッキを、対戦で使用するデッキとして指定できないよう処理してもよい(例えば、ダミーデッキを指定するためのボタン等を非表示にする、ダミーデッキを指定する操作を行った際にエラーを通知する、等)。
【0231】
端末装置10Aと端末装置10Bとは、それぞれ、ステップS1303A、S1303Bにおいて、一定時間内に、対戦で使用するデッキの指定を各ユーザから受け付けており、ユーザからデッキの指定がない場合、各ユーザが登録する複数のデッキのいずれかを対戦で使用するものとしてユーザの指定によらず特定してもよい。端末装置10A、10Bは、それぞれのユーザが対戦で使用するとして指定したデッキの情報をサーバ20へ送信する。
【0232】
ステップS1353において、サーバ20は、マーチングした各ユーザが指定したデッキの情報をもとにデータベース(マッチング履歴データベース282Cの項目「使用デッキ」)を更新する。サーバ20は、ユーザ同士の対戦の開始を受け付ける。サーバ20は、各ユーザのデッキの登録内容を、各ユーザの端末装置へ送信する。つまり、サーバ20は、各ユーザが登録する複数のデッキの情報のうち、少なくとも、各ユーザがステップS1303AまたはステップS1303Bにおいて指定したデッキの情報を、マッチングされた各ユーザの端末装置へ送信する。これにより、各端末装置は、対戦相手のユーザのデッキの情報を保持することができる。
【0233】
以上のように、サーバ20は、TCGの対戦を行う各ユーザをマッチングさせる処理を行い、対戦するユーザ同士のマッチングが完了したことに応答して、各ユーザに対戦相手のデッキの情報をユーザに提示させる。サーバ20は、端末装置10において、マッチングが完了するまでは、各ユーザのデッキの情報を各ユーザに提示しないこととする。つまり、各ユーザは、マッチングにより対戦相手が決定することにより、当該対戦相手の複数のデッキの情報の一部の提示を受ける。これにより、マッチングする前に事前に各ユーザのデッキの情報を知ったうえで対策を練ることが難しくなるため、各ユーザが対戦をするうえで公平性を高めることができる。つまり、事前に対策を練ったユーザが有利になるといった事態を抑制し得る。
【0234】
<7.3 第2の実施の形態における画面例>
図14は、第2の実施の形態における端末装置10の画面例を示す図である。
【0235】
図14(A)に示すように、端末装置10は、マッチングされた対戦相手の情報をディスプレイ132に表示する。端末装置10は、ディスプレイ132において、対戦相手となるユーザの情報と、対戦場所の情報と、対戦会が終了するまでの残りの時間の情報等を表示する。
【0236】
端末装置10は、情報表示部132P2において、対戦相手が対戦会に登録する複数のデッキの情報の一部を表示する。
【0237】
ここで、端末装置10が、複数のデッキの情報の一部を表示することには、デッキを構成する各カードの情報(カード情報286に示す各項目の情報)を表示することが含まれる。具体的には、端末装置10は、対戦相手のデッキに含まれるカードの種類(カード情報286の項目「カード種類」)に関する情報(またはカードの名称に関する情報)を表示することとしてもよい。これにより、例えば、対戦相手が主力とするキャラクタカードの情報を知ったうえで、当該キャラクタカードの対策をしたデッキを選択するといった判断材料を提供することができる。
【0238】
端末装置10は、対戦相手のデッキに含まれるカードの属性に関する情報を表示する(例えば、デッキに含まれる各カードの属性のうち最も多い属性の情報を表示する)こととしてもよい。これにより、ユーザに対し、対戦相手のデッキの属性より有利な属性のカードが含まれるデッキを選択しようと、デッキ選択のための判断材料を提供することができる。
【0239】
端末装置10は、情報表示部132P2に表示される情報が、対戦相手のデッキの情報の一部であることをユーザに認識させる表示をしてもよい。
【0240】
端末装置10は、指定受付部132P3において、ユーザが対戦で使用するデッキの指定を受け付ける。指定受付部132P3において、ユーザが対戦会で登録している各デッキを示す情報(第1のデッキ132P4、第2のデッキ132P5、第3のデッキ132P6)を表示して、ユーザの指定を受け付ける。
【0241】
サーバ20は、マッチングされた各ユーザに対し対戦相手の複数のデッキの情報の一部を表示することとして、対戦相手のユーザに対して提示するカードの範囲について、対戦会の運営者から指定を受け付けることとしてもよい。例えば、対戦会の運営者は、予め、サーバ20に、マッチングされた各ユーザに対し、登録している複数のデッキを構成するカードの種類に関する情報を表示させると指定してもよい。これにより、対戦会に参加するユーザのデッキ構成に応じて、または、対戦会に参加するユーザの力量に応じて、デッキの情報を対戦相手に提示する範囲を設定することができる。また、端末装置10において、マッチングされたユーザが、対戦相手の複数のデッキのうち情報の提示を受ける範囲を指定できることとしてもよい。これにより、ユーザ間で合意した提示の範囲により、対戦を開始する前のデッキの選択の駆け引きをすることができる。
【0242】
図14(B)は、対戦相手の複数のデッキについて、情報の提示を受ける範囲を、対戦を行うユーザが指定する局面を示す。
【0243】
サーバ20は、端末装置10において、情報表示部132Pに、対戦相手のデッキのカードの種類について提示を受けるための操作受付部132P10と、対戦相手のデッキを構成するカードの属性の傾向について提示を受けるための操作受付部132P11とを表示する。
【0244】
端末装置10は、ユーザから、操作受付部132P10または操作受付部132P11を指定する操作を受け付けることにより、対戦相手のデッキの一部の情報を表示する範囲についての指定を受け付ける。端末装置10は、当該指定に応答して、対戦相手のデッキの一部の情報を表示する。
【0245】
図14(C)は、対戦相手のデッキの一部の情報を表示する、他の例を示す。
【0246】
図14(C)に示すように、端末装置10は、指定受付部132P3において、ユーザが複数のデッキのいずれを指定するかの意思決定を支援するための情報を、情報表示部132P7に表示する。端末装置10は、情報表示部132P7において、対戦相手の複数のデッキの情報と、端末装置10のユーザが登録する複数のデッキの情報とに基づいて、デッキ間の勝敗確率を推定し、推定結果に基づいた情報を表示する。例えば、図示するように、対戦相手のユーザのデッキに対し、端末装置10のユーザが登録するデッキ(当該デッキを構成するカードの組み合わせ)で対戦を行った場合の有利不利を示唆する情報を、情報表示部132P7において表示することとしてもよい。このようなデッキ間の勝敗確率の推定は、サーバ20が、対戦履歴データベース283Cを参照することにより、各ユーザが対戦で使用したデッキの情報(マッチング履歴データベース282C、対戦履歴データベース283C)と、当該仕様したデッキの情報に基づいて対戦が行われた結果の情報とに基づいて学習済みモデルを生成することにより行われる。当該学習済みモデルは、対戦する各ユーザのデッキの情報を入力とし、いずれのユーザが勝利する確率(敗北する確率)を出力する。以上のように、サーバ20は、デッキの相性について、デッキに編成されたカードの組み合わせ、または、デッキを用いて対戦が行われた対戦成績の履歴に基づいて判定する。
【0247】
図14(D)は、ユーザが指定したデッキに関わらずユーザがデッキに含まれていないカードを使用した場合のエラーを表示する例を示す。端末装置10は、情報表示部132P8において、指定されたデッキには含まれていないカードが使用されていること(対戦会において対戦が中断し得る事由)を表示する。サーバ20または端末装置10は、マッチングした各ユーザが対戦で使用するとして指定したデッキの情報を参照する。一方、第1の実施の形態で説明したように、TCG用品30に載置されるカードの絵柄などをカメラにより撮影し、画像認識を行うことにより、対戦を進行させる履歴を記録することができる。これにより、サーバ20または端末装置10は、ユーザが指定したデッキには含まれていないカードを使用した場合に、端末装置10においてエラーを表示させる。
【0248】
<7.4 第2の実施の形態における変形例>
以上の第2の実施の形態の説明では、サーバ20がマッチングを行うことに応答して、マッチングされた各ユーザの端末装置10に対し、対戦相手のデッキの一部の情報を表示する処理、ユーザが対戦で使用するデッキを指定する操作を受け付ける処理について説明した。
【0249】
この他に、各ユーザの端末装置10において、マッチングの成否にかかわらず、他のユーザの複数のデッキの情報をユーザに提示することとしてもよい。サーバ20は、各ユーザの複数のデッキの情報を、各ユーザの端末装置10へ送信する。端末装置10は、他のユーザの複数のデッキの情報をユーザに提示し、ユーザから、他のユーザのデッキの情報の指定を受け付ける。つまり、端末装置10は、他のユーザのデッキを指定する操作を、端末装置10のユーザから受け付ける。端末装置10は、当該他のユーザのデッキを指定する操作に応答して、当該他のユーザに対し対戦を申し込む処理を行う。サーバ20は、端末装置10から、他のユーザへの対戦を申し込むための信号を受信して、当該他のユーザの端末装置10に対し、対戦の申し込みがあることを示す信号を送信する。サーバ20は、端末装置10から、他のユーザへ対戦を申し込むための信号を受信することに応答して、各ユーザの対戦場所を決定し、各ユーザの端末装置10へ、対戦場所の情報を送信する。
【0250】
上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものとする。
【0251】
<付記>
以上の実施形態で説明した事項を以下に付記する。
【0252】
(付記1)
TCG(Trading Card Game)の対戦会の運営を支援するための情報処理装置(20)であって、対戦会(287)に関する対戦会情報と、対戦会に参加する各ユーザ(288)の対戦情報(282C、283C)を管理しており、対戦会情報に対応付けて、ユーザが対戦会で使用可能な複数のデッキの情報を登録デッキ情報として記憶するように構成されており(288)、情報処理装置の制御部(203)は、一のユーザと対戦をする対戦相手のユーザを決定するステップと、一のユーザと対戦相手のユーザの勝敗情報の登録前に、対戦相手のユーザの登録デッキ情報に関連する情報を一のユーザに提示するステップと(S651A、S1303A、S1303B)、ユーザに提示するステップによる提示の後に、一のユーザの登録デッキ情報のうち、対戦に使用するデッキの指定を一のユーザから受け付けるステップと(S1301A、S1303B、S1353)、対戦をする各ユーザがデッキの指定をしたことに応答して、管理される対戦情報を更新させるステップと(S1353)、を実行させる、情報処理装置。
【0253】
(付記2)
対戦会情報は、開催期間に関する情報が含まれ(287)、制御部は、ユーザから、登録デッキ情報を、開催期間以前のタイミングにおいて受け付ける(287)ステップと、デッキの情報を記憶することに応答して、記憶部に、当該登録デッキの情報をユーザと関連付けて記憶させる(288)ステップとを実行させ、所定の条件の成立後において、ユーザの操作にかかわらず、登録デッキ情報をユーザに変更させない、(付記1)に記載の情報処理装置。
【0254】
(付記3)
制御部は、一のユーザの登録デッキ情報について、当該一のユーザの対戦相手のユーザを含む他のユーザの操作にかかわらず、当該一のユーザの登録デッキの情報を変更させない、(付記2)に記載の情報処理装置。
【0255】
(付記4)
TCGの対戦において使用されるカードが配置される範囲をセンシングするセンシング機構から、センシングされたデータを取得し(10A)、制御部は、センシングされたデータの解析結果に基づいて、登録デッキ情報として記憶されたデッキに含まれるカードと異なるカードが使用されたことを検出するステップを実行させる、(付記1)から(付記3)のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【0256】
(付記5)
制御部は、対戦するユーザ同士のマッチングが完了したことに応答して、各ユーザに対戦相手のデッキの情報をユーザに提示させ、対戦相手のデッキの情報は、マッチングが完了するまでは各ユーザに提示されない、(付記1)から(付記4)のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【0257】
(付記6)
登録デッキ情報に関連する情報をユーザに提示するステップにおいて、制御部は、複数のデッキそれぞれの一部の情報を提示する、(付記5)に記載の情報処理装置。
【0258】
(付記7)
複数のデッキそれぞれの一部の情報は、複数のデッキそれぞれに編成されたカード内の特定の種類のカードである(286、図14、132P2)、(付記6)に記載の情報処理装置。
【0259】
(付記8)
複数のデッキそれぞれの一部の情報は、対戦会の運営者および/または対戦するユーザによって指定される、(付記6)または(付記7)に記載の情報処理装置。
【0260】
(付記9)
複数のデッキそれぞれの一部の情報は、複数のデッキそれぞれに編成されたカードが示す情報の一部である、(付記6)に記載の情報処理装置。
【0261】
(付記10)
複数のデッキそれぞれの一部の情報は、複数のデッキそれぞれと、他のデッキとの相性の情報である、(付記6)に記載の情報処理装置。
【0262】
(付記11)
制御部は、相性を、デッキに編成されたカードの組み合わせ、または、デッキの過去の対戦成績の履歴に基づいて判定する、(付記10)に記載の情報処理装置。
【0263】
(付記12)
制御部は、他のユーザのデッキの情報を取得して、ユーザに提示するステップと、ユーザが当該提示されたデッキの情報を指定したことに応じて、他のユーザに対戦を申し込むステップと、を実行する、(付記1)から(付記4)のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【0264】
(付記13)
対戦情報を更新させるとは、各ユーザが対戦に使用するための指定したデッキの情報を保持させることを含む、(付記1)に記載の情報処理装置。
【0265】
(付記14)
登録デッキ情報として、対戦に使用できる少なくとも一の非制限デッキの情報と、対戦に使用できない少なくとも一の制限デッキの情報を含み、ユーザに提示するステップにおいて、対戦相手のユーザに対し、非制限デッキと制限デッキとを区別なく提示する、(付記1)に記載の情報処理装置。
【0266】
(付記15)
制限デッキの情報は、ユーザの操作によるカード選択操作なしに生成する、(付記14)に記載の情報処理装置。
【符号の説明】
【0267】
5A,5B ユーザ、10A,10B 端末装置、12 通信IF、13 入出力IF、15 メモリ、16 ストレージ、19 プロセッサ、20 サーバ、22 通信IF、23 入出力IF、25 メモリ、26 ストレージ、29 プロセッサ、30 TCG用品(マット)、31A,31B 山札配置部、32A,32B 準備カード配置部、33A,33B 勝敗条件カード配置部、34A,34B バトルカード配置部、35A,35B 消費カード配置部、80 ネットワーク、81 無線基地局、82 無線LAN基地局、130 操作受付部(タッチスクリーン)、132 ディスプレイ、181 カード情報、182 デッキ情報、281 ユーザ情報データベース、282、282C マッチング履歴データベース、283、283C 対戦履歴データベース、カード情報286、対戦会データベース287、対戦会エントリー情報288。
図1
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